JP3846511B2 - 中抵抗部材 - Google Patents

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、中抵抗部材に関する。さらに詳しくは、中程度の電気抵抗率(約10の3乗〜約10の13乗Ω・cm)で、環境変動による電気抵抗率の変動が小さく、且つ低硬度の中抵抗部材、特に、電子複写装置または電子印刷装置等の画像形成装置に用いるロール、ブレードに適した中抵抗部材に関する。
【0002】
【従来の技術】
電子写真複写機または電子写真印刷機などの画像形成装置は、感光体ドラム外周面を一様に帯電させ、次いで感光体ドラムの外周面に印刷パターンまたは複写パターンを露光することにより静電潜像を形成し、この静電潜像にトナーを付着させてトナー像を形成(現像)して、このトナー像を複写用紙または印刷用紙に転写することにより印刷物または複写物を得ることができるものである。
【0003】
画像形成装置においては、中抵抗部材がロールまたはブレードなどとして使用されている。ロールは、感光体ドラム外周面を一様に帯電させるための帯電ロールとして、感光体ドラム外周面の静電潜像をトナー像に現像するための現像ロールとして、現像ロールにトナーを供給するための供給ロール、またはトナー像を転写するための転写ロールなどとして使用されている。
また、ブレードは、現像ロールに付着するトナーの層厚または量を規制するための現像ブレードとして、または感光ドラムに付着した余分なトナーをかき取るためのクリーニングブレードなどとして使用されている。
【0004】
画像形成装置に用いるこれら中抵抗部材としては、カーボンブラックなどの導電性付与剤を添加して電気抵抗率を低下させたものが知られている。導電性付与剤を添加した部材は、導電性付与剤の量が増えるにしたがって、硬度が高くなる。そのため、他の部材と接触させたときのニップを十分にとることができなくなり、画像形成装置として不具合を生じることがある。
【0005】
導電性付与剤を添加せずに電気抵抗率の低い(中抵抗の)ゴムロールの開発が試みられ、例えば、エピクロロヒドリンゴムや、アクリロニトリルブタジエンゴムを主体としたゴム部材を使用したゴムロールが提案されている。しかし、このゴムロールも、硬度が十分に未だ低くなっていない。また、環境変動による電気抵抗率の変化を抑えることが不十分となっている。
【0006】
又、別の中抵抗部材として、導電性付与剤との親和性の高いゴム(エチレン−プロピレンゴムなど)と導電性付与剤との親和性の低いゴム(シリコーンゴムなど)とからなるものが提案されている。この中抵抗部材では、導電性付与剤との親和性の高いゴムの相に導電性付与剤が多く遍在しやすいので、該ゴム相の粘度が、導電性付与剤との親和性の低いゴムの粘度よりも高くなるから、導電性付与剤との親和性の高いゴムの相部分が非連続相に、導電性付与剤との親和性の低いゴムの相部分が連続相となりやすい。導電性の低い相を非連続相とすることができた場合でも、画像形成装置の現像特性を良好にするために非連続相の大きさを約30μm以上にすることが必要であると考えられてきた。その結果、この中抵抗部材の電気抵抗率は、生産単位毎のばらつき、同一の生産単位中における電気抵抗率のむらが生じやすい。また、電気抵抗率の環境変動も大きい。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】
本発明は、中程度の電気抵抗率(約10の3乗〜約10の13乗Ω・cm)で、環境変動による電気抵抗率の変動が小さい、低硬度の中抵抗部材、特に、電子複写装置または電子印刷装置等の画像形成装置に用いる中抵抗ロール、中抵抗ブレードなどに適した中抵抗部材を提供することを目的とするものである。
本発明者らは、上記目的を達成するために電気抵抗率の低い非連続相と電気抵抗率の高い連続相とからなる部材において非連続相の大きさを種々変更し鋭意研究を重ねた結果、非連続相の径を30μmより若干小さくしただけの中抵抗部材は現像特性を低下する傾向にあるが、非連続相の径を更に小さくすることにより、現像特性の低下がなくなり、しかも電気抵抗率の環境変動等が小さくなることを見いだし、これらの知見に基づいて本発明を完成するに至った。
【0008】
【課題を解決するための手段】
かくして本発明によれば、(1) 導電性付与剤とエラストマー(a)とエラストマー(b)とを含有し、
エラストマー(b)が主に非連続相になるミクロドメイン構造を形成し、
最大径10μm以下のエラストマ(b)の非連続相の個数がエラストマー(b)の非連続相の全個数に対して30%以上存在し、
導電性付与剤の存在量がエラストマー(b)中よりもエラストマー(a)中の方に多くなっている中抵抗部材が提供される。
【0009】
本発明によれば、(2) 導電性付与剤と、エラストマー(a)と、エラストマー(b)と、可塑剤、軟化剤あるいは相溶化剤から選択される添加剤とを混練し、その混練をしている間に、エラストマー(b)を架橋反応または重合反応させる工程を有する中抵抗部材の製法が提供される。
【0010】
また、本発明によれば、(3) 前記(1)の中抵抗部材を備えた画像形成装置が提供される。
【0011】
【発明の実施の形態】
本発明の中抵抗部材は、導電性付与剤とエラストマー(a)とエラストマー(b)とを含有するものである。
【0012】
本発明に用いる導電性付与剤とは、これをエラストマー中に分散させることにより、エラストマーの電気抵抗率を低下させるものであり、通常、粒子形状をなしている。
【0013】
導電性付与剤の具体例としては、EC(Extra Conductive)、ECF(Extra Conductive Furnace)、SCF(Super Conductive Furnace)、CF(Conductive Furnace)、アセチレンブラック等(ケッチェンブラックEC[商品名]を含む。)、SAF(Super Abrasion Furnace)、ISAF(Intermediate SAF)、HAF(High Abrasion Furnace)、FEF(Fast Extruding Furnace)、GPF(General Purpose Furnace)、SRF(Semi Reinforcing Furnace)、FT(Fine furnace)、MT(Medium Thermal)などのカーボンブラック;AlドープZnO、SnO2(酸化アンチモンドープ)被属TiO2、SnO2(酸化アンチモンドープ)被属SnO2、SnO2被属TiO2、K2O・nTiO2/SnO2Sb26、SnO2(酸化アンチモンドープ)被属複合酸化物などの金属酸化物;銅粉、銀粉、アルミニウム粉などの金属単体;ポリアニリン、ポリピロール、ポリアセチレンなどの導電性ポリマー等を挙げることができる。
【0014】
電気抵抗率のむらをなくし、生産単位毎のばらつきを小さくするために、導電性付与剤として、電気抵抗率が10の0乗Ω・cm以下、好適には5×10の−1乗Ω・cm以下のものと、電気抵抗率が10の1乗〜10の10乗Ω・cm、好ましくは10の1乗〜10の5乗Ω・cmのものとを組み合わせて使用することが好ましい。
【0015】
導電性付与剤の量は、後記のエラストマー(a)100重量部に対して、通常、1〜100重量部、好ましくは3〜80重量部、より好ましくは5〜70重量部である。導電性付与剤の量が少ないと、所望の電気抵抗率に調整することができなくなり、逆に多いと、電気抵抗率が低くなりすぎ、また中抵抗部材の硬度が高くなる。
【0016】
本発明の中抵抗部材は、連続相が主にエラストマー(a)からなり、非連続相が主にエラストマー(b)からなるミクロドメイン構造をなしている。ここで、「主に」とは約6割以上、好ましくは7割以上のことを意味する。また、導電性付与剤の存在量が、エラストマー(b)中よりも、エラストマー(a)中の方に多くなっている。従って、本発明の中抵抗部材はエラストマー(a)の相は導電性がエラストマー(b)の相に比較して高く、主に連続相となっているので、中抵抗部材を流れる電流は、エラストマー(a)の相に優先的に流れることになり、中抵抗部材の電気抵抗率の値はエラストマー(a)の相によっておもに支配されると考えられる。
【0017】
本発明の中抵抗部材は、最大径10μm以下のエラストマー(b)の非連続相(島相)の個数がエラストマー(b)の非連続相の全個数に対して、30%以上、好ましくは45%以上、さらに好ましくは60%以上存在する。
30%未満となると、中抵抗部材の電気抵抗率の環境変動、生産単位毎のばらつき、むらが大きくなりやすい。
【0018】
また、本発明の中抵抗部材は、エラストマー(b)の非連続相の内接円の半径R1と外接円の半径R2との比の平均値が、通常、1.2より、好ましくは1.5より大きい。非連続相の断面形状が真球に近くなると電気抵抗率のばらつきが大きくなりやすい。
【0019】
エラストマー(a)の硬度は、エラストマー(b)の硬度よりも、通常、高くなっている。エラストマー(a)及びエラストマー(b)は、それぞれの硬度がエラストマー(a)の方がエラストマー(b)より大きくなるものから適宜選択すればよい。エラストマー(a)のJIS A硬度は、通常、30〜100、好ましくは40〜80である。エラストマー(b)のJIS A硬度は、通常、5〜50、好ましくは10〜40である。
【0020】
エラストマー(a)及びエラストマー(b)の各々の硬度の比は、JIS A硬度表記において、(エラストマー(a)のJIS A硬度)/(エラストマー(b)のJIS A硬度)が、1以上、好ましくは1.5以上である。硬度の比が1未満になると、中抵抗部材の硬度が高くなり、画像形成装置用の部材としての使用に適しなくなる。
なお、ここで、硬度は、各エラストマー単独で測定したものであり、またエラストマーが架橋性のエラストマーであるときは架橋した後の値である。
【0021】
エラストマー(a)として好適なものは、そのムーニー粘度ML1+4が、100℃において、20〜100のものが好ましい。エラストマー(a)のムーニー粘度ML1+4が高いとエラストマー(a)が連続相になり難くなり、逆に低いとエラストマーと導電性付与剤との混練後、成形加工が困難になる。
【0022】
エラストマー(a)として好適なものは、その電気抵抗率(500Vにて測定)が、10の6乗〜10の17乗Ω・cm、好ましくは10の8乗〜10の16乗Ω・cmのもの、さらに好ましくは10の9乗〜10の12乗Ω・cmである。エラストマー(a)の電気抵抗率が低いと、導電性付与剤の添加量が少なくて済むが、電気抵抗率のむら、生産単位毎のばらつき及び環境変動による変動が大きくなりやすい。
【0023】
エラストマー(a)として好適なものは、その圧縮永久歪率が低いものである。エラストマー(a)の圧縮永久歪率は、通常、0〜20%、好ましくは0〜10%である。圧縮永久歪率が高いと、部材が変形しやすくなる。
なお、圧縮永久歪率は、直径29mm×厚さ12.5mmの試験片を70℃、24時間の条件で25%圧縮し、次いで30分間23℃、50%RHの雰囲気中に放置した後の測定値である。圧縮永久歪率は、エラストマーが架橋性のものであるときは架橋した後の値である。
【0024】
また、エラストマー(a)に導電性付与剤を添加配合した後の電気抵抗率は、通常、10の1乗〜10の7乗Ω・cm、好ましくは10の2乗〜10の6乗Ω・cmである。エラストマー(a)に導電性付与剤を添加配合した後の電気抵抗率が高いと、中抵抗部材の電気抵抗率の環境変動による変動が大きくなる。
【0025】
エラストマー(a)の好適なものの具体例としては、天然ゴム、イソプレンゴム、ブタジエンゴム、ブチルゴム、ニトリルゴム(例えば、アクリロニトリル−ブタジエンゴム、アクリロニトリル−イソプレンゴム、アクリロニトリル−ブタジエン−イソプレンゴムなど)、水素化ニトリルゴム、スチレン−ブタジエンゴム、エチレン−プロピレン−ゴム、エチレン−プロピレン−ジエンゴム、ポリノルボルネンゴム、アクリルゴム、フッ素ゴム、シリコーンゴム、エチレン−酢酸ビニル共重合ゴム、エピクロロヒドリンゴム、エピクロロヒドリン−エチレンオキサイド共重合ゴム、塩素化ポリエチレンゴム、クロロスルホン化ポリエチレンゴム、ポリウレタンゴム;スチレン−ブタジエン−スチレンブロック共重合体、スチレン−エチレン−ブテン−スチレンブロック共重合体、スチレン−イソプレン−スチレンブロック共重合体、スチレン−エチレン−プロピレン−スチレンブロック共重合体、ポリプロピレンエラストマー、熱可塑性ポリウレタン、熱可塑性ポリエステル、ポリアミド、塩化ビニル、などを挙げることができる。これらのうち、ブタジエンゴム、ブチルゴム、ニトリルゴム、水素化ニトリルゴム、スチレン−ブタジエンゴム、エチレン−プロピレン−ジエンゴム、ポリノルボルネンゴムが好適である。
【0026】
エラストマー(b)として好適なものは、圧縮永久歪率が低いものである。エラストマー(b)の圧縮永久歪率は、通常、10〜50%、好ましくは15〜45%である。圧縮永久歪率があまりに高いと部材が変形しやすくなる。圧縮永久歪率は前述の方法で得られる値である。また、本発明の中抵抗部材においては、エラストマー(b)の圧縮永久歪はエラストマー(a)の圧縮永久歪よりも、通常、高くなっている。
【0027】
エラストマー(b)として好適なものは、その電気抵抗率(500Vで測定)が、10の6乗〜10の17乗Ω・cm、好ましくは10の8乗〜10の16乗Ω・cm、さらに好ましくは10の9乗〜10の12乗Ω・cmである。エラストマー(b)の電気抵抗率が低いと電流がエラストマー(b)の相にも流れるようになり電気抵抗率のむら、生産単位毎のばらつき、環境変動による変動が大きくなる。
【0028】
エラストマー(b)として好適なものは、エポキシ基、塩素基、カルボキシル基、アミノ基、水酸基、イソシアナート基などの反応性の官能基をもつエラストマーである。これらの反応性官能基はエラストマー分子鎖に1種または2種以上存在していてもよい。反応性官能基がエラストマー分子鎖に2種以上存在するエラストマーでは、別途架橋剤を添加しなくとも、該2種以上の反応性官能基同士で架橋反応(いわゆる自己架橋反応)を起こすので好適に用いることができる。
【0029】
エラストマー(b)の好適なものの具体例としては、エピクロロヒドリンゴム、エピクロロヒドリン−エチレンオキサイド共重合ゴム、反応性官能基含有アクリルゴム、クロロプレンゴム、反応性官能基含有エチレン−アクリレート共重合ゴム、反応性官能基含有エチレン−酢酸ビニル共重合ゴム、ウレタンゴム、塩素化ポリエチレンゴム、クロロスルホン化ポリエチレンゴム、塩素化ブチルゴム、反応性官能基含有フッ素ゴム、やウレタンプレポリマーなどを挙げることができる。これらのうちエポキシ基含有アクリルゴムが好適である。
【0030】
エラストマー(a)とエラストマー(b)との配合割合は、(エラストマー(a)の量)/(エラストマー(b)の量)が、重量基準で、通常、20/80〜80/20、好ましくは30/70〜60/40である。エラストマー(b)の量が多くなるとエラストマー(a)の相が非連続相になりやすい。エラストマー(b)の量が少なくなると中抵抗部材の硬度が高くなる。
【0031】
本発明の中抵抗部材は、導電性付与剤がエラストマー(b)中よりもエラストマー(a)中の方に多く存在する。
導電性付与剤のエラストマー(a)中の存在量とエラストマー(b)中の存在量との比率は、(エラストマー(a)中の存在量)/(エラストマー(b)中の存在量)が、重量基準で、通常、100/0〜70/30、好ましくは100/0〜90/10である。エラストマー(b)中の存在量が多くなると中抵抗部材の電気抵抗率の環境変動による変動率が大きくなる。
【0032】
本発明の中抵抗部材に用いる可塑剤は、ジメチルフタレート、ジエチルフタレート、ジブチルフタレート、ジ−(2−エチルヘキシル)フタレート、ジ−n−オクチルフタレート、高級アルコールフタレート、ジイソオクチルフタレート、ジイソブチルフタレート、ジヘプチルフタレート、ジフェニルフタレート、ジイソデシルフタレート、ジトリデシルフタレート、ジウンデシルフタレート、ジ(ヘプチル,ノニル,ウンデシル)フタレート、ベンジルフタレート、ブチルベンジルフタレート、ジノニルフタレート、ジノルマルアルキルフタレート、ジ−n/イソアルキルフタレート、アルキルベンジルフタレート、ジメトキシエチルフタレート、ジメチルシクロヘキシルフタレート、メチルフタリルエチルグリコレート、エチルフタリルエチルグリコレート、ブチルフタリルブチルグリコレートのごときフタル酸誘導体;ジメチルイソフタレート、ジ−(2−エチルヘキシル)イソフタレート、ジイソオクチルイソフタレートのごときイソフタル酸誘導体;ジ−(2−エチルヘキシル)テトラヒドロフタレート、ジ−n−オクチルテトラヒドロフタレート、ジイソデシルテトラヒドロフタレート、C7〜10アルキルテトラヒドロフタレートのごときテトラヒドロフタル酸誘導体;
【0033】
ジ−n−ブチルアジペート、ジ−(2−エチルヘキシル)アジペート、ジイソデシルアジペート、ジ(n−オクチル,n−デシル)アジペート、ジイソノニルアジペート、ベンジル−n−ブチルアジペート、ベンジルオクチルアジペート、ジ−(ブトキシエトキシエチル)アジペートのごときアジピン酸誘導体;ジ−(2−エチルヘキシル)アゼレート、ジイソオクチルアゼレート、ジ−2−エチルヘキシル−4−チオアゼレート、ジ−n−ヘキシルアゼレートのごときアゼライン酸誘導体;ジ−n−ブチルセバケート、ジ−(2−エチルヘキシル)セバケート、ジ−C7〜9アルコールセバケートのごときセバシン酸誘導体;ジ−n−ブチルマレート、ジメチルマレート、ジエチルマレート、ジ−(2−エチルヘキシル)マレート、ジアリルマレート、モノブチルマレート、モノ−2−エチルヘキシルマレートのごときマレイン酸誘導体;ジ−n−ブチルフマレート、ジ−(2−エチルヘキシル)フマレート、ジメチルフマレート、ジエチルフマレートのごときフマル酸誘導体;
【0034】
トリ−(2−エチルヘキシル)トリメリテート、トリ−n−オクチルトリメリテート、トリイソデシルトリメリテート、トリイソオクチルトリメリテート、ジイソオクチルモノイソデシルトリメリテート、トリ−n−ヘキシルトリメリテート、トリカプリルトリメリテート、トリイソノニルトリメリテート、トリアルキルトリメリテートのごときトリメリット酸誘導体;のごときトリエチルシトレート、トリ−n−ブチルシトレート、アセチルトリエチルシトレート、アセチルトリ−n−ブチルシトレート、アセチルトリ−(2−エチルヘキシル)シトレート、アセチルトリ−n−オクチル,n−デシルシトレートのごときくえん酸誘導体;モノメチルイタコネート、モノブチルイタコネート、ジメチルイタコネート、ジエチルイタコネート、ジブチルイタコネート、ジ−(2−エチルヘキシル)イタコネートのごときイタコン酸誘導体;ブチルオレート、テトラヒドロフルフリルオレート、グリセリルモノオレート、ジエチレングリコールモノオレートのごときオレイン酸誘導体;
【0035】
メチルアセチルリシノレート、ブチルアセチルリシノレート、グリセリンモノリシノレート、ジエチレングリコールモノリシノレート、グリセリルトリ−(アセチルリシノレート)のごときリシノール酸誘導体;n−ブチルステアレート、グリセリルモノステアレート、ジエチレングリコールジステアレート、安定化ペンタクロロメチルステアレート、塩素化ステアレートのごときステアリン酸誘導体;ジエチレングリコールモノラウレート、ジエチレングリコールジベラルゴネート、トリエチレングリコールジペラルゴネート、ペンタエリスリトール脂肪酸エステル、オクチル脂肪酸エステル、脂肪族二塩基酸エステル、多価アルコール脂肪酸エステルのごときその他の脂肪酸エステル;
【0036】
ベンゼンスルホンブチルアミド、o−,p−トルエンスルホンアミド、N−エチル−o−,p−トルエンスルホンアミド、N−シクロヘキシル−p−トルエンスルホンアミド、フェノール及びクレゾールのアルキルスルホン酸エステルのごときスルホン酸誘導体;トリメチルホスフェート、トリエチルホスフェート、トリブチルホスフェート、トリ−(2−エチルヘキシル)ホスフェート、2−エチルヘキシルジフェニルホスフェート、トリブトキシエチルホスフェート、トリフェニルホスフェート、クレジルジフェニルホスフェート、イソデシルジフェニルホスフェート、トリクレジルホスフェート、トリトリルホスフェート、トリキシレニルホスフェート、混合アリルホスフェート、フェニル/イソプロピルフェニルホスフェート、混合トリアリルホスフェート、アルキルアリルホスフェート、トリス(クロロエチル)ホスフェート、ジフェニルモノ−o−キセニルホスフェートのごときりん酸誘導体;テトラ−2−エチルヘキシルピロメリテート、テトラ−n−オクチルピロメリテート、ジイソデシルサクシネート、ジペンタエリスリトールエステル、トリメチルペンタンジオールモノイソブチレートのエステル、脂肪族モノカルボン酸エステル、高分子量のモノメリックエステル;
【0037】
ジエチレングリコールジベンゾエート、ジプロピレングリコールジベンゾエート、ポリエチレングリコールベンゾエート、ポリエチレングリコールジベンゾエート、トリエチレングリコールジベンゾエート、トリエチレングリコールジ−(2−エチルブチレート)、トリエチレングリコールジ−(2−エチルヘキソエート)、ポリエチレングリコールジ−(2−エチルヘキソエート)ポリエチレングリコール、ジブチルメチレンビス−チオグリコレート、モノカルボン酸混合物のポリグリコールエステルのごときグリコール誘導体;グリセロールモノアセテート、グリセロールジアセテート、グリセロールトリアセテート、グリセロールトリブチレート、グリセロールエーテルアセテートのごときグリセリン誘導体;塩素化パラフィンのごときパラフィン誘導体;エポキシ化不飽和油脂類、エポキシ化不飽和脂肪酸エステル類、エポキシシクロヘキサン誘導体、エピクロルヒドリン誘導体のごときエポキシ誘導体;部分水添ターフェニル、オレイルニトリル、エーテルチオエーテル、ジベンジルエーテル、フェノール誘導体、エチレンオキシド縮合物、フロロシリコーンオイル、モノクロルナフタリン;などを挙げることができる。
これら可塑剤のうち、フタル酸誘導体、特に炭素数4以上のアルキル基を有するフタル酸アルキルエステルが好ましい。
【0038】
本発明の中抵抗部材に用いる軟化剤としては、パラフィン系プロセス油、ナフテン系プロセス油、芳香族系プロセス油、重合した高沸点強芳香族系オイル、パラフィン、流動パラフィン、ホワイトオイル、石油スルホン酸塩、ギルソナイト、石油アスファルト、ミネラルラバー、石油樹脂、コールタール、クマロンインデン樹脂のごとき鉱物油;ひまし油、綿実油、あまに油、なたね油、大豆油、パーム油、やし油、落花生油、木ろう、ロジン、パインオイル,ジペンテン、パインタール、トール油のごとき植物油;黒サブ、白サブ、飴サブのごときサブ(ファクチス);リシノール酸、パルミチン酸、ミリスチン酸、ステアリン酸バリウム、ステアリン酸カルシウム、ステアリン酸マグネシウム、ステアリン酸亜鉛のごとき脂肪酸及び脂肪酸塩;液状ポリブタジエン、液状アクリロニトリル−ブタジエン共重合体、液状スチレン−ブタジエン共重合体、液状エピクロロヒドリンゴム、アタクチックポリプロピレンなどを挙げることができる。
これら軟化剤のうち、アクリロニトリルブタジエン共重合体ゴム、スチレンブタジエン共重合体ゴムまたはエチレン−プロピレン−ジエン共重合体にはパラフィン系プロセス油、ナフテン系プロセス油もしくは芳香族系プロセス油、又は液状ゴム、特に液状ゴムが好適である。
【0039】
本発明の中抵抗部材に用いる相溶化剤としては、カルボキシル化ポリブタジエン、カルボキシル化ポリイソプレン、カルボキシル化スチレン−ブタジエン共重合体、カルボキシル化アクリロニトリル−ブタジエン共重合体、カルボキシル化水素化アクリロニトリル−ブタジエン共重合体、カルボキシル化エチレン−プロピレン共重合体、カルボキシル化エチレン−プロピレン−ジエン共重合体、カルボキシル化ポリエチレン、カルボキシル化ポリプロピレン、等のカルボキシル化重合体;アミノ化ポリブタジエン、アミノ化スチレンブタジエン共重合体、アミノ化アクリロニトリルブタジエン共重合体、アミノ化ポリイソプレン、アミノ化ポリエチレン等のアミノ化重合体;脂肪族部分が高分子量のイソシアネート化合物、脂肪族部分が高分子量のポリエステル、脂肪族部分が高分子量のポリアミド;メタクリル酸メチル−ブタジエン共重合体、メタクリル酸メチル−スチレン−ブタジエン共重合体、メタクリル酸メチル−アクリロニトリル−ブタジエン共重合体、メタクリル酸メチル−イソプレン共重合体、メタクリル酸メチル−エチレン−プロピレン−ジエン共重合体、アクリル酸ブチル−ブタジエン共重合体、アクリル酸ブチル−スチレン−ブタジエン共重合体、アクリル酸ブチル−アクリロニトリル−ブタジエン共重合体、アクリル酸ブチル−イソプレン共重合体、アクリル酸ブチル−エチレン−プロピレン−ジエン共重合体、アクリル酸エチル−ブタジエン共重合体、アクリル酸エチル−スチレン−ブタジエン共重合体、アクリル酸エチル−アクリロニトリル−ブタジエン共重合体、アクリル酸エチル−イソプレン共重合体、アクリル酸エチル−エチレン−プロピレン−ジエン共重合体、ε-カプロラクトン−ブタジエン共重合体、ε-カプロラクトン−スチレン−ブタジエン共重合体、ε-カプロラクトン−アクリロニトリル−ブタジエン共重合体、ε-カプロラクトン−イソプレン共重合体、ε-カプロラクトン−エチレン−プロピレン−ジエン共重合体、エチレン−酢酸ビニル共重合体、エチレン−アクリル酸エチル共重合体、エチレン−アクリル酸ブチル共重合体等のブロック、グラフトあるいはランダム共重合体を挙げることができる。これら相溶化剤のうち、カルボキシル化重合体が好適である。
【0040】
本発明に用いる可塑剤、軟化剤あるいは相溶化剤は、その分子量が、通常100〜50,000、好ましくは150〜10,000である。分子量が高すぎると作製したエラストマーの硬度が上昇し粘度も高くなるため好ましくない。また、分子量が低すぎると、エラストマーからのブリード量が多くなるため感光体汚染などを生じやすくなる。
【0041】
可塑剤、軟化剤あるいは相溶化剤の量は、エラストマー(a)とエラストマー(b)の相溶性によって異なり、相溶性が悪いほど多く添加する必要がある。また、用いたエラストマー(a)とエラストマー(b)の粘度によっても異なり、エラストマー(a)の粘度が高いほど多く添加する必要がある。目安としては、エラストマー(a)及びエラストマー(b)100重量部に対して、通常、1〜30重量部、好ましくは5〜20重量部である。可塑剤、軟化剤あるいは相溶化剤の量が少ないと、エラストマー(b)の非連続相の大きさが大きくなり、また、粒子径分布も大きくなるため、中抵抗部材の電気抵抗率のばらつき等が大きくなる。
【0042】
本発明の中抵抗部材は、その製法によって特に限定されないが、以下に説明する製法で製造することが好適である。
【0043】
本発明の中抵抗部材の好適な製法は、(1) 導電性付与剤と、エラストマー(a)と、エラストマー(b)と、可塑剤、軟化剤もしくは相溶化剤から選択される添加剤とを混練し、その混練をしている間に、エラストマー(b)を架橋反応または重合反応させ、次いで必要に応じてエラストマー(a)を架橋反応または重合反応させることを特徴とするものである。
【0044】
導電性付与剤とエラストマー(a)とエラストマー(b)と可塑剤、相溶化剤もしくは軟化剤から選択される添加剤とを混練する順序として、導電性付与剤とエラストマー(a)とエラストマー(b)とを同時に混練機に仕込み混練してもよいが、導電性付与剤とエラストマー(a)と、可塑剤、相溶化剤もしくは軟化剤から選択される添加剤とを混練しエラストマー組成物を得、次にエラストマー(b)を該組成物に添加して混練する方法が好ましい。なお、混練機としては、オープンロール、バンバリーミキサー、ニーダー、二軸押出装置などを挙げることができ、好適には、被混練物に均一にせん断力をかけることが可能な装置、すなわち、バンバリーミキサー、ニーダー、二軸押出装置などを挙げることができる。
【0045】
エラストマー(b)を架橋反応または重合反応させる方法としては
1)エラストマー(b)のみを架橋することができる架橋剤を添加し、混練中に架橋反応を進行させる方法。
2)エラストマー(b)のみと付加反応するエラストマーを添加し、混練中に付加反応を進行させる方法。
3)エラストマー(b)の分子鎖が反応性官能基を2種以上有し、該反応性官能基同士を混練中に反応(いわゆる自己架橋反応)させる方法。
4)エラストマー(b)としてウレタンプレポリマーのごとき重合前駆体を用い、この前駆体を混練中に鎖延長させる方法。
などを挙げることができる。
【0046】
1)の方法に用いる架橋剤は、エラストマー(b)の種類により異なる。例えば、エラストマー(b)がエポキシ基を架橋点としてもつエラストマーであるときには、イソシアヌル酸、オクタデシルトリメチルアンモニウムブロマイド、ジフェニルウレア、ヘキサメチレンテトラミン、p,p’−ジアミノジフェニルメタン、アンモニウムベンゾエート、ヘキサメチレンジアミンカルバメート、N,N’−ジシンナミリデン−1,6−ヘキサジアミン、4,4’−メチレンビス(2−クロロアミリン)のごときアミン化合物及びその塩;トルイレンジイソシアナート、ジフェニルメタンジイソシアナート、ナフチレン−1,5−ジイソシアナートのごときイソシアナート化合物等を挙げることができる。
【0047】
エラストマー(b)が塩素基を架橋点としてもつエラストマーであるときにはエチレンジアミン、ヘキサメチレンジアミン、及びこれらの塩のごときポリアミン類;2−メルカプトイミダゾリン、4−メチル−2−メルカプトイミダゾリン、5−エチル−4−ブチル−2−メルカプトイミダゾリンのごとき2−メルカプトイミダゾリン類;2−メルカプトピリミジン類;1,3,5−トリチオシアヌール酸、2−ブチルアミノ−4,6−ジメルカプト−s−トリアジンのごときメルカプトトリアジン類;チオウレア、ジブチルチオウレア、トリエチルチオウレアのごときチオウレア類などを挙げることができる。
【0048】
2)の方法では、エポキシ基、水酸基またはアミノ基を有するエラストマーと、カルボキシル基またはイソシアナート基とを有するエラストマーとの混合物であるときに好適に行うことができる。
【0049】
3)の方法では、エラストマー(b)が、分子鎖に、エポキシ基、水酸基またはアミノ基と、カルボキシル基またはイソシアナート基とを併せもつものであるときに好適に行うことができる。
【0050】
4)の方法では、エラストマー(b)が、ウレタンプレポリマーのごとく、重付加反応あるいは重縮合反応するものである場合に好適に用いることができる。この方法では、鎖延長化剤や延長化促進剤を添加する。
【0051】
次に、成形加工するためにエラストマー(a)が架橋性のエラストマーである場合にはエラストマー(a)を架橋するための架橋剤が添加される。エラストマー(a)を架橋するための架橋剤としては、硫黄;テトラメチルチウラムジスルフィド、テトラブチルチウラムジスルフィドのごとき硫黄供与体;ジクミルパーオキサイド、ジ−t−ブチルパーオキシド、p−メンタンヒドロパーオキシド、クメンヒドロパーオキシドのごとき有機過酸化物などを挙げることができる。なお、エラストマー(a)がエチレン−プロピレン−ジエン共重合ゴムであるときには、前記架橋剤以外にもキノン系架橋剤、樹脂架橋剤などを使用することができる。
エラストマー(a)100重量部に対する架橋剤の量は、通常、0.5〜15重量部、好ましくは0.5〜10重量部である。
【0052】
本発明の中抵抗部材においては、必要に応じて、ジチオカーバメート類、チウラム類、グアニジン類、チアゾール類のごとき架橋促進剤;ステアリン酸、金属酸化物のごとき架橋促進助剤;老化防止剤等が配合されていてもよい。また、感光体ドラムを汚染しないものであれば、導電性付与剤を均一分散させるための分散剤などが配合されていてもよい。
【0053】
中抵抗部材は、画像形成装置などに使用するロールやブレードに適用するために所望の形状に成形される。成形方法は特に限定されず、通常の方法を採用することができる。例えば、エラストマー(a)が非架橋性のエラストマーであれば、溶融成形などを行い。架橋性のエラストマーであれば、架橋成形を行う。成形方法の具体例としては押出成形、プレス成形、トランスファー成形、インジェクション成形などの方法が挙げられる。また、成形後の架橋は、通常、電熱方式、水蒸気加熱方式、UHF加熱方式などの方法で行う。
【0054】
本発明の中抵抗部材は、23℃、50%RH(N/N)の条件での電気抵抗率が、通常、10の3乗〜10の10乗Ω・cm、好ましくは10の4乗〜10の9乗Ω・cmであり、生産単位毎の電気抵抗率のばらつき、または部材内での電気抵抗率のむらがきわめて小さく、しかも、10℃、20%RH(L/L)の条件での電気抵抗率と35℃、80%RH(H/H)の条件での電気抵抗率との比が10以下、好ましくは7以下、さらに好ましくは5以下という環境安定性を有する。
【0055】
本発明の中抵抗部材は、そのJIS A硬度が、通常、20〜60、好ましくは25〜50、より好ましくは30〜45である。さらに70℃、22時間の条件における圧縮永久歪が、通常、30%、好ましくは20%以内である。
【0056】
本発明の中抵抗部材は上記のような効果を奏するものであるので、電子写真複写機、電子写真印刷機等の画像形成装置の現像ロール、帯電ロール、転写ロールなどとして、あるいは、トナー量規制用ブレード、クリーニングブレードなどとして、その他各種ベルトなどとして使用することができる。
【0057】
本発明の画像形成装置は、前記中抵抗部材を備えるものである。
画像形成装置には、通常、感光体、感光体の表面を帯電する手段、感光体の表面に静電潜像を形成する手段、トナーを用いて感光体表面の静電潜像を現像してトナー像を形成する手段、該トナー像を感光体表面から転写材に転写する手段及び転写手段で転写されたトナー像を定着する手段とを有するものである。
【0058】
本発明の画像形成装置を図面に示す実施態様に基づき詳細に説明する。
図1に示すように、本実施形態に係る画像形成装置には、感光体としての感光ドラム1が矢印A方向に回転自在に装着してある。感光ドラム1は導電性支持ドラム体の外周面に光導電層を設けたものである。光導電層は、たとえば、有機系感光体、セレン感光体、酸化亜鉛感光体、アモルファスシリコン感光体などで構成される。
【0059】
感光ドラム1の周囲には、その周方向に沿って、帯電手段としての帯電ロール3、潜像形成手段としてのレーザー光照射装置4、現像手段としての現像ロール8、転写手段としての転写ロール6及び転写残りトナーを必要に応じて除去するクリーニング装置(図示せず。)が配置されている。
【0060】
帯電ロールは感光ドラムの表面をプラスまたはマイナスに一様に帯電するためのものであり、帯電ロールに電圧を印加し且つ帯電ロールを感光ドラムに接触させることにより、感光ドラムの表面を帯電させている。帯電ロール3はコロナ放電による帯電手段に置き換えることも可能である。
【0061】
レーザー光照射装置4は、画像信号に対応した光を感光ドラムの表面に照射し、一様に帯電された感光ドラムの表面に所定のパターンで、光を照射して、光が照射された部分に静電潜像を形成する(反転現像の場合)、または光が照射されない部分に静電潜像を形成する(正規現像の場合)ためのものである。その他の潜像形成手段としては、LEDアレイと光学系とから構成されるものが挙げられる。
【0062】
現像ロールは感光ドラム1の静電潜像にトナーを付着させるためのものであり、反転現像においては光照射部にのみトナーを付着させ、正規現像においては、光非照射部にのみトナーを付着させるように、現像ロールと感光ドラムとの間にバイアス電圧が印加される。
【0063】
現像ロールの隣には、トナー10が収容されるケーシング11内に、現像ロール8と供給ロール12とが設けられている。
現像ロールは感光ドラムに一部接触するように近接して配置され、感光ドラムと反対方向Bに回転するようになっている。供給ロール12は現像ロールに接触して現像ロールと同じ方向Cに回転し、現像ロールの外周にトナーを供給するようになっている。
【0064】
現像ロールの周囲において、供給ロールとの接触点から感光ドラムとの接触点までの間の位置に、層厚規制手段としての現像ロール用ブレード9が配置してある。
このブレード9は、導電性ゴムやステンレス鋼で構成されており、トナーへの電荷注入を行うため、|200V|〜|600V|の電圧が印加されている。そのために、ブレード9の電気抵抗率は10の6乗Ωcm以下であることが好ましい。
【0065】
本発明の画像形成装置のケーシング11には、トナー10が収容されている。トナー10は特に制限されないが、重合法によって得られる球状トナー(以下重合法トナーという。)が好適である。特に低温定着、高速印刷が可能な、コアとシェルからなるカプセル粒子を含有するもので、コアが軟質あるいは低ガラス転移温度の重合体で形成され、シェルが硬質あるいは高ガラス転移温度の重合体で形成され、トナーの表面の粘着性が低く、ケーシング11内に保存中にトナーが凝集するようなことが少なくなっているトナーが好適である。
また、重合法トナーは、粒径分布が比較的シャープであるので、現像ロールの層を形成したときに、層厚規制手段によって実質的に一層にすることができるので、画像の再現性に優れている。
【0066】
転写ロール6は、現像ロールにより形成された感光ドラム表面のトナー像を転写材7に転写するためのものである。転写材としては、紙、OHPシートのような樹脂が挙げられる。転写手段としては、転写ロール以外にコロナ放電装置や、転写ベルトなどを挙げることができる。
【0067】
転写材に転写されたトナー像は、定着手段によって、転写材に固定される。定着手段2は、通常、加熱手段と圧着手段とからなる。転写材に転写されたトナーを加熱手段により加熱しトナーを溶融させ、溶融されたトナーを圧着手段により転写材の表面に押し付け固定する。
本発明の画像形成装置においては前述の重合法トナーを用いることによって、加熱手段による加熱温度が低くても、トナーが容易に溶融し、圧着手段で軽く押し付けると、トナーが平滑な状態になって転写材表面に固定されるので、高速での印刷または複写が可能である。また、OHP透過性に優れている。
【0068】
クリーニング装置は、感光ドラムの表面に残留した転写残りトナーを清掃するためのものであり、例えば、清掃用ブレードなどで構成される。なお、このクリーニング装置は、現像ロールによる現像と同時にクリーニングを行う方式を採用する場合には、必ずしも設置することを要しない。
【0069】
本発明の画像形成装置においては、現像ロール、帯電ロール、転写ロールなどとして、あるいは、トナー量規制用ブレード、クリーニングブレードなどとして、本発明の中抵抗部材を使用する。このことにより、カブリの発生や印字濃度の変動のごとき画質低下が生じにくい画像形成装置が得られる。
【0070】
【実施例】
以下、実施例を挙げて、本発明についてさらに具体的に説明する。なお、実施例中特に断わりが無い限り、「部」または「%」は重量基準である。
【0071】
本実施例において実施した評価方法は以下のとおりである。
[エラストマー(b)の非連続相の大きさ]
中抵抗部材から無作為に透過型電子顕微鏡用試料を30枚切り出し、これを透過型電子顕微鏡で観察し、縦140μm、横110μmの視野範囲で観察される、エラストマー(b)の相(島相)の最大径を計測した。
計測値が10μm以下の島相の個数の、島相の全個数に対する割合を計算し、30枚の試料の平均値を算出した。
なお、島相が接触している場合は、一つの島相とみなして測定した。また、前記視野範囲においてあきらかに島相と認められるもののみをカウントした(すなわち、視野範囲の端に一部でも隠れてしまうものは除外した。)。
【0072】
[電気抵抗率]
エラストマーロールの外周面に幅1インチの薄膜からなる測定電極を巻き付け、測定電極からロール軸方向に1mm離れた外周面に幅0.5インチの薄膜からなるアース電極を巻き付け、アース電極は接地し、測定電極と芯金との間に500Vの直流電圧を印加し、電気抵抗Rを測定した。この測定値Rから数1に示す計算式で電気抵抗率ρを求めた。
【0073】
【数1】
Figure 0003846511
【0074】
なお、L/Lはエラストマーロールを10℃、20%RHの環境下に48時間放置した後の電気抵抗率、N/Nはエラストマーロールを23℃、50%RHの環境下に48時間放置した後の電気抵抗率、H/Hはエラストマーロールを35℃、80%RHの環境下に48時間放置した後の電気抵抗率である。
生産単位毎の電気抵抗率のばらつきは、エラストマーロールを同一条件で10本作製し、これらの電気抵抗率(N/N)の最大値と最小値で表した。
また、エラストマーロール内での電気抵抗率(N/N)のむらは、前記10本のロールのうち中央値を示すロールについて、測定位置を変えて5箇所測定し、その最大値と最小値で表した。
【0075】
[硬度]
直径29mm、厚さ12.5mmの円盤片を用いてJIS K6253に準拠して、23℃、50%RHの条件で測定した。円盤片はエラストマー(a)もしくはエラストマー(b)を単独で混練し、架橋したもの又は部材を成形したものである。
【0076】
[圧縮永久歪]
直径29mm、厚さ12.5mmの円盤片を70℃、24時間の条件で25%圧縮し、次いで30分間、23℃、50%RHの雰囲気中に放置した後、JISK6262に準拠して測定した。円盤片はエラストマー(a)もしくはエラストマー(b)を単独で混練し、架橋したもの又は部材を成形したものである。
【0077】
[実施例1]
バンバリーミキサーを用いて、エチレン−プロピレン−ジエン共重合体ゴム(EPDM)34部、導電性付与剤(トーカ#5500:東海カーボン社製)14部及び軟化剤(PW380:パラフィン系プロセス油:出光興産社製)6部を混練し、次いでエポキシ基含有アクリルゴム(AR−1)60部、イソシアヌル酸0.43部及びオクタデシルトリメチルアンモニウムブロマイド1.3部を添加し、混練し、150℃でエポキシ基含有アクリルゴムだけを架橋し混練物を得た。
次に、ロール混練機を用いて、前記混練物にジクミルパーオキサイドの40%炭酸カルシウム希釈品2部を添加し、混練した後、8mmφ×280mmのステンレス鋼製の芯金の周りにロール形状に押出成形し、次いで160℃の条件で30分間加熱し、ロール形成物を得、この形成物の外周面を研磨して、20mmφ×250mmのエラストマーロールを得た。評価結果を表2に示した。
【0078】
【表1】
Figure 0003846511
【0079】
【表2】
Figure 0003846511
【0080】
[実施例2〜14]
表1、3、5及び7に示す処方に変えた他は実施例1と同様にしてロールを得た。その結果を表2、4、6及び8に示した。
【0081】
【表3】
Figure 0003846511
【0082】
【表4】
Figure 0003846511
【0083】
【表5】
Figure 0003846511
【0084】
【表6】
Figure 0003846511
【0085】
【表7】
Figure 0003846511
【0086】
【表8】
Figure 0003846511
【0087】
[比較例1〜3]
表9に示す処方に変えた他は実施例1と同様にしてロールを得た。結果を表10に示した。
【0088】
[比較例4]
バンバリーミキサーを用いて、EPDM60部、トーカ#5500を14部、NBR34部及びDOP6部を混練し混練物を得た。
次ぎに、ロール混練機を用いて、前記混練物にジクミルパーオキサイドの40%炭酸カルシウム希釈物0.72部を添加し、混練した後、8mmφ×280mmのステンレス鋼製の芯金の周りにロール形状になるように押出成形し、次いで160℃の条件で30分間加熱し、EPDM及びNBRを共架橋させロール形成物を得、この形成物の外周面を研磨して20mmφ×250mmの中抵抗ロールを得た。評価結果を表10に示した。
【0089】
【表9】
Figure 0003846511
【0090】
【表10】
Figure 0003846511
【0091】
以上より、エラストマー(b)の非連続相の大きさが大きい部材(比較例)では、電気抵抗率の環境変動による変動が大きいことがわかる。
一方、本発明の中抵抗部材は、エラストマー(b)の非連続相の大きさが非常に小さくなっていることによって、中程度の電気抵抗率(約10の3乗〜約10の13乗Ωcm)で、環境変動による電気抵抗率の変動が小さく、低硬度のものであることがわかる。
【0092】
【発明の効果】
本発明の中抵抗部材は、低硬度で、電気抵抗率の環境依存性が小さいので、電子印刷装置などの画像形成装置のロールやブレードとして好適に使用することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】 画像形成装置を示す図
【図2】 実施例7の中抵抗部材の透過型電子顕微鏡写真を示す図
【図3】 比較例4の部材の透過型電子顕微鏡写真を示す図
【符号の説明】
1:感光体ドラム
3:帯電ロール
8:現像ロール
6:転写ロール
12:供給ロール
9:現像ブレード

Claims (3)

  1. 導電性付与剤と、ブタジエンゴム、ブチルゴム、ニトリルゴム、水素化ニトリルゴム、スチレン−ブタジエンゴム、エチレン−プロピレン−ジエンゴム、ポリノルボルネンゴムから選ばれるエラストマー(a)と、エピクロロヒドリン−エチレンオキサイド共重合体ゴム、エポキシ基含有アクリルゴムから選ばれるエラストマー(b)とを含有し、
    エラストマー(b)が主に非連続相になるミクロドメイン構造を形成し、最大径10μm以下のエラストマ(b)の非連続相の個数がエラストマー(b)の非連続相の全個数に対して30%以上存在し、導電性付与剤の存在量がエラストマー(b)中よりもエラストマー(a)中の方に多くなっている中抵抗部材。
  2. 導電性付与剤と、ブタジエンゴム、ブチルゴム、ニトリルゴム、水素化ニトリルゴム、スチレン−ブタジエンゴム、エチレン−プロピレン−ジエンゴム、ポリノルボルネンゴムから選ばれるエラストマー(a)と、可塑剤、軟化剤あるいは相溶化剤から選択される添加剤とを混練しエラストマー組成物を得、次に、エピクロロヒドリン−エチレンオキサイド共重合体ゴム、エポキシ基含有アクリルゴムから選ばれるエラストマー(b)を該組成物に添加し混練し、さらに、その混練をしている間に、エラストマー(b)を架橋反応または重合反応させる工程を有する中抵抗部材の製法。
  3. 請求項1記載の中抵抗部材を備えた画像形成装置。
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