JPH1017718A - 半導電性エラストマー部材及びその製法 - Google Patents

半導電性エラストマー部材及びその製法

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JPH1017718A
JPH1017718A JP18831096A JP18831096A JPH1017718A JP H1017718 A JPH1017718 A JP H1017718A JP 18831096 A JP18831096 A JP 18831096A JP 18831096 A JP18831096 A JP 18831096A JP H1017718 A JPH1017718 A JP H1017718A
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JP
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elastomer
roll
hardness
rubber
component
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JP18831096A
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English (en)
Inventor
Naoki Tanahashi
直樹 棚橋
Koichiro Maeda
耕一郎 前田
Kokichi Aonuma
光吉 青沼
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Zeon Corp
Original Assignee
Nippon Zeon Co Ltd
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Publication date
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 中程度の電気抵抗率(約10の6乗〜約10
の13乗Ω・cm)で、環境変動による電気抵抗率の変
動が小さい、低硬度の半導電性エラストマー部材、特
に、電子複写装置または電子印刷装置等の電子写真装置
に用いる半導電性ロール、半導電性ブレードを再現性よ
く、安定的に得るための半導電性エラストマー部材を提
供する。 【解決手段】 アクリロニトリル−ブタジエン共重合ゴ
ム(NBR)と、導電性付与剤とを混練し、エポキシ基
含有アクリルゴム(AR)、イソシアヌル酸及びオクタ
デシルトリメチルアンモニウムブロマイドを添加し、混
練し、エポキシ基含有アクリルゴムを架橋反応させムー
ニー粘度を70以上に上昇させ、次に、前記混練物にジ
クミルパーオキサイドを添加し、混練し、ステンレス鋼
製の芯金の周りにロール形状に押出成形し、加熱し、ロ
ール形成物を得、これの外周面を研磨して、エラストマ
ーロールを得た。このエラストマーロールはNBR相の
硬度がAR相に比べ高く、NBR相は導電性付与剤が遍
在し且つ連続相となっている。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、半導電性エラスト
マー部材に関する。さらに詳しくは、中程度の電気抵抗
率(約10の4乗〜約10の13乗Ω・cm)で、環境
変動による電気抵抗率の変動が小さく、低硬度のエラス
トマー部材、特に、電子複写装置または電子印刷装置等
の画像形成装置に用いる半導電性ロール、半導電性ブレ
ードなどとしての半導電性エラストマー部材に関する。
【0002】
【従来の技術】電子写真複写機または電子写真印刷機な
どの画像形成装置は、感光ドラム(潜像担持体)外周面
を一様に帯電させ、次いで感光ドラムの外周面に印刷パ
ターンまたは複写パターンを露光することにより静電潜
像を形成し、この静電潜像にトナーを付着させてトナー
像を形成(現像)して、このトナー像を複写用紙または
印刷用紙に転写することにより印刷または複写する機構
を有するものである。半導電性ゴムロールは画像形成装
置において、感光体ドラム外周面を一様に帯電させるた
めの帯電ロールとして、感光体ドラム外周面の静電潜像
をトナー像に現像するための現像ロールとして、現像ロ
ールにトナーを供給するための供給ロール、またはトナ
ー像を転写するための転写ロールなどとして使用されて
いる。また、半導電性ブレードは、現像ロールに付着す
るトナーの層厚または量を規制するための現像ブレード
として、または感光ドラムに付着した余分なトナーをか
き取るためのクリーニングブレードなどとして使用され
ている。
【0003】画像形成装置に用いるこれら半導電性エラ
ストマー部材としては、高電気抵抗率のエラストマーに
カーボンブラックなどの導電性付与剤を添加して電気抵
抗を低下させたものが知られている。導電性付与剤を添
加したゴムロールは、導電性付与剤の量が増えるにした
がって、硬度が高くなる。そのため、他の部材と接触さ
せたときのニップを十分にとることができなくなり、画
像形成装置として不具合を生じることがある。導電性付
与剤を添加したゴムロールの硬度を低下させるために、
可塑剤や軟化剤を配合することが提案されている。しか
し、可塑剤等はゴムロールに電圧を印加しているうち
に、ロール周面にブリードアウトして、他の部材、特に
感光体を汚染することがある。ブリードアウトの防止策
としてロール周面に樹脂を被覆することが行われている
が十分でない。
【0004】別の半導電性部材として、導電性付与剤と
の親和性の高いゴム(エチレン−プロピレンゴムなど)
と導電性付与剤との親和性の低いゴム(シリコーンゴ
ム)とからなるものが提案されている。この半導電性部
材では、導電性付与剤との親和性の高いゴムの相に導電
性付与剤が多く遍在しやすいが、該ゴム相のムーニー粘
度ML1+4が、導電性付与剤との親和性の低いゴムのム
ーニー粘度ML1+4よりも高くなるから、導電性付与剤
との親和性の高いゴムの相部分が非連続相に、導電性付
与剤との親和性の低いゴムの相部分が連続相となりやす
い。その結果、この半導電性部材の電気抵抗率は、生産
単位毎にばらつきを生じやすく、環境変動の影響を受け
やすく、また、同一の生産単位の中でも電気抵抗率のむ
らが生じやすい。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】本発明は、中程度の電
気抵抗率(約10の6乗〜約10の13乗Ω・cm)
で、環境変動による電気抵抗率の変動が小さい、低硬度
の半導電性エラストマー部材、特に、電子複写装置また
は電子印刷装置等の画像形成装置に用いる半導電性ロー
ル、半導電性ブレードを再現性よく、安定的に得るため
の半導電性エラストマー部材を提供することを目的とす
るものである。
【0006】本発明者らは、上記目的を達成するために
鋭意研究を重ねた結果、導電性付与剤が多く存在するエ
ラストマー(a)が実質的連続相となるミクロドメイン
構造を形成し、且つエラストマー(a)の硬度がエラス
トマー(b)の硬度よりも高い半導電性エラストマー部
材が、上記目的を達成できることを見いだし、又、導電
性付与剤とエラストマー(a)とを含有するエラストマ
ー組成物及び低粘度のエラストマー(b)を混練し、そ
の混練している間に、エラストマー(b)の粘度を架橋
反応または重合反応により上昇させ、エラストマー
(a)の粘度よりエラストマー(b)の粘度を高くする
ことにより、上記目的を達成できる部材を得ることがで
きることを見いだし、これらの知見に基づいて本発明を
完成するに至った。
【0007】
【課題を解決するための手段】かくして本発明によれ
ば、(1) 導電性付与剤、エラストマー(a)及びエ
ラストマー(b)とを含有し、エラストマー(a)が実
質的に連続相となるミクロドメイン構造を形成し、導電
性付与剤の存在量が、エラストマー(b)中よりも、エ
ラストマー(a)中の方に多くなっており、且つエラス
トマー(a)の硬度がエラストマー(b)の硬度よりも
高く、エラストマー(a)の圧縮永久歪率が20%以下
で、エラストマー(b)の圧縮永久歪率が50%以下で
あることを特徴とする半導電性エラストマー部材が提供
される。
【0008】本発明の半導電性エラストマー部材の好適
な態様として以下のものが提供される。 (2) 導電性付与剤として、電気抵抗率が10の0乗
Ω・cm以下、好適には5×10の−1乗Ω・cm以下
のものと、電気抵抗率が10の1乗〜10の10乗Ω・
cm、好ましくは10の1乗〜10の5乗Ω・cmのも
のとを組み合わせて使用する前記(1)の部材。 (3) エラストマー(b)の相が実質的に非連続相で
ある前記(1)〜(2)のいずれかの部材。
【0009】(4) エラストマー(a)のJIS A
硬度/エラストマー(b)のJISA硬度が1以上であ
る前記(1)〜(3)のいずれかの部材。 (5) エラストマー(a)の架橋機構とエラストマー
(b)の架橋機構とが異なる前記(1)〜(4)のいず
れかの部材。
【0010】(6) 10℃、20%RH(L/L)の
条件での電気抵抗率と35℃、80%RH(H/H)の
条件での電気抵抗率との比[(L/L)/(H/H)]
が10の1乗以下である前記(1)〜(5)のいずれか
の部材。 (7) JIS A硬度が20〜60、圧縮永久歪率が
15%以下である前記(1)〜(6)のいずれかの部
材。
【0011】(8) 23℃、50%RH(N/N)の
条件での電気抵抗率が、通常、10の3乗〜10の10
乗Ω・cmである前記(1)〜(7)の部材。 (9) エラストマー(a)の圧縮永久歪率よりもエラ
ストマー(b)の圧縮永久歪率の方が大きいかあるいは
等しい前記(1)〜(8)の部材 (10) ロール状に形成された前記(1)〜(9)の
部材。
【0012】本発明によれば、(11) 導電性付与剤
と、エラストマー(a)と、エラストマー(a)の硬度
よりも低い硬度を得ることができるエラストマー(b)
とを混練し、その混練をしている間に、エラストマー
(b)のみを架橋反応または重合反応させる工程を有す
る半導電性エラストマー部材の製法が提供される。
【0013】本発明の半導電性エラストマー部材の製法
の好適な態様として以下のものが提供される。 (12) 導電性付与剤とエラストマー(a)とを混練
しエラストマー組成物を得、次にエラストマー(b)を
該組成物に添加して混練する前記(11)の製法。 (13) エラストマー(a)が硫黄、硫黄供与体また
は過酸化物により架橋し、エラストマー(b)が硫黄、
硫黄供与体及び過酸化物以外の架橋剤により架橋する前
記(11)または(12)のいずれかの製法。
【0014】また、本発明によれば、(14) 前記
(1)〜(10)のいずれかの半導電性エラストマー部
材を備える画像形成装置が提供される。
【0015】
【発明の実施の形態】本発明の半導電性エラストマー部
材は、導電性付与剤、エラストマー(a)及びエラスト
マー(b)を含有するものである。
【0016】本発明に用いる導電性付与剤とは、これを
エラストマー中に分散させることにより、エラストマー
の電気抵抗率を低下させるものであり、通常、粒子形状
をなしている。
【0017】導電性付与剤の具体例としては、EC(Ex
tra Conductive)、ECF(ExtraConductive Furnac
e)、SCF(Super Conductive Furnace)、CF(Con
ductive Furnace)、アセチレンブラック等(ケッチェ
ンブラックEC[商品名]を含む。)、SAF(Super
Abrasion Furnace)、ISAF(Intermidiate SAF)、
HAF(High Absrasion Furnace)、FEF(Fast Ext
ruding Furnace)、GPF(General Purpose Furnac
e)、SRF(Semi Reinforcing Furnace)、FT(Fin
e furnace)、MT(Midium Thermal)などのカーボン
ブラック;AlドープZnO、SnO2(酸化アンチモ
ンドープ)被属TiO2、SnO2(酸化アンチモンドー
プ)被属SnO2、SnO2被属TiO2、K2O・nTiO
2/SnO2Sb26、SnO2(酸化アンチモンドー
プ)被属複合酸化物などの金属酸化物;銅粉、銀粉、ア
ルミニウム粉などの金属単体;ポリアニリン、ポリピロ
ール、ポリアセチレンなどの導電性ポリマー等を挙げる
ことができる。
【0018】電気抵抗率のむらをなくし、生産単位毎の
ばらつきを小さくするために、導電性付与剤として、電
気抵抗率が10の0乗Ω・cm以下、好適には5×10
の−1乗Ω・cm以下のものと、電気抵抗率が10の1
乗〜10の10乗Ω・cm、好ましくは10の1乗〜1
0の5乗Ω・cmのものとを組み合わせて使用すること
が好ましい。
【0019】導電性付与剤の量は、後記のエラストマー
(a)100重量部に対して、通常、1〜100重量
部、好ましくは3〜80重量部、より好ましくは5〜7
0重量部である。導電性付与剤の量が少ないと、所望の
電気抵抗率に調整することができなくなり、逆に多い
と、電気抵抗率が低くなりすぎ、また半導電性エラスト
マー部材の硬度が高くなる。
【0020】本発明の半導電性エラストマー部材はエラ
ストマー(a)が連続相となるミクロドメイン構造をな
している。また、導電性付与剤の存在量が、エラストマ
ー(b)中よりも、エラストマー(a)中の方に多くな
っている。従って、本発明の半導電性エラストマー部材
はエラストマー(a)の相は導電性がエラストマー
(b)の相に比較して高く、また実質的に連続相となっ
ているので、半導電性エラストマー部材を流れる電気
は、エラストマー(a)の相に優先的に流れることにな
り、半導電性エラストマー部材の電気抵抗率の値はエラ
ストマー(a)の相によっておもに支配される。なお、
エラストマー(b)の相は連続相であっても非連続性で
あってもよいが、通常、実質的に非連続相となってい
る。ここで、実質的に連続相とは、一部に孤立した相
(非連続相)を含んでいても、電子顕微鏡で観察したと
きに全体として、他の相に比べ連続的つながっているこ
とをいう。
【0021】また、エラストマー(a)の硬度は、エラ
ストマー(b)の硬度よりも高くなっている。エラスト
マー(a)及びエラストマー(b)は、それぞれの硬度
がエラストマー(a)の方がエラストマー(b)より大
きくなるものから適宜選択すればよい。エラストマー
(a)のJIS A硬度は、通常、30〜100、好ま
しくは40〜80である。エラストマー(b)のJIS
A硬度は、通常、5〜50、好ましくは10〜40で
ある。
【0022】エラストマー(a)及びエラストマー
(b)の各々の硬度の比は、JIS A硬度表記におい
て、(エラストマー(a)のJIS A硬度)/(エラ
ストマー(b)のJIS A硬度)が、1以上、好まし
くは1.5以上である。硬度の比が1未満になると、半
導電性エラストマー部材の硬度が高くなり、画像形成装
置用の部材としての使用に適しなくなる。なお、ここ
で、硬度は、エラストマーが架橋性のエラストマーであ
るときは架橋した後の値であり、エラストマー(a)ま
たはエラストマー(b)をそれぞれ単独で測定した値で
ある。
【0023】エラストマー(a)として好適なものは、
そのムーニー粘度ML1+4が、100℃において、通
常、20〜100のもの、好ましくは25〜80のもの
である。エラストマー(a)のムーニー粘度ML1+4
高いとエラストマー(a)が連続相になり難くなり、逆
に低いとエラストマーと導電性付与剤との混練後、成形
加工が困難になる。
【0024】エラストマー(a)として好適なものは、
その電気抵抗率(500Vにて測定)が、10の6乗〜
10の17乗Ω・cm、好ましくは10の9乗〜10の
16乗Ω・cmのものである。エラストマー(a)の電
気抵抗率が低いと、導電性付与剤の添加量が少なくて済
むが、電気抵抗率のむら、生産単位毎のばらつき及び環
境変動による変動が大きくなりやすい。
【0025】エラストマー(a)として好適なものは、
その圧縮永久歪率が低いものである。エラストマー
(a)の圧縮永久歪率は、0〜20%、好ましくは0〜
10%である。圧縮永久歪率が高いと、部材が変形しや
すくなる。なお、圧縮永久歪率は、直径29mm×厚さ
12.5mmの試験片を70℃、24時間の条件で25
%圧縮し、次いで30分間23℃、50%RHの雰囲気
中に放置した後の測定値である。圧縮永久歪率は、エラ
ストマーが架橋性のものであるときは架橋した後の値で
ある。、エラストマー(a)またはエラストマー(b)
をそれぞれ単独で測定した値である。
【0026】また、エラストマー(a)に導電性付与剤
を添加配合した後の電気抵抗率は、通常、10の1乗〜
10の7乗Ω・cm、好ましくは10の2乗〜10の6
乗Ω・cmである。エラストマー(a)に導電性付与剤
を添加配合した後の電気抵抗率が高いと、半導電性エラ
ストマー部材の電気抵抗率の環境変動による変動が大き
くなる。
【0027】エラストマー(a)の好適なものの具体例
としては、天然ゴム、イソプレンゴム、ブタジエンゴ
ム、ブチルゴム、ニトリルゴム(例えば、アクリロニト
リル−ブタジエンゴム、アクリロニトリル−イソプレン
ゴム、アクリロニトリル−ブタジエン−イソプレンゴム
など)、水素化ニトリルゴム、スチレン−ブタジエンゴ
ム、エチレン−プロピレン−ゴム、エチレン−プロピレ
ン−ジエンゴム、ポリノルボルネンゴム、アクリルゴ
ム、フッ素ゴム、シリコーンゴム、エチレン−酢酸ビニ
ル共重合ゴム、エピクロロヒドリンゴム、エピクロロヒ
ドリン−エチレンオキサイド共重合ゴム、塩素化ポリエ
チレンゴム、クロロスルホン化ポリエチレンゴム、ポリ
ウレタンゴム、スチレン−ブタジエン−スチレンブロッ
ク共重合体、スチレン−エチレン−ブテン−スチレンブ
ロック共重合体、スチレン−イソプレン−スチレンブロ
ック共重合体、スチレン−エチレン−プロピレン−スチ
レンブロック共重合体、ポリプロピレンエラストマー、
熱可塑性ポリウレタン、熱可塑性ポリエステル、ポリア
ミド、ポリ塩化ビニル、などを挙げることができる。こ
れらのうち、ブタジエンゴム、ブチルゴム、ニトリルゴ
ム、水素化ニトリルゴム、スチレン−ブタジエンゴム、
エチレン−プロピレン−ジエンゴム、ポリノルボルネン
ゴムが特に好適である。
【0028】エラストマー(b)として好適なものは、
ムーニー粘度ML1+4(100℃)が通常、0〜10
0、好ましくは0〜80のものである。
【0029】エラストマー(b)として好適なものは、
圧縮永久歪率が比較的低いものである。エラストマー
(b)の圧縮永久歪率は、0〜50%、好ましくは5〜
45%、さらに好ましくは10〜45%である。圧縮永
久歪率があまりに高いと部材が変形しやすくなる。エラ
ストマー(b)の圧縮永久歪率はエラストマー(a)の
圧縮永久歪率よりも高いかあるいは等しいことが好まし
い。圧縮永久歪率は前述の方法で得られる値である。
【0030】エラストマー(b)として好適なものは、
その電気抵抗率(500Vで測定)が、10の6乗〜1
0の17乗Ω・cm、好ましくは10の9乗〜10の1
6乗Ω・cmである。エラストマー(b)の電気抵抗率
が低いと電流がエラストマー(b)の相にも流れるよう
になり電気抵抗率のむら、生産単位毎のばらつき、環境
変動による変動が大きくなる。
【0031】エラストマー(b)として好適なものは、
エポキシ基、塩素基、カルボン酸基、アミノ基、水酸
基、イソシアナート基などの反応性の官能基をもつエラ
ストマーである。これらの反応性官能基はエラストマー
分子鎖に1種または2種以上存在していてもよい。反応
性官能基がエラストマー分子鎖に2種以上存在するエラ
ストマーでは、別途架橋剤を添加しなくとも、該2種以
上の反応性官能基同士で架橋反応(いわゆる自己架橋反
応)を起こすので好適に用いることができる。
【0032】エラストマー(b)の好適なものの具体例
としては、エピクロロヒドリンゴム、エピクロロヒドリ
ン−エチレンオキサイド共重合ゴム、反応性官能基を有
するアクリルゴム、クロロプレンゴム、反応性官能基を
有するエチレン−アクリレート共重合ゴム、反応性官能
基を有するエチレン−酢酸ビニル共重合ゴム、ウレタン
ゴム、塩素化ポリエチレンゴム、クロロスルホン化ポリ
エチレンゴム、塩素化ブチルゴム、反応性官能基を有す
るフッ素ゴム、やウレタンプレポリマーなどを挙げるこ
とができる。これらのうちアクリルゴムが特に好適であ
る。
【0033】エラストマー(a)とエラストマー(b)
との配合割合は、(エラストマー(a)の量)/(エラ
ストマー(b)の量)が、重量基準で、通常、20/8
0〜80/20、好ましくは30/70〜60/40で
ある。エラストマー(b)の量が多くなるとエラストマ
ー(a)の相が非連続相になりやすい。エラストマー
(b)の量が少なくなると半導電性エラストマー部材の
硬度が高くなる。
【0034】本発明の半導電性エラストマー部材は、導
電性付与剤がエラストマー(b)中よりもエラストマー
(a)中の方に多く存在する。導電性付与剤のエラスト
マー(a)中の存在量とエラストマー(b)中の存在量
との比率は、(エラストマー(a)中の存在量)/(エ
ラストマー(b)中の存在量)が、重量基準で、通常、
100/0〜70/30、好ましくは100/0〜90
/10である。エラストマー(b)中の存在量が多くな
ると半導電性エラストマー部材の電気抵抗率の環境変動
による変動率が大きくなる。
【0035】本発明の半導電性エラストマー部材は、2
3℃、50%RH(N/N)の条件での電気抵抗率が、
通常、10の3乗〜10の10乗Ω・cm、好ましくは
10の4乗〜10の9乗Ω・cmであり、生産単位毎の
電気抵抗率のばらつき、または部材内での電気抵抗率の
むらがきわめて小さく、しかも、10℃、20%RH
(L/L)の条件での電気抵抗率と35℃、80%RH
(H/H)の条件での電気抵抗率との比[(L/L)/
(H/H)]が10の1乗以下という環境安定性を有す
る。
【0036】また、JIS A硬度が、通常、20〜6
0、好ましくは25〜50、より好ましくは30〜45
である。さらに70℃、22時間の条件における圧縮永
久歪が、通常、15%以内である。
【0037】本発明の半導電性エラストマー部材は、そ
の製法によって特に限定されないが、以下に説明する製
法で製造することが好適である。
【0038】本発明の半導電性エラストマー部材の製法
としては、(1) 導電性付与剤と、エラストマー
(a)と、エラストマー(a)の硬度よりも低い硬度を
得ることができるエラストマー(b)とを混練し、その
混練をしている間に、エラストマー(b)のみを架橋反
応または重合反応させて、エラストマー(b)の粘度を
エラストマー(a)の粘度より高くし、次いで必要に応
じてエラストマー(a)を架橋反応させることを特徴と
するもの、または(2) エラストマー(a)と、エラ
ストマー(a)よりも高い粘度を有し且つ低い硬度を得
ることができるエラストマー(b)と、導電性付与剤と
を混練することを特徴とするものなどが挙げられる。本
発明の半導電性エラストマーの製法としては(1)の方
法が工業的に好ましい。なお、ここで、粘度は、溶融粘
度やムーニー粘度などを指す。また、架橋ゴムなどのよ
うに粘度を測定できないほど硬くなってしまったもの
は、粘度が無限大であると考える。
【0039】導電性付与剤とエラストマー(a)とエラ
ストマー(b)とを混練する順序として、導電性付与剤
とエラストマー(a)とエラストマー(b)とを同時に
混練機に仕込み混練してもよいが、導電性付与剤とエラ
ストマー(a)とを混練しエラストマー組成物を得、次
にエラストマー(b)を該組成物に添加して混練する方
法が好ましい。なお、混練機としては、オープンロー
ル、バンバリーミキサー、ニーダー、混練部付の単軸押
出装置、二軸押出装置などを挙げることができ、好適に
は、被混練物に均一にせん断力をかけることが可能な装
置、すなわち、バンバリーミキサー、ニーダー、二軸押
出装置、CTM、ファーレル型混練機を挙げることがで
きる。
【0040】本発明においては、エラストマー(b)の
粘度が十分にエラストマー(a)の粘度より高いときに
は、エラストマー(a)及び(b)と導電性付与剤とを
混練すればよい。エラストマー(b)の粘度が十分にエ
ラストマー(a)の粘度より高くないときには、エラス
トマー(a)及び(b)と導電性付与剤とを混練中にエ
ラストマー(b)の粘度がエラストマー(a)の粘度よ
りも十分に高くなるようにする。
【0041】粘度の高いエラストマーと粘度の低いエラ
ストマーとを混練した場合、粘度の低いエラストマーが
粘度の高いエラストマーより流れやすいので、連続相に
なりやすくなると考えられる。また、導電性粒子も、粘
度の低いエラストマー中に流れ込みやすくなるので、導
電性付与剤の遍在化が容易に行えるものと考えられる。
【0042】エラストマー(b)の粘度を高くする方法
としては 1)エラストマー(b)のみを架橋することができる架
橋剤を添加し、混練中に架橋反応を進行させる方法。 2)エラストマー(b)のみと付加反応するエラストマ
ーを添加し、混練中に付加反応を進行させる方法。 3)エラストマー(b)の分子鎖が反応性官能基を2種
以上有し、該反応性官能基同士を混練中に反応(いわゆ
る自己架橋反応)させる方法。 4)エラストマー(b)としてウレタンプレポリマーの
ごとき重合前駆体を用い、この前駆体を混練中に鎖延長
させる方法。 などを挙げることができる。
【0043】1)の方法に用いる架橋剤は、エラストマ
ー(b)の種類により異なる。例えば、エラストマー
(b)がエポキシ基を架橋点としてもつエラストマーで
あるときには、イソシアヌル酸、オクタデシルトリメチ
ルアンモニウムブロマイド、ジフェニルウレア、ヘキサ
メチレンテトラミン、p,p’−ジアミノジフェニルメ
タン、アンモニウムベンゾエート、ヘキサメチレンジア
ミンカルバメート、N,N’−ジシンナミリデン−1,
6−ヘキサジアミン、4,4’−メチレンビス(2−ク
ロロアミリン)のごときアミン化合物及びその塩;トル
イレンジイソシアナート、ジフェニルメタンジイソシア
ナート、ナフチレン−1,5−ジイソシアナートのごと
きイソシアナート化合物等を挙げることができる。
【0044】エラストマー(b)が塩素基を架橋点とし
てもつエラストマーであるときにはエチレンジアミン、
ヘキサメチレンジアミン、及びこれらの塩のごときポリ
アミン類;2−メルカプトイミダゾリン、4−メチル−
2−メルカプトイミダゾリン、5−エチル−4−ブチル
−2−メルカプトイミダゾリンのごとき2−メルカプト
イミダゾリン類;2−メルカプトピリミジン類;1,
3,5−トリチオシアヌール酸、2−ブチルアミノ−
4,6−ジメルカプト−s−トリアジンのごときメルカ
プトトリアジン類;チオウレア、ジブチルチオウレア、
トリエチルチオウレアのごときチオウレア類などを挙げ
ることができる。
【0045】2)の方法では、エポキシ基、水酸基また
はアミノ基を有するエラストマーと、カルボン酸または
イソシアナート基とを有するエラストマーとの混合物で
あるときに好適に行うことができる。
【0046】3)の方法では、エラストマー(b)が、
分子鎖に、エポキシ基、水酸基またはアミノ基と、カル
ボン酸またはイソシアナート基とを併せもつものである
ときに好適に行うことができる。
【0047】4)の方法では、エラストマー(b)が、
ウレタンプレポリマーのごとく、重付加反応あるいは重
縮合反応するものである場合に好適に用いることができ
る。この方法では、鎖延長化剤や延長化促進剤を添加す
る。
【0048】粘度を上昇させた後のエラストマー(b)
のムーニー粘度ML1+4は、エラストマー(a)のムー
ニー粘度ML1+4に対して、通常、20以上、好ましく
は、30以上高くなっている。ムーニー粘度ML1+4
上昇させた後のエラストマー(b)のムーニー粘度ML
1+4が、エラストマー(a)のムーニー粘度ML1+4に対
して、あまり高くなっていないと、エラストマー(a)
相が連続相になり難くなる。
【0049】次に、成形加工するためにエラストマー
(a)が架橋性のエラストマーである時にはエラストマ
ー(a)を架橋するための架橋剤が添加される。エラス
トマー(a)を架橋するための架橋剤としては、硫黄;
テトラメチルチウラムジスルフィド、テトラブチルチウ
ラムジスルフィドのごとき硫黄供与体;ジクミルパーオ
キサイド、ジ−t−ブチルパーオキシド、p−メンタン
ヒドロパーオキシド、クメンヒドロパーオキシドのごと
き有機過酸化物などを挙げることができる。なお、エラ
ストマー(a)がエチレン−プロピレン−ジエン共重合
ゴムであるときには、前記架橋剤以外にもキノン系架橋
剤、樹脂架橋剤などを使用することができる。エラスト
マー(a)100重量部に対する架橋剤の量は、通常、
0.5〜15重量部、好ましくは0.5〜10重量部で
ある。
【0050】本発明の半導電性エラストマー部材におい
ては、必要に応じて、ジチオカーバメート類、チウラム
類、グアニジン類、チアゾール類のごとき架橋促進剤;
ステアリン酸、金属酸化物のごとき架橋促進助剤;老化
防止剤等が配合されていてもよい。また、感光体ドラム
を汚染しないものであれば、導電性付与剤を均一分散さ
せるための分散剤、エラストマー(a)とエラストマー
(b)との相溶性を改善するための相溶化剤などが配合
されていてもよい。
【0051】半導電性エラストマー部材は、画像形成装
置などに使用するロールやブレードに適用するために所
望の形状に成形される。成形方法は特に限定されず、通
常の方法を採用することができる。例えば、エラストマ
ー(a)が非架橋性のエラストマーであれば、溶融成形
などを行い。架橋性のエラストマーであれば、架橋成形
を行う。成形方法の具体例としては押出成形、プレス成
形、トランスファー成形、インジェクション成形などの
方法が挙げられる。また、成形後の架橋は、通常、電熱
方式、水蒸気加熱方式、UHF加熱方式などの方法で行
う。
【0052】本発明の半導電性エラストマー部材は、軟
化剤、可塑剤などを含有させなくても、硬度が適度に低
くできるので、感光体を汚染するおそれが少ない。
【0053】本発明の半導電性エラストマー部材は上記
のような効果を奏するものであるので、電子写真複写
機、電子写真印刷機等の画像形成装置の現像ロール、帯
電ロール、転写ロールなどとして、あるいは、トナー量
規制用ブレード、クリーニングブレードなどとして、そ
の他各種ベルトなどとして使用することができる。
【0054】本発明の画像形成装置は、前記半導電性エ
ラストマー部材を備えるものである。画像形成装置に
は、通常、感光体、感光体の表面を帯電する手段、感光
体の表面に静電潜像を形成する手段、トナーを用いて感
光体表面の静電潜像を現像してトナー像を形成する手
段、該トナー像を感光体表面から転写材に転写する手段
及び転写手段で転写されたトナー像を定着する手段とを
有するものである。
【0055】本発明の画像形成装置を図面に示す実施態
様に基づき詳細に説明する。図1に示すように、本実施
形態に係る画像形成装置には、感光体としての感光ドラ
ム1が矢印A方向に回転自在に装着してある。感光ドラ
ム1は導電性支持ドラム体の外周面に光導電層を設けた
ものである。光導電層は、たとえば、有機系感光体、セ
レン感光体、酸化亜鉛感光体、アモルファスシリコン感
光体などで構成される。
【0056】感光ドラム1の周囲には、その周方向に沿
って、帯電手段としての帯電ロール3、潜像形成手段と
してのレーザー光照射装置4、現像手段としての現像ロ
ール8、転写手段としての転写ロール6及びクリーニン
グ装置2が配置されている。
【0057】帯電ロールは感光ドラムの表面をプラスま
たはマイナスに一様に帯電するためのものであり、帯電
ロールに電圧を印加し且つ帯電ロールを感光ドラムに接
触させることにより、感光ドラムの表面を帯電させてい
る。帯電ロール3はコロナ放電による帯電手段に置き換
えることも可能である。
【0058】レーザー光照射装置4は、画像信号に対応
した光を感光ドラムの表面に照射し、一様に帯電された
感光ドラムの表面に所定のパターンで、光を照射して、
光が照射された部分に静電潜像を形成する(反転現像の
場合)、または光が照射されない部分に静電潜像を形成
する(正規現像の場合)ためのものである。その他の潜
像形成手段としては、LEDアレイと光学系とから構成
されるものが挙げられる。
【0059】現像ロールは感光ドラム1の静電潜像にト
ナーを付着させるためのものであり、反転現像において
は光照射部にのみトナーを付着させ、正規現像において
は、光非照射部にのみトナーを付着させるように、現像
ロールと感光ドラムとの間にバイアス電圧が印加され
る。
【0060】現像ロールの隣には、トナー10が収容さ
れるケーシング11内に、現像ロール8と供給ロール1
2とが設けられている。現像ロールは感光ドラムに一部
接触するように近接して配置され、感光ドラムと反対方
向Bに回転するようになっている。供給ロール12は現
像ロールに接触して現像ロールと同じ方向Cに回転し、
現像ロールの外周にトナーを供給するようになってい
る。
【0061】現像ロールの周囲において、供給ロールと
の接触点から感光ドラムとの接触点までの間の位置に、
層厚規制手段としての現像ロール用ブレード9が配置し
てある。このブレード9は、トナーへの電荷注入を行う
ため、|200V|〜|600V|の電圧が印加されて
いる。そのために、ブレード9の電気抵抗率は10の6
乗Ωcm以下であることが好ましい。
【0062】本発明の画像形成装置のケーシング11に
は、トナー10が収容されている。トナー10は特に制
限されないが、重合法によって得られる球状トナーが好
適である。特に低温定着、高速印刷が可能な、コアとシ
ェルとからなるカプセル型粒子を含有するもので、コア
が軟質あるいは低ガラス転移温度の重合体で形成され、
シェルが硬質あるいは高ガラス転移温度の重合体で形成
され、トナーの表面の粘着性が低く、ケーシング11内
に保存中にトナーが凝集するようなことが少なくなって
いるトナーが好適である。また、重合法トナーは、粒径
分布が比較的シャープであるので、現像ロールの周面に
層を形成したときに、層厚規制手段によって実質的に一
層にすることができるので、画像の再現性に優れてい
る。
【0063】転写ロール6は、現像ロールにより形成さ
れた感光ドラム表面のトナー像を転写材7に転写するた
めのものである。転写材としては、紙、OHPシートの
ような樹脂が挙げられる。転写手段としては、転写ロー
ル以外にコロナ放電装置や、転写ベルトなどを挙げるこ
とができる。
【0064】転写材に転写されたトナー像は、定着手段
によって、転写材に固定される。定着手段は、通常、加
熱手段と圧着手段とからなる。転写材に転写されたトナ
ーを加熱手段により加熱しトナーを溶融させ、溶融され
たトナーを圧着手段により転写材の表面に押し付け固定
する。本発明の画像形成装置において、前述のカプセル
型トナーを用いれば、加熱手段による加熱温度が低くて
も、トナーが容易に溶融し、圧着手段で軽く押し付ける
と、トナーが平滑な状態になって転写材表面に固定され
るので、高速での印刷または複写が可能である。また、
OHP透過性に優れている。
【0065】クリーニング装置2は、感光ドラムの表面
に残留した転写残りトナーを清掃するためのものであ
り、例えば、清掃用ブレードなどで構成される。なお、
このクリーニング装置は、現像ロールによる現像と同時
にクリーニングを行う方式を採用する場合には、必ずし
も設置することを要しない。
【0066】本発明の画像形成装置においては、現像ロ
ール、帯電ロール、転写ロールなどとして、あるいは、
トナー量規制用ブレード、クリーニングブレードなどと
して、本発明の半導電性エラストマー部材を使用する。
このことにより、カブリの発生や印字濃度の変動のごと
き画質低下が生じにくい画像形成装置が得られる。
【0067】
【実施例】以下、実施例を挙げて、本発明についてさら
に具体的に説明する。なお、実施例中特に断わりが無い
限り、「部」または「%」は重量基準である。
【0068】本実施例において実施した評価方法は以下
のとおりである。 [電気抵抗率]エラストマーロールの外周面に幅1イン
チの薄膜からなる測定電極を巻き付け、測定電極からロ
ール軸方向に1mm離れた外周面に幅0.5インチの薄
膜からなるアース電極を巻き付け、アース電極は接地
し、測定電極と芯金との間に500Vの直流電圧を印加
し、電気抵抗Rを測定した。この測定値Rから数1に示
す計算式で電気抵抗率ρを求めた。
【0069】
【数1】
【0070】なお、L/Lはエラストマーロールを10
℃、20%RHの環境下に48時間放置した後の電気抵
抗率、N/Nはエラストマーロールを23℃、50%R
Hの環境下に48時間放置した後の電気抵抗率、H/H
はエラストマーロールを35℃、80%RHの環境下に
48時間放置した後の電気抵抗率である。生産単位毎の
電気抵抗率のばらつきは、エラストマーロールを同一条
件で10本作製し、これらの電気抵抗率(N/N)の最
大値と最小値で表した。また、エラストマーロール内で
の電気抵抗率(N/N)のむらは、前記10本のロール
のうち中央値を示すロールについて、測定位置を変えて
5箇所測定し、その最大値と最小値で表した。
【0071】[硬度]直径29mm、厚さ12.5mm
の円盤片を用いてJIS K6253に準拠して、23
℃、50%RHの条件で測定した。円盤片はエラストマ
ー(a)もしくはエラストマー(b)を単独で混練し、
架橋したもの又はエラストマー部材を成形したものであ
る。
【0072】[圧縮永久歪]直径29mm、厚さ12.
5mmの円盤片を70℃、24時間の条件で25%圧縮
し、次いで30分間、23℃、50%RHの雰囲気中に
放置した後、JISK6262に準拠して測定した。円
盤片はエラストマー(a)もしくはエラストマー(b)
を単独で混練し、架橋したもの又はエラストマー部材を
成形したものである。
【0073】実施例1 バンバリーミキサーを用いて、アクリロニトリル−ブタ
ジエン共重合ゴム(NBR−1)40部と、導電性付与
剤(トーカ#5500、東海カーボン社製カーボンブラ
ック)14部とを混練し、エポキシ基含有アクリルゴム
(AR−1)60部、イソシアヌル酸0.43部及びオ
クタデシルトリメチルアンモニウムブロマイド1.3部
を添加し、混練し、エポキシ基含有アクリルゴムを架橋
反応させムーニー粘度ML1+4[100℃]が70以上
(実質無限大)になるようにした。混練温度は150℃
で行った。次に、ロール混練機を用いて、前記混練物に
ジクミルパーオキサイドの40%炭酸カルシウム希釈品
0.72部を添加し、混練し、8mmφ×280mmの
ステンレス鋼製の芯金の周りにロール形状に押出成形
し、160℃の条件で30分間加熱し、ロール形成物を
得、これの外周面を研磨して、20mmφ×250mm
のエラストマーロールを得た。評価結果を表2に示し
た。また、このエラストマーロールを透過型電子顕微鏡
で観察した結果、NBR−1相にほとんどのカーボンが
遍在し且つNBR−1相が実質的に連続相となってい
た。
【0074】実施例2〜18 表1、3、5、7または9に示す処方に代えた他は実施
例1と同様にしてエラストマーロールを得た。評価結果
を表2、4、6、8または10に示した。
【0075】
【表1】
【0076】
【表2】
【0077】
【表3】
【0078】
【表4】
【0079】
【表5】
【0080】
【表6】
【0081】
【表7】
【0082】
【表8】
【0083】
【表9】
【0084】
【表10】
【0085】
【表11】
【0086】
【表12】
【0087】表1、3、5、7、9及び11の脚注、 (*1) ・NBR−1:アクリロニトリル−ブタジエン共重合体
ゴム[ムーニー粘度ML1+4(100℃)=32、架橋
物のJIS A硬度=44、圧縮永久歪7%、電気抵抗
率=9.0×106Ωcm] ・SBR:スチレン−ブタジエン共重合体ゴム[ML
1+4(100℃)=52、架橋物のJIS A硬度=4
5、圧縮永久歪=7%、電気抵抗率=2.0×1015Ω
cm] ・BR:ブタジエンゴム[ML1+4(100℃)=4
3、架橋物のJIS A硬度=53、圧縮永久歪5%、
電気抵抗率=9.0×1015Ωcm] ・EPDM:エチレン−プロピレン−ジエン共重合体ゴ
ム[ML1+4(100℃)=45;JIS A硬度=4
9、圧縮永久歪=9%、電気抵抗率8.0×1015Ωc
m] ・NBR−2:アクリロニトリル−ブタジエン共重合体
ゴム[ML1+4(100℃)=29、JIS A硬度=
46、圧縮永久歪5%、電気抵抗率5.0×1012Ωc
m] (*2) ・AR−1:エポキシ基含有アクリルゴム[ML
1+4(100℃)=34、JIS A硬度=21、圧縮
永久歪=35%、電気抵抗率=8.0×109Ωcm] ・CHR:エピクロルヒドリンゴム[ML1+4(100
℃)=70、JISA硬度=35、圧縮永久歪=38
%、電気抵抗率=5.0×109Ωcm] ・AR−2:グリシジル基とカルボキシル基含有アクリ
ルゴム[ML1+4(100℃)=36、JIS A硬度
=36、圧縮永久歪=31%、電気抵抗率=2.0×1
9Ωcm] ・NBR−3:アクリロニトリル−ブタジエン液状ゴム
[ML1+4=0(やわらかすぎてトルク発生せず測定不
能)] ・AR−3:ジビニルベンゼンで架橋したアクリルゴム
[ML1+4>100、JIS A硬度=35、圧縮永久
歪=20%、電気抵抗率=2.0×1010Ωcm] ・AR−4:非架橋性アクリルゴム[ML1+4(100
℃)=39、JISA硬度<10、圧縮永久歪>50
%、電気抵抗率=9.0×109Ωcm] ・SEBS:スチレン−(エチレン−ブチレン)−スチ
レンブロック共重合体[ML1+4(100℃)>10
0、JIS A硬度=75、圧縮永久歪>50%、電気
抵抗率=5.0×1015Ωcm] ・PED:ポリエステルジオール[日本ポリウレタン工
業社製、ポリエステルジオールOHV] ・TDI:トリレンジイソシアナート (*4) ・MOCA:3,3’−ジクロロ−4,4’−ジアミノ
ジフェニルメタン ・TMHMDA:N,N,N’,N’−テトラメチルヘ
キサン−1,6−ジアミン
【0088】実施例19 電熱式プラストミルを用いて、アクリロニトリル−ブタ
ジエン共重合ゴム(NBR−2)40部と、導電性付与
剤(トーカ#5500)14部とを混練し、次に150
℃の窒素気流中で、ポリエステルジオール(PED)5
5.7部、トリレンジイソシアナート(TDI)4.3
部を順次添加し、混練し、その後、3,3’−ジクロロ
−4,4’−ジアミノジフェニルメタン(MOCA)
1.2部及びN,N,N’,N’−テトラメチルヘキサ
ン−1,6−ジアミン1.5部を添加し、ミルのトルク
が安定するまで混練した。次に、ロール混練機を用い
て、前記混練物にジクミルパーオキサイドの40%炭酸
カルシム希釈品0.72部を添加し、混練し、8mmφ
×280mmのステンレス鋼製の芯金の周りにロール形
状に押出成形し、160℃の条件で30分間加熱し、ロ
ール形成物を得、これの外周面を研磨して、20mmφ
×250mmのエラストマーロールを得た。評価結果を
表10に示した。
【0089】実施例20 表9に示す処方に代えた他は実施例19と同様にしてエ
ラストマーロールを得た。評価結果を表10に示した。
【0090】比較例1 バンバリーミキサーを用いて、ブタジエンゴム(BR)
100部、導電性付与剤(トーカ#5500)25部を
混練し、これにジクミルパーオキサイドの40%炭酸カ
ルシウム希釈品0.8部を添加し、混練し、8mmφ×
280mmのステンレス鋼製の芯金の周りにロール形状
に押出成形し、160℃の条件で30分間加熱し、ロー
ル形成物を得、これの外周面を研磨して、20mmφ×
250mmのエラストマーロールを得た。評価結果を表
12に示した。
【0091】比較例2 バンバリーミキサーを用いて、アクリルゴム(AR−
1)100部を混練し、これにイソシアヌル酸0.72
部及びオクタデシルトリメチルアンモニウムブロマイド
2.16部を添加し、混練し、8mmφ×280mmの
ステンレス鋼製の芯金の周りにロール形状に押出成形
し、160℃の条件で30分間加熱し、ロール形成物を
得、これの外周面を研磨して、20mmφ×250mm
のエラストマーロールを得た。評価結果を表12に示し
た。
【0092】比較例3 バンバリーミキサーを用いて、ブタジエンゴム(BR)
40部と、導電性付与剤(トーカ#5500)10部と
を混練し、エポキシ基非含有アクリルゴム(AR−4)
60部を添加し、混練した。次に、ロール混練機を用い
て、前記混練物にジクミルパーオキサイドの40%炭酸
カルシム希釈品0.36部を添加し、混練し、8mmφ
×280mmのステンレス鋼製の芯金の周りにロール形
状に押出成形し、160℃の条件で30分間加熱し、ロ
ール形成物を得、これの外周面を研磨して、20mmφ
×250mmのエラストマーロールを得た。評価結果を
表12に示した。また、このエラストマーロールを透過
型電子顕微鏡で観察した結果、BR相にカーボンの粒が
遍在していたが、BR相が非連続になっていた。
【0093】比較例4 バンバリーミキサーを用いて、ブタジエンゴム(BR)
40部と、導電性付与剤(トーカ#5500)14部と
を混練し、スチレン−エチレン−ブテン−スチレンブロ
ック(SEBS)60部を添加し、混練した。次に、ロ
ール混練機を用いて、前記混練物にジクミルパーオキサ
イドの40%炭酸カルシム希釈品0.36部を添加し、
混練し、8mmφ×280mmのステンレス鋼製の芯金
の周りにロール形状に押出成形し、160℃の条件で3
0分間加熱し、ロール形成物を得、これの外周面を研磨
して、20mmφ×250mmのエラストマーロールを
得た。評価結果を表12に示した。
【0094】
【発明の効果】本発明によれば、中程度の電気抵抗率
(約10の6乗〜約10の13乗Ω・cm)で、環境変
動による電気抵抗率の変動が小さい、低硬度の半導電性
エラストマー部材を得ることができる。この部材は、特
に、電子複写装置または電子印刷装置等の画像形成装置
に用いる半導電性ロール、半導電性ブレードに好適であ
る。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本発明の画像形成装置の一態様を示す図
【符号の説明】
1・・感光ドラム 2・・クリーニング装置 3・・帯電ロール 4・・レーザー光照射装置 6・・転写ロール 8・・現像ロール 9・・現像ロール用ブレード 10・・トナー 11・・ケーシング 12・・供給ロール
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.6 識別記号 庁内整理番号 FI 技術表示箇所 G03G 15/02 101 G03G 15/02 101 15/08 501 15/08 501D 15/16 103 15/16 103

Claims (3)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 導電性付与剤、エラストマー(a)及び
    エラストマー(b)とを含有し、 エラストマー(a)が実質的に連続相となるミクロドメ
    イン構造を形成し、 導電性付与剤の存在量が、エラストマー(b)中より
    も、エラストマー(a)中の方に多くなっており、且つ
    エラストマー(a)の硬度がエラストマー(b)の硬度
    よりも高く、 エラストマー(a)の圧縮永久歪率が20%以下で、エ
    ラストマー(b)の圧縮永久歪率が50%以下であるこ
    とを特徴とする半導電性エラストマー部材。
  2. 【請求項2】 導電性付与剤と、エラストマー(a)
    と、エラストマー(a)の硬度よりも低い硬度を得るこ
    とができるエラストマー(b)とを混練し、その混練を
    している間に、エラストマー(b)のみを架橋反応また
    は重合反応させる工程を有する請求項1記載の半導電性
    エラストマー部材の製法。
  3. 【請求項3】 請求項1記載の半導電性エラストマー部
    材を備える画像形成装置。
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