JP2004054142A - 画像形成装置 - Google Patents
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Abstract
【課題】転写工程後の感光ドラム上の転写残現像剤を現像同時クリーニングで除去・回収し、再利用するクリーナレス方式の画像形成装置において、通紙耐久によるスジ状の画像ムラの発生を防止できるようにする。
【解決手段】感光ドラム1の回転方向に沿って帯電ローラ2の上流側でかつ転写残トナー帯電量制御部材7の下流側に感光ドラム1表面に当接するようにして、転写ローラ5による転写後に感光ドラム1上に残留する転写残トナーを一旦せき止めて均一にならすウレタンシート9を配置したことにより、長期にわたって濃度ムラのない良好な画像を得ることができる。
【選択図】 図1
【解決手段】感光ドラム1の回転方向に沿って帯電ローラ2の上流側でかつ転写残トナー帯電量制御部材7の下流側に感光ドラム1表面に当接するようにして、転写ローラ5による転写後に感光ドラム1上に残留する転写残トナーを一旦せき止めて均一にならすウレタンシート9を配置したことにより、長期にわたって濃度ムラのない良好な画像を得ることができる。
【選択図】 図1
Description
【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、電子写真方式などによって画像形成を行う複写機、プリンタ、ファクシミリ等の画像形成装置に関し、特に転写工程後に像担持体上に残留する現像剤(トナー)を現像装置によって「現像同時クリーニング」で像担持体上から除去・回収し、再利用するようにしてクリーニング装置を廃したクリーナレス方式の画像形成装置に関する。
【0002】
【従来の技術】
従来、電子写真方式を用いた複写機、プリンタ、ファクシミリ等の転写方式画像形成装置は、回転ドラム型を一般的とする像担持体である感光体、その感光体を所定の極性・電位に一様に帯電処理する帯電装置(帯電工程)、帯電処理された感光体に静電潜像を形成する情報書き込み手段としての露光装置(露光工程)、感光体上に形成された静電潜像を現像剤であるトナーにより顕像化する現像装置(現像工程)、上記トナー画像を感光体面から紙などの転写材に転写する転写装置(転写工程)、転写工程後の感光体上に多少ながら残余するトナーを除去して感光体面を清掃するクリーニング装置(クリーニング工程)、転写材上のトナー画像を定着させる定着装置(定着工程)などから構成されており、感光体は繰り返して電子写真プロセス(帯電・露光・現像・転写・クリーニング)が適用されて作像に供される。
【0003】
上記画像形成装置において、転写工程後の感光体上に残余するトナーはクリーニング装置により感光体面から除去されてクリーニング装置内に溜まって廃トナーとなるが、環境保全や資源の有効利用等の点からそのような廃トナーは出ないことが望ましい。
【0004】
そこで、近年、クリーニング装置を無くし、感光体上の転写残トナーを現像装置によって「現像同時クリーニング」で感光体から除去し、現像装置に回収し再利用する装置構成にした「クリーナレス方式」の画像形成装置の実用化がなされてきている。
【0005】
現像同時クリーニングは、転写後の感光体上の転写残トナーを次工程以降の現像工程時、即ち引き続き感光体を帯電し、露光して静電潜像を形成し、該静電潜像の現像工程過程時にかぶり取りバイアス(現像装置に印加する直流電圧と感光体の表面電位間の電位差であるかぶり取り電位差Vback)によって、トナーで現像されるべきでない感光体面部分上(非画像部)に存在する転写残トナーを現像装置に回収する方法である。この方式によれば、転写残トナーは現像装置に回収されて次工程以降の静電潜像の現像に再利用されるため、廃トナーをなくし、またメンテナンス時に手を煩わせることも少なくすることができる。またクリーナレスであることで画像形成装置の小型化にも有利である。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】
ところで、上記した従来の現像同時クリーニングで除去・回収し再利用するクリーナレス方式の画像形成装置において、感光体を帯電する帯電装置が感光体に当接して感光体面を帯電処理する接触帯電装置であるときには、感光体上の転写残トナーが感光体と接触帯電装置の接触ニップ部である帯電部を通過する際に、転写残トナー中の特に帯電極性が正規極性とは逆極性に反転しているトナーが接触帯電装置に付着して接触帯電装置を許容以上にトナー汚染させて帯電不良の原因となってしまう。
【0007】
即ち、現像剤としてのトナーには、量的には少ないけれども、帯電極性がもともと正規極性とは逆極性に反転しているトナーが混在している。また、帯電極性が正規極性のトナーであっても転写バイアスや剥離放電等に影響されて帯電極性が反転するものや、除電されて帯電量が少なくなるものもある。
【0008】
従って、転写残トナーには帯電極性が正規極性のもの、逆極性の反転トナー、帯電量が少ないものが混在しており、その内の反転トナーや帯電量が少ないトナーが、感光体と接触帯電装置の接触ニップ部である帯電部を通過する際に接触帯電装置に付着しやすい。
【0009】
また、感光体上の転写残トナーを、現像装置の現像同時クリーニングにて除去・回収するためには、帯電部を通過して現像部に持ち運ばれる感光体上の転写残トナーの帯電極性が正規極性であり、かつその帯電量が現像装置によって感光体の静電潜像を現像できるトナーの帯電量であることが必要である。反転トナーや帯電量が適切でないトナーについては、感光体上から現像装置に除去・回収できず、画像不良の原因となってしまう。
【0010】
また、上記したように接触帯電装置へのトナーの付着は、転写部から帯電部へ持ち運ばれる、帯電極性が正規極性のもの、逆極性のもの、帯電量が少ないものが混在している感光体上の転写残トナーを、トナー帯電量制御部材によって正規極性へと帯電付与して帯電極性を正規極性に揃えると共に、帯電量を均一化することにより防止することができる。
【0011】
しかしながら、接触帯電装置へのトナー付着を防止するためにトナー帯電量制御部材によって帯電付与された転写残トナーは、感光体の静電潜像を現像できるトナーの帯電量に比べて大きいため、現像装置において現像同時クリーニングにて除去・回収されにくい。このような場合、感光体に残留するトナーは次の画像へと重なり、画像不良を起こしてしまう。
【0012】
このような画像不良を防止するために、感光体の回転方向に沿って前記トナー帯電量制御部材の上流側に転写残トナー均一化部材を設置して、転写残トナーの帯電量をコントロールすることにより、現像装置での回収が効率よくなされ、回収不良による画像汚れがなくなった。
【0013】
上記のように、感光体の回転方向に沿ってトナー帯電量制御部材の上流側に転写残トナー均一化部材を設置することによって転写残トナーの帯電量をコントロールすることができ、トナー(転写残トナー)が静電的に接触帯電部に付着する汚れを防止することができた。
【0014】
しかしながら、画像形成枚数(耐久枚数)が増えるにつれて、感光体と接触帯電部材間の帯電ニップ部での圧力によって接触帯電部に物理的なトナー汚れが発生してしまうことが分かった。この汚れは、静電的に付着するトナー汚れに比べて微小なものなので、接触帯電部材の帯電能力を著しく減少させるほどではないが、トナー帯電量制御部材と転写残トナー均一化部材をスジ状にすり抜けてきたために、スジ状に汚れが生じる。
【0015】
このため、接触帯電部材上にスジ状に汚れが付くと、感光体上にはスジ状にわずかな帯電ムラが生じてしまい、特に中間調の画像でスジ状の画像ムラが発生する。
【0016】
そこで本発明は、転写工程後の像担持体上の転写残現像剤を現像同時クリーニングで除去・回収し、再利用するクリーナレス方式の画像形成装置において、通紙耐久によるスジ状の画像ムラの発生を防止することができる画像形成装置を提供することを目的とする。
【0017】
【課題を解決するための手段】
上記目的を達成するために本発明は、移動自在な第1の像担持体と、前記第1の像担持体表面に当接し帯電バイアスの印加により前記第1の像担持体を帯電する帯電手段と、帯電された前記第1の像担持体表面を露光して画像情報に応じた静電潜像を形成する露光手段と、前記静電潜像を現像して現像剤像として可視像化する現像手段と、前記現像剤像を第2の像担持体に転写する転写手段と、を備え、前記現像手段が、前記転写手段により現像剤像を前記第2の像担持体に転写した後に残留した残留現像剤を静電的に回収するクリーニング手段を兼ねる画像形成装置において、前記第1の像担持体の移動方向に沿って前記帯電手段の上流側でかつ前記転写手段の下流側に前記第1の像担持体表面に当接するようにして配置した、前記転写手段による転写後に前記第1の像担持体上に残留する残留現像剤の帯電極性及び帯電量を制御する残留現像剤帯電量制御手段と、前記第1の像担持体の移動方向に沿って前記残留現像剤帯電量制御手段の上流側でかつ前記転写手段の下流側に前記第1の像担持体表面に当接するようにして配置した、前記転写手段による転写後に前記第1の像担持体上に残留する残留現像剤の分布を均一化する残留現像剤均一化手段と、前記第1の像担持体の移動方向に沿って前記帯電手段の上流側でかつ前記残留現像剤均一化手段の下流側との間に前記第1の像担持体表面に当接するようにして配置した、前記転写手段による転写後に前記第1の像担持体上に残留する残留現像剤を均一にならす残留現像剤ならし部材と、を有することを特徴としている。
【0018】
また、前記残留現像剤ならし部材を、前記第1の像担持体の移動方向に沿って前記帯電手段の上流側でかつ前記残留現像剤帯電量制御手段の下流側に配置することを特徴としている。
【0019】
また、前記残留現像剤ならし部材を、前記第1の像担持体の移動方向に沿って前記残留現像剤帯電量制御手段の上流側でかつ前記残留現像剤均一化手段の下流側に配置することを特徴としている。
【0020】
また、前記残留現像剤ならし部材を、前記第1の像担持体の移動方向に沿って前記帯電手段の上流側でかつ前記残留現像剤帯電量制御手段の下流側に配置すると共に、前記第1の像担持体の移動方向に沿って前記残留現像剤帯電量制御手段の上流側でかつ前記残留現像剤均一化手段の下流側に配置することを特徴としている。
【0021】
また、前記残留現像剤ならし部材の前記第1の像担持体に対する圧力は、0.1kPa〜2.0kPaであることを特徴としている。
【0022】
また、前記帯電手段は、接触帯電部材を前記第1の像担持体に接触させて帯電を行う接触帯電手段であることを特徴としている。
【0023】
【発明の実施の形態】
以下、本発明を図示の実施の形態に基づいて説明する。
【0024】
〈実施の形態1〉
図1は、本発明の実施の形態1に係る画像形成装置の要部を示す概略構成図である。本実施の形態の画像形成装置は、接触帯電方式で現像同時クリーニングによるクリーナレス方式のレーザビームプリンタ等の電子写真方式の画像形成装置である。
【0025】
この画像形成装置は、第1の像担持体としての回転ドラム型の電子写真感光体(以下、感光ドラムという)1を備え、感光ドラム1の回転方向(反時計方向)に沿ってその周囲に接触帯電部材としての帯電ローラ(ローラ帯電器)2、現像装置4、接触転写部材としての転写ローラ5、転写残トナー均一化部材8、転写残トナー帯電量制御部材7、感光ドラム1上に残留する転写残トナーを均一にならす転写残トナーならし部材としてのウレタンシート9が配置されており、帯電ローラ2と現像装置4間の上方には露光装置3が設置されている。また、感光ドラム1と転写ローラ5間に形成される転写部dの転写材搬送方向の下流側には、定着装置6が設置されている。
【0026】
感光ドラム1は、本実施の形態では外径50mmの負帯電性の有機感光体(OPC)であり、駆動装置(不図示)の駆動によって100mm/secのプロセススピード(周速度)で矢印方向(反時計方向)に回転駆動される。感光ドラム1は、図2に示すように、アルミニウム製シリンダ(導電性ドラム基体)1aの表面に、光の干渉を抑え上層の接着性を向上させる下引き層1bと、光電荷発生層1cと、電荷輸送層1dの3層を下から順に塗布して構成されている。
【0027】
帯電ローラ2は、芯金2aの両端部をそれぞれ軸受け部材(不図示)により回転自在に保持されると共に、押し圧ばね2eによって感光ドラム1の中心方向に付勢して感光ドラム1の表面に対して所定の押圧力をもって圧接されており、感光ドラム1の回転駆動に従動して回転する。感光ドラム1と帯電ローラ2との圧接部が帯電部(帯電ニップ部)aである。
【0028】
帯電ローラ2の芯金2aには電源S1より所定の条件の帯電バイアス電圧が印加されることにより、感光ドラム1の周面が所定の極性・電位に接触帯電処理される。本実施の形態では、帯電ローラ2に対する帯電バイアス電圧は直流電圧(Vdc)と交流電圧(Vac)とを重畳した振動電圧である。より具体的には、直流電圧(−500)と交流電圧(周波数1kHz、ピーク間電圧1.4kVの正弦波)とを重畳した振動電圧であり、感光ドラム1の周面は−500V(暗電位Vd)に一様に接触帯電処理される。
【0029】
また、帯電ローラ2の長手方向長さは320mmであり、図2に示すように、芯金(支持部材)2aの外回りに、下層2bと、中間層2cと、表層2dを下から順次に積層した3層構成である。下層2bは帯電音を低減するための発泡スポンジ層であり、表層2dは、感光ドラム1上にピンホール等の欠陥があってもリークが発生するのを防止するために設けている保護層である。
【0030】
より具体的には、本実施の形態における帯電ローラ2の仕様は下記の通りである。
【0031】
芯金2a;直径6mmのステンレス丸棒
下層2b;カーボン分散の発泡EPDM、比重0.5g/cm3、体積抵抗値102〜109Ωcm、層厚3.0mm
中間層2c;カーボン分散のNBR系ゴム、体積抵抗値102〜105Ωcm、層厚700μm
表層2d;フッ素化合物のトレジン樹脂に酸化錫とカーボンを分散、体積抵抗値107〜1010Ωcm、表面粗さ(JIS規格10点平均表面粗さRa)1.5μm、層厚10μm
【0032】
また、帯電ローラ2表面には、帯電ローラ2表面をクリーニングする可撓性を有するフィルム状の帯電ローラクリーニング部材2fが当接するようにして設けられている。帯電ローラクリーニング部材2fは、帯電ローラ2の長手方向に対し平行に配置され、かつ同長手方向に対し一定量の往復運動をする支持部材2gに一端を固定され、自由端側近傍の面において帯電ローラ2と接触ニップを形成するよう配置されている。そして、支持部材2gは、不図示の駆動装置によりギア列を介して帯電ローラ2の長手方向に対し一定量の往復運動駆動するように構成されており、この往復運動駆動によって帯電ローラ2表面が帯電ローラクリーニング部材2fで摺擦される。これにより、帯電ローラ2表面に付着した転写残トナーに再度適量の正規極性の電荷を供給し、感光ドラム1上に戻すことが可能となる。
【0033】
露光装置3は、本実施の形態では半導体レーザを用いたレーザビームスキャナであり、不図示の画像読み取り装置等のホスト処理から入力される画像信号に対応して変調されたレーザ光を出力して、感光ドラム1の一様帯電処理面を露光位置bにおいて走査露光(イメージ露光)Lする。この走査露光Lにより感光ドラム1面のレーザ光で照射されたところの電位が低下することで、感光ドラム1面には走査露光Lした画像情報に対応した静電潜像が順次に形成される。
【0034】
現像装置4は、本実施の形態では2成分磁気ブラシ現像方式の反転現像装置であり、感光ドラム1表面の露光部分(明部)にトナーが付着して静電潜像が反転現像される。この現像装置4は、現像容器4aの開口部に固定マグネットローラ4cを内包した回転自在な非磁性の現像スリーブ4bが設けられており、現像容器4aの現像剤(トナー)4eを、規制ブレード4dで薄層に現像スリーブ4b上にコーティングし、感光ドラム1と対向する現像部cへ搬送する。現像容器4a内の現像剤4eはトナーと磁性キャリアの混合物であり、2つの現像剤攪拌部材4fの回転によって均一に攪拌されながら現像スリーブ4b側に搬送される。
【0035】
本実施の形態における磁性キャリアの抵抗は約1013Ωcm、粒径は40μmであり、トナーは磁性キャリアとの摺擦により負極性に摩擦帯電される。また、現像容器4a内のトナー濃度は、濃度センサ(不図示)によって検知され、この検知情報に基づいてトナーホッパー4gから適正量のトナーを現像容器4aに補給して、トナー濃度を一定に調整する。
【0036】
現像スリーブ4bは、現像部cにおいて感光ドラム1との最近接距離を350μmに保持して感光ドラム1に近接対向配設されており、現像スリーブ4bは現像部cにおいて感光ドラム1の回転方向(反時計方向)とは逆方向に回転駆動される。
【0037】
現像スリーブ4bには、電源S2から所定の現像バイアスが印加される。本実施の形態において、現像スリーブ4bへ印加する現像バイアス電圧は、直流電圧(Vdc)と交流電圧(Vac)とを重畳した振動電圧である。より具体的には、直流電圧(−350V)と交流電圧(ピーク間電圧1.6kV)とを重畳した振動電圧である。
【0038】
転写ローラ5は、感光ドラム1に所定の押圧力をもって当接して転写部dを形成し、電源S3から転写バイアス(トナーの正規帯電極性である負極性とは逆極性である正極性の転写バイアス;本実施の形態では+2kV)が印加されることによって、この転写部dにて第2の像担持体としての用紙などの転写材Pに感光ドラム1表面のトナー像を転写する。
【0039】
定着装置6は、回転自在な定着ローラ6aと加圧ローラ6bを有しており、定着ローラ6aと加圧ローラ6b間の定着ニップ部にて転写材Pを挟持搬送しながら、転写材Pの表面に転写されたトナー像を加熱加圧して熱定着する。
【0040】
トナー帯電量制御部材7は、適度の導電性を持ったブラシ状部材であり、感光ドラム1の回転方向に対して帯電ローラ2の上流側でかつ転写ローラ5の下流側で、感光ドラム1表面に当接部eで当接するようにして設置されている。転写残トナー帯電量制御部材7は、転写後に感光ドラム1上に残留した転写残トナーの帯電極性を正規極性である負極性に揃えるものである。転写残トナー帯電量制御部材7には、電源S4から負極性の直流電圧(本実施の形態では、−800V)が印加される。
【0041】
次に、上記画像形成装置による画像形成動作について説明する。
【0042】
画像形成時には、感光ドラム1は駆動装置(不図示)により矢印方向(反時計方向)に所定の周速で回転駆動され、上記の帯電バイアスが印加された帯電ローラ2により表面が一様に帯電される。
【0043】
そして、帯電された感光ドラム1上に露光装置3により走査露光Lが与えられて、入力される画像情報に応じた静電潜像が形成される。そして、感光ドラム1上に形成された静電潜像に、現像部cにて感光ドラム1の帯電極性(負極性)と同極性の現像バイアスが印加された現像装置4の現像スリーブ4bにより感光ドラム1の帯電極性(負極性)と同極性に帯電されたトナーを付着させて、トナー像として顕像化(反転現像)する。
【0044】
そして、感光ドラム1上のトナー像が感光ドラム1と転写ローラ5間の転写部dに到達すると、このタイミングに合わせて用紙などの転写材Pがレジストローラ(不図示)によって転写部dに搬送される。
【0045】
そして、前記トナーと逆極性(正極性)の転写バイアスが印加された転写ローラ5により、転写部dに搬送された転写材Pに感光ドラム1と転写ローラ4間に発生する静電力によって、感光ドラム1上のトナー像が転写される。そして、トナー像が転写された転写材Pは定着装置6に搬送され、定着ローラ6aと加圧ローラ6b間の定着部にてトナー像を転写材Pに加熱加圧して熱定着した後に外部に排出され、一連の画像形成動作を終了する。
【0046】
また、トナー像転写後の感光ドラム1表面に残留している転写残トナーは、感光ドラム1の回転にともない帯電部a、露光部bを経由して現像部cに至り、現像装置4の現像スリーブ4bで次工程以後の現像時に、かぶり取りバイアス(現像スリーブ4bに印加する直流電圧と感光ドラム1の表面電位間の電位差であるかぶり取り電位差Vback)によって回収する(現像同時クリーニング)。回収された転写残トナー(残留現像剤)は、次工程以後に用いられることにより、廃トナーをなくすことができる。
【0047】
本実施の形態においては、現像装置4の現像スリーブ4bは前述したように現像部cにおいて、感光ドラム1面の進行方向とは逆方向に回転させており、これは感光ドラム1上の転写残トナーの回収に有利である。また、感光ドラム1面上の転写残トナーは、露光部bを通るので露光工程はその転写残トナー上からなされるが、転写残トナーの量は少ないため、大きな影響は現れない。
【0048】
ところで、上述したように転写残トナーには帯電極性が正規極性のもの、逆極性のもの(反転トナー)、帯電量が少ないものが混在しており、そのうちの反転トナーや帯電量が少ないトナーが帯電部aを通過する際に帯電ローラ2に付着することで、帯電ローラ2が許容以上にトナー汚染して帯電不良を生じることになる。
【0049】
また、感光ドラム1面上の転写残トナーの、現像装置4による現像同時クリーニングを効果的に行わせるためには、現像部cに持ち運ばれる感光ドラム1上の転写残トナーの帯電極性が正規極性であり、かつその帯電量が現像装置4によって感光ドラム1上の静電潜像を現像できるトナーの帯電量であることが必要である。なお、反転トナーや帯電量が適切でないトナーについては、感光ドラム1上から現像装置4に除去・回収できず、不良画像の原因となってしまう。
【0050】
更に、近年ユーザニーズの多様化に伴い、写真画像などといった高画像比率な画像などの連続画像形成動作などにより、一度に大量の転写残トナーが発生すると、上記と同様に感光ドラム1上から現像装置4に除去・回収できず、不良画像の原因となってしまう。
【0051】
そこで、本実施の形態においては、感光ドラム1の回転方向に対して転写ローラ5と感光ドラム1が当接する転写部dの下流側で、かつ帯電ローラ2と感光ドラム1が当接する帯電部aの上流側に、感光ドラム1上の転写残トナーの分布を均一化するための転写残トナー均一化部材8を設け、更に、感光ドラム1の回転方向に対して転写残トナー均一化部材8の下流側でかつ帯電部aの上流側に、転写残トナーの帯電極性を正規極性である負極性に揃えると共に帯電量を制御する転写残トナー帯電量制御部材7を設けている。
【0052】
転写残トナー均一化部材8を設けることにより、転写部dから転写残トナー帯電量制御部材7へ持ち運ばれる感光ドラム1上のパターン状の転写残トナーはトナー量が多くても、そのトナーが感光ドラム1面に分散分布され、非パターン化されるので、転写残トナー帯電量制御部材7の一部にトナーが集中することがなくなる。これにより、転写残トナー帯電量制御部材7による転写残トナーの全体的な正規極性帯電化処理が常に十分になされて、転写残トナーの帯電ローラ2への付着防止が効果的になされる。また、転写残トナー像パターンのゴースト像の発生も防止される。
【0053】
本実施の形態では、転写残トナー均一化部材8と転写残トナー帯電量制御部材7は、適度の導電性を持ったブラシ状部材で形成されており、それぞれのブラシ部が感光ドラム1面に接触するようにして配置されている。転写残トナー均一化部材8は接触部fで感光ドラム1面と接触しており、転写残トナー帯電量制御部材7は接触部eで感光ドラム1面と接触している。
【0054】
転写残トナー均一化部材8はアース接地されており、転写残トナー帯電量制御部材7には電源S4より負極性の電圧が印加されている。
【0055】
そして、本実施の形態では、トナー像転写後の感光ドラム1表面に残留している転写残トナーは、感光ドラム1の回転にともない転写残トナー均一化部材8と感光ドラム1間の接触部fに至り、一旦転写残トナー均一化部材8に取り込まれる。この際、転写残トナー均一化部材8が抱え得るトナー量には限界があるため、飽和状態に達した後は徐々にトナーが離脱して感光ドラム1面に均一に付着して搬送される。よって、感光ドラム1面におけるトナーの付着状態、すなわち感光ドラム1面に付着するトナーの分布は均一化されるのである。
【0056】
そして、転写残トナー均一化部材8で均一化された感光ドラム1面上の転写残トナーは、引き続く感光ドラム1の回転で転写残トナー帯電量制御部材7と感光ドラム1間の接触部eに至り、転写残トナー帯電量制御部材7を通過する感光ドラム1上の転写残トナーはその帯電極性が正規極性である負極性に揃えられる。
【0057】
転写残トナー帯電量制御部材7で転写残トナーの帯電極性を正規極性である負極性に揃えることにより、さらに感光ドラム1の回転方向に対して下流側に位置する帯電部aで、該転写残トナーの上から感光ドラム1面上を帯電処理する際に、感光ドラム1への鏡映力が大きくなり、転写残トナーの帯電ローラ2への付着が防止される。
【0058】
このため、転写残トナーに必要な帯電量は、現像時のトナー帯電量と比較すると、2.2倍以上必要である。
【0059】
転写残トナー帯電量制御部材7への印加電圧と転写残トナー帯電制御部材7を通過後のトナー帯電量の関係を調べたところ、図3に示すような結果が得られた。
【0060】
図3に示すように、転写残トナー帯電量制御部材7への印加電圧を高くすることにより、転写残トナー帯電量制御部材7を通過後のトナー帯電量が増加していき、ある値以上において飽和していることが分かる。本実施の形態で使用したトナーにおいて、飽和したときの帯電量は−90μC/gであった。
【0061】
また、転写残トナー帯電量制御部材7に電圧を印加させていないときは、上述したように転写残トナーには、感光ドラム1上の画像部の負極性トナー、非画像部の正極性トナー、正極性の転写電圧に影響され、極性が正極性に反転してしまったトナーが含まれるため、帯電量は不定である。
【0062】
転写残トナーが帯電部aに侵入前の転写残トナー量を1としたときの、転写残トナーの帯電量と帯電ローラ2への付着量の関係を調べたところ、図4に示すような結果が得られた。この結果から明らかなように、転写残トナーの帯電量を大きくすることによって、転写残トナーの付着量が低下していることが分かる。また、このときの転写残トナーの帯電ローラ2への付着による帯電不良画像の発生は、−55μC/g以下の転写残トナーの帯電量の時に発生した。
【0063】
よって、転写残トナーの帯電ローラ2への付着を防止し、帯電不良画像の発生を抑制するためには、転写残トナーの帯電量を、現像時のトナー帯電量と比較すると、2.2倍以上必要であることが分かる。
【0064】
なお、本実施の形態においては、電源S4から転写残トナー帯電量制御部材7への印加電圧を−800Vとし、転写残トナー帯電量制御部材7を通過後の転写残トナーの帯電量を−70μC/gとした。
【0065】
次に、本実施の形態の現像装置4による転写残トナーの回収について説明する。
【0066】
本実施の形態の現像装置4は、上記したように現像と同時に転写残トナーを回収する現像同時クリーニングによるクリーナレス方式である。なお、感光ドラム1上の現像されたトナー帯電量は、上記したように本実施の形態においては−25μC/gである。
【0067】
本実施の形態における現像条件において、トナー帯電量と転写残トナーの回収性の関係を調べたところ、図5に示すような結果が得られた。この結果から明らかなように、転写残トナーを良好に回収するにはトナー帯電量が−12.5μC/g〜−45.0μC/gであった。即ち、感光ドラム1上の転写残トナーが現像装置4に回収されるためのトナー帯電量は、現像時のトナー帯電量(−25μC/g)に対して0.5〜1.8倍である。
【0068】
しかしながら、上述したように帯電ローラ2へのトナー付着を防止するために、転写残トナー帯電量制御部材7によって約−70μC/gと負極性に大きく帯電された転写残トナーを、現像装置4において回収させるためには、除電を行う必要がある。
【0069】
帯電量が約−70μC/gの感光ドラム1上のトナーが帯電ローラ2を通過した後における、トナー帯電量と帯電ローラ2への印加交流電圧のピーク間電圧Vppとの関係を調べたところ、図6に示すような結果が得られた。この結果から明らかなように、印加交流電圧のピーク間Vppを大きくするにつれ、受電されていることが分かる。
【0070】
帯電ローラ2には、感光ドラム1の周面を帯電処理するために、帯電バイアス電圧として交流電圧(周波数;1000Hz、ピーク間電圧Vpp;1400V)が印加されていることにより、転写残トナーは交流除電されるのである。よって、帯電部aを通過後のトナー帯電量は−30μC/gとなる。そして、現像装置4による現像工程においては、トナーが現像されるべきではない感光ドラム1上の転写残トナーは、上記した現像同時クリーニングで現像装置4に回収される。
【0071】
かくして、転写部dから帯電部aへ持ち運ばれる感光ドラム1上の転写残トナーの帯電量を、転写残トナー帯電量制御部材7で正規極性である負極性に揃えて帯電処理することで転写残トナーの帯電ローラ2への付着を防止しつつ、帯電ローラ2で感光ドラム1を所定の電位に帯電する。そして、さらに転写残トナー帯電量制御部材7で正規極性である負極性に帯電処理された転写残トナーの帯電量を、現像装置4によって感光ドラム1上の静電潜像を現像できる適切な帯電量に制御することで、現像装置4での転写残トナーの回収も効率的になされる。
【0072】
ところで、上記した本実施の形態における接触帯電方式で現像同時クリーニングによるクリーナレス方式の画像形成装置において、画像形成枚数(通紙耐久)が増えると画像形成枚数が10000枚程度を超えてから、出力画像の中間階調部に縦スジ状の濃度ムラが生じた。
【0073】
本発明者の鋭意研究によれば、上記のような縦スジ状の画像不良は、転写残トナー均一化部材8と転写残トナー帯電量制御部材7をスジ状にすり抜けてきた転写残トナーが、感光ドラム1と帯電ローラ2間の帯電部aでの圧力によって物理的に帯電ローラ2側にスジ状のトナー汚れとして付着することによって発生することが分かった。
【0074】
このスジ状のトナー汚れは、静電的に付くトナー汚れに比べ微小なものなので、帯電ローラ2の帯電能力を著しく減少させるほどではないが、耐久枚数が増加すると感光ドラム1上にわずかな帯電ムラを生じさせ、出力画像上の中間階調部で縦スジ状のムラとなって画像不良が発生する。
【0075】
そこで、本実施の形態では図1に示すように、感光ドラム1の回転方向に沿って転写残トナー帯電量制御部材7の下流側で、かつ帯電ローラ2と感光ドラム1間の帯電部aの上流側に、感光ドラム1の長手方向に沿って厚さ50μmの弾性を有するウレタンシート9を配置した。このウレタンシート9は、感光ドラム1の回転方向に対して感光ドラム1表面に軽圧でカウンター方向に当接している。
【0076】
このように、帯電部aと転写残トナー帯電量制御部材7との間にウレタンシート9を感光ドラム1表面に当接するようにして配置したことにより、転写残トナー均一化部材8と転写残トナー帯電量制御部材7をスジ状にすり抜けてきたトナーをこのウレタンシート9の先端部で一旦捕獲し、ウレタンシート9との摺擦によって均一にならした状態で帯電ローラ2と感光ドラム1間の帯電部aに送ることができる。
【0077】
感光ドラム1に対するウレタンシート9の圧力は0.1〜2.0kPaが望ましい。感光ドラム1に対するウレタンシート9の圧力が0.1kPa以下だとスジ状にすり抜けてきたトナーを均一にならす効果が薄く、また、この圧力が2.0kPa以上だとすり抜けてきたトナーの大半をせき止めてしまう。感光ドラム1に対するウレタンシート9の圧力を上記の0.1〜2.0kPaの範囲にするために、本実施の形態では、ウレタンシート9の自由長を3mm、感光ドラム1に対する侵入量を1mm、当接角度を感光ドラム1との接線方向に対して30度とした。この条件の場合における感光ドラム1に対するウレタンシート9の圧力は0.5kPaであった。
【0078】
このように本実施の形態では、帯電部aと転写残トナー帯電量制御部材7との間にウレタンシート9を感光ドラム1表面に当接するようにして配置したことにより、画像比率5%の画像を連続画像形成した場合においても、5万枚程度まで帯電ローラ2にスジ状のトナー汚れが発生せず、画像上に縦スジ状の濃度ムラのない良好な画像を安定して出力することができた。
【0079】
また、本実施の形態において、上記したウレタンシート9の替わりに同様の機能を有するブレード状部材を用いてもよい。
【0080】
〈実施の形態2〉
図7は、本発明の実施の形態2に係る画像形成装置の要部を示す概略構成図である。なお、図1に示した実施の形態1に係る画像形成装置と同一部材には同一符号を付し、重複する説明は省略する。
【0081】
本実施の形態では、図7に示すように、感光ドラム1の回転方向に沿って転写残トナー帯電量制御部材7の下流側でかつ帯電ローラ2と感光ドラム1間の帯電部aの上流側に、感光ドラム1の長手方向に沿って厚さ50μmの弾性を有するウレタンシート9を配置し、更に、感光ドラム1の回転方向に沿って転写残トナー均一化部材8の下流側でかつ転写残トナー帯電量制御部材7の上流側に、感光ドラム1の長手方向に沿って厚さ50μmの弾性を有するウレタンシート10を配置した。
【0082】
ウレタンシート9、10は、感光ドラム1の回転方向に対して感光ドラム1表面に軽圧でカウンター方向に当接している。
【0083】
本実施の形態では、転写残トナー均一化部材8をスジ状にすり抜けてきたトナーを、ウレタンシート10の先端部で一旦捕獲し、ウレタンシート10との摺擦によって均一にならした状態で転写残トナー帯電量制御部材7に送り、更に、転写残トナー帯電量制御部材7をスジ状にすり抜けてきたトナーを、ウレタンシート9の先端部で一旦捕獲し、ウレタンシート9との摺擦によって均一にならした状態で帯電ローラ2と感光ドラム1間の帯電部aに送ることができる。
【0084】
また、本実施の形態においても、実施の形態1と同様に感光ドラム1に対するウレタンシート9、10の圧力は0.1〜2.0kPaが望ましい。感光ドラム1に対するウレタンシート9、10の圧力が0.1kPa以下だとスジ状にすり抜けてきたトナーを均一にならす効果が薄く、また、この圧力が2.0kPa以上だとすり抜けてきたトナーの大半をせき止めてしまう。感光ドラム1に対するウレタンシート9、10の圧力を上記の0.1〜2.0kPaの範囲にするために、本実施の形態では、ウレタンシート9、10の自由長を3mm、感光ドラム1に対する侵入量を1mm、当接角度を感光ドラム1との接線方向に対して30度とした。この条件の場合における感光ドラム1に対するウレタンシート9、10の圧力は0.5kPaであった。
【0085】
このように本実施の形態では、帯電部aとトナー帯電量制御部材7との間、及び転写残トナー帯電量制御部材7と転写残トナー均一化部材8との間にそれぞれウレタンシート9、10を感光ドラム1表面に当接するようにして配置したことにより、高画像比率40%の画像を連続画像形成した場合においても、5万枚程度まで帯電ローラ2にスジ状のトナー汚れが発生せず、画像上に縦スジ状の濃度ムラのない良好な画像を安定して出力することができた。
【0086】
また、本実施の形態において、上記したウレタンシート9、10の替わりに同様の機能を有するブレード状部材を用いてもよい。
【0087】
また、本実施の形態において、上記のウレタンシート9を無くして、感光ドラム1の回転方向に沿って転写残トナー均一化部材8の下流側でかつ転写残トナー帯電量制御部材7の上流側の間に、感光ドラム1の長手方向に沿ってウレタンシート10だけを配置するようにしてもよい。
【0088】
また、上記した各実施の形態では、転写残トナー均一化部材8と転写残トナー帯電量制御部材7はブラシ状部材で構成されていたが、これ以外にも、ブラシ回転体、弾性ローラ体、シート状部材など任意の形態の部材でもよい。
【0089】
また、上記した各実施の形態における感光ドラム1において、その表面抵抗が109〜1014Ω・cmの電荷注入層を設けた直接注入帯電性のものであってもよい。電荷注入層を用いていない場合でも、例えば電荷輸送層が上記の抵抗範囲にある場合も同等の効果がえられる。更に、上記した各実施の形態における感光ドラム1として、表層の体積抵抗が約1013Ω・cmであるアモルファスシリコン感光体を用いてもよい。
【0090】
上記した各実施の形態では、可撓性の接触帯電部材として帯電ローラを用いた構成であったが、これ以外にも、例えばファーブラシ、フェルト、布などの形状・材質のものも使用可能である。更に、各種材質のものを組み合わせることによって、より適切な弾性、導電性、表面性、耐久性のものを得ることができる。
【0091】
上記した各実施の形態の帯電ローラ2や現像スリーブ4bに印加する振動電界の交番電圧成分(AC成分、周期的に電圧値が変化する電圧)の波形としては、正弦波、矩形波、三角波等を適宜使用可能である。更に、直流電源を周期的にオン/オフすることによって形成された矩形波であってもよい。
【0092】
また、上記した各実施の形態では、感光ドラム1の帯電面に対する露光手段(情報書き込み手段)としてレーザ走査手段の露光装置3を用いたが、これ以外にも、例えばLEDのような固体発光素子アレイを用いたデジタル露光手段であってもよい。更に、ハロゲンランプや蛍光灯等を原稿照明光源とするアナログ的な画像露光手段であってもよい。
【0093】
また、上記した各実施の形態では、第1の像担持体として感光ドラムを用いた構成であったが、像担持体が静電記録誘電体などであってもよい。この場合は、静電記録誘電体の表面を一様に帯電した後、その帯電面を除電針ヘッドや電子銃等の除電手段で選択的に除電して、目的の画像情報に対応した静電潜像を書き込み形成する。
【0094】
また、上記した各実施の形態では、転写手段として転写ローラを用いたローラ転写であったが、これ以外にも、ブレード転写、ベルト転写、その他の接触転写帯電方式であってもよいし、コロナ帯電器を使用した非接触転写帯電方式でもよい。
【0095】
また、上記した各実施の形態では、感光ドラムに形成した単色トナー像を転写材に直接転写する画像形成装置であったが、これ以外にも、転写ドラムや転写ベルトなどの中間転写体を用いて単色画像形成ばかりでなく、多重転写等により多色、フルカラー画像を形成する画像形成装置にも本発明を適用することができる。
【0096】
【発明の効果】
以上説明したように本発明によれば、第1の像担持体の移動方向に沿って帯電手段の上流側でかつ残留現像剤均一化手段の下流側との間に第1の像担持体表面に当接するようにして、転写手段による転写後に第1の像担持体上に残留する残留現像剤を均一にならす残留現像剤ならし部材を配置したことにより、長期にわたって濃度ムラのない良好な画像を得ることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施の形態1に係る画像形成装置の要部を示す概略構成図。
【図2】本発明の実施の形態1に係る画像形成装置の感光ドラムと帯電ローラの層構成を示す概略断面図。
【図3】転写残トナー帯電量制御部材に対する印加電圧と転写残トナーの帯電量の関係を示す図。
【図4】転写残トナーの帯電量と帯電ローラに対するトナー付着量の関係を示す図。
【図5】トナー帯電量と転写残トナー回収性の評価結果を示す図。
【図6】帯電ローラを通過した後のトナー帯電量と印加交流電圧の関係を示す図。
【図7】本発明の実施の形態2に係る画像形成装置の要部を示す概略構成図。
【符号の説明】
1 感光ドラム(第1の像担持体)
2 帯電ローラ(帯電手段、接触帯電手段)
3 露光装置(露光手段)
4 現像装置(現像手段)
4b 現像スリーブ
5 転写ローラ(転写手段)
6 定着装置
6a 定着ローラ
6b 加圧ローラ
7 転写残トナー帯電量制御部材(残留現像剤帯電量制御手段)
8 転写残トナー均一化部材(残留現像剤均一化手段)
9、10 ウレタンシート(残留現像剤ならし部材)
【発明の属する技術分野】
本発明は、電子写真方式などによって画像形成を行う複写機、プリンタ、ファクシミリ等の画像形成装置に関し、特に転写工程後に像担持体上に残留する現像剤(トナー)を現像装置によって「現像同時クリーニング」で像担持体上から除去・回収し、再利用するようにしてクリーニング装置を廃したクリーナレス方式の画像形成装置に関する。
【0002】
【従来の技術】
従来、電子写真方式を用いた複写機、プリンタ、ファクシミリ等の転写方式画像形成装置は、回転ドラム型を一般的とする像担持体である感光体、その感光体を所定の極性・電位に一様に帯電処理する帯電装置(帯電工程)、帯電処理された感光体に静電潜像を形成する情報書き込み手段としての露光装置(露光工程)、感光体上に形成された静電潜像を現像剤であるトナーにより顕像化する現像装置(現像工程)、上記トナー画像を感光体面から紙などの転写材に転写する転写装置(転写工程)、転写工程後の感光体上に多少ながら残余するトナーを除去して感光体面を清掃するクリーニング装置(クリーニング工程)、転写材上のトナー画像を定着させる定着装置(定着工程)などから構成されており、感光体は繰り返して電子写真プロセス(帯電・露光・現像・転写・クリーニング)が適用されて作像に供される。
【0003】
上記画像形成装置において、転写工程後の感光体上に残余するトナーはクリーニング装置により感光体面から除去されてクリーニング装置内に溜まって廃トナーとなるが、環境保全や資源の有効利用等の点からそのような廃トナーは出ないことが望ましい。
【0004】
そこで、近年、クリーニング装置を無くし、感光体上の転写残トナーを現像装置によって「現像同時クリーニング」で感光体から除去し、現像装置に回収し再利用する装置構成にした「クリーナレス方式」の画像形成装置の実用化がなされてきている。
【0005】
現像同時クリーニングは、転写後の感光体上の転写残トナーを次工程以降の現像工程時、即ち引き続き感光体を帯電し、露光して静電潜像を形成し、該静電潜像の現像工程過程時にかぶり取りバイアス(現像装置に印加する直流電圧と感光体の表面電位間の電位差であるかぶり取り電位差Vback)によって、トナーで現像されるべきでない感光体面部分上(非画像部)に存在する転写残トナーを現像装置に回収する方法である。この方式によれば、転写残トナーは現像装置に回収されて次工程以降の静電潜像の現像に再利用されるため、廃トナーをなくし、またメンテナンス時に手を煩わせることも少なくすることができる。またクリーナレスであることで画像形成装置の小型化にも有利である。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】
ところで、上記した従来の現像同時クリーニングで除去・回収し再利用するクリーナレス方式の画像形成装置において、感光体を帯電する帯電装置が感光体に当接して感光体面を帯電処理する接触帯電装置であるときには、感光体上の転写残トナーが感光体と接触帯電装置の接触ニップ部である帯電部を通過する際に、転写残トナー中の特に帯電極性が正規極性とは逆極性に反転しているトナーが接触帯電装置に付着して接触帯電装置を許容以上にトナー汚染させて帯電不良の原因となってしまう。
【0007】
即ち、現像剤としてのトナーには、量的には少ないけれども、帯電極性がもともと正規極性とは逆極性に反転しているトナーが混在している。また、帯電極性が正規極性のトナーであっても転写バイアスや剥離放電等に影響されて帯電極性が反転するものや、除電されて帯電量が少なくなるものもある。
【0008】
従って、転写残トナーには帯電極性が正規極性のもの、逆極性の反転トナー、帯電量が少ないものが混在しており、その内の反転トナーや帯電量が少ないトナーが、感光体と接触帯電装置の接触ニップ部である帯電部を通過する際に接触帯電装置に付着しやすい。
【0009】
また、感光体上の転写残トナーを、現像装置の現像同時クリーニングにて除去・回収するためには、帯電部を通過して現像部に持ち運ばれる感光体上の転写残トナーの帯電極性が正規極性であり、かつその帯電量が現像装置によって感光体の静電潜像を現像できるトナーの帯電量であることが必要である。反転トナーや帯電量が適切でないトナーについては、感光体上から現像装置に除去・回収できず、画像不良の原因となってしまう。
【0010】
また、上記したように接触帯電装置へのトナーの付着は、転写部から帯電部へ持ち運ばれる、帯電極性が正規極性のもの、逆極性のもの、帯電量が少ないものが混在している感光体上の転写残トナーを、トナー帯電量制御部材によって正規極性へと帯電付与して帯電極性を正規極性に揃えると共に、帯電量を均一化することにより防止することができる。
【0011】
しかしながら、接触帯電装置へのトナー付着を防止するためにトナー帯電量制御部材によって帯電付与された転写残トナーは、感光体の静電潜像を現像できるトナーの帯電量に比べて大きいため、現像装置において現像同時クリーニングにて除去・回収されにくい。このような場合、感光体に残留するトナーは次の画像へと重なり、画像不良を起こしてしまう。
【0012】
このような画像不良を防止するために、感光体の回転方向に沿って前記トナー帯電量制御部材の上流側に転写残トナー均一化部材を設置して、転写残トナーの帯電量をコントロールすることにより、現像装置での回収が効率よくなされ、回収不良による画像汚れがなくなった。
【0013】
上記のように、感光体の回転方向に沿ってトナー帯電量制御部材の上流側に転写残トナー均一化部材を設置することによって転写残トナーの帯電量をコントロールすることができ、トナー(転写残トナー)が静電的に接触帯電部に付着する汚れを防止することができた。
【0014】
しかしながら、画像形成枚数(耐久枚数)が増えるにつれて、感光体と接触帯電部材間の帯電ニップ部での圧力によって接触帯電部に物理的なトナー汚れが発生してしまうことが分かった。この汚れは、静電的に付着するトナー汚れに比べて微小なものなので、接触帯電部材の帯電能力を著しく減少させるほどではないが、トナー帯電量制御部材と転写残トナー均一化部材をスジ状にすり抜けてきたために、スジ状に汚れが生じる。
【0015】
このため、接触帯電部材上にスジ状に汚れが付くと、感光体上にはスジ状にわずかな帯電ムラが生じてしまい、特に中間調の画像でスジ状の画像ムラが発生する。
【0016】
そこで本発明は、転写工程後の像担持体上の転写残現像剤を現像同時クリーニングで除去・回収し、再利用するクリーナレス方式の画像形成装置において、通紙耐久によるスジ状の画像ムラの発生を防止することができる画像形成装置を提供することを目的とする。
【0017】
【課題を解決するための手段】
上記目的を達成するために本発明は、移動自在な第1の像担持体と、前記第1の像担持体表面に当接し帯電バイアスの印加により前記第1の像担持体を帯電する帯電手段と、帯電された前記第1の像担持体表面を露光して画像情報に応じた静電潜像を形成する露光手段と、前記静電潜像を現像して現像剤像として可視像化する現像手段と、前記現像剤像を第2の像担持体に転写する転写手段と、を備え、前記現像手段が、前記転写手段により現像剤像を前記第2の像担持体に転写した後に残留した残留現像剤を静電的に回収するクリーニング手段を兼ねる画像形成装置において、前記第1の像担持体の移動方向に沿って前記帯電手段の上流側でかつ前記転写手段の下流側に前記第1の像担持体表面に当接するようにして配置した、前記転写手段による転写後に前記第1の像担持体上に残留する残留現像剤の帯電極性及び帯電量を制御する残留現像剤帯電量制御手段と、前記第1の像担持体の移動方向に沿って前記残留現像剤帯電量制御手段の上流側でかつ前記転写手段の下流側に前記第1の像担持体表面に当接するようにして配置した、前記転写手段による転写後に前記第1の像担持体上に残留する残留現像剤の分布を均一化する残留現像剤均一化手段と、前記第1の像担持体の移動方向に沿って前記帯電手段の上流側でかつ前記残留現像剤均一化手段の下流側との間に前記第1の像担持体表面に当接するようにして配置した、前記転写手段による転写後に前記第1の像担持体上に残留する残留現像剤を均一にならす残留現像剤ならし部材と、を有することを特徴としている。
【0018】
また、前記残留現像剤ならし部材を、前記第1の像担持体の移動方向に沿って前記帯電手段の上流側でかつ前記残留現像剤帯電量制御手段の下流側に配置することを特徴としている。
【0019】
また、前記残留現像剤ならし部材を、前記第1の像担持体の移動方向に沿って前記残留現像剤帯電量制御手段の上流側でかつ前記残留現像剤均一化手段の下流側に配置することを特徴としている。
【0020】
また、前記残留現像剤ならし部材を、前記第1の像担持体の移動方向に沿って前記帯電手段の上流側でかつ前記残留現像剤帯電量制御手段の下流側に配置すると共に、前記第1の像担持体の移動方向に沿って前記残留現像剤帯電量制御手段の上流側でかつ前記残留現像剤均一化手段の下流側に配置することを特徴としている。
【0021】
また、前記残留現像剤ならし部材の前記第1の像担持体に対する圧力は、0.1kPa〜2.0kPaであることを特徴としている。
【0022】
また、前記帯電手段は、接触帯電部材を前記第1の像担持体に接触させて帯電を行う接触帯電手段であることを特徴としている。
【0023】
【発明の実施の形態】
以下、本発明を図示の実施の形態に基づいて説明する。
【0024】
〈実施の形態1〉
図1は、本発明の実施の形態1に係る画像形成装置の要部を示す概略構成図である。本実施の形態の画像形成装置は、接触帯電方式で現像同時クリーニングによるクリーナレス方式のレーザビームプリンタ等の電子写真方式の画像形成装置である。
【0025】
この画像形成装置は、第1の像担持体としての回転ドラム型の電子写真感光体(以下、感光ドラムという)1を備え、感光ドラム1の回転方向(反時計方向)に沿ってその周囲に接触帯電部材としての帯電ローラ(ローラ帯電器)2、現像装置4、接触転写部材としての転写ローラ5、転写残トナー均一化部材8、転写残トナー帯電量制御部材7、感光ドラム1上に残留する転写残トナーを均一にならす転写残トナーならし部材としてのウレタンシート9が配置されており、帯電ローラ2と現像装置4間の上方には露光装置3が設置されている。また、感光ドラム1と転写ローラ5間に形成される転写部dの転写材搬送方向の下流側には、定着装置6が設置されている。
【0026】
感光ドラム1は、本実施の形態では外径50mmの負帯電性の有機感光体(OPC)であり、駆動装置(不図示)の駆動によって100mm/secのプロセススピード(周速度)で矢印方向(反時計方向)に回転駆動される。感光ドラム1は、図2に示すように、アルミニウム製シリンダ(導電性ドラム基体)1aの表面に、光の干渉を抑え上層の接着性を向上させる下引き層1bと、光電荷発生層1cと、電荷輸送層1dの3層を下から順に塗布して構成されている。
【0027】
帯電ローラ2は、芯金2aの両端部をそれぞれ軸受け部材(不図示)により回転自在に保持されると共に、押し圧ばね2eによって感光ドラム1の中心方向に付勢して感光ドラム1の表面に対して所定の押圧力をもって圧接されており、感光ドラム1の回転駆動に従動して回転する。感光ドラム1と帯電ローラ2との圧接部が帯電部(帯電ニップ部)aである。
【0028】
帯電ローラ2の芯金2aには電源S1より所定の条件の帯電バイアス電圧が印加されることにより、感光ドラム1の周面が所定の極性・電位に接触帯電処理される。本実施の形態では、帯電ローラ2に対する帯電バイアス電圧は直流電圧(Vdc)と交流電圧(Vac)とを重畳した振動電圧である。より具体的には、直流電圧(−500)と交流電圧(周波数1kHz、ピーク間電圧1.4kVの正弦波)とを重畳した振動電圧であり、感光ドラム1の周面は−500V(暗電位Vd)に一様に接触帯電処理される。
【0029】
また、帯電ローラ2の長手方向長さは320mmであり、図2に示すように、芯金(支持部材)2aの外回りに、下層2bと、中間層2cと、表層2dを下から順次に積層した3層構成である。下層2bは帯電音を低減するための発泡スポンジ層であり、表層2dは、感光ドラム1上にピンホール等の欠陥があってもリークが発生するのを防止するために設けている保護層である。
【0030】
より具体的には、本実施の形態における帯電ローラ2の仕様は下記の通りである。
【0031】
芯金2a;直径6mmのステンレス丸棒
下層2b;カーボン分散の発泡EPDM、比重0.5g/cm3、体積抵抗値102〜109Ωcm、層厚3.0mm
中間層2c;カーボン分散のNBR系ゴム、体積抵抗値102〜105Ωcm、層厚700μm
表層2d;フッ素化合物のトレジン樹脂に酸化錫とカーボンを分散、体積抵抗値107〜1010Ωcm、表面粗さ(JIS規格10点平均表面粗さRa)1.5μm、層厚10μm
【0032】
また、帯電ローラ2表面には、帯電ローラ2表面をクリーニングする可撓性を有するフィルム状の帯電ローラクリーニング部材2fが当接するようにして設けられている。帯電ローラクリーニング部材2fは、帯電ローラ2の長手方向に対し平行に配置され、かつ同長手方向に対し一定量の往復運動をする支持部材2gに一端を固定され、自由端側近傍の面において帯電ローラ2と接触ニップを形成するよう配置されている。そして、支持部材2gは、不図示の駆動装置によりギア列を介して帯電ローラ2の長手方向に対し一定量の往復運動駆動するように構成されており、この往復運動駆動によって帯電ローラ2表面が帯電ローラクリーニング部材2fで摺擦される。これにより、帯電ローラ2表面に付着した転写残トナーに再度適量の正規極性の電荷を供給し、感光ドラム1上に戻すことが可能となる。
【0033】
露光装置3は、本実施の形態では半導体レーザを用いたレーザビームスキャナであり、不図示の画像読み取り装置等のホスト処理から入力される画像信号に対応して変調されたレーザ光を出力して、感光ドラム1の一様帯電処理面を露光位置bにおいて走査露光(イメージ露光)Lする。この走査露光Lにより感光ドラム1面のレーザ光で照射されたところの電位が低下することで、感光ドラム1面には走査露光Lした画像情報に対応した静電潜像が順次に形成される。
【0034】
現像装置4は、本実施の形態では2成分磁気ブラシ現像方式の反転現像装置であり、感光ドラム1表面の露光部分(明部)にトナーが付着して静電潜像が反転現像される。この現像装置4は、現像容器4aの開口部に固定マグネットローラ4cを内包した回転自在な非磁性の現像スリーブ4bが設けられており、現像容器4aの現像剤(トナー)4eを、規制ブレード4dで薄層に現像スリーブ4b上にコーティングし、感光ドラム1と対向する現像部cへ搬送する。現像容器4a内の現像剤4eはトナーと磁性キャリアの混合物であり、2つの現像剤攪拌部材4fの回転によって均一に攪拌されながら現像スリーブ4b側に搬送される。
【0035】
本実施の形態における磁性キャリアの抵抗は約1013Ωcm、粒径は40μmであり、トナーは磁性キャリアとの摺擦により負極性に摩擦帯電される。また、現像容器4a内のトナー濃度は、濃度センサ(不図示)によって検知され、この検知情報に基づいてトナーホッパー4gから適正量のトナーを現像容器4aに補給して、トナー濃度を一定に調整する。
【0036】
現像スリーブ4bは、現像部cにおいて感光ドラム1との最近接距離を350μmに保持して感光ドラム1に近接対向配設されており、現像スリーブ4bは現像部cにおいて感光ドラム1の回転方向(反時計方向)とは逆方向に回転駆動される。
【0037】
現像スリーブ4bには、電源S2から所定の現像バイアスが印加される。本実施の形態において、現像スリーブ4bへ印加する現像バイアス電圧は、直流電圧(Vdc)と交流電圧(Vac)とを重畳した振動電圧である。より具体的には、直流電圧(−350V)と交流電圧(ピーク間電圧1.6kV)とを重畳した振動電圧である。
【0038】
転写ローラ5は、感光ドラム1に所定の押圧力をもって当接して転写部dを形成し、電源S3から転写バイアス(トナーの正規帯電極性である負極性とは逆極性である正極性の転写バイアス;本実施の形態では+2kV)が印加されることによって、この転写部dにて第2の像担持体としての用紙などの転写材Pに感光ドラム1表面のトナー像を転写する。
【0039】
定着装置6は、回転自在な定着ローラ6aと加圧ローラ6bを有しており、定着ローラ6aと加圧ローラ6b間の定着ニップ部にて転写材Pを挟持搬送しながら、転写材Pの表面に転写されたトナー像を加熱加圧して熱定着する。
【0040】
トナー帯電量制御部材7は、適度の導電性を持ったブラシ状部材であり、感光ドラム1の回転方向に対して帯電ローラ2の上流側でかつ転写ローラ5の下流側で、感光ドラム1表面に当接部eで当接するようにして設置されている。転写残トナー帯電量制御部材7は、転写後に感光ドラム1上に残留した転写残トナーの帯電極性を正規極性である負極性に揃えるものである。転写残トナー帯電量制御部材7には、電源S4から負極性の直流電圧(本実施の形態では、−800V)が印加される。
【0041】
次に、上記画像形成装置による画像形成動作について説明する。
【0042】
画像形成時には、感光ドラム1は駆動装置(不図示)により矢印方向(反時計方向)に所定の周速で回転駆動され、上記の帯電バイアスが印加された帯電ローラ2により表面が一様に帯電される。
【0043】
そして、帯電された感光ドラム1上に露光装置3により走査露光Lが与えられて、入力される画像情報に応じた静電潜像が形成される。そして、感光ドラム1上に形成された静電潜像に、現像部cにて感光ドラム1の帯電極性(負極性)と同極性の現像バイアスが印加された現像装置4の現像スリーブ4bにより感光ドラム1の帯電極性(負極性)と同極性に帯電されたトナーを付着させて、トナー像として顕像化(反転現像)する。
【0044】
そして、感光ドラム1上のトナー像が感光ドラム1と転写ローラ5間の転写部dに到達すると、このタイミングに合わせて用紙などの転写材Pがレジストローラ(不図示)によって転写部dに搬送される。
【0045】
そして、前記トナーと逆極性(正極性)の転写バイアスが印加された転写ローラ5により、転写部dに搬送された転写材Pに感光ドラム1と転写ローラ4間に発生する静電力によって、感光ドラム1上のトナー像が転写される。そして、トナー像が転写された転写材Pは定着装置6に搬送され、定着ローラ6aと加圧ローラ6b間の定着部にてトナー像を転写材Pに加熱加圧して熱定着した後に外部に排出され、一連の画像形成動作を終了する。
【0046】
また、トナー像転写後の感光ドラム1表面に残留している転写残トナーは、感光ドラム1の回転にともない帯電部a、露光部bを経由して現像部cに至り、現像装置4の現像スリーブ4bで次工程以後の現像時に、かぶり取りバイアス(現像スリーブ4bに印加する直流電圧と感光ドラム1の表面電位間の電位差であるかぶり取り電位差Vback)によって回収する(現像同時クリーニング)。回収された転写残トナー(残留現像剤)は、次工程以後に用いられることにより、廃トナーをなくすことができる。
【0047】
本実施の形態においては、現像装置4の現像スリーブ4bは前述したように現像部cにおいて、感光ドラム1面の進行方向とは逆方向に回転させており、これは感光ドラム1上の転写残トナーの回収に有利である。また、感光ドラム1面上の転写残トナーは、露光部bを通るので露光工程はその転写残トナー上からなされるが、転写残トナーの量は少ないため、大きな影響は現れない。
【0048】
ところで、上述したように転写残トナーには帯電極性が正規極性のもの、逆極性のもの(反転トナー)、帯電量が少ないものが混在しており、そのうちの反転トナーや帯電量が少ないトナーが帯電部aを通過する際に帯電ローラ2に付着することで、帯電ローラ2が許容以上にトナー汚染して帯電不良を生じることになる。
【0049】
また、感光ドラム1面上の転写残トナーの、現像装置4による現像同時クリーニングを効果的に行わせるためには、現像部cに持ち運ばれる感光ドラム1上の転写残トナーの帯電極性が正規極性であり、かつその帯電量が現像装置4によって感光ドラム1上の静電潜像を現像できるトナーの帯電量であることが必要である。なお、反転トナーや帯電量が適切でないトナーについては、感光ドラム1上から現像装置4に除去・回収できず、不良画像の原因となってしまう。
【0050】
更に、近年ユーザニーズの多様化に伴い、写真画像などといった高画像比率な画像などの連続画像形成動作などにより、一度に大量の転写残トナーが発生すると、上記と同様に感光ドラム1上から現像装置4に除去・回収できず、不良画像の原因となってしまう。
【0051】
そこで、本実施の形態においては、感光ドラム1の回転方向に対して転写ローラ5と感光ドラム1が当接する転写部dの下流側で、かつ帯電ローラ2と感光ドラム1が当接する帯電部aの上流側に、感光ドラム1上の転写残トナーの分布を均一化するための転写残トナー均一化部材8を設け、更に、感光ドラム1の回転方向に対して転写残トナー均一化部材8の下流側でかつ帯電部aの上流側に、転写残トナーの帯電極性を正規極性である負極性に揃えると共に帯電量を制御する転写残トナー帯電量制御部材7を設けている。
【0052】
転写残トナー均一化部材8を設けることにより、転写部dから転写残トナー帯電量制御部材7へ持ち運ばれる感光ドラム1上のパターン状の転写残トナーはトナー量が多くても、そのトナーが感光ドラム1面に分散分布され、非パターン化されるので、転写残トナー帯電量制御部材7の一部にトナーが集中することがなくなる。これにより、転写残トナー帯電量制御部材7による転写残トナーの全体的な正規極性帯電化処理が常に十分になされて、転写残トナーの帯電ローラ2への付着防止が効果的になされる。また、転写残トナー像パターンのゴースト像の発生も防止される。
【0053】
本実施の形態では、転写残トナー均一化部材8と転写残トナー帯電量制御部材7は、適度の導電性を持ったブラシ状部材で形成されており、それぞれのブラシ部が感光ドラム1面に接触するようにして配置されている。転写残トナー均一化部材8は接触部fで感光ドラム1面と接触しており、転写残トナー帯電量制御部材7は接触部eで感光ドラム1面と接触している。
【0054】
転写残トナー均一化部材8はアース接地されており、転写残トナー帯電量制御部材7には電源S4より負極性の電圧が印加されている。
【0055】
そして、本実施の形態では、トナー像転写後の感光ドラム1表面に残留している転写残トナーは、感光ドラム1の回転にともない転写残トナー均一化部材8と感光ドラム1間の接触部fに至り、一旦転写残トナー均一化部材8に取り込まれる。この際、転写残トナー均一化部材8が抱え得るトナー量には限界があるため、飽和状態に達した後は徐々にトナーが離脱して感光ドラム1面に均一に付着して搬送される。よって、感光ドラム1面におけるトナーの付着状態、すなわち感光ドラム1面に付着するトナーの分布は均一化されるのである。
【0056】
そして、転写残トナー均一化部材8で均一化された感光ドラム1面上の転写残トナーは、引き続く感光ドラム1の回転で転写残トナー帯電量制御部材7と感光ドラム1間の接触部eに至り、転写残トナー帯電量制御部材7を通過する感光ドラム1上の転写残トナーはその帯電極性が正規極性である負極性に揃えられる。
【0057】
転写残トナー帯電量制御部材7で転写残トナーの帯電極性を正規極性である負極性に揃えることにより、さらに感光ドラム1の回転方向に対して下流側に位置する帯電部aで、該転写残トナーの上から感光ドラム1面上を帯電処理する際に、感光ドラム1への鏡映力が大きくなり、転写残トナーの帯電ローラ2への付着が防止される。
【0058】
このため、転写残トナーに必要な帯電量は、現像時のトナー帯電量と比較すると、2.2倍以上必要である。
【0059】
転写残トナー帯電量制御部材7への印加電圧と転写残トナー帯電制御部材7を通過後のトナー帯電量の関係を調べたところ、図3に示すような結果が得られた。
【0060】
図3に示すように、転写残トナー帯電量制御部材7への印加電圧を高くすることにより、転写残トナー帯電量制御部材7を通過後のトナー帯電量が増加していき、ある値以上において飽和していることが分かる。本実施の形態で使用したトナーにおいて、飽和したときの帯電量は−90μC/gであった。
【0061】
また、転写残トナー帯電量制御部材7に電圧を印加させていないときは、上述したように転写残トナーには、感光ドラム1上の画像部の負極性トナー、非画像部の正極性トナー、正極性の転写電圧に影響され、極性が正極性に反転してしまったトナーが含まれるため、帯電量は不定である。
【0062】
転写残トナーが帯電部aに侵入前の転写残トナー量を1としたときの、転写残トナーの帯電量と帯電ローラ2への付着量の関係を調べたところ、図4に示すような結果が得られた。この結果から明らかなように、転写残トナーの帯電量を大きくすることによって、転写残トナーの付着量が低下していることが分かる。また、このときの転写残トナーの帯電ローラ2への付着による帯電不良画像の発生は、−55μC/g以下の転写残トナーの帯電量の時に発生した。
【0063】
よって、転写残トナーの帯電ローラ2への付着を防止し、帯電不良画像の発生を抑制するためには、転写残トナーの帯電量を、現像時のトナー帯電量と比較すると、2.2倍以上必要であることが分かる。
【0064】
なお、本実施の形態においては、電源S4から転写残トナー帯電量制御部材7への印加電圧を−800Vとし、転写残トナー帯電量制御部材7を通過後の転写残トナーの帯電量を−70μC/gとした。
【0065】
次に、本実施の形態の現像装置4による転写残トナーの回収について説明する。
【0066】
本実施の形態の現像装置4は、上記したように現像と同時に転写残トナーを回収する現像同時クリーニングによるクリーナレス方式である。なお、感光ドラム1上の現像されたトナー帯電量は、上記したように本実施の形態においては−25μC/gである。
【0067】
本実施の形態における現像条件において、トナー帯電量と転写残トナーの回収性の関係を調べたところ、図5に示すような結果が得られた。この結果から明らかなように、転写残トナーを良好に回収するにはトナー帯電量が−12.5μC/g〜−45.0μC/gであった。即ち、感光ドラム1上の転写残トナーが現像装置4に回収されるためのトナー帯電量は、現像時のトナー帯電量(−25μC/g)に対して0.5〜1.8倍である。
【0068】
しかしながら、上述したように帯電ローラ2へのトナー付着を防止するために、転写残トナー帯電量制御部材7によって約−70μC/gと負極性に大きく帯電された転写残トナーを、現像装置4において回収させるためには、除電を行う必要がある。
【0069】
帯電量が約−70μC/gの感光ドラム1上のトナーが帯電ローラ2を通過した後における、トナー帯電量と帯電ローラ2への印加交流電圧のピーク間電圧Vppとの関係を調べたところ、図6に示すような結果が得られた。この結果から明らかなように、印加交流電圧のピーク間Vppを大きくするにつれ、受電されていることが分かる。
【0070】
帯電ローラ2には、感光ドラム1の周面を帯電処理するために、帯電バイアス電圧として交流電圧(周波数;1000Hz、ピーク間電圧Vpp;1400V)が印加されていることにより、転写残トナーは交流除電されるのである。よって、帯電部aを通過後のトナー帯電量は−30μC/gとなる。そして、現像装置4による現像工程においては、トナーが現像されるべきではない感光ドラム1上の転写残トナーは、上記した現像同時クリーニングで現像装置4に回収される。
【0071】
かくして、転写部dから帯電部aへ持ち運ばれる感光ドラム1上の転写残トナーの帯電量を、転写残トナー帯電量制御部材7で正規極性である負極性に揃えて帯電処理することで転写残トナーの帯電ローラ2への付着を防止しつつ、帯電ローラ2で感光ドラム1を所定の電位に帯電する。そして、さらに転写残トナー帯電量制御部材7で正規極性である負極性に帯電処理された転写残トナーの帯電量を、現像装置4によって感光ドラム1上の静電潜像を現像できる適切な帯電量に制御することで、現像装置4での転写残トナーの回収も効率的になされる。
【0072】
ところで、上記した本実施の形態における接触帯電方式で現像同時クリーニングによるクリーナレス方式の画像形成装置において、画像形成枚数(通紙耐久)が増えると画像形成枚数が10000枚程度を超えてから、出力画像の中間階調部に縦スジ状の濃度ムラが生じた。
【0073】
本発明者の鋭意研究によれば、上記のような縦スジ状の画像不良は、転写残トナー均一化部材8と転写残トナー帯電量制御部材7をスジ状にすり抜けてきた転写残トナーが、感光ドラム1と帯電ローラ2間の帯電部aでの圧力によって物理的に帯電ローラ2側にスジ状のトナー汚れとして付着することによって発生することが分かった。
【0074】
このスジ状のトナー汚れは、静電的に付くトナー汚れに比べ微小なものなので、帯電ローラ2の帯電能力を著しく減少させるほどではないが、耐久枚数が増加すると感光ドラム1上にわずかな帯電ムラを生じさせ、出力画像上の中間階調部で縦スジ状のムラとなって画像不良が発生する。
【0075】
そこで、本実施の形態では図1に示すように、感光ドラム1の回転方向に沿って転写残トナー帯電量制御部材7の下流側で、かつ帯電ローラ2と感光ドラム1間の帯電部aの上流側に、感光ドラム1の長手方向に沿って厚さ50μmの弾性を有するウレタンシート9を配置した。このウレタンシート9は、感光ドラム1の回転方向に対して感光ドラム1表面に軽圧でカウンター方向に当接している。
【0076】
このように、帯電部aと転写残トナー帯電量制御部材7との間にウレタンシート9を感光ドラム1表面に当接するようにして配置したことにより、転写残トナー均一化部材8と転写残トナー帯電量制御部材7をスジ状にすり抜けてきたトナーをこのウレタンシート9の先端部で一旦捕獲し、ウレタンシート9との摺擦によって均一にならした状態で帯電ローラ2と感光ドラム1間の帯電部aに送ることができる。
【0077】
感光ドラム1に対するウレタンシート9の圧力は0.1〜2.0kPaが望ましい。感光ドラム1に対するウレタンシート9の圧力が0.1kPa以下だとスジ状にすり抜けてきたトナーを均一にならす効果が薄く、また、この圧力が2.0kPa以上だとすり抜けてきたトナーの大半をせき止めてしまう。感光ドラム1に対するウレタンシート9の圧力を上記の0.1〜2.0kPaの範囲にするために、本実施の形態では、ウレタンシート9の自由長を3mm、感光ドラム1に対する侵入量を1mm、当接角度を感光ドラム1との接線方向に対して30度とした。この条件の場合における感光ドラム1に対するウレタンシート9の圧力は0.5kPaであった。
【0078】
このように本実施の形態では、帯電部aと転写残トナー帯電量制御部材7との間にウレタンシート9を感光ドラム1表面に当接するようにして配置したことにより、画像比率5%の画像を連続画像形成した場合においても、5万枚程度まで帯電ローラ2にスジ状のトナー汚れが発生せず、画像上に縦スジ状の濃度ムラのない良好な画像を安定して出力することができた。
【0079】
また、本実施の形態において、上記したウレタンシート9の替わりに同様の機能を有するブレード状部材を用いてもよい。
【0080】
〈実施の形態2〉
図7は、本発明の実施の形態2に係る画像形成装置の要部を示す概略構成図である。なお、図1に示した実施の形態1に係る画像形成装置と同一部材には同一符号を付し、重複する説明は省略する。
【0081】
本実施の形態では、図7に示すように、感光ドラム1の回転方向に沿って転写残トナー帯電量制御部材7の下流側でかつ帯電ローラ2と感光ドラム1間の帯電部aの上流側に、感光ドラム1の長手方向に沿って厚さ50μmの弾性を有するウレタンシート9を配置し、更に、感光ドラム1の回転方向に沿って転写残トナー均一化部材8の下流側でかつ転写残トナー帯電量制御部材7の上流側に、感光ドラム1の長手方向に沿って厚さ50μmの弾性を有するウレタンシート10を配置した。
【0082】
ウレタンシート9、10は、感光ドラム1の回転方向に対して感光ドラム1表面に軽圧でカウンター方向に当接している。
【0083】
本実施の形態では、転写残トナー均一化部材8をスジ状にすり抜けてきたトナーを、ウレタンシート10の先端部で一旦捕獲し、ウレタンシート10との摺擦によって均一にならした状態で転写残トナー帯電量制御部材7に送り、更に、転写残トナー帯電量制御部材7をスジ状にすり抜けてきたトナーを、ウレタンシート9の先端部で一旦捕獲し、ウレタンシート9との摺擦によって均一にならした状態で帯電ローラ2と感光ドラム1間の帯電部aに送ることができる。
【0084】
また、本実施の形態においても、実施の形態1と同様に感光ドラム1に対するウレタンシート9、10の圧力は0.1〜2.0kPaが望ましい。感光ドラム1に対するウレタンシート9、10の圧力が0.1kPa以下だとスジ状にすり抜けてきたトナーを均一にならす効果が薄く、また、この圧力が2.0kPa以上だとすり抜けてきたトナーの大半をせき止めてしまう。感光ドラム1に対するウレタンシート9、10の圧力を上記の0.1〜2.0kPaの範囲にするために、本実施の形態では、ウレタンシート9、10の自由長を3mm、感光ドラム1に対する侵入量を1mm、当接角度を感光ドラム1との接線方向に対して30度とした。この条件の場合における感光ドラム1に対するウレタンシート9、10の圧力は0.5kPaであった。
【0085】
このように本実施の形態では、帯電部aとトナー帯電量制御部材7との間、及び転写残トナー帯電量制御部材7と転写残トナー均一化部材8との間にそれぞれウレタンシート9、10を感光ドラム1表面に当接するようにして配置したことにより、高画像比率40%の画像を連続画像形成した場合においても、5万枚程度まで帯電ローラ2にスジ状のトナー汚れが発生せず、画像上に縦スジ状の濃度ムラのない良好な画像を安定して出力することができた。
【0086】
また、本実施の形態において、上記したウレタンシート9、10の替わりに同様の機能を有するブレード状部材を用いてもよい。
【0087】
また、本実施の形態において、上記のウレタンシート9を無くして、感光ドラム1の回転方向に沿って転写残トナー均一化部材8の下流側でかつ転写残トナー帯電量制御部材7の上流側の間に、感光ドラム1の長手方向に沿ってウレタンシート10だけを配置するようにしてもよい。
【0088】
また、上記した各実施の形態では、転写残トナー均一化部材8と転写残トナー帯電量制御部材7はブラシ状部材で構成されていたが、これ以外にも、ブラシ回転体、弾性ローラ体、シート状部材など任意の形態の部材でもよい。
【0089】
また、上記した各実施の形態における感光ドラム1において、その表面抵抗が109〜1014Ω・cmの電荷注入層を設けた直接注入帯電性のものであってもよい。電荷注入層を用いていない場合でも、例えば電荷輸送層が上記の抵抗範囲にある場合も同等の効果がえられる。更に、上記した各実施の形態における感光ドラム1として、表層の体積抵抗が約1013Ω・cmであるアモルファスシリコン感光体を用いてもよい。
【0090】
上記した各実施の形態では、可撓性の接触帯電部材として帯電ローラを用いた構成であったが、これ以外にも、例えばファーブラシ、フェルト、布などの形状・材質のものも使用可能である。更に、各種材質のものを組み合わせることによって、より適切な弾性、導電性、表面性、耐久性のものを得ることができる。
【0091】
上記した各実施の形態の帯電ローラ2や現像スリーブ4bに印加する振動電界の交番電圧成分(AC成分、周期的に電圧値が変化する電圧)の波形としては、正弦波、矩形波、三角波等を適宜使用可能である。更に、直流電源を周期的にオン/オフすることによって形成された矩形波であってもよい。
【0092】
また、上記した各実施の形態では、感光ドラム1の帯電面に対する露光手段(情報書き込み手段)としてレーザ走査手段の露光装置3を用いたが、これ以外にも、例えばLEDのような固体発光素子アレイを用いたデジタル露光手段であってもよい。更に、ハロゲンランプや蛍光灯等を原稿照明光源とするアナログ的な画像露光手段であってもよい。
【0093】
また、上記した各実施の形態では、第1の像担持体として感光ドラムを用いた構成であったが、像担持体が静電記録誘電体などであってもよい。この場合は、静電記録誘電体の表面を一様に帯電した後、その帯電面を除電針ヘッドや電子銃等の除電手段で選択的に除電して、目的の画像情報に対応した静電潜像を書き込み形成する。
【0094】
また、上記した各実施の形態では、転写手段として転写ローラを用いたローラ転写であったが、これ以外にも、ブレード転写、ベルト転写、その他の接触転写帯電方式であってもよいし、コロナ帯電器を使用した非接触転写帯電方式でもよい。
【0095】
また、上記した各実施の形態では、感光ドラムに形成した単色トナー像を転写材に直接転写する画像形成装置であったが、これ以外にも、転写ドラムや転写ベルトなどの中間転写体を用いて単色画像形成ばかりでなく、多重転写等により多色、フルカラー画像を形成する画像形成装置にも本発明を適用することができる。
【0096】
【発明の効果】
以上説明したように本発明によれば、第1の像担持体の移動方向に沿って帯電手段の上流側でかつ残留現像剤均一化手段の下流側との間に第1の像担持体表面に当接するようにして、転写手段による転写後に第1の像担持体上に残留する残留現像剤を均一にならす残留現像剤ならし部材を配置したことにより、長期にわたって濃度ムラのない良好な画像を得ることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施の形態1に係る画像形成装置の要部を示す概略構成図。
【図2】本発明の実施の形態1に係る画像形成装置の感光ドラムと帯電ローラの層構成を示す概略断面図。
【図3】転写残トナー帯電量制御部材に対する印加電圧と転写残トナーの帯電量の関係を示す図。
【図4】転写残トナーの帯電量と帯電ローラに対するトナー付着量の関係を示す図。
【図5】トナー帯電量と転写残トナー回収性の評価結果を示す図。
【図6】帯電ローラを通過した後のトナー帯電量と印加交流電圧の関係を示す図。
【図7】本発明の実施の形態2に係る画像形成装置の要部を示す概略構成図。
【符号の説明】
1 感光ドラム(第1の像担持体)
2 帯電ローラ(帯電手段、接触帯電手段)
3 露光装置(露光手段)
4 現像装置(現像手段)
4b 現像スリーブ
5 転写ローラ(転写手段)
6 定着装置
6a 定着ローラ
6b 加圧ローラ
7 転写残トナー帯電量制御部材(残留現像剤帯電量制御手段)
8 転写残トナー均一化部材(残留現像剤均一化手段)
9、10 ウレタンシート(残留現像剤ならし部材)
Claims (6)
- 移動自在な第1の像担持体と、前記第1の像担持体表面に当接し帯電バイアスの印加により前記第1の像担持体を帯電する帯電手段と、帯電された前記第1の像担持体表面を露光して画像情報に応じた静電潜像を形成する露光手段と、前記静電潜像を現像して現像剤像として可視像化する現像手段と、前記現像剤像を第2の像担持体に転写する転写手段と、を備え、前記現像手段が、前記転写手段により現像剤像を前記第2の像担持体に転写した後に残留した残留現像剤を静電的に回収するクリーニング手段を兼ねる画像形成装置において、
前記第1の像担持体の移動方向に沿って前記帯電手段の上流側でかつ前記転写手段の下流側に前記第1の像担持体表面に当接するようにして配置した、前記転写手段による転写後に前記第1の像担持体上に残留する残留現像剤の帯電極性及び帯電量を制御する残留現像剤帯電量制御手段と、
前記第1の像担持体の移動方向に沿って前記残留現像剤帯電量制御手段の上流側でかつ前記転写手段の下流側に前記第1の像担持体表面に当接するようにして配置した、前記転写手段による転写後に前記第1の像担持体上に残留する残留現像剤の分布を均一化する残留現像剤均一化手段と、
前記第1の像担持体の移動方向に沿って前記帯電手段の上流側でかつ前記残留現像剤均一化手段の下流側との間に前記第1の像担持体表面に当接するようにして配置した、前記転写手段による転写後に前記第1の像担持体上に残留する残留現像剤を均一にならす残留現像剤ならし部材と、を有する、
ことを特徴とする画像形成装置。 - 前記残留現像剤ならし部材を、前記第1の像担持体の移動方向に沿って前記帯電手段の上流側でかつ前記残留現像剤帯電量制御手段の下流側に配置する、
ことを特徴とする請求項1に記載の画像形成装置。 - 前記残留現像剤ならし部材を、前記第1の像担持体の移動方向に沿って前記残留現像剤帯電量制御手段の上流側でかつ前記残留現像剤均一化手段の下流側に配置する、
ことを特徴とする請求項1に記載の画像形成装置。 - 前記残留現像剤ならし部材を、前記第1の像担持体の移動方向に沿って前記帯電手段の上流側でかつ前記残留現像剤帯電量制御手段の下流側に配置すると共に、前記第1の像担持体の移動方向に沿って前記残留現像剤帯電量制御手段の上流側でかつ前記残留現像剤均一化手段の下流側に配置する、
ことを特徴とする請求項1に記載の画像形成装置。 - 前記残留現像剤ならし部材の前記第1の像担持体に対する圧力は、0.1kPa〜2.0kPaである、
ことを特徴とする請求項1乃至4のいずれかに記載の画像形成装置。 - 前記帯電手段は、接触帯電部材を前記第1の像担持体に接触させて帯電を行う接触帯電手段である、
ことを特徴とする請求項1乃至5のいずれかに記載の画像形成装置。
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-
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- 2002-07-23 JP JP2002214511A patent/JP2004054142A/ja active Pending
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