JP7009881B2 - 帯電部材、帯電部材の製造方法、プロセスカートリッジ及び画像形成装置 - Google Patents

帯電部材、帯電部材の製造方法、プロセスカートリッジ及び画像形成装置 Download PDF

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Description

本発明は、帯電部材、帯電部材の製造方法、プロセスカートリッジ及び画像形成装置に関する。
電子写真方式を利用した画像形成装置では、帯電装置などにより像保持体(電子写真感光体)を帯電させて電荷を形成し、画像信号を変調したレーザー等により静電潜像を形成した後、帯電したトナーで前記静電潜像を現像してトナー像とする。そして、前記トナー像を、中間転写体を介して、又は直接、記録媒体に転写することにより、求められる画像を得る。
この画像形成装置では、帯電装置として従来の金属ワイヤに高電圧を印加することで発生するコロナ放電により帯電するコロトロンやスコロトロン等の非接触式の帯電装置が知られている。しかし近年では、これに代えて、一般的に印加する電圧が少なくオゾン発生量も少ない等の理由から、帯電ロールを用いた帯電装置が広く用いられている。
また、帯電部材の弾性層を形成する組成物としては、特許文献1に、イオン導電性ゴム材料からなるポリマー連続相と、電子導電性ゴム材料からなるポリマー粒子相とを含んでなる海島構造のゴム組成物であって、該イオン導電性ゴム材料は、体積固有抵抗率1×1012Ω・cm以下の原料ゴムAより主になり、該電子導電性ゴム材料は、原料ゴムBに導電粒子を配合することにより導電化されていることを特徴とする半導電性ゴム組成物が開示されている。
更に、帯電部材として用いられる導電部材としては、特許文献2に、導電性支持体の外周に少なくとも導電性弾性体層が形成されてなる導電性部材であって、該導電性弾性体層が、下記の(A)~(C)成分を必須成分とし、かつ、(A)成分と(B)成分との合計量100質量部に対して、(C)成分が5~80質量部の範囲で含有されるゴム組成物によって形成されていることを特徴とする導電性部材が開示されている。
(A)エピクロルヒドリンゴム
(B)アクリロニトリル-ブタジエンゴム
(C)電子伝導性の導電剤
特開2002-3651号公報 特開2004-211062号公報
そこで、本発明の課題は、弾性層が導電性カーボン、エピクロルヒドリンゴム及びエピクロルヒドリンゴム以外のゴム材料を含み、かつ前記弾性層の単位体積あたりの前記エピクロルヒドリンゴム中に存在する前記導電性カーボンの質量割合よりも、前記弾性層の単位体積あたりの前記エピクロルヒドリンゴム以外のゴム材料中に存在する前記導電性カーボンの質量割合が同じであるか、又は、少ないものに比べ、環境によらず長期にわたり画質維持性に優れる帯電部材を提供することである。
上記課題は、以下の手段により解決される。
は、
導電性支持体と、前記導電性支持体上に少なくとも弾性層を有し、前記弾性層は、導電性カーボン、エピクロルヒドリンゴム及びエピクロルヒドリンゴム以外のゴム材料を含み、前記弾性層の単位体積あたりの前記エピクロルヒドリンゴム中に存在する前記導電性カーボンの質量割合よりも、前記弾性層の単位体積あたりの前記エピクロルヒドリンゴム以外のゴム材料中に存在する前記導電性カーボンの質量割合が多い帯電部材である。
は、
前記エピクロルヒドリンゴム以外のゴム材料が、アクリロニトリルブタジエンゴム、スチレンブタジエンゴム、及び、クロロプレンゴムよりなる群から選ばれた少なくとも1種のゴムであるに記載の帯電部材である。
は、
前記エピクロルヒドリンゴム以外のゴム材料が、アクリロニトリルブタジエンゴムであるに記載の帯電部材である。
は、
前記アクリロニトリルブタジエンゴムのアクリロニトリル量が、25質量%以下であるに記載の帯電部材である。
は、
前記弾性層における前記導電性カーボンの含有量が、前記エピクロルヒドリンゴム及びエピクロルヒドリンゴム以外のゴム材料の総含有量100質量部に対し、5質量部以上100質量部以下である乃至のいずれか1に記載の帯電部材である。
は、
前記弾性層における前記導電性カーボンの含有量が、前記エピクロルヒドリンゴム及びエピクロルヒドリンゴム以外のゴム材料の総含有量100質量部に対し、10質量部以上50質量部以下であるに記載の帯電部材である。
は、
前記弾性層が、イオン導電剤を更に含む乃至のいずれか1に記載の帯電部材である。
は、
前記イオン導電剤が、第四級アンモニウム塩化合物、過塩素酸のアルカリ金属又はアルカリ土類金属塩、及び、塩素酸のアルカリ金属又はアルカリ土類金属塩よりなる群から選ばれた少なくとも1種の化合物であるに記載の帯電部材である。
は、
エピクロルヒドリンゴムに導電性カーボンを分散する工程と、エピクロルヒドリンゴム以外のゴム材料に導電性カーボンを分散する工程とをそれぞれ行った後、前記導電性カーボンを含むエピクロルヒドリンゴムと、前記導電性カーボンを含むエピクロルヒドリンゴム以外のゴム材料とを混合する工程を含む乃至のいずれか1に記載の帯電部材の製造方法である。
10は、
乃至のいずれか1に記載の帯電部材を少なくとも備えるプロセスカートリッジである。
11は、
少なくとも像保持体と、前記像保持体に接触しその表面を帯電する帯電手段とを備え、前記帯電手段が、乃至のいずれか1に記載の帯電部材からなる画像形成装置である。
によれば、弾性層が導電性カーボン、エピクロルヒドリンゴム及びエピクロルヒドリンゴム以外のゴム材料を含み、かつ前記弾性層の単位体積あたりの前記エピクロルヒドリンゴム中に存在する前記導電性カーボンの質量割合よりも、前記弾性層の単位体積あたりの前記エピクロルヒドリンゴム以外のゴム材料中に存在する前記導電性カーボンの質量割合が同じであるか、又は、少ないものに比べ、環境によらず長期にわたり画質維持性に優れる帯電部材が提供される。
によれば、前記エピクロルヒドリンゴム以外のゴム材料が、エチレン-プロピレン-ジエンゴム(EPDM)である場合に比べ、環境によらず長期にわたり画質維持性により優れる帯電部材が提供される。
によれば、前記エピクロルヒドリンゴム以外のゴム材料が、スチレンブタジエンゴム、及び、クロロプレンゴムよりなる群から選ばれた少なくとも1種のゴムである場合に比べ、環境によらず長期にわたり画質維持性により優れる帯電部材が提供される。
によれば、前記アクリロニトリルブタジエンゴムのアクリロニトリル量が、25質量%を超える場合に比べ、環境によらず長期にわたり画質維持性により優れる帯電部材が提供される。
によれば、前記弾性層における前記導電性カーボンの含有量が、前記エピクロルヒドリンゴム及びエピクロルヒドリンゴム以外のゴム材料の総含有量100質量部に対し、5質量部未満又は100質量部超えの場合に比べ、環境によらず長期にわたり画質維持性により優れる帯電部材が提供される。
によれば、前記弾性層における前記導電性カーボンの含有量が、前記エピクロルヒドリンゴム及びエピクロルヒドリンゴム以外のゴム材料の総含有量100質量部に対し、10質量部未満又は50質量部超えの場合に比べ、環境によらず長期にわたり画質維持性により優れる帯電部材が提供される。
又はによれば、前記弾性層が、導電性カーボン、エピクロルヒドリンゴム及びエピクロルヒドリンゴム以外のゴム材料のみを含む場合に比べ、環境によらず長期にわたり画質維持性により優れる帯電部材が提供される。
によれば、弾性層が導電性カーボン、エピクロルヒドリンゴム及びエピクロルヒドリンゴム以外のゴム材料を含み、かつ前記弾性層の単位体積あたりの前記エピクロルヒドリンゴム中に存在する前記導電性カーボンの質量割合よりも、前記弾性層の単位体積あたりの前記エピクロルヒドリンゴム以外のゴム材料中に存在する前記導電性カーボンの質量割合が同じであるか、又は、少ないものに比べ、環境によらず長期にわたり画質維持性に優れる帯電部材の製造方法が提供される。
10によれば、帯電部材における弾性層が導電性カーボン、エピクロルヒドリンゴム及びエピクロルヒドリンゴム以外のゴム材料を含み、かつ前記弾性層の単位体積あたりの前記エピクロルヒドリンゴム中に存在する前記導電性カーボンの質量割合よりも、前記弾性層の単位体積あたりの前記エピクロルヒドリンゴム以外のゴム材料中に存在する前記導電性カーボンの質量割合が同じであるか、又は、少ないものに比べ、環境によらず長期にわたり画質維持性に優れるプロセスカートリッジが提供される。
11によれば、帯電部材における弾性層が導電性カーボン、エピクロルヒドリンゴム及びエピクロルヒドリンゴム以外のゴム材料を含み、かつ前記弾性層の単位体積あたりの前記エピクロルヒドリンゴム中に存在する前記導電性カーボンの質量割合よりも、前記弾性層の単位体積あたりの前記エピクロルヒドリンゴム以外のゴム材料中に存在する前記導電性カーボンの質量割合が同じであるか、又は、少ないものに比べ、環境によらず長期にわたり画質維持性に優れる画像形成装置が提供される。
本実施形態に係る帯電部材の一例を示す、ロールの軸に垂直方向の概略断面図である。 本実施形態に係る帯電部材の他の例を示す、ロールの軸に垂直方向の概略断面図である。 第1実施形態に係る画像形成装置の基本構成を示す概略図である。 第2実施形態に係る画像形成装置の基本構成を示す概略図である。 第3実施形態に係る画像形成装置の基本構成を示す概略図である。 本実施形態に係るプロセスカートリッジの一例を示す概略図である。
以下、本発明の一例である実施形態について詳細に説明する。
なお、本明細書において導電性とは、20℃における体積抵抗率が1×1014Ωcm以下であることを意味する。
[帯電部材]
本実施形態に係る帯電部材は、導電性支持体と、前記導電性支持体上に少なくとも弾性層を有し、前記弾性層は、導電性カーボン、エピクロルヒドリンゴム及びエピクロルヒドリンゴム以外のゴム材料を含み、前記弾性層の単位体積あたりの前記エピクロルヒドリンゴム中に存在する前記導電性カーボンの質量割合よりも、前記弾性層の単位体積あたりの前記エピクロルヒドリンゴム以外のゴム材料中に存在する前記導電性カーボンの質量割合が多い帯電部材である。
帯電部材には、感光体を均一に近い状態に帯電させることが求められており、そのために帯電ロールの電気抵抗バラツキを抑制し均一に近い状態にすることが求められている。
これまで電気抵抗を均一にする手段として各種行われているが、近年ゴム材料自体の抵抗が低く均一なエピクロルヒドリンゴム材料が広く用いられている。
しかし、エピクロルヒドリンゴムは抵抗の環境変動が大きく、低温低湿下では抵抗が高く、高温高湿下では抵抗が低い。ゴムが用いられている層の抵抗変動があると、他層に加わる電圧変動が見られるため、帯電性の環境依存性が発生する。特に、直流のみ印加する直流帯電時は、前述した現象が顕著となる。
また、導電機構をイオン導電型でなく電子導電型にすることで、抵抗の環境変動抑制を図れるが、抵抗均一性の制御が困難であるため帯電が不均一になり白点等を発生し易い。
更に、抵抗の環境変動抑制としてエピクロルヒドリンゴムに、電子導電型のゴムを混合することが行われているが、エピクロルヒドリンゴム部分の抵抗が低いため、電子導電領域と比較して電気が流れ易い。したがって、通電による負荷が大きく抵抗が上昇し易い。
それに対して、本実施形態に係る帯電部材は、弾性層が、導電性カーボン、エピクロルヒドリンゴム及びエピクロルヒドリンゴム以外のゴム材料を含み、前記弾性層の単位体積あたりの前記エピクロルヒドリンゴム中に存在する前記導電性カーボンの質量割合よりも、前記弾性層の単位体積あたりの前記エピクロルヒドリンゴム以外のゴム材料中に存在する前記導電性カーボンの質量割合が多いことで、環境によらず長期にわたり画質維持性に優れる。その理由は定かではないが、次の通り推測される。
エピクロルヒドリンゴムは、前述したように、導電性に優れる材料であるが、抵抗の環境変動が大きく、低温低湿下では抵抗が高く、高温高湿下では抵抗が低く、環境安定性に劣る。
また、弾性層に多く用いられる、エピクロルヒドリンゴム以外のゴム材料は、導電性に乏しい材料であり、エピクロルヒドリンゴムの部分とエピクロルヒドリンゴム以外のゴム材料の部分において同じ割合で導電性カーボンを分散すると、エピクロルヒドリンゴムの部分に多く電流が流れ、抵抗均一性の制御が困難であるため、帯電が不均一になり白点等を発生し易いと考えられる。
そこで、弾性層におけるエピクロルヒドリンゴム以外のゴム材料中に、エピクロルヒドリンゴム中と比べ、導電性カーボンを多く存在させることにより、抵抗均一性が向上し、帯電均一性に優れ、環境によらず長期にわたり画質維持性に優れる帯電部材が得られると推定している。
以下、本実施形態に係る帯電部材の構成について詳細に説明する。
本実施形態に係る帯電部材は、導電性支持体と、前記導電性支持体上に形成された少なくとも弾性層を有していれば、その層構成は特に限定されず、導電性支持体と弾性層との間に1層以上の接着層や、表面層、弾性層と表面層との間に1層以上の中間層などを有していてもよい(図1、図2参照)。また、各層とも所望の抵抗にするために構成材料に導電剤を配合してもよい。
なお、帯電部材の形態としては、ロール状、シート状、ブレード状等が挙げられ特に限定されるものではないが、中でも円筒状又は円柱状の導電性支持体の外周面上に少なくとも前記表面層を備えるロール状の帯電ロールが好ましい。
以下、帯電部材の一形態である帯電ロールを例に挙げて、その構成を説明する。
図1は、本実施形態に係る帯電部材(帯電ロール)の一例を示す、ロールの軸に垂直方向の概略断面図である。図1に示す帯電ロールは、導電性支持体31上に、接着層32と、弾性層33と、表面層35と、を備える。
図2は、本実施形態に係る帯電部材(帯電ロール)の他の例を示す、ロールの軸に垂直方向の概略断面図である。図2に示す帯電ロールは、導電性支持体31上に、接着層32と、弾性層33と、中間層34と、表面層35と、を備える。
なお、本実施形態に係る帯電ロールの構成はこれに限られるものではなく、導電性支持体と、前述の構成を有する表面層と、を備えていれば、他の構成であってもよい。例えば、図1及び図2に示される接着層32を有していなくてもよい。
以下、図1に示す帯電ロールの構成について主に説明する。なお、以下の説明において符号を省略する場合がある。
(導電性支持体)
本実施形態に係る帯電部材は、導電性支持体を有する。
導電性支持体は、帯電ロールの電極及び支持部材として機能するもので、アルミニウム、銅合金、ステンレス鋼等の金属又は合金;クロム、ニッケル等でめっき処理を施した鉄、例えば、JIS G4804に示されている快削鋼にクロム、ニッケル等でめっき処理を施した材質で構成されるもの等が用いられる。めっきは、電解メッキ法又は無電解めっき法などにより形成すればよく、限定はされない。
(接着層)
本実施形態に係る帯電部材は、接着層を有していてもよく、例えば、導電性支持体と弾性層との間に1層以上の接着層を有することが好ましい。
接着層を形成する材料は特に限定されないが、例えば、ポリオレフィン系、塩素ゴム系、アクリル系、エポキシ系、ポリウレタン系、ニトリルゴム系、塩化ビニル系、酢酸ビニル系、ポリエステル系、フェノール系、シリコーン系等の材料が用いられ、弾性層を形成するゴムやエラストマーとの密着性の観点より、ポリオレフィン系やフェノール系の材料が特に好ましい。
接着層は、単層構成のほか、複数層を組み合わせた構成でもよい。
接着層には、導電性付与ケッチェンブラック、アセチレンブラック等のカーボンブラック;熱分解カーボン、グラファイト;アルミニウム、銅、ニッケル、ステンレス鋼等の各種導電性金属又は合金;酸化スズ、酸化インジウム、酸化チタン、酸化スズ-酸化アンチモン固溶体、酸化スズ-酸化インジウム固溶体等の各種導電性金属酸化物;絶縁物質の表面を導電化処理したもの;などの粉末、液状ゴム等の高分子材料を添加してもよい。
接着層の厚さは、特に限定されないが、例えば1μm以上100μm以下が好ましく、5μm以上50μm以下がより好ましい。
(弾性層)
本実施形態に係る帯電部材は、前記導電性支持体上に少なくとも弾性層を有する。
弾性層は、導電性支持体に直接接していても、接していなくともよく、例えば、前記接着層を導電性支持体と弾性層との間を有していてもよい。
弾性層は、本実施形態に係る帯電部材に弾性を付与する機能を担う部材であり、弾性層を備えることで被帯電体とのニップが良好に形成される。
本実施形態に係る帯電部材における弾性層は、導電性カーボン、エピクロルヒドリンゴム及びエピクロルヒドリンゴム以外のゴム材料を含み、前記弾性層の単位体積あたりの前記エピクロルヒドリンゴム中に存在する前記導電性カーボンの質量割合よりも、前記弾性層の単位体積あたりの前記エピクロルヒドリンゴム以外のゴム材料中に存在する前記導電性カーボンの質量割合が多い。
なお、本実施形態において、「エピクロルヒドリンゴム中に存在する導電性カーボン」とは、弾性層の厚さ方向の断面を観察した場合において、エピクロルヒドリンゴムに周囲を囲まれている状態の導電性カーボンをいい、「エピクロルヒドリンゴム以外のゴム材料中に存在する導電性カーボン」とは、弾性層の厚さ方向の断面を観察した場合において、エピクロルヒドリンゴム以外のゴム材料に周囲を囲まれている状態の導電性カーボンをいう。
本実施形態における弾性層は、エピクロルヒドリンゴムとエピクロルヒドリンゴム以外のゴム材料とが、海島構造、及び、相互貫入網目構造よりなる群から選ばれた少なくとも1種の構造を形成している層であることが好ましい。
また、前記弾性層における前記エピクロルヒドリンゴム中に存在する前記導電性カーボンの単位体積あたりの質量割合Cと、前記エピクロルヒドリンゴム以外のゴム材料中に存在する前記導電性カーボンの単位体積あたりの質量割合Cとした場合、その比であるC/Cの値は、環境によらず長期にわたる画質維持性の観点から、1.2以上50以下であることが好ましく、2以上30以下であることがより好ましく、5以上20以下であることが特に好ましい。
前記弾性層の単位体積あたりの前記エピクロルヒドリンゴム中に存在する前記導電性カーボンの割合、及び、前記弾性層の単位体積あたりの前記エピクロルヒドリンゴム以外のゴム材料中に存在する前記導電性カーボンの割合を確認する方法は、透過型電子顕微鏡(TEM)によるカーボンの面積比を質量比に換算。エピクロルヒドリンゴムであることは、塩素原子の有無や赤外線吸収分光(IR)分析や核磁気共鳴(NMR)分析から判別する。
弾性層において、エピクロルヒドリンゴム中に存在する導電性カーボンの量は、エピクロルヒドリンゴム100質量部に対し、環境によらず長期にわたる画質維持性の観点から、0.1質量部以上30質量部以下であることが好ましく、0.5質量部以上20質量部以下であることがより好ましく、1質量部以上10質量部以下であることが特に好ましい。
また、弾性層において、エピクロルヒドリンゴム以外のゴム材料中に存在する導電性カーボンの量は、エピクロルヒドリンゴム以外のゴム材料100質量部に対し、環境によらず長期にわたる画質維持性の観点から、10質量部以上100質量部以下であることが好ましく、20質量部以上80質量部以下であることがより好ましく、40質量部以上60質量部以下であることが特に好ましい。
-ゴム材料-
本実施形態に係る帯電部材における弾性層は、エピクロルヒドリンゴム、及び、エピクロルヒドリンゴム以外のゴム材料を含む。
エピクロルヒドリンゴムとしては、特に制限はないが、エピクロルヒドリン系ゴムは、少なくともエピクロルヒドリンを重合成分として含む重合体ゴムである。エピクロルヒドリン系ゴムは、エピクロルヒドリンの単独重合体、多元共重合体(二元共重合体、三元共重合体等)のいずれであってもよい。
エピクロルヒドリンゴムとしては、例えば、エピクロルヒドリン単独重合体、エピクロルヒドリン-アリルグリシジルエーテル共重合体、エピクロルヒドリン-アルキレンオキシド(エチレンオキシド、プロピレンオキシド、又は、その双方)共重合体、エピクロルヒドリン-アルキレンオキシド-アリルグリシジルエーテル共重合体、アリルグリシジルエーテル変性エピクロルヒドリン-アルキレンオキシド共重合体等が挙げられる。
中でも、環境によらず長期にわたる画質維持性、及び、抵抗均一性の観点から、エピクロルヒドリン-エチレンオキシド共重合体、及び、エピクロルヒドリン-エチレンオキシド-アリルグリシジルエーテル共重合体よりなる群から選ばれた少なくとも1種のエピクロルヒドリンゴムが特に好ましい。
エピクロルヒドリンゴム以外のゴム材料としては、イソプレンゴム、クロロプレンゴム、ブチルゴム、ポリウレタン、シリコーンゴム、フッ素ゴム、スチレン-ブタジエンゴム、ブタジエンゴム、エチレンプロピレンゴム、エチレン-プロピレン-ジエン3元共重合ゴム(EPDM)、アクリロニトリル-ブタジエンゴム(NBR、ニトリルゴム)、天然ゴム等が挙げられる。
また、エピクロルヒドリンゴム以外のゴム材料は、エピクロルヒドリンゴムと相溶しないゴム材料であることが好ましい。
エピクロルヒドリンゴム以外のゴム材料は、1種単独で用いてもよく、2種以上を組み合わせて用いてもよい。
中でも、エピクロルヒドリンゴム以外のゴム材料としては、環境によらず長期にわたる画質維持性の観点から、アクリロニトリルブタジエンゴム、スチレンブタジエンゴム、及び、クロロプレンゴムよりなる群から選ばれた少なくとも1種のゴムであることが好ましく、アクリロニトリルブタジエンゴム、及び、スチレンブタジエンゴムよりなる群から選ばれた少なくとも1種のゴムであることがより好ましく、アクリロニトリルブタジエンゴムであることが特に好ましい。
また、弾性層におけるエピクロルヒドリンゴムの含有量Wと、前記エピクロルヒドリンゴム以外のゴム材料の含有量Wとした場合、その比であるW/Wの値は、環境によらず長期にわたる画質維持性の観点から、0.20以上4以下であることが好ましく、0.25以上3以下であることがより好ましく、0.50以上2以下であることが更に好ましく、0.80以上1.25以下が特に好ましい。
また、アクリロニトリルブタジエンゴムのアクリロニトリル量(アクリロニトリル由来のモノマー単位の含有量)は、環境によらず長期にわたる画質維持性の観点から、30質量%以下であることが好ましく、25質量%以下であることがより好ましく、20質量%以下であることが更に好ましく、16質量%以上19質量%以下であることが特に好ましい。
-導電剤-
本実施形態に係る帯電部材における弾性層は、導電剤として、導電性カーボンを含む。
また、弾性層には、導電性カーボン以外の導電剤を添加してもよい。
導電性カーボンとしては、ケッチェンブラック、アセチレンブラック等のカーボンブラック、熱分解カーボン、グラファイト等が挙げられる。
これらの中でも、導電性カーボンとしては、カーボンブラックが好ましく挙げられる。
また、前記エピクロルヒドリンゴム中に存在する前記導電性カーボンと、前記エピクロルヒドリンゴム以外のゴム材料中に存在する前記導電性カーボンとは、同じものであっても、異なるものであってもよく、また、それぞれ1種単独のものであっても、2種以上を混合したものであってもよい。
導電性カーボンの算術平均粒径は、10nm以上200nm以下であることが好ましく、10nm以上100nm以下であることがより好ましく、30nm以上70nm以下であることが特に好ましい。
本実施形態における導電性カーボンの算術平均粒径の測定方法は、レーザー回折式粒度分布測定装置(例えば、ベックマン・コールター社製、LS13 320)を用いて粒度分布を測定し、粒度分布の各ピークについて数平均粒径を求める。算術平均粒径の算出は、分割された粒度範囲(チャンネル)に対し、各ピークの小粒径側から個数について累積分布を引き、各ピークの全粒子に対して累積50%となる粒径を、対応する粒子の算術平均粒径とする。
導電性カーボン以外の導電剤としては、導電性カーボン以外の電子導電剤やイオン導電剤が用いられる。
導電性カーボン以外の電子導電剤の例としては、アルミニウム、銅、ニッケル、ステンレス鋼等の各種導電性金属又は合金;酸化スズ、酸化インジウム、酸化チタン、酸化スズ-酸化アンチモン固溶体、酸化スズ-酸化インジウム固溶体等の各種導電性金属酸化物;絶縁物質の表面を導電化処理したもの;などの粉末が挙げられる。
イオン導電剤の例としては、テトラエチルアンモニウム、ラウリルトリメチルアンモニウム等の第四級アンモニウム塩等;リチウム、マグネシウム等のアルカリ金属、アルカリ土類金属の過塩素酸塩、塩素酸塩等;が挙げられる。
中でも、イオン導電剤としては、環境によらず長期にわたる画質維持性の観点から、第四級アンモニウム塩化合物、過塩素酸のアルカリ金属又はアルカリ土類金属塩、及び、塩素酸のアルカリ金属又はアルカリ土類金属塩よりなる群から選ばれた少なくとも1種の化合物であることが好ましく、第四級アンモニウム塩化合物であることがより好ましい。
また、導電剤として、環境によらず長期にわたる画質維持性の観点から、導電性カーボン及びイオン導電剤を併用することが好ましい。
導電剤は、単独で用いてもよく、2種以上を組み合わせて用いてもよい。
導電剤の添加量は、特に制限はないが、上記電子導電剤(導電性カーボン、及び、これ以外の電子導電剤)の場合は、ゴム成分100質量部に対して、1質量部以上30質量部以下の範囲であることが好ましく、5質量部以上25質量部以下の範囲であることがより好ましい。
一方、上記イオン導電剤の場合は、ゴム成分100質量部に対して、0.1質量部以上5.0質量部以下の範囲であることが好ましく、0.5質量部以上3.0質量部以下の範囲であることがより好ましい。
弾性層における導電性カーボンの含有量は、環境によらず長期にわたる画質維持性の観点から、エピクロルヒドリンゴム及びエピクロルヒドリンゴム以外のゴム材料の総含有量100質量部に対し、5質量部以上100質量部以下であることが好ましく、7質量部以上80質量部以下であることがより好ましく、10質量部以上50質量部以下であることが特に好ましい。
-架橋剤-
ゴム成分を架橋する場合には、更に架橋剤、架橋促進剤等の材料が使用される。一般的に、架橋剤による架橋の種類として、硫黄架橋、過酸化物架橋、キノイド架橋、フェノール樹脂架橋、アミン架橋、金属酸化物架橋等が挙げられるが、二重結合を持った材料との架橋のし易さ、架橋ゴムの柔軟性の観点から、硫黄による架橋が好ましい。硫黄架橋においても硫黄単体によるものでなく、化合物から活性化硫黄が放出される架橋剤を用いた架橋が、結合間距離を短くできるため好ましく、4,4’-ジチオジモルホリンが好適である。
架橋促進剤には、チアゾール系、チウラム系、スルフェンアミド系、チオウレア系、ジチオカルバミン酸塩系、グアニジン系、アルデヒド-アンモニア系、及びこれらの混合物等が挙げられる。
-その他の添加剤-
弾性層を形成するゴム組成物は、必要に応じてその他の添加剤を配合してもよい。その他の添加剤としては、充填材、架橋促進助剤等が挙げられる。
その他充填材としては、シリカ、炭酸カルシウム、クレイ等の配合が挙げられる。
加硫促進助剤としては、酸化亜鉛等の配合が挙げられる。
その他の添加剤の添加量は、加硫促進助剤としての酸化亜鉛等の粒子を含めて、ゴム成分100質量部に対して、10質量部以上100質量部以下の範囲であることが好ましく、20質量部以上80質量部以下の範囲であることがより好ましい。
弾性層の上記構成材料(ゴム組成物)は、抵抗層を形成する場合は、抵抗層の構成材料として用いてもかまわない。
弾性層の厚さは、1mm以上10mm以下であることが好ましく、2mm以上5mm以下であることがより好ましい。
弾性層の体積抵抗率は、10Ωcm以上1014Ωcm以下が好ましい。
なお、体積抵抗率は、次に示す方法により測定された値である。
測定対象物からシート状の測定試料を採取し、その測定試料に対し、JIS K 6911(1995)に従って、測定治具(R12702A/Bレジスティビティ・チェンバ:アドバンテスト社製)と高抵抗測定器(R8340Aデジタル高抵抗/微小電流計:アドバンテスト社製)とを用い、電場(印加電圧/組成物シート厚)が1000V/cmになるよう調節した電圧を30秒印加した後、その流れる電流値より、下記式を用いて算出する。
体積抵抗率(Ωcm)=(19.63×印加電圧(V))/(電流値(A)×測定試料厚(cm))
-弾性層の形成-
弾性層は、例えば、上記に挙げた各成分の混合物を混練りして弾性層形成用の組成物を調製し、クロスヘッドが備えられた押出成形機、射出成形機、プレス成形機等を用いて、前記導電性支持体上に該組成物を押し出し、加硫することで形成される。
(表面層)
本実施形態に係る帯電部材は、弾性層上に、表面層を有していてもよい。
表面層は、結着樹脂、金属酸化物、及び、カーボンブラックを含むことが好ましい。また、表面層の表面粗さを調整するための粒子(以下「フィラー」とも称する)、その他添加剤等を含んでもよい。
結着樹脂(高分子材料)としては、例えば、アクリル樹脂、フッ素変性アクリル樹脂、シリコーン変性アクリル樹脂、セルロース樹脂、ポリアミド樹脂、共重合ナイロン、ポリウレタン樹脂、ポリカーボネート樹脂、ポリエステル樹脂、ポリイミド樹脂、エポキシ樹脂、シリコーン樹脂、ポリビニルアルコール樹脂、ポリビニルブチラール樹脂、セルロース樹脂、ポリビニルアセタール樹脂、エチレンテトラフルオロエチレン樹脂、メラミン樹脂、ポリエチレン樹脂、ポリビニル樹脂、ポリアリレート樹脂、ポリチオフェン樹脂。ポリエチレンテレフタレート樹脂(PET)、フッ素樹脂(ポリフッ化ビニリデン樹脂、4フッ化エチレン樹脂、テトラフルオロエチレン-パーフルオロアルキルビニルエーテル共重合体(PFA)、テトラフルオロエチレン-ヘキサフルオロプロピレン共重合体(FEP)等)が挙げられる。また、結着樹脂は、硬化性樹脂を硬化剤若しくは触媒により硬化又は架橋したものも挙げられる。また、結着樹脂は、弾性材料であってもよい。
結着樹脂は、単独で用いてもよく、2種以上を混合又は共重合して用いてもよい。架橋可能な樹脂の場合、架橋して用いてもよい。
ここで、共重合ナイロンは、610ナイロン、11ナイロン、12ナイロン、の内のいずれか1種又は複数種を重合単位として含む共重合体である。なお、共重合ナイロンには、6ナイロン、66ナイロン等の他の重合単位を含んでいてもよい。
これらの中でも、表面層の汚染を抑え、帯電ムラの発生を抑制し易くする点から、樹脂としては、ポリフッ化ビニリデン樹脂、四フッ化エチレン樹脂、ポリアミド樹脂が好ましく、ポリアミド樹脂がより好ましい。ポリアミド樹脂は、被帯電体(例えば像保持体)との接触による摩擦帯電を起こし難く、トナーや外添剤の付着が抑制され易い。
ポリアミド樹脂としては、ポリアミド樹脂ハンドブック(福本修、(株)日刊工業新聞社)に記載されたポリアミド樹脂が挙げられる。これらの中でも、特に、ポリアミド樹脂としては、表面層の汚染を抑え、帯電ムラ抑制の点から、アルコール可溶性ポリアミドが好ましく、アルコキシメチル化ポリアミド(アルコキシメチル化ナイロン)がより好ましく、メトキシメチル化ポリアミド(メトキシメチル化ナイロン)が更に好ましい。
結着樹脂(高分子材料)の数平均分子量は、1,000以上100,000以下の範囲であることが好ましく、10,000以上50,000以下の範囲であることがより好ましい。
表面層は、前記結着樹脂にカーボンブラック、導電剤や各種フィラーを混合し組成物として形成されることが好ましい。他に分散剤やレベリング剤の添加も必要に応じて添加される。
フィラーは、電気特性の制御や表面粗さの凸部分を形成するために添加され、その添加量は、特に制限はないが、結着樹脂100質量部に対して、1~50質量部の範囲であることが好ましく、3~20質量部の範囲であることがより好ましい。
また、フィラーは、1種単独で使用しても、2種類以上を併用してもよい。
また、表面層は、その他の添加剤を含んでいてもよく、例えば、硬化剤、加硫剤、加硫促進剤、酸化防止剤、分散剤、界面活性剤、カップリング剤等の周知の添加剤が挙げられる。
表面層の厚さは、1μm以上20μm以下であることが好ましく、3μm以上15μm以下であることがより好ましい。
-表面層の形成-
表面層は、上記成分を溶剤に分散又は溶解させて塗布液を調製し、先立って作製した弾性層上に、この塗布液を付与し乾燥して形成する。塗布液の付与方法としては、例えば、ブレード塗布法、ワイヤーバー塗布法、スプレー塗布法、浸漬塗布法、ビード塗布法、エアーナイフ塗布法、カーテン塗布法等が挙げられる。
塗布液に用いる溶剤としては、特に限定されず一般的なものが使用され、例えば、メタノール、エタノール、プロパノール、ブタノールなどのアルコール類;アセトン、メチルエチルケトンなどのケトン類;テトラヒドロフラン;ジエチルエーテル、ジオキサンなどのエーテル類などの溶剤を使用してよい。
(中間層)
本実施形態に係る帯電部材は、中間層を有していてもよく、例えば、弾性層と表面層との間に1層以上の中間層を有していてもよい。
中間層は、弾性層の電気抵抗が低いときに抵抗調整のために必要に応じて設けられる。中間層を構成する材料としては、特に制限されないが、エピクロルヒドリン-エチレンオキシド-アリルグリシジルエーテル共重合ゴム、イソプレンゴム、クロロプレンゴム、スチレン-ブタジエンゴム、ブタジエンゴム、アクリロニトリル-ブタジエン共重合ゴム(NBR)、天然ゴム等、及びこれらのブレンドゴムが挙げられる。
[帯電部材の製造方法]
本実施形態に係る帯電部材の製造方法は、特に制限はないが、エピクロルヒドリンゴムに導電性カーボンを分散する工程と、エピクロルヒドリンゴム以外のゴム材料に導電性カーボンを分散する工程とをそれぞれ行った後、前記導電性カーボンを含むエピクロルヒドリンゴムと、前記導電性カーボンを含むエピクロルヒドリンゴム以外のゴム材料とを混合する工程を含む方法であることが好ましい。
エピクロルヒドリンゴム、又は、エピクロルヒドリンゴム以外のゴム材料に導電性カーボンを分散する方法としては、特に制限はなく、公知の分散方法を用いることができる。中でも、ニーダーを用いた混練(ゴム練り)を行い分散する方法が好ましく挙げられる。
エピクロルヒドリンゴムに導電性カーボンを分散する工程と、エピクロルヒドリンゴム以外のゴム材料に導電性カーボンを分散する工程とにそれぞれ使用する導電性カーボンの量は、所望の含有割合に応じ、適宜設定すればよいが、エピクロルヒドリンゴムに導電性カーボンを分散する工程に使用する導電性カーボンの量よりも、エピクロルヒドリンゴム以外のゴム材料に導電性カーボンを分散する工程に使用する導電性カーボンの量が多い。
エピクロルヒドリンゴムに導電性カーボンを分散する工程により得られた前記導電性カーボンを含むエピクロルヒドリンゴムと、エピクロルヒドリンゴム以外のゴム材料に導電性カーボンを分散する工程により前記導電性カーボンを含むエピクロルヒドリンゴム以外のゴム材料とを混合する工程における混合方法としては、特に制限はなく、公知の混合方法を用いることができる。中でも、オープンロールを用いた混合方法が好ましく挙げられる。
また、前記分散及び混合における温度及び時間は、特に制限はなく、それぞれ適宜設定すればよい。
前記導電性カーボンを含むエピクロルヒドリンゴムと、前記導電性カーボンを含むエピクロルヒドリンゴム以外のゴム材料とを混合する工程により得られた材料を用い、導電性支持体上に弾性層を形成し、帯電部材を形成することが好ましい。
弾性層の形成方法は、特に制限はなく、公知の方法を用いればよい。例えば、射出成形により形成する方法が好ましく挙げられる。射出成形における射出温度等の条件は、適宜設定すればよい。
[帯電装置]
本実施形態に係る帯電装置は、本実施形態に係る帯電部材を備える帯電装置である。
本実施形態に係る帯電装置は、例えば、本実施形態に係る帯電部材のみで構成してもよいし、本実施形態に係る帯電部材とクリーニング部材とが特定の食い込み量で接触して配置された構成であってもよい。
本実施形態に係る帯電部材を備える帯電装置は、被帯電体に接触しながら前記被帯電体を帯電させる用途に用いられる。例えば、画像形成装置における帯電部材として好適に用いられ、具体的には像保持体(電子写真感光体)を帯電させる帯電部材、像保持体(電子写真感光体)からトナーを記録媒体に転写させる転写部材等として用いられる。
[画像形成装置]
本実施形態に係る画像形成装置は、少なくとも像保持体と、前記像保持体に接触しその表面を帯電する帯電手段とを備え、前記帯電手段が、本実施形態に係る帯電部材からなる画像形成装置であり、像保持体と、前記本実施形態に係る帯電部材を備え前記帯電部材を前記像保持体の表面に接触させて前記像保持体を帯電する帯電装置と、帯電した前記像保持体の表面に潜像を形成する潜像形成装置と、前記像保持体の表面に形成された潜像をトナーにより現像してトナー像を形成する現像装置と、前記像保持体の表面に形成された前記トナー像を記録媒体に転写する転写装置と、を備える画像形成装置であることが好ましい。
以下、本実施形態に係る画像形成装置を図面に基づき説明する。
-第1実施形態-
図3は、第1実施形態に係る画像形成装置の基本構成を示す概略図である。図3に示す画像形成装置200は、電子写真感光体(像保持体の一例)207と、電子写真感光体207を帯電させる帯電装置208と、帯電装置208に接続された電源209と、帯電装置208により帯電される電子写真感光体207を露光して潜像を形成する露光装置(潜像形成装置の一例)206と、露光装置206により形成された潜像をトナーにより現像してトナー像を形成する現像装置211と、現像装置211により形成されたトナー像を記録媒体500に転写する転写装置212と、クリーニング装置213と、除電器214と、定着装置215と、を備える。なお、図3に示す除電器214は、設けられていなくてもよい。
電子写真感光体207は特に限定されず、公知の電子写真感光体を用いる。例えば、導電性の基体上に、下引層、電荷発生層、電荷輸送層がこの順序で積層され、電荷発生層と電荷輸送層とが別個に設けられた機能分離型の感光層を備えた感光体が挙げられる。また、電荷発生能と電荷輸送能との両方を備える機能一体型の感光層を有する感光体であってもよい。また、電子写真感光体207は、下引層を備えていないものでもよいし、下引層と感光層との間に中間層を設けてもよいし、感光層上に電荷輸送材料を含む保護層を設けてもよい。
電子写真感光体207は、画像欠陥の発生を抑制するとともに長寿命化の観点から、電荷輸送性を有する表面層の合計の厚さが25μm以上であることが好ましく、25μm以上32μm以下であることがより好ましい。
ここで、本実施形態において、感光体の「電荷輸送性を有する表面層」とは、機能分離型の感光層で電荷輸送材料を含む電荷輸送層が最表面層である場合は該電荷輸送層であり、電荷輸送層上に電荷輸送材料を含む保護層を有する場合は該電荷輸送層と該保護層との合計の厚さであり、電荷輸送材料を含む機能一体型の感光層が最表面層である場合は該感光層であり、機能一体型の感光層上に電荷輸送材料を含む保護層を有する場合は感光層と保護層との合計の厚さである。
帯電装置208は、電子写真感光体207の表面に帯電部材(帯電ロール)を接触させて、感光体207の表面を帯電させる方式(接触帯電方式)のものであり、上述した本実施形態に係る帯電部材を備えた帯電装置が用いられる。
露光装置206としては、電子写真感光体表面に、半導体レーザー、LED(light emitting diode)、液晶シャッター等の光源を所望の像様に露光できる光学系装置等を用いることができる。
現像装置211にはトナーが収容される。本実施形態で用いられるトナーは、例えば結着樹脂と着色剤とを含んで構成される。結着樹脂としては、スチレン類、モノオレフィン類、ビニルエステル類、α-メチレン脂肪族モノカルボン酸エステル類、ビニルエーテル類、ビニルケトン類等の単独重合体及び共重合体を例示することができ、特に代表的な結着樹脂としては、ポリスチレン、スチレン-アクリル酸アルキル共重合体、スチレン-メタクリル酸アルキル共重合体、スチレン-アクリロニトリル共重合体、スチレン-ブタジエン共重合体、スチレン-無水マレイン酸共重合体、ポリエチレン、ポリプロピレン等が挙げられる。更に、ポリエステル、ポリウレタン、エポキシ樹脂、シリコーン樹脂、ポリアミド、変性ロジン、パラフィンワックス等も挙げられる。
着色剤としては、マグネタイト、フェライト等の磁性粉、カーボンブラック、アニリンブルー、カルコイルブルー、クロムイエロー、ウルトラマリンブルー、デュポンオイルレッド、キノリンイエロー、メチレンブルークロリド、フタロシアニンブルー、マラカイトグリーンオキサレート、ランプブラック、ローズベンガル、C.I.ピグメント・レッド48:1、C.I.ピグメント・レッド122、C.I.ピグメント・レッド57:1、C.I.ピグメント・イエロー97、C.I.ピグメント・イエロー17、C.I.ピグメント・ブルー15:1、C.I.ピグメント・ブルー15:3等を代表的なものとして挙げられる。
トナーには、帯電制御剤、離型剤、他の無機粒子等の公知の添加剤を内添加処理や外添加処理してもよい。
離型剤としては低分子ポリエチレン、低分子ポリプロピレン、フィッシャートロプシュワックス、モンタンワックス、カルナバワックス、ライスワックス、キャンデリラワックス等を代表的なものとして挙げられる。
帯電制御剤としては、公知のものを使用することができるが、アゾ系金属錯化合物、サリチル酸の金属錯化合物、極性基を含有するレジンタイプ等の帯電制御剤を用いることができる。
他の無機粒子としては、粉体流動性、帯電制御等の目的で、平均一次粒径が40nm以下の小径無機粒子を用い、更に必要に応じて、付着力低減の為、それより大径の無機又は有機粒子を併用してもよい。これらの他の無機粒子は公知のものを使用できる。
また、小径無機粒子については表面処理することにより、分散性が高くなり、粉体流動性をあげる効果が大きくなるため有効である。
本実施形態で用いられるトナーの製造方法としては、高い形状制御性を得られることから、乳化重合凝集法や溶解懸濁法等などの重合法が好ましく用いられる。また上記方法で得られたトナーをコアにして、更に凝集粒子を付着、加熱融合してコアシェル構造をもたせる製造方法を行ってもよい。外添剤を添加する場合、トナー及び外添剤をヘンシェルミキサー又はVブレンダー等で混合することによって製造することができる。また、トナーを湿式にて製造する場合は、湿式にて外添してもよい。
転写装置212としては、電子写真感光体207上に形成されたトナー像を記録媒体500に転写する際に、電子写真感光体に向けて予め定めた電流密度の電流を供給可能なものであることが好ましい。
クリーニング装置213は、転写工程後の電子写真感光体の表面に付着する残存トナーを除去するためのもので、これにより清浄面化された電子写真感光体は上記の画像形成プロセスに繰り返し供される。クリーニング装置としては、クリーニングブレードの他、ブラシクリーニング、ロールクリーニング等を用いることができるが、これらの中でもクリーニングブレードを用いることが好ましい。また、クリーニングブレードの材質としてはウレタンゴム、ネオプレンゴム、シリコーンゴム等が挙げられる。
また、本実施形態に係る画像形成装置は、図3に示したように、電子写真感光体の残留電位を除去する除電器として、イレース光照射装置214を更に備えていてもよい。これにより、電子写真感光体が繰り返し使用される場合に、電子写真感光体の残留電位が次のサイクルに持ち込まれる現象が防止されるので、画像品質をより高めることができる。
-第2実施形態-
図4は第2実施形態に係る画像形成装置の基本構成を示す概略図である。図4に示した画像形成装置210は、電子写真感光体207に形成されたトナー像を、1次転写部材212aに転写した後、1次転写部材212aと2次転写部材212bとの間に供給される記録媒体500に転写する中間転写方式の転写装置を備えるもので、かかる転写の際には1次転写部材212aから電子写真感光体に向けて予め定めた電流密度の電流が供給可能となっている。なお、図4中には示していないが、画像形成装置210は、図3に示した画像形成装置200と同様に除電器を更に備えていてもよい。また、画像形成装置210の他の構成は画像形成装置200の構成と同様である。
画像形成装置210においては、上述の通り、中間転写方式が適用されている点が異なるが、上記第1実施形態に係る画像形成装置200の場合と同様に、電子写真感光体207と、本実施形態に係る帯電部材を備えた帯電装置とを組み合わせることで、画像不良の発生が抑制される。
更に、電子写真感光体207に形成されたトナー像が1次転写部材212aに転写される際に、1次転写部材212aから電子写真感光体207に向けて予め定めた電流密度の電流を供給することで、記録媒体500の種類、材質等による転写電流の変動を抑制することができるため、電子写真感光体207に流入する電荷量を精度よく制御することができるようになる。その結果、高画質化及び環境に対する負荷の低減を一層高水準で達成することが可能となる。
-第3実施形態-
図5は第3実施形態に係る画像形成装置の基本構成を示す概略図である。図5に示す画像形成装置220は中間転写方式の画像形成装置であり、ハウジング400内において4つの電子写真感光体401a乃至401d(例えば、電子写真感光体401aがイエロー、電子写真感光体401bがマゼンタ、電子写真感光体401cがシアン、電子写真感光体401dがブラックの色からなる画像をそれぞれ形成可能である)が中間転写ベルト409に沿って相互に並列に配置されている。
電子写真感光体401a乃至401dのそれぞれは特定の方向(紙面上は反時計回り)に回転可能であり、その回転方向に沿って帯電部材(帯電ロール)402a乃至402d、現像装置404a乃至404d、1次転写ロール410a乃至410d、クリーニングブレード415a乃至415dが配置されている。現像装置404a乃至404dのそれぞれにはトナーカートリッジ405a乃至405dに収容されたブラック、イエロー、マゼンタ、シアンの4色のトナーが供給可能である。また、1次転写ロール410a乃至410dはそれぞれ中間転写ベルト409を介して電子写真感光体401a乃至401dに接触している。
更に、ハウジング400内にはレーザー光源(露光装置)403が配置されており、レーザー光源403から出射されたレーザー光を帯電後の電子写真感光体401a乃至401dの表面に照射することが可能となっている。これにより、電子写真感光体401a乃至401dの回転工程において帯電、露光、現像、1次転写、クリーニングの各工程が順次行われ、各色のトナー像が中間転写ベルト409上に重ねて転写される。
中間転写ベルト409は駆動ロール406、背面ロール408及び張架ロール407により張力をもって支持されており、これらのロールの回転によりたわみを生じることなく回転可能となっている。また、2次転写ロール413は、中間転写ベルト409を介して背面ロール408と接触するように配置されている。背面ロール408と2次転写ロール413との間を通った中間転写ベルト409は、例えば駆動ロール406の近傍に配置されたクリーニングブレード416により清浄面化された後、次の画像形成プロセスに繰り返し供される。
また、ハウジング400内には記録媒体収納容器411が設けられており、記録媒体収納容器411内の紙などの記録媒体500が移送ロール412により中間転写ベルト409と2次転写ロール413との間、更には相互に接触する2個の定着ロール414の間に順次移送された後、ハウジング400の外部に排紙される。
なお、上述の説明においては中間転写体として中間転写ベルト409を使用する場合について説明したが、中間転写体は、上記中間転写ベルト409のようにベルト状であってもよく、又は、ドラム状であってもよい。
[プロセスカートリッジ]
本実施形態に係るプロセスカートリッジは、本実施形態に係る帯電部材を少なくとも備えるプロセスカートリッジであり、像保持体と、被帯電体の表面に接触して、前記被帯電体の表面を帯電する帯電部材であって、本実施形態に係る帯電部材を有する帯電装置と、を備え、画像形成装置に着脱されるプロセスカートリッジであることが好ましい。
図6は本実施形態に係るプロセスカートリッジの一例を示す概略図である。図6に示すプロセスカートリッジ300は、電子写真感光体(像保持体の一例)207、帯電装置208、現像装置211、クリーニング装置213、露光のための開口部217、及び除電露光のための開口部218を、取り付けレール216を用いて組み合わせ、そして一体化したものである。現像装置211は、トナーを電子写真感光体207に供給するものである。
そして、このプロセスカートリッジ300は、転写装置212と、定着装置215と、図示しない他の構成部分とからなる画像形成装置本体に対して着脱自在としたものであり、画像形成装置本体とともに画像形成装置を構成する。
以下、本発明を実施例に基づき更に詳細に説明するが、本発明は下記実施例により限定されるものではない。なお、特に断りがない限り「部」は「質量部」を意味する。
<実施例1>
-ゴム組成物の作製-
下記組成の混合物をニーダーで混練り(ゴム練り)してゴム材料1を得た。
・マトリックス材料A-1:100質量部
(エピクロルヒドリン-エチレンオキシド-アリルグリシジルエーテル共重合体ゴム、Hydrin T3108、日本ゼオン(株)製)
・導電材料B-1:1.5質量部
(ベンジルトリメチルアンモニウムクロライド、商品名「BTEAC」、ライオンアクゾ(株)製)
・導電材料B-2:5質量部
(カーボンブラック、#3030B、三菱化学(株)製、算術平均粒径:55nm)
・炭酸カルシウム:30質量部
・ステアリン酸:1質量部
・酸化亜鉛:5質量部
(酸化亜鉛1種、正同化学工業(株)製)
・加硫剤:2質量部
(有機硫黄、4,4’-ジチオジモルホリン、バルノックR、大内新興化学工業(株)製)
・加硫促進剤:1.5質量部
(チアゾール系、ジ-2-ベンゾチアゾリルジスルフィド、ノクセラーDM-P、大内新興化学工業(株)製)
・加硫促進剤:1.5質量部
(チウラム系、テトラエチルチウラムジスルフィド、ノクセラーTET-G、大内新興化学工業(株)製)
下記組成の混合物をニーダーで混練り(ゴム練り)してゴム材料2を得た。
・マトリックス材料A-2:100質量部
(アクリロニトリルブタジエンゴム、N250S、アクリルニトリル量19.5質量%、JSR(株)製)
・導電材料B-1:1.5質量部
(ベンジルトリメチルアンモニウムクロライド、商品名「BTEAC」、ライオンアクゾ(株)製)
・導電材料B-2:50質量部
(カーボンブラック、#3030B、三菱化学(株)製)
・炭酸カルシウム:30質量部
・ステアリン酸:1質量部
・酸化亜鉛:5質量部
(酸化亜鉛1種、正同化学工業(株)製)
・加硫剤:2質量部
(有機硫黄、4,4’-ジチオジモルホリン、バルノックR、大内新興化学工業(株)製)
・加硫促進剤:1.5質量部
(チアゾール系、ジ-2-ベンゾチアゾリルジスルフィド、ノクセラーDM-P、大内新興化学工業(株)製)
・加硫促進剤:1.5質量部
(チウラム系、テトラエチルチウラムジスルフィド、ノクセラーTET-G、大内新興化学工業(株)製)
前記ゴム材料1と前記ゴム材料2とをオープンロールで混合し、ゴム組成物1を得た。
-弾性ロールの作製-
前記ゴム組成物1を、カーボンブラック(ケッチェンブラックEC300J:ライオン(株)製):2質量部を混合したポリオレフィン系接着剤(XJ-150、ロード・ファー・イースト社製)により厚さ15μmの接着層が形成された直径8mmの導電性支持体(SUM24L)に射出成形機を用いて弾性層を形成、加硫し、その後、研磨により直径12mmの弾性ロール1を得た。
-表面層の形成-
下記混合物をビーズミルにて分散し得られた分散液1を、メタノールで希釈し、前記性弾性ロール1の表面に浸漬塗布した後、160℃で30分間加熱乾燥し、厚さ6μmの表面層を形成し、実施例1の帯電部材(帯電ロール)を得た。
・高分子材料(N-メトキシメチル化ナイロン、F30K、ナガセケムテックス(株)製):100質量部
・高分子材料(ポリビニルブチラール樹脂、エスレックBL-1、積水化学工業(株)製):10質量部
・金属酸化物(酸化スズ、6010、三井金属鉱業(株)製):60質量部
・カーボンブラック(ケッチェンブラックEC300J:ライオン(株)製):3質量部
・フィラー(ポリアミド樹脂、Orgasol2001DNat1、アルケマ社製):10質量部
・触媒(Nacure4167:楠本化成(株)製):1質量部
・溶剤(メタノール):700質量部
・溶剤(ブタノール):200質量部
-画質維持性評価-
得られた帯電部材をカラー複写機DocuCentre-IV C2260(富士ゼロックス(株)製)のドラムカートリッジに装着し、ハーフトーン印刷による画質評価を行った。
高温高湿条件の評価では、28℃85%RH雰囲気下に前記カラー複写機を設置し、初期及び50,000枚印刷後の画質評価をそれぞれ行った。
また、低温低湿条件の評価では、10℃15%RH雰囲気下に前記カラー複写機を設置し、初期及び50,000枚印刷後の画質評価をそれぞれ行った。
結果は表1又は表2に示した。
A:濃度ムラ、白点、色点、スジ等の画像欠陥が未発生。
B:軽微な濃度ムラ、白点、色点、スジ等の画像欠陥が部分的に発生。
C:軽微な濃度ムラ、白点、色点、スジ等の画像欠陥が発生。
D:濃度ムラ、白点、色点、スジ等の画像欠陥が発生。
-弾性層の体積抵抗率の測定-
弾性層の体積抵抗率は、前述した方法により測定し、得られた値の常用対数をとった。
結果は表1又は表2に示した。
<実施例2及び3、並びに、比較例1>
各種マトリックス材料、及び、導電材料、並びに、これらの含有量を表1又は表2に記載したように変更した以外は、実施例1と同様にして帯電部材を作製し、評価した。
また、比較例1では、前記ゴム材料1及び前記ゴム材料2の全ての材料を一括で、ニーダーにより混練り(ゴム練り)した。
<実施例4及び5>
表1に記載したように実施例2のカーボンブラックの含有量を変更した以外は、実施例1と同様にして帯電部材を作製し、評価した。
<実施例6>
マトリックス材料A-1のエピクロルヒドリンゴムを以下の樹脂に変更した以外は、実施例1と同様にして帯電部材を作製し、評価した。
エピクロルヒドリン-エチレンオキシド-アリルグリシジルエーテル共重合体ゴム:Hydrin T3106、日本ゼオン(株)製
<実施例7>
マトリックス材料A-2のアクリロニトリルブタジエンゴムを以下の樹脂に変更した以外は、実施例1と同様にして帯電部材を作製し、評価した。
スチレンブタジエンゴム:SL552、JSR(株)製
<実施例8>
導電材料B-1のカーボンブラックを以下のものに変更した以外は、実施例1と同様にして帯電部材を作製し、評価した。
カーボンブラック:#3050B、三菱化学(株)製
<実施例9>
マトリックス材料A-2のアクリロニトリルブタジエンゴムを以下の樹脂に変更した以外は、実施例1と同様にして帯電部材を作製し、評価した。
アクリロニトリルブタジエンゴム:N222L(アクリロニトリル量:43%)、JSR(株)製
<比較例2>
表2に記載したように実施例1のカーボンブラックの含有量を変更した以外は、実施例1と同様にして帯電部材を作製し、評価した。
Figure 0007009881000001
Figure 0007009881000002
なお、比較例1においては、マトリクス材料A-1及びA-2が十分分散されており、弾性層中における導電性カーボンは、エピクロルヒドリンゴム及びエピクロルヒドリンゴム以外のゴム材料の両方が1つの粒子の周囲に接している状態となっていた。
上記結果から、本実施例の帯電部材は、比較例の帯電部材に比べ、環境によらず長期にわたり画質維持性に優れるものであることがわかる。
31…導電性支持体、32…接着層、33…弾性層、34…中間層、35…表面層、200、210、220…画像形成装置、206…露光装置、207…電子写真感光体、208…帯電装置、209…電源、211…現像装置、212…転写装置、213…クリーニング装置、214…除電器、215…定着装置、216…取り付けレール、217…露光のための開口部、218…除電露光のための開口部、300…プロセスカートリッジ、400…ハウジング、401a乃至401d…電子写真感光体、402a乃至402d…帯電部材(帯電ロール)、403…レーザー光源(露光装置)、404a乃至404d…現像装置、405a乃至405d…トナーカートリッジ、406…駆動ロール、407…張架ロール、408…背面ロール、409…中間転写ベルト、410a乃至410d…1次転写ロール、411…記録媒体収納容器、412…移送ロール、413…2次転写ロール、414…定着ロール、415a乃至415d…クリーニングブレード、416…クリーニングブレード、500…記録媒体

Claims (10)

  1. 導電性支持体と、
    前記導電性支持体上に少なくとも弾性層を有し、
    前記弾性層は、導電性カーボン、エピクロルヒドリンゴム及びエピクロルヒドリンゴム以外のゴム材料を含み、
    前記弾性層の単位体積あたりの前記エピクロルヒドリンゴム中に存在する前記導電性カーボンの質量割合よりも、前記弾性層の単位体積あたりの前記エピクロルヒドリンゴム以外のゴム材料中に存在する前記導電性カーボンの質量割合が多く、
    前記弾性層において、エピクロルヒドリンゴム中に存在する導電性カーボンの量が、エピクロルヒドリンゴム100質量部に対し、1質量部以上10質量部以下であり、
    前記弾性層において、エピクロルヒドリンゴム以外のゴム材料中に存在する導電性カーボンの量が、エピクロルヒドリンゴム以外のゴム材料100質量部に対し、20質量部以上80質量部以下である
    帯電部材。
  2. 前記エピクロルヒドリンゴム以外のゴム材料が、アクリロニトリルブタジエンゴム、スチレンブタジエンゴム、及び、クロロプレンゴムよりなる群から選ばれた少なくとも1種のゴムである請求項1に記載の帯電部材。
  3. 前記エピクロルヒドリンゴム以外のゴム材料が、アクリロニトリルブタジエンゴムである請求項2に記載の帯電部材。
  4. 前記アクリロニトリルブタジエンゴムのアクリロニトリル量が、25質量%以下である請求項3に記載の帯電部材。
  5. 前記弾性層における前記導電性カーボンの含有量が、前記エピクロルヒドリンゴム及びエピクロルヒドリンゴム以外のゴム材料の総含有量100質量部に対し、10質量部以上50質量部以下である請求項1~請求項4のいずれか1項に記載の帯電部材。
  6. 前記弾性層が、イオン導電剤を更に含む請求項1乃至請求項のいずれか1項に記載の帯電部材。
  7. 前記イオン導電剤が、第四級アンモニウム塩化合物、過塩素酸のアルカリ金属又はアルカリ土類金属塩、及び、塩素酸のアルカリ金属又はアルカリ土類金属塩よりなる群から選ばれた少なくとも1種の化合物である請求項に記載の帯電部材。
  8. エピクロルヒドリンゴムに導電性カーボンを分散する工程と、
    エピクロルヒドリンゴム以外のゴム材料に導電性カーボンを分散する工程とをそれぞれ行った後、
    前記導電性カーボンを含むエピクロルヒドリンゴムと、前記導電性カーボンを含むエピクロルヒドリンゴム以外のゴム材料とを混合する工程を含む請求項1乃至請求項のいずれか1項に記載の帯電部材の製造方法。
  9. 請求項1乃至請求項のいずれか1項に記載の帯電部材を少なくとも備えるプロセスカートリッジ。
  10. 少なくとも像保持体と、前記像保持体に接触しその表面を帯電する帯電手段とを備え、前記帯電手段が、請求項1乃至請求項のいずれか1項に記載の帯電部材からなる画像形成装置。
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