JP5188681B2 - 半導電性ゴム部材および該ゴム部材からなる現像ローラ - Google Patents
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Description
さらに、高画質化を求めて、従来の粉砕トナーに代わり重合トナーが主流となりつつある。かかる重合トナーは、デジタル情報を印刷物にする際にドットの再現性が非常によく高品質な印刷物が得られる。加えて、重合トナーは粉砕トナーに比べ、トナーの帯電性の調整が容易であり、かつ、カートリッジに充填されるトナーの粒径および帯電性のばらつきを抑えることも可能となった。
磁性粉を用いた2成分系トナーを用いる場合には電気的および磁気的な作用により感光体上へのトナーの搬送は比較的容易であるが、非磁性1成分系トナーを用いる場合には磁気的な作用をトナーの搬送に利用することができない。そのため、電極端面となる現像ローラ表面が均一に形成されている必要がある。さらに、粒径がミクロンオーダーの細かいトナーをむらなく均一に付着させるためには、現像ローラに対しバイアス電位をかけた場合に極めて均一な電位分布となるよう、抵抗値に代表される電気的な特性がローラ内で極めて均一であることが要求される。
前記導電性ゴムローラを用いれば、さまざまな環境条件下で極めて高画質な画像が得られる。また、耐久使用を行っても、トナー帯電量の低下によるかぶりの発生が極力抑えられるとともに、シール部分を中心としたローラの摩耗によるトナー漏れを防ぐことができ、極めて良好な現像ローラと言える。
しかし、トナーを適度に使用しトナーが帯電しやすくなるトナーカートリッジ寿命の極前半において低温低湿条件下で使用すると、イオン導電性の特徴が災いしてローラの電気抵抗値が上昇し、それがトナーの帯電上昇を助長し、その結果、印刷濃度が低下する傾向にあり、この点を改善する余地がある。
しかしながら、低温低湿条件下での印刷濃度の向上については、改善の余地がある。
前記基層の厚みが半導電性ゴム部材全体の厚みに対して6割以上9.5割以下を占め、 前記表層が温度10℃、相対湿度20%の条件下における100V印加時の体積抵抗率が10 10 Ω・cm以上10 15 Ω・cm以下でほぼ絶縁性とされ、
温度10℃、相対湿度20%の条件下における100V印加時において、前記基層の電気抵抗値が107Ω以下であると共に、前記基層と表層を含む全層を積層した積層体の電気抵抗値が107Ω以下であることを特徴とする半導電性ゴム部材を提供している。
すなわち、電子導電性ゴム組成物からなるゴム層を芯金あるいはシャフト側の基層とし、表面側よりも電気抵抗値が高く、実質的に導電性を示さないゴム組成物からなるゴム層を積層させれば、低温低湿条件下での使用において表層の電気抵抗値が上昇しても基層の電気抵抗値が上昇しにくいために、積層体全体、即ち、ゴム部材としての電気抵抗値の上昇が抑えられ、一方で基層が電気導電性を示すことにより発生する抵抗のばらつきを表層が抑制してくれる。その結果、従来のイオン導電性ゴム組成物からなる半導電性ゴム部材と遜色なく均一にトナーを帯電でき高画質な画像が得られるうえに、従来の製品の問題点であった低温低湿条件下での印刷濃度の低下を防ぐことができる。
前記表層と基層の間に中間層が1または2以上存在していてもよい。中間層の組成および構造は本発明の目的に反しない限り特に限定されない。
しかし、表層と基層の2層からなる半導電性ゴム部材が、構造が簡単で製造しやすいことから工業的生産の見地からは好ましい。
本発明の半導電性ゴム部材の前記電気抵抗値は、本発明の半導電性ゴム部材がロール状として、実施例に記載の方法で測定している。
基層の前記電気抵抗値の下限値は、本発明の半導電性ゴム部材の抵抗を中抵抗にするために102Ω以上であることが好ましく、103Ω以上であることがより好ましい。
基層の前記電気抵抗値は、表層および中間層を取り除いて基層のみの状態にしたのち、本発明の半導電性ゴム部材の電気抵抗値の測定方法と全く同じ方法で測定している。
このように、表層の電気抵抗値を基層の電気抵抗値よりも高く設定することにより、基層が電気導電性を示すことにより発生する抵抗のばらつきを表層が抑制し、本発明の半導電性ゴム部材において電気抵抗値の均一化を図ることができる。
表層の前記体積抵抗率は、前記半導電性ゴム部材の表層部分のみを削り出して、表層のみの状態にしたのち、実施例に記載の方法で測定している。
さらに、隣接する2つのゴム層の密着性をより向上させるために、隣接する2つのゴム層が少なくとも同一のゴム成分を含んでいることが好ましい。
基層を構成するゴム組成物は電子導電性を示すことが必要であり、通常はゴム成分に電子導電剤を配合させたゴム組成物を用いている。
前記ゴム成分は特に限定されず、公知のエラストマーを用いればよい。例えばエチレン−プロピレン−ジエンゴム(以下、「EPDM」という)、ブタジエンゴム(以下、「BR」という)、イソプレンゴム、クロロプレンゴム、天然ゴム、アクリロニトリルブタジエンゴム(以下、「NBR」という)、スチレンブタジエンゴム(以下、「SBR」という)、スチレンゴム、ブチルゴム、ハロゲン化ブチルゴム、ポリイソブチレン、クロロスルホン化ポリエチレンゴム、アクリルゴム、ウレタンゴム、シリコーンゴム、ポリエーテル系共重合体、エピクロルヒドリン系共重合体等が挙げられる。これらは単体で用いてもよいし2種以上をブレンドして用いてもよい。
イオウ変性タイプは、イオウとクロロプレンを共重合したポリマーをチウラムジスルフィド等で可塑化し、所定のムーニー粘度に調整するものである。非イオウ変性タイプとしては、メルカプタン変性タイプまたはキサントゲン変性タイプ等が挙げられる。メルカプタン変性タイプは、n−ドデシルメルカプタン、tert−ドデシルメルカプタンまたはオクチルメルカプタン等のアルキルメルカプタン類を分子量調節剤として使用するものである。また、キサントゲン変性タイプはアルキルキサントゲン化合物を分子量調節剤として使用するものである。
また、クロロプレンゴムは生成クロロプレンゴムの結晶加速度により、結晶化速度が中庸のタイプ、結晶化速度が遅いタイプおよび結晶化速度が早いタイプに分けられる。
本発明においてはいずれのタイプを用いてもよいが、非イオウ変性で結晶化速度が遅いタイプが好ましい。
また、本発明において、クロロプレンゴムとしてクロロプレンゴムに類似の構造を有するゴムまたはエラストマーを用いることもできる。例えば、クロロプレンと他の共重合可能な単量体1種以上との混合物を重合させて得られた共重合体を用いてもよい。クロロプレンと共重合可能な単量体としては、例えば2,3−ジクロロ−1,3−ブタジエン、1−クロロ−1,3−ブタジエン、硫黄、スチレン、アクリロニトリル、メタクリロニトリル、イソプレン、ブタジエン並びにアクリル酸、メタクリル酸およびこれらのエステル類などが挙げられる。
電子導電剤の配合量は電子導電剤の種類により異なるので一概には言えず、電気抵抗値やゴム硬度などの物性を見ながら適宜選択すればよい。例えばゴム成分100質量部に対して5〜60質量部であることが好ましく、8〜40重量部であることがより好ましく、10〜30質量部であることが特に好ましく、15〜25質量部であることが最も好ましい。
表層を構成するゴム組成物として、実質的に絶縁性のゴム組成物を用いる。
上記「実質的に絶縁性のゴム組成物」とは、当該ゴム組成物で構成される表層の温度10℃、相対湿度20%の条件下における100V印加時の体積抵抗率が1010〜1015Ω・cmとなる組成物をいう。
前記条件を満たせば公知のゴム組成物を用いてよいが、具体的には例えばEPDM、BR等の非極性ゴム;SBR、NBR、クロロプレンゴムもしくはウレタンゴム等の溶解パラメーター(SP値)が高い極性ゴムが挙げられる。なかでも、非極性ゴムとしてはEPDM、極性ゴムとしてはクロロプレンゴム、NBRを用いることが好ましい。特にクロロプレンゴムを用いることが好ましい。
クロロプレンゴムを配合する場合、その配合量は耐オゾン性の観点からは全ゴム成分100質量部に対して5質量部以上、さらにゴムの均一性の観点からは10質量部以上とするのが好ましい。また、他のゴムとブレンドする場合は90質量部以下とするのが好ましい。
クロロプレンゴムは、塩素元素を多く含有し、プラス帯電のトナーを容易に帯電させることができる。そのため、特にプラス帯電トナーを利用したプリンターに使用する現像ローラに用いると優れた帯電特性を発揮する。具体的には、プラス帯電トナーを利用したプリンターに使用する現像ローラに用いる場合、クロロプレンゴムをゴム成分100質量部に対し、20質量部以上配合することにより、優れたプラス帯電付与性能が得られる。さらに、30質量部以上配合することが好ましい。
さらに、クロロプレンゴムを用いる場合、これに極性ゴム、特にNBRをブレンドしても良い。極性ゴム、特にNBRをブレンドすることにより、硬度上昇を抑制でき、温度依存性も低減できるという利点がある。
ゴム成分としてクロロプレンゴムにNBRをブレンドする場合、NBRの含有量は全ゴム成分100質量部に対し5〜95質量部としている。さらに、低硬度化の観点からは、全ゴム成分100質量部に対し10質量部以上配合することが好ましく、耐オゾン性の観点からは90質量部以下とするのが好ましい。また、トナーの極性により異なるが、例えば、プラス帯電性トナーを用いる画像形成装置に現像ローラとして使用する場合はトナーの帯電量が低減するのでNBRの含有量は50質量部以下とし、好ましくは20質量部以下とする。硬度上昇の抑制や温度依存性の低減効果を実質的に得るためにはNBRの含有量は5質量部以上とする。上述した帯電性の観点より、クロロプレンゴムがNBRゴムまたはポリエーテル系共重合体よりも多く含有されていることが好ましい。
NBRゴムは、極性基であるアクリロニトリル基を有し、クロロプレンゴムとは逆にマイナス帯電のトナーを容易に帯電させることができる。そのため、特に、マイナス帯電トナーを利用したプリンターに使用する現像ローラに用いた帯電特性を発揮する。具体的には、マイナス帯電性トナーを利用したプリンターに使用する現像ローラに用いる場合、NBRゴムをゴム成分100質量部に対し20質量部以上配合することにより、マイナス帯電付与性能が得られる。30質量部以上配合するのがさらに好ましい。
具体的には、導電性カーボンブラックの配合量をゴム成分100質量部に対し10質量部以下とすることが好ましい。ただし、カーボンブラックとして導電性カーボンブラックではなく、下記に詳述する弱電性カーボンブラックを用いる場合は、その配合量が電気抵抗値に影響しないためゴム成分100質量部に対して5質量部以上70質量部以下と配合量の制限は広くなる。
NBRを配合する場合、その含有量は全ゴム成分100質量部に対し5〜95質量部であることが好ましく、10〜90質量部であることがより好ましく、10〜80質量部であることがさらに好ましい。さらに、15〜65質量部であることが特に好ましく、20〜50質量部であることが最も好ましい。プリンターで発生するオゾンや熱による酸化劣化の観点からはNBRの含有量は80質量部以下であることが好ましく、硬度上昇の抑制や温度依存性の低減効果を実質的に得るためにはNBRの含有量は5質量部以上であることが好ましい。また、老化防止剤を添加することが好ましい。
前記加硫剤としては硫黄系、チオウレア系、トリアジン誘導体系、過酸化物、各種モノマー等が使用できる。これらは単独で使用しても2種以上を組み合わせて使用してもよい。
硫黄系加硫剤としては粉末硫黄、またはテトラメチルチウラムジスルフィドもしくはN,N−ジチオビスモルホリンなどの有機含硫黄化合物等が挙げられる。
チオウレア系加硫剤としてはテトラメチルチオウレア、トリメチルチオウレア、エチレンチオウレアおよび(CnH2n+1NH)2C=S(式中、nは1〜10の整数を表す。)で示されるチオウレア等が挙げられる。
過酸化物としてはベンソイルペルオキシドなどが挙げられる。
加硫剤の配合量は各層を構成するゴム成分100質量部に対して0.2質量部以上5質量部以下であることが好ましく、1質量部以上3質量部以下であることがより好ましい。
硫黄は、各層を構成するゴム成分100質量部に対して0.1質量部以上5.0質量部以下、好ましくは0.2質量部以上2質量部以下の割合で含まれているのが良い。上記範囲としているのは、0.1質量部より小さいと組成物全体の加硫速度が遅くなり生産性が悪くなりやすいためである。一方、5.0質量部より大きいと圧縮永久ひずみが大きくなったり、硫黄や促進剤がブルームしたりする可能性があるためである。
また、チオウレア類を各層を構成するゴム成分100gに対して合計0.0009mol以上0.0800mol以下、好ましくは0.0015mol以上0.0400mol以下の割合で配合しているのが良い。上記チオウレア類を上記範囲で配合することにより、ブルームや感光体汚染を起こりにくくすることができると共に、ゴムの分子運動をあまり妨げないため、より低い電気抵抗を実現すると共に、圧縮永久ひずみ等の力学的物性にも優れた非常に高性能なゴム組成物とすることができる。また、チオウレア類の添加量を増やし架橋密度を上げるほど電気抵抗値を下げることができる。上記範囲としているのは、0.0009molより少ないと圧縮永久ひずみを改善しにくい、あるいは電気抵抗値を下げにくいためである。一方、0.0800molより多いとゴム組成物表面からチオウレア類がブルームし感光体を汚染したり、破断伸び等の機械的物性が極度に悪化しやすいためである。
加硫促進剤としては、消石灰、マグネシア(MgO)もしくはリサージ(PbO)等の無機促進剤や以下に記す有機促進剤を用いることができる。有機促進剤としては、ジ−オルト−トリルグアニジン、1,3−ジフェニルグアニジン、1−オルト−トリルビグアニド、ジカテコールボレートのジ−オルト−トリルグアニジン塩等のグアニジン系;2−メルカプト・ベンゾチアゾールもしくはジベンゾチアジルジスルフィド等のチアゾール系;N−シクロヘキシル−2−ベンゾチアジルスルフェンアミド等のスルフェンアミド系;テトラメチルチウラムモノスルフィド、テトラメチルチウラムジスルフィド、テトラエチルチウラムジスルフィドもしくはジペンタメチレンチウラムテトラスルフィド等のチウラム系;チオウレア系等が挙げられ、これらを単独でまたは適宜組み合わせて用いることができる。
加硫促進剤の配合量は、各層を構成するゴム成分100質量部に対して0.1質量部以上10質量部以下が好ましく、0.2質量部以上8質量部以下がより好ましい。
加硫促進助剤の添加量は、各層を構成するゴム成分100質量部に対して0.1質量部以上10質量部以下が好ましく、0.2質量部以上8質量部以下がより好ましい。
充填剤の添加量は各層を構成するゴム成分100質量部に対し80質量部以下とすることが好ましく、60質量部以下とすることがより好ましい。
スコーチ防止剤の添加量は、各層を構成するゴム成分100質量部に対して0.1質量部以上5質量部以下が好ましく、0.1質量部以上1質量部以下がより好ましい。
受酸剤としては酸受容体として作用する種々の物質を用いることができるが、分散性に優れていることからハイドロタルサイト類またはマグサラットが好ましく、特にハイドロタルサイトがより好ましい。さらに、酸化マグネシウムや酸化カリウムと併用することにより高い受酸効果が得られ、感光体汚染をより確実に防止することができる。
受酸剤の配合量は、各層を構成するゴム成分100質量部に対し1質量部以上10質量部以下、好ましくは1質量部以上5質量部以下としている。加硫阻害および感光体汚染を防止する効果を有効に発揮させるため受酸剤の配合量は1質量部以上であることが好ましく、硬度の上昇を防ぐため受酸剤の配合量は10質量部以下であることが好ましい。
前記誘電正接調整剤としては、弱導電性カーボンブラックまたは脂肪酸処理された炭酸カルシウム等が挙げられる。なかでも、弱導電性カーボンブラックを用いる方が好ましい。
前記弱導電性カーボンブラックとして、一次粒径が80nm以上、好ましくは100nm以上のものを用いれば、より有効に前記効果が得られる。また、一次粒径が500nm以下、好ましくは250nm以下であると表面粗さを極めて小さくできる。前記弱導電性カーボンブラックの形状は表面積が小さいことから球形状または球形に近い形状が好ましい。
弱導電性カーボンブラックとしては種々の選択が可能であるが、中でも大粒径を得やすいファーネス法またはサーマル法により製造されたカーボンブラックが好ましく、ファーネスカーボンブラックがより好ましい。カーボンの分類で言うとSRFやFT、MTが好ましい。また顔料で用いられるカーボンブラックを用いても良い。
弱導電性カーボンブラックの配合量は、他の成分との混合性の観点から5〜60質量部であることがより好ましく、10〜50質量部であることが特に好ましい。
脂肪酸処理された炭酸カルシウムの配合量は各層を構成するゴム成分100質量部に対して30〜80質量部、好ましくは40〜70質量部である。誘電正接を低減する効果を実質的に発揮するためには30質量部以上であることが好ましく、硬度の上昇および抵抗の変動を避けるためには80質量部以下であることが好ましい。
まず、基層を構成する各成分をよく混練してゴム組成物を作製する。一方で、表層を構成する各成分をよく混練してゴム組成物を作製する。
得られたゴム組成物を用いて、基層および表層、所望により中間層が形成されるように成形する。成形方法としては公知の成形方法を用いてよいが、例えば生ゴムをプレスにより成形してもよいし、複層状にゴムを押し出し、加硫缶で加硫するか、連続加硫により加硫するか、またはプレスにより加圧加硫すればよい。なかでも、複層状にゴムを押し出し、加硫缶で加硫するか、連続加硫により加硫することが、ゴム厚みの調整およびコストの観点から特に好ましい。
ついで、本発明の半導電性ゴム部材がローラ状の場合は、中心に芯金(シャフト)を挿入する。なお、加硫する前に芯金の挿入を行ってもよい。芯金はゴムロールに圧入することで固定してもよいし、導電性接着剤でゴムロールに接合してもよい。芯金は、アルミニウム、アルミニウム合金、SUSもしくは鉄等の金属製、またはセラミック製等とすることができる。
さらに、所望により表面を研磨する。研磨の方法は特に限定されず、例えば本発明の半導電性ゴム部材がローラ状の場合は、円筒研磨機でトラバース研磨を施し、ついで仕上げ研磨として鏡面研磨を施す。
酸化膜としては多数のC=O基またはC−O基等を有する酸化膜が好ましい。酸化膜は表層の表面に紫外線照射あるいは/およびオゾン照射等の処理を施し、表層の表層部分を酸化することで形成されている。なかでも紫外線照射により酸化膜を形成することが、処理時間が早く、コストも低いことから好ましい。
また、紫外線照射を施す場合、表層を構成するゴム組成物においては、NBRなど紫外線で劣化しやすいゴムは90質量部以下の配合が好ましく、80質量部以下の配合がより好ましい。一方で、特にクロロプレンおよびクロロプレン系ゴムの添加は極めて有効である。
本発明の半導電性ゴム部材においては、トナーに高い帯電性を付与し、かつその帯電性の持続性を向上させるために、電圧5V、周波数100Hzで交流電圧を印加した際の誘電正接を0.1〜1.5とすることが好ましい。
誘電正接とは、電気の流し易さ(導電率)とコンデンサー成分(静電容量)の影響度を示す指標であり、交流電流を印加した際の位相遅れを示すパラメーターでもあり、電圧をかけた時のコンデンサー成分割合の大きさを示している。例えば、誘電正接はトナーが量規制ブレードにより高圧で現像ローラに接触した際に生成される帯電量と感光体へ搬送されるまでにローラ上に逃げる帯電量とにより表され、感光体接触直前の帯電量を示す指標となる。
誘電正接が大きいと電気(電荷)を通しやすく分極は進みにくい。逆に誘電正接が小さいと電気(電荷)を通しにくく分極が進むことになる。よって、誘電正接が小さい方が半導電性ゴム部材のコンデンサー的特性が高く、摩擦帯電で生じたトナー上の電荷を半導電性ゴム部材から逃すことなく維持できる。すなわち、トナーに帯電性を付加でき、付加した帯電性を維持することができる。かかる効果を得るために誘電正接を1.5以下としている。また、帯電量が上がりすぎて印刷濃度が低下しすぎるのを防ぐため、さらには誘電正接を調整するための添加物の量が多くなり硬くなるのを避けるため、誘電正接は0.1以上としている。
誘電正接の下限は0.2以上がより好ましく、また、上限は1.0以下がより好ましい。
誘電正接の測定条件として5Vの微小電圧を印加しているのは本発明の半導電性ゴム部材を現像ローラとして用いた場合、現像ローラがトナーを保持した際、また、トナーを感光体に搬送した際には極めて微小な電圧変動を生じるためである。
また、周波数を100Hzとしているのは、現像ローラの回転数、現像ローラが接触または近接する感光体やブレード、トナー供給ローラとのニップを考慮すると100Hz程度の低周波数が極めて事象に適合するためである。
摩擦係数の下限は0.25以上がより好ましく、また上限は0.8以下がより好ましい。摩擦係数を調整するための添加物の量が多くなり加工しにくくなるため摩擦係数は0.25以上であることがより好ましく、初期のトナー帯電量を向上できるうえに耐久期間後期にトナーの帯電量が低減するのを抑制できることから摩擦係数は0.8以下であることがより好ましい。
なお表面粗さRzは、JIS B 0601(1994)にしたがって測定する。
さらに、JIS K 6262に規定されている圧縮永久歪みが10%以下であることが好ましく、9.5%以下であることがより好ましい。圧縮永久歪みが10%以下であると、ローラやベルトになった時の寸法変化が小さく、また耐久性が向上し、画像形成装置の精度をより長期に渡り維持することができるようになる。下限については加硫条件の最適化や安定した量産性の面で1%以上が好ましい。なお、圧縮永久歪みの測定条件は、測定温度70℃、測定時間24時間、圧縮率25%とする。
該現像ローラは非磁性1成分トナーを感光体に搬送するための現像ローラとして好適に用いられる。
電子写真装置の画像形成機構における現像方式としては感光体と現像ローラの関係で分類すると接触式または非接触式に大別されるが、本発明の半導電性ゴム部材はいずれの方式にも利用できる。なかでも本発明の半導電性ゴム部材を現像ローラとして用いる場合は感光体に概接触していることが好ましい。
このとき、非磁性1成分トナーはプラス帯電性またはマイナス帯電性のいずれであってもよい。
よって、前記半導電性ゴム部材からなる現像ローラでは、トナーの帯電性をコントロールして、トナーに帯電性を付与するとともに付与した帯電性を維持することができる。その結果、高画質な画像を長期間にわたって得ることができる。かつ、低温低湿条件下においても、トナーの帯電量を安定させ印刷濃度の低下を防止することができる。
さらに、本発明の半導電性ゴム部材は、層構成または各層の組成を変更することにより、プラス/マイナス帯電性のコントロールが広い範囲で可能となる。その結果、本発明の半導電性ゴム部材を現像ローラとして用いた場合、プラス帯電性のトナーおよびマイナス帯電性のトナーのいずれに対しても適切な帯電量を負荷できる。
半導電性ゴムローラ10は図1に示すように、円筒形状の肉厚0.5〜20mm、好ましくは1〜15mm、より好ましくは5〜15mmのトナー搬送部1と、その中空部に圧入された円柱形状の芯金(シャフト)2と、トナー4が漏れるのを防止するシール部3を備えている。前記トナー搬送部1と芯金2とは導電性接着剤で接合されている。トナー搬送部1の肉厚を0.5〜20mmとしているのは、前記範囲より小さいと適当なニップを得にくく、前記範囲より大きいと部材が大きすぎて小型軽量化を図りにくいからである。
芯金2は、アルミニウム、アルミニウム合金、SUSもしくは鉄等の金属製、またはセラミック製等とすることができる。
シール部3はテフロン(登録商標)などの不織布やシートから構成されている。
基層1aと表層1bの厚みの比は5〜9.5:5〜0.5であることが好ましく、7〜9:3〜1であることがより好ましい。
基層1aの温度10℃、相対湿度20%の条件下における100V印加時の電気抵抗値は103〜105Ωであり、好ましくは104〜105Ωである。さらに、前記電気抵抗値の抵抗振れは20未満である。
そして、半導電性ゴムローラ10の温度10℃、相対湿度20%の条件下における100V印加時の電気抵抗値は、基層1aの同条件下における100V印加時の電気抵抗値よりも高い。
前記ゴム成分としては、NBR、クロロプレンゴムもしくはウレタンゴム等の溶解パラメーター(SP値)が高い極性ゴムを用いることが好ましく、なかでもクロロプレンゴムを用いることがより好ましい。クロロプレンゴムとしては非イオウ変性で結晶化速度が遅いタイプが好ましい。
前記電子導電剤としては、導電性カーボンブラックを用いることが好ましい。電子導電剤の配合量はゴム成分100質量部に対して10〜25質量部であることが好ましい。
EPDMとしては、非油展タイプのものが好ましい。また、ジエンモノマーとしてエチリデンノルボルネンを有するEPDMが好ましく、さらにエチレン含有量が50〜70質量%であるEPDMが特に好ましい。
加硫剤としては、硫黄とエチレンチオウレアを併用する。加硫剤の配合量はゴム成分100質量部に対して1質量部以上3質量部以下としている。硫黄とエチレンチオウレアは、(硫黄:エチレンチオウレア)=1:0.05〜8の質量比で配合することが好ましい。エチレンチオウレアの硫黄に対する質量比の下限を0.05としているのは、硫黄とエチレンチオウレアを併用する場合、エチレンチオウレアは微量でも加硫増強に効果があるためである。また、エチレンチオウレアの硫黄に対する質量比の上限を8としているのは、質量比が8より大きくなるとスコーチが短くゴム焼けが発生しやすくなり、複層を形成する際に加工性が悪くなるためである。
さらに、(硫黄:エチレンチオウレア)=1:1.5〜4の質量比で配合することがより好ましく、圧縮永久ひずみを小さくするには、(硫黄:エチレンチオウレア)=1:1.5の質量比で配合することが好ましい。
前記他の成分としては、充填剤が挙げられる。充填剤としては酸化亜鉛を用いている。また、電子導電剤である導電性カーボンブラックや下記する弱電性カーボンブラックも充填剤としての役割を果たす。充填剤の添加量はゴム成分100質量部に対し10〜70質量部とし、10〜50質量部とすることがより好ましい。
弱導電性カーボンブラックとしては、平均一次粒径が100〜250nmで、球形状または球形に近い形状のものを用いる。弱導電性カーボンブラックの配合量は、ゴム成分100質量部に対して5〜70質量部であることが好ましく、5〜30質量部であることがより好ましい。弱導電性カーボンブラックを前記量配合することにより、本発明の半導電性ゴムローラの誘電正接を低減することができる。また、ローラ表面のタック感を減少させ、トナー離れを向上させることができる。
まず、基層1aを構成するゴム組成物および表層1bを構成するゴム組成物それぞれを作製する。
例えば、構成成分をバンバリーミキサー、ニーダー、オープンロールなど公知の方法で混ぜ合わせればよく、後に成形しやすいようにペレット状、シート状およびリボン状にしておいてもよい。混練時の温度および混練時間は適宜選択すればよい。また、混合順序も特に問わず、全ての成分を一度に混ぜ合わせても良いし、一部を予め混ぜ合わせ、得られた混練物に他の成分を混合しても良い。
より具体的には、ニーダーにゴム成分、導電性カーボンブラックまたは弱電性カーボンブラック、酸化亜鉛をこの順序で投入し、排出温度80〜150℃にて混練する。得られた混練物に加硫剤、所望により受酸剤等の他の添加剤を添加して、ロールにて1〜30分間、好ましくは1〜15分間練り、得られた混練物をリボン状のコンパウンドとする。
加硫時間は、加硫試験用レオメータ(例えばキュラストメータ)により最適加硫時間を求めて決めている。加硫温度は必要に応じて前記温度に上下して定めてよい。なお、他の部材への汚染と圧縮永久ひずみを低減させるため、なるべく十分な加硫量を得られる様に条件を設定することが好ましい。また、発泡剤等を配合して発泡ロールを形成してもよい。
ついで、芯金2を挿入・接着し表面を研磨した後、所要寸法にカットする。なお、芯金2を挿入するのは加硫を行う前でもよい。
誘電正接は以下のようにして測定する。
図4に示すようにトナー搬送部1を載置している金属板53と芯金2とを電極とし、トナー搬送部1に周波数100Hzから100kHzの交流電圧を印加し、LCRメータ(安藤電気(株)製「AG−4311B」)にてR(抵抗)成分とC(コンデンサー)成分を分離して測定する。このRとCの値から以下の式により誘電正接を求める。なお、前記測定は温度23℃、相対湿度55%の恒温恒湿条件下で行う。
誘電正接(tanδ)=G/(ωC),G=1/R
このように誘電正接は1本のローラの電気特性をローラの抵抗成分とコンデンサー成分の2種の並列等価回路としてモデル化した際にG/ωCとして求まる値である。
摩擦係数は、図5に示すように、デジタルフォースゲージ((株)イマダ製「Model PPX−2T」)41と、摩擦片(市販のポリエステル製のOHPフィルム、ローラ長手方向との接触幅;50mm)42と、20gの重り44と、半導電性ゴムローラ10とからなる装置においてデジタルフォースゲージ41で測定された数値をオイラーの式に代入し、算出する。
半導電性ゴムローラ10は、実施例に記載の印刷試験において、5%印字で約7000枚の印字が可能なトナーカートリッジを用いて印刷を行なった場合、初期および5%印字で2000枚印刷した後の黒ベタ画像の印刷濃度が1.6以上で、より好ましく、1.8以上としている。さらに、初期の黒ベタ画像の印刷濃度と2,000枚印刷後の黒ベタ画像の印刷濃度の差が、0.2以下、好ましく、0.1以下としている。
(1)基層を構成するゴム組成物の作製
表1に示した配合に従い、10Lニーダーに、ゴム成分、導電性カーボンブラックをこの順序で投入し、ついで亜鉛華(三井金属鉱業(株)製「酸化亜鉛2種」)をゴム成分100質量部に対し5質量部投入し、排出温度110℃にて混練りした。得られた混練物に加硫剤を添加して、ロールにて5分間練り、リボン状のコンパウンドを得た。
ここで、加硫剤としては、粉末硫黄をゴム成分100質量部に対し0.5質量部およびエチレンチオウレア(川口化学工業(株)製「アクセル22−S」)をゴム成分100質量部に対し1.4質量部用いた。
表1に示した配合に従い、10Lニーダーに、ゴム成分、弱電性カーボンブラック、酸化亜鉛をこの順序で投入した。ロールにて5分間練り、リボン状のコンパウンドを得た。 なお、受酸剤としてはハイドロタルサイト(協和化学工業(株)製「DHT−4A−2」)を、クロロプレンゴム100質量部に対し5質量部用いた。酸化亜鉛および加硫剤の種類および配合量は、基層を構成するゴム組成物と同一である。
φ60のバキューム式ゴム押出機を2台並列に配置して、それぞれに基層を構成するゴム組成物および表層を構成するゴム組成物を投入した。特殊な積層部を設け、基層と表層の2層が積層できるよう工夫した口金を経由して、口金温度60℃にて2種のゴム組成物を積層させて連続的に押し出すことにより、内径φ8.5mm、外径φ20.5mmのチューブ状の積層ロールを得た。
2層それぞれの厚みは、最終製品の設計や研磨しろ、加硫によるゴムの体積変化等を考慮して、口金の形状や押出時の口金温度等を変更することにより任意に設定できる。また、この工程で気泡やゴム分子に吸着された水分以上の水分は取り除くことができる。
得られた積層ロールを常圧下でφ8mmの金属製シャフトに挿入し、160℃で60分間加熱し、加硫させた。
ローラ表面を水洗いした後、紫外線照射を行い表層に酸化層を形成した。これは紫外線照射機(セン特殊光源(株)製「PL21−200」)を用い、ローラと紫外線ランプ間の距離を10cmとして周方向90度毎に紫外線(波長184.9nmと253.7nm)を5分間照射することによって行い、ローラを4回回転させてローラ全周(360度)に酸化膜を形成させた。表1中の照射時間は一面当たり(90度範囲)の照射時間を指す。
・エピクロルヒドリンゴム(ECO);ダイソー(株)製「エピクロマーD」
(EO(エチレンオキサイド)/EP(エピクロルヒドリン)=61mol%/39mol%)
・クロロプレンゴム;昭和電工(株)製「ショープレンWRT」
・エピクロルヒドリンゴム(GECO);ダイソー(株)製「エピクロマーCG102」(エチレンオキサイド(EO)/エピクロルヒドリン(EP)/アリルグリシジルエーテル(AGE)=56mol%/40mol%/4mol%)
・ポリエーテル系共重合体;日本ゼオン(株)製「ゼオスパンZSN8030」
(エチレンオキサイド(EO)/プロピレンオキサイド(PO)/アリルグリシジルエーテル(AGE)=90mol%/4mol%/6mol%)
・アクリロニトリルブタジエンゴム(NBR);日本ゼオン(株)製「ニッポール401LL」(アクリロニトリル含量18%の低ニトリルNBR)
・エチレン−プロピレン−ジエン共重合体(EPDM):住友化学(株)製「エスプレン505A」(非油展タイプ)
・導電性カーボンブラック;電気化学工業(株)製「デンカブラック」
・弱電性カーボンブラック;旭カーボン(株)製「旭#15(平均1次粒径122nm)」
(半導電性ゴムローラの電気抵抗値の測定)
図3に示すように、芯金2を通したトナー搬送部1をアルミドラム13上に当接搭載し、電源14の+側に接続した内部抵抗r(100Ω)の導線の先端をアルミドラム13の一端面に接続すると共に電源14の−側に接続した導線の先端をトナー搬送部1の他端面に接続して測定した。
前記電線の内部抵抗rにかかる電圧を検出し、検出電圧Vとした。この装置において印加電圧をEとすると、ローラ電気抵抗値RはR=r×E/(V−r)となるが、今回−rの項は微少とみなし、R=r×E/Vとした。芯金2の両端に500gずつの荷重Fをかけ30rpmで回転させた状態で、印加電圧Eを100Vとした時の検出電圧Vを4秒間で100個測定し、上式によりRを算出した。得られた値の平均値をローラ抵抗値として表中にlog値で示した。なお、本測定はゴムローラを温度10℃、相対湿度20%の低温低湿条件下に24時間以上放置した後に行なった。
表層を研磨し基層のみの1層構造にして、上記と同一の方法でローラ抵抗Rを測定した。得られた値の平均値を基層の電気抵抗値として表中に示した。また、電気抵抗値の最大値と最小値から(電気抵抗値の最大値/最小値)を算出し、抵抗振れとして表中に示した。
ローラの表層部分のみを削り出して、表層のみの1層の状態にしたのち、(株)ダイアインスツルメンツ社製ハイレスタ UR−SSプローブ(MCP−HTP15)を用いて、100V印加時の体積抵抗率を測定した。該プローブのスポット径はφ3mmであるため、削りだした表層部分のような小さなサンプルの測定も行なうことができる。
市販のレーザープリンター(プラス帯電性を示す非磁性1成分トナーを使用した市販のプリンター)に実施例及び比較例の各半導電性ゴムローラを現像ローラとして装着し、画像として出力したトナー量の変化、すなわち印刷物上のトナー積層量の変化を指標として性能評価を行った。なお、印刷物上のトナー積層量の測定は以下に示すような透過濃度の測定により代用できる。
具体的には、黒ベタ画像を温度10℃、相対湿度20%の条件下で印刷し、得られた印刷物上の任意の5点において反射透過濃度計(TECHKON社製「テシコン濃度計RT120/ライトテーブルLP20」)にて透過濃度を測定し、その平均値を初期印刷濃度(表中では「C0」と表す。)とした。
さらに、温度10℃、相対湿度20%の条件下で5%印字画像を1,999枚印刷し、12時間放置した後2,000枚目に黒ベタ画像を印刷し、当該2,000枚目の印刷物について前記と同様に透過濃度を測定し、その平均値を2,000枚印刷後の印刷濃度(表中では「C2000」と表す。)とした。2,000枚印刷後の透過濃度を測定したのは、通常慣らし運転が終了するのが2,000枚程度だからである。
得られた値から、初期印刷濃度と2,000枚印刷後の印刷濃度の差=C0−C2000も表中に示した。
さらに、初期の黒ベタ画像の印刷濃度と2,000枚印刷後の黒ベタ画像の印刷濃度の差が0.2以下であることが好ましく、0.1以下であることがより好ましい。
前記印刷試験と同様に市販のレーザープリンター(プラス帯電性の非磁性1成分トナーを使用した市販のプリンター)に実施例及び比較例の各半導電性ゴムローラを現像ローラとして装着した。そして、5%印字画像を100枚印刷後に25%ハーフトーン画像を印刷し、その際の濃淡ムラを観察した。濃淡ムラが全くみられないものを「○」、濃淡ムラがわずかしかみられないものを「△」、濃淡ムラが目立つものを「×」とした。また、ローラの周回による濃度低下も観察した。
なお、比較例3の半導電性ゴムローラは、初期印刷濃度が低すぎて実用的な使用に耐えない。
さらに、比較例1〜3の半導電性ゴムローラは濃淡ムラやローラの周回による濃度低下も見られる。
さらに、実施例1、4の半導電性ゴムローラは濃淡ムラやローラの周回による濃度低下も見られない。このことから、本発明の半導電性ゴム部材は高画質が長期にわたり維持できることがわかる。
1a 基層
1b 表層
1c 酸化膜
2 芯金
3 シール部
4 トナー
10 半導電性ゴムローラ
Claims (4)
- ゴム組成物で形成される表層と、電子導電性のゴム組成物で形成される基層との少なくとも2層以上の加硫ゴムで形成されている半導電性ゴム部材であって、
前記基層の厚みが半導電性ゴム部材全体の厚みに対して6割以上9.5割以下を占め、 前記表層が温度10℃、相対湿度20%の条件下における100V印加時の体積抵抗率が10 10 Ω・cm以上10 15 Ω・cm以下でほぼ絶縁性とされ、
温度10℃、相対湿度20%の条件下における100V印加時において、前記基層の電気抵抗値が107Ω以下であると共に、前記基層と表層を含む全層を積層した積層体の電気抵抗値が107Ω以下であることを特徴とする半導電性ゴム部材。 - 前記基層と表層の2層の積層体からなり、
前記積層体の電気抵抗値が、前記基層のゴム層の電気抵抗値よりも高く、かつ、
前記基層の温度10℃、相対湿度20%の条件下における100V印加時の電気抵抗値の抵抗振れが20未満である請求項1に記載の半導電性ゴム部材。 - 前記基層および表層を構成するゴム組成物はクロロプレンゴムを含み、隣接する層が接着剤を介さず一体化され、かつ、前記表層の最外面に酸化膜が形成されている請求項1または請求項2に記載の半導電性ゴム部材。
- 請求項1乃至請求項3のいずれか1項に記載の半導電性ゴム部材からなる画像形成装置用の現像ローラで、
前記現像ローラの表層は、ゴム成分100質量部に対しクロロプレンゴムを少なくとも20質量部以上含有し、かつ、前記クロロプレンゴムはNBRゴムまたはポリエーテル系共重合体よりも多く含有されてなるプラス帯電性の非磁性1成分トナーを用いた画像形成装置用の現像ローラ。
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