JP2006184688A - 画像形成装置 - Google Patents

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Abstract

【課題】Cローラ帯電系で高硬度、高弾性特性を示す感光ドラムを用い、長期に渡って汚れが少なく安定した転写ができる画像形成装置を提供する。
【解決手段】像担持体と帯電手段と、静電潜像形成手段と現像手段及び転写手段とを含む画像形成装置において、該像担持体である感光体は、導電性支持体上に感光層及び保護層を有し、該保護層は、25℃湿度50%の環境下でビッカース四角錐ダイヤモンド圧子を用いて硬度試験を行い,最大荷重6mNで押し込んだときのHU(ユニバーサル硬さ値)が150N/mm2以上220N/mm2以下であり、且つ弾性変形率Weが45%以上65%以下であり、上記感光体保護層表面の表面粗さRzjisをD1(μm)、転写手段の表面粗さRzjisをD3(μm)、転写手段のアスカーC硬度をC(°)、トナーの重量平均粒径をD2(μm)とする時、 D1×We/10<D2<D3×C/100を満たすことを特徴とする。
【選択図】図1

Description

本発明は、電子写真装置、静電記録装置、静電印刷法装置の画像形成装置に関するものであり、更に詳しくは、硬化性樹脂を表面層に含有した感光体を用い、電圧を印加した転写部材を転写材に押圧しながら静電転写する当接転写工程とを有する画像形成装置に関するものである。
一般的に、複写機、プリンタおよびファクシミリのように、画像を紙などの記録媒体に記録する画像形成装置においては、画像を記録媒体に記録するシステムとして、電子写真システムが採用されている。
電子写真システムは、表面に感光物質が塗布された像担持体を感光ドラムとする。まず、感光体の表面が一様に帯電された後に、感光体の表面にレーザ光が照射され、照射された部分と照射されなかった部分との間に電位差が与えられる。次に、現像剤に含まれる帯電したトナーが感光体の表面に付着することによって、感光ドラムの表面上にトナー像が形成される。その後、そのトナー像が記録媒体に転写され、記録媒体上に画像が形成される。そして感光体上に転写せずに残った残留現像剤等は種々の方法で除去され、上述の工程が繰り返される。
近年、この様な複写装置は、単なる原稿を複写するための事務処理用複写機としてではなく、デジタル技術の導入により他の情報処理機と結び付いた情報出力機器として、あるいは多機能化により画像情報の加工や編集が容易になり新規なオリジナル原稿を作製するための複写機として、更に個人向けのパーソナルコピーとして使われはじめた。
そのため、より高速化、より高画質化、より小型軽量化が追求され、より高信頼性が厳しく追求されてきている。
そのような中で、電子写真技術を用いたプリンタや複写機において、被帯電体としての感光体表面を帯電処理する手段として、コロナ帯電装置が従来から広く利用されてきた。コロナ帯電装置は感光体表面を所定の電位に均一に帯電処理する手段として有効であるが、高圧電源を必要とし、また、オゾンの発生量が多い等の問題点を有している。
この様なコロナ帯電装置に対して、電圧を印加した帯電部材(例えば導電性弾性ローラあるいはブレード)を感光体に接触させて感光体を帯電処理する接触帯電装置が提案されている。例えば、上記で提案されている装置は、電源の低圧化が図れ、オゾンの発生量がきわめて少ない等の長所を有していることから、コロナ帯電装置にかわって感光体、誘電体等の像担持体、その他の被帯電体面の帯電処理手段として実用化されている。
また、転写装置においても従来から広く実用化されているコロナ放電を利用した転写手段にかわり、回転円筒状、無端ベルト状など無端状に走行する感光体に対し、電圧を印加した転写部材(例えば導電性弾性ローラ)を感光体に圧接してこれらの両者間に転写材を通過させ、感光体側のトナー像を転写材に転写するように構成した装置が提案されている。
例えば、上記で提案されている当接転写装置はコロナ放電を利用した転写装置と比べて、電源の低圧化が図れ、オゾンの発生量が少なく、また転写部材の感光体への圧接力を調整することによって転写材の感光体への吸着領域を拡大することができ、転写材を転写部位において積極的に押圧支持できる。このため、転写材搬送手段による同期不良や転写材に存在するループ、カール等による転写ずれを生ずる恐れが少なく、画像形成装置の小型化に伴う転写材搬送路の短縮化、感光体の小径化等の要請にも対処しやすい等の長所を持っている。
既に述べたように、この様な接触帯電、当接転写手段を有する画像形成装置では、コロナ帯電・転写と比べて、比較的低電圧のバイアスで感光体の均一な帯電と十分な転写が可能となるため、装置自体の小型化、オゾン等のコロナ放電生成物抑制の点で優れている。
また、このような接触転写手段においては、非画像部でのかぶりトナーやクリーニングブレードからすり抜けて感光体上を連れまわっている外添剤等の汚れを低減するために、転写ローラの表面粗さをトナー粒径より大きくすることが提案されている(例えば特許文献1参照)。
従来の電子写真感光体が有していた問題点を解決し、膜強度を高くすることによって耐摩耗性及び耐傷性を向上させることで高耐久な感光体、さらに、繰り返し使用時における残留電位の上昇等の感光体特性変化や劣化が非常に少なく、繰り返し使用時も安定した性能を発揮することができる電子写真感光体として、硬化性樹脂を表面層に含有した感光体を用いることで達成されるという提案がなされている(例えば特許文献2参照)。
しかしながら、特に高湿環境での使用やプロセススピードが速い機械に用いた場合、これらの耐摩耗性の高い感光体は、感光体の削れが少ないために、表面に付着した帯電生成物を、例えばクリーニングブレードなどで、感光体の表面を削ることで除去させることが困難であり、画像流れやブレードの損傷や鳴き、捲れなどの問題がさらに顕著に発生しやすい傾向にある。
これらの問題に対して、トナー中に研磨作用を有する粒子を添加し、前記の如き感光体表面に付着した帯電生成物を剥ぎ取ることによって改善させることがしられている。しかしながら従来用いられていた研磨粒子は粒径が大きく、粒度分布もブロードなため感光体表面を均一に研磨するには、トナーに多量に添加する必要があるが、多量に添加すると現像特性(特に飛散や反転かぶり、研磨粒子の蓄積)への問題が発生しやすかった。この点を改良したものとして、粒径を細かく疎粒を少なくしたチタン酸ストロンチウムを提案し、少量添加で優れた研磨効果がある無機微粉体を提案しているものもある(例えば特許文献3参照)。
特開平05−313527号広報 特開2002−82469号公報 特開平10−10770号公報
しかしながら、前記の接触転写法を用いた画像形成装置において、結着樹脂と磁性体等の着色剤からなるトナー粒子に、シリカ等の流動性付与剤を含有した一般的な現像剤を用いた場合、転写後のクリーニング工程で除去しきれなかった残留現像剤が僅かに感光体表面に存在してしまい、当接により転写を行う装置においては、当接部位より転写電流が供給されるため、ある程度の圧力を転写装置に加圧する必要があり、この押接圧を加えることにより感光体の潜像上のトナー像にも圧力が加わりトナー凝集が起こる。この結果、トナーが感光体表面や転写装置の当接部材表面に固着しやすくなり、フィルミングやトナー融着が発生する。これらにより、クリーニング不良、転写不良が発生し、得られた画像には、画像濃度の低下とムラベタ黒画像での白斑点模様、ベタ白画像での黒斑点模様が発生しやすい問題がある。
感光体上の転写後の残留現像剤を除去する方法としては、ブレード方式、ファーブラシ方式、磁気ブラシ方式等の方法が知られているが、これらの方法で、感光体上の転写後の残留現像剤を完全に除去することは、困難である。
感光体としては、複写装置の小型化、低コスト化のために有機半導体材料から成る感光体が一般的に利用されている。従来の有機半導体材料から成る感光体は機械的耐久性が劣る結果、研磨剤成分を含んだ現像剤を用いることによりクリーナー部において耐久とともに感光体表面が適度に削られ、常に新しい感光面が現れるためフィルミングやトナー融着等の問題がほとんど発生しなかった。
しかし、トナーに関しては、近年、高画質化や低ランニングコスト化、高速化の要請から、以下のようなのような要請が増大してきている。高画質化のためには、トナーの小径化が不可欠である。そのため、トナーの小径化の傾向が顕著になってきている。そして、トナーの粒径の小径化が進むにつれ、トナーと感光ドラムの表面との比表面積が大きくなる。これにより、単位質量当たりのトナーの感光ドラム表面への付着力が大きくなるため、感光ドラムの表面のクリーニング性が悪化する。
トナーの粒径が小さくなるにつれて、トナーの流動性が悪化する。そのため、より多量の添加剤が必要となる。そして、このような多量の添加剤により、クリーニングブレードの摩耗や欠け、感光ドラムの表面に局所的なスジ傷が発生してしまい、クリーニングブレードからトナーや外添剤のすり抜ける危険性が増大する。
また、従来の粉砕法により生成される粉砕トナーにおいても、重合法により生成される重合トナーが採用されてきている。この重合トナーは粉砕トナーに比べて真球度が高いという特徴があるため転写効率が良く、また製法上WAX内包化等が容易なため、オイルレス定着が可能となる等の利点を有する反面、クリーニングブレードからのすり抜けが発生し易くなってきている。
このため、該高耐久性感光体を前記のコロナ放電を用いない接触転写手段を含む画像形成装置を用いた場合、転写ローラが押接圧を持って感光体表面に圧接されているため、残留現像剤や、潜像上に現像されたトナー像が感光体表面および各当接部材表面に押し付けられることにより、フィルミングやトナー融着が発生しやすい状況にあること、また、感光体表面層の機械的耐久性が高いため、耐久による感光体表面層の削れ量が少なく、発生したフィルミングやトナー融着層を削り取ることができないこと等により、フィルミングやトナー融着が発生するようになった。
また、転写ローラ表面にトナーや外添剤が付着、堆積することにより、転写ローラが十分にその機能を果たせなくなり、転写不良や転写抜けが発生するようになってきた。
前述したように、転写残トナーや感光体上に残留する外添剤等により、転写ローラ汚れを防止するため、転写ローラの表面粗さをトナーの粒径より粗くすることも提案されているが、十分な効果が得られていない。
本発明の目的は、高硬度感光体と転写手段との組み合わせにおける画像形成装置の転写を安定して行い、高品質の画像を得ることができる画像形成装置を提供することにある。
上記目的を達成するため、本出願に係る発明は、像担持体を帯電する帯電手段と、帯電した像担持体に静電潜像を形成する静電潜像形成手段と、前記静電潜像をトナー現像して、像担持体上にトナー像を形成する現像手段と、像担持体上のトナー像を転写する転写手段とを少なくとも含む画像形成装置において、
該像担持体である感光体は、少なくとも導電性支持体上に感光層及び保護層を有し、該保護層は、25℃湿度50%の環境下でビッカース四角錐ダイヤモンド圧子を用いて硬度試験を行い,最大荷重6mNで押し込んだときのHU(ユニバーサル硬さ値)が150N/mm2以上220N/mm2以下であり、且つ弾性変形率Weが45%以上65%以下であり、
上記感光体保護層表面の表面粗さRzjisをD1(μm)とし、転写手段の表面粗さRzjisをD3(μm)とし、転写手段のアスカーC硬度をC(°)とし、トナーの重量平均粒径をD2(μm)とする時、
D1×We/10<D2<D3×C/100 (A)
を満たすことを特徴とする画像形成装置とし、
該転写手段は、弾性層及びそれを覆う表面層を有することを特徴とすることを特徴とし、
該転写手段は、弾性層上に表面層を形成することにより、表面層のない状態よりも、硬度が高くなることを特徴とし、
該転写手段の表面層の厚みがトナーの重量平均粒径D2(μm)以上であることを特徴とし、
該転写手段は、像担持体に接触して転写材へトナー像を転写する転写ローラであることを特徴とし、
該転写手段は、像担持体に対して1.6×10-2N/cmから6.3×10-1N/cmで加圧されることを特徴とし、
該転写手段は、像担持体の周速度に対して、1.0±0.01の比率の周速度で回転することを特徴とし、
像担持体である感光体の該保護層は、同一分子内に一つ以上の連鎖重合性官能基を有する正孔輸送性化合物及び該正孔輸送性化合物を重合、硬化したものの一方または両方を含有し、少なくとも熱、光、放射線の何れかにより硬化されたものであることを特徴とし、
該感光体の保護層には少なくてもフッ素樹脂が含有されていることを特徴とし、
該トナー像を形成するトナーが少なくても結着樹脂及び着色剤を含有し、更に該トナーには一次粒子の平均粒径D0が80nm以上220nm以下で、凝集体の粒径が800nm以上の粒子が1個数%以下であり、ペロブスカイト型結晶の無機微粉体が外添されていることを特徴とし、
該無機微粉体中に粒子形状が概略立方体又は直方体であるものを60個数%以上含有していることを特徴とし、
該無機微粉体がチタン酸ストロンチウム又はチタン酸バリウムでありことを特徴とし、
該無機微粉体が外添されている該トナーは重量平均粒径が4〜7μmで、平均円形度が0.94〜0.99であることを特徴とし、
該帯電手段は、該像担持体に接触し帯電バイアスとしてAC+DCが印加されることを特徴とし、
該帯電手段は、該像担持体に接触し帯電バイアスとしてAC+DCが印加されることを特徴とする画像形成装置によって、本発明の目的が達成される。
本発明によれば、高硬度、高耐久な感光ドラムを使用しても、転写ローラ汚れが少なく、安定した転写が長期に渡って確保することができる。
以下、この発明の実施形態について図面を参照しながら説明する。なお、以下の実施形態の全図においては、同一または対応する部分には同一の符号を付す。
(全体構成)
接触転写を有する画像形成装置の一例について、図1の概略構成図を基に説明する。尚、説明の都合上、帯電部材を帯電ローラ、転写部材を転写ローラとして説明する。
1は回転ドラム型の静電荷像担持体(以下、感光体と記す)であり、該感光体1はアルミニウム等の導電性基板と、その外面に形成した光導電層とその保護層とを基本構成層とするものであり、本実施例の感光体1は直径30mmで、図面上時計方向に210mm/secの周速度(プロセススピード)で回転される。
2は帯電部材である帯電ローラであり、中心の芯金とその外周を形成した導電性弾性層とを基本構成としている。帯電ローラ2は、感光体1の表面に所定の押接圧を持って圧接され、感光体1の回転に伴い従動回転し、所定のバイアスが印加されることにより感光体1の表面が帯電される。
次いで画像露光3により静電潜像画像形成され、現像手段4によりトナー画像として可視化されて行く。5は転写部材である転写ローラであり、中心の芯金とその外周を形成した導電性弾性層とその表面に形成される表面層を基本構成とするものである。転写ローラ5は、感光体1の表面に所定の押接圧を持って圧接され回転する。
転写材8は感光体1と転写ローラ5との間に搬送されると同時に、転写ローラ5にトナーと逆極性のバイアスを印加することにより感光体1上のトナー画像が転写材8の表面側に転写される。
次いで転写材8は、ハロゲンヒーターを内蔵させた加熱ローラとこれと押接力を持って圧接された弾性体の加圧ローラとを基本構成とする定着器9へ搬送され、定着ローラと加圧ローラ間を通過することによりトナー像が転写材8に定着して画像形成物として排出される。
トナー画像転写後の感光体1表面では転写後の残留現像剤等の付着汚染物質を、感光体1にカウンター方向に圧接された弾性クリーニングブレードを具備したクリーニング装置6で清浄面化し、更に除電露光装置7により除電されて、繰り返して作像する。
(感光ドラム)
次に、この発明の実施形態による感光体ドラムについて、以下に説明する。
本発明におけるHU(ユニバーサル硬さ値)及び弾性変形率は、圧子に連続的に荷重をかけ、荷重下での押し込み深さを直読し連続的硬さを求められる微小硬さ測定装置フィシャースコープH100V(Fischer社製)を用いて測定した。圧子は対面角136°のビッカース四角錐ダイヤモンド圧子を使用した。荷重の条件は最終荷重6mNまで段階的に(各点0.1secの保持時間で273点)測定した。
出力チャートの概略を図2に示す。縦軸は荷重(mN)で横軸は押し込み深さh(μm)であり、段階的に荷重を増加させ6mNまで荷重をかけ、その後同様に段階的に荷重を減少させた結果である。
HU(ユニバーサル硬さ値:以下HUと呼ぶ)は、6mNで押し込んだ時の同荷重下での押し込み深さから下記式(1)によって規定される。
Figure 2006184688
弾性変形率は圧子が膜に対して行った仕事量(エネルギー)、すなわち圧子の膜に対する荷重の増減によるエネルギーの変化より求めたものであり、下記式(2)からその値は求まる。全仕事量Wt(nW)は図2中のA−B−D−Aで囲まれる面積で表され、弾性変形の仕事量Wo(nW)はC−B−D−Cで囲まれる面積で表される。
弾性変形率We=Wo/Wt×100(%) (2)
前述の如く、有機電子写真感光体に求められる性能として機械的劣化に対する耐久性の向上が挙げられる。一般的に膜の硬度は外部応力に対する変形量が小さいほど高く、電子写真感光体も当然の如く鉛筆硬度やビッカース硬度が高いものが機械的劣化に対する耐久性が向上すると考えられている。しかしながら、これらの測定により得られる硬度が高いものが必ずしも耐久性の向上を望めたわけではなく、HUと弾性変形率の値が、ある範囲の場合に感光体表面層の機械的劣化が起り難くなる。
すなわち、ビッカース四角錐ダイヤモンド圧子を用いて硬度試験を行い、最大荷重6mNで押し込んだ時のHUが150N/mm2以上220N/mm2以下であり、かつ、弾性変形率が45%以上65%以下である電子写真感光体を用いることによって飛躍的に向上した。また、更なる特性の向上にはHU値が160N/mm2以上200N/mm2以下であることがより好ましい。
HUと弾性変形率を切り離してとらえることはできないが例えばHUが220N/mm2を超えるものであるとき、弾性変形率が50%未満であるとクリーニングブレードや帯電ローラに挟まれた紙粉やトナーが感光体の弾性力が不足しているが故に、弾性変形率が65%より大きいと弾性変形率は高くても弾性変形量は小さくなってしまうが故に、結果として局部的に大きな圧力が作用し、深い傷が発生してしまう。よって、HUが高いものが必ずしも感光体として最適ではないと考えられる。
また、HUが150N/mm2未満で弾性変形率が65%を超えるものの場合、たとえ弾性変形率が高くても塑性変形量も大きくなってしまいクリーニングブレードや帯電ローラに挟まれた紙粉やトナーが擦られることで削れたり細かい傷が発生したりしてしまう。
本発明において用いられる感光体ドラムは、少なくとも表面層が重合または架橋して硬化された化合物を含有した電子写真感光体からなる。なお、この硬化手段としては、熱、可視光や紫外線などの光、更に放射線を用いることができる。
したがって、この実施形態において、感光体の表面層を形成する方法としては、表面層用として用いられる、重合または架橋により硬化可能な化合物を、融解または含有している塗布溶液を用い、浸漬コーティング法、スプレーコーティング法、カーテンコーティング法、スピンコーティングなどにより塗布した後、この塗布された化合物を硬化手段により硬化する方法が採用される。
これらのうち、感光体を効率よく大量生産する方法としては、浸漬コーティング法がもっとも好ましく、この第1の実施形態においても浸漬塗布法を採用することが可能である。
また、この実施形態による感光体ドラムの構成は、外径が例えば約30mmの導電性基体上に、電荷発生物質と電荷輸送物質の双方を同一の層に含有する層構成の単層型か、電荷発生物質を含有する電荷発生層と電荷輸送物質を含有合する電荷輸送層を、順次または逆順に積層した構成の積層型のいずれかである。さらに、感光層上に表面保護層を形成することも可能である。
また、この発明の実施形態においては、少なくとも感光体の表面層が、熱や可視光、紫外線などの光、さらに放射線により重合または架橋し硬化させることができる化合物を含有していればよい。そして、好ましくは、感光体としての特性、特に残留電位などの電気的特性および耐久性の観点から、電荷発生層および電荷輸送層を順次積層した機能分離型の感光体構成、または、この機能分離型の感光体構成で積層された感光層上に、さらに表面保護層を形成した構成とするのが好ましい。
この実施形態においては、表面層における、重合または架橋における化合物の硬化方法としては、感光体特性の劣化が少なく、残留電位の上昇が発生せず、十分な硬度を示すことができることから、好適には、放射線が用いられる。
放射線による重合は重合開始剤と特に必要とせず、非常に高純度な3次元マトリックスの表面層を作製することができ、良好な電子写真特性を示す感光体を得ることができるから好ましい。
この重合または架橋を発生させる際に使用する放射線としては、電子線またはガンマ線が望ましい。これらのうちの電子線を使用する場合、加速器として、スキャニング型、エレクトロンカーテン型、ブロードビーム型、パルス型およびラミナー型などのあらゆる形式を使用することが可能である。
また、電子線を照射する場合においては、この第1の実施形態による感光体における電気特性および耐久性能を発現するために、照射条件としては、加速電圧を250kV以下とするのが好ましく、150kV以下がより好ましい。また、照射線量を、10kJ/kg以上1000kJ/kg以下の範囲内にするのが好ましく、50kJ/kg以上200kJ/kg以下の範囲内とするのがより好ましい。
加速電圧が上述の範囲の上限より大きいと、感光体特性に対する電子線照射による損傷、いわゆるダメージが増加する傾向にある。また、照射線量が上述の範囲の下限より少ないと、硬化が不十分となりやすい。また、線量が多い場合には感光体特性の劣化が生じやすいため、この観点から、線量は、上述の範囲内から選択するのが望ましい。
さらに、表面層をより硬化させるために、電子線による重合反応時に加熱すると良い。加熱するタイミングとしては、ラジカルが存在する間に感光体が一定の温度になっていればよいため、電子線照射前、照射後、何れの段階で加熱しても良い。加熱温度は、感光体の温度が室温から250℃となるように調節すればよい。より好ましくは50℃から150℃である。温度が上記より高い場合には電子写真感光体の材料に劣化が生じるからである。
加熱する時間は、その温度にもよるが、おおよそ数秒から数十分程度でよい。照射及び加熱時の雰囲気は、大気中、窒素及びヘリウム等の不活性ガス中、真宮中の何れの場合であっても構わない。酸素によるラジカルの影響を抑制できるという点で、不活性ガス中或いは真空中が好ましい。
また、重合または架橋が生じて硬化可能な表面層用の化合物としては、反応性の高さ、反応速度の速さ、および硬化後に達成される硬度の高さの観点から、分子内に不飽和重合性官能基を含むものが好ましい。
さらに、不飽和重合性官能基を分子内に有する分子の中でも、特に、アクリル基、メタクリル基およびスチレン基を有する化合物が好ましい。
また、この第1の実施形態による不飽和重合性官能基を有する化合物とは、その構成単位の繰り返しの状態により、モノマーとオリゴマーとに大別される。モノマーとは、不飽和重合性官能基を有する構造単位の繰り返しがなく、比較的分子量の小さいものを示す。
他方、オリゴマーとは、不飽和重合性官能基を有する構造単位の繰り返し数が2〜20程度の重合体である。また、ポリマーまたはオリゴマーの末端のみに不飽和重合性官能基が結合した、いわゆるマクロノマーを、この第1の実施形態による表層用の硬化性化合物として使用することも可能である。
また、この実施形態による不飽和重合性官能基を有する化合物は、表面層として必要とされる電荷輸送機能を満足させるために、化合物が電荷輸送化合物を採用することが、より好ましい。この電化輸送化合物の中でも、正孔輸送機能を持った不飽和重合性化合物であることがさらに好ましい。
次に、この発明形態における電子写真感光体の感光層について説明する。
先ず、アルミ等の導電性支持体上にバリアー機能と接着機能とを有する下引き層を設け、その上に電荷発生層及び電荷輸送層を積層したものであり、この場合、感光層の厚みは、5〜30μmの範囲である。また、このときの感光層の膜厚とは、電荷発生層、電荷輸送層および表面保護層におけるそれぞれの膜厚を合計したものである。
この実施形態による不飽和重合性官能基を有する正孔輸送性化合物は、上述した電荷発生層上に電荷輸送層として用いることができる。または、電荷発生層上に、電荷輸送層と結着樹脂とからなる電荷輸送層を形成した後に、表面保護層として用いることもできる。
いずれの場合も、表面層の形成方法は、正孔輸送性化合物を含有する溶液を塗布後、重合または硬化反応させるのが一般的である。なお、あらかじめ正孔輸送性化合物を含む溶液を反応させることにより硬化物を得た後、再度溶剤中に分散または溶解させたものなどを用いて、表面層を形成することも可能である。
また、上述の溶液を塗布する方法としては、浸漬コーティング法、スプレーコーティング法、カーテンコーティング法、およびスピンコーティングなどが知られている。そして、効率性/生産性の観点から、溶液を塗布する方法としては、浸漬コーティング法が望ましい。なお、蒸着やプラズマ処理などの、その他公知の製膜方法を適宜選択することが可能である。
また、表面層の比抵抗は、108〜1013Ωm(1010〜1015Ωcm)の範囲にすることが望ましい。
また、この実施形態においては、表面層中にはフッ素原子含有樹脂粒子を含有することも可能である。このフッ素原子含有樹脂粒子としては、4フッ化チレン樹脂、3フッ化塩化エチレン樹脂、6フッ化エチレンプロピレン樹脂、フッ化ビニル樹脂、フッ化ビニリデン樹脂、2フッ化2塩化エチレン樹脂および、これらの共重合体の中から少なくとも1種類以上を適宜選択するのが好ましい。
そして、上述のフッ素原子含有樹脂粒子としては、特に、4フッ化エチレン樹脂およびフッ化ビニリデン樹脂が好ましい。なお、樹脂粒子の分子量や粒径は、適宜選択することが可能であり、必ずしも上述の分子量や粒径に限定されるものではない。
表面層中におけるフッ素原子含有樹脂の割合は、表面層の全質量に対して、典型的には5〜40質量%であり、好適には10〜30質量%である。これは、フッ素原子含有樹脂粒子の割合が40質量%より多いと表面層の機械的強度が低下し易くなり、5質量%より少ないと表面層の表面の離型性、表面層の耐磨耗性や耐傷性が不十分になる可能性があるためである。
この発明の実施形態においては、分散性、結着性および対候性をより向上させるために、表面層中に、ラジカル補足剤や酸化防止剤などの添加物を加えることも可能である。また、この第1の実施形態において表面保護層の膜厚は、好適には0.2〜10μmの範囲であり、より好適には0.5〜6μmの範囲である。
上記のようにして形成した感光ドラムを画像形成装置に供する場合、クリーニングブレードとの摩擦を適正化するために、表面層を粗面化することが行われており、その粗さD1としてはRzjis(μm)で0.1μmから1.5μmが好適であり、0.1μmより小さいと、ブレードとの摩擦が大きくなり、ブレードの損傷やドラム回転のトルクアップ等が発生し、1.5μmより大きくなるとブレードからのトナーや外添剤のすり抜けが発生しやすくなり、更に好ましくは0.2μmから0.6μmが望ましい。
感光ドラム表面を粗面化するには、#3000等の塗粒を有するラッピングテープで研磨する、又は、ガラスや有アルミナ等のビーズを用いたブラスト等にて行う。
なお、今後、本発明における表面粗さRzとは、十点平均粗さRzjisを意味し、これはJIS B0601(2001)に基づき、サーフコーダSE3400(小坂研究所)にて、測定長さ2.5mm、測定速度0.1mm/sec、カットオフ0.8mmで測定した値を示すものとする。
(帯電)
次に、この実施形態による帯電手段としての帯電ローラについて説明する。すなわち、この実施形態における帯電手段である可撓性の接触帯電部材としての帯電ローラ2は、芯金上にゴムまたは発泡体の中抵抗層を設けることにより形成される。
この中抵抗層は、たとえばウレタンなどの樹脂、たとえばカーボンブラックなどの導電性粒子、硫化剤または発泡剤などにより処方され、芯金の上にローラ状に形成された後、表面が研磨されている。
ここで、接触帯電部材である帯電ローラ2は、電極として機能することが重要である。すなわち、弾性を持たせて被帯電体との十分な接触状態を確保するとともに、移動する被帯電体を充電するために、十分に低い抵抗である必要がある。
他方、被帯電体にピンホールなどの低耐圧欠陥部位が存在した場合に電圧のリークを防止する必要がある。被帯電体として電子写真用感光体を用いた場合、十分な帯電性と耐リークを得るには、104〜107Ω程度の抵抗が望ましく、この実施形態においては、106Ωの抵抗を用いる。
また、帯電ローラ2の硬度に関しては、低すぎると形状が安定しないために被帯電体との接触性が悪くなり、高すぎると被帯電体との間に帯電ニップ部aを確保することが困難になるのみならず、被帯電体表面に対するミクロな接触性が悪くなる。
したがって、帯電ローラ2の硬度としては、アスカーC硬度において、25度以上60度以下が好ましい範囲である。
なお、以下の説明においてアスカーC硬度とは、SRIS0101(日本ゴム協会標準規格)に規定されたデュロメータ(スプリング式硬度計)にて測定された値を示す。
帯電ローラ2の材質としては、弾性発泡体に限定するものではなく、弾性体の材料として、EPDM、ウレタン、NBR、シリコーンゴムや、IRなどに抵抗調整のためにカーボンブラックや金属酸化物などの導電性物質を分散したゴム材、または、これらの物質を発泡させたものを挙げることができる。なお、導電性物質を分散させることなく、イオン導電性の材料を用いて抵抗調整をすることも可能である。
帯電ローラ2は、被帯電体としての感光ドラム2に対して、弾性に抗した押圧力を19.6N(2kgf)で圧接させて配設する。
なお、この第1の実施形態においては、幅数mmの帯電部が形成されている。
帯電ローラ2の抵抗値は、次のように測定する。
すなわち、プリンタの感光ドラム1をアルミニウム製のドラムと入れ替える。その後、アルミニウム製ドラムと帯電ローラ2の芯金との間に100Vの電圧を加える。そして、このときに流れる電流値を測定することにより、帯電ローラ2の抵抗値を求める。
このようにして求められた、この実施形態による帯電ローラ2の抵抗値は、5×106Ωであった。なお、この抵抗の測定は、温度を25℃とし、湿度を60%の環境下で行った。
また、上述の帯電ローラ2は、感光ドラム1の回転に伴って、従動して回転する。この帯電ローラ2には、帯電用高圧電源から周波数2kHz、総電流1800μAの定電流(その時のVppは約1.4kVpp)で制御され、重畳されるDCバイアスによって感光体電位が決定される。
(現像及び現像剤)
本実施例の現像は、反転現像装置を使用しておりであり、回転感光体1の外周面に形成された上記の静電潜像はこの現像装置4により露光部に現像剤(トナー)が付着して現像剤像(トナー像)として反転現像される。
本例の現像装置4は現像剤として負帯電性の平均粒径6.5μmの磁性一成分像剤を用いた非接触現像装置である。現像装置4には、現像剤担持搬送部材としての直径16mmの現像スリーブがあり、この現像スリーブ内は固定のマグネットを内包する回転駆動されるスリーブから成り、現像剤をコートし、感光体1表面とのギャップを250μmに固定した状態で、感光体1との現像部位において感光体1と同方向に150%の周速で回転させ、現像スリーブに現像バイアス電源より現像バイアス電圧を印加する。
現像装置内の現像剤はブレードと現像スリーブの規制による摺擦により摩擦帯電し、電荷を持つ。現像スリーブに印加する現像バイアス電圧は、−300VのDC電圧を用い、現像スリーブと感光体1の間で現像を行せる。
この実施形態による画像形成装置に用いられるトナーは粉砕法で生成される磁性一成分現像剤で、スチレン−アクリルやスチレン−メタクリル共重合体やポリエステル等の結着樹脂に、磁性体を結着樹脂100質量部に対して50から100質量部加え、負帯電性の荷電制御剤としては、有機金属錯体、キレート化合物が有効で、モノアゾ金属錯体、アセチルアセトン金属錯体、芳香族ヒドロキシカルボン酸、芳香族ジカルボン酸系の金属錯体を用いることができる。使用量は結着樹脂100質量部に対して0.1〜15質量部、好ましくは0.1〜10質量部である。
本発明の粉砕法トナーには、必要に応じて離型剤を添加することができる。例えば低分子量ポリエチレン、低分子量ポリプロピレン、パラフィンワックス、フィッシャートロプシュワックスなどの脂肪族炭化水素系ワックスまたはその酸化物;カルナバワックス、モンタン酸エステルワックスなどの脂肪族エステルを主成分とするワックスまたは、その一部または全部を脱酸化したものなどが挙げられ、添加量は結着樹脂100質量部に対して0.1〜20質量部、好ましくは0.5〜10質量部である。
上記成分で校正される粉砕法トナーは、結着樹脂、離型剤、荷電制御剤、着色剤等をヘンシェルミキサー、ボールミル等の混合機により十分混合してから、加熱ロール、ニーダー、エクストルーダーの如き熱混練機を用いて溶融混練して、樹脂類を互いに相溶せしめた中に荷電制御剤、着色剤を分散または溶解せしめ、冷却固化後、機械的に所望の粒度に微粉砕し、さらに分級によって粒度分布をシャープにする。あるいは、冷却固化後、ジェット気流下でターゲットに衝突させて得られた微粉砕物を、熱または機械的衝撃力によって円形度を調節する。
さらに本発明に好適な例としては、現像性や転写性、クリーニング性や耐久性を向上させるためにさらに次の無機粉体を添加することもできる。マグネシウム、亜鉛、アルミニウム、チタン、セリウム、コバルト、鉄、ジルコニウム、クロム、マンガン、ストロンチウム、錫、アンチモン等の金属酸化物;チタン酸カルシウム、チタン酸マグネシウム、チタン酸ストロンチウム等の複合金属酸化物;硫酸バリウム、炭酸カルシウム、炭酸マグネシウム、炭酸アルミニウム等の金属塩;カオリン等の粘土鉱物;アパタイト等のリン酸化合物;炭化珪素、窒化珪素等の珪素化合物;カーボンブラックやグラファイト等の炭素粉末が挙げられる。
同様の目的で以下の有機粒子や複合粒子を添加することもできる。ポリアミド樹脂粒子、シリコーン樹脂粒子、シリコーンゴム粒子、ウレタン粒子、メラミン−ホルムアルデヒド粒子、アクリル粒子等の樹脂粒子;ゴム、ワックス、脂肪酸系化合物、樹脂等と金属、金属酸化物、塩、カーボンブラック等の無機粒子とからなる複合粒子;ポリ弗化エチレン、ポリ弗化ビニリデン等のフッ素樹脂;弗化カーボン等のフッ素化合物;ステアリン酸亜鉛等の脂肪酸金属塩;脂肪酸、脂肪酸エステル等の脂肪酸誘導体;硫化モリブデン、アミノ酸及びアミノ酸誘導体等が挙げられる。
なお、本発明の実施形態においては、高弾性高硬度な表面保護層を有する感光体を安定的に使用するために、先述したようにトナーには、一次粒子の平均粒径が80nm以上220nm以下で、凝集体の粒径が800nm以上の粒子が1個数%以下であり、ペロブスカイト型結晶で、粒子形状が概略立方体又は直方体であるものが60個数%以上含有している無機微粉体であるチタン酸ストロンチウム又はチタン酸バリウムで、好ましくはチタン酸ストロンチウムであり、トナー樹脂100質量部に対して0.1から5.0質量部、更に好ましくは、0.5質量部から2.0質量部外添されている。
本発明において使用されるペロブスカイト型結晶の無機微粉体は一次粒子の平均粒径が80nm以上220nm以下でなければならず、100nm以上180nm以下であるものが更に好ましい。
平均粒径が80nm未満ではクリーナー部における当該粒子の研磨効果が不十分であり、また、クリーナー部からのすり抜けも多くなり、帯電部材の汚染を促進させるので好ましくなく、一方、220nm超では、クリーナー部での研磨効果が強すぎるためにドラムに傷が発生したり、またクリーニングブレードでの堰き止め効果が高くなり、ブレードと感光体との潤滑作用が低下するために、ブレードへの負荷が高くなり、ブレードが捲れたり、ブレード自身が欠け、摩耗したりする問題が生じる。
また、該無機微粉体は着色粒子表面に必ずしも一次粒子として存在するとは限らず、凝集体として存在する場合もあるが、その場合でも凝集体の粒径が800nm以上の粒子が1個数%以下でなければならない。800nm以上の凝集体を含有した場合、一次粒径が220nm未満であっても感光体キズ、またブレード欠けが発生し、トナーすり抜けによる画像不良の問題が生じる。
なお、本発明における無機微粉体の粒径については、電子顕微鏡にて5万倍の倍率で撮影した写真から100個の粒径を測定して求めた。
なお、概略立方体、直方体である無機微粉体の粒径は、微粉体の形状の中で最も長い長辺の長さ(T1)と最も短い短辺の長さ(S1)としたとき、以下の式を持って無機微粉体の粒径とした(図3参照)。
無機微粉体の粒径=(T1+S1)/2
また本発明の無機微粉体中の、粒子形状が概略立方体または直方体であるものの含有率を60個数%以上含有することで更に効率的に帯電生成物の除去が行えるため好ましい。
該無機微粉体の概略立方体、直方体(サイコロ、キュービック状の形状)形状は、図4に電子顕微鏡にて5万倍の倍率で撮影した写真を示すような形状を示す。
また現像性を良好なものにし、転写バイアスへの応答性を良好するには、本発明の表面処理をしたペロブスカイト型結晶の無機微粉体の帯電量の絶対値は20mC/kg以上70mC/kg以下であることが好ましく、且つ帯電極性がトナーと逆極性であることが好ましい。
なお帯電量の測定方法については以下の通りである。
温度23℃,相対湿度50%環境下、キャリアとしてDSP138(同和鉄粉工業社製)を用い、キャリア9.9gに測定する試料0.1gを加えた混合物を50ml容量のポリエチレン製の瓶に入れ100回震盪する。次いで図5に示すような、底に目開き32μmの金属メッシュのスクリーン13のある金属製の測定容器12に前記混合物を約0.5gを入れ、金属製のフタ14をする。この時の測定容器12全体の質量を秤りW1gとする。次に吸引機(測定容器2と接する部分は少なくとも絶縁体)において、吸引口17から吸引し風量調節弁16を調節して真空計15の圧力を250mmAqとする。この状態で2分間吸引を行ない現像剤を吸引除去する。この時の電位計19の電位をV(ボルト)とする。ここで18はコンデンサーであり容量をC(μF)とする。また吸引後の測定機全体の質量を秤りW2(g)とする。この現像剤の摩擦帯電量(mC/kg)は、下式の如く計算される。
摩擦帯電量=CV/(W1−W2)
本発明のトナーは、フロー式粒子像分析装置による平均円形度が0.94〜0.99であることで耐久によるトナーの流動性悪化を軽減するために好ましい。
平均円形度が0.94に満たない場合は、トナーは不定形に近づくため耐久での流動性悪化が起り易くなり、また転写効率も悪化するため好ましくない。また平均円形度が0.99を超えると感光体のクリーニング不良の発生確率が増大する。
本発明において、平均円形度は東亜医用電子株式会社製 フロー式粒子像分析装置 FPIA−1000にて測定した。
測定は、フィルターを通して微細なごみを取り除き、その結果として10-3cm3の水中に測定範囲(例えば、円相当径0.60μm以上159.21μm未満)の粒子数が20個以下の水中にノニオン型界面活性剤(和光純薬社製コンタミノンN)を数滴加えた水溶液10ml中に、トナー5mgを加え、超音波分散機としてSTM社製UH−50で分散処理を行なって調製した試料分散液を用いて、0.60μm以上159.21μm未満の円相当径を有する粒子の粒度分布を測定する。
測定の概略は以下のとおりである。
試料分散液は、フラットで偏平な透明フローセル(厚み約200μm)の流路(流れ方向に沿って広がっている)を通過させる。フローセルの厚みに対して交差して通過する光路を形成するように、ストロボとCCDカメラがフローセルに対して相互に反対側に位置するように装着される。試料分散液が流れている間に、ストロボ光がフローセルを流れている粒子の画像を得るために1/30秒間隔で照射され、その結果それぞれの粒子はフローセルに平行な一定範囲を有する2次元画像として撮影される。それぞれの粒子の2次元画像の面積から、同一面積を有する円の直径を円相当径として算出する。
約1分間で、1200個以上の粒子の円相当径を測定することができ、円相当径分布に基づく数及び規定された円相当径を有する粒子の割合(個数%)を測定できる。
平均円形度は、上記フロー式粒子像分析装置FPIA−1000を用いて測定された粒子の円形度を下式より求め、測定された全粒子の円形度の総和を全粒子数で除した値を平均円形度と定義する。
円形度=(粒子像と同じ投影面積を持つ円の周囲長)/(粒子の投影像の周囲長)
本発明における平均円形度とは、トナー粒子の凹凸の度合いの指標であり、トナーが完全な球形の場合1.00を示し、トナー形状が複雑になるほど平均円形度は小さな値となる。
また、本発明の上記円形度を満足するトナーは、その重量平均粒径D2が4〜7μmの範囲にあることが好ましい。4μmより小さいと非静電的な付着力(ファンデルワールス力)等が増大して、感光体や転写ローラ等への付着性が上がり、融着やフィルミングを発生させやすくなるからであり、トナーの重量平均粒径は、コールターマルチサイザーII(コールター社製)を用い測定した。コールターマルチサイザーIIに個数分布,体積分布を出力するインターフェース(日科機製)及びPC9801パーソナルコンピューター(NEC製)を接続し、電解液は1級塩化ナトリウムを用いて1%NaCl水溶液を調製する。例えば、ISOTON R−II(コールターサイエンティフィックジャパン社製)が使用できる。測定法としては、前記電解水溶液100〜150ml中に分散剤として界面活性剤、好ましくはアルキルベンゼンスルフォン酸塩を0.1〜5ml加え、更に測定試料を2〜20mg加える。試料を懸濁した電解液は、超音波分散器で約1〜3分間分散処理を行い、前記コールターマルチサイザーによりアパーチャーとして100μmアパーチャーを用いて、2μm以上のトナーの体積、個数を測定して体積分布と個数分布を算出した。それから本発明に係る体積分布から求めた重量基準(各チャンネルの代表値をチャンネル毎の代表値とする)の重量平均粒径を求めた。
本発明のトナーの製造方法は特に限定されないが、平均円形度を0.94〜0.99にするためには、懸濁重合法、機械式粉砕法、球形化処理等によって製造されるのが好ましい。
(転写装置)
図1における6は接触転写手段としての中抵抗の転写ローラであり、感光体1に所定に圧接させて感光体上のトナー像を転写材へ転写するものであり、感光体に接触することにより回転駆動したり、他の手段に連結されることにより回転駆動される。
以下に、転写ローラについて詳しくに説明する。本発明で使用する転写ローラは、良導電性シャフトの外周に導電性を有する弾性層を形成したものである。ここで、上記シャフトとしては、良好な導電性を有するものであれば、いずれのものも使用し得るが、通常は金属製の中実体からなる芯金や内部を中空にくりぬいた金属製円筒状円筒体等の金属製シャフトが用いられる。
上記弾性層としては、導電性ゴム又はポリウレタン等のエラストマーやフォーム材料を基材として用いることができる。
発泡導電性ゴムとしては、エチレン−プロピレン−ジエン三元共重合体ゴム(EPDM)、クロロプレンゴム、クロロスルフォン化ポリエチレンに導電材を配合したもの、エピクロルヒドリンとエチレンオキサイドの共重合ゴムの発泡体又はエピクロルヒドリンとエチレンオキサイドとの共重合ゴムに導電材を配合したものの発泡体を好適に使用できる。
これらのゴム組成物に配合する導電材としては、まず粉体について例示すればケッチェンブラックEC、アセチレンブラック等の導電性カーボン、SAF、ISAF、HAF、FEF、GPF、SRF、FT、MT等のゴム用カーボン、酸化処理等を施したカラー(インク)用カーボン、熱分解カーボン、天然グラファイト、人造グラファイト、アンチモンドープの酸化錫、酸化チタン、酸化亜鉛、ニッケル、銅、銀、ゲルマニウム等の金属及び金属酸化物、ポリアニリン、ポリピロール、ポリアセチレン等の導電性ポリマー等が挙げられる。その配合量は、全ゴム成分100質量部に対して3〜100質量部、特に5〜50質量部とすることができ、これにより弾性層の体積抵抗を102〜1010Ω・cmに調整することができる。
上記の導電性を付与されたゴムを押し出し成型した場合、表面が不均一であり、表面付近の発泡が不安定で発泡ムラ、硬度ムラが多いため表面の研磨を行い、所望の外径のローラ形状に成型する。
弾性層の研磨方法は、特に制限されないが、一般には湿式法又は乾式法等があり、例えば、湿式法による研磨方法は、砥石と弾性層の間に水やオイル等の潤滑剤を吹きつけながらを研磨する方法が採用できるが、感光ドラムへの汚染の問題から潤滑剤としては水が好ましい。なお、乾式法による研磨方法を採用する場合には、研削速度や砥石の種類等を十分に考慮すれば良いが、作業性の点から湿式法が好ましく用いられる。
弾性層の硬度は、アスカーC硬度(荷重4.9N)で20〜50°とすることが好ましい。この場合、硬度が50°を超えると感光ドラム等との接触面積が小さくなり、良好な現像が行えなくなる恐れがあるが、逆にあまり低硬度にすると圧縮永久歪が大きくなり、何らかの理由で現像ローラに変形や偏心が生じた場合、転写材搬送速度むらが発生するからである。このため、弾性層の硬度を低硬度にする場合でも、圧縮永久歪をなるべく小さくすることが好ましく、具体的には20%以下とすることが好ましい。
このように弾性層を形成した後、弾性層の抵抗を均一化し放電ムラを防止し、感光体のピンホールリーク等を防止するため表面層をコートする。表面層の体積抵抗率は105から109(Ω・cm)が好ましい。表面層としてコートするコート剤は、有機溶媒や水に溶解させたポリウレタン等の帯電系列的に、鉄に対してネガ性である各種高分子化合物のバインダーを用い、塗料を抵抗層として適当な体積抵抗値に調整するためにバインダー中に導電性の微粒子を分散する。
表面層のコート剤のバインダーとしてウレタン等のネガ性である各種高分子化合物を用いることにより、トナーに外添されている無機微粉体がネガ帯電トナーと逆極性の帯電性を有して、ポジ帯電性を有しているため、感光体上にトナーから遊離した無機微粉体が転写ローラ表面に転移しても、プラス放電である転写バイアスの影響により、転写材裏に転移することにより転写ローラ表面に堆積し続けることはない。
本実施例では導電性の微粒子としてアンチモンドープして導電化処理を施した酸化スズ微粒子を用いた。これは、導電性微粒子としてカーボンブラックのように低い体積抵抗値の低いものを用いると、添加量に対する塗料の体積抵抗値の変動が大きく抵抗制御の安定性にかけるため、比較的高い体積抵抗値を持つ粉体を用いることが好ましいためである。
このようにして作製した塗料を弾性スポンジローラ表面に塗工する。本実施例では塗工方法としてディッピング塗工法を用い、表面層の厚みを10〜30μm程度に調節した。この表面層の厚さとしては、使用するトナー径より大きいことが好ましい。しかし、このほかにもロール塗工法、ビーム塗工法等適宜用いることが可能である。
また、塗工した表面層を安定化させるため、熱風乾燥炉で乾燥させることにより、転写ローラとしての硬度(アスカーC硬度)を表面層塗工前のゴム弾性層のときよりも数度、好ましくは3〜5度程度高くすることが好ましい。従って、弾性層上に表面層を形成した転写ローラとしての硬度は23°から55°が好ましい。この場合、硬度の上下限は上述した弾性層の硬度についての記載と同様である。
また表面層を形成された転写ローラとしての表面粗さRzjis:D3としては、1μmから50μm程度が好ましく、転写ローラの表面粗さRzjis:D3が1μmより小さいと、転写材との摩擦が小さくなり、搬送性が不安定になり、逆に50μmを超えると低湿環境下での放電ムラが発生する危険性があるためである。しかし、上記の範囲内でも、本発明の式(A)を成立させる範囲内でなければならない。
上記のように、表面層を形成する前の弾性層の硬度より、弾性層上に表面層を形成した後の硬度が高く、更には表面層の厚さをトナー粒径以上に設定することにより、転写ローラとして実施に感光体へ押圧されている状態でも、表面の硬度が高いため、転写ローラが感光体へ加圧され、転写ローラが変形してもその表面層の形状は維持されつつ、弾性層自体が全体として変形するため、感光体への接触状態が安定し、且つ、表面粗さが維持されるので、トナーや、外添剤の付着が低減される効果を発揮できる。
上記のような転写ローラはバネなどにより感光体へ加圧されるが、加圧力としては1.6×10-2N/cmから6.3×10-1N/cmが好ましく、更には、3.0×10-2N/cmから3.0×10-1N/cmが好ましい。
加圧力が1.6×10-2N/cmより小さいと、転写材と感光ドラムの密着性が低下するため、転写ムラや転写抜け、更には転写材搬送安定性が生じ易く、また逆に6.3×10-1N/cmより大きくなると、中抜けが発生したり、転写ローラ及び感光ドラム両者のダメージが大きくなったり、融着、フィルミング発生の危険が増大するからである。
また、転写ローラが感光ドラムと接触することにより回転駆動される場合は、転写ローラの周速度は感光ドラムと同じであるが、転写ローラの周速度と感光ドラムの周速度を異ならせる場合は、感光ドラムの周速差に対して転写ローラの周速度を1%以内で変化させることも有効である。周速差が1%以上与えた場合は、転写時に画像が崩れるばかりではなく、転写ローラの表面粗さがトナー粒径より大きいために、積極的に感光ドラム上のトナーを転写ローラ上へかきとることになり、本発明の効果が小さくなってしまうからである。
(感光ドラムと転写ローラとトナーの関係について)
以下に、本発明の特徴である、転写ローラへのトナーや外添剤汚れに対する感光ドラムと転写ローラとのトナーとの関係について、従来例と比較して説明する。なお、以下の説明で硬度としてはアスカーC硬度計で測定した硬度を示すものとする。
前述したように、図6−Aには転写ローラの表面粗さをトナー粒径より粗くすることにより、感光ドラム上に付着しているトナーや外添剤と転写ローラの接触確率を減らすモデル図が示されている。通常、転写ローラの表面粗さは感光ドラムに加圧されていない状態で測定されている。しかし、実際に感光ドラムに実使用状態で加圧されている状態では、転写ローラは弾性体であるため、図6−Bに示されるように、表面の凹凸が感光ドラムの表面に沿ってつぶれてしまい、転写ローラ表面と感光ドラム上の粒子(トナーや外添剤)との接触確率が非常に増大し、転写ローラへ転移する粒子が増えてしまう。
そこで、実使用状態(感光ドラムに転写ローラが加圧されている状態)を想定するため、転写ローラの表面粗さRzjisを転写ローラのゴム硬度であるアスカーC硬度で規格化したパラメータを考案した。
この理由としてはゴム等の硬度を規定するアスカーC硬度は硬度計で測定した時に全く変形しない状態を100°、完全に変形してしまう硬度を0°と規定しているのを利用し、荷重時変形のし易さの割合であると読み替えることができる。そこで、実使用状態での転写ローラの表面粗さを表す指標として、転写ローラの表面粗さRzjis:D3をアスカーC:Cで規格化した値を加圧下での表面粗さと規定する。
また同様に、本発明に使用される感光ドラムおいても、前述したように荷重を順次かけて行き、規定値に達した後、荷重を取り除いた時に、その変形の戻り具合の値としての弾性変形率Weが通常の感光体よりも高い特徴があり、同様な考え方が成り立つはずであるが、転写ローラに比べて感光ドラムの硬度が高くて変形しにくいことを考慮して、感光体の表面粗さRzjis:D1を弾性変形率Weの1/10で規格化したパラメータも導入する。
ここで、感光体上に存在するトナーや外添剤等が転写ローラに転移することにより転写ローラ上に堆積したり、転写ローラからの圧接や摺擦によって感光体上に固着し、融着、フィルミングへと成長させないためには、実使用状態(転写ローラが感光ドラムへ加圧されている状態)下で、
1.感光体上にトナーが埋め込まれないように、感光体表面粗さがトナー粒径より小さいこと…D1×We/10<D2
2.転写ローラ表面粗さがトナー粒径より大きく、感光ドラムに接した転写ローラとのトナーの接触確率が小さいこと
D2<D3×C/100
3.また、上記2が成立するような表面を有する転写ローラであること
4.トナーや外添剤(特にチタン酸ストロンチウム)が転写ローラに付着しても堆積し続けず、感光ドラムへ戻ってクリーナに回収されること
が必要である。
そこで、これらを満たすためには、転写ローラ表面部分の硬度を高めに設定して、ローラを形成しているゴム弾性全体が変形することで、転写部の当接状態を安定化させれば良いことが分かる。
そこで、図6−Cに示すように、本発明においては前述したように、転写ローラとしては弾性体の上に、表面層を形成することにより、ローラ全体として弾性体ゴム硬度より3〜5°程度高くすることで、更に好ましくは、この表面層の厚さがトナー粒径よりも大きければ、加圧された場合でも表面層は初期の粗さが維持され、硬度が高くて変形しがたい表層部分がトナー粒径よりも大きければ、感光体上のトナーに接触する確率が低減するために好ましい。
また、トナーから遊離した外添剤がトナー画像を転写材に転写するバイアスが印加された場合に、転写ローラ表層がトナーと同じネガ性の帯電極性を有し、且つ、外添剤(特にチタン酸ストロンチウム)が適正なポジ帯電性を有していることにより、転写バイアス荷に応答して感光ドラムへ戻る事ができる。
以上のように構成することにより、加圧された場合においても、転写ローラ表面の形状は維持しつつもローラ全体で転写ニップを形成して良好な転写及び、転写ローラへの汚れの転移、堆積、及び感光体表面への汚れの固着等が防止できる。
以下、本発明の実施例について記述するが、これらの記述に限定されるものではない。
先ず、本実施例で使用される感光体及び転写ローラについて記述する。
(感光体1)
感光ドラム1としては、以下のようにして作製した。30φのアルミニウムシリンダーを硬度試験用と実機テスト用とを用意する。導電層用の塗料を以下の手順で調製した。10%の酸化アンチモンを含有する酸化スズで被覆した導電性酸化チタン粉体50部(質量部、以下同様)、フェノール樹脂25部、メチルセロソルブ20部、メタノール5部およびシリコーンオイル(ポリジメチルシロキサンポリオキシアルキレン共重合体、平均分子量3000)0.002部をφ1mmガラスビーズを用いたサンドミル装置で2時間分散して調製した。この塗料をシリンダー上に浸漬塗布方法で塗布し、140℃で30分乾燥して、膜厚23μmの導電層を形成した。
次に、N−メトキシメチル化ナイロン5部をメタノール95部中に溶解し、中間層用塗料を調製した。この塗料を前記の導電層上に浸漬コーティング法によって塗布し、100℃で20分間乾燥して、0.6μmの中間層を形成した。
次に、CuKαのX線回折におけるブラック角2θ±0.2度が9.0度、14.2度、23.9度及び27.1度に強いピ−クを有するオキシチタニウムフタロシアニンを3部、ポリビニルブチラ−ル(商品名エスレックBM2、積水化学(株)製)3部及びシクロヘキサノン35部をφ1mmガラスビ−ズを用いたサンドミル装置で2時間分散して、その後に酢酸エチル60部を加えて電荷発生層用塗料を調製した。この塗料を前記の中間層の上に浸漬塗布方法で塗布して50℃で10分間乾燥し、膜厚0.2μmの電荷発生層を形成した。
電荷発生層を形成した後、下記構造式(4)のスチリル化合物を10部
Figure 2006184688
および下記構造式(5)の繰り返し単位を有するポリカーボネート樹脂10部を
Figure 2006184688
(Mv≒20000)
モノクロロベンゼン50部およびジクロロメタン30部の混合溶媒中に溶解し、電荷輸送層用塗布液を調製した。この塗布液を前記の電荷発生層上に浸漬コーティングし、120℃で1時間乾燥することによって膜厚が20μmの電荷輸送層を形成した。
Figure 2006184688
次いで、上記構造式(3)の正孔輸送性化合物60部をモノクロロベンゼン50部およびジクロロメタン50部の混合溶媒中に溶解し保護層用塗料を調製した。この保護層用塗料には、フッ素原子含有樹脂粒子として4フッ化エチレン樹脂を保護層の全質量に対して40質量%含有させた。
この塗布液を前記の電荷輸送層上にコーティングし、酸素濃度10ppmの雰囲気下で加速電圧150KV、照射線量50KGyの条件で電子線を照射した。その後引き続いて、同雰囲気下で感光体の温度が100℃になる条件で10分加熱処理をおこない、更に硬化度を上げるため、空気中で140℃になる条件下で1時間加熱処理を行い、膜厚5μmの保護層を形成し、電子写真感光体を得た。
硬度試験用の感光体を25℃湿度50%の環境下に24時間放置した後、前述した微小硬さ測定装置フィシャースコープH100V(Fischer社製)を用いて、弾性変形率Weを求めるとWeが45%であった。
また、上記で作製したドラム表面を#3000のラッピングテープで粗面化して、表面粗さRzjis:D1を測定すると0.3であった。
(感光体2)
感光体1において作製されたドラム表面を#1500のラッピングテープで粗面化して、表面粗さRzjis:D1を測定すると0.8であった。
(感光体3)
感光体1において作製されたドラム表面を#1000のラッピングテープで粗面化して、表面粗さRzjis:D1を測定すると1.2であった。
(感光体4)
感光体1において作製されたドラム表面を#800のラッピングテープで粗面化して、表面粗さRzjis:D1を測定する1.5であった。
(感光体5)
感光体1において保護層用塗料中のフッ素原子含有樹脂粒子として4フッ化エチレン樹脂を保護層の全重量に対して30質量%含有させたもので、同様に弾性変形率Weを求めるとWeが50%であった。この表面を#3000のラッピングテープで粗面化して表面粗さRzjis:D1を測定すると0.3であった。
(感光体6)
感光体5において作製されたドラム表面を#1500のラッピングテープで粗面化して、表面粗さRzjis:D1を測定すると0.8であった。
(感光体7)
感光体5において作製されたドラム表面を#1000のラッピングテープで粗面化して、表面粗さRzjis:D1を測定すると1.2であった。
(感光体8)
感光体5において作製されたドラム表面を#800のラッピングテープで粗面化して、表面粗さRzjis:D1を測定すると1.5であった。
(感光体9)
感光体1において保護層用塗料中のフッ素原子含有樹脂粒子として4フッ化エチレン樹脂を保護層の全質量に対して10質量%含有させたもので、同様に弾性変形率Weを求めるとWeが55%であった。この表面を#3000のラッピングテープで粗面化して表面粗さRzjis:D1を測定すると0.3であった。
(感光体10)
感光体9において作製されたドラム表面を#1500のラッピングテープで粗面化して、表面粗さRzjis:D1を測定すると0.8であった。
(感光体11)
感光体9において作製されたドラム表面を#1000のラッピングテープで粗面化して、表面粗さRzjis:D1を測定すると1.2であった。
(感光体12)
感光体9において作製されたドラム表面を#800のラッピングテープで粗面化して、表面粗さRzjis:D1を測定すると1.5であった。
(感光体13)
感光体1において保護層用塗料中のフッ素原子含有樹脂粒子として4フッ化エチレン樹脂を保護層の全質量に対して0質量%含有させたもので、同様に弾性変形率Weを求めるとWeが60%であった。この表面を#3000のラッピングテープで粗面化して表面粗さRzjis:D1を測定すると0.3であった。
(感光体14)
感光体13において作製されたドラム表面を#1500のラッピングテープで粗面化して、表面粗さRzjis:D1を測定すると0.8であった。
(感光体15)
感光体13において作製されたドラム表面を#1000のラッピングテープで粗面化して、表面粗さRzjis:D1を測定すると1.2であった。
(感光体16)
感光体13において作製されたドラム表面を#800のラッピングテープで粗面化して、表面粗さRzjis:D1を測定すると1.5であった。
次に、ここで使用した転写ローラについて説明する。
(転写ローラ1〜16)
転写ローラ1は8φの金属製の芯金に外径16φとなるように、弾性層及び表面層を形成した。弾性層はEPDMを使用し、この状態でのアスカーC硬度は17°であり、この上に膜厚10μmの水溶性ポリウレタン塗料に酸化スズを添加して抵抗を調節し、塗布後に乾燥させることにより、塗布後のアスカーC硬度:Cを20°とした。またこの転写ローラの表面粗さRzjis:D3は5μmであった。
以下、使用した転写ローラの種類は以下のとおりである。
Figure 2006184688
次に、ここで使用したトナーについて説明する。
トナーとしてはトナー1として重量平均粒径が6.5μm、平均円形度が0.94の一成分磁性トナーに対して、一次粒子の平均粒径が100nmで、凝集体の粒径が800nm以上の粒子が0.5個数%であり、ペロブスカイト型結晶で、粒子形状が概略立方体又は直方体であるものが80個数%含有されているチタン酸ストロンチウムをトナー100質量部に対して、1質量部外添したものである。
本発明の画像形成方法を実施するための画像形成装置として、レーザービームを用いた有機感光体デジタル複写機を用意した。該装置の概略は、感光体の帯電手段として帯電ローラを備え、現像手段として現感光体上の現像剤と感光体が非接触であって一成分ジャンピング現像方法を採用した一成分現像器を備え、転写手段として帯電ローラを備え、ブレードクリーニング手段、帯電前露光手段を備える。また、感光体帯電器及び、クリーニング手段、感光体は一体型のユニットとなっている。プロセススピードは210mm/sであり、感光体、転写ローラ、トナーを上記のものに入替えて使用した。
上記の画像形成装置を用いて、以下に示す評価方法に従って評価を行った。
(評価)
30℃,80%の環境下で、幅3cmの黒縦帯を等間隔で5本並べたA4チャートを連続モードで1000枚画像形成を行い転写ローラ上をテーピングし、それを白紙及び、黒紙上に貼り付けて、白紙及び黒紙上に何もつけないテープを貼った部分との濃度差を測定した。濃度測定は、反射濃度計RD918(マクベス社製)で行った。評価のランク分けは、以下のように行った。なお、白紙との濃度差は主としてトナーの付着量をみるためであり、黒紙との濃度差は主として白色をしている外添剤(チタン酸ストロンチウム)の付着を調べるためである。
1:濃度差が0.1以下である。
2:濃度差が0.1〜0.2である。
3:濃度差が0.3〜0.4である。
4:濃度差が0.4以上である。
Figure 2006184688
上記、実施例、比較例からわかるように、D1×We/10<D2<D3×C/100の不等式が成立している、つまり実加圧状態での実質的なドラム表面粗さを示すD1×We/10がトナー粒径D2より小さく、且つ、加圧下での実質的な転写ローラの表面粗さD3×C/100がトナー粒径D2より大きい場合に、転写ローラ汚れランクが2以下と小さく、汚れが少ないことを示している。実施例1と比較例1を実際に30℃/80%の環境と23℃/5%の環境で実機通紙を50000枚画だしを行った場合も上記評価と同様の結果であった。
これまでの説明では、この発明が接触帯電、一成分磁性トナーの画像形成装置で説明してきたが、これらの画像形成方法や装置に拘束されることなく、感光体、トナー、転写以外については、特に制約されず、公知の様々な方法、手段、装置にも適応できる。
本発明を好適に実施する画像形成装置の概略構成断面図である。 フィシャースコープH100V(H.Fischer社製)の出力チャートの概略図である。 無機微粉体の粒径測定における長辺と短辺の概略図である。 無機微粉体の電子顕微鏡写真(5万倍)の一例を示す図である。 帯電量測定装置の概略図である。 感光ドラム表面、転写ローラ表面、トナーの関係をモデル的に説明する図である。 加圧下における感光ドラム、転写ローラ、トナーの関係をモデル的に説明する図である。 本発明の特徴をモデル的に説明する図である。
符号の説明
1 感光ドラム
2 帯電ローラ
4 現像器
5 転写ローラ

Claims (14)

  1. 像担持体を帯電する帯電手段と、帯電した像担持体に静電潜像を形成する静電潜像形成手段と、前記静電潜像をトナー現像して、像担持体上にトナー像を形成する現像手段と、像担持体上のトナー像を転写する転写手段とを少なくとも含む画像形成装置において、
    該像担持体である感光体は、少なくとも導電性支持体上に感光層及び保護層を有し、該保護層は、25℃湿度50%の環境下でビッカース四角錐ダイヤモンド圧子を用いて硬度試験を行い,最大荷重6mNで押し込んだときのHU(ユニバーサル硬さ値)が150N/mm2以上220N/mm2以下であり、且つ弾性変形率Weが45%以上65%以下であり、
    上記感光体保護層表面の表面粗さRzjisをD1(μm)とし、転写手段の表面粗さRzjisをD3(μm)とし、転写手段のアスカーC硬度をC(°)とし、トナーの重量平均粒径をD2(μm)とする時、
    D1×We/10<D2<D3×C/100 (A)
    を満たすことを特徴とする画像形成装置。
  2. 該転写手段は、弾性層及びそれを覆う表面層を有することを特徴とすることを特徴とする請求項1に記載の画像形成装置。
  3. 該転写手段は、弾性層上に表面層を形成することにより、表面層のない状態よりも、硬度が高くなることを特徴とする特徴とする請求項2に記載の画像形成装置。
  4. 該転写手段の表面層の厚みがトナーの重量平均粒径D2(μm)以上であることを特徴とする請求項2又は3に記載の画像形成装置。
  5. 該転写手段は、像担持体に接触して転写材へトナー像を転写する転写ローラであることを特徴とする請求項1乃至4のいずれかに記載の画像形成装置。
  6. 該転写手段は、像担持体に対して1.6×10-2N/cmから6.3×10-1N/cmで加圧されることを特徴とする請求項5に記載の画像形成装置。
  7. 該転写手段は、像担持体の周速度に対して、1.0±0.01の比率の周速度で回転することを特徴とする請求項5又は6に記載の画像形成装置。
  8. 像担持体である感光体の該保護層は、同一分子内に一つ以上の連鎖重合性官能基を有する正孔輸送性化合物及び該正孔輸送性化合物を重合、硬化したものの一方または両方を含有し、少なくとも熱、光、放射線の何れかにより硬化されたものであることを特徴とする請求項1乃至7のいずれかに記載の画像形成装置。
  9. 該感光体の保護層には少なくともフッ素樹脂が含有されていることを特徴とする請求項1乃至8のいずれかに記載の画像形成装置。
  10. 該トナー像を形成するトナーが少なくとも結着樹脂及び着色剤を含有し、更に該トナーには一次粒子の平均粒径が80nm以上220nm以下で、凝集体の粒径が800nm以上の粒子が1個数%以下であり、ペロブスカイト型結晶の無機微粉体が外添されていることを特徴とする請求項1乃至9のいずれかに記載の画像形成装置。
  11. 該無機微粉体中に粒子形状が概略立方体又は直方体であるものを60個数%以上含有していることを特徴とする請求項10に記載の画像形成装置。
  12. 該無機微粉体がチタン酸ストロンチウム又はチタン酸バリウムでありことを特徴とする請求項11に記載の画像形成装置。
  13. 該無機微粉体が外添されている該トナーは重量平均粒径D2(μm)が4〜7μmで、平均円形度が0.94〜0.99であることを特徴とする請求項1乃至12のいずれかに記載の画像形成装置。
  14. 該帯電手段は、該像担持体に接触し帯電バイアスとしてAC+DCが印加されることを特徴とする請求項1乃至13のいずれかに記載の画像形成装置。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
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JP2009294585A (ja) * 2008-06-09 2009-12-17 Canon Chemicals Inc 一次転写ローラ
JP2014186280A (ja) * 2013-03-25 2014-10-02 Oki Data Corp 画像形成装置
CN113534629A (zh) * 2020-04-15 2021-10-22 株式会社理光 图像形成装置

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