JPH09329128A - ゴムローラ、ゴムブレードおよび画像形成装置 - Google Patents

ゴムローラ、ゴムブレードおよび画像形成装置

Info

Publication number
JPH09329128A
JPH09329128A JP15066296A JP15066296A JPH09329128A JP H09329128 A JPH09329128 A JP H09329128A JP 15066296 A JP15066296 A JP 15066296A JP 15066296 A JP15066296 A JP 15066296A JP H09329128 A JPH09329128 A JP H09329128A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
rubber
roller
blade
toner
developing roller
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Pending
Application number
JP15066296A
Other languages
English (en)
Inventor
Takashi Oishi
剛史 大石
Haruhiko Takahashi
治彦 高橋
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Zeon Corp
Original Assignee
Nippon Zeon Co Ltd
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Nippon Zeon Co Ltd filed Critical Nippon Zeon Co Ltd
Priority to JP15066296A priority Critical patent/JPH09329128A/ja
Publication of JPH09329128A publication Critical patent/JPH09329128A/ja
Pending legal-status Critical Current

Links

Landscapes

  • Dry Development In Electrophotography (AREA)
  • Electrostatic Charge, Transfer And Separation In Electrography (AREA)
  • Rolls And Other Rotary Bodies (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【課題】 ローラの軸方向両端部での摩擦帯電が大き
く、紙の粉が付着してもトナーの帯電が低下せず、紙の
余白部分に汚れなどを生じさせることが少ないゴムロー
ラ、ゴムブレードおよび画像形成装置を提供する。 【解決手段】 軸方向中央部24の摩擦係数よりも両端
部26での摩擦係数が高い電子写真用ゴムローラ、また
はゴムブレード。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、たとえば電子写真
方式の画像形成装置に用いられる現像ローラ、帯電ロー
ラ、転写ローラあるいはその他のローラ、または帯電ブ
レード、現像ブレードまたはその他のブレードなどの電
子写真用ゴムローラ、ゴムブレードおよび画像形成装置
に関する。
【0002】
【従来の技術】電子写真方式の画像形成装置において、
円柱形状の芯金とその外周面を取り巻くゴム層とからな
るゴムローラは、現像ローラ、帯電ローラまたは転写ロ
ーラとして使用されている。また、板状の芯金(固定部
材)と芯金の上に固定されるゴム層とからなるゴムブレ
ードは、感光体帯電のための帯電ブレード、現像ローラ
上のトナーの層厚を規制する現像ブレードとして使用さ
れている。
【0003】電子写真装置は静電気によりトナー像を形
成するものであり、感光体ドラムの表面を均一に帯電し
た後、所定パターンで光を照射し、そのパターンに対応
したパターンで現像ローラから感光体ドラムの表面にト
ナーを移動させ、そのトナーパターンを紙の表面に転写
する。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】ところが、感光体ドラ
ムから紙の表面にトナーパターンを転写する際に、紙の
両側端部から粒径が1〜20μm 程度の紙の粉が発生
し、感光体ドラムに付着することがある。感光体ドラム
は、帯電ローラや現像ローラに接触することから、感光
体ドラムに付着した紙の粉は、帯電ローラや現像ローラ
にも付着することになる。特に、紙の粉が現像ローラに
蓄積されると、現像ローラでのトナーへの摩擦帯電が低
下するおそれがある。トナーへの摩擦帯電が不足する
と、現像ローラから感光体ドラムへの良好なトナー移動
が阻害され、特に紙の余白部分に不要なトナー移動のた
めの汚れが生じてしまうことがある。 紙の粉は、紙の
両側端部から感光体ドラムに付着する。そのため、紙の
粉が蓄積される範囲は、特にローラの軸方向両端部であ
る。
【0005】そこで、ローラの軸方向両端部の周面の表
面粗さを低下させ(粗さを小さくする)、その部分で紙
の粉を付着し難くしたゴムローラが提案されている。し
かしながら、本発明者等の実験によれば、ローラの周面
の表面粗さを大きくした方が、あるいは摩擦係数を増大
させた方が、紙の粉のローラへの付着による紙の余白部
分の汚れが少ないことが見い出された。
【0006】本発明は、このような実状に鑑みてなさ
れ、ローラの軸方向両端部での摩擦帯電が大きく紙の粉
が付着してもトナーの帯電が低下せず、紙の余白部分に
汚れなどを生じさせることが少ないゴムローラ、ゴムブ
レードおよび画像形成装置を提供することを目的とす
る。
【0007】
【課題を解決するための手段】ゴムローラ 上記目的を達成するために、本発明に係るゴムローラ
は、軸方向中央部の摩擦係数よりも両端部での摩擦係数
が高いことを特徴とする。
【0008】本発明に係るゴムローラにおいて、摩擦係
数が低いゴムローラの中央部の軸方向長さLaは、図1
(B)および図2に示す転写紙7の印字範囲30の幅L
cと略同等であることが好ましい。ゴムローラの中央部
での摩擦係数は、好ましくは0.1〜0.8、さらに好
ましくは0.3〜0.4である。また、その部分の表面
粗さは、好ましくは3〜10μm 、さらに好ましくは3
〜8μm 程度である。
【0009】ゴムローラの両端部での摩擦係数は、中央
部での摩擦係数よりも+0.5以上高いことが好まし
く、好ましくは0.8〜1.5、さらに好ましくは0.
8〜1.2である。また、この両端部での表面粗さは、
中央部よりも粗くしてあり、好ましくは8〜15μm 、
さらに好ましくは8〜12μm である。表面粗さ又は摩
擦係数は両端部と中央部との境界において階段上に変化
させてもよいし、漸次変化させていくものであってもよ
い。
【0010】本発明において、摩擦係数は、図6に示す
オイラーベルト方式の摩擦係数測定法により求められた
係数である。図6に示すように、まず、測定用紙(通常
では、コピー用紙)40を一定の幅(たとえば約20m
m)にカットする。次に、ローラ3(測定用ローラ)の
回りに測定用紙の略中央を約90度巻回し、その一端に
所定の重さの分銅42を取り付けると共に、その他端に
テンションゲージ44を取り付ける。次に、分銅42の
ゆれがない状態で、ローラ3表面の測定用紙40を一定
速度(約100±20mm/分)で引っ張る。そして、ロ
ーラ表面で測定用紙40が動き始めた瞬間のテンション
ゲージ44の目盛りを読み取る。
【0011】テンションゲージ44で読み取られた測定
値Fと分銅42の重さWとを、下記の数式に代入して求
められた数値が、本発明での摩擦係数μs である。
【0012】
【数1】
【0013】本発明において、表面粗さとは、ローラ表
面を指針でなぞり、その動きを記録して該表面の凹凸形
状を表面粗さ曲線として表わし、その曲線の十点平均粗
さ(Rz)を言う(JIS B−0601)。本発明に
おいて、ローラの中央部の摩擦係数を両端部に比較して
低下させるには、中央部にのみ、樹脂コート層を形成す
れば良い。樹脂コート層の材質としては、特に限定され
ないが、フッ素樹脂、シリコーン樹脂、ポリウレタン樹
脂などが例示される。樹脂コート層の層厚は、特に限定
されないが、好ましくは10〜50μm である。樹脂コ
ート層を形成することで、ゴムローラの表面の摩擦係数
を、0.8以下、好ましくは0.4以下にすることがで
きる。また、表面粗さは、0.01〜10μm 、好まし
くは0.05〜8μm 程度にすることができる。樹脂コ
ート層の形成は、ローラの両端部をマスクして、刷毛塗
り、スプレー塗り、浸漬などの方法により行うことがで
きる。
【0014】また、ローラの中央部の摩擦係数を両端部
に比較して低下させるための手段としては、紫外線照射
による方法も例示することができる。すなわち、ローラ
の両端部をマスクし、ローラの中央部にのみ、紫外線照
射の量を多くするのである。ゴムローラの表面に紫外線
を照射すると、その部分の摩擦係数は低下する。摩擦係
数を0.5以下にするための紫外線照射の条件は、特に
限定されないが、たとえば50〜150W/cmの光源を
用い、2〜3分間照射する条件であることが好ましい。
【0015】本発明に係るゴムローラでは、軸方向中央
部の摩擦係数よりも両端部での摩擦係数が高いため、ゴ
ムローラの軸方向両端部に紙の粉が付着したとしても、
両端部での摩擦係数が中央部よりも高いことから、摩擦
帯電が相対的に高くなり、紙の粉の付着による摩擦帯電
の低下を相殺する。
【0016】その結果、本発明に係るゴムローラを現像
ローラとして用いた場合には、現像ローラから感光体ド
ラムへの不要なトナー移動を防止することができ、紙の
余白部分に生じる汚れを防止することができる。ゴムブレード 本発明に係るゴムブレードは、ゴムローラに先端部が接
触するゴムブレードであって、ブレードの少なくとも先
端部で、ゴムローラとの接触方向に沿って中央部の摩擦
係数よりも両端部での摩擦係数が高いことを特徴とす
る。
【0017】本発明に係るゴムブレードにおいて、摩擦
係数が低いゴムブレードの中央部の軸方向長さLa’
は、図1(B)および図2に示す転写紙7の印字範囲3
0の幅Lcと略同等であることが好ましい。ゴムブレー
ドの中央部での摩擦係数は、好ましくは0.1〜0.
8、さらに好ましくは0.3〜0.4である。また、そ
の部分の表面粗さは、好ましくは0.1〜10μm 、さ
らに好ましくは0.1〜8μm 程度である。 ゴムブレ
ードの両端部での摩擦係数は、中央部での摩擦係数より
も+0.5以上高いことが好ましく、好ましくは0.8
〜1.5、さらに好ましくは0.8〜1.2である。ま
た、この両端部での表面粗さは、好ましくは8〜15μ
m 、さらに好ましくは8〜12μm である。表面粗さ又
は摩擦係数は両端部と中央部との境界において階段上に
変化させてもよいし、漸次変化させていくものであって
もよい。
【0018】本発明において、ブレードの摩擦係数は、
ローラの場合と同様なオイラーベルト方式の摩擦係数測
定法により求められた係数である。本発明において、ブ
レード表面粗さとは、ブレード表面を指針でなぞり、そ
の動きを記録して該表面の凹凸形状を表面粗さ曲線とし
て表わし、その曲線の十点平均粗さ(Rz)を言う(J
IS B−0601)。
【0019】本発明において、ブレードの中央部の摩擦
係数を両端部に比較して低下させるには、中央部にの
み、樹脂コート層を形成すれば良い。樹脂コート層の材
質としては、特に限定されないが、フッ素樹脂、シリコ
ーン樹脂、ポリウレタン樹脂などが例示される。樹脂コ
ート層の層厚は、特に限定されないが、好ましくは10
〜50μm である。樹脂コート層を形成することで、ゴ
ムブレードの表面の摩擦係数を、0.5以下、好ましく
は0.3以下にすることができる。また、表面粗さは、
0.01〜5μm 、好ましくは0.05〜2μm 程度に
することができる。樹脂コート層の形成は、ブレードの
両端部をマスクして、刷毛塗り、スプレー塗り、浸漬な
どの方法により行うことができる。
【0020】また、ブレードの中央部の摩擦係数を両端
部に比較して低下させるための手段としては、紫外線照
射による方法も例示することができる。すなわち、ブレ
ードの両端部をマスクし、ブレードの中央部にのみ、紫
外線照射の量を多くするのである。ゴムブレードの表面
に紫外線を照射すると、その部分の摩擦係数は低下す
る。摩擦係数を0.5以下にするための紫外線照射の条
件は、特に限定されないが、たとえば50〜150W/
cmの光源を用い、2〜3分間照射する条件であることが
好ましい。
【0021】本発明に係るゴムブレードでは、中央部の
摩擦係数よりも両端部での摩擦係数が高いため、仮にゴ
ムローラの軸方向両端部に紙の粉が付着したとしても、
ブレード両端部での摩擦係数が中央部よりも高いことか
ら、両端部での摩擦帯電が相対的に高くなり、両端部で
の紙の粉の付着による摩擦帯電の低下を防止できる。
【0022】その結果、本発明に係るゴムブレードを現
像ブレードまたは層厚規制ブレードとして用いた場合に
は、現像ローラとの摩擦帯電が軸方向に均一になる。そ
の結果、現像ローラから感光体ドラムへの不要なトナー
移動を防止することができ、紙の余白部分に生じる汚れ
を防止することができる。
【0023】画像形成装置 本発明に係る画像形成装置は、前記ゴムローラまたはゴ
ムブレードを有することを特徴とする。本発明に係る画
像形成装置は、感光体ドラムの周囲に、感光体ドラムの
表面を一様かつ均一に帯電する帯電装置と、均一に帯電
された感光体ドラムの表面に静電潜像を書き込むレーザ
装置などの潜像形成装置と、現像装置と、現像されたト
ナー像を紙などに転写する部分とを有することが好まし
い。前記転写部分と帯電装置との間には、潜像保持体の
表面に付着している余分なトナーなどを取り除くクリー
ニング装置を配置しても良い。なお、現像と同時にクリ
ーニングを行う場合には、このクリーニング装置は必ず
しも必要としない。
【0024】トナー 本発明で用いることができるトナーとしては、特に限定
されないが、以下に示すトナーが好ましい。本発明で用
いることが好ましいトナーとしては、体積平均粒径(d
v)が5〜10μmの範囲で、体積平均粒径(dv)と
個数平均粒径(dn)の比(dv/dn)が1.00〜
1.40の範囲にある球形トナー、特に好ましくは、さ
らに、粒子の絶対最大長を直径とした円の面積(Sc)
を粒子の実質投影面積(Sr)で割った値(Sc/S
r)が1.00〜1.30の範囲、かつBET法による
比表面積(A)(m2 /g)、個数平均粒径(dn)
(μm )および真比重(D)の積(A×dn×D)が5
〜10の範囲の実質的に球形で、帯電量(Q)の絶対値
(μc/g)と比表面積(A)の比(|Q|/A)が4
0〜150の範囲にある非磁性一成分トナーである。
【0025】この非磁性一成分トナーは、ビニル系単量
体と着色剤を含む均一混合液を懸濁重合法により重合さ
せて得ることができる。具体的な懸濁重合法としては、
例えば、ビニル系単量体、着色剤、ラジカル重合開始
剤、所望により各種添加剤などを含む混合物をボールミ
ル等で均一に分散させて均一混合液を調製し、次いでこ
の均一混合液を高剪断撹拌により水中に微細化分散させ
た水分散液として、通常30〜200°Cの温度で懸濁
重合する方法が挙げられる。
【0026】ここで用いられるビニル系単量体として
は、例えば、スチレン、ビニルトルエン、α−メチルス
チレン等のスチレン系モノマー;アクリル酸、メタクリ
ル酸、アクリル酸メチル、アクリル酸エチル、アクリル
酸プロピル、アクリル酸ブチル、アクリル酸2−エチル
ヘキシル、メタアクリル酸エチル、メタクリル酸プロピ
ル、メタクリル酸ブチル、メタクリル酸2−エチルヘキ
シル、メタクリル酸ジメチルアミノエチル、アクリロニ
トリル、アクリルアミド等のアクリル酸もしくはメタク
リル酸の誘導体;エチレン、プロピレン、ブチレン等の
エチレン性不飽和モノオレフィン;塩化ビニル、塩化ビ
ニリデン、フッ化ビニル等のハロゲン化ビニル;酢酸ビ
ニル、プロピオン酸ビニル等のビニルエステル;ビニル
メチルエーテル、ビニルエチルエーテル等のビニルエー
テル;ビニルメチルケトン、メチルイソプロペニルケト
ン等のビニルケトン;2−ビニルピリジン、4−ビニル
ピリジン、N−ビニルピロリドン等の含窒素ビニル化合
物等が挙げられる。これらのビニル系単量体は、それぞ
れ単独で、あるいは2種以上の単量体を組み合わせて用
いることができる。
【0027】これらのビニル系単量体とともに任意の架
橋剤を用いることができる。架橋剤としては、例えば、
ジビニルベンゼン、ジビニルナフタレンおよびその誘導
体等の芳香族ジビニル化合物;エチレングリコールジメ
タクリレート、ジエチレングリコールジメタクリレート
等のジエチレン性不飽和カルボン酸エステル;N,N−
ジビニルアニリン、ジビニルエテール等のジビニル化合
物、および3個以上のビニル基を有する化合物を挙げる
ことができる。これらの架橋剤は、単独あるいは2種以
上を組み合わせて用いることができる。
【0028】本発明に用いられる着色剤としては、例え
ば、カーボンブラック、アニリンブラック、クリスタル
バイオレット、ローダミンB、マラカイトグリーン、リ
グロシン、銅フタロシアニン、アゾ染料等の顔料、染料
を挙げることができる。これらの着色剤は、それぞれ単
独で、あるいは2種以上組み合わせて用いることができ
る。
【0029】さらに、ニグロシン染料、モノアゾ染料、
含金属染料、亜鉛ヘキサデシルサクシネート、ナフトエ
酸のアルキルエステルまたはアルキルアミド、ニトロフ
ミン酸、N,N′−テトラメチルジアミンベンゾフェノ
ン、N,N′−テトラメチルベンジジン、トリアジン、
サリチル酸金属錯体等のこの分野で帯電制御剤と呼ばれ
る極性の強い物質を1種または2種以上含有させてもよ
い。
【0030】また、本発明で用いることができる非磁性
トナーには、帯電性、導電性、流動性、あるいは感光体
または定着ローラへの付着性を制御するための添加剤を
含有もしくは外添させることができる。このような添加
剤としては、例えば、低分子量ポリプロピレン、低分子
量ポリエチレン、各種ワックス、シリコーンオイル等の
離型剤、カーボンブラック、シリカ、アルミナ、酸化チ
タン、酸化亜鉛、酸化セリウム、炭酸カルシウム等の無
機微粉末等が挙げられる。
【0031】本発明で用いることができるトナーとして
は、軟質又は低ガラス転移温度の重合体を有するコア部
と硬質又は高ガラス転移温度の重合体を有するシェル部
とからなるカプセル型トナーも挙げられる。
【0032】
【発明の実施の形態】以下、本発明に係るゴムローラ、
ゴムブレードおよび画像形成装置を、図面に示す実施形
態に基づき、詳細に説明する。第1実施形態 図1(A)に示すように、本実施形態に係るゴムローラ
は、画像形成装置に用いられる現像ローラ8である。
【0033】この現像ローラ8は、図2に示すように、
感光体ドラム1に摺接して回転自在に配置される。本実
施形態に係る現像ローラ8について説明する前に、画像
形成装置の全体構成について説明する。
【0034】図2に示すように、画像形成装置におい
て、感光体ドラム1は、矢印A方向に回転自在に装着し
てある。感光体ドラム1は、導電性支持ドラム体の上に
光導電層を設けたものであり、光導電層は、たとえば有
機系感光体、セレン感光体、酸化亜鉛感光体、アモルフ
ァスシリコン感光体などで構成される。
【0035】感光体ドラム1の周囲には、その周方向に
沿って、帯電ローラ3、潜像形成装置4、現像装置5、
転写装置6およびクリーニング装置2が配置してある。
帯電ローラ3は、感光ドラム1の表面を、プラスまたは
マイナスに一様に帯電するためのものであり、帯電ロー
ラ3に電圧を印加し、かつ、帯電ローラを感光体ドラム
に接触させることにより、感光体ドラム1の表面を帯電
させている。帯電ローラ3は、コロナ放電による帯電装
置に比較して、オゾンの発生がない。
【0036】潜像形成装置4は、画像信号に対応した光
を感光ドラムの表面に照射し、一様に帯電されたドラム
の表面に所定のパターンで光を照射して、光が照射され
た部分に静電潜像を形成する(反転現像の場合)、また
は光が照射されない部分に静電潜像を形成する(正規現
像の場合)ためのものであり、たとえばレーザ装置と光
学系とで構成される。または、LEDアレイと光学系と
で構成することもできる。
【0037】現像装置5は、感光ドラム1の静電潜像に
トナーを付着させるためのものであり、反転現像におい
ては光照射部にのみトナーを付着させ、正規現像におい
ては、光非照射部にのみトナーを付着させるように、現
像ローラ8と感光ドラム1との間にバイアス電圧が印加
される。
【0038】この現像装置5は、トナー10が収容され
るケーシング11内に、現像ローラ8と供給ローラ12
とを有する。現像ローラ8は、感光ドラム1に一部接触
するように近接して配置され、感光ドラム1と反対方向
Bに回転するようになっている。供給ローラ12は、現
像ローラ8に接触して現像ローラ8と同じ方向Cに回転
し、現像ローラ8の外周にトナー10を供給するように
なっている。
【0039】現像ローラ8の周囲において、供給ローラ
12との接触点から感光体ドラム1との接触点との間の
位置に、現像ローラ用ブレードとしての層厚規制ブレー
ド9が配置してある。このブレード9は、たとえば導電
性ゴムで構成してあり、トナーへの電荷注入を行うた
め、−200V〜−600Vの電圧が印加されることが
好ましく、そのために、層厚規制ブレード9の電気抵抗
率は、106 Ω・cm以下であることが好ましい。
【0040】現像装置5に収容されるトナー10として
は、体積平均粒径(dv)が5〜10μmの範囲で、体
積平均粒径(dv)と個数平均粒径(dn)の比(dv
/dn)が1.00〜1.40の範囲であり、粒子の絶
対最大長を直径とした円の面積(Sc)を粒子の実質投
影面積(Sr)で割った値(Sc/Sr)が1.00〜
1.30の範囲、かつBET法による比表面積(A)
(m2 /g)、個数平均粒径(dn)(μm )および真
比重(D)の積(A×dn×D)が5〜10の範囲の実
質的に球形で、さらに、帯電量(Q)の絶対値(μc/
g)と比表面積(A)の比(|Q|/A)が40〜15
0の範囲にある非磁性一成分トナーである。
【0041】このような比較的粒径が揃った5〜10μ
m 程度の球形のトナーを用いることで、現像ローラ8の
表面に付着するトナーの層厚を実質的に一層にすること
ができる。転写装置6は、現像装置5により形成された
感光ドラム表面のトナー像を転写紙7に転写するための
ものであり、たとえば転写ローラなどで構成される。転
写紙7としては、紙以外にOHPフィルムのようなフィ
ルムであっても良い。
【0042】クリーニング装置2は、感光ドラム1の表
面に残留したトナーを清掃するためのものであり、たと
えば清掃用ブレードなどにより構成される。このクリー
ニング装置は、現像時に同時にクリーニング作用を行う
方式の場合には、必ずしも必要ではない。
【0043】図1に示すように、本実施形態の現像ロー
ラ8は、芯材としての導電性シャフト20の外周に、ゴ
ム層22を被覆することにより製造される。導電性シャ
フト20は、たとえばステンレスなどの金属で構成され
る。ゴム層22は半導電性であり、その体積抵抗率は、
好ましくは10の7乗〜10の11乗Ω・cm、さらに
好ましくは10の7乗〜10の10乗Ω・cmである。
ゴム層を構成するゴム材としては、特に限定されない
が、スチレン−ブタジエン系共重合体ゴム、アクリロニ
トリル−ブタジエン系共重合体ゴム(NBR)、水素化
アクリロニトリル−ブタジエン系共重合体ゴム(H−N
BR)、プロピレンオキサイドゴム、アクリルゴム、エ
ピクロルヒドリンゴム、ウレタンゴム、シリコンゴムな
どが用いられる。
【0044】ゴム層22の体積抵抗率は、ゴム材料中に
含有されるカーボン粒子などの導電性物質の含有量を変
化させることで又はゴム材料の選択あるいはブレンドに
より調節することができる。ゴム層22の層厚は、特に
限定されないが、通常は1〜10mm程度である。
【0045】本実施形態では、中央部24の軸方向長さ
Laは、図1(B)および図2に示す転写紙7の印字範
囲30の幅Lcと略同等となるようになっている。本実
施形態では、ゴム層22の中央部24の周面での摩擦係
数を、0.3〜0.4とし、両端部26の周面での摩擦
係数を、中央部24での摩擦係数よりも+0.5以上高
い0.8〜1.2としている。また、ゴム層22の中央
部24の周面での周方向表面粗さを、3〜10μm と
し、両端部26の周面での周方向表面粗さを、中央部よ
りも粗くしてあり、具体的には8〜15μm としてい
る。
【0046】次に、本実施形態に係る現像ローラ8の製
造方法の一例について説明する。まず、導電性シャフト
20を準備する。その外周にゴム層を形成するため、本
実施形態では、シャフト20の外周に接着剤を塗布す
る。接着剤としては、特に限定されないが、導電性付与
材を含有しないものが好ましく、体積抵抗率が、通常、
10の11乗〜10の20乗Ω・cmのものが好まし
い。接着剤としては、たとえばフェノール樹脂、エポキ
シ樹脂、アクリル樹脂、ポリウレタンなどからなる加硫
接着剤(絶縁性接着剤)が好適である。接着層の層厚は
2〜50μmであることが好ましい。
【0047】接着剤が塗布されたシャフト20の外周に
ゴム層22を積層して形成するには、プレス成形または
押し出し成形などの手段でゴム層22を被着させれば良
い。この場合、特に押し出し成形が好ましい。量産に適
していると共に、プレス成形と異なり割型の線が形成さ
れないからである。または、加硫接着剤が塗布された導
電性シャフト20を、金型内に配置し、金型内に加硫剤
などを含むゴム組成物を入れて、シャフト20の周囲に
ローラ状のゴム層22を射出成形する。その際にゴム層
22とシャフト20とは加硫接着される。加硫条件は、
使用するゴム成分の種類などに応じて適宜定められる。
その他の接着方法として、シャフト20の外周に接着剤
をロールコーターなどで塗布して乾燥させ、予め成形さ
れたチューブ状のゴム層22内に圧入し、これを加熱す
ることにより、接着しても良い。
【0048】なお、本実施形態では、接着層を構成する
接着剤として、絶縁性接着剤を用いているが、シャフト
20からゴム層22の表面までの体積抵抗率は、10の
9乗〜10の11乗Ω・cmに設定され、その体積抵抗
率のばらつきも小さくなることは、本発明者等により確
認されている。また、導電性カーボンなどが含有されて
いない絶縁性接着剤を用いてゴム層22とシャフト20
とを接着しているので、その接着力が良好であり、ゴム
層22が剥がれることが少なく、現像ローラの耐久性が
向上する。
【0049】次に、本実施形態では、ゴム層22の外周
面を、円筒研削盤などで研磨する。その際に、ゴム層2
2の外周面の表面粗さが、8〜15μm 程度になるよう
に研磨する。また、摩擦係数が、0.8〜1.5となる
ように研磨する。その後、図1(A)に示すローラの中
央部24の範囲La以外の両端部26の範囲Lbをマス
クし、中央部24の外周面にのみ、樹脂コート層を成膜
する。本実施形態では、樹脂コート層をポリウレタン樹
脂層で構成する。
【0050】この樹脂コート層を成膜する手法として
は、たとえばポリウレタン樹脂水分散体を用いて、刷毛
塗り、スプレー塗り、浸清などの方法を採用することが
できる。ゴム層の上に水分散体を被覆した後、乾燥、加
熱、紫外線照射などの方法により、乾燥被膜を形成す
る。ポリウレタン樹脂皮膜の厚みは、通常、10〜50
μm程度である。
【0051】自己乳化型または強制乳化型のポリウレタ
ン樹脂水分散液は、市販品を使用することができる。市
販品の具体例としては、第一工業製薬社製の商品名「ス
ーパーフレックス」シリーズを挙げることができる。ポ
リウレタン樹脂は、官能基や反応基を含有するものであ
ってもよい。また、水分散体の造膜条件についても、乾
燥、熱硬化、紫外線硬化など各種のタイプのものがあ
る。
【0052】ポリウレタン樹脂のガラス転移温度(T
g)は、30〜80℃であることが好ましい。この範囲
外のガラス転移温度を有するポリウレタン樹脂を用いる
と、ポリウレタン樹脂皮膜による摩擦係数の低下が十分
ではなくなる傾向にある。ポリウレタン樹脂皮膜の強度
は、200kg/cm2 以上が好ましく、300kg/
cm2 以上がより好ましい。
【0053】本実施形態で好適に用いることのできるポ
リウレタン樹脂は、多官能イソシアネート化合物とポリ
エーテルポリオールまたはポリエステルポリオールとの
反応物である。このポリウレタン樹脂は分子鎖中に親水
性官能基を有していてもよい。官能基としては、水酸
基、カルボキシル基などを例示することができる。
【0054】多官能イソシアネート化合物(すなわち、
イソシアネート基を2個以上有する化合物)としては、
トリフェニルメタントリイソシアネート、4,4−ジフ
ェニルメタンジイソシアネート、1,5−ナフタレンジ
イソシアネート、トリレンジイソシアネート、テトラメ
チルキシレンジイソシアネート、キシレンジイソシアネ
ート等の芳香族イソシアネート;ジシクロヘキサンジイ
ソシアネート、ジシクロヘキシメタンジイソシアネー
ト、ヘキサメチレンジイソシアネート、イソホロンジイ
ソシアネート等の脂肪族イソシアネート;などが挙げら
れる。
【0055】ポリエーテルポリオールとしては、ポリオ
キシテトラメチレングルコール、ポリエチレングリコー
ル、ポリプロピレングリコールなどが例示される。ポリ
エステルポリオールとしては、多価カルボン酸とポリオ
ール(ポリエーテルポリオールも含む)とを反応させて
得られる分子末端に水酸基を持つものが例示され、ポリ
カーボネートジオールなども含む。多価カルボン酸とし
ては、アジピン酸、フタル酸、セバチン酸、ダイマー酸
が例示される。ポリオールとしては、エチレングリコー
ル、ジエチレングリコール、プロピレングリコール、ブ
チレングリコール、ジエチレングリコール、プロピレン
グリコール、ブチレングリコール、1,3−ブタジオー
ル、ヘキサントリオール、トリメチロールプロパン、グ
リセリン、ペンタエリスリトール、ソルビトールなど
や、ジカルボン酸グリコールなどが例示される。
【0056】ポリウレタン樹脂は、その分子量が通常1
0〜50万、好適には20〜30万のものが好ましく用
いられる。ポリウレタン樹脂皮膜を形成した現像ローラ
の表面粗さは、通常、0.01〜5μm、好ましくは
0.05〜2μmであり、摩擦係数は、通常、0.5以
下、好ましくは0.3以下である。
【0057】本実施形態に係る現像ローラ8では、軸方
向中央部24の摩擦係数よりも両端部26での摩擦係数
が高いため、軸方向両端部26に紙の粉が付着したとし
ても、両端部26での摩擦係数が中央部22よりも高い
ことから、両端部26での摩擦帯電が相対的に高くな
り、紙の粉の付着による両端部での摩擦帯電の低下を相
殺し、トナー帯電低下にともなう紙汚れを防止する。
【0058】第2実施形態 本実施形態では、樹脂コート層を成膜することなく、紫
外線照射の照射時間あるいはエネルギーを制御すること
により、図1(A)に示すローラの中央部24での摩擦
係数を、両端部26での摩擦係数よりも低くする以外
は、前記実施形態と同様にして、現像ローラ8を製作す
る。
【0059】すなわち、本実施形態では、シャフト20
の外周にゴム層22を接着し、ゴム層22の外周面を、
表面粗さが、8〜15μm 程度になるように研磨した
後、ローラ8を回転させながら、50〜150W/cmの
光源を用い、ゴム層22の全周に、1〜3分間、紫外線
を照射し、その後、両端部26のみを紫外線遮蔽材料で
マスクし、50〜150W/cmの光源を用い、ゴム層2
2の中央部24のみの全周に、1〜3分間、紫外線を照
射する。
【0060】その結果、ローラ8の中央部24での摩擦
係数は、0.3〜0.4となり、両端部26での摩擦係
数は、中央部24よりも高くなり、0.8〜1.5程度
になる。本実施形態に係る現像ローラでも、軸方向中央
部24の摩擦係数よりも両端部26での摩擦係数が高い
ため、前記第1実施形態に係る現像ローラと同様な作用
効果を奏する。
【0061】第3実施形態 本実施形態では、樹脂コート層を成膜することなく、ゴ
ム層の外周面の研磨粗さを中央部と両端部とで変えるこ
とにより、図1(A)に示すローラの中央部24での摩
擦係数を、両端部26での摩擦係数よりも低くする以外
は、前記実施形態と同様にして、現像ローラ8を製作す
る。
【0062】すなわち、本実施形態では、シャフト20
の外周にゴム層22を接着した後、ゴム層22の外周面
を、円筒研削盤などで研磨する際に、図1(A)に示す
両端部26の表面粗さが、8〜15μm 程度になるよう
に研磨すると共に、中央部24での表面粗さが両端部よ
りも低くなるように、たとえば3〜10μm 程度になる
ように研磨する。
【0063】その後、ローラ3を回転させながら、50
〜150W/cmの光源を用い、ゴム層22の全周に、1
〜5分間、紫外線を照射する。 その結果、ローラ3の
中央部24での摩擦係数は、0.3〜0.8となり、両
端部26での摩擦係数は、中央部24よりも高くなり、
0.8〜1.5程度になる。なお、表面粗さについて
は、このような紫外線照射により、中央部24では、3
〜10μm となり、両端部26では、8〜15μm とな
る。
【0064】本実施形態に係る現像ローラでも、軸方向
中央部24の摩擦係数よりも両端部26での摩擦係数が
高いため、前記第1実施形態に係る現像ローラと同様な
作用効果を奏する。第4実施形態 図3に示すように、本実施形態に係る現像ローラ8aで
は、前記第1実施形態〜第3実施形態のいずれかに係る
現像ローラにおいて、シャフト20aの外径を軸方向に
均一ではなく、中央部24で大きく、両端部26で小さ
くしてある。中央部24でのシャフト20aの外径は、
シャフト20aの最小外径に対して、10〜100%程
度大きく設定してある。シャフト20aの最小外径は、
3〜30mmである。両端部26でのシャフト20aの外
径は、図3に示すように先端側に向けて先細となるよう
にテーパ状に成形しても良いが、段差を設けてステップ
状に外径が小さくなるように成形しても良い。
【0065】本実施形態に係る現像ローラ8aでも、軸
方向中央部24の摩擦係数よりも両端部26での摩擦係
数が高いため、前記第1〜第3実施形態に係る現像ロー
ラと同様な作用効果を奏する。加えて、本実施形態に係
る現像ローラ8aでは、両端部26のゴム層22が厚く
なっており、且つシャフト20aとの距離が遠いので、
両端部では押圧力(ローラ8aは両端部で支持されるこ
とから両端部での押圧力は中央部に比較して相対的に高
くなる)が吸収される。一方、中央部24のゴム22層
が薄くなっており、且つシャフト20aとの距離が近い
ので、中央部24では押圧力が十分に吸収されない。そ
の結果、現像ローラ8aの圧接による両端部での摩耗が
低減できる。また、本実施形態のローラ8aでは、ゴム
層22の肉厚が中央部24と両端部26とで差を持たせ
てあるが、ゴム層22の外径が中央部24と両端部26
とでほぼ同一であるので、ローラ周面が感光体ドラムに
均一に圧接される。その結果、トナーの帯電の不均一な
どを生じにくいので、画像不良が生起しにくい。
【0066】第5実施形態 図4,5に示すように、本実施形態では、現像ローラ8
に先端が接触する層厚規制ブレード9において、ブレー
ド9の少なくとも先端部で、現像ローラ8との接触方向
に沿って中央部34の摩擦係数よりも両端部36での摩
擦係数を高く設定してある。
【0067】図4に示すように、本実施形態に係る層厚
規制ブレード9は、ブレード本体と成るゴム層51と、
芯材としてのホルダー50とを有し、これらが接着剤で
接着してある。ホルダー50は、断面L字板形状の導電
性材料で構成される。たとえばステンレスなどの金属板
で構成される。
【0068】このブレード9のゴム層51は、半導電性
であり、その体積抵抗率は、10の4乗〜10の10乗
Ω・cm、好ましくは10の5乗〜10の9乗Ω・cm
である。このブレード9のゴム層51を構成するゴム弾
性体としては、特に限定されないが、スチレン−ブタジ
エン系共重合体ゴム、アクリロニトリル−ブタジエン系
共重合体ゴム(NBR)、アクリルゴム、エピクロロヒ
ドリンゴム、ウレタンゴム、シリコンゴムなど、好まし
くはウレタンゴム、NBRなどが用いられる。ゴム層5
1に半導電性を持たせるために、ゴム層51には、カー
ボンブラックなどの導電性粒子が含まれる。たとえばブ
レードのゴム層51を構成するゴム弾性体をウレタンゴ
ムで構成する場合には、ゴム弾性体の全体を100重量
%として、平均粒径40nmのカーボンブラックの添加量
を7.2〜30重量%にすることで、ゴム層51の体積
抵抗率を上記範囲に設定することができる。
【0069】ゴム層51の後端部をホルダー50に接着
するための接着剤としては、ゴム層51の体積抵抗率よ
り高い体積抵抗率を有するもの、すなわち導電性付与材
を含有しないものが好ましく、体積抵抗率が、通常、1
0の11乗〜10の20乗Ω・cmのものが好ましい。
接着剤としては、たとえばフェノール樹脂、エポキシ樹
脂、アクリル樹脂、ポリウレタンなどからなる加硫接着
剤(絶縁性接着剤)が好適である。接着層の層厚は2〜
50μmである。
【0070】ホルダー50とゴム層51とを接着するに
は、ホルダー50の接着面に接着剤を塗布し、その上に
ゴム層51を積層して接着する。たとえば、接着剤が塗
布されたホルダー50の接着面にプレス成形などの手段
でゴム層22を被着させれば良い。または、加硫接着剤
が塗布されたホルダー50を、金型内に配置し、金型内
に加硫剤などを含むゴム組成物を入れて、ホルダー50
の接着面に板状のゴム層51を加硫成形する。その際
に、ゴム層51とホルダー50とは加硫接着される。加
硫条件は、使用するゴム成分の種類などに応じて適宜定
められる。
【0071】この層厚規制ブレード9のゴム層51のヤ
ング率は、好ましくは80〜120kg/cm2 、さら
に好ましくは90〜110kg/cm2 である。ヤング
率が80kg/cm2 未満では、現像ローラへの圧接力
が不足し、トナー層が厚くなりすぎる傾向がある。ま
た、ブレード9のゴム層51のヤング率が120kg/
cm2 より大きい場合には、現像ローラへの圧接力が大
きすぎて、トナー層が薄くなり過ぎる傾向にある。ま
た、この場合、現像ローラへの回転トルクが増大し、ジ
ッター(現像ローラ駆動用のギアの歯数に応じた横縞)
などの現象が生じる傾向にある。
【0072】本実施形態に係る層厚規制ブレード9のゴ
ム層51のヤング率を上記範囲とするには、ゴム層51
を構成するゴム弾性体に含まれる加硫剤の添加量などの
加硫条件を選択することにより行われる。たとえばブレ
ードを構成するゴム弾性体をウレタンゴムで構成する場
合には、ゴム弾性体の全体を100重量%として加硫剤
の添加量を1.6〜3.2重量%にすることで、ヤング
率を上記範囲に設定することができる。
【0073】本実施形態では、ブレード9のゴム層51
を構成するゴム弾性体の反発弾性率が30〜50%のも
のが好ましい。反発弾性率の測定は、リュプケ法(JI
SK6255)により行う。ブレード9には、トナーへ
の電荷注入を行うため、−200V〜−600Vの電圧
が印加されることが好ましく、そのために、層厚規制ブ
レード9の体積抵抗率は、10の4乗〜10の10乗Ω
・cmであることが好ましい。層厚規制ブレード9の電
気抵抗の測定方法は、ブレード9が現像ローラ8に触れ
るブレード9の角部先端を導電板に接触させ、ブレード
9を固定するホルダー50との間の電気抵抗を絶縁抵抗
計(印加電圧500V)で測定することにより行う。
【0074】本実施形態では、ブレード9のゴム層51
の肉厚tは、好ましくは1〜3mm、さらに好ましくは
1.2〜1.5mmである。本実施形態では、ゴム層51
の中央部34の先端部(現像ローラ8と接触する部分を
含む領域)での摩擦係数を、0.3〜0.8とし、両端
部36の先端部での摩擦係数を、中央部34での摩擦係
数よりも+0.5以上高い0.8〜1.5としている。
また、ゴム層51の中央部34の先端部での周方向表面
粗さを、3〜10μm とし、両端部36の先端部での周
方向表面粗さを、中央部よりも粗くしてあり、具体的に
は8〜12μm としている。
【0075】このように、ゴム層51の一部の摩擦係数
を、他の部分の摩擦係数と異ならしめるための手段は、
前記第1〜第3実施形態に開示されたローラ表面の摩擦
係数を異ならしめるための手段のいずれかを採用するこ
とができる。本実施形態のブレード9では、中央部34
の摩擦係数よりも両端部36での摩擦係数が高いため、
仮に現像ローラの軸方向両端部に紙の粉が付着したとし
ても、ブレード9の両端部36での摩擦係数が中央部3
4よりも高いことから、両端部36での摩擦帯電が相対
的に高くなり、両端部36での紙の粉の付着による摩擦
帯電の低下を相殺し、軸方向で均一な帯電が可能にな
る。
【0076】その結果、本実施形態に係る層厚規制ブレ
ードを用いた場合には、現像ローラとの摩擦帯電が軸方
向に均一になる。その結果、現像ローラから感光体ドラ
ムへの不要なトナー移動を防止することができ、紙の余
白部分に生じる汚れを防止することができる。なお、本
発明は、上述した実施形態に限定されるものではなく、
本発明の範囲内で種々に改変することができる。
【0077】たとえば、上述した実施形態では、本発明
に係るゴムローラを現像ローラに適用した場合について
説明したが、本発明に係るゴムローラは、転写ローラ
6、帯電ローラ3、供給ローラ12、あるいはその他の
電子写真用ゴムローラにも適用することができる。ま
た、本発明に係るゴムブレードは、層厚規制ブレード9
に限定されず、その他の電子写真用ブレードにも適用す
ることができる。
【0078】
【実施例】以下、本発明をさらに具体的な実施例に基づ
き説明するが、本発明はこれら実施例に限定されない。
なお、以下の実施例では、特に断わらない限りは、材料
の配合比は、重量%基準である。
【0079】実施例1 図1に示すような外径6mm、長さ250mmのステンレス
製シャフト20を準備し、その外周面に、ロールコータ
によりフェノール系加硫接着剤を塗布した。その層厚は
5μm であった。そのシャフト20を金型内に配置し、
加硫成形を行い、シャフト20の外周にNBRから成る
厚さ3mmのゴム層22を形成した。ゴム層22の加硫時
に、接着層の加硫も行った。加硫温度は、160°Cで
あり、加硫時間は30分であった。
【0080】その後、ゴム層22の外周面を円筒研削盤
により、ゴム層22の外周面の表面粗さが、8〜15μ
m 程度になるように、また、摩擦係数が、0.8〜1.
5となるように研磨した。その後、ローラを回転させな
がら、80W/cmの光源を用い、ゴム層22の全周に、
3分間、紫外線を照射し、その後、両端部26のみを紫
外線遮蔽材料でマスクし、80W/cmの光源を用い、ゴ
ム層22の中央部24のみの全周に、1分間、紫外線を
照射した。
【0081】その結果、ローラの中央部24での摩擦係
数は、0.3となり、両端部26での摩擦係数は、中央
部24よりも高くなり、1.0になった。なお、表面粗
さについては、このような紫外線照射により、中央部2
4では、8μm となり、両端部26では、10μm とな
った。
【0082】このローラを現像ローラ8として、図2に
示すクリーニング装置2を有さない現像同時クリーニン
グ方式の画像形成装置に組み込み7μm の球形トナーを
用いて、転写紙7へのパターン転写(印刷)を行った。
転写紙7としては、A4サイズのコピー用紙を用いた。
【0083】1万枚の印刷後の紙の余白部分を観察して
も、トナーによる汚れは観察されなかった。比較例1 ローラにおけるゴム層の外周面が、軸方向に一様に、摩
擦係数が0.3と成り、表面粗さが8μm と成るように
研磨して紫外線照射した以外は、前記実施例1と同様に
して、現像ローラ8 を製造し、印刷試験を行った。
【0084】5千枚の印刷後の紙の余白部分を観察した
ところ、トナーによる汚れがわずかに観察された。実施例3 図4に示すようなL字形状ののステンレス製ホルダー5
0を準備し、その接着面に、ロールコータによりフェノ
ール系加硫接着剤を塗布した。その層厚は5μm であっ
た。そのホルダー50を金型内に配置し、加硫成形を行
い、ホルダー50にNBRから成る厚さ1.5mmのゴム
層51を接着形成した。ゴム層22の加硫時に、接着層
の加硫も行った。加硫温度は、160°Cであり、加硫
時間は30分であった。
【0085】その後、ゴム層51の先端面および先端部
両側面を研削盤により、ゴム層51の外周面の表面粗さ
が、8〜15μm 程度になるように、また、摩擦係数
が、0.8〜1.5となるように研磨した。その後、ゴ
ム層51の先端部に、80W/cmの光源を用い、2分
間、紫外線を照射し、その後、両端部36のみを紫外線
遮蔽材料でマスクし、80W/cmの光源を用い、ゴム層
51の中央部34のみの先端面および先端部両側面に、
1分間、紫外線を照射した。
【0086】その結果、ゴム層51の中央部34の先端
部での摩擦係数は、0.3となり、両端部36での摩擦
係数は、中央部34よりも高くなり、1.0になった。
なお、表面粗さについては、このような紫外線照射によ
り、中央部34では、8μmとなり、両端部26では、
10μm となった。
【0087】このブレードを層厚規制ブレード9とし
て、図2に示すクリーニング装置2を有さない現像同時
クリーニング方式の画像形成装置に組み込み、7μm の
球形トナーを用いて転写紙7へのパターン転写(印刷)
を行った。転写紙7としては、A4サイズのコピー用紙
を用いた。
【0088】1万枚の印刷後に、紙の余白部分を観察し
ても、トナーによる汚れは観察されなかった。比較例 2 ブレード9のゴム層51における先端部が、幅方向に一
様に、摩擦係数が0.3と成り、表面粗さが8μm と成
るように研磨して紫外線照射した以外は、前記実施例3
と同様にして、層厚規制ブレード9を製造し、印刷試験
を行った。
【0089】5千枚の印刷後に、紙の余白部分を観察し
たところ、トナーによる汚れがわずかに観察された。
【0090】
【発明の効果】以上説明してきたように、本発明に係る
ゴムローラによれば、軸方向中央部の摩擦係数よりも両
端部での摩擦係数が高いため、仮にゴムローラの軸方向
両端部に紙の粉が付着したとしても、両端部での摩擦係
数が中央部よりも高いことから、摩擦帯電が相対的に高
くなり、紙の粉の付着による摩擦帯電の低下を防止でき
る。
【0091】その結果、本発明に係るゴムローラを現像
ローラとして用いた場合には、現像ローラから感光体ド
ラムへの不要なトナー移動を防止することができ、紙の
余白部分に生じる汚れを防止することができる。 本発
明に係るゴムブレードによれば、軸方向中央部の摩擦係
数よりも両端部での摩擦係数が高いため、仮にゴムロー
ラの軸方向両端部に紙の粉が付着したとしても、ブレー
ド両端部での摩擦係数が中央部よりも高いことから、両
端部での摩擦帯電が相対的に高くなり、両端部での紙の
粉の付着による摩擦帯電の低下を防止できる。
【0092】その結果、本発明に係るゴムブレードを現
像ブレードまたは層厚規制ブレードとして用いた場合に
は、現像ローラとの摩擦帯電が軸方向に均一になる。そ
の結果、現像ローラから感光体ドラムへの不要なトナー
移動を防止することができ、紙の余白部分に生じる汚れ
を防止することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】図1(A)は本発明の一実施形態に係るゴムロ
ーラの正面図、同図(B)は転写紙の平面図である。
【図2】図2は画像形成装置の概略構成図である。
【図3】図3は本発明の他の実施形態に係るゴムローラ
の正面図である。
【図4】図4は本発明の実施形態に係るブレードの側面
図である。
【図5】図5は図4に示すブレードのゴム層の正面図で
ある。
【図6】図6は摩擦係数の測定方法を示す概略図であ
る。
【符号の説明】
1… 感光体ドラム 3,3a… 帯電ローラ 9… 層厚規制ブレード 10… トナー 20,20a… シャフト 22,51… ゴム層 24,34… 中央部 26,36… 両端部

Claims (4)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 軸方向中央部の摩擦係数よりも両端部で
    の摩擦係数が高いゴムローラ。
  2. 【請求項2】 ゴムローラに先端部が接触するゴムブレ
    ードであって、 ブレードの少なくとも先端部で、ゴムローラとの接触方
    向に沿って中央部の摩擦係数よりも両端部での摩擦係数
    が高いゴムブレード。
  3. 【請求項3】 請求項1に記載のゴムローラを有する画
    像形成装置。
  4. 【請求項4】 請求項2に記載のゴムブレードを有する
    画像形成装置。
JP15066296A 1996-06-12 1996-06-12 ゴムローラ、ゴムブレードおよび画像形成装置 Pending JPH09329128A (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP15066296A JPH09329128A (ja) 1996-06-12 1996-06-12 ゴムローラ、ゴムブレードおよび画像形成装置

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP15066296A JPH09329128A (ja) 1996-06-12 1996-06-12 ゴムローラ、ゴムブレードおよび画像形成装置

Publications (1)

Publication Number Publication Date
JPH09329128A true JPH09329128A (ja) 1997-12-22

Family

ID=15501751

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP15066296A Pending JPH09329128A (ja) 1996-06-12 1996-06-12 ゴムローラ、ゴムブレードおよび画像形成装置

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JPH09329128A (ja)

Cited By (6)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2007183312A (ja) * 2006-01-04 2007-07-19 Seiko Epson Corp 現像装置、画像形成装置、画像形成システム、帯電部材の製造方法、及び、シール部材の製造方法
JP2007193079A (ja) * 2006-01-19 2007-08-02 Konica Minolta Business Technologies Inc ローラの製造方法とそれにより造られた現像ローラ、及び画像形成装置
JP2008165214A (ja) * 2006-12-07 2008-07-17 Bridgestone Corp 導電性ローラ及びそれを備えた画像形成装置
JP2008265347A (ja) * 2008-06-02 2008-11-06 Canon Chemicals Inc 現像剤量規制ブレードのブレード部材の製造方法および現像剤量規制ブレードの製造方法
JP2013083728A (ja) * 2011-10-06 2013-05-09 Sumitomo Rubber Ind Ltd 現像ローラ
JP2015135423A (ja) * 2014-01-17 2015-07-27 富士ゼロックス株式会社 導電性ロール、転写ユニット、画像形成装置、及びプロセスカートリッジ

Cited By (8)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2007183312A (ja) * 2006-01-04 2007-07-19 Seiko Epson Corp 現像装置、画像形成装置、画像形成システム、帯電部材の製造方法、及び、シール部材の製造方法
JP2007193079A (ja) * 2006-01-19 2007-08-02 Konica Minolta Business Technologies Inc ローラの製造方法とそれにより造られた現像ローラ、及び画像形成装置
JP2008165214A (ja) * 2006-12-07 2008-07-17 Bridgestone Corp 導電性ローラ及びそれを備えた画像形成装置
JP2008265347A (ja) * 2008-06-02 2008-11-06 Canon Chemicals Inc 現像剤量規制ブレードのブレード部材の製造方法および現像剤量規制ブレードの製造方法
JP4598103B2 (ja) * 2008-06-02 2010-12-15 キヤノン化成株式会社 現像剤量規制ブレードのブレード部材の製造方法および現像剤量規制ブレードの製造方法
JP2013083728A (ja) * 2011-10-06 2013-05-09 Sumitomo Rubber Ind Ltd 現像ローラ
US8670700B2 (en) 2011-10-06 2014-03-11 Sumitomo Rubber Industries, Ltd. Developing roller for electrophotographic image forming
JP2015135423A (ja) * 2014-01-17 2015-07-27 富士ゼロックス株式会社 導電性ロール、転写ユニット、画像形成装置、及びプロセスカートリッジ

Similar Documents

Publication Publication Date Title
EP1628172B1 (en) Image forming method
JPH11311890A (ja) 導電性部材及びこれを用いた電子写真装置及びプロセスカートリッジ
JP2005157178A (ja) 画像形成方法及び画像形成装置
JPH09329128A (ja) ゴムローラ、ゴムブレードおよび画像形成装置
JPH09127768A (ja) 帯電装置
JP3356603B2 (ja) 帯電装置及び該装置を組込んだ画像形成装置
JP5407202B2 (ja) 導電性ロール、プロセスカートリッジ及び画像形成装置
JP4831726B2 (ja) 画像形成方法
US6522842B1 (en) Developing apparatus and image forming apparatus
JPH09166919A (ja) 現像方法、現像装置および画像形成装置
JP4343513B2 (ja) 画像形成装置
JP2003043785A (ja) 現像方法及び画像形成方法
JP5452538B2 (ja) 現像剤、画像形成ユニット及び画像形成装置
JP2001337528A (ja) 現像装置に使用される現像ローラ及びブレード、当該現像ローラ及びブレードを有する現像装置及び画像形成装置
JP2006243619A (ja) クリーニング装置及びそれを用いた画像形成装置
JP2004109461A (ja) プロセスカートリッジ
JPH0973224A (ja) 現像ローラ用ブレード、現像装置および画像形成装置
JPH0973228A (ja) 現像装置および画像形成装置
JPH0968860A (ja) 現像ローラ、現像装置および画像形成装置
JP5771109B2 (ja) 帯電ローラ
JPH0973225A (ja) 現像ローラ用ブレード、現像装置および画像形成装置
JP2005010797A (ja) 現像方法
JP2009025471A (ja) クリーニング装置、ユニット装置及び画像形成装置
JPH0522908B2 (ja)
JP2504979B2 (ja) トナ−担持体