JP4878659B1 - 帯電部材及び電子写真装置 - Google Patents

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Abstract

【課題】長期に亘る使用によっても帯電性能が変化し難い帯電部材が提供される。
【解決手段】該帯電部材は、導電性支持体、弾性層及び表面層を有している。該弾性層は、球形粒子を、その少なくとも一部が該弾性層の表面から露出するように含有し、それによって、該弾性層の表面は粗面化されてなり、該球形粒子は球形シリカ粒子、球形アルミナ粒子および球形ジルコニウム粒子からなる群から選ばれる少なくとも1つであり、該弾性層の表面は該表面層によって、該弾性層の表面形状が該帯電部材の表面形状に反映されるように被覆されており、該表面層は、特定の構成単位を有する高分子化合物を含む。
【選択図】図2

Description

本発明は、帯電部体及び電子写真装置に関する。
電子写真装置において、ドラム形状の感光体の表面に接触配置されたローラ形状の帯電部材に電圧を印加し、ニップ近傍にて微小な放電を発生させて感光体の表面を帯電する接触帯電方式が知られている。
接触帯電方式に用いられる帯電部材としては、特許文献1に記載されているように、表面への現像剤の付着等を軽減し、また、放電を安定化させるために表面層中に粒子を含有させて、表面を粗面化することが一般的に行われている。
一方、特許文献2は、導電性の弾性体層上にオキシアルキレン基を有するポリシロキサンを含有する高い電気抵抗を有する薄い表面層を設けることによって、帯電能力を高めた帯電部材を開示している。
特開2005−345801 特開2009−086263
上記特許文献1に記載されているように、表面層へ微粒子を含有させることによってその表面を粗面化した帯電部材は、感光体との繰り返しの接触によって、表面層が徐々に摩耗していく。それに伴って、微粒子が表面層から脱落していき、帯電部材の表面層の形状が変化する場合がある。その結果、帯電部材の帯電性能が経時的に変化してしまうことがある。
そこで、本発明の目的は、長期に亘る使用によっても帯電性能が変化し難い帯電部材を提供することにある。
また、本発明の目的は、高品位な電子写真画像を安定して形成し得る電子写真装置を提供することにある。
本発明によれば、導電性支持体、弾性層及び表面層を有し、該弾性層は、球形粒子を一部が該弾性層の表面から露出するように含有し、それによって、該弾性層の表面は粗面化されてなり、該球形粒子は球形シリカ粒子、球形アルミナ粒子および球形ジルコニウム粒子からなる群から選ばれる少なくとも1つであり、該弾性層の表面は該表面層によって、該弾性層の表面形状が該帯電部材の表面形状に反映されるように被覆されており、該表面層は、下記式(1)で示される構成単位を有する高分子化合物を含む帯電部材が提供される:
Figure 0004878659
式(1)中、R1、R2は各々独立して下記式(2)〜(5)のいずれかを示す。
Figure 0004878659
Figure 0004878659
Figure 0004878659
Figure 0004878659
式(2)〜(5)中、R3〜R7、R10〜R14、R19、R20、R24、およびR25は各々独立して水素、炭素数1〜4のアルキル基、水酸基、カルボキシル基、またはアミノ基を示す。R8、R9、R15〜R18、R22、R23、R27〜R30は各々独立して水素、または炭素数1〜4のアルキル基を示す。n、m、l、q、s、およびtは各々独立して1〜8の整数、pおよびrは各々独立して4〜12の整数、xおよびyは各々独立して0又は1を示す。*は式(1)中のケイ素原子との結合位置を示し、**は式(1)中の酸素原子との結合位置を示す。)。
また、本発明によれば、電子写真感光体と、該電子写真感光体に接触配置されている帯電部材とを有し、該帯電部材が上記の帯電部材である電子写真装置が提供される。
本発明によれば、帯電性能が変化し難い帯電部材を得ることができる。また、本発明によれば、高品位な電子写真画像を安定して形成し得る電子写真装置を得ることができる。
本発明の帯電部材の表面状態を示す模式図である。 本発明の帯電部材の一例を示す断面図である。 本発明の電子写真装置の一例を示す概略構成図である。
本発明の帯電部材は、導電性基体、弾性層及び表面層を有している。
<導電性基体>
上記基体は、上層に設けられる弾性層及び表面層を支持可能な強度と導電性を有するものである。基体の材質としては、鉄、銅、ステンレス、アルミニウム、又はニッケルの金属や、これらの合金等を用いることができる。また、基体の表面に、耐傷性付与を目的として、導電性を損なわない範囲で、メッキ処理等の表面処理を施してもよい。
<弾性層>
上記弾性層は、帯電部材に、感光体とニップ部を形成することができる弾性と、導電性を付与するものであり、ベースポリマーと添加剤を用いて形成することができる。ベースポリマーとしては、帯電部材の使用温度範囲でゴム弾性を有するものであればよい。
該ベースポリマーの具体例としては以下のものが挙げられる。
天然ゴム(NR)、イソプレンゴム(IR)、ブタジエンゴム(BR)、スチレン−ブタジエン(SBR)、ブチルゴム(IIR)、エチレン−プロピレン−ジエン3元共重合体ゴム(EPDM)、エピクロルヒドリンホモポリマー(CHC)、エピクロルヒドリン−エチレンオキサイド共重合体(CHR)、エピクロルヒドリン−エチレンオキサイド−アリルグリシジルエーテル3元共重合体(CHR−AGE)。アクリロニトリル−ブタジエン共重合体(NBR)、アクリロニトリル−ブタジエン共重合体の水添物(H−NBR)、クロロプレンゴム(CR)、アクリルゴム(ACM、ANM)等。
また、上記のベースポリマーに対して架橋剤を配合した熱硬化性のゴム材料、および、ポリオレフィン系、ポリスチレン系、ポリエステル系、ポリウレタン系、ポリアミド系、塩ビ系等の熱可塑性エラストマーもベースポリマーとして用い得る。
本発明に係る弾性層は、球形シリカ粒子、球形アルミナ粒子及び球形ジルコニア粒子からなる群から選ばれる少なくとも1種の球形粒子を、当該球形粒子の少なくとも一部が、該弾性層から露出するように含有している。当該弾性層は、球形粒子の一部分が露出することにより、その表面が粗面化されている。
球形シリカ粒子、球形アルミナ粒子及び球形ジルコニア粒子は、何れも高い硬度を有し、後述する弾性層の形成過程における研摩工程においても球形粒子自体は研削されにくい。そのため、球形を維持した状態で、弾性層の表面にその一部分を露出させることができる。また、帯電部材がニップにおいて感光体に対して押圧されたときにも、該表面層自体の剛性と相俟って帯電部材の表面形状がよく維持されることとなる。
本発明における球形シリカ粒子、球形アルミナ粒子及び球形ジルコニア粒子は各々、主成分としてシリカ、アルミナまたはジルコニアを含む球形粒子であって、その他の物質を含有していてもよい。これらの球形粒子の硬度は修正モース硬度で7以上であることが好ましい。修正モース硬度が7以上であれば、帯電部材が感光体と形成するニップ部において球状粒子の変形が抑制され、感光体との接触面積が増長するのを抑制することができる。
これらの球状粒子の平均粒子径の目安としては、2μm以上、80μm以下、特には、5μm以上、40μm以下であることが好ましい。この範囲内とすることで、帯電部材が感光体に押圧された際の、ニップにおける接触面積の増加を抑制できる。また、帯電部材の表面形状を、帯電部材の表面にトナー等が付着することを有効に抑制し得る表面形状とすることが容易となる。
ここで、球状粒子の平均粒子径は以下の測定方法によって求められる長さ平均粒子径を採用することができる。走査型電子顕微鏡(日本電子株式会社製 JEOL LV5910)による球状粒子の撮影画像を、画像解析ソフト(商品名:Image−ProPlus;プラネトロン社製)を用いて解析する。解析は写真撮影時のミクロンバーから単位長さ当りの画素数をキャリブレーションし、写真から無作為に選択した50個の各粒子について、画像上の画素数から定方向径を測定し、得られた測定値の算術平均を長さ平均粒子径とする。
また、球形粒子の球形度の目安としては、形状係数SF1の値が100以上、160以下であることが好ましい。形状係数SF1は数式(1)で表される指数であり、100に近いほど球形に近いことを意味している。球形粒子の形状係数SF1は以下の測定方法による測定値を採用することができる。走査型電子顕微鏡で撮影した画像情報を画像解析装置(ニコレ社製Lusex3)に入力し、無作為に選択した50個の粒子像について、数式(1)によってSF1を算出し、その算出値の算術平均値を求める。
SF1={(MXLNG)2 /AREA}×(π/4)×(100) (1)
(MXLNGは粒子の絶対最大長を、AREAは粒子の投影面積を表す。)
また、球形粒子の比表面積はJIS Z8830(2001年)に準拠して測定した値で、10m2/g以下が好ましい。球状粒子の比表面積が10m2/g以下であれば、ベースポリマーに配合したときに弾性層の硬度が過大になるのを抑制することができる。
球形粒子は、シリカ、アルミナ、ジルコニアの単一種類を用いても、また、2種類以上を混合して用いてもよい。球形粒子の弾性層中における含有量の目安は、ベースポリマー100質量部に対して、10質量部以上、100質量部以下であることが好ましい。球形粒子の含有量が10質量部以上であれば、弾性層の表面の粗面化のために十分な量の球形粒子を弾性層の表面からその一部分を露出させることができる。また、100質量部以下とすることで、弾性層の過度に硬くなることを抑制できる。
弾性層は、その電気抵抗を調整するために導電剤を含有することが好ましい。導電剤としては、例えば、以下のものを用いることができる。カーボンブラック、グラファイト等の炭素材料;酸化チタン、酸化錫等の酸化物;Cu、Ag等の金属;酸化物や金属を粒子表面に被覆して導電化した導電粒子等の電子導電剤。過塩素酸リチウム、過塩素酸ナトリウム、過塩素酸カルシウム等の無機イオン物質。ラウリルトリメチルアンモニウムクローライド、ステアリルトリメチルアンモニウムクローライド、オクタデシルトリメチルアンモニウムクローライド、ドデシルトリメチルアンモニウムクローライド。ヘキサデシルトリメチルアンモニウムクローライド、トリオクチルプロピルアンモニウムブロミド、変性脂肪族ジメチルエチルアンモニウムエトサルフェート等の陽イオン性界面活性剤。ラウリルベタイン、ステアリルべタイン、ジメチルアルキルラウリルベタイン等の両性イオン界面活性剤。過塩素酸テトラエチルアンモニウム、過塩素酸テトラブチルアンモニウム、過塩素酸トリメチルオクタデシルアンモニウム等の第四級アンモニウム塩。トリフルオロメタンスルホン酸リチウム等の有機酸リチウム塩等のイオン導電剤。
これらの導電剤は1種又は2種以上を組み合わせて用いることができる。これら導電剤の弾性層中の含有量としては、帯電部材に所望の導電性を付与できれば、特に限定されるものではない。表面層を薄膜化するためには弾性層を低電気抵抗化することが好ましく、例えば、弾性層の電気抵抗が102Ω以上、108Ω以下、より好しくは103Ω以上、106Ω以下となるように、導電剤の含有量を調整することが好ましい。
上記弾性層には、その他、上記物質の機能を阻害しない範囲において、必要に応じてゴムの配合剤として一般に用いられている充填剤、加工助剤、老化防止剤、架橋助剤、架橋促進剤、架橋促進助剤、架橋遅延剤、分散剤等を含有させることができる。
上記弾性層の硬度は、帯電部材と感光体とを当接させた際の帯電部材の変形を抑制する点から、アスカーCが60度以上、85度以下であることが好ましく、より好ましくは70度以上、80度以下である。アスカーC硬度の測定は、測定環境25℃×55%RHで、測定対象の表面にアスカーC型硬度計(高分子計器(株)製)の押針を当接し、1000g加重の条件で測定した測定値とすることができる。
上記したように、本発明に係る弾性層は、特定の球形粒子を、その一部が露出するように含有している。図1に、本発明に係る帯電部材の表面近傍の拡大断面を模式的に示した。図1中、球形粒子31の露出部31aは、表面がベースポリマーで被覆されておらず、走査型電子顕微鏡の画像において弾性層12の表面から突出し、それによって、弾性層の表面は粗面化されている。本発明において、弾性層12の表面とは、球形粒子31の露出部分31aの表面をも含む概念である。従って、本発明において、弾性層12の表面が、後述する表面層13によって被覆されている状態とは、表面層13が、球形粒子31の露出部分31aを含めて弾性層の表面全体を被覆している状態を意味している。
次に、本発明に係る、球形粒子の少なくとも一部分が露出してなる弾性層の形成方法を説明する。
まず、弾性層を構成する材料、具体的には、ベースポリマー、球形粒子および必要に応じて導電性粒子を、バンバリーミキサーや加圧式ニーダーといった密閉型混合機や、オープンロールのような開放型の混合機を使用して混合し、弾性層形成用の混合物を得る。その後、以下の(1)〜(3)の何れかの方法によって導電性支持体上の弾性層を形成することができる。
(1)弾性層用混合物を押出機によりチューブ状に押出成形し、これに芯金を挿入する方法。
(2)弾性層用混合物を、クロスヘッドを装着した押出機により、芯金を中心に所望の外径となるように円筒形に共押出する方法。
(3)弾性層用混合物を射出成形機により、所望の外径の金型内部に注入して弾性層を調製する方法。
中でも、上記(2)の方法は連続生産が容易で、工程数が少なく、低コストでの製造に適しているため好ましい。
次に、ベースポリマーの性質に応じて、必要な加熱硬化処理を行って導電性支持体上に形成した弾性層の表面を研磨して、球状粒子の一部分を弾性層から露出させる。弾性層の表面を研削する方法としては、砥石又は弾性層を形成した弾性ローラを軸方向に移動して研削するトラバース方式、弾性ローラ長さより幅広の砥石を用いて弾性ローラを回転させて研削するプランジカット方式等を使用することができる。プランジカット方式は弾性ローラの全幅を一度に研削できる利点があり、トラバース方式より加工時間の短縮を図ることができるため、好ましい。更に、弾性層表面は、その表面に形成される表面層が薄膜であることから、表面状態が帯電部材の表面に与える影響が大きく、感光体との駆動の安定化、またトナー汚れ防止の観点から、低摩擦化等の表面改質処理を行うことが好ましい。
表面改質方法としては、紫外線照射、電子線照射・プラズマ処理・コロナ放電処理等によることができ、これらの表面処理を組み合わせて使用してもよい。
<表面層>
上記表面層は、下記式(1)で示される構成単位を有する高分子化合物を含有する。かかる高分子化合物は、弾性層の表面を構成する球形粒子およびバインダーポリマーの双方に対して優れた親和性を示す。そのため、弾性層の表面形状が帯電部材の表面形状に反映されるように薄膜の被覆を形成することができる。また、当該高分子化合物は、緻密な架橋構造を有するため、高い剛性を示す。そのため、弾性層からその一部分を露出させた球状粒子が帯電部材の表面からの脱落を有効に抑制することができる。その結果として、本発明に係る帯電部材は、長期の使用によっても表面形状が変化し難い。すなわち、本発明に係る帯電部材は、帯電性能が経時的に変化しにくいものとなる。
Figure 0004878659
式(1)中、R1、R2は各々独立して、式(2)〜(5)を示す。
Figure 0004878659
Figure 0004878659
Figure 0004878659
Figure 0004878659
上記式(2)〜(5)中、R3〜R7、R10〜R14、R19、R20、R24、およびR25は各々独立して水素、炭素数1〜4のアルキル基、水酸基、カルボキシル基、またはアミノ基を示す。R8、R9、R15〜R18、R22、R23、およびR27〜R30は各々独立して水素、または炭素数1〜4のアルキル基を示す。n、m、l、q、s、およびtは各々独立して1〜8の整数、pおよびrは各々独立して4〜12の整数、xおよびyは各々独立して0又は1を示す。記号「*」は式(1)のケイ素原子との結合位置を示し、記号「**」は式(1)の酸素原子との結合位置を示す。
上記式(2)〜(5)で示される構造の具体例としては、上記式(2)〜(5)中の、R3 〜R30 が水素原子である下記式(6)〜(9)で示されるものを挙げることができる。
Figure 0004878659
Figure 0004878659
Figure 0004878659
Figure 0004878659
式(6)〜式(9)中、N、M、L、Q、S、およびTは各々独立して1〜8の整数、x’およびy’ は各々独立して0又は1を示す。記号「*」は上記式(1)のケイ素原子との結合位置を示し、記号「**」は上記式(1)の酸素原子との結合位置を示す。
このような表面層を形成するには、表面層形成用の塗工液を調製し、これを、球状粒子の露出部を形成した弾性層上に塗工して塗膜を形成し、塗膜に活性エネルギー線を照射して架橋を形成する方法によることができる。表面層用塗工液の調製は以下の工程(1)と工程(2)によることができる。
工程(1):
下記式(10)で表されるエポキシ基含有加水分解性シラン化合物(A)と、必要に応じて下記式(11)で示される加水分解性シラン化合物(B)とを混合し、水(D)、アルコール(E)を混合し加熱還流により加水分解・縮合を行う工程;
式(10)
31−Si(OR32)(OR33)(OR34
式(11)
64−Si(OR65)(OR66)(OR67
工程(2):
上記工程(1)により得られた加水分解・縮合物に光重合開始剤(F)を添加し、必要に応じてアルコール(E)により適当な濃度に希釈する工程。
工程(1)で用いる上記式(10)で表されるエポキシ基含有加水分解性シラン化合物(A)において、R32 〜 R34は各々独立して炭化水素基を示す。炭化水素基としては、例えば、アルキル基、アルケニル基、アリール基等が挙げられる。これらの中でも、炭素数1〜4の直鎖状又は分岐鎖状のアルキル基が好ましく、具体的には、メチル基、エチル基、n−プロピル基、i−プロピル基、n−ブチル基、t−ブチル基を挙げることができる。R31は、エポキシ基を有する、式(12)〜(15)のいずれかを示す。
Figure 0004878659
Figure 0004878659
Figure 0004878659
Figure 0004878659
式(12)〜(15)中、R40〜R42、R45〜R47、R52、R53、R57、およびR58は各々独立して水素、炭素数1〜4のアルキル基、水酸基、カルボキシル基、またはアミノ基を示す。R43、R44、R48〜R51、R55、R56、およびR60〜R63は各々独立して水素、または炭素数1〜4のアルキル基を示す。R54、およびR59は各々独立して水素、炭素数1〜4のアルコキシ基、または炭素数1〜4のアルキル基を示す。n’、m’、l’、q’、s’、およびt’は各々独立して1〜8の整数、p’およびr’は各々独立して4〜12の整数を示す。また、*はケイ素原子との結合位置を示す。
エポキシ基含有加水分解性シラン化合物(A)として、具体的に以下のものを挙げることができ、これらは1種又は2種以上を組み合わせて用いることができる。
4-(トリメトキシシリル)ブタン-1,2-エポキシド、5,6-エポキシヘキシルトリエトキシシラン、8-オキシラン-2-イルオクチルトリメトキシシラン、8-オキシラン-2-イルオクチルトリエトキシシラン、3-グリシドキシプロピルトリメトキシシラン、3-グリシドキシプロピルトリエトキシシラン、(2-トリエトキシシリル)1-メチルシクロヘキサン-3,4-エポキシド、(2-トリエトキシシリル)1-エチルシクロヘキサン-3,4-エポキシド、3-(3,4−エポキシシクロヘキシル)メチルオキシプロピルトリメトキシシラン。
また、工程(1)で用いられる式(11)で表される加水分解性シラン化合物(B)において、式(11)中、R64はアルキル基、又はアリール基を示し、R65〜R67は各々独立して炭化水素基を示す。R64のアルキル基としては、炭素数1〜21の直鎖状が好ましく、より好ましくは炭素数6〜10の直鎖状である。R64のアリール基としては、フェニル基が好ましい。R65〜R67の炭化水素基としては、例えば、アルキル基、アルケニル基、又はアリール基等が挙げられる。これらの中でも、炭素数1〜4の直鎖状又は分岐鎖状のアルキル基が好ましく、具体的には、メチル基、エチル基、n−プロピル基、i−プロピル基、n−ブチル基、t−ブチル基を挙げることができる。また、R64がフェニル基を有する加水分解性シラン化合物を含む場合、R64が炭素数6〜10の直鎖状のアルキル基を有する加水分解性シラン化合物と併用することが、加水分解縮合反応を通して構造が変化しても溶媒との相溶性が良好であることから、好ましい。
加水分解性シラン化合物(B)の具体例として以下のものを挙げることができる。
メチルトリメトキシシラン、メチルトリエトキシシラン、エチルトリメトキシシラン、エチルトリエトキシシラン、プロピルトリメトキシシラン、プロピルトリエトキシシラン、ヘキシルトリメトキシシラン、ヘキシルトリエトキシシラン、ヘキシルトリプロポキシシラン、デシルトリメトキシシラン、デシルトリエトキシシラン、フェニルトリメトキシシラン、フェニルトリエトキシシラン、フェニルトリプロポキシシラン、オクチルトリエトキシシラン。
加水分解性化合物(B)として、上記の具体例に記載した化合物群から選ばれる2つ以上を組み合わせて用いてもよい。また、上記の具体例に記載した化合物中のアルキル基の少なくとも1個の水素原子がフッ素原子で置換されたものも加水分解性化合物(B)として用い得る。
上記工程(1)に用いる水(D)の添加量は、加水分解性シラン化合物(A)及び(B)の合計のモル数(A)+(B)に対する水のモル数(D)の比ROR=(D)/((A)+(B))が、0.3以上、6.0以下であることが好ましい。更に、RORが1.2以上、3.0以下であることがより好ましい。RORが0.3以上であれば、縮合反応が充分に行われ、表面層用塗工液に未反応のシリカ化合物が残存するのを抑制し、架橋密度の高い膜が得られる。RORが6.0以下であれば、縮合反応の速度が速くなり表面層用塗工液に白濁や沈殿が生成するのを抑制することができ、また、極性が高くなって縮合物との相溶性が低下するのを抑制することができる。
アルコール(E)は、加水分解性シラン化合物(A)、(B)の加水分解・縮合物を相溶させるために用いられる。アルコール(E)としては、第1級アルコール、第2級アルコール、第3級アルコール、第1級アルコールと第2級アルコールの混合系、第1級アルコールと第3級アルコールの混合系を用いることが好ましい。アルコールとして、特に、エタノール、メタノールと2−ブタノールの混合溶液、エタノールと2−ブタノールの混合溶液が好ましい。
上記工程(1)において、これらを混合し、加熱還流を行い、加水分解・縮合物を形成する。上記工程(1)においては、加水分解性シラン化合物は(A)の1種又は2種以上に、加水分解性シラン化合物(B)を必要に応じて1種又は2種以上を組み合わせて使用してもよく、更に、金属アルコシド(C)を用いてもよい。金属アルコシド(C)としては、ジルコニウム、ハフニウム、タンタル、チタニウムにその原子価に応じた数のアルコキシル基が結合したものであることが好ましい。
アルコキシル基としては、例えば、アルキルオキシ基、アルケニルオキシ基、アリールオキシ基等を挙げることができ、炭素原子が一部酸素若しくは窒素で置換されたものであってもよい。具体的には、メトキシ基、エトキシ基、n−プロポキシ基、i−プロピキシ基、n−ブトキシ基、t−ブトキシ基等を挙げることができる。金属アルコシド(C)の使用量は、モル比において(C)/((A)+(B))≦5.0であることが表面層に白濁や沈殿が生じるのを抑制し、塗工液の保存性を向上させることができることから、好ましい。更に、0.5≦(C)/((A)+(B))≦3.0であることが、好ましい。金属アルコシド(C)は、エポキシ基含有加水分解性シラン化合物(A)又はこれと共に混合した加水分解性シラン化合物(B)に水(D)とアルコール(E)と添加して、加水分解縮合物とした後に、この加水分解縮合物に添加することが好ましい。
上記工程(2)で用いる光重合開始剤(F)は、シラン縮合物に架橋を形成させるために用いる。光重合開始剤(F)としては、ルイス酸あるいはブレンステッド酸のオニウム塩、カチオン重合触媒を用いることもできる。カチオン重合触媒としては、例えば、ボレート塩、イミド化合物、トリアジン化合物、アゾ化合物、過酸化物等が挙げられる。カチオン重合触媒としては、感度、安定性及び反応性の観点から、芳香族スルホニウム塩や芳香族ヨードニウム塩が好ましい。特に好ましいカチオン重合触媒として、ビス(4−tert−ブチルフェニル)ヨードニウム塩や、式(16)で示される化合物(商品名:アデカオプトマ−SP150、旭電化工業(株)製)を挙げることができる。
Figure 0004878659
また、式(17)で示される化合物(商品名:イルガキュア261、チバスペシャルティーケミカルズ社製)も好適に用いることができる。
Figure 0004878659
光重合開始剤(F)は、表面層用塗料への相溶性を向上させるため、予めアルコールやケトン等の溶媒、例えば、メタノールやメチルイソブチルケトンに溶解して用いることが好ましい。
更に、表面層用塗料は塗布性を向上させるため、塗工に適した濃度に調整することが好ましい。表面層用塗料が低粘度である程表面層の膜厚を薄くすることができ、表面層の電気容量が大きくなるため、帯電部材の表面の電荷量を充分に確保でき、放電ムラを抑制することができ、感光体を均一に帯電することができる。そのため、塗布液を適宜溶媒で希釈して低粘度化することが好ましい。このときに塗布液の粘度は、B型粘度計における測定値で、2mPa・s以下であることが更に好ましい。用いる溶剤としては、(1)工程で用いるアルコールと同様のアルコールを用いることもできる。その他、酢酸エチルや、メチルエチルケトン、メチルイソブチルケトン等のケトンを用いてもよく、これらを混合して用いることもできる。これらのうち、特に、メタノールが好ましい。このように調製された表面層用塗工液の弾性層への塗工方法としては、浸漬塗布、スプレー塗布、リング塗布、ロールコーターを用いた塗布等の方法を使用することができる。
上記方法により形成した弾性層上の塗膜に、活性エネルギー線を照射し、光重合開始剤(F)のラジカルを発生させ、これによってエポキシ基を開裂、重合させて架橋を形成することができる。使用する活性エネルギー線としては、紫外線が、低温で光重合開始剤(F)のラジカルを発生させ、架橋反応を進行させることができることから、好ましい。低温で架橋反応を進行させることにより、塗膜から溶剤が急速に揮発するのを抑制し、塗膜に相分離、シワが発生するのを抑制し、弾性層との密着強度が高い表面層を形成することができる。弾性層との密着強力が高い表面層は、帯電部材が温湿度の変化が急激な環境下で使用され、温湿度の変化により弾性層の体積が変動しても、シワやクラックの発生を抑制することができる。その上、架橋反応の進行時に弾性層の熱劣化を抑制することができるため、製造工程における弾性層の電気的特性の低下を抑制することもできる。
紫外線の供給源としては、高圧水銀ランプ、メタルハライドランプ、低圧水銀ランプ、エキシマUVランプ等を用いることができ、これらのうち、150nm以上480nm以下の波長の紫外線を放射するものが好ましい。紫外線は、照射時間、ランプ出力、ランプと表面層間の距離によって、供給量を調整して照射することができ、また、照射時間内で紫外線の照射量に勾配をつけることもできる。紫外線の積算光量は、8000mJ/cm2程度が好ましい。紫外線の積算光量は以下の式から求めることができる。
紫外線積算光量[mJ/cm2]=紫外線強度[mW/cm2]×照射時間[s]低圧水銀ランプを用いる場合、紫外線の積算光量は、ウシオ電機(株)製の紫外線積算光量計UIT−150−AやUVD−S254(いずれも商品名)を用いて測定することができる。また、エキシマUVランプを用いる場合、紫外線の積算光量は、ウシオ電機(株)製の紫外線積算光量計UIT−150−AやVUV−S172(いずれも商品名)を用いて測定することができる。
本発明に係る表面層は、球形粒子の露出部を含む弾性層の表面の全体を被覆する。弾性層の厚みは、球形粒子の露出部の高さより薄い厚さを有する。これによって、弾性層の表面形状が、表面層の表面形状、すなわち、帯電部材の表面形状に反映されることとなる。
表面層の厚さは、弾性層の表面形状が帯電部材の表面形状に反映される限り、特に限定されない。表面層の厚さの目安は、10nm以上、1μm以下、特には、30nm以上、500nm以下であることが好ましい。この範囲内とすることで、使用中に帯電部材からの球形粒子の脱落を有効に抑制することができる。また、表面層の変形を抑制し、感光体との接触面積が増長するのを抑制することができる。表面層の厚さが1μm以下であれば、適切な電気容量を有し、帯電部材の硬度が過大になるのを抑制して感光体と適切なニップ部を形成することができる。表面層の厚さは、電子顕微鏡による観察により測定することができる。
また、本発明に係る帯電部材によれば、電子写真感光体の表面へのトナー等の固着を有効に抑制することができ、長期に亘る高品位な電子写真画像の形成に資するものである。
すなわち、本発明者らの検討によれば、上記特許文献2に係る帯電部材を長期に使用したときに電子写真画像に欠陥が生じることがあった。その原因は未だ解明中であるが、以下のようなメカニズムに因るものと推定した。すなわち、特許文献2に係る、ポリシロキサンを含む表面層は、緻密で高い硬度を有するため、感光体とのニップにおいて、ニップ部分に入り込んだトナーを感光体表面に押し付けてしまい、感光体表面に徐々にトナーの固着物が蓄積していく。そして、感光体表面に付着しているトナーがクリーニングブレードによってもクリーニングできなくなっていく。その結果、電子写真画像に欠陥が生じるようになる、というものである。
一方、本発明に係る帯電部材は、球形粒子によって粗面化された弾性層の表面の形状が反映された表面形状を有する。そして、球形粒子として高硬度なものを用いると共に、表面層が剛性の高いポリシロキサンを含むことにより、帯電部材と感光体とのニップにおいても、帯電部材の粗面化された表面形状が失われにくい。すなわち、ニップにおける帯電部材と感光体との接触面積が、特許文献2に係る帯電部材を用いた場合と比較して相対的に減少する。
そのため、トナーが感光体の表面に固着し難くなり、感光体の表面のクリーニング性の経時的な低下が抑えられる。その結果として、多くの枚数の電子写真画像を形成した場合であっても、感光体の表面の固着物に起因する画像の欠陥の発生を抑えることができる。
表面層の体積抵抗値は108Ω・cm以上、1015Ω・cm以下、特には、1010Ω・cm以上、1015Ω・cm以下が好ましい。表面層の体積抵抗値を上記の範囲内とすることで、帯電部材と感光体との間での異常放電の発生を有効に抑制し得ると共に、感光体の帯電をより均一に行い得る。
また、表面層の弾性率は、1000MPa以上、20000 MPa以下であることが好ましい。表面層の弾性率を上記の範囲内とすることで、帯電部材と感光体との間に適度な幅のニップを形成し得る。また、球形粒子を埋没させるような変形を抑制でき、感光体との接触面積が過度に増加することを抑制できる。また、上記したような厚さの表面層であっても、柔軟な弾性層の変形によく追従し得る。
本発明の帯電部材は、上記基体上に弾性層及び表面層を有するものであれば、特に限定されるものではなく、基体と弾性層間、弾性層と表面層間にその他の層を有していてもよい。本発明の帯電部材の一例として、ローラ状の帯電部材を図2の断面図に示す。この帯電ローラ10は、導電性支持体11上に、順次、弾性層12と表面層13を積層した構造を有する。
<電子写真装置>
本発明の電子写真装置の一例を図3に示す。図3において、21は円筒状の感光体であり、支持体21b及び支持体上に形成された感光層21aを有し、軸21cを中心に矢印方向に所定の周速度で回転駆動される。回転駆動される感光体21の表面に押圧され、感光体に接触して従動回転するように上記帯電ローラ10が配置される。帯電ローラ10は導電性支持体11に接続される電源23から摺擦電極23aを介して供給される電源により所定の直流(DC)バイアスが印加され、ニップ部を形成して押圧される感光体をニップ部の近傍において所定電位に帯電する。次いで、スリット露光やレーザービーム走査露光等の露光手段24から出力される露光を受けることで、感光体の感光層21aに、目的の画像に対応した静電潜像が形成される。感光層に形成された静電潜像に現像部材25によりトナーが供給されトナー像が形成される。感光体上のトナー像は、転写材供給手段(不図示)から感光体と転写手段26との間の当接部に、感光体の回転と同期して供給される紙等の転写材27上に順次転写される。トナー像が転写された転写材は、感光体の表面から分離されて定着手段へ導入されて像定着を受けることにより画像形成物(プリント、コピー)として装置外へプリントアウトされる。トナー像転写後の感光体の表面は、弾性体等で形成されるクリーニングブレードを備えたクリーニング手段28によって転写残りの現像剤(トナー)の除去を受けて清浄面化される。
本発明の帯電部材は、弾性層がシリカ、アルミナ、ジルコニアから選ばれる高硬度の球状粒子をその一部を露出させて含有し、薄膜の表面層を介してこれらの粒子により表面が粗面化される。表面層は球状粒子と弾性層の両方との密着性が高く、且つ弾性率が高い。このため、弾性層全面を被覆して球状粒子を保持し、帯電部材が感光体に押圧されたとき形成されるニップにおいて、球状粒子が弾性層表面に露出した状態を維持することができる。これにより、帯電部材の表面の凹凸形状を維持し、帯電部材と感光体との接触面積が増長するのを抑制できる。表面層が薄膜であり、帯電部材は弾性層の低硬度を維持し、感光体間に充分なニップ部を形成することができ、当接不良による画像不良や、帯電部材表面にトナーや外添剤が付着することにより生じる耐久画像不良の発生を抑制することができる。
以下に、具体的な実施例を挙げて本発明を更に詳細に説明する。以下に記載する「部」は「質量部」を意味する。試薬等は特に指定のないものは市販の高純度品を用いた。
[実施例1]
[弾性層の形成]
下記表1の材料を、6リットル加圧ニーダー(製品名:TD6−15MDX、トーシン社製)を用いて、充填率70vol%、ブレード回転数30rpmで16分間混合してA練りゴム組成物を得た。
Figure 0004878659
次いで、下記表2の材料を、ロール径12インチのオープンロールにて、前ロール回転数8rpm、後ロール回転数10rpm、ロール間隙2mmで、左右の切り返しを合計20回実施した。その後、ロール間隙を0.5mmとして薄通し10回を行い、弾性層形成用の未加硫ゴム組成物を得た。
Figure 0004878659
直径6mm、長さ252mmの円柱形の芯金(鋼製、表面はニッケルメッキ)の円柱面の軸方向中央部226mmに導電性加硫接着剤(メタロックU−20;東洋化学研究所製)を塗布し、80℃で30分間乾燥した。次に、上記未加硫ゴム組成物を、クロスヘッドを用いた押出成形によって、芯金を中心として同軸状に円筒形に同時に押出し、芯金の外周に未加硫ゴム組成物がコーティングされた直径8.8mmの未加硫ゴムローラを作製した。押出機は、シリンダー径45mm(Φ45)、L/D=20の押出機を使用し、押出時の温調はヘッド90℃、シリンダー90℃、スクリュー90℃とした。成形した未加硫ゴムローラの両端を切断し、弾性層部分の軸方向幅を228mmとした後、電気炉にて160℃40分の加熱処理を行い、加硫ゴムローラを得た。得られた加硫ゴムローラの表面をプランジカットの研削方式の研磨機で研磨し、端部直径8.35mm、中央部直径8.50mmのクラウン形状の弾性体層を有するゴムローラを得た。
[表面層の形成]
下記表3に記載の材料を混合し、室温で攪拌した後、24時間加熱還流を行い有機無機ハイブリッドゾルの縮合物ゾル1を得た。
Figure 0004878659
この縮合物ゾル1を2−ブタノール/エタノールの混合溶剤に添加して、固形分7質量%含有する縮合物ゾル液1を調製した。ただし、固形分とは、加水分解性シラン化合物が総て脱水縮合したと仮定したときの縮合物である。以下、固形分とは特別な表記がない限り、同様の意味で使用している。
この縮合物ゾル液1の100gに対して、光カチオン重合開始剤としての芳香族スルホニウム塩(商品名:アデカオプトマーSP−150、旭電化工業(株)製)を0.35gの割合で添加して、塗布原液1を得た。
塗布原液1を、固形分が4.5質量%になるよう2−ブタノール/エタノールの混合溶剤で希釈したものを表面層形成用塗布液1とした。表面層形成用塗布液1の粘度をB型粘度計(東機産業製RE500L、0.8°×R24コーンロータ使用)で測定したところ、1mPa・s以下であった。測定条件は測定温度25℃、サンプル量は0.6mlで行った。
次に、ゴムローラの弾性層上に表面層形成用塗布液1をリング塗布した(塗出量:0.120mL/s、リングヘッドの移動スピード:85mm/s、総排出量:0.130mL)。
次いで、低圧水銀ランプ(ハリソン東芝ライティング(株)製)を用いて、254nmのセンサーにおける感度で、紫外線の光量が8000mJ/cm2となるよう、表面層形成用塗布液1の塗膜を形成したゴムローラを回転させつつ紫外線を照射して該塗膜を硬化させた。こうして、弾性層の表面が、該弾性層の表面形状が反映されたことにより凹凸状の表面形状を有する表面層で被覆された帯電ローラ1を作製した。帯電ローラ1の帯電性能の耐久性および表面層の物性を、以下のようにして評価し、測定した。
[画像評価]
画像形成に用いる電子写真装置として、A4サイズの紙を縦方向に出力可能なレーザービームプリンター(商品名:LaserJet P1005、ヒューレット・パッカード製)を用意した。このレーザービームプリンター用のプロセスカートリッジに、上記で作製した帯電ローラ組み込み、そのプロセスカートリッジを上記電子写真装置に装填した。
帯電ローラの芯金に外部電源(MODEL PM04015A:トレック社製)により、−1200Vの直流電圧を印加し、温度23℃、相対湿度50%の環境下で、黒ベタ画像を一部に含むハーフトーン画像(電子写真感光体の回転方向と垂直方向に幅1ドットの線を間隔2ドットで描く画像)を1枚形成した。続いて、印字濃度1%の電子写真画像を2500枚形成した。更に、引き続いて、1枚目と同じ、黒ベタ画像を一部に含むハーフトーン画像を1枚形成した。なお、画像形成は、1枚印字する毎に感光ドラムの回転を完全に停止させる、所謂、間欠モードで行った。
評価1:感光体表面のクリーニング不良に起因する画像欠陥の有無の評価;
2500枚の印字濃度1%の電子写真画像のうちの1枚目〜1000枚目について、目視で観察し下記の基準により評価した。
A:1000枚の電子写真画像の全てにおいて、感光体表面のクリーニング不良に起因する画像欠陥が認められない。
B:感光体表面のクリーニング不良に起因する軽微な画像欠陥が認められるものの、100枚毎の欠陥発生率は常に5%以下である。
C:感光体表面のクリーニング不良に起因する画像欠陥が認められる。但し、100枚毎の欠陥発生率は常に5%以下である。
D:感光体表面のクリーニング不良に起因する画像欠陥が認められる。また、100枚毎の発生率が5%を越える場合がある。
評価2:帯電性能の評価;
1枚目および2501枚目に形成した、黒ベタ画像を一部に含むハーフトーン画像を目視で観察し、帯電ムラに起因する画像欠陥の有無及びその程度を下記の基準で評価した。
A:帯電ムラに起因する横スジ状の濃度ムラが認められない、または、ほとんど認められない。
B:ハーフトーン画像の部分に帯電ムラに起因する横スジ状の濃度ムラが確認できる。
C:ハーフトーン画像部分および黒ベタ画像部分に、帯電ムラに起因する横スジ状の濃度ムラがはっきりと確認できる。
測定1:表面層の弾性率;
厚さ100μmのアルミシートの脱脂表面に表面層形成用塗布液1を塗布し、塗膜を形成した。乾燥後、帯電ローラ作製時と同一条件(254nmの波長、積算光量が8000mJ/cm2)で紫外線を照射して塗膜を硬化させ、厚さ10μm以上の硬化膜を得た。
得られた硬化膜について、表面皮膜物性試験機(フィッシャースコープH100V、フィッシャーインストルメンツ社製)を用い、圧子を測定対象の表面から1μm/7secの速度で進入させたときに圧子に負荷される値を測定し、その値を弾性率とした。
また、このとき硬化膜中に式(1)の構造が含まれることを確認した。表面層形成用塗布液5及び表面層形成用塗布液6に関しては塗膜の乾燥後、温度160℃で1時間加熱処理後に、紫外線の照射を行った。
測定2:表面層の層厚:
帯電ローラをナイフで切断し、走査型透過電子顕微鏡(HD−2000、(株)日立ハイテクノロジーズ製)による断面の画像において、層厚を測定した。
[実施例2]
実施例1と同じ方法にて調製した塗布原液1を、固形分が0.5質量%になるよう2−ブタノール/エタノールの混合溶剤で希釈した表面層形成用塗布液2を調製した。表面層形成用塗布液2の粘度は1mPa・s以下であった。
表面層形成用塗布液2を用いた以外は、実施例1と同じ方法で帯電ローラ2を作製した。この帯電ローラ2およびその表面層を実施例1と同じ方法により評価した。
[実施例3]
実施例1の表1中の球形粒子を球形シリカ粒子−2(商品名:HS−301、電気化学マイクロン社製)10質量部に変更した以外は実施例1と同じ方法によりゴムローラを作成した。
また、実施例1と同じ方法で調製した塗布原液1を、固形分が1.5質量%になるよう2−ブタノール/エタノールの混合溶剤で希釈して表面層形成用塗布液3を調製した。表面層形成用塗布液3の粘度は1mPa・s以下であった。
上記で得たゴムローラの弾性層の表面に、表面層形成用塗布液3の塗膜を実施例1と同じ方法により形成し、硬化させた。こうして、弾性層の表面が、該弾性層の表面形状が反映されてなる表面形状を有する表面層で被覆されてなる帯電ローラを得た。この帯電ローラおよびその表面層を実施例1と同じ方法により評価した。
[実施例4]
弾性層に用いた球形粒子の配合量を80質量部とした以外は、実施例3と同様にして帯電ローラを作製した。この帯電ローラおよびその表面層を実施例1と同じ方法により評価した。
[実施例5]
実施例1で調製した縮合物ゾル液1を、2−ブタノール/エタノールの混合溶剤に添加して、固形分14質量%の縮合物ゾル液2を調製した。縮合物ゾル液2の100gに対して、光カチオン重合開始剤としての芳香族スルホニウム塩(商品名:アデカオプトマーSP−150、旭電化工業(株)製)を0.7gの割合で添加して表面層形成用塗布液4を得た。
表面層形成用塗布液4を、実施例1と同じ方法により形成したゴムローラの表面にディッピング塗布し、表面層形成用塗布液4の塗膜で弾性層の表面を被覆した。浸漬時間は9秒、ディッピング塗布引き上げ速度としては、初期速度20mm/s、最終速度2mm/s、その間は時間に対して直線的に速度を変化させた。次いで、当該塗膜を、実施例1と同様にして硬化せしめて表面層となし、帯電ローラを作成した。この帯電ローラおよびその表面層を、実施例1と同じ方法によって評価した。
[実施例6]
弾性層に用いた球形粒子の配合量を10質量部とした以外は、実施例5と同様にして帯電ローラを作製した。この帯電ローラとその表面層を実施例1と同じ方法により評価した。
[実施例7]
弾性層に用いた球形粒子を球状シリカ粒子−3(商品名:FB−40S、電気化学工業株式会社製)10質量部に変更した以外は実施例1と同じ方法によりゴムローラを形成した。
また、実施例1と同じ方法で調製した縮合物ゾル1の100gに対して、光カチオン重合開始剤としての芳香族スルホニウム塩(商品名:アデカオプトマーSP−150、旭電化工業(株)製)を1.4gの割合となるように、縮合物ゾル液1に添加して表面層形成用塗布液5を調製した。上記のゴムローラの表面に表面層形成用塗布液5を用いて実施例5と同様にして表面層を形成して帯電ローラを作成した。この帯電ローラおよびその表面層を実施例1と同様にして評価した。
[実施例8]
弾性層に用いた球形粒子を球状シリカ粒子−3に変更した以外は、実施例3と同様にして帯電ローラを作成した。この帯電ローラおよびその表面層を実施例1と同様にして評価した。
[実施例9]
弾性層に用いた球形粒子の配合量を80質量部とした以外は、実施例8と同様にして帯電ローラを作成した。この帯電ローラおよびその表面層を実施例1と同様にして評価した。
[実施例10]
弾性層に用いた球形粒子を球状シリカ粒子−3に変更した以外は、実施例5と同様にして帯電ローラを作製した。この帯電ローラおよびその表面層を実施例1と同様にして評価した。
[実施例11]
弾性層に用いた球形粒子を球状シリカ粒子−4(商品名:HS−305、株式会社マイクロン社製)に変更した以外は、実施例3と同様にして帯電ローラを作製した。この帯電ローラおよびその表面層を実施例1と同様にして評価した。
[実施例12]
弾性層に用いた球形粒子を球状アルミナ粒子−1(商品名:AY−118、株式会社マイクロン社製)に変更した以外は、実施例1と同様にして帯電ローラを作製した。この帯電ローラおよびその表面層を実施例1と同様にして評価した。
[実施例13]
弾性層に用いた球形粒子を球状アルミナ粒子−2(商品名:AX3−32、株式会社マイクロン社製)に変更した以外は、実施例3と同様にして帯電ローラを作製した。この帯電ローラおよびその表面層を実施例1と同様にして評価した。
[実施例14]
弾性層に用いた球形粒子の配合量を80質量部とした以外は、実施例13と同様にして帯電ローラを作製した。この帯電ローラおよびその表面層を実施例1と同様にして評価した。
[実施例15]
弾性層に用いた球形粒子を球状アルミナ粒子−1に変更した以外は、実施例5と同様にして帯電ローラを作製した。この帯電ローラおよびその表面層を実施例1と同様にして評価した。
[実施例16]
弾性層に用いた球形粒子を球状アルミナ粒子−2を10質量部用いたこと以外は、実施例5と同様にして帯電ローラを作製した。この帯電ローラおよびその表面層を実施例1と同様にして評価した。
[実施例17]
弾性層に用いた球形粒子を球状ジルコニア粒子−1(商品名:NZビーズ、ニイミ産業株式会社製)に変更した以外は、実施例1と同様にして帯電ローラを作製した。この帯電ローラおよびその表面層を実施例1と同様にして評価した。
[実施例18]
弾性層に用いた球形粒子を球状ジルコニア粒子−1を100質量部用いたこと以外は、実施例5と同様にして帯電ローラを作製した。この帯電ローラおよびその表面層を実施例1と同様にして評価した。
[実施例19]
弾性層に用いた球形粒子を球状ジルコニア粒子−1に変更した以外は、実施例3と同様にして帯電ローラを作製した。この帯電ローラおよびその表面層を実施例1と同様にして評価した。
[実施例20]
表面層形成用塗布液を以下のようにして調製した。
下記表4に記載の材料を混合し、室温で30分攪拌した後、オイルバスを用いて120℃で20時間加熱還流を行い、固形分28.0質量%の縮合物ゾル2を得た。
Figure 0004878659
次に、縮合物ゾル2を室温に冷却し、98.05gに対し、タンタルペンタエトキド(Gelest(株)製)を78.75g(0.149mol)添加し、室温で3時間攪拌して縮合物ゾル液3を得た。一連の攪拌は750rpmの速度で行った。Ta/Si=1.0である。
この縮後物ゾル液2の25gに対して、光カチオン重合開始剤としての芳香族スルホニウム塩(商品名:アデカオプトマー SP−150 旭電化工業(株)製)をメチルイソブチルケトンで10質量%に希釈したものを2.00g添加し、塗布原液2を得た。この塗布原液2を、固形分が2.0質量%になるように、エタノール:2−ブタノール=1:1(質量比)の混合溶媒で希釈し、表面層形成用塗布液6を得た。この表面層形成用塗布液6を用いて実施例1と同じ方法により帯電ローラを作成した。この帯電ローラおよびその表面層を実施例1と同様にして評価した。
[実施例21]
表面層形成用塗布液を以下のようにして調製した。室温において、実施例1と同じ方法にて調製した縮合物ゾル1の113.16gに、チタニウム(IV)イソプロポキシド((株)高純度化学研究所製)の63.64g(0.224mol)を混合し、室温で3時間攪拌して縮合物ゾル液4を得た。一連の攪拌は750rpmの速度で行った。Ti/Si=1.0である。
縮合物ゾル液4の25gに、光カチオン重合開始剤としての芳香族スルホニウム塩(商品名:アデカオプトマー SP−150 旭電化工業(株)製)をメチルイソブチルケトンで10質量%に希釈したものを2.00g添加し、塗布原液3を得た。この塗布原液3を、固形分が2.0質量%になるように、エタノール:2−ブタノール=1:1(質量比)の混合溶媒で希釈し、表面層形成用塗布液7を得た。この表面層形成用塗布液7を用いて実施例1と同じ方法により帯電ローラを作成した。この帯電ローラおよびその表面層を実施例1と同様にして評価した。
[実施例22]
実施例1におけるA練りゴム組成物中の原料ゴムとしてのNBRをSBR(商品名:タフデン2003、旭化成ケミカルズ株式会社製)に変更し、カーボンブラックの配合量を47質量部に変更したA練りゴム組成物を調製した。
また、実施例1における弾性層形成用の未加硫ゴム組成物中のA練りゴム組成物を上記のものに変更すると共に、その配合量を223質量部に変更した。更に、加硫促進剤を、テトラベンジルチウラムジスルフィドを1.0質量部、および、N−t−ブチル−2−ベンゾチアゾルスルフェンイミド(SANTOCURE−TBSI、FLEXSYS社製)を1.0部に変更した。かかる弾性層形成用の未加硫ゴム組成物を用いて実施例1と同じ方法にてゴムローラを作成した。
このゴムローラを用いた以外は実施例1と同様にして帯電ローラを作成した。この帯電ローラおよびその表面層を実施例1と同様にして評価した。
[比較例1]
弾性層に球形粒子を含有させない以外は、実施例1と同様にして帯電ローラを作成した。この帯電ローラおよびその表面層を実施例1と同様にして評価した。
[比較例2]
弾性層に用いた球状粒子を不定形シリカ粒子(商品名:BY−001、東ソー・シリカ株式会社製)に変更した以外は、実施例1と同様にして帯電ローラを作成した。この帯電ローラおよびその表面層を実施例1と同様にして評価した。
[比較例3]
弾性層に用いた球形粒子を球形PMMA粒子(商品名:テクノポリマーMBX−12、積水化成品工業株式会社製)に変更した。研磨後のゴムローラの表面を、更に不織布で摩擦してゴム部を磨耗させ、球形PMMA粒子の表面が、弾性層から露出するように加工した。これら以外は、実施例1と同様にして帯電ローラを作成した。この帯電ローラおよびその表面層を実施例1と同様にして評価した。
[比較例4]
表面層用塗布液を以下のようにして調製した。カプローラクトン変性アクリルポリオール溶液にメチルイソブチルケトンを加え、固形分が1.5質量%となるように調整した。この溶液のアクリルポリオール固形分100質量部に対して、下記表5に記載の材料を加えて、ウレタン樹脂の混合溶液を調整した。
Figure 0004878659
上記表5中の表面処理酸化チタン粒子(*1)は以下の方法で調製した。すなわち、針状ルチル型酸化チタン粒子(平均粒径15nm、縦:横=3:1、体積抵抗率2.3×1010Ω・cm)1000gに、表面処理剤としてイソブチルトリメトキシシラン110g、溶媒としてトルエン3000gを配合してスラリーとした。このスラリーを攪拌機で30分間混合後、有効内容積の80%が平均粒子径0.8mmのガラスビーズで充填されたビスコミルに供給し、温度35±5℃で湿式解砕処理を行った。得られたスラリーを、ニーダーを用いて減圧蒸留(バス温度:110℃、製品温度:30〜60℃、減圧度:約100Torr)し、トルエンを除去し、120℃で2時間表面処理剤の焼付処理を行った。焼付処理した粒子を室温まで冷却した後、ピンミルを用いて粉砕し、表面処理酸化チタン粒子を得た。
また、表5中のブロックイソシアネート混合物(*2)はヘキサメチレンジイソシアネート(HDI)とイソホロンジイソシアネート(IPDI)の各ブタノンオキシムブロック体を質量比7:3で混合したものである。当該ブロックイソシアネート混合物のイソシアネート量としては「NCO/OH=0.7」となる量であった。
次いで、内容積450mLのガラス瓶に上記混合溶液200gを、メディアとしての平均粒径0.8mmのガラスビーズ200gと共に入れ、ペイントシェーカー分散機を用いて24時間分散した。その後、ガラスビーズを濾過により除去し、表面層形成用塗布液8を得た。表面層形成用塗布液8を実施例5と同様の条件でディップ塗布した後、温度60℃で1時間で加熱処理して本比較例に係る帯電ローラを作製した。この帯電ローラおよびその表面層を実施例1と同様にして評価した。
[比較例5]
実施例1において、表面層を設けない以外は、実施例1と同様にして帯電ローラを作成した。この帯電ローラを実施例1と同様にして評価した。
実施例で用いた球形粒子および比較例において球形粒子の代替物として用いた粒子の物性等を下記表6に示す。
Figure 0004878659
上記実施例および比較例に係る帯電ローラおよび表面層の評価および測定の結果を下記表7−1〜7−2に示す。
Figure 0004878659
Figure 0004878659
上記の結果から、粒子を含有せず、表面が粗面化されていない比較例1に係る帯電ローラは、感光体の表面にトナーを固着させる傾向が特に強い。そのため、感光体のクリーニング不良に起因する画像欠陥が顕著に生じているものと考えられる。
また、不定形のシリカ粒子を用いた比較例2に係る帯電ローラは、比較例1に係る帯電ローラよりも、評価1の結果は、やや良化している。しかし、感光体のクリーニング不良に起因する画像欠陥は生じている。これは粒子が不定形であるため、感光体表面が削れて粗さが粗くなり、クリーニングブレードと感光体間に隙間ができ、トナーすり抜けが起きたと考えられる。
次に、低硬度の球状粒子を含有する比較例3に係る帯電ローラは、感光体とのニップにおいて感光体に押圧されたとき、球形粒子が変形し、帯電ローラの表面が平坦になってしまうために、感光体にトナーを固着させてしまっているものと考えられる。
更に、比較例4に係る帯電ローラは、樹脂表面層が本発明に係る表面層の如き剛性を有さず、柔軟なため、ニップにおいて感光体に押圧されたとき、球形粒子が弾性層に埋没し、帯電ローラの表面が平坦になってしまうために、感光体にトナーを固着させてしまっているものと考えられる。
更にまた、比較例5に係る帯電ローラは、表面層を有しないため、多数枚の電子写真画像の形成により表面が不均一に摩耗し、帯電性能が不均一になってしまっているものと考えられる。
10 帯電ローラ(帯電部材)
11 導電性支持体
12 弾性層
13 表面層
31 球状粒子

Claims (2)

  1. 導電性支持体、弾性層及び表面層を有している帯電部材であって、
    該弾性層は、球形粒子を、その少なくとも一部が該弾性層の表面から露出するように含有し、それによって、該弾性層の表面は粗面化されてなり、
    該球形粒子は球形シリカ粒子、球形アルミナ粒子および球形ジルコニア粒子からなる群から選ばれる少なくとも1つであり、
    該弾性層の表面は該表面層によって、該弾性層の表面形状が該帯電部材の表面形状に反映されるように被覆されており、
    該表面層は、下記式(1)で示される構成単位を有する高分子化合物を含むことを特徴とする帯電部材:
    Figure 0004878659
    式(1)中、R1、R2は各々独立して式(2)〜(5)のいずれかを示す。
    Figure 0004878659
    Figure 0004878659
    Figure 0004878659
    Figure 0004878659
    式(2)〜(5)中、R3〜R7、R10〜R14、R19、R20、R24、およびR25は各々独立して水素、炭素数1〜4のアルキル基、水酸基、カルボキシル基、またはアミノ基を示す。R8、R9、R15〜R18、R22、R23、R27〜R30は各々独立して水素、または炭素数1〜4のアルキル基を示す。n、m、l、q、s、およびtは各々独立して1〜8の整数、pおよびrは各々独立して4〜12の整数、xおよびyは各々独立して0又は1を示す。*は式(1)中のケイ素原子との結合位置を示し、**は式(1)中の酸素原子との結合位置を示す。)。
  2. 電子写真感光体と、該電子写真感光体に接触して配置されている帯電部材とを有し、該帯電部材が請求項1に記載の帯電部材であることを特徴とする電子写真装置。
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