JP5178067B2 - 帯電部材及び電子写真画像形成装置 - Google Patents

帯電部材及び電子写真画像形成装置 Download PDF

Info

Publication number
JP5178067B2
JP5178067B2 JP2007172586A JP2007172586A JP5178067B2 JP 5178067 B2 JP5178067 B2 JP 5178067B2 JP 2007172586 A JP2007172586 A JP 2007172586A JP 2007172586 A JP2007172586 A JP 2007172586A JP 5178067 B2 JP5178067 B2 JP 5178067B2
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
conductive
charging member
calcium carbonate
mass
charging
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Active
Application number
JP2007172586A
Other languages
English (en)
Other versions
JP2009009056A (ja
Inventor
聡 山田
真隆 児玉
宏 井上
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Canon Inc
Original Assignee
Canon Inc
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Canon Inc filed Critical Canon Inc
Priority to JP2007172586A priority Critical patent/JP5178067B2/ja
Publication of JP2009009056A publication Critical patent/JP2009009056A/ja
Application granted granted Critical
Publication of JP5178067B2 publication Critical patent/JP5178067B2/ja
Active legal-status Critical Current
Anticipated expiration legal-status Critical

Links

Images

Landscapes

  • Electrostatic Charge, Transfer And Separation In Electrography (AREA)

Description

本発明は、複写機、ページプリンター、ファクシミリ等の電子写真画像形成装置において使用する帯電部材に関する。また、本発明は、当該帯電部材を用いた電子写真画像形成装置に関する。
電子写真方式を利用した電子写真画像形成装置においては、感光体表面を一様に帯電し、その表面に露光手段により潜像を形成している。この際、感光体表面の帯電方式として、接触帯電方式は低オゾン、低電力を図ることができるため多用されている。
接触帯電方式は、ローラー、ブレード、ブラシ、ベルト等種々の形態の帯電部材を感光体に加圧当接させ、帯電部材に直流電圧又はこれに交流電圧を重畳した電圧を印加して、放電を発生させ、感光体の帯電を行う方式である。一般的には、帯電ローラーを用いたローラー帯電方式は、帯電の安定性という点で好ましく、多用されている。
帯電ローラーの製造方法としては、樹脂原料と各種添加剤を配合し混練した原料組成物を円筒状に押し出し一次成形し、その後、加硫缶や熱風炉等を用いて加硫して二次成形し、芯金に圧入し、表面を研磨して外径を整える方法が知られている。また、芯金を配置した成形金型のキャビティに原料組成物を注入し、成形金型を加熱することによって加硫を行い、芯金の周囲に発泡弾性体を円筒状に形成する方法が知られている。 また、近年では、導電性芯軸と導電性ゴムを一体的に押出し成形する方法も提案されている。
このような帯電ローラーの製造工程において、原料組成物の種類によっては取り扱いが困難になる場合がある。そこで、加工性を向上させ、補強性があり充填量を多量に使用し樹脂の使用量を減量することが可能でコスト面で有利な炭酸カルシウム系の充填材が用いられている。
例えば、電子写真用導電性部材として、エピクロルヒドリンと、エチレンオキサイド及び/又はアリルグリシジルエーテルとを共重合してなる導電性ゴム100質量部、並びに、炭酸カルシウム30〜150質量部からなる導電性ゴム材料が報告されている。(特許文献1)。この導電性ゴム材料において、炭酸カルシウムは、最大粒径が30μm以下であり、平均粒径が1〜8μmであり、かつ、粒径15μm以上の分散粒子の割合が10%以下で分散されている。これによると、導電性ゴム材料は良好な電気特性を維持し、加工性に優れ、表面欠陥を防止でき、これを用いて電子写真用導電性部材が製造可能であるとされているが、帯電ローラーに適用した場合に、圧縮永久歪が生じて感光体の充分な帯電が得られない場合がある。
また、特許文献2には、ソリッドゴム層が、BET法で測定した比表面積で3m2/g〜13m2/gの炭酸カルシウムを、ゴム成分に対し、また、フィラーに対し特定割合で含有する導電性ゴムローラが開示されている。しかしながら、この導電性ゴムローラによれば、表面に微小気泡が存在しないものが得られるが、圧縮永久歪を抑制するものではない。
電子写真装置が長期間使用されない場合、帯電部材がその一部分において感光体に圧接された状態で長期間放置されることとなり、感光体に圧接した部分において帯電部材の外形が変形し、その変形が復元しない、いわゆる圧縮永久歪が生じる。圧縮永久歪が生じた帯電部材を用いて、感光体表面の帯電を行う場合、圧縮永久歪を生じた部分において、歪が生じていない部分よりニップ幅が瞬間的に広くなる。その結果、圧縮永久歪を生じた部分で、感光体との接触面積が拡大することにより、他の部分と比較して見かけの抵抗が低くなり、感光体が接する瞬間に電流が多く流れる。そのため、帯電ローラーと圧縮永久歪が生じた部分で接触する感光体の帯電が不充分となり、画像上に横線状の画像不良が発生する。また、帯電ローラーは、感光体に対して従動回転している場合が多いが、圧縮永久歪が生じた部分において振動を生じ、感光体との均一な接触の維持が困難となる場合もある。更に、圧縮永久歪が大きい場合には、感光体に帯電部材と接触しない領域が生じ、感光体の帯電不良を増大させる可能性もある。この傾向は、近年の高画質化、高速化の電子写真装置においてより顕著になってきている。
特開2002−194203号公報 特開2004−78127号公報
本発明の課題は、圧縮永久歪の発生を抑制し、高画質化、高速化を図った電子写真方式の画像形成装置における画像不良の発生を抑制できる帯電部材や、これを用いた電子写真画像形成装置を提供することにある。
本発明者らは上記課題を解決するため、帯電部材の材質について各種樹脂や添加剤の検討を行った。そして、樹脂の充填剤として一般的に使用されている炭酸カルシウムが、特定の結晶構造を有し、特定の形状を有する微粒子として、特定の状態で導電性弾性体層に含有されるとき、帯電部材において圧縮永久歪の発生が抑制されることの知見を得た。これらの知見に基づき本発明を完成するに至った。
即ち、本発明に係る帯電部材は、導電性支持体と、該導電性支持体上に形成された、高分子弾性体を含む導電性弾性体層とを有する帯電部材において、
該導電性弾性体層が、長径(a)が0.60μm以上0.80μm以下、短径(b)が0.20μm以上0.30μm以下、アスペクト比(a/b)が3.0以下のカルサイト型の紡錘形の炭酸カルシウムが凝集してなる、平均粒子径が3.00μm以上10.00μm以下の凝集体を含有していることを特徴とする。
また、本発明に係る電子写真画像形成装置は、帯電部材と、該帯電部材により帯電されるように配置された電子写真感光体とを具備していることを特徴とする。
本発明によれば、帯電部材における圧縮永久歪の発生を抑制し、電子写真方式の画像形成装置における画像不良の発生を抑制できる。
本発明の帯電部材は、導電性支持体と、該導電性支持体上に形成された、高分子弾性体を含む導電性弾性体層とを有する。導電性弾性体層は、長径aが0.60μm以上0.80μm以下、短径bが0.20μm以上0.30μm以下、アスペクト比a/bが3.0以下カルサイト型の紡錘形の炭酸カルシウムが凝集してなる凝集体を含有する。更に、凝集体の平均粒子径が3.00μm以上10.00μm以下である。
[導電性支持体]
上記導電性支持体は、その上に形成される導電性弾性層を支持し、感光体等の被帯電体との当接による負荷に十分に耐え得る強度を有するものである。その形状としては帯電部材の形状によって選択することができ、板状であってもよいが、帯電部材がローラー形状の場合、円柱状、円筒状等を挙げることができる。導電性支持体の材質としては、鉄、銅、ステンレス、アルミニウム、アルミニウム合金、ニッケル等の金属性(合金製)を挙げることができる。これらの導電性支持体には、導電性を阻害しない範囲で、耐傷性、防錆を目的としてメッキ処理等の表面処理を施してもよい。
[導電性弾性体層]
本発明の帯電部材における導電性弾性体層は、導電性を有し、被帯電体との接触を確実に行うため、帯電部材に弾性を付与するために設けられるものであり、充実体、発泡体いずれであってもよく、1層であっても2層以上からなるものであってもよい。
上記導電性弾性体層は、導電剤と高分子弾性体を含有することが好ましい。かかる高分子弾性体としては、ゴム、エラストマー、樹脂等いずれであってもよい。ゴムとしては、具体的には以下のものを例示することができる。エチレン−プロピレン−ジエン共重合体(EPDM)、ポリブタジエン、天然ゴム、ポリイソプレン、スチレン−ブタジエンゴム(SBR)、クロロプレン(CR)、アクリロニトリルブタジエンゴム(NBR)、シリコンゴム、ウレタンゴム、エピクロロヒドリンゴム。樹脂、エラストマーとしては、具体的には、以下のものを例示することができる。ブタジェン樹脂(RB)、ポリスチレン、スチレン−ブタジェン−スチレンエラストマー(SBS)、スチレン−酢酸ビニル共重合体等のポリスチレン系高分子材料。ポリエチレン(PE)、ポリプロピレン(PP)等のポリオレフィン系高分子材料。ポリエステル系高分子材料。ポリウレタン系高分子材料。アクリル系樹脂、ブタジェンアクリロニトリル共重合体等のアクリル系高分子材料。PVC、RVC等の熱可塑性エラストマー。これらの1種又は2種以上を組み合わせた混合物。
これらのうち、エピクロルヒドリンゴム、NBR、ポリエーテル共重合体や、これらの2種以上の混合物が所望の導電性を安定して得ることができるため、好ましい。
上記エピクロルヒドリンゴムとしては、具体的には、以下のものを例示することができる。エピクロルヒドリン単独重合体、エピクロルヒドリン−エチレンオキサイド共重合体、エピクロルヒドリン−アリルグリシジルエーテル共重合体、エピクロルヒドリン−エチレンオキサイド−アリルグリシジルエーテル三元共重合体。
上記導電性弾性体層に含有される導電剤としては、電子導電系、イオン導電系いずれも使用することができる。具体的には、電子導電系導電剤としては、カーボンブラック、グラファイト、導電性酸化チタン、導電性酸化スズ等の金属酸化物、Cu、Ag等の金属粉、導電性の繊維等を挙げることができる。イオン導電系導電剤としては、例えば、以下のものを例示することができる。ラウリルトリメチルアンモニウムクロライド、ステアリルトリメチルアンモニウムクロライド、オクタデシルトリメチルアンモニウムクロライド、ドデシルトリメチルアンモニウムクロライド、ヘキサデシルトリメチルアンモニウムクロライド。トリオクチルプロピルアンモニウムブロミド、変性脂肪族ジメチルエチルアンモニウムエトサルフェート等の陽イオン性界面活性剤。ラウリルベタイン、ステアリルべタイン、ジメチルアルキルラウリルベタイン等の両性イオン界面活性剤。過塩素酸テトラエチルアンモニウム、過塩素酸テトラブチルアンモニウム、過塩素酸トリメチルオクタデシルアンモニウム等の第四級アンモニウム塩。トリフルオロメタンスルホン酸リチウム等の有機酸リチウム塩。
これらの導電剤の導電性弾性体層中の含有量は、導電性弾性体層の電気抵抗値が1×108Ω以下、より好ましくは1×104Ω以上、1×108Ω以下となるような範囲であることが好ましい。具体的な含有量としては、高分子弾性体100質量部に対し、0.1質量部以上、5質量部以下を挙げることができる。
ここで、導電性弾性体層の導電性は、以下の測定方法による測定値を採用することができる。導電性弾性層原料を用いて厚さ1mmのシートに成形したサンプルの両面に金属を蒸着して電極とガード電極とを作製する。微小電流計(ADVANTEST R8340A ULTRA HIGH RESISTANCE METER(株)アドバンテスト社製)を用いて200Vの電圧を印加して30秒後の電流を測定する。膜厚と電極面積とから体積抵抗率を計算して求める。
[カルサイト型の炭酸カルシウム]
上記導電性弾性体層は、更に、カルサイト型の紡錘形の炭酸カルシウムが凝集してなる凝集体として含有する。一般に炭酸カルシムの結晶構造としては、カルサイト型、アラゴナイト型、バテライト型が知られている。カルサイト型は紡錘形、立方形の粒子、アラゴナイト型は柱状粒子、バテライト型は球状粒子を形成する傾向にある。上記導電性弾性体層に用いる炭酸カルシウムはカルサイト型結晶構造を有するものを使用する。カルサイト型の炭酸カルシウムは、紡錘形粒子を容易に得ることができる。そのため、導電性弾性体層中に特定の凝集体を形成して存在させることができる。カルサイト型の炭酸カルシウムは、天然の鉱石を粉砕して得られる重質炭酸カルシウムに含有されるものであっても、合成されたものであってもよい。
カルサイト型の紡錘形の炭酸カルシウムは、その大きさとして、長径(a)が0.60μm以上0.80μm以下、短径(b)が0.20μm以上0.30μm以下であり、アスペクト比(a/b)が3.0以下である。
ここで、上記カルサイト型の紡錘形の炭酸カルシウムの長径、短径の測定は、凝集体を走査型電子顕微鏡により観察し、凝集体を形成する紡錘形粒子をランダムに10個選び、顕微鏡画像において長径、短径を測定し、その平均値を採用することができる。
上記カルサイト型の紡錘形の炭酸カルシウムは、その大部分が凝集体を形成して導電性弾性体層中に含有される。凝集体は、図1(a)に一例を示すように、図1(b)にその一例を示す炭酸カルシウムの紡錘形粒子が凝集し、ほぼ球形となっている。凝集体の平均粒子径は3.00μm以上10.00μm以下である。凝集体がこのような範囲の平均粒子径を有することにより、上記大きさ、形状の紡錘形の炭酸カルシウムと相俟って、紡錘形の炭酸カルシウムがその表面から突出して形成される突起を有した、いわゆる金平糖のような形状の凝集体を形成し得る。このような突起を有する凝集体は、導電性弾性体層において高分子弾性体と密着し、導電性弾性体層に高分子弾性体が有する弾性以上の弾性を付与する。このため、導電性弾性体層は感光体との圧接に対し、大きい復元力を具備することとなり、帯電部材に圧縮永久歪が生じるのを抑制することができる。
凝集体の平均粒子径は、以下の方法により求める。先ず、走査型電子顕微鏡観察により、10個の凝集体をランダムに選択する。各凝集体について、隣接する突起の各頂点を結んで形成される概略の円形の長径、短径を測定する。そして、その平均値を採用することができる。
上記凝集体はカルサイト型の炭酸カルシウムの全量に対し90質量%以上を含むことが好ましい。凝集体が90質量%以上の炭酸カルシウムの紡錘形粒子を含有することにより、帯電部材に圧縮永久歪が生じるのを抑制することができる。
上記凝集体は以下の(1)から(3)の工程により得ることができる。
(1)濃度40質量%及び25℃における粘度2000センチポイズ以上の水酸化カルシウム水性懸濁液を7〜15質量%に調整して一次用水酸化カルシウム液を用意し、ガス分散撹拌型反応器中に仕込む。一次用水酸化カルシウム液濃度が7質量%以上であれば反応の進行が低速になるのを抑制し、15質量%以下であれば二次粒子同士の凝集を抑制し、炭酸カルシウム粒子の所望の凝集体を得ることができる。また、一次用水酸化カルシウム液の粘度が濃度40質量%及び25℃において2000センチポイズ以上であれば、得られる炭酸カルシウムにおいて、凝集体に含有されない、単離状態の炭酸カルシウム粒子の含有量を低減することができる。一次用水酸化カルシウム液の粘度を上記範囲に調整するには、機械的処理等を用いることができる。
用いるガス分散撹拌型反応器は、単なるガス吹き込み撹拌型反応器では、炭酸カルシウム粒子が均一に分散した反応液が得られない傾向があり、液の混合撹拌及びガスの均一分散によるガス吸収効率を高めるような撹拌機を備えた反応器であることが好ましい。ターボミキサーのようなタービン型インペラーを有し、1000rpm以上の高速回転が可能な撹拌機を有するものがより好ましい。
このガス分散撹拌型反応器中の一次用水酸化カルシウム液に二酸化炭素含有ガスを吹き込み、カルシウムの70〜95%が炭酸化されるまで反応を行い、一次反応液(炭酸化率70〜95%)を得る。反応開始温度は5〜50℃であることが好ましく、より好ましくは5〜20℃である。二酸化炭素含有ガスの吹き込み量は、水酸化カルシウム1モル当り、1.0〜6.0モル/hrであることが好ましい。一次用水酸化カルシウム液に含まれるカルシウムに対し、70%以上を炭酸化することにより、後工程において形成する炭酸カルシウムの凝集体の形成を可能とする炭酸カルシウムの核を生成することができる。そのため、凝集体を形成しない、単離状態の紡錘型状粒子の生成を抑制することができる。二酸化炭素は純粋なものを用いる必要はなく、窒素等で希釈した二酸化炭素含有ガスを使用することができる。以下の工程において二酸化炭素を用いる場合も同様のものを用いることができる。
(2)続いて、得られた一次反応液をガス吹き込み撹拌型反応器に移し、反応液のpHが少なくとも12に保持されるように、二酸化炭素含有ガスを吹き込む。一次反応液にガスの吹き込みを行いながら、濃度40質量%及び25℃における粘度が2000センチポイズ以上の水酸化カルシウム水性懸濁液(以下、二次用水酸化カルシウム液という。)を連続的に添加する。その際一次反応液中のカルシウムと二次用水酸化カルシウム液中のカルシウムのモル比が10:1から1:20の範囲内であるように添加して、二次反応液を得る。
一次反応液中のカルシウムのモル数(C1)と二次用水酸化カルシウム液中のカルシウムのモル数(C2)のモル比C1/C2の値が10以下であれば、炭酸カルシウム微粒子の凝集力を高くし、平均粒子径3.00μm以上の凝集体を形成することを可能とする。また、高濃度に分散した場合、凝集体が崩壊するのを抑制することができる。モル比C1/C2の値が1/20以上であれば、得られるカルサイト型の紡錘形の炭酸カルシウムにおいて凝集体を形成しない単離の紡錘形の炭酸カルシウムが多量になるのを抑制することができる。
用いるガス吹き込み撹拌型反応器は、(1)の工程で用いるガス分散攪拌型反応器より更に液循環を良好にした反応器であることが好ましく、より好ましくはプロペラ型インペラーを有し、100rpm以下の低速回転で撹拌を行う反応器である。
反応液に添加する二酸化炭素含有ガスは連続的に吹き込むことが好ましく、吹き込み量は二次用水酸化カルシウム液中の水酸化カルシウム1モル当り二酸化炭素が0.1〜3モル/hrであることが好ましい。
ニ酸化炭素との反応において、反応液のpHを少なくとも12以上に保持することにより、この工程において炭酸カルシウムの一次粒子を生成することができる。反応液のpHは12〜12.5の範囲を保持することがより好ましい。
反応開始時の一次反応液の温度は、10〜70℃が好ましく、より好ましくは10〜40℃であり、添加する水酸化カルシウム水性懸濁液の温度は通常10〜70℃、好ましくは10〜40℃である。
(3)二次用水酸化カルシウム液の添加終了後、反応液のpHが7付近に低下するまで二酸化炭素含有ガスを吹き込んで炭酸化反応を完結させ、カルサイト型の紡錘形の炭酸カルシウムの凝集体を得ることができる。反応液のpHが7付近に低下するまで二酸化炭素含有ガスを吹き込むことにより、カルシウムの炭酸化反応を完結させることができる。この方法を連続方式と称する。
上記凝集体の他の製造方法としては、上記連続方式において(1)の工程により得られた一次反応液に、(2)の工程で使用する二次用水酸化カルシウム液を一時に加え、二酸化炭素含有ガスを連続的に吹き込む、バッチ方式を挙げることができる。このバッチ方式においては、二次用水酸化カルシウム液や、二酸化炭素の使用量、反応温度等は上記連続方式の場合と同様であることが好ましい。
上記連続方式、バッチ方式により、得られた反応系から分散媒を濾別し、脱水、乾燥、粉砕、分級等によりカルサイト型炭酸カルシウムを得る。得られるカルサイト型の紡錘形の炭酸カルシウムは、長径aが0.60μm以上0.80μm以下、短径bが0.20μm以上0.30μm以下、及びアスペクト比a/bが3.0以下である。そして、その90質量%以上が平均粒子径が3.00μm以上10.00μm以下の凝集体として得られる。
上記カルサイト型の紡錘形の炭酸カルシウムは、凝集体を構成しているものを含めて、導電性弾性体層中に、上記高分子弾性体100質量部に対して30質量部以上150質量部以下の範囲で含有されることが好ましい。上記数値範囲内であれば、導電性弾性体層の成形が容易であり、帯電部材における圧縮永久歪の発生を抑制することができる。また、導電性弾性体層が高硬度になるのを抑制し、イオン導電剤を用いた場合であっても抵抗の上昇を抑制することができる。
上記導電性弾性層は、上記物質の機能を阻害しない範囲で、必要によりその他の配合剤を含有していてもよい。配合剤としては、例えば、充填材、可塑剤、加硫剤、受酸剤、老化防止剤、加硫遅延剤、加工助剤等を挙げることができる。
充填材は、導電性弾性体層の補強や、増量により、高分子弾性体の使用量の減量等を目的として用いられる。充填剤としては、例えば、MT、FT、GPF、SRFカーボンブラック等の導電性が低いカーボンブラックや、高比表面積、高ストラクチャーの導電性カーボンブラックや、タルク、クレー、シリカ等の無機充填材等を用いることができる。上記カーボンブラックは、高分子弾性体に対して抵抗の均一性を損なわない範囲で用いることができ、具体的には、高分子弾性体100質量部に対して、0.5〜15質量部を挙げることができる。
受酸剤は、高分子弾性体としてエピクロルヒドリンゴム等の塩素を含む材料を使用する場合に使用することが好ましい。受酸剤としては、ハイドロタルサイト、酸化マグネシウム、酸化亜鉛等を挙げることができ、導電性弾性体層中の含有量としては、高分子弾性体100質量部に対して、1〜10質量部を挙げることができる。
可塑材としては、エステル系可塑材を用いることが好ましく、具体的には、アジピン酸エステル、セバシン酸エステル、フタル酸エステル等を挙げることができる。感光体への可塑材への移行により感光体の汚染を抑制するため、エステル系可塑剤はプロピレングリコール等と高分子量化したエステル化合物を用いることが好ましい。
加硫剤は、高分子弾性体を架橋(加硫)して導電性弾性体層の耐久性を高めるために使用することができる。加硫剤としては、イオウやイオウ含有有機化合物やパーオキサイドを始めとする各種加硫剤を使用することができる。パーオキサイドを使用した場合、帯電部材において圧縮永久歪の発生の抑制効果を奏するが、金型加硫を必要とする等の加硫方法が限定され、得られる電気抵抗値が高くなる傾向がある。また、2,4,6−トリメルカプト−S−トリアジンを使用した場合、接触帯電用帯電部材において圧縮永久歪の発生の抑制効果を奏するが、スコーチ性が低下し、取扱いに注意が必要となる場合がある。イオウやイオウ含有有機化合物を用いた場合、スコーチ性、圧縮永久歪の発生の抑制の調整が容易であるため、好ましい。
上記導電性弾性体層は、硬度として、JIS A硬度が30以上80以下であることが好ましい。硬度は、JIS K 6253に規定されているデュロメータ硬さ試験のタイプA型を用いて行い、JIS K 6253に準じて測定した測定値を採用することができる。
上記導電性弾性体層の厚さとしては、例えば、0.5mm以上、5.0mm以下とすることができる。
上記導電性弾性体層は、上記した導電性弾性体層の各原料を密閉型ミキサーで混合して、例えば、押し出し成形、射出成形、又は圧縮成形の方法により成形することが好ましい。導電性弾性体層は、導電性支持体の上に直接成形しても、予め導電性弾性体層として成形した成形体のチューブやシートを導電性支持体上に被覆形成させてもよい。導電性弾性体層の作製後に表面を研磨して形状を整えることができる。
導電性弾性体層を成形体として成形した場合は、必要に応じて導電性支持体と接着剤を介して接着してもよい。接着剤としては、導電性であることが好ましく、導電剤を熱硬化性樹脂又は熱可塑性樹脂をバインダーとして、ウレタン系、アクリル系、ポリエステル系、ポリエーテル系、エポキシ系の接着剤に含有させたものを用いることができる。
[帯電部材]
本発明の帯電部材の形状としては、ブレード状、ベルト状等であってもよいが、ローラー状であることが好ましい。その一例として、図2の概略構成図に示すように、導電性支持体101、導電性弾性体層102を備えたものを挙げることができる。
本発明の帯電部材は更に、導電性支持体と導電性弾性体層間に種々の機能を有する機能層を有していてもよく、また、導電性弾性体層上に後述する表面層を設けることもできる。
[表面層]
上記導電性弾性体層上に設けられる表面層は、導電性弾性体層に含まれる低分子成分が滲出して感光体を汚染するのを抑制し、また、表面に適度な凹凸を形成する機能を有するものが好ましい。表面層は、例えば、バインダー樹脂に、導電剤、粗し剤、絶縁性の無機微粒子等を含有するものであってもよい。
バインダー樹脂としては、熱硬化性樹脂、熱可塑性樹脂等の樹脂を用いることができる。具体的には、ウレタン樹脂、フッ素系樹脂、シリコーン樹脂、アクリル樹脂、アクリル樹脂、ポリアミド樹脂等を挙げることができ、ラクトン変性アクリルポリオールをイソシアネートで架橋したウレタン樹脂を特に好適に用いることができる。上記ラクトン変性アクリルポリオールは、分子鎖骨格がスチレンとアクリルの共重合体であり、適度な硬度と非汚染性を樹脂に付与する。また、末端に水酸基を有する変性したラクトン基が多数の架橋点となり、イソシアネートで密に架橋することが可能であり、導電性弾性体層からの低分子成分の滲出を抑制することができる。ウレタン樹脂に用いられるイソシアネ−トとしてはイソシアヌレート型の3量体が好ましい。
導電剤としては、具体的には、上記導電性弾性体層に用いる導電剤として例示したものと同様のもの挙げることができる。その添加量としては、上記導電性弾性体層と同様の導電性を付与するような量を挙げることができる。
粗し剤は、帯電部材の表面に微小な凹凸を形成し、被帯電体を均一に帯電する性の向上を図ることができる。表面の微小な凹凸は、被帯電体の帯電が不均一になりやすいDC帯電方式には有効である。粗し材としては、ウレタン系微粒子やシリコーン系微粒子、アクリル系微粒子等の高分子化合物からなる微粒子を用いることが好ましい。
無機粒子としては、シリカや酸化チタンや酸化亜鉛、酸化マグネシウム等の無機微粉体を用いることが好ましい。
表面層の厚さとしては、具体的には、1μm以上、100μm以下が好ましく、より好ましくは、2μm以上、50μm以下である。
このような表面層は、上記成分を用いて、例えば、これらの成分を用いて塗工液を調製し、塗工して成形することができる。塗工方法としては、塗布、ディッピング法、スプレーコート法、ロールコート法、又はリングコート法により塗工し、乾燥、硬化する方法を挙げることができる。
[電子写真画像形成装置]
本発明の帯電部材を適用した一実施形態としての電子写真画像形成装置を、図3の概略構成図を参照して以下に説明する。電子写真画像形成装置には、被帯電体である感光体204、上記帯電部材である帯電ローラー201、露光手段204、現像ローラー及びトナーを収納する現像剤容器を有する接触反転現像方式の現像手段206、転写ローラー(転写手段)208が設けられる。更に、クリーナー207、帯電除去手段205、記録材に画像を熱定着する定着装置(図示せず)等が設けられる。
このような電子写真画像形成装置において、帯電ローラーに帯電バイアス印加電源202から、−1000V等の直流電圧を印加する。帯電ローラーは、矢印方向に所定のプロセススピードで回転駆動される感光体に所定の押圧力で接触回転し、感光体を、例えば、暗部電位−400Vに一様に帯電する。
次に露光手段、例えば、レーザービームスキャナー等により、感光体表面に画像情報に対応した露光を行い、露光部分を、例えば、明部電位−120Vに減衰させ、静電潜像が形成される。一方、感光体の帯電極性と同極性で、静電潜像より低い現像バイアス電圧、例えば−350Vに印加されたネガトナーをその周囲に膜状に形成した現像ローラーを感光体に対向して回転させ、感光体の静電潜像上にトナーを移動させ、トナー像として現像する。
転写ローラーが感光体に所定の押圧力により押圧されて転写ニップを形成し、この転写ニップに給紙装置から供給される紙等の記録材210の裏面に、トナーとは逆極性の転写電圧が転写ローラーを介して転写バイアス印加電源209から印加される。感光体と同周速度で転写ローラーが回転して、感光体上のトナー像が記録材上に静電転写される。
その後、記録材は感光体表面から分離され、記録材上のトナー像は、定着部において定着ローラーと加圧ローラー間において、熱と圧力により定着され、永久画像が形成された記録材が装置外へ排出される。両面画像形成モードや多重画像形成モードの場合は、この記録材が不図示の再循環搬送機構に導入されて、転写ニップ部へ再導入されるようになっている。
トナー像の転写後、転写されずに感光体上に残留するトナーはクリーナ−で感光体上から除去、回収される。また、感光体は帯電除去手段により除電光が照射され、残留する潜像が消去され、次の画像形成を待機する。尚、クリーナーと帯電除去手段はその配置を前後交換することもできる。
上記構成部材は2つ以上を組み合わせて一体化し、電子写真画像形成装置の本体に着脱自在に構成したプロセスカートリッジとして用いることもできる。
以下に、本発明に係る帯電部材を具体的に詳細に説明するが、本発明の技術的範囲はこれらに限定されるものではない。
[実施例1]
[導電性弾性体層の作製]
カルサイト型の紡錘形の炭酸カルシウムの凝集体を以下のように作製した。水酸化カルシウムを水に懸濁して50質量%の石灰乳を調整し、コーレスミキサー(高速インペラー分散機)で分散した後、40質量%に希釈した。25℃における粘度を測定したところ(B型粘度計60rpm)2500cpであった。この石灰乳を濃度100g/Lになるように水に分散した希釈石灰乳を、15℃に調整し、ガス分散撹拌型反応器(以下反応器R‐1という。)に30L仕込んだ。二酸化炭素濃度30容量%の二酸化炭素含有ガスを9.1Nm3/hr(水酸化カルシウム1モル当り、3.0モル/hr)で吹き込み、カルシウムを炭酸化率85%まで反応させた。得られた一次反応液を温度20℃に調整し、ガス吹き込み撹拌型反応器(以下反応器R‐2という。)に1.5L仕込み、二酸化炭素濃度30容量%の二酸化炭素含有ガスを6.0Nm3/hrで吹き込み反応させた。反応と同時に20℃に調整した上記希釈石灰乳28.5Lを反応液のpHが12〜12.5に保持されるように連続的に添加した。この際のガス量は混合スラリーのカルシウム1モル当り2.0モル/hrであり、一次反応液と上記希釈石灰乳のカルシウム全量のモル比は1:19であった。更に二酸化炭素含有ガスの吹き込みを続け、反応液のpHが7付近になったところでガスの吹き込みを停止した。反応生成物を走査型電子顕微鏡で観察すると、平均長径0.80μm、平均短径0.30μm、アスペクト比2.7の紡錘形の炭酸カルシウムが凝集した、平均粒子径が9.30μmの凝集体が認められた。炭酸カルシウムはフィルタープレスを用いて脱水し、乾燥、粉砕、分級を行い、粉体とした。
以下の材料を80℃に調節した密閉型ミキサーにて10分間混練した。
高分子弾性体:エピクロルヒドリン23mol%/エチレンオキサイド73mol%/アリルグリシジルエーテル4mol%の3元共重合体ゴム 100質量部
上記炭酸カルシウム粉体:120質量部
イオン導電剤:ジメチル-ヒドロキシエチル-オクチルアンモニウムパークロレート 2質量部
充填剤:カーボンブラック(トーカブラックシーストSO:東海カーボン(株))5質量部
酸化亜鉛 5質量部
ステアリン酸亜鉛 1質量部
老化防止剤(2−メルカプトベンゾイミダゾール) 0.5質量部
エステル系可塑剤(ポリサイザーP202:大日本インキ工業(株)) 5質量部。
更に、加硫促進剤として2−メルカプトベンゾチアゾール2質量部及び加硫剤としてイオウ2質量部を加えて、更に15分間オープンロールで混練して、原料コンパウンドを作製した。
このコンパウンドを、ゴム押し出し機を使用して、熱硬化性接着剤(メタロックU−20)を塗布した直径6mm、長さ250mmの円柱形の導電性支持体(鋼製、表面はニッケルメッキ)の周囲にローラー状になるように成形した。これを電気オーブン中で160℃で2時間、加硫及び接着剤を硬化した。その後、ゴム部分の両端部を突っ切り、ゴム部分を回転砥石で研磨し、端部直径11.9mm、中央部直径12.0mmのクラウン形状の弾性体層を有する弾性ローラーを得た。
[表面層の作製]
ラクトン変性アクリルポリオール「プラクセルDC2009」(ダイセル化学工業株式会社製)200質量部を、MIBK(メチルイソブチルケトン)500質量部と混合し、固形分16質量%の混合液とした。このアクリルポリオール混合液200質量部に対してカーボンブラック(MA100:三菱化学株式会社製)12質量部を加え、これに直径0.8mmのガラスビーズ200質量部を加えて、ペイントシェーカを使い12時間分散した。
この分散液370質量部にヘキサメチレンジイソシアネートのイソシアヌレート型3量体(デュラネートTPA−B80E:旭化成工業株式会社製)30質量部を混合し、ボールミルで1時間攪拌して表面層形成用塗料を得た。
表面層形成用塗料をディッピンク法により弾性体層の表面に塗工し、30分間風乾した後、160℃で120分間乾燥して、帯電ローラーを得た。
[画像形成]
作製した帯電ローラーを、直径24mmの電子写真感光体ドラムに一端で0.5kg重、両端で合計1kg重のバネによる押し圧力で当接させ、40℃/95%RH環境に1ヶ月間放置した。その後、23℃/50%RH環境に6時間放置した。その後、帯電ローラーを、図3に示す構成の電子写真画像形成装置(帯電部材には直流電圧のみの電圧を印加)に装着し、23℃/50%RH環境下において、ハーフトーン画像を出力した。画像形成に用いた感光体はアルミニウムシリンダーに膜厚18μmのOPC層をコートした反転現像方式の感光ドラムであり、最外層は変性ポリカーボネートをバインダー樹脂とする電荷輸送層であった。帯電ローラーによる帯電後の感光体の表面電位(暗部電位)VDは−400Vとなるように調節した。また、プロセススピードは94mm/sとした。トナーは、ワックスを中心に荷電制御剤と色素等を含むスチレンとブチルアクリレートのランダムコポリマーを重合させ、更にポリエステル薄層を重合させシリカ微粒子等を外添した、ガラス転移点63℃、質量平均粒径6μmの重合トナーを用いた。
得られた出力画像を以下の基準により評価した。結果を表1に示す。
ランク1:画像欠陥が認められない。
ランク2:一部に軽微な画像欠陥があるが実用上問題ない。
ランク3:一部に僅かにスジ状の画像欠陥がある。
ランク4:全面にスジ状の画像欠陥があり著しく品質が劣る。
40℃/95%RH環境は、通常の電子写真画像形成装置の使用環境より、温度・湿度共に高く、帯電ローラーの変形量が大きくなる。従って、この環境において画像が発生しなければ、長期に亘って画像欠陥が発生しないということができる。
[圧縮永久歪]
帯電ローラーの変形量を測定した。帯電ローラーの導電性芯軸を軸として、全自動ローラー測定装置(東京光電子工業(株))を用い、帯電ローラーを芯軸の周囲に1°ずつ回転させながら半径を測定し、360°全周の測定を行った。最小の測定値と、当接していない部分の測定値との差を求めた。帯電ローラーの長手中央部と中央部から90mmの位置の3箇所で測定を行ない、最も大きな変形量を、帯電ローラーの変形量、即ち、圧縮永久歪量とした。評価結果を表1に示す。
[実施例2]
炭酸カルシウム粉体を以下のように作成した。
実施例1と同様に調製した一次反応液を前記反応器R‐2に15L仕込み、二酸化炭素濃度30容量%の二酸化炭素含有ガスを4.5Nm3/hrで吹き込み反応させた。反応と同時に26℃に調整した希釈石灰乳15Lを反応液のpHが12〜12.5に保持されるように連続的に添加した。この際のガス量は混合スラリーのカルシウム1モル当り1.5モル/hrであり、一次反応液と上記希釈石灰乳のカルシウム全量のモル比は1:1であった。更に二酸化炭素含有ガスの吹き込みを続け、反応液のpHが7付近になったところでガスの吹き込みを停止した。反応生成物を走査型電子顕微鏡で観察すると、平均長径0.60μm、平均短径0.22μm、アスペクト比2.7の紡錘形の炭酸カルシウムが凝集した、平均粒子径が3.20μmの凝集体が認められた。炭酸カルシウムはフィルタープレスを用いて脱水し、乾燥、粉砕、分級を行い、粉体とした。
得られた炭酸カルシウム粉体を用いた以外は実施例1と同様に帯電ローラーを作製し、その評価を行った。結果を表1に示す。
[実施例3]
炭酸カルシウム粉体を以下のように作成した。
実施例1と同様に調製した一次反応液を前記反応器R‐2に5L仕込み、二酸化炭素濃度30容量%の二酸化炭素含有ガスを6.0Nm3/hrで吹き込み反応させた。反応と同時に22℃に調整した希釈石灰乳25Lを反応液のpHが12〜12.5に保持されるように連続的に添加した。この際のガス量は混合スラリーのカルシウム1モル当り2.0モル/hrであり、一次反応液と上記希釈石灰乳のカルシウム全量のモル比は1:5であった。更に二酸化炭素含有ガスの吹き込みを続け、反応液のpHが7付近になったところでガスの吹き込みを停止した。反応生成物を走査型電子顕微鏡で観察すると、平均長径0.7μm、平均短径0.25μm、アスペクト比2.8の紡錘形の炭酸カルシウムが凝集した、平均粒子径が5.0μmの凝集体が認められた。炭酸カルシウムはフィルタープレスを用いて脱水し、乾燥、粉砕、分級を行い、粉体とした。
得られた炭酸カルシウム粉体を用いた以外は実施例1と同様に帯電ローラーを作製し、その評価を行った。結果を表1に示す。
[実施例4]
炭酸カルシウム粉体を25質量部に変更した以外は実施例1と同様に帯電ローラーを作製し、その評価を行った。結果を表1に示す。
[実施例5]
炭酸カルシウム粉体として、実施例1で調製した炭酸カルシウム粉体60質量部と、シルバーW(白石化学工業株式会社製)5質量部とを用いた以外は、実施例1と同様に帯電ローラーを作製し、その評価を行った。結果を表1に示す。
[実施例6]
炭酸カルシウム粉体として、実施例1で調製した炭酸カルシウム粉体20質量部と、シルバーW(白石化学工業株式会社製)5質量部とを用いた以外は、実施例1と同様に帯電ローラーを作製し、その評価を行った。結果を表1に示す。
[比較例1]
炭酸カルシウム粉体として、シルバーW(白石化学工業株式会社製)を用いた以外は、実施例1と同様に帯電ローラーを作製し、その評価を行った。結果を表1に示す。
[比較例2]
炭酸カルシウム粉体として、スーパーS(丸尾カルシウム株式会社製)を用いた以外は、実施例1と同様に帯電ローラーを作製し、その評価を行った。結果を表1に示す。
Figure 0005178067
結果より、本発明の帯電部材は、被帯電体の当接による変形量、圧縮永久歪が抑制され、良好な画像が得られることが分かった。
本発明の帯電部材に用いる炭酸カルシウム紡錘形粒子、その凝集体を示す図である。 本発明の帯電部材の一例の帯電ローラーを示す側面図である。 本発明の帯電部材を適用した一実施態様の電子写真装置を示す概略構成図である。
符号の説明
101 導電性支持体
102 導電性弾性体層
201 帯電ローラー(帯電部材)

Claims (5)

  1. 導電性支持体と、該導電性支持体上に形成された、高分子弾性体を含む導電性弾性体層とを有する帯電部材において、
    該導電性弾性体層が、長径(a)が0.60μm以上0.80μm以下、短径(b)が0.20μm以上0.30μm以下、アスペクト比(a/b)が3.0以下のカルサイト型の紡錘形の炭酸カルシウムが凝集してなる、平均粒子径が3.00μm以上10.00μm以下の凝集体を含有していることを特徴とする帯電部材。
  2. 導電性弾性体層が、前記カルサイト型の炭酸カルシウムの90質量%以上を前記凝集体として含有することを特徴とする請求項1記載の帯電部材。
  3. 高分子弾性体が、エピクロルヒドリンゴム、アクリロニトリルブタジエンゴム、及びポリエーテル共重合体から選ばれる少なくとも1つである請求項1又は2に記載の帯電部材。
  4. 前記導電性弾性体層が、前記高分子弾性体100質量部に対して、前記カルサイト型の炭酸カルシウムを30質量部以上150質量部以下の範囲で含有する請求項1から3のいずれかに記載の帯電部材。
  5. 請求項1から4のいずれかに記載の帯電部材と、該帯電部材により帯電されるように配置された電子写真感光体とを具備していることを特徴とする電子写真画像形成装置。
JP2007172586A 2007-06-29 2007-06-29 帯電部材及び電子写真画像形成装置 Active JP5178067B2 (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2007172586A JP5178067B2 (ja) 2007-06-29 2007-06-29 帯電部材及び電子写真画像形成装置

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2007172586A JP5178067B2 (ja) 2007-06-29 2007-06-29 帯電部材及び電子写真画像形成装置

Publications (2)

Publication Number Publication Date
JP2009009056A JP2009009056A (ja) 2009-01-15
JP5178067B2 true JP5178067B2 (ja) 2013-04-10

Family

ID=40324158

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2007172586A Active JP5178067B2 (ja) 2007-06-29 2007-06-29 帯電部材及び電子写真画像形成装置

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP5178067B2 (ja)

Families Citing this family (5)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP5724087B2 (ja) * 2009-08-07 2015-05-27 シンジーテック株式会社 導電性ゴム部材及び帯電ロール
JP5926088B2 (ja) * 2012-03-29 2016-05-25 住友理工株式会社 電子写真機器用導電性ロール
JP6184309B2 (ja) * 2012-12-11 2017-08-23 キヤノン株式会社 電子写真用部材、プロセスカ−トリッジおよび電子写真装置
JP5936595B2 (ja) 2012-12-12 2016-06-22 キヤノン株式会社 帯電部材、プロセスカートリッジ及び電子写真装置
JP6051365B2 (ja) * 2014-09-25 2016-12-27 住友理工株式会社 帯電部材

Family Cites Families (5)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP3593402B2 (ja) * 1995-11-21 2004-11-24 株式会社金陽社 半導電性ゴム
JP3541369B2 (ja) * 2000-12-26 2004-07-07 バンドー化学株式会社 導電性ゴム材料及び電子写真用導電性部材の製造方法
JP3724465B2 (ja) * 2002-08-22 2005-12-07 キヤノン化成株式会社 導電性ゴムローラ
JP2004144906A (ja) * 2002-10-23 2004-05-20 Canon Chemicals Inc 導電性ゴムローラー
JP3766399B2 (ja) * 2003-05-22 2006-04-12 株式会社金陽社 導電性ロール

Also Published As

Publication number Publication date
JP2009009056A (ja) 2009-01-15

Similar Documents

Publication Publication Date Title
JP5183018B2 (ja) 帯電部材、プロセスカートリッジ及び電子写真装置
JP4047057B2 (ja) 帯電部材の製造方法
JP5140920B2 (ja) 画像形成装置
JP2011048272A (ja) 導電性ローラ用組成物、導電性ローラ、帯電装置、画像形成装置およびプロセスカートリッジならびに導電性ローラの製造方法
JP5178067B2 (ja) 帯電部材及び電子写真画像形成装置
JP5906795B2 (ja) 画像形成装置、保護剤供給部材及び保護層形成装置
JP5415783B2 (ja) 帯電部材、プロセスカートリッジ及び画像形成装置
JP2007093937A (ja) 帯電部材、プロセスカートリッジ及び電子写真装置
JP2015121761A (ja) 保護層形成装置及び画像形成装置
JP5178068B2 (ja) 帯電部材及び電子写真画像形成装置
JP2009009024A (ja) 帯電部材の製造方法
JP4365996B2 (ja) 導電性ローラ、プロセスカートリッジおよび画像形成装置
JP2007264254A (ja) 帯電部材及び電子写真装置
JP4730058B2 (ja) 画像形成装置およびプロセスカートリッジ
JP5002198B2 (ja) 現像ローラ、現像装置および画像形成装置
KR20210091622A (ko) 대전 부재 및 이를 채용한 전자사진 화상 형성 장치
JP2012083593A (ja) 再生電子写真用ローラの製造方法
JP2005315979A (ja) 導電性部材、プロセスカートリッジ及び画像形成装置
JP2010096267A (ja) 弾性ロール、帯電ロール、画像形成装置及びプロセスカートリッジ
JP2006154620A (ja) 帯電部材及びこれを用いた装置
JP5164326B2 (ja) ゴム組成物、これを用いた導電性部材、及び導電性ローラーの製造方法
JP2010282236A (ja) 画像形成装置およびプロセスカートリッジ
JP4506833B2 (ja) 電子写真用帯電部材及びそれを用いた電子写真画像形成装置
JP2007108319A (ja) 電子写真用帯電ローラー
JP2007121421A (ja) 画像形成装置およびプロセスカートリッジ

Legal Events

Date Code Title Description
A621 Written request for application examination

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A621

Effective date: 20100629

A977 Report on retrieval

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A971007

Effective date: 20121129

TRDD Decision of grant or rejection written
A01 Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01

Effective date: 20121211

A61 First payment of annual fees (during grant procedure)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A61

Effective date: 20130108

R151 Written notification of patent or utility model registration

Ref document number: 5178067

Country of ref document: JP

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R151

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20160118

Year of fee payment: 3