JP2004059691A - 導電性ゴム組成物 - Google Patents

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Hirohiko Yoshida
吉田 裕彦
Fusao Shibata
芝田 房夫
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Abstract

【課題】良好な物性を有し環境安定性にも優れた導電性ゴム組成物、並びに、それを用いてなる、感光体周辺に配される帯電部、現像部や転写部に用いられるローラや転写部に用いられるベルト等の電子写真装置用のゴム部材を提供する。
【解決手段】エチレン−プロピレン−ジエン三元共重合体及び主鎖にエーテル結合を有するポリマーを含有する導電性ゴム組成物であって、前記エチレン−プロピレン−ジエン三元共重合体は、ジエン成分として5−エチリデン−2−ノルボルネンを7重量%以上含有するものであり、前記エチレン−プロピレン−ジエン三元共重合体の含有量は、全ポリマーの50重量%以上95重量%未満である導電性ゴム組成物。
【選択図】     なし

Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、良好な物性を有し環境安定性にも優れた導電性ゴム組成物、並びに、それを用いてなる電子写真装置用のゴム部材に関する。特に感光体周辺に配される帯電部、現像部や転写部に用いられるローラや転写部に用いられるベルトに関する。
【0002】
【従来の技術】
感光体上に形成されたトナー画像を紙等の記録媒体に転写する転写装置には、記録媒体の裏面から弾性部材で構成される転写ローラを感光体に接触させ、転写ローラの軸に電圧を印加することで転写電界を発生させて、トナーを転写する接触転写方式を用いたものがある。転写ローラを用いる場合、記録媒体を定着装置に搬送する搬送ローラが別途必要である。
【0003】
一方、トナーの転写と記録媒体の搬送との機能を兼ね備えた導電性無端ベルトである転写搬送ベルトが用いられることもある。この場合、導電性無端ベルトは、複数のローラを用いて多軸で駆動され、ベルトの表面に表面電位を形成して、記録媒体を吸着搬送し、転写位置で記録媒体にトナー画像の転写を行う。
【0004】
図1及び図2は転写搬送ベルトを示す図であり、図3は転写搬送ベルトが搭載されている電子写真装置の画像形成部の断面図である。
直円筒状の感光体11は帯電ローラ21によって感光体11との間に電圧がかけられ、例えば負の電荷がその表面に均一に付与される。電荷が付与された感光体11は矢符16の方向に回転駆動されて、露光領域12に至り露光手段22からのレーザー光によって画像が露光され、露光部分の電荷が中和されて静電潜像が形成される。
【0005】
感光体11は更に回転駆動されて、現像領域13に至り、上記静電潜像がトナーによって現像される。このトナーは現像装置23において攪拌手段24によって相互に摩擦接触して負に帯電している。帯電トナーは供給ローラ25を介して現像ローラ26に供給され、規制ブレード27によって現像ローラ26上に薄層化して担持される。トナー薄層が感光体11と接触する位置まできたとき、感光体11と現像ローラ26との間に電界圧をかけることにより、最適量のトナーが現像ローラ26から感光体11の電荷が中和された静電潜像の部分に供給され、トナー像として現像される。
【0006】
感光体11は更に回転駆動されて転写領域14に至り上記トナー像が感光体11と転写搬送ベルト1との間に供給される紙28等の記録媒体に転写される。転写搬送ベルト1は2つのローラ41、42に張架され、矢符40方向に駆動される。
【0007】
感光体11に近いローラ(従動ローラ)41はその軸43に高圧電源装置45の正極が接続され、軸43周囲の導電弾性層44を介して転写搬送ベルト1に正の電極が与えられ、転写搬送ベルト1の正の電荷によって負に帯電した感光体11上のトナーが吸引され、感光体11と転写搬送ベルト1との間に搬送された紙28に感光体11上のトナーが転写される。他のローラ(駆動ローラ)42には図示しないモーター等の駆動源が接続される。感光体11は更に回転駆動され、クリーニング領域15に至り、クリーニングブレード29で感光体11上の残留トナーがクリーニングされ、残留する電荷が除電手段30で除かれる。
【0008】
紙28は2個の紙送りローラ46により感光体11と転写搬送ベルト1との間に供給されて、トナー像が転写された後、定着装置47に搬送され、トナー像が定着される。
転写ローラを用いる場合は、転写搬送ベルト1部分がローラになり駆動ローラ42が除かれる。また転写ローラはモーター等の駆動源が接続されず感光体11に押しつけられた状態で、感光体11の回転に対し従動する。
【0009】
これらの転写搬送ベルト、転写ローラ、帯電ローラ、現像ローラ等の部材に対して、従来は非導電ゴムにカーボンブラック等の導電粒子を分散したゴム組成物が用いられていたが、ベルトやローラの同一表面上での電気抵抗値のばらつきや、ロット変動に対する電気抵抗値のばらつきに起因する画像ムラ、かぶり、トナーのちり、放電ムラ等の画像異常が生じるという問題点があった。
これを解消するために導電ポリマーを用いたり、導電ポリマーを混合したブレンドゴムを用いたりする手段が提案されている。また、NBRにアルキレンオキサイドとエピハロヒドリンとエチレン性不飽和エポキシドとからなる共重合体ゴムを混合したブレンドゴムを用いる手段も提案されている(特開平8−292640号)。しかしこれには電気抵抗値の環境変化に対する変動が激しいという問題点があった。
【0010】
導電性低分子可塑剤を混合したゴム組成物をベルトやローラに用いても、同様に電気抵抗値の環境変化に対する変動が激しかったり、可塑剤がブリードして放電時に感光体汚染等を生じたりし、画像異常が生じるという問題点があった。
Li等の導電イオンをポリマーに添加する手段も提案されているが、これにも電気抵抗値の環境変化に対する変動が激しいという問題点があった。
【0011】
電気抵抗値の環境変化に対する変動が激しいと、抵抗値が上昇したときに電界をかけても電気(電荷)が流れにくいので、トナーが適正な量移動できずに良好な画像が出力できない。一方、抵抗値が下がったときには電気が流れすぎて異常放電が起こったり、感光体との間でリークが起こったりし、感光体表面が絶縁破壊して、異常画像が生じることとなる。
【0012】
更に、複数種のゴムを混合したブレンドゴムを用いる場合には、物性が低下しやすく、その結果、放置により永久変形して、使用時その変形した部分について異常画像が生じるという問題点があった。
【0013】
【発明が解決しようとする課題】
本発明は、上記現状に鑑み、良好な物性を有し環境安定性にも優れた導電性ゴム組成物、並びに、それを用いてなる、感光体周辺に配される帯電部、現像部や転写部に用いられるローラや転写部に用いられるベルト等の電子写真装置用のゴム部材を提供することを目的とするものである。
【0014】
【課題を解決するための手段】
本発明は、エチレン−プロピレン−ジエン三元共重合体(EPDMと略す)及び主鎖にエーテル結合を有するポリマーを含有する導電性ゴム組成物であって、前記エチレン−プロピレン−ジエン三元共重合体は、ジエン成分として5−エチリデン−2−ノルボルネンが7重量%以上用いられてなるものであり、前記エチレン−プロピレン−ジエン三元共重合体の含有量は、全ポリマーの50重量%以上95重量%未満である導電性ゴム組成物である。
この構成を採ることにより、非極性EPDMの環境変化に対する特性の変動が小さい特徴や主鎖にエーテル結合を有するポリマーの特徴である導電性が有効に生かされ、環境変化に対して導電性の変動を抑えることができる。
以下に本発明を詳述する。
【0015】
【発明の実施の形態】
本発明の導電性ゴム組成物は、ベースポリマー(マトリックスポリマー)としてEPDMを含有するものである。ベースポリマーとして非極性ゴムであるEPDMを用いると、得られた導電性ゴム組成物の環境変化に対する導電性の変動が抑えられる。なお、本発明におけるEPDMにはプロピレンの代りに1−ブテン等が用いられているものも含まれる。
上記EPDMとしては特に限定されず、例えば、そのジエン成分として、ジシクロペンタジエン(DCPD)、5−エチリデン−2−ノルボルネン(ENB)、1,4−ヘキサジエン(1,4−HD)等が用いられてなるものを挙げることができるが、なかでも、ジエン成分としてENBが用いられてなるものが、永久歪みが小さく、柔軟性に富む点で好ましい。
【0016】
上記EPDMのジエン成分の含有量は、7重量%以上であることが好ましい。7重量%未満であると、長鎖分枝の生成が不充分で、強度や形状保持等の物性が不充分であり、圧接放置により永久変形し、ベルトやローラとしての性能が発揮できない恐れがある。より好ましくは8〜20重量%である。
【0017】
本発明の導電性ゴム組成物は、導電ポリマーとして主鎖にエーテル結合を有するポリマーを含有する。主鎖にエーテル結合を有するポリマーを用いると、得られるゴム組成物に導電性が付加される。
上記主鎖にエーテル結合を有するポリマーとしては、液状の低分子ポリマー等を用いてもよいが、加工性、得られた導電性ゴム組成物の機械的特性、放置環境での未反応物の染み出し等を考慮すると架橋反応しうるものが好ましい。
【0018】
このような架橋反応しうるポリマーとしては、モノマーとして、少なくとも、エチレンオキサイド、プロピレンオキサイド、又は、エピクロルヒドリンが用いられてなり、これらの成分を含有するものが好適に使用され、例えば、エチレンオキサイド単独重合体、プロピレンオキサイド単独重合体、エピクロルヒドリン単独重合体、エピクロルヒドリン−プロピレンオキサイド共重合体、エピクロルヒドリン−プロピレンオキサイド−アリルグリシジルエーテル共重合体等のエピクロルヒドリンゴム;エチレンオキサイド−プロピレンオキサイド共重合体;エチレンオキサイド−プロピレンオキサイド−アリルグリシジルエーテル共重合体等が挙げられる。このようなポリマーを用いることにより、モノマー種の組み合わせにより、導電性付与とともに、耐オゾン性や耐熱性等の物性を変化させることができ、種々の要求に対応できる。
これらのポリマーのなかでも、モノマーとしてアリルグリシジルエーテルが用いられ、アリルグリシジルエーテル成分を含有するものが好ましい。アリルグリシジルエーテルを用いることにより、ポリマー側鎖に二重結合が配され、ベースポリマー(EPDM)と架橋を形成し、永久歪みを小さくし、引張強度や柔軟性を向上できる。
【0019】
上記EPDMの含有量は、全ポリマーの50重量%以上95重量%未満であることが好ましい。50重量%未満であると、EPDMの特性が発現しにくくなり、物性が不充分となり、圧接放置により永久変形が残り、機能が劣ることがあり、95重量%以上であると、導電性が不充分となることがある。より好ましくは60〜90重量%であり、65〜75重量%であるのが特に好ましい。
【0020】
本発明の導電性ゴム組成物は、更に、カーボンブラックを含有することを特徴とする。この構成を採ることにより、主鎖にエーテル結合を有するポリマーによる導電性付与に加えて、カーボンブラックによる導電性を付与することができ、導電性の環境変動に対する変化が更に小さくなり、機械的特性や加工性も合わせて向上することができる。
上記カーボンブラックの含有量は、EPDMと主鎖にエーテル結合を有するポリマーとの合計100重量部に対して、10〜50重量部であることが好ましい。10重量部未満であると、物性補強効果が充分に発揮されず、50重量部を超えると、加工による導電性の変動、導電性のばらつきが生じやすくなる。上記カーボンブラックの含有量は、10〜50重量部の範囲内で、粒度、DBP吸油量等のグレードに応じて、更に調整することがより好ましく、例えば、シーストVの場合は、20〜50重量部であることがより好ましい。
【0021】
本発明の導電性ゴム組成物は、更に、塩素化ポリエチレンを含有することを特徴とする。塩素化ポリエチレンを含有すると、物性が更に良好となり、放置しても永久変形しにくくなる。
上記塩素化ポリエステルの含有量は、EPDMと主鎖にエーテル結合を有するポリマーとの合計100重量部に対して、3〜20重量部であることが好ましい。3重量部未満であると、上記の効果が充分に発揮されず、20重量部を超えると、加工による導電性の変動、導電性のばらつきが生じることがある。
【0022】
本発明の導電性ゴム組成物は、更に、イオン導電剤を含有することが好ましい。イオン導電剤を含有すると、得られる導電性ゴム組成物の導電性が更に向上し、環境による変化も小さくなる。
上記イオン導電剤としては特に限定されず、例えば、LiClO等の過塩素酸リチウム塩、LiCSO、LiCFSO等のLiの塩;過塩素酸テトラエチルアンモニウム、過塩素酸テトラブチルアンモニウム、塩化テトラメチルアンモニウム、塩化テトラエチルアンモニウム、塩化テトラブチルアンモニウム、臭化テトラメチルアンモニウム、臭化テトラプロピルアンモニウム、ヨウ化テトラメチルアンモニウム等の4級アンモニウム塩等を挙げることができる。上記イオン導電剤としてLiの塩、4級アンモニウム塩は導電性付与効果が大きく、環境変化に対する導電性の変動が小さい点で好ましく用いられる。
【0023】
上記イオン導電剤の含有量は、通常EPDMと主鎖にエーテル結合を有するポリマーとの合計100重量部に対して、0.1〜10重量部とされる。
【0024】
本発明の導電性ゴム組成物は加硫剤を加えて架橋し、目的の形状に成形することができる。
上記加硫剤としては特に限定されず、例えば、硫黄、有機含硫黄化合物、有機過酸化物等を挙げることができる。
上記有機含硫黄化合物としては特に限定されず、例えば、テトラメチルジチウラムスルフィド、ジベンゾチアジルジスルフィド、2−メルカプトベンゾチアゾール、N−シクロヘキシル−2−ベンゾチアゾリルスルフェンアミド、ジメチルジチオカルバミン酸亜鉛等を挙げることができる。
上記有機過酸化物としては特に限定されず、例えば、ジクミルパーオキサイド、ジ−t−ブチルパーオキサイド、t−ブチルクミルパーオキサイド、ベンゾイルパーオキサイド、1,3−ビス(t−ブチルパーオキシイソプロピル)ベンゼン、2,5−ジメチル−2,5−ジ(t−ブチルパーオキシ)ヘキシン−3、2,5−ジメチル−2,5−(ベンゾイルパーオキシ)ヘキサン、2,5−ジメチル−2,5−モノ(t−ブチルパーオキシ)ヘキサン等を挙げることができる。
【0025】
本発明の導電性ゴム組成物は、更に必要に応じて、加硫促進剤、加硫促進助剤、充填剤、導電性無機粒子、相容化剤、補強剤、軟化剤、充填剤、老化防止剤、発泡剤等を含有してもよい。
このうち相容化剤を添加すると、物性が更に安定化し、また、本発明の導電性ゴム組成物は極性の異なるポリマーを混合してなるものであるため混練性や加工性が不充分である場合があるが、それが改善される。
【0026】
本発明の導電性ゴム組成物は適宜、架橋・成形して種々の用途に用いることができる。本発明の導電性ゴム組成物の用途としては特に限定されず、例えば、転写ベルト、中間転写ベルト、転写搬送ベルト等の電子写真装置用ベルト部材;帯電ローラ、現像ローラ、転写ローラ等の電子写真装置用ローラ部材等のゴム部材を挙げることができる。
本発明の導電性ゴム組成物を用いてなる電子写真装置用のベルトやローラ等のゴム部材もまた、本発明の1つである。本発明の導電性ゴム組成物を用いることにより、導電性の環境条件による変動が少なく、引張強度や屈曲性、耐オゾン性等の物性に優れた電子写真装置用のベルトやローラ等のゴム部材が得られる。
【0027】
上記ゴム部材の代表である転写ベルトは、一般的に、表面層及び導電性基材層から構成されるが、この際、本発明の導電性ゴム組成物は導電性基材層に用いられることが好ましい。
上記転写ベルトの作製方法としては、各種配合材料を混練した本発明の導電性ゴム組成物を円筒状の内型と外型とを組んだ金型にトランスファー等で充填するか、又は、円筒状金型にゴム組成物シートを巻き付け、ゴムスリーブやラッピング材で覆い、加熱加圧して加硫を行い、脱型して得られた円筒体を必要により外周面研磨処理を行い表面を平滑にする。
【0028】
上記転写ベルトはゴム単層からなる導電支持層からなるものであってもよいが、表面層を形成して2層構造にする場合は、必要に応じて、樹脂材料を溶剤等で希釈し、カーボンブラック、イオン導電剤等を混合し、スプレー塗工機等で導電性基材層の表面に塗布し加熱し溶剤を乾燥させる。
上記樹脂材料としては特に限定されず、例えば、フッ素系樹脂、ナイロン系樹脂、ウレタン系樹脂、ポリエステル系樹脂等を挙げることができる。表面層にどのような材料を用いるかはシステム及びトナーとの適合性により異なるが付着したトナーに対する離型性を必要とする。
【0029】
本発明のゴム部材の1つであるローラは、一般的に、表面層、導電弾性層及び金属シャフトから構成されるが、この際、本発明の導電性ゴム組成物は導電弾性層に用いられることが好ましい。
上記電子写真装置用ローラの作製方法としては、各種配合材料を混練した本発明の導電性ゴム組成物を、金属シャフトを固定保持した金型に充填し、加熱加圧して加硫を行うことによりシャフトの外周に導電弾性層を同心かつ一体に形成したローラ状成形体を得、導電弾性層の外周面を研磨して、目的のローラを得る。
【0030】
上記電子写真装置用ローラは金属シャフト及び導電弾性層のみからなるものであってもよいが、導電弾性層の外周に同心に表面層を形成して2層構造にしてもよい。表面層は通常、樹脂材料を溶剤で溶解し、カーボンブラック、イオン導電剤等を混合し、スプレー塗工機等で導電弾性層の表面に塗布し加熱し溶剤を乾燥させて形成される。
上記樹脂材料としては、フッ素系樹脂、ナイロン系樹脂、ウレタン系樹脂、ポリエステル系樹脂等を挙げることができ、トナーに対する離型性、変形追従性、膜強度等を考慮して選定する。
【0031】
【実施例】
以下に実施例を掲げて本発明を更に詳しく説明するが、本発明はこれら実施例のみに限定されるものではない。
【0032】
各実施例及び比較例において以下に示す組成で導電性ゴム組成物を調製した。
なお、いずれの実施例及び比較例においても、硫黄を1重量部、酸化亜鉛(堺化学工業社製:亜鉛華1号)を5重量部、ステアリン酸(日本油脂社製:つばき)を1重量部、加硫促進剤TT(大内新興化学社製:促TT)を1重量部、を共通に配合した。更に、実施例5のみは、ステアリン酸を1重量部、パークミルD(日本油脂社製)1重量部を配合した。
【0033】
実施例1
ベースポリマー種としてJSR社製のEPDMであるEP−65(ENB量9.0重量%)を70重量部、導電ポリマー種として日本ゼオン社製のエピクロルヒドリン−エチレンオキサイド−アリルグリシジルエーテル共重合体であるゼクロン3106を30重量部、カーボンブラックとして東海カーボン社製のシーストVを30重量部配合し密閉式混合機で混合し、オープンロールで混練りして本発明の導電ゴム組成物を得た。
【0034】
実施例2
ベースポリマー種としてJSR社製のEPDMであるEP−33(ENB量8.0重量%)を用いた以外は実施例1と同様にして本発明の導電性ゴム組成物を得た。
【0035】
実施例3
導電ポリマー種として日本ゼオン社製のエピクロルヒドリン−エチレンオキサイド−アリルグリシジルエーテル共重合体であるゼクロン3100を用いた以外は実施例2と同様にして本発明の導電性ゴム組成物を得た。
【0036】
実施例4
カーボンブラックを配合しなかった以外は実施例2と同様にして本発明の導電性ゴム組成物を得た。
【0037】
実施例5
導電ポリマー種として日本ゼオン社製のエチレンオキサイド−プロピレンオキサイド−アリルグリシジルエーテル共重合体であるゼオスパンZSN8030を用いた以外は実施例2と同様にして本発明の導電性ゴム組成物を得た。
【0038】
実施例6
導電ポリマー種として日本ゼオン社製のエピクロルヒドリン−エチレンオキサイド−アリルグリシジルエーテル共重合体であるゼクロン2000を用いた以外は実施例2と同様にして本発明の導電性ゴム組成物を得た。
【0039】
実施例7
導電ポリマー種として日本ゼオン社製のエピクロルヒドリン単独重合体であるゼクロン1000を用いた以外は実施例2と同様にして本発明の導電性ゴム組成物を得た。
【0040】
実施例8
実施例2の配合に更に昭和電工社製の塩素化ポリエチレンであるエラスレン303Aを5重量部配合して同様に混練りして本発明の導電性ゴム組成物を得た。
【0041】
実施例9
実施例5の配合に更に昭和電工社製の塩素化ポリエチレンであるエラスレン303Aを5重量部配合して同様に混練りして本発明の導電性ゴム組成物を得た。
【0042】
実施例10
実施例2においてベースポリマーのEPDMと導電ポリマーとの配合比を50/50にした以外は実施例1と同様にして本発明の導電性ゴム組成物を得た。
【0043】
実施例11
実施例2においてベースポリマーのEPDMと導電ポリマーとの配合比を90/10にした以外は実施例1と同様にして本発明の導電性ゴム組成物を得た。
【0044】
実施例12
実施例2の配合に更にイオン導電剤として過塩素酸リチウムが12重量%含まれたフタル酸ジブトキシエチル系の可塑剤(三光化学社製:サンコノール0882−12)を5重量部、アジピン酸ジブトキシエトキシエチルを5重量部配合した以外は実施例1と同様にして本発明の導電性ゴム組成物を得た。
【0045】
比較例1
ベースポリマー種としてJSR社製のEPDMであるEP−21(ENB量6.0重量%)を用いた以外は実施例1と同様にして導電性ゴム組成物を得た。
【0046】
比較例2
ベースポリマー種としてJSR社製のEPDMであるEP−25(ENB量5.0重量%)を用いた以外は実施例1と同様にして導電性ゴム組成物を得た。
【0047】
比較例3
ベースポリマー種として日本ゼオン社製のNBRであるNipol1042を用いた以外は実施例1と同様にして導電性ゴム組成物を得た。
【0048】
比較例4
ベースポリマーのEPDMと導電ポリマーとの配合比を40/60にした以外は実施例2と同様にして導電性ゴム組成物を得た。
【0049】
比較例5
ベースポリマーのEPDMと導電ポリマーとの配合比を95/5にした以外は実施例2と同様にして導電性ゴム組成物を得た。
各実施例及び比較例の導電性ゴム組成物の組成は表1にも示した。
【0050】
【表1】
Figure 2004059691
【0051】
各実施例及び比較例において得られた導電性ゴム組成物を用いて下記のようにしてベルト及びローラを作製し、その評価を行った。結果は表2、表3、表4及び表5に示した。
1、転写ベルト、転写搬送ベルトの作製
得られた導電性ゴム組成物を押出機に供給してシート状に押出し、得られたシート状体を円筒金型の外周に巻き付け、その外周を帯状織布で巻いて、シート状体を加圧した状態で加硫缶に収容し、160℃で30分間加硫し、冷却後脱型し、ベルト状形成体を得、厚み精度を合わせ、バリを取るため表面を研磨加工することによりベルト支持層を作製した。
そして液状の表面層形成材料(帝国化学産業社製、ジスロンF1756N:100重量部、硬化剤B−50:20重量部、MEK:150重量部、ブチルアセテート:150重量部)を混合し、上記導電性基材層となる成形体にスプレー塗布し、加熱することにより、上記表面層を導電性基材層に焼き付け、目的とするベルトを作製した。
【0052】
2、転写ローラ、帯電ローラ、現像ローラの作製
得られた導電性ゴム組成物を押出機に供給しチューブ状に押出し、所定長さにカットし、金属シャフトを挿入して、円筒状の内型、外型と、内型、外型の両端に嵌合する2つのフランジ型からなる金型に、シャフトの軸心と金型の軸心を一致させるべく、シャフトの両端をフランジ型の中心孔に挿入固定し、160℃で30分加硫を行うことにより、金属シャフトの外周に導電弾性層が形成されたローラ成形体を作製した。得られたローラ成形体に対し、バリ除去、フレ、真円度及び表面粗度を小さくするため円筒研削盤にて外径を研磨加工した。
【0053】
そして液状の表面層形成材料(帝国化学産業社製、ジスロンF1756N:100重量部、硬化剤B−50:20重量部、MEK:150重量部、ブチルアセテート:150重量部)を混合し、上記導電弾性層の外周にスプレー塗布し、加熱して、表面層を形成し、目的とするローラを作製した。
【0054】
3、電気抵抗値、圧縮永久歪の測定用試験片の作製
電気抵抗値を測定するために、導電性ゴム組成物をシート成形型に充填し、160℃で30分加圧加硫し、厚さ2mmの加硫シートを作製した。また、JIS規格における圧縮永久歪用試験片を作製するため、加硫型を用い、直径29mm、厚さ12.7mmの試験片を作製した。
【0055】
4、評価
(1)電気抵抗値の環境変化に対する変動
以下の各環境下で24時間放置した後の電気抵抗値(Ω・cm、対数表示)を測定し、その変化を評価し、変化量が1.5以下である場合を○、変化量が1.5より大きい場合を×と評価した。
L.L.:温度10℃湿度15%
N.N.:温度23℃湿度50%
H.H.:温度32℃湿度80%
(2)圧縮永久歪
JIS K 6301に準じ、70℃22時間、25%圧縮の条件で圧縮永久歪(%)を測定した。圧縮永久歪が18%以下である場合を○、18%より大きく20%以下である場合を△、20%より大きい場合を×と評価した。
(3)画像評価
得られたベルト及びローラを電子写真装置に搭載し、初期、長期放置後、温度10℃湿度15%(L.L.)、温度32℃湿度80%(H.H.)における画像評価を行った。長期放置テストにおいては電子写真装置に搭載し、転写ベルトは2軸間に巻き掛けした状態で、ローラは感光体と所定ニップで圧接した状態で、温度35℃湿度85%環境下に7日間放置した後、温度23℃湿度50%で1ヶ月間静置し、画像をとり評価した。目視で画像欠陥が認められないものを○、欠陥が認められるものを×と評価し、欠陥状態を記録した。
【0056】
【表2】
Figure 2004059691
【0057】
【表3】
Figure 2004059691
【0058】
【表4】
Figure 2004059691
【0059】
【表5】
Figure 2004059691
【0060】
【発明の効果】
本発明は、上述の構成よりなるので、EPDMをベースポリマーとして主鎖にエーテル結合を有する導電性ポリマーとブレンドすることで環境変化に対する安定性に優れた導電性ゴム組成物が得られる。また、EPDMのENB量を規定することで物性も良好となる。本発明の導電性ゴム組成物を加硫・成形することにより、環境変化に対する安定性に優れ、長期放置後も異常画像の生じない、画像品質の安定した転写ベルト、並びに、転写ローラ、帯電ローラ及び現像ローラ等のゴム部材が得られる。
【図面の簡単な説明】
【図1】転写搬送ベルトの1例の斜視図である。
【図2】転写搬送ベルトの拡大断面図である。
【図3】転写搬送ベルトが搭載されている電子写真装置の露光幻想部の断面図である。
【符号の説明】
1 転写搬送ベルト
2 弾性部材
3 表面層
4 抵抗調整層
5 最外層
11 感光体
12 露光領域
13 現像領域
14 転写領域
15 クリーニング領域
21 帯電ローラ
22 露光手段
23 現像装置
24 攪拌手段
25 供給ローラ
26 現像ローラ
27 規制ブレード
28 紙(記録媒体)
29 クリーニングブレード
30 除電手段
41 従動ローラ
42 駆動ローラ
43 供給ローラの軸
44 供給ローラの導電弾性層
45 高圧電源装置
46 紙送りローラ
47 定着装置

Claims (7)

  1. エチレン−プロピレン−ジエン三元共重合体及び主鎖にエーテル結合を有するポリマーを含有する導電性ゴム組成物であって、
    前記エチレン−プロピレン−ジエン三元共重合体は、ジエン成分として5−エチリデン−2−ノルボルネンを7重量%以上含有するものであり、
    前記エチレン−プロピレン−ジエン三元共重合体の含有量は、全ポリマーの50重量%以上95重量%未満である
    ことを特徴とする導電性ゴム組成物。
  2. 主鎖にエーテル結合を有するポリマーは、エチレンオキサイド、プロピレンオキサイド及びエピクロルヒドリンからなる群より選ばれる少なくとも1種の成分を含有するものであることを特徴とする請求項1記載の導電性ゴム組成物。
  3. 主鎖にエーテル結合を有するポリマーは、アリルグリシジルエーテル成分を含有するものであることを特徴とする請求項2記載の導電性ゴム組成物。
  4. カーボンブラックを含有することを特徴とする請求項1、2又は3記載の導電性ゴム組成物。
  5. 塩素化ポリエチレンを含有することを特徴とする請求項1、2、3又は4記載の導電性ゴム組成物。
  6. イオン導電剤を含有することを特徴とする請求項1、2、3、4又は5記載の導電性ゴム組成物。
  7. 電子写真装置の感光体周辺に配設されるゴム部材であって、基材層又は弾性層が請求項1、2、3、4、5又は6記載の導電性ゴム組成物により形成されていることを特徴とするゴム部材。
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