JP5058680B2 - 帯電部材、電子写真装置及びプロセスカートリッジ - Google Patents

帯電部材、電子写真装置及びプロセスカートリッジ Download PDF

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Description

本発明は、特にLBP(Laser Beam Printer)、複写機及びファクシミリ等のOA機器における、電子写真プロセスを利用した画像形成装置に用いる帯電部材(帯電ローラ)に関する。
近年の画像形成装置の高速化、高耐久化に伴い、画像形成装置に使用される帯電部材も高精度、高耐久化が要求されてきている。
画像形成装置に使用される帯電ローラは、帯電部材のうち最も一般的なものであり、感光体ドラムに接触して帯電処理を行うものである。これは、導電性基体と、導電性基体上に形成した導電性弾性層(抵抗層)と、所望の場合には、導電性弾性層上に形成した表面層とを有する。そして、このような帯電ローラを用い、導電性基体に電圧を印加して帯電ローラと感光体ドラムとの当接ニップの近傍で微小な放電をさせて、感光体ドラムの表面を帯電させる。以下、導電性基体を芯金ともいう。
画像形成装置に、帯電部材として、帯電ローラを用いてハーフトーン画像による画像耐久試験を行った場合、画像耐久をしていくと共にトナー及びトナーに付着している外添剤等により帯電ローラ表面が汚れるという問題がある。その結果、帯電ローラ表面のひどく汚れた部分を起点に白スジや黒スジ、濃度ムラといった画像不良が生じる。これは帯電ローラ表面が汚れる事により感光体ドラムに均一な帯電処理ができなくなるからである。
帯電部材の表面が汚れる原因の一つとして、帯電部材の表面粗さが粗いと表面の凹部にトナー及びトナーに付着している外添剤等が入り込み易くなり、帯電部材が汚れ易くなってしまうことが考えられる。また、帯電部材の長手形状にもよるが両端部を支持して感光体ドラムに接触させる場合、画像耐久試験で帯電部材表面の長手両端部が汚れやすい傾向にあり画像端部で帯電不良による画像不良になる場合がある。
帯電部材の汚れによる帯電不良を防止するためには、帯電部材の表面形状(表面粗さ)を制御すること(例えば、特許文献1、特許文献2参照。)や、帯電部材の表面の動摩擦係数を下げること(例えば、特許文献3、特許文献4参照。)、帯電部材の表面の撥水性を大きくすること(例えば、特許文献5参照。)等が知られている。ところが、上記の帯電部材の表面形状(表面粗さ)を制御する方法では、特に帯電部材表面の長手両端部の汚れを十分になくすことができない場合がある。更なる高耐久化、機構の簡素化・小型化等という要求を考えると帯電部材の表面形状(表面粗さ)、特に帯電部材の長手方向での表面形状(表面粗さを更に制御していく必要がある。
また、帯電部材の表面形状(表面粗さ)は感光体ドラムの表面を均一に帯電させるためには非常に重要な特性である。特に帯電部材の表面粗さが大きい場合、感光体ドラムとの当接ニップの近傍で微小な放電が起こる以外に当接ニップ内でも微小な放電が起こり、感光体ドラムの表面がより均一に帯電すると考えられる。帯電部材の表面粗さが小さい場合には、感光体ドラムとの当接ニップの近傍、当接ニップ内での微小な放電が少なくなり、感光体ドラムの表面を均一に帯電できない場合があると考えられる。
特開平7−049605号公報 特開平7−199593号公報 特開平9−160355号公報 特開平9−160354号公報 特開2000−019814号公報
本発明の目的は、電子写真プロセスを利用した画像形成装置に用いる感光体ドラムを安定して帯電処理することで画像不良を防止する帯電部材を提供することにある。
本発明の別の目的は、上記帯電部材を有する画像形成装置及びプロセスカートリッジを提供することにある。
本発明は、導電性基体上に導電性弾性層を有する帯電部材において、導電性弾性層の長手方向の表面粗さRzjisが2.0〜20.0μmであり、且つ下記(A)の関係にある事を特徴とする帯電部材である。
(A)(導電性弾性体の帯電部位の長さ)/(8mm)=N(Nは小数点以下切上げの整数部分、N≧3)より、導電性弾性体部をN分割し、片端から順に1〜Nとする。この時に、表面粗さRzjis−ave.(1)及びRzjis−ave.(N)が2.0〜7.0μmであり、且つRzjis−ave.(2〜N−1)のうち少なくとも1点以上が、表面粗さRzjis−ave.(1)及びRzjis−ave.(N)の1.2〜5.0倍である。
(表面粗さRzjisは、JIS94−B0601の十点平均粗さ)
(表面粗さRzjis−ave.は周方向6点測定の平均値)
また、本発明は上記帯電部材を有する画像形成装置及びプロセスカートリッジである。
本発明によれば、トナー及びトナーに付着している外添剤等による帯電部材表面の汚れを抑えて安定して感光体ドラムを帯電処理し、画像不良を防止する帯電部材を提供する事ができる。
また、上記帯電部材を有する画像形成装置及びプロセスカートリッジを提供することができる。
以下、本発明を帯電ゴムローラの例で更に詳細に説明する。
芯金上に導電性弾性層としての導電性ゴム層が設けられたゴムローラの成形法としては、射出成形法、押出成形法、トランスファー成形法、プレス成形法等を挙げることができるが、特にこれらに限定されるものではない。例えば、射出成形法においては、2つの円筒駒を組み、円筒金型内に同心に軸状の芯金を保持してゴム材料を注入し加熱することによりゴム材料を硬化させてゴムローラを成形する。また、押出成形法においては、ゴム材料をチューブ状に押出した後、芯金にチューブ状のゴム材料を被せ、或いは芯金とゴム材料を一体に押出して円筒状のゴムローラを成形する。製造時間の短縮を考えると、これらの成形方法のなかでは、ゴム材料を芯金と一体に押出してゴムローラを成形する押出成形法が好ましい。
ゴムローラを加熱して加硫する方法に関しては、熱風炉、加硫缶、熱盤、遠・近赤外線、誘導加熱等のいずれの方法でも良く、更にこれと共に加熱状態の円筒状または平面状の部材にゴムローラを回転させながら押し当てる方法を併用しても良い。ゴムローラは、140℃以上220℃以下の範囲の温度で10分以上120分以下の時間で加熱して、ゴムローラを加硫する事が好ましい。
又、所望のローラ形状、表面粗さにするためには、上記の加熱状態の円筒状または平面状の部材を所望のローラ形状、表面粗さに合わせてブラスト加工等をしておきこれを用いてゴムローラを加熱して加硫する方法や
加熱・加硫後に所望のローラ形状、表面粗さにするためには回転砥石を用いた乾式研磨方法、
また内面を所望のローラ形状、表面粗さに合わせてブラスト加工等をした金型を用いてゴムローラを射出成形する方法がある。
なお、研磨手段としては、特に限定しないが、砥石が移動して研磨する所謂トラバース方式や、より幅の広い砥石により移動することなしに一括で研磨するプランジ方式がある。
図1に、押出法によるゴムローラ製造方法の一例の模式図を示す。押出機1は、クロスヘッド2を備える。押出機1は、芯金送りローラ3によってクロスヘッド2に送られた芯金4と、別途押出機に導入されたゴム材料とを一体にして押し出し、芯金4上にゴム層を形成する。ゴム層を芯金の周囲に円筒状に形成した後、端部の切断・除去処理5を行い、ゴムローラ6を成形する。
図2に、トラバース方式の研磨によるゴムローラ製造方法の一例の模式図を示す。ゴムローラ6をスピンドル、センター、コレットチャック等の回転が可能な部材7に取付け、砥石8がゴムローラに当接するように配置する。そして、砥石を1600rpm程度の速度で回転しながら300〜400rpm程度の速度で回転しているゴムローラに接触させ、ゴムローラの一端側から他端側へ移動させることにより所望のローラ形状、表面粗さに研磨する。
ゴムローラは、ローラ長手方向中央部より両端部の外径を小さくしたクラウン形状に形成されており、クラウン量は70μm以上160μm以下であり、特に90μm以上130μm以下が好ましい。クラウン量が70μmよりも小さい場合には中央部が、160μmよりも大きい場合は両端部が感光体ドラムよりも浮いてしまう可能性があり、均一に帯電ができなくなる。
ゴムローラのクラウン量は、(クラウン量)=D2−(D1+D3)/2として定義した。D1(μm)は長手方向の一方の端部側での外径、D2(μm)は中央部での外径、D3(μm)は長手方向の他方の端部側での外径であり、中央部D2より両端部D1、D3は中央部より両端方向に各90mm位置とした。
本発明のゴムローラの長手方向で表面粗さ分布をつける方法としては、砥石の種類(材質、粒度等、例えばGC−120、100、80、60、多孔性)を選定して研磨時間やゴムローラ及び砥石の回転方向、回転数等の研磨条件により行う方法、
所望のゴムローラの長手方向の表面粗さ分布に合わせて砥石の長手方向で粗さ分布を持たせるように砥石の材質を組合わせたり、砥石に粒度分布を持たせる方法、
上記ゴムローラを加熱して加硫する際に加熱状態の円筒状または平面状の部材を所望のゴムローラの長手方向の表面粗さ分布に合わせてブラスト加工等をしておきこれを用いてゴムローラを加熱して加硫する方法や
内面を所望のゴムローラの長手方向の表面粗さ分布に合わせてブラスト加工等をした金型を用いてゴムローラを射出成形する方法
がある。
また、ゴムローラのクラウン形状によって感光体ドラムとの当接ニップ内の圧力分布が異なる場合がある。例えば、ゴムローラ(帯電部材)の感光体ドラムとの当接ニップ内の圧力が、後述の(N/2)−3以上(N/2)+3以下の範囲内に最小値があり、最小値からR(1)及びR(N)に対して傾斜して大きくなっている場合がある。その場合、当接ニップ内の圧力分布に合わせて、ゴムローラの長手方向での表面粗さ分布をつけた方が良い。当接ニップ内の圧力が大きい部分ではゴムローラの表面粗さを小さく、圧力が小さい部分ではゴムローラの表面粗さを大きくする。
ここで、ゴムローラの長手方向で表面粗さ分布をつける一例の方法をトラバース方式の研磨の例で説明する。ゴムローラを回転させて、砥石がゴムローラに当接するように配置して、砥石を回転させながら回転しているゴムローラに接触させ、ゴムローラの一端側から他端側へ移動させる。砥石がゴムローラの一端側から他端側へ移動する際に、砥石がゴムローラに当接している研磨時間(砥石の送り速度)を変えて、表面粗さ分布をつける。例えば、ゴムローラの長手方向で一端側では砥石の送り速度を遅く、中央では砥石の送り速度を速く、また他端側では砥石の送り速度を遅くする事により、ゴムローラの長手方向の表面粗さが中央部で最大値となり、中央部から両端部に傾斜して小さくなる。
前記のゴムローラの芯金4としては、ニッケルメッキやクロムメッキしたSUM材等の鋼材を含むステンレススチール棒、リン青銅棒、アルミニウム棒、耐熱樹脂棒等が好ましい。
又、芯金4上に設けられたゴム層は、導電性を有している。ゴム層を形成するためのゴム材料としては、
天然ゴム、ブタジエンゴム、ヒドリンゴム、スチレン−ブタジエンゴム、ニトリルゴム、エチレン−プロピレンゴム、ブチルゴム、シリコーンゴム、ウレタンゴム、フッソゴム、塩素ゴム、熱可塑エラストマー
等が挙げられる。これらはいずれでも良い。またゴム材料中に分散させる導電粉としてはカーボンブラック、導電性カーボン等のカーボン類、金属粉、導電性の繊維、或いは酸化スズ等の半導電性金属酸化物粉体、更に、これらの混合物等のいずれでも良い。
導電性弾性層(導電性ゴム層)の厚みは0.5〜3.0mmであることが好ましい。
次に、本発明のゴムローラの最表面層を形成する方法について詳細に説明する。
一般的には、最表面層は、最表面層を形成するための塗布液をゴムローラのゴム層上に塗布し、乾燥・硬化等して形成する。塗布方法は特に限定されず、ディッピング法、スプレー法、リングヘッド塗布法、ロールコート法等公知の方法を用いることができる。これらの方法はいずれも本発明に用いることができる。
以下に、リングヘッド塗布法を例として、最表面層の形成方法について説明する。図3にリングヘッド塗布法の一例の模式図を示す。まず、前記のような方法等で得られたゴムローラ6を垂直状態に支持し、このゴムローラ6に対して所定の間隔をなす距離に、全周に開口されたスリット状の吐出口を有するリングヘッド(リングヘッド)9を配置する。リングヘッド7は、全周に開口されたスリット状の吐出口10、液絞り部11、液分配室13および液供給口12を有している。リングヘッド7の外部にある液供給手段(例えば、シリンジポンプ)により、リングヘッドに具備される1箇所以上の液供給口12より塗布液が供給される。塗布液は、リングヘッド9内において合流し、周方向に分配するための1個以上の液分配室および1個以上の液絞り部を経由して、全周に開口されたスリット状の吐出口8に達する。ゴムローラ6とリングヘッド9とを所定の速度(1〜200mm/s程度)で相対移動させながら、塗布液を吐出口10の全周から吐出して、均一に適量の塗布液をゴムローラ表面に塗布する。
ゴムローラ表面への吐出量は、最表面層を形成するために用いる塗布液の液粘度、速度(ゴムローラとリングヘッドとの相対移動速度)塗布液の組成や添加材料等を考慮して決められる。リングヘッドの全周に開口されたスリット状の吐出口の開口幅(スリット幅)は、通常、0.05mm以上であり、好ましくは0.1mmで使用される。リングヘッドの材質としては、アルミニウム、テフロン(登録商標)のような樹脂、ステンレス等の鋼材が用いられるが、加工精度が高いステンレス等の鋼材を用いることが好ましい。
最表面層を形成する材料としては、シリコーン系、フッ素系、ウレタン系、アクリル系、ウレタン変性アクリル系、シリコーン変性ウレタン系材料が用いられる。特にフッ化アルキル基およびオキシアルキレン基を有するポリシロキサンを含有する材料が好ましい。
また、最表面層の層厚は、帯電ゴムローラの電気特性或いは強度の上で、薄膜である方が良く、強度の点で10nm以上が好ましい。また、最表面層の層厚が大きすぎると最表面層がゴム層の変形に追従しきれず、均一帯電の妨げになると考えられるので、1000nm以下が好ましい。
最表面層が上記のように非常に薄膜の場合には、芯金上のゴム層の表面粗さとゴム層上に最表面層を設けたゴムローラとの表面粗さはほとんど変わらない。
前記フッ化アルキル基としては、例えば、直鎖型または分岐型のアルキル基の水素原子の一部または全部をフッ素原子で置換したものが挙げられる。その中でも、炭素数6〜31の直鎖状のパーフルオロアルキル基が好ましい。
前記オキシアルキレン基とは、−O−R−(R:アルキレン基)で示される構造を有する2価の基(「アルキレンエーテル基」と呼ばれることもある。)である。このR(アルキレン基)としては、炭素数1〜6のアルキレン基が好ましい。
前記ポリシロキサン中のフッ化アルキル基の含有量は、ポリシロキサン全質量に対して5.0〜50.0質量%であることが好ましい。また、前記ポリシロキサン中のオキシアルキレン基の含有量は、ポリシロキサンの全質量に対して5.0〜70.0質量%であることが好ましい。ポリシロキサン中のシロキサン部分(−Si−O−Si−O−・・・で示される構造を有する部分)の含有量は、ポリシロキサンの全質量に対して20.0〜90.0質量%であることが好ましい。
また、前記ポリシロキサンは、さらにアルキル基およびフェニル基を有するものが好ましい。アルキル基としては、炭素数1〜21の直鎖状または分岐鎖状のアルキル基が好ましく、さらにはメチル基、エチル基、n−プロピル基、ヘキシル基、デシル基がより好ましい。
前記ポリシロキサンがさらにアルキル基およびフェニル基を有する場合、前記ポリシロキサン中のフッ化アルキル基、オキシアルキレン基、アルキル基、フェニル基およびシロキサン部分の含有量は、ポリシロキサンの全質量に対し、次の値であることが好ましい。
・フッ化アルキル基 : 5.0〜50.0質量%
・オキシアルキレン基: 5.0〜30.0質量%
・アルキル基 : 5.0〜30.0質量%
・フェニル基 : 5.0〜30.0質量%
・シロキサン部分 :20.0〜80.0質量%
前記フッ化アルキル基及びオキシアルキレン基を有するポリシロキサンは、下記工程(I)及び(II)を経て得られるポリシロキサンであることが好ましい。
(I)カチオン重合可能な基を有する加水分解性シラン化合物と、フッ化アルキル基を有する加水分解性シラン化合物とを加水分解し、縮合させる縮合工程
(II)該カチオン重合可能な基を開裂させることにより、工程(I)により得られた加水分解性縮合物を架橋させる架橋工程
前記カチオン重合可能な基を有する加水分解性シラン化合物としては、下記式(2)で示される構造を有する加水分解性シラン化合物が好適である。
Figure 0005058680
(式中、R21は、飽和または不飽和の1価の炭化水素基を示す。R22は、飽和または不飽和の1価の炭化水素基を示す。Z21は、2価の有機基を示す。Rc21は、カチオン重合可能な基を示す。dは、0〜2の整数を示し、eは、1〜3の整数を示し、d+e=3である。)
前記式(2)中のRc21で示されるカチオン重合可能な基とは、開裂によってオキシアルキレン基を生成するカチオン重合可能な有機基を意味し、例えば、エポキシ基やオキセタン基などの環状エーテル基、および、ビニルエーテル基などが挙げられる。これらの中でも、入手の容易性および反応制御の容易性の観点から、エポキシ基であることが好ましい。
前記式(2)中のR21およびR22で示される飽和または不飽和の1価の炭化水素基としては、例えば、アルキル基、アルケニル基およびアリール基などが挙げられる。これらの中でも、炭素数1〜3の直鎖状または分岐鎖状のアルキル基が好ましく、さらにはメチル基、エチル基がより好ましい。
前記式(2)中のZ21で示される2価の有機基としては、例えば、アルキレン基およびアリーレン基などが挙げられる。これらの中でも、炭素数1〜6のアルキレン基が好ましく、さらにはエチレン基がより好ましい。
前記式(2)中のeは、3であることが好ましい。また、前記式(2)中のdが2の場合、2個のR21は同一であってもよく、異なっていてもよい。また、前記式(2)中のeが2または3の場合、2個または3個のR22は、同一であってもよく、異なっていてもよい。
以下に、前記式(2)で示される構造を有する加水分解性シラン化合物の具体例を示す。
(2−1):グリシドキシプロピルトリメトキシシラン
(2−2):グリシドキシプロピルトリエトキシシラン
(2−3):エポキシシクロヘキシルエチルトリメトキシシラン
(2−4):エポキシシクロヘキシルエチルトリエトキシシラン
また、前記フッ化アルキル基を有する加水分解性シラン化合物としては、下記式(3)で示される構造を有する加水分解性シラン化合物が好適である。
Figure 0005058680
(式中、R31は、飽和または不飽和の1価の炭化水素基を示す。R32は、飽和または不飽和の1価の炭化水素基を示す。Z31は、2価の有機基を示す。Rf31は、炭素数1〜31の直鎖状のパーフルオロアルキル基を示す。fは、0〜2の整数を示し、gは、1〜3の整数を示し、f+g=3である。)
前記式(3)中のR31およびR32で示される飽和または不飽和の1価の炭化水素基としては、例えば、アルキル基、アルケニル基およびアリール基などが挙げられる。これらの中でも、炭素数1〜3の直鎖状または分岐鎖状のアルキル基が好ましく、さらにはメチル基、エチル基がより好ましい。
前記式(3)中のZ31で示される2価の有機基としては、例えば、アルキレン基およびアリーレン基などが挙げられる。これらの中でも、炭素数1〜6のアルキレン基が好ましく、さらにはエチレン基がより好ましい。
前記式(3)中のRf31で示される炭素数1〜31の直鎖状のパーフルオロアルキル基としては、処理性の観点から、特に炭素数6〜31の直鎖状のパーフルオロアルキル基が好ましい。
前記式(3)中のgは、3であることが好ましい。また、前記式(3)中のfが2の場合、2個のR31は、同一であってもよく、異なっていてもよい。また、前記式(3)中のgが2または3の場合、2個または3個のR32は同一であってもよく、異なっていてもよい。
以下に、前記式(3)で示される構造を有する加水分解性シラン化合物の具体例を示す。
(3−1):CF−(CH−Si−(OR)
(3−2):F(CF−(CH−Si−(OR)
(3−3):F(CF−(CH−Si−(OR)
(3−4):F(CF−(CH−Si−(OR)
(3−5):F(CF−(CH−Si−(OR)
(3−6):F(CF10−(CH−Si−(OR)
(式(3−1)〜(3−6)中のRは、メチル基またはエチル基を示す。)
前記式(3−1)〜(3−6)で示される化合物の中でも、前記式(3−4)〜(3−6)で示される化合物が好ましい。
前記カチオン重合可能な基を有する加水分解性シラン化合物および前記フッ化アルキル基を有する加水分解性シラン化合物は、それぞれ、1種のみを用いてもよいし、2種以上を用いてもよい。
フッ化アルキル基を有する加水分解性シラン化合物として前記式(3)で示される構造を有する加水分解性シラン化合物を用いる場合、Rf31の炭素数nが6〜31であって、炭素数nが相互に異なる2種以上の化合物を組み合わせて用いることが好ましい。このような組み合わせで前記式(3)で示される構造を有する加水分解性シラン化合物を用いると、得られるポリシロキサンは、炭素数の異なるパーフルオロアルキル基を有することになる。パーフルオロアルキル基は、最表面層の表面に向かって配向する傾向にある。このため、最表面層に含有されるポリシロキサンが炭素数の異なるパーフルオロアルキル基を有していれば、最表面層の表面に向かって長さの異なるパーフルオロアルキル基が配向することになる。この場合、単一の長さのパーフルオロアルキル基が最表面層の表面に向かって配向する場合に比べて、最表面層の表面近傍のフッ素原子濃度が高くなり、最表面層の表面自由エネルギーが低くなる。表面自由エネルギーが低下するような最表面層は、トナー及びトナーに付着している外添剤によるゴムローラ表面の汚れ防止に効果がある。
前記式(3)で示される構造を有する加水分解性シラン化合物を2種以上用いる場合は、前記式(3−4)〜(3−6)で示される化合物の中から2種以上選択することが好ましい。
本発明においては、前述のとおり、まず、縮合工程(I)でカチオン重合可能な基を有する加水分解性シラン化合物と、フッ化アルキル基を有する加水分解性シラン化合物とを加水分解し、縮合させて、加水分解性縮合物を得る。次いで、架橋工程(II)で該カチオン重合可能な基を開裂させることにより、該加水分解性縮合物を架橋させることによって、本発明の帯電ゴムローラに用いられるポリシロキサンを得ることができる。帯電ゴムローラの表面特性の制御の観点から、加水分解性縮合物を得る縮合工程(I)において、さらに、下記式(1)で示される構造を有する加水分解性シラン化合物を併用することが好ましい。
(R11)a−Si−(OR12)b (1)
(式中、R11は、フェニル基置換のアルキル基もしくは無置換のアルキル基、または、アルキル基置換のアリール基もしくは無置換のアリール基を示し、R12は、飽和または不飽和の1価の炭化水素基を示す。aは、0〜3の整数を、bは、1〜4の整数を示し、a+b=4である。)
前記式(1)中のR11で示されるフェニル基置換のアルキル基または無置換のアルキル基のアルキル基としては、炭素数1〜21の直鎖状のアルキル基が好ましい。また、前記式(1)中のR11で示されるアルキル基置換のアリール基もしくは無置換のアリール基のアリール基としては、フェニル基が好ましい。
前記式(1)中のaは、1〜3の整数であることが好ましく、特には1であることがより好ましい。また、前記式(1)中のbは、1〜3の整数であることが好ましく、特には3であることがより好ましい。
前記式(1)中のR12で示される飽和または不飽和の1価の炭化水素基としては、例えば、アルキル基、アルケニル基およびアリール基などが挙げられる。これらの中でも、炭素数1〜3の直鎖状または分岐鎖状のアルキル基が好ましく、さらにはメチル基、エチル基、n−プロピル基がより好ましい。
前記式(1)中のaが2または3の場合、2個または3個のR11は同一であってもよく、異なっていてもよい。また、前記式(1)中のbが2、3または4の場合、2個、3個または4個のR12は同一であってもよく、異なっていてもよい。
以下に、前記式(1)で示される構造を有する加水分解性シラン化合物の具体例を示す。
(1−1):テトラメトキシシラン
(1−2):テトラエトキシシラン
(1−3):テトラプロポキシシラン
(1−4):メチルトリメトキシシラン
(1−5):メチルトリエトキシシラン
(1−6):メチルトリプロポキシシラン
(1−7):エチルトリメトキシシラン
(1−8):エチルトリエトキシシラン
(1−9):エチルトリプロポキシシラン
(1−10):プロピルトリメトキシシラン
(1−11):プロピルトリエトキシシラン
(1−12):プロピルトリプロポキシシラン
(1−13):ヘキシルトリメトキシシラン
(1−14):ヘキシルトリエトキシシラン
(1−15):ヘキシルトリプロポキシシラン
(1−16):デシルトリメトキシシラン
(1−17):デシルトリエトキシシラン
(1−18):デシルトリプロポキシシラン
(1−19):フェニルトリメトキシシラン
(1−20):フェニルトリエトキシシラン
(1−21):フェニルトリプロポキシシラン
(1−22):ジフェニルジメトキシシラン
(1−23):ジフェニルジエトキシシラン
前記式(1)で示される構造を有する加水分解性シラン化合物および前記式(3)で示される構造を有する加水分解性シラン化合物を併用する場合、前記式(1)中のaは1〜3の整数であることが好ましく、bは1〜3の整数であることが好ましい。さらに、a個のR11のうちの1個のR11は、炭素数1〜21の直鎖状のアルキル基であることが好ましい。
炭素数1〜21の直鎖状のアルキル基の炭素数をn(nは1〜21の整数)とし、前記式(3)中のRf31の炭素数をn(nは1〜31の整数)としたとき、該炭素数1〜21の直鎖状のアルキル基の炭素数nは、次の関係を満たすことが好ましい。
−1≦n≦n+1
前記炭素数1〜21の直鎖状のアルキル基は、パーフルオロアルキル基と同様、帯電ゴムローラの最表面層中で表面に向かって配向する傾向にある。上記関係を満たす直鎖状のアルキル基を有する前記式(1)で示される加水分解性シラン化合物を用いると、前記式(3)で示される構造を有する加水分解性シラン化合物のパーフルオロアルキル基による効果が損なわれることがなく好ましい。
前記式(1)で示される構造を有する加水分解性シラン化合物は、1種のみ用いてもよいし、2種以上用いてもよい。2種以上用いる場合には、前記式(1)中のR11がアルキル基のものと前記式(1)中のR11がフェニル基のものを併用することが好ましい。
以下、本発明の帯電ゴムローラの具体的な製造方法(前記ポリシロキサンを含有する最表面層の具体的な形成方法)について説明する。
まず、カチオン重合可能な基を有する加水分解性シラン化合物およびフッ化アルキル基を有する加水分解性シラン化合物、ならびに、必要に応じて前記の他の加水分解性シラン化合物を水の存在下で加水分解し、縮合させることによって加水分解性縮合物を得る。加水分解し、縮合させる際に、温度やpHなどを制御することで、所望の縮合度の加水分解性縮合物を得ることができる。
また、加水分解し、縮合させる際に、加水分解反応の触媒として金属アルコキシドなどを利用し、縮合度を制御してもよい。金属アルコキシドとしては、例えば、アルミニウムアルコキシド、チタニウムアルコキシドおよびジルコニアアルコキシドなど、ならびに、これらの錯体(アセチルアセトン錯体など)等が挙げられる。
また、加水分解性縮合物を得る際、カチオン重合可能な基を有する加水分解性シラン化合物およびフッ化アルキル基を有する加水分解性シラン化合物の配合割合は、得られるポリシロキサンが、下記基等を下記含有量で含むものとなるように定めることが好ましい。
・フッ化アルキル基 :ポリシロキサン全質量に対して 5.0〜50.0質量%
・オキシアルキレン基 :ポリシロキサン全質量に対して 5.0〜70.0質量%
・シロキサン部分 :ポリシロキサン全質量に対して20.0〜90.0質量%
また、上記加水分解性シラン化合物のほかに、更に、前記式(1)で示される構造を有する加水分解性シラン化合物を用いる場合においても、得られるポリシロキサンが、上記基等を上記含有量で含むものとなるように配合割合を定めればよい。
具体的には、フッ化アルキル基を有する加水分解性シラン化合物を、全加水分解性シラン化合物に対して0.5〜20.0mol%の範囲になるように配合することが好ましく、特には1.0〜10.0mol%の範囲になるように配合することがより好ましい。
式(1)で示される構造を有する加水分解性シラン化合物を併用する場合、カチオン重合可能な基を有する加水分解性シラン化合物の配合量(Mモル)と式(1)で示される構造を有する加水分解性シラン化合物の配合量(Mモル)のモル比(M:M)が
10:1〜1:10
の範囲になるように配合することが好ましい。
次に、得られた加水分解性縮合物を含む最表面層を形成するための塗布液(最表面層用塗布液と表すことがある)を調製し、ゴムローラのゴム層上に塗布し乾燥する。最表面層用塗布液をゴムローラのゴム層上に塗布する際には、前記のリングヘッドを用いたリング塗布が好ましい。また、浸漬塗布やロールコーターを用いた塗布法等でも良い。最表面層用塗布液を調製する際には、塗布性向上のために、加水分解性縮合物以外に、適当な溶剤を用いてもよい。適当な溶剤としては、例えば、エタノール、2−ブタノールなどのアルコールや、酢酸エチルや、メチルエチルケトンなど、あるいは、これらを混合したものが挙げられる。
次に、ゴムローラのゴム層上に塗布された最表面層用塗布液に活性エネルギー線を照射する。活性エネルギー線は紫外線でも電子線でも良い。すると、最表面層用塗布液に含まれる加水分解性縮合物中のカチオン重合可能な基は開裂し、これによって該加水分解性縮合物を架橋させることができる。加水分解性縮合物は架橋によって硬化され最表面層が形成される。また、最表面層を加熱硬化させてもよい。この場合は、熱風炉、熱盤、遠・近赤外線、誘導加熱等のいずれの方法でも良く、或いはこれらの加熱方法を併用しても良い。
ここで、最表面層を活性エネルギー線で照射する場合はゴム層も同時に改質・硬化される。特に、ゴム層が二重結合を有するゴムは活性エネルギー線での照射による改質・硬化の効果が大きいため好ましい。
ここでは、紫外線の照射によって架橋・硬化して最表面層を形成する方法について詳細に説明する。
最表面層用塗布液を塗布されたゴムローラは一定の回転数で回転させて紫外線を照射させる。ここで、図4に本発明に用いることのできる紫外線照射処理装置の一例の模式図を示す。最表面層用塗布液を塗布されたゴムローラ6はローラ回転部材14によって一定の回転数で回転させられ紫外線照射口15よりその表面に紫外線が照射される。紫外線の照射には高圧水銀ランプ、メタルハライドランプ、低圧水銀ランプ、エキシマUVランプが用いられる。また、これらのランプを用いると、波長150〜400nmの紫外線強度が全波長強度の60%以上となっており、速やかに紫外線照射を行うことが可能となり好ましい。尚、紫外線の積算光量は、下記で定義される。
紫外線積算光量(mJ/cm)=紫外線強度(mW/cm)×照射時間(sec)
紫外線の積算光量については、表面処理の効果に応じて適宜選択すれば良い。その調節は、照射時間、ランプ出力、ランプとゴムローラとの距離のいずれでも行う事が可能であり、所望の積算光量が得られるように決めればよい。又、照射時間内で積算光量に勾配をつけても良い。
紫外線ランプの外側に反射板16を配置しても良く、反射板の材質としては、アルミニウム、ステンレス、鉄を用い反射面は鏡面加工、または反射率を向上させるコート処理、表面処理が施される事が望ましい。好ましくは、材質が99.9%以上の高純度アルミニウムで表面に反射率90%以上の光沢アルマイト処理を施す事が良い。反射板とゴムローラの距離は任意に設定でき、紫外線積算光量や反射板からの輻射による熱の影響を考慮して決定される。
紫外線の照射方法については、最表面層用塗布液を塗布された複数のゴムローラを管状の紫外線ランプを中心に同心円上に配置して、更にその外側の同心円上に円筒状または円弧状の反射板を配置して、ゴムローラを回転させながら紫外線を照射する方法でも良い。
本発明においては、254nmの波長を代表とする紫外線に関しては、紫外線の積算光量をウシオ電機株式会社製の紫外線積算光量計(UIT−150−A(商品名)、UVD−S254(商品名))を用いて測定した。また、172nmの波長を代表とする紫外線に関しては、紫外線の積算光量をウシオ電機株式会社製の紫外線積算光量計(UIT−150−A(商品名)、VUV−S172(商品名))を用いて測定した。更に365nmの波長を代表とする紫外線に関しては、紫外線の積算光量をウシオ電機株式会社製の紫外線積算光量計(UIT−150−A(商品名)、VUV−S365(商品名))を用いて測定した。
上記、本発明の実施の形態で述べた帯電ゴムローラの抵抗値は、芯金の両端に各々500gの加重をかけて、金属製ドラムに接触回転させながら帯電ローラを従動回転させて測定した。芯金、金属製ドラムに200Vの電圧を印加した場合の帯電ゴムローラの抵抗値を10〜10Ωに調整した。そして本発明の実施の形態で述べた帯電ゴムローラは、LBP(Laser Beam Printer)、複写機及びファクシミリ等の画像形成装置の電子写真用部材として用いられる。
ここで、本発明の帯電ゴムローラを帯電ローラとして用いた場合の使用形態を図5に示した。図5に示した画像形成装置は、回転ドラム型・転写方式の電子写真装置であって、17は像担持体としての電子写真感光体(感光体ドラム)であり、時計方向に所定の周速度(プロセススピード)をもって回転駆動される。感光体ドラム17は、その回転過程で帯電手段としての電源E1から帯電バイアスを印加した帯電ローラ18により周面が所定の極性・電位(本実施例では−600V)に一様帯電処理される。次いで露光系19により目的の画像情報に対応したネガ画像露光(原稿像のアナログ露光、デジタル走査露光)を受けて周面に目的画像情報の静電潜像が形成される。次いで、その静電潜像がマイナストナーによる反転現像方式の現像ローラ20によりトナー画像として現像される。まず、感光体ドラム17と転写手段としての転写ローラ21との間の転写部に不図示の給紙手段から所定のタイミングで転写材が給送される。そして、転写ローラ21に対して電源E2から約+2〜3KVの転写バイアスが印加され感光体ドラム17面の反転現像されたトナー像が転写材に対して順次転写されていく。トナー画像の転写を受けた転写材は、感光体ドラム17面から分離されて不図示の定着手段へ導入されて像定着処理を受ける。トナー画像転写後の感光体ドラム面は、クリーニング手段22で転写残りトナー等の付着汚染物の除去処理を受けて清浄面化されて繰り返して作像に供される。
また、像担持体としての感光体ドラム17と、帯電部材としての帯電ローラ18とを一体に支持し、画像形成装置本体に着脱自在であるプロセスカートリッジを構成しても良い。
本発明におけるゴムローラの表面粗さRzjis測定はJIS94−B0601における十点平均粗さ評価に則した方法で(株)小坂研究所製の表面粗さ測定器SE−3400を用い、
カットオフを0.8mm、
測定速度を0.5mm/s、
測定長さを8mm
として測定を行った。ここで、(導電性弾性体の帯電部位の長さ)/(8mm)N(Nは整数部分、N≧3)より、導電性弾性層をN分割して、ゴムローラの長手方向でN分割した各部分の周方向で60°おきに6点の測定(上記の「周方向6点測定」)を行った。そして、6点の平均値をN分割した各部分の表面粗さRzjis−ave.とした(図6)。導電性弾性体の帯電部位の長手方向における表面粗さ分布を図7に示す。
本発明におけるゴムローラと感光体ドラムとの当接ニップ内の圧力分布の測定はニッタ(株)のタクタイルセンサシステムを用いて厚さ100μmのフィルム状のセンサをゴムローラと感光体ドラムに挟んで測定を行った。
本発明における最表面層の膜厚測定は、走査型電子顕微鏡(SEM)を用いて、倍率10000倍で数箇所の測定を行い、平均値をSEM平均膜厚とした。
また、測定は、23.5℃/60%の環境において行った。
本発明の実施の形態で述べた帯電ゴムローラは、芯金と、該芯金上に形成した導電性弾性層(ゴム層)を有する導電性ローラである。導電性弾性層の長手方向の表面粗さRzjisは2.0〜20.0μm、より好ましくは2.0〜12.0μmであり、且つ下記(A)の関係にある。
(A)(導電性弾性体の帯電部位の長さ)/(8mm)=N(Nは小数点以下切上げの整数部分、N≧3)より、導電性弾性体部をN分割し、片端から順に1〜Nとする。この時に、表面粗さRzjis−ave.(1)及びRzjis−ave.(N)が2.0〜7.0μmであり、且つRzjis−ave.(2〜N−1)のうち少なくとも1点以上が、表面粗さRzjis−ave.(1)及びRzjis−ave.(N)の1.2〜5.0倍(好ましくは1.5〜3.0倍)である。また、好ましくは、表面粗さSm−ave.が30〜130μmである。
更に、導電性弾性層の長手方向の表面粗さRzjis−ave.が、(N/2)−3以上(N/2)+3以下の範囲内の分割部分に最大値があり、最大値から表面粗さRzjis−ave.(1)及びRzjis−ave.(N)に対して傾斜して小さくなる。すなわちゴムローラの長手方向の表面粗さRzjis−ave.が中央部で最大値となり、中央部から両端部に傾斜して小さくなる(N/2は小数点以下切上げの整数部分、N≧7)。
ここで、例えばゴムローラの長手方向の表面粗さRzjisが20.0μmより大きい場合、表面粗さが非常に大きいためゴムローラ表面がトナー及びトナーに付着している外添剤により汚れてしまい、感光体ドラムの表面を均一に帯電できない可能性がある。また、2.0μmより小さい場合は、感光体ドラムとの当接ニップの近傍、当接ニップ内での微小な放電が少なくなり、感光体ドラムの表面を均一に帯電できない可能性がある。
また、ゴムローラのクラウン形状にもよるがゴムローラの長手方向の両端部の表面粗さRzjisが中央部の表面粗さRzjisの5.0倍よりも大きい場合、ゴムローラの中央部で表面がトナー及びトナーに付着している外添剤により汚れやすくなる。一方、1.2倍より小さい場合、表面粗さRzjisの大きさにもよるがゴムローラの両端部で表面が汚れる可能性がある。
上記のように、表面粗さRzjis、特に長手方向での表面粗さRzjisを制御することで、帯電ローラと感光体ドラムとの当接ニップ内の圧力分布に合わせて圧力が高い部分では表面粗さが小さく、圧力が小さい部分では表面粗さが大きくなる。そうすることで、トナー及びトナーに付着している外添剤等による帯電ローラ表面の汚れ、特に長手両端部の汚れを抑えて安定して感光体ドラムを帯電処理できる帯電部材を提供する事ができる。ここで、図8に本発明の帯電ゴムローラ断面の模式図の一例を示す。4は芯金、23は弾性層(ゴム層)、24は最表面層である。
以下、本発明を実施例により更に具体的に説明するが、本発明はこれらに限定されない。
[実施例1]
〈ゴムローラの作製〉
以下の原料を加圧式ニーダーで15分間混練した。
・NBR 100質量部
(商品名「Nipol DN219」:日本ゼオン(株)製)
・カーボンブラック1 14質量部
(商品名「旭HS−500」:旭カーボン(株)製)
・カーボンブラック2 4質量部
(商品名「ケッチェンブラックEC600JD」:ライオン(株)製)
・ステアリン酸亜鉛 1質量部
・酸化亜鉛 5質量部
・炭酸カルシウム 30質量部
(商品名「ナノックス#30」:丸尾カルシウム(株)製)
更に、
加硫促進剤(DM:ジ−2−ベンゾチアゾリルジスルフィド)1質量部、
加硫促進剤(TBzTD:テトラベンジルチウラムジスルフィド)3質量部及び
加硫剤としてイオウ1.2質量部
を加えて、15分間オープンロールで混練して未加硫ゴム組成物を作製した。次いで、外径φ6mm、長さ252mmのステンレス棒の芯金を用意した。ここで、図1に模式的に示す押出機を用いて上記芯金と未加硫ゴム組成物とを一体に押出してゴムローラを成形した。その後160℃、2時間の加熱加硫を行い、更にトラバース方式の研磨を行った。
砥石を1570rpmの速度で回転しながら400rpmの速度で回転しているゴムローラに接触させ、かつ、
接触させた砥石をゴムローラの一端側から移動速度50mm/minから中央部に向かって移動速度を200mm/minに上げて、中央部を越えて他端側に向かって移動速度を50mm/minに下げるように移動させることによって
研磨を行った。このとき用いた砥石はGC−120(ノリタケ製)であった。端部の切断・除去処理により、厚み1.25mm、長さ232mmのゴムローラを得た(ゴムローラ外径φ8.5mm、クラウン量110μm、導電性弾性層の厚み1.25mm)。更にその後、低圧水銀ランプ(ハリソン東芝ライティング製)による紫外線照射を5分間行った。低圧水銀ランプに関しては、主に254nmの波長を代表とする紫外線で、この時の紫外線積算光量は約10000mJ/cmであった(紫外線強度は35mW/cm)。
ここで、(導電性弾性体の帯電部位の長さ=232mm)/(8mm)=29より、導電性弾性層を29分割し、片端から順に1〜Nとした。すべての分割部分の表面粗さRzjis−ave.を測定した結果は、表面粗さRzjis−ave.(1)=2.7μm、Sm−ave.(1)=55μm、表面粗さRzjis−ave.(29)=2.9μm、Sm−ave.(29)=53μmであり、表面粗さRzjis−ave.(15)=5.2μm、Sm−ave.(15)=107μmで表面粗さRzjis−ave.(1)の1.9倍、表面粗さRzjis−ave.(29)の1.8倍であった。また、表面粗さRzjis−ave.(15)はゴムローラの長手方向で最大値であり、表面粗さRzjis−ave.(15)より表面粗さRzjis−ave.(1)及び表面粗さRzjis−ave.(29)に向かって、表面粗さRzjis−ave.は傾斜して小さくなっている。これらの結果を纏め、表1に示した。
更に、この帯電ゴムローラを図4に示す電子写真方式の画像形成装置に帯電ローラとして組込み、感光体ドラムの両端に500gづつの荷重を負荷した状態で圧接した。そして、23.5℃/60%の環境でハーフトーン画像による連続6000枚(6Kと表すことがある)の通紙をして以下の耐久汚れ画像評価を行った。得られた結果を表2に示す。
〈耐久汚れ画像評価〉
通紙1〜10枚間を初期画像、また連続通紙6000枚間を耐久画像とした。帯電ゴムローラに固着したトナーや外添剤による、点状もしくは線状の画像不良、或いは帯電ムラによる黒または白の横スジ状の画像不良の有無を目視で観察して検査した。得られた検査結果に基づき、下記基準で画像評価を行った。
A :画像不良がまったくない
B :画像不良がごくまれにある
C :画像不良が多量にある。
[実施例2]
〈ゴムローラの作製〉
前記実施例1のトラバース方式の研磨条件を下記にした以外は実施例1と同様にしてゴムローラを得た(ゴムローラ外径φ8.5mm、クラウン量110μm、導電性弾性層の厚み1.25mm)。
砥石を1570rpmの速度で回転しながら200rpmの速度で回転しているゴムローラに接触させ、かつ、
接触させた砥石をゴムローラの一端側から移動速度50mm/minから中央部に向かって移動速度を200mm/minに上げて、中央部を越えて他端側に向かって移動速度を50mm/minに下げるように移動させることによって
研磨を行った。このとき用いた砥石はGC−80(ノリタケ製)であった。
その後、低圧水銀ランプ(ハリソン東芝ライティング製)による紫外線照射を5分間行った。低圧水銀ランプに関しては、主に254nmの波長を代表とする紫外線で、この時の紫外線積算光量は約10000mJ/cmであった(紫外線強度は35mW/cm)。
また得られた帯電ゴムローラについて、実施例1と同様にして、物性を測定し、耐久画像評価を行った。得られた結果を表1及び2に示す。
[実施例3]
〈ゴムローラの作製〉
前記実施例1のトラバース方式の研磨条件を下記にした以外は実施例1と同様にしてゴムローラを得た(ゴムローラ外径φ8.5mm、クラウン量110μm、導電性弾性層の厚み1.25mm)。
砥石を1570rpmの速度で回転しながら100rpmの速度で回転しているゴムローラに接触させ、かつ、
接触させた砥石をゴムローラの一端側から移動速度10mm/minから中央部に向かって移動速度を600mm/minに上げて、中央部を越えて他端側に向かって移動速度を10mm/minに下げるように移動させることによって
研磨を行った。このとき用いた砥石はGC−80(ノリタケ製)であった。
その後、低圧水銀ランプ(ハリソン東芝ライティング製)による紫外線照射を5分間行った。低圧水銀ランプに関しては、主に254nmの波長を代表とする紫外線で、この時の紫外線積算光量は約10000mJ/cmであった(紫外線強度は35mW/cm)。
また得られた帯電ゴムローラについて、実施例1と同様にして、物性を測定し、耐久画像評価を行った。得られた結果を表1及び2に示す。
[実施例4]
〈ゴムローラの作製〉
前記実施例1のトラバース方式の研磨条件を下記にした以外は実施例1と同様にしてゴムローラを得た(ゴムローラ外径φ7mm、クラウン量70μm、導電性弾性層の厚み0.5mm)。
砥石を1570rpmの速度で回転しながら500rpmの速度で回転しているゴムローラに接触させ、かつ、
接触させた砥石をゴムローラの一端側から移動速度50mm/minから中央部に向かって移動速度を200mm/minに上げて、中央部を越えて他端側に向かって移動速度を50mm/minに下げるように移動させることによって
研磨を行った。このとき用いた砥石はGC−120(ノリタケ製)であった。
その後、低圧水銀ランプ(ハリソン東芝ライティング製)による紫外線照射を5分間行った。低圧水銀ランプに関しては、主に254nmの波長を代表とする紫外線で、この時の紫外線積算光量は約10000mJ/cmであった(紫外線強度は35mW/cm)。
また得られた帯電ゴムローラについて、実施例1と同様にして、物性を測定し、耐久画像評価を行った。得られた結果を表1及び2に示す。
[実施例5]
〈ゴムローラの作製〉
前記実施例1のトラバース方式の研磨条件を下記にした以外は実施例1と同様にしてゴムローラを得た(ゴムローラ外径φ8.5mm、クラウン量90μm、導電性弾性層の厚み1.25mm)。
砥石を1570rpmの速度で回転しながら200rpmの速度で回転しているゴムローラに接触させ、かつ、
接触させた砥石をゴムローラの一端側から移動速度200mm/minから中央部に向かって移動速度を250mm/minに上げて、中央部を越えて他端側に向かって移動速度を200mm/minに下げるように移動させることによって
研磨を行った。このとき用いた砥石はGC−80(ノリタケ製)であった。
その後、低圧水銀ランプ(ハリソン東芝ライティング製)による紫外線照射を5分間行った。低圧水銀ランプに関しては、主に254nmの波長を代表とする紫外線で、この時の紫外線積算光量は約10000mJ/cmであった(紫外線強度は35mW/cm)。
また得られた帯電ゴムローラについて、実施例1と同様にして、物性を測定し、耐久画像評価を行った。得られた結果を表1及び2に示す。
[実施例6]
〈ゴムローラの作製〉
前記実施例1のトラバース方式の研磨条件を下記にした以外は実施例1と同様にしてゴムローラを得た(ゴムローラ外径φ8.5mm、クラウン量90μm、導電性弾性層の厚み1.25mm)。
砥石を1570rpmの速度で回転しながら200rpmの速度で回転しているゴムローラに接触させ、かつ、
接触させた砥石をゴムローラの一端側から移動速度20mm/minから中央部に向かって移動速度を600mm/minに上げて、中央部を越えて他端側に向かって移動速度を20mm/minに下げるように移動させることによって
研磨を行った。このとき用いた砥石はGC−80(ノリタケ製)であった。
その後、低圧水銀ランプ(ハリソン東芝ライティング製)による紫外線照射を5分間行った。低圧水銀ランプに関しては、主に254nmの波長を代表とする紫外線で、この時の紫外線積算光量は約10000mJ/cmであった(紫外線強度は35mW/cm)。
また得られた帯電ゴムローラについて、実施例1と同様にして、物性を測定し、耐久画像評価を行った。得られた結果を表1及び2に示す。
[実施例7]
〈ゴムローラの作製〉
前記実施例1のトラバース方式の研磨条件を下記にした以外は実施例1と同様にしてゴムローラを得た(ゴムローラ外径φ8.5mm、クラウン量90μm、導電性弾性層の厚み1.25mm)。
砥石を1570rpmの速度で回転しながら400rpmの速度で回転しているゴムローラに接触させ、かつ、
接触させた砥石をゴムローラの一端側から移動速度200mm/minから中央部に向かって移動速度を400mm/minに上げて、中央部を越えて他端側に向かって移動速度を200mm/minに下げるように移動させることによって
研磨を行った。このとき用いた砥石はGC−80(ノリタケ製)であった。
その後、低圧水銀ランプ(ハリソン東芝ライティング製)による紫外線照射を5分間行った。低圧水銀ランプに関しては、主に254nmの波長を代表とする紫外線で、この時の紫外線積算光量は約10000mJ/cmであった(紫外線強度は35mW/cm)。
また得られた帯電ゴムローラについて、実施例1と同様にして、物性を測定し、耐久画像評価を行った。得られた結果を表1及び2に示す。
[実施例8]
〈ゴムローラの作製〉
前記実施例1のトラバース方式の研磨条件を下記にした以外は実施例1と同様にしてゴムローラを得た(ゴムローラ外径φ8.5mm、クラウン量90μm、導電性弾性層の厚み1.25mm)。
砥石を1570rpmの速度で回転しながら200rpmの速度で回転しているゴムローラに接触させ、かつ、
接触させた砥石をゴムローラの一端側から移動速度20mm/minから中央部に向かって移動速度を300mm/minに上げて、中央部を越えて他端側に向かって移動速度を20mm/minに下げるように移動させることによって
研磨を行った。このとき用いた砥石はGC−80(ノリタケ製)であった。ここで、クラウン量が90μmのゴムローラであらかじめゴムローラと感光体ドラムとの当接ニップ内の圧力分布を測定して、圧力が高い部分では表面粗さを小さく、圧力が小さい部分では表面粗さを大きくするように研磨条件(砥石の移動速度)を調整した。ゴムローラと感光体ドラムとの当接ニップ内の圧力分布と長手方向の表面粗さRzjis−ave.の関係を図9に示す。
その後、低圧水銀ランプ(ハリソン東芝ライティング製)による紫外線照射を5分間行った。低圧水銀ランプに関しては、主に254nmの波長を代表とする紫外線で、この時の紫外線積算光量は約10000mJ/cmであった(紫外線強度は35mW/cm)。
また得られた帯電ゴムローラについて、実施例1と同様にして、物性を測定し、耐久画像評価を行った。得られた結果を表1及び2に示す。
[実施例9]
〈ゴムローラの作製〉
前記実施例1のトラバース方式の研磨条件を下記にした以外は実施例1と同様にしてゴムローラを得た(ゴムローラ外径φ8.5mm、クラウン量150μm、導電性弾性層の厚み1.25mm)。
砥石を1570rpmの速度で回転しながら400rpmの速度で回転しているゴムローラに接触させ、かつ、
接触させた砥石をゴムローラの一端側から移動速度100mm/minから中央部に向かって移動速度を200mm/minに上げて、中央部を越えて他端側に向かって移動速度を100mm/minに下げるように移動させることによって
研磨を行った。このとき用いた砥石はGC−80(ノリタケ製)であった。ここで、クラウン量が150μmのゴムローラであらかじめゴムローラと感光体ドラムとの当接ニップ内の圧力分布を測定して、圧力が高い部分では表面粗さを小さく、圧力が小さい部分では表面粗さを大きくするように研磨条件(砥石の移動速度)を調整した。ゴムローラと感光体ドラムとの当接ニップ内の圧力分布と長手方向の表面粗さRzjis−ave.の関係を図10に示す。
その後、低圧水銀ランプ(ハリソン東芝ライティング製)による紫外線照射を5分間行った。低圧水銀ランプに関しては、主に254nmの波長を代表とする紫外線で、この時の紫外線積算光量は約10000mJ/cmであった(紫外線強度は35mW/cm)。
また得られた帯電ゴムローラについて、実施例1と同様にして、物性を測定し、耐久画像評価を行った。得られた結果を表1及び2に示す。
[実施例10]
〈ゴムローラの作製〉
前記実施例1と同様にしてゴムローラを得た(ゴムローラ外径φ8.5mm、クラウン量110μm、導電性弾性層の厚み1.25mm)。
〈最表面層の形成方法〉
下記原料を用意した。
・グリシドキシプロピルトリエトキシシラン(GPTES):27.84g(0.1mol)
・メチルトリエトキシシラン(MTES):17.83g(0.1mol)
・トリデカフルオロ−1,1,2,2−テトラヒドロオクチルトリエトキシシラン(FTS、パーフルオロアルキル基の炭素数6):7.68g(0.0151mol)(加水分解性シラン化合物総量に対して7mol%相当)
・水:17.43g
・エタノール:37.88g
上記原料を混合した後、室温で攪拌し、次いで24時間加熱還流を行うことによって、加水分解性シラン化合物を加水分解し、縮合して加水分解性縮合物を得た。この加水分解性縮合物を2−ブタノール/エタノールの混合溶剤に添加することによって、固形分7質量%の加水分解性縮合物含有アルコール溶液を調製した。この加水分解性縮合物含有アルコール溶液100gに対して0.35gの光カチオン重合開始剤としての芳香族スルホニウム塩(商品名:アデカオプトマーSP−150、旭電化工業(株)製)を添加した。更に固形分2.0質量%となるようにエタノールで希釈して最表面層用塗布液を調製した。
前記最表面層用塗布液を密閉容器に入れ、密閉容器を液供給手段であるシリンジポンプにつなぎ、更にリングヘッドに具備された1箇所の液供給口につなぎ、リングヘッド内に適量の塗布液を供給した。塗布液は、リングヘッド内で合流し周方向に分配するための液分配室を有するリングヘッド内に充填された。前記より得られたゴムローラを垂直状態に支持し、このゴムローラの外径に対して0.5mmの間隔をなす距離に全周に開口されたスリット状の吐出口がくるようにリングヘッドを配置した。この時、リングヘッドの全周に開口されたスリット状の吐出口の開口幅(スリット幅)は0.1mmで使用した。リングヘッドをゴムローラの上端部から下端部へ、70mm/sの一定の速度で垂直移動させると同時に上記最表面層用塗布液の適量(0.07mL)を0.018mL/sの吐出速度で全周均一に塗布した。その後、低圧水銀ランプ(ハリソン東芝ライティング製)による紫外線照射を5分間行った。低圧水銀ランプに関しては、主に254nmの波長を代表とする紫外線で、この時の紫外線積算光量は約10000mJ/cmであった(紫外線強度は35mW/cm)。
ここで、(導電性弾性体の帯電部位の長さ=232mm)/(8mm)=29より、導電性弾性層を29分割し、片端から順に1〜Nとした。すべての分割部分の表面粗さRzjis−ave.を測定した結果は、表面粗さRzjis−ave.(1)=2.6μm、Sm−ave.(1)=44μm、表面粗さRzjis−ave.(29)=2.9μm、Sm−ave.(29)=51μmであり、表面粗さRzjis−ave.(15)=5.3μm、Sm−ave.(15)=95μmで表面粗さRzjis−ave.(1)の2.0倍、表面粗さRzjis−ave.(29)の1.8倍であった。また、表面粗さRzjis−ave.(15)はゴムローラの長手方向で最大値であり、表面粗さRzjis−ave.(15)より表面粗さRzjis−ave.(1)及び表面粗さRzjis−ave.(29)に向かって、表面粗さRzjis−ave.は傾斜して小さくなっている。
走査型電子顕微鏡(SEM)の倍率10000倍で測定した上記ゴムローラの最表面層のSEM平均膜厚は70nmであった。これらの結果を纏め、表1に示した。
また得られた帯電ゴムローラについて、実施例1と同様にして、物性を測定し、耐久画像評価を行った。得られた結果を表2に示す。
[実施例11]
〈ゴムローラの作製〉
前記実施例1のトラバース方式の研磨条件を下記にした以外は実施例1と同様にしてゴムローラを得た(ゴムローラ外径φ12mm、クラウン量160μm、導電性弾性層の厚み3.0mm)。
砥石を1570rpmの速度で回転しながら400rpmの速度で回転しているゴムローラに接触させ、かつ、
接触させた砥石をゴムローラの一端側から移動速度100mm/minから中央部に向かって移動速度を400mm/minに上げて、中央部を越えて他端側に向かって移動速度を100mm/minに下げるように移動させることによって
研磨を行った。このとき用いた砥石はGC−80(ノリタケ製)であった。
その後、最表面層用塗布液の固形分を5.0質量%にした以外は実施例10と同様にして帯電ゴムローラを得た。また得られたゴムローラについて、実施例10と同様にして、物性を測定し、耐久画像評価を行った。得られた結果を表1及び2に示す。
[実施例12]
〈ゴムローラの作製〉
前記実施例1のトラバース方式の研磨条件を下記にした以外は実施例1と同様にしてゴムローラを得た(ゴムローラ外径φ8.5mm、クラウン量80μm、導電性弾性層の厚み1.25mm)。
砥石を1570rpmの速度で回転しながら200rpmの速度で回転しているゴムローラに接触させ、かつ、
接触させた砥石をゴムローラの一端側から移動速度200mm/minから中央部に向かって移動速度を500mm/minに上げて、中央部を越えて他端側に向かって移動速度を200mm/minに下げるように移動させることによって
研磨を行った。このとき用いた砥石はGC−80(ノリタケ製)であった。
その後、最表面層用塗布液の固形分を1.0質量%にした以外は実施例10と同様にして帯電ゴムローラを得た。また得られたゴムローラについて、実施例10と同様にして、物性を測定し、耐久画像評価を行った。得られた結果を表1及び2に示す。
[実施例13]
〈ゴムローラの作製〉
前記実施例1の未加硫ゴム組成物とトラバース方式の研磨条件を下記にした以外は実施例1と同様にしてゴムローラを得た(ゴムローラ外径φ8.5mm、クラウン量90μm、導電性弾性層の厚み1.25mm)。
〈未加硫ゴム組成物の作製〉
以下の原料をオープンロールで30分間混練した。
・エピクロルヒドリンゴム 100質量部
(商品名「エピクロマーCG102」:ダイソー(株)製)
・MTカーボン 30質量部
(商品名「HTC#20」:新日化カーボン製)
・酸化亜鉛 5質量部
・ステアリン酸 1質量部
更に、
加硫促進剤(DM:ジ−2−ベンゾチアゾリルジスルフィド)1質量部、
加硫促進剤(TS:テトラメチルチウラムモノスルフィド)0.5質量部及び
加硫剤としてイオウ1.2質量部
を加えて、15分間オープンロールで混練して未加硫ゴム組成物を作製した。
〈トラバース方式の研磨条件〉
砥石を1570rpmの速度で回転しながら300rpmの速度で回転しているゴムローラに接触させ、かつ、
接触させた砥石をゴムローラの一端側から移動速度20mm/minから中央部に向かって移動速度を200mm/minに上げて、中央部を越えて他端側に向かって移動速度を20mm/minに下げるように移動させることによって
研磨を行った。このとき用いた砥石はGC−120(ノリタケ製)であった。
その後、最表面層用塗布液の固形分を18.0質量%にした以外は実施例10と同様にして帯電ゴムローラを得た。また得られたゴムローラについて、実施例10と同様にして、物性を測定し、耐久画像評価を行った。得られた結果を表1及び2に示す。
[比較例1]
〈ゴムローラの作製〉
前記実施例1の未加硫ゴム組成物とトラバース方式の研磨条件を下記にした以外は実施例1と同様にしてゴムローラを得た(ゴムローラ外径φ8.5mm、クラウン量110μm、導電性弾性層の厚み1.25mm)。
〈未加硫ゴム組成物の作製〉
以下の原料をオープンロールで30分間混練した。
・エピクロルヒドリンゴム 100質量部
(商品名「エピクロマーCG102」:ダイソー(株)製)
・MTカーボン 5質量部
(商品名「HTC#20」:新日化カーボン製)
・酸化亜鉛 5質量部
・ステアリン酸 1質量部
更に、
加硫促進剤(DM:ジ−2−ベンゾチアゾリルジスルフィド)1質量部、
加硫促進剤(TS:テトラメチルチウラムモノスルフィド)0.5質量部及び
加硫剤としてイオウ1.2質量部
を加えて、15分間オープンロールで混練して未加硫ゴム組成物を作製した。
〈トラバース方式の研磨条件〉
砥石を1570rpmの速度で回転しながら400rpmの速度で回転しているゴムローラに接触させ、かつ、接触させた砥石をゴムローラの一端側から移動速度20mm/minで他端側に向かって移動させることによって研磨を行った。このとき用いた砥石はGC−120(ノリタケ製)であった。
その後、ウレタン樹脂(ポリカプロラクトン系ポリオール、トリレンジイソシアネート;TDI)の固形分が約20%となるよう調整したメチルイソブチルケトンを主溶媒とする混合溶液を準備した。そして、この準備した混合溶液に更にウレタン樹脂成分100質量部に対し55質量部の導電性カーボンを添加し、十分に攪拌分散して塗布液とした。この塗布液をガラス容器(Φ40mm、長さ350mm)に約300mL入れた浸漬槽を準備した。浸漬槽のほぼ中央にくるように上記ゴムローラを配置し、ゴムローラを移動させて、ゴムローラの弾性層部分を塗布液中に浸漬した。数秒間浸漬した後、ゴムローラを10〜20mm/sの速度で引き上げた(浸漬塗布)。その後、ゴムローラを室温で30分風乾し、更に熱風循環乾燥機中で温度160℃で、1時間乾燥し、硬化させて帯電ゴムローラを得た。
また得られた帯電ゴムローラについて、実施例1と同様にして、物性を測定し、耐久画像評価を行った。得られた結果を表1及び2に示す。
表2に示したように、本比較例の帯電ゴムローラでは、連続通紙5000枚(5Kと表すことがある)以降の耐久画像に、帯電ムラによる画像不良が確認された(B)。これは耐久中の通電による劣化もあるが、本比較例の帯電ゴムローラの表面粗さが小さいため、感光体ドラムとの当接ニップの近傍、当接ニップ内での微小な放電が少なくなり、感光体ドラムの表面を均一に帯電できなくなったことによる可能性がある。
[比較例2]
〈ゴムローラの作製〉
前記比較例1のトラバース方式の研磨条件を下記にした以外は比較例1と同様にしてゴムローラを得た(ゴムローラ外径φ8.5mm、クラウン量110μm、導電性弾性層の厚み1.25mm)。
砥石を1570rpmの速度で回転しながら200rpmの速度で回転しているゴムローラに接触させ、かつ、
接触させた砥石をゴムローラの一端側から移動速度150mm/minで他端側に向かって移動させることによって
研磨を行った。このとき用いた砥石はGC−80(ノリタケ製)であった。
その後、ウレタン樹脂(ポリカプロラクトン系ポリオール、トリレンジイソシアネート;TDI)の固形分が約20%となるよう調整したメチルイソブチルケトンを主溶媒とする混合溶液を準備した。そして、この準備した混合溶液に更にウレタン樹脂成分100質量部に対し55質量部の導電性カーボンと30質量部の平均粒径5μmのアクリル系粒子を添加し、十分に攪拌分散して塗布液とした。この塗布液をガラス容器(Φ40mm、長さ350mm)に約300mL入れた浸漬槽を準備した。浸漬槽のほぼ中央にくるように上記ゴムローラを配置し、ゴムローラを移動させて、ゴムローラの弾性層部分を塗布液中に浸漬した。数秒間浸漬した後、ゴムローラを10〜20mm/sの速度で引き上げた(浸漬塗布)。その後、ゴムローラを室温で30分風乾し、更に熱風循環乾燥機中で温度160℃で、1時間乾燥し、硬化させて帯電ゴムローラを得た。
また得られた帯電ゴムローラについて、実施例1と同様にして、物性を測定し、耐久画像評価を行った。得られた結果を表1及び2に示す。
表2に示したように、本比較例の帯電ゴムローラでは、連続通紙2000枚(2Kと表すことがある)以降の耐久画像に、耐久汚れによる画像不良が両端部に確認された(B)。また、帯電ゴムローラ表面の両端部で固着したトナーや外添剤による、点状もしくは線状の汚れが確認された(B)。
[比較例3]
〈ゴムローラの作製〉
前記比較例1と同様にしてゴムローラを得た(ゴムローラ外径φ8.5mm、クラウン量90μm、導電性弾性層の厚み1.25mm)。
その後、ウレタン樹脂(ポリカプロラクトン系ポリオール、トリレンジイソシアネート;TDI)の固形分が約20%となるよう調整したメチルイソブチルケトンを主溶媒とする混合溶液を準備した。そして、この準備した混合溶液に更にウレタン樹脂成分100質量部に対し70質量部の導電性カーボンを添加し、十分に攪拌分散して塗布液とした。この塗布液をガラス容器(Φ40mm、長さ350mm)に約300mL入れた浸漬槽を準備した。浸漬槽のほぼ中央にくるように上記ゴムローラを配置し、ゴムローラを移動させて、ゴムローラの弾性層部分を塗布液中に浸漬した。数秒間浸漬した後、ゴムローラを10〜20mm/sの速度で引き上げた(浸漬塗布)。その後、ゴムローラを室温で30分風乾し、更に熱風循環乾燥機中で温度160℃で、1時間乾燥し、硬化させて帯電ゴムローラを得た。
また得られた帯電ゴムローラについて、実施例1と同様にして、物性を測定し、耐久画像評価を行った。得られた結果を表1及び2に示す。
表2に示したように、本比較例の帯電ゴムローラでは、連続通紙5500枚(5.5Kと表すことがある)以降の耐久画像に、帯電ムラによる画像不良が確認された(B)。これは耐久中の通電による劣化もあるが、本比較例の帯電ゴムローラの表面粗さが小さいため、感光体ドラムとの当接ニップの近傍、当接ニップ内での微小な放電が少なくなり、感光体ドラムの表面を均一に帯電できなくなったという可能性がある。
[比較例4]
〈ゴムローラの作製〉
前記比較例1のトラバース方式の研磨条件を下記にした以外は比較例1と同様にしてゴムローラを得た(ゴムローラ外径φ8.5mm、クラウン量90μm、導電性弾性層の厚み1.25mm)。
砥石を1570rpmの速度で回転しながら100rpmの速度で回転しているゴムローラに接触させ、かつ、
接触させた砥石をゴムローラの一端側から移動速度50mm/minから中央部に向かって移動速度を800mm/minに上げて、中央部を越えて他端側に向かって移動速度を50mm/minに下げるように移動させることによって
研磨を行った。このとき用いた砥石はGC−80(ノリタケ製)であった。
その後、低圧水銀ランプ(ハリソン東芝ライティング製)による紫外線照射を5分間行った。低圧水銀ランプに関しては、主に254nmの波長を代表とする紫外線で、この時の紫外線積算光量は約10000mJ/cmであった(紫外線強度は35mW/cm)。
また得られた帯電ゴムローラについて、実施例1と同様にして、物性を測定し、耐久画像評価を行った。得られた結果を表1及び2に示す。
表2に示したように、本比較例の帯電ゴムローラでは、連続通紙1500枚(1.5Kと表すことがある)以降の耐久画像に、耐久汚れによる画像不良が中央部に確認された(C)。また、帯電ゴムローラ表面の中央部で固着したトナーや外添剤による、点状もしくは線状の汚れが確認された(C)。
[比較例5]
〈ゴムローラの作製〉
前記比較例1のトラバース方式の研磨条件を下記にした以外は比較例1と同様にしてゴムローラを得た(ゴムローラ外径φ8.5mm、クラウン量110μm、導電性弾性層の厚み1.25mm)。
砥石を1570rpmの速度で回転しながら100rpmの速度で回転しているゴムローラに接触させ、かつ、
接触させた砥石をゴムローラの一端側から移動速度5mm/minから中央部に向かって移動速度を700mm/minに上げて、中央部を越えて他端側に向かって移動速度を5mm/minに下げるように移動させることによって
研磨を行った。このとき用いた砥石はGC−80(ノリタケ製)であった。
その後、低圧水銀ランプ(ハリソン東芝ライティング製)による紫外線照射を5分間行った。低圧水銀ランプに関しては、主に254nmの波長を代表とする紫外線で、この時の紫外線積算光量は約10000mJ/cmであった(紫外線強度は35mW/cm)。
また得られた帯電ゴムローラについて、実施例1と同様にして、物性を測定し、耐久画像評価を行った。得られた結果を表1及び2に示す。
表2に示したように、本比較例の帯電ゴムローラでは、連続通紙5000枚(5Kと表すことがある)以降の耐久画像に、耐久汚れによる画像不良が中央部に確認された(B)。
[比較例6]
〈ゴムローラの作製〉
前記比較例1のトラバース方式の研磨条件を下記にした以外は比較例1と同様にしてゴムローラを得た(ゴムローラ外径φ8.5mm、クラウン量90μm、導電性弾性層の厚み1.25mm)。
砥石を1570rpmの速度で回転しながら200rpmの速度で回転しているゴムローラに接触させ、かつ、
接触させた砥石をゴムローラの一端側から移動速度150mm/minから中央部に向かって移動速度を10mm/minに下げて、中央部を越えて他端側に向かって移動速度を150mm/minに上げるように移動させることによって
研磨を行った。このとき用いた砥石はGC−80(ノリタケ製)であった。
その後、低圧水銀ランプ(ハリソン東芝ライティング製)による紫外線照射を5分間行った。低圧水銀ランプに関しては、主に254nmの波長を代表とする紫外線で、この時の紫外線積算光量は約10000mJ/cmであった(紫外線強度は35mW/cm)。
また得られた帯電ゴムローラについて、実施例1と同様にして、物性を測定し、耐久画像評価を行った。得られた結果を表1及び2に示す。
表2に示したように、本比較例の帯電ゴムローラでは、連続通紙5000枚(5Kと表すことがある)以降の耐久画像に、耐久汚れによる画像不良が両端部に確認された(B)。
Figure 0005058680
Figure 0005058680
押出法によるゴムローラの製造方法の一例を示す模式図である。 トラバース方式の研磨によるゴムローラの製造方法の一例の模式図である。 リングヘッド塗布法の一例を示す模式図である。 紫外線照射装置の一例を示す模式図である。 本発明の画像形成装置の一例の概略を示す構成図である。 本発明の導電性弾性体の帯電部位の分割方法を示す模式図である。 本発明の導電性弾性体の帯電部位の長手方向における表面粗さ分布を示す模式図である。 本発明の帯電ゴムローラ断面の一例を示す模式図である。 ゴムローラと感光体ドラムとの当接ニップ内の圧力分布と長手方向の表面粗さRzjis−ave.の関係を示す図である。 ゴムローラと感光体ドラムとの当接ニップ内の圧力分布と長手方向の表面粗さRzjis−ave.の関係を示す図である。
符号の説明
1 押出機
2 クロスヘッド
3 芯金送りローラ
4 芯金
5 切断・除去処理
6 ゴムローラ
7 回転が可能な取付部材
8 砥石
9 リングヘッド
10 全周に開口されたスリット状の吐出口
11 液絞り部
12 液供給口
13 液分配室
14 ローラ回転部材
15 紫外線照射口
16 反射板
17 電子写真感光体(感光体ドラム)
18 帯電ローラ(帯電手段)
19 露光系
20 現像ローラ(現像手段)
21 転写ローラ(転写手段)
22 クリーニング手段
E1、E2、E3 バイアス印加用電源
23 弾性層(ゴム層)
24 最表面層

Claims (3)

  1. 芯金上に導電性弾性層を有する帯電部材において、導電性弾性層の長手方向の表面粗さRzjisが2.0〜20.0μmであり、且つ下記(A)の関係にある事を特徴とする帯電部材。
    (A)(導電性弾性体の帯電部位の長さ)/(8mm)=N(Nは小数点以下切上げの整数部分、N≧3)より、導電性弾性体部をN分割し、片端から順に1〜Nとする。この時に、表面粗さRzjis−ave.(1)及びRzjis−ave.(N)が2.0〜7.0μmであり、且つRzjis−ave.(2〜N−1)のうち少なくとも1点以上が、表面粗さRzjis−ave.(1)及びRzjis−ave.(N)の1.2〜5.0倍である。
    (表面粗さRzjisは、JIS94−B0601の十点平均粗さ)
    (表面粗さRzjis−ave.は周方向6点測定の平均値)
  2. 電子写真感光体、該電子写真感光体の表面を帯電する手段、帯電された該電子写真感光体に露光して静電潜像を形成する手段、該静電潜像を現像してトナー像を形成する手段、および、該トナー像を転写材の表面に転写する転写手段を有する電子写真装置であって、
    該電子写真感光体を帯電する手段が、請求項に記載の帯電部材を有する事を特徴とする電子写真装置
  3. 像担持体と、請求項に記載の帯電部材と、を一体に支持し、電子写真装置の本体に着脱自在であることを特徴とするプロセスカートリッジ。
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