JP2001109233A - 帯電部材 - Google Patents

帯電部材

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JP2001109233A
JP2001109233A JP28402399A JP28402399A JP2001109233A JP 2001109233 A JP2001109233 A JP 2001109233A JP 28402399 A JP28402399 A JP 28402399A JP 28402399 A JP28402399 A JP 28402399A JP 2001109233 A JP2001109233 A JP 2001109233A
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JP
Japan
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charging member
charging
thermoplastic elastomer
elastic layer
porous filler
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JP28402399A
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English (en)
Inventor
Yutaka Narita
豊 成田
Noriyuki Ito
伯志 伊藤
Koji Kamiya
公二 神谷
Norihiko Yasuse
徳彦 安瀬
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Ricoh Co Ltd
Original Assignee
Ricoh Co Ltd
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  • Electrostatic Charge, Transfer And Separation In Electrography (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【課題】 製造工程におけるエネルギー消費量の低減及
びリサイクルによる廃棄物の削減といった環境保護上の
メリットを保持しつつ、部分的帯電不良等による画像欠
陥を発生させないようにすると共に感光体ドラムに対す
る汚染をなくした帯電部材を低コストで提供する。 【解決手段】 導電性支持体1上に半導電性弾性層2を
形成した帯電部材(帯電ロール10)において、半導電
性弾性層2を形成する材料をイオン導電材料及び多孔質
充填剤を分散した熱可塑性エラストマーとする。前記イ
オン導電材料は、好ましくは、過酸化リチウム等のアル
カリ金属過酸化物、過塩素酸リチウム等の過塩素酸塩、
テトラブチルアンンモニウム塩等の4級アンモニウム
塩、及び、燐酸エステル塩から選ばれる少なくとも1種
のものである。前記熱可塑性エラストマーは、好ましく
は、がポリエーテル連鎖及び/又はポリエステル連鎖を
含んでいるものとする。前記多孔質充填剤は、好ましく
は、炭酸カルシウム、クレー、シリカ、ゼオライト等の
20m2 /g以上の比表面積を有する多孔質充填剤であ
る。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、電子写真複写機、
レーザープリンタ、ファクシミリ等の画像形成装置にお
いて、感光体に対して帯電処理を行う帯電ロール等の帯
電部材に関する。
【0002】
【従来の技術】従来、電子写真複写機、レーザープリン
タ、ファクシミリ等の画像形成装置において、感光体に
対して帯電処理を行う帯電部材としては、帯電ロールが
一般的に用いられている。図4は、このような従来の帯
電ロール方式の画像形成装置の説明図である。図5は、
従来の帯電ロールの横断面図である。図6は、他の従来
の帯電ロールの横断面図である。
【0003】図4において、110は、従来の帯電ロー
ル方式の画像形成装置である。従来の帯電ロール方式の
画像形成装置110は、静電潜像が形成される感光体ド
ラム101、感光体ドラム101に接触して帯電処理を
行う帯電ロール102、レーザ光、原稿の反射光等の露
光手段103、感光体ドラム101の静電潜像にトナー
を付着させる現像ロール104、帯電ロール102にD
C電圧を印加するためのパワーパック105、感光体ド
ラム101上のトナー像を記録紙107に転写処理する
転写ロール106、転写処理後の感光体ドラム101を
クリーニングするためのクリーニング装置108、及
び、感光体ドラム101の表面電位を測定する表面電位
計109から構成されている。なお、図4では、他の電
子写真プロセスにおいて通常必要な機能ユニットは、本
明細書では必要としないので、省略してある。
【0004】次に、このような従来の帯電ロール方式の
画像形成装置110における基本的な作像動作について
説明する。
【0005】感光体ドラム101に接触された帯電ロー
ル102に対してDC電圧をパワーパック105から給
電すると、感光体ドラム101の表面は、一様に高電位
に帯電する。その直後に、画像光が感光体ドラム101
の表面に露光手段103により照射されると、感光体ド
ラム101の照射された部分は、その電位が低下する。
このような帯電ロール102による感光体ドラム101
の表面への帯電メカニズムは、帯電ロール102と感光
体ドラム101との間の微少空間におけるパッシェンの
法則に従った放電であることが知られている。
【0006】画像光は、画像の白/黒に応じた光量の分
布であるので、かかる画像光が照射されると、画像光の
照射によって感光体ドラム101面に記録画像に対応す
る電位分布、即ち、静電潜像が形成される。このように
静電潜像が形成された感光体ドラム101の部分が現像
ロール104を通過すると、その電位の高低に応じてト
ナーが付着し、静電画像を可視像化したトナー像が形成
される。かかるトナー像が形成された感光体ドラム10
1の部分に、記録紙107が所定のタイミングでレジス
トロール(図示せず)により搬送され、前記トナー像に
重なる。そして、このトナー像が転写ロール106によ
って記録紙に転写された後、該記録紙107は、感光体
ドラム101から分離される。分離された記録紙107
は、搬送経路を通って搬送され、定着ユニット(図示せ
ず)によって、加熱定着された後、機外へ排出される。
このようにして転写が終了すると、感光ドラム101
は、その表面がクリーニング装置108によりクリーニ
ング処理され、さらに、クエンチングランプ(図示せ
ず)により、残留電荷が除去されて、次回の作像処理に
備えられる。
【0007】このような帯電ロール方式の画像形成装置
110において用いられる接触型の帯電ロール102
は、金属基体からなる感光ドラム101に所定の押圧力
で当接され、金属基体からなる感光体ドラム101の回
転に伴い接触回転するため、帯電ロール102が充分な
柔軟性を持っていない場合、その表面にわずかなくぼみ
があっても、これらのくぼみと感光体ドラム101との
間に浮きが発生し、帯電ロール102と感光体ドラム1
01との間の前記した微少空間がばらつくので、帯電不
良が生じることになる。そのために、図5に示すよう
に、帯電ロール102においては、導電性支持体201
の上に半導電性弾性層202を設けて感光体ドラム10
1に対する浮きを防いでいる。
【0008】このような半導電性弾性層202は、ゴム
材料で構成されるが、かかるゴム材料としては、エチレ
ン−プロピレン−ジエンゴム(EPDM)、ウレタンゴ
ム、シリコーンゴム、エピクロルヒドリンゴム等の加硫
ゴムが一般的に用いられている。しかしながら、近年、
全世界的に環境保護活動がクローズアップされ、各企業
においても、製造時のエネルギー消費量の低減や、廃棄
物の削減といった環境重視の活動が求められており、こ
のような加硫ゴムは、製造時の加硫工程においてエネル
ギーを消費する上、一度加硫を行ってしまうと再成形に
よるリサイクルが不可能となるために、環境保護の観点
からは非常に不利な材料であることは否めない。
【0009】そこで、最近では、環境保護の観点から熱
可塑性エラストマー材料への代替が注目されるようにな
ってきた。このように熱可塑性エラストマーが注目され
るのは、熱可塑性樹脂と同様の成形加工が可能であり、
そのために、加硫工程を必要としないことによる製造工
程におけるエネルギー消費量の低減及びリサイクルによ
る廃棄物の削減といった環境保護上のメリットがあるた
めである。
【0010】熱可塑性エラストマーを帯電部材へ適用す
る場合に要求される特性には、ロール硬度、圧縮永久歪
があり、なおかつ、実機内温度を含め一般保管環境に耐
えうるだけの低温、高温特性が良好であることが求めら
れる。このような熱可塑性エラストマーを帯電部材へ適
用する場合、熱可塑性エラストマーの半導電化が重要な
技術課題となる。このような技術課題を解決するために
カーボンブラック等の導電性顔料を分散した熱可塑性エ
ラストマーを用いた帯電部材が提案されている(特開平
7−121006号公報)。
【0011】そして、半導電化した熱可塑性エラストマ
ーとして、導電性顔料ではなく、イオン導電材料を分散
するものがある。この種の熱可塑性エラストマーは、導
電性顔料が分散する上記のものに比べて抵抗値のばらつ
きが小さく、部分的な帯電不良は画像品質的に問題とな
らない。ところが、このイオン導電材料が分散する熱可
塑性エラストマーを用いると、帯電ローラの感光体ドラ
ムへの押圧、長期の放置により帯電ローラの表面上へイ
オン導電剤がブリードする。このブリードは感光体ドラ
ムを汚染し、感光体ドラムの変質、画像不良を引き起こ
す。また、帯電ローラの表面にもトナーが付着してしま
うので、そのトナーの堆積による帯電不良も引き起こ
す。この問題点を解決するための手段として、図6に示
すように、半導電性弾性体層の表面にバリア機能を有す
る保護層203を設けるものがある。この保護層203
は、帯電ローラとしての機能を損なわないよう、薄肉か
つ均一であると共にその表面性が良好であることが必要
とされる。そのため保護層203の形成は、一般的に樹
脂を溶剤に希釈し、スプレー塗装やディッピング処理に
より行われる。図6において、201は導電性支持体で
あり、202は半導電性弾性層であり、そして、101
は帯電ロールである。
【0012】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、導電性
顔料は、熱可塑性エラストマー中に均一に分散させにく
く、分散不良を起こすので、導電性顔料を分散した熱可
塑性エラストマーを用いた帯電部材を半導電性領域(1
5 〜109 Ωcm程度)に設定しようとすると、その
抵抗値のバラツキが大きくなるので、部分的帯電不良等
による画像欠陥が発生してしまうという問題があった。
また、導電性顔料をそのまま熱可塑性エラストマーに分
散させると、半導電性弾性層自体の硬度が上昇するるの
で、半導電性弾性層の柔軟性が損なわれ、そのために、
感光体ドラムへの接触不良によって起こる部分的帯電不
良による画像欠陥が生じるという問題があった。さら
に、スプレー塗装やディッピング処理により形成された
保護層を有する帯電ローラにおいても、保護層表面に半
導電性弾性体層からイオン導電材料がブリードし、感光
体表面が汚染されてしまうという問題があった。
【0013】本発明は、かかる問題を解決することを目
的としている。即ち、本発明は、製造工程におけるエネ
ルギー消費量の低減及びリサイクルによる廃棄物の削減
といった環境保護上のメリットを保持しつつ、部分的帯
電不良等による画像欠陥を発生させないようにすると共
に感光体ドラムに対する汚染をなくした帯電部材を低コ
ストで提供することを目的としている。
【0014】
【課題を解決するための手段】本発明者は、上記目的を
達成するために、帯電部材における半導電性弾性層を形
成する材料として、イオン導電材料及び多孔質充填剤を
分散した熱可塑性エラストマーを用いたところ、多孔質
充填剤の微細孔中にイオン導電材料が吸着されることに
より、イオン導電材料のローラ表面へのブリードが防止
でき、そのために、製造工程におけるエネルギー消費量
の低減及びリサイクルによる廃棄物の削減といった環境
保護上のメリットを保持しつつ、部分的帯電不良等によ
る画像欠陥を発生させないようにすると共に感光体ドラ
ムに対する汚染をなくすることができることを見出して
本発明を完成するに至った。
【0015】即ち、請求項1に記載された発明は、導電
性支持体上に半導電性弾性層を形成した帯電部材であっ
て、前記半導電性弾性層を形成する材料が、イオン導電
材料及び多孔質充填剤を分散した熱可塑性エラストマー
であることを特徴とする帯電部材である。
【0016】請求項2に記載された発明は、請求項1に
記載された発明において、熱可塑性エラストマーがポリ
エーテル連鎖及び/又はポリエステル連鎖を含んでいる
ことを特徴とするものである。
【0017】請求項3に記載された発明は、請求項1又
は2に記載された発明において、イオン導電材料が、過
酸化リチウム等のアルカリ金属過酸化物、過塩素酸リチ
ウム等の過塩素酸塩、テトラブチルアンンモニウム塩等
の4級アンモニウム塩、及び、燐酸エステル塩から選ば
れる少なくとも1種のイオン導電材料である特徴とする
ものである。
【0018】請求項4に記載された発明は、請求項3に
記載された発明において、イオン導電材料が、熱可塑性
エラストマー100重量部に対して0.1〜5重量部配
合されていることを特徴とするものである。
【0019】請求項5に記載された発明は、請求項1な
いし4のいずれかに記載された発明において、多孔質充
填剤が、炭酸カルシウム、クレー、シリカ、ゼオライト
等の20m2 /g以上の比表面積を有する多孔質充填剤
であることを特徴とするものである。
【0020】請求項6に記載された発明は、請求項5に
記載された発明において、多孔質充填剤が、熱可塑性エ
ラストマー100重量部に対して2〜10重量部配合さ
れていることを特徴とするものである。
【0021】請求項7に記載された発明は、請求項1な
いし6のいずれかに記載された発明において、半導電性
弾性層の表面に保護層を形成したことを特徴とするもの
である。
【0022】
【発明の実施の形態】以下、本発明の実施の形態を図面
を参照して説明する。図1は、本発明の一実施の形態を
示す帯電ロールの断面図であり、そして、図2は、本発
明の他の一実施の形態を示す帯電ロールの断面図であ
る。
【0023】図1において、10は、本発明の帯電部材
に係わる帯電ロールである。帯電ロール10には、半導
電性弾性層2が導電性支持体1上に形成されている。半
導電性弾性層2を形成する材料は、イオン導電材料及び
多孔質充填剤を分散した熱可塑性エラストマーである。
本実施の形態においては、帯電部材を具体化した帯電ロ
ールについて記載するが、本発明における帯電部材は、
本発明の目的に反しない限り、帯電ロール以外の帯電部
材、例えば、ブレードのようなものであってもかまわな
い。
【0024】本発明における熱可塑性エラストマーは、
帯電ローラに求められる柔軟性を有していれば、特に限
定されるものではないが、ポリエーテル連鎖及び/又は
ポリエステル連鎖を含んでいるものが好ましい。このよ
うに、熱可塑性エラストマーがポリエーテル連鎖及び/
又はポリエステル連鎖を含んでいると、イオンの移動が
容易に行えるので、より抵抗値のバラツキが小さく、か
つ、安定した導電性を示す帯電部材が得られる。
【0025】本発明におけるイオン導電材料としては、
好ましくは、過酸化リチウム等のアルカリ金属過酸化
物、過塩素酸リチウム等の過塩素酸塩、テトラブチルア
ンンモニウム塩等の4級アンモニウム塩及び燐酸エステ
ル塩が用いられるが、本発明の目的に反しない限り、こ
れら以外の導電材料であってもかまわない。イオン導電
剤の配合量については、弾性層抵抗値を所望の値にし、
かつ、ブリードの発生を抑制する必要があるので、基
材、即ち、熱可塑性エラストマー100重量部に対して
0.1〜5重量部の範囲で配合することが好ましい。イ
オン導電材料は、熱可塑性エラストマー中の不対電子を
有する原子と一種の配位結合をするため、エラストマー
中に分子レベルで均一に分散される。そのために、導電
性顔料を分散したエラストマーに見られるような分散不
良に伴う抵抗値のバラツキが生じない。
【0026】本発明における多孔質充填剤は、炭酸カル
シウム、クレー、シリカ、ゼオライト等の20m2 /g
以上の比表面積を有する多孔質充填剤である。ここに挙
げた炭酸カルシウム、クレー、シリカ及びゼオライト
は、本発明において、好適に、用いられるものである
が、本発明における多孔質充填剤は、本発明の目的に反
しない限り、これら以外の20m2 /g以上の比表面積
を有する多孔質充填剤であってもかまわない。
【0027】本発明によれば、この多孔質充填剤の微細
孔中にイオン導電材料が吸着されることにより、イオン
導電材料のローラ表面へのブリードが防止できる。それ
故、多孔質充填剤は、吸着能力が高いものほど好まし
く、具体的には、20m2 /g以上の比表面積を有する
ものが好ましい。多孔質充填剤の配合量としては、基材
100重量部に対して2〜10重量部の範囲内にあるこ
とが好ましい。2重量部未満では多孔質充填剤の吸着能
が十分に発現せず、逆に10重量部を越えると半導電性
弾性層の抵抗値が高くなってしまうからである。
【0028】本発明におけるイオン導電材料及び多孔質
充填剤を分散した熱可塑性エラストマーは、これらの材
料を二軸混練機、ニーダー等の手段を用いて均一に混合
することにより、容易に行うことができる。また、この
ような熱可塑性エラストマーの導電性支持体への被覆
は、従来ゴム組成物を用いて半導電性弾性層を形成する
場合に必要であったような加硫工程を経ないので、押出
成形機や射出成形等の手段で任意の形状に成形できる。
【0029】帯電ローラ10が半導電性弾性層2のみを
使用したものである場合、その表面性の悪さから帯電の
均一性が劣ることがある。このような場合には、図2に
示すように、半導電性弾性層2の周囲に保護層3を設け
ることにより、帯電の均一性を改良することができる。
保護層3に用いられる材料としては、感光体ドラムやト
ナーに対する非粘着性に優れるものが望ましく、ポリア
ミド樹脂、フッ素樹脂、ポリビニルアセタール樹脂、ポ
リエステル樹脂等が挙げられる。
【0030】保護層3の電気抵抗値を、半導電性弾性層
2の抵抗値よりも大きくすることによって、感光体ピン
ホールへの電圧集中、異常放電(リーク)を回避するこ
とができる。ただし、保護層3の抵抗をあまり高くしす
ぎると帯電効率が低下するため、抵抗値の差で103Ω
cm以下にする必要がある。この場合、保護層3の抵抗
値の調整は、上記樹脂に対して各種導電材料を分散させ
ることによって行う。
【0031】保護層3の電気抵抗値を半導電性弾性層2
の抵抗値よりも大きくすることによって、感光体ピンホ
ールへの電圧集中、異常放電(リーク)を回避すること
ができる。ただし、保護層3の電気抵抗値をあまり高く
しすぎると帯電効率が低下するために、電気抵抗値の差
で103 Ωcm以下にする必要がある。この場合、保護
層3の抵抗値の調整は、上記樹脂に対して各種導電剤を
ブレンドすることによって行うことができる。前記導電
剤としては、カーボンブラック、金属酸化物等の導電粒
子が好適に用いられる。
【0032】前記半導電性弾性層2の硬度は、JIS−
Aにて20〜50程度に調整されるが、その表面が硬化
剤により硬化処理されていてもよい。かかる硬化剤とし
ては、好適には、イソシアネート含有化合物が用いられ
るが、本発明の目的に反しない限り、イソシアネート含
有化合物以外の化合物であってもかまわない。
【0033】
【実施例】(実施例1)ステンレスからなる直径6mm
の芯軸上に、半導電性弾性層として、ポリエステル成分
を含む熱可塑性エラストマー(エラステージES500
0A、東ソー社製)100重量部に過塩素酸アンモニウ
ム6重量部、ゼオライト5重量部を配合した組成物を押
出成形により被覆して、直径14mmの帯電ロール(図
1と同様の構成)を得た。このようにして得られた帯電
ロールの表面硬度(JIS−A)及び電気抵抗値を測定
したところ、表面硬度;51度及び電気抵抗値;6×1
8 Ωcmであった。
【0034】(実施例2)実施例1と同様に作製した帯
電ローラの半導電性弾性層上に、保護層として、ポリア
ミド樹脂(ダイアミドT−171、ダイセルヒュルス社
製)、酸化スズ60重量%(全固形分に対して)からな
る組成物を約7μmの膜厚に被覆して、帯電ロール(図
2と同様の構成)を得た。このようにして得られた帯電
ロールの電気抵抗値を測定したところ、電気抵抗値;2
×10Ωcmであった。
【0035】(実施例3)実施例1と同様に作製した帯
電ローラの半導電性弾性層上に、保護層として、フッ素
樹脂(ルミフロンLF−600、旭硝子社製)、イソシ
アネート系硬化剤及び酸化スズ60重量%(全固形分に
対して)からなる組成物を約7μmの膜厚に被覆して、
帯電ロール(図2と同様の構成)を得た。このようにし
て得られた帯電ロールの電気抵抗値を測定したところ、
電気抵抗値;3×10Ωcmであった。
【0036】(実施例4)実施例1と同様に作製した帯
電ローラの半導電性弾性層上に、保護層として、ポリビ
ニルブチラール樹脂(デンカブチラール3000−2、
電気化学工業社製)、イソシアネート系硬化剤及び酸化
スズ60重量%(全固形分に対して)からなる組成物を
約7μmの膜厚に被覆して、帯電ロール(図2と同様の
構成)を得た。このようにして得られた帯電ロールの電
気抵抗値を測定したところ、電気抵抗値;3×10Ωcm
であった。
【0037】(実施例5)実施例1と同様に作製した帯
電ローラの半導電性弾性層上に、保護層として、ポリエ
ステル樹脂(バイロン20SS、東洋紡製)、イソシア
ネート系硬化剤及び酸化スズ60重量%(全固形分に対
して)からなる組成物を約7μmの膜厚に被覆して、帯
電ロール(図2と同様の構成)を得た。このようにして
得られた帯電ロールの電気抵抗値を測定したところ、電
気抵抗値;1×10Ωcmであった。
【0038】(実施例6)実施例1の弾性層に使用した
熱可塑性エラストマー組成物を約5mm角のペレット状
に粉砕し、リサイクル分50重量%となるように新しい
熱可塑性エラストマー組成物中にブレンドして、実施例
1と同様の方法で直径14mmの帯電ローラを得た。こ
のようにして得られた帯電ロールの表面硬度(JIS−
A)及び電気抵抗値を測定したところ、表面硬度;51
度及び電気抵抗値;6×108 Ωcmであり、リサイク
ル分を含まない場合と同等であった。
【0039】(比較例1)ステンレスからなる直径6m
mの芯軸上に、半導電性弾性層として、ポリエステル成
分を含む熱可塑性エラストマー(エラステージES50
00A、東ソー社製)100重量部に過塩素酸アンモニ
ウム6重量部を配合した組成物を押出成形により被覆し
て、直径14mmの帯電ロール(図1と同様の構成)を
得た。このようにして得られた帯電ロールの表面硬度
(JIS−A)及び電気抵抗値を測定したところ、表面
硬度;50度及び電気抵抗値;5×108 Ωcmであっ
た。
【0040】(比較例2)比較例1と同様に作製した帯
電ローラの半導電性弾性層上に、保護層として、ポリア
ミド樹脂(ダイアミドT−171、ダイセルヒュルス社
製)、酸化スズ60重量%(全固形分に対して)からな
る組成物を約7μmの膜厚に被覆して、帯電ロール(図
2と同様の構成)を得た。このようにして得られた帯電
ロールの電気抵抗値を測定したところ、電気抵抗値;2
×10Ωcmであった。
【0041】(比較例3)ステンレスからなる直径6m
mの芯軸上に、半導電性弾性層として、オレフィン系熱
可塑性エラストマー(サントプレーン211−55、A
ESジャパン社製)100重量部にカーボンブラック
(デンカブラック、電気化学工業社製)22重量部を配
合した組成物を約7μmの膜厚に被覆して、帯電ロール
(図1と同様の構成)を得た。このようにして得られた
帯電ロールの電気抵抗値を測定したところ、表面硬度;
60度及び電気抵抗値;6×108 Ωcmであった。
【0042】以上、実施例1〜6及び比較例1〜3で得
られた帯電ロールについて、図4に示した画像形成装置
を使用して、画像評価を行った。この際、帯電ロールに
印加する電圧をDC−1600Vとした。そして、感光
体ピンホールへの電圧集中、異常放電により生じる異常
画像の評価については、以下のランク付けにより行っ
た。 ランク1;画像上に異常放電による白抜けが起きない、
若しくは、差し渡しの径が2mm以内である。 ランク2;白抜けが2mm以上であるが、スジ状になっ
ていない。 ランク3;画像上にスジ状となって白抜けが起きる。
【0043】図3は、帯電ロールの感光体汚染性試験に
用いられる装置の説明図である。感光体汚染性試験は、
図3に示すように、感光体ドラム101に帯電ロール1
0(20)を6.5Nの力で押し当て、温度30℃、湿
度90%RHの環境下で5日間放置し、その後、図4に
示す画像形成装置に設置して画像評価を行うことにより
行なった。仮に、感光体が汚染している場合には、汚染
箇所は、帯電しないため、異常画像(白抜け)となって
表れる。この白抜けが生じているかどうかを確認した。
【0044】総合評価は、次に示す基準で行った。 (1) ×;部分的帯電不良又はブリードが見られる。 (2) ◎;帯電電位のばらつき幅とピンホールへの異常の
2項目について特に優れている。 (3) ○;前記(1) 及び(2) 以外を良とする。
【0045】評価結果は、次の表1に示される。
【0046】
【表1】
【0047】
【発明の効果】(1) 請求項1に記載された発明によれ
ば、半導電性弾性層を形成する材料がイオン導電材料及
び多孔質充填剤を分散した熱可塑性エラストマーである
ので、製造工程におけるエネルギー消費量の低減及びリ
サイクルによる廃棄物の削減といった環境保護上のメリ
ットを保持しつつ、部分的帯電不良等による画像欠陥を
発生させないようにすると共に感光体ドラムに対する汚
染をなくした帯電部材が低コストで得られる。
【0048】(2) 請求項2に記載されたの発明によれ
ば、熱可塑性エラストマーがポリエーテル連鎖及び/又
はポリエステル連鎖を含んでいるので、イオンの移動が
容易に行え、そのために、より抵抗値のバラツキが小さ
く、かつ、安定した導電性を示す帯電部材が得られる。
【0049】(3) 請求項3に記載された発明によれば、
イオン導電材料が、過酸化リチウム等のアルカリ金属過
酸化物、過塩素酸リチウム等の過塩素酸塩、テトラブチ
ルアンンモニウム塩等の4級アンモニウム塩、及び、燐
酸エステル塩から選ばれる少なくとも1種のイオン導電
材料であるので、エラストマー中に分子レベルで均一に
分散され、そのために、導電性顔料を分散したエラスト
マーに見られるような分散不良に伴う抵抗値のバラツキ
が生じない。
【0050】(4) 請求項4に記載された発明によれば、
イオン導電材料が、熱可塑性エラストマー100重量部
に対して0.1〜5重量部配合されているので、弾性層
抵抗値を所望の値にし、かつ、ブリードの発生を抑制す
るするこことができる。
【0051】(5) 請求項5に記載された発明によれば、
多孔質充填剤が炭酸カルシウム、クレー、シリカ、ゼオ
ライト等の20m2 /g以上の比表面積を有する多孔質
充填剤であるので、この多孔質充填剤の微細孔中にイオ
ン導電材料が吸着されることにより、イオン導電材料の
ローラ表面へのブリードが防止できる。
【0052】(6) 請求項6に記載された発明によれば、
多孔質充填剤が熱可塑性エラストマー100重量部に対
して2〜10重量部配合されているので、多孔質充填剤
の吸着能を十分に発現させつと共に半導電性弾性層の抵
抗値が高くならないようにすることができる。
【0053】(7) 請求項7に記載された発明によれば、
半導電性弾性層の表面に保護層を形成したので、帯電の
均一性を改良することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の一実施の形態を示す帯電ロールの断面
図である。
【図2】本発明の他の一実施の形態を示す帯電ロールの
断面図である。
【図3】帯電ロールの感光体汚染性試験に用いられる装
置の説明図である。
【図4】従来の帯電ロールを用いた画像形成装置の説明
図である。
【図5】従来の帯電ロールの横断面図である。
【図6】他の従来の帯電ロールの横断面図である。
【符号の説明】
1 導電性支持体 2 半導電性弾性層 3 保護層 10,20 帯電ロール
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 神谷 公二 東京都大田区中馬込1丁目3番6号 株式 会社リコー内 (72)発明者 安瀬 徳彦 東京都大田区中馬込1丁目3番6号 株式 会社リコー内 Fターム(参考) 2H003 AA12 BB11 CC05 3J103 AA02 AA13 AA14 AA51 FA20 FA30 GA02 GA52 GA57 GA58 GA60 HA12 HA18 HA20 HA31 HA41 HA44 HA45

Claims (7)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 導電性支持体上に半導電性弾性層を形成
    した帯電部材であって、前記半導電性弾性層を形成する
    材料が、イオン導電材料及び多孔質充填剤を分散した熱
    可塑性エラストマーであることを特徴とする帯電部材。
  2. 【請求項2】 熱可塑性エラストマーがポリエーテル連
    鎖及び/又はポリエステル連鎖を含んでいることを特徴
    とする請求項1記載の帯電部材。
  3. 【請求項3】 イオン導電材料が、過酸化リチウム等の
    アルカリ金属過酸化物、過塩素酸リチウム等の過塩素酸
    塩、テトラブチルアンンモニウム塩等の4級アンモニウ
    ム塩、及び、燐酸エステル塩から選ばれる少なくとも1
    種のイオン導電材料である特徴とする請求項1又は2記
    載の帯電部材。
  4. 【請求項4】 イオン導電材料が、熱可塑性エラストマ
    ー100重量部に対して0.1〜5重量部配合されてい
    ることを特徴とする請求項3記載の帯電部材。
  5. 【請求項5】 多孔質充填剤が、炭酸カルシウム、クレ
    ー、シリカ、ゼオライト等の20m2 /g以上の比表面
    積を有する多孔質充填剤であることを特徴とする請求項
    1ないし4のいずれかに記載の帯電部材。
  6. 【請求項6】 多孔質充填剤が、熱可塑性エラストマー
    100重量部に対して2〜10重量部配合されているこ
    とを特徴とする請求項5記載の帯電部材。
  7. 【請求項7】 半導電性弾性層の表面に保護層を形成し
    たことを特徴とする請求項1〜6のいずれかに記載の帯
    電部材。
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