JP4331568B2 - 導電性ロール - Google Patents
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また、エプクロルヒドリンゴムを使用すると静電容量が大きくなり、その周波数依存性も大きくなる。よって、静電容量を小さくするためには、導電材を用いて電気抵抗を調整する方が好ましい。
この問題に対して、特開平11−249386号では、トナーの端部かぶりと端部飛び散りを防ぐために、ローラの長手方向両端の各端面から長手方向15%以内の端部の静電容量をその他の部分よりも大きくした導電性ローラが提案されている。
上記導電性弾性層は非ハロゲン系のゴム成分にイオン導電性充填剤を配合したゴム組成物からなり、
上記導電性弾性層のゴム成分は、エチレン−プロピレン−ジエン共重合ゴム、アクリロニトリルブタジエンゴム、ブタジエンゴム、EO−PO−AGE共重合体から選択される少なくとも1種以上のゴムで、かつ、該ゴム成分は全て非ハロゲン系ゴムであり、
上記イオン導電性充填剤としてフルオロ基およびスルホニル基を有する陰イオンを備えた塩を非ハロゲン系ゴム成分100重量部に対して0.2重量部以上10重量部以下含有させ、
100Hzでの静電容量が10pF以上50pF以下であり、印加電圧1000Vでの電気抵抗が10の5乗Ω以上10の9乗Ω以下であることを特徴とする導電性ロールを提供している。
100Hzという周波数は、材料の持つ静電容量の周波数特性が現れやすい周波数であり、高周波での静電容量よりも静電容量が大きくなりやすい周波数である。特に、静電容量の周波数依存性が大きい材料は100Hzの周波数でも静電容量の値が十分大きくなるため、トナー散りの評価との相関が判り易く、周波数100Hzでの静電容量で規定している。ここでの静電容量とは、芯金を含めた導電性ロール全体の静電容量を指す。
0<(C(L)−C(H))/(log10Hz(H)−log10Hz(L))<10の関係を満たすようにしている。
上記数式の上記値が10よりも大きいと、周波数依存性の大きく、トナーの散りが発生しやすくなる。
このように、フルオロ基及びスルホニル基を有する陰イオンを備えた塩を配合して、均一に分散させることで効率良く低電気抵抗を実現することが可能になるため、ゴム成分の配合を適宜調整することで、他の物性を悪化させることなく、低電気抵抗を実現し、かつ、感光体汚染の問題も抑制することができる。
上記範囲としているのは、20未満であると柔らかすぎて耐摩耗性が悪くなりやすいためである。一方、40を越えると硬すぎて剛直な感光体と接触した時に画像上の欠陥が発生し易いことによる。なお、この場合、ゴム成分100重量部に対して、化学発泡剤が2重量部以上12重量部以下の割合で配合され、発泡助剤が12重量部以下の割合で配合されていることが好ましい。
加硫剤の添加量は、ゴム成分100重量部に対して、0.5重量部以上5重量部以下、さらには1重量部以上3重量部以下が好ましい。
有機促進剤としては、2−メルカプト・ベンゾチアゾール、ジベンゾチアジルジスルフィド、N−シクロヘキシル−2−ベンゾチアゾールスルフェン等のチアゾール系、スルフェンアミド系、テトラメチルチウラムモノスルフィド、テトラメチルチウラムジスルフィド、テトラエチルチウラムジスルフィド、ジペンタメチレンチウラムテトラスルフィド等のチウラム系、チオウレア系等を適宜組み合わせて用いることができる。
また、加硫促進剤は、ゴム成分100重量部に対して、0.5重量部以上5重量部以下、さらには1重量部以上4重量部以下が好ましい。
図1は本発明の第1実施形態の導電性ロール10を示す。導電性ロール10は、導電性を有する円柱状のSUS製の芯金2と、芯金2の外周面上に円筒状の導電性を有する導電性弾性層1を備えている。導電性弾性層1の中空部に芯金2が圧入して取り付けられている。
導電性添加塩1はリチウムービス(トリフルオロメタンスルホニル)イミド(住友スリーエム株式会社製)、導電性添加塩2はリチウムートリフルオロメタンスルフォネート(森田化学工業株式会社製)、導電性添加塩3はヘキシルトリメチルアンモニウムービス(トリフルオロメタンスルホニル)イミド(「IL−A1」広栄化学工業株式会社製)、導電性添加塩4は1−エチル−3−メチルイミダゾリムービス(トリフルオロメタンスルホニル)イミド(「EMI−TSFI」ステラケミファ株式会社製)、導電性添加塩5はカリウム−ビス(トリフルオロメタンスルホニル)イミド(森田化学工業株式会社製)である。
なお、表中、数式1の欄は、上述した(C(L)−C(H))/(log10Hz(H)−log10Hz(L))の値を示す。数式1は0より大きく10より小さい値を適正値とした。
実施例1乃至実施例16はいずれも、表1に示すように、電気抵抗の常用対数の値を本発明の範囲内とし、100Hzでの導電性ロールの静電容量も50pF以下と本発明の範囲内とした。実施例1〜6、16は導電性添加塩1、実施例7〜10は導電性添加塩2、実施例11は導電性添加塩5、実施例12は導電性添加塩3、実施例13は導電性添加塩4を用い、フルオロ基及びスルホニル基を有する陰イオンを備えた塩である導電性添加塩の種類を変更した。実施例14、15は導電性添加塩は用いなかった。
導電性添加塩3〜5を用いた実施例11〜13は陽イオンを大きくすることで通電上昇低減を図った。
また、実施例16はEO−PO−AGE共重合体に導電性添加塩1をあらかじめプリブレンドしたものを用いた。
他方、比較例1乃至比較例6は、電気抵抗の常用対数の値あるいは100Hzでの静電容量を本発明の範囲外とした。比較例1〜3は導電性添加塩1を用い、比較例4〜6は導電性添加塩2を用いた。
LCRメータ(東洋テクニカ製)にて測定を行った。図2に示すように導電性ロール20を載置しているアルミニウム板Pとシャフト22との間に電圧をかけ、LCRメータにてR(抵抗)成分とC(コンデンサー)成分の並列回路で測定した。シャフト22の両端荷重を500gとし固定した。
周波数100Hzで測定した。また、低周波数Hz(L)は100Hzとし、高周波数Hz(H)は100000Hzとして測定も行った。
温度23℃、相対湿度55%雰囲気下で、図3に示すように、芯金2を通した導電性弾性層1を金属製円筒3上に当接搭載し、電源4の+側に接続した内部抵抗r(10kΩ)の導線の先端を金属製円筒3の一端面に接続すると共に電源4の−側に接続した導線の先端を導電性弾性層1の他端面に接続して通電を行った。芯金2の両端部に500gずつの荷重Fをかけ、芯金2と金属製円筒3間に1kVの電圧をかけながら金属製円筒3を回転させることで間接的に導電性ロール10を回転させた。このとき周方向に36回抵抗測定を行い、その平均値を求めた。この値は10の9.0乗以下であるのが適している。表1中には、常用対数値を示している。
温度23℃、相対湿度55%の環境中で、左右の軸部に500gの荷重をかけ、ショアE硬度計にて硬度測定を行った。
なお、40以下を適正値とした。
導電性ロールを感光体に500gの荷重で押しつけ、40℃、90%RH下に2週間放置し感光体表面の汚染を目視にて確認した。感光体表面の汚染が目視にて確認されない場合は○、確認される場合は×とした。
ブラザー製LBP HL−1240を用い、トナー散り評価を行った。
詳細には、100μm幅の白黒ラインを画出しし、評価した。トナー散りがなかった場合には「なし」、トナー散りがあった場合には「あり」とした。
上記測定及び試験結果から、要求性能を満たし導電性ロールとして優れている場合には○、劣る場合には×とした。
また、実施例11〜13では導電性添加塩3〜5を配合したため、陽イオンがリチウム陽イオンよりやや重いことから連続通電時の抵抗上昇をより大きく低減することができた。かつ、抵抗値の環境依存性もさらに低減していた。
さらに、BRとEO−PO−AGE共重合体の2次元系である実施例14は、静電容量を小さくしたまま抵抗調整が可能であり、BRとEO−PO−AGE共重合体とクロロプレンの3次元系である実施例15は、さらに環境変動も抑制することができた。さらには、EO−PO−AGE共重合体に導電性添加塩1をあらかじめプリブレンドした実施例16は、EO−PO−AGE共重合体単独で使用するときよりも少量で所望の電気抵抗が得られると共に導電性添加塩1単独で使用するときよりも通電上昇を低減することが可能となった。
2 芯金
10 導電性ロール
Claims (2)
- 芯金と、該芯金の表面側に導電性弾性層を備えた導電性ロールであって、
上記導電性弾性層は非ハロゲン系のゴム成分にイオン導電性充填剤を配合したゴム組成物からなり、
上記導電性弾性層のゴム成分は、エチレン−プロピレン−ジエン共重合ゴム、アクリロニトリルブタジエンゴム、ブタジエンゴム、EO−PO−AGE共重合体から選択される少なくとも1種以上のゴムで、かつ、該ゴム成分は全て非ハロゲン系ゴムであり、
上記イオン導電性充填剤としてフルオロ基およびスルホニル基を有する陰イオンを備えた塩を非ハロゲン系ゴム成分100重量部に対して0.2重量部以上10重量部以下含有させ、
100Hzでの静電容量が10pF以上50pF以下であり、印加電圧1000Vでの電気抵抗が10の5乗Ω以上10の9乗Ω以下であることを特徴とする導電性ロール。 - 前記100Hzでの静電容量が28pF以上37pF以下であり、印加電圧1000Vでの電気抵抗が10の6.9乗Ω以上10の8.8乗Ω以下である請求項1に記載の導電性ロール。
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