JP4365996B2 - 導電性ローラ、プロセスカートリッジおよび画像形成装置 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、導電性ローラ、それを用いたプロセスカートリッジおよび画像形成装置に関する。詳しくは本発明は、電圧を印加されることによって被帯電体である電子写真感光体表面を所定の電位に帯電する帯電部材としての導電性ローラ、それを用いたプロセスカートリッジおよび画像形成装置に関する。
【0002】
【従来の技術】
従来の画像形成装置の電子写真感光体を帯電する接触帯電部材には、導電性支持体(芯金)上に導電性弾性層を有し、該導電性弾性層上に抵抗層が被覆されている帯電ローラが用いられていた。帯電方式としては、芯金に直流電圧に交流電圧を重畳して印加するAC+DC帯電方式が主に採用されている。この場合、帯電の均一性を得るために重畳する交流電圧は、印加される直流電圧印加時の帯電開始電圧の2倍以上のピーク間電圧Vppをもつものが使用されている。また、近年、接触帯電部材に直流電圧のみを印加するDC帯電方式も実用化されている。
【0003】
接触帯電部材としては、従来、次のような構成の帯電ローラが用いられている。導電性支持体(芯金)の上に被帯電体である電子写真感光体との均一な当接部分を形成するために必要な導電性弾性層と、さらにその上に抵抗調整、耐摩耗性および感光体との貼り付き防止性向上などの目的に応じて、抵抗層を設けた構成のものが使用されている。また、抵抗調整や弾性層からの低分子成分のしみ出し防止など必要に応じて、導電性弾性層と抵抗層との間に中間層を設けた構成をとる場合もある。
【0004】
導電性支持体(芯金)としては、鉄やステンレスなどの金属棒が用いられている。
【0005】
導電性弾性層は、エチレンプロピレンゴム(EPDM)、ブタジエンゴム(BR)、イソプレンゴム(IR)、スチレンブタジエンゴム(SBR)、ニトリルブタジエンゴム(NBR)およびシリコーンゴムなどのゴムに抵抗調整のために導電性カーボンブラックなどの導電性無機粒子が分散された構成になっている。
【0006】
また、抵抗層は、ポリアミド樹脂およびポリウレタン樹脂などの樹脂に抵抗調整のために、導電性カーボンブラック、導電性酸化チタンおよび導電性酸化スズなどの導電性無機粒子が分散された構成になっている。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、導電性弾性層中の上記導電性粒子の分散性の良否が帯電部材の帯電均一性に影響を与えることが少なくなかった。例えば、ゴム中の導電性カーボンブラックの分散不良が帯電部材の抵抗ムラとして現れ、その結果、ハーフトーン画像やベタ白画像上に帯電部材周期の濃度ムラや黒ポチが発生することがあった。とりわけ直流電圧のみを印加するDC帯電方式の場合は、その分散ムラの影響がより顕著であった。
【0008】
そのため、カーボンなどの導電性無機粒子の代わりに、アルカリ金属の過塩素酸塩、長鎖アルキルスルホン酸塩およびテトラアルキル4級アンモニウム塩などのイオン導電剤の使用が試みられている。
【0009】
しかしながら、これら従来のイオン導電剤を用いた場合には、導電剤の分散性は改良されるが、抵抗値の環境変動が大きくなった。例えば、低湿環境では帯電部材の抵抗値が高くなり、高湿環境では抵抗値が低くなる傾向が見られた。また、従来のイオン導電剤を使用した場合には、経時でイオン導電剤が導電性弾性層中からしみ出し(ブリードアウト)、それによって帯電部材の抵抗値が変化することがあった。また、導電性弾性層からしみ出したイオン導電剤が抵抗層の表面まで移行して、帯電部材が接触する電子写真感光体表面に割れを発生させたり、感光体との貼り付きを発生させたりする問題があった。また、抵抗層表面に移行したイオン導電剤によって、帯電部材の表面に現像剤が付着しやすくなり、画像上に帯電部材周期の濃度ムラが発生することがあった。
【0010】
さらに、イオン導電剤としてアルカリ金属の過塩素酸塩を用いた導電性弾性層を有する帯電部材を使用して、DC帯電方式で画像を出力した場合、低温低湿環境下で、ハーフトーン画像上に微小な斑点状あるいは微小な横黒スジあるいは横白スジが発生することが多かった。
【0011】
そこで、本発明は、上記の課題を解決し、長期にわたって高品質の画像を安定して供給できる導電性ローラ、それを用いたプロセスカートリッジおよび画像形成装置を提供することを課題としている。
【0012】
【課題を解決するための手段】
すなわち、本発明は、導電性支持体、該支持体上の導電性弾性層及び該弾性層上の抵抗層を有する導電性ローラにおいて、該弾性層が、アクリロニトリル・ブタジエンゴム、エピクロルヒドリンゴムおよびクロロプレンゴムからなる群より選択される少なくとも一種のゴム、アルキル鎖中にエーテル結合を有するフタル酸エステル誘導体、過塩素酸の第4級アンモニウム塩化合物および脂肪油を含有し、該アルキル鎖中にエーテル結合を有するフタル酸エステル誘導体、過塩素酸の第4級アンモニウム塩化合物および脂肪油の含有量の合計が、該ゴム100質量部に対して0.1〜20質量部であることを特徴とする導電性ローラである。
【0013】
また、本発明は、電子写真感光体および該電子写真感光体に帯電部材として接触配置された前記の導電性ローラを一体に支持し、画像形成装置本体に着脱自在であることを特徴とするプロセスカートリッジである。
【0014】
また、本発明は、電子写真感光体および該電子写真感光体に帯電部材として接触配置された前記の導電性ローラ、露光手段、現像手段および転写手段を有することを特徴とする画像形成装置である。
【0015】
【発明の実施の形態】
本発明の導電性ローラは、複写機およびプリンターなどの帯電、現像、転写およびクリーニング用などに用いられるものである。
【0016】
以下、本発明を図面にもとづいて詳細に説明する。
【0017】
図1は本発明による画像形成装置の構成を示す概略図である。
【0018】
図中、2は被帯電体としての回転ドラム型の電子写真感光体(以下感光ドラムと記す)であり、矢印の時計方向に周速度(プロセススピード)をもって回転駆動され、アルミニウムおよびステンレスなどの導電性ドラム支持体および該支持体の外周面に形成した感光層から構成される。
【0019】
1は接触帯電部材としての本発明の導電性ローラであり、本例は感光ドラム2表面に感光ドラム母線方向に略平行にして所定の押圧力で当接させて配設したローラ体(帯電ローラ)で、感光ドラム2の回転に従動回転する。あるいは帯電部材1を機構手段を用いて駆動回転させても構わない。
【0020】
3は帯電部材2に対する電圧印加電源であり、この電源から帯電部材1の芯金1aに所定の電圧を印加することで、回転する感光ドラム2の外周表面が所定の極性、電位に帯電される。帯電部材1に対する印加電圧として、AC+DC帯電方式の場合、電子写真感光体表面電位Vdに相当する直流電圧に帯電開始電圧Vthの2倍以上のピーク間電圧をもつ交流電圧との重畳電圧を帯電部材に印加することが好ましい。また、本発明の導電性ローラは非常に優れた導電均一性を有するので、帯電が不均一になり易いDC帯電方式に特に好ましく適用される。
【0021】
帯電部材1により所定の表面電位に均一に一次帯電処理された感光ドラム2表面に対して、不図示のレーザースキャナ(露光手段)による目的画像情報のレーザービーム走査露光光4、現像手段5によるトナー現像、形成されたトナー像の転写手段6による転写材(例えば紙)7に対する転写が順次に実行され、トナー像転写を受けて感光ドラム2表面から分離された転写材7が不図示の定着手段へ導入されて画像形成物(プリント)として出力される。トナー像転写後の感光ドラム1表面はクリーニング手段8で転写残りのトナーの付着汚損物の除去がなされて清浄面化され、繰り返し作像に供される。
【0022】
本発明においては、クリーニングブレードやクリーニングローラ、廃トナー容器などの独立したクリーニング手段を具備せず、転写残りの現像剤(トナー)を現像手段5で静電気的に回収する、いわゆる「クリーナーレスシステム」にも適用できる。図4にクリーナーレスシステムの画像形成装置の一実施例を示した。図中の番号はいずれも図1と同様のものを示している。
【0023】
また、本発明においては、感光ドラム2および帯電部材1、さらに必要に応じて現像手段5およびクリーニング手段8を一体に支持し、レールなどの案内手段10により画像形成装置本体に着脱自在なプロセスカートリッジ9としてもよい。
【0024】
図2および3に、本発明の帯電性ローラの層構成の例を示す。本発明の導電性ローラ1は、導電性支持体上1a上に少なくとも導電性弾性層1bと、該導電性弾性層上の抵抗層1cから構成される。また、抵抗調整や導電性弾性層1bからの可塑剤や軟化油のしみ出し防止の目的で、導電性弾性層1bと抵抗層1cの間に中間層1dを設けても構わない。
【0025】
導電性支持体(芯金)1aとしては、鉄、銅、ニッケル、ステンレスおよび真鍮などの金属丸棒をそのまま用いてもよいし、表面の防錆や耐摩耗性を目的として化学ニッケルメッキやクロムメッキなどの表面処理を施してもさしつかえない。ただし表面処理をする場合は、導電性を損なわないことが重要である。
【0026】
導電性ローラの導電性弾性層1bは導電性ローラと電子写真感光体との接触部分を均一にするために弾性材料を用いて形成される。
【0027】
弾性材料はゴムであり、本発明においては、アルキル鎖中にエーテル結合を有するフタル酸エステル誘導体過塩素酸の第4級アンモニウム塩化合物および脂肪油との相溶性の点から、少なくともアクリロニトリル・ブタジエンゴム(NBR)、エピクロルヒドリンゴム(CO(エピクロルヒドリン単独重合体)、ECO(エピクロルヒドリン−エチレンオキサイド共重合体)、GECO(エピクロルヒドリン−エチレンオキサイド−アリルグリシジルエーテル三元共重合体)、GCO(エピクロルヒドリン−アリルグリシジルエーテル共重合体)およびクロロプレンゴム(CR)の極性ゴムの中から選択される。これらの中では、抵抗を制御しやすいという点でエピクロルヒドリンゴムであることが好ましい。NBRを使用する場合は、相溶性の点から、アクリロニトリル部分(AN)量がゴム全質量に対し、25質量%以上のものが好ましく、特には25〜45質量%のものが好ましい。結合アクリロニトリル量が20質量%以下の、いわゆる「低ニトリルNBR」では相溶性が悪く、上記添加剤がしみ出しやすくなる。同様にエチレン・プロピレンゴムやブタジエンゴムなどの非極性ゴムでは相溶性が悪く、表面へのしみ出しの原因となりうる。
【0028】
本発明においては、これらのゴムの他に他のゴムを含有してもよいが、アクリロニトリル・ブタジエンゴム・エピクロルヒドリンゴムおよびクロロプレンゴムがゴム全質量に対し、70質量%以上であることが好ましく、特には90質量%以上であることが好ましい。
【0029】
本発明において用いられるアルキル鎖中にエーテル結合を有するフタル酸エステルは下記式(1)で示されることが好ましい。
【0030】
【外3】
(Phはフェニル基、R1 は炭素数2〜4のアルキレン基、nは1〜3の整数、R2 は炭素数4〜18の直鎖もしくは分岐のアルキル基もしくはエーテル結合を有するアルキル基、mは2〜4の整数を示す。)
【0031】
具体的には、フタル酸ジブトキシエチル、フタル酸ジブトキシブチル、フタル酸ジヘプチロキシエチル、フタル酸ジヘプチロキシブチル、フタル酸ジヘプチロキシエトキシエチル、フタル酸ジヘプチロキシエトキシエトキシエチル、フタル酸ジ2−エチルヘキシロキシエチル、フタル酸ジ2−エチルヘキシロキシエトキシエチル、フタル酸ジ2−エチルヘキシロキシエトキシエトキシエチル、フタル酸ジオクチロキシエチル、フタル酸ジオクチロキシエトキシエチル、フタル酸ジオクチロキシエトキシエトキシエチル、フタル酸ジノニロキシエチル、フタル酸ジノニロキシエトキシエチル、フタル酸ジノニロキシエトキシエトキシエチル、フタル酸ジイソノニロキシエチル、フタル酸ジイソノニロキシエトキシエチル、フタル酸ジイソノニロキシエトキシエトキシエチル、フタル酸ジデシロキシエチル、フタル酸ジドデシロキシエチル、フタル酸ジテトラデシロキシエチル、フタル酸ジヘキサデシロキシエチルおよびフタル酸ジオクタデシロキシエチルなどが挙げられる。
【0032】
また、本発明に用いられる過塩素酸の第4級アンモニウム塩化合物は下記式(2)で示されることが好ましい。
【0033】
【外4】
(R3 、R4 およびR5 は、各々独立に炭素原子数1〜18のアルキル基、Bは炭素原子数2〜4のアルキレン基、pは1〜4の整数を示す。)
【0034】
具体的には、過塩素酸ジメチル・オクチル・ヒドロキシエチルアンモニウム、過塩素酸ジメチル・デシル・ヒドロキシエチルアンモニウム、過塩素酸ジメチル・ドデシル・ヒドロキシエチルアンモニウム、過塩素酸ジメチル・テトラデシル・ヒドロキシエチルアンモニウム、過塩素酸ジメチル・ヘキサデシル・ヒドロキシエチルアンモニウム、過塩素酸ジメチル・オクタデシル・ヒドロキシエチルアンモニウム、過塩素酸トリメチル・ヒドロキシエチルアンモニウム、過塩素酸ジメチル・オクチル・ヒドロキシエチル(1〜3)オキシエチレンアンモニウム、過塩素酸ジメチル・デシル・ヒドロキシエチル(1〜3)オキシエチレンアンモニウム、過塩素酸ジメチル・ドデシル・ヒドロキシエチル(1〜3)オキシエチレンアンモニウムおよび過塩素酸トリメチル・ヒドロキシエチル(1〜3)オキシエチレンアンモニウムなどが例示される。
【0035】
本発明においては、導電性弾性層に添加される添加剤のうち、過塩素酸の第4級アンモニウム塩化合物は導電性弾性層に導電性を付与するものであり、アルキル鎖中にエーテル結合を有するフタル酸エステル誘導体は該第4級アンモニウム塩化合物のゴムへの相溶性および分散安定性の向上に寄与するものと考えられる。
【0036】
フタル酸エステル誘導体とアンモニウム塩化合物の混合比は、フタル酸エステル誘導体100質量部に対して、アンモニウム塩化合物が10〜200質量部であることが好ましく、特には50〜150質量部であることが好ましい。アンモニウム塩化合物が10質量部に満たないと適当な導電性を付与しにくく、アンモニウム塩化合物が200質量部を超えるとアンモニウム塩が弾性層表面にしみ出し(ブリードアウト)しやすくなる。
【0037】
フタル酸エステル誘導体、アンモニウム塩化合物および脂肪油は、ゴムに別々に添加することもできるが、ゴムに対する相溶性をより高め、分散性をより均一にするために、本発明においては、両者をあらかじめ混合した溶液として使用する。本発明においては、相溶性および分散安定性をより高めるために、このとき溶媒として脂肪油を用いる。
【0038】
かかる脂肪油とは常温で液体の油脂であり、大豆油、綿実油、ヒマシ油、落下生油、アマニ油、ナタネ油およびこれらの変性体などが挙げられる。これらの中では、エポキシ化大豆油であることが本発明の効果がより顕著に生じるという点で好ましい。エポキシ化大豆油とは大豆油の末端をエポキシ基に変性したものである。
【0039】
本発明における脂肪油の使用量は、フタル酸エステル誘導体およびアンモニウム塩化合物100質量部に対し、1〜100質量部であることが好ましく、特には5〜50質量部であることが好ましい。脂肪油が1質量部に満たないと本発明の顕著な効果が得られにくく、100質量部を超えるとローラ表面に粘着性が出やすくなる。
【0040】
また、前記これら3種の添加剤(前記フタル酸エステル誘導体、アンモニウム塩化合物および脂肪油)の添加量としては、ゴム100質量部に対して、0.1〜20質量部であり、好ましくは0.5〜15質量部である。添加剤が0.1質量部より少ないと導電剤として機能しない。また、添加剤が20質量部を超えてもそれ以上に抵抗値は下がらずに、ゴムの機械的強度が低下する。
【0041】
導電性弾性層1bの抵抗値は、体積固有抵抗率(以下、体積抵抗率と略記する)が1×1010Ωcm以下であることが好ましく、特には1×107 〜1×109 Ωcmであることが好ましい。体積抵抗率が1×1010Ωcmを超えると、導電性弾性層中で印加電圧が降下して、必要な放電電流が得られず、電子写真感光体の帯電性が悪化しやすい。
【0042】
導電性弾性層1bは次のような方法で形成することができる。上記ゴム中に添加剤を混合し、二本ロール、加圧ニーダーおよびバンバリーミキサーなどの混練機を用いて混練、分散して導電性ゴムコンパウンドを作製する。次いで導電性支持体(芯金)上に導電性ゴムコンパウンドを射出成形、押出成形、トランスファー成形および圧縮成形などの成形法を用いて被覆した後、加熱して加硫する。さらに加硫後に、研磨、研削およびサンドブラストなどの方法で、導電性弾性層の寸法や表面形状を調整する。導電性弾性層の形態としては、ソリッド体(無発泡体)あるいは発泡体のいずれを使用しても構わない。
【0043】
また、本発明においては、導電性弾性層の切断時伸び(JIS−K6251)は700%以下であることが好ましい。切断時伸びが700%を超えると、表面の研磨加工性が悪化し、導電性弾性層の表面粗さRz(十点平均粗さ、JIS−B0601)を10μm以下に調整することが難しくなる。Rzが10μmを超えると表面粗さを均一に調整することが難しくなる。
【0044】
また、本発明においては、導電性弾性層1bの硬度は、電子写真感光体とより均一かつ安定な接触部分を形成するために、加硫ゴム硬さ試験方法(JIS−K6253)に規定された国際ゴム硬度(IRHD)が、60°以下であることが好ましく、特には35〜60°であることが好ましい。国際ゴム硬度が60°を超えると、電子写真感光体と導電性ローラの接触部分において、長手方向に接触ムラを生じやすくなる。
【0045】
また、導電性弾性層1bの厚みは、同様に感光体とより均一な接触部分をつねに安定して形成するために、1mm以上であることが好ましく、2〜7mmであることが好ましい。また、より均一な接触部分を形成する目的で、ローラ中央部の外径が端部に比べて太い、いわゆる「クラウン」を設けてもよい。
【0046】
抵抗層1cは導電性ローラの抵抗調整、電子写真感光体2表面への貼り付きや感光体汚染を防止するために形成される。抵抗層1cは、柔軟性および耐摩耗性の点からウレタン樹脂、フッ素樹脂、ポリビニルブチラール樹脂、ポリカーボネート樹脂、ポリアミド樹脂およびシリコーン樹脂などの合成樹脂、あるいはポリアミド系熱可塑性エラストマー、ポリウレタン系熱可塑性エラストマー、ポリエステル系熱可塑性エラストマー、ポリオレフィン系熱可塑性エラストマーおよびポリスチレン系熱可塑性エラストマーなどの熱可塑性エラストマーを結着剤樹脂に用い、抵抗調整として導電性無機粒子を分散して用いることができる。特にウレタン樹脂を主体としたものが好ましい。
【0047】
ウレタン樹脂としては、特に柔軟性、耐摩耗性、耐加水分解性および非粘着性に優れたカプロラクトン系ポリエステルウレタン樹脂、カプロラクトン変性アクリルウレタン樹脂およびポリカーボネート系ウレタン樹脂を用いることがより好ましい。
【0048】
抵抗層1cに用いる導電性無機粒子としては、導電性カーボンブラック、導電性カーボングラファイト、あるいは導電性酸化チタン、導電性酸化スズ、導電性酸化亜鉛、導電性硫酸バリウム、導電性チタン酸バリウムおよび導電性チタン酸カリウムなどの導電性酸化物が挙げられる。
【0049】
抵抗層の体積抵抗率は、1×107 〜1×1012Ωcmであることが好ましく、特には1×108 〜1×1011Ωcmであることが好ましい。体積抵抗率が1×107 Ωcmより低い場合には、感光ドラムにピンホールや傷などの表面欠陥が存在すると、接触帯電域全面に渡って帯電電荷が乗らなくなる「電荷抜け」が生じやすい。電荷抜けが生じると出力画像はその電荷抜け部に対応する画像部が、正規現像の場合は白抜けし、反転現像の場合は黒抜けし、品位低下する。また、体積抵抗率が1×1012Ωcmを超えると、印加電圧が降下して適正な放電電流が得られず、感光ドラムの帯電性が悪化しやすくなる。しかも微小な横黒スジが発生しやすくなる。
【0050】
また抵抗層の体積抵抗率は弾性層の体積抵抗率の1〜104 倍であることが好ましく、特には102 〜103 であることが好ましい。1倍未満、すなわち弾性層の体積抵抗率よりも抵抗層の体積抵抗率が小さいと、感光体の欠陥部分に電流がリークしやすくなり、104 倍を超えると帯電が不均一になりやすくなる。
【0051】
抵抗層1cは例えば次のように作製される。まずポリオールを溶剤に溶解した溶液中に導電剤を加え、ボールミル、サンドミル、アトライター、ロールミル、ホモジナイザー、ペイントシェーカー、羽型攪拌機および高圧衝突分散機などの塗料分散機を用いて導電剤を分散する。この導電剤分散液に所定量のポリイソシアネート化合物を添加し攪拌する。次いでこの混合液を浸漬コーティング法、スプレーコーティング法、ロールコーティング法およびカーテンコーティング法などの塗工方法で、導電性弾性層上に形成する。さらに熱風循環乾燥機、赤外線乾燥炉などを用いて溶剤を除去し、導電性弾性層上に乾燥被膜として抵抗層を形成する。
【0052】
抵抗層1cの膜厚は2〜1000μmであることが好ましく、特には5〜100μmであることが好ましい。膜厚が1μm以下の場合は、耐電圧性が低下しやすくなる。また、膜厚が1000μmを超えると、溶剤を揮発させるのに時間がかかり、生産性が悪くなりやすい。
【0053】
また、導電性弾性層1bと抵抗層1cの間に、抵抗調整や導電性弾性層からの可塑剤や添加剤などのしみ出し防止を目的として、中間層1dを設けてもよい。中間層は、上記ゴム樹脂を用いることができる。中間層に抵抗調整として、導電性弾性層に用いる添加剤を添加することもできる。
【0054】
【実施例】
以下、本発明を実施例をもとにさらに詳しく説明する。
【0055】
実施例1
〈帯電部材の作製〉
添加剤の調整
以下の原料を均一に溶解して添加剤1とした。
【0056】
添加剤1
・フタル酸ジブトキシエチル 100質量部
・過塩素酸ジメチル・オクチル・ヒドロキシエチルアンモニウム 100質量部
・エポキシ化大豆油 20質量部
【0057】
帯電部材の導電性弾性層の作製
以下の原料を20℃に温調した加圧ニーダーで15分間混練した。
【0058】
さらに上記混練物を50℃に温調した2本ロールを用い、加硫促進剤(ベンゾチアジルジスルフィド)2質量部および加硫促進剤(テトラチウラムモノスルフィド)0.5質量部を加えて、5分間混練して導電性コンパウンドを作製した。
【0059】
次いで、外径φ6mm、長さ258mmのステンレス棒を導電性支持体(芯金)とし、この外周に前記導電性コンパウンドを押出成形法により成形し、170℃、15分間加熱加硫した。さらに回転砥石を用いた乾式研磨により、厚み3mm、面長232mmの導電性弾性層を有する弾性ローラを作製した(導電性弾性層外径φ12mm)。
【0060】
弾性層用導電性コンパウンドの体積抵抗率の測定方法
弾性層の体積抵抗率、すなわち加硫後の導電性コンパウンドの体積固有抵抗率は、上記加硫条件で加硫することによって厚み2mmの加硫シートを作製して測定した。体積抵抗率は抵抗率測定機(商品名ハイレスタUPならびにJ−Box、三菱化学(株)製)を用い、低温低湿環境(温度15℃、相対湿度10%)、常温常湿環境(温度23℃、相対湿度55%)および高温高湿環境(温度32℃、相対湿度80%)で測定した。(測定条件:印加電圧10V、1分値)体積抵抗率の環境変動倍率を以下の式で求めた。
【0061】
体積抵抗率環境変動(倍)=(低温低湿環境下の体積抵抗率)÷(高温高湿下の体積抵抗率)
【0062】
また、上記導電性弾性層用導電性コンパウンドの切断時伸びEb(%)および乾式研磨後の導電性弾性層の表面粗さRz(十点平均粗さ)を測定した。
【0063】
弾性層用導電性コンパウンドの切断時伸びおよび弾性層の表面粗さの測定
各導電性コンパウンドを上記加硫条件で加硫することによって厚み2mmの加硫シートを作製しJIS−K6251にしたがって、テンシロン万能試験機RTC−1250A(株)エー・アンド・ディ製)を用いて、導電性コンパウンドの切断時伸びEb(%)を測定した。
【0064】
また、回転砥石による乾式研磨後の導電性弾性層の表面粗さRz(十点平均粗さ)は、触針式表面粗さ計((株)小坂研究所製、商品名サーフコーダーSE−3300)で測定した。
【0065】
さらに、上記導電性コンパウンドの硬度を測定した。
【0066】
弾性層用導電性コンパウンドの硬度の測定方法
導電性コンパウンドの硬度はJIS K−6253「加硫ゴムの硬さ試験方法」にしたがい、国際ゴム硬度をIRHDポケット硬さ計((株)高分子計器製)を使用して測定した。測定は各導電性コンパウンドを上記加硫条件で加硫することによって作製した厚み2mmの加硫シートを3枚重ねて行った。
【0067】
導電性弾性層中の添加剤1の添加量ごとの結果を表1に示す。
【0068】
【表1】
【0069】
帯電部材の抵抗層の作製
抵抗層の材料として以下の材料を使用した。
【0070】
この混合溶液をガラスビーズ(平均粒子径φ1mm)を分散メディアとして、竪型サンドミルを用いて4時間分散した。ビーズを分離した分散液にトリレンジイソシアネート(TDI)10質量部を加え、抵抗層用塗料を調整した。
【0071】
前記弾性ローラの導電性弾性層の表面上に抵抗層用塗料を浸漬コートした後、熱風循環乾燥機中で温度120℃、2時間乾燥した。乾燥後の抵抗層の厚みは20μmであった。
【0072】
抵抗層材料の体積抵抗は、抵抗層用塗料をアルミニウム箔(厚み100μm)上にバーコータでコーティングしたサンプル(厚み20μm)を用いて測定した。体積抵抗率は抵抗率測定機(商品名ハイレスタUP、J−Box、三菱化学(株)製)を使用し、温度23℃、相対湿度55%環境下で測定した。抵抗層材料の体積抵抗率は1.0×1010Ωcm(印加電圧10V、1分値)であった。
【0073】
このようにして得られたローラを実施例1の帯電部材(帯電ローラ1、外径φ約12mm)とした。
【0074】
帯電ローラ1の電気抵抗値を温度23℃、相対湿度55%および温度15℃、相対湿度10%の環境下で測定した。抵抗は、幅10mm、厚み50μmのアルミニウム箔を帯電ローラ1全周に巻き付けて、アルミニウム箔表面と芯金との間にDC−250Vを印加して、10秒後の値を測定した。
【0075】
画像評価方法
前記帯電ローラをレーザビームプリンタ(商品名LBP−1660用、キヤノン製)に使用するプロセスカートリッジ(商品名EP−52カートリッジ、キヤノン製)に装着した。さらにこのプリンタに一次帯電用直流電源として外部高圧電源を接続して使用した。画像評価は温度15℃、相対湿度10%環境下で行った。感光体の暗部電位が−600Vになるように外部高圧電源より一次帯電バイアスを印加し(一次帯電バイアス値、DC−1300V前後)、A4横ハーフトーン画像(1ドット・2スペース、1200dpi)を出力して、目視にて実施した。画像のレベルは次のように分類した。
・画像欠陥が全く発生しないもの :A
・微小な横黒スジまたは横白スジが1〜5個発生するもの :B
・微小な横黒スジまたは横白スジが6〜20個発生するもの :C
・微小な横黒スジまたは横白スジ状の画像欠陥が21個以上発生するもの:D
【0076】
耐久画像評価方法
上記プロセスカートリッジを使用し、低温低湿環境(温度15℃、相対湿度10%)下で、文字画像(A4、画像比率5%)を10000枚出力して画像耐久試験を行った。画像出力後にA4、横ハーフトーン画像(1200dpi、1ドット2スペース)を10枚出力して、画像評価を行った。
【0077】
耐久後の画像ランク
○:均一な画像が得られた。(濃度ムラ無し)
△:画像上にごくわずかに帯電ローラピッチ(38mmピッチ)の濃度ムラが発生
×:画像上に帯電ローラピッチ(38mmピッチ)の濃度ムラが発生。
【0078】
感光体との貼り付きおよび感光体汚染性評価方法
上記プロセスカートリッジに帯電部材を組み込み、温度40℃、相対湿度95%環境下に30日間放置して、帯電部材と感光体との貼り付きおよび感光体表面の汚染性の有無を評価した。貼り付きは感光体から帯電部材を取り外したとき状態を調べた。また、感光体の汚染性は当接部表面を光学顕微鏡で観察して調べた。結果を表2に示す。
【0079】
【表2】
【0080】
実施例2
下記の原料を20℃に温調した加圧ニーダーで10分間混練した。
・エピクロルヒドリン・エチレンオキサイド共重合体(ECO)100質量部
・酸化マグネシウム 5質量部
・炭酸カルシウム 25質量部
・エステル系可塑剤 20質量部
・ステアリン酸 1質量部
・老化防止剤 1質量部
・添加剤1 変量
【0081】
さらに上記混練物を50℃に温調した2本ロールを用い、硫黄1質量部、加硫促進剤(エチレンチオウレア)2質量部を加えて、5分間混練して導電性コンパウンドを作製した。実施例1と同様の方法で導電性弾性ローラを作製した。
【0082】
実施例1と同様にして、導電性弾性層中の添加剤1の添加量ごとの体積抵抗率、Eb(%)、Rzおよび硬度を測定した。結果を表3に示す。
【0083】
【表3】
【0084】
さらに、この導電性弾性ローラの上に下記配合の材料を抵抗層として実施例1と同様にして被覆し、実施例2の帯電部材を作製した(抵抗層厚み12μm)。
【0085】
実施例2の抵抗層材料
・ε−カプロラクロン変性水酸基含有メタクリル酸エステル(固形分30質量%、溶剤酢酸ブチル) 100質量部
・導電性酸化スズ 25質量部
・ヘキサンメチレンジイソシアネート(HDI) 5質量部
【0086】
実施例2の帯電部材を実施例1と同様にして評価した。結果を表4に示す。
【0087】
【表4】
【0088】
実施例3
下記の原料を20℃に温調した加圧ニーダーで10分間混練した。
・エピクロルヒドリン重合体(CO) 100質量部
・酸化マグネシウム 5質量部
・炭酸カルシウム 25質量部
・エステル系可塑剤 20質量部
・ステアリン酸 1質量部
・老化防止剤 1質量部
・添加剤1 変量
【0089】
さらに上記混練物を50℃に温調した2本ロールを用い、硫黄1質量部、加硫促進剤(エチレンチオウレア)2質量部を加えて、5分間混練して導電性コンパウンドを作製し、実施例1と同様の方法で導電性弾性ローラを作製した。
【0090】
実施例1と同様にして、導電性弾性層中の添加剤1の添加量ごとの体積抵抗率、Eb(%)、Rzおよび硬度を測定した。結果を表5に示す。
【0091】
【表5】
【0092】
さらに、この導電性弾性ローラの上に下記配合の材料を抵抗層として実施例1と同様にして被覆し、実施例3の帯電部材を作製した(抵抗層厚み15μm)。
【0093】
【0094】
実施例3の帯電部材を実施例1と同様にして評価した。結果を表6に示す。
【0095】
【表6】
【0096】
実施例4
以下の原料を均一に溶解して添加剤2とした。
【0097】
添加剤2
・フタル酸ジブトキシエチル 100質量部
・過塩素酸ジメチル・オクチル・ヒドロキシエチルオキシエチレンアンモニウム150質量部
・エポキシ化大豆油 20質量部
下記の原料を20℃に温調した加圧ニーダーで10分間混練した。
・NBR(AN量30質量%) 100質量部
・酸化亜鉛 5質量部
・炭酸カルシウム 20質量部
・含水ケイ酸 5質量部
・エステル系可塑剤 20質量部
・ステアリン酸 1質量部
・老化防止剤 1質量部
・硫黄 0.5質量部
・添加剤2 変量
【0098】
さらに上記混練物を50℃に温調した2本ロールを用い、加硫促進剤(ベンゾチアジルジスルフィド)1質量部および加硫促進剤(テトラチウラムモノスルフィド)0.5質量部を加えて、5分間混練して導電性コンパウンドを作製した。
【0099】
次いで、実施例1と同様の方法で導電性弾性ローラを作製した。
【0100】
実施例1と同様にして、導電性弾性層中の添加剤2の添加量ごとの体積抵抗率、Eb(%)、Rzおよび硬度を測定した。結果を表7に示す。
【0101】
【表7】
【0102】
さらに、この導電性弾性ローラの上に実施例2と同様にして抵抗層を被覆して、実施例4に帯電部材を作製した(抵抗層厚み10μm)。
【0103】
実施例4の帯電部材を実施例1と同様にして評価した。結果を表8に示す。
【0104】
【表8】
【0105】
実施例5
以下の原料を均一に溶解して添加剤3とした。
【0106】
添加剤3
・フタル酸ジ2−エチルヘキシロキシエトキシエチル 100質量部
・過塩素酸ジメチル・デシル・ヒドロキシエチルアンモニウム100質量部
・エポキシ化大豆油 20質量部
下記の原料を20℃に温調した加圧ニーダーで10分間混練した。
・ポリクロロプレン 100質量部
・酸化亜鉛 5質量部
・酸化マグネシウム 5質量部
・含水ケイ酸 10質量部
・ナフテン系プロセス油 20質量部
・ステアリン酸 1質量部
・老化防止剤 1質量部
・硫黄 0.5質量部
・添加剤3 変量
【0107】
さらに上記混練物を50℃に温調した2本ロールを用い、加硫促進剤(エチレンチオウレア)1質量部を加えて、5分間混練して導電性コンパウンドを作製した。
【0108】
次いで、実施例1と同様の方法で導電性弾性ローラを作製した。
【0109】
実施例1と同様にして導電性弾性層中の添加剤3の添加量ごとの体積抵抗率、Eb(%)、Rzおよび硬度を測定した。結果を表9に示す。
【0110】
【表9】
【0111】
さらに、帯電ローラとして適正な抵抗範囲にある導電性弾性ローラの上に下記配合の材料を抵抗層として実施例1と同様にして被覆し、実施例5の帯電部材を作製した(抵抗層厚み12μm)。
【0112】
実施例5の抵抗層材料
・水酸基含有系メタクリル酸エステル共重合体溶液
(固形分20質量%、溶剤トルエン/メチルエチルケトン) 100質量部
・導電性酸化チタン 30質量部
・イソホロンジイソシアネート(IPDI) 12質量部
【0113】
実施例5の帯電部材を実施例1と同様にして評価した。結果を10に示す。
【0114】
【表10】
【0115】
実施例1〜実施例5に示したように、本発明の導電性ローラは、低分子量成分のしみ出しが少なく、抵抗値の環境変動も小さい。さらに、本発明の導電性ローラを帯電部材に用いると非常に優れた帯電均一性が得られる。
【0116】
低分子量成分のしみ出しが少なく、抵抗値の環境変動が小さい理由は、導電剤であるアンモニウム塩化合物とゴムとの相溶性が極めて優れており、しかも導電剤自身の水分の捕捉能力が高いためと考えられる。
【0117】
また、帯電均一性に優れる理由としては、他の導電剤に比べてゴム中により均一に分散しているためであると考えられる。
【0118】
比較例1
以下の原料を20℃に温調した加圧ニーダーで15分間混練した。
【0119】
【0120】
さらに上記混練物を50℃に温調した2本ロールを用い、加硫促進剤(ベンゾチアジルジスルフィド)2質量部および加硫促進剤(テトラチウラムモノスルフィド)0.5質量部を加えて、5分間混練して導電性コンパウンドを作製した。さらに、実施例1と同様の方法で比較例1の導電性弾性ローラを作製した。
【0121】
実施例1と同様にして、導電剤のトリメチル・ドデシル・アンモニウムブロマイドの添加量ごとの体積抵抗率、Eb(%)、Rzおよび硬度を測定した。結果を表11に示す。
【0122】
【表11】
【0123】
さらに、この導電性弾性ローラの上に実施例1と同様にして抵抗層を被覆して、比較例1の帯電部材を作製した(抵抗層厚み12μm)。
【0124】
比較例1の帯電部材を実施例1と同様にして評価した。結果を表12に示す。
【0125】
【表12】
【0126】
比較例2
以下の原料を20℃に温調した加圧ニーダーで15分間混練した。
【0127】
【0128】
さらに上記混練物を50℃に温調した2本ロールを用い、加硫促進剤(ベンゾチアジルジスルフィド)2質量部および加硫促進剤(テトラチウラムモノスルフィド)0.5質量部を加えて、5分間混練して導電性コンパウンドを作製し、実施例1と同様の方法で比較例2の導電性弾性ローラを作製した。
【0129】
実施例1と同様にして導電剤の過塩素酸リチウムの添加量ごとの体積抵抗率、Eb(%)、Rzおよび硬度を測定した。結果を表13に示す。
【0130】
【表13】
【0131】
さらに、この導電性弾性ローラの上に実施例1と同様にして抵抗層を被覆して、比較例2の帯電部材を作製した(抵抗層厚み10μm)。
【0132】
比較例2の帯電部材を実施例1と同様にして評価した。結果を表14に示す。
【0133】
【表14】
【0134】
比較例3
以下の原料を20℃に温調した加圧ニーダーで15分間混練した。
【0135】
【0136】
さらに上記混練物を50℃に温調した2本ロールを用い、加硫促進剤(ベンゾチアジルジスルフィド)2質量部および加硫促進剤(テトラチウラムモノスルフィド)0.5質量部を加えて、5分間混練して導電性コンパウンドを作製し、実施例1と同様の方法で比較例3の導電性弾性ローラを作製した。
【0137】
実施例1と同様にして導電剤のドデシル硫酸ナトリウムの添加量ごとの体積抵抗率、Eb(%)、Rzおよび硬度を測定した。結果を表15に示す。
【0138】
【表15】
【0139】
さらに、この導電性弾性ローラの上に実施例1と同様にして抵抗層を被覆して、比較例3の帯電部材を作製した(抵抗層厚み10μm)。
【0140】
比較例3の帯電部材を実施例1と同様にして評価した。結果を表16に示す。
【0141】
【表16】
【0142】
比較例4
以下の原料を20℃に温調した加圧ニーダーで15分間混練した。
【0143】
【0144】
さらに上記混練物を50℃に温調した2本ロールを用い、加硫促進剤(ベンゾチアジルジスルフィド)2質量部および加硫促進剤(テトラチラウムモノスルフィド)0.5質量部を加えて、5分間混練して導電性コンパウンドを作製し、実施例1と同様の方法で比較例4の導電性弾性ローラを作製した。
【0145】
実施例1と同様にして導電剤のトリメチル・オクタデシルアンモニウムパークロレートの添加量ごとの体積抵抗率Eb(%)、Rzおよび硬度を測定した。結果を表17に示す。
【0146】
【表17】
【0147】
さらに、この導電性ローラ上に実施例1と同様にして抵抗層を被覆して、比較例4の帯電部材を作成した(抵抗層厚み12μm)。
【0148】
比較例4の帯電部材を実施例1と同様にして評価した。結果を表18に示す。
【0149】
【表18】
【0150】
比較例5
以下の原料を40℃に温調した2本ロールで15分間混練して、導電性コンパウンドを作製した。
【0151】
・アクリル酸エチル・2−クロルエチルビニルエーテル共重合体 100質量部
・炭酸カルシウム 30質量部
・エステル系可塑剤 10質量部
・ステアリン酸 1質量部
・ステアリン酸ナトリウム 3質量部
・ステアリン酸カリウム 0.5質量部
・ジラウリルチオジプロピオネート 2質量部
・硫黄 1質量部
・添加剤1 変量
【0152】
この導電性コンパウンドを用い、実施例1と同様の方法で比較例5の導電性弾性ローラを作製した。
【0153】
実施例1と同様にして添加剤1の添加量ごとの体積抵抗率、Eb(%)、Rzおよび硬度を測定した。結果を表19に示す。
【0154】
【表19】
【0155】
さらに、この導電性ローラの上に実施例1と同様にして抵抗層を被覆して、比較例5の帯電部材を作成した(抵抗層厚み12μm)。
【0156】
比較例5の帯電部材を実施例1と同様にして評価した。結果を表20に示す。
【0157】
【表20】
【0158】
【発明の効果】
以上のように本発明によれば、従来のイオン導電剤で問題になっていた導電剤のしみ出し(ブリードアウト)や抵抗の環境変動を防止することができ、結果として長期にわたって高品質の画像を安定して供給できる導電性ローラ、それを有するプロセスカートリッジおよび画像形成装置を提供することができた。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明のプロセスカートリッジを具備する画像形成装置の構成例を示す概略図である。
【図2】本発明の導電性ローラの構成例を示す図である。
【図3】本発明の導電性ローラの別の構成例を示す図である。
【図4】本発明のプロセスカートリッジを具備する画像形成装置の別の構成例を示す概略図である。
Claims (18)
- 導電性支持体、該支持体上の導電性弾性層及び該弾性層上の抵抗層を有する導電性ローラにおいて、
該弾性層が、アクリロニトリル・ブタジエンゴム、エピクロルヒドリンゴムおよびクロロプレンゴムからなる群より選択される少なくとも一種のゴム、アルキル鎖中にエーテル結合を有するフタル酸エステル誘導体、過塩素酸の第4級アンモニウム塩化合物および脂肪油を含有し、
該アルキル鎖中にエーテル結合を有するフタル酸エステル誘導体、過塩素酸の第4級アンモニウム塩化合物および脂肪油の含有量の合計が、該ゴム100質量部に対して0.1〜20質量部であることを特徴とする導電性ローラ。 - アクリロニトリル・ブタジエンゴム、エピクロルヒドリンゴムおよびクロロプレンゴムからなる群より選択される少なくとも一種のゴムの含有率が、弾性層が含有するゴム全質量に対し70質量%以上である請求項1記載の導電性ローラ。
- ゴムがエピクロルヒドリンゴムである請求項1または2記載の導電性ローラ。
- 第4級アンモニウム塩化合物の含有量がフタル酸エステル誘導体100質量部に対して10〜200質量部である請求項1乃至5のいずれかに記載の導電性ローラ。
- 脂肪油がエポキシ化大豆油である請求項1乃至6のいずれかに記載の導電性ローラ。
- 脂肪油の含有量がフタル酸エステル誘導体およびアンモニウム塩化合物100質量部に対し1〜100質量部である請求項1乃至7のいずれかに記載の導電性ローラ。
- 弾性層が1×1010Ωcm以下の体積抵抗率を有する請求項1乃至8のいずれかに記載の導電性ローラ。
- 弾性層が700%以下の切断時伸びを有する請求項1乃至9のいずれかに記載の導電性ローラ。
- 弾性層が60°以下の国際ゴム硬度を有する請求項1乃至10のいずれかに記載の導電性ローラ。
- 弾性層が1mm以上の厚さを有する請求項1乃至11のいずれかに記載の導電性ローラ。
- 抵抗層が1×107 〜1×1012Ωcmの体積抵抗率を有する請求項1乃至12のいずれかに記載の導電性ローラ。
- 抵抗層が2〜1000μmの厚さを有する請求項1乃至13のいずれかに記載の導電性ローラ。
- 抵抗層がウレタン樹脂を含有する請求項1乃至14のいずれかに記載の導電性ローラ。
- 導電性ローラが帯電部材である請求項1乃至15のいずれかに記載の導電性ローラ。
- 電子写真感光体および該電子写真感光体に接触配置された帯電部材としての請求項1乃至15のいずれかに記載の導電性ローラを一体に支持し、画像形成装置本体に着脱自在であることを特徴とするプロセスカートリッジ。
- 電子写真感光体、該電子写真感光体に接触配置された帯電部材としての請求項1乃至15のいずれかに記載の導電性ローラ、露光手段、現像手段および転写手段を有することを特徴とする画像形成装置。
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