JPH06324553A - 帯電用部材及びこれを用いた帯電装置 - Google Patents

帯電用部材及びこれを用いた帯電装置

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JPH06324553A
JPH06324553A JP13525393A JP13525393A JPH06324553A JP H06324553 A JPH06324553 A JP H06324553A JP 13525393 A JP13525393 A JP 13525393A JP 13525393 A JP13525393 A JP 13525393A JP H06324553 A JPH06324553 A JP H06324553A
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JP
Japan
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rubber
charging
layer
roller
charging member
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JP13525393A
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English (en)
Inventor
Kazuo Nojima
一男 野島
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Ricoh Co Ltd
Original Assignee
Ricoh Co Ltd
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Publication date
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Abstract

(57)【要約】 (修正有) 【目的】 従来のカーボンブラックなどを分散させて弾
性層を所定抵抗にした接触帯電用ローラに比してより均
一な帯電を可能にする接触帯電用ローラを提供する。 【構成】 帯電用ローラの概略構成を示す。芯金201
上に厚さ1〜5mmの有極性ゴムにエチレングリコール類
を含有した弾性層202を形成し、更にその上に厚さ5
〜50μmの非粘着性樹脂からなる表面層203を形成
する。エチレングリコール類もカーボンブラックに比し
て1つ1つの分散単位が格段に小さく、均一帯電が可能
になる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、複写機、ファクシミ
リ、プリンター等の画像形成装置等に採用される帯電用
部材及びこれを用いた帯電装置に係り、詳しくは、帯電
用部材を帯電対象物に接触させて均一な帯電を行うため
の改良に関するものである。
【0002】
【従来の技術】従来、帯電用部材を帯電対象物に接触さ
せて帯電を行うものとしては、種々のものが知られてい
る。例えば、特開昭56−132356号公報には、ロ
ーラ状に形成した帯電用部材への電圧印加を定電流型電
源を用いて行うことが開示されている。また特開昭63
−149668号公報には、帯電を均一にするために、
帯電用ローラに印加する電圧として、帯電開始電圧(V
th)の2倍以上のピーク間電圧をもつ交流電圧を印加
することが開示されている。また特開平3−15647
6号公報には、帯電用ローラへの電圧印加を交流電圧に
直流電圧を重畳した電圧を用い、かつ交流定電流制御を
行なうことが開示されている。なお、帯電用部材ではな
いが、特開昭63−189976号公報には、ウレタン
ゴム現像ロールの抵抗を中抵抗にするためにウレタンゴ
ムにアルカリ金属塩を添加して低抵抗化した現像ローラ
が開示されている。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】従来、電子写真方式の
画像形成装置において、感光体表面を一様に全面帯電す
るための帯電手段としては、コロナ放電器が広く利用さ
れている。このコロナ放電器にあっては、感光体をある
一定の電位に均一に帯電する手段としては有効である
が、反面コロナ放電による帯電処理にあっては、高圧電
源を必要とし、放電に伴いオゾンが発生する。オゾンが
大量に発生すると環境に悪影響を及ぼすばかりでなく、
オゾンによって帯電用部材、感光体などが劣化するとい
う問題も発生した。
【0000】そこで、前記のように、上記コロナ放電器
に代えて、例えば図1(a)に示すような帯電用ローラ
100を感光体ドラム101に接触、従動回転させて、
帯電用ローラ100の芯金102に電源103から電圧
を印加して感光体ドラム101表面を帯電させる帯電用
ローラ100が提案され、また実用化されている。これ
によれば、この帯電手段としての帯電用ローラ100の
電源103の低電圧化をはかることができ、帯電処理に
起因するオゾンの発生量が少ないという利点を有してい
る。
【0000】ところが、帯電の均一性に関しては、コロ
ナ放電器による帯電処理と比較してかなり劣るのが現状
である。上記特開昭63−149668号公報の「接触
帯電方法」は、この帯電の均一性を改善するためのもの
であるが直流電圧印加時の帯電開始電圧(Vth)の2
倍以上のピーク間電圧をもつ交流電圧を印加するため、
DC電源とは別にAC電源が必要となり、装置自体のコ
ストアップを招き、さらに感光体の帯電位にはほとんど
寄与しない無駄なAC電流を多量に消費することにとも
ない電源コストが上昇するばかりでなく、多量のオゾン
が発生し、その結果、帯電用部材、感光体の劣化を招く
恐れがある。
【0005】本発明は以上の問題点に鑑みなされたもの
であり、その目的とするところは、従来に比してより均
一な帯電を可能にする帯電用部材及びこれを用いた帯電
装置を提供することである。
【0006】
【課題を解決するための手段】上記の目的を達成するた
めに、請求項1の発明は、導電性支持体上に所定の電気
抵抗を有する抵抗層を備え、かつ該所定電気抵抗層上に
表面層を備えた帯電用部材において、該抵抗層が、ベー
ス材料にエチレングリコール類が含有された材料により
形成されていることを特徴とするものである。帯電用部
材。
【0000】請求項2の発明は、請求項1の帯電用部材
において、上記エチレングリコール類が式(但し、式中
Rは水素又はメチル基であり、かつnは30以下の整数
である。)で表されることを特徴とするものである。
【0000】請求項3の発明は、請求項1の帯電用部材
において、上記ベース材料が有極性ゴムであることを特
徴とするものである。
【0000】請求項4の発明は、請求項1の帯電用部材
において、上記表面層が、少なくとも有極性ゴムと溶剤
可溶性フッ素樹脂とからなる高分子化合物により形成さ
れていることを特徴とするものである。
【0000】請求項5の発明は、請求項4の帯電用部材
において、上記溶剤可溶性フッ素樹脂はフルオロオレフ
ィンと水酸基含有ビニルエーテルを構成成分とした含フ
ッ素共重合体をイソシアネートで架橋して得られる含フ
ッ素架橋共重合体であることを特徴とするものである。
【0000】請求項6の発明は、帯電用部材を像担持体
に接触させた状態で該帯電用部材に電圧を印加する帯電
装置において、該帯電用部材として請求項1の帯電用部
材を用い、かつ、上記導電性支持体に印加する電圧とし
て直流電圧を用いたことを特徴とするものである。
【0007】
【作用】本発明者は、従来の帯電用ローラ(一般には導
電性弾性層表面に樹脂のオーバーコート層を有する)が
DC電圧の印加のみでは、なぜ帯電ムラが発生してしま
うのかを検討した結果、導電性弾性層が合成ゴムとカー
ボンブラックの分散系であることに起因していることを
見い出した。この事実は、従来の帯電用ローラの導電性
弾性層(合成ゴムとカーボンブラックとの分散系)をカ
ーボンブラックなどの導電性粒子を含まない有極性ゴム
にエチレングリコール類を含有させたゴム材料に置き換
えた帯電用ローラを用いて実験した結果判明したのであ
る。
【0000】ここで、有極性ゴム(または極性ゴム)は
ポリマ中に極性基を有するゴムを云いたとえばエピクロ
ルヒドリンゴム、ニトリルゴム、ウレタンゴム、クロロ
プレンゴム、アクリルゴムは−Cl、−CN、−NH、
−COOの極性基を有している。これに対し天然ゴム、
スチレン−ブタジエンゴム、ブチルゴムなどの極性基を
含まないゴムを非極性ゴムという。
【0000】すなわち、従来の帯電用ローラの帯電ムラ
は、カーボンブラック/合成ゴムの分散不良による導電
性弾性層の電気的不均一性によるものであり、エチレン
グリコール類を含有した有極性ゴムの使用により帯電ム
ラを解消し、さらに低温低湿下でもローラ層の体積抵抗
の上昇変動が少なく安定した帯電電位が得られる。これ
は、エチレングリコール類もカーボンブラックと同様
に、有極性ゴムなどのベース材料中で化学反応すること
なく、厳密にはベース材料中に分散された形で存在する
が、その1つ1つの分散単位がカーボンブラックに比し
て格段に小さくことによる。従って、ベース材料として
は上記有極性ゴムに限られず、無極性ゴムなどであって
も、同様に帯電ムラなどを解消できる。但し、ベース材
料として無極性ゴムなどを用いる場合には、所望の層抵
抗にするため、比較的多量のエチレングリコール類を含
有させることになるので、エチレングリコール類のブリ
ード現象の発生によって帯電対象物表面の汚染などに対
する対策が必要になる。
【0008】
【実施例】本発明を画像形成装置における像担持体とし
ての感光体ドラムを一様帯電するための帯電装置に適用
した実施例について説明する。図1(b)は、DC電圧
印加のみで、即ちAC電圧を重畳(DC+AC)しなく
とも、均一帯電を可能するための帯電用ローラの概略構
成を示すものである。同図において、芯金201上に厚
さ1〜5mmの有極性ゴム(エピクロルヒドリンゴム、ニ
トリルゴム、ウレタンゴム、クロロプレンゴム、アクリ
ルゴムなど)にエチレングリコール類を含有した弾性層
202が形成され、更にその上に厚さ5〜50μmの非
粘着性樹脂からなる表面層203が形成されている。こ
の表面層203は帯電用ローラ表面へのトナー、紙粉な
どの付着を防止して長期間にわたって帯電の均一性を維
持させるために形成されていて、少なくとも溶剤可溶性
フッ素樹脂と有極性ゴムとからなる中抵抗の非粘着性物
質から構成されている。
【0000】ここで、弾性層202はカーボンブラック
などの導電性粒子の分散によらないで、電気抵抗が10
6〜88Ω・cmであるエチレングリコール類を含有した有
極性ゴムであるため耐電圧性に優れ、また弾性層全体が
電気的に均一である。このエチレングリコール類は、式 で示されるエチレングリコール類である。例えば、エチ
レングリコール、ジエチレングリコール、トリエチレン
グリコール、ポリエチレングリコール#200(n=
5)、ポリエチレングリコール#300(n=7)、ポ
リエチレングリコール#600(n=15)、ポリエチ
レングリコール#1000(n=25)、ポリエチレン
グリコール#1540(n=35)などのグリコール類
とそれぞれのモノメチルエーテルをあげることができ
る。
【0000】また、表面層に使用される溶剤可溶性フッ
素樹脂は、フルオロオレフィンと炭化水素ビニルエーテ
ルとの共重合反応によって得られる非晶質ポリマであ
る。この樹脂のフッ素含有率は25〜32wt%と比較
的低いがフルオロオレフィンと炭化水素ビニルエーテル
が交互に配列した鎖構造をもつ交互重合体であり化学的
に安定であり耐久性に優れている。また、このポリマは
有機溶剤に可溶であるので塗装後ポリマを架橋し塗膜に
耐溶剤性を付与する必要があるが、このためには反応性
に富んだ水酸基含有ビニルエーテルを共重合しイソシア
ネートによる架橋が容易に起こる樹脂とすることが好ま
しい。
【0000】弾性層の組成物は前記の有極性ゴム100
重量部に対し前記エチレングリコール1〜20重量部と
添加することにより得られる。エチレングリコール類の
分子量が低い時は1〜10重量部が好ましく同分子量が
高いときは10〜20重量部が好ましい。これはエチレ
ングリコール類の添加量が1.0重量部未満では目的と
する電気抵抗を得ることが困難なためである。また20
重量部を超えるとエチレングリコール類のブリード現象
の発生によって電子写真感光体表面の汚染などによる異
常画像発生の原因となるためである。
【0000】以上の帯電用ローラと帯電均一性をAC重
畳に任せる従来の帯電用ローラ(特開昭64−7336
4号公報、同64−73367号公報)とでは自づとそ
の電気特性(R、C)およびローラ層構成が大きく相違
している。すなわち、AC重畳型は導電性弾性層(カー
ボンブラックなどの導電性粒子を分散させたゴム層)と
表面抵抗層よりなり、表面抵抗層がコンデンサーとして
機能するため、静電容量が大きくAC重畳による帯電均
一化効果が大である。これに対し本発明のDC型はロー
ラ層が抵抗体としてはたらく(静電容量が小さい)ため
AC重畳しても帯電均一性にはあまり寄与しない。
【0000】以下、より詳細に実施例を説明する。 〔実施例1〜6、比較例1〜3〕まず、表1を用いて、
実施例1〜6及び比較例1〜3について説明する。この
表1は、弾性ローラの弾性層を構成する材料の配合物の
種類及び配合量(単位は重量部)、後述する測定方法に
よる弾性ローラの体積抵抗値、表面層を形成して完成さ
せた帯電用ローラについて後述する画像試験の結果など
を示している(表2〜表5においても同様)。 (以下、余白)
【表1】
【0000】表1に示す各実施例においては、まず、エ
ピクロルヒドリン系ゴムとエチレングリコール類の配合
物を80℃、8インチの二本ロールで約15分間混練し
た後、φ8のステンレス性芯金201上に、160℃×
15分間の条件で加熱成形し、外径φ14、表面粗さ3
〜7μmRzの弾性ローラを作成した。ここで、エピク
ロルヒドリン系ゴムとして実施例1〜3,比較例1〜3
では〔商品名:エピクロマCG、ダイソー社製〕を、実
施例4〜6では〔商品名:エピクロマC、ダイソー社
製〕をそれぞれ用いている。一方比較例においては、配
合物に以外は実施例と同様にして弾性ローラを作成し
た。なお、いずれの実施例及び比較例においても、表1
中の「その他」の配合物として、炭酸カルシウムとして
の〔ホワイトンSO(白石カルシウム社製)〕30重量
部、加硫促進剤としての〔ノクセラTT(大内新興化学
社製)〕1.0重量部、〔ノクセラDM(大内新興化学
社製)〕1.5重量部、及び、〔サルファックスPMC
(鶴見化学社製)〕0.25重量部を配合した。
【0000】次に、この弾性ローラ上に表面層を次の方
法で形成した。すなわち、まず表面層用材料として、三
元共重合体のエピクロルヒドリンゴム〔商品名:エピク
ロマCG、ダイソー社製〕100gを8インチの二本ロ
ーラで約15分間混練した後、このエピクロルヒドリン
ゴム2.5重量部を有機溶媒(トルエン/4−メチル−
2−ペンタノン)=1の97.5重量部に溶解してエピ
クロルヒドリンゴム溶液を作った。次いで溶剤可溶性フ
ッ素樹脂として〔商品名:ルミフロンLF60/C主
剤、旭硝子社製〕22.0重量部、イソシアネート系硬
化剤〔商品名:コロネートHX、日本ポリウレタン工業
社製〕2.0重量部を有機溶媒(トルエン/キシレン)
=1の76.0重量部に溶解してフッ素樹脂溶液を作っ
た。そして、上記エピクロルヒドリンゴム溶液100重
量部と上記フッ素系樹脂溶液50重量部とを混合して表
面層用塗料を作った。この塗料を上記の各弾性ローラ上
にディッピング法でコーティングした後100℃、30
分間乾燥して20μmの厚さの表面層を形成した。この
表面層の体積抵抗は3×107Ω・cmであった。
【0000】ここで、弾性ローラの体積抵抗の測定は、
試料のローラを20℃、60%R.Hの環境中に16時
間放電した後、ケースレ社製エレクトロメータ610C
を使用して行った。測定電極は10mm幅の銅箔テープ
〔3M社製No.1245〕をローラの円周に巻きつけ
て構成した。また、表面層のみの体積抵抗の測定は、薄
いアルミ板(厚さ0.2mm)上に表面層用塗料を厚さ約
20μmに塗布したシート状の試料を20℃、60%
R.H環境中に16時間放置した後、抵抗測定セル〔Y
HP社製16008A〕を用いてケースレ社製エレクト
ロメータ610Cで行なった。
【0000】図1(c)は、帯電用ローラの画像評価に
使用した画像形成装置の一部を示す。感光体ドラム10
1は観光層厚30μmのOPC(OPCドラム線速:1
00mm/sec)、電源103はDC電源、クエンチン
グランプ104はLED、クリーナ105はOPCドラ
ム上の残トナーを除去するためのブレードクリーニング
ユニットである。この装置を用い、表中に示す3環境で
各帯電用ローラの画像評価を行なった。その結果を表中
に「画像欠陥」の有無などとして示した。
【0000】実施例1〜6、比較例1〜3の結果からエ
ピクロルヒドリン系ゴムにエチレングリコール類を配合
することにより、導電性が改善され、帯電の均一性およ
び低温低湿下での画像の安定性が向上されていることが
分かる。また比較例2、3に示されるようにポリエチレ
ングリコールのn数が35では、多量に添加しないと導
電効果が得られなくなる。その反面ブリード現象が発生
してOPC表面を汚染したために横スジが発生するよう
になる。
【0000】〔実施例7〜9、比較例4〜6〕次に、表
2を用いて、実施例7〜9、比較例4〜6について説明
する。 (以下、余白)
【表2】
【0000】表2に示す各実施例においては、まず、ニ
トリル系ゴム〔商品名:NBR:N215SL、日本合
成ゴム社製〕とエチレングリコール類の配合物を60
℃、8インチの二本ローラで約15分間混練し、φ8の
ステンレス製芯金201上に170℃×15分間の条件
で加熱成形し、外径φ14、表面粗さ3〜7μmRzの
弾性ローラを作成した。一方比較例においては、配合物
に以外は実施例と同様にして弾性ローラを作成した。な
お、いずれの実施例及び比較例においても、表2中の
「その他」の配合物として、亜鉛華1号5重量部、ステ
アリン酸1.5重量部、及び、硫黄1.0重量部を配合
した。
【0000】次に、この弾性ローラ上に表面層を次の方
法で形成した。すなわち、まず表面層用材料として、活
性塩素系のアクリルゴム〔商品名:PA401、NOK
社製〕100gを8インチの二本ローラで約15分間混
練した後、このアクリルゴム2.5重量部を有機溶媒ト
ルエン60重量部、キシレン37.5重量部に溶解して
アクリルゴム溶液を作った。次いで上記のアクリルゴム
溶液100重量部と前記のフッ素系樹脂溶液25重量部
とを混合して表面層用塗料を作った。そして、この塗料
を上記の各弾性ローラ上にディッビング法でコーティン
グした後100℃、30分間乾燥して、20μmの厚さ
の表面層を形成した。この表面層の体積抵抗は6×10
8Ω・cmであった。
【0000】これら実施例7〜9、比較例4〜6の結果
からニトリル系ゴムにエチレングリコール類を配合する
ことにより導電性が改善され、帯電の均一性および低温
低湿下での画像の安定性が向上されていることが分か
る。
【0000】〔実施例10〜12、比較例7〜9〕次
に、表3を用いて、実施例10〜12、比較例7〜9に
ついて説明する。 (以下、余白)
【表3】
【0000】表3に示す各実施例においては、まず、ウ
レタンゴム〔商品名:ミセランE−34、TSE社製〕
とエチレングリコール類の配合物を50℃、8インチの
二本ローラで約15分間混練し、φ8のステンレス製芯
金201上に150℃×10分間の条件で加熱成形し、
外径φ14、表面粗さ4〜7μmRzの弾性ローラを作
った。一方比較例においては、配合物について以外は実
施例と同様にして弾性ローラを作った。なお、いずれの
実施例及び比較例においても、表3中の「その他」の配
合物として、ステアリン酸亜鉛0.5重量部及びジクミ
ルパーオキサイド5重量部を配合した。次にこの弾性ロ
ーラ上への表面層の形成は、前記の実施例1と同様の塗
料と方法で形成した。実施例10〜12、比較例7〜9
の結果よりウレタン系ゴムにエチレングリコール類を配
合することにより導電性が改善され、帯電の均一性およ
び各環境での画像の安定性が向上されていることが分か
る。
【0000】〔実施例13〜15、比較例10〜12〕
次に、表4を用いて、実施例13〜15、比較例10〜
12について説明する。 (以下、余白)
【表4】
【0000】表4に示す各実施例においては、まず、ク
ロロプレンゴム〔商品名:ネオプレンGS、昭和電工社
製〕とエチレングリコール類の配合物を用いて上記実施
例10と同様にして弾性ローラを作った。一方比較例に
おいては、配合物について以外は実施例と同様にして弾
性ローラを作った。なお、いずれの実施例及び比較例に
おいても、表4中の「その他」の配合物として、マグネ
シア4.0重量部、ステアリン酸0.5重量部、及び亜
鉛華10重量部を配合した。次に弾性ローラ上への表面
層の形成は、前記の実施例1と同様の塗料と方法で形成
した。実施例13〜15、比較例10〜12の結果より
クロロプレンゴムにエチレングリコール類を配合するこ
とにより導電性が改善され、帯電の均一性および各環境
での画像の安定性が向上されていることが分かる。また
表5に比較例としてゴムポリマの導電性の調整をカーボ
ンブラックを分散せて行ったときの結果を示す。いずれ
の場合も、弾性ローラの中抵抗領域での抵抗バラツキ幅
が大きく、その結果何れの比較例でも帯電ムラが発生し
ている。なお表5中、「SH831U」は東レ・ダウコ
ーニング・シリコーン社製のシリコーンゴム、「EP−
24」は日本合成ゴム社製のエチレンプロピレンゴム、
「ケッチェンブラック」はライオン・アクゾ社製のカー
ボンブラックである。この表5の各比較例においても、
表面層の塗料及び層形成方法は、実施例1と同様であ
る。 (以下、余白)
【表5】
【0000】以上の実施例は、感光体ドラム一様帯電用
に帯電装置に本発明を適用したものであるが、例えば感
光体ドラムの除電用の帯電装置にも適用できる。また、
以上の実施例では、帯電対象物である感光体ドラムが剛
体であるため、芯金上の所定抵抗の層を弾性材料で構成
したが、帯電対象物が例えばベルトとように、帯電用ロ
ーラが剛体であっても所定の接触幅を確保できるもので
ある場合には、弾性材料を用いる必要ない。なお、この
場合にも例えば感光体層のピンホールに集中的に電流が
流れることによる帯電不良を防止するために、芯金上に
所定の電気抵抗層を設ける必要があり、本発明が有効で
ある。
【0023】
【発明の効果】請求項1の発明によれば、所定の電気抵
抗を有する抵抗層に非分散系中抵抗材料を用いるのでD
C印加での帯電の均一性、環境安定性を向上させること
ができる。
【0000】また、請求項2の発明によれば、上記抵抗
層の中抵抗化において、n=30以下のポリエチレング
リコール類を用いるので、比較的少量の添加での導電化
効果とローラ表面へのブリード現象を抑えることができ
る。
【0000】また、請求項3の発明によれば、有極性ゴ
ムは、このポリマ自体が比較的低抵抗であるため少量の
抵抗調整剤の添加で、弾性層を中抵抗領域に制御するこ
とが容易である。
【0000】また、請求項4の発明によれば、中抵抗で
非粘着性被膜形成が可能となって、帯電用部材の寿命を
大幅に向上させることができるようになった。
【0000】また、請求項5の発明によれば、溶剤可溶
性フッ素樹脂が比較的低温度(室温〜100℃)で被膜
形成が可能なので弾性ゴム上への非粘着層(表面層)の
形成が可能となった。
【0000】また、請求項6の発明によれば、DC印加
のみで均一帯電が可能となりオゾンの発生量がDC+A
Cと比較して大幅(1/30〜1/40)に低減が可能
となりさらに電源コストも大幅に下げることができるよ
うになった。
【図面の簡単な説明】
【図1】(a)実施例に係る帯電装置の概略構成図。 (b)実施例に係る帯電装置用の帯電用ローラの概略構
成図。 (c)帯電用ローラ評価用装置の説明図。
【符号の説明】
100 帯電用ローラ 101 感光体ドラム 102 芯金 103 電源 201 芯金 202 弾性層 203 表面層
─────────────────────────────────────────────────────
【手続補正書】
【提出日】平成5年5月19日
【手続補正1】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】発明の詳細な説明
【補正方法】変更
【補正内容】
【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、複写機、ファクシミ
リ、プリンター等の画像形成装置等に採用される帯電用
部材及びこれを用いた帯電装置に係り、詳しくは、帯電
用部材を帯電対象物に接触させて均一な帯電を行うため
の改良に関するものである。
【0002】
【従来の技術】従来、帯電用部材を帯電対象物に接触さ
せて帯電を行うものとしては、種々のものが知られてい
る。例えば、特開昭56−132356号公報には、ロ
ーラ状に形成した帯電用部材への電圧印加を定電流型電
源を用いて行うことが開示されている。また特開昭63
−149668号公報には、帯電を均一にするために、
帯電用ローラに印加する電圧として、帯電開始電圧(V
th)の2倍以上のピーク間電圧をもつ交流電圧を印加
することが開示されている。また特開平3−15647
6号公報には、帯電用ローラへの電圧印加を交流電圧に
直流電圧を重畳した電圧を用い、かつ交流定電流制御を
行なうことが開示されている。なお、帯電用部材ではな
いが、特開昭63−189976号公報には、ウレタン
ゴム現像ロールの抵抗を中抵抗にするためにウレタンゴ
ムにアルカリ金属塩を添加して低抵抗化した現像ローラ
が開示されている。
0003
【発明が解決しようとする課題】従来、電子写真方式の
画像形成装置において、感光体表面を一様に全面帯電す
るための帯電手段としては、コロナ放電器が広く利用さ
れている。このコロナ放電器にあっては、感光体をある
一定の電位に均一に帯電する手段としては有効である
が、反面コロナ放電による帯電処理にあっては、高圧電
源を必要とし、放電に伴いオゾンが発生する。オゾンが
大量に発生すると環境に悪影響を及ぼすばかりでなく、
オゾンによって帯電用部材、感光体などが劣化するとい
う問題も発生した。
0004】そこで、前記のように、上記コロナ放電器
に代えて、例えば図1(a)に示すような帯電用ローラ
100を感光体ドラム101に接触、従動回転させて、
帯電用ローラ100の芯金102に電源103から電圧
を印加して感光体ドラム101表面を帯電させる帯電用
ローラ100が提案され、また実用化されている。これ
によれば、この帯電手段としての帯電用ローラ100の
電源103の低電圧化をはかることができ、帯電処理に
起因するオゾンの発生量が少ないという利点を有してい
る。
0005】ところが、帯電の均一性に関しては、コロ
ナ放電器による帯電処理と比較してかなり劣るのが現状
である。上記特開昭63−149668号公報の「接触
帯電方法」は、この帯電の均一性を改善するためのもの
であるが直流電圧印加時の帯電開始電圧(Vth)の2
倍以上のピーク間電圧をもつ交流電圧を印加するため、
DC電源とは別にAC電源が必要となり、装置自体のコ
ストアップを招き、さらに感光体の帯電位にはほとんど
寄与しない無駄なAC電流を多量に消費することにとも
ない電源コストが上昇するばかりでなく、多量のオゾン
が発生し、その結果、帯電用部材、感光体の劣化を招く
恐れがある。
0006】本発明は以上の問題点に鑑みなされたもの
であり、その目的とするところは、従来に比してより均
一な帯電を可能にする帯電用部材及びこれを用いた帯電
装置を提供することである。
0007
【課題を解決するための手段】上記の目的を達成するた
めに、請求項1の発明は、導電性支持体上に所定の電気
抵抗を有する抵抗層を備え、かつ該所定電気抵抗層上に
表面層を備えた帯電用部材において、該抵抗層が、ベー
ス材料にエチレングリコール類が含有された材料により
形成されていることを特徴とするものである。帯電用部
材。
0008】請求項2の発明は、請求項1の帯電用部材
において、上記エチレングリコール類が式 (但し、式中Rは水素又はメチル基であり、かつnは3
0以下の整数である。)で表されることを特徴とするも
のである。
0009】請求項3の発明は、請求項1の帯電用部材
において、上記ベース材料が有極性ゴムであることを特
徴とするものである。
0010】請求項4の発明は、請求項1の帯電用部材
において、上記表面層が、少なくとも有極性ゴムと溶剤
可溶性フッ素樹脂とからなる高分子化合物により形成さ
れていることを特徴とするものである。
0011】請求項5の発明は、請求項4の帯電用部材
において、上記溶剤可溶性フッ素樹脂はフルオロオレフ
ィンと水酸基含有ビニルエーテルを構成成分とした含フ
ッ素共重合体をイソシアネートで架橋して得られる含フ
ッ素架橋共重合体であることを特徴とするものである。
0012】請求項6の発明は、帯電用部材を像担持体
に接触させた状態で該帯電用部材に電圧を印加する帯電
装置において、該帯電用部材として請求項1の帯電用部
材を用い、かつ、上記導電性支持体に印加する電圧とし
て直流電圧を用いたことを特徴とするものである。
0013
【作用】本発明者は、従来の帯電用ローラ(一般には導
電性弾性層表面に樹脂のオーバーコート層を有する)が
DC電圧の印加のみでは、なぜ帯電ムラが発生してしま
うのかを検討した結果、導電性弾性層が合成ゴムとカー
ボンブラックの分散系であることに起因していることを
見い出した。この事実は、従来の帯電用ローラの導電性
弾性層(合成ゴムとカーボンブラックとの分散系)をカ
ーボンブラックなどの導電性粒子を含まない有極性ゴム
にエチレングリコール類を含有させたゴム材料に置き換
えた帯電用ローラを用いて実験した結果判明したのであ
る。
0014】ここで、有極性ゴム(または極性ゴム)は
ポリマ中に極性基を有するゴムを云いたとえばエピクロ
ルヒドリンゴム、ニトリルゴム、ウレタンゴム、クロロ
プレンゴム、アクリルゴムは−Cl、−CN、−NH、
−COOの極性基を有している。これに対し天然ゴム、
スチレン−ブタジエンゴム、ブチルゴムなどの極性基を
含まないゴムを非極性ゴムという。
0015】すなわち、従来の帯電用ローラの帯電ムラ
は、カーボンブラック/合成ゴムの分散不良による導電
性弾性層の電気的不均一性によるものであり、エチレン
グリコール類を含有した有極性ゴムの使用により帯電ム
ラを解消し、さらに低温低湿下でもローラ層の体積抵抗
の上昇変動が少なく安定した帯電電位が得られる。これ
は、エチレングリコール類もカーボンブラックと同様
に、有極性ゴムなどのベース材料中で化学反応すること
なく、厳密にはベース材料中に分散された形で存在する
が、その1つ1つの分散単位がカーボンブラックに比し
て格段に小さくことによる。従って、ベース材料として
は上記有極性ゴムに限られず、無極性ゴムなどであって
も、同様に帯電ムラなどを解消できる。但し、ベース材
料として無極性ゴムなどを用いる場合には、所望の層抵
抗にするため、比較的多量のエチレングリコール類を含
有させることになるので、エチレングリコール類のブリ
ード現象の発生によって帯電対象物表面の汚染などに対
する対策が必要になる。
0016
【実施例】本発明を画像形成装置における像担持体とし
ての感光体ドラムを一様帯電するための帯電装置に適用
した実施例について説明する。図1(b)は、DC電圧
印加のみで、即ちAC電圧を重畳(DC+AC)しなく
とも、均一帯電を可能するための帯電用ローラの概略構
成を示すものである。同図において、芯金201上に厚
さ1〜5mmの有極性ゴム(エピクロルヒドリンゴム、ニ
トリルゴム、ウレタンゴム、クロロプレンゴム、アクリ
ルゴムなど)にエチレングリコール類を含有した弾性層
202が形成され、更にその上に厚さ5〜50μmの非
粘着性樹脂からなる表面層203が形成されている。こ
の表面層203は帯電用ローラ表面へのトナー、紙粉な
どの付着を防止して長期間にわたって帯電の均一性を維
持させるために形成されていて、少なくとも溶剤可溶性
フッ素樹脂と有極性ゴムとからなる中抵抗の非粘着性物
質から構成されている。
0017】ここで、弾性層202はカーボンブラック
などの導電性粒子の分散によらないで、電気抵抗が10
6〜88Ω・cmであるエチレングリコール類を含有した有
極性ゴムであるため耐電圧性に優れ、また弾性層全体が
電気的に均一である。このエチレングリコール類は、式 で示されるエチレングリコール類である。例えば、エチ
レングリコール、ジエチレングリコール、トリエチレン
グリコール、ポリエチレングリコール#200(n=
5)、ポリエチレングリコール#300(n=7)、ポ
リエチレングリコール#600(n=15)、ポリエチ
レングリコール#1000(n=25)、ポリエチレン
グリコール#1540(n=35)などのグリコール類
とそれぞれのモノメチルエーテルをあげることができ
る。
0018】また、表面層に使用される溶剤可溶性フッ
素樹脂は、フルオロオレフィンと炭化水素ビニルエーテ
ルとの共重合反応によって得られる非晶質ポリマであ
る。この樹脂のフッ素含有率は25〜32wt%と比較
的低いがフルオロオレフィンと炭化水素ビニルエーテル
が交互に配列した鎖構造をもつ交互重合体であり化学的
に安定であり耐久性に優れている。また、このポリマは
有機溶剤に可溶であるので塗装後ポリマを架橋し塗膜に
耐溶剤性を付与する必要があるが、このためには反応性
に富んだ水酸基含有ビニルエーテルを共重合しイソシア
ネートによる架橋が容易に起こる樹脂とすることが好ま
しい。
0019】弾性層の組成物は前記の有極性ゴム100
重量部に対し前記エチレングリコール1〜20重量部と
添加することにより得られる。エチレングリコール類の
分子量が低い時は1〜10重量部が好ましく同分子量が
高いときは10〜20重量部が好ましい。これはエチレ
ングリコール類の添加量が1.0重量部未満では目的と
する電気抵抗を得ることが困難なためである。また20
重量部を超えるとエチレングリコール類のブリード現象
の発生によって電子写真感光体表面の汚染などによる異
常画像発生の原因となるためである。
0020】以上の帯電用ローラと帯電均一性をAC重
畳に任せる従来の帯電用ローラ(特開昭64−7336
4号公報、同64−73367号公報)とでは自づとそ
の電気特性(R、C)およびローラ層構成が大きく相違
している。すなわち、AC重畳型は導電性弾性層(カー
ボンブラックなどの導電性粒子を分散させたゴム層)と
表面抵抗層よりなり、表面抵抗層がコンデンサーとして
機能するため、静電容量が大きくAC重畳による帯電均
一化効果が大である。これに対し本発明のDC型はロー
ラ層が抵抗体としてはたらく(静電容量が小さい)ため
AC重畳しても帯電均一性にはあまり寄与しない。
0021】以下、より詳細に実施例を説明する。 〔実施例1〜6、比較例1〜3〕まず、表1を用いて、
実施例1〜6及び比較例1〜3について説明する。この
表1は、弾性ローラの弾性層を構成する材料の配合物の
種類及び配合量(単位は重量部)、後述する測定方法に
よる弾性ローラの体積抵抗値、表面層を形成して完成さ
せた帯電用ローラについて後述する画像試験の結果など
を示している(表2〜表5においても同様)。 (以下、余白)
【表1】
0022】表1に示す各実施例においては、まず、エ
ピクロルヒドリン系ゴムとエチレングリコール類の配合
物を80℃、8インチの二本ロールで約15分間混練し
た後、φ8のステンレス性芯金201上に、160℃×
15分間の条件で加熱成形し、外径φ14、表面粗さ3
〜7μmRzの弾性ローラを作成した。ここで、エピク
ロルヒドリン系ゴムとして実施例1〜3,比較例1〜3
では〔商品名:エピクロマCG、ダイソー社製〕を、実
施例4〜6では〔商品名:エピクロマC、ダイソー社
製〕をそれぞれ用いている。一方比較例においては、配
合物に以外は実施例と同様にして弾性ローラを作成し
た。なお、いずれの実施例及び比較例においても、表1
中の「その他」の配合物として、炭酸カルシウムとして
の〔ホワイトンSO(白石カルシウム社製)〕30重量
部、加硫促進剤としての〔ノクセラTT(大内新興化学
社製)〕1.0重量部、〔ノクセラDM(大内新興化学
社製)〕1.5重量部、及び、〔サルファックスPMC
(鶴見化学社製)〕0.25重量部を配合した。
0023】次に、この弾性ローラ上に表面層を次の方
法で形成した。すなわち、まず表面層用材料として、三
元共重合体のエピクロルヒドリンゴム〔商品名:エピク
ロマCG、ダイソー社製〕100gを8インチの二本ロ
ーラで約15分間混練した後、このエピクロルヒドリン
ゴム2.5重量部を有機溶媒(トルエン/4−メチル−
2−ペンタノン)=1の97.5重量部に溶解してエピ
クロルヒドリンゴム溶液を作った。次いで溶剤可溶性フ
ッ素樹脂として〔商品名:ルミフロンLF60/C主
剤、旭硝子社製〕22.0重量部、イソシアネート系硬
化剤〔商品名:コロネートHX、日本ポリウレタン工業
社製〕2.0重量部を有機溶媒(トルエン/キシレン)
=1の76.0重量部に溶解してフッ素樹脂溶液を作っ
た。そして、上記エピクロルヒドリンゴム溶液100重
量部と上記フッ素系樹脂溶液50重量部とを混合して表
面層用塗料を作った。この塗料を上記の各弾性ローラ上
にディッピング法でコーティングした後100℃、30
分間乾燥して20μmの厚さの表面層を形成した。この
表面層の体積抵抗は3×107Ω・cmであった。
0024】ここで、弾性ローラの体積抵抗の測定は、
試料のローラを20℃、60%R.Hの環境中に16時
間放電した後、ケースレ社製エレクトロメータ610C
を使用して行った。測定電極は10mm幅の銅箔テープ
〔3M社製No.1245〕をローラの円周に巻きつけ
て構成した。また、表面層のみの体積抵抗の測定は、薄
いアルミ板(厚さ0.2mm)上に表面層用塗料を厚さ約
20μmに塗布したシート状の試料を20℃、60%
R.H環境中に16時間放置した後、抵抗測定セル〔Y
HP社製16008A〕を用いてケースレ社製エレクト
ロメータ610Cで行なった。
0025】図1(c)は、帯電用ローラの画像評価に
使用した画像形成装置の一部を示す。感光体ドラム10
1は観光層厚30μmのOPC(OPCドラム線速:1
00mm/sec)、電源103はDC電源、クエンチン
グランプ104はLED、クリーナ105はOPCドラ
ム上の残トナーを除去するためのブレードクリーニング
ユニットである。この装置を用い、表中に示す3環境で
各帯電用ローラの画像評価を行なった。その結果を表中
に「画像欠陥」の有無などとして示した。
0026】実施例1〜6、比較例1〜3の結果からエ
ピクロルヒドリン系ゴムにエチレングリコール類を配合
することにより、導電性が改善され、帯電の均一性およ
び低温低湿下での画像の安定性が向上されていることが
分かる。また比較例2、3に示されるようにポリエチレ
ングリコールのn数が35では、多量に添加しないと導
電効果が得られなくなる。その反面ブリード現象が発生
してOPC表面を汚染したために横スジが発生するよう
になる。
0027】〔実施例7〜9、比較例4〜6〕次に、表
2を用いて、実施例7〜9、比較例4〜6について説明
する。 (以下、余白)
【表2】
0028】表2に示す各実施例においては、まず、ニ
トリル系ゴム〔商品名:NBR:N215SL、日本合
成ゴム社製〕とエチレングリコール類の配合物を60
℃、8インチの二本ローラで約15分間混練し、φ8の
ステンレス製芯金201上に170℃×15分間の条件
で加熱成形し、外径φ14、表面粗さ3〜7μmRzの
弾性ローラを作成した。一方比較例においては、配合物
に以外は実施例と同様にして弾性ローラを作成した。な
お、いずれの実施例及び比較例においても、表2中の
「その他」の配合物として、亜鉛華1号5重量部、ステ
アリン酸1.5重量部、及び、硫黄1.0重量部を配合
した。
0029】次に、この弾性ローラ上に表面層を次の方
法で形成した。すなわち、まず表面層用材料として、活
性塩素系のアクリルゴム〔商品名:PA401、NOK
社製〕100gを8インチの二本ローラで約15分間混
練した後、このアクリルゴム2.5重量部を有機溶媒ト
ルエン60重量部、キシレン37.5重量部に溶解して
アクリルゴム溶液を作った。次いで上記のアクリルゴム
溶液100重量部と前記のフッ素系樹脂溶液25重量部
とを混合して表面層用塗料を作った。そして、この塗料
を上記の各弾性ローラ上にディッビング法でコーティン
グした後100℃、30分間乾燥して、20μmの厚さ
の表面層を形成した。この表面層の体積抵抗は6×10
8Ω・cmであった。
0030】これら実施例7〜9、比較例4〜6の結果
からニトリル系ゴムにエチレングリコール類を配合する
ことにより導電性が改善され、帯電の均一性および低温
低湿下での画像の安定性が向上されていることが分か
る。
0031】〔実施例10〜12、比較例7〜9〕次
に、表3を用いて、実施例10〜12、比較例7〜9に
ついて説明する。 (以下、余白)
【表3】
0032】表3に示す各実施例においては、まず、ウ
レタンゴム〔商品名:ミセランE−34、TSE社製〕
とエチレングリコール類の配合物を50℃、8インチの
二本ローラで約15分間混練し、φ8のステンレス製芯
金201上に150℃×10分間の条件で加熱成形し、
外径φ14、表面粗さ4〜7μmRzの弾性ローラを作
った。一方比較例においては、配合物について以外は実
施例と同様にして弾性ローラを作った。なお、いずれの
実施例及び比較例においても、表3中の「その他」の配
合物として、ステアリン酸亜鉛0.5重量部及びジクミ
ルパーオキサイド5重量部を配合した。次にこの弾性ロ
ーラ上への表面層の形成は、前記の実施例1と同様の塗
料と方法で形成した。実施例10〜12、比較例7〜9
の結果よりウレタン系ゴムにエチレングリコール類を配
合することにより導電性が改善され、帯電の均一性およ
び各環境での画像の安定性が向上されていることが分か
る。
0033】〔実施例13〜15、比較例10〜12〕
次に、表4を用いて、実施例13〜15、比較例10〜
12について説明する。 (以下、余白)
【表4】
0034】表4に示す各実施例においては、まず、ク
ロロプレンゴム〔商品名:ネオプレンGS、昭和電工社
製〕とエチレングリコール類の配合物を用いて上記実施
例10と同様にして弾性ローラを作った。一方比較例に
おいては、配合物について以外は実施例と同様にして弾
性ローラを作った。なお、いずれの実施例及び比較例に
おいても、表4中の「その他」の配合物として、マグネ
シア4.0重量部、ステアリン酸0.5重量部、及び亜
鉛華10重量部を配合した。次に弾性ローラ上への表面
層の形成は、前記の実施例1と同様の塗料と方法で形成
した。実施例13〜15、比較例10〜12の結果より
クロロプレンゴムにエチレングリコール類を配合するこ
とにより導電性が改善され、帯電の均一性および各環境
での画像の安定性が向上されていることが分かる。また
表5に比較例としてゴムポリマの導電性の調整をカーボ
ンブラックを分散せて行ったときの結果を示す。いずれ
の場合も、弾性ローラの中抵抗領域での抵抗バラツキ幅
が大きく、その結果何れの比較例でも帯電ムラが発生し
ている。なお表5中、「SH831U」は東レ・ダウコ
ーニング・シリコーン社製のシリコーンゴム、「EP−
24」は日本合成ゴム社製のエチレンプロピレンゴム、
「ケッチェンブラック」はライオン・アクゾ社製のカー
ボンブラックである。この表5の各比較例においても、
表面層の塗料及び層形成方法は、実施例1と同様であ
る。 (以下、余白)
【表5】
0035】以上の実施例は、感光体ドラム一様帯電用
に帯電装置に本発明を適用したものであるが、例えば感
光体ドラムの除電用の帯電装置にも適用できる。また、
以上の実施例では、帯電対象物である感光体ドラムが剛
体であるため、芯金上の所定抵抗の層を弾性材料で構成
したが、帯電対象物が例えばベルトとように、帯電用ロ
ーラが剛体であっても所定の接触幅を確保できるもので
ある場合には、弾性材料を用いる必要ない。なお、この
場合にも例えば感光体層のピンホールに集中的に電流が
流れることによる帯電不良を防止するために、芯金上に
所定の電気抵抗層を設ける必要があり、本発明が有効で
ある。
0036
【発明の効果】請求項1の発明によれば、所定の電気抵
抗を有する抵抗層に非分散系中抵抗材料を用いるのでD
C印加での帯電の均一性、環境安定性を向上させること
ができる。
0037】また、請求項2の発明によれば、上記抵抗
層の中抵抗化において、n=30以下のポリエチレング
リコール類を用いるので、比較的少量の添加での導電化
効果とローラ表面へのブリード現象を抑えることができ
る。
0038】また、請求項3の発明によれば、有極性ゴ
ムは、このポリマ自体が比較的低抵抗であるため少量の
抵抗調整剤の添加で、弾性層を中抵抗領域に制御するこ
とが容易である。
0039】また、請求項4の発明によれば、中抵抗で
非粘着性被膜形成が可能となって、帯電用部材の寿命を
大幅に向上させることができるようになった。
0040】また、請求項5の発明によれば、溶剤可溶
性フッ素樹脂が比較的低温度(室温〜100℃)で被膜
形成が可能なので弾性ゴム上への非粘着層(表面層)の
形成が可能となった。
0041】また、請求項6の発明によれば、DC印加
のみで均一帯電が可能となりオゾンの発生量がDC+A
Cと比較して大幅(1/30〜1/40)に低減が可能
となりさらに電源コストも大幅に下げることができるよ
うになった。

Claims (6)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】導電性支持体上に所定の電気抵抗を有する
    抵抗層を備え、かつ該所定電気抵抗層上に表面層を備え
    た帯電用部材において、該抵抗層が、ベース材料にエチ
    レングリコール類が含有された材料により形成されてい
    ることを特徴とする帯電用部材。
  2. 【請求項2】上記エチレングリコール類が式 (但し、式中Rは水素又はメチル基であり、かつnは3
    0以下の整数である。)で表されることを特徴とする請
    求項1の帯電用部材。
  3. 【請求項3】上記ベース材料が有極性ゴムであることを
    特徴とする請求項1の帯電用部材。
  4. 【請求項4】上記表面層が、少なくとも有極性ゴムと溶
    剤可溶性フッ素樹脂とからなる高分子化合物により形成
    されていることを特徴とする請求項1の帯電用部材。
  5. 【請求項5】上記溶剤可溶性フッ素樹脂はフルオロオレ
    フィンと水酸基含有ビニルエーテルを構成成分とした含
    フッ素共重合体をイソシアネートで架橋して得られる含
    フッ素架橋共重合体であることを特徴とする請求項4の
    帯電用部材。
  6. 【請求項6】請求項1の帯電用部材を像担持体に接触さ
    せた状態で上記導電性支持体に印加する電圧として直流
    電圧を用いたことを特徴とする帯電装置。
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