JP3591560B2 - ゴム組成物 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、ゴム組成物とその製造方法に関し、さらに詳しくは、導電性ゴム成形品の硬度及び電気抵抗値を所定の範囲内に調整することができるゴム組成物に関する。本発明のゴム組成物は、電子写真複写機や静電記録装置などの静電式画像形成装置において使用される導電性ロールや導電性ブレードなどの導電性ゴム部材用のゴム材料として特に好適である。
【0002】
【従来の技術】
導電性粒子を配合したゴム組成物を所定形状に賦形した後、加硫して得られるゴム加硫物(導電性ゴム成形品)には、用途分野に応じて、硬度及び電気抵抗値をそれぞれ所定の範囲内に調整することが要求される。ところが、導電性粒子を配合したゴム加硫物は、十分に低い電気抵抗値を得るために、導電性粒子の配合割合を高くすると、硬度が高くなりすぎるという問題がある。逆に、導電性粒子の配合割合を低くすると、導電性粒子の分散不良による同一組成物内のサンプリング場所ごとに導電性が異なる不均一性や、配合量の誤差による導電性のばらつきが増大するため、均一な導電性を得ることが困難である。
所定の固さと均一な導電性を得るために、ゴムに導電性粒子に加えて軟化剤や可塑剤などの配合剤を多量に添加して硬度を調整すると、これらの配合剤が導電性ゴム成形品の表面にブリードアウトするという問題がある。したがって、導電性と柔軟性を併せ持つ導電性ゴム成形品を得ることは、困難な課題であった。
【0003】
一般に、一種類のゴム成分のみでは、所望の物性を得ることができない場合、複数種のゴム材料を組み合わせて使用することが行われている。しかし、二種類以上のゴム成分を併用しても、それぞれに対応する加硫剤を用いて、同時に加硫する通常の方法では、導電性と柔軟性を併せ持つ導電性ゴム成形品を得ることは困難である。すなわち、各ゴム成分相互間に相溶性がある場合には、導電性粒子が均一に分布するため、硬度が高くなってしまう。各ゴム成分相互間に相溶性がない場合であっても、各ゴム成分と導電性粒子との間の親和性に格別の差がないと、やはり導電性粒子が均一に分布するため、硬度が高くなってしまう。
【0004】
各ゴム成分相互間に相溶性がなく、かつ、各ゴム成分と導電性粒子との間の親和性にも差がある場合には、導電性粒子は親和性の高いゴム成分相中に高濃度で存在することになる。この場合、導電性粒子との親和性が低く、導電性粒子の濃度が低いゴム成分相が柔軟性に寄与することになる。しかし、導電性粒子との親和性の差によって、導電性と柔軟性を調整する方法では、使用できるゴム成分の種類が自ら限定され、耐摩耗性など、その他の特性を満足させることが困難である。
ところで、電子写真複写機や静電記録装置などの画像形成装置において使用される導電性ロールや導電性ブレードなどの導電性部材は、柔軟性と導電性を合わせ持つことが求められている。そこで、以下、これらの導電性部材を例にして、前記の問題点についてより詳しく説明する。
【0005】
電子写真法、静電写真法、静電印刷法などの各種画像形成法において、電子写真複写機や静電記録装置などの画像形成装置が使用されている。これらの画像形成装置には、例えば、現像ロール、帯電ロール、転写ロール等として導電性ロールが使用されている。また、トナー層形成用ブレード(ドクターブレード)、クリーニングブレード等にも導電性ブレードが使用されている。
静電式画像形成装置に使用される各種ロールに要求される特性は、画像形成装置の種類やロールの用途等によってそれぞれ異なるが、一般的に、共通して要求される特性としては、第一に、適度の柔軟性を有すること、第二に、環境変化に対して安定した電気抵抗を示すこと、第三に、感光体などを汚染しないこと、第四に、耐久性に優れていること、などが挙げられる。
【0006】
これらのロールには、柔軟性の指標として、JIS−A硬度で20〜60度の範囲内の硬度を有することが求められている。これらのロールの硬度が高すぎると、例えば、トナーを融着させたり、感光体を傷つけたりしやすい。これらのロールの硬度が低すぎると、例えば、トナーに充分な摩擦力を付与することができなかったり、感光体を汚染したりしやすい。同時に、これらのロールには、電気的特性として、104〜1010Ωの範囲の電気抵抗値を有することが求められている。例えば、現像ロールは、現像剤供給ロールとの間の摩擦力によりトナーを現像ロールの外周面に帯電状態で付着させ、これを層形成ブレードで一様にならして、感光体上の静電潜像に対して電気的吸引力により飛翔させる役割を持っているため、適度の範囲の電気抵抗値を有することが必要である。帯電ロールの場合には、適度の範囲の電気抵抗値を持っていないと、感光体上に均一な帯電を付与することができない。しかも、この電気抵抗値は、複写像の高画質化の要求から、高温高湿度下でも低温低湿度下でも、変動の幅が小さいこと、すなわち、耐環境性に優れ、周囲の環境条件の変化によっても、安定した電気抵抗値を示すことが要求されている。
そこで、各種画像形成装置には、導電性ロールの材料として、柔軟性と導電性を併せもつ導電性ゴム材料が用いられている。導電性ゴム材料としては、各種ゴムに導電性カーボンブラック等の導電性粒子を配合したゴム組成物が使用されている。これらの導電性ゴム材料には、JIS−A硬度で20〜60度という柔軟性の規格を満たすために、さらに軟化剤等を添加している場合もある。
【0007】
従来、前記用途に使用される導電性ゴム材料として、例えば、シリコーンゴム(特開平6−200158号公報)、イソプレンゴム(特開平5−224501号公報)、エチレンプロピレンゴム(特開平5−188753号公報)、ポリヘキセンゴム(特開平4−133937号公報)に、それぞれ導電性粒子を配合したゴム組成物が提案されている。しかしながら、これらの導電性ゴム材料でも、充分な特性は得られていない。また、ゴム成分として、二種類のシリコーンゴムを併用した導電性ゴム材料(特開平3−190964号公報)、ポリオレフィン系ゴムとシリコーンゴムを有する導電層を備えた接触帯電部材(特開平3−196067号公報)等が提案されているが、これらの導電性ゴム材料は、耐摩耗性が不十分で、耐久性に劣るという欠点を持っている。
【0008】
ところで、導電性カーボンブラックは、導電性粒子として最も一般的に使用されているものである。しかし、所望の導電性(電気抵抗値)を得る量比で、導電性カーボンブラックを共役ジエン系ゴムに配合すると、導電性カーボンブラックと共役ジエン系ゴムとの間の相互作用により、加硫ゴムの硬度が増大し、JIS−A硬度が60度を越えることがある。導電性ゴム材料に、一般にゴム材料の分野で使用されている軟化剤や柔軟剤等を配合すると、硬度を適度の範囲に調整することができるものの、軟化剤などの配合剤がブリードアウトするため、感光体の汚染などの問題が生じる。
軟化剤や柔軟剤に代えて、液状ゴムを多量に配合して導電性ゴム材料の硬度を調整する方法が提案されている(特開平5−59222号公報)。しかし、充分な軟化作用を得るには、共役ジエン系ゴムに比較的多量の液状ゴムを配合する必要がある。そのために、ゴム組成物の成形加工性が低下し、しかも液状ゴム中の低分子量体のために成形品の表面にべたつき感が残る。
【0009】
軟化剤等の配合剤のブリードアウトを防止するために、例えば、導電性を有するゴム層の上に、ブリードアウト防止層を設ける方法(特開平6−250496号公報)、保護層を設ける方法(特開平6−208288号公報)、表面層を設ける方法(特開平6−167861号公報)、抵抗調整層を積層する方法(特開平6−208289号公報)などが提案されている。これらの方法は、ブリードアウト防止には有効な方法であるが、工程数が多くなるため、実用上好ましい方法ではない。
したがって、所定量の導電性粒子を含有することで所望の範囲の電気抵抗値を有し、かつ、硬度についても、前記規格内にすることができ、単層でも使用可能な導電性ゴム材料が求められている。導電性ブレードについても、導電性ロールと同様な要求特性があるが、それらを充分に満足する導電性ゴム材料はなく、満足のできる導電性ブレードはなかった。
【0010】
【発明が解決しようとする課題】
本発明の目的は、硬度及び電気抵抗値を所定の範囲内に調整することができ、しかも所望の要求特性に応じて、ゴム成分の種類を選択することができる導電性のゴム組成物を提供することにある。
また、本発明の目的は、感光体などの被帯電部材への汚染がなく汚染防止の加工を必要としない、所定の硬さと均一な導電性を有する導電性部材用のゴム組成物を提供することにある。
本発明の他の目的は、前記の如きゴム組成物を用いて、静電式画像形成装置において使用される導電性ロールや導電性ブレードなどのゴム部材を提供することにある。
【0011】
本発明者らは、前記従来技術の問題点を克服するために鋭意研究した結果、加硫機構の異なる2種類のゴム材料と導電性粒子とを組み合わせた導電性ゴム組成物により上記目的を達成できることを見いだした。具体的には、ゴム成分Aの加硫物、該ゴム成分Aとは異なる機構により加硫されるゴム成分B、及び導電性粒子を含有するゴム組成物を用いることにより、ゴム成分B中の導電性粒子の濃度を高くすることができ、それによって、導電性と硬度を所定の範囲に調整することができ、しかも所望の要求特性に応じて各ゴム成分の種類を多くのゴム材料中から選択することができる。ゴム成分Aの加硫物は、ゴム成分A、ゴム成分B、ゴム成分Aの加硫剤などを含有するゴム組成物を動的加硫することにより、ゴム成分Aのみを加硫して調製する。これによって、ゴム成分Aの加硫物が分散したゴム組成物を得、該ゴム組成物を所定形状に賦形し、ゴム成分Bの加硫剤により加硫することにより、所望の成形品を得ることができる。
【0012】
この方法によれば、軟化剤や可塑剤、液状ゴムなどを含有させることなく、所定の硬さと導電性が付与されたゴム組成物、及び該ゴム組成物を加硫して得られる導電性ゴム成形品を得ることができる。そこで、本発明者らは、該ゴム組成物及びその製造方法について特許出願を行った(特願平7−198070号)。
しかし、導電性の均一性に関しては、なお改善の余地があった。そこで、さらに検討した結果、特定の老化防止剤を含有させた動的加硫ゴム組成物により、所望の硬さと導電性が付与され、しかも導電性が高度に均一なゴム組成物の得られることを見いだし、その知見に基づいて本発明を完成するに至った。
【0013】
【課題を解決するための手段】
かくして、本発明によれば、ゴム成分Aの加硫物、該ゴム成分Aとは異なる機構により加硫されるゴム成分B、導電性粒子、並びにヒドロキノン誘導体及びフェノール誘導体からなる群より選ばれる少なくとも一種の老化防止剤を含有することを特徴とするゴム組成物が提供される。
また、本発明によれば、前記ゴム組成物を所望の形状に賦形した後、ゴム成分Bを該ゴム成分Bの加硫剤の存在下に加硫してなるゴム部材、及び該ゴム部材を備えた静電式画像形成装置が提供される。
【0014】
【発明の実施の形態】
本発明のゴム組成物は、例えば、以下の製造方法により得ることができる。
(1)ゴム成分A、該ゴム成分Aとは異なる機構により加硫されるゴム成分B、導電性粒子、ゴム成分Aの加硫剤、及び老化防止剤を含有するゴム組成物を混練して、ゴム成分Aのみを動的加硫する方法。
(2)ゴム成分A、該ゴム成分Aとは異なる機構により加硫されるゴム成分B、導電性粒子の配合量の一部、ゴム成分Aの加硫剤、及び老化防止剤を含有するゴム組成物を混練して、ゴム成分Aのみを動的加硫し、次いで、導電性粒子の残余を配合する方法。
(3)ゴム成分A、該ゴム成分Aとは異なる機構により加硫されるゴム成分B、ゴム成分Aの加硫剤、及び老化防止剤を含有するゴム組成物を混練して、ゴム成分Aのみを動的加硫し、次いで、導電性粒子を配合する方法。
(4)加硫済みのゴム成分Aの分散相、未加硫のゴム成分B、老化防止剤、及び導電性粒子を混練して得る方法。
これらのいずれの方法においても、得られたゴム組成物を所望の形状に賦形する前に、ゴム成分Bの加硫剤を配合しておく。ここで、所望の形状に賦形するとは、例えば、ロール状基材の上にゴム組成物を被覆することも包含する。所望の形状に賦形した後、ゴム成分Bを加硫して、加硫物(ゴム部材)を得る。
【0015】
本発明による動的加硫ゴム(ゴム成分Aの加硫物)の作製は、ミクロな架橋ゴムを熱可塑性樹脂中に分散した熱可塑性エラストマーの製造方法として常用されている方法に類似している。本発明における動的加硫は、例えば、密閉式混練機中で2種のゴム成分のうち、1種のゴム成分を加硫ゴムとして、未加硫のゴム成分中に適当な大きさで分散させることを特徴とする。動的加硫には、通常のゴム加硫と同様に高温での熱処理が必要であるが、通常のゴム加硫とは異なり、密閉式混練機中での混練時、強力な剪断力をゴムが受ける。さらに、動的加硫は、密閉式の混合機中で混練が行われるが、通常の加硫操作と比べると、空気の遮断が十分でない。このために、動的加硫では、ゴムの劣化が進行しやすいと推定できる。ゴムが劣化した場合のゴム組成物の特性変化は、その劣化機構が硬化型か軟化型かにより異なってくるが、引張応力、強度、伸びといった機械的特性に変化が現れやすい。
【0016】
このようなゴムの劣化による機械的特性の変化を防ぐには、通常、老化防止剤がゴムに添加される。ところが、本発明者らは、前記ゴム組成物を動的加硫法により調製するに際し、特定の老化防止剤を添加すると、機械的特性変化の防止効果よりも、導電性の安定化という従来予想もされない顕著な作用効果の得られることを見いだした。すなわち、導電性が均一で、ばらつきが極めて小さい加硫物(ゴム部材など)を得ることができる。しかも、この加硫物は、感光体などの被帯電部材を汚染することがない。
【0017】
動的加硫における導電性の安定化への老化防止剤の作用機構は、現段階では必ずしも明らかではないが、次のように推定される。一般的に、2種のポリマーをブレンドした場合、両者の相溶性、溶融粘度差、及びブレンド比によって、種々のモルホロジーを形成することが知られている。ポリマー種及びブレンド比を決めた場合、モルホロジーを決定する要因は、溶融粘度差になる。例えば、両者のブレンド比が1:1の時には、溶融粘度の高い方が分散相になることが知れている。また、両者の溶融粘度差が分散単位を決定する支配的要因であることも知られており、その差が小さい時に分散単位が小さくなる。
【0018】
初期溶融粘度がほぼ同じ2種のポリマーブレンド系の動的加硫における相形成過程を考察すると、動的加硫を受けたポリマー相は、その粘度が高くなり、相対的に他方の粘度より高くなるので、動的加硫されたポリマー相が分散相となり、そうでない方は連続相になる傾向が強いと推定される。ところが、動的加硫を行う高温の混練条件下では、ポリマー種によってはかなりの劣化が発生するため、予想通りの粘度差にならない場合が出てくる。劣化による粘度変化が大きいと、粘度差によるモルフォロジーの制御が困難となる。
【0019】
例えば、動的加硫時に、連続相にすべく設計したポリマー相に顕著な硬化型の劣化が発生すると、本来連続相となるべきポリマー相の粘度が高くなり、動的加硫されたポリマー相の粘度との差がほとんどなくなるか、場合によっては逆転してしまうので、当初の設計通りのモルフォロジーを形成できなくなる。逆に、動的加硫時に、連続相に軟化型の劣化が発生すると、動的加硫されたポリマーからなる分散相に十分な剪断力が作用しなくなるので、分散相の分散単位が大きくなり過ぎてしまう。
【0020】
動的加硫時におけるポリマーの劣化の程度は、動的加硫の諸条件、例えば、混合機の種類、剪断力、温度、混練時間によって大きく左右される。また、混合機内の温度分布、混練の不均一なども影響する。これらの条件が、わずかに異なることが、劣化の程度すなわち2種のポリマーの相対的粘度差に影響し、モフォロジーがばらついて導電性のばらつきになって現れるものと推定される。本発明に従えば、これらの条件が多少変動しても、老化防止剤がゴムの劣化を抑制するので、安定的なモルフォロジーの形成と均一な導電性の付与に寄与するものと考えられる。すなわち、ゴム成分Aの動的加硫時に、ゴム成分Bの劣化が抑制され、それによりゴム成分Aの加硫物の均一微細な分散相が形成され、ひいては、均一な導電性を有する加硫物が得られると推定される。
【0021】
ゴム成分A
本発明で使用するゴム成分A用のゴム材料としては、例えば、エピクロルヒドリン系ゴム、エポキシ基含有ゴム、アクリルゴム、クロロプレンゴム、エチレン−アクリル酸エステル系ゴム、ウレタンゴム、クロロスルホン化ポリエチレンゴム、ブチルゴム、フッ素ゴムなどを挙げることができる。エピクロルヒドリン系ゴムとしては、例えば、エピクロルヒドリンゴム(CHR)やエピクロルヒドリン−エチレンオキシドゴム(CHC)、エピクロルヒドリン−プロピレンオキシドゴムなどを挙げることができる。エポキシ基含有ゴムとしては、グリシジルメタクリレート、アリルグリシジルエーテル等のエポキシ基含有単量体を共重合したエポキシ化アクリルゴム(エポキシ基含有ACM);グリシジルメタクリレート、アリルグリシジルエーテル等のエポキシ基含有単量体を共重合したエポキシ化エチレン−アクリル酸エステル系ゴム;エポキシ化変性された天然ゴム、IR、SBR、NBR等のエポキシ化ジエン系ゴムなどを挙げることができる。これらのゴムは、それぞれ単独で、あるいは2種以上を組み合わせて使用することができる。これらの中でも、好適な物性が得られやすい点で、エポキシ基及び/またはハロゲン原子を分子鎖中に有するゴムが好ましく、エポキシ基含有ACM、CHR、及びCHCが特に好ましい。
ゴム成分Aとしては、ゴム成分Bを加硫しない加硫剤で加硫可能なゴムが好適であり、ゴム成分Bの加硫剤、例えば、硫黄、硫黄供与体、有機過酸化物以外の加硫剤で加硫できるものである。
【0022】
ゴム成分B
本発明で使用するゴム成分B用のゴム材料としては、例えば、アクリロニトリル−ブタジエンゴム(NBR)、アクリロニトリル−イソプレンゴム、アクリロニトリル−ブタジエン−イソプレンゴム、スチレン−ブタジエンゴム(SBR)、ブタジエンゴム(BR)、イソプレンゴム(IR)、天然ゴム(NR)などのジエン系ゴム;エチレン−プロピレン−ジエンゴム(EPDM)、ブチルゴム(IIR)、及びこれらのゴムの部分水素添加物などの不飽和二重結合を有するゴムを挙げることができる。部分水素添加物としては、例えば、水素化NBR、水素化SBRなどを挙げることができる。これらのゴムは、それぞれ単独で、あるいは2種以上を組み合わせて使用することができる。これらの中でも、強度が高いNBRが特に好ましい。ゴム成分B用のゴム材料は、通常、常温で固形のものであるが、特に低硬度のゴム成形品を所望する場合には、液状ゴムを少量(全ゴム成分中10重量%以下の割合)配合してもよい。
【0023】
全ゴム成分
全ゴム成分中のゴム成分Aの配合割合は、通常、20〜80重量%、好ましくは30〜75重量%、より好ましくは40〜70重量%である。全ゴム成分中のゴム成分Bの配合割合は、通常、80〜20重量%、好ましくは70〜25重量%、より好ましくは60〜30重量%である。ゴム成分Aの配合割合が少なすぎると、所望の柔軟性(硬度)を得ることが困難となり、多すぎると強度が低下する。また、ゴム成分Bの配合割合が小さすぎると、該ゴム成分Bが連続相を形成しにくくなり、所定の導電性を得ることが困難になる。
これらのゴム成分は、ロール、押出機、バンバリーミキサー等を用いた通常の混練法によりブレンドしてもよいが、乳化重合または懸濁重合により得られたスラリー同士を混合して、共凝固する方法を採用することもできる。なお、予めゴム成分Bに導電性粒子の80重量%以上を混合しておくことが、所定の導電性と硬さを得るために好ましい。
【0024】
導電性粒子
本発明で使用する導電性粒子としては、体積固有抵抗値が106 Ω・cm以下のものであって、例えば、導電性カーボンブラックやグラファイトなどのカーボン系導電性フィラー;銀、ニッケル、銅、アルミニウムなどの金属粉;非導電性粉体を銀などの金属や酸化錫などの金属酸化物で被覆処理したもの;金属酸化物;ポリアニリン、ポリピロール、ポリアセチレン等の導電性ポリマーなどを挙げることができる。これらの中でも、感光体を傷つけないことから、導電性カーボンブラックが好ましい。
【0025】
導電性カーボンブラックとしては、例えば、アセチレンブラック、コンダクティブファーネスブラック、スーパーコンダクティブファーネスブラック、エクストラコンダクティブファーネスブラック、コンダクティブチャンネルブラック、高温で熱処理されたファーネスブラック、チャンネルブラック等を挙げることができる。市販品としては、例えば、ファーネスブラックの一種であるケッチェンブラックECやケッチェンブラックEC−600JD(ケッチェンブラックインターナショナル社製)等が好ましいものとして挙げることができる。また、これらの導電性に優れたカーボンブラックの他に、HAF、ISAF、SAF、SRF、MAF、FEFなどの比較的低導電性のカーボンブラックでもよい。
金属酸化物としては、AlドープZnO、SnO2(酸化アンチモンドープ)被属TiO2、SnO2(酸化アンチモンドープ)被属SnO2、SnO2被属TiO2、K2O・nTiO2/SnO2・Sb2O6、SnO2(酸化アンチモンドープ)被属複合酸化物などが挙げられる。
【0026】
これらの導電性粒子は、それぞれ単独で、あるいは2種以上を組み合わせて使用することができる。高導電性のカーボンブラックと低導電性のカーボンブラックを併用し、両者の量比を変えることにより導電性の程度を制御することが好ましい場合もある。
導電性粒子の配合割合は、ゴム成分100重量部に対して、通常、1〜100重量部、好ましくは3〜80重量部、より好ましくは5〜70重量部である。導電性粒子の配合割合が少なすぎると、所望の電気抵抗値(導電性)を得ることができず、多すぎると、電気抵抗値が低くなりすぎ、硬度も高くなりやすい。導電性粒子は、通常、ロール、押出機、バンバリミキサー等を用いてゴム成分中に混練される。
【0027】
ゴム成分Aの加硫剤
ゴム成分A及びゴム成分Bは、互いに異なる加硫機構によって加硫されるゴム材料である。本発明では、加硫剤として、ゴム成分A用の加硫剤とゴム成分B用の加硫剤とを用いる。ゴム成分A用の加硫剤としては、該ゴム成分Aの加硫条件下でゴム成分Bを加硫しないものを使用する。
ゴム成分A中、エピクロルヒドリン系ゴムの加硫剤としては、ポリアミン類、2−メルカプトイミダゾリン類、2−メルカプトピリミジン類、メルカプトトリアジン類、チオウレア類などを挙げることができる。ポリアミン類としては、エチレンジアミン、ヘキサメチレンジアミンやこれらの塩が、2−メルカプトイミダゾリン類としては、2−メルカプトイミダゾリン、4−メチル−2−メルカプトイミダゾリン、5−エチル−4−ブチル−2−メルカプトイミダゾリンなどが、メルカプトトリアジン類としては、1,3,5−トリチオシアヌール酸、2−ブチルアミノ−4,6−ジメルカプト−s−トリアジンなどが、チオウレア類としては、チオウレア、ジブチルチオウレア、トリエチルチオウレアなどが、それぞれ挙げられる。
【0028】
エポキシ基含有ゴムの加硫剤としては、一般に、アミン化合物とその塩、イソシアナート化合物など、エポキシ基を架橋点とする加硫剤系を使用することができる。アミン化合物とその塩としては、例えば、イソシアヌル酸、オクタデシルトリメチルアンモニウムブロマイド、ジフェニルウレア、ヘキサメチレンテトラミン、p,p′−ジアミノジフェニルメタン、アンモニウムベンゾエート等の有機カルボン酸アンモニウム、ヘキサメチレンジアミンカルバメート、N,N′−ジシンナミリデン−1,6−ヘキサジアミン、4,4′−メチレンビス−(2−クロロアミリン)等を挙げることができる。イソシアナート化合物としては、例えば、トルイレンジイソシアナート、ジフェニルメタンジイソシアナート、ナフチレン−1,5−ジイソシアナートなどのポリイソシアナート類を挙げることができる。
【0029】
アクリルゴム及びエチレン−アクリル酸エステル系ゴムの加硫剤としては、例えば、トリエチレンテトラミン、トリエチルトリメチレントリアミン、ヘキサメチレンジアミンカルバメートなどのアミン化合物を挙げることができる。
クロロプレンゴムの加硫剤としては、例えば、酸化亜鉛、酸化マグネシウムなどを挙げることができる。加硫促進剤として、2−メルカプトイミダゾリンなどを併用することができる。
【0030】
ウレタンゴムの加硫剤としては、例えば、ビスマレイミド、ビスシトラコンアミドなどを挙げることができる。クロロスルホン化ポリエチレンゴムの加硫剤としては、例えば、酸化マグネシウム、一酸化鉛、三塩化マレイン酸鉛、アビエチン酸、水添ロジンなどを挙げることができる。ブチルゴムの加硫剤としては、p−ベンゾキノンジオキシム、ベンゾイルキノンジオキシムなどのキノン系架橋剤、あるいは樹脂架橋剤などを挙げることができる。フッ素ゴムの加硫剤としては、ヘキサメチレンジアミンカルバメート、エチレンジアミンカルバメートなどを挙げることができる。
【0031】
これらの加硫剤の配合割合は、ゴム成分Aの種類や加硫剤の種類によって異なるが、ゴム成分A100重量部に対して、通常、1〜15重量部、好ましくは2〜10重量部である。加硫剤は、それぞれ単独で、あるいは2種以上を組み合わせて使用することができる。ゴム成分Aとして、複数種のゴムを併用する場合には、それぞれのゴムの種類に応じた複数種の加硫剤を使用する。
【0032】
ゴム成分Bの加硫剤
ゴム成分Bの加硫剤としては、例えば、硫黄、硫黄供与体、有機過酸化物などを挙げることができる。硫黄供与体としては、例えば、テトラメチルチウラムジスルフィド、テトラブチルチウラムジスルフィド等のチウラム類を挙げることができる。有機過酸化物としては、例えば、ジクミルペルオキシド、ジ−t−ブチルペルオキシド、p−メンタンヒドロペルオキシド、クメンヒドロペルオキシド等を挙げることができる。
ゴム成分B中、EPDMの加硫剤としては、硫黄、硫黄供与体、キノン架橋剤系、有機過酸化物、樹脂架橋剤系などを使用することができる。
【0033】
これらの加硫剤の配合割合は、ゴム成分及び加硫剤の種類によって異なるが、ゴム成分B100重量部に対して、通常、0.5〜15重量部、好ましくは1〜10重量部である。
本発明では、必要に応じて、ジチオカーバメート類、チウラム類、グアニジン類、チアゾール類などの加硫促進剤、ステアリン酸、金属酸化物などの加硫促進助剤、老化防止剤など各種ゴム用配合剤を配合することができる。感光ドラムを汚染しないものであれば、導電性粒子を均一に分散させるための分散剤を配合することもできる。
【0034】
老化防止剤
本発明で使用される老化防止剤は、ヒドロキノン誘導体及びフェノール誘導体からなる群より選ばれる少なくとも一種の老化防止剤を必須成分とし、場合によっては、亜りん酸エステル類を併用してもよい。老化防止剤として、これら以外のアミン系として総称されるものは、動的加硫時に安定的なモルホロジー形成と均一な導電性付与に効果があるものの、ゴム加硫物表面へのブリードにより、接触する相手側、例えば、感光体を汚染する原因となるので、本発明の目的に合致しない。
【0035】
ヒドロキノン誘導体としては、例えば、2,5−ジ−(第三アミル)ヒドロキノン、2,5−ジ−第三−ブチルヒドロキノン、ヒドロキノンモノメチルエーテル、ヒドロキノンモノベンジルエーテルが挙げられる。
フェノール誘導体としては、例えば、1−オキシ−3−メチル−4−イソプロピルベンゼン、2,6−ジ−第三−ブチルフェノール、2,6−第三−ブチル−4−エチルフェノール、2,6−ジ−第三−ブチル−4−メチルフェノール、2,6−ジ−第三−ブチル−4−sec−ブチルフェノール、ブチル・ヒドロキシオニソール、スチレン化フェノール、2,2′−メチレン−ビス−(4−メチル−6−第三−ブチルフェノール)、2,2′−メチレン−ビス−(4−エチル−6−第三−ブチルフェノール)、4,4′−メチレン−ビス−(2,6−第三−ブチルフェノール)、2,2′−メチレン−ビス−(6−アルファメチル−ベンジル−p−クレゾール)、4,4′−ブチリデン−ビス(6−第三ブチル−m−クレゾール)、2,2′−エチリデン−ビス(4,6−ジ−第三ブチルフェノール)、1,1−ビス−(4−ヒドロキシフェニル)−シクロヘキサン、1,3,5−トリメチル−2,4,6−トリス(3,5−第三−ブチル−4−ヒドロキシベンジル)ベンゼン、1,3,5−トリス(4−第三ブチル−3−ヒドロキシ−2,6−ジメチルベンジル)イソシアヌレート、2−第三ブチル−6−(3’−第三ブチル−5′−メチル−2′−ヒドロキシベンジル)−4−メチルフェニル・アクリレート、4,4′−チオビス−(6−第三ブチル−3−メチルフェノール)、4,4′−ブチリデンビス−(3−メチル−6−第三ブチルフェノール)、2,2−チオビス(4−メチル−6−第三ブチルフェノール)、n−オクタデシル−3−(4′−ヒドロキシ−3′,5′−ジ−第三ブチルフェニル)プロピオネート、テトラキス−’[メチレン−3−(3′,5′−ジ−第三ブチル−4′−ヒドロキシフェニル)プロピオネート]メタン、トリエチレングリコール−ビス[3,(3−第三ブチルアニリノ)−2,4−ビスオクチル−チオ−1,3,5−トリアジン、2,4−ビス[(オクチルチオ)メチル]−o−クレゾールが例示される。
亜りん酸エステル類としては、例えば、トリス(ノニルフェニル)ホスファイト、トリフェニルホスファイト、トリス(2,4−ジ−第三ブチルフェニル)ホルファイトが挙げられる。
【0036】
ヒドロキノン誘導体及び/またはフェノール誘導体の添加量は、ゴム成分100重量部当たり0.1〜5重量部、好ましくは0.2〜2重量部である。老化防止剤の添加量が少なすぎると、導電性の安定化効果が不充分であり、多すぎると、ゴム加硫物表面への移行(いわゆるブルーム)が著しくなるので、いずれも好ましくない。亜リン酸エステル類の添加量は、ゴム成分100重量部当たり0〜5重量部である。亜りん酸エステル類は、添加しなくてもよいが、フェノール誘導体と併用すると、相乗効果により老化防止効果を高めることができる。ただし、亜リン酸エステル類の添加量が多すぎると、ブルームが著しくなるので好ましくない。これらの老化防止剤は、原料ゴムの製造段階で添加されてもよいし、動的加硫時に添加されてもよい。
【0037】
導電性ゴム組成物及びその製造方法
本発明において、ゴム成分Aの加硫物、該ゴム成分Aとは異なる機構により加硫されるゴム成分B、導電性粒子、及び老化防止剤を含有するゴム組成物(1)は、通常、ゴム成分A、ゴム成分B、導電性粒子、ゴム成分Aの加硫剤、及び老化防止剤を混練して、ゴム成分Aを加硫することにより得ることができる。すなわち、ゴム材料と導電性粒子を混練する過程で、ゴム成分Aと老化防止剤の存在下に、一次加硫し、ゴム成分Aの加硫物とゴム成分Bと導電性粒子とを含有する導電性ゴム組成物を調製する。ゴム成分Aとして、複数種のゴムを用いる場合には、それぞれのゴムに応じた加硫剤の添加と加熱加硫の操作を必要回数行う。
【0038】
この一次加硫工程は、いわゆる動的加硫による加硫工程である。動的加硫は、各成分をバンバリーミキサー等の混練装置で混練する際に、ゴム成分Aの加硫剤を加え、加熱してゴム成分Aを加硫させることにより行うことができる。加熱などの加硫条件は、各ゴム成分の種類に応じて、通常の条件を採用することができる。動的加硫は、密閉式の混練機、例えば、バンバリーミキサー、ニーダー、2軸押出機などで行うことができる。
【0039】
この一次加硫工程により、ゴム組成物中には、加硫されたゴム成分Aと未加硫のゴム成分Bと共存することになるが、これにより、導電性粒子は、未加硫ゴム成分B中に多く存在するようになり、加硫ゴム成分A中には、ほとんど含まれないか、あるいは平均含有率より小さい含有率となる。ただし、ゴム成分Bに、必要量の導電性粒子の80重量%以上を予め混合しておくと、所定の導電性と硬さを容易に得ることができるので、好ましい。ゴム成分Bが連続相を形成し、導電相となることが本発明の目的を達成するために必要である。このためには、導電性粒子がゴム成分Bに偏在することが必要である。ゴム成分Bと導電性粒子を予め混合することにより、ゴム成分Aと混合して動的加硫した時に、導電性粒子のゴム成分Bからゴム成分Aへの移行を抑制することができる。導電性粒子の混合は、機械的にゴムと導電性粒子を混合する方法によってもよいし、ゴムラテックスと導電性粒子を混合後、乾燥して得る方法によってもよい。
【0040】
一次加硫工程において、導電性粒子を混合せずに、一次加硫工程の後に配合するか、あるいは一次加硫工程において、配合すべき導電性粒子の全量の一部を混合して、残余を一次加硫工程の後に追加的に配合してもよい。これらの方法によっても、ゴム成分Bに対する導電性粒子の含有率を高めることができる。
上記のいずれの方法によっても、一次加硫工程の後に、ゴム成分Aの加硫物、ゴム成分B、導電性粒子、及び老化防止剤を含有する導電性ゴム組成物(1)が得られる。次に、この導電性ゴム組成物(1)に、ゴム成分Bの加硫剤を配合して導電性ゴム組成物(2)を調製する。一次加硫工程の後、導電性粒子の全量または残余を配合する場合には、該導電性粒子をゴム成分Bの加硫剤の配合時に、同時に配合することができる。このようにして調製したゴム組成物(2)は、混練した後、所望の形状に賦形し、二次加硫を行って、加硫物(導電性ゴム成形品またはゴム部材)とする。温度等の加硫条件は、ゴム成分Bの種類に応じて、通常の条件を採用することができる。
【0041】
導電性ゴム組成物(2)は、未加硫ゴム成分B中に加硫ゴム成分Aが均一に分散しており、例えば、押出成形やプレス成形などにより、所望の形状に賦形することが可能である。ゴム成分Bの加硫剤を含有するゴム組成物(2)の調製方法としては、通常の混練法を採用することができる。このようにして得られたゴム組成物(2)は、押出成形やプレス成形等の方法を用いて、例えば、板状や円筒状などの所望の形状に成形加工することができる。ゴム組成物(2)を用いて導電性ゴムロールを成形する場合には、導電性の芯金の外周面に押出成形する。所定形状に成形したゴム組成物(2)は、ゴム成分Bの加硫剤を利用して二次加硫する。この結果、全てのゴム成分が加硫される。
【0042】
このような二段階工程を採用することにより、後述の導電性ロールや導電性ブレードを製造した場合、23℃、50%RHでの電気抵抗値が、通常、103〜1010Ω、好ましくは104〜109Ω、より好ましくは105〜108Ωであって、しかも10℃、20%RHの低温低湿度下、及び35℃、80%RHの高温高湿度下でも、電気抵抗値の変化の少ないゴム加硫物を得ることができる。また、このような二段階工程を採用することにより、JIS−A硬度が、通常、20〜60度、好ましくは25〜50度、より好ましくは30〜45度の導電性ゴム成形品が得られる。さらに、動的加硫時に特定の老化防止剤を存在させることにより、製造ロット間及び各ロット内の導電性のばらつきが小さい加硫物を安定的に得ることができる。しかも、ブリードによる被帯電部材への汚染の問題もない。
【0043】
ゴム成分として、ゴム成分Bのみを使用して、所望の電気抵抗値を達成しようとすると、JIS−A硬度が高くなりやすい。ゴム成分として、ゴム成分Bとゴム成分Aを併用しても、前述の一次加硫工程と二次加硫工程により加硫成形せずに、一段階で加硫すると、加工性が低下し、電気抵抗値も高くなりやすい。本発明の方法により二段階で加硫すると、ゴム成分B中の導電性粒子の含有率が高くなり、電気抵抗値が低くなる。ところが、導電性粒子の配合割合が同じであっても、一段階で加硫すると、ゴム成分A及びB中の導電性粒子の含有率が同じになるため、JIS−A硬度は低くなるものの、電気抵抗値は高くなる。ゴム成分A及びBの両方を用いて、一段階で加硫し、電気抵抗値を下げるには、導電性粒子の配合割合を大きくしなければならず、その結果、硬度は高くなる。本発明の製造方法により、ゴム成分B中の導電性粒子の濃度を加硫ゴム成分Aよりも高くすると、硬度及び電気抵抗値を所定の範囲内にすることができる。
【0044】
すなわち、上記二段階加硫工程を採用することにより、▲1▼ゴム成分Aの加硫物相とゴム成分Bの加硫物相とからなるミクロドメイン構造が形成され、▲2▼ゴム成分Aの加硫物相よりもゴム成分Bの加硫物相の中の導電性粒子の濃度が高く、▲3▼所定の導電性を保持すると共に、導電性粒子の濃度が低いゴム成分Aの加硫物相の存在により、所定の柔軟性を有する導電性ゴム成形品を得ることができる。二段階加硫工程により、ゴム成分Aの加硫物相よりもゴム成分Bの加硫物相の中の導電性粒子の濃度が高くなることは、同じ組成で、一段階で加硫して得られた加硫物と二段階で加硫して得られた加硫物の各電気抵抗値を対比すると、後者の電気抵抗値が大幅に小さくなっていることから明らかである。
【0045】
本発明のゴム加硫物は、導電性ゴム組成物中に、ブリードアウトして感光体を汚染する軟化剤のような添加剤を含有させなくても、適度の柔軟性を有する。したがって、本発明の導電性ゴム成形品は、例えば、帯電ロールとして、感光体を汚染することなく、直接接触させて使用することが可能である。また、表面粗さや表面摩擦係数の調整のために、研磨や樹脂コーティング、紫外線照射をすることができるので、画像形成装置用部材に容易に成形加工できる。
【0046】
本発明の導電性ゴム成形品は、電子写真複写機や静電記録装置などの画像形成装置において使用される現像ロール、帯電ロール、転写ロールなどの導電性ロール、あるいはトナー層形成用ブレード、クリーニングブレードなどの導電性ブレードなどの導電性部材として使用することができるが、これらの他に、電気的特性と柔軟性を活かして、電子写真複写機における各種ベルトなどとしても有用である。さらには、本発明の導電性ゴム成形品は、画像形成装置における各種ゴムロールの表面保護層や抵抗調整層などとしても使用することができる。
【0047】
画像形成装置
本発明の導電性ゴム組成物を用いて作製した導電性ゴムロールなどを備えた画像形成装置の具体例について説明する。
図1に、画像形成装置の一例の断面図を示す。この画像形成装置では、像担持体として感光体ドラム1が矢印方向に回転自在に装着されている。感光体ドラム1は、通常、導電性支持ドラム体の外周上に光導電層(感光体層)を設けた構造を有している。光導電層は、例えば、有機系感光体、セレン感光体、酸化亜鉛感光体、アモルファスシリコン感光体などで構成される。
【0048】
感光体ドラム1の周囲には、その周方向に沿って、帯電手段3、潜像形成手段4、現像手段5、転写手段6、及びクリーニング手段2が配置されている。帯電手段3は、感光体ドラム1の表面をプラスまたはマイナスに一様に帯電する作用を担う。この帯電手段3として、図1には帯電ロールを示したが、これ以外に、例えば、帯電ブレードやコロナ放電装置などを用いることができる。潜像形成手段4は、画像信号に対応した光を、一様に帯電された感光体ドラム表面に所定のパターンで照射して、被照射部分に静電潜像を形成する(反転現像方式)か、あるいは、光が照射されない部分に静電潜像を形成する(正規現像方式)作用を行う。潜像形成手段4は、例えば、レーザ装置と光学系との組み合わせ、あるいはLEDアレイと光学系との組み合わせにより構成される。
【0049】
現像手段5は、感光体ドラム1表面に形成された静電潜像に現像剤(トナー)を付着させる作用を行う。現像手段5は、通常、現像ロール8、現像ロール用ブレード9、現像剤10の収容手段(収容ケーシング)11、及び現像剤供給手段(供給ロール)12を備えた現像装置である。現像ロール8は、感光体ドラム1に対向して配置されており、通常、その一部が感光体ドラム1に接触するように近接して配置され、感光体ドラム1とは反対方向に回転させる。供給ロール12は、現像ロール8に接触して、現像ロール8と同じ方向に回転するようにし、現像ロール8の外周にトナー10を供給する。現像ロール8は、現像装置内で回転させると、摩擦による静電気力などにより現像剤収容手段11内のトナー10が外周面に付着する。現像ロール用ブレード9は、回転する現像ロール8の外周面に当接し、現像ロール8の外周面に形成されるトナー層の層厚を調節する。反転現像方式においては、感光体ドラム1の光照射部にのみトナーを付着させ、正規現像方式においては、光非照射部にのみトナーを付着させるように、現像ロール8と感光体ドラム1との間にバイアス電圧が印加される。
【0050】
使用するトナーについては、特に限定されないが、短径rsと長径rlとの比rs/rlが0.8〜1.0であるものが好ましく、0.9〜1.0のものがより好ましい。真球に近い形状を有する重合トナーが特に好ましい。
転写手段6は、現像手段5により形成された感光体ドラム1表面のトナー像を被転写材(転写紙)7に転写するためのものであり、図1には転写ロールを示したが、これ以外に、例えば、転写ベルトやコロナ放電装置などを使用することができる。クリーニング手段2は、感光体ドラム1の表面に残留したトナーを清掃するためのものであり、例えば、清掃用ブレードなどにより構成される。このクリーニング手段は、現像時と同時にクリーニング作用を行う方式の場合には、必ずしも必要ではない。
【0051】
したがって、本発明によれば、像担持体、帯電手段、潜像形成手段、現像手段、及び転写手段を備えた画像形成装置において、前記の導電性ゴムロールが、帯電手段としての帯電ロール、現像手段中の現像ロール、及び転写手段としての転写ロールの内の少なくとも1つとして配置された画像形成装置が提供される。
もちろん、本発明のゴム組成物から形成された導電性ゴムブレードを、各種ブレードとして配置した画像形成装置も提供することができる。
【0052】
【実施例】
以下に実施例及び比較例を挙げて、本発明についてより具体的に説明するが、本発明は、これらの実施例のみに限定されるものではない。以下の例において、部及び%は、特に断りのない限り、重量基準である。
物性の測定方法は、以下の通りである。
(1)電気抵抗値
芯金(シャフト)とロール表面に電極を接触させ、ロール材料の抵抗値を測定した。一方の電極を金属シャフトに接続させ、他方の電極を金属板に接続し、この金属板に、ロールのシャフトの両端に250gの荷重をかけた状態で、ロールを接触させ、抵抗値を測定した。測定機として日置電気(株)製メガオームテスター3119型を用い、試料を23℃、50%RHの環境下に48時間放置した後、測定電圧250Vで測定を行った。
(2)硬さ
JIS K−6253に従って、JIS A硬さを測定した。
(3)感光体の汚染性
図1に示す画像形成装置において、ゴムロールを帯電ロールとして用い、2万枚複写後の感光体表面を目視で観察し、以下の基準で汚染の状態を評価した。
○:感光体表面に汚染が認められない、
×:感光体表面に帯電ロールからのブリードによる汚染が認められる。
【0053】
[実施例1〜9、比較例1〜4]
表1に示す配合処方に従って、バンバリーミキサーを用いて、アクリロニトリル−ブタジエンゴム(NBR)100部にカーボンブラック40部を混合したマスターバッチ(NBRCM)、及びブタジエンゴム(BR)100部にカーボンブラック40部を混合したマスターバッチ(BRCM)を作製した。
次いで、表2に示す配合処方に従って、これらのマスターバッチとアクリルゴム及び/またはエピクロルヒドリンゴムを混合し、動的加硫を行った。動的加硫は、容量1リットルのニーダーを用い、チャンバー温度145℃、ブレード回転数48rpm、充填率75%で20分間行った。
動的加硫後の組成物に、表3に示す配合処方に従って、加硫剤を混合後、8mmφ×280mmのステンレス鋼製の心棒の回りに該組成物を被覆して、160℃、30分間加熱してロール状成形品を得た。得られた成形品の表面を研磨して、20mmφ×250mmのゴムロールを得た。同一の配合処方につき、前記実験を3回繰り返して、電気抵抗、硬さ及び感光体の汚染性を調べた。結果を表2に示す。
【0054】
【表1】
(*1)日本ゼオン(株)製 Nipol DN401LL
(*2)日本セオン(株)製 Nipol 1220L
(*3)三菱化学(株)製 ダイアブラックA
【0055】
【表2】
【0056】
(*4)日本ゼオン(株)製 Nipol AR53L
(*5)日本ゼオン(株)製 Gechron 1000
(*6)2,5−ジ(第三ブチル)ヒドロキノン
(*7)2,6−ジ−(第三ブチル)−4−メチルフェノール
(*8)オクタデシル−3−(3,5−ジ−第三ブチル−4−ヒドロキシフェニル)ブロピオネート
(*9)2,4−ビス[(オクチルチオ)メチル]−o−クレゾール
(*10)トリス(ノニルフェニル)ホスファイト
(*11)N−イソプロピル−N′−フェニル−p−フェニレンジアミン
(*12)6−エトキシ−2,2,4−トリメチル−1,2−ジヒドロキノリン
(*13)[log(最大値/最小値)/log(平均値)]×100
【0057】
【表3】
【0058】
[実施例10〜13、比較例5]
表4に示す配合処方に従って、NBRに対するカーボンブラックの配合割合を変化させたマスターバッチを作製した後、動的加硫を行った。動的加硫後、実施例1と同様の配合処方と成形条件でロールを作製し、評価した。結果を表4に示す。なお、実施例13は、実施例10とほぼ同じ電気抵抗を得るために、動的加硫時に必要量のカーボンブラックを全量添加したものである。
【0059】
【表4】
【0060】
【発明の効果】
本発明によれば、所定の電気抵抗と硬さを有する導電性ゴム組成物を安定的に得ることができる。本発明の導電性ゴム組成物は、電子写真複写機や静電記録装置等の画像形成装置において使用される導電性ブレードなどのゴム材料として好適である。
【図面の簡単な説明】
【図1】静電式画像形成装置の一例を示す断面略図である。
【符号の説明】
1:感光体ドラム1
2:クリーニング手段
3:帯電手段
4:潜像形成手段
5:現像手段
6:転写手段
7:被転写材(転写紙)
8:現像ロール
9:現像ロール用ブレード
10:現像剤
11:現像剤の収容手段(収容ケーシング)
12:現像剤供給手段(供給ロール)
Claims (6)
- ゴム成分Aの加硫物、該ゴム成分Aとは異なる機構により加硫されるゴム成分B、導電性粒子、並びにヒドロキノン誘導体及びフェノール誘導体からなる群より選ばれる少なくとも一種の老化防止剤を含有することを特徴とするゴム組成物。
- ゴム成分Aの加硫物と未加硫のゴム成分Bとを含むゴム成分100重量部に対して、導電性粒子1〜100重量部、並びにヒドロキノン誘導体及びフェノール誘導体からなる群より選ばれる少なくとも一種の老化防止剤0.1〜5重量部を含有し、かつ、導電性粒子がゴム成分Aよりもゴム成分Bの方に多く存在するゴム組成物。
- ゴム成分Aの加硫物が、少なくともゴム成分Aとゴム成分Bを含有する組成物中で、ゴム成分Aがゴム成分Aの加硫剤と前記老化防止剤の存在下に動的加硫されたものである請求項1または2記載のゴム組成物。
- 導電性粒子の少なくとも80重量%がゴム成分Bの方に存在する請求項1ないし3のいずれか1項に記載のゴム組成物。
- 請求項1ないし4のいずれか1項に記載のゴム組成物を所望の形状に賦形した後、ゴム成分Bを該ゴム成分Bの加硫剤の存在下に加硫してなるゴム部材。
- 請求項5記載のゴム部材を備えた静電式画像形成装置。
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