JPWO2002046308A1 - 半導電性樹脂組成物および半導電性部材 - Google Patents
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Abstract
本発明の半導電性樹脂組成物は、(A)分子中に1個以上のヒドロシリル化反応可能なアルケニル基を有するオキシアルキレン系重合体、(B)分子中に2個以上のヒドロシリル基を有する化合物、(C)ヒドロシリル化触媒、および(D)イオン性導電性付与剤または(E)非イオン界面活性剤からなる。また、環境、印加電圧による抵抗変動が極めて小さく、かつ連続使用による抵抗変化が少なく、電子写真用部材として好適に用いられる半導電性部材を提供する。本発明の半導電性部材は、金属支持部材、該支持部材外周面上に形成された半導電性弾性層、さらにその外周面上に形成された1層以上の表面層からなる半導電性部材であって、該部材が特定の抵抗、抵抗比を有するものである。
Description
技術分野
本発明は、半電導性組成物、およびそれから得られる半導電性ゴム製品に関する。さらに詳しくは、たとえば、電子写真方式を採用した画像記録装置に組込まれるローラなどに用いられる半導電性組成物、半導電性ゴム製品およびその半導電性組成物を金属性支持部材のまわりに形成してなる半導電性部材に関する。
また、本発明は、主として複写機、プリンタまたはファクシミリの受信装置など電子写真方式を採用した装置に用いられる半導電性部材に関する。詳細には、一成分静電現像方式を用いた電子写真装置の現像装置に好適に用いられる現像部材、電子写真方式を採用した装置の中間転写装置に好適に用いられる中間転写部材、転写部材、画像記録装置に組み込まれるローラ、電子写真用帯電部材、ドラムなどに関する。
背景技術
樹脂マトリクスに導電性付与剤を添加して半導電性ゴムを得るという手法は極めて一般的であるが、107〜1011Ωcm程度の体積抵抗率を有する半導電性領域にコントロールするのは困難であり、また、カーボンブラックなどの電子伝導性導電性付与剤による導電性付与技術では、系内での均一分散が難しく、得られる半導電性ゴムの電気特性のサンプルバラツキや電圧依存性がしばしば問題となっていた。
このような問題を解決する手段として、非イオン性界面活性剤、好ましくはポリオキシエチレン化合物を導電性付与剤として用いてなる半導電性ローラが、半導電領域へのコントロールが容易で、かつ、電気特性のサンプルバラツキおよび電圧依存性が極めて小さいことを見出した。しかしながら、このようにして得られる半導電性ローラは、場合によっては、導電性付与成分として添加した非イオン性界面活性剤が、ブリードするというリスクを抱えていた。
また、近年、電子写真技術の進歩に伴い、乾式電子写真装置などの画像形成装置には、帯電用、現像用、転写用、トナー供給用などに供される部材として、半導電性弾性体を用いた部材が注目されており、帯電ローラ、現像ローラ、転写ローラ、トナー供給ローラなどの弾性を有するローラの形態で用いられている。弾性ローラによる帯電や転写などのプロセスでは、この高分子部材は、従来のコロトロン帯電器などと比較し、より低い電源電圧で必要な画像形成体帯電電位やトナー転写量が得られるなどの利点がある。
なかでも、前記半導電性弾性体を用いた部材を、一成分静電現像方式を用いた電子写真装置の現像部材として使用することが注目されており、現像ローラなどに用いられている。ここで一成分静電現像方式を用いた現像装置とは、帯電した現像剤を表面に薄層で担持した半導電性弾性部材を、感光体に接触または近接してして電圧印加することにより、現像剤を感光体表面に形成された潜像に静電的に吸着させ顕像化し現像を行なうものである。半導電性弾性層を用いた現像部材は、従来用いられている金属スリーブ上に導電性樹脂層を形成した導電ロールなどと比較すると、感光体とのあいだに安定した接触領域(以下、ニップ領域と称す)が形成できる、または感光体表面への損傷が少ないなどの利点がある。
また、前記半導電性弾性体を用いた部材を乾式電子写真装置の転写部材として使用することが注目されており、中間転写ドラムなどに用いられている。ここで中間転写部材とは感光体上に形成されたトナー像を、感光体上から部材上に転写、担持したのち、紙などの記録材上にトナー像を再転写する部材である。
従来、感光体上のトナー画像は、直接画像担持体上に転写していた。近年電子写真装置のカラー画像への対応が急激に進んでいるが、カラー画像を形成するためには、一般にシアン、マゼンタ、イエローおよびブラックの4色の画像を別々の感光装置で形成し、重ね合わせる必要がある。ところが、紙などの記録材上で4色の画像を重ね合わせた場合、記録材の寸法安定性が良くないため、色ずれをおこし画像品質が大きく低下してしまう。このため、一旦中間転写部材上で4色の画像を重ね合わせたのち記録材上に転写する、いわゆる中間転写方式が注目され、用いられるようになってきた。
また、前記半導電性弾性体を用いた部材を乾式電子写真装置の帯電部材として使用することが注目されており、帯電ローラなどに用いられている。ここで帯電部材とは半導電性弾性部材を感光体に直接接触して電圧印加することにより、感光体表面を帯電するものである。半導電性弾性体を用いた帯電部材は、従来用いられているコロントロン帯電器と比較して、感光体に対して低い電源電圧で必要な帯電量が与えられ、さらにオゾンの発生を抑えられるという利点がある。
前記電子写真方式が採用された画像記録装置には、中間転写体を用いたタイプがある。すなわち、帯電手段により均一に帯電させた静電潜像担持体上に画像書き込み手段により静電潜像を形成し、該静電潜像にトナー粒子を付着させてトナー画像を得る。前記トナー画像を中間転写体に第一の転写手段により一次転写する。さらに該中間転写体上に形成されたトナー画像を記録用紙などの記録材に第二の転写手段により二次転写し、その後、記録紙などの上のトナー画像を定着することによって記録画像を得るタイプのものである。このタイプの画像記録装置に用いる中間転写体は、たとえば円筒形状のものであり、円筒形状のスリーブの外周上に半導電性弾性層を形成したものが用いられる。この中間転写体には、トナー画像を静電潜像担持体から転写するため、低硬度でかつ高い外径精度が要求される。つまり、円筒形状を有した中間転写体は、一般には円筒形状を有した静電潜像担持体と互いに押圧して設置され、静電潜像担持体上に形成されたトナー画像は、静電潜像担持体と中間転写体の間に形成されたニップ領域を介して中間転写体上に転写される。このため、良好な転写画像の画質を得るためには、ニップ領域のプロセス方向の幅(以下、ニップ幅と称す)を一定以上の幅で一定に保つ必要があり、高画質の転写画像を形成するには、中間転写体としては、低硬度で、かつ高い外径精度が要求される。通常、このような高い外径精度を有する中間転写体は、半導電性弾性層を研磨加工することにより得られるが、研磨工程が追加されるためコストが高くなるという不具合がある。
さらに、半導電性弾性層の硬度を低くするために、通常は可塑剤などを添加するが、可塑剤が表面に滲みだし、感光体を汚染し、画像品質を低下させる、あるいは、抵抗均一性、抵抗の経時的安定性が劣るなどの問題がある。また、弾性層の硬度を低くすると研磨加工が困難となり、所定の外径精度を得るのが困難という問題も有する。硬度を低くするために弾性層として発泡体を用いる方法も提案されているが、加圧により永久圧縮歪みが残留し、外径が大きく変化するという課題を有している。このように、ゴムロールの外径精度の改善にかかわる種々の提案がなされているが、低硬度で外径精度が高く、かつ安価で実用的な中間転写体は得られていないのが実情である。
これらの目的に用いられる半導電性弾性体には、従来ゴム・ウレタンなどの高分子エラストマーや高分子フォーム材料が用いられていた。これらの半導電性弾性体に要求される特性としては、感光体とのあいだに安定した接触領域を形成できるゴム硬度を有すること、可塑剤などが滲出して感光体などを汚染することがないこと、かつ104〜109Ωという中抵抗領域で所定の抵抗値を安定して有することが求められる。
一般に、高分子エラストマーやフォームを用いて、前記中抵抗領域の部材を得るには、金属や金属酸化物の粉末、カーボンブラック、または過塩素酸ナトリウムのようなイオン導電性物質を添加する方法が用いられる。しかしながら、金属や金属酸化物の粉末、カーボンブラックなどを用いて、電子写真用などの導電性部材として必要な中抵抗領域に抵抗を制御した場合には、電気抵抗の位置ばらつきが大きく、かつ電気抵抗の電圧依存性が大きいことがあるなどの問題があった。
現像部材の電気抵抗の位置バラツキが大きいと、現像部材上に担持した現像剤の量および帯電量にバラツキを生じ、画像品質が低下する原因となる。
また、中間転写部材の電気抵抗の位置ばらつきが大きいと、感光体から中間転写、中間転写から記録材への各転写プロセスで、転写効率にばらつきを生じ、画像品質が低下する原因となる。また、中間転写部材は、前記のように感光体から中間転写、中間転写から記録材への2つの転写プロセスを仲介するため、感光体および記録材の抵抗に応じた最適な抵抗値を有する必要がある。各電圧での抵抗値を中間転写部材として要求される最適な抵抗範囲に制御する必要があるため、中間転写部材の抵抗値の電圧依存性が大きいと抵抗の制御範囲が非常に狭くなるという問題があった。
また、転写部材の電気抵抗の位置バラツキが大きいと被転写体上の帯電量にバラツキが生じ、画像品質を低下する原因となる。また、被転写体表面の電位は転写に従い上昇するため、転写量を制御するためには表面電位に応じた電圧制御を行う必要があるが、電気抵抗の電圧依存性が大きいと転写部材の抵抗が変化するため、被転写体上の転写量を一定にするためには抵抗変動を補正するための複雑な制御機構が必要である。
また、帯電部材の電気抵抗の位置バラツキが大きいと感光体上の帯電量にバラツキが生じ、画像品質を低下する原因となる。また、感光体表面の電位は帯電に従い上昇するため、帯電量を制御するためには表面電位に応じた電圧制御を行う必要があるが、電気抵抗の電圧依存性が大きいと帯電部材の抵抗が変化するため、被帯電体上の帯電量を一定にするためには抵抗変動を補正するための複雑な制御機構が必要である。
一方、極性を有する高分子材料に、過塩素酸ナトリウムのようなイオン導電性物質を混入させたものを用いることにより、中抵抗領域で抵抗の位置ばらつきや抵抗の電圧依存性が実質的にない高分子部材を製造できることが知られている。このような高分子部材は、32.5℃、85%のような高温高湿環境での抵抗と、15℃、10%のような低温低湿環境での抵抗の差が大きく、使用される環境により大きく抵抗が変動するという問題、または連続通電により抵抗が大きく変化するという問題を抱えていた。このような環境変化による抵抗変動の影響を抑えるためには、通常は、温度センサー、湿度センサーにより、温度、湿度をモニターし、抵抗変動を補正する、すなわち、温度湿度の値から、抵抗値を予測し、印加する電圧を変化させるなどの電気的制御を加える方法が用いられている。また、連続通電による抵抗変動の影響を抑えるためには、抵抗値をモニターして、抵抗値に応じて印加電圧を変える方法が用いられている。しかしながら、一般にこのような高分子部材の抵抗の温度、湿度による変動は一次関数のような単純な関数で置き換えられる変化ではなく、また環境変動に対し時間的な遅れなどもあるため、正確な抵抗の予測は不可能である。したがって、これらの影響を完全になくすことは事実上不可能である。
さらに、近年カラー化、高速化が要求され、画像の品質に対する要求がますます厳しくなっており、抵抗変動の補正のためにますます複雑な制御を行っているのが現状である。
このような問題を解決する手段として、特開平11−293128号公報には、極性高分子化合物にアミド結合を有する第四級アンモニウム塩を含有させた導電性組成物に関する記載がある。しかしながら、このような手段を用いても、32.5℃、85%のような高温高湿環境での抵抗と、15℃、10%のような低温低湿環境での抵抗の差を20倍程度に抑制できる程度であり、依然として環境変動により抵抗変化の影響を補正するための制御機構を必要としているのが現実である。
発明の開示
本発明はかかる従来の半導電性弾性材料の欠点を解決し、容易に半導電性領域に抵抗をコントロール可能であり、発現される電気特性のサンプルバラツキおよび電圧依存性が極めて小さく、かつ、導電性付与成分のブリードのリスクを低減した半導電性組成物、それから得られる半導電性ゴム製品および半導電性ローラを提供するものである。
また、環境、印加電圧による抵抗変動が極めて小さく、かつ連続使用による抵抗変化が少なく、電子写真用部材として好適に用いられる半導電性部材を提供することを目的としている。
また、ローラの抵抗の位置ばらつきが小さく、回転時と静止時の抵抗の違いが小さくかつ環境変動による抵抗変化を大幅に抑制した半導電性ローラを提供することを目的としている。
また、環境変動による抵抗変化を大幅に抑制し、複雑な制御を用いずに高品質な画像が得られ、とくにカラーレーザープリンターなどの高品質な画像品質が要求される用途に好適に用いられる現像部材、中間転写部材、転写部材、帯電部材、および安価で、加工が容易で、安定したニップ形成が可能で、しかも均一な高精度な外径を有し、電子写真方式を採用した画像記録装置の中間転写体などに好適に用いられる半導電性ドラムを提供することを目的としている。
すなわち、本発明は、(A)分子中に1個以上のヒドロシリル化反応可能なアルケニル基を有するオキシアルキレン系重合体、(B)分子中に2個以上のヒドロシリル基を有する化合物、(C)ヒドロシリル化触媒、および(D)イオン性導電性付与剤からなる半導電性組成物に関する。
また、(A)分子中に1個以上のヒドロシリル化反応可能なアルケニル基を有するオキシアルキレン系重合体、(B)分子中に2個以上のヒドロシリル基を有する化合物、(C)ヒドロシリル化触媒、および(E)非イオン性界面活性剤からなる半導電性組成物に関する。
前記オキシアルキレン系重合体(A)が、ヒドロシリル化反応可能なアルケニル基を分子鎖末端に有することが好ましい。
前記ヒドロシリル基を有する化合物(B)が、ポリオルガノハイドロジエンシロキサンであることが好ましい。
前記非イオン性界面活性剤(E)成分が、ポリオキシエチレン系化合物であることが好ましい。
また、前記半導電性組成物を硬化させて得られる半導電性ゴム製品に関する。
前記ゴム製品が、20℃、相対湿度60%の環境下において測定した体積抵抗率が107〜1011Ωcmであることが好ましい。
また、前記半導電性組成物を硬化させて得られる半導電性弾性層を、金属性支持部材のまわりに形成してなる半導電性部材に関する。
前記半導電性部材が、23℃、相対湿度55%の環境下において、100Vの直流電圧を印加して測定した部材の抵抗が105Ω以上109Ω以下であることが好ましい。
また、金属支持部材、該支持部材外周面上に形成された半導電性弾性層、さらにその外周面上に形成された1層以上の表面層からなる半導電性部材であって、(1)23℃、相対湿度55%の環境下において、1000Vの直流電圧を印加して測定した部材の抵抗が105Ω以上109Ω以下、(2)23℃、相対湿度55%の環境下において、500Vおよび1000Vの直流電圧を印加して測定を行った部材の抵抗をそれぞれR500およびR1000としたときのR500/R1000の値が0.8以上1.2以下、(3)15℃、相対湿度10%の環境下で1000Vの直流電圧を印加して測定した部材の抵抗RLLと、32.5℃、相対湿度85%の環境下で1000Vの直流電圧を印加して測定した部材の抵抗RHHの比RLL/RHHが10以下、の特性を有する半導電性部材に関する。
さらに、23℃、相対湿度55%の環境下において、前記半導電性部材を回転させながら、1000Vの直流電圧を連続100時間印加したときの部材の抵抗が初期の部材の抵抗の0.5倍以上2倍以下であることが好ましい。
さらに、23℃、相対湿度55%の環境下において、1000Vの直流電圧を印加して測定した部材の抵抗の位置ばらつきが20%以下であることが好ましい。
さらに、23℃、相対湿度55%の環境下において、1000Vの直流電圧を印加して、回転時および静止時に測定した部材の抵抗をそれぞれRrotateおよびRstaticとしたとき、Rrotate/Rstaticの値が0.7以上1.5以下であることが好ましい。
さらに、アスカーC硬度が60度以下であることが好ましい。
さらに、23℃、相対湿度55%の環境下において、100Vおよび1000Vの直流電圧を印加して測定を行った部材の抵抗をそれぞれR100およびR1000としたときのR100/R1000の値が1.0以上10以下であることが好ましい。
さらに、外径振れが100μm以下であることが好ましい。
前記半導電性弾性層が(A)分子中に1個以上のヒドロシリル化反応可能なアルケニル基を有するオキシアルキレン系重合体、(B)分子中に2個以上のヒドロシリル基を有する化合物、(C)ヒドロシリル化触媒、および(E)非イオン界面活性剤を含む導電性硬化性組成物の硬化物からなることが好ましい。
また、金属支持部材、該支持部材外周面上に形成された半導電性弾性層、さらにその外周面上に形成された1層以上の表面層からなる帯電ローラであって、(1)23℃、相対湿度55%の環境下において、1000Vの直流電圧を印加して測定したローラ抵抗が105Ω以上109Ω以下、(2)23℃、相対湿度55%の環境下において、500Vおよび1000Vの直流電圧を印加して測定を行ったローラ抵抗をそれぞれR500およびR1000としたときのR500/R1000の値が0.8以上1.2以下、(3)15℃、相対湿度10%の環境下で1000Vの直流電圧を印加して測定したローラ抵抗RLLと、32.5℃、相対湿度85%の環境下で1000Vの直流電圧を印加して測定したローラ抵抗RHHの比RLL/RHHが10以下、の特性を有する帯電ローラに関する。
また、金属支持部材、該支持部材外周面上に形成された半導電性弾性層、さらにその外周面上に形成された1層以上の表面層からなる現像ローラであって、(1)23℃、相対湿度55%の環境下において、1000Vの直流電圧を印加して測定したローラ抵抗が105Ω以上109Ω以下、(2)23℃、相対湿度55%の環境下において、500Vおよび1000Vの直流電圧を印加して測定を行ったローラ抵抗をそれぞれR500およびR1000としたときのR500/R1000の値が0.8以上1.2以下、(3)15℃、相対湿度10%の環境下で1000Vの直流電圧を印加して測定したローラ抵抗RLLと、32.5℃、相対湿度85%の環境下で1000Vの直流電圧を印加して測定したローラ抵抗RHHの比RLL/RHHが10以下、の特性を有する現像ローラに関する。
また、金属支持部材、該支持部材外周面上に形成された半導電性弾性層、さらにその外周面上に形成された1層以上の表面層からなる中間転写ローラであって、(1)23℃、相対湿度55%の環境下において、1000Vの直流電圧を印加して測定したローラ抵抗が105Ω以上109Ω以下、(2)23℃、相対湿度55%の環境下において、500Vおよび1000Vの直流電圧を印加して測定を行ったローラ抵抗をそれぞれR500およびR1000としたときのR500/R1000の値が0.8以上1.2以下、(3)15℃、相対湿度10%の環境下で1000Vの直流電圧を印加して測定したローラ抵抗RLLと、32.5℃、相対湿度85%の環境下で1000Vの直流電圧を印加して測定したローラ抵抗RHHの比RLL/RHHが10以下、の特性を有する中間転写ローラに関する。
また、金属支持部材、該支持部材外周面上に形成された半導電性弾性層、さらにその外周面上に形成された1層以上の表面層からなる転写ローラであって、(1)23℃、相対湿度55%の環境下において、1000Vの直流電圧を印加して測定したローラ抵抗が105Ω以上109Ω以下、(2)23℃、相対湿度55%の環境下において、500Vおよび1000Vの直流電圧を印加して測定を行ったローラ抵抗をそれぞれR500およびR1000としたときのR500/R1000の値が0.8以上1.2以下、(3)15℃、相対湿度10%の環境下で1000Vの直流電圧を印加して測定したローラ抵抗RLLと、32.5℃、相対湿度85%の環境下で1000Vの直流電圧を印加して測定したローラ抵抗RHHの比RLL/RHHが10以下、の特性を有する転写ローラに関する。
発明を実施するための最良の形態
本発明の半導電性樹脂組成物は、(A)分子中に1個以上のヒドロシリル化反応可能なアルケニル基を有するオキシアルキレン系重合体、(B)分子中に2個以上のヒドロシリル基を有する化合物、(C)ヒドロシリル化触媒、および(D)イオン性導電性付与剤、または(E)非イオン界面活性剤からなる。この組成物は硬化前には低粘度であり硬化後には低硬度であるので加工性の観点から優れている。
前記重合体(A)は、前記化合物(B)とヒドロシリル化反応して硬化する成分であり、分子中に1個以上のヒドロシリル化反応可能なアルケニル基を有するため、ヒドロシリル化反応が起こって高分子状になり硬化する。前記重合体(A)に含まれるアルケニル基の数は、硬化剤である化合物(B)とヒドロシリル化反応するという点から1個以上必要であるが、ゴム製品とした場合の弾性の点からは、直鎖状分子の場合は、分子の両末端に2個のアルケニル基が存在し、分岐のある分子の場合には、分子末端に2個以上のアルケニル基が存在することが望ましい。本発明の組成物の特徴の1つは、低硬度化に設定しやすいことにある。この特徴を発揮させるにはアルケニル基の数は分子末端に2個以上が好ましいが、重合体(A)の分子量に比してアルケニル基の数が多くなりすぎると剛直になり、良好なゴム弾性が得られにくくなる傾向にある。
前記組成物の硬化物の硬度は、用途などにより適時選択すべきものであるが、通常アスカーC硬度で60度を超えると、対向して用いる感光体などの表面にダメージを与えることがあるため、60度以下であることが好ましい。
ここで、アルケニル基とは、ヒドロシリル化反応に対して活性のある炭素−炭素2重結合を含む基であれば特に制限されるものではない。前記アルケニル基としては、ビニル基、アリル基、メチルビニル基、プロペニル基、ブテニル基、ペンテニル基、もしくはヘキセニル基等の脂肪族不飽和炭化水素基、シクロプロペニル基、シクロブテニル基、シクロペンテニル基、もしくはシクロヘキセニル基等の環式不飽和炭化水素基、またはメタクリル基等が挙げられる。
ここで、重合体中にアルケニル基を導入する方法としては、例えば末端、主鎖あるいは側鎖に水酸基、アルコキシド基等の官能基を有する有機重合体に、上記官能基に対して反応性を示す活性基及びアルケニル基を有する有機化合物を反応させることによりアルケニル基を末端、主鎖あるいは側鎖に導入する方法が挙げられるが、これに限定されるわけではない。また、上記官能基に対して反応性を示す活性基及びアルケニル基を有する有機化合物の例としては、アクリル酸、メタクリル酸、ビニル酢酸、アクリル酸クロライド、もしくはアクリル酸ブロマイド等のC3−C20の不飽和脂肪酸、酸ハライド、酸無水物等やアリルクロロホルメート(CH2=CHCH2OCOCl)、もしくはアリルブロモホルメート(CH2=CHCH2OCOBr)等のC3−C20の不飽和脂肪酸置換炭酸ハライド、アリルクロライド、アリルブロマイド、ビニル(クロロメチル)ベンゼン、アリル(クロロメチル)ベンゼン、アリル(ブロモメチル)ベンゼン、アリル(クロロメチル)エーテル、アリル(クロロメトキシ)ベンゼン、1−ブテニル(クロロメチル)エーテル、1−ヘキセニル(クロロメトキシ)ベンゼン、またはアリルオキシ(クロロメチル)ベンゼン等が挙げられる。
前記アルケニル基は、重合体(A)末端に導入されていることが望ましい。このようにアルケニル基が重合体末端にあると、本発明の半導電性組成物を硬化させて得られる硬化物を低硬度、高強度化しやすくなる傾向にある。
前記重合体(A)は、少量の導電性付与剤を添加するだけで所定の抵抗に容易に調整できる。さらには導電付与剤を適切に選ぶことにより、印加電圧による抵抗変動を望ましい範囲に低減できるという特徴を有している。
また、本発明の組成物を硬化させて得られるゴム製品の低硬度化の点で、前記繰り返し単位がオキシプロピレン単位であるオキシプロピレン系重合体が好ましい。つまり、本発明の組成物は、可塑剤のような、感光体に悪影響を与える可能性のある添加物を用いることなく、アスカーC硬度が60度以下で、圧縮永久歪みの小さな組成物が容易に得られるという利点ももつ。
ここで、前記オキシアルキレン系重合体とは、主鎖を構成する単位のうち30%以上、好ましくは50%以上がオキシアルキレン単位からなる重合体をいう。オキシアルキレン単位以外に含有される単位としては、重合体製造時の出発物質として使用される活性水素を2個以上有する化合物、たとえば、エチレングリコール、ビスフェノール系化合物、グリセリン、トリメチロールプロパン、またはペンタエリスリトールなどからの単位があげられる。なお、オキシプロピレン系重合体の場合には、エチレンオキシド、ブチレンオキシドなどからなる単位との共重合体(グラフト重合体も含む)であってもよい。
前記オキシアルキレン系重合体の分子量としては、反応性および低硬度化のバランスをよくする観点から、数平均分子量(Mn)1000〜50000であるものが好ましい。より好ましくは、5000〜40000、さらに好ましくは5000〜30000である。数平均分子量が1000より小さい場合、この硬化性組成物を硬化させた場合に充分な機械的特性(ゴム硬度、伸び率)などが得られにくくなる。一方、数平均分子量が50000をこえると、分子中に含まれるアルケニル基1個あたりの分子量が大きくなったり、立体障害で反応性が落ちたりするため、硬化が不充分になることが多く、また、粘度が高くなりすぎて加工性が悪くなる傾向にある。
なお、本発明の数平均分子量とは、クロロホルムを移動相とし、ポリスチレンゲルカラムを用いたGPC(ゲルパーミエーションクロマトグラフィー)により得られる値をいう。
本発明に使用される化合物(B)は、分子中に2個以上のヒドロシリル基を有する化合物であるかぎりとくに制限はないが、2〜40個であることが好ましい。分子中に含まれるヒドロシリル基の数が40をこえると硬化後も多量のヒドロシリル基が硬化物中に残存しやすくなり、ボイドやクラックの原因となる傾向があり、ヒドロシリル基の数が2より少ないと硬化性の点で問題がある傾向がある。
なお、本発明で、前記ヒドロシリル基を1個有するとは、Siに結合するHを1個有することをいい、SiH2の場合にはヒドロシリル基を2個有することになるが、Siに結合するHはそれぞれ異なるSiに結合する方が硬化性に優れ、ゴム弾性の点からも好ましい。
前記化合物(B)としては、ポリオルガノハイドロジェンシロキサンが好ましいものの一つとして挙げられる。ここで言うポリオルガノハイドロジェンシロキサンとは、ケイ素原子上に炭化水素基あるいは水素原子を有するシロキサン化合物を指す。その構造について具体的に示すと、
(2<m+n≦50、2<m、0≦n、Rとしては主鎖の炭素数が2〜20の炭化水素で1個以上のフェニル基を含有してもよい。)
(0<m+n≦50、0<m、0≦n、Rとしては主鎖の炭素数が2〜20の炭化水素で1個以上のフェニル基を含有してもよい。)
(3≦m+n≦20、2<m≦19、0≦n<18、Rとしては主鎖の炭素数が2〜20の炭化水素で1個以上のフェニル基を含有してもよい。)
などで示される鎖状、環状のものや、これらのユニットを2個以上有する
(1≦m+n≦50、1≦m、0≦n、Rとしては主鎖の炭素数が2〜20の炭化水素で1個以上のフェニル基を含有してもよい。2≦l、R2は2〜4価の有機基であり、R1は2価の有機基。ただし、R1はR2の構造によってはなくてもよい。)
(0≦m+n≦50、0≦m、0≦n、Rとしては主鎖の炭素数が2〜20の炭化水素で1個以上のフェニル基を含有してもよい。2≦l、R2は2〜4価の有機基であり、R1は2価の有機基。ただし、R1はR2の構造によってはなくてもよい。)
(3≦m+n≦50、1≦m、0≦n、Rとしては主鎖の炭素数が2〜20の炭化水素で1個以上のフェニル基を含有してもよい。2≦1、R2は2〜4価の有機基であり、R1は2価の有機基。ただし、R1はR2の構造によってはなくてもよい。)
などで示されるものが挙げられる。
またこれら(B)成分の使用にあたっては、(A)成分、(C)成分、(D)成分および(E)成分との相溶性、あるいは系中における分散安定性がよいものが好ましい。特に系全体の粘度が低い場合には、(B)成分として上記各成分との相溶性の低いものを使用すると、相分離が起こり硬化不良を引き起こすことがある。また、分散性助剤として、微粉末シリカ等の粒径の小さいフィラーを配合してもよい。
(A)成分、(C)成分、(D)成分、および(E)成分との相溶性、あるいは分散安定性が比較的良好なものとして具体的に示すと、
(2<k<35、0<l<10、Rは炭素数8以上の炭化水素基)
などが挙げられる。
前記化合物(B)の添加量は、重合体(A)のアルケニル基の総量に対して、化合物(B)のケイ素原子結合水素原子が0.8〜5.0当量となるように使用することが好ましい。前記重合体(A)のアルケニル基総量に対して前記化合物(B)のケイ素原子結合水素原子が0.8当量より小さいと、架橋が不充分となる傾向にある。また、5.0当量をこえると、硬化後に残留するケイ素原子結合水素原子の影響により物性が大きく変化する傾向がある。とくにこの影響を抑制したい場合には、1.0〜2.0当量となるように用いることがより好ましい。
本発明の(C)成分であるヒドロシリル化触媒については、特に制限はなく、任意のものが使用できる。具体的に例示すれば、塩化白金酸、白金の単体、塩化白金酸(アルコールなどの錯体も含む)、白金の各種錯体、ロジウム、ルテニウム、鉄、アルミニウム、チタンなどの金属の塩化物、アルミナ、シリカ、カーボンブラック等の担体に固体白金を担持させたもの;白金−ビニルシロキサン錯体{例えば、Ptn(ViMe2SiOSiMe2Vi)n、Pt〔(MeViSiO)4〕m};白金−ホスフィン錯体{例えば、Pt(PPh3)4、Pt(PBu3)4};白金−ホスファイト錯体{例えば、Pt〔P(OPh)3〕4、Pt〔P(OBu)3〕4}(式中、Meはメチル基、Buはブチル基、Viはビニル基、Phはフェニル基を表し、n、mは整数を表す)、Pt(acac)2、また、Ashbyらの米国特許第3159601号明細書及び3159662号明細書中に記載された白金−炭化水素複合体、並びにLamoreauxらの米国特許第3220972号明細書中に記載された白金アルコラート触媒も挙げられる。
また、白金化合物以外の触媒の例としては、RhCl(PPh3)3、RhCl3、Rh/Al2O3、RuCl3、IrCl3、FeCl3、AlCl3、PdCl2・2H2O、NiCl2、またはTiCl4、等が挙げられる。これらの触媒は単独で使用してもよく、2種以上併用しても構わない。触媒活性の点から塩化白金酸、白金−オレフィン錯体、白金−ビニルシロキサン錯体、またはPt(acac)2等が好ましい。
前記ヒドロシリル化触媒(C)の添加量にはとくに制限はないが、前記重合体(A)のアルケニル基1モルに対して10−1〜10−8モルの範囲で用いるのが好ましく、特に10−2〜10−6モルの範囲で用いるのがより好ましい。また、ヒドロキシル化触媒は、一般に高価で腐食性を有するため、さらに水素ガスを大量に発生して硬化物が発泡してしまう傾向があるので10−1モルをこえて用いることは好ましくない。
また、本発明で使用される(D)成分のイオン性導電性付与剤としては、リチウム、ナトリウム、もしくはカリウムなどの周期律表第1族金属塩およびその錯体、Ca、もしくはBaなどの周期律表第2族金属塩およびその錯体、カチオン性界面活性剤、アニオン性界面活性剤、または両性界面活性剤などのイオン導電性の導電性付与剤があげられる。
前記周期律表第1族金属塩としては、具体的にはLiCF3SO3、NaClO4、LiAsF6、LiBF4、LiI、LiCl、LiBr、NaSCN、KSCN、NaCl、NaI、またはKIなどのアルカリ金属塩などがあげられる。前記周期律表第2族金属塩としてはCa(ClO4)2、Ba(ClO4)2などがあげられる。また、それら塩との錯体としては、1,4−ブタンジオール、エチレングリコール、ポリエチレングリコール、プロピレングリコール、もしくはポリエチレングリコールなどの多価アルコールとその誘導体の錯体、またはエチレングリコールモノメチルエーテル、もしくはエチレングリコールモノエチルエーテルなどのモノオールとの錯体などがあげられる。また、前記以外でもアミノ基で変性したDOP、DBPなどの可塑剤と過塩素酸イオンとの錯塩などの導電性可塑剤などがあげられる。
前記カチオン性界面活性剤としては、ラウリルトリメチルアンモニウムクロライド、ステアリルトリメチルアンモニウムクロライド、オクタデシルトリメチルアンモニウムクロライド、ドデシルトリメチルアンモニウムクロライド、ヘキサデシルトリメチルアンモニウムクロライド、過塩素酸テトラエチルアンモニウム、過塩素酸テトラブチルアンモニウム、ホウフッ化テトラブチルアンモニウム、またはホウフッ化テトラエチルアンモニウムなどの4級アンモニウム塩が、また、アニオン性界面活性剤としては、有機スルホン酸塩、高級アルコールエチレンオキサイド付加硫酸エステル塩、高級アルコールリン酸エステル塩、または高級アルコールエチレンオキサイド付加リン酸エステル塩が、さらに、両性界面活性剤としては、ラウリルベタイン、ステアリルベタイン、またはジメチルアルキルラウリルベタインなどがあげられる。
前記(D)成分の添加量は、(A)成分の重合体100重量部に対し好ましくは0.01〜100重量部、より好ましくは0.1〜50重量部である。添加量が0.01重量部より少ないと、得られる導電付与能が不十分となる傾向にある。また100重量部をこえると、ブリードなどのリスクが高くなったり、半導電性ゴムの機械強度の著しい低下を招く傾向にある。
前記(D)成分は、主成分の樹脂マトリクスである重合体(A)と相溶性、あるいは分散安定性に優れ、一般的にコントロールするのが難しいとされる半導電性領域(体積抵抗率107〜1011Ωcm)にコントロールするのが極めて容易であり、導電特性のバラツキおよび電圧依存性を小さくすることができる点で好ましい。
本発明で使用される非イオン界面活性剤(E)は、本発明のゴム製品に安定的に導電性を付与するための成分である。前記非イオン界面活性剤とは、水溶液でイオンに解離しない界面活性剤をいい、たとえばエーテル型、エーテルエステル型、エステル型、および含窒素型界面活性剤をいう。エーテル型非イオン界面活性剤としては、たとえばポリオキシエチレンアルキル、アルキルフェニルエーテル、アルキルアリルホルムアルデヒド縮合ポリオキシエチレンエーテル、ポリオキシエチレンポリオキシプロピレンブロックコポリマー、またはポリオキシエチレンポリオキシプロピルアルキルエーテルがあげられる。エーテルエステル型非イオン界面活性剤としては、たとえばグリセリンエステルのポリオキシエチレンエーテル、ソルビタンエステルのポリオキシエチレンエーテル、またはソルビトールエステルのポリオキシエチレンエーテルがあげられる。エステル型非イオン界面活性剤としては、たとえばポリエチレングリコール脂肪酸エステル、グリセリンエステル、ポリグリセリンエステル、ソルビタンエステル、プロピレングリコールエステル、またはショ糖エステルがあげられる。含窒素型非イオン界面活性剤としては、たとえば脂肪酸アルカノールアミド、ポリオキシエチレン脂肪酸アミド、ポリオキシエチレンアルキルアミン、またはアミンオキシドがあげられる。
なかでも、ポリオキシエチレン系化合物は、主成分の樹脂マトリクスである重合体(A)と相溶するため、極めて導電特性の安定性に優れ、導電特性のバラツキや電圧依存性が小さい半導電性ゴム製品を提供することができる点で好ましい。前記ポリオキシエチレン系化合物とは、主鎖を構成する繰り返し単位のうち、エチレンオキサイド単位を50%以上含有するものをいい、従来公知のものをとくに制限無く使用することができる。また、ポリオキシエチレン系化合物の数平均分子量は、10000未満、さらには5000未満、とくには3000未満が好ましい。数平均分子量が10000以上になると、流動性・作業性の観点から好ましくなく、とくにポリオキシエチレン繰り返し単位の含量が多い場合には、化合物の結晶性が高くなるため、半導電性ゴム内の相溶のバランスが崩れることが懸念される。
前記ポリオキシエチレン系化合物は、分子内に含有する水酸基が数平均が1.2個以下であることが好ましい。分子内に水酸基が存在した場合、(B)成分、(C)成分および系中に微量に含有される水によって発泡するリスクが高くなり、良好な硬化物を得ることが難しくなることがある。
また、前記(E)成分のブリードを防止するために、適宜分子中にヒドロシリル化反応可能なアルケニル基を導入してもよい。この際、分子中に導入されるアルケニル基は、数平均で1.2個以下であることが好ましい。前記アルケニル基が1.2個より多いと(A)成分および(B)成分で形成される3次元架橋構造に影響を及ぼし、組成物の圧縮永久ひずみなどの機械的な特性が低下する傾向がある。前記(E)成分は、硬化反応時には硬化剤である(B)成分のSi−H基とヒドロシリル化反応により化学結合して最終的には硬化後の架橋構造内に取り込まれる。このため、ブリードのリスクを低減することができる傾向にある。前記(E)成分中にはヒドロシリル化に対する活性の低い炭素−炭素不飽和結合は有さないことが好ましい。
また、前記(E)成分におけるアルケニル基としては、(A)成分と同様、ヒドロシリル化反応に対して活性のある炭素−炭素2重結合を含む基であれば特に制限されるものではなく、例えば、ビニル基、アリル基、メチルビニル基、プロペニル基、ブテニル基、ペンテニル基、もしくはヘキセニル基等の脂肪族不飽和炭化水素基、シクロプロペニル基、シクロブテニル基、シクロペンテニル基、もしくはシクロヘキセニル基等の環式不飽和炭化水素基、またはメタクリル基等が挙げられる。
さらに前記(E)成分は、その分子内に活性水素を持たないことが好ましい。以下の一般式(1)で表されるものが好ましいものとして例示される。
R(CH2CH2O)nOR’ ・・・(1)
(R:炭素数1〜20のアルケニル基、R’=炭素数1〜20のアルキル基、炭素数1〜20のアリール基、nは1〜500の整数で、n≧3が好ましい。)
上記記載のアルキル基の具体例としては、メチル基、エチル基、プロピル基、イソプロピル基、ブチル基、イソブチル基、sec−ブチル、tert−ブチル、ペンチル基、イソペンチル基、ネオペンチル基、tert−ペンチル基、ヘキシル基、またはイソヘキシル基等が挙げられ、アリール基の具体例としては、フェニル基、トリル基、メシチル基、キシリル基、クメニル基、ナフチル基、ベンジル基、ベンズヒドリル基、フェネチル基、またはトリチル基等が挙げられる。
ポリオキシエチレン系化合物の具体例としては、ポリオキシエチレンアルキルエーテル、ポリオキシエチレンアルケニルエーテル、ポリオキシエチレンアルキルフェニルエーテル、ポリオキシエチレンポリスチリルフェニルエーテル、ポリオキシエチレン−オキシプロピレングリコール、ポリオキシエチレン−オキシプロピレンアルキルエーテル、ポリオキシエチレンソルビタン脂肪酸エステル、ポリオキシエチレングリセリン脂肪酸エステルなどのポリオキシエチレン多価アルコール脂肪酸部分エステル、ポリオキシエチレン脂肪酸エステル、ポリオキシエチレン化ヒマシ油、ポリオキシエチレンアルキルアミン、またはポリオキシエチレン基含有オルガノポリシロキサンなどがあげられるが、これに限定されるわけではない。
前記(E)成分の添加量は、所望の導電特性に応じて調整して添加されるが、前記(E)成分が分子中にヒドロキシル化反応可能なアルケニル基を有する場合は、(A)成分と(B)成分によるヒドロシリル化反応による3次元的架橋構造の形成を妨げないようにしなければならない。すなわち、(E)成分の添加量が過剰になった場合、(B)成分のSi−H基は、(E)成分のアルケニル基とのヒドロシリル化反応により消費されてしまい、(A)成分による3次元的架橋構造の形成が不十分となることがある。このような事情から、(E)成分の添加量は、(A)成分の重合体100重量部に対し0.01〜100重量部が好ましい。より好ましくは0.1〜100重量部、さらに好ましくは0.5〜70重量部、特に好ましくは0.5〜50重量部、最も好ましくは1〜50重量部である。添加量が0.01重量部より少ないと、得られる導電付与能が不十分となる傾向にある。また100重量部をこえると、ブリードなどのリスクが高くなったり、半導電性ゴムの機械強度の著しい低下を招く傾向にある。
導電性付与剤である前記(D)成分および(E)成分のうち、イオン導電性付与剤(D)は抵抗の電圧依存性が小さいという点から好ましい。さらに非イオン界面活性剤(E)は、抵抗の環境安定性が高いという点でより好ましい。なお、これらの導電性付与剤は、単独で使用しても、また2種以上を併用しても構わない。
前記導電性付与剤(D)または(E)の添加量は、(A)〜(C)成分の合計量に対して、30重量%以下とすることが、弾性層の機械物性を大きく変化させないという点から好ましい。また、特に電子導電性の導電性付与剤は、添加量を大きくすると、抵抗の電圧依存性が大きくなるため、電圧依存性を所望する範囲内に抑えるために、好ましくは20重量%以下、より好ましくは10重量%以下がより望ましい。
ここで、前記ブリードのリスクの低減については、例えば、弾性層のゲル分率の測定により評価することができる。ゲル分率の測定方法としては、ローラの弾性層から0.01〜0.5g程度の破片を切り取り、あらかじめ重量を測定した(W1)金網の袋に入れて、再び重量(W2)を測定する。これを、温度23℃、相対湿度55%の環境下でアセトンに24時間浸漬した後、80℃の熱風乾燥機にて、3時間乾燥させる。これの重量(W3)を測定し、
ゲル分率(%)=(W3−W1)/(W2−W1)×100
の算出式にしたがって、アセトンに溶解しない重量%として、ゲル分率を求める。本結果は、主に(A)、(B)および(D)成分以外の成分が化学結合を介して架橋構造に取り込まれている度合いの指標となる値であり、この値が100%に近づくほど、ブリードのリスクが少ないと考えることができる。
また、前記導電性付与剤(D)または(E)のみでは、導電性付与能が不十分な場合に、さらなる導電性を付与するために添加する成分として、アルカリ金属塩を本発明の組成物に加えてもよい。前記アルカリ金属塩は、リチウム、ナトリウム、カリウム等の周期律表第1族金属塩、及びその錯体であれば、特に制限はない。
上記、アルカリ金属塩としては、具体的には、NaClO4、LiClO4、LiAsF6、LiBF4、LiPF6,LiCF3SO3,LiI、LiCl、LiBr、NaSCN、KSCN、NaCl、NaI、またはKI等のアルカリ金属塩等が挙げられる。また、それら塩との錯体としては、1,4−ブタンジオール、エチレングリコール、ポリエチレングリコール、プロピレングリコール、もしくはポリエチレングリコール等多価アルコールとその誘導体の錯体、またはエチレングリコールモノメチルエーテル、もしくはエチレングリコールモノエチルエーテル等のモノオールとの錯体などが挙げられる。また上記以外でもアミノ基で変性したDOP、DBP等の可塑剤と過塩素酸イオンとの錯塩等の導電性可塑剤等が挙げられる。前記アルカリ金属塩の添加量は、0.001〜5重量部、さらには、0.01〜1重量部であることが好ましい。添加量が0.001重量部より少ないと、得られる導電付与能が不十分となる傾向にある。また、5重量部をこえると、得られる半導電性ゴムの機械強度の著しい低下を招く傾向にある。
さらに、前記組成物には、貯蔵安定性を改良する目的で、貯蔵安定性改良剤を使用することができる。この貯蔵安定性改良剤としては、前記化合物(B)の保存安定剤として知られている通常の安定剤であり、所期の目的を達成するものであればよく、とくに限定されるものではない。具体的には、脂肪族不飽和結合を含有する化合物、有機リン化合物、有機硫黄化合物、窒素含有化合物、スズ系化合物、または有機過酸化物などを好適に用いることができる。さらに具体的には、2−ベンゾチアゾリルサルファイド、ベンゾチアゾール、チアゾール、ジメチルアセチレンダイカルボキシレート、ジエチルアセチレンダイカルボキシレート、ブチルヒドロキシトルエン、ブチルヒドロキシアニソール、ビタミンE、2−(4−モルフォジニルジチオ)ベンゾチアゾール、3−メチル−1−ブテン−3−オール、アセチレン性不飽和基含有オルガノシロキサン、エチレン性不飽和基含有オルガノシロキサン、アセチレンアルコール、3−メチル−1−ブチル−3−オール、ジアリルフマレート、ジアリルマレエート、ジエチルフマレート、ジエチルマレエート、ジメチルマレエート、2−ペンテンニトリル、2,3−ジクロロプロペン、ジメチルアセチレンカルボキシレート、またはキノリンなどがあげられるが、これらに限定されるわけではない。なかでも、ポットライフおよび速硬化性の両立という点から、チアゾール、ジメチルマレエートがとくに好ましい。なお、前記貯蔵安定性改良剤は、単独で用いてもよく、また、2種以上併用してもよい。
また、本発明の組成物には、加工性やコストを改善するための充填剤、保存安定剤、酸化防止剤、軟化剤、可塑剤、紫外線吸収剤、滑剤、顔料などを添加してもよい。前記充填剤の具体例としては、特にシリカ微粉末、とりわけ比表面積が50〜380m2/g程度の微粉末シリカが好ましく、その中でも表面処理を施した疎水性シリカが、ローラの強度を好ましい方向に改善する働きが大きいので特に好ましい。前記軟化剤、可塑剤の使用量は(A)成分100重量部に対して、150重量部以下が好ましい。それ以上の添加量になると、ブリード等の問題を生じる傾向にある。
さらに前記組成物には、必要に応じて、各種基材に対する接着性を向上させるための接着性付与剤、粘着性付与樹脂を添加することができる。接着性付与剤の例としては、各種シランカップリング剤やエポキシ樹脂などがあげられる。とくにエポキシ基、メタクリロイル基、またはビニル基などの官能基を有するシランカップリング剤は、組成物の硬化性に及ぼす影響も小さく、接着性の発現にも効果が大きく使いやすい。ただし、使用できるシランカップリング剤はこれらに限定されるものではない。また、シランカップリング剤やエポキシ樹脂と併用してこれらの反応触媒を添加することができる。また、粘着性付与樹脂にはとくに限定はなく、通常、粘着性付与剤として使用されるものを使用できる。具体例としては、フェノール樹脂、変性フェノール樹脂、シクロペンタジエン−フェノール樹脂、キシレン樹脂、クマロン樹脂、石油樹脂、テルペン樹脂、テルペンフェノール樹脂、またはロジンエステル樹脂などがあげられる。なお、これらの使用にあたっては、ヒドロシリル化反応に対する影響を考慮しなければならない。
前記本発明の半導電性組成物を硬化して得られる半導電性ゴム製品は、一般的にコントロールが難しいとされる半導電性領域(体積抵抗率107〜1011Ωcm)に体積抵抗率をコントロールにすることが極めて容易である。ここで、本発明における半導電性ゴム製品の体積抵抗率は、JIS K−6911に準じて測定される。また、金属などの基材に半導電性ゴムを積層させて製造するような場合は、半導電性ゴム部分のみを別途硬化させて、その体積抵抗率を評価することができる。
また、通常、半導電性ゴムは、抵抗測定時の印加電圧を高くすると抵抗が低下するという性質を有し、導電特性の電圧依存性が大きいが、このような特性は、たとえば、電子写真方式を採用した画像記録装置に組み込まれるローラとして用いる場合、電圧の制御が複雑になるため好ましくない。この点、本発明の半導電性組成物を硬化して得られる半導電性ゴム製品は、導電特性の電圧依存性が極めて小さい。なお、この半導電性ゴム製品における導電特性の電圧依存性は、たとえば、半導電性ゴムについて温度20℃、湿度60%の恒温恒湿条件下で24時間放置後、体積抵抗率を印加電圧100Vおよび1000Vでの条件で測定し、100V印加での体積抵抗率(R100)および1000V印加における体積抵抗率(R1000)の比の対数値[LOG(R100/R1000)]で評価することができる。
また、通常、半導電性ゴムは、導電特性のサンプルバラツキも大きいが、本発明の半導電性組成物を硬化して得られる半導電性ゴムは、導電特性のサンプルバラツキが極めて小さい。なお、この半導電性ゴムにおける導電特性のサンプルバラツキは、例えば、半導電性ゴムについて温度20℃、湿度60%の恒温恒湿条件下で24時間放置後、体積抵抗率を印加電圧100Vおよび1000Vの条件で測定し、最も抵抗の高かった測定値(RMAX)および最も抵抗の低かった測定値(RMIN)の比の対数値[LOG(RMAX/RMIN)]で評価することができる。
前記半導電性ゴム製品は、たとえば、本発明の組成物を、所望の形状の成形空間を有する型に注入したのち、加熱することにより得られる。具体的には、たとえば、液状射出成形、押出し成形、またはプレス成形などにより成形できるが、組成物が液状である点、および生産性の点から、液状射出成形が好ましい。
本発明の組成物は、たとえば、貴金属触媒を用いたアルケニル基に対するSi−H基の付加反応によって硬化する。従って、硬化速度が非常に速く、ライン生産を行う上で好都合である。本発明の組成物を熱硬化させる温度は、80℃〜180℃の範囲内が好ましい。80℃以上になると、急激にヒドロシリル化反応が進行し、短い時間で硬化させることができる。
本発明の半導電性部材は、金属性支持部材203または円筒状スリーブ204を中心に設置した金型に、本発明の半導電性組成物を注型、射出、押出成形などをし、適当な温度、時間で加熱硬化させることによって容易に得られる。前記半導電性部材において、金属性支持部材203または円筒状スリーブ204のまわりに導電性弾性層202が形成されている。前記導電性弾性層にさらに表面層201を形成してもよい。図1に部材としてローラを用いた本発明の半導電性ローラの模式図を、図6に本発明の中間転写ドラムの模式図を示す。
前記半導電性部材は、一般的にコントロールが難しいとされる半導電性領域(部材の抵抗105〜10Ω)に部材の抵抗をコントロールにすることが極めて容易であり、部材抵抗のサンプルバラツキおよび電圧依存性も小さくすることが可能となる。ここで、本発明における部材の抵抗とは、部材を金属プレートに水平に当てて、部材の導電性シャフトの両端部の各々に500gの荷重を金属プレート方向に加え、シャフトと金属プレート間に直流電圧を印加して測定される電気抵抗値をいう。
前記半導電性部材は、23℃、相対湿度55%の環境下において、100Vの直流電流を印加した場合、部材の抵抗が105〜109Ωであることが必要である。特に107〜109Ωが好ましい。105Ωより低いと判導電性部材に対向して接触する部材に過剰な電流が流れるなどの問題が生じる傾向にあり、109Ωをこえると半導電性部材表面が帯電しやすくなる傾向がある。
また、別の本発明の半導電性部材110は、金属支持部材203、該支持部材外周面上に形成された半導電性弾性層202、さらにその外周面上に形成された1層以上の表面層201からなる半導電性部材であって、(1)23℃、相対湿度55%の環境下において、1000Vの直流電圧を印加して測定した部材の抵抗が105Ω以上109Ω以下、(2)23℃、相対湿度55%の環境下において、500Vおよび1000Vの直流電圧を印加して測定を行った部材の抵抗をそれぞれR500およびR1000としたときのR500/R1000の値が0.8以上1.2以下、(3)15℃、相対湿度10%の環境下で1000Vの直流電圧を印加して測定した部材の抵抗RLLと、32.5℃、相対湿度85%の環境下で1000Vの直流電圧を印加して測定した部材の抵抗RHHの比RLL/RHHが10以下である。
本発明の部材としては、電子写真用部材として用いられるものであれば特に限定されない。たとえば、転写用部材、中間転写用部材、現像用部材、帯電用部材、またはトナー供給用部材などがあげられる。なかでも、転写用部材、中間転写用部材としての半導電性ローラに好適に用いられる。前記半導電性ローラは、具体的には、例えば、電子写真装置用の帯電ローラ、現像ローラ、転写ローラ、給紙ローラ、クリーニングローラ、定着用の加圧ローラ、またはドラム等があげられる。
図2を用いて、画像記録装置の一実施形態である中間転写タイプの電子写真装置を説明する。
アルミニウムパイプ上に感光体材料を塗布して形成した電子写真感光体101の表面を、帯電ローラ(帯電器)102により均一に帯電させ、つぎに書き込み装置104aから発せられた、画像情報に応じた走査露光光104bにより、感光体の表面に静電潜像を形成する。この静電潜像は、現像器のうちの、今回形成された静電潜像の色情報に対応する現像器105aにより現像・可視化される。この可視化されたトナー像は、電子写真感光体101と中間転写ドラム110とが接触した転写領域P1において、電子写真感光体101から中間転写ドラム110の表面に、図示しない電源から中間転写ドラム110と感光体101との間に電圧を印加することにより転写される。転写後の感光体表面は除電ランプ108からの光が照射されて除電され、感光体表面に残ったトナーはクリーニング装置103により除去される。前記工程を複数回繰り返し、都度、画像情報に応じた色の異なる現像剤を有する現像器105b、105c、105dにより現像・可視化され、感光体表面から中間転写ドラム110に順次に転写・積層させ、複数のトナー画像を中間転写ドラム表面に積層形成させる。中間転写ドラム110の表面に積層形成されたカラートナー画像は、用紙搬送ロール109により搬送されて、中間転写ドラム110と、ロール形状の転写部材106との間に位置した記録材112との接触領域において、中間転写ドラム110と転写部材106との間に印加された電圧により、転写部材106から記録材112に電荷が移動することにより帯電した記録材表面に静電的に吸着され、記録材表面に一括して転写される。記録材112表面に一括して転写されたトナー画像は、定着装置107まで搬送され、その定着装置107により定着される。
また、図3を用いて画像記録装置のもう1つの実施形態を説明する。
この画像記録装置は、ブラック(K)、イエロー(Y)、マゼンタ(M)、シアン(C)の4色に対応して、表面に感光層を有するドラム状の感光体101K、101Y、101M、101Cと、これらの感光体をそれぞれ一様に帯電する帯電ローラ(帯電器)102K、102Y、102M、102Cと、一様に帯電された感光体にそれぞれ像光を照射して静電潜像を形成する像書き込み装置104K、104Y、104M、104Cと、K、Y、M、Cの各色の現像剤を収容した4台の現像器105K、105Y、105M、105Cと、前記4つの感光体101K、101Y、101M、101Cのうち2つずつに接触する2本のドラム形状の第一の中間転写ドラム110と、これら2本の中間転写ドラムに接触するドラム形状の第二の中間転写ドラム111、第二の中間転写ドラム111上に重ね合わせ転写されたトナー像を、搬送ローラ109によって搬送されてきた記録材112上に一括転写するためのローラ形状の転写部材106と、記録材112上のトナー像を定着する定着装置107とを備えている。
各感光体101K、101Y、101M、101C上には、各色に対応する静電潜像が形成され、各現像器105K、105Y、105M、105Cにより各色トナーで現像されて各色のトナー像が形成される。各感光体101K、101Y、101M、101C上の各色トナー像は2色ずつ第一の中間転写ドラム110上に重ね転写されたのち、第二の中間転写ドラム111上に4色が重ね合わされる。第二の中間転写ドラム111上のトナー像は、第二の中間転写ドラム111と転写部材106との間に印加された電圧により、転写部材106から記録材112に電荷が移動して帯電した記録材表面に静電的に吸着され、記録材料112上に一括転写されたのち、定着装置107により、その記録材112上に定着される。
また、図4を用いて画像記録装置のもう1つの実施形態を説明する。
この画像記録装置は、ブラック(K)、イエロー(Y)、マゼンタ(M)、シアン(C)の4色に対応して、表面に感光層を有するドラム状の感光体101K,101Y,101M,101Cと、これらの感光体に一定圧力で接触し、感光体との間に、直流電圧あるいは交流に直流電圧を重畳させて印加することにより、感光体表面を均一に帯電させる帯電部材102K,102Y,102M,102Cと、一様に帯電された感光体にそれぞれ像光を照射して静電潜像を形成する像書き込み装置104K,104Y,104M,104Cと、K,Y,M,Cの各色の現像剤を収容した4台の現像器105K,105Y,105M,105Cと、上記4つの感光体101K,101Y,101M,101Cに接触するベルト形状の中間転写部材118と、この中間転写部材118上に重ね合わせ転写されたトナー像を、搬送ローラー109によって搬送されてきた記録材112上に一括転写するためのローラー形状の転写部材106と、記録材112上のトナー像を定着する定着装置107とを備えている。
また、図5を用いて本発明に基づく現像部材を使用した一実施形態である現像装置を説明する。
現像ローラ(現像部材)113は、導電性シャフト(支持部材)203の周りに形成された半導電性弾性層202、この半導電性弾性層202上に必要に応じて形成された表面層201から構成される。トナー容器115に貯蔵されたトナー116は、供給ローラ114によって確実に現像ローラ113の表面に担持され、トナー容器115に取付けられた規制ブレードなどの規制部材117によって押圧されて接触帯電・摩擦帯電してトナー薄層となる。このトナー薄層が感光体101の表面の静電潜像に付着することによって、トナー像が形成される。現像ローラ113や供給ローラ114、規制ブレード117には、これらの表面電位を調整すべく、直流電圧が印加される場合が多い。図には示されていないが、通常現像ローラの両端部からトナーが漏れるのを防ぐために、ローラ両端部および端部側面はフェルトなどを用いてトナーのシールが行なわれている。
前記金属性支持部材203は、ステンレス鋼、鉄にメッキを施したものまたはアルミニウムのシャフト、円筒形状のアルミニウム素管を機械加工により仕上げたドラム、ステンレス板を円筒形状に曲げて作製しこれらのつなぎ部分をレーザー加工により溶接したシームレスロールとしたものを例としてあげることができる。
前記部材203に要求される機能は、半導電性弾性層202および表面層201を支持し所定の形状を維持することである。旋盤加工・研磨加工などの機械加工および引き抜き加工・絞り加工などの賦形加工により、容易に加工できる導電性材料であれば、その材質や加工方法に制限を受けるものではない。
前記弾性層202に要求される主な機能は、支持部材203を通じ供給される電荷を表面層201に伝達するために必要な導電性、半導電性部材110と接触する部材との間に安定した接触領域すなわちニップ領域を形成するのに必要な硬度、および軸方向全体に均一なニップ幅を形成するために必要な外径均一性である。
前記半導電性部材の抵抗は、23℃、相対湿度55%の環境下において、1000Vの直流電圧を印加して測定した場合、105Ω〜109Ωであることが必要である。105Ωより小さいと、接触する部材との間に過剰な電流が流れ、各種の画像欠陥の原因となり、109Ωより大きいと接触する部材との間に流れる電流が少なくなり、接触する部材を充分帯電できず、画像欠陥の原因となる。抵抗の下限は105Ωであるが、106Ωであることがより好ましい。
前記半導電性部材は、抵抗測定時の印加電圧を高くすると抵抗が低下するという性質をもっているが、このような特性は、半導電性部材として用いる場合、電圧の制御が必要であるため好ましくない。このような点から、前記半導電性部材の、23℃、相対湿度55%の環境下において、500Vおよび1000Vの直流電圧を印加して測定を行った部材の抵抗をそれぞれR500およびR1000としたときのR500/R1000の値を0.8〜1.2とすることが必要である。R500/R1000の値が1.2より大きいか、または0.8より小さいと、一定の値の抵抗体とみなすことができないため、電流値を一定にするような特別な制御回路が必要となる。R500/R1000の下限は0.9、上限は1.1であることが好ましい。
さらに、電子写真装置が使用される種々の環境において均一な画像品質を得るためには、通常使用される温度湿度の下限である、15℃、相対湿度10%の環境下での部材の抵抗RLLと、同じく上限である、32.5℃、相対湿度85%の環境下での部材の抵抗RHHの比RLL/RHHが10以下であれば、一定の抵抗体として特殊な制御機構を用いず使用できる。さらに、RLL/RHHが5以下であれば、カラープリンターなどのとくに高品質な画像を要求される用途においても特別な制御機構を用いずに使用できるため好ましい。
さらに、前記半導電性部材は、連続通電により部材の抵抗が経時的に変化すると、画像品質が経時的に変化するという性質を有する。この連続使用による画質変化を極めて小さくするためには、通常使用される23℃、相対湿度55%の環境下において、部材を回転させながら、通常印加される1000Vの直流電圧を連続100時間印加したときの部材の抵抗が初期の部材の抵抗の0.5〜2倍であることが好ましい。初期抵抗からの変化が2倍をこえると、初期の画質との差が極めて大きくなり、0.5倍より小さいと同様に、初期の画質との差が極めて大きくなる傾向にある。
前記半導電性部材の抵抗の位置ばらつきは、23℃、相対湿度55%の環境下において、1000Vの直流電圧を印加して測定した場合、20%以下であることが必要である。20%をこえると、乾式電子写真装置などの画像形成装置の、帯電用、現像用、または転写用などの部材として用いた場合に、画像の品質を低下する要因となる傾向がある。位置ばらつきの上限は20%であるが、10%以下であることが好ましい。
さらに、前記部材抵抗の変動を補正するために、静止時の部材抵抗を測定し、この値をもとに実際に動作する際の部材に印加する電圧を制御するなどの制御方法を用いるが、静止時と回転時の部材抵抗が大きく異なると、部材抵抗の変動の補正が困難であるため、回転時と静止時の部材抵抗の違いが少ないことが望まれる。すなわち、通常使用する23℃、相対湿度55%の環境下において、同じく通常使用される1000Vの直流電圧を印加して、回転時および静止時に測定したローラ抵抗をそれぞれRrotateおよびRstaticとしたときのRrotate/Rstaticの値が0.7〜1.5であることが必要である。この場合、静止時のローラ抵抗をモニターして、部材抵抗の変動を容易に補正できる。Rrotate/Rstaticの値の上限は1.5であるが、1.3であることが好ましい。一方、下限は0.7であるが、0.9であることが好ましい。Rrotate/Rstaticの値が0.7より小さい、あるいは1.5をこえると静止時の抵抗値のモニターによる部材抵抗の変動の補正が正確ではなくなる傾向があり、部材抵抗の変動を補正するために複雑な機構が必要となる場合がある。
近年、電子写真装置の高画質化、高機能化に対する要求はますます厳しくなっており、そのため、半導電性部材がより広い電圧範囲での使用が望まれている。そのような用途で使用する場合、特に前記半導電性部材の、23℃、相対湿度55%の環境下において、100Vおよび1000Vの直流電圧を印加して測定を行った部材の抵抗をそれぞれR100およびR1000としたときのR100/R1000の値を0.1〜10とすることが好ましい。とくに、R100/R1000が0.5〜2の場合には、特別な制御を必要としないため、より好ましい。R100/R1000の値が0.1より小さい、あるいは10をこえると一定の値の抵抗体とはみなせなくなる傾向にあり、電流値を一定にするための特別な制御回路が必要となる場合がある。
また、前記半導電性弾性層202の外周面上に表面層201を形成して得られる半導電性部材の外径寸法精度が悪いと、前記ニップ幅が安定しないため、転写した画像を大きく劣化させる。このため、部材の外形の振れを好ましくは100μm以下、より好ましくは60μm以下にすることが好ましい。この点、前記半導電性組成物を用い、上記成型法で作製した半導電性部材110は、研磨などの後加工を行わなくてもこのような高い外径寸法精度の成形体が容易に得られるという特徴を持つ点でとくに好ましい。なお、ここで、前記部材の外径の振れとは、部材の半径の変動量を意味し、通常は、部材から離れた位置に設定した基準点と部材の外周面との距離を、部材を回転しながら測定し、その最大値と最小値より求める。
本発明における半導電性部材110の製造方法は,特に限定されず、従来公知の各種部材の成形方法を用いることができる。例えば、中心にSUS製などの金属支持部材203を設置した金型に、半導電性組成物を押出成形、プレス成形、射出成形、反応射出成形(RIM)、液状射出成形(LIM)、注型成形などの各種成形法により成形し、適切な温度および時間で加熱硬化させて金属支持部材203のまわりに半導電性弾性層202を成形する。ここで、本発明における半導電性部材の製造方法としては、弾性層を形成するための半導電性組成物が液状であることから、生産性、加工性の点で液状射出成形が好ましい。この場合、半導電性組成物は、半硬化させた後に、別途後硬化させるプロセスを設けて完全硬化させてもよい。さらに必要に応じて、前記半導電性弾性層の外側に単数または複数の層201を設けてもよい。
前記弾性層202は、前記(A)分子中に1個以上のヒドロシリル化反応可能なアルケニル基を有するオキシアルキレン系重合体、前記(B)分子中に2個以上のヒドロシリル基を有する化合物、前記(C)ヒドロシリル化触媒、および前記(E)非イオン界面活性剤を含む導電性硬化性組成物の硬化物からなることが好ましい。前記組成物は硬化前には低粘度であり、硬化後には低硬度であるので加工性の観点から好ましいものである。
この導電性弾性層202の上から、表面層201を構成する樹脂をスプレー塗布、ディップ塗布、またはロールコートなどの方法を用いて所定の厚みに塗布し、所定の温度で乾燥、硬化させることにより、本発明の半導電性部材110が得られる。
前記表面層201の具体的主成分としては、とくに限定はないが、導電特性の観点からは−NHCO−結合を含有し、また環境安定性の観点からはポリカーボネート骨格のような−ROCO2−の繰り返し単位を有する樹脂を主な組成とする樹脂組成物からなっていればよく、ポリアミドやポリウレタンと、ポリカーボネートとのブレンド樹脂であっても、1分子中に−NHCO−結合と−ROCO2−の繰り返し単位との両方の単位を有するポリカーボネートウレタンなどであってもよい。
前記ポリカーボネートウレタンとしては、−ROCO2−骨格の−R基が、脂環式アルキル基または直鎖アルキル基などであるものが好ましい。これらの中でも、表面層の低硬度と低吸水率とがバランス良く得られるという観点からは、−R基が直鎖アルキル基であることが望ましい。
また、前記ポリカーボネートウレタンは、ポリカーボネートポリオールとポリイソシアネートとの反応によって得られる化合物である。ポリカーボネートポリオールは、多価アルコールとホスゲン、クロル蟻酸エステル、ジアルキルカーボネートまたはジアリルカーボネートとの縮合によって得られる。多価アルコールとしては、1,6−ヘキサンジオール、1,4−ブタンジオール、1,3−ブタンジオールまたは1,5−ペンタンジオールなどを用いるのが望ましく、ポリカーボネートポリオールの数平均分子量(Mn)は、約300〜15000の範囲内にあることが望ましい。ポリカーボネートポリオールは、単独で使用されるのが好ましいが、ポリエステルポリオール、ポリエーテルポリオールまたはポリエステル−ポリエーテルポリオールと併用することもできる。
前記のポリカーボネートポリオールと反応するポリイソシアネートとしては、トリレンジイソシアネート(TDI)、4,4’−ジオフェニルメタンジイソシアネート(MDI)、キシレンジイソシアネート(XDI)、ヘキサメチレンジイソシアネート(HDI)、水添MDI、水添TDIまたはイソホロンジイソシアネート(IPDI)などが使用される。これらの中でも、入手のし易さやコスト、電気特性、機械特性などの特性などのバランスを考慮すると、水添MDIもしくはIPDIを用いるのが好ましい。
一方、前記表面層201の主成分として、温度、湿度などの環境の変動による抵抗の変動を小さくするという観点から、アクリル−カルボン酸ビニル系共重合体を主成分とする樹脂組成物を用いることもできる。このアクリル−カルボン酸ビニル共重合体は、アクリル酸エステルモノマー成分、メタアクリル酸エステルモノマー成分およびカルボン酸ビニルモノマー成分の合計量が樹脂成分中に50重量%以上、好ましくは80重量%以上含有される共重合体であって、前記カルボン酸ビニルモノマー成分が樹脂成分中に3重量%以上、好ましくは5重量%以上、より好ましくは10重量%以上含有される共重合体である。
前記アクリル酸エステルモノマー成分としては、重合が良好に進行するという観点から、アクリル酸メチル、アクリル酸エチル、アクリル酸ブチル、またはアクリル酸2−エチルヘキシル、などがあげられる。
また前記メタアクリル酸エステルモノマー成分としては、重合が良好に進行するという観点から、メタアクリル酸メチル、メタアクリル酸エチル、またはメタアクリル酸ブチルなどがあげられる。これらの中でも、入手のし易さの観点からは、メタアクリル酸メチルが好ましい。
そして前記カルボン酸ビニルモノマー成分としては、重合が良好に進行するという観点から、酢酸ビニル、プロピオン酸ビニル、吉草酸ビニル、またはイソ吉草酸ビニルなどがあげられる。これらの中でも、入手のし易さ、トナーを良好にマイナス帯電させるという観点からは、酢酸ビニルを用いることが好ましい。
また、前記表面層201には抵抗調整、表面形状の調整あるいは導電性弾性層202に対する接着性などの観点から、導電剤、各種フィラーあるいはシランカップリング剤の各種添加剤を必要に応じて添加してもよい。
前記表面層201の塗布方法にとくに限定はないが、たとえば前記の樹脂を溶剤に溶かして固形分を5〜15%にしてスプレーあるいはディッピング塗布する方法が簡便である。この際、表面層溶液の被膜性を改善するために、レベリング剤などの各種添加剤を必要に応じて添加してもよい。
前記表面層201の厚さは、用いる材料、組成および用途などにより適切な値に設定するものであり、とくに限定されないが、通常5〜50μmが好ましい。5μmより薄くなると耐磨耗性が低下し、長期間の耐久性が低下する傾向がある。50μmより厚いと、前記弾性層202との線膨張率の差に起因してしわが発生しやすくなるまたは圧縮歪みが大きくなるなどの問題が発生する傾向がある。
また、前記半導電性弾性層202の厚みは、用いる用途などに応じて適時設定されるべきもので、とくに限定されないが、通常1〜10mmが好ましい。厚みが1mmより薄いと、半導電性弾性層202の硬度が低くても充分な接触幅を確保することが困難となる傾向にある。また10mmをこえると、使用状態でねじれなどの好ましくない変形を起しやすくなり、画像欠陥の原因となり易い傾向にある。
本発明の部材を中間転写ドラムとして用いた画像記録装置においては、前記半導電性弾性層202の厚みが3〜8mmで、かつ、ドラムの硬度はアスカーC硬度60度以下であることが好ましい。前記半導電性弾性層202の厚さが8mmをこえると周方向速度にムラが生じ、中間転写ドラム110上に転写させたトナー画質が乱れる傾向にある。また、3mmより小さいと所望のニップ幅を得ることが困難となる傾向にある。ドラムの硬度は低いほど広いニップ幅を安定して得るためには有効であるが、ドラムの硬度が低くなると圧縮永久歪みが大きくなるなどの問題が生じるため、通常、アスカーC硬度で20度以上が好適に用いられる。
以下に具体的実施例にしたがい本発明の説明を行なう。
実施の形態1
実施例1
(A)アリル末端ポリオキシプロピレン(カネカサイリルACX004−N、鐘淵化学工業株式会社製)100gに対して、(D)イオン性導電性付与剤(LV−70、旭電化株式会社製)10gを混合し、ついでこの混合物に(B)ポリオルガノハイドロジェンシロキサン(ACX−004−C、鐘淵化学工業株式会社製)7g、(C)ビス(1,3−ジビニル−1,1,3,3−テトラメチルジシロキサン)白金錯体触媒(白金含有率13.2×10−5mmol/μL、キシレン溶液)88μL、および貯蔵安定性改良剤として1−エチル‐1−シクロヘキサノールを0.1g秤取し、均一に混合し、組成物を得た。前記組成物を真空脱泡攪拌装置(シーテック株式会社製)で60分間脱泡を行ったのち、得られた半導電性組成物をフッ素樹脂シートを敷いたアルミの金属枠に充填し、140℃、15分間加熱の条件でプレス成型し、2mm厚のシート状硬化物を5枚得た。
得られたシート状半導電性ゴムについて、温度20℃、相対湿度60%の環境下に24時間放置後、体積抵抗率を印加電圧100Vおよび1000Vでの条件で測定した。得られた測定結果について、5枚のシートの100V印加での体積抵抗率の平均(R100)および1000V印加における体積抵抗率の平均(R1000)を示し、電圧依存性をR100とR1000の比の対数値[LOG(R100/R1000)]で評価した。また、5枚のうち、最も抵抗の高かった測定値(RMAX)および最も抵抗の低かった測定値(RMIN)の比の対数値[LOG(RMAX/RMIN)]を算出し、サンプルの抵抗バラツキを評価した。配合表および評価結果を表1に示す。
実施例2
(D)イオン性導電性付与剤(LV−70、旭電化株式会社製)を2g配合したこと以外は、実施例1同様にしてシート状硬化物を作成した。配合表および評価結果を表1に示す。
実施例3
(D)イオン性導電性付与剤(LV−70、旭電化株式会社製)を0.5g配合したこと以外は、実施例1同様にしてシート状硬化物を作成した。配合表および評価結果を表1に示す。
実施例4
(D)成分としてイオン性導電性付与剤(エレガンLD−204、日本油脂株式会社製)を2g配合したこと以外は、実施例1同様にしてシート状硬化物を作成した。配合表および評価結果を表1に示す。
実施例5
(D)成分としてイオン性導電性付与剤(エレガンLD−204、日本油脂株式会社製)を0.5g配合したこと以外は、実施例1同様にしてシート状硬化物を作成した。配合表および評価結果を表1に示す。
比較例1
(A)アリル末端ポリオキシプロピレン(カネカサイリルACX004−N、鐘淵化学工業株式会社製)100gに対して、導電性付与剤としてカーボンブラック(#3030B、三菱化学株式会社製)5gを加えたものを3本ロールで混練した。ついでこの混合物に(B)ポリオルガノハイドロジェンシロキサン(ACX−004−C、鐘淵化学工業株式会社製)7g、(C)ビス(1,3−ジビニル−1,1,3,3−テトラメチルジシロキサン)白金錯体触媒(白金含有率13.2×10−5mmol/μL、キシレン溶液)88μL、および貯蔵安定性改良剤として1−エチル‐1−シクロヘキサノールを0.1g秤取し、均一に混合し、組成物を得た。前記組成物から実施例1同様にして2mm厚のシート状硬化物を5枚得た。配合表および評価結果を表1に示す。
以上に示した結果から、本発明の半導電性組成物から得られる半導電性ゴムは、極めて、電気特性のサンプルバラツキが小さく、かつ、電気依存性も小さくなることが明らかであり、電子伝導型導電性付与剤として一般的に用いられるカーボンブラックを用いた場合に比べても、極めてサンプルバラツキや電圧依存性で優位性が見られる。
実施例6
(A)アリル末端ポリオキシプロピレン(カネカサイリルACX004−N、鐘淵化学工業株式会社製)300gに対して、(D)イオン性導電性付与剤(エレガンLD−204、日本油脂株式会社製)3gを混合し、ついでこの混合物に(B)ポリオルガノハイドロジェンシロキサン(ACX−004−C、鐘淵化学工業株式会社製)20g、(C)ビス(1,3−ジビニル−1,1,3,3−テトラメチルジシロキサン)白金錯体触媒(白金含有率13.2×10−5mmol/μL、キシレン溶液)210μL、および貯蔵安定性改良剤としてジメチルマレートを105μL秤取し、均一に混合し、組成物を得た。前記組成物を真空脱泡攪拌装置(シーテック株式会社製)で60分間脱泡を行ったのち、得られた半導電性組成物をローラ成型用金型に射出圧1MPaで注入し、140℃、20分間加熱の条件で、直径8mmのSUS製のシャフトのまわりに厚み3mm、長さ230mmの半導電性弾性層を設けた半導電性ローラを5本得た。
得られたローラについて、温度23℃、相対湿度55%の環境下で、印加電圧100Vおよび1000Vにおけるローラ抵抗を測定した。得られた測定結果について、5本のローラの100V印加でのローラ抵抗の平均(R100)および1000V印加におけるローラ抵抗の平均(R1000)を示し、電圧依存性をR100とR1000の比の対数値[LOG(R100/R1000)]で評価した。また、5本のうち、最も抵抗の高かった測定値(RMAX)および最も抵抗の低かった測定値(RMIN)の比の対数値[LOG(RMAX/RMIN)]を算出し、サンプルの抵抗バラツキを評価した。配合表および評価結果を表2に示す。
比較例2
(A)アリル末端ポリオキシプロピレン(カネカサイリルACX004−N、鐘淵化学工業株式会社製)300gに対して、導電性付与剤としてカーボンブラック(MA220、三菱化学株式会社製)24gを加えたものを3本ロールで混練した。ついでこの混合物に(B)ポリオルガノハイドロジェンシロキサン(ACX−004−C、鐘淵化学工業株式会社製)20g、(C)ビス(1,3−ジビニル−1,1,3,3−テトラメチルジシロキサン)白金錯体触媒(白金含有率13.2×10−5mmol/μL、キシレン溶液)210μL、および貯蔵安定性改良剤としてジメチルマレートを105μL秤取し、均一に混合し、組成物を得た。前記組成物から実施例6同様にして半導電性ローラを5本得た。配合表および評価結果を表2に示す。
以上に示した結果から、本発明の半導電性部材は、極めて、電気特性のサンプルバラツキが小さく、かつ、電気依存性も小さくなることが明らかであり、電子伝導型導電性付与剤として一般的に用いられるカーボンブラックを用いた場合に比べても、極めてサンプルバラツキや電圧依存性で優位性が見られる。
実施の形態2
実施例7
(E)成分としてポリオキシエチレンアルケニルエーテル(ノニオンE205S、日本油脂株式会社製)10gを混合したこと以外は、実施例1同様にしてシート状硬化物を作成した。配合表および評価結果を表3に示す。
実施例8
(E)成分としてポリオキシエチレンアルケニルエーテル(ノニオンE205S、日本油脂株式会社製)を2g配合したこと以外は、実施例1同様にしてシート状硬化物を作成した。配合表および評価結果を表3に示す。
実施例9
(E)成分としてポリオキシエチレンアルキルエーテル(ユニオックスMM500、日本油脂株式会社製)5g配合したこと以外は、実施例1同様にしてシート状硬化物を作成した。配合表および評価結果を表3に示す。
以上に示した結果から、本発明の半導電性組成物から得られる半導電性ゴムは、極めて、電気特性のサンプルバラツキが小さく、かつ、電気依存性も小さくなることが明らかであり、電子伝導型導電性付与剤として一般的に用いられるカーボンブラックを用いた場合に比べても、極めてサンプルバラツキや電圧依存性で優位性が見られる。
実施例10
(E)成分として、ポリオキシエチレンアルケニルエーテル(ノニオンE205S、日本油脂株式会社製)15gを混合したこと以外は、実施例6同様にして半導電性ローラを5本得た。配合表および評価結果を表4に示す。
比較例3
導電性付与剤としてカーボンブラック(MA220、三菱化学株式会社製)15gを加えたこと以外は、比較例2同様にして半導電性ローラを5本得た。配合表および評価結果を表4に示す。
以上に示した結果から、本発明の半導電性部材は、極めて、電気特性のサンプルバラツキが小さく、かつ、電気依存性も小さくなることが明らかであり、電子伝導型導電性付与剤として一般的に用いられるカーボンブラックを用いた場合に比べても、極めてサンプルバラツキや電圧依存性で優位性が見られる。
実施の形態3
実施例11
(A)成分であるACX004−N(鐘淵化学工業製)300gに対して、(E)成分としてポリオキシエチレンアリルメチルエーテル(ユニルーブPKA−5007、日本油脂製、分子量400)30gを混合し、ついで、この混合物に(B)成分として下に構造を示す化合物Bを21g、
(C)成分として、ビス(1,3−ジビニル−1,1,3,3−テトラメチルジシロキサン)白金錯体触媒(白金含有量3wt%、キシレン溶液)を210μL、そして貯蔵安定性改良剤として、ジメチルマレートを105μL秤取し、均一混合し、組成物を得た。前記組成物から実施例6同様にして半導電性ローラを5本得た。配合表および評価結果を表5に示す。
実施例12
(E)成分としてユニルーブPKA5007を105g、(B)成分として化合物Bを48g用いたこと以外は、実施例11同様にして半導電性ローラを5本得た。配合表および評価結果を表5に示す。
実施例13
(E)成分としてポリオキシエチレン−オキシプロピレン共重合体アリルブチルエーテル(ユニセーフPKA5015、日本油脂製、分子量1600、主鎖におけるオキシエチレン単位の含有量75%)を105g、(B)成分として化合物Bを20g用いたこと以外は、実施例11同様にして半導電性ローラを5本得た。配合表および評価結果を表5に示す。
実施例14
さらに過塩素酸リチウムを0.5g添加したこと以外は、実施例13同様にして半導電性ローラを5本得た。配合表および評価結果を表5に示す。
実施例15
実施例11記載の処方について、(E)成分としてポリオキシエチレンアルケニルエーテル(ノニオンE205S、日本油脂株式会社製)を30g、(B)成分として化合物Bを12g用いたこと以外は、実施例11同様にして半導電性ローラを5本得た。配合表および評価結果を表5に示す。
比較例4
(A)アリル末端ポリオキシプロピレン(カネカサイリルACX004−N、鐘淵化学工業株式会社製)300gに対して、導電性付与剤としてカーボンブラック(MA220、三菱化学株式会社製)15gを加えたものを3本ロールで混練した。ついでこの混合物に(B)化合物B12g、(C)ビス(1,3−ジビニル−1,1,3,3−テトラメチルジシロキサン)白金錯体触媒(白金含有率3wt%、キシレン溶液)210μL、および貯蔵安定性改良剤としてジメチルマレートを105μL秤取し、均一に混合し、組成物を得た。前記組成物から実施例11同様にして半導電性ローラを5本得た。配合表および評価結果を表5に示す。
以上に示した結果から、本発明の半導電性部材は、極めて、電気特性のサンプルバラツキが小さく、かつ、電気依存性も小さくなることが明らかであり、電子伝導型導電性付与剤として一般的に用いられるカーボンブラックを用いた場合に比べても、極めてサンプルバラツキや電圧依存性で優位性が見られる。また、(E)成分としてアルケニル基含有ポリオキシエチレン系重合体とすると、化学結合を介して、架橋構造内に取りこみ、ブリードのリスクをより低減することができた。
実施の形態4
これらの実施例および比較例の半導電性ローラは長さ248mm、外径16mmのステンレスシャフトの表面にプライマー処理を施したものを支持部材とした。
実施例16
(A)アリル末端ポリオキシプロピレン(カネカサイリルACX004−N、鐘淵化学工業株式会社製)100重量部に対して、(B)ポリオルガノハイドロジェンシロキサン(ACX−004−C、鐘淵化学工業株式会社製)6.6重量部、(C)ビス(1,3−ジビニル−1,1,3,3−テトラメチルジシロキサン)白金錯体触媒(白金含有率3wt%、キシレン溶液)0.06重量部、および(E)非イオン界面活性剤(ノニオンE205S、日本油脂株式会社製)3重量部を混合し、減圧(10mmHg以下、120分間)脱泡した。
前記シャフトを設置した金型内に得られた組成物を注入したのち、金型ごと140℃で30分間加熱し、組成物を硬化させることにより、シャフトの外周上に厚さ約5mmの半導電性弾性層を形成した。半導電性弾性層は、21℃、相対湿度60%の条件下で、アスカーC硬度が40度であった。
つぎに半導電性弾性層の表面に、ポリエーテルウレタン(Y258、大日精化工業株式会社製)をメチルエチルケトン/ジメチルホルムアミド=1/1で固形分5%になるよう希釈した溶液に導電剤としてカーボンブラック(MA220、三菱化学株式会社製)を樹脂固形分に対して10重量部分散した溶液を作製し、半導電性弾性層の表面にスプレーにより塗布乾燥(160℃、30分)し、半導電性弾性層の外周面上に10μmの表面層を形成し、半導電性ローラを作製した。
以上のようにして作製した半導電性ローラを23℃、相対湿度55%の環境下に24時間放置後、この環境下で以下の測定を行った。このローラの印加電圧による抵抗変化を調べるため、ローラをアルミニウム板上にのせ1Kgの荷重下(すなわちローラ全体に1kgの荷重をかけた状態)で、アルミニウム板とシャフト間に100V、500Vおよび1000Vの直流電圧を印加しR500およびR1000の測定を行った。測定はローラを90度づつ回転しながら4度行ないその平均値をローラ抵抗とした。その結果R500は1.5×108Ω、R1000は1.4×108Ωであり、R500/R1000は1.07であった。
また、ローラの抵抗の環境依存性を測定するため、ローラを▲1▼15℃、相対湿度10%(LL)の環境下および▲2▼32.5℃、相対湿度85%(HH)の環境下にそれぞれ24時間放置後、引き続き▲1▼、▲2▼それぞれの環境下でローラをアルミニウム板上にのせ、1Kgの荷重下で、アルミニウム板とシャフト間に1000Vの直流電圧を印加しながらローラの抵抗RLLおよびRHHを測定した。その結果RLLおよびRHHは2.0×108Ω(RLL)および7.0×107Ω(RHH)であり、RLL/RHHは2.9であった。
つぎにこのローラを直径30mmのステンレス製パイプに1Kgの荷重で押しつけ、ローラを毎分30回転の速度で回転させながら、1000Vの直流電圧を100時間印加したのち、ローラをアルミニウム板上にのせ1Kgの荷重下で、アルミニウム板とシャフト間に1000Vの直流電圧を印加し、再びR1000を測定したところ、2.2×108Ωであり、電圧連続印加前の1.57倍であった。
また、ローラの抵抗の位置ばらつきを測定するため、図7に示した20mm幅のアルミニウム製の電極板302を電気絶縁体301上に20mm間隔で5本配置した測定電極上にのせ、1Kgの荷重下で、各アルミニウム電極とシャフト間に1000Vの電圧を印加することにより各位置の抵抗を測定した。測定は軸方向に5点の測定を周方向に90度づつ回転しながら4カ所の計20点で行ない、次式から抵抗の位置ばらつきを求めたところ、12%であった。
抵抗の位置ばらつき=(抵抗の最大値−抵抗の最小値)×100/((抵抗の最大値+抵抗の最小値)×2)(%)
また、回転時のローラ抵抗Rrotateを、ローラを外径30mmのステンレス製パイプに1kgの荷重で押しつけ、ローラを1分間に30回転の速度で回転させながら、1000Vの直流電圧を印加することにより測定した。前記条件で10回/秒のサンプリングを30秒間行ない、その平均値を計算した結果、回転時のローラ抵抗は1.25×108Ωであった。前記R1000を静止時の抵抗Rstaticとし、Rrotate/Rstaticを計算すると0.89であった。
実施例17
(E)成分として非イオン界面活性剤(ユニオックスMM500、日本油脂株式会社製)5重量部を用いたこと以外は実施例16同様にして半導電性弾性層を形成した。前記弾性層は、21℃、相対湿度60%の条件下で、アスカーC硬度が40度であった。
つぎに実施例16同様にして前記半導電性弾性層の外周面上に10μmの表面層を形成し、半導電性ローラを作製した。
作製した半導電性ローラを23℃、相対湿度55%の環境下に24時間放置後、実施例16同様にして評価を行った。
その結果、R500は1.0×108Ω、R1000は9.5×107Ω、R500/R1000は1.05であった。また、ローラの抵抗のRLLおよびRHHは、2.0×108Ω(RLL)および6.0×107Ω(RHH)であり、RLL/RHHは3.3であった。
さらに100時間電圧連続印加後のR1000は、1.5×108Ωとなり、電圧連続印加前の1.58倍になった。
また、抵抗の位置ばらつきは5.5%であった。
さらに、Rrotateは8.5×107Ω、実施例16と同様にR1000をRstaticとし、Rrotate/Rstaticを計算したところ、0.89であった。
比較例5
(E)成分の代わりに導電剤としてカーボンブラック(MA220、三菱化学株式会社製)5重量部を用いたこと以外は実施例16同様にして半導電性弾性層を形成した。前記弾性層は、21℃、相対湿度60%の条件下で、アスカーC硬度が40度であった。
つぎに実施例16同様にして前記半導電性弾性層の外周面上に10μmの表面層を形成し、半導電性ローラを作製した。
作製した半導電性ローラを23℃、相対湿度55%の環境下に24時間放置後、実施例16同様にして評価を行った。
その結果、R500は3.5×107Ω、R1000は2.0×107Ω、R500/R1000は1.75であった。また、ローラの抵抗のRLLおよびRHHは2.0×108Ω(RLL)および1.0×107Ω(RHH)であり、RLL/RHHは20であった。
さらに100時間電圧連続印加後のR1000は、4.5×107Ωに変化し、電圧連続印加前の2.25倍となった。
また、抵抗の位置ばらつきは55%であった。
さらに、Rrotateは4.5×107Ω、実施例16と同様にR1000をRstaticとし、Rrotate/Rstaticを計算したところ、2.25であった。
実施の形態5
これらの実施例および比較例の転写部材は長さ248mm、外径16mmのステンレスシャフトの表面にプライマー処理を施したものを支持部材とし、ローラ形状に成型した転写ローラを全て転写部材とした。
実施例18
実施例16同様にして、ステンレスシャフトの外周上に半導電性弾性層を形成した。前記弾性層は、21℃、相対湿度60%の条件下で、アスカーC硬度が40度であった。
ついで、実施例16同様にして転写ローラを作製した。
作製した転写ローラを23℃、相対湿度55%の環境下に24時間放置後、実施例16同様にして評価を行った。
その結果、R500は1.5×108Ω、R1000は1.4×108Ω、R500/R1000は1.07であった。
また、RLLよびRHHは2.0×108Ω(RLL)および7.0×107Ω(RHH)であり、RLL/RHHは2.9であった。
さらに、100時間電圧連続印加後のR1000は2.2×108Ωであり、電圧連続印加前の1.57倍であった。
実施例19
実施例17同様にして、ステンレスシャフトの外周上に半導電性弾性層を形成した。前記弾性層は、21℃、相対湿度60%の条件下で、アスカーC硬度が40度であった。
ついで、転写ローラを実施例17同様にして作製した。
作製した転写ローラを23℃、相対湿度55%の環境下に24時間放置後、実施例16同様にして評価を行った。
その結果、R500は1.0×108Ω、R1000は9.5×107Ω、R500/R1000は1.05であった。また、ローラの抵抗のRLLおよびRHHは2.0×108Ω(RLL)および6.0×107Ω(RHH)であり、RLL/RHHは3.3であった。
さらに100時間電圧連続印加後のR1000は、1.5×108Ωとなり、電圧連続印加前の1.58倍になった。
比較例6
比較例5同様にして、ステンレスシャフトの外周上に半導電性弾性層を形成した。前記弾性層は、21℃、相対湿度60%の条件下で、アスカーC硬度が40度であった。
ついで、転写ローラを比較例5同様にして作製した。
作製した転写ローラを23℃、相対湿度55%の環境下に24時間放置後、実施例16同様にして評価を行った。
その結果、R500は3.5×107Ω、R1000は2.0×107Ω、R500/R1000は1.75であった。また、ローラの抵抗のRLLおよびRHHは2.0×108Ω(RLL)および1.0×107Ω(RHH)であり、RLL/RHHは20であった。
さらに100時間電圧連続印加後のR1000は、4.5×107Ωに変化し、電圧連続印加前の2.25倍となった。
つぎに、実施の形態5における実施例および比較例に示された転写ローラの転写特性(残留トナー量と転写ムラおよび画像の中抜け)を中間転写タイプのレーザービームプリンター(図2に記載の装置)を用い、平均粒径6μmのシアン(C)、マゼンダ(M)、イエロー(Y)、ブラック(K)の4色の球形トナーを用いて、各種環境下で画像出力し、評価した。
中間転写ローラ上の転写画像を、作製した転写ローラを用いて紙に二次転写した。前記二次転写において、中間転写ローラと紙の後ろに配置した転写ロールとの転写電圧は1000V、ローラ周速は100mm/秒とした。また、転写ロールと中間転写体ロールの接触圧は、導電性バックアップロールの両端にスプリング機構を用い線圧を150g/cmとし、線画、ハーフトーン画像、文字画像を出力、画像評価し転写特性を評価した。また、前記評価をC、M、Y、K各4色のトナーで行い、トナー間の画質の比較を行った。その結果、前記実施例18および19に従って作製した転写ローラを用いた実施例では、線画、ハーフトーン画像ともに良好な画質が得られ、4色のトナー間の差も見られなかった。また、転写ローラは低温低湿下および高温高湿下において、同一の転写電圧で転写を行っても画質に大きな差が見られなかった。
しかし、比較例6の転写ローラは、低温低湿環境下では、低濃度ハーフトーン画像にかすれが見られたため、転写電圧を1500Vにあげて転写を行ったところ、ハーフトーン画像のかすれは低減されたが、4色で低減の度合いに差が見られた。また、ローラの軸方向の濃度バラツキも見られた。
実施の形態6
これらの実施例および比較例の帯電部材は長さ248mm、外径16mmのステンレスシャフトの表面にプライマー処理を施したものを支持部材とし、ローラ形状に成型した帯電ローラを全て帯電部材とした。
実施例20
実施例16同様にして、ステンレスシャフトの外周上に半導電性弾性層を形成した。前記弾性層は、21℃、相対湿度60%の条件下で、アスカーC硬度が40度であった。
ついで、実施例16同様にして帯電ローラを作製した。
作製した帯電ローラを23℃、相対湿度55%の環境下に24時間放置後、実施例16同様にして評価を行った。
その結果、R500は1.5×108Ω、R1000は1.4×108Ω、R500/R1000は1.07であった。
また、RLLおよびRHHは2.0×108Ω(RLL)および7.0×107Ω(RHH)であり、RLL/RHHは2.9であった。
さらに100時間電圧連続印加後のR1000は2.2×108Ωであり、電圧連続印加前の1.57倍であった。
実施例21
実施例17同様にして、ステンレスシャフトの外周上に半導電性弾性層を形成した。前記弾性層は、21℃、相対湿度60%の条件下で、アスカーC硬度が40度であった。
ついで、帯電ローラを実施例17同様にして作製した。
作製した帯電ローラを23℃、相対湿度55%の環境下に24時間放置後、実施例16同様にして評価を行った。
その結果、R500は1.0×108Ω、R1000は9.5×107Ω、R500/R1000は1.05であった。また、ローラの抵抗のRLLおよびRHHは2.0×108Ω(RLL)および6.0×107Ω(RHH)であり、RLL/RHHは3.3であった。
さらに100時間電圧連続印加後のR1000は、1.5×108Ωとなり、電圧連続印加前の1.58倍になった。
比較例7
比較例5同様にして、ステンレスシャフトの外周上に半導電性弾性層を形成した。前記弾性層は、21℃、相対湿度60%の条件下で、アスカーC硬度が40度であった。
ついで、帯電ローラを比較例5同様にして作製した。
作製した帯電ローラを23℃、相対湿度55%の環境下に24時間放置後、実施例16同様にして評価を行った。
その結果、R500は3.5×107Ω、R1000は2.0×107Ω、R500/R1000は1.75であった。また、ローラの抵抗のRLLおよびRHHは2.0×108Ω(RLL)および1.0×107Ω(RHH)であり、RLL/RHHは20であった。
さらに100時間電圧連続印加後のR1000は、4.5×107Ωに変化し、電圧連続印加前の2.25倍となった。
つぎに、実施の形態6における実施例および比較例に示された帯電ローラを図2に記載のレーザービームプリンタの帯電ローラとして取りつけた。LL(15℃、10%Rh)、NN(23℃、55%Rh)、HH(32.5℃、85%Rh)の各種環境下でハーフトーン画像をC、M、Y、K各4色のトナーで出力しハーフトーンのかすれ、色むらなどの画質の比較を行うことで、帯電特性の評価を行った。その結果、前記実施例20および21に従って作製した帯電ローラを用いた場合、ハーフトーン画像のかすれ、色むらなどは見られなかった。また、帯電ローラは低温低湿下および高温高湿下において、同一の条件で転写が可能で、環境によるハーフトーン画像の濃度の違いも見られなかった。
しかし、比較例7の帯電ローラは、低温低湿環境下では、低濃度ハーフトーン画像にかすれが見られたため、転写電圧を1500Vにあげて転写を行ったところ、ハーフトーン画像のかすれは低減されたが、4色で低減の度合いに差が見られた。また、ローラの軸方向の濃度バラツキも見られた。
実施の形態7
これらの実施例および比較例の現像部材は、外径12mmのステンレスシャフトの表面にプライマー処理を施したものを支持部材とし、ローラ形状に成型した現像ローラを全て現像部材とした。
実施例22
実施例16同様にして、ステンレスシャフトの外周上に半導電性弾性層を形成した。前記弾性層は、21℃、相対湿度60%の条件下で、アスカーC硬度が40度であった。
ついで、実施例16同様にして現像ローラを作製した。
作製した現像ローラを23℃、相対湿度55%の環境下に24時間放置後、実施例16同様にして評価を行った。
その結果、R500は1.5×108Ω、R1000は1.4×108Ω、R500/R1000は1.07であった。
また、RLLおよびRHHは2.0×108Ω(RLL)および7.0×107Ω(RHH)であり、RLL/RHHは2.9であった。
さらに、100時間電圧連続印加後のR1000は2.2×108Ωであり、電圧連続印加前の1.57倍であった。
実施例23
実施例17同様にして、ステンレスシャフトの外周上に半導電性弾性層を形成した。前記弾性層は、21℃、相対湿度60%の条件下で、アスカーC硬度が40度であった。
ついで、現像ローラを実施例17同様にして作製した。
作製した現像ローラを23℃、相対湿度55%の環境下に24時間放置後、実施例16同様にして評価を行った。
その結果、R500は1.0×108Ω、R1000は9.5×107Ω、R500/R1000は1.05であった。また、ローラの抵抗のRLLおよびRHHは2.0×108Ω(RLL)および6.0×107Ω(RHH)であり、RLL/RHHは3.3であった。
さらに100時間電圧連続印加後のR1000は、1.5×108Ωとなり、電圧連続印加前の1.58倍になった。
比較例8
比較例5同様にして、ステンレスシャフトの外周上に半導電性弾性層を形成した。前記弾性層は、21℃、相対湿度60%の条件下で、アスカーC硬度が40度であった。
ついで、現像ローラを比較例5同様にして作製した。
作製した現像ローラを23℃、相対湿度55%の環境下に24時間放置後、実施例16同様にして評価を行った。
その結果、R500は3.5×107Ω、R1000は2.0×107Ω、R500/R1000は1.75であった。また、ローラの抵抗のRLLおよびRHHは2.0×108Ω(RLL)および1.0×107Ω(RHH)であり、RLL/RHHは20であった。
さらに100時間電圧連続印加後のR1000は、4.5×107Ωに変化し、電圧連続印加前の2.25倍となった。
つぎに、実施の形態7における実施例および比較例で作製した現像ローラの現像特性を評価するために、図5記載の現像装置の現像ローラとして取り付け、レーザービームプリンタに組込み、画像出力を行った。評価は、LL(15℃、10%Rh)、NN(23℃、55%Rh)、HH(32.5℃、85%Rh)の各種環境下でハーフトーン画像をC、M、Y、K各4色のトナーで出力し、ハーフトーンのかすれ、色むらなどの画質の比較を行うことで行った。その結果、前記実施例22および23に従って作製した現像ローラを用いた場合、ハーフトーン画像のかすれ、色むらなどは見られなかった。また、帯電ローラは低温低湿下および高温高湿下において、同一の条件で転写が可能で、環境によるハーフトーン画像の濃度の違いも見られなかった。
しかし、比較例8の帯電ローラは、高温高湿環境下ではとくに高濃度側のハーフトーン画像濃度が濃くなり、低温低湿環境下では全体に画像が薄くなり、低濃度ハーフトーン画像にかすれが見られた。また、ハーフトーン画像の色むらも実施例で作製した現像ローラを用いた場合と比較すると大きく、良好な画像が得られなかった。
実施の形態8
これらの実施例および比較例の中間転写ドラムは、長さ248mm、外径32mm、肉厚2mmのアルミニウムスリーブの表面にプライマー処理を施したものを支持部材とした。
実施例24
実施例16同様にして、アルミニウムスリーブの外周上に半導電性弾性層を形成した。前記弾性層は、21℃、相対湿度60%の条件下で、アスカーC硬度が40度であった。
ついで、実施例16同様にして中間転写ドラムを作製した。
作製した中間転写ドラムを23℃、相対湿度55%の環境下に24時間放置後、実施例16同様にして評価を行った。
その結果、R500は1.5×108Ω、R1000は1.4×108Ω、R500/R1000は1.07であった。
また、RLLおよびRHHは2.0×108Ω(RLL)および7.0×107Ω(RHH)であり、RLL/RHHは2.9であった。
さらに、100時間電圧連続印加後のR1000は2.2×108Ωであり、電圧連続印加前の1.57倍であった。
実施例25
実施例17同様にして、アルミニウムスリーブの外周上に半導電性弾性層を形成した。前記弾性層は、21℃、相対湿度60%の条件下で、アスカーC硬度が40度であった。
ついで、中間転写ドラムを実施例17同様にして作製した。
作製した中間転写ドラムを23℃、相対湿度55%の環境下に24時間放置後、実施例16同様にして評価を行った。
その結果、R500は1.0×108Ω、R1000は9.5×107Ω、R500/R1000は1.05であった。また、ローラの抵抗のRLLおよびRHHは2.0×108Ω(RLL)および6.0×107Ω(RHH)であり、RLL/RHHは3.3であった。
さらに100時間電圧連続印加後のR1000は、1.5×108Ωとなり、電圧連続印加前の1.58倍になった。
比較例9
比較例5同様にして、アルミニウムスリーブの外周上に半導電性弾性層を形成した。前記弾性層は、21℃、相対湿度60%の条件下で、アスカーC硬度が40度であった。
ついで、中間転写ドラムを比較例5同様にして作製した。
作製した中間転写ドラムを23℃、相対湿度55%の環境下に24時間放置後、実施例16同様にして評価を行った。
その結果、R500は3.5×107Ω、R1000は2.0×107Ω、R500/R1000は1.75であった。また、ローラの抵抗のRLLおよびRHHは2.0×108Ω(RLL)および1.0×107Ω(RHH)であり、RLL/RHHは20であった。
さらに100時間電圧連続印加後のR1000は、4.5×107Ωに変化し、電圧連続印加前の2.25倍となった。
つぎに、実施の形態8における実施例および比較例に示された中間転写ドラムの転写特性(残留トナー量と転写ムラおよび画像の中抜け)を評価するため、図3に記載の中間転写タイプのレーザービームプリンターの中間転写ドラムとして取りつけた。平均粒径6μmのシアン(C)、マゼンダ(M)、イエロー(Y)、ブラック(K)の4色の球形トナーを用いて、各種環境下で画像出力し、評価した。
評価は、LL(15℃、10%Rh)、NN(23℃、55%Rh)、HH(32.5℃、85%Rh)の各種環境下で、線画、ハーフトーン画像、文字画像をC、M、Y、K各4色のトナーで出力し、画像のかすれ、色むらなどの画質の比較を行うことで行った。その結果、前記実施例24および25に従って作製した中間転写ドラムを用いた場合、線画、ハーフトーン画像のともに良好な画質が得られ、4色のトナー間の差も見られなかった。また、LL環境、NN環境、HH環境の各環境による画質の違いも極めて少なく、良好な画質が得られた。
しかし、比較例9の中間転写ドラムは、ハーフトーン画像に色むらが見られ、LL環境、NN環境、HH環境の各環境で色合いに違いが見られた。
実施の形態9
これらの実施例および比較例の半導電性ドラムは、長さ248mm、外径32mm、肉厚2mmのアルミニウムパイプ素管の両端近傍を旋盤加工し、この加工部分に回転軸を有するフランジを圧入し、さらに、前記フランジの回転軸を基準とし、アルミニウム素管の表面を旋盤加工と研磨加工により外径公差±0.01mm以下、外径の振れ精度を0.01mmに仕上げたものの表面にプライマー処理を施したものを支持部材(円筒状スリーブ)とした。
実施例26
実施例16同様にして、アルミニウムスリーブの外周上に半導電性弾性層を形成した。
つぎに半導電性弾性層の表面に、ポリエーテルウレタン(Y258、大日精化工業株式会社製)をメチルエチルケトン/ジメチルホルムアミド=1/1で固形分5%になるよう希釈した溶液を作製し、半導電性弾性層の表面にスプレーにより塗布乾燥(160℃、30分)し、半導電性弾性層の外周面上に10μmの表面層を形成し、半導電性ドラムを作製した。
作製した半導電性ドラムを23℃、相対湿度55%の環境下に24時間放置後、この環境下で以下の測定を行った。
最初に高分子計器株式会社製アスカーC型硬度計を用いて、軸方向3点×周方向4点、計12点の硬度を測定、平均し、アスカーC硬度を求めたところ、45.5度であった。
つぎに、この転写ローラのR100、R500およびR1000の測定を実施例16と同様の方法で行ったところ、R100は1.5×108Ω、R500は1.5×108Ω、R1000は1.4×108Ω、R100/R1000は1.07、R500/R1000は1.07であった。
また、RLLおよびRHHは2.0×108Ω(RLL)および7.0×107Ω(RHH)であり、RLL/RHHは2.9であった。
さらに100時間電圧連続印加後のR1000は2.2×108Ωであり、電圧連続印加前の1.57倍であった。
また、ドラム両端のアルミスリーブが露出した部分をVブロックに載せ、ドラムを回転させながらキーエンス社製レーザー外径測定器を用いて、軸方向5点で基準位置からドラム端部までの距離の最大値と最小値との差を測定することにより、ドラムの外径の振れを測定した。その結果、振れの最大は55μm、平均は40μmであった。
実施例27
(E)成分として非イオン界面活性剤(ユニオックスMM500、日本油脂株式会社製)5重量部を用いたこと以外は実施例26同様にしてアルミニウムスリーブの外周上に半導電性弾性層、さらにその表面に表面層を形成し、半導電性ドラムを作製した。
作製した半導電性ドラムを23℃、相対湿度55%の環境下に24時間放置後、この環境下で以下の測定を行った。
実施例26と同様の方法で測定したアスカーC硬度は、46度であった。
つぎに、この中間転写ドラムのR100、R500およびR1000の測定を実施例16と同様の方法で行ったところ、R100は1.0×108Ω、R500は1.0×108Ω、R1000は9.5×107Ω、R100/R1000は1.05、R500/R1000は1.05であった。また、ローラの抵抗のRLLおよびRHHは2.0×108Ω(RLL)および6.0×107Ω(RHH)であり、RLL/RHHは3.3であった。
さらに100時間電圧連続印加後のR1000は、1.5×108Ωとなり、電圧連続印加前の1.58倍になった。
さらに、実施例26同様にしてドラムの外径の振れを測定した結果、振れの最大値は60μm、平均は48μmであった。
実施例28
半導電性組成物に含有される導電性付与剤(LV−70、旭電化株式会社製)10重量部を用いたこと以外は、実施例26同様にしてアルミニウムスリーブの外周上に半導電性弾性層を形成した。
ついで、表面層に含まれる導電剤としてカーボンブラック(3030B、三菱化学株式会社製)を樹脂固形分に対し20重量部分散した溶液とした以外は、実施例26同様にして表面層を形成し、半導電性ドラムを作製した。
実施例26と同様の方法で測定したアスカーC硬度は、46度であった。
つぎに、この中間転写ドラムのR100、R500およびR1000の測定を実施例16と同様の方法で行ったところ、R100は1.6×108Ω、R500は1.5×107Ω、R1000は1.4×107Ω、R100/R1000は1.14、R500/R1000は1.07であった。
また、ローラの抵抗のRLLおよびRHHは2.5×107Ω(RLL)および1.0×107Ω(RHH)であり、RLL/RHHは2.5であった。
さらに、実施例26同様にしてドラムの外径の振れを測定した結果、振れの最大値は60μm、平均は48μmであった。
比較例10
導電性カーボンブラック10重量部、パラフィンオイル20重量部、酸化亜鉛5重量部、加硫剤2重量部、高級脂肪酸1.5重量部、ニトリルブタジエンゴム(NBR)40重量部、およびEPDM60重量部を、2本ロールにて冷却しながら30分間混合してコンパウンドを作成した。得られたコンパウンドを5mm厚のシート状に形成した。このシートを前記円筒状スリーブの外周上に巻きつけ、160℃で30分間加硫処理を行い、半導電性弾性層を形成した。加硫後の外径精度を測定したところ、0.1mm以上の振れがあったため、振れが100μm以下におさまるよう表面研磨加工を行った。
つぎに、実施例26と同様にしてその表面に表面層を形成し、半導電性ドラムを作製した。
実施例26と同様の方法で測定したアスカーC硬度は、70度であった。
つぎに、この中間転写ドラムのR100、R500およびR1000の測定を実施例16と同様の方法で行ったところ、R100は2.0×107Ω、R500は1.0×107Ω、R1000は1.8×106Ω、R100/R1000は11.1、R500/R1000は5.56であった。
また、ローラの抵抗のRLLおよびRHHは3.0×106Ω(RLL)および1.0×106Ω(RHH)であり、RLL/RHHは3.0であった。
さらに、実施例26同様にしてドラムの外径の振れを測定した結果、振れの最大値は75μm、平均は65μmであった。
つぎに、実施の形態9における実施例および比較例に示された中間転写ドラムの転写特性(残留トナー量と転写ムラおよび画像の中抜け)を、平均粒径6μm球形トナーを用いて、各種環境下で評価した。
感光体と中間転写ドラムを50g/cmの押圧で密着させ、転写電圧400Vでトナー画像を感光体から中間転写体に一次転写し、さらに中間転写ドラム上の転写画像を紙に二次転写し、転写特性を評価した。なお、二次転写において、中間転写ドラムと紙の後ろに配置した導電性バックアップロールとの転写電圧は1000V、ドラム周速は100mm/秒とした。また、導電性バックアップロールと中間転写ドラムの接触圧は、導電性バックアップロールの両端にスプリング機構を用い線圧を150g/cmとした。
この結果、前記実施例による半導電性ドラムを中間転写ドラムとして用いた場合は、密着不良、ヘタリが生じず、転写特性も良好であった。特に、実施例26〜28の中間転写ドラムは、低温低湿下および高温高湿下でも同一の条件で転写が可能であった。
しかし、比較例10の中間転写ドラムは、均一なニップが形成されず、ロール長手方向に転写ムラが生じた。また、高温高湿下では転写電圧を落とす必要があった。さらに、長時間感光体に当接した場合に感光体の汚染が観測された。
産業上の利用可能性
本発明により、容易に半導電性領域に抵抗をコントロール可能であり、得られる半導電性ローラにおける電気特性(ローラ抵抗)のサンプルバラツキおよび電圧依存性が極めて小さく、かつ、ブリードのリスクが低減された半導電性ローラの提供が可能となった。
本発明により、高温高湿環境での抵抗と低温低湿環境での抵抗の変動および抵抗の電圧変動、連続使用による抵抗変化、抵抗の位置ばらつきおよび回転時と静止時の抵抗の差が極めて小さく、転写用部材,現像用部材,帯電用部材,トナー供給用部材などの電子写真用部材として好適に用いられる半導電性部材の提供が可能となった。
特に、本発明に係る転写部材、中間転写部材、帯電部材または現像部材を用いた画像記録装置では、使用される環境による画像品質の変動が極めて少なく、高品質の画像が得られる。
【図面の簡単な説明】
図1は、本発明の半導電性ローラの模式図である。
図2は、画像記録装置の一実施形態である中間転写タイプの電子写真装置の構成図である。
図3は、画像記録装置の別の実施形態を示す構成図である。
図4は、画像記録装置のまた別の実施形態を示す構成図である。
図5は、現像ローラとその周辺構造を示す模式図である。
図6は、本発明の中間転写ドラムの模式図である。
図7は、抵抗の位置ばらつきの測定に用いた測定電極の模式図である。
本発明は、半電導性組成物、およびそれから得られる半導電性ゴム製品に関する。さらに詳しくは、たとえば、電子写真方式を採用した画像記録装置に組込まれるローラなどに用いられる半導電性組成物、半導電性ゴム製品およびその半導電性組成物を金属性支持部材のまわりに形成してなる半導電性部材に関する。
また、本発明は、主として複写機、プリンタまたはファクシミリの受信装置など電子写真方式を採用した装置に用いられる半導電性部材に関する。詳細には、一成分静電現像方式を用いた電子写真装置の現像装置に好適に用いられる現像部材、電子写真方式を採用した装置の中間転写装置に好適に用いられる中間転写部材、転写部材、画像記録装置に組み込まれるローラ、電子写真用帯電部材、ドラムなどに関する。
背景技術
樹脂マトリクスに導電性付与剤を添加して半導電性ゴムを得るという手法は極めて一般的であるが、107〜1011Ωcm程度の体積抵抗率を有する半導電性領域にコントロールするのは困難であり、また、カーボンブラックなどの電子伝導性導電性付与剤による導電性付与技術では、系内での均一分散が難しく、得られる半導電性ゴムの電気特性のサンプルバラツキや電圧依存性がしばしば問題となっていた。
このような問題を解決する手段として、非イオン性界面活性剤、好ましくはポリオキシエチレン化合物を導電性付与剤として用いてなる半導電性ローラが、半導電領域へのコントロールが容易で、かつ、電気特性のサンプルバラツキおよび電圧依存性が極めて小さいことを見出した。しかしながら、このようにして得られる半導電性ローラは、場合によっては、導電性付与成分として添加した非イオン性界面活性剤が、ブリードするというリスクを抱えていた。
また、近年、電子写真技術の進歩に伴い、乾式電子写真装置などの画像形成装置には、帯電用、現像用、転写用、トナー供給用などに供される部材として、半導電性弾性体を用いた部材が注目されており、帯電ローラ、現像ローラ、転写ローラ、トナー供給ローラなどの弾性を有するローラの形態で用いられている。弾性ローラによる帯電や転写などのプロセスでは、この高分子部材は、従来のコロトロン帯電器などと比較し、より低い電源電圧で必要な画像形成体帯電電位やトナー転写量が得られるなどの利点がある。
なかでも、前記半導電性弾性体を用いた部材を、一成分静電現像方式を用いた電子写真装置の現像部材として使用することが注目されており、現像ローラなどに用いられている。ここで一成分静電現像方式を用いた現像装置とは、帯電した現像剤を表面に薄層で担持した半導電性弾性部材を、感光体に接触または近接してして電圧印加することにより、現像剤を感光体表面に形成された潜像に静電的に吸着させ顕像化し現像を行なうものである。半導電性弾性層を用いた現像部材は、従来用いられている金属スリーブ上に導電性樹脂層を形成した導電ロールなどと比較すると、感光体とのあいだに安定した接触領域(以下、ニップ領域と称す)が形成できる、または感光体表面への損傷が少ないなどの利点がある。
また、前記半導電性弾性体を用いた部材を乾式電子写真装置の転写部材として使用することが注目されており、中間転写ドラムなどに用いられている。ここで中間転写部材とは感光体上に形成されたトナー像を、感光体上から部材上に転写、担持したのち、紙などの記録材上にトナー像を再転写する部材である。
従来、感光体上のトナー画像は、直接画像担持体上に転写していた。近年電子写真装置のカラー画像への対応が急激に進んでいるが、カラー画像を形成するためには、一般にシアン、マゼンタ、イエローおよびブラックの4色の画像を別々の感光装置で形成し、重ね合わせる必要がある。ところが、紙などの記録材上で4色の画像を重ね合わせた場合、記録材の寸法安定性が良くないため、色ずれをおこし画像品質が大きく低下してしまう。このため、一旦中間転写部材上で4色の画像を重ね合わせたのち記録材上に転写する、いわゆる中間転写方式が注目され、用いられるようになってきた。
また、前記半導電性弾性体を用いた部材を乾式電子写真装置の帯電部材として使用することが注目されており、帯電ローラなどに用いられている。ここで帯電部材とは半導電性弾性部材を感光体に直接接触して電圧印加することにより、感光体表面を帯電するものである。半導電性弾性体を用いた帯電部材は、従来用いられているコロントロン帯電器と比較して、感光体に対して低い電源電圧で必要な帯電量が与えられ、さらにオゾンの発生を抑えられるという利点がある。
前記電子写真方式が採用された画像記録装置には、中間転写体を用いたタイプがある。すなわち、帯電手段により均一に帯電させた静電潜像担持体上に画像書き込み手段により静電潜像を形成し、該静電潜像にトナー粒子を付着させてトナー画像を得る。前記トナー画像を中間転写体に第一の転写手段により一次転写する。さらに該中間転写体上に形成されたトナー画像を記録用紙などの記録材に第二の転写手段により二次転写し、その後、記録紙などの上のトナー画像を定着することによって記録画像を得るタイプのものである。このタイプの画像記録装置に用いる中間転写体は、たとえば円筒形状のものであり、円筒形状のスリーブの外周上に半導電性弾性層を形成したものが用いられる。この中間転写体には、トナー画像を静電潜像担持体から転写するため、低硬度でかつ高い外径精度が要求される。つまり、円筒形状を有した中間転写体は、一般には円筒形状を有した静電潜像担持体と互いに押圧して設置され、静電潜像担持体上に形成されたトナー画像は、静電潜像担持体と中間転写体の間に形成されたニップ領域を介して中間転写体上に転写される。このため、良好な転写画像の画質を得るためには、ニップ領域のプロセス方向の幅(以下、ニップ幅と称す)を一定以上の幅で一定に保つ必要があり、高画質の転写画像を形成するには、中間転写体としては、低硬度で、かつ高い外径精度が要求される。通常、このような高い外径精度を有する中間転写体は、半導電性弾性層を研磨加工することにより得られるが、研磨工程が追加されるためコストが高くなるという不具合がある。
さらに、半導電性弾性層の硬度を低くするために、通常は可塑剤などを添加するが、可塑剤が表面に滲みだし、感光体を汚染し、画像品質を低下させる、あるいは、抵抗均一性、抵抗の経時的安定性が劣るなどの問題がある。また、弾性層の硬度を低くすると研磨加工が困難となり、所定の外径精度を得るのが困難という問題も有する。硬度を低くするために弾性層として発泡体を用いる方法も提案されているが、加圧により永久圧縮歪みが残留し、外径が大きく変化するという課題を有している。このように、ゴムロールの外径精度の改善にかかわる種々の提案がなされているが、低硬度で外径精度が高く、かつ安価で実用的な中間転写体は得られていないのが実情である。
これらの目的に用いられる半導電性弾性体には、従来ゴム・ウレタンなどの高分子エラストマーや高分子フォーム材料が用いられていた。これらの半導電性弾性体に要求される特性としては、感光体とのあいだに安定した接触領域を形成できるゴム硬度を有すること、可塑剤などが滲出して感光体などを汚染することがないこと、かつ104〜109Ωという中抵抗領域で所定の抵抗値を安定して有することが求められる。
一般に、高分子エラストマーやフォームを用いて、前記中抵抗領域の部材を得るには、金属や金属酸化物の粉末、カーボンブラック、または過塩素酸ナトリウムのようなイオン導電性物質を添加する方法が用いられる。しかしながら、金属や金属酸化物の粉末、カーボンブラックなどを用いて、電子写真用などの導電性部材として必要な中抵抗領域に抵抗を制御した場合には、電気抵抗の位置ばらつきが大きく、かつ電気抵抗の電圧依存性が大きいことがあるなどの問題があった。
現像部材の電気抵抗の位置バラツキが大きいと、現像部材上に担持した現像剤の量および帯電量にバラツキを生じ、画像品質が低下する原因となる。
また、中間転写部材の電気抵抗の位置ばらつきが大きいと、感光体から中間転写、中間転写から記録材への各転写プロセスで、転写効率にばらつきを生じ、画像品質が低下する原因となる。また、中間転写部材は、前記のように感光体から中間転写、中間転写から記録材への2つの転写プロセスを仲介するため、感光体および記録材の抵抗に応じた最適な抵抗値を有する必要がある。各電圧での抵抗値を中間転写部材として要求される最適な抵抗範囲に制御する必要があるため、中間転写部材の抵抗値の電圧依存性が大きいと抵抗の制御範囲が非常に狭くなるという問題があった。
また、転写部材の電気抵抗の位置バラツキが大きいと被転写体上の帯電量にバラツキが生じ、画像品質を低下する原因となる。また、被転写体表面の電位は転写に従い上昇するため、転写量を制御するためには表面電位に応じた電圧制御を行う必要があるが、電気抵抗の電圧依存性が大きいと転写部材の抵抗が変化するため、被転写体上の転写量を一定にするためには抵抗変動を補正するための複雑な制御機構が必要である。
また、帯電部材の電気抵抗の位置バラツキが大きいと感光体上の帯電量にバラツキが生じ、画像品質を低下する原因となる。また、感光体表面の電位は帯電に従い上昇するため、帯電量を制御するためには表面電位に応じた電圧制御を行う必要があるが、電気抵抗の電圧依存性が大きいと帯電部材の抵抗が変化するため、被帯電体上の帯電量を一定にするためには抵抗変動を補正するための複雑な制御機構が必要である。
一方、極性を有する高分子材料に、過塩素酸ナトリウムのようなイオン導電性物質を混入させたものを用いることにより、中抵抗領域で抵抗の位置ばらつきや抵抗の電圧依存性が実質的にない高分子部材を製造できることが知られている。このような高分子部材は、32.5℃、85%のような高温高湿環境での抵抗と、15℃、10%のような低温低湿環境での抵抗の差が大きく、使用される環境により大きく抵抗が変動するという問題、または連続通電により抵抗が大きく変化するという問題を抱えていた。このような環境変化による抵抗変動の影響を抑えるためには、通常は、温度センサー、湿度センサーにより、温度、湿度をモニターし、抵抗変動を補正する、すなわち、温度湿度の値から、抵抗値を予測し、印加する電圧を変化させるなどの電気的制御を加える方法が用いられている。また、連続通電による抵抗変動の影響を抑えるためには、抵抗値をモニターして、抵抗値に応じて印加電圧を変える方法が用いられている。しかしながら、一般にこのような高分子部材の抵抗の温度、湿度による変動は一次関数のような単純な関数で置き換えられる変化ではなく、また環境変動に対し時間的な遅れなどもあるため、正確な抵抗の予測は不可能である。したがって、これらの影響を完全になくすことは事実上不可能である。
さらに、近年カラー化、高速化が要求され、画像の品質に対する要求がますます厳しくなっており、抵抗変動の補正のためにますます複雑な制御を行っているのが現状である。
このような問題を解決する手段として、特開平11−293128号公報には、極性高分子化合物にアミド結合を有する第四級アンモニウム塩を含有させた導電性組成物に関する記載がある。しかしながら、このような手段を用いても、32.5℃、85%のような高温高湿環境での抵抗と、15℃、10%のような低温低湿環境での抵抗の差を20倍程度に抑制できる程度であり、依然として環境変動により抵抗変化の影響を補正するための制御機構を必要としているのが現実である。
発明の開示
本発明はかかる従来の半導電性弾性材料の欠点を解決し、容易に半導電性領域に抵抗をコントロール可能であり、発現される電気特性のサンプルバラツキおよび電圧依存性が極めて小さく、かつ、導電性付与成分のブリードのリスクを低減した半導電性組成物、それから得られる半導電性ゴム製品および半導電性ローラを提供するものである。
また、環境、印加電圧による抵抗変動が極めて小さく、かつ連続使用による抵抗変化が少なく、電子写真用部材として好適に用いられる半導電性部材を提供することを目的としている。
また、ローラの抵抗の位置ばらつきが小さく、回転時と静止時の抵抗の違いが小さくかつ環境変動による抵抗変化を大幅に抑制した半導電性ローラを提供することを目的としている。
また、環境変動による抵抗変化を大幅に抑制し、複雑な制御を用いずに高品質な画像が得られ、とくにカラーレーザープリンターなどの高品質な画像品質が要求される用途に好適に用いられる現像部材、中間転写部材、転写部材、帯電部材、および安価で、加工が容易で、安定したニップ形成が可能で、しかも均一な高精度な外径を有し、電子写真方式を採用した画像記録装置の中間転写体などに好適に用いられる半導電性ドラムを提供することを目的としている。
すなわち、本発明は、(A)分子中に1個以上のヒドロシリル化反応可能なアルケニル基を有するオキシアルキレン系重合体、(B)分子中に2個以上のヒドロシリル基を有する化合物、(C)ヒドロシリル化触媒、および(D)イオン性導電性付与剤からなる半導電性組成物に関する。
また、(A)分子中に1個以上のヒドロシリル化反応可能なアルケニル基を有するオキシアルキレン系重合体、(B)分子中に2個以上のヒドロシリル基を有する化合物、(C)ヒドロシリル化触媒、および(E)非イオン性界面活性剤からなる半導電性組成物に関する。
前記オキシアルキレン系重合体(A)が、ヒドロシリル化反応可能なアルケニル基を分子鎖末端に有することが好ましい。
前記ヒドロシリル基を有する化合物(B)が、ポリオルガノハイドロジエンシロキサンであることが好ましい。
前記非イオン性界面活性剤(E)成分が、ポリオキシエチレン系化合物であることが好ましい。
また、前記半導電性組成物を硬化させて得られる半導電性ゴム製品に関する。
前記ゴム製品が、20℃、相対湿度60%の環境下において測定した体積抵抗率が107〜1011Ωcmであることが好ましい。
また、前記半導電性組成物を硬化させて得られる半導電性弾性層を、金属性支持部材のまわりに形成してなる半導電性部材に関する。
前記半導電性部材が、23℃、相対湿度55%の環境下において、100Vの直流電圧を印加して測定した部材の抵抗が105Ω以上109Ω以下であることが好ましい。
また、金属支持部材、該支持部材外周面上に形成された半導電性弾性層、さらにその外周面上に形成された1層以上の表面層からなる半導電性部材であって、(1)23℃、相対湿度55%の環境下において、1000Vの直流電圧を印加して測定した部材の抵抗が105Ω以上109Ω以下、(2)23℃、相対湿度55%の環境下において、500Vおよび1000Vの直流電圧を印加して測定を行った部材の抵抗をそれぞれR500およびR1000としたときのR500/R1000の値が0.8以上1.2以下、(3)15℃、相対湿度10%の環境下で1000Vの直流電圧を印加して測定した部材の抵抗RLLと、32.5℃、相対湿度85%の環境下で1000Vの直流電圧を印加して測定した部材の抵抗RHHの比RLL/RHHが10以下、の特性を有する半導電性部材に関する。
さらに、23℃、相対湿度55%の環境下において、前記半導電性部材を回転させながら、1000Vの直流電圧を連続100時間印加したときの部材の抵抗が初期の部材の抵抗の0.5倍以上2倍以下であることが好ましい。
さらに、23℃、相対湿度55%の環境下において、1000Vの直流電圧を印加して測定した部材の抵抗の位置ばらつきが20%以下であることが好ましい。
さらに、23℃、相対湿度55%の環境下において、1000Vの直流電圧を印加して、回転時および静止時に測定した部材の抵抗をそれぞれRrotateおよびRstaticとしたとき、Rrotate/Rstaticの値が0.7以上1.5以下であることが好ましい。
さらに、アスカーC硬度が60度以下であることが好ましい。
さらに、23℃、相対湿度55%の環境下において、100Vおよび1000Vの直流電圧を印加して測定を行った部材の抵抗をそれぞれR100およびR1000としたときのR100/R1000の値が1.0以上10以下であることが好ましい。
さらに、外径振れが100μm以下であることが好ましい。
前記半導電性弾性層が(A)分子中に1個以上のヒドロシリル化反応可能なアルケニル基を有するオキシアルキレン系重合体、(B)分子中に2個以上のヒドロシリル基を有する化合物、(C)ヒドロシリル化触媒、および(E)非イオン界面活性剤を含む導電性硬化性組成物の硬化物からなることが好ましい。
また、金属支持部材、該支持部材外周面上に形成された半導電性弾性層、さらにその外周面上に形成された1層以上の表面層からなる帯電ローラであって、(1)23℃、相対湿度55%の環境下において、1000Vの直流電圧を印加して測定したローラ抵抗が105Ω以上109Ω以下、(2)23℃、相対湿度55%の環境下において、500Vおよび1000Vの直流電圧を印加して測定を行ったローラ抵抗をそれぞれR500およびR1000としたときのR500/R1000の値が0.8以上1.2以下、(3)15℃、相対湿度10%の環境下で1000Vの直流電圧を印加して測定したローラ抵抗RLLと、32.5℃、相対湿度85%の環境下で1000Vの直流電圧を印加して測定したローラ抵抗RHHの比RLL/RHHが10以下、の特性を有する帯電ローラに関する。
また、金属支持部材、該支持部材外周面上に形成された半導電性弾性層、さらにその外周面上に形成された1層以上の表面層からなる現像ローラであって、(1)23℃、相対湿度55%の環境下において、1000Vの直流電圧を印加して測定したローラ抵抗が105Ω以上109Ω以下、(2)23℃、相対湿度55%の環境下において、500Vおよび1000Vの直流電圧を印加して測定を行ったローラ抵抗をそれぞれR500およびR1000としたときのR500/R1000の値が0.8以上1.2以下、(3)15℃、相対湿度10%の環境下で1000Vの直流電圧を印加して測定したローラ抵抗RLLと、32.5℃、相対湿度85%の環境下で1000Vの直流電圧を印加して測定したローラ抵抗RHHの比RLL/RHHが10以下、の特性を有する現像ローラに関する。
また、金属支持部材、該支持部材外周面上に形成された半導電性弾性層、さらにその外周面上に形成された1層以上の表面層からなる中間転写ローラであって、(1)23℃、相対湿度55%の環境下において、1000Vの直流電圧を印加して測定したローラ抵抗が105Ω以上109Ω以下、(2)23℃、相対湿度55%の環境下において、500Vおよび1000Vの直流電圧を印加して測定を行ったローラ抵抗をそれぞれR500およびR1000としたときのR500/R1000の値が0.8以上1.2以下、(3)15℃、相対湿度10%の環境下で1000Vの直流電圧を印加して測定したローラ抵抗RLLと、32.5℃、相対湿度85%の環境下で1000Vの直流電圧を印加して測定したローラ抵抗RHHの比RLL/RHHが10以下、の特性を有する中間転写ローラに関する。
また、金属支持部材、該支持部材外周面上に形成された半導電性弾性層、さらにその外周面上に形成された1層以上の表面層からなる転写ローラであって、(1)23℃、相対湿度55%の環境下において、1000Vの直流電圧を印加して測定したローラ抵抗が105Ω以上109Ω以下、(2)23℃、相対湿度55%の環境下において、500Vおよび1000Vの直流電圧を印加して測定を行ったローラ抵抗をそれぞれR500およびR1000としたときのR500/R1000の値が0.8以上1.2以下、(3)15℃、相対湿度10%の環境下で1000Vの直流電圧を印加して測定したローラ抵抗RLLと、32.5℃、相対湿度85%の環境下で1000Vの直流電圧を印加して測定したローラ抵抗RHHの比RLL/RHHが10以下、の特性を有する転写ローラに関する。
発明を実施するための最良の形態
本発明の半導電性樹脂組成物は、(A)分子中に1個以上のヒドロシリル化反応可能なアルケニル基を有するオキシアルキレン系重合体、(B)分子中に2個以上のヒドロシリル基を有する化合物、(C)ヒドロシリル化触媒、および(D)イオン性導電性付与剤、または(E)非イオン界面活性剤からなる。この組成物は硬化前には低粘度であり硬化後には低硬度であるので加工性の観点から優れている。
前記重合体(A)は、前記化合物(B)とヒドロシリル化反応して硬化する成分であり、分子中に1個以上のヒドロシリル化反応可能なアルケニル基を有するため、ヒドロシリル化反応が起こって高分子状になり硬化する。前記重合体(A)に含まれるアルケニル基の数は、硬化剤である化合物(B)とヒドロシリル化反応するという点から1個以上必要であるが、ゴム製品とした場合の弾性の点からは、直鎖状分子の場合は、分子の両末端に2個のアルケニル基が存在し、分岐のある分子の場合には、分子末端に2個以上のアルケニル基が存在することが望ましい。本発明の組成物の特徴の1つは、低硬度化に設定しやすいことにある。この特徴を発揮させるにはアルケニル基の数は分子末端に2個以上が好ましいが、重合体(A)の分子量に比してアルケニル基の数が多くなりすぎると剛直になり、良好なゴム弾性が得られにくくなる傾向にある。
前記組成物の硬化物の硬度は、用途などにより適時選択すべきものであるが、通常アスカーC硬度で60度を超えると、対向して用いる感光体などの表面にダメージを与えることがあるため、60度以下であることが好ましい。
ここで、アルケニル基とは、ヒドロシリル化反応に対して活性のある炭素−炭素2重結合を含む基であれば特に制限されるものではない。前記アルケニル基としては、ビニル基、アリル基、メチルビニル基、プロペニル基、ブテニル基、ペンテニル基、もしくはヘキセニル基等の脂肪族不飽和炭化水素基、シクロプロペニル基、シクロブテニル基、シクロペンテニル基、もしくはシクロヘキセニル基等の環式不飽和炭化水素基、またはメタクリル基等が挙げられる。
ここで、重合体中にアルケニル基を導入する方法としては、例えば末端、主鎖あるいは側鎖に水酸基、アルコキシド基等の官能基を有する有機重合体に、上記官能基に対して反応性を示す活性基及びアルケニル基を有する有機化合物を反応させることによりアルケニル基を末端、主鎖あるいは側鎖に導入する方法が挙げられるが、これに限定されるわけではない。また、上記官能基に対して反応性を示す活性基及びアルケニル基を有する有機化合物の例としては、アクリル酸、メタクリル酸、ビニル酢酸、アクリル酸クロライド、もしくはアクリル酸ブロマイド等のC3−C20の不飽和脂肪酸、酸ハライド、酸無水物等やアリルクロロホルメート(CH2=CHCH2OCOCl)、もしくはアリルブロモホルメート(CH2=CHCH2OCOBr)等のC3−C20の不飽和脂肪酸置換炭酸ハライド、アリルクロライド、アリルブロマイド、ビニル(クロロメチル)ベンゼン、アリル(クロロメチル)ベンゼン、アリル(ブロモメチル)ベンゼン、アリル(クロロメチル)エーテル、アリル(クロロメトキシ)ベンゼン、1−ブテニル(クロロメチル)エーテル、1−ヘキセニル(クロロメトキシ)ベンゼン、またはアリルオキシ(クロロメチル)ベンゼン等が挙げられる。
前記アルケニル基は、重合体(A)末端に導入されていることが望ましい。このようにアルケニル基が重合体末端にあると、本発明の半導電性組成物を硬化させて得られる硬化物を低硬度、高強度化しやすくなる傾向にある。
前記重合体(A)は、少量の導電性付与剤を添加するだけで所定の抵抗に容易に調整できる。さらには導電付与剤を適切に選ぶことにより、印加電圧による抵抗変動を望ましい範囲に低減できるという特徴を有している。
また、本発明の組成物を硬化させて得られるゴム製品の低硬度化の点で、前記繰り返し単位がオキシプロピレン単位であるオキシプロピレン系重合体が好ましい。つまり、本発明の組成物は、可塑剤のような、感光体に悪影響を与える可能性のある添加物を用いることなく、アスカーC硬度が60度以下で、圧縮永久歪みの小さな組成物が容易に得られるという利点ももつ。
ここで、前記オキシアルキレン系重合体とは、主鎖を構成する単位のうち30%以上、好ましくは50%以上がオキシアルキレン単位からなる重合体をいう。オキシアルキレン単位以外に含有される単位としては、重合体製造時の出発物質として使用される活性水素を2個以上有する化合物、たとえば、エチレングリコール、ビスフェノール系化合物、グリセリン、トリメチロールプロパン、またはペンタエリスリトールなどからの単位があげられる。なお、オキシプロピレン系重合体の場合には、エチレンオキシド、ブチレンオキシドなどからなる単位との共重合体(グラフト重合体も含む)であってもよい。
前記オキシアルキレン系重合体の分子量としては、反応性および低硬度化のバランスをよくする観点から、数平均分子量(Mn)1000〜50000であるものが好ましい。より好ましくは、5000〜40000、さらに好ましくは5000〜30000である。数平均分子量が1000より小さい場合、この硬化性組成物を硬化させた場合に充分な機械的特性(ゴム硬度、伸び率)などが得られにくくなる。一方、数平均分子量が50000をこえると、分子中に含まれるアルケニル基1個あたりの分子量が大きくなったり、立体障害で反応性が落ちたりするため、硬化が不充分になることが多く、また、粘度が高くなりすぎて加工性が悪くなる傾向にある。
なお、本発明の数平均分子量とは、クロロホルムを移動相とし、ポリスチレンゲルカラムを用いたGPC(ゲルパーミエーションクロマトグラフィー)により得られる値をいう。
本発明に使用される化合物(B)は、分子中に2個以上のヒドロシリル基を有する化合物であるかぎりとくに制限はないが、2〜40個であることが好ましい。分子中に含まれるヒドロシリル基の数が40をこえると硬化後も多量のヒドロシリル基が硬化物中に残存しやすくなり、ボイドやクラックの原因となる傾向があり、ヒドロシリル基の数が2より少ないと硬化性の点で問題がある傾向がある。
なお、本発明で、前記ヒドロシリル基を1個有するとは、Siに結合するHを1個有することをいい、SiH2の場合にはヒドロシリル基を2個有することになるが、Siに結合するHはそれぞれ異なるSiに結合する方が硬化性に優れ、ゴム弾性の点からも好ましい。
前記化合物(B)としては、ポリオルガノハイドロジェンシロキサンが好ましいものの一つとして挙げられる。ここで言うポリオルガノハイドロジェンシロキサンとは、ケイ素原子上に炭化水素基あるいは水素原子を有するシロキサン化合物を指す。その構造について具体的に示すと、
(2<m+n≦50、2<m、0≦n、Rとしては主鎖の炭素数が2〜20の炭化水素で1個以上のフェニル基を含有してもよい。)
(0<m+n≦50、0<m、0≦n、Rとしては主鎖の炭素数が2〜20の炭化水素で1個以上のフェニル基を含有してもよい。)
(3≦m+n≦20、2<m≦19、0≦n<18、Rとしては主鎖の炭素数が2〜20の炭化水素で1個以上のフェニル基を含有してもよい。)
などで示される鎖状、環状のものや、これらのユニットを2個以上有する
(1≦m+n≦50、1≦m、0≦n、Rとしては主鎖の炭素数が2〜20の炭化水素で1個以上のフェニル基を含有してもよい。2≦l、R2は2〜4価の有機基であり、R1は2価の有機基。ただし、R1はR2の構造によってはなくてもよい。)
(0≦m+n≦50、0≦m、0≦n、Rとしては主鎖の炭素数が2〜20の炭化水素で1個以上のフェニル基を含有してもよい。2≦l、R2は2〜4価の有機基であり、R1は2価の有機基。ただし、R1はR2の構造によってはなくてもよい。)
(3≦m+n≦50、1≦m、0≦n、Rとしては主鎖の炭素数が2〜20の炭化水素で1個以上のフェニル基を含有してもよい。2≦1、R2は2〜4価の有機基であり、R1は2価の有機基。ただし、R1はR2の構造によってはなくてもよい。)
などで示されるものが挙げられる。
またこれら(B)成分の使用にあたっては、(A)成分、(C)成分、(D)成分および(E)成分との相溶性、あるいは系中における分散安定性がよいものが好ましい。特に系全体の粘度が低い場合には、(B)成分として上記各成分との相溶性の低いものを使用すると、相分離が起こり硬化不良を引き起こすことがある。また、分散性助剤として、微粉末シリカ等の粒径の小さいフィラーを配合してもよい。
(A)成分、(C)成分、(D)成分、および(E)成分との相溶性、あるいは分散安定性が比較的良好なものとして具体的に示すと、
(2<k<35、0<l<10、Rは炭素数8以上の炭化水素基)
などが挙げられる。
前記化合物(B)の添加量は、重合体(A)のアルケニル基の総量に対して、化合物(B)のケイ素原子結合水素原子が0.8〜5.0当量となるように使用することが好ましい。前記重合体(A)のアルケニル基総量に対して前記化合物(B)のケイ素原子結合水素原子が0.8当量より小さいと、架橋が不充分となる傾向にある。また、5.0当量をこえると、硬化後に残留するケイ素原子結合水素原子の影響により物性が大きく変化する傾向がある。とくにこの影響を抑制したい場合には、1.0〜2.0当量となるように用いることがより好ましい。
本発明の(C)成分であるヒドロシリル化触媒については、特に制限はなく、任意のものが使用できる。具体的に例示すれば、塩化白金酸、白金の単体、塩化白金酸(アルコールなどの錯体も含む)、白金の各種錯体、ロジウム、ルテニウム、鉄、アルミニウム、チタンなどの金属の塩化物、アルミナ、シリカ、カーボンブラック等の担体に固体白金を担持させたもの;白金−ビニルシロキサン錯体{例えば、Ptn(ViMe2SiOSiMe2Vi)n、Pt〔(MeViSiO)4〕m};白金−ホスフィン錯体{例えば、Pt(PPh3)4、Pt(PBu3)4};白金−ホスファイト錯体{例えば、Pt〔P(OPh)3〕4、Pt〔P(OBu)3〕4}(式中、Meはメチル基、Buはブチル基、Viはビニル基、Phはフェニル基を表し、n、mは整数を表す)、Pt(acac)2、また、Ashbyらの米国特許第3159601号明細書及び3159662号明細書中に記載された白金−炭化水素複合体、並びにLamoreauxらの米国特許第3220972号明細書中に記載された白金アルコラート触媒も挙げられる。
また、白金化合物以外の触媒の例としては、RhCl(PPh3)3、RhCl3、Rh/Al2O3、RuCl3、IrCl3、FeCl3、AlCl3、PdCl2・2H2O、NiCl2、またはTiCl4、等が挙げられる。これらの触媒は単独で使用してもよく、2種以上併用しても構わない。触媒活性の点から塩化白金酸、白金−オレフィン錯体、白金−ビニルシロキサン錯体、またはPt(acac)2等が好ましい。
前記ヒドロシリル化触媒(C)の添加量にはとくに制限はないが、前記重合体(A)のアルケニル基1モルに対して10−1〜10−8モルの範囲で用いるのが好ましく、特に10−2〜10−6モルの範囲で用いるのがより好ましい。また、ヒドロキシル化触媒は、一般に高価で腐食性を有するため、さらに水素ガスを大量に発生して硬化物が発泡してしまう傾向があるので10−1モルをこえて用いることは好ましくない。
また、本発明で使用される(D)成分のイオン性導電性付与剤としては、リチウム、ナトリウム、もしくはカリウムなどの周期律表第1族金属塩およびその錯体、Ca、もしくはBaなどの周期律表第2族金属塩およびその錯体、カチオン性界面活性剤、アニオン性界面活性剤、または両性界面活性剤などのイオン導電性の導電性付与剤があげられる。
前記周期律表第1族金属塩としては、具体的にはLiCF3SO3、NaClO4、LiAsF6、LiBF4、LiI、LiCl、LiBr、NaSCN、KSCN、NaCl、NaI、またはKIなどのアルカリ金属塩などがあげられる。前記周期律表第2族金属塩としてはCa(ClO4)2、Ba(ClO4)2などがあげられる。また、それら塩との錯体としては、1,4−ブタンジオール、エチレングリコール、ポリエチレングリコール、プロピレングリコール、もしくはポリエチレングリコールなどの多価アルコールとその誘導体の錯体、またはエチレングリコールモノメチルエーテル、もしくはエチレングリコールモノエチルエーテルなどのモノオールとの錯体などがあげられる。また、前記以外でもアミノ基で変性したDOP、DBPなどの可塑剤と過塩素酸イオンとの錯塩などの導電性可塑剤などがあげられる。
前記カチオン性界面活性剤としては、ラウリルトリメチルアンモニウムクロライド、ステアリルトリメチルアンモニウムクロライド、オクタデシルトリメチルアンモニウムクロライド、ドデシルトリメチルアンモニウムクロライド、ヘキサデシルトリメチルアンモニウムクロライド、過塩素酸テトラエチルアンモニウム、過塩素酸テトラブチルアンモニウム、ホウフッ化テトラブチルアンモニウム、またはホウフッ化テトラエチルアンモニウムなどの4級アンモニウム塩が、また、アニオン性界面活性剤としては、有機スルホン酸塩、高級アルコールエチレンオキサイド付加硫酸エステル塩、高級アルコールリン酸エステル塩、または高級アルコールエチレンオキサイド付加リン酸エステル塩が、さらに、両性界面活性剤としては、ラウリルベタイン、ステアリルベタイン、またはジメチルアルキルラウリルベタインなどがあげられる。
前記(D)成分の添加量は、(A)成分の重合体100重量部に対し好ましくは0.01〜100重量部、より好ましくは0.1〜50重量部である。添加量が0.01重量部より少ないと、得られる導電付与能が不十分となる傾向にある。また100重量部をこえると、ブリードなどのリスクが高くなったり、半導電性ゴムの機械強度の著しい低下を招く傾向にある。
前記(D)成分は、主成分の樹脂マトリクスである重合体(A)と相溶性、あるいは分散安定性に優れ、一般的にコントロールするのが難しいとされる半導電性領域(体積抵抗率107〜1011Ωcm)にコントロールするのが極めて容易であり、導電特性のバラツキおよび電圧依存性を小さくすることができる点で好ましい。
本発明で使用される非イオン界面活性剤(E)は、本発明のゴム製品に安定的に導電性を付与するための成分である。前記非イオン界面活性剤とは、水溶液でイオンに解離しない界面活性剤をいい、たとえばエーテル型、エーテルエステル型、エステル型、および含窒素型界面活性剤をいう。エーテル型非イオン界面活性剤としては、たとえばポリオキシエチレンアルキル、アルキルフェニルエーテル、アルキルアリルホルムアルデヒド縮合ポリオキシエチレンエーテル、ポリオキシエチレンポリオキシプロピレンブロックコポリマー、またはポリオキシエチレンポリオキシプロピルアルキルエーテルがあげられる。エーテルエステル型非イオン界面活性剤としては、たとえばグリセリンエステルのポリオキシエチレンエーテル、ソルビタンエステルのポリオキシエチレンエーテル、またはソルビトールエステルのポリオキシエチレンエーテルがあげられる。エステル型非イオン界面活性剤としては、たとえばポリエチレングリコール脂肪酸エステル、グリセリンエステル、ポリグリセリンエステル、ソルビタンエステル、プロピレングリコールエステル、またはショ糖エステルがあげられる。含窒素型非イオン界面活性剤としては、たとえば脂肪酸アルカノールアミド、ポリオキシエチレン脂肪酸アミド、ポリオキシエチレンアルキルアミン、またはアミンオキシドがあげられる。
なかでも、ポリオキシエチレン系化合物は、主成分の樹脂マトリクスである重合体(A)と相溶するため、極めて導電特性の安定性に優れ、導電特性のバラツキや電圧依存性が小さい半導電性ゴム製品を提供することができる点で好ましい。前記ポリオキシエチレン系化合物とは、主鎖を構成する繰り返し単位のうち、エチレンオキサイド単位を50%以上含有するものをいい、従来公知のものをとくに制限無く使用することができる。また、ポリオキシエチレン系化合物の数平均分子量は、10000未満、さらには5000未満、とくには3000未満が好ましい。数平均分子量が10000以上になると、流動性・作業性の観点から好ましくなく、とくにポリオキシエチレン繰り返し単位の含量が多い場合には、化合物の結晶性が高くなるため、半導電性ゴム内の相溶のバランスが崩れることが懸念される。
前記ポリオキシエチレン系化合物は、分子内に含有する水酸基が数平均が1.2個以下であることが好ましい。分子内に水酸基が存在した場合、(B)成分、(C)成分および系中に微量に含有される水によって発泡するリスクが高くなり、良好な硬化物を得ることが難しくなることがある。
また、前記(E)成分のブリードを防止するために、適宜分子中にヒドロシリル化反応可能なアルケニル基を導入してもよい。この際、分子中に導入されるアルケニル基は、数平均で1.2個以下であることが好ましい。前記アルケニル基が1.2個より多いと(A)成分および(B)成分で形成される3次元架橋構造に影響を及ぼし、組成物の圧縮永久ひずみなどの機械的な特性が低下する傾向がある。前記(E)成分は、硬化反応時には硬化剤である(B)成分のSi−H基とヒドロシリル化反応により化学結合して最終的には硬化後の架橋構造内に取り込まれる。このため、ブリードのリスクを低減することができる傾向にある。前記(E)成分中にはヒドロシリル化に対する活性の低い炭素−炭素不飽和結合は有さないことが好ましい。
また、前記(E)成分におけるアルケニル基としては、(A)成分と同様、ヒドロシリル化反応に対して活性のある炭素−炭素2重結合を含む基であれば特に制限されるものではなく、例えば、ビニル基、アリル基、メチルビニル基、プロペニル基、ブテニル基、ペンテニル基、もしくはヘキセニル基等の脂肪族不飽和炭化水素基、シクロプロペニル基、シクロブテニル基、シクロペンテニル基、もしくはシクロヘキセニル基等の環式不飽和炭化水素基、またはメタクリル基等が挙げられる。
さらに前記(E)成分は、その分子内に活性水素を持たないことが好ましい。以下の一般式(1)で表されるものが好ましいものとして例示される。
R(CH2CH2O)nOR’ ・・・(1)
(R:炭素数1〜20のアルケニル基、R’=炭素数1〜20のアルキル基、炭素数1〜20のアリール基、nは1〜500の整数で、n≧3が好ましい。)
上記記載のアルキル基の具体例としては、メチル基、エチル基、プロピル基、イソプロピル基、ブチル基、イソブチル基、sec−ブチル、tert−ブチル、ペンチル基、イソペンチル基、ネオペンチル基、tert−ペンチル基、ヘキシル基、またはイソヘキシル基等が挙げられ、アリール基の具体例としては、フェニル基、トリル基、メシチル基、キシリル基、クメニル基、ナフチル基、ベンジル基、ベンズヒドリル基、フェネチル基、またはトリチル基等が挙げられる。
ポリオキシエチレン系化合物の具体例としては、ポリオキシエチレンアルキルエーテル、ポリオキシエチレンアルケニルエーテル、ポリオキシエチレンアルキルフェニルエーテル、ポリオキシエチレンポリスチリルフェニルエーテル、ポリオキシエチレン−オキシプロピレングリコール、ポリオキシエチレン−オキシプロピレンアルキルエーテル、ポリオキシエチレンソルビタン脂肪酸エステル、ポリオキシエチレングリセリン脂肪酸エステルなどのポリオキシエチレン多価アルコール脂肪酸部分エステル、ポリオキシエチレン脂肪酸エステル、ポリオキシエチレン化ヒマシ油、ポリオキシエチレンアルキルアミン、またはポリオキシエチレン基含有オルガノポリシロキサンなどがあげられるが、これに限定されるわけではない。
前記(E)成分の添加量は、所望の導電特性に応じて調整して添加されるが、前記(E)成分が分子中にヒドロキシル化反応可能なアルケニル基を有する場合は、(A)成分と(B)成分によるヒドロシリル化反応による3次元的架橋構造の形成を妨げないようにしなければならない。すなわち、(E)成分の添加量が過剰になった場合、(B)成分のSi−H基は、(E)成分のアルケニル基とのヒドロシリル化反応により消費されてしまい、(A)成分による3次元的架橋構造の形成が不十分となることがある。このような事情から、(E)成分の添加量は、(A)成分の重合体100重量部に対し0.01〜100重量部が好ましい。より好ましくは0.1〜100重量部、さらに好ましくは0.5〜70重量部、特に好ましくは0.5〜50重量部、最も好ましくは1〜50重量部である。添加量が0.01重量部より少ないと、得られる導電付与能が不十分となる傾向にある。また100重量部をこえると、ブリードなどのリスクが高くなったり、半導電性ゴムの機械強度の著しい低下を招く傾向にある。
導電性付与剤である前記(D)成分および(E)成分のうち、イオン導電性付与剤(D)は抵抗の電圧依存性が小さいという点から好ましい。さらに非イオン界面活性剤(E)は、抵抗の環境安定性が高いという点でより好ましい。なお、これらの導電性付与剤は、単独で使用しても、また2種以上を併用しても構わない。
前記導電性付与剤(D)または(E)の添加量は、(A)〜(C)成分の合計量に対して、30重量%以下とすることが、弾性層の機械物性を大きく変化させないという点から好ましい。また、特に電子導電性の導電性付与剤は、添加量を大きくすると、抵抗の電圧依存性が大きくなるため、電圧依存性を所望する範囲内に抑えるために、好ましくは20重量%以下、より好ましくは10重量%以下がより望ましい。
ここで、前記ブリードのリスクの低減については、例えば、弾性層のゲル分率の測定により評価することができる。ゲル分率の測定方法としては、ローラの弾性層から0.01〜0.5g程度の破片を切り取り、あらかじめ重量を測定した(W1)金網の袋に入れて、再び重量(W2)を測定する。これを、温度23℃、相対湿度55%の環境下でアセトンに24時間浸漬した後、80℃の熱風乾燥機にて、3時間乾燥させる。これの重量(W3)を測定し、
ゲル分率(%)=(W3−W1)/(W2−W1)×100
の算出式にしたがって、アセトンに溶解しない重量%として、ゲル分率を求める。本結果は、主に(A)、(B)および(D)成分以外の成分が化学結合を介して架橋構造に取り込まれている度合いの指標となる値であり、この値が100%に近づくほど、ブリードのリスクが少ないと考えることができる。
また、前記導電性付与剤(D)または(E)のみでは、導電性付与能が不十分な場合に、さらなる導電性を付与するために添加する成分として、アルカリ金属塩を本発明の組成物に加えてもよい。前記アルカリ金属塩は、リチウム、ナトリウム、カリウム等の周期律表第1族金属塩、及びその錯体であれば、特に制限はない。
上記、アルカリ金属塩としては、具体的には、NaClO4、LiClO4、LiAsF6、LiBF4、LiPF6,LiCF3SO3,LiI、LiCl、LiBr、NaSCN、KSCN、NaCl、NaI、またはKI等のアルカリ金属塩等が挙げられる。また、それら塩との錯体としては、1,4−ブタンジオール、エチレングリコール、ポリエチレングリコール、プロピレングリコール、もしくはポリエチレングリコール等多価アルコールとその誘導体の錯体、またはエチレングリコールモノメチルエーテル、もしくはエチレングリコールモノエチルエーテル等のモノオールとの錯体などが挙げられる。また上記以外でもアミノ基で変性したDOP、DBP等の可塑剤と過塩素酸イオンとの錯塩等の導電性可塑剤等が挙げられる。前記アルカリ金属塩の添加量は、0.001〜5重量部、さらには、0.01〜1重量部であることが好ましい。添加量が0.001重量部より少ないと、得られる導電付与能が不十分となる傾向にある。また、5重量部をこえると、得られる半導電性ゴムの機械強度の著しい低下を招く傾向にある。
さらに、前記組成物には、貯蔵安定性を改良する目的で、貯蔵安定性改良剤を使用することができる。この貯蔵安定性改良剤としては、前記化合物(B)の保存安定剤として知られている通常の安定剤であり、所期の目的を達成するものであればよく、とくに限定されるものではない。具体的には、脂肪族不飽和結合を含有する化合物、有機リン化合物、有機硫黄化合物、窒素含有化合物、スズ系化合物、または有機過酸化物などを好適に用いることができる。さらに具体的には、2−ベンゾチアゾリルサルファイド、ベンゾチアゾール、チアゾール、ジメチルアセチレンダイカルボキシレート、ジエチルアセチレンダイカルボキシレート、ブチルヒドロキシトルエン、ブチルヒドロキシアニソール、ビタミンE、2−(4−モルフォジニルジチオ)ベンゾチアゾール、3−メチル−1−ブテン−3−オール、アセチレン性不飽和基含有オルガノシロキサン、エチレン性不飽和基含有オルガノシロキサン、アセチレンアルコール、3−メチル−1−ブチル−3−オール、ジアリルフマレート、ジアリルマレエート、ジエチルフマレート、ジエチルマレエート、ジメチルマレエート、2−ペンテンニトリル、2,3−ジクロロプロペン、ジメチルアセチレンカルボキシレート、またはキノリンなどがあげられるが、これらに限定されるわけではない。なかでも、ポットライフおよび速硬化性の両立という点から、チアゾール、ジメチルマレエートがとくに好ましい。なお、前記貯蔵安定性改良剤は、単独で用いてもよく、また、2種以上併用してもよい。
また、本発明の組成物には、加工性やコストを改善するための充填剤、保存安定剤、酸化防止剤、軟化剤、可塑剤、紫外線吸収剤、滑剤、顔料などを添加してもよい。前記充填剤の具体例としては、特にシリカ微粉末、とりわけ比表面積が50〜380m2/g程度の微粉末シリカが好ましく、その中でも表面処理を施した疎水性シリカが、ローラの強度を好ましい方向に改善する働きが大きいので特に好ましい。前記軟化剤、可塑剤の使用量は(A)成分100重量部に対して、150重量部以下が好ましい。それ以上の添加量になると、ブリード等の問題を生じる傾向にある。
さらに前記組成物には、必要に応じて、各種基材に対する接着性を向上させるための接着性付与剤、粘着性付与樹脂を添加することができる。接着性付与剤の例としては、各種シランカップリング剤やエポキシ樹脂などがあげられる。とくにエポキシ基、メタクリロイル基、またはビニル基などの官能基を有するシランカップリング剤は、組成物の硬化性に及ぼす影響も小さく、接着性の発現にも効果が大きく使いやすい。ただし、使用できるシランカップリング剤はこれらに限定されるものではない。また、シランカップリング剤やエポキシ樹脂と併用してこれらの反応触媒を添加することができる。また、粘着性付与樹脂にはとくに限定はなく、通常、粘着性付与剤として使用されるものを使用できる。具体例としては、フェノール樹脂、変性フェノール樹脂、シクロペンタジエン−フェノール樹脂、キシレン樹脂、クマロン樹脂、石油樹脂、テルペン樹脂、テルペンフェノール樹脂、またはロジンエステル樹脂などがあげられる。なお、これらの使用にあたっては、ヒドロシリル化反応に対する影響を考慮しなければならない。
前記本発明の半導電性組成物を硬化して得られる半導電性ゴム製品は、一般的にコントロールが難しいとされる半導電性領域(体積抵抗率107〜1011Ωcm)に体積抵抗率をコントロールにすることが極めて容易である。ここで、本発明における半導電性ゴム製品の体積抵抗率は、JIS K−6911に準じて測定される。また、金属などの基材に半導電性ゴムを積層させて製造するような場合は、半導電性ゴム部分のみを別途硬化させて、その体積抵抗率を評価することができる。
また、通常、半導電性ゴムは、抵抗測定時の印加電圧を高くすると抵抗が低下するという性質を有し、導電特性の電圧依存性が大きいが、このような特性は、たとえば、電子写真方式を採用した画像記録装置に組み込まれるローラとして用いる場合、電圧の制御が複雑になるため好ましくない。この点、本発明の半導電性組成物を硬化して得られる半導電性ゴム製品は、導電特性の電圧依存性が極めて小さい。なお、この半導電性ゴム製品における導電特性の電圧依存性は、たとえば、半導電性ゴムについて温度20℃、湿度60%の恒温恒湿条件下で24時間放置後、体積抵抗率を印加電圧100Vおよび1000Vでの条件で測定し、100V印加での体積抵抗率(R100)および1000V印加における体積抵抗率(R1000)の比の対数値[LOG(R100/R1000)]で評価することができる。
また、通常、半導電性ゴムは、導電特性のサンプルバラツキも大きいが、本発明の半導電性組成物を硬化して得られる半導電性ゴムは、導電特性のサンプルバラツキが極めて小さい。なお、この半導電性ゴムにおける導電特性のサンプルバラツキは、例えば、半導電性ゴムについて温度20℃、湿度60%の恒温恒湿条件下で24時間放置後、体積抵抗率を印加電圧100Vおよび1000Vの条件で測定し、最も抵抗の高かった測定値(RMAX)および最も抵抗の低かった測定値(RMIN)の比の対数値[LOG(RMAX/RMIN)]で評価することができる。
前記半導電性ゴム製品は、たとえば、本発明の組成物を、所望の形状の成形空間を有する型に注入したのち、加熱することにより得られる。具体的には、たとえば、液状射出成形、押出し成形、またはプレス成形などにより成形できるが、組成物が液状である点、および生産性の点から、液状射出成形が好ましい。
本発明の組成物は、たとえば、貴金属触媒を用いたアルケニル基に対するSi−H基の付加反応によって硬化する。従って、硬化速度が非常に速く、ライン生産を行う上で好都合である。本発明の組成物を熱硬化させる温度は、80℃〜180℃の範囲内が好ましい。80℃以上になると、急激にヒドロシリル化反応が進行し、短い時間で硬化させることができる。
本発明の半導電性部材は、金属性支持部材203または円筒状スリーブ204を中心に設置した金型に、本発明の半導電性組成物を注型、射出、押出成形などをし、適当な温度、時間で加熱硬化させることによって容易に得られる。前記半導電性部材において、金属性支持部材203または円筒状スリーブ204のまわりに導電性弾性層202が形成されている。前記導電性弾性層にさらに表面層201を形成してもよい。図1に部材としてローラを用いた本発明の半導電性ローラの模式図を、図6に本発明の中間転写ドラムの模式図を示す。
前記半導電性部材は、一般的にコントロールが難しいとされる半導電性領域(部材の抵抗105〜10Ω)に部材の抵抗をコントロールにすることが極めて容易であり、部材抵抗のサンプルバラツキおよび電圧依存性も小さくすることが可能となる。ここで、本発明における部材の抵抗とは、部材を金属プレートに水平に当てて、部材の導電性シャフトの両端部の各々に500gの荷重を金属プレート方向に加え、シャフトと金属プレート間に直流電圧を印加して測定される電気抵抗値をいう。
前記半導電性部材は、23℃、相対湿度55%の環境下において、100Vの直流電流を印加した場合、部材の抵抗が105〜109Ωであることが必要である。特に107〜109Ωが好ましい。105Ωより低いと判導電性部材に対向して接触する部材に過剰な電流が流れるなどの問題が生じる傾向にあり、109Ωをこえると半導電性部材表面が帯電しやすくなる傾向がある。
また、別の本発明の半導電性部材110は、金属支持部材203、該支持部材外周面上に形成された半導電性弾性層202、さらにその外周面上に形成された1層以上の表面層201からなる半導電性部材であって、(1)23℃、相対湿度55%の環境下において、1000Vの直流電圧を印加して測定した部材の抵抗が105Ω以上109Ω以下、(2)23℃、相対湿度55%の環境下において、500Vおよび1000Vの直流電圧を印加して測定を行った部材の抵抗をそれぞれR500およびR1000としたときのR500/R1000の値が0.8以上1.2以下、(3)15℃、相対湿度10%の環境下で1000Vの直流電圧を印加して測定した部材の抵抗RLLと、32.5℃、相対湿度85%の環境下で1000Vの直流電圧を印加して測定した部材の抵抗RHHの比RLL/RHHが10以下である。
本発明の部材としては、電子写真用部材として用いられるものであれば特に限定されない。たとえば、転写用部材、中間転写用部材、現像用部材、帯電用部材、またはトナー供給用部材などがあげられる。なかでも、転写用部材、中間転写用部材としての半導電性ローラに好適に用いられる。前記半導電性ローラは、具体的には、例えば、電子写真装置用の帯電ローラ、現像ローラ、転写ローラ、給紙ローラ、クリーニングローラ、定着用の加圧ローラ、またはドラム等があげられる。
図2を用いて、画像記録装置の一実施形態である中間転写タイプの電子写真装置を説明する。
アルミニウムパイプ上に感光体材料を塗布して形成した電子写真感光体101の表面を、帯電ローラ(帯電器)102により均一に帯電させ、つぎに書き込み装置104aから発せられた、画像情報に応じた走査露光光104bにより、感光体の表面に静電潜像を形成する。この静電潜像は、現像器のうちの、今回形成された静電潜像の色情報に対応する現像器105aにより現像・可視化される。この可視化されたトナー像は、電子写真感光体101と中間転写ドラム110とが接触した転写領域P1において、電子写真感光体101から中間転写ドラム110の表面に、図示しない電源から中間転写ドラム110と感光体101との間に電圧を印加することにより転写される。転写後の感光体表面は除電ランプ108からの光が照射されて除電され、感光体表面に残ったトナーはクリーニング装置103により除去される。前記工程を複数回繰り返し、都度、画像情報に応じた色の異なる現像剤を有する現像器105b、105c、105dにより現像・可視化され、感光体表面から中間転写ドラム110に順次に転写・積層させ、複数のトナー画像を中間転写ドラム表面に積層形成させる。中間転写ドラム110の表面に積層形成されたカラートナー画像は、用紙搬送ロール109により搬送されて、中間転写ドラム110と、ロール形状の転写部材106との間に位置した記録材112との接触領域において、中間転写ドラム110と転写部材106との間に印加された電圧により、転写部材106から記録材112に電荷が移動することにより帯電した記録材表面に静電的に吸着され、記録材表面に一括して転写される。記録材112表面に一括して転写されたトナー画像は、定着装置107まで搬送され、その定着装置107により定着される。
また、図3を用いて画像記録装置のもう1つの実施形態を説明する。
この画像記録装置は、ブラック(K)、イエロー(Y)、マゼンタ(M)、シアン(C)の4色に対応して、表面に感光層を有するドラム状の感光体101K、101Y、101M、101Cと、これらの感光体をそれぞれ一様に帯電する帯電ローラ(帯電器)102K、102Y、102M、102Cと、一様に帯電された感光体にそれぞれ像光を照射して静電潜像を形成する像書き込み装置104K、104Y、104M、104Cと、K、Y、M、Cの各色の現像剤を収容した4台の現像器105K、105Y、105M、105Cと、前記4つの感光体101K、101Y、101M、101Cのうち2つずつに接触する2本のドラム形状の第一の中間転写ドラム110と、これら2本の中間転写ドラムに接触するドラム形状の第二の中間転写ドラム111、第二の中間転写ドラム111上に重ね合わせ転写されたトナー像を、搬送ローラ109によって搬送されてきた記録材112上に一括転写するためのローラ形状の転写部材106と、記録材112上のトナー像を定着する定着装置107とを備えている。
各感光体101K、101Y、101M、101C上には、各色に対応する静電潜像が形成され、各現像器105K、105Y、105M、105Cにより各色トナーで現像されて各色のトナー像が形成される。各感光体101K、101Y、101M、101C上の各色トナー像は2色ずつ第一の中間転写ドラム110上に重ね転写されたのち、第二の中間転写ドラム111上に4色が重ね合わされる。第二の中間転写ドラム111上のトナー像は、第二の中間転写ドラム111と転写部材106との間に印加された電圧により、転写部材106から記録材112に電荷が移動して帯電した記録材表面に静電的に吸着され、記録材料112上に一括転写されたのち、定着装置107により、その記録材112上に定着される。
また、図4を用いて画像記録装置のもう1つの実施形態を説明する。
この画像記録装置は、ブラック(K)、イエロー(Y)、マゼンタ(M)、シアン(C)の4色に対応して、表面に感光層を有するドラム状の感光体101K,101Y,101M,101Cと、これらの感光体に一定圧力で接触し、感光体との間に、直流電圧あるいは交流に直流電圧を重畳させて印加することにより、感光体表面を均一に帯電させる帯電部材102K,102Y,102M,102Cと、一様に帯電された感光体にそれぞれ像光を照射して静電潜像を形成する像書き込み装置104K,104Y,104M,104Cと、K,Y,M,Cの各色の現像剤を収容した4台の現像器105K,105Y,105M,105Cと、上記4つの感光体101K,101Y,101M,101Cに接触するベルト形状の中間転写部材118と、この中間転写部材118上に重ね合わせ転写されたトナー像を、搬送ローラー109によって搬送されてきた記録材112上に一括転写するためのローラー形状の転写部材106と、記録材112上のトナー像を定着する定着装置107とを備えている。
また、図5を用いて本発明に基づく現像部材を使用した一実施形態である現像装置を説明する。
現像ローラ(現像部材)113は、導電性シャフト(支持部材)203の周りに形成された半導電性弾性層202、この半導電性弾性層202上に必要に応じて形成された表面層201から構成される。トナー容器115に貯蔵されたトナー116は、供給ローラ114によって確実に現像ローラ113の表面に担持され、トナー容器115に取付けられた規制ブレードなどの規制部材117によって押圧されて接触帯電・摩擦帯電してトナー薄層となる。このトナー薄層が感光体101の表面の静電潜像に付着することによって、トナー像が形成される。現像ローラ113や供給ローラ114、規制ブレード117には、これらの表面電位を調整すべく、直流電圧が印加される場合が多い。図には示されていないが、通常現像ローラの両端部からトナーが漏れるのを防ぐために、ローラ両端部および端部側面はフェルトなどを用いてトナーのシールが行なわれている。
前記金属性支持部材203は、ステンレス鋼、鉄にメッキを施したものまたはアルミニウムのシャフト、円筒形状のアルミニウム素管を機械加工により仕上げたドラム、ステンレス板を円筒形状に曲げて作製しこれらのつなぎ部分をレーザー加工により溶接したシームレスロールとしたものを例としてあげることができる。
前記部材203に要求される機能は、半導電性弾性層202および表面層201を支持し所定の形状を維持することである。旋盤加工・研磨加工などの機械加工および引き抜き加工・絞り加工などの賦形加工により、容易に加工できる導電性材料であれば、その材質や加工方法に制限を受けるものではない。
前記弾性層202に要求される主な機能は、支持部材203を通じ供給される電荷を表面層201に伝達するために必要な導電性、半導電性部材110と接触する部材との間に安定した接触領域すなわちニップ領域を形成するのに必要な硬度、および軸方向全体に均一なニップ幅を形成するために必要な外径均一性である。
前記半導電性部材の抵抗は、23℃、相対湿度55%の環境下において、1000Vの直流電圧を印加して測定した場合、105Ω〜109Ωであることが必要である。105Ωより小さいと、接触する部材との間に過剰な電流が流れ、各種の画像欠陥の原因となり、109Ωより大きいと接触する部材との間に流れる電流が少なくなり、接触する部材を充分帯電できず、画像欠陥の原因となる。抵抗の下限は105Ωであるが、106Ωであることがより好ましい。
前記半導電性部材は、抵抗測定時の印加電圧を高くすると抵抗が低下するという性質をもっているが、このような特性は、半導電性部材として用いる場合、電圧の制御が必要であるため好ましくない。このような点から、前記半導電性部材の、23℃、相対湿度55%の環境下において、500Vおよび1000Vの直流電圧を印加して測定を行った部材の抵抗をそれぞれR500およびR1000としたときのR500/R1000の値を0.8〜1.2とすることが必要である。R500/R1000の値が1.2より大きいか、または0.8より小さいと、一定の値の抵抗体とみなすことができないため、電流値を一定にするような特別な制御回路が必要となる。R500/R1000の下限は0.9、上限は1.1であることが好ましい。
さらに、電子写真装置が使用される種々の環境において均一な画像品質を得るためには、通常使用される温度湿度の下限である、15℃、相対湿度10%の環境下での部材の抵抗RLLと、同じく上限である、32.5℃、相対湿度85%の環境下での部材の抵抗RHHの比RLL/RHHが10以下であれば、一定の抵抗体として特殊な制御機構を用いず使用できる。さらに、RLL/RHHが5以下であれば、カラープリンターなどのとくに高品質な画像を要求される用途においても特別な制御機構を用いずに使用できるため好ましい。
さらに、前記半導電性部材は、連続通電により部材の抵抗が経時的に変化すると、画像品質が経時的に変化するという性質を有する。この連続使用による画質変化を極めて小さくするためには、通常使用される23℃、相対湿度55%の環境下において、部材を回転させながら、通常印加される1000Vの直流電圧を連続100時間印加したときの部材の抵抗が初期の部材の抵抗の0.5〜2倍であることが好ましい。初期抵抗からの変化が2倍をこえると、初期の画質との差が極めて大きくなり、0.5倍より小さいと同様に、初期の画質との差が極めて大きくなる傾向にある。
前記半導電性部材の抵抗の位置ばらつきは、23℃、相対湿度55%の環境下において、1000Vの直流電圧を印加して測定した場合、20%以下であることが必要である。20%をこえると、乾式電子写真装置などの画像形成装置の、帯電用、現像用、または転写用などの部材として用いた場合に、画像の品質を低下する要因となる傾向がある。位置ばらつきの上限は20%であるが、10%以下であることが好ましい。
さらに、前記部材抵抗の変動を補正するために、静止時の部材抵抗を測定し、この値をもとに実際に動作する際の部材に印加する電圧を制御するなどの制御方法を用いるが、静止時と回転時の部材抵抗が大きく異なると、部材抵抗の変動の補正が困難であるため、回転時と静止時の部材抵抗の違いが少ないことが望まれる。すなわち、通常使用する23℃、相対湿度55%の環境下において、同じく通常使用される1000Vの直流電圧を印加して、回転時および静止時に測定したローラ抵抗をそれぞれRrotateおよびRstaticとしたときのRrotate/Rstaticの値が0.7〜1.5であることが必要である。この場合、静止時のローラ抵抗をモニターして、部材抵抗の変動を容易に補正できる。Rrotate/Rstaticの値の上限は1.5であるが、1.3であることが好ましい。一方、下限は0.7であるが、0.9であることが好ましい。Rrotate/Rstaticの値が0.7より小さい、あるいは1.5をこえると静止時の抵抗値のモニターによる部材抵抗の変動の補正が正確ではなくなる傾向があり、部材抵抗の変動を補正するために複雑な機構が必要となる場合がある。
近年、電子写真装置の高画質化、高機能化に対する要求はますます厳しくなっており、そのため、半導電性部材がより広い電圧範囲での使用が望まれている。そのような用途で使用する場合、特に前記半導電性部材の、23℃、相対湿度55%の環境下において、100Vおよび1000Vの直流電圧を印加して測定を行った部材の抵抗をそれぞれR100およびR1000としたときのR100/R1000の値を0.1〜10とすることが好ましい。とくに、R100/R1000が0.5〜2の場合には、特別な制御を必要としないため、より好ましい。R100/R1000の値が0.1より小さい、あるいは10をこえると一定の値の抵抗体とはみなせなくなる傾向にあり、電流値を一定にするための特別な制御回路が必要となる場合がある。
また、前記半導電性弾性層202の外周面上に表面層201を形成して得られる半導電性部材の外径寸法精度が悪いと、前記ニップ幅が安定しないため、転写した画像を大きく劣化させる。このため、部材の外形の振れを好ましくは100μm以下、より好ましくは60μm以下にすることが好ましい。この点、前記半導電性組成物を用い、上記成型法で作製した半導電性部材110は、研磨などの後加工を行わなくてもこのような高い外径寸法精度の成形体が容易に得られるという特徴を持つ点でとくに好ましい。なお、ここで、前記部材の外径の振れとは、部材の半径の変動量を意味し、通常は、部材から離れた位置に設定した基準点と部材の外周面との距離を、部材を回転しながら測定し、その最大値と最小値より求める。
本発明における半導電性部材110の製造方法は,特に限定されず、従来公知の各種部材の成形方法を用いることができる。例えば、中心にSUS製などの金属支持部材203を設置した金型に、半導電性組成物を押出成形、プレス成形、射出成形、反応射出成形(RIM)、液状射出成形(LIM)、注型成形などの各種成形法により成形し、適切な温度および時間で加熱硬化させて金属支持部材203のまわりに半導電性弾性層202を成形する。ここで、本発明における半導電性部材の製造方法としては、弾性層を形成するための半導電性組成物が液状であることから、生産性、加工性の点で液状射出成形が好ましい。この場合、半導電性組成物は、半硬化させた後に、別途後硬化させるプロセスを設けて完全硬化させてもよい。さらに必要に応じて、前記半導電性弾性層の外側に単数または複数の層201を設けてもよい。
前記弾性層202は、前記(A)分子中に1個以上のヒドロシリル化反応可能なアルケニル基を有するオキシアルキレン系重合体、前記(B)分子中に2個以上のヒドロシリル基を有する化合物、前記(C)ヒドロシリル化触媒、および前記(E)非イオン界面活性剤を含む導電性硬化性組成物の硬化物からなることが好ましい。前記組成物は硬化前には低粘度であり、硬化後には低硬度であるので加工性の観点から好ましいものである。
この導電性弾性層202の上から、表面層201を構成する樹脂をスプレー塗布、ディップ塗布、またはロールコートなどの方法を用いて所定の厚みに塗布し、所定の温度で乾燥、硬化させることにより、本発明の半導電性部材110が得られる。
前記表面層201の具体的主成分としては、とくに限定はないが、導電特性の観点からは−NHCO−結合を含有し、また環境安定性の観点からはポリカーボネート骨格のような−ROCO2−の繰り返し単位を有する樹脂を主な組成とする樹脂組成物からなっていればよく、ポリアミドやポリウレタンと、ポリカーボネートとのブレンド樹脂であっても、1分子中に−NHCO−結合と−ROCO2−の繰り返し単位との両方の単位を有するポリカーボネートウレタンなどであってもよい。
前記ポリカーボネートウレタンとしては、−ROCO2−骨格の−R基が、脂環式アルキル基または直鎖アルキル基などであるものが好ましい。これらの中でも、表面層の低硬度と低吸水率とがバランス良く得られるという観点からは、−R基が直鎖アルキル基であることが望ましい。
また、前記ポリカーボネートウレタンは、ポリカーボネートポリオールとポリイソシアネートとの反応によって得られる化合物である。ポリカーボネートポリオールは、多価アルコールとホスゲン、クロル蟻酸エステル、ジアルキルカーボネートまたはジアリルカーボネートとの縮合によって得られる。多価アルコールとしては、1,6−ヘキサンジオール、1,4−ブタンジオール、1,3−ブタンジオールまたは1,5−ペンタンジオールなどを用いるのが望ましく、ポリカーボネートポリオールの数平均分子量(Mn)は、約300〜15000の範囲内にあることが望ましい。ポリカーボネートポリオールは、単独で使用されるのが好ましいが、ポリエステルポリオール、ポリエーテルポリオールまたはポリエステル−ポリエーテルポリオールと併用することもできる。
前記のポリカーボネートポリオールと反応するポリイソシアネートとしては、トリレンジイソシアネート(TDI)、4,4’−ジオフェニルメタンジイソシアネート(MDI)、キシレンジイソシアネート(XDI)、ヘキサメチレンジイソシアネート(HDI)、水添MDI、水添TDIまたはイソホロンジイソシアネート(IPDI)などが使用される。これらの中でも、入手のし易さやコスト、電気特性、機械特性などの特性などのバランスを考慮すると、水添MDIもしくはIPDIを用いるのが好ましい。
一方、前記表面層201の主成分として、温度、湿度などの環境の変動による抵抗の変動を小さくするという観点から、アクリル−カルボン酸ビニル系共重合体を主成分とする樹脂組成物を用いることもできる。このアクリル−カルボン酸ビニル共重合体は、アクリル酸エステルモノマー成分、メタアクリル酸エステルモノマー成分およびカルボン酸ビニルモノマー成分の合計量が樹脂成分中に50重量%以上、好ましくは80重量%以上含有される共重合体であって、前記カルボン酸ビニルモノマー成分が樹脂成分中に3重量%以上、好ましくは5重量%以上、より好ましくは10重量%以上含有される共重合体である。
前記アクリル酸エステルモノマー成分としては、重合が良好に進行するという観点から、アクリル酸メチル、アクリル酸エチル、アクリル酸ブチル、またはアクリル酸2−エチルヘキシル、などがあげられる。
また前記メタアクリル酸エステルモノマー成分としては、重合が良好に進行するという観点から、メタアクリル酸メチル、メタアクリル酸エチル、またはメタアクリル酸ブチルなどがあげられる。これらの中でも、入手のし易さの観点からは、メタアクリル酸メチルが好ましい。
そして前記カルボン酸ビニルモノマー成分としては、重合が良好に進行するという観点から、酢酸ビニル、プロピオン酸ビニル、吉草酸ビニル、またはイソ吉草酸ビニルなどがあげられる。これらの中でも、入手のし易さ、トナーを良好にマイナス帯電させるという観点からは、酢酸ビニルを用いることが好ましい。
また、前記表面層201には抵抗調整、表面形状の調整あるいは導電性弾性層202に対する接着性などの観点から、導電剤、各種フィラーあるいはシランカップリング剤の各種添加剤を必要に応じて添加してもよい。
前記表面層201の塗布方法にとくに限定はないが、たとえば前記の樹脂を溶剤に溶かして固形分を5〜15%にしてスプレーあるいはディッピング塗布する方法が簡便である。この際、表面層溶液の被膜性を改善するために、レベリング剤などの各種添加剤を必要に応じて添加してもよい。
前記表面層201の厚さは、用いる材料、組成および用途などにより適切な値に設定するものであり、とくに限定されないが、通常5〜50μmが好ましい。5μmより薄くなると耐磨耗性が低下し、長期間の耐久性が低下する傾向がある。50μmより厚いと、前記弾性層202との線膨張率の差に起因してしわが発生しやすくなるまたは圧縮歪みが大きくなるなどの問題が発生する傾向がある。
また、前記半導電性弾性層202の厚みは、用いる用途などに応じて適時設定されるべきもので、とくに限定されないが、通常1〜10mmが好ましい。厚みが1mmより薄いと、半導電性弾性層202の硬度が低くても充分な接触幅を確保することが困難となる傾向にある。また10mmをこえると、使用状態でねじれなどの好ましくない変形を起しやすくなり、画像欠陥の原因となり易い傾向にある。
本発明の部材を中間転写ドラムとして用いた画像記録装置においては、前記半導電性弾性層202の厚みが3〜8mmで、かつ、ドラムの硬度はアスカーC硬度60度以下であることが好ましい。前記半導電性弾性層202の厚さが8mmをこえると周方向速度にムラが生じ、中間転写ドラム110上に転写させたトナー画質が乱れる傾向にある。また、3mmより小さいと所望のニップ幅を得ることが困難となる傾向にある。ドラムの硬度は低いほど広いニップ幅を安定して得るためには有効であるが、ドラムの硬度が低くなると圧縮永久歪みが大きくなるなどの問題が生じるため、通常、アスカーC硬度で20度以上が好適に用いられる。
以下に具体的実施例にしたがい本発明の説明を行なう。
実施の形態1
実施例1
(A)アリル末端ポリオキシプロピレン(カネカサイリルACX004−N、鐘淵化学工業株式会社製)100gに対して、(D)イオン性導電性付与剤(LV−70、旭電化株式会社製)10gを混合し、ついでこの混合物に(B)ポリオルガノハイドロジェンシロキサン(ACX−004−C、鐘淵化学工業株式会社製)7g、(C)ビス(1,3−ジビニル−1,1,3,3−テトラメチルジシロキサン)白金錯体触媒(白金含有率13.2×10−5mmol/μL、キシレン溶液)88μL、および貯蔵安定性改良剤として1−エチル‐1−シクロヘキサノールを0.1g秤取し、均一に混合し、組成物を得た。前記組成物を真空脱泡攪拌装置(シーテック株式会社製)で60分間脱泡を行ったのち、得られた半導電性組成物をフッ素樹脂シートを敷いたアルミの金属枠に充填し、140℃、15分間加熱の条件でプレス成型し、2mm厚のシート状硬化物を5枚得た。
得られたシート状半導電性ゴムについて、温度20℃、相対湿度60%の環境下に24時間放置後、体積抵抗率を印加電圧100Vおよび1000Vでの条件で測定した。得られた測定結果について、5枚のシートの100V印加での体積抵抗率の平均(R100)および1000V印加における体積抵抗率の平均(R1000)を示し、電圧依存性をR100とR1000の比の対数値[LOG(R100/R1000)]で評価した。また、5枚のうち、最も抵抗の高かった測定値(RMAX)および最も抵抗の低かった測定値(RMIN)の比の対数値[LOG(RMAX/RMIN)]を算出し、サンプルの抵抗バラツキを評価した。配合表および評価結果を表1に示す。
実施例2
(D)イオン性導電性付与剤(LV−70、旭電化株式会社製)を2g配合したこと以外は、実施例1同様にしてシート状硬化物を作成した。配合表および評価結果を表1に示す。
実施例3
(D)イオン性導電性付与剤(LV−70、旭電化株式会社製)を0.5g配合したこと以外は、実施例1同様にしてシート状硬化物を作成した。配合表および評価結果を表1に示す。
実施例4
(D)成分としてイオン性導電性付与剤(エレガンLD−204、日本油脂株式会社製)を2g配合したこと以外は、実施例1同様にしてシート状硬化物を作成した。配合表および評価結果を表1に示す。
実施例5
(D)成分としてイオン性導電性付与剤(エレガンLD−204、日本油脂株式会社製)を0.5g配合したこと以外は、実施例1同様にしてシート状硬化物を作成した。配合表および評価結果を表1に示す。
比較例1
(A)アリル末端ポリオキシプロピレン(カネカサイリルACX004−N、鐘淵化学工業株式会社製)100gに対して、導電性付与剤としてカーボンブラック(#3030B、三菱化学株式会社製)5gを加えたものを3本ロールで混練した。ついでこの混合物に(B)ポリオルガノハイドロジェンシロキサン(ACX−004−C、鐘淵化学工業株式会社製)7g、(C)ビス(1,3−ジビニル−1,1,3,3−テトラメチルジシロキサン)白金錯体触媒(白金含有率13.2×10−5mmol/μL、キシレン溶液)88μL、および貯蔵安定性改良剤として1−エチル‐1−シクロヘキサノールを0.1g秤取し、均一に混合し、組成物を得た。前記組成物から実施例1同様にして2mm厚のシート状硬化物を5枚得た。配合表および評価結果を表1に示す。
以上に示した結果から、本発明の半導電性組成物から得られる半導電性ゴムは、極めて、電気特性のサンプルバラツキが小さく、かつ、電気依存性も小さくなることが明らかであり、電子伝導型導電性付与剤として一般的に用いられるカーボンブラックを用いた場合に比べても、極めてサンプルバラツキや電圧依存性で優位性が見られる。
実施例6
(A)アリル末端ポリオキシプロピレン(カネカサイリルACX004−N、鐘淵化学工業株式会社製)300gに対して、(D)イオン性導電性付与剤(エレガンLD−204、日本油脂株式会社製)3gを混合し、ついでこの混合物に(B)ポリオルガノハイドロジェンシロキサン(ACX−004−C、鐘淵化学工業株式会社製)20g、(C)ビス(1,3−ジビニル−1,1,3,3−テトラメチルジシロキサン)白金錯体触媒(白金含有率13.2×10−5mmol/μL、キシレン溶液)210μL、および貯蔵安定性改良剤としてジメチルマレートを105μL秤取し、均一に混合し、組成物を得た。前記組成物を真空脱泡攪拌装置(シーテック株式会社製)で60分間脱泡を行ったのち、得られた半導電性組成物をローラ成型用金型に射出圧1MPaで注入し、140℃、20分間加熱の条件で、直径8mmのSUS製のシャフトのまわりに厚み3mm、長さ230mmの半導電性弾性層を設けた半導電性ローラを5本得た。
得られたローラについて、温度23℃、相対湿度55%の環境下で、印加電圧100Vおよび1000Vにおけるローラ抵抗を測定した。得られた測定結果について、5本のローラの100V印加でのローラ抵抗の平均(R100)および1000V印加におけるローラ抵抗の平均(R1000)を示し、電圧依存性をR100とR1000の比の対数値[LOG(R100/R1000)]で評価した。また、5本のうち、最も抵抗の高かった測定値(RMAX)および最も抵抗の低かった測定値(RMIN)の比の対数値[LOG(RMAX/RMIN)]を算出し、サンプルの抵抗バラツキを評価した。配合表および評価結果を表2に示す。
比較例2
(A)アリル末端ポリオキシプロピレン(カネカサイリルACX004−N、鐘淵化学工業株式会社製)300gに対して、導電性付与剤としてカーボンブラック(MA220、三菱化学株式会社製)24gを加えたものを3本ロールで混練した。ついでこの混合物に(B)ポリオルガノハイドロジェンシロキサン(ACX−004−C、鐘淵化学工業株式会社製)20g、(C)ビス(1,3−ジビニル−1,1,3,3−テトラメチルジシロキサン)白金錯体触媒(白金含有率13.2×10−5mmol/μL、キシレン溶液)210μL、および貯蔵安定性改良剤としてジメチルマレートを105μL秤取し、均一に混合し、組成物を得た。前記組成物から実施例6同様にして半導電性ローラを5本得た。配合表および評価結果を表2に示す。
以上に示した結果から、本発明の半導電性部材は、極めて、電気特性のサンプルバラツキが小さく、かつ、電気依存性も小さくなることが明らかであり、電子伝導型導電性付与剤として一般的に用いられるカーボンブラックを用いた場合に比べても、極めてサンプルバラツキや電圧依存性で優位性が見られる。
実施の形態2
実施例7
(E)成分としてポリオキシエチレンアルケニルエーテル(ノニオンE205S、日本油脂株式会社製)10gを混合したこと以外は、実施例1同様にしてシート状硬化物を作成した。配合表および評価結果を表3に示す。
実施例8
(E)成分としてポリオキシエチレンアルケニルエーテル(ノニオンE205S、日本油脂株式会社製)を2g配合したこと以外は、実施例1同様にしてシート状硬化物を作成した。配合表および評価結果を表3に示す。
実施例9
(E)成分としてポリオキシエチレンアルキルエーテル(ユニオックスMM500、日本油脂株式会社製)5g配合したこと以外は、実施例1同様にしてシート状硬化物を作成した。配合表および評価結果を表3に示す。
以上に示した結果から、本発明の半導電性組成物から得られる半導電性ゴムは、極めて、電気特性のサンプルバラツキが小さく、かつ、電気依存性も小さくなることが明らかであり、電子伝導型導電性付与剤として一般的に用いられるカーボンブラックを用いた場合に比べても、極めてサンプルバラツキや電圧依存性で優位性が見られる。
実施例10
(E)成分として、ポリオキシエチレンアルケニルエーテル(ノニオンE205S、日本油脂株式会社製)15gを混合したこと以外は、実施例6同様にして半導電性ローラを5本得た。配合表および評価結果を表4に示す。
比較例3
導電性付与剤としてカーボンブラック(MA220、三菱化学株式会社製)15gを加えたこと以外は、比較例2同様にして半導電性ローラを5本得た。配合表および評価結果を表4に示す。
以上に示した結果から、本発明の半導電性部材は、極めて、電気特性のサンプルバラツキが小さく、かつ、電気依存性も小さくなることが明らかであり、電子伝導型導電性付与剤として一般的に用いられるカーボンブラックを用いた場合に比べても、極めてサンプルバラツキや電圧依存性で優位性が見られる。
実施の形態3
実施例11
(A)成分であるACX004−N(鐘淵化学工業製)300gに対して、(E)成分としてポリオキシエチレンアリルメチルエーテル(ユニルーブPKA−5007、日本油脂製、分子量400)30gを混合し、ついで、この混合物に(B)成分として下に構造を示す化合物Bを21g、
(C)成分として、ビス(1,3−ジビニル−1,1,3,3−テトラメチルジシロキサン)白金錯体触媒(白金含有量3wt%、キシレン溶液)を210μL、そして貯蔵安定性改良剤として、ジメチルマレートを105μL秤取し、均一混合し、組成物を得た。前記組成物から実施例6同様にして半導電性ローラを5本得た。配合表および評価結果を表5に示す。
実施例12
(E)成分としてユニルーブPKA5007を105g、(B)成分として化合物Bを48g用いたこと以外は、実施例11同様にして半導電性ローラを5本得た。配合表および評価結果を表5に示す。
実施例13
(E)成分としてポリオキシエチレン−オキシプロピレン共重合体アリルブチルエーテル(ユニセーフPKA5015、日本油脂製、分子量1600、主鎖におけるオキシエチレン単位の含有量75%)を105g、(B)成分として化合物Bを20g用いたこと以外は、実施例11同様にして半導電性ローラを5本得た。配合表および評価結果を表5に示す。
実施例14
さらに過塩素酸リチウムを0.5g添加したこと以外は、実施例13同様にして半導電性ローラを5本得た。配合表および評価結果を表5に示す。
実施例15
実施例11記載の処方について、(E)成分としてポリオキシエチレンアルケニルエーテル(ノニオンE205S、日本油脂株式会社製)を30g、(B)成分として化合物Bを12g用いたこと以外は、実施例11同様にして半導電性ローラを5本得た。配合表および評価結果を表5に示す。
比較例4
(A)アリル末端ポリオキシプロピレン(カネカサイリルACX004−N、鐘淵化学工業株式会社製)300gに対して、導電性付与剤としてカーボンブラック(MA220、三菱化学株式会社製)15gを加えたものを3本ロールで混練した。ついでこの混合物に(B)化合物B12g、(C)ビス(1,3−ジビニル−1,1,3,3−テトラメチルジシロキサン)白金錯体触媒(白金含有率3wt%、キシレン溶液)210μL、および貯蔵安定性改良剤としてジメチルマレートを105μL秤取し、均一に混合し、組成物を得た。前記組成物から実施例11同様にして半導電性ローラを5本得た。配合表および評価結果を表5に示す。
以上に示した結果から、本発明の半導電性部材は、極めて、電気特性のサンプルバラツキが小さく、かつ、電気依存性も小さくなることが明らかであり、電子伝導型導電性付与剤として一般的に用いられるカーボンブラックを用いた場合に比べても、極めてサンプルバラツキや電圧依存性で優位性が見られる。また、(E)成分としてアルケニル基含有ポリオキシエチレン系重合体とすると、化学結合を介して、架橋構造内に取りこみ、ブリードのリスクをより低減することができた。
実施の形態4
これらの実施例および比較例の半導電性ローラは長さ248mm、外径16mmのステンレスシャフトの表面にプライマー処理を施したものを支持部材とした。
実施例16
(A)アリル末端ポリオキシプロピレン(カネカサイリルACX004−N、鐘淵化学工業株式会社製)100重量部に対して、(B)ポリオルガノハイドロジェンシロキサン(ACX−004−C、鐘淵化学工業株式会社製)6.6重量部、(C)ビス(1,3−ジビニル−1,1,3,3−テトラメチルジシロキサン)白金錯体触媒(白金含有率3wt%、キシレン溶液)0.06重量部、および(E)非イオン界面活性剤(ノニオンE205S、日本油脂株式会社製)3重量部を混合し、減圧(10mmHg以下、120分間)脱泡した。
前記シャフトを設置した金型内に得られた組成物を注入したのち、金型ごと140℃で30分間加熱し、組成物を硬化させることにより、シャフトの外周上に厚さ約5mmの半導電性弾性層を形成した。半導電性弾性層は、21℃、相対湿度60%の条件下で、アスカーC硬度が40度であった。
つぎに半導電性弾性層の表面に、ポリエーテルウレタン(Y258、大日精化工業株式会社製)をメチルエチルケトン/ジメチルホルムアミド=1/1で固形分5%になるよう希釈した溶液に導電剤としてカーボンブラック(MA220、三菱化学株式会社製)を樹脂固形分に対して10重量部分散した溶液を作製し、半導電性弾性層の表面にスプレーにより塗布乾燥(160℃、30分)し、半導電性弾性層の外周面上に10μmの表面層を形成し、半導電性ローラを作製した。
以上のようにして作製した半導電性ローラを23℃、相対湿度55%の環境下に24時間放置後、この環境下で以下の測定を行った。このローラの印加電圧による抵抗変化を調べるため、ローラをアルミニウム板上にのせ1Kgの荷重下(すなわちローラ全体に1kgの荷重をかけた状態)で、アルミニウム板とシャフト間に100V、500Vおよび1000Vの直流電圧を印加しR500およびR1000の測定を行った。測定はローラを90度づつ回転しながら4度行ないその平均値をローラ抵抗とした。その結果R500は1.5×108Ω、R1000は1.4×108Ωであり、R500/R1000は1.07であった。
また、ローラの抵抗の環境依存性を測定するため、ローラを▲1▼15℃、相対湿度10%(LL)の環境下および▲2▼32.5℃、相対湿度85%(HH)の環境下にそれぞれ24時間放置後、引き続き▲1▼、▲2▼それぞれの環境下でローラをアルミニウム板上にのせ、1Kgの荷重下で、アルミニウム板とシャフト間に1000Vの直流電圧を印加しながらローラの抵抗RLLおよびRHHを測定した。その結果RLLおよびRHHは2.0×108Ω(RLL)および7.0×107Ω(RHH)であり、RLL/RHHは2.9であった。
つぎにこのローラを直径30mmのステンレス製パイプに1Kgの荷重で押しつけ、ローラを毎分30回転の速度で回転させながら、1000Vの直流電圧を100時間印加したのち、ローラをアルミニウム板上にのせ1Kgの荷重下で、アルミニウム板とシャフト間に1000Vの直流電圧を印加し、再びR1000を測定したところ、2.2×108Ωであり、電圧連続印加前の1.57倍であった。
また、ローラの抵抗の位置ばらつきを測定するため、図7に示した20mm幅のアルミニウム製の電極板302を電気絶縁体301上に20mm間隔で5本配置した測定電極上にのせ、1Kgの荷重下で、各アルミニウム電極とシャフト間に1000Vの電圧を印加することにより各位置の抵抗を測定した。測定は軸方向に5点の測定を周方向に90度づつ回転しながら4カ所の計20点で行ない、次式から抵抗の位置ばらつきを求めたところ、12%であった。
抵抗の位置ばらつき=(抵抗の最大値−抵抗の最小値)×100/((抵抗の最大値+抵抗の最小値)×2)(%)
また、回転時のローラ抵抗Rrotateを、ローラを外径30mmのステンレス製パイプに1kgの荷重で押しつけ、ローラを1分間に30回転の速度で回転させながら、1000Vの直流電圧を印加することにより測定した。前記条件で10回/秒のサンプリングを30秒間行ない、その平均値を計算した結果、回転時のローラ抵抗は1.25×108Ωであった。前記R1000を静止時の抵抗Rstaticとし、Rrotate/Rstaticを計算すると0.89であった。
実施例17
(E)成分として非イオン界面活性剤(ユニオックスMM500、日本油脂株式会社製)5重量部を用いたこと以外は実施例16同様にして半導電性弾性層を形成した。前記弾性層は、21℃、相対湿度60%の条件下で、アスカーC硬度が40度であった。
つぎに実施例16同様にして前記半導電性弾性層の外周面上に10μmの表面層を形成し、半導電性ローラを作製した。
作製した半導電性ローラを23℃、相対湿度55%の環境下に24時間放置後、実施例16同様にして評価を行った。
その結果、R500は1.0×108Ω、R1000は9.5×107Ω、R500/R1000は1.05であった。また、ローラの抵抗のRLLおよびRHHは、2.0×108Ω(RLL)および6.0×107Ω(RHH)であり、RLL/RHHは3.3であった。
さらに100時間電圧連続印加後のR1000は、1.5×108Ωとなり、電圧連続印加前の1.58倍になった。
また、抵抗の位置ばらつきは5.5%であった。
さらに、Rrotateは8.5×107Ω、実施例16と同様にR1000をRstaticとし、Rrotate/Rstaticを計算したところ、0.89であった。
比較例5
(E)成分の代わりに導電剤としてカーボンブラック(MA220、三菱化学株式会社製)5重量部を用いたこと以外は実施例16同様にして半導電性弾性層を形成した。前記弾性層は、21℃、相対湿度60%の条件下で、アスカーC硬度が40度であった。
つぎに実施例16同様にして前記半導電性弾性層の外周面上に10μmの表面層を形成し、半導電性ローラを作製した。
作製した半導電性ローラを23℃、相対湿度55%の環境下に24時間放置後、実施例16同様にして評価を行った。
その結果、R500は3.5×107Ω、R1000は2.0×107Ω、R500/R1000は1.75であった。また、ローラの抵抗のRLLおよびRHHは2.0×108Ω(RLL)および1.0×107Ω(RHH)であり、RLL/RHHは20であった。
さらに100時間電圧連続印加後のR1000は、4.5×107Ωに変化し、電圧連続印加前の2.25倍となった。
また、抵抗の位置ばらつきは55%であった。
さらに、Rrotateは4.5×107Ω、実施例16と同様にR1000をRstaticとし、Rrotate/Rstaticを計算したところ、2.25であった。
実施の形態5
これらの実施例および比較例の転写部材は長さ248mm、外径16mmのステンレスシャフトの表面にプライマー処理を施したものを支持部材とし、ローラ形状に成型した転写ローラを全て転写部材とした。
実施例18
実施例16同様にして、ステンレスシャフトの外周上に半導電性弾性層を形成した。前記弾性層は、21℃、相対湿度60%の条件下で、アスカーC硬度が40度であった。
ついで、実施例16同様にして転写ローラを作製した。
作製した転写ローラを23℃、相対湿度55%の環境下に24時間放置後、実施例16同様にして評価を行った。
その結果、R500は1.5×108Ω、R1000は1.4×108Ω、R500/R1000は1.07であった。
また、RLLよびRHHは2.0×108Ω(RLL)および7.0×107Ω(RHH)であり、RLL/RHHは2.9であった。
さらに、100時間電圧連続印加後のR1000は2.2×108Ωであり、電圧連続印加前の1.57倍であった。
実施例19
実施例17同様にして、ステンレスシャフトの外周上に半導電性弾性層を形成した。前記弾性層は、21℃、相対湿度60%の条件下で、アスカーC硬度が40度であった。
ついで、転写ローラを実施例17同様にして作製した。
作製した転写ローラを23℃、相対湿度55%の環境下に24時間放置後、実施例16同様にして評価を行った。
その結果、R500は1.0×108Ω、R1000は9.5×107Ω、R500/R1000は1.05であった。また、ローラの抵抗のRLLおよびRHHは2.0×108Ω(RLL)および6.0×107Ω(RHH)であり、RLL/RHHは3.3であった。
さらに100時間電圧連続印加後のR1000は、1.5×108Ωとなり、電圧連続印加前の1.58倍になった。
比較例6
比較例5同様にして、ステンレスシャフトの外周上に半導電性弾性層を形成した。前記弾性層は、21℃、相対湿度60%の条件下で、アスカーC硬度が40度であった。
ついで、転写ローラを比較例5同様にして作製した。
作製した転写ローラを23℃、相対湿度55%の環境下に24時間放置後、実施例16同様にして評価を行った。
その結果、R500は3.5×107Ω、R1000は2.0×107Ω、R500/R1000は1.75であった。また、ローラの抵抗のRLLおよびRHHは2.0×108Ω(RLL)および1.0×107Ω(RHH)であり、RLL/RHHは20であった。
さらに100時間電圧連続印加後のR1000は、4.5×107Ωに変化し、電圧連続印加前の2.25倍となった。
つぎに、実施の形態5における実施例および比較例に示された転写ローラの転写特性(残留トナー量と転写ムラおよび画像の中抜け)を中間転写タイプのレーザービームプリンター(図2に記載の装置)を用い、平均粒径6μmのシアン(C)、マゼンダ(M)、イエロー(Y)、ブラック(K)の4色の球形トナーを用いて、各種環境下で画像出力し、評価した。
中間転写ローラ上の転写画像を、作製した転写ローラを用いて紙に二次転写した。前記二次転写において、中間転写ローラと紙の後ろに配置した転写ロールとの転写電圧は1000V、ローラ周速は100mm/秒とした。また、転写ロールと中間転写体ロールの接触圧は、導電性バックアップロールの両端にスプリング機構を用い線圧を150g/cmとし、線画、ハーフトーン画像、文字画像を出力、画像評価し転写特性を評価した。また、前記評価をC、M、Y、K各4色のトナーで行い、トナー間の画質の比較を行った。その結果、前記実施例18および19に従って作製した転写ローラを用いた実施例では、線画、ハーフトーン画像ともに良好な画質が得られ、4色のトナー間の差も見られなかった。また、転写ローラは低温低湿下および高温高湿下において、同一の転写電圧で転写を行っても画質に大きな差が見られなかった。
しかし、比較例6の転写ローラは、低温低湿環境下では、低濃度ハーフトーン画像にかすれが見られたため、転写電圧を1500Vにあげて転写を行ったところ、ハーフトーン画像のかすれは低減されたが、4色で低減の度合いに差が見られた。また、ローラの軸方向の濃度バラツキも見られた。
実施の形態6
これらの実施例および比較例の帯電部材は長さ248mm、外径16mmのステンレスシャフトの表面にプライマー処理を施したものを支持部材とし、ローラ形状に成型した帯電ローラを全て帯電部材とした。
実施例20
実施例16同様にして、ステンレスシャフトの外周上に半導電性弾性層を形成した。前記弾性層は、21℃、相対湿度60%の条件下で、アスカーC硬度が40度であった。
ついで、実施例16同様にして帯電ローラを作製した。
作製した帯電ローラを23℃、相対湿度55%の環境下に24時間放置後、実施例16同様にして評価を行った。
その結果、R500は1.5×108Ω、R1000は1.4×108Ω、R500/R1000は1.07であった。
また、RLLおよびRHHは2.0×108Ω(RLL)および7.0×107Ω(RHH)であり、RLL/RHHは2.9であった。
さらに100時間電圧連続印加後のR1000は2.2×108Ωであり、電圧連続印加前の1.57倍であった。
実施例21
実施例17同様にして、ステンレスシャフトの外周上に半導電性弾性層を形成した。前記弾性層は、21℃、相対湿度60%の条件下で、アスカーC硬度が40度であった。
ついで、帯電ローラを実施例17同様にして作製した。
作製した帯電ローラを23℃、相対湿度55%の環境下に24時間放置後、実施例16同様にして評価を行った。
その結果、R500は1.0×108Ω、R1000は9.5×107Ω、R500/R1000は1.05であった。また、ローラの抵抗のRLLおよびRHHは2.0×108Ω(RLL)および6.0×107Ω(RHH)であり、RLL/RHHは3.3であった。
さらに100時間電圧連続印加後のR1000は、1.5×108Ωとなり、電圧連続印加前の1.58倍になった。
比較例7
比較例5同様にして、ステンレスシャフトの外周上に半導電性弾性層を形成した。前記弾性層は、21℃、相対湿度60%の条件下で、アスカーC硬度が40度であった。
ついで、帯電ローラを比較例5同様にして作製した。
作製した帯電ローラを23℃、相対湿度55%の環境下に24時間放置後、実施例16同様にして評価を行った。
その結果、R500は3.5×107Ω、R1000は2.0×107Ω、R500/R1000は1.75であった。また、ローラの抵抗のRLLおよびRHHは2.0×108Ω(RLL)および1.0×107Ω(RHH)であり、RLL/RHHは20であった。
さらに100時間電圧連続印加後のR1000は、4.5×107Ωに変化し、電圧連続印加前の2.25倍となった。
つぎに、実施の形態6における実施例および比較例に示された帯電ローラを図2に記載のレーザービームプリンタの帯電ローラとして取りつけた。LL(15℃、10%Rh)、NN(23℃、55%Rh)、HH(32.5℃、85%Rh)の各種環境下でハーフトーン画像をC、M、Y、K各4色のトナーで出力しハーフトーンのかすれ、色むらなどの画質の比較を行うことで、帯電特性の評価を行った。その結果、前記実施例20および21に従って作製した帯電ローラを用いた場合、ハーフトーン画像のかすれ、色むらなどは見られなかった。また、帯電ローラは低温低湿下および高温高湿下において、同一の条件で転写が可能で、環境によるハーフトーン画像の濃度の違いも見られなかった。
しかし、比較例7の帯電ローラは、低温低湿環境下では、低濃度ハーフトーン画像にかすれが見られたため、転写電圧を1500Vにあげて転写を行ったところ、ハーフトーン画像のかすれは低減されたが、4色で低減の度合いに差が見られた。また、ローラの軸方向の濃度バラツキも見られた。
実施の形態7
これらの実施例および比較例の現像部材は、外径12mmのステンレスシャフトの表面にプライマー処理を施したものを支持部材とし、ローラ形状に成型した現像ローラを全て現像部材とした。
実施例22
実施例16同様にして、ステンレスシャフトの外周上に半導電性弾性層を形成した。前記弾性層は、21℃、相対湿度60%の条件下で、アスカーC硬度が40度であった。
ついで、実施例16同様にして現像ローラを作製した。
作製した現像ローラを23℃、相対湿度55%の環境下に24時間放置後、実施例16同様にして評価を行った。
その結果、R500は1.5×108Ω、R1000は1.4×108Ω、R500/R1000は1.07であった。
また、RLLおよびRHHは2.0×108Ω(RLL)および7.0×107Ω(RHH)であり、RLL/RHHは2.9であった。
さらに、100時間電圧連続印加後のR1000は2.2×108Ωであり、電圧連続印加前の1.57倍であった。
実施例23
実施例17同様にして、ステンレスシャフトの外周上に半導電性弾性層を形成した。前記弾性層は、21℃、相対湿度60%の条件下で、アスカーC硬度が40度であった。
ついで、現像ローラを実施例17同様にして作製した。
作製した現像ローラを23℃、相対湿度55%の環境下に24時間放置後、実施例16同様にして評価を行った。
その結果、R500は1.0×108Ω、R1000は9.5×107Ω、R500/R1000は1.05であった。また、ローラの抵抗のRLLおよびRHHは2.0×108Ω(RLL)および6.0×107Ω(RHH)であり、RLL/RHHは3.3であった。
さらに100時間電圧連続印加後のR1000は、1.5×108Ωとなり、電圧連続印加前の1.58倍になった。
比較例8
比較例5同様にして、ステンレスシャフトの外周上に半導電性弾性層を形成した。前記弾性層は、21℃、相対湿度60%の条件下で、アスカーC硬度が40度であった。
ついで、現像ローラを比較例5同様にして作製した。
作製した現像ローラを23℃、相対湿度55%の環境下に24時間放置後、実施例16同様にして評価を行った。
その結果、R500は3.5×107Ω、R1000は2.0×107Ω、R500/R1000は1.75であった。また、ローラの抵抗のRLLおよびRHHは2.0×108Ω(RLL)および1.0×107Ω(RHH)であり、RLL/RHHは20であった。
さらに100時間電圧連続印加後のR1000は、4.5×107Ωに変化し、電圧連続印加前の2.25倍となった。
つぎに、実施の形態7における実施例および比較例で作製した現像ローラの現像特性を評価するために、図5記載の現像装置の現像ローラとして取り付け、レーザービームプリンタに組込み、画像出力を行った。評価は、LL(15℃、10%Rh)、NN(23℃、55%Rh)、HH(32.5℃、85%Rh)の各種環境下でハーフトーン画像をC、M、Y、K各4色のトナーで出力し、ハーフトーンのかすれ、色むらなどの画質の比較を行うことで行った。その結果、前記実施例22および23に従って作製した現像ローラを用いた場合、ハーフトーン画像のかすれ、色むらなどは見られなかった。また、帯電ローラは低温低湿下および高温高湿下において、同一の条件で転写が可能で、環境によるハーフトーン画像の濃度の違いも見られなかった。
しかし、比較例8の帯電ローラは、高温高湿環境下ではとくに高濃度側のハーフトーン画像濃度が濃くなり、低温低湿環境下では全体に画像が薄くなり、低濃度ハーフトーン画像にかすれが見られた。また、ハーフトーン画像の色むらも実施例で作製した現像ローラを用いた場合と比較すると大きく、良好な画像が得られなかった。
実施の形態8
これらの実施例および比較例の中間転写ドラムは、長さ248mm、外径32mm、肉厚2mmのアルミニウムスリーブの表面にプライマー処理を施したものを支持部材とした。
実施例24
実施例16同様にして、アルミニウムスリーブの外周上に半導電性弾性層を形成した。前記弾性層は、21℃、相対湿度60%の条件下で、アスカーC硬度が40度であった。
ついで、実施例16同様にして中間転写ドラムを作製した。
作製した中間転写ドラムを23℃、相対湿度55%の環境下に24時間放置後、実施例16同様にして評価を行った。
その結果、R500は1.5×108Ω、R1000は1.4×108Ω、R500/R1000は1.07であった。
また、RLLおよびRHHは2.0×108Ω(RLL)および7.0×107Ω(RHH)であり、RLL/RHHは2.9であった。
さらに、100時間電圧連続印加後のR1000は2.2×108Ωであり、電圧連続印加前の1.57倍であった。
実施例25
実施例17同様にして、アルミニウムスリーブの外周上に半導電性弾性層を形成した。前記弾性層は、21℃、相対湿度60%の条件下で、アスカーC硬度が40度であった。
ついで、中間転写ドラムを実施例17同様にして作製した。
作製した中間転写ドラムを23℃、相対湿度55%の環境下に24時間放置後、実施例16同様にして評価を行った。
その結果、R500は1.0×108Ω、R1000は9.5×107Ω、R500/R1000は1.05であった。また、ローラの抵抗のRLLおよびRHHは2.0×108Ω(RLL)および6.0×107Ω(RHH)であり、RLL/RHHは3.3であった。
さらに100時間電圧連続印加後のR1000は、1.5×108Ωとなり、電圧連続印加前の1.58倍になった。
比較例9
比較例5同様にして、アルミニウムスリーブの外周上に半導電性弾性層を形成した。前記弾性層は、21℃、相対湿度60%の条件下で、アスカーC硬度が40度であった。
ついで、中間転写ドラムを比較例5同様にして作製した。
作製した中間転写ドラムを23℃、相対湿度55%の環境下に24時間放置後、実施例16同様にして評価を行った。
その結果、R500は3.5×107Ω、R1000は2.0×107Ω、R500/R1000は1.75であった。また、ローラの抵抗のRLLおよびRHHは2.0×108Ω(RLL)および1.0×107Ω(RHH)であり、RLL/RHHは20であった。
さらに100時間電圧連続印加後のR1000は、4.5×107Ωに変化し、電圧連続印加前の2.25倍となった。
つぎに、実施の形態8における実施例および比較例に示された中間転写ドラムの転写特性(残留トナー量と転写ムラおよび画像の中抜け)を評価するため、図3に記載の中間転写タイプのレーザービームプリンターの中間転写ドラムとして取りつけた。平均粒径6μmのシアン(C)、マゼンダ(M)、イエロー(Y)、ブラック(K)の4色の球形トナーを用いて、各種環境下で画像出力し、評価した。
評価は、LL(15℃、10%Rh)、NN(23℃、55%Rh)、HH(32.5℃、85%Rh)の各種環境下で、線画、ハーフトーン画像、文字画像をC、M、Y、K各4色のトナーで出力し、画像のかすれ、色むらなどの画質の比較を行うことで行った。その結果、前記実施例24および25に従って作製した中間転写ドラムを用いた場合、線画、ハーフトーン画像のともに良好な画質が得られ、4色のトナー間の差も見られなかった。また、LL環境、NN環境、HH環境の各環境による画質の違いも極めて少なく、良好な画質が得られた。
しかし、比較例9の中間転写ドラムは、ハーフトーン画像に色むらが見られ、LL環境、NN環境、HH環境の各環境で色合いに違いが見られた。
実施の形態9
これらの実施例および比較例の半導電性ドラムは、長さ248mm、外径32mm、肉厚2mmのアルミニウムパイプ素管の両端近傍を旋盤加工し、この加工部分に回転軸を有するフランジを圧入し、さらに、前記フランジの回転軸を基準とし、アルミニウム素管の表面を旋盤加工と研磨加工により外径公差±0.01mm以下、外径の振れ精度を0.01mmに仕上げたものの表面にプライマー処理を施したものを支持部材(円筒状スリーブ)とした。
実施例26
実施例16同様にして、アルミニウムスリーブの外周上に半導電性弾性層を形成した。
つぎに半導電性弾性層の表面に、ポリエーテルウレタン(Y258、大日精化工業株式会社製)をメチルエチルケトン/ジメチルホルムアミド=1/1で固形分5%になるよう希釈した溶液を作製し、半導電性弾性層の表面にスプレーにより塗布乾燥(160℃、30分)し、半導電性弾性層の外周面上に10μmの表面層を形成し、半導電性ドラムを作製した。
作製した半導電性ドラムを23℃、相対湿度55%の環境下に24時間放置後、この環境下で以下の測定を行った。
最初に高分子計器株式会社製アスカーC型硬度計を用いて、軸方向3点×周方向4点、計12点の硬度を測定、平均し、アスカーC硬度を求めたところ、45.5度であった。
つぎに、この転写ローラのR100、R500およびR1000の測定を実施例16と同様の方法で行ったところ、R100は1.5×108Ω、R500は1.5×108Ω、R1000は1.4×108Ω、R100/R1000は1.07、R500/R1000は1.07であった。
また、RLLおよびRHHは2.0×108Ω(RLL)および7.0×107Ω(RHH)であり、RLL/RHHは2.9であった。
さらに100時間電圧連続印加後のR1000は2.2×108Ωであり、電圧連続印加前の1.57倍であった。
また、ドラム両端のアルミスリーブが露出した部分をVブロックに載せ、ドラムを回転させながらキーエンス社製レーザー外径測定器を用いて、軸方向5点で基準位置からドラム端部までの距離の最大値と最小値との差を測定することにより、ドラムの外径の振れを測定した。その結果、振れの最大は55μm、平均は40μmであった。
実施例27
(E)成分として非イオン界面活性剤(ユニオックスMM500、日本油脂株式会社製)5重量部を用いたこと以外は実施例26同様にしてアルミニウムスリーブの外周上に半導電性弾性層、さらにその表面に表面層を形成し、半導電性ドラムを作製した。
作製した半導電性ドラムを23℃、相対湿度55%の環境下に24時間放置後、この環境下で以下の測定を行った。
実施例26と同様の方法で測定したアスカーC硬度は、46度であった。
つぎに、この中間転写ドラムのR100、R500およびR1000の測定を実施例16と同様の方法で行ったところ、R100は1.0×108Ω、R500は1.0×108Ω、R1000は9.5×107Ω、R100/R1000は1.05、R500/R1000は1.05であった。また、ローラの抵抗のRLLおよびRHHは2.0×108Ω(RLL)および6.0×107Ω(RHH)であり、RLL/RHHは3.3であった。
さらに100時間電圧連続印加後のR1000は、1.5×108Ωとなり、電圧連続印加前の1.58倍になった。
さらに、実施例26同様にしてドラムの外径の振れを測定した結果、振れの最大値は60μm、平均は48μmであった。
実施例28
半導電性組成物に含有される導電性付与剤(LV−70、旭電化株式会社製)10重量部を用いたこと以外は、実施例26同様にしてアルミニウムスリーブの外周上に半導電性弾性層を形成した。
ついで、表面層に含まれる導電剤としてカーボンブラック(3030B、三菱化学株式会社製)を樹脂固形分に対し20重量部分散した溶液とした以外は、実施例26同様にして表面層を形成し、半導電性ドラムを作製した。
実施例26と同様の方法で測定したアスカーC硬度は、46度であった。
つぎに、この中間転写ドラムのR100、R500およびR1000の測定を実施例16と同様の方法で行ったところ、R100は1.6×108Ω、R500は1.5×107Ω、R1000は1.4×107Ω、R100/R1000は1.14、R500/R1000は1.07であった。
また、ローラの抵抗のRLLおよびRHHは2.5×107Ω(RLL)および1.0×107Ω(RHH)であり、RLL/RHHは2.5であった。
さらに、実施例26同様にしてドラムの外径の振れを測定した結果、振れの最大値は60μm、平均は48μmであった。
比較例10
導電性カーボンブラック10重量部、パラフィンオイル20重量部、酸化亜鉛5重量部、加硫剤2重量部、高級脂肪酸1.5重量部、ニトリルブタジエンゴム(NBR)40重量部、およびEPDM60重量部を、2本ロールにて冷却しながら30分間混合してコンパウンドを作成した。得られたコンパウンドを5mm厚のシート状に形成した。このシートを前記円筒状スリーブの外周上に巻きつけ、160℃で30分間加硫処理を行い、半導電性弾性層を形成した。加硫後の外径精度を測定したところ、0.1mm以上の振れがあったため、振れが100μm以下におさまるよう表面研磨加工を行った。
つぎに、実施例26と同様にしてその表面に表面層を形成し、半導電性ドラムを作製した。
実施例26と同様の方法で測定したアスカーC硬度は、70度であった。
つぎに、この中間転写ドラムのR100、R500およびR1000の測定を実施例16と同様の方法で行ったところ、R100は2.0×107Ω、R500は1.0×107Ω、R1000は1.8×106Ω、R100/R1000は11.1、R500/R1000は5.56であった。
また、ローラの抵抗のRLLおよびRHHは3.0×106Ω(RLL)および1.0×106Ω(RHH)であり、RLL/RHHは3.0であった。
さらに、実施例26同様にしてドラムの外径の振れを測定した結果、振れの最大値は75μm、平均は65μmであった。
つぎに、実施の形態9における実施例および比較例に示された中間転写ドラムの転写特性(残留トナー量と転写ムラおよび画像の中抜け)を、平均粒径6μm球形トナーを用いて、各種環境下で評価した。
感光体と中間転写ドラムを50g/cmの押圧で密着させ、転写電圧400Vでトナー画像を感光体から中間転写体に一次転写し、さらに中間転写ドラム上の転写画像を紙に二次転写し、転写特性を評価した。なお、二次転写において、中間転写ドラムと紙の後ろに配置した導電性バックアップロールとの転写電圧は1000V、ドラム周速は100mm/秒とした。また、導電性バックアップロールと中間転写ドラムの接触圧は、導電性バックアップロールの両端にスプリング機構を用い線圧を150g/cmとした。
この結果、前記実施例による半導電性ドラムを中間転写ドラムとして用いた場合は、密着不良、ヘタリが生じず、転写特性も良好であった。特に、実施例26〜28の中間転写ドラムは、低温低湿下および高温高湿下でも同一の条件で転写が可能であった。
しかし、比較例10の中間転写ドラムは、均一なニップが形成されず、ロール長手方向に転写ムラが生じた。また、高温高湿下では転写電圧を落とす必要があった。さらに、長時間感光体に当接した場合に感光体の汚染が観測された。
産業上の利用可能性
本発明により、容易に半導電性領域に抵抗をコントロール可能であり、得られる半導電性ローラにおける電気特性(ローラ抵抗)のサンプルバラツキおよび電圧依存性が極めて小さく、かつ、ブリードのリスクが低減された半導電性ローラの提供が可能となった。
本発明により、高温高湿環境での抵抗と低温低湿環境での抵抗の変動および抵抗の電圧変動、連続使用による抵抗変化、抵抗の位置ばらつきおよび回転時と静止時の抵抗の差が極めて小さく、転写用部材,現像用部材,帯電用部材,トナー供給用部材などの電子写真用部材として好適に用いられる半導電性部材の提供が可能となった。
特に、本発明に係る転写部材、中間転写部材、帯電部材または現像部材を用いた画像記録装置では、使用される環境による画像品質の変動が極めて少なく、高品質の画像が得られる。
【図面の簡単な説明】
図1は、本発明の半導電性ローラの模式図である。
図2は、画像記録装置の一実施形態である中間転写タイプの電子写真装置の構成図である。
図3は、画像記録装置の別の実施形態を示す構成図である。
図4は、画像記録装置のまた別の実施形態を示す構成図である。
図5は、現像ローラとその周辺構造を示す模式図である。
図6は、本発明の中間転写ドラムの模式図である。
図7は、抵抗の位置ばらつきの測定に用いた測定電極の模式図である。
Claims (21)
- (A)分子中に1個以上のヒドロシリル化反応可能なアルケニル基を有するオキシアルキレン系重合体、(B)分子中に2個以上のヒドロシリル基を有する化合物、(C)ヒドロシリル化触媒、および(D)イオン性導電性付与剤からなる半導電性組成物。
- (A)分子中に1個以上のヒドロシリル化反応可能なアルケニル基を有するオキシアルキレン系重合体、(B)分子中に2個以上のヒドロシリル基を有する化合物、(C)ヒドロシリル化触媒、および(E)非イオン性界面活性剤からなる半導電性組成物。
- 前記オキシアルキレン系重合体(A)が、ヒドロシリル化反応可能なアルケニル基を分子鎖末端に有する請求の範囲第1項または第2項記載の半導電性組成物。
- 前記ヒドロシリル基を有する化合物(B)が、ポリオルガノハイドロジェンシロキサンである請求の範囲第1項または第2項記載の半導電性組成物。
- 前記非イオン性界面活性剤(E)成分が、ポリオキシエチレン系化合物である請求の範囲第2項記載の半導電性組成物。
- 請求の範囲第1項または第2項記載の半導電性組成物を硬化させて得られる半導電性ゴム製品。
- 20℃、相対湿度60%の環境下において測定した体積抵抗率が107〜1011Ωcmである請求の範囲第6項記載の半導電性ゴム製品。
- 請求の範囲第1項または第2項記載の半導電性組成物を硬化させて得られる半導電性弾性層を、金属性支持部材のまわりに形成してなる半導電性部材。
- 23℃、相対湿度55%の環境下において、100Vの直流電圧を印加して測定した部材の抵抗が105Ω以上109Ω以下である請求の範囲第8項記載の半導電性部材。
- 金属支持部材、該支持部材外周面上に形成された半導電性弾性層、さらにその外周面上に形成された1層以上の表面層からなる半導電性部材であって、下記(1)〜(3)の特性を有する半導電性部材。
(1)23℃、相対湿度55%の環境下において、1000Vの直流電圧を印加して測定した部材の抵抗が105Ω以上109Ω以下
(2)23℃、相対湿度55%の環境下において、500Vおよび1000Vの直流電圧を印加して測定を行った部材の抵抗をそれぞれR500およびR1000したときのR500/R1000の値が0.8以上1.2以下
(3)15℃、相対湿度10%の環境下で1000Vの直流電圧を印加して測定した部材の抵抗RLLと、32.5℃、相対湿度85%の環境下で1000Vの直流電圧を印加して測定した部材の抵抗RHHの比RLL/RHHが10以下 - さらに、23℃、相対湿度55%の環境下において、前記半導電性部材を回転させながら、1000Vの直流電圧を連続100時間印加したときの部材の抵抗が初期の部材の抵抗の0.5倍以上2倍以下である請求の範囲第10項記載の半導電性部材。
- さらに、23℃、相対湿度55%の環境下において、1000Vの直流電圧を印加して測定した部材の抵抗の位置ばらつきが20%以下である請求の範囲第10項記載の半導電性部材。
- さらに、23℃、相対湿度55%の環境下において、1000Vの直流電圧を印加して、回転時および静止時に測定した部材の抵抗をそれぞれRrotateおよびRstaticとしたとき、Rrotate/Rstaticの値が0.7以上1.5以下である請求の範囲第10項記載の半導電性部材。
- さらに、アスカーC硬度が60度以下である請求の範囲第10項記載の半導電性部材。
- さらに、23℃、相対湿度55%の環境下において、100Vおよび1000Vの直流電圧を印加して測定を行った部材の抵抗をそれぞれR100およびR1000としたときのR100/R1000の値が0.1以上10以下である請求の範囲第10項記載の半導電性部材。
- さらに、外径振れが100μm以下である請求の範囲第10項記載の半導電性部材。
- 前記半導電性弾性層が(A)分子中に1個以上のヒドロシリル化反応可能なアルケニル基を有するオキシアルキレン系重合体、(B)分子中に2個以上のヒドロシリル基を有する化合物、(C)ヒドロシリル化触媒、および(E)非イオン界面活性剤を含む導電性硬化性組成物の硬化物からなる請求の範囲10項記載の半導電性部材。
- 金属支持部材、該支持部材外周面上に形成された半導電性弾性層、さらにその外周面上に形成された1層以上の表面層からなる帯電ローラであって、下記(1)〜(3)の特性を有する帯電ローラ。
(1)23℃、相対湿度55%の環境下において、1000Vの直流電圧を印加して測定したローラ抵抗が105Ω以上109Ω以下
(2)23℃、相対湿度55%の環境下において、500Vおよび1000Vの直流電圧を印加して測定を行ったローラ抵抗をそれぞれR500およびR1000としたときのR500/R1000の値が0.8以上1.2以下
(3)15℃、相対湿度10%の環境下で1000Vの直流電圧を印加して測定したローラ抵抗RLLと、32.5℃、相対湿度85%の環境下で1000Vの直流電圧を印加して測定したローラ抵抗RHHの比RLL/RHHが10以下 - 金属支持部材、該支持部材外周面上に形成された半導電性弾性層、さらにその外周面上に形成された1層以上の表面層からなる現像ローラであって、下記(1)〜(3)の特性を有する現像ローラ。
(1)23℃、相対湿度55%の環境下において、1000Vの直流電圧を印加して測定したローラ抵抗が105Ω以上109Ω以下
(2)23℃、相対湿度55%の環境下において、500Vおよび1000Vの直流電圧を印加して測定を行ったローラ抵抗をそれぞれR500およびR1000としたときのR500/R1000の値が0.8以上1.2以下
(3)15℃、相対湿度10%の環境下で1000Vの直流電圧を印加して測定したローラ抵抗RLLと、32.5℃、相対湿度85%の環境下で1000Vの直流電圧を印加して測定したローラ抵抗RHHの比RLL/RHHが10以下 - 金属支持部材、該支持部材外周面上に形成された半導電性弾性層、さらにその外周面上に形成された1層以上の表面層からなる中間転写ローラであって、下記(1)〜(3)の特性を有する中間転写ローラ。
(1)23℃、相対湿度55%の環境下において、1000Vの直流電圧を印加して測定したローラ抵抗が105Ω以上109Ω以下
(2)23℃、相対湿度55%の環境下において、500Vおよび1000Vの直流電圧を印加して測定を行ったローラ抵抗をそれぞれR500およびR1000としたときのR500/R1000の値が0.8以上1.2以下
(3)15℃、相対湿度10%の環境下で1000Vの直流電圧を印加して測定したローラ抵抗RLLと、32.5℃、相対湿度85%の環境下で1000Vの直流電圧を印加して測定したローラ抵抗RHHの比RLL/RHHが10以下 - 金属支持部材、該支持部材外周面上に形成された半導電性弾性層、さらにその外周面上に形成された1層以上の表面層からなる転写ローラであって、下記(1)〜(3)の特性を有する転写ローラ。
(1)23℃、相対湿度55%の環境下において、1000Vの直流電圧を印加して測定したローラ抵抗が105Ω以上109Ω以下
(2)23℃、相対湿度55%の環境下において、500Vおよび1000Vの直流電圧を印加して測定を行ったローラ抵抗をそれぞれR500およびR1000としたときのR500/R1000の値が0.8以上1.2以下
(3)15℃、相対湿度10%の環境下で1000Vの直流電圧を印加して測定したローラ抵抗RLLと、32.5℃、相対湿度85%の環境下で1000Vの直流電圧を印加して測定したローラ抵抗RHHの比RLL/RHHが10以下
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