JP2004163825A - 導電性ローラ及び、該導電性ローラを備えた画像形成装置 - Google Patents
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Abstract
【解決手段】導電性を有する芯金2と、芯金2の表面側に少なくとも1層以上の導電性弾性層1を備えた導電性ローラ10において、導電性弾性層1は、非塩素・非臭素系ポリマーと、フルオロ基及びスルホニル基を有する陰イオンを備えた塩とを含有したポリマー組成物を用いて形成する。
【選択図】 図1
Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、導電性ローラ及び、該導電性ローラを備えた画像形成装置に関し、詳しくは、複写機、レーザービームプリンタ、ファクシミリ、ATM等の事務機器の画像形成装置に用いられる導電性ローラの電気抵抗の環境依存性・経時変化等を改良すると共に、ローラの部位による電気抵抗のばらつきを低減し、安定して良好な画像を形成するものである。
【0002】
【従来の技術】
プリンター、電子写真複写機、ファクシミリ装置等の事務機器の画像形成装置には、帯電ローラ、現像ローラ、転写ローラ、トナー供給ローラ等の導電性ローラが用いられている。この機器で画像が形成される場合、まず帯電ローラが感光ドラム等の静電潜像保持体を均一に帯電させる。次に、画像露光によって静電潜像保持体上に静電潜像が形成される。次に、現像ローラによって静電潜像保持体上にトナーが供給され、トナー像が形成される。このトナー像は転写ローラを介して紙等の被印刷体に転写され、定着される。こうして、所望の画像が印刷される。
【0003】
これらの導電性ローラでは、画像形成機構上、その電気抵抗値が104Ωから109Ω程度(すなわち半導電領域)とされる必要がある。ローラに導電性を付与する目的で、エピクロルヒドリンゴム、アクリロニトリルブタジエンゴム等のイオン導電性ゴムやイオン導電剤等が用いられ、ローラがイオン導電性とされることがある。このイオン導電性ローラでは、フリーイオンの移動によって電流が流れる。従って、後述する理由により電子導電性物質によって導電化されているゴムにおいて顕著に見られる印加電圧による電気抵抗値の変動が少ない。
【0004】
このイオン導電性ローラでは、温度、湿度等の環境に依存してイオンの移動性が変化し、電気抵抗値が変動してしまう傾向が見られる。この変動幅が大きいと環境によるローラの電気抵抗値の変化をカバーするため、このようなローラを用いる画像形成装置は、より大きな電源を必要とすると共に、消費電力も大きくなってしまう。さらには、より複雑な制御系が必要となったり、あるいは、より多くの回数の環境試験(温度や湿度を変えた状況下での動作テスト)を必要とするため、開発に要する時間やコストが増大してしまう。
【0005】
一方、ローラに導電性を付与する目的で、ゴムにカーボンブラック、金属粉末等の電子導電性物質が配合されることがある。ローラに電圧が印加されると、電子導電性物質を通じて電子が伝導し、電流が流れる。電子導電性ローラでは、イオン導電性物質が用いられる必要がないので、環境に依存した電気抵抗値の変動が抑えられる。
【0006】
しかし、この電子導電性ローラでは、その程度は、電子導電性物質の分散状態及び個々の電子導電性物質粒子間の距離に依存するが、印加電圧が高いほど電気抵抗値が小さくなる現象が見られる。電気抵抗値の印加電圧への依存は、低電圧下では通電しない電子導電性物質間が高電圧下で電子が加速され通電してしまうことに起因すると推測される。また、この電子導電性ローラでは、電子導電性物質の分散が不均一であると、部位による電気抵抗値のばらつき(特にローラ周方向のばらつき)が生じてしまう。さらに、電子導電性ローラでは、時間の経過に従い、電気抵抗値が徐々に変化していく現象が見られる。このような電気抵抗値の変動やばらつきは、画像形成に悪影響を与えてしまう。
【0007】
このように、電気抵抗値の印加電圧依存性が小さく、部位によるばらつきの小さい導電性ローラでは、電気抵抗値の環境依存性が大きい。一方、電気抵抗値の環境依存性が小さな導電性ローラでは、電気抵抗値の印加電圧依存性が大きく、また、部位による電気抵抗値のばらつきが大きい。よって、これら全ての性能を満足し、常に良好な画像を形成させるために、従来、種々の提案がなされている。
【0008】
例えば、特開平8−334995号ではNBRとEPDMの混合物中に、特開平10−254215号では、NBRとEPDMとCRとの混合物中に2種類のカーボンブラックを分散させ、抵抗値のばらつきが少なく、広い抵抗領域での環境変動や印加電圧によらず安定した抵抗値に制御できる半導電性ローラが提案されている。
【0009】
また、特開2001−175098号では、様々な環境中における体積固有抵抗のばらつきや、電気抵抗の位置ばらつき等を低減するために、有極性ゴムであるNBR、無極性ゴムであるEPDM、カーボンブラック等の導電剤を配合した発泡弾性層を有するゴムローラが提案されている。
【0010】
【特許文献1】
特開平8−334995号公報
【0011】
【特許文献2】
特開平10−254215号公報
【0012】
【特許文献3】
特開2001−175098号公報
【0013】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、上記した特開平8−334995号、特開平10−254215号、特開2001−175098号では、イオン導電性ゴムであるNBRと、電子導電性物質であるカーボンブラックを併用することによりイオン導電性と電子導電性の両者の利点を生かす試みがなされているが、電気抵抗の部位によるばらつきや電気抵抗の電圧依存性の低減と、電気抵抗の環境依存性の低減を完全に両立することができないという問題がある。
【0014】
即ち、電子導電性物質の添加により、いくらか環境依存性は低減できても、それに応じて電気抵抗のばらつきや電圧依存は増大してしまい、完全な両立は困難である。言い換えると、電気抵抗の環境依存性と電圧依存性の比率は変更できても、その和が小さくするようなことは達成されていないのが現状である。
【0015】
さらに、イオン導電性ゴムとして、エピクロルヒドリンゴム等の塩素系あるいは臭素系ゴム成分を用いると、使用後の焼却処理等により、有毒な塩化水素ガスや、ダイオキシン等を発生する恐れもあり、昨今の環境問題への意識への高まりより、その廃棄時の取り扱いに難点がある。
【0016】
本発明は上記した問題に鑑みてなされたものであり、低電気抵抗を維持しながら、電気抵抗の環境による変化を小さくすると共に、電圧による変化も小さくし、ローラの部位による電気抵抗のばらつきを低減することにより、安定して良好な画像を形成でき、環境に優しい導電性ローラを提供することを課題としている。
さらには、より小さい電源装置で対応可能であり、より簡単な制御系で制御可能であり、より短期間で開発を可能とし、より高性能で安価な画像形成装置を提供することを課題としている。
【0017】
【課題を解決するための手段】
上記課題を解決するため、本発明は、導電性を有する芯金と、該芯金の表面側に少なくとも1層以上の導電性弾性層を備えた導電性ローラであって、
上記導電性弾性層は、非塩素・非臭素系のポリマーを主成分とし、フルオロ基及びスルホニル基を有する陰イオンを備えた塩を含有したポリマー組成物を用いて形成されてなり、
上記非塩素・非臭素系のポリマーとして、ポリエーテル含有ポリマーあるいは/及びシアン基を有するポリマーの内の少なくとも一種以上を含んでいることを特徴とする導電性ローラを提供している。
【0018】
本発明者は、鋭意研究の結果、フルオロ基及びスルホニル基を有する陰イオンを備えた塩は、強い電子吸引効果によって電荷が非局在化するため、陰イオンが安定なためポリマー組成物中で高い解離度を示し、高いイオン導電性を実現できることを見出した。このように、フルオロ基及びスルホニル基を有する陰イオンを備えた塩を配合することで効率良く低電気抵抗を実現することが可能になることを見出した。また、フルオロ基及びスルホニル基を有する陰イオンを備えた塩は、基材ポリマーに効果的にイオン導電性を付与するため、抵抗のばらつきや電圧依存性を低減することができ、さらには、フルオロ基及びスルホニル基を有する陰イオンを備えた塩を配合すると、電気抵抗値の環境依存性を大きく低減できることを見出した。
【0019】
また、非塩素・非臭素系のポリマーを用いているため、使用後に焼却等の処理を行う場合においても、塩化水素ガス等の有害物質を発生する恐れが無く環境にも優しい製品とすることができる。
【0020】
上記ポリマー組成物は、非塩素・非臭素系のポリマーとして、ポリエーテル含有ポリマーあるいは/及びシアン基を有するポリマーの内の少なくとも一種以上を含んでいる。これは、ポリエーテル含有ポリマーを含むこと、あるいは、シアン基を有するポリマーを含むことにより、塩から解離して生じる陽イオンを安定化させることができ、この塩の解離を促進してより高いイオン導電性を得ることができる。
【0021】
従って、低電気抵抗を維持しながら、電気抵抗の環境による変化を小さくすると共に、ローラの部位による電気抵抗のばらつきや電気抵抗の電圧依存性を低減し、安定して良好な画像を形成でき、環境に優しい導電性ローラを得ることができ、実用に適した製品を提供することができる。
【0022】
フルオロ基及びスルホニル基を有する陰イオンを備えた塩は、架橋によって固定化されない、分子量が1万以下の低分子量ポリエーテル化合物や低分子量極性化合物からなる媒体を介さずに配合されることが好ましい。これにより、ブリードや移行汚染の可能性を著しく低減でき、コピー機、プリンタ等の画像形成装置で感光体汚染を起こさない導電性ローラを得ることができる。
【0023】
上記フルオロ基及びスルホニル基を有する陰イオンを備えた塩としては、特に、ビスフルオロアルキルスルホニルイミドの塩、フルオロアルキルスルホン酸の塩、トリス(フルオロアルキルスルホニル)メチドの塩からなる群から選ばれる少なくとも一種の塩を含んでいることが好ましい。
【0024】
また、上記の塩としては、リチウム塩が好ましいが、アルカリ金属、2A族、或はその他の金属の塩でも良いし、場合によっては第4級アンモニウム塩やイミダゾリウム塩あるいはそのアルキル置換体でも良い。
具体的には、上記の塩としては、例えば、LiCF3SO3、LiN(SO2CF3)2、LiC(SO2CF3)3、LiCH(SO2CF3)2、LiSF5CF2SO3等が挙げられる。なお、上記の塩は、ポリマー組成物中に均一に分散していることが好ましい。
【0025】
具体的には、非塩素・非臭素系ポリマーと、フルオロ基及びスルホニル基を有する陰イオンを備えた塩とを配合し、非塩素・非臭素系のポリマーとして、ポリエーテル含有ポリマーあるいは/及びシアン基を有するポリマーの内の少なくとも一種以上を含むことで、以下に示すように、導電性ローラの電気的性能を最適化している。
【0026】
23℃、相対湿度55%の環境下で測定した印加電圧1000Vでの電気抵抗値を104Ω以上109Ω以下とし、低電気抵抗を実現している。好ましくは105Ω以上108.5Ω以下、さらに好ましくは105.5Ω以上108Ω以下であるのが良い。これにより、複写機あるいはプリンタ用の現像ローラ、帯電ローラ、転写ローラ等として好適に用いることができる。
上記範囲としているのは、上記範囲より小さいと電流が流れすぎ、リーク等による画像不良が発生する可能性があるためである。一方、上記範囲より大きいと、転写や帯電、トナー供給等の効率が低下し実用に適しにくくなる、あるいは消費電力が大きくなるためである。
【0027】
また、上記印加電圧1000Vでのローラ周方向における電気抵抗の最大値と最小値の比率(最大値/最小値)の値を1.3以下として、電気抵抗値の周ムラを小さくすることができる。具体的には、後述する方法により、温度23℃、湿度55%雰囲気下で印加電圧1000Vで、ロール周方向に1周内の電気抵抗の最大値と電気抵抗の最小値とを測定し、電気抵抗の最大値を電気抵抗の最小値で除した値(周方向における電気抵抗の最大値と最小値の比率(最大値/最小値))を周ムラとして評価している。上記の周ムラの値は1.0以上1.2以下がより好ましく、1.0以上1.15以下であればさらに好ましい。さらに1.0以上1.10以下が最も好ましい。
【0028】
10℃相対湿度15%、32.5℃相対湿度90%の条件下で、印加電圧1000Vでの電気抵抗値R(Ω)を測定し、Δlog10R=log10R(10℃相対湿度15%)−log10R(32.5℃相対湿度90%)の値を1.4以下、好ましくは1.3以下、より好ましくは1.2以下、さらに好ましくは1.1以下、最も好ましくは1.0以下とし、温度や湿度の影響を受けない導電性ローラを実現している。
【0029】
23℃、相対湿度55%の環境下で測定した印加電圧100Vと5000Vでの電気抵抗値の常用対数値の差を0.5以下、より好ましくは0.3以下、さらに好ましくは0.2以下とし、印加電圧の大きさによる性能差がない、電圧依存性が小さい導電性ローラを実現している。
【0030】
10℃、相対湿度15%の環境下、印加電圧1000Vの定電圧印加瞬間時の電気抵抗値に対する、定電圧印加から6秒後の電気抵抗値の比率を100%以上105%以下としている。これにより、定電圧印加直後に起こる電気抵抗値の上昇が小さくなるので、実用上、安定した電気抵抗値が得られる導電性ローラを実現している。なお、上記のように低温低湿環境下での測定値で規定しているのは、特にイオン導電性のローラの場合、このような環境下では抵抗値が上昇しやすく、安定性を得にくい可能性があることに因る。
【0031】
ポリエーテル含有ポリマーあるいは/及びシアン基を有するポリマーは、ポリマー組成物中の全ポリマー成分の90重量%〜20重量%、さらには75重量%〜45重量%としているのが好ましい。
上記範囲としているのは、上記範囲より小さいと充分に低い抵抗値が得られなかったり、塩やポリエーテル含有ポリマーあるいは/及びシアン基を有するポリマーが均一に分散せず電気抵抗値にムラが生じる場合がある。一方、上記範囲より大きいとオゾンクラックが発生する恐れがある、あるいは、連続して長時間電圧を印加した場合の抵抗値の上昇が大きくなる恐れがあるためである。
【0032】
ポリエーテル含有ポリマーとしては、エチレンオキサイド−プロピレンオキサイド−アリルグルシジルエーテル共重合体、エチレンオキサイド−アリルグルシジルエーテル共重合体、プロピレンオキサイド−アリルグルシジルエーテル共重合体、エチレンオキサイド−プロピレンオキサイド共重合体、ウレタン系ゴム等、シアン基を有するポリマーとしては、アクリロニトリルブタジエンゴム(NBR)、アクリロニトリルブタジエンゴムの水素化物、カルボキシル変性アクリロニトリルブタジエンゴム、アクリロニトリルブタジエンイソプレン共重合ゴム(NBIR)、液状ニトリルゴム等のイオン導電性ポリマーが好ましく、1種または複数種のポリマーを用いることができる。また、ポリエーテル含有ポリマーとシアン基を有するポリマーとを併用しても良い。
【0033】
非塩素・非臭素系のポリマーとして、ポリエーテル含有ポリマーあるいは/及びシアン基を有するポリマーと、低極性の耐オゾン性ゴムとを併用することにより、抵抗値のばらつきを抑え、耐オゾン性も良好なものとすることができる。さらに、フルオロ基及びスルホニル基を有する陰イオンを備えた塩の使用量を低減することができるので、より低コスト化することができる。ポリエーテル含有ポリマーあるいは/及びシアン基を有するポリマーと、低極性の耐オゾン性ゴムとの重量比は、(ポリエーテル含有ポリマーあるいは/及びシアン基を有するポリマー:低極性の耐オゾン性ゴム)=(90:10)〜(20:80)が好ましく、さらには(80:20)〜(30:70)がより好ましく、最も好ましくは(75:25)〜(45:55)。
【0034】
上記ポリマー組成物は、充填剤としてカーボンブラックを含有していることが好ましい。また、低極性の耐オゾン性ゴムはカーボンブラックとのマスターバッチとして配合されていることが好ましい。これにより、低極性の耐オゾン性ゴムに重点的にカーボンブラックを分散させることができる。
【0035】
低極性の耐オゾン性ゴムとしては、EPDMが好ましい。EPDMは主鎖が飽和炭化水素からなり、主鎖に二重結合を含まないため、高濃度オゾン雰囲気、光線照射等の環境下に長時間曝されても、分子主鎖切断が起こりにくく、特に、耐オゾン性を高めることができる。上記観点より、EPDMは、全ポリマー成分の10重量%〜80重量%、より好ましくは20重量%〜70重量%、さらに好ましくは30重量%〜65重量%としていることが好ましい。
【0036】
低極性の耐オゾン性ゴムとしては、その他、エチレンプロピレンゴム(EPM)、スチレン−ブタジエン共重合体ゴム(SBR)、ブチルゴム(IIR)、シリコンゴム(Q)から選択される一種以上のゴム等を用いても良い。また、ポリマー組成物には、必要に応じてオイル等の軟化剤、老化防止剤、その他充填剤等を配合しても良い。
【0037】
ポリエーテル含有ポリマーあるいは/及びシアン基を有するポリマーとしては、特に、NBRは圧縮永久歪みや硬度が低くできるので好ましい。また、NBRをEPDMとブレンドする場合は、EPDMとの相容性から結合アクリロニトリル量(%)が25%未満の低ニトリルのNBRが好ましい。また、低ニトリルNBRを用いた場合、中高ニトリルや高ニトリルのNBRに比べて分子の運動性の温度依存を実用領域で小さくできるため、電気抵抗値の環境依存性を小さくできるという利点もある。
【0038】
また、全ポリマー成分100重量部に対し、フルオロ基及びスルホニル基を有する陰イオンを備えた塩を0.01重量部以上20重量部以下の割合で配合していることが好ましい。
上記範囲としているのは、0.01重量部より小さいと導電性向上の効果がほとんど見られないためであり、20重量部より大きいと得られる導電性向上の効果に比べてコストが増加するデメリットの方が大きくなるためである。
なお、さらに好ましくは0.2重量部以上10重量部以下、より好ましくは0.4重量部以上6重量部以下である。
【0039】
さらに、全ポリマー成分100重量部に対し、カーボンブラックを30重量部以下の割合で配合していることが好ましい。これは30重量部より多いと電子導電経路がイオン導電経路を圧倒し、抵抗値のばらつきが大きくなるという問題があるためである。なお、さらに好ましくは2重量部以上20重量部以下である。
【0040】
上記導電性弾性層は、JISK6262に記載の加硫ゴム及び熱可塑性ゴムの永久歪み試験方法において、測定温度70℃、測定時間24時間、圧縮率25%で測定した圧縮永久歪みの大きさが35%以下であることが好ましい。
これは、上記圧縮永久ひずみの値が35%より大きいと、寸法変化が大きくなりすぎて実用に適さないためである。特に、発泡体として用いる(スポンジにする)場合、発泡倍率や発泡形態によって幾分の差は生じるが、上記範囲であることが好ましい。
【0041】
JIS K6253に記載のタイプEデュロメータで測定した硬度は、70度以下であることが好ましい。これは、軟らかいほど、ニップが大きくなり、転写、帯電、現像等の効率が大きくなる、又は感光体等の他の部材への機械的ダメージを小さくできるという利点があるという理由による。
【0042】
上記導電性弾性層は、発泡層とされるのが好ましい。よって、ゴム組成物中に、全ゴム成分100重量部に対し、発泡剤を2重量部以上12重量部以下の割合で配合していることが好ましい。これは、上記範囲より少ないと発泡が不十分となり柔軟性が不足するためである。一方、上記範囲より多いと、発泡剤が加硫を阻害して加硫が不十分になり強度が不足するおそれがあるためである。なお、発泡助剤を12重量部以下配合しても良い。
発泡剤としては、アゾジカルボンアミド(ADCA)、4,4’−オキシビス(ベンゼンスルホニルヒドラジド(OBSH))、N,N−ジニトロソペンタメチレンテトラミン(DPT)等を1種又は複数種用いることができる。
【0043】
加硫系としては、低電気抵抗を実現できるので、硫黄加硫系が適している。(加硫)促進剤の種類としては、ジベンゾチアジルジスルフィド、テトラメチルチウラムモノスルフィド等を組み合わせていることが好ましい。なおジベンゾチアジルジスルフィドのかわりに2−メルカプトベンゾチアゾール等を用いてもよい。また、ジクミルパーオキサイド等の有機過酸化物を用いても良いし、硫黄加硫系と有機化酸化物を併用しても良い。加硫剤は0.3重量部以上3.0重量部以下が好ましく、加硫促進剤は1.0重量部以上3.0重量部以下が好ましい。
【0044】
本発明の導電性ローラは導電性弾性層1層のみとしても良いし、導電性弾性層以外に、ローラの抵抗調整や、表面保護等のために2層、3層等の複層構造としても良く、要求性能に応じて各層の配合、積層順序、積層厚み等を適宜設定することができる。また、導電性弾性層は最内層であるのが良い。芯金は、アルミニウム、アルミニウム合金、SUS、鉄等の金属製が好ましい。導電性ローラの表面に紫外線照射や各種コーティングを行い、紙粉やトナーの付着を防止することもできる。
【0045】
また、本発明は、本発明の導電性ローラを備えていることを特徴とする画像形成装置を提供している。上述したように本発明の導電性ローラは、各種電気特性に優れ、電気抵抗の環境依存性が小さいため、該導電性ローラを備えた複写機、ファクシミリ、プリンタ等の画像形成装置は、より小さい電源装置で対応可能とし、より簡単な制御系で制御可能とすることができる。さらには、評価テストの回数等を低減でき短期間で開発を可能とし、より高性能で安価な画像形成装置を得ることができる。導電性ローラとしては、具体的には、感光ドラムを一様に帯電させるための帯電ローラ、トナーを感光体に付着させるための現像ローラ、トナー像を感光体から用紙または中間転写ベルト等に転写するための転写ローラ、トナーを搬送させるためのトナー供給ローラ等が挙げられ、導電性ローラの表面を被帯電体と接触させることにより、帯電又は放電が行われている。
【0046】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の実施形態を図面を参照して説明する。
図1は本発明の実施形態にかかる導電性ローラ10を示し、導電性ローラ10は、導電性を有する円柱状のアルミニウム製の芯金2と、芯金2の表面側に導電性弾性層1を備えている。円筒状の導電性弾性層1の中空部に芯金2を圧入して取り付けられている。
【0047】
導電性弾性層1は、非塩素系・非臭素系ポリマーと、フルオロ基及びスルホニル基を有する陰イオンを備えた塩とを含有したポリマー組成物を用いて形成されている。具体的には、ポリマー成分としては、非塩素・非臭素系ポリマーでありシアン基を有するポリマーであるアクリロニトリルブタジエンゴム70重量部と、非塩素・非臭素系であり低極性の耐オゾン性ゴムであるEPDM30重量部とを用いている。フルオロ基及びスルホニル基を有する陰イオンを備えた塩として、ビスフルオロアルキルスルホニルイミドの塩の内の1つであるリチウム−ビス(トリフルオロメタンスルホニル)イミドを用いている。
【0048】
フルオロ基及びスルホニル基を有する陰イオンを備えた塩は、架橋によって固定化されない、分子量が1万以下の低分子量ポリエーテル化合物や低分子量極性化合物からなる媒体を介さずに配合している。
【0049】
また、ポリマー組成物中には、カーボンブラックを含有していることが好ましい。このカーボンブラックはEPDMとのマスターバッチとして配合されている。EPDMは、全ゴム成分の30重量%としている。全ポリマー成分100重量部に対して、フルオロ基及びスルホニル基を有する陰イオンを備えた塩0.6重量部、カーボンブラックHAFを10重量部用いている。
【0050】
さらに、必要に応じて、化学発泡剤、加硫剤として硫黄粉末、加硫促進剤等を配合したポリマー組成物を混練した後、押出機で円筒状に押出して予備成形し、これを所定寸法に裁断して予備成形体を得ている。この予備成形体を加圧水蒸気式加硫缶に投入し、化学発泡剤がガス化して発泡すると共に、ゴム成分が架橋する温度で加硫している。
【0051】
加硫処理の条件は、ゴム成分、化学発泡剤、加硫剤等の添加剤の種類や配合比によって異なり、適宜調整される。この加硫成形された円筒形状の導電性弾性層1の中空に金属製のシャフトからなる芯金2を挿入し、研磨すると共にカットして仕上げている。
【0052】
導電性弾性層1は、JISK6262に記載の加硫ゴム及び熱可塑性ゴムの永久歪み試験法において、測定温度70℃、測定時間24時間で測定した圧縮永久歪みの大きさが20%であり、タイプEデュロメータで測定した硬度が32度である。
【0053】
また、導電性ローラ10は、23℃、相対湿度55%の環境下で測定した印加電圧1000Vでの電気抵抗値を107.7Ωとし、印加電圧1000Vでのローラ周方向における電気抵抗の最大値と最小値の比率(最大値/最小値)の値を1.05とし、10℃相対湿度15%、32.5℃相対湿度90%の条件下で、印加電圧1000Vでの電気抵抗値R(Ω)を測定し、Δlog10R=log10R(10℃相対湿度15%)−log10R(32.5℃相対湿度90%)の値を1.0とし、23℃、相対湿度55%の環境下で測定した印加電圧100Vと5000Vでの電気抵抗値の常用対数値の差を0.2とし、10℃、相対湿度15%の環境下、印加電圧1000Vの定電圧印加瞬間時の電気抵抗値に対する定電圧印加から6秒後の電気抵抗値の比率を101%としている。
【0054】
このように導電性ローラ10は、非塩素・非臭素系ポリマーと、フルオロ基及びスルホニル基を有する陰イオンを備えた塩とを配合したポリマー組成物を導電性弾性層としているため、低電気抵抗を維持しながら、電気抵抗の環境による変化や経時変化を小さくすると共に、ローラの部位による電気抵抗のばらつきを低減し、安定して良好な画像を形成でき、環境に優しい導電性ローラを得ることができる。よって、現像ローラ、帯電ローラ、転写ローラ等に好適である。特に、高画質を要求されるカラー複写機あるいはカラープリンタ用のこれらの導電性ローラとして適している。
【0055】
本発明の導電性ローラが用いられる画像形成装置として、図2に示すように、中間転写ベルトを用いた構造を有するカラープリンターが挙げられる。本発明の導電性ローラを転写ローラとして用いている。本発明の画像形成装置であるカラー用プリンターは、転写ローラ1a、1b、帯電ローラ11、感光体12、中間転写ベルト13、定着ローラ14、4色のトナー15(15a、15b、15c、15d)、鏡16を備えている。
【0056】
このカラー用画像形成装置によって画像が形成される場合、まず、感光体12が図中の矢印の方向に回転し、帯電ローラ11によって感光体12が帯電された後に、鏡16を介してレーザー17が感光体12の非画像部を露光して除電され、画線部に相当する部分が帯電した状態になる。次に、トナー15aが感光体12上に供給されて、帯電画線部にトナー15aが付着し1色目の画像が形成される。このトナー画像は一次転写ローラ1aに電界がかけられることにより中間転写ベルト13上へ転写される。同様にして、感光体12上に形成されたトナー15b〜15dの各色の画像が中間転写ベルト13上に転写され、転写ベルト13上に4色のトナー15(15a〜15d)からなるフルカラー画像が一旦形成される。このフルカラー画像は二次転写ローラ1bに電界がかけられることにより被転写体(通常は紙)18上へ転写され、所定の温度に加熱されている定着ローラ14を通過することで被転写体18の表面へ定着される。なお、両面印刷を行う場合には、定着ローラ14を通過した被転写体18がプリンター内部で反転され、上記画像形成工程を繰り返し、再度裏面に画像が形成される。
【0057】
また、本発明の導電性ローラである転写ローラが用いられる画像形成装置として、図3に示すように、中間転写ベルトを用いず、転写ローラを用いた構造のモノクロ(白黒)プリンターも挙げられる。本発明の画像形成装置である該モノクロ用プリンターは、転写ローラ1’、帯電ローラ21、感光体22、定着ローラ24、トナー25、鏡26を備えている。
【0058】
このモノクロ用画像形成装置によって画像が形成される場合、まず、感光体22が図中の矢印の方向に回転し、帯電ローラ21によって感光体22が帯電された後に、鏡26を介してレーザー27が感光体22上に露光される。その後、トナー25がそれぞれ必要に応じて感光体22上に供給され、トナー像が現像される。次に、感光体22上に現像されたトナー像が感光体22と共に回転し、感光体22と転写ローラ1’との間を通過する紙28に転写される。その後、紙28が図中の矢印の向きに搬送され、定着ローラ24にてトナー像が紙28に定着される。なお、両面印刷を行う場合には、定着ローラ24を通過した被転写体28がプリンター内部で反転され、上記画像形成工程を繰り返し、再度裏面に画像が形成される。以上のように、本発明の導電性ローラは、複写機、プリンタ、ファクシミリ等の各種画像形成装置として用いることができる。
【0059】
上記実施形態以外にも、非塩素・非臭素系のポリマーとしてポリエーテル含有ポリマー(例えば、エチレンオキサイド−プロピレンオキサイド−アリルグルシジルエーテル共重合体、ウレタン系ゴム)等を用いることもできる。また、シアン基を有するポリマーとしては、NBR以外にも、アクリロニトリルブタジエンゴムの水素化物、カルボキシル変性アクリロニトリルブタジエンゴム、アクリロニトリルブタジエンイソプレン共重合ゴム(NBIR)、液状ニトリルゴム等を用いることもできる。さらに、耐オゾン性ゴムとして、エチレンプロピレンゴム(EPM)、スチレン−ブタジエン共重合体ゴム(SBR)、ブチルゴム(IIR)、シリコンゴム(Q)から選択される一種以上のゴムを用いても良い。なお、低極性の耐オゾン性ゴムとカーボンブラックとはマスターバッチを用いずに配合されても良い。
【0060】
また、フルオロ基及びスルホニル基を有する陰イオンを備えた塩として、フルオロアルキルスルホン酸の塩、トリス(フルオロアルキルスルホニル)メチドの塩からなる群から選ばれる少なくとも一種の塩を用いても良い。なお、各種配合材料の配合種や配合量は適宜設定することができ、導電性ローラの各種電気特性を最適化することができる。
【0061】
以下、本発明の導電性ローラの実施例、比較例について詳述する。
実施例および比較例について、下記の表1に示す各配合材料を常法により混練、押出、加硫、成形加工、研磨してロール外径φ16mm、長さ305mmの導電性弾性層を作製した。詳しくは、各配合をニーダに投入し、80℃で3〜5分程度混練りした後、ゴム混練装置よりチューブ状に押し出して予備成形体を得た。次いで、この予備成形体を加硫缶に投入して160℃、10〜70分加硫した後、金属製(SUM−24L)のシャフト(径φ8mm)を挿入し、研磨、カットして導電性ローラを作製した。加硫時間は加硫試験用レオメータ(例:キュラストメータ)により決定すると良い。なお、感光体汚染と圧縮永久ひずみを低減させるため、なるべく十分な加硫量を得られるように条件を設定することが好ましい。
【0062】
【表1】
【0063】
(実施例1〜5)
導電性弾性層は、非塩素・非臭素系のポリマーを主成分とし、フルオロ基及びスルホニル基を有する陰イオンを備えた塩を含有したポリマー組成物を用いて形成した。非塩素・非臭素系のポリマーとして、シアン基を有するポリマーであるNBRと、必要に応じてポリエーテルポリマーであるエチレンオキサイド−プロピレンオキサイド−アリルグリシジルエーテル共重合体(EO:PO:AGE=90:4:6)と低極性の耐オゾン性ゴムであるEPDMを用いた。フルオロ基及びスルホニル基を有する陰イオンを備えた塩としてリチウム−ビス(トリフルオロメタンスルホニル)イミドを用いた。なお、リチウム−ビス(トリフルオロメタンスルホニル)イミドは特開2001−288193号公報等に記載の従来公知の方法により合成されたものを用いた。なお、フルオロ基及びスルホニル基を有する陰イオンを備えた塩は、架橋によって固定化されない、分子量が1万以下の低分子量ポリエーテル化合物や低分子量極性化合物からなる媒体を介さずに配合した。その他、表1に示す材料を各配合量で用いた。
【0064】
(比較例1)
NBR70重量部、塩素系ゴムであるエピクロルヒドリンゴム(GECO,エチレンオキサイド:エピクロルヒドリン:アリルグリシジルエーテル=56:40:4)30重量部を主成分とした。フルオロ基及びスルホニル基を有する陰イオンを備えた塩は配合しなかった。その他、表1に示す材料を各配合量で用いた。
【0065】
(比較例2)
ポリマー成分はEPDM100重量部のみとした。フルオロ基及びスルホニル基を有する陰イオンを備えた塩は配合せず、カーボンブラックによって必要な導電性を得た。シアン基を有するポリマーも配合しなかった。その他、表1に示す材料を各配合量で用いた。
【0066】
(比較例3)
NBR70重量部とEPDM30重量部とをポリマー成分とし、フルオロ基及びスルホニル基を有する陰イオンを備えた塩は配合しなかった。その他、表1に示す材料を各配合量で用いた。
【0067】
(比較例4)
ポリマー成分はEPDM100重量部のみとした。フルオロ基及びスルホニル基を有する陰イオンを備えた塩を配合したが、ポリエーテル含有ポリマーあるいは/及びシアン基を有するポリマーを配合しなかった。その他、表1に示す材料を各配合量で用いた。
【0068】
上記実施例及び比較例の導電性ローラについて、後述する方法により、各種評価を行った。評価結果を表2に示す。
【0069】
【表2】
【0070】
(電気抵抗の周ムラ)
温度23℃、相対湿度55%雰囲気下で、図4に示すように、芯金2を通した導電性弾性層1をアルミドラム3上に当接搭載し、電源4の+側に接続した内部抵抗r(100Ω〜10kΩ)の導線の先端をアルミドラム3の一端面に接続すると共に電源4の−側に接続した導線の先端を導電性弾性層1の他端面に接続して通電を行った。なお、内部抵抗rの値は、ローラの抵抗値のレベルに合わせて測定値の有効数字が極力大きくなるように調節した。
上記電線の内部抵抗rにかかる電圧を検出し、検出電圧Vとした。
この装置において、印加電圧をEとすると、ロール抵抗RはR=r×E/V−rとなるが、今回−rの項は微少とみなし、R=r×E/Vとした。
芯金2の両端に500gずつの荷重Fをかけ、アルミドラム3を回転数30rpmで回転させることで導電性ローラを回転させた状態で、印加電圧Eを1000Vかけたとき、1周内の周ムラ((周方向の電気抵抗の最大値/周方向の電気抵抗の最小値)の比率)を求めた。
【0071】
(電気抵抗値の測定)
図4に示す装置を用い、温度23℃、相対湿度55%の環境中で、印加電圧を1000Vかけたときの導電性ローラの電気抵抗を測定した。
また、印加電圧100Vと5000Vでの電気抵抗値を測定し、両者の常用対数値の差により電圧依存性の評価をした。
【0072】
(環境依存性の測定)
図4に示す装置を各測定環境に置き、印加電圧1000Vのもとで、10℃相対湿度15%(LL条件)あるいは32.5℃相対湿度90%(HH条件)の条件下でローラの電気抵抗値R(Ω)を測定し、Δlog10R=log10R(10℃相対湿度15%)−log10R(32.5℃相対湿度90%)の式に従い、環境依存性を算出した。
なお、表2には、各抵抗値及びその環境依存性は、常用対数値で示している。
【0073】
(初期ドリフト(電気抵抗値の経時変動)の測定)
10℃、相対湿度15%の環境下、印加電圧1000Vの定電圧印加瞬間時の電気抵抗値と、この定電圧印加開始から連続して電圧印加6秒後の電気抵抗値とを測定し、電圧印加瞬間時の電気抵抗値(R初期)に対する電圧印加から6秒後の電気抵抗値(R6秒後)の比率を評価した。
【0074】
(オゾン劣化試験)
ローラを40℃で、50pphmのオゾン濃度下の槽に入れ96時間放置した。その後、ローラの表面にクラックが無いか確認した。クラックが無い場合は○、クラックが有る場合は×とした。
【0075】
(硬度)
JIS K6253「加硫ゴム及び熱可塑性ゴム硬さ試験方法」の規定に従い、デュロメーター硬さ試験 タイプEで試験した。
【0076】
(圧縮永久ひずみ(CS)の測定)
JIS K6262「加硫ゴム及び熱可塑性ゴムの永久ひずみ試験方法」の記載に従い、測定温度70℃、測定時間24時間、圧縮率25%で測定した。ただし、サンプルはローラを10mm幅で端面に平行にカットした。中空円筒状の試験片を用いた。
【0077】
表1及び表2に示すように、実施例1は、フルオロ基及びスルホニル基を有する陰イオンを備えた塩と、非塩素・非臭素系ポリマーとを用い、シアン基を有するポリマーを含むポリマー組成物を用いて導電性弾性層を形成しているため、電気抵抗値が107.7Ωと低い上に、上記周ムラの値も1.05と小さく部位による電気抵抗のばらつきもなかった。また、環境依存性(Δlog10R)の値も1.0と小さく、電圧依存性も0.2と小さく、環境や電圧の変化があっても、安定した電気抵抗値を得られた。さらに、初期ドリフトにおいても6秒後の抵抗値が電圧印加直後の101%であり、印加開始から6秒たった際の電気抵抗値をほぼ一定とすることが可能であることを確認できた。また、非塩素・非臭素系であるため、環境にも優しい導電性ローラとすることができた。同様に、実施例2〜5も上記実施例1と同様に非常に高性能な導電性ローラであることが確認できた。
【0078】
一方、比較例1は、環境依存性の評価値が2.0と大きい上に、初期ドリフトにおいても6秒後の抵抗値が電圧印加直後の106%とやや大きく変化した。また、比較例2は、周ムラが2.1と大きく、電圧依存性の評価値も2.2と大きく、初期ドリフトにおいても6秒後の抵抗値が電圧印加直後の111%と大きく変化した。比較例3は、抵抗値が109.8Ωと高く、初期ドリフトにおいても6秒後の抵抗値が電圧印加直後の111%と大きく変化した。比較例4は、抵抗値が非常に高い上に、周ムラも1.80と大きかった。
【0079】
【発明の効果】
以上の説明より明らかなように、本発明によれば、フルオロ基及びスルホニル基を有する陰イオンを備えた塩を配合することで効率良く低電気抵抗を実現することが可能になるため、非塩素・非臭素系のポリマーの配合量・配合種を適宜調整することで、低電気抵抗を維持しながら、電気抵抗の環境による変化や経時変化を小さくすると共に、ローラの部位による電気抵抗のばらつきを低減し、安定して良好な画像を形成でき、環境に優しい導電性ローラあるいは画像形成装置を得ることができる。
【0080】
従って、印加電圧1000Vでの電気抵抗値を104Ω以上109Ω以下とし、印加電圧1000Vでのローラ周方向における電気抵抗の最大値と最小値の比率(最大値/最小値)の値を1.3以下とし、10℃相対湿度15%、32.5℃相対湿度90%の条件下で、印加電圧1000Vでの電気抵抗値R(Ω)を測定し、Δlog10R=log10R(10℃相対湿度15%)−log10R(32.5℃相対湿度90%)の値を1.4以下とし、印加電圧100Vと5000Vでの電気抵抗値の常用対数値の差を0.5以下とし、電圧印加時の電気抵抗値に対する、電圧印加から6秒後の電気抵抗値の比率を100%以上105%以下とし、電気的性能が非常に安定し、実用性に優れた導電性ローラを実現することができる。
【0081】
また、非塩素・非臭素系のポリマーとして、ポリエーテル含有ポリマーあるいは/及びシアン基を有するポリマーと、低極性の耐オゾン性ゴムとを併用し、カーボンブラックを含有し、低極性の耐オゾン性ゴムはカーボンブラックとのマスターバッチとして配合することにより、良好な加工性を保持しながら、電気抵抗値の環境依存性を、より低減することもできる。
【0082】
よって、複写機、レーザービームプリンタ、ファクシミリ、ATM等の事務機器の画像形成装置の帯電ローラ、現像ローラ、転写ローラ、トナー供給ローラ等に好適に用いることができる。本発明の導電性ローラは、電気抵抗の環境依存性が小さいため、これを用いた複写機やプリンタ、ファクシミリ等の画像形成装置は、大きな電源を必要とせず、消費電力も低減することができる。また、より簡易な制御系での実用化が可能となる。さらには、温度や湿度を変えた状況下での動作テスト等の回数を低減し、開発に要する時間やコストの削減にも役立てることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の導電性ローラの概略図である。
【図2】カラー用画像形成装置の模式的正面図である。
【図3】モノクロ用画像形成装置の模式的正面図である。
【図4】導電性ローラの電気抵抗の測定方法を示す図である。
【符号の説明】
1 導電性弾性層
2 芯金
10 導電性ローラ
Claims (12)
- 導電性を有する芯金と、該芯金の表面側に少なくとも1層以上の導電性弾性層を備えた導電性ローラであって、
上記導電性弾性層は、非塩素・非臭素系のポリマーを主成分とし、フルオロ基及びスルホニル基を有する陰イオンを備えた塩を含有したポリマー組成物を用いて形成されてなり、
上記非塩素・非臭素系のポリマーとして、ポリエーテル含有ポリマーあるいは/及びシアン基を有するポリマーの内の少なくとも一種以上を含んでいることを特徴とする導電性ローラ。 - 23℃、相対湿度55%の環境下で測定した印加電圧1000Vでの電気抵抗値を104Ω以上109Ω以下とし、
印加電圧1000Vでのローラ周方向における電気抵抗の最大値と最小値の比率(最大値/最小値)の値を1.3以下とし、
10℃相対湿度15%、32.5℃相対湿度90%の条件下で、印加電圧1000Vでのローラの電気抵抗値R(Ω)を測定し、Δlog10R=log10R(10℃相対湿度15%)−log10R(32.5℃相対湿度90%)の値を1.4以下とし、
23℃、相対湿度55%の環境下で測定した印加電圧100Vと5000Vでの電気抵抗値の常用対数値の差を0.5以下としている請求項1に記載の導電性ローラ。 - 10℃、相対湿度15%の環境下、印加電圧1000Vの定電圧印加瞬間時の電気抵抗値に対する、定電圧印加から6秒後の電気抵抗値の比率を100%以上105%以下としている請求項1または請求項2に記載の導電性ローラ。
- 上記フルオロ基及びスルホニル基を有する陰イオンを備えた塩として、ビスフルオロアルキルスルホニルイミドの塩、フルオロアルキルスルホン酸の塩、トリス(フルオロアルキルスルホニル)メチドの塩からなる群から選ばれる少なくとも一種の塩を含んでいる請求項1乃至請求項3のいずれか1項に記載の導電性ローラ。
- 上記ポリエーテル含有ポリマーあるいは/及びシアン基を有するポリマーは、上記ポリマー組成物中の全ポリマー成分の90重量%〜20重量%としている請求項1乃至請求項4のいずれか1項に記載の導電性ローラ。
- 上記ポリマー組成物は、上記ポリエーテル含有ポリマーあるいは/及びシアン基を有するポリマー以外に、低極性の耐オゾン性ゴムを含んでいる請求項5に記載の導電性ローラ。
- 上記シアン基を有するポリマーとして、アクリロニトリルブタジエンゴム(NBR)、アクリロニトリルブタジエンゴムの水素化物、カルボキシル変性アクリロニトリルブタジエンゴム、アクリロニトリルブタジエンイソプレン共重合ゴム(NBIR)、液状ニトリルゴムから選択される一種以上のポリマーを用い、
上記低極性の耐オゾン性ゴムとして、エチレンプロピレンゴム(EPM)、エチレン−プロピレン−ジエン三元共重合体(EPDM)、スチレン−ブタジエン共重合体ゴム(SBR)、ブチルゴム(IIR)、シリコンゴム(Q)から選択される一種以上のゴムを用いている請求項6に記載の導電性ローラ。 - 充填剤としてカーボンブラックを含有している請求項1乃至請求項7のいずれか1項に記載の導電性ローラ。
- 上記低極性の耐オゾンゴムは上記カーボンブラックとのマスターバッチとして配合されている請求項8に記載の導電性ローラ。
- 上記低極性の耐オゾンゴムとしてEPDMを用い、該EPDMは、上記ポリマー組成物中の全ポリマー成分の10重量%〜80重量%としている請求項6乃至請求項9のいずれか1項に記載の導電性ローラ。
- 上記導電性弾性層は、JIS K6262に記載の加硫ゴム及び熱可塑性ゴムの永久ひずみ試験方法において、測定温度70℃、測定時間24時間、圧縮率25%で測定した圧縮永久歪みの大きさが35%以下であり、JIS K6253に記載のタイプEデュロメータで測定した硬度が70度以下である請求項1乃至請求項10のいずれか1項に記載の導電性ローラ。
- 請求項1乃至請求項11のいずれか1項に記載の導電性ローラを備えていることを特徴とする画像形成装置。
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