JP2002132014A - 帯電部材及び該帯電部材を有する画像形成装置 - Google Patents

帯電部材及び該帯電部材を有する画像形成装置

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JP2002132014A
JP2002132014A JP2000319586A JP2000319586A JP2002132014A JP 2002132014 A JP2002132014 A JP 2002132014A JP 2000319586 A JP2000319586 A JP 2000319586A JP 2000319586 A JP2000319586 A JP 2000319586A JP 2002132014 A JP2002132014 A JP 2002132014A
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charging roller
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Yutaka Narita
豊 成田
Akiko Tanaka
亜希子 田中
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Ricoh Co Ltd
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Ricoh Co Ltd
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  • Electrostatic Charge, Transfer And Separation In Electrography (AREA)
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 近接帯電方式の画像形成装置に好適に用いら
れ、帯電不良やブリードアウトの発生を防止して優れた
画像品質に供する帯電部材を提供する。 【解決手段】 本発明に係る帯電ローラ10は、高分子
型イオン導電剤が分散する熱可塑性樹脂組成物からなり
芯金11上に形成される抵抗調整層12と、この抵抗調
整層12の表面を被覆する保護層13とを有する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、複写機、レーザー
プリンタ、ファクシミリ等の電子写真方式の画像形成装
置において、感光体に対して帯電処理を行う帯電ローラ
等の帯電部材と、この帯電部材を有する画像形成装置に
関する。
【0002】
【従来の技術】従来から、帯電部材として、例えば図2
に示す電子写真方式の画像形成装置における帯電ローラ
等が知られている。この画像形成装置1は、帯電ローラ
2と、パワーパック3と、感光体ドラム4と、表面電位
計5と、現像ローラ6と、転写ローラ7と、クリーニン
グ装置8とを備える。
【0003】帯電ローラ2はパワーパック3より電源供
給を受け、感光体ドラム4を帯電させる。この感光体ド
ラム4は図示を略す駆動機構により矢印A方向に回転す
る。表面電位計5はその回転方向に沿って帯電ローラ2
の直後に設けられ、感光体ドラム4の表面4aの電位を
測定する。
【0004】現像ローラ6は帯電した感光体ドラム4に
トナーを付着させ、転写ローラ7は感光体ドラム4に付
着したトナーを記録紙Sに転写する。クリーニング装置
8は感光体ドラム4に残留したトナーを除去し、感光体
ドラム4をクリーニングする。
【0005】この画像形成装置1による画像形成過程で
は、まず、帯電ローラ2により感光体ドラム4の表面4
aが負の高電位に帯電する。続いて、その帯電した表面
4aに原稿からの反射光やレーザー光からなる露光Lが
照射される。この露光Lは、形成しようとする画像の黒
/白に応じた光量分布を有し、表面4aの各部の電位
(負の電位)が受光量に合わせて低下することによって
表面4aには光量分布に対応する電位分布、すなわち、
静電潜像が形成される。
【0006】感光体ドラム4が回転してその表面4aの
静電潜像が形成された部分が現像ローラ6を通過する
と、表面4aには電位分布に応じたトナーが付着して静
電潜像がトナー像として可視化される。このトナー像は
所定のタイミングで給送される記録紙Sに転写ローラ7
により転写され、記録紙Sは図示を略す定着ユニットに
向かって矢印B方向に搬送される。
【0007】一方、その転写後の感光体ドラム4は、表
面4aに残留するトナーがクリーニング装置8により除
去されてクリーニングされるとともに、図示を略すクエ
ンチングランプにより残留電荷が除去されて次回の作像
処理に移行する。
【0008】
【発明が解決しようとする課題】ところで、上記の画像
形成装置1における一般的な帯電方式として帯電ローラ
2を感光体ドラム4に接触させる接触帯電方式がある
が、この接触帯電方式には以下に掲げるような問題があ
る。
【0009】 帯電ローラの構成物質が帯電ローラか
ら染み出して感光体ドラムの表面に付着し、この付着が
進行すると感光体ドラム表面に帯電ローラの跡が残る。
【0010】 帯電ローラに交流電圧を印加した際
に、感光体ドラムに接触している帯電ローラが振動して
帯電音が起こる。
【0011】 感光体ドラム表面のトナーが帯電ロー
ラに付着して帯電性能が低下する。
【0012】特に帯電ローラにおいての染出しが生じ
ると、トナーが一層付着しやすくなる。
【0013】 感光体ドラムを長期間駆動しないと帯
電ローラに永久変形が生じる。
【0014】このような問題に対処するために、帯電ロ
ーラ2を感光体ドラム4に接触ではなく近接させる近接
帯電方式が考案されている(特開平3−240076号
公報等)。この近接帯電方式は、帯電ローラ2と感光体
ドラム4との最近接距離が0.005〜0.3mmとな
るように両者を対向させ、帯電ローラ2に電圧を印加し
て感光体ドラム4の帯電を行うものである。近接帯電方
式では帯電ローラ2と感光体ドラム4とが接触していな
いので、接触帯電方式で問題となる「帯電ローラの構成
物質の感光体ドラムへの付着」及び「長期間の不使用に
より生じる帯電ローラの永久変形」は問題とならない。
また、「トナーの付着による帯電ローラの帯電性能の低
下」に関しても、帯電ローラに付着するトナーが少なく
なるため近接帯電方式の方が優れている。
【0015】近接帯電方式に用いる帯電ローラに要求さ
れる特性は、接触帯電方式に用いる帯電ローラのそれと
は異なる。すなわち、接触帯電方式で一般的に用いる帯
電ローラは、芯金の周囲に加硫ゴム等の弾性体を被覆し
て構成されているが、これは接触帯電方式では感光体ド
ラムをムラなく帯電させるために帯電ローラが感光体ド
ラムに均一に接触する必要があり、帯電ローラにある程
度の柔軟性が要求されるからである。一方、近接帯電方
式の画像形成装置においてそのような弾性体で構成され
た帯電ローラを使用した場合には、以下に掲げるような
不具合が生じる。
【0016】 近接帯電方式では帯電ローラと感光体
ドラムとの間に一定の空隙を確保するために、帯電ロー
ラの軸方向両端部の非画像領域(画像形成に関与しない
領域)にスペーサ等を設ける必要があるが、帯電ローラ
が弾性を有するとその変形により空隙を一定に保つこと
が困難となって、帯電電位の不安定化やそれに起因する
画像ムラを招いてしまう。
【0017】 帯電ローラを構成する弾性体が加硫ゴ
ムの場合、経時によるへたりや変形が生じやすく、これ
により上記空隙が経時的に変化する。
【0018】そこで、このような不具合に対処するため
に、芯金の周囲に非弾性体である熱可塑性樹脂を被覆し
て帯電ローラを構成することが考えられる。
【0019】ここで、帯電ローラによる帯電メカニズム
は、帯電ローラと感光体ドラムとの間のパッシェンの法
則に従う微小放電であることが知られており、感光体ド
ラムの表面を所定の帯電電位に保持するためには、熱可
塑性樹脂の抵抗値を半導電性領域(106〜109Ω・c
m程度)に調整することが必要である。この抵抗値の調
整方法としては、熱可塑性樹脂中にカーボンブラック等
の導電性顔料を分散させる方法が一般的であるが、導電
性顔料は均一に分散させることが難しく、その分散不良
により抵抗値のばらつきが大きくなる傾向があるので、
部分的な帯電不良による画像欠陥が発生しやすい。
【0020】一方、抵抗値の他の調整方法としては、熱
可塑性樹脂中にイオン導電剤(Li塩等の電解質塩)を
分散させる方法がある(特開平10−161397号公
報等)。電解質塩はマトリックス樹脂中に分子レベルで
分散するため、導電性顔料が分散する上記方法に比して
抵抗値のばらつきが小さく、部分的な帯電不良は画像品
質的に問題とならない。ところが、電解質塩はマトリッ
クス樹脂の表面にブリードアウトしやすい性質があるた
め、帯電ローラの表面にブリードアウトした際にトナー
の付着を招き、画像不良を引き起こすおそれがある。
【0021】このようなブリードアウトを回避するため
に、ポリアルキレンオキシド等のポリエーテル基を有す
るノニオン性高分子型導電材を使用することが考えられ
る。これらの導電材は高分子であるため、マトリックス
樹脂中に分散して固定され、帯電ローラ表面へのブリー
ドアウトは起こり難い。しかしながら、ノニオン性高分
子型導電材は単体でも108〜1011Ω・cm程度の抵抗
値を有するため、電解質塩と比較して抵抗値を抑える効
果が小さく、帯電ローラに求められる中抵抗領域(10
6〜109Ω・cm)に調整することが困難となる。
【0022】本発明は、上記の事情に鑑みて為されたも
ので、近接帯電方式の画像形成装置に好適に用いられ、
帯電不良やブリードアウトの発生を防止して優れた画像
品質に供する帯電部材と、この帯電部材を有する画像形
成装置を提供することを課題としている。
【0023】
【課題を解決するための手段】上記課題を解決するた
め、請求項1に係る発明は、高分子型イオン導電材料が
分散する熱可塑性樹脂組成物からなり導電性支持体上に
形成される抵抗調整層と、該抵抗調整層の表面を被覆す
る保護層とを有する帯電部材を特徴とする。
【0024】請求項1に係る発明によれば、イオン導電
材料が分散する熱可塑性樹脂により抵抗調整層が構成さ
れ、これにより近接帯電方式に好適で帯電不良を防止す
る特性が帯電部材に備わるとともに、その抵抗調整層を
容易に半導電性とすることができる。また、イオン導電
材料が高分子化合物であること及び抵抗調整層の表面を
被覆する保護層が設けられていることによりブリードア
ウトも防止され、帯電部材が特段のデメリットを伴うこ
となく優れた画像品質に供する。
【0025】請求項2に係る発明は、請求項1に記載の
帯電部材において、前記高分子型イオン導電材料が四級
アンモニウム塩基含有化合物であることを特徴とする。
【0026】請求項2に係る発明によれば、高分子型イ
オン導電材料として四級アンモニウム塩基を含有する化
合物が用いられるので、抵抗調整層に望まれる抵抗値を
容易に実現することができる。
【0027】請求項3に係る発明は、請求項1又は請求
項2に記載の帯電部材において、前記保護層の抵抗値が
前記抵抗調整層の抵抗値よりも大きいことを特徴とす
る。
【0028】請求項3に係る発明によれば、保護層の抵
抗値が抵抗調整層の抵抗値よりも大きいので、感光体の
欠陥部への電圧集中、異常放電(リーク)を効果的に抑
制することができる。
【0029】請求項4に係る発明は、請求項3に記載の
帯電部材において、前記保護層の抵抗値と前記抵抗調整
層の抵抗値との差が103Ω・cm以下であることを特
徴とする。
【0030】請求項4に係る発明によれば、保護層の抵
抗値と抵抗調整層との抵抗値との差が103Ω・cm以
下であることにより、帯電効率の低下を防止することが
できる。
【0031】請求項5に係る発明は、請求項3又は請求
項4に記載の帯電部材において、前記保護層が、導電性
粒子が分散する樹脂組成物からなることを特徴とする。
【0032】請求項5に係る発明によれば、導電性粒子
が分散する樹脂組成物から保護層がなるので、保護層の
電気特性を容易に調整することができる。
【0033】請求項6に係る発明は、請求項5に記載の
帯電部材において、前記保護層をなす樹脂組成物が、フ
ッ素樹脂、ポリアミド樹脂、ポリエステル樹脂又はポリ
ビニルブチラール樹脂であることを特徴とする。
【0034】請求項6に係る発明によれば、保護層をな
す樹脂組成物がフッ素樹脂、ポリアミド樹脂、ポリエス
テル樹脂又はポリビニルブチラール樹脂であり、これら
の樹脂は非粘着性に優れるため、帯電部材へのトナーの
付着を抑制することができる。
【0035】請求項7に係る発明は、請求項1乃至請求
項6のいずれか1項に記載の帯電部材を有する画像形成
装置を特徴とする。
【0036】請求項7に係る発明によれば、請求項1乃
至請求項6のいずれか1項に記載の帯電部材を有するの
で、画像形成装置が優れた品質の画像を形成することが
できるとともに、上記いずれかの請求項に係る発明の効
果も併せて奏する。
【0037】
【発明の実施の形態】本発明の実施の形態を図面に基づ
いて説明する。
【0038】図1は、本発明に係る帯電部材としての帯
電ローラの断面図を示す。この帯電ローラ10は、図2
に示す画像形成装置1において帯電ローラ2の代わりに
用いられ、円柱状を呈する導電性支持体としての芯金1
1と、芯金11の外周面上に一様の厚さで形成された抵
抗調整層12と、抵抗調整層12の表面を被覆する保護
層13とを有する。
【0039】抵抗調整層12は、高分子型イオン導電剤
が分散する熱可塑性樹脂組成物により形成されている。
この抵抗調整層12の体積固有抵抗値は、106〜109
Ω・cmであることが望ましい。体積固有抵抗値が10
9Ω・cmを超えると帯電量が不足し、感光体ドラム4
がムラのない画像を得るために十分な帯電電位を得るこ
とができなくなる一方、体積固有抵抗値が106Ω・c
mよりも小さいと感光体ドラム4全体への電圧集中、異
常放電(リーク)が生じるからである。
【0040】抵抗調整層12に用いられる熱可塑性樹脂
は特に限定されるものではないが、ポリエチレン(P
E)、ポリプロピレン(PP)、ポリメタクリル酸メチ
ル(PMMA)、ポリスチレン(PS)及びその共重合
体(AS、ABS等)等の汎用樹脂であれば成形加工が
容易であり好ましい。
【0041】その熱可塑性樹脂に分散させる高分子型イ
オン導電剤としては、単体の抵抗値が106〜1010Ω
・cm程度であり樹脂抵抗を下げやすいことにより、四
級アンモニウム塩基含有化合物、好ましくは四級アンモ
ニウム塩基含有ポリオレフィンが用いられる。また、そ
の配合量については、抵抗調整層12の抵抗値を上記の
ように所望の値にする必要があることから、基材100
重量部に対して10〜40重量部の割合で配合すること
が好ましい。この高分子型イオン導電剤の熱可塑性樹脂
への分散は、二軸混練機、ニーダー等の手段を用いるこ
とにより容易に行うことができる。イオン導電性の材料
はマトリックスポリマー中に分子レベルで均一に分散す
るので、抵抗調整層12には導電性顔料が分散する抵抗
調整層に見られるような導電性物質の分散不良に伴う抵
抗値のばらつきが生じない。また、イオン導電性の材料
が高分子化合物であるためマトリックスポリマー中に均
一に分散して固定され、ブリードアウトが生じ難くなっ
ている。
【0042】なお、抵抗調整層12の芯金11上への形
成は、高分子型イオン導電剤を熱可塑性樹脂に分散させ
てなる半導電性樹脂組成物を押出成形又は射出成形等に
より芯金11の周面に設け、その半導電性樹脂組成物で
芯金11を被覆することによって容易に行うことができ
る。
【0043】保護層13は、その抵抗値が抵抗調整層1
2の抵抗値よりも大きくなるように形成され、これによ
り感光体ドラム4の欠陥部への電圧集中、異常放電(リ
ーク)が回避される。但し、保護層13の抵抗値を高く
し過ぎると帯電効率が低下するため、保護層13の抵抗
値と抵抗調整層12の抵抗値との差は103Ω・cm以
下であることが好ましい。
【0044】保護層13を形成する材料としては、製膜
性が良好であるという点で樹脂材料が好適である。樹脂
材料としては、フッ素樹脂、ポリアミド樹脂、ポリエス
テル樹脂又はポリビニルアセタール樹脂が非粘着性に優
れ、トナーの付着を防止する観点から好ましい。また、
樹脂材料は一般に電気的な絶縁性を有するため、樹脂材
料単体で保護層13を形成すると帯電ローラの特性が満
たされない。そこで、上記の樹脂材料に対して各種の導
電剤を分散させることによって、保護層13の抵抗値を
調整する。なお、保護層13と抵抗調整層12との接着
性を向上させるため、樹脂材料にイソシアネート等の反
応性硬化剤を分散させてもよい。
【0045】
【実施例】以下、本発明に係る帯電ローラのより具体的
な例(実施例1乃至実施例4)と、比較のために製作し
た帯電ローラの例(比較例1乃至比較例4)とについて
説明する。
【0046】〔実施例1〕ステンレスからなる直径8m
mの芯金11の周面上に、ABS樹脂(電気化学工業社
製、GR−1500)100重量部に対して四級アンモ
ニウム塩基を含有するイオン導電性の高分子化合物(第
一工業製薬製、レオレックスA−1720)30重量部
を配合してなる組成物(体積抵抗値1×108Ω・c
m)を、射出成形により被覆して抵抗調整層12を形成
した。
【0047】次いで、抵抗調整層12の表面に、ポリア
ミド樹脂(ダイアミドT−171、ダイセルヒュルス社
製)及びカーボンブラック(全固形分に対して10重量
%)からなる混合物により保護層13を形成し、直径1
2mmの帯電ローラ10を得た。その保護層13の抵抗
値は4×1010Ω・cm、膜厚は約10μmである。
【0048】〔実施例2〕実施例1と同様に形成した抵
抗調整層12の表面に、ポリビニルブチラール樹脂(デ
ンカブチラール3000−K、電気化学工業社製)、イ
ソシアネート系硬化剤及び酸化スズ(全固形分に対して
60重量%)からなる混合物により保護層13を形成
し、直径12mmの帯電ローラ10を得た。その保護層
13の抵抗値は3×1010Ω・cm、膜厚は約10μm
である。
【0049】〔実施例3〕ステンレスからなる直径8m
mの芯金11の周面上に、PP樹脂(日本ポリケム社
製、ノバテックPP MG03B)100重量部に対し
て四級アンモニウム塩基を含有するイオン導電性の高分
子化合物(第一工業製薬製、レオレックスA−172
0)30重量部を配合してなる組成物(体積抵抗値1×
108Ω・cm)を、射出成形により被覆して抵抗調整
層12を形成した。
【0050】次いで、抵抗調整層12の表面に、ポリア
ミド樹脂(ダイアミドT−171、ダイセルヒュルス社
製)及びカーボンブラック(全固形分に対して10重量
%)からなる混合物により保護層13を形成し、直径1
2mmの帯電ローラ10を得た。その保護層13の抵抗
値は4×1010Ω・cm、膜厚は約10μmである。
【0051】〔実施例4〕実施例3と同様に形成した抵
抗調整層12の表面に、ポリビニルブチラール樹脂(デ
ンカブチラール3000−K、電気化学工業社製)、イ
ソシアネート系硬化剤及び酸化スズ(全固形分に対して
60重量%)からなる混合物により保護層13を形成
し、直径12mmの帯電ローラ10を得た。その保護層
13の抵抗値は3×1010Ω・cm、膜厚は約10μm
である。
【0052】〔比較例1〕ステンレスからなる直径8m
mの芯金の周面上に、エピクロルヒドリンゴム(エピク
ロマーCG、ダイソー社製)100重量部に対して過塩
素酸アンモニウム3重量部を配合してなるゴム組成物
(体積抵抗値3×108Ω・cm)を、加硫工程を経た
後に押出成形により被覆して抵抗調整層を形成した。
【0053】次いで、その抵抗調整層の表面に、ポリビ
ニルブチラール樹脂(デンカブチラール3000−K、
電気化学工業社製)、イソシアネート系硬化剤及び酸化
スズ(全固形分に対して60重量%)からなる混合物に
より保護層を形成し、直径12mmの帯電ローラを得
た。その保護層の抵抗値は3×1010Ω・cm、膜厚は
約10μmである。
【0054】〔比較例2〕ステンレスからなる直径8m
mの芯金の周面上に、ABS樹脂(電気化学工業社製、
GR−1500)100重量部に対して導電性カーボン
ブラック(ケッチェンブラックEC、ケッチェンブラッ
クインターナショナル社製)15重量部を配合してなる
組成物(体積抵抗値4×107Ω・cm)を、射出成形
により被覆して抵抗調整層を形成した。
【0055】次いで、その抵抗調整層の表面に、ポリア
ミド樹脂(ダイアミドT−171、ダイセルヒュルス社
製)及びカーボンブラック(全固形分に対して10重量
%)からなる混合物により保護層を形成し、直径12m
mの帯電ローラを得た。その保護層の抵抗値は4×10
10Ω・cm、膜厚は約10μmである。
【0056】〔比較例3〕ステンレスからなる直径8m
mの芯金の周面上に、ABS樹脂(電気化学工業社製、
GR−1500)100重量部に対して過塩素酸リチウ
ム3重量部を配合してなる組成物(体積抵抗値3×10
8Ω・cm)を、射出成形により被覆して抵抗調整層を
形成した。
【0057】次いで、その抵抗調整層の表面に、ポリビ
ニルブチラール樹脂(デンカブチラール3000−K、
電気化学工業社製)、イソシアネート系硬化剤及び酸化
スズ(全固形分に対して60重量%)からなる混合物に
より保護層を形成し、直径12mmの帯電ローラを得
た。その保護層の抵抗値は3×1010Ω・cm、膜厚は
約10μmである。
【0058】〔比較例4〕ステンレスからなる直径8m
mの芯金の周面上に、ABS樹脂(電気化学工業社製、
GR−1500)100重量部に対してノニオン性高分
子導電剤(三洋化成製、ペレスタット6321)30重
量部を配合してなる組成物(体積抵抗値1×1011Ω・
cm)を、射出成形により被覆して抵抗調整層を形成し
た。
【0059】次いで、その抵抗調整層の表面に、ポリア
ミド樹脂(ダイアミドT−171、ダイセルヒュルス社
製)及びカーボンブラック(全固形分に対して10重量
%)からなる混合物により保護層を形成し、直径12m
mの帯電ローラを得た。その保護層の抵抗値は4×10
10Ω・cm、膜厚は約10μmである。
【0060】以上の各実施例及び各比較例に係る帯電ロ
ーラについて、図2に示した画像形成装置1を使用して
感光体ドラム4の帯電電位測定及び画像評価を行った。
この際、帯電ローラの軸方向両端部の非画像領域にスペ
ーサテープを貼着し、帯電ローラと感光体ドラム4との
間の空隙が50μmとなるように帯電ローラを設置し
た。また、パワーパック3により帯電ローラに印加する
電圧をDC=−800V、AC=2400Vpp(周波
数=2kHz)とし、感光体ドラム4の欠陥部(ピンホ
ール)への電圧集中、異常放電(リーク)によって生じ
る異常画像の有無を評価した。
【0061】続いで、各帯電ローラをセットした画像形
成装置1により連続印刷を行って、100,000枚通
紙した後の帯電ローラの表面におけるトナーの付着を評
価した。
【0062】以上の測定・評価結果を表1に示す。
【0063】
【表1】
【0064】この測定・評価結果からもわかるように、
実施例1乃至実施例4のいずれかに係る帯電ローラ10
は帯電電位のばらつきが小さく、画像ムラやリーク、ト
ナーの付着もなく全項目の性能を満足する。
【0065】これに対して、比較例1に係る帯電ローラ
は帯電電位のばらつきが比較的大きく、画像ムラやトナ
ーの付着に関して問題を有する。
【0066】比較例2に係る帯電ローラは帯電電位のば
らつきが極めて大きく、画像ムラやリークに関して問題
を有する。
【0067】比較例3に係る帯電ローラは帯電電位のば
らつきが比較的大きく、トナーの付着や経時後の画像ム
ラに関して問題を有する。
【0068】比較例4に係る帯電ローラは比較例3に係
る帯電ローラと同様に、トナーの付着や経時後の画像ム
ラに関して問題を有する。
【0069】なお、表1において全項目の性能を満たす
ものに限り総合評価は○とし、いずれかの性能を満たさ
ないものの総合評価は×としている。
【0070】
【発明の効果】以上説明したように、請求項1に係る発
明によれば、イオン導電材料が分散する熱可塑性樹脂に
より抵抗調整層が構成され、これにより近接帯電方式に
好適で帯電不良を防止する特性が帯電部材に備わるとと
もに、その抵抗調整層を容易に半導電性とすることがで
きる。また、イオン導電材料が高分子化合物であること
及び抵抗調整層の表面を被覆する保護層が設けられてい
ることによりブリードアウトも防止され、帯電部材が特
段のデメリットを伴うことなく優れた画像品質に供す
る。
【0071】請求項2に係る発明によれば、高分子型イ
オン導電材料として四級アンモニウム塩基を含有する化
合物が用いられるので、抵抗調整層に望まれる抵抗値を
容易に実現することができる。
【0072】請求項3に係る発明によれば、保護層の抵
抗値が抵抗調整層の抵抗値よりも大きいので、感光体の
欠陥部への電圧集中、異常放電(リーク)を効果的に抑
制することができる。
【0073】請求項4に係る発明によれば、保護層の抵
抗値と抵抗調整層との抵抗値との差が103Ω・cm以
下であることにより、帯電効率の低下を防止することが
できる。
【0074】請求項5に係る発明によれば、導電性粒子
が分散する樹脂組成物から保護層がなるので、保護層の
電気特性を容易に調整することができる。
【0075】請求項6に係る発明によれば、保護層をな
す樹脂組成物がフッ素樹脂、ポリアミド樹脂、ポリエス
テル樹脂又はポリビニルブチラール樹脂であり、これら
の樹脂は非粘着性に優れるため、帯電部材へのトナーの
付着を抑制することができる。
【0076】請求項7に係る発明によれば、請求項1乃
至請求項6のいずれか1項に記載の帯電部材を有するの
で、画像形成装置が優れた品質の画像を形成することが
できるとともに、上記いずれかの請求項に係る発明の効
果も併せて奏する。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明に係る帯電ローラを模式的に示す断面図
である。
【図2】帯電ローラを有する画像形成装置の概略構成を
示す説明図である。
【符号の説明】
1 画像形成装置 4 感光体ドラム 10 帯電ローラ(帯電部材) 11 芯金(導電性支持体) 12 抵抗調整層 13 保護層 L 露光 S 記録紙
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き Fターム(参考) 2H003 AA12 BB11 CC05 4J002 BB031 BB121 BB282 BC031 BG061 FD112 GQ02 5G301 DA18 DA23 DA28 DA32 DA42 DA44 DA47 DA51 DA53 DD08 DD10 5G307 HA01 HB01 HB06 HC01

Claims (7)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】高分子型イオン導電材料が分散する熱可塑
    性樹脂組成物からなり導電性支持体上に形成される抵抗
    調整層と、該抵抗調整層の表面を被覆する保護層とを有
    することを特徴とする帯電部材。
  2. 【請求項2】前記高分子型イオン導電材料が四級アンモ
    ニウム塩基含有化合物であることを特徴とする請求項1
    に記載の帯電部材。
  3. 【請求項3】前記保護層の抵抗値が前記抵抗調整層の抵
    抗値よりも大きいことを特徴とする請求項1又は請求項
    2に記載の帯電部材。
  4. 【請求項4】前記保護層の抵抗値と前記抵抗調整層の抵
    抗値との差が103Ω・cm以下であることを特徴とす
    る請求項3に記載の帯電部材。
  5. 【請求項5】前記保護層が、導電性粒子が分散する樹脂
    組成物からなることを特徴とする請求項3又は請求項4
    に記載の帯電部材。
  6. 【請求項6】前記保護層をなす樹脂組成物が、フッ素樹
    脂、ポリアミド樹脂、ポリエステル樹脂又はポリビニル
    ブチラール樹脂であることを特徴とする請求項5に記載
    の帯電部材。
  7. 【請求項7】請求項1乃至請求項6のいずれか1項に記
    載の帯電部材を有することを特徴とする画像形成装置。
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