JP6184309B2 - 電子写真用部材、プロセスカ−トリッジおよび電子写真装置 - Google Patents

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Description

本発明は、電子写真用部材、プロセスカ−トリッジおよび電子写真装置に関する。
電子写真方式を採用した電子写真装置は、主に、電子写真感光体、帯電装置、露光装置、現像装置、転写装置および定着装置からなる。帯電装置は、電子写真感光体の表面に接触または近接配置された帯電部材に電圧(直流電圧のみの電圧または直流電圧に交流電圧を重畳した電圧)を印加することによって電子写真感光体の表面を帯電する方式が採用されている。帯電を安定に行う、および、オゾンの発生を低減するという観点から、帯電部材を電子写真感光体の表面に接触させた状態で帯電を行う接触帯電方式が好んで用いられている。接触帯電方式の場合、ローラ形状の帯電部材(以下、「帯電ローラ」と称す)が好んで用いられている。
このように帯電ローラを接触帯電方式で用いる場合に、帯電部材の微小な抵抗値ムラや、トナーおよび外添剤による帯電部材表面の汚染に起因して、横スジ状の帯電ムラ画像が発生しやすいといった課題があった。
そのような課題に対して種々の工夫がされている。その一つの方法として、帯電ローラの樹脂層に樹脂粒子を含有させ、凸部を形成させることによって、帯電を均一化し、横スジ状の帯電ムラ画像を改善する方法が提案されている(特許文献1)。
また、凸部を形成する粒子として、紡錘状または円柱状または針状の絶縁性材料を母粒子として、その表面に金属酸化物が担持された複合粒子を用いる。この方法により、大小織り交ぜた凸形状を構成し、汚れ起因の不良画像や放電不良に起因する不良画像を改善する方法が提案されている(特許文献2)。
特開2003−316112号公報 特開2009−9029号公報
しかしながら、帯電部材を接触帯電方式で用いる場合、上記のように帯電部材表面に凸部を形成すると、帯電部材と電子写真感光体との接触面積が減少する。そのため、電子写真感光体に対する従動回転性が低下する。これに伴い、横スジ状の濃度ムラ(以下「バンディング」とも称す)を有する電子写真画像(以下、「バンディング画像」ともいう)が形成されることがあった。すなわち、電子写真感光体と帯電部材との接触による帯電部材の電子写真感光体の回転に対する追従性が低下することにより、電子写真感光体の表面電位に部分的なムラが生じ、これが、電子写真画像上にバンディングとして現れるものと推定される。
そして、近年の、電子写真画像形成装置のプロセススピードのより一層の高速化への要求に対応するためには、電子写真感光体の回転に対する優れた追従性を有し、バンディング画像をより生じさせにくい帯電部材の開発が必要であるとの認識を本発明者らは得た。
そこで、本発明の目的は、電子写真用部材の電子写真感光体に対する従動回転性を改善し、これにより、バンディングの発生を抑制し、高速・高耐久・高画質の電子写真装置等においても好適に用いることのできる電子写真用部材を提供することにある。
また、本発明の他の目的は、高品位な電子写真画像の形成に資するプロセスカートリッジおよび電子写真装置を提供することにある。
本発明によれば、導電性の基体と表面層とを有する電子写真用部材であって、該表面層は、バインダー樹脂と、炭酸マグネシウムの薄片状の結晶粒子および炭酸カルシウムの薄片状の結晶粒子からなる群から選択される少なくとも1つの結晶粒子の凝集物とを含み、該凝集物の表面には、該結晶粒子によって形成されたカードハウス構造の端面が露出しており、該表面層の表面は、該凝集物に由来する凸部を有し、該凸部の表面は、該凝集物の表面に露出している該カードハウス構造の端面の形状を反映してなる凹凸を有する電子写真用部材が提供される。
また、本発明によれば、上記の電子写真用部材と、電子写真感光体とを有し、電子写真装置の本体に着脱可能に構成されているプロセスカートリッジが提供される。さらに本発明によれば、上記の電子写真用部材と、電子写真感光体とを具備している電子写真装置が提供される。
本発明によれば、電子写真用部材の電子写真感光体に対する従動回転性をより一層向上させることができる。その結果、電子写真感光体と電子写真用部材との相対速度ムラによる帯電ムラに起因するバンディング画像の発生のより一層の抑制を図ることができる。
本発明に係る電子写真用部材(ローラ形状)の断面図である。 本発明に係る電子写真用部材の表面近傍を拡大した部分断面図である。 本発明に係る電子写真用部材の断面図、凸部表面拡大図、および、高さプロファイルの一例を示す図である。 本発明に係る電子写真用部材の表面層に含まれる凝集物の形状の例を示す図である。 本発明に係る電子写真用部材の表面層に含まれる凝集物のカードハウス構造の形状を示す図である。 本発明に係る電子写真用部材の表面の動摩擦係数を測定するための測定装置を示す図である。 本発明に係る電子写真用部材の表面の動摩擦係数を測定することにより得られるチャートの一例を示す図である。 本発明に係る電子写真装置の一例を表す概略断面図である。 本発明に係るプロセスカートリッジの一例を表す概略断面図である。
図1(a)は本発明に係る電子写真用部材の断面図を示しており、電子写真用部材は導電性基体1と、その周面を被覆している表面層2とを有する。そして、表面層2は、バインダー樹脂、凝集物4を含有している。図1(b)に示すように、導電性基体1と表面層2との間に、導電性弾性層3を形成してもよい。
図2に、表面層2の表面近傍を拡大した部分断面図を示す。表面層2の表面には、前記凝集物4に由来する凸部(以下、単に「凸部」と称す)が形成されている。
さらに、図3(a)に本発明に係る電子写真用部材の断面図、図3(b)に図3(a)上の凝集物4により形成される凸部表面の破線で囲った部分の拡大図を示す。なお、図3(b)の凸部表面の破線で囲った部分の拡大図は、斜視図である。図3(b)に示す基準線5は、図3(a)に示す導電性基体1に平行に引いた基準線5のことである。図3(b)において、基準線5上における電子写真用部材表面の水平方向よりも外周の凸部表面を通る波線を、高さプロファイル6として図3(c)に示す。図3に示すように、凸部の表面は、凝集物4の表面に露出しているカードハウス構造の形状を反映してなる凹凸を有する。
凝集物の形状は、図4(a)に示すような球状、図4(b)に示すような柱状、図4(c)に示すような管状等が挙げられる。
カードハウス構造とは、図5(a)から図5(g)に示すように、凝集物4を構成する薄片状の結晶粒子における端面と層面が選択的に接触した構造を示す。このとき、図5(b)に示すように、結晶粒子の端面と層面が結合した結晶粒子形状となっているものが存在してもよい。また、薄片状の結晶粒子は、図5(c)に示すように波打った形状でもよく、図5(d)に示すような端面の厚みが均一でないものであってもよい。
図5(e)に示すように薄片状の結晶粒子の大小関係は特に限定されず、図5(f)に示すように複数の薄片状の結晶粒子が一つの薄片状の結晶粒子に接触していてもよい。図5(g)に示すように、複数の薄片状の結晶粒子が互いに接触し合い閉じた構造を形成していてもよい。ここで、層面とは結晶粒子の中で面積が特に広い向かい合った2つの粒子面を示し、端面とは層面以外の粒子面を示す。
まず、本発明者らは、電子写真用部材と電子写真感光体との接触および回転状態を詳細に観察した。
本発明の電子写真用部材は、電子写真感光体とのニップ内において、電子写真感光体の表面と電子写真用部材の表面の凸部とで接触しており、高い帯電性能を有している。
また、凝集物4に起因する凸部は、凝集物4の表面に露出しているカードハウス構造の形状を反映してなる凹凸を形成している。
つまり、薄片状の結晶粒子によって形成されたカードハウス構造の端面の形状を反映してなる表面層が主に電子写真感光体と接触する。ここで、凝集物4は、結晶粒子同士が完全に結合せず端面と層面で接触した構造となっているため、電子写真感光体との当接にならって結晶粒子の端面と層面が微小にずれる構成となる。そのため、結晶粒子の端面での電子写真感光体との接触が、端面の一部といった点ではなく、端面の形状を反映した線状となる。
さらに、本カードハウス構造により、当接時に結晶粒子の端面と層面の接触部でずれ摩擦が生じる。そして、結晶粒子のずれにより結晶粒子同士が強く接触した状態となると互いに支え合う構造となり、結晶粒子が倒れることなく、結晶粒子端面での線状の接触状態を維持することができる。このように当接時に結晶粒子端面による線状の接触状態を維持することにより、凸部上の接触においても従動回転のための電子写真感光体に対するグリップ性が高められる。そのため、従動回転における電子写真感光体との摩擦性が高まる。
電子写真感光体とのグリップ性が高められると、電子写真用部材の電子写真感光体に対する従動回転性が向上する。したがって、電子写真用部材の電子写真感光体に対する従動回転の安定性を維持することができ、バンディングを抑制することが可能となる。これにより、前記のバンディングに起因した帯電ムラを抑制することができると考察している。
本発明において、表面層2中の凝集物4を以下のように制御することで、効果的に前記摩擦性を高めることが可能となる。
表面層2中の凝集物4の薄片状の結晶粒子の平均粒径は0.1μm以上10μm以下であることが好ましく、0.5μm以上5μm以下であることがより好ましい。
薄片状の結晶粒子の平均厚みは0.005μm以上1μm以下であることが好ましく、0.05μm以上0.8μm以下であることがより好ましい。
表面層中の凝集物の薄片状の結晶粒子の平均厚みに対する平均粒径の比は1.0以上30以下であることが好ましく、2.0以上10以下であることがより好ましい。
「平均粒径」、「平均厚み」および「平均厚みに対する平均粒径の比」のそれぞれを前記のような数値範囲とすることで、電子写真感光体との当接時の薄片状の結晶粒子のずれと端面と層面での摩擦および支え合いが調整され、前記の特性をより効果的に発揮する。ここで、薄片状の結晶粒子の平均粒径とは、薄片状の結晶粒子の層面における高さと幅の平均値である。
表面層2中の凝集物4の平均高さは、1μm以上30μm以下であることが好ましく、5μm以上25μm以下であることがより好ましい。凝集物4の平均高さとは、表面層2中においてある一つの凝集物4が形成する最も高い凸を形成している部分における凝集物4の高さの平均値である。
表面層2中の凝集物4の平均高さに対する平均長さの比であるアスペクト比は1以上30以下であることが好ましく、1.5以上15以下であることがより好ましい。
凝集物4の平均長さとは、ある一つの凝集物4において平均高さに直交する最も長い凝集物4の長さの平均値である。これは、表面層上に凸部を形成し、さらに凸部上での電子写真感光体との接触部において、カードハウス構造を反映した凹凸による接触がより連続したものとなるためである。そのため、前記特性をより効果的に発揮することができる。
電子写真用部材の電子写真感光体に対する従動回転性の指標として、電子写真用部材表面の動摩擦係数μを用いることができる。動摩擦係数μは、0.15以上0.45以下の範囲であることが好ましい。本範囲とすることで、電子写真用部材の電子写真感光体に対する従動回転が安定する。そのため、この電子写真用部材を帯電部材として用いた場合、バンディングを抑制することが可能となる。なお、電子写真用部材表面の動摩擦係数μの測定法については、後に詳述する。
<表面層>
〔バインダー樹脂〕
表面層2に用いるバインダー樹脂としては、公知のバインダー樹脂を採用することができる。例えば、熱硬化性樹脂、熱可塑性樹脂等の樹脂が使用できる。バインダー樹脂としては、フッ素樹脂、ポリアミド樹脂、アクリル樹脂、ポリウレタン樹脂、アクリルウレタン樹脂、シリコーン樹脂、ブチラール樹脂等を例示することができる。これらは、単独で用いてもよいし、2種以上を混合して用いてもよい。また、これら樹脂の単量体を共重合させ、共重合体として用いても良い。
この中でも、ウレタン樹脂、アクリル樹脂、およびポリアミド樹脂からなる群から選択される少なくとも1つの樹脂を用いることが好ましい。これは、電子写真感光体との密着性および摩擦性の制御を、より容易に行うことができるためである。
表面層は、プレポリマー化したバインダー樹脂の原料に架橋剤等を添加し、硬化または架橋することによって形成してもよい。
〔凝集物〕
本発明の表面層2に添加する凝集物4は、炭酸マグネシウムの薄片状の結晶粒子および炭酸カルシウムの薄片状の結晶粒子からなる群から選択される少なくとも1つの結晶粒子の凝集物からなる。炭酸マグネシウムおよび炭酸カルシウムは、それぞれモース硬度が3以上4以下であり、薄片状の結晶粒子を形成することが可能な材料である。結晶粒子をこの硬度範囲とすることで、本発明の電子写真用部材により電子写真感光体や本発明の電子写真用部材に接触する相手を傷つけることを抑制し、また電子写真用部材自体の表面が、摩耗してしまうことを抑制する。
さらに、電子写真用部材と接触する相手との接触と開放の繰り返しにおいても、電子写真用部材と接触している部材を傷つけにくい。さらに、接触している部材との摩擦が高められた状態であっても凝集物自体が摩耗してしまうことがないため、電子写真用部材の耐久性も向上する。凝集物4の表面には、図5に示すような、薄片状の結晶粒子によって形成されたカードハウス構造の端面が露出している。凝集物の形状は、特に限定されず、図4(a)に示すような球状、図4(b)に示すような柱状、図4(c)に示すような管状等といった形状が挙げられる。この中でも、柱状、管状の形状を有することが好ましい。
このような形状とすることで、凸部の電子写真感光体に接触する部分の面積が大きくなり、連続したカードハウス構造が電子写真感光体に接触可能なため、効果的に本発明の効果を発現できる。
さらに、管状の形状とすることがより好ましい。これは、形状を管状とすることにより凝集物の見かけの比重を小さくすることができるため、表面層2中で、凝集物4が表面層2のより表面側に存在しやすくなる。そのため、凸部においてカードハウス構造に由来する凹凸形状が形成されやすくなり、本発明の効果を十分に発揮することが可能となる。
凝集物の市販品の具体例としては、管状の塩基性炭酸マグネシウム(商品名:マグチューブ、日鉄鉱業(株)製)等が挙げられる。
凝集物4は、以下の製法によって作製することができる。
例えば、水酸化マグネシウムと炭酸ガスとの反応を利用したガス法、塩化マグネシウム等の可溶性マグネシウム塩と炭酸ナトリウムとの反応を利用したソーダ灰法、可溶性マグネシウム塩と炭酸アンモニウムとの反応を利用した炭安法などが挙げられる。
これらの製法の中で、製造条件として、反応の温度、pHを調整することにより、カードハウス構造の端面が表面に露出した形状の凝集物を作製することができる。これは、薄片状の結晶粒子が生成される過程において、温度により結晶成長の速度を、pHにより結晶粒子の端面と層面の電荷を制御することにより、結晶粒子の端面同士、あるいは、層面同士が電気的に反発し、層面と端面が接触するように結晶成長する。
このようにして、カードハウス構造の端面が表面に露出した形状の凝集物が作製されるものと推察する。上記のいずれの製法においても、炭酸塩の生成反応は、中間生成物を経て凝集物を作製する方法と、凝集物を直接作製する方法とがある。この中でも、中間生成物を経て凝集物を作製する方法が好ましい。なぜなら、この方法は、中間生成物の表面に薄片状の結晶粒子を形成させるため、薄片状の結晶粒子によるカードハウス構造の端面が凝集物表面に選択的に露出しやすく、上記特性を発揮するために好ましい形状を形成することができるため、である。
球状の凝集物を得たい場合には、高温域で凝集物を生成させる条件を用いるのがよい。柱状の凝集物を得たい場合には、比較的低温域で凝集物を生成させる条件を用いるのがよい。
管状の凝集物4を得るためには、中間生成物を経る三つの工程からなる方法が好ましい。例えば、以下の三つの工程を経た方法が挙げられる。
水酸化物懸濁液に二酸化炭素含有ガスを導入することによって炭酸水素塩溶液を調製する第1工程。該炭酸水素塩溶液のpHを調節して中間生成物を生成させる第2工程。該中間生成物の懸濁液のpHを高め、かつ温度を調節し、その温度を維持することにより炭酸塩を生成させる第3工程である。
第1工程の液温については特に限定されない。ただ、この工程においては、液温を10℃以上35℃以下に保持することが好ましく、10℃以上30℃以下に保持することがより好ましい。この温度範囲とすることにより、安定した炭酸水素塩溶液を調製することができる。
また、第1工程後、未反応の水酸化物やその他の不純分などの不溶解残渣を除去することが好ましい。この作業により、不純分の少ない炭酸水素塩溶液を調製することができ、第3工程において、純度が高くかつ粒子の均一性の高い炭酸塩を得ることができる。
第2工程においては、第1工程で調製した炭酸水素塩溶液を、pH7.5〜11.0に調節して正炭酸塩の粒子を生成させる。この第2工程においても、第1工程の場合と同様に反応の均一性を確保するため反応液の撹拌を行うことが好ましい。
この第2工程においては、第1工程において中性域に移行したpHをアルカリ性まで高めることが必要である。そのために第1工程で調製した炭酸水素塩溶液に、適当量の塩基性物質を添加することによってpH調節する。ここで使用する塩基性物質としては、特に限定はなく、例えば、水酸化ナトリウム、水酸化カリウム、アンモニア水等を挙げることができる。この範囲とすることで、第3工程において安定して炭酸塩の凝集物が得られる。
また、第2工程の液温については、20〜55℃にすることが好ましく、30〜55℃にすることがより好ましい。この範囲とすることで、均一な形状の中間生成物を作製できる。
第2工程では、pHおよび温度を調節して、中間生成物の生成が終了するまで反応を継続させ、中間生成物を生成させる。中間生成物の形状としては、短径が0.5〜10μm、長径が5〜500μmのものが好ましい。この範囲とすることで、後の第3工程において、安定して凝集物が得られる。
本発明で使用される凝集物は、第2工程で生成する中間生成物の表面に炭酸塩の薄片状の結晶粒子が析出することによって、凝集物の粒子形状が形成されるものと推察される。また、第3工程で製造される凝集物の形状、特に短径と長径は、第2工程で生成させる中間生成物の短径と長径に影響されており、目的とする凝集物の形状に応じて、第2工程で生成させる中間生成物の短径と長径を調節することが好ましい。中間生成物の形状を調節するには、第2工程において、pHおよび温度を適切に制御することにより行う。
例えば、第2工程におけるpHについては、前記した範囲内で、より高いpHとすることにより、径の小さな中間生成物を得ることができ、逆により低いpHとすることにより、径の大きな中間生成物を得ることができる。また、第2工程における温度に関しては、前記した範囲内で、より高い温度とすることにより、径の小さな中間生成物を得ることができ、逆により低い温度とすることにより、径の大きな中間生成物を得ることができる。また、生成させた中間生成物を、一旦濾別、洗浄することが好ましい。この作業により、第2工程で添加した塩基性物質を除去することができ、含有される不純分を低減できるため好ましい。
最後の第3工程においては、第2工程で得られた中間生成物の懸濁液をpH9.0〜12.0、温度30〜75℃とすることによって炭酸塩を生成させる。また、第3工程においても、第1工程および第2工程の場合と同様に、反応の均一性を確保するため反応液の撹拌を行うことが好ましい。
第3工程で炭酸塩を生成させる際の温度については、30〜75℃であることが好ましい。この範囲とすることで、安定して凝集物を作製できる。
第3工程におけるpHについては、9.0〜12.0に調整することが好ましい。この範囲とすることで凝集物の均一性を保つことができる。さらに、第3工程におけるpHは、第2工程において中間生成物を生成させる際のpHよりも高くすることが好ましい。そのように調整することにより、均一性の高い炭酸塩の凝集物を、より効率よく作製することが可能となる。
この範囲にpHを調節するためには、第3工程において酸性物質または塩基性物質を添加し調節すればよい。例えば、酸性物質としては塩酸、硫酸、硝酸、酢酸等が、塩基性物質としては水酸化ナトリウム、水酸化カリウム、アンモニア水等を挙げることができる。
また、第3工程における温度およびpHは、第2工程で生成させた中間生成物の形状、特に短径と長径に応じて調節することが好ましい。具体的には、中間生成物の短径が小さい場合、第3工程でのpHおよび温度は低い方が好ましく、逆に中間生成物の短径が大きい場合、第3工程でのpHおよび温度は高い方が好ましい。このように調整することで、より均一な形状の炭酸塩の凝集物を得ることができる。
このようにして製造された凝集物は、脱水工程やアルコール等の有機溶媒による洗浄工程、乾燥工程を経ることによって乾燥粉とすることができる。
得られた凝集物は1種を使用しても、2種以上を組み合わせて用いてもよい。また、表面処理、変性、官能基や分子鎖の導入、コーティング等を施してもよい。例えば、脂肪酸塩や樹脂酸塩カップリング剤といった界面活性剤等の有機系表面処理剤、あるいはリン酸塩や硫酸塩といった無機系表面処理剤による処理が挙げられる。
また、凝集物4の内部に、1種または2種以上の微粒子が固定されていてもよい。つまり、微粒子の周囲を被覆するように薄片状の結晶粒子を凝集させた状態である。内部に固定化する微粒子としては、以下のものを例示することができる。例えば、酸化物粒子や水酸化物粒子、炭酸塩粒子、ハロゲン化物粒子、硫化物粒子、複酸化物粒子、金属粒子、鉱物粒子、エマルション粒子等である。微粒子の形状については、特に限定されず、粉末状態であっても、懸濁液の状態であってもよい。
超音波照射処理、せん断応力等による物理的分散処理あるいは分散剤の使用等により、分散処理を施すことで、凝集体の内部に含まれる微粒子が十分に分散した状態で薄片状の結晶粒子を被覆することができる。微粒子は、前記の凝集物の作製方法において炭酸塩の生成が完了する以前に添加すればよい。中でも、前記凝集物作製過程の中間生成物の析出が完了した後であることが好ましい。
〔導電性微粒子〕
本発明の表面層は、導電性を発現するため、公知の導電性微粒子を含有してもよい。導電性微粒子としては以下のものを例示することができる。アルミニウム、パラジウム、鉄、銅、銀などの金属系の微粒子や繊維。酸化チタン、酸化錫、酸化亜鉛などの金属酸化物。前記の金属系微粒子、繊維および金属酸化物の表面を、電解処理、スプレー塗工、混合振盪により表面処理した複合粒子。カーボンブラック、および、カーボン系微粒子。
また、これらの導電性微粒子は、単独で、あるいは2種以上組み合わせて用いることができる。導電性微粒子は、体積平均粒径が0.01μm以上0.9μm以下であることが好ましく、0.01μm以上0.5μm以下であることがより好ましい。この範囲であれば、表面層の体積抵抗率の制御が容易になる。
また、表面層に添加する導電剤の添加量は、バインダー樹脂100質量部に対して2質量部以上200質量部以下であることが好ましく、5質量部以上100質量部以下であることがより好ましい。
導電性微粒子は、その表面を表面処理してもよい。表面処理剤としては、以下のものを例示することができる。アルコキシシラン、フルオロアルキルシラン、ポリシロキサン等といった有機ケイ素化合物。シラン系、チタネート系、アルミネート系およびジルコネート系の各種カップリング剤。オリゴマーまたは高分子化合物。これらは一種で使用しても、二種以上を用いても良い。
<表面層の形成方法>
表面層を形成する方法として、静電スプレー塗布やディッピング塗布やリング塗布等の塗布法により塗料を塗工し、塗膜を形成する方法が挙げられる。
これらの塗布法を使用する際に、バインダー樹脂に、導電性微粒子および凝集物等を分散した導電性樹脂組成物の塗布液を作製し、塗布を行う。塗布液の粘度を調整するため、さらに、溶剤を使用してもよい。溶剤としては、バインダー樹脂を溶解することができる溶剤であればよい。
具体的には、メタノール、エタノール、イソプロパノール等といったアルコール類。アセトン、メチルエチルケトン、シクロヘキサノン等といったケトン類。N,N−ジメチルホルムアミド、N,N−ジメチルアセトアミド等といったアミド類。ジメチルスルホキシド等といったスルホキシド類。テトラヒドロフラン、ジオキサン、エチレングリコールモノメチルエーテル等といったエーテル類。酢酸メチル、酢酸エチル等といったエステル類。キシレン、クロロベンゼン、ジクロロベンゼン等といった芳香族化合物。リグロインといった石油エーテル等を挙げることができる。
塗布液に、バインダー樹脂、導電剤および凝集物等を分散する方法としては、ボールミル、サンドミル、ペイントシェーカー、ダイノミル、パールミル等の公知の溶液分散手段を用いることができる。
表面層の形成方法における、具体的な一例を以下に示す。
まず、バインダー樹脂に凝集物以外の分散成分、例えば導電性微粒子等を、直径0.8mmのガラスビーズとともに混合し、ペイントシェーカー分散機を用いて分散する。次いで、ガラスビーズを除去し、凝集物を添加して同様に分散する。分散時間としては2分以上、30分以内が好ましい。
次いで、ディッピング塗布等の方法により導電性基体等の上に、塗膜を形成する。この塗膜を、温度20〜50℃、特には温度30〜50℃で乾燥させる。この後、硬化、または、架橋等の処理を行ってもよい。なお、塗布液に、バインダー樹脂、導電性微粒子、凝集物等を分散する方法としては、前記の分散手段を用いることができる。
表面層は、凝集物に由来する凸部を形成した表面とすることが必要であるため、薄いことが好ましい。具体的には、表面層の凝集物を含まない平坦部における膜厚が、50μm以下であることが好ましく、30μm以下であることがさらに好ましい。したがって、表面層の膜厚およびバインダー樹脂と凝集物の密着性の観点から溶剤を用いた塗料による塗布法によって塗工し、表面層を形成することが好ましい。なお、各層の膜厚は、帯電部材の断面を鋭利な刃物で切り出して光学顕微鏡や電子顕微鏡で観察して測定することができる。
凝集物4は、表面層に被覆されていても、表面層から露出していてもよい。
また、表面層における、凝集物の含有量は、バインダー樹脂100質量部に対して、2質量部以上、200質量部以下であることが好ましく、15質量部以上、100質量部以下であることがさらに好ましい。本範囲とすることで、凝集物による凸部を、より容易に形成することが可能になる。
前記凸部の形成により、表面層の表面状態は、下記のように制御されていることが好ましい。十点平均表面粗さRzは、2μm以上50μm以下であることが好ましく、3μm以上40μm以下であることがより好ましい。本範囲とすることで、帯電性能を高め、帯電均一化する効果を十分発揮することができる。さらに、カードハウス構造を反映した凹凸の平均凹凸間隔は、0.1μm以上10μm以下であることが好ましく、0.15μm以上2μm以下であることがより好ましい。
上記範囲とすることで、カードハウス構造を反映した凹凸が、高い密度で電子写真感光体と接触することが可能となる。そのため、カードハウス構造を反映した凹凸の当接時におけるグリップ性がより高まり、本発明の特性を効果的に発揮することができる。
なお、表面層の十点平均表面粗さRzおよびカードハウス構造を反映した凹凸の平均凹凸間隔の測定については、後に詳述する。
表面層は、表面処理が施されていてもよい。表面処理としては、紫外線(UV)や電子線(EB)等を用いた表面加工処理や、化合物を表面に付着および/または含浸させる表面改質処理を挙げることができる。
〔表面層中のその他の成分〕
本発明の表面層は、上記の導電性微粒子に加え、イオン導電剤や絶縁性粒子を含有してもよい。
イオン導電剤としては以下のものを例示することができる。
過塩素酸リチウム、過塩素酸ナトリウム、過塩素酸カルシウムといった無機イオン物質。ラウリルトリメチルアンモニウムクロライド、ステアリルトリメチルアンモニウムクロライド、オクタデシルトリメチルアンモニウムクロライド、ドデシルトリメチルアンモニウムクロライド、ヘキサデシルトリメチルアンモニウムクロライド、トリオクチルプロピルアンモニウムブロミド、変性脂肪族ジメチルエチルアンモニウムエトサルフェートといった陽イオン性界面活性剤。ラウリルベタイン、ステアリルベタイン、ジメチルアルキルラウリルベタインといった両性イオン界面活性剤。過塩素酸テトラエチルアンモニウム、過塩素酸テトラブチルアンモニウム、過塩素酸トリメチルオクタデシルアンモニウムといった第四級アンモニウム塩。トリフルオロメタンスルホン酸リチウム等といった有機酸リチウム塩。
これらを単独または2種類以上組み合わせて用いることができる。
絶縁性粒子としては、以下のものを例示することができる。
酸化亜鉛、酸化錫、酸化インジウム、酸化チタン(二酸化チタン、一酸化チタン等)、酸化鉄、シリカ、アルミナ、酸化マグネシウム、酸化ジルコニウム、チタン酸ストロンチウム、チタン酸カルシウム、チタン酸マグネシウム、チタン酸バリウム、ジルコン酸カルシウム、硫酸バリウム、二硫化モリブデン、炭酸カルシウム、炭酸マグネシウム、ドロマイト、タルク、カオリンクレー、マイカ、水酸化アルミニウム、水酸化マグネシウム、ゼオライト、ウオラストナイト、けいそう土、ガラスビーズ、ベントナイト、モンモリロナイト、中空ガラス球、有機金属化合物および有機金属塩の粒子等。フェライト、マグネタイト、ヘマタイトといった酸化鉄類や活性炭。高分子化合物からなる粒子が挙げられる。
また、表面層には、さらに、離型性を向上させるために、離型剤を含有させても良い。表面層に離型剤を含有させることで、帯電部材の表面に汚れが付着することを防ぎ、帯電部材の耐久性を向上させることができる。離型剤が液体の場合は、表面層を形成する際にレベリング剤としても作用する。
<導電性基体>
導電性基体は、導電性を有し、その上に設けられる表面層等を支持する機能を有するものである。材質としては、例えば、鉄、銅、ステンレス、アルミニウム、ニッケルなどの金属やその合金を挙げることができる。また、これらの表面に耐傷性付与を目的として、導電性を損なわない範囲で、メッキ処理を施してもよい。さらに、導電性基体として、樹脂製の基材の表面を金属で被覆して表面導電性としたものや導電性樹脂組成物から製造されたものも使用可能である。
導電性基体上には、その直上の層と、接着剤を介して接着してもよい。この場合、接着剤は導電性であることが好ましい。導電性とするため、接着剤には公知の導電剤を有することができる。
接着剤のバインダー樹脂としては、熱硬化性樹脂や熱可塑性樹脂が挙げられるが、ウレタン系、アクリル系、ポリエステル系、ポリエーテル系、エポキシ系の公知のものを用いることができる。
接着剤に導電性を付与するための導電剤としては、前記導電性微粒子、イオン導電剤から適宜選択し、単独でまたは2種類以上組み合わせて用いることができる。
<導電性弾性層>
導電性基体と表面層との間に、導電性弾性層を形成してもよい。導電性弾性層に使用するバインダー樹脂としては、公知の樹脂またはゴムを使用することができる。例えば、樹脂、天然ゴムやこれを加硫処理したもの、合成ゴム等を挙げることができる。樹脂としては、熱硬化性樹脂、熱可塑性樹脂等の樹脂が使用できる。
中でも、フッ素樹脂、ポリアミド樹脂、アクリル樹脂、ポリウレタン樹脂、シリコーン樹脂、ブチラール樹脂等が挙げられる。合成ゴムとしては、エチレン−プロピレン−ジエンゴム(EPDM)、スチレン−ブタジエンゴム(SBR)、シリコーンゴム、ウレタンゴム、イソプレンゴム(IR)、ブチルゴム、アクリロニトリル−ブタジエンゴム(NBR)、クロロプレンゴム(CR)、アクリルゴムおよびエピクロルヒドリンゴム等が挙げられる。あるいはスチレン−ブタジエン−スチレンブロックコポリマー(SBS)、スチレン−エチレン−ブチレン−スチレンブロックコポリマー(SEBS)等の熱可塑性エラストマーが挙げられる。
これらは、単独で用いてもよいし、2種以上を混合して用いてもよい。
この中でも、抵抗調整が容易であるため、極性ゴムを用いるのがより好ましい。中でも、エピクロルヒドリンゴムおよびNBRを挙げることができる。これらは、導電性弾性層の抵抗制御および硬度制御をより行いやすいという利点がある。
導電性弾性層は、その体積抵抗率が、温度23℃、相対湿度50%の環境下で、10Ω・cm以上1010Ω・cm以下であることが好ましい。
導電性弾性層の体積抵抗率は、バインダー樹脂中に、カーボンブラック、導電性金属酸化物、アルカリ金属塩、アンモニウム塩等の導電剤を適宜添加して、調整することができる。バインダー樹脂が極性ゴムである場合は、特に、アンモニウム塩を用いることが好ましい。また、導電性弾性層には、導電性微粒子の他に硬度等を調整するために、軟化油、可塑剤等の添加剤や、上述の絶縁性粒子を含有させてもよい。導電性弾性層は、導電性基体、表面層等に接着剤により接着して設けることもできる。接着剤としては導電性のものを用いることが好ましい。
<帯電部材>
本発明に係る電子写真用部材は、上記導電性基体と表面層を有するものであればよく、その形状も、ローラ状、ベルト状等いずれであってもよい。以下において、電子写真用部材の一例としての、帯電ローラの如き帯電部材を使用して詳細に説明する。
以下に、具体的な実施例を挙げて本発明をさらに詳細に説明するが、本発明は、以下の実施例により限定されるものではない。まず、本発明における評価方法を下記に記載する。
[1.表面層中の凝集物を形成する薄片状の結晶粒子の平均粒径、平均厚み、平均厚みに対する平均粒径の比の測定]
凝集物を形成する薄片状の結晶粒子の平均粒径、平均厚みは、表面層の断面写真から算出した。表面層上の任意の凸部を、カーボン系樹脂により包埋した後、20nmずつ集束イオンビーム(商品名:FB−2000C、(株)日立製作所製)にて切り出し、電子顕微鏡によりその断面画像を撮影する。そして同じ凝集物を撮影した画像を、20nm間隔で組み合わせ、立体的な凝集物形状を算出する。
算出した立体的な凝集物形状において、任意の薄片状の結晶粒子について、その結晶粒子の向かい合う端面と端面の間の距離の最も長い部分の長さと、最も短い部分の長さの平均を結晶粒子の径とし、端面の幅を厚みとした。
例えば、図5(g)の例では、「その結晶粒子の向かい合う端面と端面の間の距離の最も長い部分の長さ」はg1となり、「その結晶粒子の向かい合う端面と端面の間の距離の最も短い部分の長さ」はg2となる。また、「最も長い部分の長さと最も短い部分の長さの平均」は(g1+g2)/2となり、「端面の幅」はg3となる。
この「向かい合う端面と端面の間の距離の、最も長い部分の長さと最も短い部分の長さの平均を、結晶粒子の径」とし、「端面の幅を、結晶粒子の厚み」とする作業を、一つの凝集物中の10個の薄片状の結晶粒子について行う。さらに、表面に凸部を形成している任意の9個の凝集物について行い、得られた計100個((10個の凝集物)x(10個の薄片状の結晶粒子))の平均値を「結晶粒子の径」および「結晶粒子の厚み」のそれぞれについて算出した。これを表面層中の凝集物を形成する薄片状の結晶粒子の平均粒径、平均厚みとした。算出した平均厚みに対する平均粒径の割合を比として算出した。
[2.表面層中の凝集物の形状、平均長さ、平均高さ、平均内径、アスペクト比の測定]
表面層中の凝集物を形成する薄片状の結晶粒子の平均粒径、平均厚みの測定と同様にして、立体的な凝集物形状を算出する。算出した立体的な凝集物形状において、凸を形成している最も高い部分における凝集物4の高さと、その高さを形成する線に直交する最も長い凝集物4の長さを求めた。凝集物の形状が管状のものは、高さ測定位置における空洞部の径を内径とした。
この作業を、表面に凸部を形成している任意の100個の凝集物について行い、それぞれの平均値を算出して凝集物の平均高さ、平均長さ、平均内径とした。算出した平均高さに対する平均長さの割合をアスペクト比とした。
[3.表面層の凸部を形成する凝集物の表面のカードハウス構造における平均凹凸間隔の測定]
表面層の任意の凸部を、カーボン系樹脂により包埋した後、凝集物の長径方向に集束イオンビーム(商品名:FB−2000C、(株)日立製作所製)にて切り出し、その断面画像を電子顕微鏡により撮影する。この断面画像から凸部表面の凹凸形状を読み取る。読み取った凹凸形状において、外周に存在する任意のカードハウス構造に由来する凸から、その凸に隣り合う凸までの距離(図3(c)に例示する凹凸間隔S)を求める。これらの作業を一つの凸部断面画像において10か所について行う。
そして、同様の測定を表面に凸部を形成している任意の凝集物10個について行い、得られた計100個の平均値を算出し、この値をカードハウス構造における平均凹凸間隔(以下「カードハウス構造凹凸間隔」と称す)とする。
[4.電子写真用部材の表面粗さRzの測定]
JIS B 0601−1994表面粗さの規格に準じて測定し、表面粗さ測定器(商品名:SE−3500、(株)小坂研究所製)を用いて行う。Rzは、電子写真用部材を無作為に6箇所測定し、その平均値である。なお、カットオフ値0.8mmであり、評価長さは8mmである。
[5.電子写真用部材表面の動摩擦係数μの測定]
図6に電子写真用部材の表面の動摩擦係数μの測定法を示す。ベルト8(厚さ100μm、幅30mm、長さ180mm、ポリエチレンテレフタレート製(商品名:ルミラーS10 #100、東レ(株)製))の一端に重り9を繋ぐ。ベルト8の他端に記録計11を接続した荷重計10を繋ぐ。このベルト8を電子写真用部材7に対して所定の角度θで接触させる。この状態で、電子写真用部材7を所定の方向および所定の速度で回転させたときの荷重計10で測定された力をF、重りの重さとベルトの重さとの和をWとする。この結果から摩擦係数は以下の式で求められる。
摩擦係数=(1/θ)ln(F/W)
この測定方法により得られるチャートの一例を図7に示す。
電子写真用部材7を回転開始させる直前の値(図7に示す縦軸(荷重)の値)が回転を開始するために必要な力であり、それ以降の値が回転を継続するために必要な力である。回転開始点(t=0)の直前の摩擦係数が静摩擦係数であり、t>0の任意の時間における摩擦係数が任意の時間における動摩擦係数である。回転開始点から10秒後に得られる摩擦係数をもって、電子写真用部材表面の動摩擦係数μとした。なお、Wを100g重とし、電子写真用部材の回転速度を115rpmとし、測定環境を温度23℃/湿度53%RHとした。
<製造例>
以下製造例1〜94について説明するが、製造例の内訳は次のとおりである。
製造例1〜42は凝集物の製造例である。製造例43〜45は、未加硫ゴム組成物R−1〜R−3の製造例である。製造例46は複合導電性微粒子の製造例である。製造例47は表面処理酸化チタン粒子の製造例である。製造例48〜94は、表面層用塗布液の製造例である。
<製造例1>〔凝集物a−1の作製〕
第1工程として、水酸化マグネシウムの懸濁液(30g/L)2.0Lに、その温度を20℃に保持して撹拌しながら、二酸化炭素25体積%と空気75体積%とからなる二酸化炭素含有ガスを8.0L/分の速度で30分間導入した。その後、不溶解残渣を除去して、炭酸水素マグネシウム溶液(pH7.3)を調製した。
この工程に続いて、第2工程として、炭酸水素マグネシウム溶液のpHを7.7に調節するとともに、加熱して液温を55.0℃にまで上昇させた。温度を保持しながら60分間撹拌して、中間生成物である正炭酸マグネシウムa´−1の懸濁液を調製した。調製した正炭酸マグネシウムa´−1を走査型電子顕微鏡(SEM)により観察したところ、平均短径が18.0μm、平均長径が42.3μmの柱状粒子であることが確認された。
引き続き、第3工程として、正炭酸マグネシウムの柱状粒子の懸濁液に、適量の水酸化ナトリウム水溶液を添加して液のpHを10.2に調節するとともに、加熱して液温を59.0℃にまで上昇させた。その後も同温度に保持しながら120分間撹拌して、炭酸マグネシウムの薄片状の結晶粒子からなる凝集物a−1の懸濁液を得た。
この凝集物をSEMにて観察したところ、平均厚み0.5μm、平均粒径1.3μmの薄片状の結晶粒子からなる、平均短径20.0μm、平均内径10.0μm、平均長径42.0μm、アスペクト比2.1の管状の凝集物であることが確認された。ここで、短径とは、凝集物における最も短い粒子径を示し、長径とは、最も長い粒子径を示す。ただし、凝集物の形状が管状体である場合は、空洞部が伸びる方向の最も長い粒子径を長径とし、長径中央における凝集物の径を短径とする。
<製造例2〜37>〔凝集物a−2〜a−37の作製〕
各製造例の凝集物の作製において、第2工程におけるpHおよび温度、第2工程で生成した中間生成物である正炭酸マグネシウムa´−1〜a´−37の平均短径、平均長径およびそのアスペクト比を表1に記載した。第3工程におけるpHおよび温度、生成した凝集物a−1〜a−37における炭酸マグネシウムの薄片状の結晶粒子の平均粒径および平均厚み、凝集物の平均短径、平均長径、平均内径およびそのアスペクト比を表2に記載した。表1、2に記載した項目以外は、製造例1と同様の方法により凝集物a−2〜a−37を作製した。
なお、作製された凝集物a−2〜a−37の形状はいずれも管状であった。
Figure 0006184309
<製造例38>〔凝集物a−38の作製〕
60℃に調節した水酸化マグネシウム懸濁液(30g/L)2.0Lに、温度を63℃に保持して撹拌しながら、炭酸ガスを1.5L/分の速度で240分間導入し、炭酸マグネシウムを生成させた。得られた生成物を、イオン交換水およびエタノールにて洗浄、乾燥させた。その後、SEMにて観察したところ、平均厚みが0.5μm、平均粒径1.0μmの薄片状の結晶粒子からなる凝集物で、平均粒径が20.0μmの球状の炭酸マグネシウムの凝集物であることが確認された。
<製造例39>〔凝集物a−39の作製〕
60℃に調節した水酸化カルシウム懸濁液(30g/L)2.0Lに、温度を63℃に保持して撹拌しながら、炭酸ガスを1.5L/分の速度で240分間導入し、炭酸カルシウムを生成させた。得られた生成物を、イオン交換水およびエタノールにて洗浄、乾燥させた。その後、SEMにて観察したところ、平均厚みが0.5μm、平均粒径1.0μmの薄片状の結晶粒子からなる凝集物で、平均粒径が20.0μmの球状の炭酸カルシウム凝集物であることが確認された。
<製造例40>〔凝集物a−40の作製〕
第1工程として、30℃に調節した炭酸ナトリウム水溶液(55g/L)2.0Lに、温度を30℃に保持しながら塩化マグネシウム6水塩水溶液(410g/L)0.45Lを徐々に添加し90分間撹拌して、中間生成物である正炭酸マグネシウムを得た。この正炭酸マグネシウムをSEMにて観察したところ、平均短径が6μm、平均長径が60μmの柱状粒子であることが確認された。この正炭酸マグネシウムの懸濁液を濾過し、固形分をイオン交換水にて洗浄した後、再び2.0Lのイオン交換水中に分散させて、反応副生物である塩化ナトリウムを除去した正炭酸マグネシウムの懸濁液を調製した。
続いて、第2工程として第1工程で得られた正炭酸マグネシウムの柱状粒子の懸濁液(pH9.0)を加熱して、温度を60℃に保持しながら120分間撹拌して、炭酸マグネシウムを生成させた。得られた生成物を、乾燥させた後、SEMにて観察したところ、平均厚みが0.5μm、平均長径が1.0μmの薄片状の結晶粒子からなり、平均短径が20.0μm、平均長径が40.0μmの柱状の炭酸マグネシウム凝集物であることが確認された。
<製造例41>〔凝集物a−41の作製〕
第2工程として、酸化チタン(商品名:CR−63、石原産業(株)製)12gを240mLのイオン交換水に超音波分散させた懸濁液を、第1工程で作製した炭酸水素マグネシウム溶液に添加した以外は、製造例1と同様にして凝集物を作製した。この凝集物をSEMにて観察したところ、平均厚み0.49μm、平均粒径1.2μmの薄片状の結晶粒子を有し、平均短径22.0μm、平均内径9.0μm、平均長径40.0μmの管状の凝集物であることが確認された。また、この凝集物を透過型電子顕微鏡(TEM)にて観察したところ、凝集物の内部には、粒子径0.2μmの酸化チタン粒子が固定、複合化されていることが確認された。
<製造例42>〔凝集物a−42の作製〕
第3工程において、反応時間を70分間に変更した以外は製造例1と同様にして凝集物a−42を得た。この凝集物をSEMにて観察したところ、平均厚み0.5μm、平均粒径1.3μmの薄片状の結晶粒子からなる、平均短径19.0μm、平均内径9.0μm、平均長径41.0μmの管状の凝集物であることが確認された。
Figure 0006184309
<製造例43>〔エピクロルヒドリンゴムを用いた未加硫ゴム組成物R−1の作製〕
エピクロルヒドリンゴム(エチレンオキサイド(EO)−エピクロルヒドリン(EP)−アリルグリシジルエーテル(AGE)三元共重合体、EO/EP/AGE=73モル%/23モル%/4モル%)100質量部に対して、下記の7成分を加えて、温度50℃に調節した密閉型ミキサーにて10分間混練した。
Figure 0006184309
次いで、上記混合物に対して、下記表4の3成分を添加した。
Figure 0006184309
これを、温度20℃に冷却した二本ロール機にて10分間混練して、未加硫ゴム組成物R−1を作製した。
<製造例44>〔アクリロニトリルブタジエンゴムを用いた未加硫ゴム組成物R−2の作製〕
アクリロニトリルブタジエンゴム(NBR)(商品名:N230SV、JSR(株)製)100質量部に対し下記表5の4成分を加えて、温度50℃に調節した密閉型ミキサーにて15分間混練した。
Figure 0006184309
次いで、上記混合物に対して、下記表6の2成分を添加した。
Figure 0006184309
これらを、温度25℃に冷却した二本ロール機にて10分間混練し、未加硫ゴム組成物R−2を作製した。
<製造例45>〔スチレンブタジエンゴムを用いた未加硫ゴム組成物R−3の作製〕
スチレンブタジエンゴム(SBR)(商品名:SBR1500、JSR(株)製)100質量部に対し下記表7の6成分を加えて、温度80℃に調節した密閉型ミキサーにて15分間混練した。
Figure 0006184309
次いで、上記混合物に対して、加硫剤として硫黄1質量部、加硫促進剤としてジベンゾチアジルジスルフィド(商品名:ノクセラーDM、大内新興化学工業(株)製)1質量部、テトラメチルチウラムモノスルフィド(商品名:ノクセラーTS、大内新興化学工業(株)製)1質量部を添加した。そして、温度25℃に冷却した二本ロール機にて10分間混練し、未加硫ゴム組成物R−3を得た。
<製造例46>〔複合導電性微粒子の作製〕
シリカ粒子(平均粒子径15nm、体積抵抗率1.8×1012Ω・cm)7.0kgに、メチルハイドロジェンポリシロキサン140gを、エッジランナーを稼動させながら添加し、588N/cm(60kg/cm)の線荷重で30分間混合攪拌を行った。このときの攪拌速度は22rpmであった。その中に、カーボンブラック(商品名:#52、三菱化学(株)製)7.0kgを、エッジランナーを稼動させながら10分間かけて添加し、さらに588N/cm(60kg/cm)の線荷重で60分間混合攪拌を行った。
このようにしてメチルハイドロジェンポリシロキサンで被覆したシリカ粒子の表面にカーボンブラックを付着させた後、乾燥機を用いて温度80℃で60分間乾燥を行い、複合導電性微粒子を作製した。このときの攪拌速度は22rpmであった。なお、得られた複合導電性微粒子は、平均粒径が15nmであり、体積抵抗率は1.1×10Ω・cmであった。
<製造例47>〔表面処理酸化チタン粒子の作製〕
針状ルチル型酸化チタン粒子(平均粒径15nm、縦:横=3:1、体積抵抗率2.3×1010Ω・cm)1000gに、表面処理剤としてイソブチルトリメトキシシラン110gおよび溶媒としてトルエン3000gを配合してスラリーを調製した。このスラリーを、攪拌機で30分間混合した後、有効内容積の80体積%が平均粒子径0.8mmのガラスビーズで充填されたビスコミルに供給し、温度35±5℃で湿式解砕処理を行った。
湿式解砕処理して得たスラリーを、ニーダーを用いて減圧蒸留(バス温度:110℃、製品温度:30〜60℃、減圧度:約100Torr)によりトルエンを除去し、温度120℃で2時間、表面処理剤の焼付け処理を行った。焼付け処理した粒子を室温まで冷却した後、ピンミルを用いて粉砕して、表面処理酸化チタン粒子を作製した。
<製造例48>〔表面層用塗布液A−1の作製〕
カプロラクトン変性アクリルポリオール溶液(商品名:プラクセルDC2016、ダイセル化学工業(株)製)にメチルイソブチルケトンを加え、固形分が4質量%となるように調製した。この溶液(アクリルポリオール固形分100質量部)に対して、下記表8の4成分を加え、混合溶液を調製した。
Figure 0006184309
このとき、ブロックイソシアネート混合物は、イソシアネート量としては「NCO/OH=1.0」となる量であった。
(*1)変性ジメチルシリコーンオイル(商品名:SH28PA、東レ・ダウコーニングシリコーン(株)製)、
(*2)ヘキサメチレンジイソシアネート(HDI)とイソホロンジイソシアネート(IPDI)の各ブタノンオキシムブロック体の7:3混合物。
内容積450mLのガラス瓶に上記混合溶液200gを、メディアとしての平均粒径0.8mmのガラスビーズ200gと共に入れ、ペイントシェーカー分散機を用いて24時間分散し、表面層用前分散液Aを作製した。その後、ガラスビーズを除去して、表面層用前分散液A中の、アクリルポリオール固形分100質量部に対して、凝集物a−1を20質量部加え、5分間分散し、表面層用塗布液A−1を作製した。
<製造例49〜90>〔表面層用塗布液A−2〜A−43の作製〕
凝集物の種類と添加部数を表14に示す条件に変更した以外は、製造例48と同様にして、表面層用塗布液A−2〜A−43を作製した。
<製造例91>〔表面層用塗布液B−1の作製〕
N−メトキシメチル化ナイロン100質量部に対して、下記表9の4成分を加え、混合溶液を調製した。
Figure 0006184309
上記混合溶液を、製造例35と同様にしてペイントシェーカー分散機を用いて24時間分散し、表面層用前分散液Bを作製した。その後、表面層用前分散液B中の、N−メトキシメチル化ナイロン100質量部に対して、凝集物a−2を20質量部加え、5分間分散し、表面層用塗布液B−1を得た。
<製造例92〜93>〔表面層用塗布液B−2〜B−3の作製〕
凝集物の種類と添加部数を表14に示す条件に変更した以外は、製造例91と同様にして、表面層用塗布液B−2〜B−3を作製した。
<製造例94>〔表面層用塗布液C−1の作製〕
アクリル樹脂(商品名:SP−1350、東亞合成(株)製)100質量部に対して、下記表10の2成分を加え、混合溶液を調製した。
Figure 0006184309
上記混合溶液を、製造例35と同様にしてペイントシェーカー分散機を用いて7時間分散し、表面層用前分散液Cを作製した。その後、表面層用前分散液C中の、アクリル樹脂100質量部に対して、凝集物a−2を20質量部加え、5分間分散し、表面層用塗布液C−1を得た。
〔実施例1〕
〔導電性基体〕
直径6mm、長さ252.5mmのステンレス製基体に、カーボンブラックを10質量%含有させた熱硬化性接着剤を塗布し、乾燥したものを導電性基体として使用した。
〔導電性弾性層〕
クロスヘッドを具備する押出成形装置を用いて、導電性基体を中心軸として、同軸上に円筒状に、製造例42で作製した未加硫ゴム組成物R−1を被覆して、外径が10.0mmである予備成形体を得た。
この予備成形体を熱風炉にて温度160℃で1時間加熱、加硫して、導電性基体の外周に導電性弾性層を形成した。この導電性被覆層の端部を除去して、長さが224.2mmの導電性弾性層を有するローラを得た。
次いで、この導電性弾性層の外周面を、プランジカット式の円筒研磨機を用いて研磨した。この作業により、外径が8.5mm、長さが224.2mm、中央部の外径と中央部から90mm離れた位置の外径との差であるクラウン量が170μmの導電性弾性層を有する弾性ローラD−1を得た。
〔表面層の形成〕
弾性ローラD−1に、製造例48で作製した表面層用塗布液A−1を1回ディッピング塗布した。塗布後に常温で30分間以上風乾した後、熱風循環乾燥機にて温度80℃で1時間、さらに温度160℃で1時間乾燥した。この方法により、表面層を形成した電子写真用部材の如き帯電ローラT−1を得た。なお、ディッピング塗布の条件は以下のとおりである。浸漬時間を9秒間として、引き上げ速度は、初期速度20mm/秒、最終速度2mm/秒、その間は時間に対して直線的に速度を変化させて行った。
作製した帯電ローラT−1の物性として、凝集物の薄片状の結晶粒子の平均粒径、平均厚み、平均厚みに対する平均粒径の比、カードハウス構造凹凸間隔を、上記方法により、評価した。帯電ローラの物性として、帯電ローラの十点平均表面粗さRzおよび動摩擦係数を上記方法により評価した。評価結果を表14に示す。
〔耐久評価〕
図8に示す構成を有する電子写真装置として、カラーレーザプリンター(商品名:サテラLBP5400、キヤノン(株)製)を用い、200mm/秒(A4縦出力)で記録メディアが出力できるよう改造して使用した。画像の解像度は、600dpi、1次帯電の出力は直流電圧−1100Vである。画像の解像度は、600dpiで出力した。プロセスカートリッジは、上記プリンター用のブラック用プロセスカートリッジを用いた。
なお、図8に示す電子写真装置は、電子写真感光体12、帯電ローラ7を帯電する電源13および帯電ローラ7を有する帯電装置、画像情報に対応した露光を行うことにより電子写真感光体12に静電潜像を形成する潜像形成装置19、静電潜像をトナーによって現像する現像装置14、形成されたトナー像を転写材15に転写する転写装置16、電子写真感光体上の転写トナーを回収するクリーニング部材18および回収容器20からなるクリーニング装置、トナー像を定着する定着装置17により構成される。
また、図9にプロセスカートリッジの一例を示す。同図に示すように、プロセスカートリッジは、電子写真感光体12、帯電ローラ7、現像装置14、クリーニング部材18等を一体化し、電子写真装置の本体に着脱可能に構成される。
プロセスカートリッジから付属の帯電ローラを取り外し、作製した帯電ローラT−1をセットした。このプロセスカートリッジを温度15℃、湿度10%RH環境(環境1)に24時間馴染ませた。その後、各々の環境にて、耐久評価を行った。具体的には、印字濃度1%E文字画像をプロセススピード200mm/秒で2枚間欠耐久試験(2枚印刷するごとに印刷を3秒間停止させる)を行った。
また、前記環境1で、1000枚、10000枚および20000枚の画像を印刷後に、それぞれハーフトーン画像を出力した。その後、ハーフトーン画像(電子写真感光体の回転方向と垂直方向に幅1ドット、間隔2ドットの横線を描く画像)を出力した。得られた画像を目視にて観察し、前述した帯電ムラに起因する横スジ状の濃度ムラであるバンディング画像を、下記表11に示す基準で判定した。評価結果を表15に示す。
Figure 0006184309
〔実施例2〜47〕
未加硫ゴム組成物の種類、表面層用塗布液の種類を表13に示すように変更した。また、各表面層用塗布液の塗布後の乾燥は、下記表12に示す条件で行った。
Figure 0006184309
上記以外は、実施例1と同様にして、帯電ローラT−2〜帯電ローラT−47を作製した。評価結果を表14および表15に示す。
〔比較例1〕
凝集物に変え、体積平均粒径が50μmのアクリル樹脂粒子(商品名:MR-50G、綜研化学(株)製)を用い、添加部数を20質量部とし、導電性弾性層に未加硫ゴム組成物R−2を用いた以外は、実施例1と同様にして、帯電ローラT−48を作製した。評価結果を表14および表15に示す。
Figure 0006184309
Figure 0006184309
Figure 0006184309
1‥‥導電性基体
2‥‥表面層
3‥‥導電性弾性層
4‥‥凝集物
5‥‥基準線
6‥‥高さプロファイル
7‥‥帯電部材(電子写真用部材)
8‥‥ベルト
9‥‥重り
10‥‥荷重計
11‥‥記録計

Claims (5)

  1. 導電性の基体と表面層とを有する電子写真用部材であって、
    該表面層は、
    バインダー樹脂と、
    炭酸マグネシウムの薄片状の結晶粒子および炭酸カルシウムの薄片状の結晶粒子からなる群から選択される少なくとも1つの結晶粒子の凝集物と、を含み、
    該凝集物の表面には、該結晶粒子によって形成されたカードハウス構造の端面が露出しており、
    該表面層の表面は、該凝集物に由来する凸部を有し、
    該凸部の表面は、該凝集物の表面に露出している該カードハウス構造の端面の形状を反映してなる凹凸を有することを特徴とする電子写真用部材。
  2. 該結晶粒子は、平均厚みが0.005μm以上1μm以下であり、平均粒径が0.1μm以上10μm以下である請求項1に記載の電子写真用部材。
  3. 該凝集物の表面に露出している該カードハウス構造の端面の形状を反映してなる凹凸の平均凹凸間隔が、0.1μm以上10μm以下である請求項1または2に記載の電子写真用部材。
  4. 請求項1〜3のいずれか一項に記載の電子写真用部材と、電子写真感光体とを有し、電子写真装置の本体に着脱可能に構成されていることを特徴とするプロセスカートリッジ。
  5. 請求項1〜3のいずれか一項に記載の電子写真用部材と、電子写真感光体とを具備していることを特徴とする電子写真装置。

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