JP2005134503A - 二層構造の導電性ゴムローラ - Google Patents
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Abstract
【課題】 環境変動が少なく、かつ電気抵抗ムラが小さいという特性を併せ持つゴムローラを提供する。
【解決手段】 イオン導電性発泡弾性体からなる内層と、樹脂に導電性充填剤が配合され、厚さが20〜200μmである外層とを備え、上記内層に上記外層を被覆した複合状態において、印加電圧500Vでのローラ電気抵抗値[Ω]の常用対数値は5〜9乗、
電気抵抗の周方向のムラ(最大抵抗値/最小抵抗値)は1.4倍以下、印加電圧500Vでの上記外層の体積抵抗率〔Ω.cm〕と上記内層のローラ抵抗値(外層体積抵抗率/内層ローラ抵抗値)の比率の常用対数値が1.0乗以下としている。
【選択図】 図1
【解決手段】 イオン導電性発泡弾性体からなる内層と、樹脂に導電性充填剤が配合され、厚さが20〜200μmである外層とを備え、上記内層に上記外層を被覆した複合状態において、印加電圧500Vでのローラ電気抵抗値[Ω]の常用対数値は5〜9乗、
電気抵抗の周方向のムラ(最大抵抗値/最小抵抗値)は1.4倍以下、印加電圧500Vでの上記外層の体積抵抗率〔Ω.cm〕と上記内層のローラ抵抗値(外層体積抵抗率/内層ローラ抵抗値)の比率の常用対数値が1.0乗以下としている。
【選択図】 図1
Description
本発明は二層構造の導電性ゴムローラに関し、詳しくは、複写機、ファクシミリ、レーザービームプリンター等における帯電ローラ、現像ローラ、二次転写ローラ等の画像形成装置に関するゴムローラに好適に用いられるもので、特に、環境変動が少なく、電気抵抗ムラを小さくするものである。
従来、複写機、ファクシミリ、レーザービームプリンター等に用いる帯電ローラ、現像ローラ、二次転写ローラにおいては、適度の安定した電気抵抗値を持たせる必要がある。このためローラを導電性ローラとする方法として、ポリマー中にエピクロルヒドリンゴム等を配合したイオン導電性エラストマーよりローラを成形する方法と、エラストマー中にカーボンブラック、金属酸化物等の粉末からなる導電性充填剤を配合した電子導電性エラストマーよりローラを成形する方法がある。
上記したいずれのエラストマーから成形された導電性ローラにおいても、帯電ローラ、現像ローラ、二次転写ローラとして用いられる場合、トナー離型性、耐摩耗性、耐久性に優れ、環境変動が少なく、電気抵抗ムラ(周方向の抵抗最大値/周方向の抵抗最小値)が小さいことが求められているが、未だ十分な性能が得られていない。
上記の問題を解決するため、二層構造の導電性ゴムローラが用いられており、例えば、特開2001−221224号(特許文献1)で提供されている。
該二層構造の導電性ゴムローラでは、エチレン−プロピレン−ジエン共重合ゴム(EPDM)等からなる無極性ゴムに抵抗調整のためにカーボンブラックからなる電子導電充填剤を配合した発泡弾性体からなる内層を設け、有極性樹脂のポリフッ化ビニリデン樹脂(PVDF)に抵抗調整のためにイオン導電性充填剤を添加した樹脂チューブを被せ、加熱密着させて外層としている。
該二層構造の導電性ゴムローラでは、エチレン−プロピレン−ジエン共重合ゴム(EPDM)等からなる無極性ゴムに抵抗調整のためにカーボンブラックからなる電子導電充填剤を配合した発泡弾性体からなる内層を設け、有極性樹脂のポリフッ化ビニリデン樹脂(PVDF)に抵抗調整のためにイオン導電性充填剤を添加した樹脂チューブを被せ、加熱密着させて外層としている。
しかしながら、上記二層構造の導電性ゴムローラでは、電気抵抗値の環境依存性(温度依存性および湿度依存性)を低減することはできるが、ゴムローラの電気抵抗ムラ(周方向の抵抗最大値/最小値)が大きく、特に、低電圧の場合には2倍以上となり、電気抵抗ムラを十分に低減できないという問題がある。
画像形成装置に用いるゴムローラには、トナー離型性、耐摩耗性、耐久性、環境変動が少ないことと同等に、電気抵抗ムラを小さくすることも要求されている。特に、帯電ローラ、現像ローラ、カラーレーザービームプリンタ用二次転写ローラなどにおいては電気抵抗ムラが小さいことは不可欠な特性である。しかしながら、上記した特性を併せ持つ導電性ゴムローラは得られていない。
特開2001−221224号公報
本発明は、上記した問題に鑑みてなされたもので、トナー離型性、耐摩耗性、耐久性などに優れ、環境変動が少なく、かつ電気抵抗ムラが小さいという特性を併せ持つゴムローラを提供することを課題としている。
上記課題を解決するため、本発明は、イオン導電性発泡弾性体からなる内層と、
樹脂に導電性充填剤が配合され、厚さが20〜200μmである外層とを備え、
上記内層に上記外層を被覆した複合状態において、
印加電圧500Vでのローラ電気抵抗値[Ω]の常用対数値は5〜9乗、
電気抵抗の周方向のムラ(最大抵抗値/最小抵抗値)は1.4倍以下、
印加電圧500Vでの上記外層の体積抵抗率〔Ω.cm〕と上記内層のローラ抵抗値(外層体積抵抗率/内層ローラ抵抗値)の比率の常用対数値が1.0乗以下であり、かつ、 10℃相対湿度15%から32.5℃相対湿度90%に変化させた時の抵抗変動値〔Ω〕の常用対数値△log10R〔Ω〕(log10R(10℃相対湿度15%)−log10R(32.5℃相対湿度90%))が1.3以下である二層構造の導電性ゴムローラを提供している。
樹脂に導電性充填剤が配合され、厚さが20〜200μmである外層とを備え、
上記内層に上記外層を被覆した複合状態において、
印加電圧500Vでのローラ電気抵抗値[Ω]の常用対数値は5〜9乗、
電気抵抗の周方向のムラ(最大抵抗値/最小抵抗値)は1.4倍以下、
印加電圧500Vでの上記外層の体積抵抗率〔Ω.cm〕と上記内層のローラ抵抗値(外層体積抵抗率/内層ローラ抵抗値)の比率の常用対数値が1.0乗以下であり、かつ、 10℃相対湿度15%から32.5℃相対湿度90%に変化させた時の抵抗変動値〔Ω〕の常用対数値△log10R〔Ω〕(log10R(10℃相対湿度15%)−log10R(32.5℃相対湿度90%))が1.3以下である二層構造の導電性ゴムローラを提供している。
本発明者が鋭意研究および実験を繰り返した結果、外層の体積抵抗率〔Ω.cm〕と内層のローラ抵抗値〔Ω〕の比率の常用対数値を1.0乗以下とすることにより、複合した二層構造ゴムローラの電気抵抗は内層のイオン導電発泡弾性体の特性に近づくことを知見した。
図3は外層の体積抵抗率〔Ω.cm〕/内層のローラ抵抗値〔Ω〕の比の常用対数値と、内層と外層とを複合したローラの抵抗値〔Ω〕/内層のローラ抵抗値〔Ω〕の比の常用対数値の相関関係を示す。
図3に示されるように、外層の体積抵抗率〔Ω.cm〕/内層のローラ抵抗値〔Ω〕の比の常用対数値が1乗以下となると、内層と外層とを複合したローラの抵抗値〔Ω〕/内層のローラ抵抗値〔Ω〕の比の常用対数値が0.3以下となる。
図4は外層の体積抵抗率〔Ω.cm〕/内層のローラ抵抗値〔Ω〕の比の常用対数値と複合後の周ムラとの相関関係を示す。図4に示されているように、体積抵抗率〔Ω.cm〕/内層のローラ抵抗値〔Ω〕の比率の常用対数値が1乗以下となると、複合後のローラの周ムラを1.4倍以下と低減することができる。
即ち、内層はイオン導電性発泡弾性体とすることにより内層は電圧依存性が低く、ばらつきが小さい特性を有し、よって、内層に外層を被覆した複合後のゴムローラは電圧依存性が低く、ばらつきが小さい特性を持ち、電気抵抗の周方向のムラ(抵抗の最大値/最小値)を小さくすることができる。
また、外層は導電性充填剤と樹脂からなる主材料とすることにより、環境依存性を低くする特性を付与し、イオン導電性発泡弾性体からなる内層の環境変動を改良している。このように、内層は電圧依存性を低くすると共にばらつきを小さくし、外層は環境依存性を小さくすることにより。複合後の二層構造のゴムローラは電気抵抗の周方向のムラが小さく且つ環境依存性を改良したものとすることができる。
図3に示されるように、外層の体積抵抗率〔Ω.cm〕/内層のローラ抵抗値〔Ω〕の比の常用対数値が1乗以下となると、内層と外層とを複合したローラの抵抗値〔Ω〕/内層のローラ抵抗値〔Ω〕の比の常用対数値が0.3以下となる。
図4は外層の体積抵抗率〔Ω.cm〕/内層のローラ抵抗値〔Ω〕の比の常用対数値と複合後の周ムラとの相関関係を示す。図4に示されているように、体積抵抗率〔Ω.cm〕/内層のローラ抵抗値〔Ω〕の比率の常用対数値が1乗以下となると、複合後のローラの周ムラを1.4倍以下と低減することができる。
即ち、内層はイオン導電性発泡弾性体とすることにより内層は電圧依存性が低く、ばらつきが小さい特性を有し、よって、内層に外層を被覆した複合後のゴムローラは電圧依存性が低く、ばらつきが小さい特性を持ち、電気抵抗の周方向のムラ(抵抗の最大値/最小値)を小さくすることができる。
また、外層は導電性充填剤と樹脂からなる主材料とすることにより、環境依存性を低くする特性を付与し、イオン導電性発泡弾性体からなる内層の環境変動を改良している。このように、内層は電圧依存性を低くすると共にばらつきを小さくし、外層は環境依存性を小さくすることにより。複合後の二層構造のゴムローラは電気抵抗の周方向のムラが小さく且つ環境依存性を改良したものとすることができる。
上記外層の厚さは20〜200μmとしているが、好ましくは20〜150μm、さらに好ましくは25〜120μmである。
上記範囲としているのは20μmより薄いと耐久性が悪くなるためであり、200μmよりも厚いと亀裂を発生することがあるためである。
上記範囲としているのは20μmより薄いと耐久性が悪くなるためであり、200μmよりも厚いと亀裂を発生することがあるためである。
上記イオン導電性発泡弾性体からなる内層は、非ハロゲン系ポリマーにフルオロ基(−F)あるいは/及びスルホニル基(−SO2−)を含む陰イオンを備えた塩が配合されたポリマー組成物と、エチレン−プロピレン−ジエン共重合ゴム(EPDM)を含み、上記ポリマー組成物100重量部に対してEPDMを10〜90重量部含んでいることが好ましい。
上記フルオロ基あるいは/及びスルホニル基を含む陰イオンを備えた塩は、ビスフルオロアルキルスルホンイミドの金属塩、フルオロアルキルスルホン酸の金属塩からなる群から選ばれる少なくとも一種の金属塩を含んでいることが好ましい。
上記ビスフルオロアルキルスルホンイミドの金属塩、あるいは、フルオロアルキルスルホン酸の金属塩は、強い電子吸引効果によって電荷が非局在化するため、陰イオンが安定化し、ポリエチレンオキサイド中で高い解離度を示し、高いイオン導電性を実現することができる。このように、フルオロ基あるいは/及びスルホニル基を含む陰イオンを備えた塩を配合することで効率良く、低電気抵抗を実現することが可能になるため、ポリマー成分の配合を適宜調整することで、低電気抵抗を維持しながら、感光体汚染の問題も抑制することができる。
上記ビスフルオロアルキルスルホンイミドの金属塩、あるいは、フルオロアルキルスルホン酸の金属塩は、強い電子吸引効果によって電荷が非局在化するため、陰イオンが安定化し、ポリエチレンオキサイド中で高い解離度を示し、高いイオン導電性を実現することができる。このように、フルオロ基あるいは/及びスルホニル基を含む陰イオンを備えた塩を配合することで効率良く、低電気抵抗を実現することが可能になるため、ポリマー成分の配合を適宜調整することで、低電気抵抗を維持しながら、感光体汚染の問題も抑制することができる。
また、上記塩としては、リチウム塩が好ましいが、アルカリ金属、2A族、あるいはその他の金属の塩や、第4級アンモニウム塩、第4級ホスホニウム塩、イミダゾリウム塩等でも良い。
具体的には、上記塩としては、例えば、LiCF3SO3、LiAsF6、LiN(SO2CF3)2、LiC(SO2CF3)3,LiCH(SO2CF3)2、LiSF5CF2SO3、Li[(OCH(CF3)2)6Nb]等が挙げられる。
なお、上記塩は、イオン導電性発泡弾性体中に均一に分散していることが好ましい。また、上記の塩のうちLiN(SO2CF3)2等ビスフルオロアルキルスルホンイミドの金属塩では、ポリエチレンオキサイド鎖等への溶解性が極めて良好であり、さらにポリエチレンオキサイド鎖等を可塑化できるため添加することにより硬度を下げたり、体積抵抗率の環境依存性を低減することができ、非常に好ましい。
具体的には、上記塩としては、例えば、LiCF3SO3、LiAsF6、LiN(SO2CF3)2、LiC(SO2CF3)3,LiCH(SO2CF3)2、LiSF5CF2SO3、Li[(OCH(CF3)2)6Nb]等が挙げられる。
なお、上記塩は、イオン導電性発泡弾性体中に均一に分散していることが好ましい。また、上記の塩のうちLiN(SO2CF3)2等ビスフルオロアルキルスルホンイミドの金属塩では、ポリエチレンオキサイド鎖等への溶解性が極めて良好であり、さらにポリエチレンオキサイド鎖等を可塑化できるため添加することにより硬度を下げたり、体積抵抗率の環境依存性を低減することができ、非常に好ましい。
上記したように、非ハロゲン系ポリマーの組成物100重量部に対してエチレン−プロピレン−ジエン共重合ゴム(EPDM)を10〜90重量部含んでいることが好ましい。
上記範囲としているのは、EPDMは主鎖が飽和炭素からなり、主鎖に二重結合を含まないため、高濃度オゾン雰囲気、紫外線を含む光照射等の環境下に長時間曝されても、分子主鎖切断が起こりにくいので、耐オゾン性、耐紫外線性及び耐熱性に優れたEPDMを上記のように含めることにより、二層構造ゴムローラ自体の耐オゾン性、耐紫外線性、耐熱性を向上することができるからである。なお、EPDMの配合量はより好ましくは、20〜70重量部、さらに好ましくは30〜40重量部である。
上記範囲としているのは、EPDMは主鎖が飽和炭素からなり、主鎖に二重結合を含まないため、高濃度オゾン雰囲気、紫外線を含む光照射等の環境下に長時間曝されても、分子主鎖切断が起こりにくいので、耐オゾン性、耐紫外線性及び耐熱性に優れたEPDMを上記のように含めることにより、二層構造ゴムローラ自体の耐オゾン性、耐紫外線性、耐熱性を向上することができるからである。なお、EPDMの配合量はより好ましくは、20〜70重量部、さらに好ましくは30〜40重量部である。
上記非ハロゲン系ポリマーの組成物中のEPDM以外のゴム成分としては、ジエン系ゴムが好ましく、天然ゴム(NR)、ブタジエンゴム(BR)、スチレンブタジエンゴム(SBR)、イソプレンゴム(IR)、アクリロニトリル−ブタジエンゴム(NBR)、水素化ニトリルゴム(HNBR)等が良好に用いられ、1種または2種以上をブレンドしても良い。その他、ブチルゴム、エチレンプロピレンゴム、アクリルゴム等を用いることもできる。
なお、本出願中、ゴム成分の重量部とは、ゴムが非油展ゴムの場合、非油展ゴムの重量部を表し、ゴムが油展ゴムの場合は、油展ゴムからオイル成分の重量を差し引いたゴム成分のみの重量で重量部を表す。また、ゴムが油展ゴムと非油展ゴムの混合物の場合は、油展ゴムからオイル成分を差し引いたゴム成分のみの重量と非油展ゴムの重量との合計の重量で重量部を表す。
上記イオン導電性発泡弾性体からなる内層は、
印加電圧500Vでのローラ電気抵抗値〔Ω〕が常用対数値で5〜9乗、
電気抵抗の周方向のムラ(最大抵抗値/最小抵抗値)が1.4以下、
硬度はアスカーCで20°〜60°であることが好ましい。
印加電圧500Vでのローラ電気抵抗値〔Ω〕が常用対数値で5〜9乗、
電気抵抗の周方向のムラ(最大抵抗値/最小抵抗値)が1.4以下、
硬度はアスカーCで20°〜60°であることが好ましい。
上記のように内層は、印加電圧500Vでのローラ電気抵抗値〔Ω〕が常用対数値で5〜9乗、即ち、105〜109[Ω]であることが好ましい。これは、109[Ω]より大きいと、ローラとした際に、転写、帯電、トナー供給等の効率が低下し実用に適さなくなるという問題があり、105[Ω]未満であると、それより小さいゴムローラを得るのが実際上困難となるためである。
また、上記のように、内層の電気抵抗値の最大と最小との比(最大抵抗値/最小抵抗値)である周ムラが1.4倍以下が好ましく、より好ましくは1.2倍以下である。上記周ムラが1.4倍を越えるとカラー印刷する時に画像ムラが出やすくなる。
さらに、上記のように、内層の硬度はアスカーCで20°〜60°であるのが好ましい。これにより柔軟性が向上し、転写ロール等に使用したときに、転写部材を押圧した時のトナー画像の乱れが生じにくく、良好な画像を得ることができる。このように、導電性部材中の導電層の表面積が大きくなる発泡層とした場合でも、本発明に記載されるような二層構造とすることにより、移行汚染を防止でき非常に優れている。なお、アスカー硬度はより好ましくは20°〜40°、最も好ましくは25°〜35°である。
上記内層は、イオン導電性ポリマー組成物とEPDMに、さらに、発泡剤、加硫剤、加硫促進剤、老化防止剤等が配合される。
上記外層は、電子導電性充填剤を配合したポリイミド系樹脂あるいはポリオレフィン樹脂を主原料とし、該外層は上記内層と二重連続押し出しで成形し、または内層と別個に成形して拡張膨張させて内部に内層を圧入し、或いは熱収縮チューブとして成形して上記内層に被覆して熱収縮で密着させている。
なお、必ずしも熱収縮性とする必要はない。
配合する電子導電性充填剤としてはカーボン等の粒子が好適に用いられる。
なお、必ずしも熱収縮性とする必要はない。
配合する電子導電性充填剤としてはカーボン等の粒子が好適に用いられる。
上記外層は、印加電圧500Vにおける体積抵抗率[Ω・cm]の常用対数値が6〜12乗、配合している電子導電性充填剤のヨウ素吸着量が20mg/g〜80mg/gとしていることが好ましい。
上記のように、外層の印加電圧500Vにおける体積抵抗率[Ω・cm]は常用対数値で6〜12乗、即ち、106.0〜1012.0[Ω・cm]であるのが好ましい。これは、1012.0[Ω・cm]以上であると、導電性部材等とした際に良好な導電性が得られず実用に適さなくなるためである。また、組成物を成形してローラやベルト等とした際に転写や帯電、トナー等の効率が低下しやすいためである。106.0[Ω・cm]以下であると、高印加電圧をかけると外層から放電しやすくなる。
さらに、上記のように、外層に配合する電気導電性充填剤のヨウ素吸着量が20mg/g〜80mg/gの範囲、好ましくは40mg/gである。
これは、20mg/gより少ないと微量でも電気抵抗が変動するので均一な電気抵抗分布がとりにくくなり、電気抵抗の調節が難しくなるためである。80mg/gを越えると大量の充填剤を入れなければならず、材料が硬くなり、成形加工がしにくくなるためである。
これは、20mg/gより少ないと微量でも電気抵抗が変動するので均一な電気抵抗分布がとりにくくなり、電気抵抗の調節が難しくなるためである。80mg/gを越えると大量の充填剤を入れなければならず、材料が硬くなり、成形加工がしにくくなるためである。
上記内層の厚さは4mm〜10mmで、外層の厚さは内層の厚さの3/1000〜30/1000であることが好ましい。
上記したように、内層に外層を被覆した複合状態において、印加電圧500Vでのローラ電気抵抗値[Ω]が常用対数値で5〜9乗、即ち、印加電圧500Vでのローラ電気抵抗値が105〜109[Ω]であるのが好ましい。上記範囲としているのは、109[Ω]より大きいと、ゴムローラとして使用する際に、転写、帯電、トナー供給等の効率が低下し実用に適さないという問題があるからであり、105未満であると、それより小さい二層構造ゴムローラを得るのが実際上困難となるためである。
また、上記のように内層と外層の複合状態において、電気抵抗値の最大と最小との比(最大抵抗値/最小抵抗値)である周ムラが1.4倍以下している。
上記範囲としているのは、1.4倍を越えると、カラー印刷する時に画像ムラが出やすくなるからである。好ましくは1.2倍以下である。
上記範囲としているのは、1.4倍を越えると、カラー印刷する時に画像ムラが出やすくなるからである。好ましくは1.2倍以下である。
さらに、内層に外層の複合状態において、上記式で示される10℃相対湿度15%から32.5℃相対湿度90%に変化させた時の抵抗変動値[Ω]が常用対数値で1.3乗以下、即ち、10℃相対湿度15%、32.5℃相対湿度90%の条件下での抵抗値R[Ω]を測定し、抵抗値の環境依存性Δlog10R=log10R(10℃相対湿度15%)−log10R(32.5℃相対湿度90%)の値を1.3以下としている。
上記抵抗値の環境依存性の指標値が1.3以下であると、印刷環境が変化しても抵抗値が安定し、均一な画像ができる。他方、1.3より大きいと二層構造ゴムローラの使用環境の変化による抵抗値の変化が大きいため、より大きな電源を必要とし、装置としての消費電力や製品コストが上昇する。また、上記抵抗値あるいは体積抵抗率の環境依存性の指標値は、より好ましくは1.2以下が良い。
本発明の導電性ゴムローラは、内層の中空部に導電性芯材を圧入するか、あるいは両者を接着剤で接合して固定している。該芯材は、アルミニウム、アルミニウム合金、SUS、鉄等の金属製、セラミック製等とからなる。
二層構造のゴムローラとしては、画像形成装置において、感光ドラムを一様に帯電させるための帯電ローラ、トナーを感光体等から用紙または中間転写ベルト等に転写するための転写ローラ、トナーを搬送させるためのトナー供給ローラ、転写ベルトを内側から駆動させるための駆動ローラ等として好適に用いられる。
以上の説明より明らかなように、本発明によれば、電圧依存性が小さくばらつきが小さいイオン導電性発泡体からなる内層と、環境依存性が低い導電性充填剤と樹脂を主材料とした外層の二層構造の導電性ゴムローラとし、外層の体積抵抗率〔Ω.cm〕と内層のローラ抵抗値〔Ω〕の比率の常用対数値を1.0以下としている。これにより、複合後の二層構造の導電性ゴムローラにおいては、電圧依存性やばらつきが小さい特性をもつことが可能なり、周ムラを1.4倍以下、さらには1.0倍〜1.2倍程度まで抑制できる一方、環境依存性は良い特性をもつことが可能となる。
また、内層に環境依存性の小さいイオン導電材料を用いることにより、周ムラを小さく、電圧依存性を小さく、さらには環境依存性をも小さくすることが可能となる。
以下、本発明の実施形態を説明する。
図1は本発明の二層構造の導電性ゴムローラ10を示し、該導電性ゴムローラ10は、導電性を有する円柱状の金属製の芯材11と、芯材11の外表面に被覆するイオン導電性発泡体からなる内層12と、さらに内層12の表面側に円筒状に被覆する外層13を備えている。円柱状の内層12の中空部に、芯材11を圧入するか、あるいは両者を接着剤で加硫接合して固定している。
上記外層13は、樹脂層からなり、導電性充填剤をポリイミド系樹脂あるいはポリオレフィン樹脂に配合しており、厚さを20〜200μmとしている。また、外層13の体積抵抗値と内層12のローラ抵抗比率の対数値を1.0以下としている。
上記内層12は、イオン導電性発泡体からなり、非ハロゲン系ポリマーとフルオロ基あるいは/及びスルホニル基を含む陰イオンを備えた塩を含んでいる。非ハロゲンポリマーの組成物として、ポリマー100重量部に対してエチレン−プロピレン−ジエン共重合ゴム(EPDM)を10〜90重量部配合し、さらに、発泡剤を配合している。
内層12の架橋剤として硫黄あるいは樹脂架橋剤であるフェノール系樹脂架橋剤、あるいは有機過酸化物を、架橋活性剤としては酸化亜鉛を配合し、加工性向上、硬度調整等の目的で必要に応じてパラフィンオイルを軟化剤として配合している。
内層12は材料を混練機にて混練し、押し出し機で一定形状のチューブを押出、切断、缶加硫で加硫チューブを設ける。その後、接着剤を塗布している芯材11に挿入し、加硫接着後に研磨、定寸カットで作成している。
外層13は事前に配合したポリアミドイミド前駆体混合物をモールドにコーテイングして熱硬化後、モールドから取り外して作成している。この外層13にエアーで内層12を挿入し、内層12に外層13が被覆された二層構造のローラとしている。
あるいは、外層をポリオレフィン樹脂を主材として熱収縮チューブとして成形し、該熱収縮チューブを内層13に被せ、加熱処理して内層に密着している。
外層13は事前に配合したポリアミドイミド前駆体混合物をモールドにコーテイングして熱硬化後、モールドから取り外して作成している。この外層13にエアーで内層12を挿入し、内層12に外層13が被覆された二層構造のローラとしている。
あるいは、外層をポリオレフィン樹脂を主材として熱収縮チューブとして成形し、該熱収縮チューブを内層13に被せ、加熱処理して内層に密着している。
上記のように内層12に外層13を被覆した二層構造のゴムローラ10は、内層12が電圧依存性やばらつきが小さいイオン導電性発泡材料からなり、外層13の体積抵抗率〔Ω.cm〕と内層のローラ抵抗値〔Ω〕の比率の常用対数値を1.0乗以下としているため、二層構造のゴムローラ10は内層12の特性に近付き、電圧依存性やばらつきが小さい特性を持たせることができる。よって、ゴムローラ10の電気抵抗の周ムラを1.4倍以下に抑制することができる。
さらに、外層13は環境依存性が低い電子導電充填剤を配合しているため、ゴムローラ10の環境依存性も改良することができる。これにより、周ムラの発生が少なく且つ環境依存性が低いゴムローラとすることができる。
さらに、外層13は環境依存性が低い電子導電充填剤を配合しているため、ゴムローラ10の環境依存性も改良することができる。これにより、周ムラの発生が少なく且つ環境依存性が低いゴムローラとすることができる。
以下、本発明の実施例及び比較例について詳述する。
実施例1〜4及び比較例1〜3は下記の表1に記載の配合及び表2に記載の共通の配合からなる材料を用いた。
実施例1〜4及び比較例1〜3は下記の表1に記載の配合及び表2に記載の共通の配合からなる材料を用いた。
表1中、促進剤1はジベンゾチアジルスルフィド、促進剤2はテトラメチルチウラムモノスルフィドとした。
また、表1中のエピクロルヒドリンゴムは、エチレンオキサイド/エピクロルヒドリン/アリルグリシジルエーテルの共重合比率が56モル%/40モル%/4モル%である。
さらに、表1中、フルオロ基及びスルホニル基を含む陰イオンを備えた塩としては、リチウム−ビス(トリフルオロメタンスルホニル)イミドを用いた。
さらに、表1中、フルオロ基及びスルホニル基を含む陰イオンを備えた塩としては、リチウム−ビス(トリフルオロメタンスルホニル)イミドを用いた。
実施例1〜3、比較例1〜3については、以下の方法で製造した。
表1に上記の配合材料をそれぞれニーダに投入し、100℃で1〜20分程度混練りした後、表2に記載の材料をオープンロールにて混入することにより内層の混練物を作成した。かかる混練物をゴム用の一軸の押出成形機により押し出して一定形状のチューブをつくり、加圧水蒸気式加硫缶で160℃、30分で加硫した。加硫チューブに接着剤塗布済みの金属製のシャフト(φ8mm)を挿入し、研磨して外径20.4mmとした。
外層はポリアミドイミド前駆体溶液にカーボンブラックを分散させたものをモールドにコーテイングして熱硬化させ、冷却後、脱型して作成した。モールドの外径は20.0mmとした。この外層にエアーで内層を挿入し、内層に外層が被覆された二層構造のローラとしている。
実施例4については、外層をポリオレフィン樹脂を用いて熱収縮チューブとして成形した。該熱収縮チューブに内層を挿入し、加熱して外層のチューブを密着させ、二層構造の導電性ゴムローラを得た。
実施例1〜4、比較例1〜3は、シャフト径φ8mm、二層の複合後のローラ外径φ20.34mm、ローラ長さ340mmとした。
表1に上記の配合材料をそれぞれニーダに投入し、100℃で1〜20分程度混練りした後、表2に記載の材料をオープンロールにて混入することにより内層の混練物を作成した。かかる混練物をゴム用の一軸の押出成形機により押し出して一定形状のチューブをつくり、加圧水蒸気式加硫缶で160℃、30分で加硫した。加硫チューブに接着剤塗布済みの金属製のシャフト(φ8mm)を挿入し、研磨して外径20.4mmとした。
外層はポリアミドイミド前駆体溶液にカーボンブラックを分散させたものをモールドにコーテイングして熱硬化させ、冷却後、脱型して作成した。モールドの外径は20.0mmとした。この外層にエアーで内層を挿入し、内層に外層が被覆された二層構造のローラとしている。
実施例4については、外層をポリオレフィン樹脂を用いて熱収縮チューブとして成形した。該熱収縮チューブに内層を挿入し、加熱して外層のチューブを密着させ、二層構造の導電性ゴムローラを得た。
実施例1〜4、比較例1〜3は、シャフト径φ8mm、二層の複合後のローラ外径φ20.34mm、ローラ長さ340mmとした。
(実施例1〜4)
実施例1〜4はいずれも表1に示されるように、EPDMとNBRからなる非ハロゲンポリマーと、カーボンブラック、及びフルオロ基及びスルホニル基を含む陰イオンを備えた塩であるリチウムービス(トリフルオロメタンスルホニル)イミドと、表2に示される各種加硫剤、加硫促進剤、発泡剤、酸化亜鉛、ステアリン酸とで構成されるゴム組成物から作製した内層を備えている。実施例1〜3は所定の厚みのポリアミドイミド樹脂で構成される外層を備え、実施例4は熱収縮チューブで構成される外層を備え、二層構造の導電性ゴムローラとした。
実施例1〜4はいずれも表1に示されるように、EPDMとNBRからなる非ハロゲンポリマーと、カーボンブラック、及びフルオロ基及びスルホニル基を含む陰イオンを備えた塩であるリチウムービス(トリフルオロメタンスルホニル)イミドと、表2に示される各種加硫剤、加硫促進剤、発泡剤、酸化亜鉛、ステアリン酸とで構成されるゴム組成物から作製した内層を備えている。実施例1〜3は所定の厚みのポリアミドイミド樹脂で構成される外層を備え、実施例4は熱収縮チューブで構成される外層を備え、二層構造の導電性ゴムローラとした。
(比較例1〜3)
比較例1〜3は、表1に示すように、本発明の範囲外の二層構造の導電性ゴムローラの例であり、比較例1〜3はそれぞれ非ハロゲン系ポリマーであるEPDMを10〜90重量部の範囲外とし、フルオロ基及びスルホニル基を含む陰イオンを備えた塩を含まない内層で構成される二層構造の導電性ゴムローラとした。
比較例1〜3は、表1に示すように、本発明の範囲外の二層構造の導電性ゴムローラの例であり、比較例1〜3はそれぞれ非ハロゲン系ポリマーであるEPDMを10〜90重量部の範囲外とし、フルオロ基及びスルホニル基を含む陰イオンを備えた塩を含まない内層で構成される二層構造の導電性ゴムローラとした。
(硬度測定)
上記の様に作製したローラについて高分子計器(株)製のゴム硬度計「SRISO101型」を用いて1000g荷重をかけたもとでの硬度(アスカーC硬度)を測定した。
上記の様に作製したローラについて高分子計器(株)製のゴム硬度計「SRISO101型」を用いて1000g荷重をかけたもとでの硬度(アスカーC硬度)を測定した。
(ローラ抵抗値の測定)
温度23℃、相対湿度55%雰囲気下で、図2に示すように、芯材22を通した導電層21をφ30のアルミドラム23上に当接搭載し、電源24の+側に接続した内部抵抗r(100Ω〜10kΩ)の導電の先端をアルミドラム23の一端面に接続すると共に電源24の−側に接続した導線の先端を導電層21の他端面に接続して通電を行った。芯材22の両端部に500gずつの荷重Fをかけ、芯材22とアルミドラム23間に500Vの電圧をかけながらアルミドラム23を回転数30rpmで回転させることで間接的に導電性ローラ20を回転させた。このとき周方向に32回抵抗測定を行い、その平均値を求めた。内部抵抗の値は、ローラの抵抗値のレベルにあわせて、測定値の有効数字が極力大きくなるように調節した。この図2の装置で、印加電圧をEとすると、ローラ抵抗値RはR=r×E/V−rとなるが、今回−rの項は微小とみなし、R=r×E/Vとし、内部抵抗rにかかる検出電圧Vよりローラ抵抗値Rを算出した。表中には、そのローラ抵抗値の平均値の常用対数値を用いて示している。
温度23℃、相対湿度55%雰囲気下で、図2に示すように、芯材22を通した導電層21をφ30のアルミドラム23上に当接搭載し、電源24の+側に接続した内部抵抗r(100Ω〜10kΩ)の導電の先端をアルミドラム23の一端面に接続すると共に電源24の−側に接続した導線の先端を導電層21の他端面に接続して通電を行った。芯材22の両端部に500gずつの荷重Fをかけ、芯材22とアルミドラム23間に500Vの電圧をかけながらアルミドラム23を回転数30rpmで回転させることで間接的に導電性ローラ20を回転させた。このとき周方向に32回抵抗測定を行い、その平均値を求めた。内部抵抗の値は、ローラの抵抗値のレベルにあわせて、測定値の有効数字が極力大きくなるように調節した。この図2の装置で、印加電圧をEとすると、ローラ抵抗値RはR=r×E/V−rとなるが、今回−rの項は微小とみなし、R=r×E/Vとし、内部抵抗rにかかる検出電圧Vよりローラ抵抗値Rを算出した。表中には、そのローラ抵抗値の平均値の常用対数値を用いて示している。
(ローラ抵抗値の周ムラ)
上記ローラ抵抗値の測定において得られた32回の測定値を用い、1周内の周ムラ((周方向の電気抵抗値の最大値/周方向の電気抵抗値の最小値)の比率)を求めた。この周ムラは1.4倍以下が好ましい。
上記ローラ抵抗値の測定において得られた32回の測定値を用い、1周内の周ムラ((周方向の電気抵抗値の最大値/周方向の電気抵抗値の最小値)の比率)を求めた。この周ムラは1.4倍以下が好ましい。
(ローラ抵抗値の環境依存性の測定)
図2に示す装置を各測定環境に置き、印加電圧500Vのもとで,10℃相対湿度15%(LL条件)あるいは32.5℃相対湿度90%(HH条件)の条件下でローラの電気抵抗値R[Ω]を測定し、Δlog10R=log10R(10℃相対湿度15%)−log10R(32.5℃相対湿度90%)の式に従い、環境依存性を算出した。なお、表中には、その常用対数値を用いて示している。この値が1.3を超えると好ましくない。
図2に示す装置を各測定環境に置き、印加電圧500Vのもとで,10℃相対湿度15%(LL条件)あるいは32.5℃相対湿度90%(HH条件)の条件下でローラの電気抵抗値R[Ω]を測定し、Δlog10R=log10R(10℃相対湿度15%)−log10R(32.5℃相対湿度90%)の式に従い、環境依存性を算出した。なお、表中には、その常用対数値を用いて示している。この値が1.3を超えると好ましくない。
(体積抵抗率の測定)
表1の外層の材料からスラブシート(130mm×130mm×2mm)を作製し、アドバンテストコーポレーション製のデジタル超高抵抗微少電流計R−8340Aを用いて、23℃相対湿度55%の恒温恒湿条件下、印加電圧500Vとして、JIS K6911に記載の体積抵抗値ρV[Ω・cm]を測定した。なお、表中には、体積抵抗率を常用対数値で示している。
表1の外層の材料からスラブシート(130mm×130mm×2mm)を作製し、アドバンテストコーポレーション製のデジタル超高抵抗微少電流計R−8340Aを用いて、23℃相対湿度55%の恒温恒湿条件下、印加電圧500Vとして、JIS K6911に記載の体積抵抗値ρV[Ω・cm]を測定した。なお、表中には、体積抵抗率を常用対数値で示している。
表3に示すように、外層の体積抵抗率〔Ω.cm〕と内層のローラ抵抗値〔Ω〕の比率の常用対数値を1.0以下とした実施例1〜4に関しては、複合した二層構造ゴムローラの抵抗は内層のイオン導電性発泡弾性体の良好な特性に近づくことが確認できた。環境依存性については、内層の環境依存性に依存しているが、外層の良好な特性の影響を受けて内層の環境変動より0.1から0.3乗改良できることも確認できた。
一方、比較例1については、内層ローラの環境依存性が大きいので、複合後のローラの環境依存性が1.82乗に達して満足できなかった。
比較例2、3については、外層の体積抵抗率〔Ω.cm〕と内層のローラ抵抗値〔Ω〕の比率の常用対数値が2.40、3.66と大きく、このために周ムラが大きくなって実用に耐えられないものとなった。
比較例2、3については、外層の体積抵抗率〔Ω.cm〕と内層のローラ抵抗値〔Ω〕の比率の常用対数値が2.40、3.66と大きく、このために周ムラが大きくなって実用に耐えられないものとなった。
また、実施例1〜4は、内層に非ハロゲン系ポリマーとフルオロ基及びスルホニル基を含む陰イオンを備えた塩を含み、非ハロゲン系ポリマーとしてポリマー100重量部に対しEPDMを30重量部含む環境依存性が小さいイオン導電性発泡体を用い、外層の体積抵抗率〔Ω.cm〕と内層のローラ抵抗値〔Ω〕の比率の実用対数値を1.0乗以下としている。このことから、周ムラが1.4倍以下、環境依存性が1.3以下である二層構造ゴムローラをつくることができた。また、これらのローラは感光体汚染等の実用上の問題も生じなかった。
10 導電性ゴムローラ
11 芯材
12 内層
13 外層
11 芯材
12 内層
13 外層
Claims (6)
- イオン導電性発泡弾性体からなる内層と、
樹脂に導電性充填剤が配合され、厚さが20〜200μmである外層とを備え、
上記内層に上記外層を被覆した複合状態において、
印加電圧500Vでのローラ電気抵抗値[Ω]の常用対数値は5〜9乗、
電気抵抗の周方向のムラ(最大抵抗値/最小抵抗値)は1.4倍以下、
印加電圧500Vでの上記外層の体積抵抗率〔Ω.cm〕と上記内層のローラ抵抗値(外層体積抵抗率/内層ローラ抵抗値)の比率の常用対数値が1.0乗以下であり、かつ、
10℃相対湿度15%から32.5℃相対湿度90%に変化させた時の抵抗変動値〔Ω〕の常用対数値△log10R〔Ω〕(log10R(10℃相対湿度15%)−log10R(32.5℃相対湿度90%))が1.3以下である二層構造の導電性ゴムローラ。 - 上記イオン導電性発泡弾性体からなる内層は、非ハロゲン系ポリマーにフルオロ基あるいは/及びスルホニル基を含む陰イオンを備えた塩が配合されたポリマー組成物と、エチレン−プロピレン−ジエン共重合ゴム(EPDM)を含み、 上記ポリマー組成物100重量部に対してEPDMを10〜90重量部含んでいる請求項1に記載の二層構造の導電性ゴムローラ。
- 上記イオン導電性発泡弾性体からなる内層は、
印加電圧500Vでのローラ電気抵抗値〔Ω〕の常用対数値は5〜9乗、
電気抵抗の周方向のムラ(最大抵抗値/最小抵抗値)が1.4倍以下、
硬度はアスカーCで20°〜60°である請求項1または請求項2に記載の二層構造の導電性ゴムローラ。 - 上記外層は、電子導電性充填剤を配合したポリイミド系樹脂あるいはポリオレフィン樹脂を主原料とし、該外層は上記内層と二重連続押し出しで成形し、または内層と別個に成形して拡張膨張させて内部に内層を圧入し、或いは熱収縮チューブとして成形して上記内層に被覆して熱収縮で密着させている請求項1乃至請求項3に記載のいずれか1項に記載の二層構造の導電性ゴムローラ。
- 上記外層は、印加電圧500Vにおける体積抵抗率[Ω・cm]の常用対数値は6〜12乗、上記電子導電性充填剤のヨウ素吸着量が20mg/g〜80mg/gである請求項1乃至請求項4に記載のいずれか1項に記載の二層構造の導電性ゴムローラ。
- 上記内層の厚さは4mm〜10mmで、上記外層の厚さは内層の厚さの3/1000〜30/1000である請求項1乃至請求項5のいずれか1項に記載の二層構造の導電性ゴムローラ。
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Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
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JP2003368380A JP2005134503A (ja) | 2003-10-29 | 2003-10-29 | 二層構造の導電性ゴムローラ |
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---|---|---|---|---|
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-
2003
- 2003-10-29 JP JP2003368380A patent/JP2005134503A/ja not_active Withdrawn
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