JP4574907B2 - 導電性部材、プロセスカートリッジ及び電子写真装置 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、導電性部材、プロセスカートリッジ及び電子写真装置に関し、詳しくは、電子写真感光体に接触配置された導電性部材に電圧を印加することで電子写真体表面を所定の電位に帯電する接触帯電装置に用いられる導電性部材、該導電性部材を備えたプロセスカートリッジ及び電子写真装置に関する。
【0002】
【従来の技術】
従来、電子写真法としては多数の方法が知られているが、一般には光導電性物質を利用し、種々の手段により電子写真感光体上に電気的潜像を形成し、次いで該潜像をトナーで現像を行って可視像とし、必要に応じて紙等の転写材にトナー画像を転写した後、熱や圧力等により転写材上にトナー画像を定着して複写物を得るものである。また、転写材上に転写されずに電子写真感光体上に残ったトナー粒子は、クリーニング工程により電子写真感光体上より除去される。
【0003】
従来、電子写真の帯電装置としては、コロナ帯電器が使用されてきた。近年、これに代って、接触帯電装置が実用化されてきている。これは、低オゾン・低消費電力を目的としており、この中でも特に帯電部材として導電ローラーを用いたローラー帯電方式が、帯電の安定性という点から好ましく用いられている。
【0004】
ローラー帯電では、導電性の弾性ローラーを被帯電体に加圧当接させ、これに電圧を印加することによって被帯電体への帯電を行う。
【0005】
具体的には、帯電は帯電部材から被帯電体への放電によって行われるため、ある閾値電圧以上の電圧を印加することによって帯電が開始される。例を示すと、厚さ25μmの感光層を有する有機電子写真感光体(OPC電子写真感光体)に対して帯電ローラーを加圧当接させた場合には、絶対値で約640V以上の電圧を印加すれば電子写真感光体の表面電位が上昇し始め、それ以降は印加電圧に対して傾き1で線形に電子写真感光体の表面電位が増加する。以後、この閾値電圧を帯電開始電圧Vthと定義する。
【0006】
つまり、電子写真に必要とされる電子写真感光体の表面電位Vdを得るためには、帯電ローラーにはVd+Vthという画像形成自体に必要とされる以上のDC電圧が必要となる。このようにしてDC電圧のみを接触帯電部材に印加して帯電を行う方法をDC帯電と称する。
【0007】
しかし、DC帯電においては環境変動等によって接触帯電部材の抵抗値が変動しやすいため、また、電子写真感光体が削れることによって膜厚が変化するとVthが変動するため、電子写真感光体の電位を所望の値にすることが難しかった。
【0008】
このため、更なる帯電の均一化を図るために特開昭63−149669号公報に開示されるように、所望のVdに相当するDC電圧に2×Vth以上のピーク間電圧を持つAC成分を重畳した電圧を接触帯電部材に印加するAC+DC帯電方式が用いられる。これは、ACによる電位のならし効果を目的としたものであり、被帯電体の電位はAC電圧のピークの中央であるVdに収束し、環境等の外乱には影響され難い。
【0009】
帯電用の導電性部材としては、米国特許4,967,231号明細書に、導電性支持部材上に導電性シームレスチューブにより表層を形成した例が示されている。更には、特開平5−2313号公報にはフッ素樹脂からなるシームレスチューブが開示され、特開平5−96648号公報には導電性の異なる層構成よりなる多層チューブが開示されている。帯電部材としての製造にかかる方法としては、前記従来技術として、挿入により形成する方法が挙げられている。また、特開平6−58325号公報には、クロスヘッド押し出し機を用いた表面形成方法が開示されている。
【0010】
このような、シームレスチューブによりローラー層を形成する方法は、基体上に弾性層として発泡体を用いても、それを更にシームレスチューブによって被覆することにより、平滑な面を形成することができ、より均一な帯電ができやすい。
【0011】
シームレスチューブに導電性を持たせる手法としては、一般的に塩を導電剤として用いるイオン伝導法とカーボンブラックや導電性金属酸化物、金属粉末等を導電剤として用いる電子伝導法とが挙げられる。イオン伝導により導電性を持たせた場合、抵抗値の環境変動が大きくなり易く、また、電子写真感光体と当接するため塩が感光体を汚染しやすいといった問題がある。
【0012】
しかしながら、絶縁物質にカーボンブラックや金属酸化物粉末のような導電物質を含有させた場合、経時の通電により、抵抗が上昇しやすいという欠点があった。特に、低抵抗にする場合、導電剤の含有量を多くする必要があるため、抵抗上昇を抑えやすいが、帯電用の導電性部材の被覆層に求められる1×104〜1×1011Ω・cm程度の中抵抗にする場合、導電剤の量も限られるため、通電による抵抗上昇を改善するのは困難であった。
【0013】
【発明が解決しようとする課題】
本発明の目的は、連続的に通電しても、中抵抗領域(1×104〜1×1011Ω・cm)での電気抵抗値変動、抵抗値のバラツキが少なく製造安定性に優れた導電性部材を提供することにある。
【0014】
本発明の別の目的は、上記導電性部材を有するプロセスカートリッジ及び電子写真装置を提供することにある。
【0015】
【課題を解決するための手段】
本発明に従って、電子写真感光体に接触配置され、電圧が印加される導電性部材において、該導電性部材が支持部材及び該支持部材上の導電性被覆層を有し、該導電性被覆層は、外層と内層の2層のシームレスチューブからなり、それぞれカーボンブラックとバインダー樹脂とを含有し、上記外層はバインダー樹脂としてスチレン系熱可塑性エラストマーを、カーボンブラックとして300〜500cm3/100gのDBP吸油量を有する第1のカーボンブラック及び30〜100cm3/100gのDBP吸油量を有し、かつ5以下のpHを示す第2のカーボンブラックの双方を含有し、上記内層はバインダー樹脂としてウレタン系熱可塑性エラストマーを含有することを特徴とする導電性部材が提供される。
【0016】
また、本発明に従って、上記導電性部材を有するプロセスカートリッジ及び電子写真装置が提供される。
【0017】
【発明の実施の形態】
以下に、本発明の実施の形態を詳細に説明する。
【0018】
本発明に用いられる第1のカーボンブラックのDBP吸油量は300〜500cm3/100gであるが、300〜400cm3/100gであることが好ましい。このようなカーボンブラックとしては、具体的には、ケッチェンブラックEC(DBP吸油量360cm3/100g)、ケッチェンブラック−600JD(DBP吸油量495cm3/100g)(以上ライオンアクゾ社製)、Printex XE−2(DBP吸油量380cm3/100g)(デグサ社製)、旭HS−500(DBP吸油量500cm3/100g)(旭カーボン社製)及びBLACK PEARLS 2000(DBP吸油量330cm3/100g)(キャボット社製)等が挙げられる。
【0019】
これらのカーボンブラックは、少量しか用いなくても高い導電性を得ることができる。そのため、導電剤として第1のカーボンブラックのみを用いた場合、所望の抵抗を得るために必要な含有量が少なく、通電時の抵抗上昇が大きくなりやすい。
【0020】
一方、第2のカーボンブラックのDBP吸油量は250cm3/100g以下であるが、30〜100cm3/100gであることが好ましい。また、pHは5以下であるが、4以下であることが好ましい。このようなカーボンブラックとしては、具体的には、Special Blackシリーズ(DBP吸油量45〜230cm3/100g)、(デグサ社製)、BLACK PEARLSシリーズ(DBP吸油量60〜105cm3/100g)(キャボット社製)及びHCFシリーズ(DBP吸油量44〜73cm3/100g)、MCFシリーズ(DBP吸油量56〜79cm3/100g)、LFFシリーズ(DBP吸油量57〜113cm3/100g)(以上三菱化学社製)等が挙げられる。
【0021】
これらのカーボンブラックは、ある程度の量を用いないと導電性を得にくい。
そのため、導電剤として第2のカーボンブラックのみを用いた場合、所望の抵抗を得るために必要なカーボンブラックの含有量は比較的多く、通電による抵抗上昇を十分に抑えることができ、また導電均一性も向上する。この観点からは、カーボンブラックをより多く含有させることができるため、カーボンブラックは酸性であることが好ましく、本発明においては、pHが5以下であり、4以下であることが好ましい。しかしながら、カーボンブラックの含有量が多くなりすぎると、被覆材料が硬くなりすぎ、弾性特性が悪く、被覆が困難になることがある。
【0022】
従って、本発明においては、第1と第2のカーボンブラックを用いることによって、非常に優れた抵抗安定性を有する導電部材を提供することができたのである。
【0023】
カーボンブラックの使用割合は、質量比で第1のカーボンブラック:第2のカーボンブラック=1:1〜1:15が好ましく、特には1:2〜1:10が好ましい。
【0024】
また、カーボンブラックの配合割合は、カーボンブラックの含有量の合計がバインダー樹脂100質量部に対して5〜50質量部であることが好ましく、特には20〜40質量部であることが好ましい。5質量部未満だと導電性が不均一になり帯電ムラが生じたり、抵抗が高くなりすぎ帯電され難くなり、50質量部を超えると配合物の溶融粘度が大きくなりすぎ、チューブ成型が困難となり易く、好ましくない。
【0025】
本発明におけるDBP吸油量は、カーボンブラックにDBPを添加したときの100gあたりのDBP吸油量であり、アブソープトメーターによって測定することができる。また、pHは、カーボンブラックと蒸留水の混合液をガラス電極を用いて測定することによって得ることができる。
【0026】
本発明における導電性被覆層が含有するバインダー樹脂としては、熱可塑性樹脂及びゴムが挙げられる。
【0027】
具体的には、ポリ塩化ビニル、ポリエチレン、塩素化ポリエチレン、エチレンプロピレン、エチレン酢酸ビニル、エチレンエチルアクリレート、エチレンアクリル酸メチル、スチレンブタジエン、ポリウレタン、ポリアミドポリエチレン、ポリプロピレン、ポリエステル、ポリエーテル、ポリアミド、ポリカーボネート、ポリアセタール、アクリロニトリルブタジエンスチレン、ポリスチレン、ポリフェニレンオキサイド、ポリ酢酸ビニル、ポリフッ化ビニリデン及びポリテトラフロロエチレン等の熱可塑性樹脂、ヒドリンゴム、ブチルゴム、ニトリルゴム、エチレンアクリルゴム、四フッ化エチレン−パーフルオロアルコキシエチレン(PFA)、四フッ化エチレン−六フッ化プロピレン(FEP)、塩素化ゴム及びシリコーンゴム等のゴムが挙げられる。
【0028】
上記バインダー樹脂に添加する添加剤としては、必要に応じて他の導電剤、老化防止剤、軟化剤、可塑剤、補強剤及び充填剤等が挙げられる。他の導電剤としては、グラファイトや導電性金属酸化物を使用してもよい。導電性金属酸化物としては、例えば、導電処理された酸化チタン及び導電処理された酸化亜鉛等が挙げられる。
【0029】
本発明の導電性被覆層は塗工によって形成してもよいが、シームレスチューブを作製し、得られたシームレスチューブを支持部材に被覆することが好ましい。
シームレスチューブにするには、まず、バインダー樹脂を第1及び第2のカーボンブラック及び必要な添加剤とともに混練し、続いてペレット化する。次に、得られたペレットを押出し成形機によりシームレスチューブとする。そして、成形加工されたシームレスチューブを支持部材に被覆し、導電性部材とするのである。
【0030】
支持部材にシームレスチューブを被覆するには、シームレスチューブ内径を被覆すべき支持部材の外径よりも大とし、物理的あるいは化学的手段、例えば熱によりチューブを収縮させ嵌合させるか、シームレスチューブ内径を被覆すべき支持部材の外径よりも小とし、物理あるいは化学的手段、例えば空気圧によりチューブを押し広げ嵌合させるかの手段がとられる。その例は、例えば、特開平10−228156号公報等に記載されている。本発明は、前述のように製造するのに好ましいシームレスチューブを得ることもできるので、結果として極めて優れた特性を有する導電性部材を提供することができる。
【0031】
本発明におけるシームレスチューブの厚みには特に制限はないが、好ましくは100〜600μmである。また、特開平11−125952号公報にあるように、多層同時成形チューブとすることも何ら制限されるものではない。
【0032】
また、多層同時成形チューブの場合、本発明の構成を満たさない被覆層を含んでいてもよいが、本発明においては、より効果的に帯電不良を防止することができるため、少なくとも表面層は第1及び第2のカーボンブラックを含有することが好ましい。
【0033】
本発明において用いられる、被覆される支持部材としての構成、材質あるいは製造方法を例示する。
【0034】
その形態としては、弾性ローラーが用いられる。材質としては、例えば特開平1−211799号公報等に開示があるが、導電性基体として、鉄、銅及びステンレス等の金属、カーボン分散樹脂、金属あるいは金属酸化物分散樹脂等が用いられ、その形状としては、棒状及び板状等が使用できる。例えば、弾性ローラーの構成としては、導電性基体上に弾性層を設け、更に導電層及び/又は抵抗層を設けたもの等が用いられる。
【0035】
弾性層としては、クロロプレンゴム、イソプレンゴム、EPDMゴム、ポリウレタンゴム、エポキシゴム及びブチルゴム等のゴム又はスポンジや、スチレン−ブタジエン、ポリウレタン、ポリエステル及びエチレン−酢酸ビニル等の熱可塑性樹脂で形成することができる。これらのゴムや樹脂にカーボン、金属及び金属酸化物粒子等の導電剤を含有させてもよい。
【0036】
導電層としては、例えば、金属蒸着膜、導電性粒子分散樹脂及び導電性樹脂等が用いられ、具体例としては、アルミニウム、インジウム、ニッケル、銅及び鉄等の蒸着膜、導電性粒子分散樹脂の例としては、カーボン、アルミニウム、ニッケル及び酸化チタン等の導電性粒子をウレタン、ポリエステル、酢酸ビニル−塩化ビニル共重合体及びポリメタクリル酸メチル等の樹脂中に分散したもの等が挙げられる。導電性樹脂としては、4級アンモニウム塩含有ポリメタクリル酸メチル、ポリビニルアニリン、ポリビニルピロール、ポリジアセチレン及びポリエチレンイミン等が挙げられる。
【0037】
抵抗層としては、導電性樹脂及び導電性粒子分散絶縁樹脂等を用いることができる。導電性樹脂としては、エチルセルロース、ニトロセルロース、メトキシメチル化ナイロン、エトキシメチル化ナイロン、共重合ナイロン、ポリビニルヒドリン及びカゼイン等の樹脂が用いられる。導電性粒子分散樹脂の例としては、カーボン、アルミニウム、酸化インジウム及び酸化チタン等の導電性粒子をウレタン、ポリエステル、酢酸ビニル−塩化ビニル共重合体及びポリメタクリル酸メチル等の絶縁性樹脂中に少量分散したもの等が挙げられる。
【0038】
導電性部材として、支持部材とシームレスチューブを有する本発明の構成のものは、製造安定性に優れ、従来安定生産が難しいとされた中抵抗領域を安定して生産できる。
【0039】
本発明の導電性部材1’の構成の例を図1に示す。図中、1は導電性基体、2は弾性層、3が被覆層であり、3(i)が導電層、3(o)が本発明の導電性被覆層である。この場合、導電性基体1、弾性層2及び導電層3(i)をまとめて支持部材と呼ぶ。
【0040】
本発明に用いられる電子写真感光体、露光手段、現像手段、転写手段及びクリーニン手段は、特に限定されるものではない。
【0041】
図2に本発明の導電性部材を一次帯電手段として有するプロセスカートリッジを具備する電子写真装置の構成を例に示す。
【0042】
図2において、1は電子写真感光体であり、矢印方向に所定の周速度で回転駆動される。電子写真感光体13は、回転過程において、一次帯電手段としての本発明の導電性部材1’によりその周面に正又は負の所定電位の均一帯電を受け、次いで、スリット露光やレーザービーム走査露光等の露光手段(不図示)からの露光光14を受ける。こうして電子写真感光体13の周面に静電潜像が順次形成されていく。
【0043】
形成された静電潜像は、次いで現像手段15によりトナー現像され、現像されたトナー現像像は、不図示の給紙部から電子写真感光体13と転写手段16との間に電子写真感光体13の回転と同期取りされて給紙された転写材17に、転写手段16により順次転写されていく。
【0044】
転写を受けた転写材17は、電子写真感光体面から分離されて定着手段18へ導入されて定着を受けることにより複写物(コピー)として装置外へプリントアウトされる。
【0045】
転写後の電子写真感光体13の表面は、クリーニング手段19によって転写残りトナーの除去を受けて清浄面化され、繰り返し像形成に使用される。
【0046】
【実施例】
以下、具体的な実施例を挙げて本発明をより詳細に説明する。本実施例においては、特開平11−125952号公報で示される方法に従い、2層同時成形チューブを作製した。得られたシームレスチューブを特開平11−125952号公報で示される方法に従い発泡弾性体層に被覆し、図1に示すような導電性部材1’を作製した。内層は低抵抗導電層、外層が本発明に対応するチューブ構成となる。なお、本実施例中の「部」は質量部を意味する。
【0047】
<実施例1>
チューブ外層用として、スチレン−ブタジエンエラストマー100部にケッチェンブラックEC5部(DBP吸油量360cm3/100g)、Special Black 250 30部(DBP吸油量46cm3/100g、pH3.1)、酸化マグネシウム10部、ステアリン酸カルシウム1部を添加し、加圧式ニーダーを用いて200℃で15分間混練し、冷却粉砕後に造粒用押し出し機によりペレット化した。
【0048】
チューブ内層用として、ウレタンエラストマー100部にケッチェンブラック20部、酸化マグネシウム10部、ステアリン酸カルシウム1部を添加し、加圧式ニーダーを用いて200℃で15分間混練し、冷却粉砕後に造粒用押し出し機によりペレット化した。
【0049】
上記のペレットを用いて、内径φ16.5mmのダイスと外径φ18.5mmのポイントを備えた2層同時成形押出機で押出し成形後、サイジング、冷却工程を経て、内径φ11.1mm、外層の厚さ100μm、内層の厚さ400μmのシームレスチューブに成形加工した。
【0050】
<実施例2>
チューブ外層用として、スチレン−ブタジエンエラストマー100部にケッチェンブラックEC10部(DBP吸油量360cm3/100g)、Special Black 550 20部(DBP吸油量47cm3/100g、pH2.8)、酸化マグネシウム10部、ステアリン酸カルシウム1部を添加し、加圧式ニーダーを用いて200℃で15分間混練し、冷却粉砕後に造粒用押し出し機によりペレット化した。その後、シームレスチューブ実施例1と同様の製造工程を経て、内径φ11.1mm、外層の厚さ100μm、内層の厚さ400μmのシームレスチューブに成形加工した。
【0051】
<実施例3>
チューブ外層用として、スチレン−ブタジエンエラストマー100部にケッチェンブラックEC10部(DBP吸油量360cm3/100g)、Special Black 4 30部(DBP吸油量230cm3/100g、pH3.0)、酸化マグネシウム10部、ステアリン酸カルシウム1部を添加し、加圧式ニーダーを用いて200℃で15分間混練し、冷却粉砕後に造粒用押し出し機によりペレット化した。その後、シームレスチューブ実施例1と同様の製造工程を経て、内径φ11.1mm、外層の厚さ100μm、内層の厚さ400μmのシームレスチューブに成形加工した。
【0052】
<実施例4>
チューブ外層用として、スチレン−ブタジエンエラストマー100部にPrintex XE−2 10部(DBP吸油量380cm3/100g)、Special Black 250 20部(DBP吸油量46cm3/100g、pH3.1)、酸化マグネシウム10部、ステアリン酸カルシウム1部を添加し、加圧式ニーダーを用いて200℃で15分間混練し、冷却粉砕後に造粒用押し出し機によりペレット化した。その後、シームレスチューブ実施例1と同様の製造工程を経て、内径φ11.1mm、外層の厚さ100μm、内層の厚さ400μmのシームレスチューブに成形加工した。
【0053】
<比較例1>
チューブ外層用として、スチレン−ブタジエンエラストマー100部にケッチェンブラックEC15部(DBP吸油量360cm3/100g)、導電性酸化チタン20部、酸化マグネシウム10部、ステアリン酸カルシウム1部を添加し、加圧式ニーダーを用いて200℃で15分間混練し、冷却粉砕後に造粒用押し出し機によりペレット化した。チューブ内層用材料は実施例1と同じものを用い、シームレスチューブ実施例1と同様の製造工程を経て、内径φ11.1mm、外層の厚さ100μm、内層の厚さ400μmのシームレスチューブに成形加工した。
【0054】
<比較例2>
チューブ外層用として、スチレン−ブタジエンエラストマー100部にケッチェンブラックEC10部(DBP吸油量360cm3/100g)、トーカブラック#4500(DBP吸油量168cm3/100g、pH7) 20部、酸化マグネシウム10部、ステアリン酸カルシウム1部を添加し、加圧式ニーダーを用いて200℃で15分間混練し、冷却粉砕後に造粒用押し出し機によりペレット化した。チューブ内層用材料は実施例1と同じものを用い、シームレスチューブ実施例1と同様の製造工程を経て、内径φ11.1mm、外層の厚さ100μm、内層の厚さ400μmのシームレスチューブに成形加工した。
【0055】
図1に示す導電性ローラーは、ステンレススチールからなる芯金1の外周に導電性の弾性材料からなる発泡弾性体層2を設け、更にこの発泡弾性体層2の外周に上記シームレスチューブを被覆したものである。図1の場合、内層3(i)が低抵抗導電層、外層3(o)が本発明に対応するチューブ構成となる。このローラーを図2に示す、プロセスカートリッジに組み込んだ。
【0056】
通電使用の抵抗変化の評価においては、上述の露光光14、現像手段15のトナー、転写手段16及び転写材17を取り除いた構成で10時間導電性ローラー1’に通電のみ行った。なお、印加電圧は、−670Vの直流電圧にピーク間電位2kV、周波数1.3kHzの交流電圧を重畳した脈流電圧とした。
【0057】
この時の初期の抵抗値と、10時間電流を印加した時の抵抗値を測定した。なお、抵抗値は、ローラーを直径φ30mmのステンレス製ドラムに当接し、ステンレス製ドラムを30rpmで回転させながら、−200Vの直流電圧を印加し、測定された電流値に基づいて体積抵抗率として得た。結果を表1に示す。その結果、比較例のチューブを用いたローラーでは抵抗値が2桁程度上昇するのに対し、実施例1〜4のシームレスチューブを用いたローラーでは抵抗値が1桁以下の上昇に抑えられた。
【0058】
【表1】
【0059】
【発明の効果】
以上により、本発明は、二種類以上の電気特性の異なるカーボンブラックを含有する導電性被覆部材を用いることにより、連続的に通電しても、中抵抗領域(1×104〜1×1011Ω・cm)での電気抵抗値変動、抵抗値のバラツキが少なく製造安定性に優れた導電性部材、該導電性部材を有するプロセスカートリッジ及び電子写真装置を提供することが可能となった。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の導電性部材の層構成の例を示す図である。
【図2】本発明の導電性部材を有するプロセスカートリッジを具備する電子写真装置の構成の例を示す図である。
【符号の説明】
1’ 導電性部材
1 導電性基体
2 弾性層
3 被覆層
3(i) 導電層
3(o) 導電性被覆層
12 電源
13 電子写真感光体
14 露光光
15 現像手段
16 転写手段
17 転写材
18 定着手段
19 クリーニング手段
20 案内手段
21 プロセスカートリッジ容器
Claims (18)
- 電子写真感光体に接触配置され、電圧が印加される導電性部材において、該導電性部材が支持部材及び該支持部材上の導電性被覆層を有し、該導電性被覆層は、外層と内層の2層のシームレスチューブからなり、それぞれカーボンブラックとバインダー樹脂とを含有し、上記外層はバインダー樹脂としてスチレン系熱可塑性エラストマーを、カーボンブラックとして300〜500cm3/100gのDBP吸油量を有する第1のカーボンブラック及び30〜100cm3/100gのDBP吸油量を有し、かつ5以下のpHを示す第2のカーボンブラックの双方を含有し、上記内層はバインダー樹脂としてウレタン系熱可塑性エラストマーを含有することを特徴とする導電性部材。
- 第1のカーボンブラックが300〜400cm3/100gのDBP吸油量を有する請求項1に記載の導電性部材。
- 導電性被覆層がバインダー樹脂を含有し、カーボンブラックの含有量の合計が該バインダー樹脂100質量部に対し、5〜50質量部である請求項1又は2に記載の導電性部材。
- カーボンブラックの含有量の合計がバインダー樹脂100質量部に対し、20〜40質量部である請求項3に記載の導電性部材。
- 第1のカーボンブラックと第2のカーボンブラックの割合(第1のカーボンブラック:第2のカーボンブラック)が質量比で1:1〜1:15である請求項1〜4のいずれかに記載の導電性部材。
- 導電性被覆層が1×104〜1×1011Ω・cmの体積抵抗率を有する請求項1〜5のいずれかに記載の導電性部材。
- 電子写真感光体及び該電子写真感光体に接触配置され、電圧が印加される導電性部材を備え、該電子写真感光体及び導電性部材は一体に支持され、電子写真装置本体に着脱自在なプロセスカートリッジにおいて、該導電性部材が支持部材及び該支持部材上の導電性被覆層を有し、該導電性被覆層は、外層と内層の2層のシームレスチューブからなり、それぞれカーボンブラックとバインダー樹脂とを含有し、上記外層はバインダー樹脂としてスチレン系熱可塑性エラストマーを、カーボンブラックとして300〜500cm3/100gのDBP吸油量を有する第1のカーボンブラック及び30〜100cm3/100gのDBP吸油量を有し、かつ5以下のpHを示す第2のカーボンブラックの双方を含有し、上記内層はバインダー樹脂としてウレタン系熱可塑性エラストマーを含有することを特徴とするプロセスカートリッジ。
- 第1のカーボンブラックが300〜400cm3/100gのDBP吸油量を有する請求項7に記載のプロセスカートリッジ。
- 導電性被覆層がバインダー樹脂を含有し、カーボンブラックの含有量の合計が該バインダー樹脂100質量部に対し、5〜50質量部である請求項7又は8に記載のプロセスカートリッジ。
- カーボンブラックの含有量の合計がバインダー樹脂100質量部に対し、20〜40質量部である請求項9に記載のプロセスカートリッジ。
- 第1のカーボンブラックと第2のカーボンブラックの割合(第1のカーボンブラック:第2のカーボンブラック)が質量比で1:1〜1:15である請求項7〜10のいずれかに記載のプロセスカートリッジ。
- 導電性被覆層が1×104〜1×1011Ω・cmの体積抵抗率を有する請求項7〜11のいずれかに記載のプロセスカートリッジ。
- 電子写真感光体及び該電子写真感光体に接触配置され、電圧が印加される導電性部材を備える電子写真装置において、該導電性部材が支持部材及び該支持部材上の導電性被覆層を有し、該導電性被覆層は、外層と内層の2層のシームレスチューブからなり、それぞれカーボンブラックとバインダー樹脂とを含有し、上記外層はバインダー樹脂としてスチレン系熱可塑性エラストマーを、カーボンブラックとして300〜500cm3/100gのDBP吸油量を有する第1のカーボンブラック及び30〜100cm3/100gのDBP吸油量を有し、かつ5以下のpHを示す第2のカーボンブラックの双方を含有し、上記内層はバインダー樹脂としてウレタン系熱可塑性エラストマーを含有することを特徴とする電子写真装置。
- 第1のカーボンブラックが300〜400cm3/100gのDBP吸油量を有する請求項13に記載の電子写真装置。
- 導電性被覆層がバインダー樹脂を含有し、カーボンブラックの含有量の合計が該バインダー樹脂100質量部に対し、5〜50質量部である請求項13又は14に記載の電子写真装置。
- カーボンブラックの含有量の合計がバインダー樹脂100質量部に対し、20〜40質量部である請求項15に記載の電子写真装置。
- 第1のカーボンブラックと第2のカーボンブラックの割合(第1のカーボンブラック:第2のカーボンブラック)が質量比で1:1〜1:15である請求項13〜16のいずれかに記載の電子写真装置。
- 導電性被覆層が1×104〜1×1011Ω・cmの体積抵抗率を有する請求項13〜17のいずれかに記載の電子写真装置。
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