JP2007225995A - 帯電ローラおよびその製造方法 - Google Patents

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Yoshiaki Nishimura
芳明 西村
Noriaki Kuroda
紀明 黒田
Toshiro Suzuki
敏郎 鈴木
Hisao Kato
久雄 加藤
Atsushi Murata
淳 村田
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Abstract

【課題】表面層を適度に粗面化する帯電部材の構成においても画像むらが発生しにくく、長期間の繰り返し使用によってもトナーやトナーに用いられる外添剤などが表面に固着しにくい帯電部材を提供すること。また、DC接触帯電方式に用いても、長期間安定した帯電および画像出力が可能な帯電部材を提供すること。
【解決手段】芯金と、該芯金の外周面上に形成された導電性弾性体層と、該導電性弾性層上に形成された表面層とを有する帯電ローラにおいて、該表面層の平均膜厚が150nm以上600nm以下であり、かつ該表面層の最小膜厚及び最大膜厚が該表面層の平均膜厚に対してそれぞれ−50nm以上及び+100nm以下であり,更に該表面層の外周面粗さが、走査型白色干渉計により測定される面積10点平均粗さで1.5μm以上8μm以下である帯電ローラ。
【選択図】図1

Description

本発明は複写機、レーザービームプリンター、LEDプリンターなどの電子写真や電子写真製版システム等に使用される帯電部材に関する。詳しくは、電圧を印加して被帯電体である電子写真感光体表面を所定の電位に帯電処理するための帯電ローラに関するものである。
現在、電子写真感光体の表面を帯電する方式の1つとして、接触帯電方式が実用化されている。接触帯電方式は、電子写真感光体に接触配置された帯電部材に電圧を印加し、該帯電部材と該電子写真感光体との間の当接部近傍で微少な放電をさせることによって、該電子写真感光体の表面を帯電する方式である。
電子写真感光体の表面を帯電するための帯電部材としては、電子写真感光体と帯電部材との当接ニップを十分に確保する観点から、支持体および該支持体上に設けられた弾性層(導電性弾性層)を有するものが一般的である。また、弾性層(導電性弾性層)は、低分子量成分を比較的多量に含むことが多いため、この低分子量成分がブリードアウトし、電子写真感光体の表面を汚染することがある。そこで、これを抑制するために、導電性弾性層上には、これとは別の、導電性弾性層に比べて弾性率の小さい表面層を設けることもよく行われている。
そして帯電部材の形状としては、ローラ形状が一般的に用いられている。
また、接触帯電方式の中でも広く普及している方式は、直流電圧に交流電圧を重畳した電圧を帯電部材に印加する方式(以下「AC+DC接触帯電方式」ともいう)である。
AC+DC接触帯電方式は、交流電圧を用いることにより、帯電均一性の高い安定した帯電を行える方式である。しかし、交流電圧源を使用する分、直流電圧のみの電圧を帯電部材に印加する方式(以下「DC接触帯電方式」ともいう)に比べて、帯電装置、電子写真装置の大型化、コストアップを招いてしまう。すなわち、DC接触帯電方式は、AC+DC接触帯電方式に比べて、帯電装置、電子写真装置の小型化、コストダウンの点で優れた帯電方式である。
しかしながら、DC接触帯電方式は、交流電圧による帯電均一性向上効果が無いため、帯電部材の表面の汚れ(トナーやトナーに用いられる外添剤など)や、帯電部材自体の電気抵抗の不均一性が、出力画像に現れやすい。
そのため帯電部材の表面層に関しては、表面粗さ5μm以下、厚み15μm以下とすることで、直流電圧のみを印加して被帯電体を帯電処理する場合でも均一帯電性が得られることが知られている(特許文献1参照)。このとき、さらに表面層の厚みが薄いほど環境条件(例えば高温多湿、低温低湿条件)で抵抗値の変化が少なくなり帯電特性が環境条件に影響されないとされている。
また、画像むらを防止するために表面層を適度に粗面化する方法も知られている。表面層の粗さ形成の例として、弾性層(内層)の粗面上に平均粒径が上記弾性層の粗面の十点平均粗さ(RZ)以下の粒子を含有する表面層が形成されている導電性ローラが知られている(特許文献2参照)。
他の例として、表面層を形成後、研磨等により表面層の表面性を調整するもの、表面層の形成条件で表面性を制御するもの(例えば、塗料コートの場合、乾燥温度、時間等)がある。
特開平5−341620号公報 特開2003−228213号公報
上記のような従来の帯電部材の表面層の形態について、図5、図6の断面概略図で詳細を説明する。
例えば、特許文献2に記載されているような粒子を含有する表面層の形態は、図5のように構成されていている。1は弾性層であり、2は弾性層1の粗面上に形成される表面層であり、3は弾性層の粗面の十点平均粗さ(RZ)以下の粒子で表面層2に含有した構成になっている。そのため表面層形成用の塗工液のレベリングによる形状形成に加え、粒子3により表面層2の表面粗さが平均化されている。
また図6の例では、弾性層1の粗面上に表面層2を形成後、表面層の最表面近傍を研磨して所定の表面層2の表面粗さを形成する構成を示している。または、弾性層1の粗面上に表面層形成用の塗工液をコーティングして一定の温度、時間で乾燥あるいは硬化させて所定の表面層2の表面粗さを形成することもできる。
しかしながら、図5の従来例では、弾性層1の粗面上の粗さと表面層2の表面上の粗さが異なるため表面層の膜厚にばらつきが生じる。
また図6の従来例では、表面層2の最表面は研磨による形状形成あるいは塗工液のレベリングによる形状形成、乾燥時の収縮性による形状形成である。そのために弾性層1の粗面上の凹凸平均間隔(Sm)と表面層2の表面上の凹凸平均間隔(Sm)のピッチが異なり、表面層の厚みを薄くしていくと表面層の膜厚にばらつきが生じる。
特に表面層の膜厚が薄い時には膜厚ばらつきが表面層の抵抗ばらつきや表面層の硬度ばらつきになる場合があり、帯電部材の表面層の抵抗値や硬度の不均一性の原因になつた。
またDC接触帯電方式の場合、繰り返し使用により帯電部材の表面にトナーやトナーに用いられる外添剤などが不均一に強く付着(固着)すると、ハーフトーン画像を出力した際に、その固着部分が過帯電や帯電不良を引き起こすことがある。そこで、より表面層の均一性が求められている。
本発明は、表面層を適度に粗面化する帯電部材の構成においても画像むらが発生しにくく、長期間の繰り返し使用によってもトナーやトナーに用いられる外添剤などが表面に固着しにくい帯電部材を提供することを目的とする。したがって、DC接触帯電方式に用いても、長期間安定した帯電および画像出力が可能な帯電部材を提供することを目的とする。
上記目的を達成するため、本出願に係る発明は
芯金と、該芯金の外周面上に形成された導電性弾性体層と、該導電性弾性層上に形成された表面層とを有する帯電ローラにおいて、該表面層の平均膜厚が150nm以上600nm以下であり、かつ該表面層の最小膜厚及び最大膜厚が該表面層の平均膜厚に対してそれぞれ−50nm以上及び+100nm以下であり,更に該表面層の外周面粗さが、走査型白色干渉計により測定される面積10点平均粗さで1.5μm以上8μm以下であることを特徴とする帯電ローラである。さらに、表面層の外周面粗さが、ピーク間距離Smで10μm以上70μm以下であること特徴とする帯電ローラである。
また、前記の帯電ローラの製造方法であって、
芯金の外周面上に導電性弾性体層を形成し、該導電性弾性層の外周面をプランジカット方式の円筒研磨して、該導電性弾性層の表面粗さを走査型白色干渉計により測定される面積10点平均粗さで1.5μm以上9.0μm以下にする工程と、
該円筒研磨された導電性弾性層の外周面にリング状のスリットを内周面に備えた塗工液の吐出冶具によりニュートン流体系で粘度が0.5mPa・s以上2.0mPa・s以下である塗工液を定量吐出し、次いで硬化処理をすることにより、該導電性弾性層の外周面上に表面層を形成する工程と、
を有することを特徴とする帯電ローラの製造方法である。
本発明の帯電部材は、表面層の硬度ばらつきおよび抵抗ばらつきが小さい。したがって、表面層を適度に粗面化する帯電部材の構成においても画像むらが発生しにくく、長期間の繰り返し使用によってもトナーやトナーに用いられる外添剤などが表面に固着しにくくなる。そして、その帯電部材によれば、DC接触帯電方式に用いても、長期間安定した帯電および画像出力が可能となる。
以下、本発明をさらに詳細に説明する。
図1は本発明の特徴を最もよく示す図であり、本発明の表面層の形態を説明する断面模式図である。図2は、本発明の帯電ローラの構成を説明する斜視図である。
4は芯金であり、1は芯金4の外周面上に形成された導電性弾性層(単に弾性層とも言う)であり、2は弾性層1の外周面上に形成される表面層である。
芯金4は円柱形状が多く用いられ、また材質としてはステンレス、鉄、または防錆のため表面をニッケルやニッケル・クロム鍍金等を施した鉄等の導電性の良い金属が多用される。また導電性弾性体層1と芯金4間には必要に応じて導電性の接着剤層が設けられる。
導電性弾性体層1の肉厚は通常1〜4mmである。導電性弾性体層1の硬度は、電子写真感光体との当接ニップを十分に確保するために設けた導電性弾性層の機能を十分に発揮させる観点から、通常アスカーC硬度で40〜90度で構成される。アスカーC硬度は、アスカーC硬度計(高分子計器株式会社製)を用いて荷重1000grで測定できる。
導電性弾性体層1は、円筒研磨機などで導電性弾性体層1の外周面に研磨加工を施して、導電性弾性体層1の外周面粗さを走査型白色干渉計(非接触式粗さ計)による面積10点平均粗さで1.5〜9.0μmにすることが好ましい。導電性弾性体層1には、従来の帯電部材の弾性層に用いられているゴムや熱可塑性エラストマーなどの弾性体を1種または2種以上用いることができる。そのためゴムなどで構成されている弾性体はタック性、変形があるため、表面粗さ測定は非接触式粗さ計を用いる。尚、本発明において面積10点平均粗さは走査型白色干渉計を用いて351μm×263μmの面積を5000分割して測定した。
次いで、上記で得られた導電性弾性体層1の外周面と所定の間隔をなす距離に全周に開口されたスリット状の吐出口を備えた塗工液の吐出冶具(リング塗布ヘッド)を導電性弾性体層1のスラスト方向での端部に配置する。そして、外周面と前記吐出口が所定の間隔をなす位置で吐出口から、ニュートン流体系で低粘度である塗工液を定量吐出しながら相対的にリング塗布ヘッドを導電性弾性体層1の外周面上に対して適宜選らばれた一定速度で相対的に移動させる。このようにして、導電性弾性体層1の外周面で一方の端部からもう一方の端部まで塗工液を塗布する。
塗工液はリング塗布ヘッドが移動しても塗布量の精度を良くするために、粘度計の円盤のサイズや回転数を変えても一定の値を示す流体であるニュートン流体系が好ましい。また導電性弾性体層1の外周面粗さに倣って薄膜形成をするために、塗工液の粘度はE型粘度計の値で0.5〜2.0mPa・sより選ばれることが好ましく、0.8〜1.5mPa・sより選ばれることがより好ましい。この粘度であれば、塗工液の厚みを少なくすることができる。
次いで硬化処理をすることにより、導電性弾性体層1の外周面に表面層2を形成する。
さらに、塗工液としては、即乾性のある溶剤希釈系を用いることにより、塗工液の乾燥が早まり、液だれのない膜厚精度の良い表面層2の膜を得ることができる。
表面層2の膜厚は厚いほど導電性弾性層1の低分子量成分によるブリードアウトの抑制する効果が大きくなる傾向にあるが、一方、帯電ローラの帯電能が低下する傾向にあるため、表面層2の平均膜厚は150〜600nmから適宜選ばれる。表面層2の平均膜厚は300〜500nmがより好ましい。帯電ローラの帯電能のばらつきを抑えかつ低分子量成分のブリードアウト抑制に必要な膜厚を確保するため、表面層2の平均膜厚150〜600nmに対してそのばらつき範囲を−50nm〜+100nmにすることが必要である。表面層3の最大膜厚は、表面層の平均膜厚に対して+80nm以下であることがより好ましい。このような構成とすることで、表面層の硬度ばらつきおよび抵抗ばらつきが小さくなる。さらに長期使用においても帯電ローラに汚れが少なくなり、長期間安定した帯電および画像出力が可能である。
表面層2の平均膜厚は、上述した塗工液の濃度、塗工液の総吐出量、リング塗布ヘッドの相対移動速度を適宜選ぶことにより表面層2の任意な膜厚を形成することができる。
例えば、前記の方法によれば、導電性弾性層1の面積10点平均粗さ以下の平均膜厚で表面層2を導電性弾性体層1の外周面上に倣って形成する。そのため、導電性弾性層1の面積10点平均粗さが1.5〜9.0μmに対して表面層2の外周面粗さを面積10点平均粗さで1.5〜8.0μmに形成することができる。
表面層2の平均膜厚を150〜600nmとするために、塗工液の固形分濃度を0.05〜8.0質量%とすることが好ましい。塗工液の総吐出量は、弾性層1の外径および弾性層1のスラスト方向の長さで適宜選ばれる。
表面層2の膜厚ばらつき(最大膜厚及び最小膜厚)は、塗工液の粘度、塗工液中の溶剤種、塗布速度により調整できる。
例えば、前記の方法で表面層2を形成することで、導電性弾性体層1の外周面粗さ上に形成した表面層2の膜厚ばらつきをその平均膜厚150〜600nmに対して−50nm〜+100nmにすることができる。
本発明において、表面層2の膜厚の測定は、表面層2の断面を切断後、走査型電子顕微鏡で倍率10000倍の条件で10箇所の膜厚を測定し、その値を平均して平均膜厚とした。ばらつきはそのうちの最小値と最大値で示した。
表面層2の外周面粗さは、画像むらを防止と帯電部材の表面へのトナーや外添剤の固着を抑制する観点から、走査型白色干渉計によるピーク間距離Smで10〜70μmであることが好ましく、15〜40μmであることがより好ましい。このような構成とすることで、高精細に放電させて均一帯電ができ、かつ長期使用においてもトナーやトナーに用いられる外添剤などが表面に固着しにくくなる。
尚、ゴムなどで構成されている弾性体は測定時の変形などがあるため、導電性弾性層1の表面粗さ測定と同様に、表面層2の表面粗さ測定は非接触式粗さ計を用いる。
さらに、上述した表面層の膜厚及び表面粗さを有する本発明の帯電ローラの構成材料および帯電ローラの製造方法の詳細を説明する。
芯金上に設けられた導電性弾性層には、従来の帯電部材の弾性層(導電性弾性層)に用いられているゴムや熱可塑性エラストマーなどの弾性体を1種または2種以上用いることができる。
ゴムとしては、例えば、ウレタンゴム、シリコーンゴム、ブタジエンゴム、イソプレンゴム、クロロプレンゴム、スチレン−ブタジエンゴム、エチレン−プロピレンゴム、ポリノルボルネンゴム、スチレン−ブタジエン−スチレンゴム、アクリロニトリルゴム、エピクロルヒドリンゴムおよびアルキルエーテルゴムなどが挙げられる。
熱可塑性エラストマーとしては、例えば、スチレン系エラストマーおよびオレフィン系エラストマーなどが挙げられる。スチレン系エラストマーの市販品としては、例えば、三菱化学(株)製商品名「ラバロン」、クラレ(株)製商品名「セプトンコンパウンド」などが挙げられる。オレフィン系エラストマーの市販品としては、例えば、三菱化学(株)製商品名「サーモラン」、三井石油化学工業(株)社製商品名「ミラストマー」、住友化学工業(株)社製商品名「住友TPE」およびアドバンストエラストマーシステムズ社製商品名「サントプレーン」などが挙げられる。
また、導電性弾性層には、導電剤を適宜使用することによって、その導電性を所定の値にすることができる。導電性弾性層の電気抵抗は、導電剤の種類および使用量を適宜選択することによって調整することができ、その電気抵抗の好適な範囲は102〜108Ωであり、より好適な範囲は103〜106Ωである。
導電性弾性層に用いられる導電剤としては、例えば、陽イオン性界面活性剤、陰イオン性界面活性剤、両性イオン界面活性剤、帯電防止剤、電解質などが挙げられる。
陽イオン性界面活性剤としては、例えば、ラウリルトリメチルアンモニウム、ステアリルトリメチルアンモニウム、オクタドデシルトリメチルアンモニウム、ドデシルトリメチルアンモニウム、ヘキサデシルトリメチルアンモニウムおよび変性脂肪酸・ジメチルエチルアンモニウムなどの第四級アンモニウム塩が挙げられる。第四級アンモニウム塩として、具体的には、過塩素酸塩、塩素酸塩、ホウフッ化水素酸塩、エトサルフェート塩およびハロゲン化ベンジル塩(臭化ベンジル塩や塩化ベンジル塩など)などが挙げられる。
陰イオン性界面活性剤としては、例えば、脂肪族スルホン酸塩、高級アルコール硫酸エステル塩、高級アルコールエチレンオキサイド付加硫酸エステル塩、高級アルコール燐酸エステル塩および高級アルコールエチレンオキサイド付加燐酸エステル塩が挙げられる。
帯電防止剤としては、例えば、高級アルコールエチレンオキサイド、ポリエチレングリコール脂肪酸エステルおよび多価アルコール脂肪酸エステルなどの非イオン性帯電防止剤などが挙げられる。
電解質としては、例えば、周期律表第1族の金属(LiやNaやKなど)の塩(第四級アンモニウム塩など)が挙げられる。周期律表第1族の金属の塩として、具体的には、LiCF3SO3、NaClO4、LiAsF6、LiBF4、NaSCN、KSCNおよびNaClなどが挙げられる。
また、導電性弾性層用の導電剤として、周期律表第2族の金属(CaやBaなど)の塩(Ca(ClO42など)やこれから誘導される帯電防止剤を用いることもできる。また、これらと多価アルコールもしくはその誘導体との錯体や、これらとモノオールとの錯体などのイオン導電性導電剤を用いることもできる。多価アルコールとしては、1,4−ブタンジオール、エチレングリコール、ポリエチレングリコール、プロピレングリコール、ポリプロピレングリコールなどが挙げられる。モノオールとしては、エチレングリコールモノメチルエーテル、エチレングリコールモノエチルエーテルなどが挙げられる。
また、導電性弾性層用の導電剤として、ケッチェンブラックEC、アセチレンブラック、ゴム用カーボン、酸化処理を施したカラー(インク)用カーボン、および、熱分解カーボンなどの導電性のカーボンを用いることもできる。ゴム用カーボンとして、具体的には、Super Abrasion Furnace(SAF:超耐摩耗性)、Intermediate Super Abrasion Furnace(ISAF:準超耐摩耗性)、High Abrasion Furnace(HAF:高耐摩耗性)、Fast Extruding Furnace(FEF:良押し出し性)、General Purpose Furnace(GPF:汎用性)、Semi Rein Forcing Furnace(SRF:中補強性)、Fine Thermal(FT:微粒熱分解)およびMedium Thermal(MT:中粒熱分解)などの各ゴム用カーボンが挙げられる。
また、導電性弾性層用の導電剤として、天然グラファイトおよび人造グラファイトなどのグラファイトを用いることもできる。また、導電性弾性層用の導電剤として、酸化スズ、酸化チタンおよび酸化亜鉛などの金属酸化物や、ニッケル、銅、銀およびゲルマニウムなどの金属を用いることもできる。また、導電性弾性層用の導電剤として、ポリアニリン、ポリピロールおよびポリアセチレンなどの導電性ポリマーを用いることもできる。
また、導電性弾性層には、無機または有機の充填剤、架橋剤を添加してもよい。充填剤としては、例えば、シリカ(ホワイトカーボン)、炭酸カルシウム、炭酸マグネシウム、クレー、タルク、ゼオライト、アルミナ、硫酸バリウムおよび硫酸アルミニウムなどが挙げられる。架橋剤としては、例えば、イオウ、過酸化物、架橋助剤、架橋促進剤、架橋促進助剤、架橋遅延剤などが挙げられる。可塑剤として、例えば、エステル系可塑剤、ポリエーテルエステル系可塑剤、パラフィン系可塑剤などを添加してもよい。
上述した成分を混合した組成物を得る方法としては、通常のバンバリーミキサー、ニーダー等の混練り機で混練りし、未加硫の混練りゴムをロールでシーティングする方法が通常採用される。
そして未加硫の混練りゴムをクロスヘッド押出し機と熱風炉、熱プレスなどにより芯金の周囲に円筒状に成形、加熱する。その後、所定の外径寸法および表面粗さを形成するために、成形した弾性層の外周面を円筒研磨機で研磨して導電性弾性体層1として仕上げる。または、円筒状に押出し機で押し出して熱風炉、加硫缶などにより加熱して、次いで芯金を円筒状弾性体に圧入する。その後、外径寸法および表面粗さを形成するために圧入した弾性層の外周面を円筒研磨機で研磨して導電性弾性体層1として仕上げる。
所定の外径寸法および表面粗さを形成する円筒研磨機としては、トラバース方式のNC円筒研磨機、プランジカット方式のNC円筒研磨機などを用いることができる。トラバース方式のNC円筒研磨機では、砥石または未研磨の成形ローラ(芯金の外周面上に弾性層を形成したローラ)を、ローラのスラスト方向に移動して研磨する。プランジカット方式のNC円筒研磨機では、未研磨の成形ローラを芯金軸の中心に回転させながら、ローラ本体のスラスト方向の幅に近い幅を有する研磨砥石を往復させずに切り込む。尚、プランジカット方式のNC円筒研磨機では砥石の最終切り込み位置でのスパークアウト時間(切込み0mmでの保持時間)中に砥石をローラのスラスト方向に0.1〜2.0mm往復移動して研磨しても良い。またプランジカット方式のNC円筒研磨機は、トラバース方式に比べ幅広な研削砥石を用いるため加工時間が短くすることができ、また研削砥石の径変化が少ないので好ましい。
円筒研磨機による導電性弾性体層の研磨条件として、研磨砥石の粒度と結合度、研磨砥石の切込み速度と周速、ドレッシング刃の切込み量と移動速度を適宜選ぶことにより、導電性弾性体層を任意な表面粗さとすることができる。
上記導電性弾性層上に形成される表面層は、オキシアルキレン基を有するポリシロキサンを含有することが好ましい。
上記オキシアルキレン基とは、−O−R−(R:アルキレン基)で示される構造を有する2価の基(「アルキレンエーテル基」と呼ばれることもある。)である。このR(アルキレン基)としては、炭素数1〜6のアルキレン基が好ましい。上記ポリシロキサン中のオキシアルキレン基の含有量は、上記ポリシロキサン全質量に対して5.0〜80.0質量%であることが好ましい。
上記ポリシロキサンは、さらにフッ化アルキル基を有することが好ましい。フッ化アルキル基としては、例えば、直鎖型または分岐型のアルキル基の水素原子の一部または全部をフッ素原子で置換したものが挙げられる。その中でも、炭素数6〜31の直鎖状のパーフルオロアルキル基が好ましい。上記ポリシロキサン中のフッ化アルキル基の含有量は、上記ポリシロキサン全質量に対して5.0〜50.0質量%であることが好ましい。このとき、上記ポリシロキサン中のオキシアルキレン基の含有量は、上記ポリシロキサン全質量に対して5.0〜70.0質量%であることが好ましい。
また、上記ポリシロキサンは、さらにアルキル基およびフェニル基を有することが好ましい。このアルキル基としては、炭素数1〜21の直鎖状もしくは分岐鎖状のアルキル基が好ましく、さらにはメチル基、エチル基、n−プロピル基、ヘキシル基、デシル基がより好ましい。上記ポリシロキサン中のアルキル基の含有量は、上記ポリシロキサン全質量に対して5.0〜30.0質量%であることが好ましい。上記ポリシロキサン中のフェニル基の含有量は、上記ポリシロキサン全質量に対して5.0〜30.0質量%であることが好ましい。このとき、上記ポリシロキサン中のオキシアルキレン基の含有量は、上記ポリシロキサン全質量に対して5.0〜40.0質量%であることが好ましい。
上記ポリシロキサンが、さらに、フッ化アルキル基、アルキル基およびフェニル基を有する場合、各基は次の含有量範囲であることが好ましい。上記ポリシロキサン中のオキシアルキレン基の含有量は、上記ポリシロキサン全質量に対して5.0〜30.0質量%であることが好ましい。上記ポリシロキサン中のフッ化アルキル基の含有量は、上記ポリシロキサン全質量に対して5.0〜50.0質量%であることが好ましい。上記ポリシロキサン中のアルキル基の含有量は、上記ポリシロキサン全質量に対して5.0〜30.0質量%であることが好ましい。上記ポリシロキサン中のフェニル基の含有量は、上記ポリシロキサン全質量に対して5.0〜30.0質量%であることが好ましい。
上記ポリシロキサンは、カチオン重合可能な基を有する加水分解性シラン化合物を加水分解によって縮合させて加水分解性縮合物を得て、次いで、該カチオン重合可能な基を開裂させることにより、該加水分解性縮合物を架橋させることによって得ることができる。フッ化アルキル基を有するポリシロキサンを合成する場合は、この加水分解性縮合物を得る際に、フッ化アルキル基を有する加水分解性シラン化合物を併用すればよい。アルキル基およびフェニル基を有するポリシロキサンを合成する場合は、この加水分解性縮合物を得る際に、アルキル基を有する加水分解性シラン化合物及びフェニル基を有する加水分解性シラン化合物を併用すればよい。アルキル基を有する加水分解性シラン化合物及びフェニル基を有する加水分解性シラン化合物の代わりに、アルキル基及びフェニル基の両方を有する加水分解性シラン化合物を用いることもできる。
上記カチオン重合可能な基を有する加水分解性シラン化合物としては、下記式(2)で示される構造を有する加水分解性シラン化合物が好適である。
Figure 2007225995
上記式(2)中、R21は、飽和もしくは不飽和の1価の炭化水素基を示す。R22は、飽和もしくは不飽和の1価の炭化水素基を示す。Z21は、2価の有機基を示す。Rc21は、カチオン重合可能な基を示す。dは0〜2の整数であり、eは1〜3の整数であり、d+e=3である。
上記式(2)中のRc21のカチオン重合可能な基とは、開裂によってオキシアルキレン基を生成するカチオン重合可能な有機基を意味し、例えば、エポキシ基やオキセタン基などの環状エーテル基、および、ビニルエーテル基などが挙げられる。これらの中でも、入手の容易性および反応制御の容易性の観点から、エポキシ基が好ましい。
上記式(2)中のR21およびR22の飽和もしくは不飽和の1価の炭化水素基としては、例えば、アルキル基、アルケニル基およびアリール基などが挙げられる。これらの中でも、炭素数1〜3の直鎖状もしくは分岐鎖状のアルキル基が好ましく、さらにはメチル基、エチル基がより好ましい。
上記式(2)中のZ21の2価の有機基としては、例えば、アルキレン基およびアリーレン基などが挙げられる。これらの中でも、炭素数1〜6のアルキレン基が好ましく、さらにはエチレン基がより好ましい。
上記式(2)中のeは3であることが好ましい。上記式(2)中のdが2の場合、2個のR21は同一であってもよく、異なっていてもよい。上記式(2)中のeが2または3の場合、2個または3個のR22は同一であってもよく、異なっていてもよい。
以下に、上記式(2)で示される構造を有する加水分解性シラン化合物の具体例を示す。
(2−1):グリシドキシプロピルトリメトキシシラン
(2−2):グリシドキシプロピルトリエトキシシラン
(2−3):エポキシシクロヘキシルエチルトリメトキシシラン
(2−4):エポキシシクロヘキシルエチルトリエトキシシラン
また、上記フッ化アルキル基を有する加水分解性シラン化合物としては、下記式(3)で示される構造を有する加水分解性シラン化合物が好適である。
Figure 2007225995
上記式(3)中、R31は、飽和もしくは不飽和の1価の炭化水素基を示す。R32は、飽和もしくは不飽和の1価の炭化水素基を示す。Z31は、2価の有機基を示す。Rf31は、炭素数1〜31の直鎖状のパーフルオロアルキル基を示す。fは0〜2の整数であり、gは1〜3の整数であり、f+g=3である。
上記式(3)中のR31およびR32の飽和もしくは不飽和の1価の炭化水素基としては、例えば、アルキル基、アルケニル基およびアリール基などが挙げられる。これらの中でも、炭素数1〜3の直鎖状もしくは分岐鎖状のアルキル基が好ましく、さらにはメチル基、エチル基がより好ましい。
上記式(3)中のZ31の2価の有機基としては、例えば、アルキレン基およびアリーレン基などが挙げられる。これらの中でも、炭素数1〜6のアルキレン基が好ましく、さらにはエチレン基がより好ましい。
上記式(3)中のRf31の炭素数1〜31の直鎖状のパーフルオロアルキル基としては、処理性の観点から、特に炭素数6〜11の直鎖状のパーフルオロアルキル基が好ましい。
上記式(3)中のgは3であることが好ましい。上記式(3)中のfが2の場合、2個のR31は同一であってもよく、異なっていてもよい。上記式(3)中のgが2または3の場合、2個または3個のR32は同一であってもよく、異なっていてもよい。
以下に、上記式(3)で示される構造を有する加水分解性シラン化合物の具体例を示す。
(3−1):CF3−(CH22−Si−(OR)3
(3−2):F(CF22−(CH22−Si−(OR)3
(3−3):F(CF24−(CH22−Si−(OR)3
(3−4):F(CF26−(CH22−Si−(OR)3
(3−5):F(CF28−(CH22−Si−(OR)3
(3−6):F(CF210−(CH22−Si−(OR)3
上記(3−1)〜(3−6)中のRはメチル基またはエチル基を示す。
上記(3−1)〜(3−6)の中でも、(3−4)〜(3−6)が好ましい。上記カチオン重合可能な基を有する加水分解性シラン化合物および上記フッ化アルキル基を有する加水分解性シラン化合物は、それぞれ、1種のみ用いてもよいし、2種以上用いてもよい。
特に、上記フッ化アルキル基を有する加水分解性シラン化合物として、上記式(3)で示される構造を有する加水分解性シラン化合物を用いる場合、得られるポリシロキサンが炭素数の異なるパーフルオロアルキル基を有するように選択することが好ましい。すなわち、Rf31の炭素数nA(nAは6〜31の整数)のものと、炭素数nB(nBは6〜31の整数かつnB≠nA)のものとを併用すると、得られるポリシロキサンは、炭素数の異なるパーフルオロアルキル基を有することになる。パーフルオロアルキル基は、帯電部材の表面に向かって配向する傾向にある。したがって、帯電部材の表面層に含有されるポリシロキサンが炭素数の異なるパーフルオロアルキル基を有していれば、帯電部材の表面に向かって長さの異なるパーフルオロアルキル基が配向することになる。この場合、単一の長さのパーフルオロアルキル基が帯電部材の表面に向かって配向する場合に比べて、帯電部材の表面近傍のフッ素原子濃度が高くなり、帯電部材の表面自由エネルギーが低くなる。したがって、長期間繰り返し使用した際の帯電部材の表面へのトナーや外添剤などの固着をより抑制することができる。上記式(3)で示される構造を有する加水分解性シラン化合物を2種以上用いる場合は、上記(3−4)〜(3−6)の中から2種以上選択することが好ましい。
また、アルキル基を有する加水分解性シラン化合物、フェニル基を有する加水分解性シラン化合物、アルキル基及びフェニル基の両方を有する加水分解性シラン化合物としては、下記式(1)で示される構造を有する加水分解性シラン化合物が好適である。
Figure 2007225995
上記式(1)中、R11は、フェニル基置換のアルキル基もしくは無置換のアルキル基、または、アルキル基置換のアリール基もしくは無置換のアリール基を示す。R12は、飽和もしくは不飽和の1価の炭化水素基を示す。aは0〜3の整数であり、bは1〜4の整数であり、a+b=4である。
上記式(1)中のR11のフェニル基置換のアルキル基もしくは無置換のアルキル基のアルキル基としては、炭素数1〜21の直鎖状のアルキル基が好ましい。上記式(1)中のR11のアルキル基置換のアリール基もしくは無置換のアリール基のアリール基としては、フェニル基が好ましい。
上記式(1)中のaは1〜3の整数であることが好ましく、特には1であることがより好ましい。上記式(1)中のbは1〜3の整数であることが好ましく、特には3であることがより好ましい。
上記式(1)中のR12の飽和もしくは不飽和の1価の炭化水素基としては、例えば、アルキル基、アルケニル基およびアリール基などが挙げられる。これらの中でも、炭素数1〜3の直鎖状もしくは分岐鎖状のアルキル基が好ましく、さらにはメチル基、エチル基、n−プロピル基がより好ましい。
上記式(1)中のaが2または3の場合、2個または3個のR11は同一であってもよく、異なっていてもよい。上記式(1)中のbが2、3または4の場合、2個、3個または4個のR12は同一であってもよく、異なっていてもよい。
以下に、上記式(1)で示される構造を有する加水分解性シラン化合物の具体例を示す。
(1−1):テトラメトキシシラン
(1−2):テトラエトキシシラン
(1−3):テトラプロポキシシラン
(1−4):メチルトリメトキシシラン
(1−5):メチルトリエトキシシラン
(1−6):メチルトリプロポキシシラン
(1−7):エチルトリメトキシシラン
(1−8):エチルトリエトキシシラン
(1−9):エチルトリプロポキシシラン
(1−10):プロピルトリメトキシシラン
(1−11):プロピルトリエトキシシラン
(1−12):プロピルトリプロポキシシラン
(1−13):ヘキシルトリメトキシシラン
(1−14):ヘキシルトリエトキシシラン
(1−15):ヘキシルトリプロポキシシラン
(1−16):デシルトリメトキシシラン
(1−17):デシルトリエトキシシラン
(1−18):デシルトリプロポキシシラン
(1−19):フェニルトリメトキシシラン
(1−20):フェニルトリエトキシシラン
(1−21):フェニルトリプロポキシシラン
(1−22):ジフェニルジメトキシシラン
(1−23):ジフェニルジエトキシシラン
上記式(1)で示される構造を有する加水分解性シラン化合物および上記式(3)で示される構造を有する加水分解性シラン化合物を併用する場合、上記式(1)中のaは1〜3の整数であることが好ましく、bは1〜3の整数であることが好ましい。また、a個のR11のうちの1個のR11は炭素数1〜21の直鎖状のアルキル基であることが好ましい。さらに、該炭素数1〜21の直鎖状のアルキル基の炭素数をn1(n1は1〜21の整数)とし、上記式(3)中のRf31の炭素数をn2(n2は1〜31の整数)としたとき、n2−1≦n1≦n2+1であることが好ましい。上記炭素数1〜21の直鎖状のアルキル基は、パーフルオロアルキル基と同様、帯電部材の表面に向かって配向する傾向にある。ただし、n1≧n2+2となると、上記式(3)で示される構造を有する加水分解性シラン化合物のパーフルオロアルキル基による効果が乏しくなる場合がある。一方、n1≦n2−2となると、理由の詳細は不明であるが、帯電時の放電に影響を及ぼし、ハーフトーン画像を出力した際に、その前の文字や黒い図形などがわずかに残像してしまう現象(ゴースト現象)が発生しやすくなる。
上記式(1)で示される構造を有する加水分解性シラン化合物は、1種のみ用いてもよいし、2種以上用いてもよい。2種以上用いる場合には、上記式(1)中のR11がアルキル基のものと上記式(1)中のR11がフェニル基のものとを併用することが好ましい。アルキル基は帯電部材の表面物性の制御の観点から好ましく、フェニル基は上記のゴースト現象抑制の観点から好ましいからである。
以下、本発明の帯電部材の具体的な製造方法(上記ポリシロキサンを含有する表面層の具体的な形成方法)について説明する。
まず、カチオン重合可能な基を有する加水分解性シラン化合物および必要に応じて上記の他の加水分解性シラン化合物を水の存在下で加水分解反応させることによって加水分解性縮合物を得る。加水分解に用いる水の量は、加水分解性シラン化合物の総量に対して30〜50質量%の範囲が好ましい。加水分解反応の際、温度やpHなどを制御することで、所望の縮合度の加水分解性縮合物を得ることができる。
また、加水分解反応の際、加水分解反応の触媒として金属アルコキシドなどを利用し、縮合度を制御してもよい。金属アルコキシドとしては、例えば、アルミニウムアルコキシド、チタニウムアルコキシドおよびジルコニアアルコキシドなど、ならびに、これらの錯体(アセチルアセトン錯体など)が挙げられる。
また、加水分解性縮合物を得る際の、カチオン重合可能な基を有する加水分解性シラン化合物の配合割合は、ポリシロキサン中のオキシアルキレン基の含有量が前記ポリシロキサン全質量に対して5.0〜80.0質量%になるようにすることが好ましい。
フッ化アルキル基を有するポリシロキサンを得る際の、フッ化アルキル基を有する加水分解性シラン化合物の配合割合は、ポリシロキサン中のフッ化アルキル基の含有量がポリシロキサン全質量に対して5.0〜50.0質量%になるようにすることが好ましい。このとき、カチオン重合可能な基を有する加水分解性シラン化合物の配合割合は、ポリシロキサン中のオキシアルキレン基の含有量がポリシロキサン全質量に対して5.0〜70.0質量%になるようにすることが好ましい。アルキル基及びフェニル基を有するポリシロキサンを得る際においても、ポリシロキサン中の各基の含有量が前記の好ましい範囲になるようにすることが好ましい。
具体的には、オキシアルキレン基を有する加水分解性シラン化合物を、全加水分解性シラン化合物に対して5〜90mol%の範囲になるように配合することが好ましく、10〜40mol%の範囲になるように配合することがより好ましい。また、フッ化アルキル基を有する加水分解性シラン化合物を、全加水分解性シラン化合物に対して0.5〜20.0mol%の範囲になるように配合することが好ましく、特には1.0〜10.0mol%の範囲になるように配合することがより好ましい。また、上記式(1)で示される構造を有する加水分解性シラン化合物(M1)を併用する場合には、カチオン重合可能な基を有する加水分解性シラン化合物(MC)とのモル比(MC:M1)が10:1〜1:10の範囲になるように配合することが好ましい。
次に、芯金および該芯金上に形成された導電性弾性層を有する部材上に、表面層用の塗工液を塗布するために、得られた加水分解性縮合物を含む表面層用の塗工液を調製する。
表面層用の塗工液を調製する際には、膜厚精度、ぬれ性向上などの塗布性向上のために、加水分解性縮合物以外に、溶剤を用いることができる。溶剤としては、例えば、エタノールおよび2−ブタノールなどのアルコールや、酢酸エチルや、メチルエチルケトンなど、あるいは、これらを混合したものが挙げられる。
次に、芯金上に設けられた導電性弾性層上に、上記表面層用の塗工液を薄く塗布する方法を図3、4をもって説明する。
図3はリング塗布ヘッドの構造を説明する半断面図である。図4はリング塗布ヘッドを用いて帯電ローラの弾性層上に表面層用の塗工液を塗布する塗工装置を説明する概略図である。
リング塗布ヘッドの構成を図3で説明すると、51は塗工液が供給される液供給口であり、52−1は液供給口51と連通して全周に配置する第1の液分配室である。53は第1の液分配室52−1と連通して全周に配置する液絞り部であり、52−2は液絞り部53と連通して全周に配置する第2の液分配室である。54は第2の液分配室52−2と連通して全周に開口された塗工液の吐出口である。
塗工液は全周に配置する第1の液分配室52−1に連通する孔状の液供給口51に供給される。次いで液分配室52−1に供給された塗工液は、液絞り部53で塗工液の流路が絞られているため、液分配室52−1の全周方向へ液周して全周方向から均一な流れになって第2の液分配室52−2へ供給される。次いで液分配室52−2に供給された塗工液は、全周に開口された塗工液の吐出口54から均一な流れになって吐出され、弾性層1の外周面に塗工液が均一に塗布される。
リング塗布ヘッドの材質としては、ステンレス、鉄、アルミニウム、銅、真鋳等の金属やフッ素樹脂、フェノール樹脂、ポリカーボネート、ポリエチレン、ポリスチレン等の樹脂を用いることができるが、加工精度が高いステンレス等の鋼材を用いる事が好ましい。
リング塗布ヘッドの吐出口54及び液絞り部53の流路幅は、通常0.05mm〜1.0mmの範囲内に調整される。ここで、流路幅が0.05mmより小さい場合、流路内部での液せん断速度が増大し、液の流れに乱れが生じやすくなる。また、流路幅が1.0mmより大きい場合、液分配室内部の静圧が低くなり、円周方向において流路内部で動圧分布ムラが発生し、円周方向において吐出ムラが発生する場合がある。
次に上述したリング塗布ヘッドを用いて帯電ローラの弾性層上に表面層用の塗工液を塗布する方法を図4を用いて説明する。なお、図4は塗工装置の一例である。
図4に示すように、架台101の上には、略垂直にコラム102が取り付けられ、さらに架台101とコラム102の上部に精密ボールネジ103が略垂直に取り付けられている。116はリニアガイドであり、精密ボールネジ103と平行に2本のガイドがコラム102上に取り付けている。LMガイド104は、リニアガイド116と精密ボールネジ103と連結し、サーボモータ105よりプーリ106を介して回転運動が伝達され昇降できるようになっている。さらに、LMガイド104上にブラケット107が取り付けられ、ブラケット107にはリング形状のリング塗布ヘッド108が取り付けられていて、リング塗布ヘッド108はサーボモータ105により昇降する。また該リング塗布ヘッド108は前述した全周に開口された塗工液の吐出口54より円筒状の弾性層1の外周面に塗工液を吐出することが可能となっている。
架台101には、一方のローラの芯金部を保持し固定するワーク下把持軸110が略垂直に取り付けられ、また逆側のローラの芯金部を保持するワーク上把持軸111の中心軸がコラム102の上部に取り付けられている。ワーク上把持軸111はワーク下把持軸110に対向して略同芯になるように配置され、ローラの芯金部を勘合して保持することができる。ワーク下把持軸110およびワーク上把持軸111の外径は、弾性層1の両端部の外径に近い外径にしている。また材質は、加工性、強度を満たす材質であれば良く金属、樹脂などから選ばれる。
さらに、ワーク下把持軸110とワーク上把持軸111の中心軸は、リング塗布ヘッド108の移動方向と平行となるようにそれぞれに支持される。また、リング塗布ヘッド108が昇降移動時においてリング塗布ヘッド108の内周側に全周に開口した環状スリットになっている塗工液の吐出口54の中心軸とワーク下把持軸110およびワーク上把持軸111の中心軸が略同芯になるように調節してある。
このような構成により、リング塗布ヘッド108の全周に開口された塗工液の吐出口54の中心軸をローラの中心軸に略同芯に合わせることができ、リング塗布ヘッド108の内周面と前記弾性層1の外周面との間に均一な隙間が形成される。弾性層1の外周面の外径形状が特にクラウン形状など非直円筒状の外周面である弾性層1の場合には、隙間長さは弾性層1の最大径、外周面ふれを考慮して決められ、隙間長さが5〜400μmであることが好ましい。
また、塗工液の液供給口112は、塗工液搬送用のチューブ113を介してシリンジポンプ114に接続されている。シリンジポンプ114は、定量(単位時間当たりの量が一定)の塗工液を吐出可能な電動式のものが好ましい。そのシリンジポンプ114により塗工液が入ったタンク115から塗工液を汲み上げてチューブ113を通して塗工液の液供給口112に塗工液が供給される。シリンジポンプ114は、送り出す液の脈動が起きないため、安定した吐出が可能である。
以上述べた構成の塗工装置を用いて行う塗工工程を説明する。
まず、前述したワーク上把持軸111を上下に移動して、未塗工のローラ(芯金の外周面上に導電性弾性層を形成し、所望の研磨をしたもの)をワーク下把持軸110とワーク上把持軸111で垂直方向に固定する。
次に、リング塗布ヘッド108は所定の上昇端位置まで上昇し、ワーク上把持軸111上で一端停止する。上昇端位置は、少なくともリング塗布ヘッド108の全周に開口された吐出口54が未塗工の弾性層1の上端部位置(弾性層の最上端)か、それよりも所定距離だけ上の位置に設定する。次いで、この停止位置で、環状スリットに成っている吐出口54より塗工液の吐出を開始して、ワーク上把持軸111の外周に液溜りを形成する。塗工液の塗布開始位置(上昇端位置)は、形成する表面層の膜厚、塗工液と弾性層の濡れ性、粘度、面取り幅などにより設定されるが、弾性層1の上端部位置からの距離で0〜20mmであることが好ましい。
液溜りを形成後、予め設定したリング塗布ヘッド108の下降速度および塗工液の吐出速度(単位時間当りに一定量の塗布液を供給)で連続的に円筒状の弾性層1の外周面に塗工液を塗布しつつ、リング塗布ヘッド108は予め設定された下降部位置まで下降する。弾性層1の下端部位置(弾性層の最下端)か、それから所定距離だけ下の位置まで環状スリットに成っている吐出口54の位置が下降した時点で塗工液の吐出を停止する。塗工液の塗布終了位置は、弾性層1の下端部位置からの距離で0〜20mmであることが好ましい。その後、必要に応じてワーク上把持軸111、ワーク下把持軸110の表面はクリーニングされる。
塗工液の吐出速度は、形成する表面層の膜厚、ローラ外径、塗布速度、塗工液の粘度、固形分比率などにより適宜選ばれる。シリンジポンプ容量として0.1〜500mリットルであることが好ましい。また、リング塗布ヘッド108の下降速度は1〜200mm/秒であることが好ましく、20〜150mm/秒であることがより好ましい。塗工液の吐出速度及びリング塗布ヘッド108の下降速度がこれらの範囲内にあることによって、均一で弾性層の外周面粗さに沿った薄膜化した塗布膜を形成することが可能となる。
次に、導電性弾性層上に塗布された表面層用の塗工液に活性エネルギー線を照射する。すると、表面層用塗工液に含まれる加水分解性縮合物中のカチオン重合可能な基は開裂し、これによって該加水分解性縮合物を架橋させることができる。加水分解性縮合物は架橋によって硬化する。
活性エネルギー線としては、紫外線が好ましい。上記活性エネルギー照射時に発生した熱により、導電性弾性部材の導電性弾性層が膨張し、その後冷却によって収縮した際、表面層がこの膨張・収縮に十分に追従しないと、シワやクラックが多い表面層になってしまう場合がある。ところが、架橋反応に紫外線を用いた場合、短時間(15分以内)に加水分解性縮合物を架橋することができる上、熱の発生も少ないため、表面層のシワやクラックが発生しにくい。また、帯電部材の置かれる環境が温湿度の変化が急激な環境である場合、その温湿度の変化による導電性弾性層の膨張・収縮に表面層が十分に追従しないと、表面層にシワやクラックが発生することがある。ところが、架橋反応を熱の発生が少ない紫外線によって行えば、導電性弾性層と表面層との密着性が高まり、導電性弾性層の膨張・収縮に表面層が十分に追従できるようになるため、環境の温湿度の変化による表面層のシワやクラックも抑制することができる。さらに、架橋反応を紫外線によって行えば、熱履歴による導電性弾性層の劣化を抑制することができるため、導電性弾性層の電気的特性の低下を抑制することもできる。
紫外線の照射には、高圧水銀ランプ、メタルハライドランプ、低圧水銀ランプ、エキシマUVランプなどを用いることができ、これらのうち、紫外線の波長が150〜480nmの光を豊富に含む紫外線源が用いられる。
なお、紫外線の積算光量は、以下のように定義される。
紫外線積算光量[mJ/cm2]=紫外線強度[mW/cm2]×照射時間[s]
紫外線の積算光量の調節は、照射時間や、ランプ出力や、ランプと被照射体との距離などで行うことが可能である。また、照射時間内で積算光量に勾配をつけてもよい。
低圧水銀ランプを用いる場合、紫外線の積算光量は、ウシオ電機(株)製の紫外線積算光量計UIT−150−A(商品名)やUVD−S254(商品名)を用いて測定することができる。エキシマUVランプを用いる場合、紫外線の積算光量は、ウシオ電機(株)製の紫外線積算光量計UIT−150−A(商品名)やVUV−S172(商品名)を用いて測定することができる。
また、架橋反応の際、架橋効率向上の観点から、カチオン重合触媒(重合開始剤)を共存させておくことが好ましい。例えば、活性エネルギー線によって賦活化されるルイス酸のオニウム塩に対してエポキシ基は高い反応性を示すことから、上記のカチオン重合可能な基がエポキシ基である場合、カチオン重合触媒としては、ルイス酸のオニウム塩を用いることが好ましい。
その他のカチオン重合触媒としては、例えば、ボレート塩、イミド構造を有する化合物、トリアジン構造を有する化合物、アゾ化合物、過酸化物などが挙げられる。各種カチオン重合触媒の中でも、感度、安定性および反応性の観点から、芳香族スルホニウム塩や芳香族ヨードニウム塩が好ましい。特に、ビス(4−tert−ブチルフェニル)ヨードニウム塩や、下記式(6)または(7)で示される構造を有する化合物が好ましい。下記式(6)で示される構造を有する化合物としては、旭電化工業(株)製のアデカオプトマ−SP150(商品名)が挙げられる。下記式(6)で示される構造を有する化合物としては、チバスペシャルティーケミカルズ社製のイルガキュア261(商品名)が挙げられる。
Figure 2007225995
Figure 2007225995
カチオン重合触媒の使用量は、加水分解性縮合物に対して1〜3質量%であることが好ましい。
本発明の帯電ローラは、LBP(Laser Beam Printer)、複写機及びファクシミリ等の画像形成装置に用いる帯電ローラとして用いられる。図7には、本発明の帯電ローラを有するプロセスカートリッジを備えた電子写真装置の概略構成の一例を示す。
図7において、201は円筒状の電子写真感光体であり、軸202を中心に矢印方向に所定の周速度で回転駆動される。電子写真感光体201としては、支持体および支持体上に形成された無機感光層もしくは有機感光層を有するものが一般的である。また、電子写真感光体201は表面層として電荷注入層を有するものであってもよい。
回転駆動される電子写真感光体201の表面は、本発明の帯電ローラ5により、正または負の所定電位に均一に帯電され、次いで、スリット露光やレーザービーム走査露光などの露光手段(不図示)から出力される露光光(画像露光光)204を受ける。こうして電子写真感光体201の表面に、目的の画像に対応した静電潜像が順次形成されていく。
帯電ローラ5による電子写真感光体201の表面への帯電の際、帯電ローラ5には、電圧印加手段(不図示)から直流電圧のみの電圧あるいは直流電圧に交流電圧を重畳した電圧が印加される。後述の実施例においては、帯電ローラ5には直流電圧のみの電圧(−1200V)を印加した。また、後述の実施例において、暗部電位は−600V、明部電位は−350Vとした。
電子写真感光体201の表面に形成された静電潜像は、現像手段205の現像剤に含まれるトナーにより現像(反転現像もしくは正規現像)されてトナー像となる。次いで、電子写真感光体201の表面に形成担持されているトナー像が、転写手段(転写ローラなど)206からの転写バイアスによって、転写材(紙など)Pに順次転写されていく。転写材Pは、転写材供給手段(不図示)から電子写真感光体201と転写手段206との間(当接部)に電子写真感光体201の回転と同期して取り出されて給送される。
現像手段205としては、例えば、ジャンピング現像手段、接触現像手段および磁気ブラシ手段などが挙げられるが、トナーの飛散性改善の観点から、接触現像手段が好ましく、後述の実施例においては、接触現像手段を採用した。また、転写手段206となる転写ローラとしては、支持体上に中抵抗に調整された弾性樹脂層を被覆してなるものが例示される。
トナー像の転写を受けた転写材Pは、電子写真感光体201の表面から分離されて定着手段208へ導入されて像定着を受けることにより画像形成物(プリント、コピー)として装置外へプリントアウトされる。両面画像形成モードや多重画像形成モードの場合、この画像形成物は、不図示の再循環搬送機機構に導入されて転写部へ再導入される。
トナー像転写後の電子写真感光体201の表面は、クリーニング手段(クリーニングブレードなど)207によって転写残りの現像剤(トナー)の除去を受けて清浄面化される。さらに前露光手段(不図示)からの前露光光(不図示)により除電処理された後、繰り返し画像形成に使用される。なお、帯電手段(帯電ローラ5)が接触帯電手段である場合は、前露光は必ずしも必要ではない。
上述の電子写真感光体201、帯電ローラ5、現像手段205、転写手段206およびクリーニング手段207などの構成要素のうち、複数のものを容器に納めてプロセスカートリッジとして一体に結合して構成することができる。そして、このプロセスカートリッジを複写機やレーザービームプリンターなどの電子写真装置本体に対して着脱自在に構成してもよい。図7では、電子写真感光体201、帯電ローラ5、現像手段205、転写手段206およびクリーニング手段207とを一体に支持してカートリッジ化している。そして、電子写真装置本体のレールなどの案内手段210を用いて電子写真装置本体に着脱自在なプロセスカートリッジ209としている。
以下に、具体的な実施例を挙げて本発明をさらに詳細に説明する。ただし、本発明はこれらに限定されるものではない。なお、実施例中の「部」は「質量部」を意味する。
<弾性層の作製>
導電層である非直円筒状の弾性層1の作製を示す。
エピクロルヒドリンゴム100部、充填剤としてのFTカーボン40部、ベントナイト5部、可塑剤5部、酸化亜鉛5部およびステアリン酸1部の原材料を20℃に温調した加圧ニーダーで25分間混練した。エピクロルヒドリンゴムとしては、ダイソー(株)製のエピクロマーCG102(商品名)を使用した。充填剤としてのFTカーボンとしては、旭カーボン(株)製の旭#15(商品名)を使用した。ベントナイトとしては、ホージュン(株)製のベンゲルSH(商品名)を使用した。可塑剤としては、旭電化(株)製のRS−700(商品名)を使用した。
さらに上記混練物を30℃に温調した2本ロールを用いて、加硫促進剤としてのジ−2−ベンゾチアゾリルジスルフィド、加硫促進剤としてのテトラメチルチウラムモノスルフィド1部および加硫剤としてのイオウ1部を加えて、15分間混練した。加硫促進剤としてのジ−2−ベンゾチアゾリルジスルフィドとしては、大内新興化学(株)製のノクセラーDM−P(商品名)を使用し、テトラメチルチウラムモノスルフィドとしては、大内新興化学(株)製のノクセラーTS(商品名)を使用した。このようにして、導電性コンパウンドを作製した。
次いで、上記導電性コンパウンドを押出機で外径9.5mm、内径5.6mmの円筒状に押し出し、250mmの長さに裁断した。そして、この成形品を加硫缶で160℃の水蒸気で20分間1次加硫させ、熱風炉で150℃、20分の条件で2次加硫を行い、円筒状の弾性体を得た。
一方、予め外径6mm、長さ256mmの円柱状の芯金を90℃で予熱し、次いで芯金の外周面に導電性の一液型接着剤(商品名:メタロックU−20、(株)東洋化学研究所製)を導電性弾性層の長さに塗布し、これを90℃10分間で熱風乾燥させた。
上記円筒状の弾性体の内径に導電性の一液型接着剤を塗布し乾燥させた芯金を圧入して、その後、芯金を圧入した導電性弾性層を160℃30分間で熱風加熱して芯金と導電性弾性層を接着した。このようにして、表面研磨前の導電性弾性層ローラを得た。
次に、表面研磨前の導電性弾性層ローラの導電性弾性層部分(ゴム部分)の両端を切断し、導電性弾性層部分のスラスト方向の幅を231mmとした。次に、プランジカット方式のNC円筒研磨機を用いて、表面研磨前の導電性弾性層ローラを下記の条件で研磨した。
(研磨条件1)
研磨砥石:ビトリファイド砥石を用いて、砥粒としては緑色炭化珪素(GC)で粒度は120メシュである。ドレッシングはダイヤモンドドレッサーで行った。ダイヤモンドドレッサーの送り速度は200mm/min、1パスの切込み10μmで10回繰り返して行った。さらに仕上げに切込み0μmでダイヤモンドドレッサーを送って逆クラウン形状の研磨砥石を得た。
研磨条件:導電性弾性層ローラの回転数を320rpmとし、研磨砥石の回転数を2000rpm(周速1900mm/min)とした。粗研磨工程としてのΦ8.7mmまでの切込み速度を2mm/minとし、仕上げ研磨工程としてのΦ8.5mmまでの切込み速度を0.3mm/minとし、スパークアウト時間(切込み0mmでの時間)を4秒に設定した。
(研磨条件2)
研磨砥石:条件1と同様にした。
研磨条件:条件1における粗研磨工程としてのΦ8.7mmまでの砥石切込み速度を4mm/minに変更した。他の条件は条件1と同様にした。
(研磨条件3)
研磨砥石:条件1における砥粒の粒度を100メシュに変更した。他の条件は条件1と同様にした。
研磨条件:条件2と同様にした。
(研磨条件4)
研磨砥石:条件1における砥粒の粒度を80メシュに変更した。他の条件は条件1と同様にした。
研磨条件:条件2と同様にした。
(研磨条件5)
研磨砥石:条件4と同様にした。
研磨条件:条件1における粗研磨工程としてのΦ8.7mmまでの砥石切込み速度を6mm/minに変更し、仕上げ研磨工程としてのΦ8.5mmまでの砥石切込み速度を0.6mm/minに変更した。他の条件は条件1と同様にした。
上記研磨条件1〜5で研磨後の導電性弾性層ローラの外径は中央部Φ8.5±0.1mm、両端部Φ8.3±0.1mmでクラウン形状にした。ローラの外径の振れはすべて30μm以下であった。またローラ硬度はいずれも68度(アスカーC)であった。
外径の測定については、非接触のミツトヨ(株)製高精度レーザー測定機LSM−430(商品名)を用いてローラの芯金両端部を支持し、90°ごとに回転させローラのスラスト方向10mm間隔で外径測定を行った。尚、この結果から外径差を算出した。また振れの測定は、次のように行った。前記測定機を用いてローラの芯金両端部を支持し、ローラに対して平行に固定しておいた丸棒に対してローラのスラスト方向10mm刻みでローラを回転させながら丸棒とローラ表面との距離をレーザー測長機にて測定した。そして、ローラ1周分の最大値と最小値を求めその差をローラのスラスト位置での各振れとした。その振れの値の中でもっとも大きな値をそのローラの振れとした。
得られた導電性弾性層ローラの電気抵抗値の測定については、NN(23℃/55%RH)環境下で芯金の両端に500grの荷重をかけ、芯金と金属製ドラムを回転させながらその間に200Vの電圧を印加し、ラジアル方向のローラ電気抵抗値を測定した。研磨条件1〜2で研磨した導電性弾性層ローラの電気抵抗値は0.8〜1.0×105Ωであった。研磨条件3で研磨した導電性弾性層ローラの電気抵抗値は0.9〜1.3×105Ωであった。研磨条件4〜5で研磨した導電性弾性層ローラの電気抵抗値は1.0〜1.4×105Ωであった。
研磨後の導電性弾性層ローラの表面粗さはZYGO干渉計(走査型白色干渉計)を用いて351μm×263μmの面積を5000分割して面積10点平均粗さおよび面積ピーク間距離を算出する。導電性弾性層ローラのスラスト方向に40mmピッチでかつラジアル方向に90°間隔の所を測定箇所とした。各測定箇所を測定して平均値を求めた。導電性弾性層ローラの表面粗さを測定した結果を表1に示す。
Figure 2007225995
<塗工液の作製>
(塗工液1)
加水分解性シラン化合物と、水およびエタノールとを混合した後、室温で攪拌し、次いで24時間加熱還流を行った。加水分解性シラン化合物としては、グリシドキシプロピルトリエトキシシラン(GPTES)、ヘキシルトリメトキシシラン(HETMS)およびトリデカフルオロ−1,1,2,2−テトラヒドロオクチルトリエトキシシラン(FTS)を使用した。なお、FTSのパーフルオロアルキル基の炭素数は6である。各使用量は、GPTES65.03g(0.234mol)、HETMS13.21g(0.064mol)、FTS11.42g(0.022mol(加水分解性シラン化合物総量に対して7mol%相当))、水25.93g、エタノール92.74gとした。このようにして、加水分解性シラン化合物の縮合物を得た。
この縮合物を2−ブタノール/エタノール(2/13(質量比))の混合溶剤に添加することによって、濃度7.5%に希釈して縮合物含有アルコール溶液を調製した。
この縮合物含有アルコール溶液100gに、0.35gの光カチオン重合開始剤としての芳香族スルホニウム塩(商品名:アデカオプトマーSP−150、旭電化工業(株)製)を添加することによって、塗工液1を調製した。調製した塗工液1は、液粘度がE型粘度計の値で0.84、1.02mPa・sになるようにエタノールで希釈して、表面層用の塗工液として使用した。E型粘度計の回転数を50、100rpmと変えても粘度が変わらずにニュートン流体を示した。
(塗工液2)
加水分解性シラン化合物と、水およびエタノールとを混合した後、室温で攪拌し、次いで24時間加熱還流を行った。加水分解性シラン化合物としては、フェニルトリエトキシシラン(PhTES)、ヘキシルトリメトキシシラン(HeTMS)およびトリデカフルオロ−1,1,2,2−テトラヒドロオクチルトリエトキシシラン(FTS)を使用した。なお、FTSのパーフルオロアルキル基の炭素数は6である。各使用量は、PhTES56.16g(0.234mol)、HeTMS13.21g(0.064mol)、FTS11.42g(0.022mol(加水分解性シラン化合物総量に対して7mol%相当))、水25.93g、エタノール61.50gとした。このようにして、加水分解性シラン化合物の縮合物CIを得た。
この縮合物CIを用いること以外は、塗工液1の調製方法と同様の方法で塗工液2を調製した。調製した塗工液2は、液粘度がE型粘度計の値で0.69、0.84、1.02、1.55mPa・sになるようにエタノールで希釈して、表面層用の塗工液として使用した。E型粘度計の回転数を50、100rpmと変えても粘度が変わらずにニュートン流体を示した。
<表面層の形成方法>
図3に示す構成を有するリング塗布ヘッドおよび図4に示す構成を有する塗工装置を用いて、前記より得られた導電性弾性層ローラの外周面に上記塗工液を塗布する。
リング塗布ヘッドの内側の全周に開口されたスリット状の吐出口54の開口幅(スリット幅)は0.2mmとした。また弾性層ローラの中央部外径Φ8.5±0.1mmに対してリング塗布ヘッド108の吐出口54の内径をΦ8.72±0.02mmとした。
図4の塗工装置のワーク上把持軸111を上下に移動して、未塗工の導電性弾性層ローラを外径Φ8.3mmのワーク下把持軸110と外径Φ8.3mmのワーク上把持軸111で垂直方向に固定する。次に、リング塗布ヘッド108の吐出口54を弾性層1の最上端よりも10mm上の上昇端位置までリング塗布ヘッド108が上昇してワーク上把持軸111上で一端停止する。次いで前記より得られた塗工液を密閉容器であるタンク115に入れスターラーで攪拌した。そして、撹拌しながら、タンクを液供給手段であるシリンジポンプ114、更にリング塗布ヘッド108に具備された1箇所の液供給口112につながれたチューブ113を通して、リング塗布ヘッド内に塗工液を3秒供給した。停止位置で環状スリットに成っている吐出口54より塗工液を吐出して塗布を開始してワーク上把持軸111の外周に液溜りを形成する。次いで液溜りを形成後、リング塗布ヘッド108の下降速度10mm/秒の一定の速度で垂直移動と同時に、弾性層ローラの外周面に塗工液を0.03mリットル/秒の吐出速度で全周均一に吐出を行った。そして弾性層1の下端部位置から10mm下の位置まで環状スリットに成っている吐出口54の位置が下降した時点で塗工液の吐出を停止する。その後、リング塗布ヘッド108はワーク下把持軸110上の予め設定された下降部位置までさらに下降して停止する。停止後、塗布された弾性層ローラの表面を指触したところ塗工液は付着しなかった。
その後、塗工液が塗布された導電性弾性層ローラを取り出して室温で30分風乾した。ただし15分風乾した時点で、溶剤の揮発はほぼ終了していた。
更にこれに254nmの波長の紫外線を積算光量が9000mJ/cm2になるように照射し、表面層用の塗工液を硬化(架橋反応による硬化)および乾燥させることによって表面層2を形成した。紫外線の照射には、ハリソン東芝ライティング(株)製の低圧水銀ランプを用いた。
[実施例1]
研磨条件2を用いて作製された導電性弾性層ローラに、粘度がE型粘度計の値で0.84mPa・sの上記塗工液1を用いて表面層を形成し、実施例1の2層構成の帯電ローラとした。
得られた実施例1の帯電ローラの表面粗さを、研磨後の導電性弾性層ローラと同様の条件で測定した。
また、表面層の膜厚を測定した。表面層の膜厚の測定は、実施例1の帯電ローラの表面層を含んだ弾性層部分を切り出して、走査型電子顕微鏡(SEM)により膜厚部分を観察して行った。尚、帯電ローラのスラスト方向に40mmピッチでかつラジアル方向に90°間隔の所を測定箇所とし、各測定箇所の膜厚から平均膜厚および最大膜厚(max)及び最小膜厚(min)を求めた。
[実施例2]
研磨条件2を用いて作製された導電性弾性層ローラに、粘度がE型粘度計の値で0.97mPa・sの上記塗工液1を用いて表面層を形成し、実施例2の2層構成の帯電ローラとした。また得られた実施例2の帯電ローラの表面粗さ、表面層の膜厚を、実施例1と同様の条件を用いて測定した。
[実施例3]
研磨条件3を用いて作製された導電性弾性層ローラに、粘度がE型粘度計の値で0.97mPa・sの上記塗工液1を用いて表面層を形成し、実施例3の2層構成の帯電ローラとした。また得られた実施例3の帯電ローラの表面粗さ、表面層の膜厚を、実施例1と同様の条件を用いて測定した。
[実施例4]
研磨条件4を用いて作製された導電性弾性層ローラに、粘度がE型粘度計の値で0.84mPa・sの上記塗工液1を用いて表面層を形成し、実施例4の2層構成の帯電ローラとした。また得られた実施例4の帯電ローラの表面粗さ、表面層の膜厚を、実施例1と同様の条件を用いて測定した。
[実施例5]
研磨条件4を用いて作製された導電性弾性層ローラに、粘度がE型粘度計の値で0.97mPa・sの上記塗工液1を用いて表面層を形成し、実施例5の2層構成の帯電ローラとした。また得られた実施例5の帯電ローラの表面粗さ、表面層の膜厚を、実施例1と同様の条件を用いて測定した。
[比較例1]
研磨条件2を用いて作製された導電性弾性層ローラに、粘度がE型粘度計の値で1.55mPa・sの上記塗工液2を用いて表面層を形成し、比較例1の2層構成の帯電ローラとした。また得られた比較例1の帯電ローラの表面粗さ、表面層の膜厚を、実施例1と同様の条件を用いて測定した。
[比較例2]
研磨条件4を用いて作製された導電性弾性層ローラに、粘度がE型粘度計の値で1.55mPa・sの上記塗工液2を用いて表面層を形成し、比較例2の2層構成の帯電ローラとした。また得られた比較例2の帯電ローラの表面粗さ、表面層の膜厚を、実施例1と同様の条件を用いて測定した。
[比較例3]
研磨条件1を用いて作製された導電性弾性層ローラに、粘度がE型粘度計の値で0.84mPa・sの上記塗工液2を用いて表面層を形成し、比較例3の2層構成の帯電ローラとした。また得られた比較例3の帯電ローラの表面粗さ、表面層の膜厚を、実施例1と同様の条件を用いて測定した。
[比較例4]
研磨条件5を用いて作製された導電性弾性層ローラに、粘度がE型粘度計の値で0.96mPa・sの上記塗工液2を用いて表面層を形成し、比較例4の2層構成の帯電ローラとした。また得られた比較例4の帯電ローラの表面粗さ、表面層の膜厚を、実施例1と同様の条件を用いて測定した。
[比較例5]
研磨条件4を用いて作製された導電性弾性層ローラに、粘度がE型粘度計の値で0.69mPa・sの上記塗工液2を用いて表面層を形成し、比較例5の2層構成の帯電ローラとした。また得られた比較例5の帯電ローラの表面粗さ、表面層の膜厚を、実施例1と同様の条件を用いて測定した。
実施例1〜5および比較例1〜5で得られた帯電ローラの表面粗さおよび表面層の膜厚を表2に示す。
Figure 2007225995
液だれ、液切れなど塗布欠陥については、帯電ローラの表面層を目視で評価したが実施例1〜5および比較例1〜5いずれも液だれ、液切れがなく良好であった。
次いで実施例1〜5および比較例1〜5で得られた帯電ローラ用いて、以下に示す出力画像評価を行った。
実施例1〜5および比較例1〜5で得られた帯電ローラと電子写真感光体とを、これらを一体に支持するプロセスカートリッジ(商品名:EP−85(ブラック)、キャノン(株)製)に組み込んだ。そして、このプロセスカートリッジをA4紙縦出力用のレーザービームプリンター(商品名:LBP−5500、キャノン(株)製)に装着した。このレーザービームプリンターの現像方式は反転現像方式であり、転写材の出力スピードは47mm/sであり、画像解像度は600dpiである。
尚、帯電ローラとともにプロセスカートリッジに組み込んだ電子写真感光体は、支持体上に層厚14μmの有機感光層を形成してなる有機電子写真感光体である。また、この有機感光層は、支持体側から電荷発生層と変性ポリカーボネート(結着樹脂)を含有する電荷輸送層とを積層してなる積層型感光層であり、この電荷輸送層は電子写真感光体の表面層となっている。
また、上記レーザービームプリンターに使用したトナーは、いわゆる重合トナーであって、そのガラス転移温度は63℃、体積平均粒子径は6μmである。この重合トナーは、ワックス、荷電制御剤、色素、スチレン、ブチルアクリレートおよびエステルモノマーを含む重合性単量体系を水系媒体中で懸濁重合して得られた粒子に、シリカ微粒子および酸化チタン微粒子を外添してなるトナー粒子を含む。
画像出力は、高温高湿のHH(32.5℃、80%RH)と低温低湿のLL(15℃、10%RH)の環境下で行った。HHではA4紙にベタ黒画像を形成し、これを47mm/sのプロセススピードで6000枚出力した。また、HH環境下での初期(5枚出力後)および1000枚出力ごとに、そのHH環境下で出力した帯電ローラを組み込んだプロセスカートリッジをLL環境下で6時間放置した。その後、ハーフトーン画像(電子写真感光体の回転方向と垂直方向に幅1ドット、間隔2ドットの横線を描く画像)を47mm/sのプロセススピードで各々5枚ずつLL環境下で出力した。LL環境下で5枚出力後に再びHH環境下にプロセスカートリッジを戻して6時間放置した後にHH環境下で出力を継続することを6000枚まで繰り返した。
出力画像の評価は、初期(5枚出力後)、1000枚出力後(1k)、2000枚出力後(2k)、3000枚出力後(3k)、4000枚出力後(4k)、5000枚出力後(5k)、及び6000枚出力後(6k)に出力画像を目視することによって行った。評価基準は以下のとおりである。
○:帯電ローラの表面にトナーや外添剤が固着することによる帯電ムラが出力画像上確認できず、表層膜が環境で変化することによる帯電むらが出力画像上確認できないもの。
△:帯電ローラの表面にトナーや外添剤が固着することによる薄い帯電むらが出力画像上確認できる、あるいは表層膜が環境で変化することによる薄い帯電むらが出力画像上確認できるが、実用上問題のないもの。
×:帯電ローラの表面にトナーや外添剤が固着することによる帯電むらが出力画像上確認できる、あるいは表層膜が環境で変化することによる帯電むらが出力画像上確認でき、実用上問題のあるもの。
Figure 2007225995
Figure 2007225995
その結果、実施例1〜5の帯電ローラでは、ベタ黒、ハーフトーン画像を出力しいずれの環境下でも鮮明な画像が得られた。さらに6000枚の通紙耐久評価に於いても問題はなかった。
比較例1、2では膜厚が厚いため環境で変化して収縮が発生し耐久性が×であった。比較例3では面積10点平均粗さが細かくかつ面積ピーク間距離が短いためトナーや外添剤が固着して耐久性が×であった。比較例4では面積10点平均粗さが粗いため初期は○だったが、耐久途中で部分的に△に変化し、6000枚出力後はトナーや外添剤が固着して耐久性が×であった。比較例5では表面層の最小膜厚が部分的に薄く、耐久5000枚で部分割れが発生しLLで耐久性が×であった。
本発明の帯電ローラの表面層の形態を説明する断面模式図である。 本発明の帯電ローラの構成を説明する斜視図である。 リング塗布ヘッドの構造を説明する半断面図である。 リング塗布ヘッドを用いて弾性層上に塗工液を塗布する塗工装置を説明する概略図である。 従来の帯電部材の表面層の形態を説明する概略図である。 従来の帯電部材の表面層の形態を説明する概略図である。 本発明の帯電ローラを有するプロセスカートリッジを備えた電子写真装置の概略構成の一例を示す図である。
符号の説明
1 弾性層
2 表面層
3 粒子
4 芯金
5 帯電ローラ
51 液供給口
52−1 第1の液分配室
52−2 第2の液分配室
53 液絞り部
54 吐出口
101 架台
102 コラム
103 精密ボールネジ
104 LMガイド
105 サーボモータ
106 プーリ
107 ブラケット
108 リング塗布ヘッド
110 ワーク下把持軸
111 ワーク上把持軸
112 液供給口
113 チューブ
114 シリンジポンプ
115 タンク
116 リニアガイド
201 電子写真感光体
202 軸
204 露光光
205 現像手段
206 転写手段
207 クリーニング手段
208 定着手段
209 プロセスカートリッジ
210 案内手段
P 転写材

Claims (5)

  1. 芯金と、該芯金の外周面上に形成された導電性弾性体層と、該導電性弾性層上に形成された表面層とを有する帯電ローラにおいて、該表面層の平均膜厚が150nm以上600nm以下であり、かつ該表面層の最小膜厚及び最大膜厚が該表面層の平均膜厚に対してそれぞれ−50nm以上及び+100nm以下であり,更に該表面層の外周面粗さが、走査型白色干渉計により測定される面積10点平均粗さで1.5μm以上8μm以下であることを特徴とする帯電ローラ。
  2. 前記表面層の外周面粗さが、ピーク間距離Smで10μm以上70μm以下であること特徴とする請求項1記載の帯電ローラ。
  3. 前記表面層が、オキシアルキレン基を有するポリシロキサンを含有することを特徴とする請求項1または2記載の帯電ローラ。
  4. 前記オキシアルキレン基を有するポリシロキサンが、さらにフッ化アルキル基を有することを特徴とする請求項3記載の帯電ローラ。
  5. 請求項1乃至4のいずれかに記載の帯電ローラの製造方法であって、
    芯金の外周面上に導電性弾性体層を形成し、該導電性弾性層の外周面をプランジカット方式の円筒研磨して、該導電性弾性層の表面粗さを走査型白色干渉計により測定される面積10点平均粗さで1.5μm以上9.0μm以下にする工程と、
    該円筒研磨された導電性弾性層の外周面にリング状のスリットを内周面に備えた塗工液の吐出冶具によりニュートン流体系で粘度が0.5mPa・s以上2.0mPa・s以下である塗工液を定量吐出し、次いで硬化処理をすることにより、該導電性弾性層の外周面上に表面層を形成する工程と、
    を有することを特徴とする帯電ローラの製造方法。
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