JP2004126104A - 画像形成装置 - Google Patents
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Abstract
【課題】像担持体1の帯電手段として接触帯電装置を用いた転写式の画像形成装置、更には、クリーナレスの画像形成装置において、長期にわたり接触帯電部材2の良好な清掃状態を確保すること、あるいは接触帯電部材2の表面を長期にわたり実質的に汚れのない状態に維持させることにより、接触帯電部材2の汚れに起因する帯電不良などの画像形成不良の発生を防止するとともに、クリーナレスの画像形成装置にあっては省スペース、低コストであり、かつクリーナレスシステムのメリットを生かした画像形成装置を提供すること。
【解決手段】接触帯電部材2と像担持体1との当接域a内における非画像形成域B・Bに対応する接触帯電部材部分2g・2gまたは像担持体部分の表面の処理を画像形成域Aに対応する接触帯電部材部分または像担持体部分の表面の処理と異なるようにする。
【選択図】図4
【解決手段】接触帯電部材2と像担持体1との当接域a内における非画像形成域B・Bに対応する接触帯電部材部分2g・2gまたは像担持体部分の表面の処理を画像形成域Aに対応する接触帯電部材部分または像担持体部分の表面の処理と異なるようにする。
【選択図】図4
Description
【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、電子写真感光体・静電記録誘電体等の像担持体の帯電手段として接触帯電装置を用いた転写式の画像形成装置に関する。
【0002】
更には、クリーナレスの画像形成装置、より詳しくは転写工程後の像担持体上に残余する現像剤(トナー)を現像装置において現像同時クリーニングで像担持体上から除去・回収し、再利用するようにしてクリーニング装置を廃したクリーナレス方式の画像形成装置に関する。
【0003】
【従来の技術】
従来、電子写真方式を用いた複写機・プリンタ・ファクシミリ等の転写方式画像形成装置は、回転ドラム型を一般的とする像担持体である感光体、その感光体を所定の極性・電位に一様に帯電処理する帯電装置(帯電工程)、帯電処理された感光体に静電潜像を形成する情報書き込み手段としての露光装置(露光工程)、感光体上に形成された静電潜像を現像剤であるトナーにより顕像化する現像装置(現像工程)、上記トナー画像を感光体面上から紙などの転写材に転写する転写装置(転写工程)、転写工程後の感光体上に多少ながら残余するトナーを除去して感光体面を清掃するクリーニング装置(クリーニングエ程)、転写材上のトナー画像を定着させる定着装置(定着工程)などから構成されており、感光体は繰り返して電子写真プロセス(帯電・露光・現像・転写・クリーニング)が適用されて作像に供される。
【0004】
転写工程後の感光体上に残余するトナーはクリーニング装置により感光体面上から除去されてクリーニング装置内に溜まって廃トナーとなるが、環境保全や資源の有効利用等の点からそのような廃トナーは出ないことが望ましい。
【0005】
そこで、クリーニング装置にて回収されている転写残トナー、所謂廃トナーを現像装置に戻して再利用する画像形成装置がある(例えば、特許文献1参照)。
【0006】
また、クリーニング装置を廃し、転写工程後の感光体面上の転写残トナーを現像装置において「現像同時クリーニング」で感光体上から除去・回収し再利用するようにしたクリーナレス方式の画像形成装置がある(例えば、特許文献2参照)。
【0007】
現像同時クリーニングは、転写後の感光体上の転写残トナーを次工程以降の現像工程時、即ち引き続き感光体を帯電し、露光して静電潜像を形成し、該静電潜像の現像工程過程時にかぶり取りバイアス(現像装置に印加する直流電圧と感光体の表面電位間の電位差であるかぶり取り電位差Vback)によって、トナーで現像されるべきでない感光体面部分上(非画像部)に存在する転写残トナーを現像装置に回収する方法である。この方式によれば、転写残トナーは現像装置に回収されて次工程以降の静電潜像の現像に再利用されるため、廃トナーをなくし、メンテナンス時に手を煩わせることも少なくすることができる。またクリーナレスであることで画像形成装置の小型化にも有利である。
【0008】
しかしながら、上述したような転写工程後の感光体上の転写残トナーを、現像装置で除去・回収し再利用するクリーナレス方式の画像形成装置においては、帯電極性がもともと正規極性とは逆極性に反転しているトナーや、帯電極性が正規極性のトナーであっても転写バイアスや剥離放電等に影響されて帯電極性が反転するトナーが存在した場合、それらのトナーは現像装置で感光体面上から回収・除去できない場合がある。
【0009】
また帯電装置が帯電ローラなどの接触帯電部材を感光体に当接させて感光体面を帯電処理する接触帯電装置であるときには、感光体面上を連れまわるトナーが感光体と接触帯電部材との接触ニップ部(当接域)である帯電部を通過する際に、接触帯電部材に付着してトナー汚染を引き起こし、帯電不良の原因となってしまう。
【0010】
つまり、感光体上の転写残トナーを現像装置の現像同時クリーニングにて除去・回収するためには、帯電部を通過して現像部に持ち運ばれる感光体上の転写残トナーの帯電極性が正規極性であり、かつその帯電量が現像装置によって感光体の静電潜像を現像できるトナーの帯電量であることか必要である。
【0011】
そこで、接触帯電装置より上流且つ転写手段より下流に位置していて、感光体上の転写残トナーを帯電するトナー帯電量制御手段と、トナー帯電量制御手段より上流且つ転写手段より下流に位置していて、トナー像を転写材に転写した後の感光体上に残留する転写残トナーを均一化する転写残トナー均一化手段を設け、トナー帯電量制御手段、転写残トナー均一化手段に一定の直流電圧を印加することによりこの問題を解決することができる(例えば、特許文献3、4参照)。
【0012】
つまり、転写後に感光体面上に残留する残留トナーを転写残トナー均一化手段で均一化し、その均一化された感光体面上の転写残トナーをトナー帯電量制御手段で正規極性に帯電処理した後、接触帯電装置で感光体面上を帯電すると同時に、トナー帯電量制御手段で帯電処理した転写残トナーを、現像装置において現像同時クリーニングにて除去・回収するのに適正な帯電量に帯電処理し、現像装置で回収する。
【0013】
しかしながら、感光体上の転写残トナー連れまわりがなくなった場合でも、転写残トナーが接触帯電部材を通過する時に微量ながら接触帯電部材に付着してしまう。特に写真画像などといった印字率の高い画像の連続印字動作を行った場合には、接触帯電部材に付着するトナーは印字枚数に従って徐々に増加していき、やがて帯電不良の原因となる。
【0014】
この汚れを除去する方法として接触帯電部材に清掃部材を当接させる方法が用いられてきた。清掃部材には作用効果から大別して2つの方式がある。1つの方式としては接触帯電部材に付着したトナーを回収するために、スポンジや微細繊維などの柔らかくて捕集性の高いパット部材を清掃部材として用いる方式である(例えば、特許文献5参照)。もう1つの方式としては接触帯電部材に付着したトナーと摺擦することでトナーを正規極性に帯電し直して感光体面上に吐出すために、ポリイミドなどからなる可撓性を持つ有機高分子化合物のフィルムを清掃部として用いる方法である(例えば、特許文献6参照)。
【特許文献1】
特開平10−319702号公報
【特許文献2】
特開平09−288373号公報
【特許文献3】
特開2001−215798号公報
【特許文献4】
特開2001−215799号公報
【特許文献5】
特開平05−019596号公報
【特許文献6】
特開平11−288151号公報
【0015】
【発明が解決しょうとする課題】
しかしながら、上記のような清掃部材を用いた場合においても、帯電ローラなどの接触帯電部材では感光体に対する当接圧が主走査方向で不均一であり、結果的に接触帯電部材表面の速度が主走査方向で不均一となるために接触帯電部材表面にシワが入ったり感光体表面との間に微小なギャップができてしまったりすると、他の部分と比べてその部分にトナーが付着しやすくなってしまう。特にクリーナレスの場合においては、接触帯電部材と感光体との当接域内における画像形成域(画像域内)に対応する接触帯電部材部分の表面には転写残トナーが付着するが、非画像形成域(画像域外)に対応する接触帯電部材部分の表面には転写残トナーが付着しないため、画像域内と画像域外で比較して接触帯電部材と感光体の接触ニップ部の摩擦力が異なり、上述した速度差がより生じ易く、接触帯電部材表面のトナー汚れが発生し易くなり、接触帯電部材の局部的なトナー汚れによる帯電不良が発生するといった問題が発生する。
【0016】
そこで本発明は、像担持体の帯電手段として接触帯電装置を用いた転写式の画像形成装置、更には、クリーナレスの画像形成装置において、長期にわたり接触帯電部材の良好な清掃状態を確保すること、あるいは接触帯電部材の表面を長期にわたり実質的に汚れのない状態に維持させることにより、接触帯電部材の汚れに起因する帯電不良などの画像形成不良の発生を防止するとともに、クリーナレスの画像形成装置にあっては省スペース、低コストであり、かつクリーナレスシステムのメリットを生かした画像形成装置を提供することを目的とする。
【0017】
【課題を解決するための手段】
本発明は下記の構成を特徴とする画像形成装置である。
【0018】
(1)像担持体と、像担持体表面に接触して像担持体表面を帯電する接触帯電部材を有する帯電手段と、帯電処理された像担持体に静電潜像を形成する情報書き込み手段と、静電潜像に現像剤を供給し静電潜像を可視化する現像手段と、可視化した現像剤像を転写材に転写する転写手段とを有する画像形成装置において、
接触帯電部材と像担持体との当接域内における非画像形成域に対応する接触帯電部材部分の表面の処理を画像形成域に対応する接触帯電部材部分の表面の処理と異なるようにすることを特徴とする画像形成装置。
【0019】
(2)像担持体と、像担持体表面に接触して像担持体表面を帯電する接触帯電部材を有する帯電手段と、帯電処理された像担持体に静電潜像を形成する情報書き込み手段と、静電潜像に現像剤を供給し静電潜像を可視化する現像手段と、可視化した現像剤像を転写材に転写する転写手段とを有し、かつ前記転写手段により転写されずに前記像担持体表面に残留した現像剤を前記現像装置で回収するクリーナレスシステムを用いた画像形成装置において、
接触帯電部材と像担持体との当接域内における非画像形成域に対応する接触帯電部材部分の表面の処理を画像形成域に対応する接触帯電部材部分の表面の処理と異なるようにすることを特徴とする画像形成装置。
【0020】
(3)前記接触帯電部材が帯電ローラであることを特徴とする(1)または(2)に記載の画像形成装置。
【0021】
(4)前記接触帯電部材と像担持体との当接域内における非画像形成域に対応する接触帯電部材部分の表面の十点平均粗さRzが、画像形成域に対応する接触帯電部材部分の表面の十点平均粗さRzよりも大きいことを特徴とする(1)から(3)のいずれか1つに記載の画像形成装置。
【0022】
(5)前記接触帯電部材と像担持体との当接域内における非画像形成域に対応する接触帯電部材部分の表面の十点平均粗さRzが、3μm以上12μm以下であることを特徴とする(1)から(4)のいずれか1つに記載の画像形成装置。
【0023】
(6)前記接触帯電部材と像担持体との当接域内における非画像形成域に対応する接触帯電部材部分の表面に当接して配設される研磨部材を有することを特徴とする(1)から(5)のいずれか1つに記載の画像形成装置。
【0024】
(7)前記接触帯電部材と像担持体との当接域内における非画像形成域に対応する接触帯電部材部分の表面に当接して配設される研磨部材が、前記接触帯電部材部分の表面に対して接離可能であることを特徴とする(6)に記載の画像形成装置。
【0025】
(8)前記接触帯電部材と像担持体との当接域内における非画像形成域に対応する接触帯電部材部分の表面に当接して配設され固形潤滑材を有することを特徴とする(1)から(5)のいずれか1つに記載の画像形成装置。
【0026】
(9)前記接触帯電部材と像担持体との当接域内における非画像形成域に対応する接触帯電部材部分の表面に当接して配設される固形潤滑材が、前記接触帯電部材部分の表面に対して接離可能であることを特徴とする(8)に記載の画像形成装置。
【0027】
(10)前記情報書き込み手段が露光手段であることを特徴とする(1)から(9)のいずれか1つに記載の画像形成装置。
【0028】
(11)像担持体と、像担持体表面に接触して像担持体表面を帯電する接触帯電部材を有する帯電手段と、帯電処理された像担持体に静電潜像を形成する情報書き込み手段と、静電潜像に現像剤を供給し静電潜像を可視化する現像手段と、可視化した現像剤像を転写材に転写する転写手段とを有する画像形成装置において、
接触帯電部材と像担持体との当接域内における非画像形成域に対応する像担持体部分の表面の処理を画像形成域に対応する像担持部材部分の表面の処理と異なるようにすることを特徴とする画像形成装置。
【0029】
(12)像担持体と、像担持体表面に接触して像担持体表面を帯電する接触帯電部材を有する帯電手段と、帯電処理された像担持体に静電潜像を形成する情報書き込み手段と、静電潜像に現像剤を供給し静電潜像を可視化する現像手段と、可視化した現像剤像を転写材に転写する転写手段とを有し、かつ前記転写手段により転写されずに前記像担持体表面に残留した現像剤を前記現像装置で回収するクリーナレスシステムを用いた画像形成装置において
接触帯電部材と像担持体との当接域内における非画像形成域に対応する像担持体部分の表面の処理を画像形成域に対応する像担持体部分の表面の処理と異なるようにすることを特徴とする画像形成装置。
【0030】
(13)前記接触帯電部材が帯電ローラであることを特徴とする(11)または(12)に記載の画像形成装置。
【0031】
(14)前記接触帯電部材と像担持体との当接域内における非画像形成域に対応する像担持体部分の表面の十点平均粗さRzが、画像形成域に対応する像担持体部分の表面の十点平均粗さRzよりも大きいことを特徴とする(11)から(13)のいずれか1つに記載の画像形成装置。
【0032】
(15)前記接触帯電部材と像担持体との当接域内における非画像形成域に対応する像担持体部分の表面の十点平均粗さRzが、3μm以上12μm以下であることを特徴とする(11)から(14)のいずれか1つに記載の画像形成装置。
【0033】
(16)前記接触帯電部材と像担持体との当接域内における非画像形成域に対応する像担持体部分の表面に当接して配設される研磨部材を有することを特徴とする(11)から(15)のいずれか1つに記載の画像形成装置。
【0034】
(17)前記接触帯電部材と像担持体との当接域内における非画像形成域に対応する像担持体部分の表面に当接して配設される研磨部材が、前記像担持体部分の表面に対して接離可能であることを特徴とする(16)に記載の画像形成装置。
【0035】
(18)前記接触帯電部材と像担持体との当接域内における非画像形成域に対応する像担持体部分の表面に当接して配設され固形潤滑材を有することを特徴とする(11)から(15)のいずれか1つに記載の画像形成装置。
【0036】
(19)前記接触帯電部材と像担持体との当接域内における非画像形成域に対応する像担持体部分の表面に当接して配設される固形潤滑材が、前記像担持体部分の表面に対して接離可能であることを特徴とする(18)に記載の画像形成装置。
【0037】
(20)前記情報書き込み手段が露光手段であることを特徴とする(11)から(19)のいずれか1つに記載の画像形成装置。
【0038】
【発明の実施の形態】
(実施例1)
以下、実施例1の画像形成装置(画像記録装置)について説明する。
【0039】
図1は本発明の実施例に従う画像形成装置例の概略構成模型図である。本例の画像形成装置は、接触帯電方式、反転現像方式、クリーナレスを用いた電子写真方式のレーザビームプリンタである。
【0040】
(a)像担持体
1は像担持体としての回転ドラム型の電子写真感光体(以下、感光ドラムと記す)である。この感光ドラム1は負帯電性の有機光導電体(OPC)で、外径60mmであり、中心支軸を中心に100mm/seeのプロセススピード(周速度)をもって矢示の反時計方向に回転駆動される。
【0041】
この感光ドラム1は、図2の層構成模型図のように、アルミニウム製シリンダ(導電性ドラム基体)1aの表面に、光の干渉を抑え、上層の接着性を向上させる下引き層1bと、光電荷発生層1cと、電荷輸送層1dの3層を下から順に塗り重ねた構成をしている
(b)帯電手段
帯電手段は像担持体としての感光ドラム1の表面に接触して感光ドラム1の周面を一様に帯電処理する接触帯電部材2を有する接触帯電装置であり、本例において接触帯電部材2は帯電ローラ(ローラ帯電器)である。
【0042】
この帯電ローラ2は、芯金2aの両端部をそれぞれ不図示の軸受け部材により回転自在に保持されると共に、押し圧ばね2eによって感光ドラム方向に付勢して感光ドラム1の表面に対して所定の押圧力をもって圧接させており、感光ドラム1の回転に従動して回転する。感光ドラム1と帯電ローラ2との圧接部が帯電部(帯電ニップ部)aである。
【0043】
この帯電ローラ2の芯金2aには電源S1より所定の条件の帯電バイアス電圧が印加されることにより回転感光ドラム1の周面が所定の極性・電位に接触帯電処理される。本例において、帯電ローラ2に対する帯電バイアス電圧は直流電圧(Vdc)と交流電圧(Vac)とを重畳した振動電圧である。より具体的には、直流電圧;−500V、交流電圧;周波数f1kHz、ピーク間電圧Vpp1.5kV、正弦波、とを重畳した振動電圧であり、感光ドラム1の周面は−500V(暗電位Vd)に一様に接触帯電処理される。
【0044】
帯電ローラ2の長手長さは320mmであり、図2の層構成模型図のように芯金(支持部材)2aの外回りに、下層2bと、中間層2cと、表層2dを下から順次に積層した3層構成である。下層2bは帯電音を低減するための発泡スポンジ層であり、表層2dは感光ドラム1上にピンホール等の欠陥があってもリークが発生するのを防止するために設けている保護層である。
【0045】
より具体的には、本例の帯電ローラ2の仕様は下記のとおりである。
【0046】
a.芯金2a;直径6mmのステンレス丸棒
b.下層2b;カーボン分散の発泡EPDM、比重0.5g/cm3、体積抵抗値102〜109Ωcm、層厚3.0mm、長さ320mm
c.中間層2c;カーボン分散のNBR系ゴム、体積抵抗値102〜105Ωcm、層厚700μm
d.表層2d;フッ素化合物のトレジン樹脂に酸化錫、カーボンを分散体積抵抗値107〜1010Ωcm、表面粗さ(JIS規格10点平均表面粗さRa)1.5μm、層厚10μm
(c)情報書き込み手段
3は帯電処理された感光ドラム1の面に静電潜像を形成する情報書き込み手段としての露光装置であり、本例は半導体レーザを用いたレーザビームスキャナである。不図示の画像読み取り装置等のホスト処理からプリンタ側に送られた画像信号に対応して変調されたレーザ光を出力して回転感光ドラム1の一様帯電処理面を露光位置bにおいてレーザ走査露光L(イメージ露光)する。このレーザ走査露光Lにより感光ドラム1面のレーザ光で照射されたところの電位が低下することで回転感光ドラム1面には走査露光した画像情報に対応した静電潜像が順次に形成されていく。
【0047】
(d)現像手段
4は感光ドラム1上の静電潜像に現像剤(トナー)を供給し静電潜像を可視化する現像手段としての現像装置(現像器)であり、本例は二成分磁気ブラシ現像方式の反転現像装置である。
【0048】
4aは現像容器、4bは非磁性の現像スリーブであり、この現像スリーブ4bはその外周面の一部を外部に露呈させて現像容器4a内に回転可能に配置してある。4cは非回転に固定して現像スリーブ4b内に挿設したマグネットローラ、4dは現像剤コーティングブレード、4eは現像容器4aに収容した二成分現像剤、4fは現像容器4a内の底部側に配設した現像剤撹拌部材、4gはトナーホッパーであり、補給用トナーを収容させてある。
【0049】
現像容器4a内の二成分現像剤4eはトナーと磁性キャリアの混合物であり、現像剤撹拌部材4fにより撹拌される。本例において磁性キャリアの抵抗は約1013Ωcm、粒径は10μmである。トナーは磁性キャリアとの摺擦により負極性に摩擦帯電される。
【0050】
現像スリーブ4bは、感光ドラム1との最近接距離(S−Dgapと称する)を350μmに保持して感光ドラム1に近接対向配設してある。この感光ドラム1と現像スリーブ4aとの対向部が現像部cである。現像スリーブ4bは現像部cにおいて感光ドラム1の進行方向とは逆方向に回転駆動される。これは感光ドラム1上の転写残トナーの回収に有利である。この現像スリーブ4bの外周面に該スリーブ内のマグネットローラ4cの磁力により現像容器4a内の二成分現像剤4eの一部が磁気ブラシ層として吸着保持され、該スリーブの回転に伴い回転搬送され、現像剤コーティングブレード4dにより所定の薄層に整層され、現像部cにおいて感光ドラム1の面に対して接触して感光ドラム面を適度に摺擦する。現像スリーブ4bには電源S2から所定の現像バイアスが印加される。本例において、現像スリーブ4bに対する現像バイアス電圧は直流電圧(Vdc)と交流電圧(Vac)とむ重畳した振動電圧である。より具体的には、直流電圧;−350V,交流電圧;周波数f8.0kHz、ピーク間電圧1.8kV、矩形波、とを重畳した振動電圧である。
【0051】
而して、回転する現像スリーブ4bの面に薄層としてコーティングされ、現像部cに搬送された現像剤中のトナー分が現像バイアスによる電界によって感光ドラム1面に静電潜像に対応して選択的に付着することで静電潜像がトナー画像として現像される。本例の場合は感光ドラム1面の露光明部にトナーが付着して静電潜像が反転現像される。
【0052】
現像部cを通過した現像スリーブ4b上の現像剤薄層は引き続く現像スリーブの回転に伴い現像容器4a内の現像剤溜り部に戻される。
【0053】
現像容器4a内の二成分現像剤4eのトナー濃度を所定の略一定範囲内に維持させるために、現像容器4a内の二成分現像剤4eのトナー濃度が不図示の例えば光学式トナー濃度センサーによって検知され、その検知情報に応じてトナーホッパー4gが駆動制御されて、トナーホッパー内のトナーが現像容器4a内の二成分現像剤4eに補給される。二成分現像剤4eに補給されたトナーは撹拌部材4fにより撹拌される。
【0054】
(e)転写手段・定着手段
5aは転写装置であり、本例は転写ローラである。この転写ローラ5aは感光ドラム1に所定の押圧力をもって圧接させてあり、その圧接ニップ部が転写部dである。この転写部dに不図示の給紙機構部から所定の制御タイミングにて転写材(被転写部材、記録材)Pが給送される。
【0055】
転写部dに給送された転写材Pは回転する感光ドラム1と転写ローラ5aの間に挟持されて搬送され、その間、転写ローラ5aに電源S3からトナーの正規帯電極性である負極性とは逆極性である正極性の転写バイアス本例では+2kVが印加されることで、転写部dを挟持搬送されていく転写材Pの面に感光ドラム1面側のトナー画像が順次に静電転写されていく。
【0056】
転写部dを通ってトナー画像の転写を受けた転写材Pは回転感光ドラム1面から順次に分離されて定着装置6(例えば熱ローラ定着装置)へ搬送されてトナー画像の定着処理を受けて画像形成物(プリント、コピー)として出力される。
【0057】
(f)クリーナレス補助手段
7は転写残トナーの帯電極性を正規極性である負極性に揃えるためトナー(現像剤)帯電量制御手段であり、8は感光ドラム1上の転写残トナーを均一化するための、転写残トナー(残留現像剤像)均一化手段である。一般的に、転写部dで転写材Pに転写されずに感光ドラム1上に残留した転写残トナーは、反転トナーや帯電量が適切でないトナーが混在しており転写残トナー(残留現像剤像)均一化手段8により一度転写残トナーを除電してやり、トナー帯電量制御手段7で再度転写残トナーに正規極性帯電化処理をしてやることで、転写残トナーの帯電ローラ2への付着防止が効果的になされると共に、現像装置4での除去・回収を効果的に行うことができる。
【0058】
トナー帯電量制御手段7と転写残トナー均一化手段8は適度の導電性を持ったブラシ状部材であり、ブラシ部を感光ドラムI面に接触させて配設してある。eはトナー帯電量制御手段7と感光ドラム1面の接触部である。fは転写残トナー均一化手段8と感光体ドラム1面の接触部である。
【0059】
トナー帯電量制御手段7には負極性の直流電圧が電源S4より印加されており、転写残トナー均一化手段8には正極性の直流電圧が電源S5より印加されている。具体的には、トナー帯電量制御手段7には−800V、転写残トナー均一化手段8には+400Vの直流電圧をそれぞれ印加している。
【0060】
(g)帯電ローラ表面のトナー汚染に起因する弊害防止対策
次に前述した帯電ローラ表面のトナー汚染の発生メカニズムについて、図3を用いて説明する。
【0061】
図3(a)に示すように、一般的に帯電ローラ2は感光ドラム1に対して芯金部2aの両端部に荷重バネ2eを取り付けた軸受け部材2fにより押し当てられている。帯電ローラ2は特に芯金部2aが十分な剛性を持っているものの、芯金部両端が加圧されることにより中央部が感光ドラム1に対して浮き気味になり、結果として感光ドラム1に対する帯電ローラ2の加圧力は帯電ローラ長手中央部が最も小さくなり両端部に行くにしたがって徐々に大きくなる傾向にある。
【0062】
このため感光ドラム1に当接している帯電ローラ2の両端部域では帯電ローラ2のつぶれ量が大きくなるため回転半径は小さくなり、かつ帯電ローラ2と感光ドラム1の接触ニップ部aでの摩擦力も大きくなる。一方中央部では感光ドラム1に当接している帯電ローラ2のつぶれ量は両端部域に比較して小さいため回転半径は大きくなり、かつ帯電ローラ2と感光ドラム1の接触ニップ部aでの摩擦力も小さくなる。よって図3(b)に示すように、帯電ローラ2の両端部域では帯電ローラ2表面の表面速度が中央部に比較して小さくなる傾向にある。
【0063】
上で説明したように、帯電ローラ2の表面速度が両端部と中央部で異なる場合には、図3(c)に示すように中央部と両端部の中間部分(1/4部,3/4部)あたりの帯電ローラ2表面にねじれが生じる。このようなねじれが生じると、帯電ローラ2表面にシワが発生し、更にはねじれ部分の帯電ローラ2の回転半径が小さくなるため、前述したトナーによる汚れがこのねじれ部分を中心に悪化する傾向にある。
【0064】
更には本実施例のようなクリーナレスシステムを用いた画像形成装置においては、帯電ローラ2の中央部などの画像域内(画像形成域、最大画像幅)Aでは転写残トナーが定常的にやってくるため、それらの転写残トナーや外添剤が帯電ローラ2と感光ドラム1の接触ニップ部aである種の潤滑剤として作用する。一方最大画像域外(非画像形成域)Bの帯電ローラ2の両端部ではそのような転写残トナーが供給されない。よって上記の帯電ローラ2と感光ドラム1間に働く摩擦力の中央部と両端部での差、しいては帯電ローラ2の表面速度の差を更に増大させてしまい、帯電ローラ2のねじれ現象を大きくしてしまう。
【0065】
そこで、本実施例では図4に示すような帯電ローラ2を使用した。すなわち、本実施例では最大画像域外Bに対応する帯電ローラ両端部2g・2gの表面粗さを、画像域内Aの帯電ローラ2の表面粗さよりも大きくすることで、帯電ローラ両端部2g・2gの感光ドラム1に対する真実接触面積を下げて帯電ローラ両端部2g・2gの感光ドラム1との摩擦力を低減し、帯電ローラ中央部との表面速度の差をなくした。
【0066】
具体的には、長手方向の長さが320mmの帯電ローラ2のうち、本実施形記載の画像形成装置で使用する記録材のうちで最大画像幅が約300mmであるため、最大画像域外B・Bに対応する両端部2g・2gそれぞれ約10mmの帯電ローラ表面粗さRz(十点平均粗さ)を、通常の帯電ローラ2(画像域内)が約3μm以下であるのに対して、5〜10μmにした。
【0067】
以上本実施例1で示したように、転写工程後の像担持体上の転写残現像剤を現像同時クリーニングで除去・回収し、再利用するクリーナレス方式で、接触帯電装置を有する画像形成装置において、帯電ローラ2の最大画像域外B・Bに対応する両端部2g・2gの表面粗さを帯電ローラ2の画像域内Aの表面粗さよりも大きくすることで、主走査方向での表面速度の差から生じる帯電ローラ2のねじれ現象を防止することができ、帯電ローラ2の部分的なトナー汚れに起因する帯電不良などの画像形成不良の発生を防止するとともに省スペース、低コストであり、かつクリーナレスシステムのメリットを生かした画像形成装置を提供することが可能となる。
【0068】
(実施例2)
以下、実施例2の画像形成装置(画像記録装置)について説明する。本実施例の画像形成装置(プリンタ)の基本構成は実施例1と同様である。
【0069】
本実施例では、図5に示すように最大画像域外B・Bに対応する帯電ローラ端部2g・2gの表面に研磨部材10を当接させたものである。
【0070】
研磨部材10としては、酸化アルミニウム、シリコンカーバイトなどのセラミック微粒子を砥粒として基材シートにコーティングしたものをスポンジなどの弾性体に貼り付けたものを用いた。研磨部材10は帯電ローラ2の鉛直方向上方に配設され、自重で帯電ローラ2表面に常時当接させて配設してもよいし、ソレノイド11などにより必要に応じて帯電ローラ2に当接させることも可能であり、この場合は研磨部材10の研磨能力を長明に保持する上で有利である。
【0071】
以上本実施例2で示したように、転写工程後の像担持体上の転写残現像剤を現像同時クリーニングで除去・回収し、再利用するクリーナレス方式で、接触帯電装置を有する画像形式装置において、帯電ローラ2の最大画像域外B・Bに対応する端部2g・2gに研磨部材10・10を当接させることで、表面粗さを帯電ローラ2の画像域内Aの表面粗さよりも大きくすることにより、実施例1の効果を長期間安定して提供することが可能となる。
【0072】
(実施例3)
以下、実施例3の画像形成装置(画像記録装置)について説明する。本実施例の画像形戎装置(プリンタ)の基本構成は実施例1と同様である。
【0073】
本実施例では、図6に示すように最大画像域外B・Bに対応する帯電ローラ端部2g・2gの表面に固形潤骨材12を当接させたものである。固形潤滑材12を帯電ローラ2表面の最大画像域外両端部2g・2gに塗布することにより、帯電ローラ2と感光ドラム1の該当接部分の摩擦力を低減することが可能となり、結果として実施例1および実施例2と同様の効果を及ぼすことが可能となる。
【0074】
固形潤滑材12としては、固形状のステアリン酸亜鉛(ZnST)を用いた。固形潤滑材12は帯電ローラ2の鉛直方向上方に配設され、自重で帯電ローラ2表面に常時当接させて配設してもよいし、ソレノイド11などにより必要に応じて帯電ローラ2に当接させることも可能であり、この場合は固形潤滑材12の潤滑効果を長期に保持する上で有利である。
【0075】
以上本実施例3で示したように、転写工程後の像担持体上の転写残現像剤を現像同時ク卜−ニングで除去・回収し、再利用するクリーナレス方式で、接触帯電装置を有する画像形友装置において、帯電ローラ2の最大画像域外両端部2g・2gに固形潤滑材12を当接させることで、帯電ローラ2の画像域外両端部2g・2gと感光ドラム1間に働く摩擦力を低減することにより、実施例1および実施例2と同様に主走査方向での表面速度の差から生じる帯電ローラ2のねじれ現象を防止することができ、帯電ローラ2の部分的なトナー汚れに起因する帯電不良などの画像形成不良の発生を防止するとともに省スペース、低コストであり、かつクリーナレスシステムのメリットを生かした画像形成装置を提供することが可能となる。
【0076】
(実施例4)
以下に実施例4の画像形成装置(画像記録装置)について説明する。本実施例の画像形成装置(プリンタ)の基本構成は実施例1と同様である。
【0077】
本実施例では図7に示すような感光ドラム1を使用した。すなわち本実施例では、最大画像域外B・Bに対応する感光ドラム両端部1g・1gの表面粗さを、画像域内Aに対応する感光ドラム部分の表面粗さよりも大きくすることで、帯電ローラ両端部2g・2gの感光ドラム1に対する真実接触面積を下げて帯電ローラ両端部2g・2gの感光トラム1との摩擦力を低減し、帯電ローラ中央部との表面速度の差をなくす。
【0078】
具体的には、長手方向の長さが330mmの感光ドラム1のうち、本実施形記載の画像形成装置で使用する記録材のうちで最大画像幅が約300mmであるため、最大画像域外の両端それぞれ約15mmの感光ドラム1表面粗さRz(十点平均粗さ)を、通常の感光ドラム1(画像域内)が約1μm以下であるのに対して、5〜10μmにした。
【0079】
以上本実施例1で示したように、転写工程後の像担持体上の転写残現像剤を現像同時クリーニングで除去・回収し、再利用するクリーナレス方式で、接触帯電装置を有する画像形成装置において、感光ドラム1の最大画像域外の表面粗さを感光ドラム1の画像域内の表面粗さよりも大きくすることで、実施例1と同様に主走査方向での表面速度の差から生じる帯電ローラ2のねじれ現象を防止することができ、帯電ローラ2の部分的なトナー汚れに起因する帯電不良などの画像形成不良の発生を防止するとともに省スペース、低コストであり、かつクリーナレスシステムのメリットを生かした画像形成装置を提供することが可能となる。
【0080】
(実施例5)
以下、実施例5の画像形成装置(画像記録装置)について説明する。本実施例の画像形戊装置(プリンタ)の基本構成は実施例1と同様である。
【0081】
本実施例では、図8に示すように、最大画像域外の感光ドラム端部1g・1gの表面に研磨部材10を当接させたものである。研磨部材10としては、酸化アルミニウム、シリコンカーバイトなどのセラミック微粒子を砥粒として基材シートにコーティングしたものをスポンジなどの弾性体に貼り付けたものを用いた。研磨部材10は感光ドラム1の回転方向でトナー(現像剤)帯電量制御手段7より下流及び帯電ローラ2の上流に配設され、総圧約100gで感光ドラム1の表面に常時当接させて配設してもよいし、ソレノイド11などにより必要に応じて感光ドラム1に当接させることも可能であり、この場合は研磨部材10の研磨能力を長期に保持する上ご有利である。
【0082】
以上本実施例5で示したように転写工程後の像担持体上の転写残現像剤を現像同時クトーニンゲで除去・回収し、再利用するクリーナレス方式で、接触帯電装置を有する画像形成装置において、感光ドラム1の最大画像域外1g・1gに研磨部材10を当接させることで、表面粗さを感光トラム1の画像域内の表面粗さよりも大きくすることにより、実施例4の効果を長期間安定して提供することが可能となる。
【0083】
(実施例6)
以下、実施例6の画像形成装置(画像記録装置)について説明する。本実施例の画像形成装置(プリンタ)の基本構成は実施例1と同様である。
【0084】
本実施例では、図9に示すように最大画像域外の感光ドラム端部1g・1gの表面に固形潤滑材12を当接させたものである。固形潤滑材12を感光ドラム表面の最大画像域外両端部1g・1gに塗布することにより、帯電ローラ2と感光ドラム1の該当接部分の摩擦力を低減することが可能となり、結果として実施例4および実施例5と同様の効果を及ぼすことが可能となる。
【0085】
固形潤滑材12としては、固形状のステアリン酸亜鉛(ZnST)を用いた。固形潤滑材12は感光ドラム1の回転方向でトナー(現像剤)帯電量制御手段7より下流及び帯電ローラ2上流に配設され、総圧約100gで感光ドラム1表面に常時当接させて配設してもよいし、ソレノイド11などにより必要に応じて感光ドラム1に当接させることも可能であり、この場合は固形潤滑材12の潤滑効果を長期に保持する上で有利である。
【0086】
以上本実施例6で示したように、転写工程後の像担詩体上の転写残現像剤を現像同時クリーニングで除去・回収し、再利用するクリーナレス方式で、接触帯電装置を有する画像形成装置において、感光ドラム1の最大画像域外1g・1gに固形潤滑材12を当接させることで、帯電ローラ2の画像域外両端部2g・2gと感光ドラム1間に働く摩擦力を低減することにより、実施例4及び実施例5と同様に主走査方向での表面速度の差から生じる帯電ローラ2のねじれ現象を防止することができ、帯電ローラ2の部分的なトナー汚れに起因する帯電不良などの画像形成不良の発生を防止するとともに省スペース、低コストであり、かつクリーナレスシステムのメリットを生かした画像形成装置を提供することが可能となる。
【0087】
(その他)
1)像担持体面から転写残りトナーを除去するクリーニング装置を具備させている画像形成装置でも、クリーニングブレード等のクリーニング部材をすり抜けるトナーがあり、接触帯電部材は耐久によりそのようなトナー等で汚れていくので、本発明は実施例のクリーナレス方式の画像形成装置に限られず、クリーニング装置を具備させている画像形成装置にも適用して効果がある。
【0088】
2)情報書き込み手段としての露光手段3は、実施例のレーザビームスキャナに限られず、LEDアレイ、蛍光灯等の光源と液晶シャッターとの組み合わせ等の他のデジタル露光装置であってもよいし、原稿画像を結像投影するアナログ露光装置であってもよい。
【0089】
3)像担持体1は、静電記録誘電体であってもよい。この場合は該誘電体面を所定の極性・電位に一様に帯電した後、除電針アレイ・電子銃等の除電手段(情報書き込み手段)で選択的に除電して画像情報の静電潜像を書き込み形成する。
【0090】
4)受像部材として転写材Pは、中間転写ドラムや中間転写ベルト等の中間転写体であってもよい。この場合、中間転写体からシートのような転写材へ再度像転写が行なわれる。
【0091】
5)接触帯電部材2や現像装置4に印加するバイアスの交流電圧の波形としては、正弦波、矩形波、三角波等的義使用可能である。交流バイアスは、例えば直流電源を周期的にON,OFFすることによって形成された矩形波の電圧を含む。
【0092】
6)像担持体はドラム型に限られず、回動ベルト(エンドレスベルト)、回動ベルト状の支持体に取り付け保持させた有端のシート状のもの等であってもよい。
【0093】
【発明の効果】
以上説明したように本発明によれば、像担持体の帯電手段として接触帯電装置を用いた転写式の画像形成装置、更には、クリーナレスの画像形成装置において、接触帯電部材と像担持体との当接域内における非画像形成域に対応する接触帯電部材部分の表面の処理を画像形成域に対応する接触帯電部材部分の表面の処理と異なるようにするか、あるいは接触帯電部材と像担持体との当接域内における非画像形成域に対応する像担持体部分の表面の処理を画像形成域に対応する像担持部材部分の表面の処理と異なるようにすることで、接触帯電部材の汚れに起因する帯電不良などの画像形成不良の氾生を防止するとともに、クリーナレスの画像形成装置にあっては省スペース、低コストであり、かつクリーナレスシステムのメリットを生かした画像形成装薦を提供することが可能となる。
【図面の簡単な説明】
【図1】実施例1〜実施例6に記載の画像形成装置の概略構成模型図
【図2】感光ドラムと帯電ローラの層構成模型図
【図3】帯電ローラ表面に生じるねじれが発生する原因を説明した模式図
【図4】実施例1に記載の帯電ローラの模型図
【図5】実施例2に記載の帯電ローラ研磨部材の模式図
【図6】実施例3に記載の帯電ローラ潤滑部材の模式図
【図7】実施例4に記載の感光ドラムの模式図
【図8】実施例5に記載の感光ドラム研磨部材の複式図
【図9】実施例6に記載の感光ドラム潤滑部材の複式図
【符号の説明】
1・・・感光ドラム(像担持体)
2・・・帯電ローラ
3・・・レーザビームスキャナ
4・・・現像装置
5・・・転写装置
6・・・定着装置
7・・・トナー帯電量制御手段(現像剤帯電量制御手段)
8・・・転写残トナー均一化手段(残留現像剤均一化手段)
S1〜S5・・・バイアス電圧印加電源
【発明の属する技術分野】
本発明は、電子写真感光体・静電記録誘電体等の像担持体の帯電手段として接触帯電装置を用いた転写式の画像形成装置に関する。
【0002】
更には、クリーナレスの画像形成装置、より詳しくは転写工程後の像担持体上に残余する現像剤(トナー)を現像装置において現像同時クリーニングで像担持体上から除去・回収し、再利用するようにしてクリーニング装置を廃したクリーナレス方式の画像形成装置に関する。
【0003】
【従来の技術】
従来、電子写真方式を用いた複写機・プリンタ・ファクシミリ等の転写方式画像形成装置は、回転ドラム型を一般的とする像担持体である感光体、その感光体を所定の極性・電位に一様に帯電処理する帯電装置(帯電工程)、帯電処理された感光体に静電潜像を形成する情報書き込み手段としての露光装置(露光工程)、感光体上に形成された静電潜像を現像剤であるトナーにより顕像化する現像装置(現像工程)、上記トナー画像を感光体面上から紙などの転写材に転写する転写装置(転写工程)、転写工程後の感光体上に多少ながら残余するトナーを除去して感光体面を清掃するクリーニング装置(クリーニングエ程)、転写材上のトナー画像を定着させる定着装置(定着工程)などから構成されており、感光体は繰り返して電子写真プロセス(帯電・露光・現像・転写・クリーニング)が適用されて作像に供される。
【0004】
転写工程後の感光体上に残余するトナーはクリーニング装置により感光体面上から除去されてクリーニング装置内に溜まって廃トナーとなるが、環境保全や資源の有効利用等の点からそのような廃トナーは出ないことが望ましい。
【0005】
そこで、クリーニング装置にて回収されている転写残トナー、所謂廃トナーを現像装置に戻して再利用する画像形成装置がある(例えば、特許文献1参照)。
【0006】
また、クリーニング装置を廃し、転写工程後の感光体面上の転写残トナーを現像装置において「現像同時クリーニング」で感光体上から除去・回収し再利用するようにしたクリーナレス方式の画像形成装置がある(例えば、特許文献2参照)。
【0007】
現像同時クリーニングは、転写後の感光体上の転写残トナーを次工程以降の現像工程時、即ち引き続き感光体を帯電し、露光して静電潜像を形成し、該静電潜像の現像工程過程時にかぶり取りバイアス(現像装置に印加する直流電圧と感光体の表面電位間の電位差であるかぶり取り電位差Vback)によって、トナーで現像されるべきでない感光体面部分上(非画像部)に存在する転写残トナーを現像装置に回収する方法である。この方式によれば、転写残トナーは現像装置に回収されて次工程以降の静電潜像の現像に再利用されるため、廃トナーをなくし、メンテナンス時に手を煩わせることも少なくすることができる。またクリーナレスであることで画像形成装置の小型化にも有利である。
【0008】
しかしながら、上述したような転写工程後の感光体上の転写残トナーを、現像装置で除去・回収し再利用するクリーナレス方式の画像形成装置においては、帯電極性がもともと正規極性とは逆極性に反転しているトナーや、帯電極性が正規極性のトナーであっても転写バイアスや剥離放電等に影響されて帯電極性が反転するトナーが存在した場合、それらのトナーは現像装置で感光体面上から回収・除去できない場合がある。
【0009】
また帯電装置が帯電ローラなどの接触帯電部材を感光体に当接させて感光体面を帯電処理する接触帯電装置であるときには、感光体面上を連れまわるトナーが感光体と接触帯電部材との接触ニップ部(当接域)である帯電部を通過する際に、接触帯電部材に付着してトナー汚染を引き起こし、帯電不良の原因となってしまう。
【0010】
つまり、感光体上の転写残トナーを現像装置の現像同時クリーニングにて除去・回収するためには、帯電部を通過して現像部に持ち運ばれる感光体上の転写残トナーの帯電極性が正規極性であり、かつその帯電量が現像装置によって感光体の静電潜像を現像できるトナーの帯電量であることか必要である。
【0011】
そこで、接触帯電装置より上流且つ転写手段より下流に位置していて、感光体上の転写残トナーを帯電するトナー帯電量制御手段と、トナー帯電量制御手段より上流且つ転写手段より下流に位置していて、トナー像を転写材に転写した後の感光体上に残留する転写残トナーを均一化する転写残トナー均一化手段を設け、トナー帯電量制御手段、転写残トナー均一化手段に一定の直流電圧を印加することによりこの問題を解決することができる(例えば、特許文献3、4参照)。
【0012】
つまり、転写後に感光体面上に残留する残留トナーを転写残トナー均一化手段で均一化し、その均一化された感光体面上の転写残トナーをトナー帯電量制御手段で正規極性に帯電処理した後、接触帯電装置で感光体面上を帯電すると同時に、トナー帯電量制御手段で帯電処理した転写残トナーを、現像装置において現像同時クリーニングにて除去・回収するのに適正な帯電量に帯電処理し、現像装置で回収する。
【0013】
しかしながら、感光体上の転写残トナー連れまわりがなくなった場合でも、転写残トナーが接触帯電部材を通過する時に微量ながら接触帯電部材に付着してしまう。特に写真画像などといった印字率の高い画像の連続印字動作を行った場合には、接触帯電部材に付着するトナーは印字枚数に従って徐々に増加していき、やがて帯電不良の原因となる。
【0014】
この汚れを除去する方法として接触帯電部材に清掃部材を当接させる方法が用いられてきた。清掃部材には作用効果から大別して2つの方式がある。1つの方式としては接触帯電部材に付着したトナーを回収するために、スポンジや微細繊維などの柔らかくて捕集性の高いパット部材を清掃部材として用いる方式である(例えば、特許文献5参照)。もう1つの方式としては接触帯電部材に付着したトナーと摺擦することでトナーを正規極性に帯電し直して感光体面上に吐出すために、ポリイミドなどからなる可撓性を持つ有機高分子化合物のフィルムを清掃部として用いる方法である(例えば、特許文献6参照)。
【特許文献1】
特開平10−319702号公報
【特許文献2】
特開平09−288373号公報
【特許文献3】
特開2001−215798号公報
【特許文献4】
特開2001−215799号公報
【特許文献5】
特開平05−019596号公報
【特許文献6】
特開平11−288151号公報
【0015】
【発明が解決しょうとする課題】
しかしながら、上記のような清掃部材を用いた場合においても、帯電ローラなどの接触帯電部材では感光体に対する当接圧が主走査方向で不均一であり、結果的に接触帯電部材表面の速度が主走査方向で不均一となるために接触帯電部材表面にシワが入ったり感光体表面との間に微小なギャップができてしまったりすると、他の部分と比べてその部分にトナーが付着しやすくなってしまう。特にクリーナレスの場合においては、接触帯電部材と感光体との当接域内における画像形成域(画像域内)に対応する接触帯電部材部分の表面には転写残トナーが付着するが、非画像形成域(画像域外)に対応する接触帯電部材部分の表面には転写残トナーが付着しないため、画像域内と画像域外で比較して接触帯電部材と感光体の接触ニップ部の摩擦力が異なり、上述した速度差がより生じ易く、接触帯電部材表面のトナー汚れが発生し易くなり、接触帯電部材の局部的なトナー汚れによる帯電不良が発生するといった問題が発生する。
【0016】
そこで本発明は、像担持体の帯電手段として接触帯電装置を用いた転写式の画像形成装置、更には、クリーナレスの画像形成装置において、長期にわたり接触帯電部材の良好な清掃状態を確保すること、あるいは接触帯電部材の表面を長期にわたり実質的に汚れのない状態に維持させることにより、接触帯電部材の汚れに起因する帯電不良などの画像形成不良の発生を防止するとともに、クリーナレスの画像形成装置にあっては省スペース、低コストであり、かつクリーナレスシステムのメリットを生かした画像形成装置を提供することを目的とする。
【0017】
【課題を解決するための手段】
本発明は下記の構成を特徴とする画像形成装置である。
【0018】
(1)像担持体と、像担持体表面に接触して像担持体表面を帯電する接触帯電部材を有する帯電手段と、帯電処理された像担持体に静電潜像を形成する情報書き込み手段と、静電潜像に現像剤を供給し静電潜像を可視化する現像手段と、可視化した現像剤像を転写材に転写する転写手段とを有する画像形成装置において、
接触帯電部材と像担持体との当接域内における非画像形成域に対応する接触帯電部材部分の表面の処理を画像形成域に対応する接触帯電部材部分の表面の処理と異なるようにすることを特徴とする画像形成装置。
【0019】
(2)像担持体と、像担持体表面に接触して像担持体表面を帯電する接触帯電部材を有する帯電手段と、帯電処理された像担持体に静電潜像を形成する情報書き込み手段と、静電潜像に現像剤を供給し静電潜像を可視化する現像手段と、可視化した現像剤像を転写材に転写する転写手段とを有し、かつ前記転写手段により転写されずに前記像担持体表面に残留した現像剤を前記現像装置で回収するクリーナレスシステムを用いた画像形成装置において、
接触帯電部材と像担持体との当接域内における非画像形成域に対応する接触帯電部材部分の表面の処理を画像形成域に対応する接触帯電部材部分の表面の処理と異なるようにすることを特徴とする画像形成装置。
【0020】
(3)前記接触帯電部材が帯電ローラであることを特徴とする(1)または(2)に記載の画像形成装置。
【0021】
(4)前記接触帯電部材と像担持体との当接域内における非画像形成域に対応する接触帯電部材部分の表面の十点平均粗さRzが、画像形成域に対応する接触帯電部材部分の表面の十点平均粗さRzよりも大きいことを特徴とする(1)から(3)のいずれか1つに記載の画像形成装置。
【0022】
(5)前記接触帯電部材と像担持体との当接域内における非画像形成域に対応する接触帯電部材部分の表面の十点平均粗さRzが、3μm以上12μm以下であることを特徴とする(1)から(4)のいずれか1つに記載の画像形成装置。
【0023】
(6)前記接触帯電部材と像担持体との当接域内における非画像形成域に対応する接触帯電部材部分の表面に当接して配設される研磨部材を有することを特徴とする(1)から(5)のいずれか1つに記載の画像形成装置。
【0024】
(7)前記接触帯電部材と像担持体との当接域内における非画像形成域に対応する接触帯電部材部分の表面に当接して配設される研磨部材が、前記接触帯電部材部分の表面に対して接離可能であることを特徴とする(6)に記載の画像形成装置。
【0025】
(8)前記接触帯電部材と像担持体との当接域内における非画像形成域に対応する接触帯電部材部分の表面に当接して配設され固形潤滑材を有することを特徴とする(1)から(5)のいずれか1つに記載の画像形成装置。
【0026】
(9)前記接触帯電部材と像担持体との当接域内における非画像形成域に対応する接触帯電部材部分の表面に当接して配設される固形潤滑材が、前記接触帯電部材部分の表面に対して接離可能であることを特徴とする(8)に記載の画像形成装置。
【0027】
(10)前記情報書き込み手段が露光手段であることを特徴とする(1)から(9)のいずれか1つに記載の画像形成装置。
【0028】
(11)像担持体と、像担持体表面に接触して像担持体表面を帯電する接触帯電部材を有する帯電手段と、帯電処理された像担持体に静電潜像を形成する情報書き込み手段と、静電潜像に現像剤を供給し静電潜像を可視化する現像手段と、可視化した現像剤像を転写材に転写する転写手段とを有する画像形成装置において、
接触帯電部材と像担持体との当接域内における非画像形成域に対応する像担持体部分の表面の処理を画像形成域に対応する像担持部材部分の表面の処理と異なるようにすることを特徴とする画像形成装置。
【0029】
(12)像担持体と、像担持体表面に接触して像担持体表面を帯電する接触帯電部材を有する帯電手段と、帯電処理された像担持体に静電潜像を形成する情報書き込み手段と、静電潜像に現像剤を供給し静電潜像を可視化する現像手段と、可視化した現像剤像を転写材に転写する転写手段とを有し、かつ前記転写手段により転写されずに前記像担持体表面に残留した現像剤を前記現像装置で回収するクリーナレスシステムを用いた画像形成装置において
接触帯電部材と像担持体との当接域内における非画像形成域に対応する像担持体部分の表面の処理を画像形成域に対応する像担持体部分の表面の処理と異なるようにすることを特徴とする画像形成装置。
【0030】
(13)前記接触帯電部材が帯電ローラであることを特徴とする(11)または(12)に記載の画像形成装置。
【0031】
(14)前記接触帯電部材と像担持体との当接域内における非画像形成域に対応する像担持体部分の表面の十点平均粗さRzが、画像形成域に対応する像担持体部分の表面の十点平均粗さRzよりも大きいことを特徴とする(11)から(13)のいずれか1つに記載の画像形成装置。
【0032】
(15)前記接触帯電部材と像担持体との当接域内における非画像形成域に対応する像担持体部分の表面の十点平均粗さRzが、3μm以上12μm以下であることを特徴とする(11)から(14)のいずれか1つに記載の画像形成装置。
【0033】
(16)前記接触帯電部材と像担持体との当接域内における非画像形成域に対応する像担持体部分の表面に当接して配設される研磨部材を有することを特徴とする(11)から(15)のいずれか1つに記載の画像形成装置。
【0034】
(17)前記接触帯電部材と像担持体との当接域内における非画像形成域に対応する像担持体部分の表面に当接して配設される研磨部材が、前記像担持体部分の表面に対して接離可能であることを特徴とする(16)に記載の画像形成装置。
【0035】
(18)前記接触帯電部材と像担持体との当接域内における非画像形成域に対応する像担持体部分の表面に当接して配設され固形潤滑材を有することを特徴とする(11)から(15)のいずれか1つに記載の画像形成装置。
【0036】
(19)前記接触帯電部材と像担持体との当接域内における非画像形成域に対応する像担持体部分の表面に当接して配設される固形潤滑材が、前記像担持体部分の表面に対して接離可能であることを特徴とする(18)に記載の画像形成装置。
【0037】
(20)前記情報書き込み手段が露光手段であることを特徴とする(11)から(19)のいずれか1つに記載の画像形成装置。
【0038】
【発明の実施の形態】
(実施例1)
以下、実施例1の画像形成装置(画像記録装置)について説明する。
【0039】
図1は本発明の実施例に従う画像形成装置例の概略構成模型図である。本例の画像形成装置は、接触帯電方式、反転現像方式、クリーナレスを用いた電子写真方式のレーザビームプリンタである。
【0040】
(a)像担持体
1は像担持体としての回転ドラム型の電子写真感光体(以下、感光ドラムと記す)である。この感光ドラム1は負帯電性の有機光導電体(OPC)で、外径60mmであり、中心支軸を中心に100mm/seeのプロセススピード(周速度)をもって矢示の反時計方向に回転駆動される。
【0041】
この感光ドラム1は、図2の層構成模型図のように、アルミニウム製シリンダ(導電性ドラム基体)1aの表面に、光の干渉を抑え、上層の接着性を向上させる下引き層1bと、光電荷発生層1cと、電荷輸送層1dの3層を下から順に塗り重ねた構成をしている
(b)帯電手段
帯電手段は像担持体としての感光ドラム1の表面に接触して感光ドラム1の周面を一様に帯電処理する接触帯電部材2を有する接触帯電装置であり、本例において接触帯電部材2は帯電ローラ(ローラ帯電器)である。
【0042】
この帯電ローラ2は、芯金2aの両端部をそれぞれ不図示の軸受け部材により回転自在に保持されると共に、押し圧ばね2eによって感光ドラム方向に付勢して感光ドラム1の表面に対して所定の押圧力をもって圧接させており、感光ドラム1の回転に従動して回転する。感光ドラム1と帯電ローラ2との圧接部が帯電部(帯電ニップ部)aである。
【0043】
この帯電ローラ2の芯金2aには電源S1より所定の条件の帯電バイアス電圧が印加されることにより回転感光ドラム1の周面が所定の極性・電位に接触帯電処理される。本例において、帯電ローラ2に対する帯電バイアス電圧は直流電圧(Vdc)と交流電圧(Vac)とを重畳した振動電圧である。より具体的には、直流電圧;−500V、交流電圧;周波数f1kHz、ピーク間電圧Vpp1.5kV、正弦波、とを重畳した振動電圧であり、感光ドラム1の周面は−500V(暗電位Vd)に一様に接触帯電処理される。
【0044】
帯電ローラ2の長手長さは320mmであり、図2の層構成模型図のように芯金(支持部材)2aの外回りに、下層2bと、中間層2cと、表層2dを下から順次に積層した3層構成である。下層2bは帯電音を低減するための発泡スポンジ層であり、表層2dは感光ドラム1上にピンホール等の欠陥があってもリークが発生するのを防止するために設けている保護層である。
【0045】
より具体的には、本例の帯電ローラ2の仕様は下記のとおりである。
【0046】
a.芯金2a;直径6mmのステンレス丸棒
b.下層2b;カーボン分散の発泡EPDM、比重0.5g/cm3、体積抵抗値102〜109Ωcm、層厚3.0mm、長さ320mm
c.中間層2c;カーボン分散のNBR系ゴム、体積抵抗値102〜105Ωcm、層厚700μm
d.表層2d;フッ素化合物のトレジン樹脂に酸化錫、カーボンを分散体積抵抗値107〜1010Ωcm、表面粗さ(JIS規格10点平均表面粗さRa)1.5μm、層厚10μm
(c)情報書き込み手段
3は帯電処理された感光ドラム1の面に静電潜像を形成する情報書き込み手段としての露光装置であり、本例は半導体レーザを用いたレーザビームスキャナである。不図示の画像読み取り装置等のホスト処理からプリンタ側に送られた画像信号に対応して変調されたレーザ光を出力して回転感光ドラム1の一様帯電処理面を露光位置bにおいてレーザ走査露光L(イメージ露光)する。このレーザ走査露光Lにより感光ドラム1面のレーザ光で照射されたところの電位が低下することで回転感光ドラム1面には走査露光した画像情報に対応した静電潜像が順次に形成されていく。
【0047】
(d)現像手段
4は感光ドラム1上の静電潜像に現像剤(トナー)を供給し静電潜像を可視化する現像手段としての現像装置(現像器)であり、本例は二成分磁気ブラシ現像方式の反転現像装置である。
【0048】
4aは現像容器、4bは非磁性の現像スリーブであり、この現像スリーブ4bはその外周面の一部を外部に露呈させて現像容器4a内に回転可能に配置してある。4cは非回転に固定して現像スリーブ4b内に挿設したマグネットローラ、4dは現像剤コーティングブレード、4eは現像容器4aに収容した二成分現像剤、4fは現像容器4a内の底部側に配設した現像剤撹拌部材、4gはトナーホッパーであり、補給用トナーを収容させてある。
【0049】
現像容器4a内の二成分現像剤4eはトナーと磁性キャリアの混合物であり、現像剤撹拌部材4fにより撹拌される。本例において磁性キャリアの抵抗は約1013Ωcm、粒径は10μmである。トナーは磁性キャリアとの摺擦により負極性に摩擦帯電される。
【0050】
現像スリーブ4bは、感光ドラム1との最近接距離(S−Dgapと称する)を350μmに保持して感光ドラム1に近接対向配設してある。この感光ドラム1と現像スリーブ4aとの対向部が現像部cである。現像スリーブ4bは現像部cにおいて感光ドラム1の進行方向とは逆方向に回転駆動される。これは感光ドラム1上の転写残トナーの回収に有利である。この現像スリーブ4bの外周面に該スリーブ内のマグネットローラ4cの磁力により現像容器4a内の二成分現像剤4eの一部が磁気ブラシ層として吸着保持され、該スリーブの回転に伴い回転搬送され、現像剤コーティングブレード4dにより所定の薄層に整層され、現像部cにおいて感光ドラム1の面に対して接触して感光ドラム面を適度に摺擦する。現像スリーブ4bには電源S2から所定の現像バイアスが印加される。本例において、現像スリーブ4bに対する現像バイアス電圧は直流電圧(Vdc)と交流電圧(Vac)とむ重畳した振動電圧である。より具体的には、直流電圧;−350V,交流電圧;周波数f8.0kHz、ピーク間電圧1.8kV、矩形波、とを重畳した振動電圧である。
【0051】
而して、回転する現像スリーブ4bの面に薄層としてコーティングされ、現像部cに搬送された現像剤中のトナー分が現像バイアスによる電界によって感光ドラム1面に静電潜像に対応して選択的に付着することで静電潜像がトナー画像として現像される。本例の場合は感光ドラム1面の露光明部にトナーが付着して静電潜像が反転現像される。
【0052】
現像部cを通過した現像スリーブ4b上の現像剤薄層は引き続く現像スリーブの回転に伴い現像容器4a内の現像剤溜り部に戻される。
【0053】
現像容器4a内の二成分現像剤4eのトナー濃度を所定の略一定範囲内に維持させるために、現像容器4a内の二成分現像剤4eのトナー濃度が不図示の例えば光学式トナー濃度センサーによって検知され、その検知情報に応じてトナーホッパー4gが駆動制御されて、トナーホッパー内のトナーが現像容器4a内の二成分現像剤4eに補給される。二成分現像剤4eに補給されたトナーは撹拌部材4fにより撹拌される。
【0054】
(e)転写手段・定着手段
5aは転写装置であり、本例は転写ローラである。この転写ローラ5aは感光ドラム1に所定の押圧力をもって圧接させてあり、その圧接ニップ部が転写部dである。この転写部dに不図示の給紙機構部から所定の制御タイミングにて転写材(被転写部材、記録材)Pが給送される。
【0055】
転写部dに給送された転写材Pは回転する感光ドラム1と転写ローラ5aの間に挟持されて搬送され、その間、転写ローラ5aに電源S3からトナーの正規帯電極性である負極性とは逆極性である正極性の転写バイアス本例では+2kVが印加されることで、転写部dを挟持搬送されていく転写材Pの面に感光ドラム1面側のトナー画像が順次に静電転写されていく。
【0056】
転写部dを通ってトナー画像の転写を受けた転写材Pは回転感光ドラム1面から順次に分離されて定着装置6(例えば熱ローラ定着装置)へ搬送されてトナー画像の定着処理を受けて画像形成物(プリント、コピー)として出力される。
【0057】
(f)クリーナレス補助手段
7は転写残トナーの帯電極性を正規極性である負極性に揃えるためトナー(現像剤)帯電量制御手段であり、8は感光ドラム1上の転写残トナーを均一化するための、転写残トナー(残留現像剤像)均一化手段である。一般的に、転写部dで転写材Pに転写されずに感光ドラム1上に残留した転写残トナーは、反転トナーや帯電量が適切でないトナーが混在しており転写残トナー(残留現像剤像)均一化手段8により一度転写残トナーを除電してやり、トナー帯電量制御手段7で再度転写残トナーに正規極性帯電化処理をしてやることで、転写残トナーの帯電ローラ2への付着防止が効果的になされると共に、現像装置4での除去・回収を効果的に行うことができる。
【0058】
トナー帯電量制御手段7と転写残トナー均一化手段8は適度の導電性を持ったブラシ状部材であり、ブラシ部を感光ドラムI面に接触させて配設してある。eはトナー帯電量制御手段7と感光ドラム1面の接触部である。fは転写残トナー均一化手段8と感光体ドラム1面の接触部である。
【0059】
トナー帯電量制御手段7には負極性の直流電圧が電源S4より印加されており、転写残トナー均一化手段8には正極性の直流電圧が電源S5より印加されている。具体的には、トナー帯電量制御手段7には−800V、転写残トナー均一化手段8には+400Vの直流電圧をそれぞれ印加している。
【0060】
(g)帯電ローラ表面のトナー汚染に起因する弊害防止対策
次に前述した帯電ローラ表面のトナー汚染の発生メカニズムについて、図3を用いて説明する。
【0061】
図3(a)に示すように、一般的に帯電ローラ2は感光ドラム1に対して芯金部2aの両端部に荷重バネ2eを取り付けた軸受け部材2fにより押し当てられている。帯電ローラ2は特に芯金部2aが十分な剛性を持っているものの、芯金部両端が加圧されることにより中央部が感光ドラム1に対して浮き気味になり、結果として感光ドラム1に対する帯電ローラ2の加圧力は帯電ローラ長手中央部が最も小さくなり両端部に行くにしたがって徐々に大きくなる傾向にある。
【0062】
このため感光ドラム1に当接している帯電ローラ2の両端部域では帯電ローラ2のつぶれ量が大きくなるため回転半径は小さくなり、かつ帯電ローラ2と感光ドラム1の接触ニップ部aでの摩擦力も大きくなる。一方中央部では感光ドラム1に当接している帯電ローラ2のつぶれ量は両端部域に比較して小さいため回転半径は大きくなり、かつ帯電ローラ2と感光ドラム1の接触ニップ部aでの摩擦力も小さくなる。よって図3(b)に示すように、帯電ローラ2の両端部域では帯電ローラ2表面の表面速度が中央部に比較して小さくなる傾向にある。
【0063】
上で説明したように、帯電ローラ2の表面速度が両端部と中央部で異なる場合には、図3(c)に示すように中央部と両端部の中間部分(1/4部,3/4部)あたりの帯電ローラ2表面にねじれが生じる。このようなねじれが生じると、帯電ローラ2表面にシワが発生し、更にはねじれ部分の帯電ローラ2の回転半径が小さくなるため、前述したトナーによる汚れがこのねじれ部分を中心に悪化する傾向にある。
【0064】
更には本実施例のようなクリーナレスシステムを用いた画像形成装置においては、帯電ローラ2の中央部などの画像域内(画像形成域、最大画像幅)Aでは転写残トナーが定常的にやってくるため、それらの転写残トナーや外添剤が帯電ローラ2と感光ドラム1の接触ニップ部aである種の潤滑剤として作用する。一方最大画像域外(非画像形成域)Bの帯電ローラ2の両端部ではそのような転写残トナーが供給されない。よって上記の帯電ローラ2と感光ドラム1間に働く摩擦力の中央部と両端部での差、しいては帯電ローラ2の表面速度の差を更に増大させてしまい、帯電ローラ2のねじれ現象を大きくしてしまう。
【0065】
そこで、本実施例では図4に示すような帯電ローラ2を使用した。すなわち、本実施例では最大画像域外Bに対応する帯電ローラ両端部2g・2gの表面粗さを、画像域内Aの帯電ローラ2の表面粗さよりも大きくすることで、帯電ローラ両端部2g・2gの感光ドラム1に対する真実接触面積を下げて帯電ローラ両端部2g・2gの感光ドラム1との摩擦力を低減し、帯電ローラ中央部との表面速度の差をなくした。
【0066】
具体的には、長手方向の長さが320mmの帯電ローラ2のうち、本実施形記載の画像形成装置で使用する記録材のうちで最大画像幅が約300mmであるため、最大画像域外B・Bに対応する両端部2g・2gそれぞれ約10mmの帯電ローラ表面粗さRz(十点平均粗さ)を、通常の帯電ローラ2(画像域内)が約3μm以下であるのに対して、5〜10μmにした。
【0067】
以上本実施例1で示したように、転写工程後の像担持体上の転写残現像剤を現像同時クリーニングで除去・回収し、再利用するクリーナレス方式で、接触帯電装置を有する画像形成装置において、帯電ローラ2の最大画像域外B・Bに対応する両端部2g・2gの表面粗さを帯電ローラ2の画像域内Aの表面粗さよりも大きくすることで、主走査方向での表面速度の差から生じる帯電ローラ2のねじれ現象を防止することができ、帯電ローラ2の部分的なトナー汚れに起因する帯電不良などの画像形成不良の発生を防止するとともに省スペース、低コストであり、かつクリーナレスシステムのメリットを生かした画像形成装置を提供することが可能となる。
【0068】
(実施例2)
以下、実施例2の画像形成装置(画像記録装置)について説明する。本実施例の画像形成装置(プリンタ)の基本構成は実施例1と同様である。
【0069】
本実施例では、図5に示すように最大画像域外B・Bに対応する帯電ローラ端部2g・2gの表面に研磨部材10を当接させたものである。
【0070】
研磨部材10としては、酸化アルミニウム、シリコンカーバイトなどのセラミック微粒子を砥粒として基材シートにコーティングしたものをスポンジなどの弾性体に貼り付けたものを用いた。研磨部材10は帯電ローラ2の鉛直方向上方に配設され、自重で帯電ローラ2表面に常時当接させて配設してもよいし、ソレノイド11などにより必要に応じて帯電ローラ2に当接させることも可能であり、この場合は研磨部材10の研磨能力を長明に保持する上で有利である。
【0071】
以上本実施例2で示したように、転写工程後の像担持体上の転写残現像剤を現像同時クリーニングで除去・回収し、再利用するクリーナレス方式で、接触帯電装置を有する画像形式装置において、帯電ローラ2の最大画像域外B・Bに対応する端部2g・2gに研磨部材10・10を当接させることで、表面粗さを帯電ローラ2の画像域内Aの表面粗さよりも大きくすることにより、実施例1の効果を長期間安定して提供することが可能となる。
【0072】
(実施例3)
以下、実施例3の画像形成装置(画像記録装置)について説明する。本実施例の画像形戎装置(プリンタ)の基本構成は実施例1と同様である。
【0073】
本実施例では、図6に示すように最大画像域外B・Bに対応する帯電ローラ端部2g・2gの表面に固形潤骨材12を当接させたものである。固形潤滑材12を帯電ローラ2表面の最大画像域外両端部2g・2gに塗布することにより、帯電ローラ2と感光ドラム1の該当接部分の摩擦力を低減することが可能となり、結果として実施例1および実施例2と同様の効果を及ぼすことが可能となる。
【0074】
固形潤滑材12としては、固形状のステアリン酸亜鉛(ZnST)を用いた。固形潤滑材12は帯電ローラ2の鉛直方向上方に配設され、自重で帯電ローラ2表面に常時当接させて配設してもよいし、ソレノイド11などにより必要に応じて帯電ローラ2に当接させることも可能であり、この場合は固形潤滑材12の潤滑効果を長期に保持する上で有利である。
【0075】
以上本実施例3で示したように、転写工程後の像担持体上の転写残現像剤を現像同時ク卜−ニングで除去・回収し、再利用するクリーナレス方式で、接触帯電装置を有する画像形友装置において、帯電ローラ2の最大画像域外両端部2g・2gに固形潤滑材12を当接させることで、帯電ローラ2の画像域外両端部2g・2gと感光ドラム1間に働く摩擦力を低減することにより、実施例1および実施例2と同様に主走査方向での表面速度の差から生じる帯電ローラ2のねじれ現象を防止することができ、帯電ローラ2の部分的なトナー汚れに起因する帯電不良などの画像形成不良の発生を防止するとともに省スペース、低コストであり、かつクリーナレスシステムのメリットを生かした画像形成装置を提供することが可能となる。
【0076】
(実施例4)
以下に実施例4の画像形成装置(画像記録装置)について説明する。本実施例の画像形成装置(プリンタ)の基本構成は実施例1と同様である。
【0077】
本実施例では図7に示すような感光ドラム1を使用した。すなわち本実施例では、最大画像域外B・Bに対応する感光ドラム両端部1g・1gの表面粗さを、画像域内Aに対応する感光ドラム部分の表面粗さよりも大きくすることで、帯電ローラ両端部2g・2gの感光ドラム1に対する真実接触面積を下げて帯電ローラ両端部2g・2gの感光トラム1との摩擦力を低減し、帯電ローラ中央部との表面速度の差をなくす。
【0078】
具体的には、長手方向の長さが330mmの感光ドラム1のうち、本実施形記載の画像形成装置で使用する記録材のうちで最大画像幅が約300mmであるため、最大画像域外の両端それぞれ約15mmの感光ドラム1表面粗さRz(十点平均粗さ)を、通常の感光ドラム1(画像域内)が約1μm以下であるのに対して、5〜10μmにした。
【0079】
以上本実施例1で示したように、転写工程後の像担持体上の転写残現像剤を現像同時クリーニングで除去・回収し、再利用するクリーナレス方式で、接触帯電装置を有する画像形成装置において、感光ドラム1の最大画像域外の表面粗さを感光ドラム1の画像域内の表面粗さよりも大きくすることで、実施例1と同様に主走査方向での表面速度の差から生じる帯電ローラ2のねじれ現象を防止することができ、帯電ローラ2の部分的なトナー汚れに起因する帯電不良などの画像形成不良の発生を防止するとともに省スペース、低コストであり、かつクリーナレスシステムのメリットを生かした画像形成装置を提供することが可能となる。
【0080】
(実施例5)
以下、実施例5の画像形成装置(画像記録装置)について説明する。本実施例の画像形戊装置(プリンタ)の基本構成は実施例1と同様である。
【0081】
本実施例では、図8に示すように、最大画像域外の感光ドラム端部1g・1gの表面に研磨部材10を当接させたものである。研磨部材10としては、酸化アルミニウム、シリコンカーバイトなどのセラミック微粒子を砥粒として基材シートにコーティングしたものをスポンジなどの弾性体に貼り付けたものを用いた。研磨部材10は感光ドラム1の回転方向でトナー(現像剤)帯電量制御手段7より下流及び帯電ローラ2の上流に配設され、総圧約100gで感光ドラム1の表面に常時当接させて配設してもよいし、ソレノイド11などにより必要に応じて感光ドラム1に当接させることも可能であり、この場合は研磨部材10の研磨能力を長期に保持する上ご有利である。
【0082】
以上本実施例5で示したように転写工程後の像担持体上の転写残現像剤を現像同時クトーニンゲで除去・回収し、再利用するクリーナレス方式で、接触帯電装置を有する画像形成装置において、感光ドラム1の最大画像域外1g・1gに研磨部材10を当接させることで、表面粗さを感光トラム1の画像域内の表面粗さよりも大きくすることにより、実施例4の効果を長期間安定して提供することが可能となる。
【0083】
(実施例6)
以下、実施例6の画像形成装置(画像記録装置)について説明する。本実施例の画像形成装置(プリンタ)の基本構成は実施例1と同様である。
【0084】
本実施例では、図9に示すように最大画像域外の感光ドラム端部1g・1gの表面に固形潤滑材12を当接させたものである。固形潤滑材12を感光ドラム表面の最大画像域外両端部1g・1gに塗布することにより、帯電ローラ2と感光ドラム1の該当接部分の摩擦力を低減することが可能となり、結果として実施例4および実施例5と同様の効果を及ぼすことが可能となる。
【0085】
固形潤滑材12としては、固形状のステアリン酸亜鉛(ZnST)を用いた。固形潤滑材12は感光ドラム1の回転方向でトナー(現像剤)帯電量制御手段7より下流及び帯電ローラ2上流に配設され、総圧約100gで感光ドラム1表面に常時当接させて配設してもよいし、ソレノイド11などにより必要に応じて感光ドラム1に当接させることも可能であり、この場合は固形潤滑材12の潤滑効果を長期に保持する上で有利である。
【0086】
以上本実施例6で示したように、転写工程後の像担詩体上の転写残現像剤を現像同時クリーニングで除去・回収し、再利用するクリーナレス方式で、接触帯電装置を有する画像形成装置において、感光ドラム1の最大画像域外1g・1gに固形潤滑材12を当接させることで、帯電ローラ2の画像域外両端部2g・2gと感光ドラム1間に働く摩擦力を低減することにより、実施例4及び実施例5と同様に主走査方向での表面速度の差から生じる帯電ローラ2のねじれ現象を防止することができ、帯電ローラ2の部分的なトナー汚れに起因する帯電不良などの画像形成不良の発生を防止するとともに省スペース、低コストであり、かつクリーナレスシステムのメリットを生かした画像形成装置を提供することが可能となる。
【0087】
(その他)
1)像担持体面から転写残りトナーを除去するクリーニング装置を具備させている画像形成装置でも、クリーニングブレード等のクリーニング部材をすり抜けるトナーがあり、接触帯電部材は耐久によりそのようなトナー等で汚れていくので、本発明は実施例のクリーナレス方式の画像形成装置に限られず、クリーニング装置を具備させている画像形成装置にも適用して効果がある。
【0088】
2)情報書き込み手段としての露光手段3は、実施例のレーザビームスキャナに限られず、LEDアレイ、蛍光灯等の光源と液晶シャッターとの組み合わせ等の他のデジタル露光装置であってもよいし、原稿画像を結像投影するアナログ露光装置であってもよい。
【0089】
3)像担持体1は、静電記録誘電体であってもよい。この場合は該誘電体面を所定の極性・電位に一様に帯電した後、除電針アレイ・電子銃等の除電手段(情報書き込み手段)で選択的に除電して画像情報の静電潜像を書き込み形成する。
【0090】
4)受像部材として転写材Pは、中間転写ドラムや中間転写ベルト等の中間転写体であってもよい。この場合、中間転写体からシートのような転写材へ再度像転写が行なわれる。
【0091】
5)接触帯電部材2や現像装置4に印加するバイアスの交流電圧の波形としては、正弦波、矩形波、三角波等的義使用可能である。交流バイアスは、例えば直流電源を周期的にON,OFFすることによって形成された矩形波の電圧を含む。
【0092】
6)像担持体はドラム型に限られず、回動ベルト(エンドレスベルト)、回動ベルト状の支持体に取り付け保持させた有端のシート状のもの等であってもよい。
【0093】
【発明の効果】
以上説明したように本発明によれば、像担持体の帯電手段として接触帯電装置を用いた転写式の画像形成装置、更には、クリーナレスの画像形成装置において、接触帯電部材と像担持体との当接域内における非画像形成域に対応する接触帯電部材部分の表面の処理を画像形成域に対応する接触帯電部材部分の表面の処理と異なるようにするか、あるいは接触帯電部材と像担持体との当接域内における非画像形成域に対応する像担持体部分の表面の処理を画像形成域に対応する像担持部材部分の表面の処理と異なるようにすることで、接触帯電部材の汚れに起因する帯電不良などの画像形成不良の氾生を防止するとともに、クリーナレスの画像形成装置にあっては省スペース、低コストであり、かつクリーナレスシステムのメリットを生かした画像形成装薦を提供することが可能となる。
【図面の簡単な説明】
【図1】実施例1〜実施例6に記載の画像形成装置の概略構成模型図
【図2】感光ドラムと帯電ローラの層構成模型図
【図3】帯電ローラ表面に生じるねじれが発生する原因を説明した模式図
【図4】実施例1に記載の帯電ローラの模型図
【図5】実施例2に記載の帯電ローラ研磨部材の模式図
【図6】実施例3に記載の帯電ローラ潤滑部材の模式図
【図7】実施例4に記載の感光ドラムの模式図
【図8】実施例5に記載の感光ドラム研磨部材の複式図
【図9】実施例6に記載の感光ドラム潤滑部材の複式図
【符号の説明】
1・・・感光ドラム(像担持体)
2・・・帯電ローラ
3・・・レーザビームスキャナ
4・・・現像装置
5・・・転写装置
6・・・定着装置
7・・・トナー帯電量制御手段(現像剤帯電量制御手段)
8・・・転写残トナー均一化手段(残留現像剤均一化手段)
S1〜S5・・・バイアス電圧印加電源
Claims (20)
- 像担持体と、像担持体表面に接触して像担持体表面を帯電する接触帯電部材を有する帯電手段と、帯電処理された像担持体に静電潜像を形成する情報書き込み手段と、静電潜像に現像剤を供給し静電潜像を可視化する現像手段と、可視化した現像剤像を転写材に転写する転写手段とを有する画像形成装置において、
接触帯電部材と像担持体との当接域内における非画像形成域に対応する接触帯電部材部分の表面の処理を画像形成域に対応する接触帯電部材部分の表面の処理と異なるようにすることを特徴とする画像形成装置。 - 像担持体と、像担持体表面に接触して像担持体表面を帯電する接触帯電部材を有する帯電手段と、帯電処理された像担持体に静電潜像を形成する情報書き込み手段と、静電潜像に現像剤を供給し静電潜像を可視化する現像手段と、可視化した現像剤像を転写材に転写する転写手段とを有し、かつ前記転写手段により転写されずに前記像担持体表面に残留した現像剤を前記現像装置で回収するクリーナレスシステムを用いた画像形成装置において、
接触帯電部材と像担持体との当接域内における非画像形成域に対応する接触帯電部材部分の表面の処理を画像形成域に対応する接触帯電部材部分の表面の処理と異なるようにすることを特徴とする画像形成装置。 - 前記接触帯電部材が帯電ローラであることを特徴とする請求項1または2に記載の画像形成装置。
- 前記接触帯電部材と像担持体との当接域内における非画像形成域に対応する接触帯電部材部分の表面の十点平均粗さRzが、画像形成域に対応する接触帯電部材部分の表面の十点平均粗さRzよりも大きいことを特徴とする請求項1から3のいずれか1つに記載の画像形成装置。
- 前記接触帯電部材と像担持体との当接域内における非画像形成域に対応する接触帯電部材部分の表面の十点平均粗さRzが、3μm以上12μm以下であることを特徴とする請求項1から4のいずれか1つに記載の画像形成装置。
- 前記接触帯電部材と像担持体との当接域内における非画像形成域に対応する接触帯電部材部分の表面に当接して配設される研磨部材を有することを特徴とする請求項1から5のいずれか1つに記載の画像形成装置。
- 前記接触帯電部材と像担持体との当接域内における非画像形成域に対応する接触帯電部材部分の表面に当接して配設される研磨部材が、前記接触帯電部材部分の表面に対して接離可能であることを特徴とする請求項6に記載の画像形成装置。
- 前記接触帯電部材と像担持体との当接域内における非画像形成域に対応する接触帯電部材部分の表面に当接して配設され固形潤滑材を有することを特徴とする請求項1から5のいずれか1つに記載の画像形成装置。
- 前記接触帯電部材と像担持体との当接域内における非画像形成域に対応する接触帯電部材部分の表面に当接して配設される固形潤滑材が、前記接触帯電部材部分の表面に対して接離可能であることを特徴とする請求項8に記載の画像形成装置。
- 前記情報書き込み手段が露光手段であることを特徴とする請求項1から9のいずれか1つに記載の画像形成装置。
- 像担持体と、像担持体表面に接触して像担持体表面を帯電する接触帯電部材を有する帯電手段と、帯電処理された像担持体に静電潜像を形成する情報書き込み手段と、静電潜像に現像剤を供給し静電潜像を可視化する現像手段と、可視化した現像剤像を転写材に転写する転写手段とを有する画像形成装置において、
接触帯電部材と像担持体との当接域内における非画像形成域に対応する像担持体部分の表面の処理を画像形成域に対応する像担持部材部分の表面の処理と異なるようにすることを特徴とする画像形成装置。 - 像担持体と、像担持体表面に接触して像担持体表面を帯電する接触帯電部材を有する帯電手段と、帯電処理された像担持体に静電潜像を形成する情報書き込み手段と、静電潜像に現像剤を供給し静電潜像を可視化する現像手段と、可視化した現像剤像を転写材に転写する転写手段とを有し、かつ前記転写手段により転写されずに前記像担持体表面に残留した現像剤を前記現像装置で回収するクリーナレスシステムを用いた画像形成装置において
接触帯電部材と像担持体との当接域内における非画像形成域に対応する像担持体部分の表面の処理を画像形成域に対応する像担持体部分の表面の処理と異なるようにすることを特徴とする画像形成装置。 - 前記接触帯電部材が帯電ローラであることを特徴とする請求項11または12に記載の画像形成装置。
- 前記接触帯電部材と像担持体との当接域内における非画像形成域に対応する像担持体部分の表面の十点平均粗さRzが、画像形成域に対応する像担持体部分の表面の十点平均粗さRzよりも大きいことを特徴とする請求項11から13のいずれか1つに記載の画像形成装置。
- 前記接触帯電部材と像担持体との当接域内における非画像形成域に対応する像担持体部分の表面の十点平均粗さRzが、3μm以上12μm以下であることを特徴とする請求項11から14のいずれか1つに記載の画像形成装置。
- 前記接触帯電部材と像担持体との当接域内における非画像形成域に対応する像担持体部分の表面に当接して配設される研磨部材を有することを特徴とする請求項11から15のいずれか1つに記載の画像形成装置。
- 前記接触帯電部材と像担持体との当接域内における非画像形成域に対応する像担持体部分の表面に当接して配設される研磨部材が、前記像担持体部分の表面に対して接離可能であることを特徴とする請求項16に記載の画像形成装置。
- 前記接触帯電部材と像担持体との当接域内における非画像形成域に対応する像担持体部分の表面に当接して配設され固形潤滑材を有することを特徴とする請求項11から15のいずれか1つに記載の画像形成装置。
- 前記接触帯電部材と像担持体との当接域内における非画像形成域に対応する像担持体部分の表面に当接して配設される固形潤滑材が、前記像担持体部分の表面に対して接離可能であることを特徴とする請求項18に記載の画像形成装置。
- 前記情報書き込み手段が露光手段であることを特徴とする請求項11から19のいずれか1つに記載の画像形成装置。
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Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
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JP2008299108A (ja) * | 2007-05-31 | 2008-12-11 | Canon Inc | 帯電部材、電子写真装置及びプロセスカートリッジ |
JP2008310056A (ja) * | 2007-06-14 | 2008-12-25 | Konica Minolta Business Technologies Inc | 帯電ローラ及び画像形成装置 |
JP2010078741A (ja) * | 2008-09-25 | 2010-04-08 | Fuji Xerox Co Ltd | 導電性ロールおよび導電性ロールを備えた画像形成装置 |
JP2015132673A (ja) * | 2014-01-10 | 2015-07-23 | キヤノン株式会社 | 帯電部材、プロセスカートリッジ及び画像形成装置。 |
JP2018081180A (ja) * | 2016-11-15 | 2018-05-24 | シャープ株式会社 | 電子写真感光体及び画像形成装置 |
-
2002
- 2002-10-01 JP JP2002288479A patent/JP2004126104A/ja active Pending
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