JP2005128144A - 帯電部材および画像形成装置 - Google Patents

帯電部材および画像形成装置

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JP2005128144A JP2003361837A JP2003361837A JP2005128144A JP 2005128144 A JP2005128144 A JP 2005128144A JP 2003361837 A JP2003361837 A JP 2003361837A JP 2003361837 A JP2003361837 A JP 2003361837A JP 2005128144 A JP2005128144 A JP 2005128144A
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Abstract

【課題】直接注入帯電機構を支配的とする帯電部材として、量産性に優れ、均一な帯電性を保持し、同時に長期放置による永久変形をしにくい、弾性発泡体で構成された帯電部材を提供する。
【解決手段】少なくとも被帯電体1とのニップ部に導電性粒子40を介在させ、直流成分の電圧を印加することによって前記被帯電体1を所定の電位に帯電させる帯電部材2−2において、該帯電部材2−2は弾性発泡体2bによって構成され、該弾性発泡体を構成する発泡セルSのセル径に対するセル壁の厚みの比が2%以上40%以下であると共に、前記セル径に対する弾性発泡体表面の発泡セルのセル深さの比が10%以上90%以下である事を特徴とする帯電部材。
【選択図】図7

Description

本発明は、被帯電体面を所定の電位に帯電する帯電部材、特に少なくとも被帯電体とのニップ部に導電性粒子を介在させ、直流成分の電圧を印加することによって前記被帯電体を所定の電位に直接注入帯電機構を主体として帯電させる、弾性発泡体によって構成された帯電部材、および該帯電部材を像担持体の帯電手段として用いた画像形成装置に関する。
図11に従来の一般的な画像形成装置の一例の概略構成図を示した。本例の画像形成装置は電子写真レーザビームプリンタである。
1は像担持体たる感光体ドラムであり、矢印aの時計方向に所定の周速度で回転駆動される。
2は感光体ドラム1とニップを形成する帯電部材(導電性部材)としての帯電ローラである。感光体ドラム1に対して所定の押圧力をもって圧接させて配設してあり、感光体ドラム1の回転に従動して回転する。Nは帯電ローラ2と感光体ドラム1の当接部である帯電部である。
この帯電ローラに対して電源13から所定の帯電バイアス電圧(例えば1〜2kv程度の直流電圧、あるいは直流電圧と交流電圧の重畳電圧等)が印加されることにより感光体ドラム1の表面が所定の極性・電位に一様に接触帯電処理される。
その感光体ドラム1の一様帯電処理面が、露光手段(レーザースキャナ)8aから発光されたレーザービームL1により、反射部材8b、露光窓6aを介して走査露光されることにより感光体ドラム1上に静電潜像が形成される。
その静電潜像が現像装置3によりトナー像として可視化される。3aは現像剤担持体としての非磁性体の現像スリーブ(中空円筒形状体)、3cはこの現像スリーブに内包させた多極のマグネットローラである。現像スリーブ3aは現像装置3の感光体ドラム1側の開口部に配設され、矢印の反時計方向に回転駆動される。マグネットローラ3cは非回転に固定されている。7は現像装置3に連設した現像剤容器であり、現像剤Tとして磁性トナーを収容させてあり、該トナーを現像装置3に逐次供給する。10は現像剤容器7内に配設した現像剤攪拌部材である。現像装置3内のトナーTをマグネットローラ3cの磁力により現像スリーブ3a上に引き寄せ、現像スリーブ3aの回転によってトナーTを感光体ドラム1面の潜像を顕在化させる現像部へと運んでいる。3bは規制ブレードであり、現像スリーブ3a上のトナーの層厚を所定に規制すると共にトナーを適正に帯電する。現像スリーブ3aには電源11から所定の現像バイアス電圧(例えば直流電圧と交流電圧の重畳電圧等)が印加される事により担持搬送されたトナーで感光体ドラム1上の静電潜像を可視化している。
感光体ドラム1上に形成されたトナー像は、感光体ドラム1と転写ローラ4の当接部である転写部Sに不図示の給紙部から所定の制御タイミングで搬送された被転写部材(転写紙)Pの上に順次転写される。12は転写ローラ4に対する転写バイアス電圧印加電源である。
転写部でトナー像の転写を受けた被転写部材は感光体ドラム1の表面から分離され、定着手段9へ搬送されてトナー像の定着を受けて排紙される。
また被転写部材分離後の感光体ドラム1面はクリーニング装置5のクリーニングブレード5aにより転写残トナーの除去を受けて清浄面化され、繰り返して作像に供される。5bはスクイシートである。
また本例のプリンタはプロセスカートリッジ着脱方式であり、感光体ドラム1、帯電ローラ2、現像剤容器7を含む現像装置3、クリーニング装置5の4つのプロセス機器をコンパクトにまとめてユニット化して一括して着脱交換自在のプロセスカートリッジBとしてある。
このようなプロセスカートリッジBのより小型化を進めるためクリーニング装置5を取り外し、転写残トナーを現像装置3によって現像同時回収する「クリーナーレスシステム」を実施した画像形成装置も出現している。このクリーナレスシステムはプロセスカートリッジの小型化に有効であると同時に廃トナーを排出しない事より環境保護の面からも好ましい。
この場合、弾性現像スリーブを用いた所謂接触現像によって感光体ドラム上の転写残トナーを弾性現像スリーブで回収しながら現像する現像同時回収によってクリーナーレスシステムを確立している例は従来より知られている。
また被帯電体としての感光体ドラム1に帯電部材を接触させて電圧を印加することで感光体ドラム1を所定の電位に帯電する接触帯電の帯電機構(帯電のメカニズム、帯電原理)には、1)放電帯電機構と、2)直接注入帯電機構の2種類の帯電機構が混在しており、どちらが支配的であるかにより支配的な方の性質が顕著となる。
1)放電帯電機構
帯電部材と被帯電体との微小間隙に生じる放電現象により被帯電体表面が帯電する系である。放電帯電機構は帯電部材と被帯電体に一定の放電しきい値を有するため、帯電電位より大きな電圧を帯電部材に印加する必要がある。また、コロナ帯電器に比べればオゾン発生量は格段に少ないが、放電生成物を生じることが原理的に避けられない。
2)直接注入帯電機構
帯電部材から被帯電体に直接に電荷が注入されることで被帯電体表面が帯電する系である。直接帯電あるいは注入帯電あるいは電荷注入帯電とも称される。より詳しくは、中抵抗の帯電部材が被帯電体表面に接触して、放電現象を介さずに、つまり放電を基本的に用いないで被帯電体表面に直接電荷注入を行うものである。よって、帯電部材への印加電圧が放電閾値以下の印加電圧であっても、被帯電体を印加電圧相当の電位に帯電することができる。
画像形成装置において感光体ドラムの帯電手段として直接注入帯電機構の帯電手段を用いれば、イオンの発生を伴わないため放電生成物による弊害は生じないという大きな利点が有り、種々の出願がなされている。
例えば、特許文献1では現像剤中に導電性粒子を含ませ、現像器よりトナーと伴に感光体ドラムへ供給された導電性粒子を感光体ドラムとニップを形成する導電性の帯電部材に付着させ直接注入帯電機構を達成している。それと同時に前記提案では直接注入帯電機構を用いながらクリーナーレスシステムを達成している点で環境保護、プロセスカートリッジの小型化の両方に対して効果的と言える。
特許文献1のような直接注入帯電機構を用いた系において、導電性粒子は帯電補助を目的とした粒子であり、接触帯電において少なくとも帯電部材と被帯電体との当接部にこの導電性粒子を介在させることにより、安定な直接注入帯電機構を実現している。
すなわち、被帯電体と帯電部材との帯電ニップ部に導電性粒子が存在した状態で被帯電体の接触帯電が行われる。帯電ニップ部に導電性粒子が存在する事で、該粒子の滑材効果により接触帯電部材に対して被帯電体を無理なく容易に接触移動状態にする事が可能となると共に、該帯電部材が該粒子を介して被帯電体面に密に接触してより高い頻度で被帯電体面に接触する構成となる。その結果、帯電ニップ部において、移動する被帯電体面は導電性粒子によりまんべんなく摺擦される事で帯電部材と被帯電体との緻密な接触性と接触抵抗が維持できるため、均一性に優れ、かつ帯電能の高い直接注入帯電を行う事ができるようになり、上記帯電部材による被帯電体の帯電は直接注入帯電機構が支配的となる。
さらに、特許文献2では粒径10μm〜10nmの導電性粒子を帯電部材に付着させ直接帯電機構を構成する系あって、帯電部材表面の表面粗さと帯電部材が担持する粒子の担持量の関係を規定している。
この特許文献2では導電性粒子と帯電部材との物質間の付着力を積極的に利用して、帯電部材が導電性粒子を担持している事に着目し、帯電粒子の粒径を小さくすることにより、前記帯電粒子を帯電部材の帯電粒子担持体上に高密度に保持させ、帯電性能の向上を可能とすると共に、導電性粒子が感光体ドラムへ脱落した場合もその影響を抑えている。加えて、導電性粒子の担持量を帯電部材の表面粗さに対し一定範囲内に調節することにより、帯電性能の確保と脱落量の低減を両立している。
特開平10−307455号公報 特開2002−132017号公報
導電性粒子を用いた直接注入帯電機構を実現するための帯電部材は被帯電体と緻密な接触性を有するものが好ましい。この点で帯電部材は弾性層を有するもの、特には弾性発泡体で構成されたもの、より具体的には、スポンジローラを用いることは好適である。しかしながら、クリーナーレスの画像形成装置構成で感光体ドラムの帯電部材としてスポンジローラを用いる場合、スポンジ表面の均一性を高める事が非常に重要である事が判明した。スポンジ表面は基層となる弾性発泡層を所定の研磨法によって研磨するわけであるが、スポンジのセル構成や研磨法によってはスポンジ表面のセルの深さが不均一になる。その結果、帯電部材に対し導電性粒子を一様に塗布出来ずに、帯電性が不均一となり、かぶり、黒スジなどの画像弊害をもたらす事があった。このような画像弊害を回避するためには表面形状の均一化が必須でり、帯電部材の構成、特に弾性発泡部材のセル構成、研磨性の管理の向上など、さらなる改善が必要であった。
さらに、スポンジローラに導電性粒子が過剰に塗布されると、スポンジローラから導電性粒子が脱落し、量産性を著しく悪化させる恐れがあった。
その一方、帯電ローラと感光体ドラムを当接させたまま長期放置すると永久変形を生じ、帯電ローラと感光体ドラムの当接が帯電ローラの周期に応じて変化する。その結果、帯電ローラ周期の帯電にムラを生じ、長手にスジ状の画像となって著しい画像弊害となってしまう。
図12は図11のような従来例の画像形成装置に用いられている放電帯電機構系の帯電ローラ2を模式的に表した図である。同図において、芯金2a上に形成された基層21に誘電層22、保護層23を積層する3層構成をとっている。放電帯電機構系の帯電ローラであっても従来より永久変形による画像弊害は確認されていた。しかしながら、このような多層構成のローラでは基層21や保護層23の硬度を改善する事によって、永久変形を緩和することが可能であった。
しかしながら、前記の特許文献1の画像形成装置における直接注入帯電機構系の帯電部材では表面に導電性粒子を一様に担持することが重要であり、硬度の高い表層によって導電性粒子を保持することは難しい。即ち、粒子の均一保持という観点では単層のローラが好ましいが、単層とすると長期放置による永久変形の解決が難しいという問題があった。
本発明の目的はこのような課題を解決し、直接注入帯電機構を支配的とする帯電部材として、量産性に優れ、均一な帯電性を保持し、同時に長期放置による永久変形をしにくい、弾性発泡体で構成された帯電部材を提供する事にある。
また該帯電部材を用いて、クリーナーレス構成で、均一な帯電性を保持し、同時に長期放置による帯電部材永久変形の画像弊害を回避して、画像を安定して得る事が可能な画像形成装置を提供する事にある。
本発明は下記の構成を特徴とする帯電部材および画像形成装置である。
(1)少なくとも被帯電体とのニップ部に導電性粒子を介在させ、直流成分の電圧を印加することによって前記被帯電体を所定の電位に帯電させる帯電部材において、
該帯電部材は弾性発泡体によって構成され、該弾性発泡体を構成する発泡セルのセル径に対するセル壁の厚みの比が2%以上40%以下であると共に、前記セル径に対する弾性発泡体表面の発泡セルのセル深さの比が10%以上90%以下である事を特徴とする帯電部材。
(2)前記弾性発泡体は、その一方の側を大気圧に、他方の側を大気圧よりも13.3kPaだけ低い気圧にした時、通気量が10cc/cmmin以下となる通気特性を有していることを特徴とする(1)に記載の帯電部材。
(3)前記導電性粒子の粒子抵抗が1012から10−1Ω・cmであり、粒径が10μmから10nmであることを特徴とする(1)または(2)に記載の帯電部材。
(4)前記帯電部材は前記被帯電体に対してカウンターで回転することを特徴とする事を特徴とする(1)から(3)の何れか1つに記載の帯電部材。
(5)少なくとも帯電部材と像担持体とのニップ部に導電性粒子を介在させ、前記帯電部材に直流成分の電圧を印加することによって前記像担持体を所定の電位に帯電させる工程を含む作像プロセスにより画像形成を実行する画像形成装置において、前記帯電部材が(1)から(4)の何れか1つに記載の帯電部材であることを特徴とする画像形成装置。
(6)少なくとも感光層を有する像担持体と、少なくとも前記像担持体とのニップ部に導電性粒子を介在させ、直流成分の電圧を印加することによって前記像担持体を所定の電位に帯電させる帯電部材と、前記像担持体の帯電面に静電潜像を形成する露光手段と、前記像担持体に対向するように配置され、現像剤を担持して前記静電潜像を現像剤像として現像する現像剤担持体と、前記像担持体上に形成された現像剤像を被転写部材に転写させる転写部材を備え、前記現像剤は少なくとも結着樹脂及び磁性体を含有する磁性現像剤であり、これに導電性粒子が外添されており、前記帯電部材は前記像担持体上の現像剤像を被転写部材に転写させたのちに前記像担持体上に残留する前記導電性粒子を回収する画像形成装置において、前記帯電部材が(1)から(4)の何れか1つに記載の帯電部材であることを特徴とする画像形成装置。
(7)前記現像剤担持体は現像剤を担持すべく所定の粗さがある現像剤担持面を有することを特徴とする(6)に記載の画像形成装置。
(8)少なくとも被帯電体とのニップ部に導電性粒子を介在させ、直流成分の電圧を印加することによって前記被帯電体を所定の電位に帯電させる帯電部材において、
該帯電部材は弾性発泡体によって構成され、該弾性発泡体を構成する発泡セルのセル径に対するセル壁の厚みの比が2%以上40%以下であると共に、前記セル径に対する弾性発泡体表面の発泡セルのセル深さの比が10%以上90%以下であって、前記帯電部材にあらかじめ塗布する導電性粒子の重量をM、前記帯電部材の有効帯電領域の総面積をS、前記セル深さをΔX、前記導電性粒子のかさ密度をγとしたとき、以下の条件式が成り立つ事を特徴とする帯電部材。
0.2×γ×S×ΔX≦M≦2.0×γ×S×ΔX
(9)前記導電性粒子の粒子抵抗が1012から10−1Ω・cmであり、粒径が10μmから10nmであることを特徴とする(8)に記載の帯電部材。
(10)前記帯電部材は前記被帯電体に対してカウンターで回転することを特徴とする事を特徴とする(8)または(9)に記載の帯電部材。
(11)少なくとも帯電部材と像担持体とのニップ部に導電性粒子を介在させ、前記帯電部材に直流成分の電圧を印加することによって前記像担持体を所定の電位に帯電させる工程を含む作像プロセスにより画像形成を実行する画像形成装置において、前記帯電部材が(8)から(10)の何れか1つに記載の帯電部材であることを特徴とする画像形成装置。
(12)少なくとも感光層を有する像担持体と、少なくとも前記像担持体とのニップ部に導電性粒子を介在させ、直流成分の電圧を印加することによって前記像担持体を所定の電位に帯電させる帯電部材と、前記像担持体の帯電面に静電潜像を形成する露光手段と、前記像担持体に対向するように配置され、現像剤を担持持して前記静電潜像を現像剤像として現像する現像剤担持体と、前記像担持体上に形成された現像剤像を被転写部材に転写させる転写部材を備え、前記現像剤は少なくとも結着樹脂及び磁性体を含有する磁性現像剤であり、これに導電性粒子が外添されており、前記帯電部材は前記像担持体上の現像剤像を被転写部材に転写させたのちに前記像担持体上に残留する前記導電性粒子を回収する画像形成装置において、前記帯電部材が(8)から(10)の何れか1つに記載の帯電部材であることを特徴とする画像形成装置。
(13)前記現像剤担持体は現像剤を担持すべく所定の粗さがある現像剤担持面を有することを特徴とする(12)に記載の画像形成装置。
1)本発明では帯電部材の弾性発泡体(スポンジ)を構成する発泡セルのセル径に対するセル壁の厚みの比が2%以上40%以下としている。前記セルの壁の厚みの比が2%より小さくなると、セル壁が薄くなりセルの形状を保つことが難しくなるので好ましくない。また、前記厚みの比が40%を超えると弾性発泡体で構成される前記帯電部材に導電性粒子を緻密に塗布する事が出来なくなり好ましくない。
被帯電体(像担持体)に対し均一で安定な直接注入帯電を実現する為には、セル壁は被帯電体に直接当接するセル壁を薄くする事、即ち単位面積あたりの接触面積を増やすことが帯電性向上に関し不可欠なのである。更に、緻密な接触性を有するセルの内壁部に均一に導電性粒子を塗布することによって、被帯電体を均一帯電することができるのである。
さらに、「0.2×γ×S×ΔX≦M≦2.0×γ×S×ΔX」の条件式を満たす重量Mの導電性粒子を帯電部材に塗布することによって、帯電部材表面の粒子保持性に応じた適切な量の導電性粒子を塗布する事が出来る。前記条件式の下限を下回ると、帯電部材上に十分な量の導電性粒子がないので一様な帯電性を維持する事ができなくなる。前記条件式の上限を上回ると、帯電部材の粒子保持性を上回る量の導電性粒子を塗布することになり、帯電部材から導電性粒子が容易に脱落してしまう。
本発明の帯電部材を用いた画像形成装置を量産する場合、帯電部材に導電性粒子を塗布し、画像形成装置に組み付ける工程がある。この工程において、帯電部材に塗布した導電性粒子が容易に脱落してしまうようでは生産性を著しく低下させてしまうので好ましくない。
2)さらに、本発明ではセル深さを規定している。セル深さを所定の範囲内に制限することにより、弾性発泡体によって構成された帯電部材が単層のスポンジローラであっても導電性粒子を均一に塗布することが出来るのである。
図9を用いてセル深さの測定法について説明する。まず、帯電部材たるスポンジローラ2−2を基準線Lに対して平行に設置する。設置方法としてはスポンジローラ2−2の芯金2aの両端2a−1、及び2a−2の基準線Lからの距離X2a−1、及びX2a−2を同じになるようにスポンジローラ2−2の位置を調整する。セル深さの測定は基本的にはスポンジローラ2−2と基準線Lとの間隔をレーザー測長器などの測定器を用いて測定する事に他ならない。即ち、スポンジローラ2−2の表面を精査にフレ測定することになる。具体的には、ローラ長手中央部近傍で周方向360度(1°ピッチ360点)のフレを測定する。
図10−1は長手上任意の位置における測定データのプロフィールである。ここで、一般的に言われる『フレ』はローラ全周にわたる測定値の最大値と最小値の差であって、同図におけるΔYの値である。ΔYはローラの偏心度を示す指標として用いられ、ローラの外径形状を知る上で有効な数値であり、ローラと感光体ドラム1の安定当接に必要な数値として管理が必要である。
先に説明した測定をローラの長手における複数の測定点で行うと、ローラ表面の均一性に応じて、そのプロフィールは変動し、バラツキを生じる。図10−2は任意の長手3点で測定を行った結果を模式的に表した図である。
同図において、任意の位相pにおいて、フレ値のバラツキの最大値(Xpmax)と最小値(Xpmin)を得ることができ、ΔXp=Xpmax−Xpminを得ることが出来る。
図10−2では便宜上、任意の長手3点をもってΔXpを求めたが、より安定した測定値を得るために、本発明では長手4mm(0.2mmピッチ 21点)測定長に対し、ΔXpの値を求め、平均化した値をセル深さと定義する。即ちセル深さΔXは以下の様に算出される。
ΔX=(ΔX(1°)+ΔX(2°)+...+ΔX(360°))/360
上記ΔXはローラの表面性を知る上で有効な数値であり、本発明ではこの値に注目する。実際には、前述の様にローラ長手中央部で測定長4mm(0.2mmピッチ 21点)の測定値をもってΔXを算出することになる。
このセル深さとローラの表面性は互いに相関性があり、ローラのセル系、セルの均一性、研磨法、架橋度といった要因によってその数値は大きく変動する。本発明では、セル径に対する前記スポンジローラ表面セル深さの比が10%以上90%以下している。前記セル深さが前記上限を上回ると、ローラの表面性が悪化し、ローラに対し導電性粒子を一様に塗布することが出来なくなり好ましくない。また、前記セル深さが前記下限を下回るとスポンジローラの弾性層が緻密な接触性を得る事が出来なくなる。
3)以上1)と2)で説明したように、帯電部材の弾性発泡体(スポンジ)を構成する発泡セルのセル壁は被帯電体(像担持体)に直接当接するセル壁を薄くする事、即ち単位面積あたりの接触面積を増やす事により、弾性発泡体によって構成された帯電部材(スポンジローラ)と被帯電体(像担持体)を緻密に接触性させる。さらにセル深さを適切な範囲に制限し、内壁部に均一に導電性粒子を塗布することによって、被帯電体を均一帯電することができるのである。
4)本発明において帯電部材を構成する弾性発泡体(スポンジ)をその一方の側を大気圧に、他方の側を大気圧よりも13.3kPa(100mmHg)だけ低い気圧にした時、通気量が10cc/cmmin以下となる通気特性を有していることを特徴とする。
本発明の帯電部材は通気量を前記の値以下とし、弾性発泡体のセルとセルの繋がり(以下、連通性とする)を有する単泡のスポンジによって構成されている。
単泡のスポンジはセルが壁によって完全に区切られている構成になっている。それ故、スポンジローラが被帯電体(像担持体)に圧接されると壁に囲まれたセル内の空気の弾性によって本来の形状に復元しようとする力が働く。
一方、連泡性のスポンジ、即ちセルとセルがつながっているスポンジではセルとセルが空隙を介してつながっており、外気とセル内の空間は繋がっていると考えられる。即ち、該スポンジを用いたローラは圧接放置すると復元する力がないので、永久変形しやすいのである。
しかしながら、単泡のスポンジローラに対し、導電性粒子を均一に塗布し、感光体ドラムに緻密に当接させることは難しい。それは単泡のスポンジローラは表層と下層に繋がりがなく、粒子の保持性が低いためである。
それ故、本発明では連通性を有する単泡スポンジの帯電部材を用いている。連通性を有することによって、表層と下層に繋がりができて粒子の保持性を満足することができる。それと同時に、外気とセル内の空間は繋がっていないので、圧接放置による復元する力を有し、永久変形しにくいのである。
5)本発明において、導電性粒子はその粒子抵抗が1012から10−1Ω・cmであり、粒径が10μmから10nmであることを特徴とする。これにより、直接注入帯電において均一でかつ安定した帯電が可能となる。
導電性粒子の材料としては、金属酸化物などの導電性無機粒子や有機物との混合物など各種導電性粒子が使用可能である。均一な帯電性を得るために、導電性粒子mの粒径は10μm〜10nmが好ましい。粒径の下限は、粒子が安定して得られるものとして10nmが限界であると思われる。また粒子抵抗は粒子を介した電荷の授受を行うため比抵抗としては1012Ω・cm以下が望ましく、さらには1010Ω・cm以下が望ましい。導電性粒子は、一次粒子の状態で存在するばかりでなく二次粒子の凝集した状態で存在することもなんら問題はない。なお導電性粒子の粒径の測定方法、粒子抵抗の測定方法は特許文献1に記載の方法による。
6)本発明において、前記帯電部材は前記被帯電体(像担持体)に対してカウンターで回転することを特徴とする。直接注入帯電の帯電性は被帯電体の周速と帯電部材の周速の比に依存するため、逆方向と同じ周速比を得るには順方向では帯電部材の回転数が逆方向の時に比べて大きくなる。よって、本発明の様に帯電部材をカウンター方向に回転させる方が回転数の点で有利となる。ここで記述した周速比は周速比(%)=(帯電部材周速−被帯電体周速)/被帯電体周速×100である(帯電部材周速はニップ部において帯電部材表面が被帯電体表面と同じ方向に移動するとき正の値である)。この周速比は望ましくは120%以上である事が望ましい。
7)本発明の画像形成装置によれば、弾性発泡体によって構成された帯電部材セル壁は像担持体に直接当接するセル壁を薄くする事、即ち単位面積あたりの接触面積を増やす事により、帯電部材と像担持体を緻密に接触性させる事ができる。さらにセル深さを適切な範囲に制限しているので、内壁部に均一に導電性粒子を塗布することにより、像担持体を均一帯電する事ができ、かぶりや帯電不良を生じない画像形成装置を提供する事ができる。
以上要するに本発明によれば、直接注入帯電機構を支配的とする帯電部材として、量産性に優れ、均一な帯電性を保持し、同時に長期放置による永久変形をしにくい、弾性発泡体で構成された帯電部材を提供する事ができる。
また該帯電部材を用いて、クリーナーレス構成で、均一な帯電性を保持し、同時に長期放置による帯電部材永久変形の画像弊害を回避して、画像を安定して得る事が可能な画像形成装置を提供する事ができる。
図1は本発明に従う帯電部材を具備させた画像形成装置の一例の概略構成模型図である。本実施例の画像形成装置は、像担持体の帯電を弾性発泡体によって構成された帯電部材(以下、スポンジローラと記す)と導電性粒子を用いて直接注入帯電機構で行なわせ、またクリーナーレスシステムとした、電子写真レーザービームプリンタである。
本実施例のプリンタは、前述図11の電子写真レーザービームプリンタとの対比において下記の点で異なる。
a.クリーニング装置を取り外してクリーナーレスにしてある
b.感光体ドラム1の帯電部材はスポンジローラ2−2にしてある
c.該スポンジローラ2−2には予め導電性粒子40を塗布してある
d.該スポンジローラ2−2を感光体ドラム1との接触部Nにおいて感光体ド
ラム1の回転方向aに対して所定の周速度をもってカウンター方向cで回
転させている
e.該スポンジローラ2−2に帯電バイアス電圧として直流成分のみを印加す

f.現像装置3の現像剤容器7に収容の現像剤(トナー)Tに予め所定の割合
で導電性粒子40を配合混合させてある
ユーザーが使用する前の初期カートリッジBには、予めスポンジローラ2−2に導電性粒子40が塗布してある。よって、初期のカートリッジBであっても、感光体ドラム1とスポンジローラ2−2との間には導電性粒子40が介在しているので、電源13から芯金2aに所定の帯電バイアス電圧、本例では−600Vの直流電圧を印加したスポンジローラ2−2を感光体ドラム1に接触させることにより感光体ドラム1の表面をおおよそ−600V程度の暗電位(Vd)に一様に帯電させることができる。
前述の図11に示した様な従来例では帯電ローラ2には通常直流電圧と交流電圧の重畳電圧を印加することにより感光体ドラム表面を安定して帯電させ、帯電不良による砂地(白地にトナーが飛翔する現象)等の画像欠陥を防いでいた。しかしながら、既に説明したようにそのような放電帯電機構では放電生成物を生じる事は原理的に避けられない。
これに対し本実施例では直流電圧のみを印加しているので放電生成物を生じる事無く感光体ドラム表面を帯電させる事が出来る。
スポンジローラ2−2は芯金2a上に可撓性部材であるゴムあるいは発泡体の中抵抗層2bを形成することにより作成される。スポンジローラ2−2の回転方向cは感光体ドラム1の回転方向aに対してカウンター方向に周速差にして150%の速さで回転させることにより、感光体ドラム1上に存在した導電性粒子40の多くを剥ぎ取る。これにより、後に記述する現像スリーブ3aより感光体ドラム1の面に供給された導電性粒子40をスポンジローラ2−2上に塗布する事が出来き、スポンジローラ2−2と感光体ドラム1との間に導電性粒子40が介在する事によって直接注入帯電が実現する。
次いで、光学系8aから画像情報に応じたレーザービーム光L1を折り返しミラー8bを介して露光開口部6aを通して感光体ドラム1へ照射して静電潜像を形成し、現像剤であるトナーを用いて現像装置3によって現像する。
即ち、スポンジローラ2−2は感光体ドラム1に接触して設けられており、感光体ドラム1に帯電を行う。また現像装置3は、感光体ドラム1の現像領域へトナーを供給して感光体ドラム1に形成された潜像を現像する。
この現像装置3は、現像剤容器7から導電性粒子40を混入させたトナーTの供給を受け、現像スリーブ3aを回転させると共に、現像ブレード3bによって摩擦帯電電荷を付与したトナー層をマグネット3c(固定磁石)を内蔵した現像スリーブ3aの表面に形成し、そのトナーを感光体ドラム1の現像領域(画像領域)へ供給する。そして、そのトナーを前記潜像に応じて感光体ドラム1へ転移させることによってトナー像を形成して可視像化する。
ここで、現像スリーブ3aはアルミ素管上にコート剤を施したものを用いている。コート剤はバインダー(アクリル樹脂)にピグメント及び表面に適度な粗さを設ける為の粗し剤(球状炭素粒子、粒径約10μm、真密度2.0g/cm)を分散させたものを用いている。
この粗し剤として用いた球状炭素粒子を得る方法としては、フェノール樹脂、ナフタレン樹脂、フラン樹脂、キシレン樹脂、ジビニルベンゼン重合体、スチレン−ジビニルベンゼン共重合体、ポリアクリロニトリルの如き球状樹脂粒子表面に、メカノケミカル法によってバルクメソフェーズピッチを被覆し、被覆された粒子を酸化性雰囲気下で熱処理した後に不活性雰囲気下又は真空下で焼成して炭素化及び/又は黒鉛化し、導電性球状炭素粒子を得る方法が挙げられる。この方法で得る球状炭素粒子は、黒鉛化すると得られる球状炭素粒子の被覆部の結晶化が進んだものとなるので導電性が向上し、より好ましい。
本実施例の表面粗さを測定したところ、Ra=1.4μmであった。ここで、本発明において、トナー担持体の表面粗さRzは、JIS表面粗さ「JIS B 0601」に基づき、表面粗度測定器(サーフコーダーSE−30、株式会社小阪研究所社製)を用いて測定される中心線平均粗さに相当する。具体的にはトナー担持体の軸方向3箇所、さらに周方向4箇所の計12箇所に対して、軸方向の測定長2.5mmの部分を抜き取り、この抜き取り部分の縦倍率方向の標高から算出したものである。
その後、転写ローラ4に前記トナー像と逆極性の電圧を印加して、感光体ドラム1に形成されたトナー像を被転写部材(記録媒体、転写材)Pに転写する。
本実施例のプリンタはクリーナーレスであり、被転写部材Pに対するトナー像転写後の回転感光体ドラム1面に残留の転写残トナーはクリーナーで除去されることなく、感光体ドラム1の回転にともないスポンジローラ2−2を経由して現像領域部に至り、現像スリーブ3aによって現像同時クリーニング(回収)される(トナーリサイクルプロセス)。
本発明ではトナー母体をスチレン樹脂としてトナーの帯電を促進する外添剤としてシリカをトナー母体に対して2部、導電性粒子40として粒子抵抗が10Ω・cm、二次凝集体を含めた平均粒径3μmの導電性酸化亜鉛粒子を2部外添している。
本発明における導電性微粉体の平均粒径及び粒度分布の測定には、コールター社製、LS−230型レーザー回折式粒度分布測定装置にリキッドモジュールを取付けて0.04〜2000μmの測定範囲で測定した。測定法としては、純水10ccに微量の界面活性剤を添加し、これに導電性微粉体の試料10mgを加え、超音波分散機(超音波ホモジナイザー)にて10分間分散した後、測定時間90秒、測定回数1回で測定し、その結果を元に体積平均粒径を算出した。また、導電性微粉体の抵抗測定は、錠剤法により測定し正規化して求めた。即ち、底面積2.26cmの円筒内に凡そ0.5gの粉体試料を入れ上下電極に147N(15kg)の加圧を行うと同時に100Vの電圧を印加し抵抗値を計測、その後正規化して比抵抗を算出した。
この導電性粒子40はトナーTに対する外添剤としては低抵抗であると同時に、弱ポジ性の傾向を示すので、導電性粒子40単独では感光体ドラム1面の非画像部に対し、現像スリーブ3aから感光体ドラム1へ800V(|Vmin−Vd|=|200−(−600)|)のコントラストをもって飛翔する。また、導電性粒子40はトナーに付着しているものもあり、感光体ドラム1面の画像部に対し、現像スリーブ3aから感光体ドラム1へ850V(|VL−Vmax|=|−150−(−1000)|)のコントラストをもって飛翔する(図2及び図3参照)。
これら感光体ドラム1面上に飛翔した導電性粒子40はトナー粒子に比べ充分に低抵抗であると同時に、導電性酸化亜鉛粒子はポジ性を示す為、そのほとんどは転写バイアス印加によって被転写部材Pに転写される事無く転写残トナーと伴に感光体ドラム1上に残留する。この導電性粒子40をスポンジローラ2−2に充分に供給する事によって直接注入帯電を達成する事が出来る。
(2)スポンジローラ2−2
次に本実施例のスポンジローラについて詳しく述べる。スポンジローラ2−2は芯金2a上に弾性発泡体層(スポンジ層)2bを形成することにより作成される。
弾性発泡体層2bはゴム(例えばEPDM)、導電性粒子(例えばカーボンブラック)、加硫剤、発泡剤等により処方され、押し出し、加熱の過程を経て芯金2aの上にローラ状に形成される。その後、表面を研磨してスポンジローラ2−2を作成する。
スポンジローラの表面形状は研磨加工によってスポンジゴムのセル、セル壁によって構成された凹凸形状になっている。セル、セル壁は加硫剤、発泡剤、または加熱手段を選択することによって種々の状態のものを得ることが可能である。また、凹凸形状を有する微細な網目構造を得る手段としては、高分子物質に混ぜ込んだ低分子物質を溶剤によって溶出して多孔質体を得る方法や、非発泡体を研磨、エッチング等、表面加工することによっても得ることが可能である。
ゴムを発泡酸化させて、網目構造を持つ弾性層を形成する場合には、発泡剤の種類、加硫促進剤、発泡条件および加硫条件等を適宜選択することにより、微細なセル構造を形成することができる。例えば、ゴムの硬化反応がある程度進行させた段階で、即ち、ゴムが高粘度の状態で発泡剤を熱分解させれば大きな発生したガスにより形成されるセルは小さくなる、また、発泡処理を、水蒸気加熱で行うことにより、水蒸気の圧力で発泡のサイズが抑えられ、小さく、且つ、多数のセルを生じさせることができる。EPDMゴムを発泡させて網目構造を作る場合には、発泡剤としてアゾジカルボンアミド、加硫促進剤としてチアゾール系化合物およびジチオカルバミン酸塩系化合物、および加硫剤としてイオウを用いたことが特に好適である。またこのとき、チアゾール系化合物およびジチオカルバミン酸系化合物の配合量がEPDM100重量部に対して、3〜5重量部であることが好適である。
また、発泡倍率を大きくすることによって、ローラの硬度が下がり、スポンジローラが被帯電体(感光体)を帯電するに必要なニップ幅を確保することができるため、帯電効率を上げることができる。ただし、発泡倍率を上げすぎるとスポンジローラとして強度が不十分なため変形を起こしやすく、帯電性能が悪化してしまうため、発泡倍率は1.5倍以上5倍以下であることが好ましい。
発泡倍率は以下に示す様に発泡前と発泡後の比重(g/cm)を用いた式によって算出する。
発泡倍率=(加硫発泡前の比重)/(加硫発泡後の比重)
スポンジローラ2−2は電極として機能することが重要であり、弾性を持たせ十分な接触状態を得ると同時に、移動する被帯電体を充電するに十分低い抵抗を有する必要がある。しかし、一方では被帯電体にピンホールなどの欠陥部位が存在した場合に電圧のリークを防止する必要がある。よって、被帯電体として電子写真用感光体を用いた場合、十分な帯電性と耐リーク性を得るには10〜10Ωの抵抗を有することが望ましい。
スポンジローラの硬度は、硬度が低すぎると形状安定しないために接触性が悪くなり、高すぎると帯電ニップを確保できないだけでなく、感光体表面へのミクロな接触性が悪くなるので、アスカーC硬度で10度から30度が好ましい範囲である。
スポンジローラ2−2の弾性発泡体層2bとしては、EPDM(エチレンプロピレンゴム)、ウレタン、NBR(ニトリルブタジエンゴム)、シリコーンゴムや、IR(ブチルゴム)等に、抵抗調整のためにカーボンブラックや金属酸化物等の導電性物質を分散したゴム層があげられる。また、特に導電性物質を分散せずに、イオン導電性の材料を用いて抵抗調整をすることも可能であり、さらには、金属酸化物とイオン導電性の材料を混合して抵抗調整することも可能である。
スポンジローラ2−2は感光体に対する当接を安定化させるためはスポンジローラ2−2表面の『柔らかさ』が必要である。この柔らかさは上記製法によって得られた微細なセルを有する構成によってほぼ満たされるが、ゴム材料による影響も大きい。そこで、本実施例ではゴム材料としてEPDMを採用している。これにより、スポンジローラ2−2はゴム材料としての柔らかさを有すると同時に、上記製法によりローラ表面に微細なセルを有する事が出来る。その結果、セル壁の厚さを充分に薄くすると伴に弾性を有する微細な『はけ』のような特性を得ることが出来る。
本実施例に用いたスポンジローラ2−2の表面のゴム硬度をマイクロ硬度計(高分子計器社製MD−1)によって測定した結果、おおよそ14度であった。この値はスポンジローラ2−2の長手方向、周方向任意の点(10ヶ所)測定の平均値であるが、ばらつきは小さく14±2度程度の範囲に抑える事が出来た。これは上記のようなセル構成、ゴム材料を採用した結果であり、これにより感光体1に対する当接をより微細に当接させること出来る。
1)スポンジローラの研磨
次にスポンジローラの研磨に関して説明を加える。芯金2aの上に弾性発泡体層2bをローラ状に形成したスポンジローラ2−2はその表面即ち弾性発泡体層2bの表面の研磨工程を経て最終形状を得る。
本実施例においては所謂トラバース研磨を用いて研磨した。図4はこの研磨工程を模式的に説明する図である。同図において、研磨するワークとしてのスポンジローラ2−2の芯金2aを固定し、200rpmの回転数で回転させる。このワークに対し、円盤形状を有した多孔性の砥石50をワーク2−2に対しカウンター方向1200rpmで当接させる。この砥石50をワーク2−2の長手に対し2.5mm/secの速さで等速移動させる事によって研磨した。研磨法はワークおよび砥石の回転数や砥石種に影響を受けるので、最適化が必要である。さらに、本実施例ではトラバース研磨を用いたが、スポンジローラ2−2を均一に研磨する方法であれば、図5に示す様なローラ長手を長尺砥石51で一括研磨するプランジ研磨やその他の研磨法であってもかまわない。
以上説明したような製法によって得られスポンジローラ2−2は表面を研磨して最終的な形状が得られる。本実施例に用いられるスポンジローラ2−2は前記の様に非常に柔らかく、且つ微細なセル構造を有している。それ故に、最終工程である表面研磨に関しても、研磨が粗くて研磨肌が見えるようではいけない。
2)発泡セル径に対するセル壁の厚みの比
本発明の特徴であるスポンジローラに用いられる弾性発泡体層(スポンジ層)2bの発泡セル径に対するセル壁の厚みの比について、以下の様に検証する。
まず、スポンジローラ2−2の弾性発泡体層2bを表面から長手直線状にカッターや剃刀等を用いて裁断する。この面をSEMやビデオマイクロカメラ等によって撮影した写真を模式的に表したのが図6である。
図6において、弾性発泡体層2bの表面であるローラ表面より弾性発泡体層2bを構成している発泡セル2〜3個分下層においてローラ母線と平行に直線Xを引く。この直線上に形成されている発泡セルS(以下セルと記す)を20〜30個分抽出して、セルSが形成する空間の合計LA(=La+Lb+Lc+・・・・・)の値を計算する。このとき、測定母線をLとすると、セル壁dの厚さの合計をLB(=L−LA)とする。ここで発泡セル径に対するセル壁の厚みの比Rsとすると、
Rs=LB/LA
となる。
本実施例のスポンジローラ2−2の弾性発泡体層2bでは、この発泡セル径に対するセル壁の厚みの比はおおよそ30%であって、セル径に対し充分に薄いセル壁を得ることが出来た。
3)セル径に対する表面発泡セルのセル深さの比
次に本発明の特徴であるスポンジローラに用いられる弾性発泡体層2bのセル径に対する表面発泡セルのセル深さの比について検証する。
スポンジローラ2−2の弾性発泡体層2bはセル径が約100μmで均一に発泡しているセル構造を有しているので、ローラ表面は表層付近のセルを均一に削り出すことによって均一な表面を得ることが出来ている。スポンジローラ2−2の表面を先に図10−2用いて説明した方法でセル深さΔX2−2を測定したところ40μmであった。これはスポンジローラ2−2の弾性発泡体層2bが均一で微細なセル構造を有していることにより達成されたものであり、この発泡セル径に対するセル深さの比はおおよそ40%であって、導電性粒子40を均一に保持するのに十分なセル深さを得ることが出来た。
4)弾性発泡体層2bの通気量
さらに、本発明の特徴であるスポンジローラに用いられる弾性発泡体層2bの通気量について、以下の様に検証する。
具体的には図8−1に示される装置構成によって、通気量は測定される。測定されるスポンジローラ2−2を構成する弾性発泡体層2bの部分の軸方向における長さが25mmとなるように切断したサンプル103を、その外径より若干小さい内径を有する円筒104に圧入する。さらに、サンプル103の一端を大気にさらし、もう一方の端を流量計101を介して真空ポンプ100に接続する。次に、真空ポンプ100に接続された側の圧力を圧力計102にて計測して、それが大気圧よりも100mmHgだけ低い気圧になるように、真空ポンプ100を作動させ、その時の空気流量を流量計101で測定し、そして、その測定値をサンプル103の弾性発泡体層の部分の断面積で除することによって、目的とする通気量を得るのである。今回、用いたスポンジローラ2−2における弾性発泡体層2bの通気量は5cc/cmminである。
5)効 果
本発明に用いられるスポンジローラ2−2の弾性発泡体層2bは図8−2の様に、セル壁が薄く、若干の連通性を有している事が特徴である。図7は弾性発泡体層2bを前記研磨法により研磨したスポンジローラ2−2の表面に導電性粒子40を塗布し、感光体ドラム1に加重(総圧7.8N(800g))で当接させている様子を模式的に表したものである。また、弾性発泡体層2bのセル壁は30μm程度で充分に薄いので、スポンジローラ2−2を加重(総圧7.8N(800g))し、感光体ドラム1に当接させるとセル壁によって図7のように弾性発泡体層2b表面のセルの空隙が塞がれて、ローラ表面の均一性が高められる。このスポンジローラ2−2は表面の均一性が優れているので、導電性粒子40の均一塗布により、均一帯電を達成することが出来るのである。
図8−3及び図8−4はそれぞれ比較例1と2のスポンジローラ2−3と2−4の弾性発泡体層2b−3と2b−4のセル構造の模式図である。
図8−3の比較例1のスポンジローラ2−3は、弾性発泡体層2b−3についてその発泡処理を水蒸気加熱で行う段階で発泡反応を抑えたもので、図8−2のスポンジローラ2−2の弾性発泡体層2bに比べてセル径が小さく、発泡一様性が悪くなっている。
その結果セル壁が厚くなり、セル径は100μm、セル壁は50μm程度になった。この比較例1のスポンジローラ2−3の弾性発泡体層2b−3は未発泡部が比較的多い事によって、完全に連通性のない単泡ローラとなった。よって、図中セルSw、Sx、Sy、Sz、開口Pzは完全にセル壁で仕切られている。それ故外気と内部セルとは遮断されており、外部変形による復元力が大きいと考えられる。しかしながら、未発泡部が大きいため、セル壁によって復元力を阻害されてしまうので、永久変形を抑制に関しては効果的でない。
また、この比較例1のスポンジローラ2−3は研磨工程において、ローラ表面をケバ立たせ、粒子の保持力アップを試みたその結果、セル深さは40μm得られたが、セル壁は一部ちぎれてしまった。これは所謂『研磨のビビリ』であり、このようなローラ表面で均一な粒子保持性を得る事はできない。
比較例1のスポンジローラ2−3に対し導電性粒子40を塗布したが、ローラ表面に粒子を保持するセルができていないので、導電性粒子は容易に脱落し、帯電部材として評価することが出来なかった。
図8−4の比較例2のスポンジローラ2−4は、弾性発泡体層2b−4についてその発泡処理を水蒸気加熱で行なう段階で発泡反応を促進させたもので、セル壁が30μmになったが、セル径が150μmと大きくなり、セルとセルが繋がっている部分が多数確認できる。
即ち、図中セルSa、Sb、Sc、Sd、開口Pdは空隙によって繋がっており、連通性が高く、通気量を測定した結果、通気量は60cc/cmminであった。
このようなスポンジローラ2−4は弾性発泡体層2b−4のセル構造のセル壁が薄く、セル壁によって復元力を阻害される事ない。しかしながら、連通性が高いので、外気と内部セルが空隙を介して繋がっており、復元力自体が小さい。よって、永久変形を抑制に関しては効果的でない。
比較例2のスポンジローラ2−4は実施例のスポンジローラ2−2と同等の研磨法で研磨し、最終形状とした。しかし、比較例1のスポンジローラ2−3と同様にローラ表面が研磨によって崩れ、ケバ立っている。スポンジローラ2−4のセル深さを測定すると100μmであった。これは研磨条件を厳しくし、ローラ表面を均一化しようとしてもセル径が150μmと大きくなっている事が要因であると考えられる。この比較例2のスポンジローラ2−4に対し、導電性粒子を塗布すると、比較例1のスポンジローラ2−3と同様にローラ表面に形成されているケバでは粒子の保持はできないので、導電性粒子は容易に脱落してしまった。この比較例2のスポンジローラ2−4を画像形成装置内に組み込み、画出し確認したところ、導電性粒子が均一に保持されていないので、帯電不良画像を生じてしまった。
本発明の特徴であるセル径Dsとセル壁Dwの比、及びセル径Dsとセル深さΔXの比を以下のような条件式とし、実施例に用いたスポンジローラ2−2及び比較例1と2に用いたスポンジローラ2−3及び2−4の測定値をまとめたものが表1、ローラ特性をまとめたものが表2である。
2(%)≦Dw/Ds×100(%)≦40(%)...条件式1)
10(%)≦ΔX/Ds×100(%)≦90(%)...条件式2)
図13は上記した実施例1と同様に、前記研磨法により研磨したスポンジローラ2−2に導電性粒子40を塗布し、感光体ドラム1に加重(総圧7.8N(800g))で当接させている様子を模式的に表したものである。スポンジローラ2−2の弾性発泡体層2bはセル径が約100μmで均一に発泡しているローラチューブであって、前記研磨法によって最終形状を得た。
従って、スポンジローラ2−2の表面、即ち弾性発泡体層2bの表面は表層付近のセルを均一に削り出すことによって均一な表面を得ることが出来ている。また、スポンジローラ2−2のセル壁は30μm程度で充分に薄いので、スポンジローラ2−2を加重(総圧7.8N(800g))し、感光体ドラム1に当接させるとセル壁によって図13のように弾性発泡体層2b表面のセルの空隙が塞がれて、ローラ表面の均一性が高められる。このスポンジローラ2−2は表面の均一性が優れているので、これにおおよそ0.2gの導電性粒子40を均一に塗布することが出来た。導電性粒子40の均一塗布により、スポンジローラ2−2を用いた場合、均一帯電を達成することが出来るのである。
ここで、図14−1を用いて導電性粒子40の適正塗布量を考える。スポンジローラ2−2は表面を微細なセルの器で覆われた表面を有していると考えられる。同図において、セル深さΔX2−2はセルの器の深さと考えることが出来る。即ち、導電性粒子40を塗布するということは、セルの器に導電性粒子40を充填し、その付着力によって保持することに他ならない。よって、ローラが保持できる導電性粒子40の量を考えるとき、セルの器の容量を基準に考えるのが妥当といえよう。セルの壁を無視すると、セルの器の容量はセル深さ分のローラの表層を仮想できる。すると、ローラが保持できる粒子の重さは以下の様に表すことが出来る。
M=γ×S×ΔX (Sはローラ表面積)
さらに本発明では以下の条件式が成り立つ事を特徴としている。
0.2×γ×S×ΔX≦M≦2.0×γ×S×ΔX...条件式1)
本実施例のローラは直径φ20、長手220mmである。今回用いた導電性粒子40は酸化亜鉛であって、かさ密度はおおよそγ=0.3g/cmである。また、前記測定法によりスポンジローラ2−2のセル深さを測定した結果、ΔX2−2=40μmであった。
これらの数値を上記数式1)に当てはめてみると、
0.033≦M≦0.33
となる。
本実施例における導電性粒子40の塗布量0.2gは上記条件式を満たし、スポンジローラ2−2の粒子保持性に応じた適切な塗布量であるといえる。
一方、本発明の特徴であるセル径Dsとセル壁Dwの比、及びセル径Dsとセル深さΔXの比を条件式として以下にまとめる。
2(%)≦Dw/Ds×100(%)≦40(%)...条件式2)
10(%)≦ΔX/Ds×100(%)≦90(%)...条件式3)
スポンジローラ2−2は条件式2)、3)の両者を満たし、均一な表面性を有しているので、条件式3)を満たす量の導電性粒子40を確実に、均一に保持していると考えられる。
これに対し、本実施例と同じスポンジローラ2−2に対し、導電性粒子40を0.02g塗布したのがスポンジローラ2−2’であり、導電性粒子40を0.4g塗布したのがスポンジローラ2−2”である。
スポンジローラ2−2’はローラ本来の粒子保持性を下回る量の導電性粒子しか塗布していないのでローラ表面に十分な量の導電性粒子が存在していない。その結果、帯電性が不十分になり、初期画像に局所的な帯電不良が発生してしまう。先に図2及び図3を用いて説明したように、導電性粒子40の供給は感光体ドラム1の潜像設定よって決定される。よって初期の帯電不良は潜像設定に影響し、導電性粒子40の供給バランスまで崩してしまうので好ましくない。
これに対し、スポンジローラ2−2”はローラ本来の粒子保持性を上回る量の導電性粒子を塗布している。即ち、導電性粒子40はスポンジローラ2−2”上に『積層』している状態になる。この様な状態では導電性粒子40は容易に脱落してしまう。脱落した導電性粒子40が感光体ドラム1上に付着する程度の量であれば、本発明の帯電プロセスに対する影響はない。しかしながら、組み立て時にスポンジローラ2−2”から粒子が脱落すると量産性が著しく阻害され好ましくない。たとえ、スポンジローラ2−2”が画像形成装置に組み込まれたとしても、感光体ドラム1に対しカウンター回転するスポンジローラ2−2”から導電性粒子40は振り落とされ、画像形成装置内部に飛散するので好ましくない。
次に比較例3、4、5、6としてスポンジローラ2−5、2−6、2−7、及び2−8を示す。
比較例3のスポンジローラ2−5は本実施例のスポンジローラ2−2と同等のセル径、発泡均一性を有しているが、研磨時間をおおよそ半分にして仕上げている。研磨時間を短縮する事は量産性を向上させる手法として一般的に考えられることである。この比較例3のスポンジローラ2−5の断面を模式的に表したのが図14−2である。これを見ると、ローラ表面が研磨によって崩れ、ケバ立っている事が解る。これは研磨時間の短縮により、ローラ表面の均一性が低下した事によるものである。不均一な表面は不均一な粒子保持性を有する傾向にあり、粒子を確実に保持することはできない。
ここで、この比較例3のスポンジローラ2−5に対し導電性粒子40を条件式1)を満たす1.0gを塗布したが、ローラ表面に形成されているケバでは粒子の保持はできないので、導電性粒子は容易に脱落してしまった。これは量産時における組み立て性を低下させる事になり好ましくない。
比較例4と5のスポンジローラ2−6及び2−7は発泡処理を水蒸気加熱で行う段階で発泡反応を抑えることによって、実施例のスポンジローラ2−2に比べてセル径が小さく、発泡一様性が悪くなっている。その結果セル壁が厚くなり、セル径、セル壁ともに60μm程度となってしまった。
比較例4のスポンジローラ2−6は実施例のスポンジローラ2−2と同等の研磨法で研磨し、最終形状とした。その断面を模式的に表したのが図14−3である。同図をみると、図14−2の比較例3のスポンジローラ2−5で見られたようなケバ立ちは見られないが、セルがローラ表面に形成されずに、ソリッド面のような平面が表面に現れていることが解る。この比較例4のスポンジローラ2−6のセル深さを測定した結果、おおよそ10μmだった。このスポンジローラ2−4は粒子保持性が低いので、ローラ表面に対して均一な付着性を確保しつつ導電性粒子40を塗布すると、条件式1)の下限を下回る量の導電性粒子を0.007gしか塗布できなかった。このスポンジローラ2−6を画像形性装置に装着し、画出し確認を行った。その結果、このスポンジローラ2−6上には十分な量の導電性粒子がないので、感光体ドラムを均一に帯電することができずにかぶり画像を生じた。
比較例5のスポンジローラ2−7は比較例4のスポンジローラ2−6と同じセル構造を有しているが、研磨工程において、ローラ表面をケバ立たせ、粒子の保持力アップを試みた例である。その断面を模式的に表したのが図14−4である。同図を見ると、発泡一様性が低いローラをケバ立たせた結果、セル深さは20μm得られたが、セル壁は一部ちぎれてしまった。これは所謂『研磨のビビリ』であり、このようなローラ表面で均一な粒子保持性を得る事はできない。このスポンジローラ2−7に対し導電性粒子40を条件式1)を満たす0.15gを塗布したが、ローラ表面に粒子を保持するセルができていないので、導電性粒子は容易に脱落し、帯電部材として評価することが出来なかった。
比較例6のスポンジローラ2−8は発泡処理を水蒸気加熱で行う段階で発泡反応を促進ことによって、発泡均一性が良く、セル壁は薄くなったが、セル径が200μmと大きくなってしまった。このスポンジローラ2−8は実施例のスポンジローラ2−2と同等の研磨法で研磨し、最終形状とした。この比較例6のスポンジローラ2−8の断面を模式的に表したのが図14−5である。これを見ると、比較例3のスポンジローラ2−5と同様にローラ表面が研磨によって崩れ、ケバ立っている。これは研磨条件を厳しくし、ローラ表面を均一化しようとしてもセル径が200μmと大きくなっている事が要因であると考えられる。一方、セル深さは200μmであり、セル径に対するセル深さの比は100%となっしまう。この比較例6のスポンジローラ2−8に対し、条件式1)を満たす粒子塗布量0.9gを塗布すると、比較例3のスポンジローラ2−5と同様にローラ表面に形成されているケバでは粒子の保持はできないので、導電性粒子は容易に脱落してしまった。
本実施例に用いたスポンジローラ2−2、及び比較例3〜6としてのスポンジローラ2−5、2−6、2−7、2−8の測定値をまとめたのが表3である。さらに、これらのローラの測定値を上記条件式1)から3)にあてはめ、その合否判定を行ったのもが表4である。
上記表を見ると、実施例のスポンジローラ2−2の粒子担持性が良好であることが確認できる。実施例では導電性粒子40を0.2g付着させ、均一帯電性を得ている。
しかしながら、この実施例のスポンジローラ2−2に対し、条件式3)の上限0.33g以上の導電性粒子40を付着させようとしてもローラ表面の粒子保持量を超えているので、粒子の脱落を生じる。また、条件式3)の下限0.033g以下の導電性粒子40を付着させても、ローラ表面に十分な量の導電性粒子が存在しないので、感光体ドラムを均一に帯電する事ができずにかぶりなどの画像弊害を生じるので好ましくない。
さらに、比較例3と6のスポンジローラ2−5、及び2−8のようなローラは、セル深さの値が大きいが、均一性が悪く粒子保持量が過剰となりやすい。導電性粒子を塗布しても粒子は不均一に保持されやすく、脱落しやすいので好ましくない。
また、比較例4や5のスポンジローラ2−6及び2−7は発泡均一性が悪いローラであって、ローラ表面の均一性が得られない。研磨条件の変更などの方法により粒子の保持量は多少コントロールできるが、表面の均一性を向上を改善することはできない。従って、導電性粒子を均一に保持する事はできないので本発明に用いる帯電部材としては好ましくない。
[その他]
1)本発明の弾性発泡体からなる帯電部材は実施例の回転ローラの形態に限られず、非回転のブロック形態・ブレード形態等のものにし、被帯電体とのニップ部に導電性粒子を介在させて被帯電体と相対的移動させる装置構成にすることもできる。
2)本発明の帯電部材は画像形成装置における像担持体の帯電ばかりでなく、広く被帯電体を直接注入帯電機構を支配的にして帯電する帯電部材として有効である。
3)また、本発明の帯電部材を像担持体の帯電手段として用いる画像形成装置は実施例のようなクリーナーレスの画像形成装置に限られるものではなく、クリーニング装置を有する画像形成装置であってもよい。
実施例1の画像形成装置の概略構成図 現像部におけるトナーと導電性粒子の挙動を説明する図(その1) 現像部におけるトナーと導電性粒子の挙動を説明する図(その2) スポンジローラ表面の研磨要領図(トラバース研磨) スポンジローラ表面の研磨要領図(プランジ研磨) スポンジ層における発泡セル径に対するセル壁の厚みの比を説明する模型図 表面に導電性粒子を塗布したスポンジローラを感光体ドラム面に押圧下状態の模式図 スポンジ層の通気量を測定する装置の説明図 実施例1のスポンジローラのスポンジ層のセル構造を説明する模型図 比較例1のスポンジローラのスポンジ層のセル構造を説明する模型図 比較例2のスポンジローラのスポンジ層のセル構造を説明する模型図 スポンジローラ表面のセル深さの測定要領図 測定データのプロフィール 任意の3点で測定を行った結果を模式的に表した図 従来例の画像形成装置の概略構成図 放電系の帯電ローラの層構成模型図 実施例2において、表面に導電性粒子を塗布したスポンジローラを感光体ドラム面に押圧下状態の模式図 実施例2のスポンジローラのスポンジ層のセル構造を説明する模型図 比較例3のスポンジローラのスポンジ層のセル構造を説明する模型図 比較例4のスポンジローラのスポンジ層のセル構造を説明する模型図 比較例5のスポンジローラのスポンジ層のセル構造を説明する模型図 比較例6のスポンジローラのスポンジ層のセル構造を説明する模型図
符号の説明
1...感光体ドラム、2...帯電ローラ、...スポンジローラ、2a...芯金、2b...弾性層、3a...現像ローラ、3b...現像ブレード、4...転写ローラ、5a..クリーニングブレード、3...現像装置、7...現像剤容器、8a...露光手段、8b...折り返し反射部材、9...定着手段、10...攪拌部材、11〜13...電源、21...基層、22...誘電層、23...保護層、40...導電性粒子、50・51...砥石、100...真空ポンプ、101...流量計、102...圧力計、103...サンプル、T...トナー、P...記録媒体

Claims (13)

  1. 少なくとも被帯電体とのニップ部に導電性粒子を介在させ、直流成分の電圧を印加することによって前記被帯電体を所定の電位に帯電させる帯電部材において、
    該帯電部材は弾性発泡体によって構成され、該弾性発泡体を構成する発泡セルのセル径に対するセル壁の厚みの比が2%以上40%以下であると共に、前記セル径に対する弾性発泡体表面の発泡セルのセル深さの比が10%以上90%以下である事を特徴とする帯電部材。
  2. 前記弾性発泡体は、その一方の側を大気圧に、他方の側を大気圧よりも13.3kPaだけ低い気圧にした時、通気量が10cc/cmmin以下となる通気特性を有していることを特徴とする請求項1に記載の帯電部材。
  3. 前記導電性粒子の粒子抵抗が1012から10−1Ω・cmであり、粒径が10μmから10nmであることを特徴とする請求項1または2に記載の帯電部材。
  4. 前記帯電部材は前記被帯電体に対してカウンターで回転することを特徴とする事を特徴とする請求項1から3の何れか1つに記載の帯電部材。
  5. 少なくとも帯電部材と像担持体とのニップ部に導電性粒子を介在させ、前記帯電部材に直流成分の電圧を印加することによって前記像担持体を所定の電位に帯電させる工程を含む作像プロセスにより画像形成を実行する画像形成装置において、前記帯電部材が請求項1から4の何れか1つに記載の帯電部材であることを特徴とする画像形成装置。
  6. 少なくとも感光層を有する像担持体と、少なくとも前記像担持体とのニップ部に導電性粒子を介在させ、直流成分の電圧を印加することによって前記像担持体を所定の電位に帯電させる帯電部材と、前記像担持体の帯電面に静電潜像を形成する露光手段と、前記像担持体に対向するように配置され、現像剤を担持して前記静電潜像を現像剤像として現像する現像剤担持体と、前記像担持体上に形成された現像剤像を被転写部材に転写させる転写部材を備え、前記現像剤は少なくとも結着樹脂及び磁性体を含有する磁性現像剤であり、これに導電性粒子が外添されており、前記帯電部材は前記像担持体上の現像剤像を被転写部材に転写させたのちに前記像担持体上に残留する前記導電性粒子を回収する画像形成装置において、前記帯電部材が請求項1から4の何れか1つに記載の帯電部材であることを特徴とする画像形成装置。
  7. 前記現像剤担持体は現像剤を担持すべく所定の粗さがある現像剤担持面を有することを特徴とする請求項6に記載の画像形成装置。
  8. 少なくとも被帯電体とのニップ部に導電性粒子を介在させ、直流成分の電圧を印加することによって前記被帯電体を所定の電位に帯電させる帯電部材において、
    該帯電部材は弾性発泡体によって構成され、該弾性発泡体を構成する発泡セルのセル径に対するセル壁の厚みの比が2%以上40%以下であると共に、前記セル径に対する弾性発泡体表面の発泡セルのセル深さの比が10%以上90%以下であって、前記帯電部材にあらかじめ塗布する導電性粒子の重量をM、前記帯電部材の有効帯電領域の総面積をS、前記セル深さをΔX、前記導電性粒子のかさ密度をγとしたとき、以下の条件式が成り立つ事を特徴とする帯電部材。
    0.2×γ×S×ΔX≦M≦2.0×γ×S×ΔX
  9. 前記導電性粒子の粒子抵抗が1012から10−1Ω・cmであり、粒径が10μmから10nmであることを特徴とする請求項8に記載の帯電部材。
  10. 前記帯電部材は前記被帯電体に対してカウンターで回転することを特徴とする事を特徴とする請求項8または9に記載の帯電部材。
  11. 少なくとも帯電部材と像担持体とのニップ部に導電性粒子を介在させ、前記帯電部材に直流成分の電圧を印加することによって前記像担持体を所定の電位に帯電させる工程を含む作像プロセスにより画像形成を実行する画像形成装置において、前記帯電部材が請求項8から10の何れか1つに記載の帯電部材であることを特徴とする画像形成装置。
  12. 少なくとも感光層を有する像担持体と、少なくとも前記像担持体とのニップ部に導電性粒子を介在させ、直流成分の電圧を印加することによって前記像担持体を所定の電位に帯電させる帯電部材と、前記像担持体の帯電面に静電潜像を形成する露光手段と、前記像担持体に対向するように配置され、現像剤を担持持して前記静電潜像を現像剤像として現像する現像剤担持体と、前記像担持体上に形成された現像剤像を被転写部材に転写させる転写部材を備え、前記現像剤は少なくとも結着樹脂及び磁性体を含有する磁性現像剤であり、これに導電性粒子が外添されており、前記帯電部材は前記像担持体上の現像剤像を被転写部材に転写させたのちに前記像担持体上に残留する前記導電性粒子を回収する画像形成装置において、前記帯電部材が請求項8から10の何れか1つに記載の帯電部材であることを特徴とする画像形成装置。
  13. 前記現像剤担持体は現像剤を担持すべく所定の粗さがある現像剤担持面を有することを特徴とする請求項12に記載の画像形成装置。
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