JP2002088199A - 高分子弾性体組成物 - Google Patents

高分子弾性体組成物

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JP2002088199A
JP2002088199A JP2000284506A JP2000284506A JP2002088199A JP 2002088199 A JP2002088199 A JP 2002088199A JP 2000284506 A JP2000284506 A JP 2000284506A JP 2000284506 A JP2000284506 A JP 2000284506A JP 2002088199 A JP2002088199 A JP 2002088199A
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toner
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JP2000284506A
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Motoyuki Sugano
素行 菅野
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Kinugawa Rubber Industrial Co Ltd
Original Assignee
Kinugawa Rubber Industrial Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 高分子弾性体組成物におけるブリードアウト
を防止すると共に、体積固有抵抗値の電圧依存性を低減
する。 【解決手段】 ポリマー,カーボン系の補強剤(例え
ば、カーボンブラック),架橋剤,導電性付与剤を含有
するゴム材料(未加硫ゴム)を用い、そのゴム材料を架
橋させて成り主に電子写真装置等に用いられる高分子弾
性体組成物において、前記導電性付与剤として4級アン
モニウム塩とポリエステルマクロモノマーとから成る櫛
形共重合体を用い、炭酸エステル(例えば、プロピレン
カーボネート)を添加する。また、櫛形共重合体はポリ
マー100重量部に対して5重量部以下用い、前記炭酸
エステルの添加量は前記櫛形共重合体の添加量の3倍以
上であることが好ましい。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、主にレーザープリ
ンタ,複写機,ファクシミリ等の電子写真装置に用いら
れる高分子弾性体組成物に関するものである。
【0002】
【従来の技術】一成分現像剤を用いた乾式電子写真は、
複写機,レーザープリンタ等において多く利用され、そ
の現像方式は主に帯電工程,潜像焼き付け工程,現像工
程,転写工程,定着工程を有するシステムから成り、一
般的にエンジン系部品と称されている現像系,転写系,
定着系,感光体系の部品によって構成される。前記現像
系の部品には、例えば現像ローラ(現像剤担持体),現像
剤搬送ローラ,現像剤規制ブレード(現像剤層厚規制
材;以下、規制部材と称する)が用いられている。
【0003】図5は、一般的な電子写真装置の概略構成
図を示すものである。図5において、符号51は導電性
支持ドラム体の表面に光電層を設けて成る感光体ドラム
を示すものであり、図5中の矢印C方向に対して回転自
在に装着される。前記感光体ドラム51の周囲には、そ
の周方向に沿って帯電ローラ52,現像装置53,転写
ローラ(転写装置)54,クリーニング装置55(例え
ば、現像同時清掃式の場合は無くても良い)が配置され
る。
【0004】前記帯電ローラ52は、前記感光体ドラム
51の外周面をプラスまたはマイナスに帯電(外周面に
対して一様に帯電)させるものであり、その帯電ローラ
52に電圧を印加、かつ帯電ローラ52を前記感光体ド
ラム51に接触させることにより、前記感光体ドラム5
1の表面が帯電される。その後、前記感光体ドラム51
の外周面には、潜像形成装置(図示省略)から所望のパ
ターンで光が照射され、その光が照射された部分に静電
潜像が形成(反転現像の場合)、または前記光が照射され
ない部分に静電潜像が形成(正規現像の場合)される。
【0005】前記現像装置53は、現像ローラ53a,
現像剤搬送ローラ53b,規制部材53cを構成し、前
記感光体ドラム51の静電潜像に対しトナー(現像剤)を
付着させるためのものである。この現像装置53によ
り、反転現像の場合には光照射部のみにトナーを付着さ
せ、正規現像の場合には光非照射部のみにトナーを付着
させるように、現像ローラ53aと感光体ドラム51と
の間にバイアス電圧が印加される。
【0006】前記現像ローラ53aは、前記感光体ドラ
ム51の外周面に対し一部接触するように近接して配置
され、感光体ドラム51の回転方向Cとは反対の図示矢
印D方向に回転する。この現像ローラ53aとしては、
例えば金属軸体の外周面をウレタンゴム等のポリマー
(ゴム基材)から成る発泡弾性体(高分子弾性体)で被
覆した構造や、非発泡体の層と発泡体の層とを複数積層
して成る構造が知られている。前記現像剤搬送ローラ5
3bを前記現像ローラ53aの外周面に対し接触させ、
その現像ローラ53aの回転方向と同じ図示矢印E方向
に回転させることにより、前記現像ローラ53aの外周
面にトナーを供給する。
【0007】前記規制部材53cは、前記現像ローラ5
3aの軸方向に沿って接するように例えば帯形状を成
す。この規制部材53cとしては、金属板バネ等(鉄製
板)のホルダーに対して例えばウレタンゴム,シリコー
ンゴム等のポリマーから成る弾性体を接着して形成され
る。その弾性体の角部を前記現像ローラ53aの外周面
に接触させることにより、現像ローラ53aの外周面に
供給されたトナーを規制することができる。
【0008】前記転写ローラ54は、前記現像装置53
によって形成された感光体ドラム51の外周面における
トナー像を、転写紙56に対して複写するものである。
なお、前記の複写の際、前記転写紙56は給紙ローラ5
7a,排紙ローラ57bを介して図示白抜き矢印方向に
給紙,排紙され、転写紙56に複写されたトナー像は定
着ローラ57cにより定着されて、所望の出力印字が行
われる。前記の転写ローラ54としては、前記現像ロー
ラ53aと同様に、金属軸体の外周面をウレタンゴム等
のポリマーから成る発泡弾性体で被覆した構造や、非発
泡体の層と発泡体の層とを複数積層して成る構造が知ら
れている。
【0009】
【発明が解決しようとする課題】電子写真装置の規制部
材,現像ローラ,転写ローラ等に用いられる弾性体に
は、以下に示す課題1〜2が挙げられる。
【0010】(課題1;ブリードアウト)一般的に、ポ
リマーから成る弾性体において、その弾性体の成形加工
性の改良や硬度の適度な低下を図るために、そのポリマ
ーの種類に応じた配合物(例えば、プロセスオイル)が
用いられているが、その配合物がブリードアウト、即ち
弾性体から配合物が滲み出てしまう問題がある。
【0011】特に、電子写真装置に用いられる弾性体の
場合、微量の配合物のブリードアウトによってトナーが
影響を受け、出力印字において不具合が生じてしまう。
例えば、規制部材,現像ローラ,転写ローラには導電性
を有する弾性体(以下、弾性導電体)が用いられるが、
ブリードアウトした配合物によって弾性導電体の表面に
トナーが融着(以下、トナー融着と称する)し、出力印
字される複写紙に不具合(例えば、異常スジ)が生じて
しまう。
【0012】(課題2;体積固有抵抗値の電圧依存性)
前記の規制部材,現像ローラや転写ローラに用いられる
弾性導電体には、例えばプラス電極,規制部材,トナ
ー,現像ローラ,マイナス電極を順に構成した回路によ
って、電圧がかけられ、この電圧によりトナーに対して
電荷注入が行われる。このため、前記規制部材,現像ロ
ーラでは電圧変化により、トナーに対する帯電量が調整
される。また、前記の転写ローラに用いられる弾性導電
体においても前記のような電圧がかけられ、この電圧に
より所望のトナー像に応じてトナーが転写紙に転写され
ると共に、その転写効率が調整される。
【0013】例えば転写ローラの場合、前記の電圧変化
に対する電流変化すなわち弾性導電体における体積固有
抵抗値が高すぎると、トナーにかかる電界の低下に伴っ
て転写効率が低下してしまう。また、前記体積固有抵抗
値が低すぎると、転写ローラからトナーに対する逆電荷
が注入され易くなり、トナー帯電量が低下し静電力が弱
まってしまう。なお、前記のような低い体積固有抵抗値
による不具合は、特に高温高湿雰囲気下にて顕著にな
る。以上示したことから、転写系に用いられる弾性導電
体の体積固有抵抗値としては、104〜1011Ω・cm
の範囲であることが好ましい。
【0014】また、前記の電圧変化に対する電流変化が
非線形性を有する場合、すなわち弾性導電体における体
積固有抵抗値が電圧に依存している場合には、その電圧
による帯電量,転写効率の制御は困難となり、電子写真
装置における印字効率(例えば、出力画質等)が低下し
てしまう。
【0015】前記の課題1を考慮して配合物のブリード
アウトを防止するには、弾性導電体の表面にフッ素ゴム
等の被覆層を形成する方法が知られている(例えば、特
開平8−283578号参照)。しかし、この方法のよ
うに弾性導電体の表面に被覆層を形成する方法では、手
間および製造コストがかかってしまう問題がある。
【0016】前記の課題2を考慮して、弾性導電体にお
いて電圧変化と電流変化との線形性を持たせるには、前
記弾性導電体のゴム材料に対し導電性付与剤としてカー
ボンブラックを添加すると共に、例えば4級アンモニウ
ム塩等のイオン導電剤(イオン導電体)を添加する方法
が一般的に行われている(特開平8−328351号参
照)。
【0017】前記カーボンブラックの導電機構は、「ホ
ッピング伝導」と「パーコレーションモデル」によるも
のであり、比較的導電し易いバンド構造となっている。
また、前記イオン導電剤の導電機構は、「イオン伝導」
によるものであり、イオン導電剤の濃度に比例しながら
電子キャリアの密度が飽和し、その電子キャリアはイオ
ン濃度よりも増幅することはないとされている。一方、
「ホッピング伝導」の場合、カーボンブラックとポリマ
ー(バンドギャップが大きく導電し難いポリマー)との
接触構造において印加電圧を変化させると、電子波動の
虚数部分がカーボンブラックとポリマーとの「ショット
キーバリア」を通過、かつ電子なだれを誘起させて伝導
するとされている。
【0018】このことから、「イオン伝導」と比較し
て、「ホッピング伝導」における電流は印加電圧に影響
し易いことが推定される。すなわち、単にカーボンブラ
ックのみを用いた弾性導電体においては、その体積固有
抵抗値の電圧依存性が大きいことを読み取れる。
【0019】しかしながら、弾性導電体のゴム材料にお
いて例えば4級アンモニウム塩のモノマーをイオン導電
剤として用いると、そのイオン導電剤がブリードアウト
する恐れがある。この理由として、ゴム基材(例えば、
ポリマー等)とアンモニウム塩モノマーとの親和性が十
分でないことが考えられる。
【0020】本発明は、前記課題に基づいて成されたも
のであり、弾性導電体のブリードアウトを防止すると共
に、その弾性導電体における体積固有抵抗値の電圧依存
性を低減した高分子弾性体組成物を提供することにあ
る。
【0021】
【課題を解決するための手段】本発明は、前記課題の解
決を図るために、請求項1記載の発明は、ポリマー,カ
ーボン系の補強剤(例えば、カーボンブラック),架橋
剤,導電性付与剤を含有するゴム材料(未加硫ゴム)を
用い、そのゴム材料を架橋硬化させて成り主に電子写真
装置に用いられる高分子弾性体組成物において、前記導
電性付与剤として4級アンモニウム塩とポリエステルマ
クロモノマーとから成る共重合体(以下、櫛形共重合体
と称する)を用い、炭酸エステルを添加したことを特徴
とする。
【0022】請求項2記載の発明は、前記炭酸エステル
はプロピレンカーボネートであることを特徴とする。
【0023】請求項3記載の発明は、前記櫛形共重合体
において、ポリマー100重量部に対して5重量部以下
用いたことを特徴とする。
【0024】請求項4記載の発明は、前記炭酸エステル
の添加量において、前記櫛形共重合体の添加量の3倍以
上であることを特徴とする。
【0025】以上示したように請求項1乃至4記載の発
明によれば、例えば電子写真装置に用いられる弾性導電
体のブリードアウトを防止すると共に、その体積固有抵
抗値の電圧依存性を低減することができる。
【0026】本発明で用いられる櫛形共重合体は、ポリ
エステルマクロモノマーと、4級アンモニウム塩,金属
塩を含有しイオン性残基を有するビニル系モノマーと、
から成る共重合体である。この櫛形共重合体は、「コン
バーテック」第26号第7号(1998年)の第25頁
〜第27頁や特開平5−25463号公報に示すよう
に、優れた帯電防止効果を持続性良く発揮することで知
られている。
【0027】しかしながら、櫛形共重合体のみを用いる
場合(炭酸エステルを添加しない場合)、ゴム基材と櫛
形共重合体との相溶性が良くないことから、4級アンモ
ニウム塩セグメントによる導電性付与効果が発揮され
ず、さらに櫛形共重合体の添加量の増加に伴って弾性導
電体における引張強度等の物性(常態物性)が低下して
しまう。
【0028】櫛形共重合体は、ポリエステルセグメント
が親和性付与官能基として機能し、添加されるゴム基材
に対して強く親和することにより、その効果(導電性付
与効果)を長く持続することができる。従って、ゴム基
材と櫛形共重合体とに対して良く親和し、且つ弾性導電
体の物性を損なわない添加剤を用いることにより、4級
アンモニウム塩による導電性付与効果が良好に発揮さ
れ、所望の導電性を有する弾性導電体が得られる。
【0029】そこで、本発明のように導電性付与剤とし
て櫛形共重合体を用いると共に炭酸エステルを添加する
と、その炭酸エステルの分子構造の特徴(櫛形共重合体
のポリエステルセグメントとの相溶性が非常に良好と思
われる構造)により、弾性導電体において所望の電気抵
抗値を持たせることができる。また、前記の電気抵抗値
は印加電圧によって大きく変化することはなく、ブリー
ドアウトやトナー融着を引き起こさない弾性導電体を得
ることができる。
【0030】櫛形共重合体の添加量において、ゴム基材
100重量部に対して5重量部を超える量を添加して
も、その櫛形共重合体を5重量部添加した場合と比較し
て、得られる導電性付与効果や体積固有抵抗値は殆ど同
じである。また、櫛形共重合体を過剰に添加(例えば、
5重量部を超える量を添加)すると、弾性導電体におけ
る引張強度等の常態物性の低下を引き起こし、その弾性
導電体を転写系に用いる場合には耐久性等の点で悪影響
を及ぼす恐れがある。このため、ゴム基材100重量部
に対する櫛形共重合体の添加量は、5重量部以下が好ま
しい。
【0031】本発明の櫛形共重合体は、そのポリエステ
ルセグメントが炭酸エステルと強く親和しゴム材料にて
分散することにより、弾性導電体において導電性付与効
果を発揮する。すなわち、櫛形共重合体の添加量に対す
る炭酸エステルの添加量が少なすぎると、基材ゴムと櫛
形共重合体とにおける相溶性が得られず、分散不良を起
こす恐れがある。このため、炭酸エステルの添加量は、
櫛形共重合体の添加量の3倍以上であることが好まし
い。
【0032】前記炭酸エステルとしては、例えばアルキ
ルカーボネート(例えば、エチレンカーボネート,プロ
ピレンカーボネート,ブチレンカーボネート)や脂環式
エステル(例えば、パレロラクトングリセリンカーボネ
ート)が用いられるが、特に揮発点等の作業性を考慮す
ると、プロピレンカーボネートを用いることが好まし
い。
【0033】
【発明の実施の形態】以下、本発明の実施の形態におけ
る高分子弾性体組成物を説明する。本実施の形態では、
ゴム材料として種々の導電性付与剤(実施例では櫛形共
重合体),添加剤(炭酸エステル)を用いた高分子弾性
体組成物の常態特性,体積固有抵抗値,電圧依存性等を
調べることにより、その高分子弾性体組成物においてブ
リードアウトを防止する共に体積固有抵抗値の電圧依存
性の低減を検討した。
【0034】まず、下記表1に示す配合で、ゴム基材
(ポリマー)としてニトリルブタジエンゴム(以下、N
BRと称する)、種々の加硫助剤(亜鉛華,ステアリン
酸,ポリエチレングリコール)、カーボンブラックとし
てSRFカーボン、充填剤として炭酸カルシウム、炭酸
エステルとしてプロピレンカーボネート、種々の導電性
付与剤(櫛形共重合体,変性脂肪族ジメチルエチルアン
モニウムエトサルフェート)、可塑剤としてジオクチル
フタレート、種々の架橋助剤(テトラメチルチウラムジ
スルフィド,ジフェニルグアニジン,ジベンゾチアジル
ジスルフィド)、加硫剤として硫黄を用い、2本オープ
ンロールにより混練して未加硫ゴムG1〜G6(実施
例)および未加硫ゴムG7〜G11(比較例)を得た。
なお、下記表1に示した各材料の商品名等は、その表1
に示した順で下記表2に示した。
【0035】
【表1】
【0036】
【表2】
【0037】そして、図1に示すような下金型11,上
金型12を用いて、前記の各未加硫ゴムG1〜G11を
それぞれ160℃の温度雰囲気下で20分間熱処理する
ことにより、加硫硬化(架橋反応)させて弾性導電体の
試料S1〜S6(実施例)および試料S7〜S11(比
較例)を作製した。なお、図1中の符号13は未加硫ゴ
ム、符号11aは前記未加硫ゴム13が充填される凹部
を示すものである。
【0038】前記の各試料S1〜S11において、JI
SのK6251,K6253に準拠して硬度(JIS‐
A),引張強度(MPa),伸び(%)を測定して常態
物性を調べた。また、図2,3の説明図に示す方法(詳
細を後述する)により、前記の各試料S1〜S11にお
けるトナー融着性,ブリード性を調べた。
【0039】図2は、トナー融着性の測定方法を示す説
明図である。図2に示すように、まず矩形平板状(厚み
2mm;20mm×20mm×2mm)の弾性導電体
(試料S1〜S11)21aと21bとの間に、質量1
00mgのトナー22を均一な厚さで介在させる。次
に、前記の弾性導電体21aと21bとの間に対し、5
00gの重り23により荷重を加え、40℃×90%R
Hの雰囲気下で72時間放置する。
【0040】その後、前記の弾性導電体21aと21b
とを互いに引き離しトナー22をエアー(0.5kg/
cm2のエアー圧)により除去し、前記の弾性導電体2
1a,21bの表面に残存したトナー22の量(重さ)
を測定する。そして、前記の残存したトナー22の量が
少ないほど、弾性導電体21a,21bにおいてトナー
融着が起こりにくいと見なすことができる。
【0041】図3は、ブリード性の測定方法を示す説明
図である。なお、図2に示すものと同様なものには同一
符号を付して、その詳細な説明を省略する。図3に示す
ように、まず弾性導電体21aと21bとの間に矩形状
(30mm×30mm)の普通紙31を介在させる。な
お、前記普通紙の重さはG0とする。次に、重り23に
より前記の弾性導電体21aと21bとの間に対して圧
力を加え、温度80℃の雰囲気下で72時間放置する。
【0042】その後、前記の弾性導電体21aと21b
とを互いに引き離してから、前記普通紙31の重さ(G
1)を測定し、前記の重さG0との重量差を算出する。こ
の重量差が小さいほど、弾性導電体においてブリードア
ウトが起こりにくいと見なすことができる。なお、前記
のブリードアウトが起こると可塑剤等が普通紙31に付
着し、前記の重量差が大きくなる。
【0043】前記の各試料S1〜S11における常態物
性,トナー融着性,ブリード性の結果を下記表3に示
す。
【0044】
【表3】
【0045】前記表3に示す結果において、導電性付与
剤,炭酸エステルを用いない試料S7,S10はトナー
融着やブリードが起こり、導電性付与剤として変性脂肪
族ジメチルエチルアンモニウムエトサルフェートのみを
用いた試料S8,S9においてはトナー融着やブリード
が起こると共に引張強度が低下したことを読み取れる。
【0046】一方、導電性付与剤として櫛形共重合体を
5重量部以下用いると共に炭酸エステルを用いた試料S
1〜S6においては、炭酸エステルがゴム基材と櫛形共
重合体との両方に親和し弾性導電体の物性を損なわない
ため、トナー融着やブリードが起きず良好な常態物性が
得られたことを確認できた。また、導電性付与剤として
櫛形共重合体を10重量部用いた試料S11において
は、試料S1〜S6と同様のトナー融着性,ブリード性
が得られるが、引張強度等の常態物性が低下してしまう
ことを確認できた。
【0047】このことから、ポリマー100重量部に対
して櫛形共重合体を5重量部以下添加すると共に、炭酸
エステル添加量を櫛形共重合体添加量の3倍以上にする
ことが好ましいことを読み取れる。
【0048】次に、前記の各試料S1〜S11におい
て、JISのK6911に準拠して図4の説明図に示す
方法(詳細を後述する)により印加電圧100V,10
00Vに対する体積固有抵抗値(以下、それぞれ100
V抵抗値,1000V抵抗値と称する)をそれぞれ測定
すると共に、100V抵抗値から1000V抵抗値を差
し引いた値(以下、抵抗値差と称する)を算出すること
により体積固有抵抗値の電圧依存性を調べた。
【0049】図4は、電圧100V抵抗値,1000V
抵抗値および電圧依存性の測定方法を示す説明図であ
る。図4において、符号41は正極として作用する固定
部材、符号42は負極として作用すると共に荷重(弾性
導電体43に対する荷重)を加える荷重部材を示すもの
である。前記固定部材41と荷重部材42との間には、
矩形平板状(厚み2mm;70mm×70mm×2m
m)の弾性導電体(試料S1〜S11)43が介在す
る。また、前記固定部材41,荷重部材42には直流電
源44が接続されると共に、その直流電源44と荷重部
材42との間には電流計45が介在する。
【0050】まず、前記荷重部材42により、約49N
の荷重(荷重部材42の重さによる荷重を含む)を弾性
導電体43に対して1分間加えた後、直流電源44によ
り固定部材41と荷重部材42との間に電圧(100
V,1000V)を印加する。その10秒間の印加後に
電流計45の表示電流値を読み取り、下記の式により体
積固有抵抗値を算出する。なお、下記の数式中の記号に
おいて、Vは印加電圧(V),Iは表示電流値(A),
ρは体積固有抵抗値(Ω・cm),Aは荷重部材42と
弾性導電体43との接触面積(cm2),dは弾性導電
体43の厚み(cm)を示すものとする。
【0051】 ρ=((V/I)×A)/d …… (1) 前記の各試料S1〜S11における100V抵抗値,1
000V抵抗値,抵抗値差の結果を、それぞれLog換
算(常用対数に換算;例えば「1.1×108」をLo
g換算すると「8.0」となる)して下記表4に示す。
なお、下記表4において、抵抗値差が1.0未満のもの
を電圧依存性が低いこととした。
【0052】
【表4】
【0053】前記表4に示す結果から、試料S1〜S1
1における抵抗値差はそれぞれ低いことを確認できた。
このことから、ゴム組成物において櫛形共重合体,炭酸
エステルを配合しても、弾性導電体の電圧依存性を抑え
られることが読み取れる。
【0054】以上、本発明において、記載された具体例
に対してのみ詳細に説明したが、本発明の技術思想の範
囲内で多様な変形及び修正が可能であることは、当業者
にとって明白なことであり、このような変形及び修正が
特許請求の範囲に属することは当然のことである。
【0055】
【発明の効果】以上示したように本発明によれば、電子
写真装置等に用いられる高分子弾性体組成物において所
望の体積固有抵抗値を持たせることができ、ブリードア
ウトによるトナー融着を防止することができると共に、
印字効率(転写効率,出力画質等)を向上させることが
できる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本実施の形態における未加硫ゴムの加硫硬化を
示す説明図。
【図2】本実施の形態におけるトナー融着性の測定方法
を示す説明図。
【図3】本実施の形態におけるブリード性の測定方法を
示す説明図。
【図4】本実施の形態における電圧依存性の測定方法を
示す説明図。
【図5】一般的な電子写真装置の概略構成図。
【符号の説明】
11…下金型 11a…凹部 12…上金型 13…未加硫ゴム 21a,21b,43…弾性導電体(高分子弾性体組成
物) 22…トナー 23…重り 31…普通紙 41…固定部材 42…荷重部材 43…弾性導電体
─────────────────────────────────────────────────────
【手続補正書】
【提出日】平成12年9月29日(2000.9.2
9)
【手続補正1】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0035
【補正方法】変更
【補正内容】
【0035】
【表1】
フロントページの続き (51)Int.Cl.7 識別記号 FI テーマコート゛(参考) F16C 13/00 F16C 13/00 B G03G 15/02 101 G03G 15/02 101 15/08 501 15/08 501A 501D 504 504B 15/16 103 15/16 103 Fターム(参考) 2H003 BB11 CC05 2H032 AA05 BA23 2H077 AC04 AD06 AD13 AD17 AD23 FA21 FA25 3J103 AA02 AA21 BA41 FA06 FA07 FA14 FA18 GA02 GA52 GA57 GA58 GA60 GA73 GA74 HA03 HA05 HA12 HA20 HA22 HA31 HA45 HA52 HA53 HA60 4J002 AC071 BQ002 DA037 DA046 DE106 DE237 EH008 EH149 ER026 EV166 EV346 FD017 FD029 FD146 FD156 GM00 GQ00

Claims (4)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 ポリマー,カーボン系の補強剤,架橋
    剤,導電性付与剤を含有するゴム材料を用い、そのゴム
    材料を架橋させて成る高分子弾性体組成物において、 前記導電性付与剤として4級アンモニウム塩とポリエス
    テルマクロモノマーとから成る共重合体を用い、炭酸エ
    ステルを添加したことを特徴とする高分子弾性体組成
    物。
  2. 【請求項2】 前記炭酸エステルは、プロピレンカーボ
    ネートであることを特徴とする請求項1記載の高分子弾
    性体組成物。
  3. 【請求項3】 前記共重合体は、前記ポリマー100重
    量部に対して5重量部以下用いたことを特徴とする請求
    項1または2記載の高分子弾性体組成物。
  4. 【請求項4】 前記炭酸エステルの添加量は、前記共重
    合体の添加量の3倍以上であることを特徴とする請求項
    1乃至3記載の高分子弾性体組成物。
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Cited By (4)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2008214583A (ja) * 2007-03-07 2008-09-18 Kanji Hayashi 帯電防止性接着剤の主剤用溶液及び帯電防止性ドライラミネート用接着剤及び帯電防止性複合フィルム
JP2009031777A (ja) * 2007-06-27 2009-02-12 Canon Inc 画像形成装置
CN109679167A (zh) * 2018-12-29 2019-04-26 苏州恒则成精密橡塑有限公司 一种环保的丁腈橡胶材料
CN109679166A (zh) * 2018-12-29 2019-04-26 苏州恒则成精密橡塑有限公司 一种环保丁腈橡胶

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