JP6164131B2 - 半導電性ロール、帯電ロール、帯電装置、プロセスカートリッジ、及び画像形成装置 - Google Patents
半導電性ロール、帯電ロール、帯電装置、プロセスカートリッジ、及び画像形成装置 Download PDFInfo
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Description
請求項8の発明は、前記電子写真感光体を備える請求項7に記載のプロセスカートリッジ。
本実施形態に係る半導電性ロールは、導電性支持体と、前記導電性支持体上に配置され、エピクロルヒドリンゴムを主成分としたゴム成分を100質量部、4,4’−ジチオジモルホリンを1.0質量部以上3.1質量部以下、及びジエチルジチオカルバミン酸亜鉛を2.5質量部以上7.5質量部以下含むゴム組成物の架橋物であり、永久歪量が10μm以下である弾性層と、を有し、交流インピーダンス法により測定した周波数が100Hz以上1MHz以下の範囲におけるCole−Coleプロットから算出される抵抗成分が1.0×105Ω以上5.0×105Ω以下である。
以下、本実施形態に係る半導電性ロールの一例として帯電ロールであることを前提に、導電性支持体、接着層、弾性層、表面層などについてより詳細に説明するが、これら各層の構成材料は、本実施形態に係る半導電性ロールを帯電ロール以外の用途に用いる場合も同様に用いてもよい。
図1は、本実施形態に係る帯電ロールの一例を示す、ロールの軸に垂直方向の概略断面図である。図1に示す帯電ロールは、導電性支持体31上に、接着層32と、弾性層33と、表面層35とを備える。
図2は、本実施形態に係る帯電ロールの他の例を示す、ロールの軸に垂直方向の概略断面図である。図2に示す帯電ロールは、導電性支持体31上に、接着層32と、弾性層33と、中間層34と、表面層35とを備える。
以下、図1に示す帯電ロールの構成について主に説明する。なお、以下の説明において符号を省略する場合がある。
導電性支持体31は、帯電ロールの電極および支持部材として機能するもので、アルミニウム、銅合金、ステンレス鋼等の金属または合金;クロム、ニッケル等でめっき処理を施した鉄、例えば、JIS G4804に示されているような快削鋼にクロム、ニッケル等でめっき処理を施した材質で構成されるものを用いればよい。めっきは、電解メッキ法または無電解めっき法などにより形成すればよく、限定はされない。
接着層32を形成する材料は特に限定されないが、例えば、ポリオレフィン系、塩素ゴム系、アクリル系、エポキシ系、ポリウレタン系、ニトリルゴム系、塩化ビニル系、酢酸ビニル系、ポリエステル系、フェノール系、シリコーン系等の材料が用いられ、弾性層を形成するゴムやエラストマーとの密着性の観点より、ポリオレフィン系やフェノール系の材料が特に好ましい。
接着層には、導電性付与ケッチェンブラック、アセチレンブラック等のカーボンブラック;熱分解カーボン、グラファイト;アルミニウム、銅、ニッケル、ステンレス鋼等の各種導電性金属または合金;酸化スズ、酸化インジウム、酸化チタン、酸化スズ−酸化アンチモン固溶体、酸化スズ−酸化インジウム固溶体等の各種導電性金属酸化物;絶縁物質の表面を導電化処理したもの;などの粉末、液状ゴム等の高分子材料を添加しても良い。
弾性層33は、エピクロルヒドリンゴムを主成分としたゴム成分を100質量部、4,4’−ジチオジモルホリンを1.0質量部以上3.1質量部以下、及びジエチルジチオカルバミン酸亜鉛を2.5質量部以上7.5質量部以下含むゴム組成物の架橋物で構成され、且つ、圧縮永久歪量が10μm以下である。
半導電性が求められる帯電ロールには、抵抗均一性の観点から、本実施形態における弾性層を構成するゴム成分は、エピクロルヒドリンゴムを主成分とする。
ここで「エピクロルヒドリンゴムを主成分とする」とは、弾性層を形成するゴム組成物に含まれるゴム成分のうち、エピクロルヒドリンゴムが最も多く含まれることを意味し、ゴム成分のうちエピクロルヒドリンゴムの含有量が50質量%以上であることが好ましく、90質量%以上であることがより好ましく、ゴム成分は全て(100質量%)エピクロルヒドリンゴムであることが特に好ましい。
なお、弾性層を構成するゴム成分としては、エピクロルヒドリンゴムが主成分であり、弾性層の永久歪量が10μm以下となり、且つ、交流インピーダンス法により測定した抵抗成分が1.0×105Ω以上5.0×105Ω以下となる範囲内であれば、他のゴム成分、イソプレンゴム、クロロプレンゴム、ブチルゴム、ポリウレタン、シリコーンゴム、フッ素ゴム、スチレン−ブタジエンゴム、ブタジエンゴム、ニトリルゴム、エチレンプロピレンゴム、エチレン−プロピレン−ジエン3元共重合ゴム(EPDM)、アクリロニトリル−ブタジエン共重合ゴム(NBR)、天然ゴム等を配合してもかまわない。
ゴムを架橋する際には、架橋剤、架橋促進剤等の材料が使用される。一般的に、架橋剤にとしては、硫黄架橋、過酸化物架橋、キノイド架橋、フェノール樹脂架橋、アミン架橋、金属酸化物架橋等が挙げられるが、二重結合を持った材料との架橋のし易さ、架橋ゴムの柔軟性の観点から、硫黄による架橋が好ましい。硫黄架橋においても硫黄単体によるものでなく、化合物から活性化硫黄が放出される架橋剤を用いた架橋が、結合間距離を短くできるため好ましく、4,4'−ジチオジモルホリンが好適である。
本実施形態に係る弾性層を構成するゴム組成物は、エピクロルヒドリンゴムを主成分とするゴム成分100質量部に対して、架橋促進剤として、ジエチルジチオカルバミン酸亜鉛を2.5質量部以上7.5質量部以下含む。
なお、ジエチルジチオカルバミン酸亜鉛以外の架橋促進剤を微量含んでもよいが、弾性層における永久歪量を悪化させる恐れがあるため、ジエチルジチオカルバミン酸亜鉛を単独で配合することが好ましい。
また、本実施形態における弾性層を形成するゴム組成物は、弾性層の圧縮永久歪量が10μm以下となり、且つ、交流インピーダンス法により測定した抵抗成分が1.0×105Ω以上5.0×105Ω以下となる範囲内で、必要に応じてその他の添加剤を配合してもよい。その他の添加剤としては、導電剤、充填材、架橋促進助剤等が挙げられる。
電子導電剤の例としては、ケッチェンブラック、アセチレンブラック等のカーボンブラック;熱分解カーボン、グラファイト;アルミニウム、銅、ニッケル、ステンレス鋼等の各種導電性金属または合金;酸化スズ、酸化インジウム、酸化チタン、酸化スズ−酸化アンチモン固溶体、酸化スズ−酸化インジウム固溶体等の各種導電性金属酸化物;絶縁物質の表面を導電化処理したもの;などの粉末が挙げられる。
また、その添加量は、本実施形態に係る帯電ロールについて交流インピーダンス法により測定した抵抗成分が1.0×105Ω以上5.0×105Ω以下となる範囲内であれば、特に制限はないが、上記電子導電剤の場合は、ゴム成分100質量部に対して、1質量部以上30質量部以下の範囲であることが好ましく、5質量部以上25質量部以下の範囲であることがより好ましい。
一方、上記イオン導電剤の場合は、ゴム材100質量部に対して、0.1質量部以上5.0質量部以下の範囲であることが好ましく、0.5質量部以上3.0質量部以下の範囲であることがより好ましい。
広く架橋促進助剤として用いられている酸化亜鉛はゴム中への分散性は乏しく、架橋促進剤にジエチルジチオカルバミン酸亜鉛を用いることで、架橋促進剤中に亜鉛が導入されており、かつゴムとの相溶性も高いため、架橋促進剤だけでなく亜鉛供給源を均一に分散可能となるため、ミクロレベルでの架橋反応の変動が少なく、架橋反応が完了する状態のばらつきが小さいため、永久歪を抑制する効果が見られる。
本実施形態に係る帯電ロールは、弾性層の永久歪量が10μm以下となっている。
半導電性ロールを帯電ロールに用いたとき、歪による感光体とのギャップの変動が帯電電圧ムラとなり、画像に筋状の欠陥が発生し易い。そのため、本実施形態に係る半導電性ロールを画像形成装置に用いる際、10μm以下が好ましい。特に、直流印加による帯電方式の場合、交流印加方式と比較して、帯電均一効果が得られないため、5μm以下がより好ましい。
なお、本実施形態に係る半導電性ロールの弾性層の永久歪量は、半導電性ロールを軸方向から観察した画像によって求められる。後述する実施例において具体的に説明する。
このように前記ゴム組成物を用いて導電性支持体上に弾性層を形成して本実施形態に係る帯電ロールを製造することで、例えば、プロセスカートリッジや画像形成装置において電子写真感光体と接触した状態で放置されても弾性層の永久歪量が10μm以下に抑えられる。
表面層を構成する高分子材料としては、特に制限されないが、ポリアミド、ポリウレタン、ポリフッ化ビニリデン、4フッ化エチレン共重合体、ポリエステル、ポリイミド、シリコーン樹脂、アクリル樹脂、ポリビニルブチラール、エチレンテトラフルオロエチレン共重合体、メラミン樹脂、フッ素ゴム、エポキシ樹脂、ポリカーボネート、ポリビニルアルコール、セルロース、ポリ塩化ビニリデン、ポリ塩化ビニル、ポリエチレン、エチレン酢酸ビニル共重合体等を挙げることができる。
表面層における導電剤の添加量は特に制限はないが、高分子材料100質量部に対して、1質量部以上50質量部以下の範囲であることが好ましく、5質量部以上20質量部以下の範囲であることがより好ましい。
本実施形態に係る帯電ロールは、交流インピーダンス法により測定した周波数が100Hz以上1MHz以下の範囲におけるCole−Coleプロットから算出される抵抗成分が1.0×105Ω以上5.0×105Ω以下となるように構成されている。
例えば、弾性層や表面層における導電剤の含有量を多くするほど抵抗成分が小さくなる。導電剤の分散状態や架橋系の樹脂あるいはゴムであれば架橋密度によっても変動する。また、表面層の分散状態、焼成温度、焼成時間によっても抵抗成分が変動する。
また、弾性層の形成に用いるゴム成分、架橋剤、架橋促進剤の各配合量や、表面層を塗布により形成するときの焼成温度などによっても抵抗成分が変動する。
従って、弾性層及び表面層に含まれる導電剤の種類及び含有量のほか、弾性層の形成に用いるゴム成分、架橋剤、架橋促進剤の各配合量や、表面層を塗布により形成するときの焼成温度を組み合わせて抵抗成分を上記範囲にすればよい。
本実施形態に係る帯電装置は、前記本実施形態に係る帯電ロールを備えて構成されている。
本実施形態に係る帯電装置は、例えば、本実施形態に係る帯電ロールのみで構成してもよいし、本実施形態に係る帯電ロールとクリーニング部材とが特定の食い込み量で接触して配置された構成が挙げられる。
なお、帯電ロールに電圧を印加する方式は、直流電圧のみを印加する直流方式と、直流電圧に交流電圧を重畳して印加する交流重畳方式が挙げられ、本実施形態では感光体の摩耗、オゾンの発生、感光体の振動による音の放電音の観点から直流電圧の印加による帯電方式が好ましい。
次に、本実施形態に係る画像形成装置を図面に基づき説明する。
本実施形態に係る画像形成装置は、電子写真感光体と、前記本実施形態に係る帯電ロールを有し、前記帯電ロールを前記電子写真感光体の表面に接触させて前記電子写真感光体を帯電させる帯電手段と、帯電した前記電子写真感光体の表面に静電潜像を形成する静電潜像形成手段と、トナーを含む現像剤により、前記電子写真感光体の表面に形成された静電潜像を現像してトナー像を形成する現像手段と、前記トナー像を記録媒体の表面に転写する転写手段と、を備えて構成される。
図3は、第1実施形態に係る画像形成装置の基本構成を示す概略図である。図3に示す画像形成装置200は、電子写真感光体207と、電子写真感光体207を帯電させる帯電装置208と、帯電装置208に接続された電源209と、帯電装置208により帯電される電子写真感光体207を露光して潜像を形成する露光装置206と、露光装置206により形成された潜像をトナーにより現像してトナー像を形成する現像装置211と、現像装置211により形成されたトナー像を被転写体(画像出力媒体)500に転写する転写装置212と、クリーニング装置213と、除電器214と、定着装置215とを備える。なお、この場合には、除電器214が設けられていないものもある。
また、感光体207は、下引層を備えていないものでもよいし、下引層と感光層との間に中間層を設けてもよいし、感光層上に電荷輸送材料を含む保護層を設けてもよい。
離型剤としては低分子ポリエチレン、低分子ポリプロピレン、フィッシャートロプシュワックス、モンタンワックス、カルナバワックス、ライスワックス、キャンデリラワックス等を代表的なものとして挙げられる。
帯電制御剤としては、公知のものを使用することができるが、アゾ系金属錯化合物、サリチル酸の金属錯化合物、極性基を含有するレジンタイプ等の帯電制御剤を用いることができる。
また、小径無機粒子については表面処理することにより、分散性が高くなり、粉体流動性をあげる効果が大きくなるため有効である。
図4は第2実施形態に係る画像形成装置の基本構成を示す概略図である。図4に示した画像形成装置210は、電子写真感光体207に形成されたトナー像を、1次転写部材212aに転写した後、1次転写部材212aと2次転写部材212bとの間に供給される記録媒体(画像出力媒体)500に転写する中間転写方式の転写装置を備えるもので、かかる転写の際には1次転写部材212aから電子写真感光体に向けて予め定めた電流密度の電流が供給可能となっている。なお、図4中には示していないが、画像形成装置210は、図3に示した画像形成装置200と同様に除電器を更に備えていてもよい。また、画像形成装置210の他の構成は画像形成装置200の構成と同様である。
画像形成装置210においては、上述の通り、中間転写方式が適用されている点が異なるが、上記第1実施形態に係る画像形成装置200の場合と同様に、電子写真感光体207と、本実施形態に係る帯電ロールを備えた帯電装置とを組み合わせることで、良好な画質を長期にわたって安定的に得ることができる。
図5は第3実施形態に係る画像形成装置の基本構成を示す概略図である。図5に示す画像形成装置220は中間転写方式の画像形成装置であり、ハウジング400内において4つの電子写真感光体401a〜401d(例えば、電子写真感光体401aがイエロー、電子写真感光体401bがマゼンタ、電子写真感光体401cがシアン、電子写真感光体401dがブラックの色からなる画像をそれぞれ形成可能である)が中間転写ベルト409に沿って相互に並列に配置されている。
本実施形態に係るプロセスカートリッジは、前記本実施形態に係る帯電ロールを有し、前記帯電ロールを電子写真感光体の表面に接触させて前記電子写真感光体を帯電させる帯電手段を備え、画像形成装置に着脱するように構成されている。 本実施形態に係るプロセスカートリッジは、上記帯電手段と電子写真感光体を備えた構成としてもよい。
そして、このプロセスカートリッジ300は、転写装置212と、定着装置215と、図示しない他の構成部分とからなる画像形成装置本体に対して着脱自在としたものであり、画像形成装置本体とともに画像形成装置を構成する。
酸化亜鉛:(平均粒子径70nm:テイカ社製:比表面積値15m2/g)100質量部をテトラヒドロフラン500質量部と攪拌混合し、シランカップリング剤(KBM603:信越化学社製)1.25質量部を添加し、2時間攪拌した。その後トルエンを減圧蒸留にて留去し、120℃で3時間)焼き付けを行い、シランカップリング剤表面処理酸化亜鉛顔料を得た。
この塗布液を浸漬塗布法にてアルミニウム基材上に塗布し、170℃、40分の乾燥硬化を行い厚さ25μmの下引き層を得た。
まず、電荷発生材料としての、Cukα線を用いたX線回折スペクトルのブラッグ角度(2θ±0.2°)が少なくとも7.3゜、16.0゜、24.9゜、28.0゜の位置に回折ピークを有するヒドロキシガリウムフタロシアニン15質量部と、結着樹脂としての塩化ビニル−酢酸ビニル共重合体樹脂(VMCH、日本ユニカー社製)10質量部と、酢酸n−ブチル200質量部と、からなる混合物を、1mmφのガラスビーズを用いてサンドミルにて4時間分散した。得られた分散液に、酢酸n−ブチル175質量部と、メチルエチルケトン180質量部と、を添加し、攪拌して電荷発生層用の塗布液を得た。
この電荷発生層用塗布液を下引き層上に浸漬塗布し、常温(22℃)で乾燥して、厚みが0.2μmの電荷発生層を形成した。
次に、電荷輸送材料としてのN,N’−ジフェニル−N,N’−ビス(3−メチルフェニル)−[1,1’]ビフェニル−4,4’−ジアミン4質量部と、ビスフェノールZ型ポリカーボネート樹脂(粘度平均分子量40,000)6質量部と、テトラヒドロフラン23質量部と、をトルエン10質量部に混合溶解した後、前記4フッ化エチレン樹脂粒子懸濁液を加えて攪拌混合した後、微細な流路を持つ貫通式チャンバーを装着した高圧ホモジナイザー(ナノマイザー株式会社製、商品名LA−33S)を用いて、400Kgf/cm2(3.92X10−1Pa)まで昇圧しての分散処理を6回繰り返し、4フッ化エチレン樹脂粒子分散液を得た。さらに、2,6−ジ−t−ブチル−4−メチルフェノール0.2質量部を混合して電荷輸送層形成用塗布液を得た。この塗布液を電荷発生層上に塗布して115℃で40分間乾燥し、膜厚24μmの電荷輸送層を形成した。
以上により、下引き層上に、電荷発生層と電荷輸送層とをこの順に有する電子写真感光体1を得た。
電荷輸送層の膜厚を34μmとした以外は電子写真感光体1と同様に電子写真感光体2を作製した。
−ゴム組成物の作製−
下記組成の混合物を2.5Lのニーダーで混練りしてゴム組成物1を得た。
・ゴム材 100質量部
(エピクロルヒドリン−エチレンオキシド−アリルグリシジルエーテル共重合ゴム Hydrin T3106:日本ゼオン社製)
・導電剤(カーボンブラック #3030B:三菱化学社製) 5質量部
・イオン導電剤(ベンジルトリメチルアンモニウムクロライド、商品名「BTEAC」ライオンアクゾ社製) 1質量部
・架橋剤(4,4’−ジチオジモルホリン バルノックR:大内新興化学工業社製)
1.0質量部
・架橋促進剤(ジエチルジチオカルバミン酸亜鉛 ノクセラーEZ:大内新興化学工業社製) 2.5質量部
・架橋促進助剤(酸化亜鉛 酸化亜鉛1種:正同化学工業社製) 3質量部
・ステアリン酸 1.0質量部
・重質炭酸カルシウム 40質量部
5μmの厚さの無電解ニッケルメッキ後6価クロム酸を施した直径8mmのSUM23Lから成る導電性支持体を用意し、シリンダー内径60mm、L/D20の1軸ゴム押出し機を用いてスクリュー回転25rpmで前記ゴム組成物を押出すとともに、前記導電性支持体を連続的にクロスヘッドに通過させることにより、導電性支持体上に前記ゴム組成物1を被覆した。押出機の温度条件設定は、シリンダー部、スクリュー部、ヘッド部、ダイ部のいずれとも80℃とした。
導電性支持体と被覆されたゴム組成物で形成された未加硫ゴムロールは、空気加熱炉で165℃で70分間加硫し直径12mmの弾性ロール1(弾性層の厚み:2mm)を得た。
下記組成の混合物をビーズミルにて分散して得られた分散液1を、メタノールで希釈し、前記弾性ロール1の表面に浸漬塗布した後、160℃で30分間加熱乾燥して厚さ10μmの表面層を形成することにより帯電ロール1を得た。
100質量部
・高分子材料(ポリビニルブチラール樹脂 エスレックBL−1:積水化学工業社製)
10質量部
・導電剤(カーボンブラック MONARCH1000:キャボット社製) 16質量部
・充填剤(ポリアミド樹脂 Orgasol2001DNat1:アルケマ社製)
20質量部
・触媒(Nacure4167:楠本化成社製) 4質量部
・溶剤(メタノール) 700質量部
・溶剤(ブタノール) 200質量部
−交流インピーダンス測定−
インピーダンスアナライザ(1260型 ソーラトロン社製)と誘電率測定インターフェイス(1296型 ソーラトロン社製)にカラー複写機DocuCentre−IV C2260:富士ゼロックス社製のドラムカートリッジの感光体ドラムをアルミドラムに置換えて、感光体ドラムと同様に帯電ロールをアルミドラムに接触させた。このようにして帯電ロールの導電性支持体とアルミドラムとの間に交流電圧を印加することにより、帯電ロールのインピーダンスを測定した。測定条件は下記の通りである。
交流印加電圧:1V
掃引周波数:0.01〜1MHz
測定環境:22℃、55%RH
電子写真感光体1及び帯電ロール1をカラー複写機DocuCentre−IV C2260:富士ゼロックス社製のドラムカートリッジに装着し、低温低湿(10℃、15%RH)環境下と高温高湿(28℃、85%RH)環境下で50%、30%、0%ハーフトーン印刷による画質評価を行った。以下の基準で評価した。
B:軽微な濃度ムラ、白点、色点、スジ等の画質欠陥が部分的に発生。
C:軽微な濃度ムラ、白点、色点、スジ等の画質欠陥が発生。
D:濃度ムラ、白点、色点、スジ等の画質欠陥が発生。
帯電ロール1が装着されたドラムカートリッジを高温高湿(45℃、95%RH)環境下で7日間保管後、画質評価、ロール表面状態の観察、保管により発生した帯電ロール1の歪量(保管後歪量)の測定を行った。
歪量の測定は、真円度測定機(ロンコム:株式会社東京精密社製)の真円度測定時の形状画像(図7参照)から弾性層の永久歪量を求めた。具体的には以下のようにして歪量を求めた。
歪の部分について、ロール断面形状の歪前の形状に相当する仮想線を描き、ロール断面中心から最も歪の大きい部分に向かって線を引き、線の延長と仮想線の交点と歪の最も大きい部分との間隔を永久歪量とした。
A:画質上問題なし。
B:帯電ロール表面状態または感光体表面への変化があるが、画質上問題なし。
C:帯電ロール表面状態または感光体表面への変化があり、画質上軽微な欠陥発生(10枚程度の出力で問題なくなるレベル)。
D:帯電ロール表面状態または感光体表面への変化があり、画質上欠陥発生。
実施例1のゴム組成物における架橋剤(4,4’−ジチオジモルホリン)を2.0質量部に変更した以外、実施例1と同様に、ゴム組成物の作製、帯電ロールの作製、及び評価を行い、結果を表1に示した。
実施例2のゴム組成物における架橋剤(4,4’−ジチオジモルホリン)を3.0質量部に変更した以外、実施例1と同様に、ゴム組成物の作製、帯電ロールの作製、及び評価を行い、結果を表1に示した。
実施例1のゴム組成物における架橋促進剤(ジエチルジチオカルバミン酸亜鉛)を5.0質量部に変更した以外、実施例1と同様に、ゴム組成物の作製、帯電ロールの作製、及び評価を行い、結果を表1に示した。
実施例4のゴム組成物における架橋剤(4,4’−ジチオジモルホリン)を1.5質量部に変更した以外、実施例1と同様に、ゴム組成物の作製、帯電ロールの作製、及び評価を行い、結果を表1に示した。
実施例5のゴム組成物における架橋剤(4,4’−ジチオジモルホリン)を2.0質量部に変更した以外、実施例1と同様に、ゴム組成物の作製、帯電ロールの作製、及び評価を行い、結果を表2に示した。
実施例6のゴム組成物における架橋剤(4,4’−ジチオジモルホリン)を2.5質量部に変更した以外、実施例1と同様に、ゴム組成物の作製、帯電ロールの作製、及び評価を行い、結果を表2に示した。
実施例7の架橋剤(4,4’−ジチオジモルホリン)を3.0質量部に変更した以外、実施例1と同様に、ゴム組成物の作製、帯電ロールの作製、及び評価を行い、結果を表2に示した。
実施例4のゴム組成物における架橋促進剤(ジエチルジチオカルバミン酸亜鉛)を7.5質量部に変更した以外、実施例1と同様に、ゴム組成物の作製、帯電ロールの作製、及び評価を行い、結果を表2に示した。
実施例9のゴム組成物における架橋剤(4,4’−ジチオジモルホリン)を2.0質量部に変更した以外、実施例1と同様に、ゴム組成物の作製、帯電ロールの作製、及び評価を行い、結果を表2に示した。
実施例10のゴム組成物における架橋剤(4,4’−ジチオジモルホリン)を3.0質量部に変更した以外、実施例1と同様に、ゴム組成物の作製、帯電ロールの作製、及び評価を行い、結果を表3に示した。
実施例6のゴム組成物における導電剤(カーボンブラック #3030B)を10.0質量部に変更した以外、実施例1と同様に、ゴム組成物の作製、帯電ロールの作製、及び評価を行い、結果を表3に示した。
実施例12のゴム組成物における導電剤(カーボンブラック #3030B)を1.0質量部に変更した以外、実施例1と同様に、ゴム組成物の作製、帯電ロールの作製、及び評価を行い、結果を表3に示した。
実施例6の帯電ロールを用い、画質評価の電子写真感光体1を電子写真感光体2に変更して評価を行い、結果を表3に示した。
実施例1のゴム組成物における架橋剤(4,4’−ジチオジモルホリン)を0.8質量部に変更した以外、実施例1と同様に、ゴム組成物の作製、帯電ロールの作製、及び評価を行い、結果を表4に示した。
実施例1のゴム組成物における架橋剤(4,4’−ジチオジモルホリン)を3.2質量部に変更した以外、実施例1と同様に、ゴム組成物の作製、帯電ロールの作製、及び評価を行い、結果を表4に示した。
実施例9のゴム組成物における架橋剤(4,4’−ジチオジモルホリン)を0.8質量部に変更した以外、実施例1と同様に、ゴム組成物の作製、帯電ロールの作製、及び評価を行い、結果を表4に示した。
実施例11のゴム組成物における架橋剤(4,4’−ジチオジモルホリン)を3.2質量部に変更した以外、実施例1と同様に、ゴム組成物の作製、帯電ロールの作製、及び評価を行い、結果を表4に示した。
実施例1のゴム組成物における架橋促進剤(ジエチルジチオカルバミン酸亜鉛)を2.0質量部に変更した以外、実施例1と同様に、ゴム組成物の作製、帯電ロールの作製、及び評価を行い、結果を表4に示した。
実施例1のゴム組成物における架橋促進剤(ジエチルジチオカルバミン酸亜鉛)を8.0質量部に変更した以外、実施例1と同様に、ゴム組成物の作製、帯電ロールの作製、及び評価を行い、結果を表5に示した。
実施例3のゴム組成物における架橋促進剤(ジエチルジチオカルバミン酸亜鉛)を2.0質量部に変更した以外、実施例1と同様に、ゴム組成物の作製、帯電ロールの作製、及び評価を行い、結果を表5に示した。
実施例3のゴム組成物における架橋促進剤(ジエチルジチオカルバミン酸亜鉛)を8.0質量部に変更した以外、実施例1と同様に、ゴム組成物の作製、帯電ロールの作製、及び評価を行い、結果を表5に示した。
実施例6のゴム組成物における架橋促進剤をテトラエチルチウラムジスルフィド(ノクセラーTET−G:大内新興化学工業社製)に変更した以外、実施例1と同様に、ゴム組成物の作製、帯電ロールの作製、及び評価を行い、結果を表5に示した。
実施例6のゴム組成物における導電剤(カーボンブラック #3030B)を20.0質量部に変更した以外、実施例1と同様に、ゴム組成物の作製、帯電ロールの作製、及び評価を行い、結果を表5に示した。
比較例10のゴム組成物における導電剤(カーボンブラック #3030B)を0.5質量部に変更した以外、実施例1と同様に、ゴム組成物の作製、帯電ロールの作製、及び評価を行い、結果を表6に示した。
実施例6のゴム組成物における架橋促進剤にジ−2−ベンゾチアゾリルジスルフィド(ノクセラーDM−P:大内新興化学工業社製)を5.0質量部追加した以外、実施例1と同様に、ゴム組成物の作製、帯電ロールの作製、及び評価を行い、結果を表6に示した。
比較例1の帯電ロールを用い、画質評価の電子写真感光体1を電子写真感光体2に変更して評価を行い、結果を表6に示した。
Claims (8)
- 導電性支持体と、
前記導電性支持体上に配置され、エピクロルヒドリンゴムを主成分としたゴム成分を100質量部、4,4’−ジチオジモルホリンを1.0質量部以上3.1質量部以下、及びジエチルジチオカルバミン酸亜鉛を2.5質量部以上7.5質量部以下含むゴム組成物の架橋物であり、永久歪量が10μm以下である弾性層と、を有し、
交流インピーダンス法により測定した周波数が100Hz以上1MHz以下の範囲におけるCole−Coleプロットから算出される抵抗成分が1.0×105Ω以上5.0×105Ω以下である半導電性ロール。 - 前記ゴム組成物中の前記4,4’−ジチオジモルホリンの配合量が1.5質量部以上2.5質量部以下である請求項1に記載の半導電性ロール。
- 請求項1又は請求項2に記載の半導電性ロールである帯電ロール。
- 請求項3に記載の帯電ロールを備える帯電装置。
- 電子写真感光体と、
請求項3に記載の帯電ロールを有し、前記帯電ロールを前記電子写真感光体の表面に接触させて前記電子写真感光体を帯電させる帯電手段と、
帯電した前記電子写真感光体の表面に静電潜像を形成する静電潜像形成手段と、
トナーを含む現像剤により、前記電子写真感光体の表面に形成された静電潜像を現像してトナー像を形成する現像手段と、
前記トナー像を記録媒体の表面に転写する転写手段と、
を備える画像形成装置。 - 前記電子写真感光体の電荷輸送性材料を含む表面層の合計厚みが30μm以上である請求項5に記載の画像形成装置。
- 請求項3に記載の帯電ロールを有し、前記帯電ロールを電子写真感光体の表面に接触させて前記電子写真感光体を帯電させる帯電手段を備え、
画像形成装置に着脱するプロセスカートリッジ。 - 前記電子写真感光体を備える請求項7に記載のプロセスカートリッジ。
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