JP5724087B2 - 導電性ゴム部材及び帯電ロール - Google Patents

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本発明は、電子写真式複写機及びプリンター、又はトナージェット式複写機及びプリンター等の画像形成装置に用いられる帯電ロール、現像ロール、転写ロール、トナー供給ロール、クリーニングロール等の導電性ロールや、クリーニングブレード、転写ベルト等に好適な導電性ゴム部材に関し、帯電ロールに特に好適なものである。
複写機及びプリンターなどの画像形成装置の導電性ロールには、感光体等への非汚染性、導電性等が要求される。
そこで、本出願人は、エピクロルヒドリン系ゴム基材からなる弾性層に、イソシアネート化合物を含む処理溶液により表面処理を施した導電性ロール(特許文献1〜3参照)を提案している。これらの導電性ロールは、表面処理層を形成することにより、非汚染性に優れ、導電性にも優れたものとなる。なお、より厳しい条件下での汚染を防止するために、表面処理層を十分に深く形成すればするほど耐汚染性は向上するが、帯電特性が低下してしまうことがあった。
特許第3444391号公報 特開2004−191960号公報 特開2004−191961号公報
本発明は、このような事情に鑑み、帯電特性を維持し、耐汚染性に優れた導電性ゴム部材及び帯電ロールを提供することを課題とする。
前記課題を解決する本発明の第1の態様は、ゴム基材100質量部に対して、粒径が5μm以上の粒子を30質量%以上含む無機充填剤を10〜120質量部配合して成形した導電性弾性層を具備し、前記導電性弾性層の表層部は、少なくともイソシアネート化合物及び有機溶媒を含有する表面処理液を含浸させて該イソシアネート化合物を硬化して形成した表面処理層となっており、表面粗さRzが5μm以上であることを特徴とする導電性ゴム部材にある。
本発明の第2の態様は、第1の態様に記載の導電性ゴム部材において、前記導電性弾性層は、研磨加工したものであることを特徴とする導電性ゴム部材にある。
本発明の第3の態様は、第1又は第2の態様に記載の導電性ゴム部材において、前記無機充填剤は、炭酸カルシウム、タルク、シリカ及び亜鉛華から選択される少なくとも一つからなることを特徴とする導電性ゴム部材にある。
本発明の第4の態様は、第3の態様に記載の導電性ゴム部材において、前記炭酸カルシウムは重質炭酸カルシウムであることを特徴とする導電性ゴム部材にある。
本発明の第の態様は、第1〜のいずれか一つの態様に記載の導電性ゴム部材からなることを特徴とする帯電ロールにある。
本発明によると、粒径が5μm以上の粒子を30質量%以上含む無機充填剤を10〜120質量部配合することにより、表面処理層を厚く形成することができ、帯電特性を維持しつつ、耐汚染性に優れた導電性ゴム部材及び帯電ロールを提供することができる。
試験例3の測定方法を説明する図である。
本発明の導電性ゴム部材は、ゴム基材100質量部に対して、粒径が5μm以上の粒子を30質量%以上含む無機充填剤を10〜120質量部配合して成形した導電性弾性層を具備し、導電性弾性層の表層部は、少なくともイソシアネート成分及び有機溶媒を含有する表面処理液を含浸させて形成した表面処理層となっているものである。このように、比較的粗い粒子を所定量含む無機充填剤を所定量配合することにより、表面処理液が導電性弾性層に含浸しやすくなり、厚さの厚い表面処理層を形成することができる。所定の無機充填剤を配合して表面処理層を厚く形成することにより、帯電特性を低下させることなく、導電性弾性層中の未反応成分やイオン導電剤等の配合成分がブリードアウトするのを効果的に防止することができ、耐汚染性に非常に優れたものとなる。
また、比較的粗い粒子を所定量含む無機充填剤を所定量配合することにより、無機充填剤により導電性ゴム部材の表面に凹凸が形成されることとなり、感光体等の当接部材との接触面積を少なくすることができ、使用の際の導電性ゴム部材の表面汚れを軽減することができる。研磨等により表面粗さを粗くして、表面処理層を形成した場合、帯電特性が低下してしまうが、本発明のように比較的粗い粒子を所定量含む無機充填剤を所定量配合して導電性弾性層の表面粗さを粗くし、表層部に表面処理層を形成すると、帯電特性を維持することができる。なお、導電性弾性層に所定量の無機充填剤を配合しても、導電性弾性層の表層部に表面処理層を形成しない場合、帯電特性が低下してしまう。
ここで、導電性弾性層は、ゴム基材100質量部に対して、粒径が5μm以上の粒子を30質量%以上含む無機充填剤を10〜120質量部配合したものである。このように、比較的粗い粒子を所定量含む無機充填剤を配合することにより、表面処理液が無機充填剤を伝って浸透していくことで、導電性弾性層の内部まで表面処理液を浸透させることができ、従来のものと比較して厚さの厚い表面処理層を形成することができる。なお、粒径が5μm未満の粒子からなる無機充填剤では、表面処理液を浸透させる効果が顕著ではなく、粒径が5μm以上の粒子が30質量%未満の無機充填剤では表面処理液を浸透させる効果が十分に得られない。また、無機充填剤の配合量が10質量部未満であると十分な効果が得られず、無機充填剤の配合量が120質量部より多くなると、硬度が高くなりすぎるため、感光体と十分なニップが得られず画像不良が発生する虞がある。
本発明にかかる無機充填剤は、粒径が5μm以上の粒子を30質量%以上含んでいるものであればよい。言い換えれば、無機充填剤は粒径が5μm以上の粒子を30〜100質量%含んでいるものであればよい。すなわち、粒径が5μm以上の粒子が所定量存在しているものであれば、平均粒径や粒径の分布状態はどのようなものであってもよい。例えば、粒径が正規分布であってもよく、分布に偏りがあってもよく、また、所定の大きさの粒径を除いたものであってもよい。また、無機充填剤は、粒径が45μmより大きい粒子を含んでいないのが好ましい。すなわち、本発明の導電性ゴム部材は、粒径が5〜45μmの粒子を30質量%以上含み且つ粒径が45μmより大きい粒子を含んでいないのが好ましい。粒径が45μmより大きい粒子を含んでいると、導電性ゴム部材を帯電ロールとして使用した場合は、印刷画像に不具合が発生してしまう虞がある。
無機充填剤は、絶縁性のものであるのが好ましい。導電性の無機充填剤を用いると、帯電特性が低下してしまうためである。例えば、本発明の導電性ゴム部材を帯電ロールとして用いた場合、印刷画像に不具合が発生してしまう。
無機充填剤としては、例えば、炭酸カルシウム、タルク、シリカ、亜鉛華等が挙げられ、炭酸カルシウムは、安価で導電性ゴム部材の表面汚れを軽減する効果が高いため特に好ましい。炭酸カルシウムとしては、軽質炭酸カルシウム、重質炭酸カルシウム、微粉化炭酸カルシウム、脂肪酸表面処理炭酸カルシウム等が挙げられ、粒径が5μm以上の粒子を30質量%以上含んでいればいずれも用いることができるが、特に重質炭酸カルシウムが好ましい。
本発明の導電性弾性層は、ゴム基材に必要に応じて導電性付与材を添加して成形・加硫したものである。ゴム基材としては、ポリウレタン、エピクロルヒドリンゴム、ニトリルゴム(NBR)、スチレンゴム(SBR)、クロロプレンゴム、EPDM等を挙げることができ、これらは併用してもよい。
また、導電性付与材としては、導電性金属酸化物、金属粉などの電子導電性付与材や、イオン導電性付与材、又はこれらの両者を混合して用いることができる。イオン導電性付与材としては、有機塩類、無機塩類、金属錯体、イオン液体等が挙げられる。有機塩類、無機塩類としては、過塩素酸リチウム、4級アンモニウム塩、三フッ化酢酸ナトリウムなどが挙げられる。また、金属錯体としては、ハロゲン化第二鉄−エチレングリコールなどを挙げることができ、具体的には、特許第3655364号公報に記載されたものを挙げることができる。一方、イオン液体は、室温で液体である溶融塩であり、常温溶融塩とも呼ばれるものであり、特に、融点が70℃以下、好ましくは30℃以下のものをいう。具体的には、特開2003−202722号公報に記載されたものを挙げることができる。
導電性弾性層は、成形・加硫した後に、研磨加工したものであるのが好ましい。研磨加工することにより、無機充填剤が導電性弾性層の表面に多く露出することとなり、また無機充填剤による凸部が突出した状態となるためである。これにより、感光体等の当接部材との接触面積を少なくすることができ、使用の際の導電性ゴム部材の表面汚れをさらに軽減することができる。なお、導電性弾性層は、無機充填剤を配合することにより、切削性が向上する。
本発明の導電性ゴム部材は、導電性弾性層の表層部が、少なくともイソシアネート成分及び有機溶媒を含有する表面処理液を含浸させて形成した表面処理層となっていてもよい。
ここで、表面処理液は、有機溶剤に、少なくともイソシアネート成分を溶解させたものである。
表面処理液に含まれるイソシアネート成分としては、2,6−トリレンジイソシアネート(TDI)、4,4'−ジフェニルメタンジイソシアネート(MDI)、パラフェニレンジイソシアネート(PPDI)、1,5−ナフタレンジイソシアネート(NDI)及び3,3−ジメチルジフェニル−4,4'−ジイソシアネート(TODI)などのイソシアネート化合物、および前記の多量体および変性体などを挙げることができる。さらに、ポリオールとイソシアネートからなるプレポリマーを挙げることができる。
また、表面処理液には、ポリエーテル系ポリマーを含有させてもよい。ここで、ポリエーテル系ポリマーは、有機溶剤に可溶であるのが好ましく、また、活性水素を有して、イソシアネート化合物と反応して化学的に結合可能なものが好ましい。
活性水素を有する好適なポリエーテル系ポリマーとしては、例えば、エピクロルヒドリンゴムが挙げられる。ここでいうエピクロルヒドリンゴムは未加硫状態のものを指す。エピクロルヒドリンゴムは、表面処理層に導電性と共に弾性を付与することができるため好ましい。なお、エピクロルヒドリンゴムは、末端に活性水素(水酸基)を有しているが、ユニットに水酸基、アリル基などの活性水素を有しているものも好ましい。なお、エピクロルヒドリンゴムとしては、エピクロルヒドリン単独重合体、エピクロルヒドリン−エチレンオキサイド共重合体、エピクロルヒドリン−アリルグリシジルエーテル共重合体、エピクロルヒドリン−エチレンオキサイド−アリルグリシジルエーテル三元共重合体やその誘導体などを挙げることができる。
活性水素を有する他の好適なポリエーテル系ポリマーとしては、水酸基又はアリル基を有するポリマーが挙げられ、例えば、ポリオール、グリコール等が挙げられる。このようなポリエーテル系ポリマーは活性水素を有する基を両末端に備えたものよりも片末端にのみ備えたものが好ましい。また、数平均分子量が300〜1000であることが好ましい。表面処理層に弾性を付与することができるためである。このようなポリエーテル系ポリマーとしては、例えば、ポリアルキレングリコールモノメチルエーテル、ポリアルキレングリコールジメチルエーテル、アリル化ポリエーテル、ポリアルキレングリコールジオール、ポリアルキレングリコールトリオール等を挙げることができる。
このように表面処理液にポリエーテル系ポリマーを添加することで、表面処理層の柔軟性や強度が向上し、その結果、所望のロールの表面が摩耗したり、当接する感光体表面を傷つけたりする虞がなくなる。
また、表面処理液には、アクリルフッ素系ポリマー及びアクリルシリコーン系ポリマーから選択されるポリマーを含有させてもよい。
本発明の表面処理液に用いられるアクリルフッ素系ポリマー及びアクリルシリコーン系ポリマーは、所定の溶剤に可溶でイソシアネート化合物と反応して化学的に結合可能なものである。アクリルフッ素系ポリマーは、例えば、水酸基、アルキル基、又はカルボキシル基を有する溶剤可溶性のフッ素系ポリマーであり、例えば、アクリル酸エステルとアクリル酸フッ化アルキルのブロックコポリマーやその誘導体等を挙げることができる。また、アクリルシリコーン系ポリマーは、溶剤可溶性のシリコーン系ポリマーであり、例えば、アクリル酸エステルとアクリル酸シロキサンエステルのブロックコポリマーやその誘導体等を挙げることができる。
また、表面処理液には、導電性付与材としてさらにアセチレンブラック、ケッチェンブラック、トーカブラック等のカーボンブラックを添加してもよい。少量のカーボンブラックを表面処理液に配合することにより電気抵抗値が低下するので、表面処理液におけるカーボンブラックの配合量は少なくてよい。
また、表面処理液中のアクリルフッ素系ポリマー及びアクリルシリコーン系ポリマーは、イソシアネート成分に対し、アクリルフッ素系ポリマー及びアクリルシリコーン系ポリマーの総量を10〜70質量%となるようにするのが好ましい。10質量%より少ないとカーボンブラック等を表面処理層中に保持する効果が小さくなる。一方、ポリマー量が70質量%より多いと、電気抵抗値が上昇し放電特性が低下するという問題や、相対的にイソシアネート成分が少なくなって有効な表面処理層が形成できないという問題がある。
さらに、表面処理液は、イソシアネート成分、および必要に応じて含有されるこれらポリエーテル系ポリマー、アクリルフッ素系ポリマー及びアクリルシリコーン系ポリマーを溶解する有機溶剤を含有する。有機溶剤としては特に限定されないが、酢酸エチル、メチルエチルケトン(MEK)、トルエン等の有機溶剤を用いればよい。
なお、乾燥硬化は、特に限定されず、イソシアネート成分を弾性層内部で硬化させることができるものであればよく、イソシアネート成分の凝固点以下の温度に冷却して、その後雰囲気の水分により硬化させる方法や、減圧下で溶媒を揮発させた後、熱や水分により硬化させる方法があり、一般的には、常温乾燥後、必要に応じて加熱処理する。なお、このときの加熱温度は、例えば、40〜150℃である。
表面処理層は、導電性弾性層を表面処理液に浸漬させる又は表面処理液をスプレー塗布などにより塗布し、乾燥硬化させることにより形成することができる。表面処理液が導電性弾性層の表層部に含浸されて、導電性弾性層と一体的に設けられた表面処理層となる。このような表面処理層は、主にイソシアネート成分が硬化して形成されたもので、イソシアネート成分の密度が表面から内部に向かって漸次疎になるように一体的に形成される。
本発明では、導電性弾性層に所定の粒径の無機充填剤を配合することにより、無機充填剤を配合していない通常の導電性弾性層と比較して、同様の条件で含浸処理した場合、表面処理液が導電性弾性層の内部まで浸透しやすい。例えば、無機充填剤を配合していない通常の導電性弾性層を用いると100μmの表面処理層が形成される場合、同様の処理条件の場合、200〜300μmの表面処理層を形成することができる。したがって、従来の表面処理層を具備する導電性ゴム部材よりもさらに耐汚染性に優れた導電性ゴム部材となる。このとき、表面処理液の含浸量が100μmと同程度であるために帯電特性が維持されるのか、又は所定粒径の無機充填剤を配合した導電性弾性層の表層部に表面処理層を形成することで、所定粒径の無機充填剤の影響により帯電特性が良好になるためなのか不明であるが、帯電特性が低下することがない。
本発明の導電性ゴム部材は、表面処理層の厚さが、例えば、150μm以上のものが好ましい。
また、本発明の導電性ゴム部材は、表面粗さRzが5μm以上であるのが好ましく、さらに好ましくは5〜20μmである。これにより、帯電ロールとして用いた場合、良好な印刷画像を形成することができる。また、導電性ゴム部材の表面汚れを軽減することができる。
本発明にかかる導電性ゴム部材は、例えば、ロール、ブレード、ベルト等に好適なものであり、帯電ロール、現像ロール、転写ロール、トナー供給ロール、クリーニングロールや、クリーニングブレード、転写ベルト等に好適であり、特に帯電ロールとして好適なものである。
以下、本発明を実施例に基づいて説明するが、本発明はこれに限定されるものではない。
(実施例1)
<ロールの製造>
エピクロルヒドリンゴム(ECO)100質量部に、酸化亜鉛5質量部、酸化マグネシウム3質量部、ステアリン酸0.5質量部、重質炭酸カルシウム(1)(粒径5μm以上85%、5μm未満15%;ホワイトンH,白石カルシウム社製)50質量部に対し、加硫剤としてエチレンチオウレア1.5質量部を添加してロールミキサーで混練りし、直径6mmの芯金の表面にプレス成形により30分加硫成形した後、外表面研磨することにより、直径12mmに研磨加工して、ロール部材を得た。
<表面処理液の調製>
酢酸エチル90質量部に、イソシアネート化合物(MDI)10質量部を添加混合溶解させ、表面処理液を作製した。
<ロールの表面処理>
表面処理液を23℃に保ったまま、実施例1のロール部材を30秒間浸漬後、120℃に保持されたオーブンで1時間加熱することにより表面処理層を形成したものを実施例1の導電性ロールとした。
(実施例2)
実施例1において、重質炭酸カルシウム(1)の代わりに重質炭酸カルシウム(2)(粒径5μm以上68%、5μm未満32%;ホワイトンB,白石カルシウム社製)を50質量部用い、実施例2の導電性ロールを得た。
(実施例3)
実施例1において、重質炭酸カルシウム(1)の代わりに重質炭酸カルシウム(3)(粒径5μm以上50%、5μm未満50%;ホワイトンSB,白石カルシウム社製)を50質量部用い、実施例3の導電性ロールを得た。
(実施例4)
実施例1において、重質炭酸カルシウム(1)の代わりに大粒系酸化亜鉛(粒径5μm以上50%、5μm未満50%;ハクスイテック製)を50質量部用い、実施例4の導電性ロールを得た。
(実施例5)
重質炭酸カルシウム(2)を10質量部とした以外は実施例2と同様にして、実施例5の導電性ロールを得た。
(実施例6)
重質炭酸カルシウム(2)を120質量部とした以外は実施例2と同様にして、実施例6の導電性ロールを得た。
(比較例1)
重質炭酸カルシウム(1)を用いなかった以外は実施例1と同様にして、比較例1の導電性ロールを得た。
(比較例2)
実施例1において、重質炭酸カルシウム(1)の代わりに重質炭酸カルシウム(4)(粒径5μm以上2%、5μm未満98%;ソフトン2600,白石カルシウム社製)を50質量部用い、比較例2の導電性ロールを得た。
(比較例3)
実施例1において、重質炭酸カルシウム(1)の代わりに重質炭酸カルシウム(5)(粒径5μm以上0%、5μm未満100%;TP−113,奥多摩工業社製)を50質量部用い、比較例3の導電性ロールを得た。
(比較例4)
実施例1において、重質炭酸カルシウム(1)の代わりにカーボンブラック(粒径5μm以上0%、5μm未満100%;Thermax N−990,丸紅社製)を50質量部用い、比較例4の導電性ロールを得た。
(比較例5)
重質炭酸カルシウム(2)を5質量部とした以外は実施例2と同様にして、比較例5の導電性ロールを得た。
(比較例6)
重質炭酸カルシウム(2)を150質量部とした以外は実施例2と同様にして、比較例6の導電性ロールを得た。
(比較例7)
表面処理を行わなかった以外は実施例2と同様にして、比較例7の導電性ロールを得た。
(試験例1)表面粗さ
各実施例及び各比較例の導電性ロールの外表面の表面粗さを、キーエンス社製の超深度形状測定装置(コントローラ部「VK−9500」、測定部「VK−9510」、表面粗さ計測アプリケーションVK−H1R9(JIS B 0601−2001)・VK−H1A9(JIS B 0601−1994))を用いて測定した。なお、各実施例及び各比較例の導電性ロールの表面粗さRzを5箇所測定して平均値を求めた。結果を表1及び表2に示す。
(試験例2)表面処理層の厚さ
ロール部材(未処理品)、各実施例及び各比較例の導電性ロールのゴム硬度(Hs)を、マイクロ硬度計(F360A:高分子計器株式会社製)を用いて測定し、未処理品と同じ硬度となるまで研磨した。各実施例及び各比較例の導電性ロールの外径と、研磨後のロールの外径差から表面処理層の厚さを求めた。結果を表1及び表2に示す。
(試験例3)電気抵抗測定
各実施例および各比較例の導電性ロールについて、電気抵抗値を測定した。図1に示すように、導電性ロール10をSUS304板からなる電極部材40の上に載置し、芯金11の両端に100g荷重をかけた状態で、芯金11と電極部材40との間の電気抵抗値を、NN環境(25℃、50%RH)にて、ULTRA HIGH RESISTANCE METER R8340A(株式会社アドバンテスト製)を用いて測定した。なお、このときの印加電圧はDC−100Vであった。結果を表1及び表2に示す。
(試験例4)画像評価
各実施例及び各比較例の導電性ロールを帯電ロールとして、市販のプリンター(MICROLINE9600PS 株式会社沖データ製)に実装し、LL環境(10℃、30質量%RH)、NN環境(25℃、50%RH)、及びHH環境(35℃、85%RH)の下で印刷を行い、その印刷物の画像評価を行った。なお、画像が良好であった場合は○、画像が不良であった場合は×とした。「画像が不良」とは濃度ムラや劣化などが見られる状態を指す。この結果を表1及び表2に示す。
(試験例5)感光体汚染試験
各実施例及び各比較例の導電性ロールを帯電ロールとして、市販のレーザープリンターのトナーカートリッジに組付けて感光体に500gfの押圧力で当接させ、トナーカートリッジごと50℃、90%RHの環境に30日間保持した後、トナーカートリッジ(帯電ロールを含む)をプリンターに組付けて画像を出力した。このときの当接させていた感光体の表面を顕微鏡観察し、汚染のない場合を○、使用に問題がない程度のわずかな汚染がみられた場合を△、汚染がみられた場合を×とした。この結果を表1及び表2に示す。
(試験例6)連続印刷試験
各実施例及び各比較例の導電性ロールを帯電ロールとして市販のレーザープリンターに実装し、HH環境(35℃、85%RH)にて10000枚連続印刷後、帯電ロールの表面のトナー汚れの有無を観察した。なお、汚染のない場合を○、使用に問題がない程度のわずかな汚染がみられた場合を△、汚染がみられた場合を×とした。結果を表1及び表2に示す。
Figure 0005724087
Figure 0005724087
(結果のまとめ)
粒径が5μm以上の粒子を30質量%以上含む無機充填剤を配合した実施例1〜4の導電性ロールは、表面処理層の厚さが300μmであり、充填剤を配合していない比較例1の導電性ロールの2倍程度の厚さの表面処理層が形成されていた。
実施例1〜4の導電性ロールは、表面粗さが9〜15μmであった。また、無機充填剤を配合していない比較例1の導電性ロールは、研磨により表面が鱗状となったため、表面粗さが17μmであった。
実施例1〜4の導電性ロールは、所望の電気抵抗値が得られ、各環境における画像評価は良好であった。すなわち、実施例1〜4の導電性ロールは、環境依存性の低いものであった。また、実施例1〜4の導電性ロールは、感光体汚染試験において汚染が確認されなかった。これに対し、比較例1の導電性ロールでは、表面研磨状態が鱗状に不均一のためか、HH環境において微細横筋が観察され、連続印刷試験でも汚染がみられた。また、表面処理層を形成していない比較例7の導電性ロールは、所望の電気抵抗値が得られたため、初期の印刷物の画像は良好であったが、連続印刷試験では感光体及びロール表面に汚染が確認された。
実施例4の導電性ロールは、連続印刷試験においてわずかに汚染が確認されたが、実施例1〜3の導電性ロールは、連続印刷試験において汚染が確認されなかった。これより、充填剤として炭酸カルシウムを配合することにより、より耐久性に優れたものとなることがわかった。
また、ゴム基材100質量部に対して無機充填剤を10質量部配合した実施例5の導電性ロールでは、比較例1の導電性ロールと表面処理層の厚さは同程度であったが、画像評価は良好であり、感光体の汚染も確認されなかった。また、ゴム基材100質量部に対して無機充填剤を120質量部配合した実施例6の導電性ロールは、実施例2の導電性ロールと比較すると、導電性弾性層の硬度がやや高くなり、表面粗さ及び表面処理層の厚さが減少したが、画像評価は良好であり、感光体の汚染も確認されなかった。
一方、粒径が5μm以上の粒子が2%以下の無機充填剤を配合した比較例2の導電性ロール及び粒径が5μm以上の粒子を含まない無機充填剤を配合した比較例3の導電性ロールは、比較例1の導電性ロールよりも表面処理層の厚さが厚くなっていたが、顕著な差は見られなかった。また、比較例2及び3の導電性ロールは、表面粗さが6〜8μmと小さかった。感光体汚染試験において、比較例2の導電性ロールでは、わずかに汚染が確認され、比較例3の導電性ロールでは、汚染が確認された。粒子が5μm未満の炭酸カルシウムは、比表面積が大きいことによりアルカリ性の性質が顕著になり、エピクロルヒドリンゴムのブリード性を促進し、比較例2及び比較例3の導電性ロールでは含浸層の厚さが不十分であるため、感光体汚染が発生すると考えられる。また、カーボンブラックを配合した比較例4の導電性ロールでは、比較例1の導電性ロールのように鱗状の研磨状態にはならないが、粒子自身が低抵抗のためか、HH環境において微細横筋が観察された。これより、ゴム基材100質量部に対して、粒径が5μm以上の粒子を30質量%以上含む無機充填剤を配合して成形した導電性弾性層の表層部に表面処理層を形成することにより、帯電特性を維持し、耐汚染性に優れた導電性ゴム部材となることがわかった。
所定の無機充填剤を5質量部配合した比較例5の導電性ロールは、無機充填剤の配合量が少ないため所望の効果が得られず、比較例1の導電性ロールと同程度の性能であった。また、所定の無機充填剤を150質量部配合した比較例6の導電性ロールは、帯電性能が低下し、LL環境では印刷物の画像が不良であった。比較例6の導電性ロールは、無機充填剤の配合量が多いため、硬度が高くなり、均一帯電性が得られないためであると考えられる。
以上より、本発明の導電性ゴム部材は、帯電特性を維持し、耐汚染性に優れたものとなることがわかった。
10 導電性ロール
11 芯金
40 電極部材

Claims (5)

  1. ゴム基材100質量部に対して、粒径が5μm以上の粒子を30質量%以上含む無機充填剤を10〜120質量部配合して成形した導電性弾性層を具備し、前記導電性弾性層の表層部は、少なくともイソシアネート化合物及び有機溶媒を含有する表面処理液を含浸させて該イソシアネート化合物を硬化して形成した表面処理層となっており、表面粗さRzが5μm以上であることを特徴とする導電性ゴム部材。
  2. 請求項1に記載の導電性ゴム部材において、前記導電性弾性層は、研磨加工したものであることを特徴とする導電性ゴム部材。
  3. 請求項1又は2に記載の導電性ゴム部材において、前記無機充填剤は、炭酸カルシウム、タルク、シリカ及び亜鉛華から選択される少なくとも一つからなることを特徴とする導電性ゴム部材。
  4. 請求項3に記載の導電性ゴム部材において、前記炭酸カルシウムは重質炭酸カルシウムであることを特徴とする導電性ゴム部材。
  5. 請求項1〜のいずれか一項に記載の導電性ゴム部材からなることを特徴とする帯電ロール。
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