JP2009009024A - 帯電部材の製造方法 - Google Patents

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Abstract

【課題】優れた特性を有する高画質化、カラー化、及び長寿命化に適した帯電部材を提供する。
【解決手段】導電性芯軸の上に弾性層を有する帯電部材の弾性層を、ポリエーテル共重合体とアクリロニトリルブタジエンゴムと過塩素酸4級アンモニウム塩とを含むゴム組成物を架橋して形成する。このポリエーテル共重合体は、80モル%以上89モル%以下のエチレンオキサイド由来のユニットと、1モル%以上9モル%以下のアルキレンオキサイド(エチレンオキサイドを除く)由来のユニットと、10モル%以上19モル%以下のアリルグリシジルエーテル由来のユニットとを有する。
【選択図】図1

Description

本発明は帯電部材の製造方法、それにより製造された帯電部材に関し、詳しくは、電圧を印加して被帯電体である電子写真感光体表面を所定の電位に帯電処理するための帯電部材の製造方法、及びそれにより製造された帯電部材に関する。
電子写真方式を利用した画像形成装置において、感光体を帯電する手段として、様々な帯電手段が用いられている。従来の帯電手段としてはコロナ放電を利用したものがあり、ここ近年では感光体に帯電部材を接触させて帯電する接触帯電方式が多く利用されている。接触帯電方式としては、帯電部材に直流電圧に交流電圧を重畳したものや、直流電圧のみを印加した方式(DC帯電方式)がある。
これらの接触帯電方式に用いられる帯電部材としては、感光体を均一に帯電させることが必要不可欠である。特に直流電圧のみを印加した方式の場合には、より均一性が望まれる。また、帯電ローラを感光体に高温多湿環境において長期間当接したことによる圧縮永久歪み起因による当接跡部分の画像不良が発生し易く、帯電ローラの圧縮永久歪みを小さくする必要がある。
特許文献1では、エピクロルヒドリンゴムとアクリロニトリルブタジエンゴムを所定の割合でブレンドすることにより、抵抗の不均一性(抵抗ムラ)を改善する技術が開示されている。特許文献2では、体積抵抗を低くする手法として、導電性粒子等の分散による抵抗調整を用いないイオン導電系の例が開示されている。この文献では、体積抵抗の低いエチレンオキサイドを主体とするポリエーテル系共重合体とアクリロニトリルブタジエンゴムをブレンドしたイオン導電系のゴム組成物を用いている。また、特許文献3では、体積固有抵抗が低く、圧縮永久歪みの小さい導電性ゴムローラが提案されている。この文献では、ポリエーテル系共重合体とアクリロニトリルブタジエンゴムをブレンドしたゴム組成物に、スルホン酸やグルコン酸の非ハロゲン系第4級アンモニウム塩をイオン導電材として添加したゴム組成物を用いている。
特開平11−65269号公報 特開2001−115005号公報 特開2002−212413号公報
特許文献1では、導電性粒子(カーボンブラック)を分散させた電子導電系が主となる構成としているため、イオン導電系と比べて抵抗ムラの改善が充分とはいえない。
特許文献2では、ポリエーテル共重合体の体積抵抗は107Ω・cm以下ではあるが、アクリロニトリルブタジエンゴム単体の体積抵抗は1010〜1011Ω・cmであり、イオン導電系とはいえ、抵抗ムラの比較的大きいゴム組成物となってしまう。また、ゴム組成物の体積抵抗を107Ω・cm未満の抵抗に調整することは困難である。ここで、更に体積抵抗を低くする方法としては、前記ゴム組成物にアルカリ金属塩またはアルカリ土類金属塩を添加することにより、ポリエーテル系共重合体の体積抵抗を低くできるとの記載がある。しかし、アルカリ金属塩またはアルカリ土類金属塩では、アクリロニトリルブタジエンゴムの体積抵抗を低減する効果は十分とはいえない。
特許文献3では、イオン導電材はイオン化(電離)の効率が十分ではないため、ゴム組成物の体積抵抗を107Ω・cm未満の抵抗にするには困難である。ポリエーテル系共重合体の架橋部位であるアリルグリシジルエーテルが10モル%未満と少ないため、高温多湿環境において、低圧縮永久歪み性と吸湿性をさらに低減することが必要となる。
ここで、帯電ローラは、104〜107Ωの範囲の抵抗に均一に調整することが望まれる。帯電ローラの抵抗を上記の範囲に調整する方法としては、例えば、導電性ゴムローラの場合、次の2通りの方法が提案されてきた。すなわち、ゴムにカーボンブラックや導電性金属酸化物といった導電性粒子を添加、分散した電子導電系の機構を利用した調整方法と、イオン導電性ゴムや4級アンモニウム塩等のイオン導電材を添加したイオン導電系の機構を利用した調整方法である。
電子導電系の場合、導電性粒子の添加量にて抵抗領域を容易に調整可能である。また、導電性粒子の分散状態が抵抗領域及び抵抗の均一性と相関している。ただし、分散の安定化は、導電性粒子の粒径、ストラクチャー、表面官能基等の物性によるゴムとの相溶性や、ゴム組成物の混練条件の最適化が必要である。そのため、狙いとする抵抗領域のゴム組成物を安定に製造すること、またゴム組成物の抵抗均一性を向上することは容易ではない。
一方、イオン導電系の場合、導電性粒子の分散状態によらず、ゴム自身の抵抗が反映されるため、電子導電系と比較して抵抗の均一性は高い。ただし、ゴム自身の体積抵抗として、107Ω・cm未満の抵抗に調整することは困難である。
特に、DC帯電方式においては、高画質化、カラー化、及び長寿命化を達成する上で、それらは解決しなければならない課題の一つである。
本発明の目的は、上記課題を解決し、優れた特性を有する高画質化、カラー化、及び長寿命化に適した帯電部材を提供することにある。
本発明は、導電性芯軸の上に弾性層を有する帯電部材の製造方法であって、該弾性層を、ポリエーテル共重合体とアクリロニトリルブタジエンゴムと過塩素酸4級アンモニウム塩とを含むゴム組成物を架橋して形成する工程を有し、該ポリエーテル共重合体が、80モル%以上89モル%以下のエチレンオキサイド由来のユニットと、1モル%以上9モル%以下のアルキレンオキサイド(エチレンオキサイドを除く)由来のユニットと、10モル%以上19モル%以下のアリルグリシジルエーテル由来のユニットとを有することを特徴とする帯電部材の製造方法に関する。
本発明によれば、電気抵抗が低く、かつ均一であり、高温多湿環境下においても圧縮永久歪みを小さく抑えることができる。したがって、DC帯電方式を採用した場合においても、良好な帯電特性を長期間安定して維持することができる帯電部材の製造方法、及び帯電部材を提供することができる。
以下、本発明の好適な実施の形態について説明する。
本発明者らは、上述の課題を解決するため種々検討の結果、導電性芯軸の上に弾性層を有する帯電部材を、以下の条件で製造する場合に、高温多湿環境において感光体に長期圧接しても画像不良が発生せず、かつ電気抵抗が均一な帯電部材となることを見出した。
(1)弾性層が、ポリエーテル共重合体とアクリロニトリルブタジエンゴムと過塩素酸4級アンモニウム塩とを含むゴム組成物を架橋してなる。
(2)上記ポリエーテル共重合体が、エチレンオキサイド由来のユニットとアルキレンオキサイド(エチレンオキサイドを除く)由来のユニットとアリルグリシジルエーテル由来のユニットとを有する。
(3)上記ポリエーテル共重合体におけるエチレンオキサイド由来のユニットの含有率が80モル%以上89モル%以下である。
(4)上記ポリエーテル共重合体におけるアルキレンオキサイド(エチレンオキサイドを除く)由来のユニットの含有率が1モル%以上9モル%以下である。
(5)上記ポリエーテル共重合体におけるアリルグリシジルエーテル由来のユニットの含有率が10モル%以上19モル%以下である。
すなわち、特定量のエチレンオキサイド由来のユニット及びアリルグリシジルエーテル由来のユニットを有するポリエーテル共重合体を用いることで、良好なイオン導電性を有し、かつ高温多湿環境においても、圧縮永久歪みの小さい弾性層とすることができる。また、ポリエーテル共重合体と非相溶であるアクリロニトリルブタジエンゴムを併用することにより、研磨加工時の引き裂き性を向上し、良好な表面平滑性を得ることが可能となる。また、ポリエーテル系共重合体、アクリロニトリルブタジエンゴムの両方の抵抗を低減するイオン導電材を添加することにより、低抵抗かつ抵抗ムラの小さい帯電均一性に優れた帯電部材を得ることが可能となる。
本発明の帯電部材の弾性層を構成するゴム組成物は、ポリエーテル共重合体を含む。ポリエーテル共重合体としては、エチレンオキサイド、アルキレンオキサイド(エチレンオキサイドを除く)及びアリルグリシジルエーテルの共重合体を用いることができる。
ポリエーテル共重合体におけるエチレンオキサイド由来のユニットの含有率は、80モル%以上89モル%以下の範囲である。80モル%未満の場合、電気抵抗と関係するイオン物質の伝導経路が少ないため、良好な導電性が得られない。また、89モル%を超える場合、エチレンオキサイド由来のユニットによる結晶性のために、却って導電性が低下する。
ポリエーテル共重合体におけるアルキレンオキサイド(エチレンオキサイドを除く)由来のユニットの含有率は、1モル%以上9モル%以下の範囲である。なお、アルキレンオキサイド(エチレンオキサイドを除く)由来のユニットとしては、特に制限はない。導電性を効果的に発現させるためにポリエーテル共重合体は適度な分子運動性を有することが望ましいことから、プロピレンオキサイドのように開環重合した後に側鎖にアルキル基を有するアルキレンオキサイドであることが好ましい。
ポリエーテル共重合体におけるアリルグリシジルエーテル由来のユニットの含有率は、10モル%以上19モル%以下の範囲である。10モル%未満の場合、低圧縮永久歪み性、低吸湿性が不十分である。また、19モル%を超える場合、エチレンオキサイド由来のユニット量が少なくなるため、導電性が低減する。
本発明の帯電部材の弾性層を構成するゴム組成物は、アクリロニトリルブタジエンゴムを含む。アクリロニトリルブタジエンゴムとしては、アクリロニトリル及びブタジエンの共重合体を用いることができる。
アクリロニトリルブタジエンゴムにおけるアクリロニトリル由来のユニットの含有率は、25モル%以上40モル%以下の範囲であることが好ましい。25モル%未満の場合、イオン導電性を発現するために必要なイオン物質を伝達する極性基のユニットが少なく、アクリロニトリルブタジエンゴムの抵抗が高くなり、弾性層の抵抗が高くなる場合がある。また、ポリエーテル共重合体、アクリロニトリルブタジエンゴムの抵抗差が大きくなり、抵抗ムラが大きくなる場合がある。また、40モル%を超える場合、アクリロニトリルブタジエンゴムの結晶性が高くなり、イオン物質を伝達するに必要な分子運動性の低下により弾性層の抵抗が高くなる場合がある。また、ポリエーテル共重合体との抵抗差が大きくなり、抵抗ムラが大きくなる場合がある。アクリロニトリルブタジエンゴムにおけるブタジエン由来のユニットの含有率は、60モル%以上75モル%以下の範囲であることが好ましい。
アクリロニトリルブタジエンゴムは、常温(23℃)で液状、固形状のもののいずれも用いることができる。ただし、常温で液状のアクリロニトリルブタジエンゴムを多量にブレンドした場合、混練性が低下する場合があるため、常温で固形状のアクリロニトリルブタジエンゴムを用いることが好ましい。
ポリエーテル共重合体とアクリロニトリルブタジエンゴムとの混合比としては、ポリエーテル共重合体の質量を(A)、アクリロニトリルブタジエンゴムの質量を(B)として、(A)/(B)が20/80以上80/20以下であることが好ましい。
本発明の帯電部材の弾性層を構成するゴム組成物は、イオン導電材として、過塩素酸4級アンモニウム塩を含む。すなわち、カチオンが4級アンモニウム構造、アニオンが過塩素酸構造であることが重要である。本発明において、ポリエーテル共重合体、アクリロニトリルブタジエンゴムの両方の抵抗をより均一に低下させることは重要である。我々が種々検討した結果、アクリロニトリルブタジエンゴムの抵抗を効果的に低下させるためには、イオン導電材のカチオンの構造が4級アンモニウム構造であることが重要な因子であることが明らかとなった。また、ポリエーテル共重合体の抵抗を効果的に低下させるためには、アニオンの構造が、過塩素酸構造であることが重要な因子であることが明らかとなった。よって、ポリエーテル共重合体、アクリロニトリルブタジエンゴムの両方の抵抗をより均一に低下させるイオン導電材として、過塩素酸4級アンモニウム塩が好適なイオン導電材であることを見出した。
過塩素酸4級アンモニウム塩の添加量としては、ゴム成分(ポリエーテル共重合体、アクリロニトリルブタジエンゴム及び後述するエピクロルヒドリンゴムの合計)100質量部に対して、0.2質量部以上4質量部以下の範囲であることが好ましい。0.2質量部未満の場合、過塩素酸4級アンモニウム塩による抵抗を低下させる作用が十分でない場合がある。また、4質量部を超えても、さらに大きな抵抗低下作用は得られないためである。過塩素酸4級アンモニウム塩の添加量は、0.5質量部以上3質量部以下の範囲であることがより好ましい。
過塩素酸4級アンモニウム塩における4級アンモニウム構造の官能基としては、アルキル基及び/又はヒドロキシ基を有する官能基を含有することで、良好な導電性が得られる。すなわち、過塩素酸4級アンモニウム塩としては、下記式(化1)に示す構造を有するものが好ましい。
Figure 2009009024
(R1乃至R4は、それぞれ独立に炭素数1乃至16のアルキル基または下記式(化2)に示す末端にヒドロキシ基を有する官能基から選択される。)
Figure 2009009024
(R5は、単結合、炭素数1乃至6のアルキレン基、または、
Figure 2009009024
(nは1又は2)
に示す構造から選択される。)
特に、過塩素酸4級アンモニウム塩が、R1乃至R4の少なくとも1つとして下記(化3)に示すヒドロキシエチル基を含有することで、ポリエーテル共重合体、アクリロニトリルブタジエンゴムの両方に対して相溶性が向上する。
Figure 2009009024
本発明の帯電部材の弾性層を構成するゴム組成物は、エピクロルヒドリンゴムを含んでいてもよい。ポリエーテル共重合体、アクリルニトリルブタジエンゴム、過塩素酸4級アンモニウム塩及びエピクロルヒドリンゴムを含むゴム組成物を架橋した弾性層とすることにより、高温多湿環境下、低温低湿環境下における電気抵抗の変動を小さくすることが可能となる。
エピクロルヒドリンゴムとしては、エピクロルヒドリン由来のユニットを有する単独重合体または共重合体を用いることができる。例えば、エピクロルヒドリン由来のユニット、エチレンオキサイド由来のユニットからなる2元共重合体;エピクロルヒドリン由来のユニット、エチレンオキサイド由来のユニット、アリルグリシジルエーテル由来のユニットからなる3元共重合体が挙げられる。エピクロルヒドリン由来のユニット、エチレンオキサイド由来のユニット、アリルグリシジルエーテル由来のユニットからなる3元共重合体を用いる場合、各ユニットのモル比率により、電気抵抗及び温湿度環境による抵抗変動を調整可能である。例えば、エピクロルヒドリン由来のユニットを20モル%以上25モル%以下、エチレンオキサイド由来のユニットを70モル%以上79モル%以下、アリルグリシジルエーテル由来のユニットを1モル%以上10モル%以下とする。このようなモル比率とすることで、低抵抗かつ温湿度環境による抵抗変動を抑制することができる。
本発明の帯電部材の弾性層を構成するゴム組成物は、補強材、増量材、可塑材、加硫剤等を含んでいてもよい。
補強材としては、カーボンブラック等を添加することができる。カーボンブラックとしては、MT、FT、GPF、SRF等の導電性が低いカーボンブラックが好ましい。ただし、高比表面積、高ストラクチャーといった特性を有する導電性のカーボンブラックであっても、抵抗の均一性を損なわない程度の量を添加することができる。補強材は、ゴム成分(ポリエーテル共重合体、アクリロニトリルブタジエンゴム及びエピクロルヒドリンゴムの合計)100質量部に対して、例えば0.5〜15質量部添加することができる。
増量材としては、各種炭酸カルシウム、タルク、クレー、シリカ等の無機充填材を添加することができる。研磨性を向上させる目的で、補強性の低い炭酸カルシウムを添加することが好ましい。炭酸カルシウムの平均粒子径は、0.8〜2.0μm程度が好ましい範囲である。増量材は、ゴム成分(ポリエーテル共重合体、アクリロニトリルブタジエンゴム及びエピクロルヒドリンゴムの合計)100質量部に対して、例えば30〜100質量部添加することができる。
また、ゴム組成物がエピクロルヒドリンゴムを含む場合は、ハイドロタルサイト、酸化マグネシウム、酸化亜鉛等の受酸材を添加してもよい。受酸材は、ゴム成分(ポリエーテル共重合体、アクリロニトリルブタジエンゴム及びエピクロルヒドリンゴムの合計)100質量部に対して、例えば1〜10質量部添加することができる。
可塑材としては、公知のオイル等を適宜添加することができる。本発明で用いるゴム組成物は極性ゴムを主成分としているため、各種エステル系可塑材を用いることが好ましい。具体的には、アジピン酸エステル、セバシン酸エステル、フタル酸エステル等が挙げられる。ただし、感光体と接触して使用する帯電部材の場合には、感光体への可塑材が移行することにより感光体を汚染してしまう恐れがある。そのため、添加する可塑材としては、前記のエステル化合物をプロピレングリコール等の重合により高分子量化したエステル化合物が好ましい。
加硫剤としては、イオウ、イオウ含有有機化合物、パーオキサイドをはじめとする各種加硫剤が使用できる。パーオキサイドを使用した場合には、圧縮永久歪み性は良好なものが得られるが、金型加硫が必要等の加硫方法が限定されるうえ、得られる電気抵抗値が高くなる傾向にあって使用方法に制限が多い。また、2,4,6−トリメルカプト−S−トリアジンを加硫剤として使用した場合には、圧縮永久歪み性が優れたものが得られるが、スコーチ性が低化するため、取扱いに注意が必要となる。イオウやイオウ含有有機化合物は、スコーチ性、圧縮永久ひずみの調整が容易であるため、好ましく用いられる。
その他にも、老化防止剤、加硫遅延剤、加工助剤等適宜添加してもよい。
本発明の帯電部材の一実施形態である帯電ローラの構成を図1に示す。この帯電ローラは、導電性芯軸1aの上に弾性層1bが形成されている。弾性層1bは、上記の成分を混合して未加硫ゴム組成物を調製した後、その未加硫ゴム組成物を導電性芯軸1aとともに押出し成形し、その後に加熱して未加硫ゴム組成物を加硫(架橋)することで形成することができる。導電性芯軸1aとしては、例えば、鉄、ステンレス等の金属や、導電性を有するプラスチック等、導電性と強度、耐熱性があるものならいずれでも用いることができる。
混合方法としては、バンバリーミキサーや加圧式ニーダーといった密閉型混合機を使用した混合方法、オープンロールのような開放型混合機を使用した混合方法等を例示することができる。本発明では、ポリエーテル共重合体、アクリロニトリルブタジエンゴムの両方に4級アンモニウム過塩素酸塩を均一に分散させることが重要な因子である。したがって、ポリエーテル共重合体及びアクリロニトリルブタジエンゴムを予め混合した後、4級アンモニウム過塩素酸塩を添加する方法が好ましい。
押出し成形温度は、70〜100℃の範囲が好ましい。70℃未満の温度にて押出した場合は、エピクロルヒドリン系ゴム、ポリエーテル共重合体等の極性ゴムを押出す場合、ゴムの吸水による加硫時のボイドの形成が問題となる場合がある。また、100℃を超えた温度にて押出した場合は、長時間連続で押出した場合のゴムのスコーチが問題となることがある。
押出し成形に関して説明する。まず、必要な成分を配合し混練して調製された未加硫ゴム組成物を、導電性芯軸となる芯金とともに押出すことで、芯金上に未加硫ゴム組成物を被覆させる。図3は本工程を模式的に示した説明図である。押出し機18は、クロスヘッド19を備えている。クロスヘッド19の後ろからは、矢印方向に回転している芯金送りローラ20によって送られた芯金1aが挿入され、芯金1aと円筒状の未加硫のゴム組成物を一体的に押出すことにより、周囲が未加硫ゴム組成物で被覆された芯金が得られる。さらに、芯金周囲の未加硫ゴム組成物層の端部を突っ切り冶具22により定尺で切り取ったものを、未加硫ローラ21として得ることができる(図3参照)。
加熱は、熱風炉、加硫缶、熱盤、遠・近赤外線、誘導加熱などいずれの手法でもよい。加熱は、通常130〜250℃で5分〜120分間、好ましくは140〜200℃で10〜40分間行われる。この後、必要に応じて2次加硫することもできる。
また、加硫後のローラを、研磨用砥石によって所望の形状もしくは表面粗さに整えてもよい。
弾性層の表面には、必要に応じて表面層を設けることができる。表面層を設けることにより、感光体上にピンホール等の欠陥が生じた場合に、ピンホールへの帯電電流の集中を緩和し、画像欠陥を軽微に抑える効果がある。表面層の電気抵抗値は、1×108〜1×1012Ω・cm程度が好ましい。
表面層を形成するためのバインダーとしては、熱硬化性樹脂、熱可塑性樹脂等の樹脂が用いられる。具体的には、ウレタン樹脂、フッ素系樹脂、シリコーン樹脂、アクリル樹脂、ポリアミド樹脂等が挙げられる。なかでも、ラクトン変性アクリルポリオールをイソシアネートで架橋したウレタン樹脂が特に好適に用いられる。
表面層に導電性を付与するため、カーボンブラック、グラファイト、導電性金属酸化物等の導電性粒子、または前記導電性粒子を他の粒子と複合化した導電性複合粒子等を適宜量分散させることができる。導電性金属酸化物としては、導電性酸化チタン、導電性酸化錫等が挙げられる。これにより、所望の電気抵抗値とすることができる。
また、帯電ローラの表面に微小な凹凸を形成することで、帯電均一性の向上を図ることができる。特に、DC帯電方式において帯電均一性を向上することができる。そのため、表面層には凹凸が形成されることが好ましい。表面層への凹凸の形成は、例えば表面粗し材としての微粒子を用いることができる。粗し材としては、ウレタン系微粒子、シリコーン系微粒子、アクリル系微粒子などの高分子化合物からなる微粒子を用いることが好ましい。
また、導電性粒子や粗し材の他に、絶縁性の無機粒子を添加してもよい。無機粒子としては、シリカ、酸化チタン、酸化亜鉛、酸化マグネシウムなどの無機微粉体を用いることが好ましい。
表面層の形成方法としては、バインダーを溶剤に溶解または分散し、これに導電性粒子、粗し材、無機粒子等を必要に応じて分散させたものを、ディッピング、ビーム塗工、ロールコーター等の塗工法によって弾性体層表面にコーティングする方法が挙げられる。また、バインダー中に導電性粒子、粗し材、無機粒子等を必要に応じて練り込み、それを押出機などによって円筒形状に成形した後、弾性層に被覆する方法が挙げられる。
なお、帯電ローラには、必要に応じて、弾性層や表面層以外に、接着層、拡散防止層、下地層、プライマー層等の機能層を設けることもできる。
本発明の帯電ローラを備えた画像形成装置の実施の形態を詳細に述べる。
図4は本発明の帯電ローラを備えた画像形成装置の概略構成図である。この装置は、像担持体としての回転ドラム型の電子写真感光体4、帯電手段としての帯電ローラ2、露光装置10、現像手段としての現像器11、転写手段としての転写ローラ12、クリーナー装置13、光照射装置7、及び定着手段(不図示)を備えている。
電子写真感光体4は、矢示の方向に所定の周速度(プロセススピード)で回転駆動される。
帯電ローラ2は、電子写真感光体4に所定の押圧力で接触させてあり、本例では帯電ローラ2を駆動し、電子写真感光体4と等速回転させる。この帯電ローラ2に対して帯電バイアス印加電源S1から所定の直流電圧(例えば−1000V)のみが印加される。こうすることで、電子写真感光体4の面が所定の極性電位(例えば暗部電位−400V)で一様に帯電処理(接触帯電方式・DC帯電方式)される。
露光装置10としては、例えばレーザービームスキャナーを用いる。電子写真感光体4の一様帯電処理面に、露光装置10により目的の画像情報に対応した露光がなされる。こうすることにより、電子写真感光体4帯電面の露光明部の電位(例えば明部電位−120V)が、選択的に低下(減衰)して静電潜像が形成される。
現像器11は、電子写真感光体4の表面に形成された静電潜像の露光明部に、電子写真感光体4の帯電極性と同極性に帯電(例えば現像バイアス−350V)しているトナー(ネガトナー)を選択的に付着させて、静電潜像をトナー画像として可視化する。
転写ローラ12は、電子写真感光体4に所定の押圧力で接触させて転写ニップ部を形成させてあり、電子写真感光体4の回転と順方向に電子写真感光体4の回転周速度とほぼ同じ周速度で回転する。また、転写バイアス印加電源S2からトナーの帯電極性とは逆極性の転写電圧が印加される。転写ニップ部に対して不図示の給紙機構部から転写材14が所定の制御タイミングで給紙される。このように、給紙された転写材14の裏面が転写電圧を印加した転写ローラ12によりトナーの帯電極性とは逆極性に帯電されることにより、転写ニップ部において電子写真感光体4の表面に形成されたトナー画像が転写材14の表面側に静電転写される。
転写ニップ部でトナー画像の転写を受けた転写材は、電子写真感光体4から分離され、不図示のトナー画像定着手段へ導入されて、トナー画像の定着処理を受けて画像形成物として出力される。トナー画像定着手段としては、例えば熱定着方式を用いることができ、不図示の定着ローラと加圧ローラ間の定着ニップにてトナー像を転写材14に加熱、加圧して熱定着した後に、外部に排出する。両面画像形成モードや多重画像形成モードの場合は、この画像形成物が不図示の再循環搬送機構に導入されて、転写ニップ部へ再導入される。
転写されずに電子写真感光体4上に残存したトナーは、クリーナー装置13により回収される。
転写バイアスにより生じた電子写真感光体4上の電荷を除電するための前露光手段としての光照射装置7が、クリーニング工程後かつ帯電工程前の領域で除電光を照射できるように配置される。光照射装置7からの除電光が、現像工程後かつ転写工程前の領域で照射されるように配置されてもよい。また、光照射装置7からの除電光が、クリーニング工程後かつ帯電工程前の領域で照射されるように配置されてもよい。光照射装置7からの除電光は、カートリッジに設けることも可能であり、更に、電子写真装置本体に設けることも可能である。
下記の要領で帯電ローラを作製し、その帯電ローラの評価を行った。実施例及び比較例により詳細に説明する。
(実施例1)
<弾性層の形成>
・ポリエーテル共重合体A 40質量部
(エチレンオキサイド:プロピレンオキサイド:アリルグリシジルエーテル=87モル%:1モル%:12モル%)
・アクリロニトリルブタジエンゴムA 60質量部
(アクリロニトリル:ブタジエン=35モル%:65モル%)
・イオン導電材A 2質量部
(メチル−ジヒドロキシエチル−ドデシルアンモニウムパークロレート)
・充填剤 60質量部
(重質炭酸カルシウム、商品名:ナノックス#30、丸尾カルシウム(株)製)
・補強剤 5質量部
(カーボンブラック(MTサーマル))
・酸化亜鉛 5質量部
・ステアリン酸亜鉛 1質量部
・老化防止剤 0.5質量部
(2−メルカプトベンツイミダゾール)
・可塑材 5質量部
(セバシン酸ポリエステル、商品名:ポリサイザーP202、大日本インキ工業(株)製)
以上の成分を100℃に温度調節した加圧式ニーダーにて10分間混練して原料コンパウンドを調製した。この原料コンパウンドに、加硫促進剤としてのテトラメチルチウラムモノスルフィド1質量部、加硫剤としての硫黄2質量部を加えて、更に10分間、25℃に温度調節したオープンロールで混練した。
得られたコンパウンド(ゴム組成物)をゴム押出機(内径:50mm、L/D:20)により、スクリュー回転数15rpm、シリンダ温度、ヘッド温度を70℃に温度調節して、導電性芯軸の周囲に図3に示すような装置にてローラ状になるように成形した。導電性芯軸としては、熱硬化性接着剤(商品名:メタロックN33、(株)東洋化学研究所製)を塗布した直径6mm、長さ250mmの円柱形の導電性支持体(鋼製、表面はニッケルメッキ)を用いた。次いで、電気オーブンの中で160℃で2時間、加硫および接着剤の硬化を行った後、ゴム部分の両端部を除去した。そして、ゴム部分をプランジ研磨機(砥石:GC120、砥石径:φ300mm、砥石回転数:2500rpm、ワーク回転数:333rpm)により研磨して、端部直径8.3mm、中央部直径8.5mmのクラウン形状の弾性層を形成した。
<弾性層の表面粗さ測定>
形成された弾性層の表面粗さRzを、接触式表面粗さ計(商品名:SE−3300H、小坂研究所製)により、JIS B0601:1982に基づいて測定した。具体的には、カットオフ0.8mm、測定距離8mm、送り速度0.1mm/sの測定条件にて、弾性層の任意の長手方向3個所、周方向3個所(任意の場所を起点に120°刻み)のRzを測定し、平均値を求めた。結果を表1に示す。
<弾性層の体積抵抗率測定及び抵抗ムラ評価>
弾性層の体積抵抗率は、以下に述べる方法で測定した。まず、弾性層を形成するために調製したゴム組成物を、別途熱プレスにて10MPaの圧力下、160℃で30分間加硫を行い、100mm×150mm、厚さ約2mmの体積抵抗率測定用の弾性層を作製した。この体積抵抗率測定用の弾性層の両面に金属を蒸着して電極とガード電極とを形成し、23℃、50%の環境下に24時間放置した。その後、前記環境下において、微小電流計(商品名:ADVANTEST R8340A ULTRA HIGH RESISTANCE METER、(株)アドバンテスト製)を用いて、200Vの直流電圧を印加して30秒後の電流を測定した。得られた電流値と弾性層の厚さと電極面積とから、弾性層の体積抵抗率を算出した。結果を表1に示す。
弾性層の抵抗ムラ評価は、以下に述べる方法で行った。まず、ゴム組成物のゴム成分を、ポリエーテル共重合体またはアクリロニトリルブタジエンゴム100質量部のみに変更したゴム組成物をそれぞれ調製した。そして、これらのゴム組成物を用いて前記熱プレスの方法により体積抵抗率測定用の弾性層を作製し、前記測定方法に従い体積抵抗率を測定した。そして、ポリエーテル共重合体のみを用いた弾性層の体積抵抗率とアクリロニトリルブタジエンゴムのみを用いた弾性層の体積抵抗率との対数値の差を算出した。この差の小さいものほど、抵抗ムラが少ない弾性層であると評価できる。結果を表1に示す。
<帯電ローラの作製>
(導電性複合粒子の作製)
シリカ粒子(平均粒子径:17nm、体積抵抗率:1.8×1012Ω・cm)7.0kgに、メチルハイドロジェンポリシロキサン140gをエッジランナーを稼動させながら添加し、588N/cm(60Kg/cm)の線荷重で30分間混合攪拌を行った。この時の攪拌速度は22rpmであった。次に、カーボンブラック粒子(平均粒子径:15nm、体積抵抗率:2.0×102Ω・cm)7.0kgを、エッジランナーを稼動させながら10分間かけて添加し、さらに588N/cm(60Kg/cm)の線荷重で60分間混合攪拌を行った。この時の攪拌速度は22rpmであった。こうして、メチルハイドロジェンポリシロキサン被覆シリカにカーボンブラックを付着させた後、乾燥機を用いて80℃で60分間乾燥を行い、導電性複合粒子を得た。得られた導電性複合粒子の平均粒子径は15nm、体積抵抗率は1.8×102Ω・cmであった。
なお、平均粒子径の測定は、透過型電子顕微鏡(TEM)を用い倍率100万倍に拡大した複合粒子像を10個無作為にサンプリングし、その画像情報をもとに投影面積を求め、得られた面積の円相当径を計算して体積平均粒子径を求めた。また、体積抵抗率の測定は、Loresta−GP MCP−T600(商品名、三菱化学株式会社製)を用いて測定した抵抗より算出した。印加電圧は100V、印加圧力は10MPaとした。
(金属酸化物粒子の作製)
ルチル型酸化チタン粒子(平均粒子径:15nm、体積抵抗率:5.2×1010Ω・cm)1000gと、表面処理剤としてのイソブチルトリメトキシシラン110gと、溶媒としてのトルエン3000gとをそれぞれ配合して、スラリーを調製した。このスラリーを攪拌機で30分間混合した後、有効内容積の80%が平均粒子径0.8mmのガラスビーズで充填されたビスコミルに供給し、温度35±5℃で湿式解砕処理を行った。湿式解砕処理して得たスラリーから、ニーダーを用いて減圧蒸留(バス温度:110℃、製品温度:30〜60℃、減圧度:約100Torr)によりトルエンを除去し、120℃で2時間表面処理剤の焼付け処理を行った。焼付け処理後の粒子は、室温まで冷却した後、ピンミルを用いて粉砕した。
(表面層用塗布液の調製及び帯電ローラの作製)
カプロラクトン変性アクリルポリオール溶液(商品名:プラクセルDC2016、ダイセル化学工業(株)製)にメチルイソブチルケトンを加え、固形分が20質量%となるように調整した。
この溶液500質量部に対して更に、
・前記導電性複合粒子 30質量部
・前記金属酸化物粒子 25質量部
・架橋ポリメチルメタクリレート(PMMA)粒子 30質量部
(商品名:MBX−8、積水化学工業(株)製)
・変性ジメチルシリコーンオイル 0.08質量部
(商品名:SH28PA、東レ・ダウコーニングシリコーン(株)製)
・ヘキサメチレンジイソシアネート(HDI)とイソホロンジイソシアネート(IPDI)の各ブタノンオキシムブロック体の1:1の混合物 98.84質量部
を入れ、混合溶液を調製した。このとき、HDIとIPDIの混合物は、「NCO/OH=1.0」となるように添加した。HDIとIPDIについては、HDI(商品名:デュラネートTPA−B80E、旭化成工業製)、IPDI(商品名:ベスタナートB1370、デグサ・ヒュルス製)を使用した。
450mLのガラス瓶に上記混合溶液280gと、メディアとしての平均粒子径0.8mmのガラスビーズ200gを混合し、ペイントシェーカー分散機を用いて12時間分散し、表面層用塗布液を得た。
この表面層用塗布液を弾性層上に1回ディッピング塗布し、常温で30分間以上風乾した後80℃に設定した熱風循環乾燥機にて1時間乾燥し、更に160℃に設定した熱風循環乾燥機にて1時間乾燥して、弾性層上に表面層を形成した。なお、ディッピング塗布浸漬時間は9秒、ディッピング塗布引き上げ速度は、初期速度が20mm/s、最終速度が2mm/sになるように調節し、引き上げ速度20mm/sから2mm/sの間は、時間に対して直線的に速度を変化させた。
このようにして、導電性芯軸上に弾性層及び表面層(最外層)をこの順に有する帯電ローラを作製した。
<ローラ抵抗測定>
帯電ローラの電気抵抗は、図2に示すような方法で測定した。図2中、1は帯電ローラ、15はステンレス製の円筒電極、16は抵抗、17はレコーダーを示す。帯電ローラ1と円筒電極2との間の押圧力は片側4.9N、総荷重を9.8Nとし、円筒電極を30rpmにて回転させながら、外部直流電源S3から−200Vを10秒間印加した際の電気抵抗値を測定した。なお、電気抵抗値は10秒間印加した際の平均値とした。結果を表1に示す。
<帯電均一性評価>
作製した帯電ローラを図4に示す構成の電子写真装置(帯電ローラには直流電圧のみの電圧を印加)に装着し、15℃/10%RH環境下においてハーフトーン画像を出力し、その出力画像を評価した。なお、帯電ローラによる帯電後の電子写真感光体の表面電位(暗部電位)VDが−400Vとなるように調節した。また、プロセススピードは94mm/sとした。
出力画像を以下の基準で評価した。結果を表1に示す。
ランク1:ハーフトーン画像上に画像欠陥が確認されない。
ランク2:ハーフトーン画像上にわずかに細かいスジ状の画像欠陥が確認されるが、実用上問題にならない。
ランク3:ハーフトーン画像上に部分的にスジ状の画像欠陥が目立つ。
ランク4:ハーフトーン画像上に全体的にスジ状の画像欠陥が目立つ。
ランク5:ハーフトーン画像上にスジ状の画像欠陥が目立つのに加え、ベタ白部に帯電カブリが目立つ。
<Cセット画像評価及びCセット変形量測定>
作製した帯電ローラを電子写真感光体に当接させ、40℃/95%RH環境に1ヶ月間放置した。なお、ここで用いた電子写真感光体は直径24mmのドラムであり、帯電部材を、一端で0.5kg重、両端で合計1kg重のバネによる押し圧力で当接させた。その後、前記環境から電子写真感光体と当接した状態で帯電ローラを取り出し、23℃/50%RH環境に6時間放置した。
上記処理を行った帯電ローラを、図4に示す構成の電子写真装置(帯電部材には直流電圧のみの電圧を印加)に装着し、23℃/50%RH環境下において、ハーフトーン画像を出力し、その出力画像を評価した。なお、帯電ローラによる帯電後の電子写真感光体の表面電位(暗部電位)VDは−400Vとなるように調節した。また、プロセススピードは94mm/sとした。電子写真装置に用いた電子写真感光体はアルミニウムシリンダーに膜厚18μmのOPC層をコートした反転現像方式の感光ドラムであり、最外層は変性ポリカーボネートをバインダー樹脂とする電荷輸送層である。トナーは、ワックスを中心に荷電制御剤と色素等を含むスチレンとブチルアクリレートのランダムコポリマーを重合させ、更にポリエステル薄層を重合させシリカ微粒子等を外添した、ガラス転移点63℃、質量平均粒子径6μmの重合トナーである。
40℃/95%RH環境は、通常の電子写真装置の使用環境より温度・湿度ともに高く、帯電ローラの変形量が大きくなる。したがって、本条件でCセット画像が発生しなければ、長期に亘ってCセットに関する問題が発生しない、ということができる。
出力画像を以下の基準で評価した。結果を表1に示す。
ランク1:ハーフトーン画像上に画像欠陥が確認されない。
ランク2:ハーフトーン画像上に部分的に薄いスジ状の画像欠陥が確認されるが、実用上問題にならない。
ランク3:ハーフトーン画像上にスジ状の画像欠陥がある。
ランク4:ハーフトーン画像上にスジ状の画像欠陥が目立つ。
前記画像出力を行うとともに、帯電ローラのCセット変形量を測定した。具体的には、帯電ローラの導電性芯軸を軸として帯電ローラの半径を測定し、当接部で最も変形している部分と当接していない部分の半径の差をもって、Cセット変形量とした。測定は、東京光電子工業(株)の全自動ローラ測定装置を用い、帯電ローラを1°ずつ回転させ360°測定を行う測定を、ローラ長手中央部と中央部から90mmの位置の3点で測定し、最も大きな変形量を帯電ローラのCセット変形量とした。
(実施例2〜5)
ポリエーテル共重合体A及びアクリロニトリルブタジエンゴムAの添加量を表1に示すように変更し、エピクロルヒドリンゴムを表1に示す添加量で用いた以外は、実施例1と同様に帯電ローラを作製した。なお、エピクロルヒドリンゴムとしては、エピクロルヒドリン:エチレンオキサイド:アリルグリシジルエーテル=23モル%:73モル%:4モル%のものを用いた。作製した帯電ローラに対し、弾性層の表面粗さ測定、弾性層体積抵抗率測定及び抵抗ムラ評価、ローラ抵抗測定、帯電均一性評価、Cセット画像評価、並びにCセット変形量測定を実施例1と同様の方法で行った。結果を表1に示す。
(実施例6)
アクリロニトリルブタジエンゴムAを、アクリロニトリルブタジエンゴムB(アクリロニトリル:ブタジエン=37モル%:63モル%)に変更した以外は、実施例5と同様に帯電ローラを作製した。作製した帯電ローラに対し、弾性層の表面粗さ測定、弾性層体積抵抗率測定及び抵抗ムラ評価、ローラ抵抗測定、帯電均一性評価、Cセット画像評価、並びにCセット変形量測定を実施例1と同様の方法で行った。結果を表1に示す。
(実施例7)
アクリロニトリルブタジエンゴムAを、アクリロニトリルブタジエンゴムC(アクリロニトリル:ブタジエン=25モル%:75モル%)に変更した以外は、実施例5と同様に帯電ローラを作製した。作製した帯電ローラに対し、弾性層の表面粗さ測定、弾性層体積抵抗率測定及び抵抗ムラ評価、ローラ抵抗測定、帯電均一性評価、Cセット画像評価、並びにCセット変形量測定を実施例1と同様の方法で行った。結果を表1に示す。
(実施例8)
イオン導電材Aをイオン導電材B(テトラブチルアンモニウムパークロレート)に変更した以外は、実施例2と同様に帯電ローラを作製した。作製した帯電ローラに対し、弾性層の表面粗さ測定、弾性層体積抵抗率測定及び抵抗ムラ評価、ローラ抵抗測定、帯電均一性評価、Cセット画像評価、並びにCセット変形量測定を実施例1と同様の方法で行った。結果を表1に示す。
実施例1〜8で作製した帯電ローラは、いずれも弾性層の抵抗が低く、かつ高温多湿環境下における感光体への当接放置によるCセット量が低減したことにより、過酷な当接放置を行った場合においても、良好な画像が得られる。また、弾性層の抵抗が低く、かつ抵抗ムラを低減されたことにより、高精細な画像が得られる。
(比較例1)
ポリエーテル共重合体Aを、ポリエーテル共重合体B(エチレンオキサイド:プロピレンオキサイド:アリルグリシジルエーテル=90モル%:4モル%:6モル%)に変更した以外は、実施例1と同様に帯電ローラを作製した。作製した帯電ローラに対し、弾性層の表面粗さ測定、弾性層体積抵抗率測定及び抵抗ムラ評価、ローラ抵抗測定、帯電均一性評価、Cセット画像評価、並びにCセット変形量測定を実施例1と同様の方法で行った。結果を表1に示す。
比較例1で作製した帯電ローラでは、ポリエーテル共重合体におけるアリルグリシジルエーテル由来のユニットの含有率が少ないために、過酷な当接放置によるCセット量が大きく、Cセット画像のランクが低かった。
(比較例2)
イオン導電材Aを添加しないこと以外は、実施例1と同様に帯電ローラを作製した。作製した帯電ローラに対し、弾性層の表面粗さ測定、弾性層体積抵抗率測定及び抵抗ムラ評価、ローラ抵抗測定、帯電均一性評価、Cセット画像評価、並びにCセット変形量測定を実施例1と同様の方法で行った。結果を表1に示す。
比較例2で作製した帯電ローラでは、イオン導電材を添加していないため、弾性層の抵抗が格段に高くなり、帯電ローラの帯電不足によるカブリが発生した。Cセット画像のランクも低くなり、これは弾性層の抵抗が高いことによるものと考えられる。
(比較例3)
イオン導電材Aをイオン導電材C(テトラブチルアンモニウムクロライド)に変更した以外は、実施例1と同様に帯電ローラを作製した。作製した帯電ローラに対し、弾性層の表面粗さ測定、弾性層体積抵抗率測定及び抵抗ムラ評価、ローラ抵抗測定、帯電均一性評価、Cセット画像評価、並びにCセット変形量測定を実施例1と同様の方法で行った。結果を表1に示す。
(比較例4)
イオン導電材Aをイオン導電材D(テトラブチルアンモニウムp−トルイルスルフォネート)に変更した以外は、実施例1と同様に帯電ローラを作製した。作製した帯電ローラに対し、弾性層の表面粗さ測定、弾性層体積抵抗率測定及び抵抗ムラ評価、ローラ抵抗測定、帯電均一性評価、Cセット画像評価、並びにCセット変形量測定を実施例1と同様の方法で行った。結果を表1に示す。
比較例3及び比較例4で作製した帯電ローラでは、弾性層の抵抗が高くなり、帯電均一性、Cセット画像ともにランクが低い結果となった。
(比較例5)
イオン導電材Aをイオン導電材E(リチウムトリフルオロメチルスルフォネート)に変更した以外は、実施例1と同様に帯電ローラを作製した。作製した帯電ローラに対し、弾性層の表面粗さ測定、弾性層体積抵抗率測定及び抵抗ムラ評価、ローラ抵抗測定、帯電均一性評価、Cセット画像評価、並びにCセット変形量測定を実施例1と同様の方法で行った。結果を表1に示す。
比較例5で作製した帯電ローラでは、弾性層の抵抗ムラが大きくなり、帯電均一性のランクが低い結果となった。
Figure 2009009024
帯電ローラの概略構成図である。 帯電ローラの電気抵抗測定装置の概略構成図である。 押出し成形の工程を示す模式図である。 画像形成装置の概略構成図である。
符号の説明
1 帯電ローラ
1a 芯金
1b 弾性層
2 帯電ローラ
4 電子写真感光体
7 光照射装置
10 露光装置
11 現像器
12 転写ローラ
13 クリーナー装置
14 転写材
15 ステンレス製の円筒電極
16 抵抗
17 レコーダー
18 押出し機
19 クロスヘッド
20 芯金送りローラ
21 未加硫ローラ
22 突っ切り冶具
S1 帯電バイアス印加電源
S2 転写バイアス印加電源
S3 外部直流電源

Claims (5)

  1. 導電性芯軸の上に弾性層を有する帯電部材の製造方法であって、該弾性層を、ポリエーテル共重合体とアクリロニトリルブタジエンゴムと過塩素酸4級アンモニウム塩とを含むゴム組成物を架橋して形成する工程を有し、
    該ポリエーテル共重合体が、80モル%以上89モル%以下のエチレンオキサイド由来のユニットと、1モル%以上9モル%以下のアルキレンオキサイド(エチレンオキサイドを除く)由来のユニットと、10モル%以上19モル%以下のアリルグリシジルエーテル由来のユニットとを有することを特徴とする帯電部材の製造方法。
  2. 前記過塩素酸4級アンモニウム塩が、下記式(化1)に示す構造を有することを特徴とする請求項1に記載の帯電部材の製造方法。
    Figure 2009009024
    (R1乃至R4は、それぞれ独立に炭素数1乃至16のアルキル基または下記式(化2)に示す末端にヒドロキシ基を有する官能基から選択される。)
    Figure 2009009024
    (R5は、単結合、炭素数1乃至6のアルキレン基、または、
    Figure 2009009024
    (nは1又は2)
    に示す構造から選択される。)
  3. 前記アクリロニトリルブタジエンゴムが、25モル%以上40モル%以下のアクリロニトリル由来のユニットと、60モル%以上75モル%以下のブタジエン由来のユニットとを有することを特徴とする請求項1又は2に記載の帯電部材の製造方法。
  4. 前記ゴム組成物が、さらにエピクロルヒドリンゴムを含むことを特徴とする請求項1乃至3のいずれかに記載の帯電部材の製造方法。
  5. 前記エピクロルヒドリンゴムが、20モル%以上25モル%以下のエピクロルヒドリン由来のユニットと、70モル%以上79モル%以下のエチレンオキサイド由来のユニットと、1モル%以上10モル%以下のアリルグリシジルエーテル由来のユニットとを有することを特徴とする請求項4に記載の帯電部材の製造方法。
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