JP2004109461A - プロセスカートリッジ - Google Patents
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Abstract
【解決手段】現像手段初期使用以前の現像剤担持体と現像剤規制部材との接触部に現像剤が存在しない状態において、接触部に、重量平均粒径が10μm以下であり、平均円形度が0.9以上である略球形の潤滑粒子が存在する現像手段を具備したプロセスカートリッジとする。
【選択図】 図1
Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、電子写真方式、静電記録方式等を採用する画像形成装置に具備されるプロセスカートリッジに関する。
【0002】
【従来の技術】
従来、電子写真方式を採用する画像形成装置における感光体等の被帯電体表面を帯電させるための装置として、帯電部材を被帯電体表面に直接接触させて被帯電体表面を帯電させる、いわゆる接触帯電手段、特にローラ形状を有する接触帯電手段が広く知られている。
【0003】
図7に上記接触帯電手段を用いた画像形成装置、ここではレーザビームプリンタの概略構成図を示す。有機感光層を有し、矢印の方向に所定の周速をもって回転駆動される被帯電体としての感光ドラム101は、まず、接触帯電手段としての帯電ローラ102により、その表面が一様に帯電される。帯電ローラ102は、感光ドラム101表面に対し、不図示のバネ等により付勢され、感光ドラム101の回転に伴い従動回転する。
【0004】
次に、画像情報に応じてON/OFF制御されたレーザビーム103による走査露光が施され、感光ドラム101上に静電潜像が形成される。この静電潜像は、感光ドラム101に対向配置される現像手段104により、現像、可視化される。現像手段104は、所定の方向に回転駆動される現像スリーブ104aと、これに当接するウレタンゴム等から成る弾性部材を有する現像ブレード104bを有するとともに、負極性に帯電されたトナー104cが内包されており、現像スリーブ104aの回転に伴い、現像ブレード104bにより現像スリーブ104a表面に所定の層厚に制御されたトナー層が形成される。現像方法としては、例えばジャンピング現像法が用いられ、イメージ露光と反転現像とを組み合わせて用いられる。
【0005】
可視化されたトナー像は、感光ドラム101に圧接されるとともに所定の方向に回転駆動される転写ローラ105と対向する転写部位106において、所定のタイミングで搬送されてくる転写材P表面に転写される。トナー像が転写された転写材Pは定着手段108へと搬送され、永久画像として定着された後、機外へと排出される。
【0006】
なお、転写工程が終了した感光ドラム101表面に若干量残存する転写残留トナーは、クリーニング手段107により除去される。このクリーニング手段107は、感光ドラム101表面に対し、いわゆるカウンタ方向に当接するウレタンゴム等から成る弾性部材を有するクリーニングブレード107aを有する。
【0007】
従来用いられている帯電ローラの例を図8に示す。帯電ローラ102は、SUSから成る導電性支持体102aと、該芯金102aの外周面に被覆された導電性弾性層102b、更にその外周面に被覆された抵抗層102cとから構成される。また必要に応じて、導電性弾性層102bと抵抗層102cとの間に中間層を設けた構成を採る場合もある。導電性弾性層102bに用いられる材料としては、エチレンプロピレンジエンゴム、イソプレンゴム、スチレンブタジエンゴム、ニトリルゴム、シリコーンゴム、ウレタンゴム、フッ素ゴム等に導電性カーボンブラック等の導電剤を分散させたものが知られている。また抵抗層102cに用いられる材料としては、ポリアミド樹脂、ポリウレタン樹脂、フッ素樹脂等に導電性カーボンブラック、導電性酸化錫、導電性酸化チタン等の導電剤を分散させたものが知られている。更には、導電性熱可塑性エラストマーから成るシームレスチューブを用いた構成、例えばエチレン・ブチレン共重合体とポリオレフィン系樹脂とを含む樹脂、より詳しくはエチレン・ブチレン共重合体の両末端の一方がスチレンブロックポリマー、もう一方がオレフィンブロックポリマーであるスチレン−エチレン・ブチレン−オレフィン共重合体と、ポリエチレン樹脂とを含む樹脂から成る抵抗層を有するものがある(例えば、特許文献1参照)。これによれば、オレフィン系エラストマーやスチレン系エラストマーを用いた場合に問題となる、軟化油や可塑剤のしみ出しによる感光ドラム汚染、感光ドラムへの貼り付き等の不具合や、低硬度ウレタンエラストマーを用いた場合に問題となる、帯電ローラ表面へのトナー付着等の不具合を防止できる。
【0008】
一方、現像スリーブ104a、現像ブレード104bを有し、トナー104cを内包した現像手段104は、組立工程内での外観検査等の品質確認を行うために、現像スリーブ104a表面にトナー104cがコーティングされていない状態で現像スリーブ104aを一定時間空回転させる必要がある。この際、現像スリーブ104aや現像ブレード104b表面に摺擦キズが生じたり、特にウレタンゴム等の弾性部材で構成された現像ブレード104bが現像スリーブ104aの回転方向に対していわゆるカウンタ方向に当接する構成の場合にあっては、現像ブレード104bと現像スリーブ104aとの摩擦抵抗により、現像スリーブ104aの回転トルクが異常に大きくなったり、更には現像スリーブ104aの回転に伴い現像ブレード104bが捲れてしまい、本来求められる均一で良好なトナーコーティングを行えない場合がある。
【0009】
そこで、現像ブレード104bの現像スリーブ104aに当接する側の表面に、潤滑粒子を予め塗布しておくことにより、現像ブレード104bと現像スリーブ104aとの摩擦抵抗を低減させることにより、この問題を解決する方法が採られている。潤滑粒子は、プロセスカートリッジ使用初期の現像性能等に深く関与するため、帯電性、形状等に関し適正なものを選択して用いられるが、このような潤滑粒子の例として平均粒径5〜30μmの球形シリコーン樹脂粒子がある(例えば、特許文献2参照)。
【0010】
しかしながら、上記のような表面に潤滑粒子が塗布された現像ブレード104bを有する現像手段と、帯電ローラ、感光ドラムが一体的に内包されたプロセスカートリッジを用いた場合、以下のような新たな問題点が生じる。
【0011】
即ち、現像手段に塗布された潤滑粒子が、プロセスカートリッジ輸送時の振動や不意の落下等により飛散し、これが帯電ローラ表面に付着し、感光ドラムと帯電ローラの当接部に介在すると、帯電ローラが感光ドラムに対して従動回転しない、いわゆるスリップが起きてしまう場合がある。
【0012】
このように帯電ローラがスリップすると、いわゆる帯電音が異常に大きくなり、また、感光ドラムと帯電ローラとの周速差により帯電ローラ表面に潤滑粒子起因のキズが入り、例えばハーフトーン画像上において、縦スジ状の帯電不良(以下、HT縦スジと称す)が発生し、著しく画像品位を低下させることがある。この現象は、例えばエチレン・ブチレン共重合体とポリエチレン樹脂とを含む樹脂から成る最外層を有する帯電ローラと、粒径の大きい潤滑粒子、例えば最大粒径65μmの球形シリコーン樹脂粒子とを組み合わせて用いた場合により顕著となる。これは、エチレン・ブチレン共重合体とポリエチレン樹脂とを含む樹脂が比較的脆くキズ付き易いものであること、かつ粒径の大きい潤滑粒子により、帯電ローラ表面に生じるキズも自ずと大きくなり、均一で良好な帯電を阻害するためと考えられる。
【0013】
【特許文献1】
特開平11−160958号公報
【特許文献2】
特開平8−211728号公報
【0014】
【発明が解決しようとする課題】
本発明者等は上記問題を解決すべく、像担持体、接触帯電手段、現像材担持体と現像剤規制部材の間に潤滑粒子を有する現像手段が一体に内包されたプロセスカートリッジにおいても、潤滑粒子起因の画像不良の発生を防止したプロセスカートリッジを提供することを課題とする。
【0015】
【課題を解決するための手段】
本発明者らは、重量平均粒径10μm以下であり、平均円形度が0.9以上である略球形の潤滑粒子を使用することにより、感光ドラムへの貼り付きや、帯電ローラ表面へのトナー付着等の不具合を防止できるとともに、組立工程内での現像スリーブ空回転時における摺擦キズの発生や、現像スリーブの回転トルクアップ、更には現像ブレードの捲れ等の不具合をも防止することが可能となることを見出した。
【0016】
また、本発明者らは、潤滑粒子起因のキズなどの現象が、帯電ローラ表面のダイナミック硬さを測定する際に帯電ローラ表面の変形回復挙動から求められる値D=(弾性変形による変位量)/(弾性変形による変位量+塑性変形による変位量)と、深く相関があることを見出した。即ち、D値が大きければ、帯電ローラ表面に潤滑粒子が埋め込まれずにキズも生じず、逆にD値が小さければ、帯電ローラ表面に潤滑粒子が埋め込まれるようにしてキズが入り易いことがわかった。またこの現象は、粒径の大きい潤滑粒子と組み合わせて用いた場合により顕著となることもわかった。これは、粒径の大きい潤滑粒子により、帯電ローラ表面に生じるキズも自ずと大きくなり、均一で良好な帯電を阻害するためと考えられる。本発明者らは、D値が小さい場合であっても、特定の潤滑粒子を用いることにより、帯電音大やHTスジ等の画像不良の発生を防止することが可能となることを見出した。これらの知見を得て、本発明を完成するに至った。
【0017】
即ち本発明は、以下の通りである。
(1)表面に静電潜像が形成される回転自在な像担持体と、該像担持体表面に当接して像担持体表面を帯電させる接触帯電手段と、現像剤、現像剤担持体及び現像剤規制部材を有し、前記像担持体表面に形成された静電潜像を可視化する現像手段とが一体に支持されたプロセスカートリッジにおいて、
前記現像手段は、現像剤担持体と現像剤規制部材との間に接触部を有し、現像手段初期使用以前の該接触部に現像剤が存在しない状態において、該接触部に重量平均粒径が10μm以下であり、平均円形度が0.9以上である略球形の潤滑粒子が存在することを特徴とするプロセスカートリッジ。
【0018】
(2)前記接触帯電手段は、導電性支持体と、該導電性支持体上に導電性弾性層と抵抗層とを少なくとも有する接触帯電部材を有し、前記抵抗層はエチレン・ブチレン共重合体を含む樹脂とポリオレフィン系樹脂とを含有することを特徴とする(1)のプロセスカートリッジ。
【0019】
(3)前記接触帯電手段は、前記抵抗層表面のダイナミック硬さを測定する際に前記抵抗層表面の変形回復挙動から求められる値D=(弾性変形による変位量)/(弾性変形による変位量+塑性変形による変位量)が0.6以下であることを特徴とする(1)又は(2)のプロセスカートリッジ。
【0020】
(4)前記潤滑粒子は、シリコーン樹脂粒子、PMMA(ポリメチルメタクリレート)粒子、ウレタン系弾性粒子、アクリル系樹脂粒子、ポリスチレン架橋体粒子及びPVDF(ポリフッ化ビニリデン)樹脂粒子からなる群より選ばれる少なくとも一種であることを特徴とする(1)〜(3)のいずれかのプロセスカートリッジ。
【0021】
(5)前記接触帯電手段は、像担持体の回転に従動回転するローラ状の部材であることを特徴とする(1)〜(4)のいずれかのプロセスカートリッジ。
【0022】
【発明の実施の形態】
本発明のプロセスカートリッジは、表面に静電潜像が形成される回転自在な像担持体と、該像担持体表面に当接して像担持体表面を帯電させる接触帯電手段と、現像剤、現像剤担持体及び現像剤規制部材を有し、前記像担持体表面に形成された静電潜像を可視化する現像手段とが一体に支持されたものであり、前記現像手段は、現像剤担持体と現像剤規制部材との間に接触部を有し、現像手段初期使用以前の該接触部に現像剤が存在しない状態において、該接触部に重量平均粒径が10μm以下であり、平均円形度が0.9以上である略球形の潤滑粒子が存在することを特徴とする。
【0023】
以下に本発明を、図を用いて詳細に説明する。
【0024】
まず、本発明のプロセスカートリッジが装着される画像形成装置、ここではレーザビームプリンタの実施の形態の一例として概略構成図を図1に示すが、本発明はこれに限定されない。画像形成装置は、像担持体1、接触帯電手段2、露光手段3、現像手段4、転写手段5、クリーニング手段7、定着手段8を有し、そのうち像担持体1、接触帯電手段2、現像手段4及びクリーニング手段7がプロセスカートリッジ9として一体に支持されている。
【0025】
また、本発明のプロセスカートリッジ9は、現像手段初期使用以前の現像ブレード4aと現像ブレード4bとの接触部に現像剤が存在しない状態において、即ち、組立工程において、現像ブレード4bの少なくとも現像スリーブ4aに当接する領域(接触部)に、重量平均粒径が10μm以下で、平均円形度が0.9以上である略球形の潤滑粒子が予め塗布される。該潤滑粒子は、重量平均粒径が5μm以上、10μm以下であることが好ましい。平均円形度は好ましくは0.93以上である。重量平均粒径と平均円形度が上記範囲である潤滑粒子を用いることにより、現像スリーブ4bを所定時間空回転させる検査工程において、潤滑粒子が帯電ローラ表面に付着することに起因する帯電音大や、HT縦スジ等の画像不良の発生を防止することが可能になる。
【0026】
本発明に用いられる潤滑粒子としては、シリコーン樹脂粒子、PMAA(ポリメチルメタクリレート)粒子、ウレタン系弾性粒子、アクリル系樹脂粒子、ポリスチレン架橋体粒子及びPVDF(ポリフッ化ビニリデン)樹脂粒子等からなる群から選ばれる1種又はそれ以上の組み合わせが挙げられる。潤滑粒子を重量平均粒径10μm以下で、平均円形度が0.9以上の略球形とするためには、以下のようにすればよい。
【0027】
例えば、樹脂粒子としてシリコーン樹脂粒子を用いる場合、CH3Si(OR)3(式中、Rはアルキル基を示す)を原料とし、これを加水分解させた後に脱水縮合反応を進行し、析出した縮合生成物を固液分離し、更にこれを乾燥・解砕処理することにより得ることができる。
【0028】
なお、得られた樹脂粒子の粒径及び円形度の測定には、東亜医用電子(株)製フロー式粒子像分析装置FPIA−1000等を用いることが可能である。測定方法としては、フィルターを通すことにより微細なごみを除去した水約50ml中に分散剤としての界面活性剤を数滴加え、これに試料を10mg程度加えた後に超音波分散させ、これを前記分析装置に通すことにより、装置内で全ての粒子形状を画像として取り込まれ、この画像を元に粒径及び円形度が算出される。
【0029】
潤滑粒子の現像ブレード4b表面への塗布は、図4に示すように、潤滑粒子を、揮発性を有する溶媒に所定の質量比で分散させた溶液10を、上下左右に移動可能な塗布装置11のノズル12で吸引し、これを予め所定の位置に固定配置された現像ブレード4bの長手方向一端部、即ち塗布開始位置13aまで移動させた後、その位置から現像ブレード4bの長手方向他端部、即ち塗布終了位置13bまで、ノズル12を移動させつつ溶液を吐出させることにより達成される。潤滑粒子分散溶液は、例えば溶剤としてフロリナートとIPE(イソプロピルエーテル)を用い、混合重量比を、潤滑粒子:フロリナート:IPE=25:77:28に調合することにより得られる。塗布量は、現像ブレード4b表面への潤滑粒子の付着量が3〜10mg/cm2の範囲とすることが好ましい。
【0030】
また、潤滑粒子を粉体状態で塗布することも可能である。潤滑粒子を現像スリーブ表面に粉体状態で塗布する方法としては、図5に示すように、塗布容器15内にスポンジローラ16と潤滑粒子17とを有する潤滑粒子塗布装置14に、現像スリーブ4aを設置することにより実行される。
【0031】
潤滑粒子塗布装置14の具体例を以下に挙げる。例えば、潤滑粒子塗布装置14は、外径6mmの芯金16aの外周面に肉厚7mmのウレタンスポンジ16bが被覆されているスポンジローラ16を有しており、芯金16aの一端は不図示の軸受により回転自在に支持されており、他端は不図示のモータの回転軸とギアを介して接続されている。スポンジローラ16はモータにより駆動を受け、矢印Aの方向に回転する。スポンジローラ16の一部は、塗布容器15内に粉体状態で収納されている潤滑粒子17に浸されており、スポンジローラ16はその表面に潤滑粒子17を保持しつつ、回転により現像スリーブ4aへと潤滑粒子を搬送する。なお、スポンジローラ16の回転周速は調整可能となっている。
【0032】
現像スリーブ4aは、塗布容器15内にスポンジローラ16と並行に設置される。現像スリーブ4aの設置位置は、矢印Bの方向から現像スリーブ4aの長手方向両端部を不図示の回転自在の軸受により押圧し、スポンジローラ16表面から長手方向に均一に1mm侵入させる。現像スリーブ4aの一端には不図示のギアフランジが付いており、不図示のモータの回転駆動を受けるギアをそのギアフランジに装着することにより、現像スリーブ4aを矢印Cの方向に回転させる。なお、現像スリーブ4aの回転周速も調整可能である。つまりスポンジローラ16と現像スリーブ4aとは互いにいわゆるカウンタ方向に回転しており、スポンジローラ16表面の潤滑粒子17を現像スリーブ4a表面に擦り付けるように塗布を行う。塗布量は、現像スリーブ4a表面への潤滑粒子の付着量が0.05〜0.40mg/cm2の範囲とすることが好ましい。
【0033】
図5に示す潤滑粒子塗布装置を用いて現像スリーブ4a表面に潤滑粒子を粉体で付着させる場合の潤滑粒子量は、現像スリーブ4aのスポンジローラ16に対する侵入量、現像スリーブ4aとスポンジローラ16の回転周速と相対周速、塗布容器15内の潤滑粒子17の絶対量等により決定される。このように、現像スリーブ4a表面に対し、溶剤を用いずに潤滑粒子17を塗布する方法は、良環境性、低コスト、溶液濃度の管理が不要となる等の利点がある。
【0034】
本発明のプロセスカートリッジの像担持体としての感光ドラム1は、表面に静電潜像が形成され、回転自在であれば特に制限はなく、通常のプロセスカートリッジに用いられるもので良く、図2に示すようなアルミニウム等の基体1a上に電荷発生層1b、電荷輸送層1cが順次積層されたものが挙げられる。
【0035】
電荷発生層1bは、ジスアゾ顔料等の電荷発生物質を0.5〜4質量倍のブチラール等の結着樹脂及び溶剤とともに、ホモジナイザ、超音波、ボールミル、振動ボールミル、サンドミル、アトライタ、ロールミル等により分散させた後に基体1a上に塗布されることにより形成され得る。
【0036】
電荷輸送層1cは、スチルベン化合物等の電荷輸送物質とポリカーボネート等の結着樹脂とを2:1〜1:2程度の混合比率で、シクロヘキサノン等のケトン類、酢酸メチル、酢酸エチル等のエステル類、THF等のエーテル類、クロルベンゼン、クロロホルム、四塩化炭素等の塩素系炭化水素類等の溶剤に溶解し、電荷発生層1b上に塗布されることにより形成できる。
【0037】
感光ドラム1は、矢印の方向に所定のプロセススピードをもって回転駆動され、まず、接触帯電手段によってその表面が帯電される。
【0038】
接触帯電手段は、接触帯電部材としての帯電ローラ2を有する。帯電ローラ2は、感光ドラム1表面に当接しつつ従動回転する。帯電ローラの構成を図3に示す。帯電ローラ2は、導電性支持体2aと、この導電性支持体2aの外周面に被覆された導電性弾性層2bと、更にその外周面に被覆された抵抗層2cとを有する構成が好ましい。
【0039】
導電性支持体2aとしては、SUS等の導電性金属が挙げられる。導電性弾性層2bは、例えばエチレンプロピレンジエンゴム、イソプレンゴム、スチレンブタジエンゴム、ニトリルゴム、シリコーンゴム、ウレタンゴム、フッ素ゴム等に導電性カーボンブラック等の導電剤を分散させて、体積抵抗率を適当に調整した層である。本発明における導電性弾性層の体積抵抗率は1×105Ωcm以下であることが好ましい。
【0040】
本発明における抵抗層2cは、ポリアミド樹脂、ポリウレタン樹脂、フッ素樹脂等に、導電性カーボンブラック、導電性酸化錫、導電性酸化チタン等の導電剤を抵抗調整のために分散させたものを用いることができる。本実施形態においては、エチレン・ブチレン共重合体の両末端の一方がスチレンブロックポリマー、もう一方がオレフィンブロックポリマーであるスチレン−エチレン・ブチレン−オレフィン共重合体とポリエチレン樹脂とを含む樹脂に導電性カーボンブラックを分散させたものを用いている。
【0041】
該構成の抵抗層を有する帯電ローラを用いることは、例えばオレフィン系エラストマーやスチレン系エラストマーを用いた場合に問題となる、軟化油や可塑剤のしみ出しによる感光ドラム汚染、感光ドラムへの貼り付き等の不具合や、低硬度ウレタンエラストマーを用いた場合に問題となる、帯電ローラ表面へのトナー付着等の不具合を防止でき有用である。なお、抵抗層の体積抵抗率は、1×107〜1×1010Ωcmが好ましい。
【0042】
なお、本発明における導電性弾性層2bおよび抵抗層2cの体積抵抗率の測定方法は以下の通りである。表面に金などの導電膜を蒸着したポリエチレンテレフタレートフィルム上に、導電性弾性層または抵抗層を形成する。これを体積抵抗測定装置(ヒューレットパッカード社製 4140B pAMASTER)にて、23℃/50%RHの環境下で、100Vの電圧を印加して測定する。
【0043】
なお、本発明のプロセスカートリッジにおいて抵抗層2cは、抵抗層表面のダイナミック堅さを測定する際に抵抗層表面の変形回復挙動から求められる値Dが0.6以下であってもよい。Dは下記式(1)で表される値である。
【0044】
【数1】
【0045】
通常、D値が0.6以上である接触帯電部材を用いれば、潤滑粒子に起因する帯電音大やHT縦スジ等の画像不良の発生を防止できる。しかしながら、感光ドラムの汚染を防止して該感光ドラムに所望の帯電性を付与する観点から接触帯電部材の材質を選択した場合、D値が0.6以下となることが多い。本発明のプロセスカートリッジにおいては、上記潤滑粒子を用いることにより、D値が0.6以下であっても潤滑粒子に起因する帯電音大やHT縦スジ等の画像不良の発生を防止できる。すなわち、特定の潤滑粒子を使用する本発明のプロセスカートリッジにおいては、用いる接触帯電部材のD値が限定されないため、感光ドラムへの帯電性付与特性および求められる他の特性の観点から接触帯電部材の材質を広範囲に選択することができる。
【0046】
ダイナミック硬さの測定は、例えば三角すい形状の圧子を所定の試験荷重をかけながら測定対象物に押し込むことにより得られる物性値である。この測定を行うと、所定の荷重まで徐々に圧子の押し込み荷重を増加させた後、逆の荷重を減少させることにより、図6に示すような変形回復曲線が得られる。
【0047】
具体的には、ダイナミック超微小硬度計(島津製作所製)を用い、対面角度115°三角すいダイヤモンド圧子を0.5mNの試験荷重で押し込み、除荷した場合に得られた値である。ちなみに、仮に測定対象物が完全弾性体であれば、上記荷重−除荷試験後の測定対象物表面は荷重前の状態に回復し、圧子も原点、即ち押し込み深さ0の位置まで戻る。
【0048】
これに対し、測定対象物が完全塑性体であれば、上記荷重−除荷試験後の測定対象物表面は全く回復せず、圧子も押し込んだ状態のままとなる。そして得られた変形回復曲線の弾性変形による変位量aと塑性変形による変位量bから上記値D=(弾性変形による変位量a)/(弾性変形による変位量a+塑性変形による変位量b)が算出される。
【0049】
本発明における接触帯電部材の上記D値が0.6以下を満たすためには、以下のようにすればよい。
【0050】
上記D値が0.6以下である本発明における帯電ローラ2の製造方法の一例としては、導電性支持体2aの外周面に、発泡剤や導電剤等の配合剤を一様に分散させた上記ゴム材料の未加硫、未発泡の層を形成し、これを成形型内にセットし加熱処理を行い、未加硫、未発泡のゴム材料層を加硫、発泡させ、所定の外径寸法を有する導電性弾性層2bとして成形させる。そして、抵抗層に用いられる樹脂として予めペレット化されたスチレン−エチレン・ブチレン−オレフィン共重合体とポリエチレン樹脂とを含む樹脂と導電性カーボンブラック等の導電剤等の混練物を、所定のチューブ成形用ダイを備えた押出機を用いてチューブ化し、これを先の導電性弾性層2bに被覆することにより得られる。
【0051】
なお、抵抗層の形態としては、例えば、シームレスチューブがある。
【0052】
本発明における帯電ローラは、必要に応じて、導電性弾性層2bと抵抗層2cの間に中間層を設けても良い。中間層としては、ニトリルゴム、ウレタンゴム等に導電性カーボンブラック等の導電剤を分散させたものが挙げられる。中間層の好ましい体積抵抗率は1×108Ωcm程度である。
【0053】
帯電ローラ2の導電性支持体2aの両端部は、各々不図示の軸受を介して不図示のバネにより感光ドラム1方向に付勢されることにより、帯電ローラ2は感光ドラム1に加圧接触されるとともに、感光ドラム1の回転に伴い従動回転する。そして帯電ローラ2に対して、不図示の高圧電源より、定電圧制御された直流電圧に、定電流制御、又は定電圧制御された交流電圧が重畳された振動電圧が印加されることにより、感光ドラム1表面が所定の電位に帯電される。
【0054】
次に、画像情報に応じてON/OFF制御された露光手段としてのレーザビーム3による走査露光が施され、感光ドラム1表面に静電潜像が形成される。この静電潜像は、感光ドラム1に対向配置される現像手段4により、現像、可視化される。
【0055】
現像手段4には、トナー4cが内包されており、所定の方向に回転駆動される現像担持体(以下、「現像スリーブ」という)4a、この現像スリーブ4a上のトナー層厚を規制し、所定の電荷を付与するためのウレタンゴム等の弾性体から成る現像剤規制部材(以下、「現像ブレード」という)4bを有する。本発明において用いるトナー4cは、特に制限はないが、例えば以下のように製造されたものを用いることができる。通常のトナーの製造に用いられている結着樹脂、磁性体、荷電制御剤、ワックスの混合物を所定の温度に加熱された2軸エクストルーダに溶融混練し、冷却後、混練物をハンマーミルで粗粉砕し、更にこの粗粉砕物をジェットミルで微粉砕し、エルボジェット分級機により分級して所定の粒度分布を得る。更にこれにシリカ等の微粉体をヘンシェルミキサで混合外添する。なお、本発明で用いるトナー4cは、重量平均粒径が6〜8μmであることが好ましいがこれに限定されるものではない。現像スリーブについても同様に通常の画像形成装置に用いられる構成のものを用いればよい。
【0056】
現像スリーブ4aは、感光ドラム1に対し所定の間隙をもって配設され、不図示の高圧電源より、直流電圧に交流電圧が重畳された振動電圧が印加されることにより、感光ドラム1表面に形成された静電潜像を現像、可視化する。なお、可視化されたトナー像は、感光ドラム1に圧接されるとともに、矢印の方向に回転駆動される転写ローラ5と対向する転写部位6において、所定のタイミングで搬送されてくる転写紙P表面に転写される。
【0057】
転写手段としての転写ローラ5は、導電性芯金5aと、この芯金5aの外周面に被覆された導電性弾性層5bとから構成され、この導電性芯金5aの両端部は、各々不図示の軸受を介して不図示のバネにより感光ドラム1方向に付勢されることにより、転写ローラ5は感光ドラム1に加圧接触される。転写ローラ5に対して、不図示の高圧電源より、所定の電圧が印加されることにより、感光ドラム1表面のトナー像が転写紙P表面に転写される。
【0058】
この後、転写紙Pは定着手段8へと搬送され、永久画像として定着された後、機外へと排出される。定着装置8は、その表面が所定の温度に制御された円筒状の定着フィルム8aと、この定着フィルム8aに対し、所定のニップ幅をもって加圧接触される加圧ローラ8bとから構成され、このニップ部に未定着トナー像を保持した転写紙Pを搬送、通過させることにより、永久画像として定着される。
【0059】
なお、転写工程が終了した感光ドラム1表面に若干量残存する転写残留トナーは、クリーニング手段7により除去される。クリーニング手段7は、感光ドラム1表面に対し、いわゆるカウンタ方向に当接するウレタンゴム等の弾性体から成るクリーニングブレード7aを有する。
【0060】
【実施例】
以下、実施例を用いて本発明を具体的に説明する。
【0061】
【実施例1】
<プロセスカートリッジの構成>
画像形成装置として、上記実施の形態の図1で示される画像形成装置と同様の構造を有するレーザビームプリンタを用いた。像担持体1、帯電手段2、現像手段4及びクリーニング手段7がプロセスカートリッジ9として一体に支持されている。
【0062】
帯電ローラ2は図3に示す構成であり、SUSからなる導電性支持体2aと、この導電性支持体2aの外周面に被覆された導電性弾性層2b、更にその外周面に被覆された抵抗層2cとから成る弾性体から構成され、その外径はおよそ12mmであり、長さは220mmである。導電性弾性層2bは、エチレンプロピレンジエンゴム100質量部に導電性カーボンブラック5質量部を分散させ1×105Ωcmの体積抵抗率に調整し、これを成形型内にセットし加熱処理を行い、ゴム材料を加硫させた(肉厚3mm)。抵抗層2cは、エチレン・ブチレン共重合体の両末端の一方がスチレンブロックポリマー、もう一方がオレフィンブロックポリマーであるスチレン−エチレン・ブチレン−オレフィン共重合体100質量部とポリエチレン樹脂30質量部とを含む樹脂に導電性カーボンブラック15質量部を分散させたシームレスチューブから成り、その体積抵抗率は1×109Ωcm、その膜厚はおよそ300μmである。該シームレスチューブを先の導電性弾性層に被覆して帯電ローラAとした。
【0063】
現像手段4は、トナー4cが内包されるとともに、所定の方向に回転駆動される現像スリーブ4a、この現像スリーブ4a上のトナー層厚を規制し、所定の電荷を付与するためのウレタンゴムから成る現像ブレード4bを有する。
【0064】
本実施例で用いたトナー4cの製造方法を以下に示す。結着樹脂、磁性体、荷電制御剤、ワックスの混合物を所定の温度に加熱された2軸エクストルーダに溶融混練し、冷却後、混練物をハンマーミルで粗粉砕し、更にこの粗粉砕物をジェットミルで微粉砕し、エルボジェット分級機により分級して所定の粒度分布を得た。更にこれにシリカ微粉体をヘンシェルミキサで混合外添し、重量平均粒径が6.5μmのトナー4cを得た。
【0065】
また、このプロセスカートリッジ9の組立工程において、現像ブレード4bの少なくとも現像スリーブ4aに当接する領域に、潤滑粒子として、球形シリコーン樹脂粒子からなる後述の6種の潤滑粒子(a)〜(f)を予め塗布しておき、現像スリーブ4bを所定時間空回転させる検査工程を経た。潤滑粒子の現像ブレード4b表面への塗布方法としては、図4に示す方法で行った。本実施例においては、現像ブレード4b表面への潤滑粒子の付着量が70mgとなるように調整した。
【0066】
潤滑粒子(a):最大粒径65μm、最小粒径5μm、重量平均粒径12μm、平均円形度0.92。
潤滑粒子(b):最大粒径10μm、最小粒径4μm、重量平均粒径7μm、平均円形度0.90。
潤滑粒子(c):最大粒径5μm、最小粒径2μm、重量平均粒径3μm、平均円形度0.93。
潤滑粒子(d):上記(a)を分級して重量平均粒径14μm、平均円形度0.92。
潤滑粒子(e):上記(a)を分級して重量平均粒径8μm、平均円形度0.92。
潤滑粒子(f):上記(a)を分級して重量平均粒径11μm、平均円形度0.92。
【0067】
これら6種の潤滑粒子を塗布した現像ブレードを有する上記構成のプロセスカートリッジを6面体箱に梱包し、100cmの高さから各面1回ずつ、計6回落下させる、いわゆる落下試験を行った後、このプロセスカートリッジを画像形成装置本体に装着、画像出力を行い、その際のHT縦スジの発生レベルと、帯電ローラ表面のキズのレベルを確認した。HT縦スジに関する実験結果を表1に示す。
【0068】
【表1】
【0069】
表1からわかるように、潤滑粒子の重量平均粒径が10μm以下であれば、帯電ローラ表面には極軽微なキズが生じる場合はあるものの、出力画像においてHT縦スジ等の不具合が発生することはなかった。但し、重量平均粒径が極めて小さい場合には、プロセスカートリッジ使用初期における画像濃度がやや薄かった。これは、塗布工程において潤滑粒子がチャージアップを起こし、現像スリーブ表面に鏡映力により強固に付着し、コーティングされるべきトナーに充分な電荷量が付与されないためと考えられる。
【0070】
このことから、潤滑粒子の重量平均粒径としては10μm以下、好ましくは5〜10μmが望ましいことがわかった。
【0071】
【実施例2】
プロセスカートリッジの組立工程において、現像ブレード4bの少なくとも現像スリーブ4aに当接する領域(接触部)に、潤滑粒子の球形シリコーン樹脂粒子を塗布する方法を、図5に示す粉体状態で塗布する方法を用いた以外は、プロセスカートリッジの構成は実施例1と同様とした。本実施例においては、潤滑粒子として、実施例1で用いた潤滑粒子(b)を用い、現像スリーブ4a表面への付着量が15mgとなるように調整した。
【0072】
上記プロセスカートリッジを実施例1で用いた画像形成装置に組み込み、実施例1と同様の落下試験を行い、その際のHT縦スジの発生レベルと、帯電ローラ表面のキズのレベルを確認した。その結果、帯電ローラ表面にはキズが生じることもなく、出力画像においてもHT縦スジ等の不具合が発生することはなかった。これは、実施例1の潤滑粒子塗布方法に比べ、塗布される潤滑粒子の絶対量が少ないことに起因するものと考えられる。
【0073】
【実施例3】
<プロセスカートリッジの構成>
画像形成装置として、上記実施の形態の図1で示される画像形成装置と同様の構造を有するレーザビームプリンタを用いた。プロセスカートリッジとして、帯電手段2、現像手段4及びクリーニング手段7がプロセスカートリッジ9として一体に支持されている実施例1と同様のプロセスカートリッジを用いた。
【0074】
帯電ローラ2は、D値が違う4種を用いた。実施例1で用いたものの(帯電ローラ(A)とする)他、下記に示す構成の帯電ローラ(B)〜(D)のいずれかを用いた。
帯電ローラ(A):実施例1で使用したもの、D=0.586。
【0075】
帯電ローラ(B):帯電ローラ(A)の抵抗層を作製する際に、ポリエチレン樹脂を60質量部に増量したもの、D=0.553。
【0076】
帯電ローラ(C):SUSからなる導電性支持体の外周に、ウレタンゴム100質量部に導電性カーボンブラック5質量部を分散させた導電性弾性層(体積抵抗率1×105Ωcm)を設け、更にニトリルゴム100質量部に導電性カーボンブラック15質量部を分散させた厚さ300μmの中間層(体積抵抗率1×108Ωcm)と、フッ素樹脂100質量部に導電性カーボンブラック10質量部を分散させた厚さ10μmの抵抗層(体積抵抗率1×109Ωcm)を順次被覆したもの(外径12mm)、D=0.621。
【0077】
帯電ローラ(D):SUSからなる導電性支持体の外周に、エチレンプロピレンジエンゴム100質量部に導電性カーボンブラック5質量部を分散させた導電性弾性層(体積抵抗率1×105Ωcm)を設け、更にアクリル樹脂100質量部に導電性カーボンブラック15質量部を分散させた厚さ250μmの中間層(体積抵抗率1×109Ωcm)と、フッ素樹脂100質量部に導電性カーボンブラック10質量部を分散させた厚さ10μmの抵抗層(体積抵抗率1×109Ωcm)を順次被覆したもの(外径12mm)、D=0.714。
【0078】
このプロセスカートリッジ9の組立工程において、現像ブレード4bの少なくとも現像スリーブ4aに当接する領域に、潤滑粒子として、実施例1で用いた潤滑粒子(a)〜(f)のいずれかを実施例1と同様に塗布した。現像ブレード4b表面への潤滑粒子の付着量が70mgとなるように調整した。
【0079】
<プロセスカートリッジの評価>
上記の帯電ローラ(A)〜(D)と、潤滑粒子(a)〜(f)を用いてHT縦スジに関する評価を行った。実験結果を表2に示す。
【0080】
【表2】
【0081】
表2からわかるように、帯電ローラの上記D値が0.6以上であり、潤滑粒子の重量平均粒径が10μm以下で且つ平均円形度が0.9以上である組み合わせの場合、良好な結果を得ることができた。また、上記D値が0.6以下であっても、潤滑粒子の重量平均粒径が10μm以下であれば、帯電ローラ表面には極軽微なキズが生じる場合はあるものの、出力画像においてHT縦スジ等の不具合が発生することはなかった。
【0082】
但し、重量平均粒径が極小さい場合には、プロセスカートリッジ使用初期における画像濃度がやや薄くなる傾向があった。これは、塗布工程において潤滑粒子がチャージアップを起こし、現像スリーブ表面に鏡映力により強固に付着し、コーティングされるべきトナーに充分な電荷量が付与されないためと考えられる。
【0083】
【発明の効果】
本発明によれば、感光ドラムへの貼り付きや、帯電ローラ表面へのトナー付着等の不具合を防止できるとともに、組立工程内での現像スリーブ空回転時における摺擦キズの発生や、現像スリーブの回転トルクアップ、更には現像ブレードの捲れ等の不具合をも防止することが可能となる。
【0084】
また、帯電ローラ抵抗層表面のダイナミック硬さを測定する際に抵抗層表面の変形回復挙動から求められるD値が0.6以下であっても、潤滑粒子が帯電ローラ表面に付着することに起因する帯電音大や、HT縦スジ等の画像不良の発生を防止することが可能となる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明のプロセスカートリッジを有する画像形成装置の概略構成図
【図2】本発明に係る感光ドラムの層構成図
【図3】本発明に係る帯電ローラの層構成図
【図4】本発明に係る潤滑粒子塗布方法を説明する図
【図5】本発明に係る潤滑粒子塗布方法を説明する図
【図6】本発明に係る変形回復曲線の一例を示すグラフ
【図7】従来の画像形成装置の概略構成図
【図8】従来の帯電ローラの層構成図
【符号の説明】
1 感光ドラム
2 帯電ローラ
4 現像手段
4a 現像スリーブ
4b 現像ブレード
5 転写ローラ
6 転写部位
7 クリーニング手段
8 定着装置
9 プロセスカートリッジ
Claims (5)
- 表面に静電潜像が形成される回転自在な像担持体と、該像担持体表面に当接して像担持体表面を帯電させる接触帯電手段と、現像剤、現像剤担持体及び現像剤規制部材を有し、前記像担持体表面に形成された静電潜像を可視化する現像手段とが一体に支持されたプロセスカートリッジにおいて、
前記現像手段は、現像剤担持体と現像剤規制部材との間に接触部を有し、現像手段初期使用以前の該接触部に現像剤が存在しない状態において、該接触部に重量平均粒径が10μm以下であり、平均円形度が0.9以上である略球形の潤滑粒子が存在することを特徴とするプロセスカートリッジ。 - 前記接触帯電手段は、導電性支持体と、該導電性支持体上に導電性弾性層と抵抗層とを少なくとも有する接触帯電部材を有し、前記抵抗層はエチレン・ブチレン共重合体を含む樹脂とポリオレフィン系樹脂とを含有することを特徴とする請求項1記載のプロセスカートリッジ。
- 前記接触帯電手段は、前記抵抗層表面のダイナミック硬さを測定する際に前記抵抗層表面の変形回復挙動から求められる値D=(弾性変形による変位量)/(弾性変形による変位量+塑性変形による変位量)が0.6以下であることを特徴とする請求項1又は2記載のプロセスカートリッジ。
- 前記潤滑粒子は、シリコーン樹脂粒子、PMMA(ポリメチルメタクリレート)粒子、ウレタン系弾性粒子、アクリル系樹脂粒子、ポリスチレン架橋体粒子及びPVDF(ポリフッ化ビニリデン)樹脂粒子からなる群より選ばれる少なくとも一種であることを特徴とする請求項1〜3のいずれか一項記載のプロセスカートリッジ。
- 前記接触帯電手段は、像担持体の回転に従動回転するローラ状の部材であることを特徴とする請求項1〜4のいずれか一項に記載のプロセスカートリッジ。
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