JP5693278B2 - 現像剤担持体及び現像装置 - Google Patents

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Description

本発明は電子写真装置に用いられる現像剤担持体及び現像装置に関する。
近年、電子写真法を用いた現像装置には高耐久化への要求が高まってきている。この要求に対して、現像剤担持体表面に粗面層を設け更にゾルゲル層を形成することで保護層として耐摩耗性を向上させた試みがある(特許文献1)。耐摩耗性と高画質の両立を目的とし、現像剤担持体の樹脂層上に加水分解性シラン化合物からなる表層を作製した試みもある(特許文献2)。また、ポリアミドイミド樹脂と加水分解性アルコキシシラン含有ポリウレタンのハイブリッド樹脂からなる表層を現像剤担持体に形成することで、離型性や耐摩耗性を向上させた試みもある(特許文献3)。
特開2001−100510号公報 特開2007−264614号公報 特開2004−252074号公報
本発明者らの検討によれば、特許文献1乃至3にかかる現像剤担持体は優れた耐久性を示すものの、未だ改善の余地があった。従って本発明の目的は、長期間に亘って高画質を維持することができる現像剤担持体および現像装置を提供することにある。
本発明は、基体と樹脂層とを有する現像剤担持体であって、該樹脂層は、導電性粒子と、下記一般式(1)で示される構成単位を有するSi含有高分子とフェノール樹脂とが化学結合した複合高分子と、を含むことを特徴とする現像剤担持体である。
Figure 0005693278
[一般式(1)中、R及びRは各々独立に以下の一般式(3)〜(6)の何れかを示す。]
Figure 0005693278
Figure 0005693278
Figure 0005693278
Figure 0005693278
[一般式(3)〜(6)中、R〜R、R10〜R14、R19、R20、R25及びR26は、各々独立に水素、炭素数1〜4のアルキル基、水酸基、カルボキシル基、またはアミノ基を示す。R、R、R15〜R18、R23、R24及びR29〜R32は、各々独立に水素又は炭素数1〜4のアルキル基を示す。R21、R22、R27及びR28は、各々独立に水素、酸素、炭素数1〜4のアルコキシル基または炭素数1〜4のアルキル基を示す。n、m、l、q、s及びtは、各々独立に1以上8以下の整数を示し、p及びrは、各々独立に4以上12以下の整数を示し、x及びyは、各々独立に0または1を示す。*及び**は、各々一般式(1)中のケイ素原子及び酸素原子との結合位置を示す。]
また本発明は、少なくとも負帯電性の現像剤と、前記現像剤を収容するための容器と、前記容器に貯蔵された現像剤を担持搬送するための現像剤担持体を有し、現像剤規制部材により前記現像剤担持体上に現像剤層を形成しながら現像剤担持体上の現像剤を静電潜像担持体と対向する現像領域へと搬送し、前記静電潜像担持体の静電潜像を現像剤により現像し、現像剤像を形成する現像装置において、前記現像剤担持体が前記本発明の現像剤担持体であることを特徴とする現像装置である。
本発明によれば、耐摩耗性と潤滑性に優れた樹脂層を有する現像剤担持体が提供される。また本発明によれば、長期間に亘って高画質を維持することができる現像装置が提供される。
本発明に係る現像剤担持体の模式的部分断面図である。 本発明に係る磁性一成分現像剤を使用する現像装置の一例の模式図である。 本発明に係る磁性一成分現像剤を使用する現像装置の他の一例の模式図である。 本発明に係る非磁性一成分現像剤を使用する現像装置の一例の模式図である。
<現像剤担持体>
本発明に係る現像剤担持体は、少なくとも基体と樹脂層とを有する現像剤担持体において、前記樹脂層は、少なくとも導電性粒子と、下記一般式(1)で示される構成単位を有するSi含有高分子とフェノール樹脂とが化学結合した複合高分子と、を含むことを特徴とする。
Figure 0005693278
[一般式(1)中、R及びRは各々独立に以下の一般式(3)〜(6)の何れかを示す。]
Figure 0005693278
Figure 0005693278
Figure 0005693278
Figure 0005693278
[一般式(3)〜(6)中、R〜R、R10〜R14、R19、R20、R25及びR26は、各々独立に水素、炭素数1〜4のアルキル基、水酸基、カルボキシル基、またはアミノ基を示す。R、R、R15〜R18、R23、R24及びR29〜R32は、各々独立に水素又は炭素数1〜4のアルキル基を示す。R21、R22、R27及びR28は、各々独立に水素、酸素、炭素数1〜4のアルコキシル基または炭素数1〜4のアルキル基を示す。n、m、l、q、s及びtは、各々独立に1以上8以下の整数を示し、p及びrは、各々独立に4以上12以下の整数を示し、x及びyは、各々独立に0または1を示す。*及び**は、各々一般式(1)中のケイ素原子及び酸素原子との結合位置を示す。]
<樹脂層>
樹脂層は、少なくとも導電性粒子と、下記一般式(1)で示される構成単位を有するSi含有高分子とフェノール樹脂とが化学結合した複合高分子と、を含んでいる。
本発明の現像剤担持体は、樹脂層が上記構造を有することにより、樹脂層の耐摩耗性を向上させることができる。この理由は、前記Si含有高分子中のシロキサン結合の存在により、樹脂層全体の耐摩耗性が向上するものと考えられる。また、一般式(1)に示される構成単位が前記フェノール樹脂と化学結合を有するため、一般式(1)に示される構成単位と前記フェノール樹脂部分の結合が強固となり界面から剥がれ難く樹脂層自体の耐久性が向上する。さらに前記Si含有高分子が一般式(1)で示される構成単位を有することにより、シロキサン部分の割合が低くなり過ぎずより多くのケイ素原子が樹脂層の表面に露出することになり、樹脂層表面の形状を滑らかに形成し易い。
樹脂層中の樹脂の構成比率の目安としては、フェノール樹脂100質量部に対してSi含有高分子0.01質量部以上3.00質量部以下とすることが好ましい。樹脂層を構成する樹脂(以下「結着樹脂」という場合がある)としては、前記複合高分子の他に、フェノール樹脂(Si含有高分子と化学結合していないもの)、Si含有高分子(フェノール樹脂と化学結合していないもの)、Ti含有高分子等が挙げられる。樹脂層の代表的な構造として、樹脂層全体が複合高分子である構造、表層部が複合高分子であり内層部がフェノール樹脂である構造等が挙げられる。
樹脂層を構成する結着樹脂としては、シラン化合物とフェノール樹脂を混合した樹脂混合物が樹脂層の形成過程で一般式(1)に示される構成単位を有する複合高分子を形成するものであることが好ましい。シラン化合物としては反応性の高さの観点から加水分解性シラン化合物が好ましい。
フェノール樹脂と加水分解性シラン化合物を混合して樹脂層を形成する手法を用いることにより、フェノール樹脂と加水分解性シラン化合物の反応時の極性の差によりシラン化合物が樹脂層表面に多く存在し易くなる。その結果、高耐久性、潤滑性、電気抵抗均一性を併せ持つ現像剤担持体が得られる。加水分解性シラン化合物としては、カチオン重合可能な基を有し、下記一般式(B)で表される化合物と、一般式(C)で表される化合物を共に使用することが硬化反応を促進するために好ましい。
Figure 0005693278
また樹脂層を構成する結着樹脂としては、少なくともレゾール型フェノール樹脂と加水分解性シラン化合物と加水分解性チタン化合物を反応させて得られるものであることが好ましい。加水分解性チタン化合物を併用することによって、Si含有高分子がSi−O−Ti結合を有し樹脂層中におけるSi含有高分子の密度が高まり、樹脂層の潤滑性と電気抵抗均一性が向上するからである。
<フェノール樹脂(A)>
本発明に使用できるフェノール樹脂(A)としては、ノボラック型フェノール樹脂、レゾール型フェノール樹脂が挙げられる。ノボラック型フェノール樹脂は硬化するための硬化剤が必要であり、さらに硬化反応の際に副生成物を生成し、反応が不安定であり更に架橋密度が低くなる。よって、熱硬化性であるレゾール型フェノール樹脂を使用することが好ましい。一般的にフェノール樹脂(A)は耐摩耗性が優れているばかりでなく、基体との密着性にも優れており、環境安定性にも優れ、さらに現像剤に対して適度な摩擦帯電を付与することもできる。
フェノール樹脂(A)の分子量としては、シラン化合物との反応前の重量平均分子量Mwで500以上3000以下が好ましい。重量平均分子量Mwが500以上であると、反応硬化後の導電性樹脂層の機械的強度が高く、耐摩耗性が優れた樹脂層が得られる。また、重量平均分子量Mwが3000以下であると、導電性粒子或いはその他の成分を、樹脂層を形成する塗料中に分散させたとき塗料粘度が大きくなり過ぎず、基体上に均一な樹脂層を形成することが出来る。
次にフェノール樹脂(A)の構造の一例を下記の一般式(7)に挙げる。フェノール樹脂(A)は硬化することにより、樹脂層の一部を形成する。但し、ベンゼン環のオルト位、パラ位にメチレン基が置換されているが、この箇所が−CO−や−C−基や−C−基になっていても良く、−CHOHや−CH基や置換基のない−Hであることで構造末端となっていても良い。一般的にレゾール型フェノール樹脂の硬化反応は、異なる分子や同じ分子間の−CHOH基と−H基が熱により脱水縮合してメチレン基となることにより、高分子化し硬化が進むと考えられている。
Figure 0005693278
<加水分解性シラン化合物(B)>
樹脂層を構成するSi含有高分子の原料としては、下記一般式(B)で表される加水分解性シラン化合物を使用することがフェノール樹脂との反応制御の容易性から好ましい。
Figure 0005693278
上記一般式(B)においてR33はカチオン重合可能な基を示し、開裂によってオキシアルキレン基を生成するカチオン重合可能な有機基であって、具体的にはエポキシ基やオキセタン基の如き環状エーテル基、および、ビニルエーテル基が挙げられる。これらの中でも、フェノール樹脂との反応制御の容易性の観点から、エポキシ基が好ましい。
一般式(B)中においてR34は、飽和もしくは不飽和の1価の炭化水素基を示し、例えば、アルキル基、アルケニル基およびアリール基などが挙げられる。これらの中でも、フェノール樹脂との反応制御の容易性から炭素数1〜4の直鎖状もしくは分岐鎖状のアルキル基が好ましく、更にはメチル基、エチル基、n−プロピル基、イソプロピル基、n−ブチル基、tert−ブチル基がより好ましい。
一般式(B)においてZは、2価の有機基を示し、アルキレン基およびアリーレン基が挙げられる。これらの中でも、フェノール樹脂との反応制御の容易性から炭素数1〜6のアルキレン基が好ましく、さらにはエチレン基がより好ましい。
以下に、一般式(B)で示される構造を有する加水分解性シラン化合物の具体例を示す。(B−1):グリシドキシプロピルトリメトキシシラン、(B−2):グリシドキシプロピルトリエトキシシラン、(B−3):エポキシシクロヘキシルエチルトリメトキシシラン、(B−4):エポキシシクロヘキシルエチルトリエトキシシラン。
<加水分解性シラン化合物(C)>
樹脂層を構成するSi含有高分子の原料としては、フェノール樹脂との反応制御の容易性から下記一般式(C)で表される加水分解性シラン化合物を使用することが好ましい。
Figure 0005693278
一般式(C)において、R35は、フェニル基置換のアルキル基もしくは無置換のアルキル基、または、アルキル基置換のアリール基もしくは無置換のアリール基を示す。フェニル基置換のアルキル基もしくは無置換のアルキル基のアルキル基としては、フェノール樹脂との反応制御の容易性から炭素数1〜21の直鎖状のアルキル基が好ましく、更には炭素数6〜10のものが好ましい。アルキル基置換のアリール基もしくは無置換のアリール基のアリール基としては、フェノール樹脂との反応制御の容易性からからフェニル基が好ましい。
一般式(C)中においてR36は、飽和もしくは不飽和の1価の炭化水素基であって、例えば、アルキル基、アルケニル基およびアリール基が挙げられる。これらの中でも、フェノール樹脂との反応制御の容易性から炭素数1〜4の直鎖状もしくは分岐鎖状のアルキル基が好ましく、中でもメチル基、エチル基、n−プロピル基、イソプロピル基、n−ブチル基、tert−ブチル基がより好ましい。
以下に、一般式(C)で示される構造を有する加水分解性シラン化合物の具体例を示す。(C−1):メチルトリメトキシシラン、(C−2):メチルトリエトキシシラン、(C−3):メチルトリプロポキシシラン、(C−4):エチルトリメトキシシラン、(C−5):エチルトリエトキシシラン、(C−6):エチルトリプロポキシシラン、(C−7):プロピルトリメトキシシラン、(C−8):プロピルトリエトキシシラン、(C−9):プロピルトリプロポキシシラン、(C−10):ヘキシルトリメトキシシラン、(C−11):ヘキシルトリエトキシシラン、(C−12):ヘキシルトリプロポキシシラン、(C−13):デシルトリメトキシシラン、(C−14):デシルトリエトキシシラン、(C−15):デシルトリプロポキシシラン、(C−16):フェニルトリメトキシシラン、(C−17):フェニルトリエトキシシラン、(C−18):フェニルトリプロポキシシラン。
一般式(C)で示される構造を有する加水分解性シラン化合物を併用する場合、R35が炭素数6乃至10の直鎖状のアルキル基を有する加水分解性シラン化合物と、R35がフェニル基を有する加水分解性シラン化合物を組み合わせることが更に好ましい。その理由は、加水分解・縮合と反応によりモノマー構造が変化しても溶媒への相溶性が良好となるためである。
<(D)加水分解性チタン化合物>
樹脂層を構成するSi含有高分子がSi−O−Ti結合を有し一般式(2)で示される構成単位を有する場合は、樹脂層中におけるSi含有高分子の密度が高まり、樹脂層の潤滑性と電気抵抗均一性が向上するので好ましい。その結果、前記現像剤担持体を用いた現像装置によってカブリ、飛び散りが良好であるプリント画像が得られる。
Figure 0005693278
Si含有高分子中へのTi原子の導入方法としては、シラン化合物およびフェノール樹脂と共に、下記一般式(D)で表される加水分解性チタン化合物を反応させ樹脂層を形成することが反応の容易さから好ましい。
Figure 0005693278
ここで、x+y=4であって、xは0,1,2または3であり、yは1,2,3または4である。
一般式(D)においてR37は、フェニル基置換のアルキル基もしくは無置換のアルキル基、または、アルキル基置換のアリール基もしくは無置換のアリール基を示す。フェニル基置換のアルキル基もしくは無置換のアルキル基のアルキル基としては、炭素数1〜21の直鎖状のアルキル基が好ましく、更には炭素数6〜10のものがフェノール樹脂との反応制御の容易性から好ましい。アルキル基置換のアリール基もしくは無置換のアリール基のアリール基としては、フェノール樹脂との反応制御の容易性からフェニル基が好ましい。
一般式(D)においてR38は、飽和もしくは不飽和の1価の炭化水素基を示し、例えば、アルキル基、アルケニル基およびアリール基などが挙げられる。これらの中でも、炭素数1〜4の直鎖状もしくは分岐鎖状のアルキル基がフェノール樹脂との反応制御の容易性から好ましく、さらにはメチル基、エチル基、n−プロピル基、イソプロピル基、n−ブチル基、tert−ブチル基がより好ましい。
以下に、一般式(D)で示される構造を有する加水分解性チタン化合物の具体例を示す。(D−1):テトラメチルチタネート、(D−2):テトラエチルチタネート、(D−3):テトラプロピルチタネート、(D−4):テトライソプロピルチタネート、(D−5):テトラブチルチタネート、(D−6):テトラtert−ブチルチタネート、(D−7):メチルチタニウムトリイソプロポキシド、(D−8):フェニルチタニウムトリイソプロポキシド。
<樹脂層の製造>
<配合比>
Si含有高分子の原料となる一般式(B)、一般式(C)及び一般式(D)で表される化合物(以下これらを「モノマー成分」という場合がある。)中における各モノマー成分の配合比率としては、一般式(B)の化合物と一般式(C)の化合物とのモル比は0.10≦(B)/{(B)+(C)}≦0.85であることが好ましい。更に好ましくは、0.35≦(B)/{(B)+(C)}≦0.70である。この範囲内であれば、使用溶剤との溶解を容易にすることができる。
またモノマー成分として更に一般式(D)の化合物が使用される場合は、モル比を、(D)/{(B)+(C)}≦5.0に調整することが好ましい。更に好ましくは0.03≦(D)/{(B)+(C)}≦5.0である。(D)/{(B)+(C)}≦5.0とすることで、一般式(D)のモノマー成分の縮合反応の進行が適度に保て、微粒子の如き沈殿を生じ難くなり、材料添加の効果を得易い。また、一般式(D)で表される材料を添加することにより、樹脂層表面がより平滑になり易く、樹脂層の表面の電気抵抗値を均一に保ち易い。その結果、一般式(D)で示した材料を使用して形成した樹脂層を有する現像剤担持体を具備した現像装置とすることで、カブリ、飛び散りが良好な画像を得られる。
Si含有高分子の原料となるシラン化合物及びチタン化合物のフェノール樹脂に対する添加量は、フェノール樹脂100質量部に対して0.01質量部以上3.00質量部以下であることが好ましい。0.01質量部以上添加することで樹脂層にシラン化合物添加の効果が得られ、また、3.00質量部以下であれば樹脂に対して溶解性が悪化せずに使用することができる。
また、モノマー成分の加水分解する全モル数n(モル)に対して、水の添加量は0.1n(モル)以上6.0n(モル)以下が好ましい。更に1.2n(モル)以上3.0n(モル)以下が好ましい。上記範囲では、縮合反応が十分となるため未反応のモノマーが残存し難く、経時で特性が変化し難い、安定な塗料を作製できる。
<硬化反応>
さらに、上記モノマー成分を硬化するには、活性エネルギー線を照射することが好ましい。活性化エネルギー線照射により、一般式(B)に含まれるカチオン重合可能な基は開裂し、モノマー成分を架橋させることで硬化反応が促進され、樹脂層の耐久性が向上する。活性エネルギー線としては、紫外線が好ましい。架橋反応に紫外線を用いた場合、短時間(15分以内)に加水分解性縮合物を架橋することができる上、熱の発生も少ないため、表面層のシワやクラックが発生しにくい。また、熱履歴による結着樹脂やその他材料の劣化を抑制することができる。
紫外線の照射には、高圧水銀ランプ、メタルハライドランプ、低圧水銀ランプ、又はエキシマUVランプを用いることができ、これらのうち、紫外線の波長が150nm以上480nm以下の光を豊富に含む紫外線源が用いられる。なお、紫外線の積算光量は、以下のように定義される。
紫外線積算光量[mJ/cm]=紫外線強度[mW/cm]×照射時間[s]
紫外線の積算光量の調節は、照射時間、ランプ出力、ランプと被照射体との距離を調節することで行うことが可能である。また、照射時間内で積算光量に勾配をつけてもよい。
低圧水銀ランプを用いる場合、紫外線の積算光量は、ウシオ電機(株)製の紫外線積算光量計UIT−150−AやUVD−S254を用いて測定することができる。エキシマUVランプを用いる場合、紫外線の積算光量は、ウシオ電機(株)製の紫外線積算光量計UIT−150−AやVUV−S172を用いて測定することができる。
各種カチオン重合触媒としては、例えば、ビス(4−tert−ブチルフェニル)ヨードニウム塩や、下記一般式(8)で示される構造を有する化合物(商品名:アデカオプトマ−SP150、旭電化工業(株)製)や、下記一般式(9)式で示される構造を有する化合物(商品名:イルガキュア261、チバスペシャルティーケミカルズ社製)が好ましい。
Figure 0005693278
Figure 0005693278
また、カチオン重合触媒の添加量は、モノマー成分100質量部に対して、1.0質量部以上5.0質量部以下添加することが好ましい。1.0質量部以上であれば、活性化エネルギー線による硬化が十分であり、5.0質量部以下であれば、カチオン重合触媒の塗料への溶解性が十分に得られる。
前記モノマー成分を硬化させる際、紫外線を照射させて硬化反応を開始させることが好ましい。前記シラン化合物を硬化させる際、一般式(B)で表されるシラン化合物に紫外線を照射させることで、カチオン重合可能な基が開裂して酸触媒となり、表層の硬化反応が起きる。この手法をとることで、モノマー成分の硬化時に熱をかける必要がない。
<溶媒>
前記モノマー成分を使用して樹脂層を形成する時、溶媒として、第1級アルコールと第2級アルコールあるいは/または第1級アルコールと第3級アルコールの混合系を用いることが好ましい。第1級アルコールのみでは、モノマー成分の縮合前のモノマー構造との相溶性が悪い場合が多い。例えば、メタノールのSP値は、14.5であるのに対し、モノマー成分のSP値は8.5〜9.0と非常に離れている為に、モノマー成分とアルコールとの混合物は不均一状態となり易い。逆に第2級アルコールまたは第3級アルコールのみを選択すると縮合前のモノマー成分のSP値に近い為、モノマー成分を(D)/{(B)+(C)}≦0.3に調製する段階では溶解性が良い。しかしながら、縮合後の構造から推算したSP値から判断すると、両者のSP値が離れる為、不均一状態となり易い。この為、縮合前/後のモノマーの化学構造、縮合物と溶媒との相溶性を考慮すると、溶媒として、第1級アルコールと第2級アルコールあるいは/または第1級アルコールと第3級アルコールの混合系を用いることが好ましい。特にメタノール/2−ブタノール、エタノール/2−ブタノールの組み合わせが好ましい。
ここでフェノール樹脂と加水分解性シラン化合物を混合して樹脂層を形成する際の反応について、一例を挙げて説明する。レゾール型フェノール樹脂とメチルトリメトキシシランを混合し、水、アルコールの存在下で熱をかけることで、メチルトリメトキシシランの加水分解と重縮合と共に、フェノール樹脂の−OH基とメチルトリメトキシシランの−OCH基が反応して化学結合する。その結果、Si−O−Phの結合が確認できる。樹脂層がSi−O−Ph結合を有することで、フェノール樹脂とシラン化合物間の化学結合が形成されるため、樹脂層自体の耐摩耗性が大きく向上する。その結果、この樹脂層を有する現像剤担持体は、長期間の使用中に樹脂層の表面形状の変化が起こり難いため、長期間の使用に亘って高画質を維持することが可能となる。
このようなSi−O−Ph結合が生成する反応は、加水分解性シラン化合物の加水分解と重縮合に比べてより低温で起こり易いため、硬化温度を140℃以上170℃以下に制御してフェノール樹脂と加水分解性シラン化合物を反応させることが好ましい。140℃以上で硬化することで、フェノール樹脂自体も長時間かけずに硬化させることができ、170℃以下で硬化することで、温度が高過ぎて急速に反応が進むことを抑制できるため、成膜性が良化する。
熱硬化後に、活性化エネルギー線照射により樹脂層表面の加水分解性シラン化合物が硬化し、樹脂層表面にSi含有高分子とフェノール樹脂とが化学結合した複合高分子を得ることが好ましい。熱硬化後に活性化エネルギー線で硬化させることにより、加水分解性シラン化合物が樹脂層表面により浮き出し易くなり最表面でシロキサン結合が多く形成されるため、樹脂層の耐摩耗性、潤滑性が向上する。このようにして得られる樹脂層の構造の一例として、下記一般式(10)に示す構造が挙げられる。
Figure 0005693278
<導電性粒子>
樹脂層中の導電性粒子は、樹脂層の電気抵抗値を調整するために含有されている。導電性粒子としては、例えば以下のものが挙げられる。アルミニウム、銅、ニッケル、銀の如き金属の微粉末;酸化アンチモン、酸化インジウム、酸化スズ、酸化チタン、酸化亜鉛、酸化モリブデン、チタン酸カリウムの如き導電性金属酸化物;結晶性グラファイト;各種カーボンファイバー;ファーネスブラック、ランプブラック、サーマルブラック、アセチレンブラック、チャネルブラックの如き導電性カーボンブラック;更には金属繊維。
これらのうち、分散性及び電気伝導性に優れることから、特にカーボンブラック、グラファイトが好ましい。これらのうち、導電性のアモルファスカーボンは、特に電気伝導性に優れ、高分子材料に充填して導電性を付与し、その添加量をコントロールするだけで、ある程度任意の導電度を得ることができるため好適である。また塗料にした場合のチキソ性効果により分散安定性・塗工安定性も良好となる。前記導電性粒子は2種以上混合して使用してもよい。また、導電性粒子の含有量の目安としては、結着樹脂100質量部に対して20質量部以上100重量部以下が好ましい。
本発明に係る樹脂層の体積抵抗値としては、10−2Ω・cm以上10Ω・cm以下であることが好ましい。
<凹凸付与粒子>
また、本発明においては、樹脂層中に表面粗さを均一にし、且つ適切な表面粗さを維持する目的で、凹凸付与粒子を添加することにより更に好ましい結果が得られる。凹凸付与粒子としては、球状のものが好ましい。球状粒子であることにより、不定形粒子に比べ、より少ない添加量で所望の表面粗さが得られるとともに、表面形状の均一な凹凸面が得られる。
<基体>
本発明の現像剤担持体は、基体の表面上に樹脂層が形成された構成を有する。現像剤担持体の基体としては、円筒状部材が好ましい。感光体ドラムに非接触の現像方法においては、金属の如き剛体の円筒管若しくは中実棒が好ましく用いられる。
本発明の現像剤担持体を得る方法としては、樹脂層を形成するための材料を溶媒中に分散混合して塗料化し、現像剤担持体の基体上に塗布することが好ましい。各成分の分散混合には、ボールミル、サンドミル、アトライター、ビーズミル、の如き公知のメディア分散装置や、衝突型微粒化法や薄膜旋回法を利用した公知のメディアレス分散装置が好適に利用可能である。また得られた塗料の塗工方法としては、ディッピング法、スプレー法、ロールコート法、静電塗布法の如き公知の方法が挙げられる。
<現像装置>
本発明に係る現像装置は、少なくとも負帯電性の現像剤と、前記現像剤を収容するための容器と、前記容器に貯蔵された現像剤を担持搬送するための現像剤担持体を有し、現像剤規制部材により前記現像剤担持体上に現像剤層を形成しながら現像剤担持体上の現像剤を静電潜像担持体と対向する現像領域へと搬送し、前記静電潜像担持体の静電潜像を現像剤により現像し、現像剤像を形成する現像装置であり、前記現像剤担持体として前記本発明に係る現像剤担持体を用いている。
次に、本発明の現像装置について実施形態の例を挙げて説明する。図2は、磁性一成分現像剤を使用する本発明に係る現像装置の断面図である。この現像装置は、現像剤を収容するための容器(現像容器503)と、前記容器に貯蔵された現像剤(不図示)を担持搬送するための現像剤担持体510を有する。この現像装置は、まず、現像剤層厚規制部材502により前記現像剤担持体510上に現像剤層を形成する。そして、現像剤担持体510が矢印A方向に回転することにより、現像剤担持体510上の現像剤を静電潜像担持体(感光体ドラム)501と対向する現像領域Dへと搬送する。そして、静電潜像担持体501の静電潜像を現像剤により現像し、現像剤像を形成する。本発明に係る現像装置は、本発明に係る前記現像剤担持体を具備することを特徴とする。
静電潜像担持体501は、公知のプロセスにより形成することができる。静電潜像を担持する感光体ドラム501は、矢印B方向に回転する。現像剤担持体510は、現像容器503に収容された磁性トナー粒子を有する磁性一成分現像剤を担持して、矢印A方向に回転することによって、現像剤担持体510と感光体ドラム501とが対向している現像領域Dに現像剤を搬送する。現像剤担持体510においては、磁性一成分現像剤を現像剤担持体510上に磁気的に吸引しかつ保持するため、現像スリーブ508内に磁石(マグネットローラ)509が配置されている。
現像容器503内へ、現像剤補給容器(不図示)から現像剤供給部材512を経由して磁性一成分現像剤が送り込まれてくる。現像容器503は、第一室514と第二室515に分割されており、第一室514に送り込まれた磁性一成分現像剤は攪拌搬送部材505により現像容器503及び仕切り部材504により形成される隙間を通過して第二室515に送られる。磁性一成分現像剤はマグネットローラ509の磁力の作用により現像剤担持体510上に担持される。第二室515中には現像剤の滞留抑制のための攪拌部材511が設けられている。
磁性一成分現像剤は、磁性トナー粒子相互間及び現像剤担持体上の導電性樹脂層との摩擦により、感光体ドラム501上の静電潜像を現像することが可能な摩擦帯電電荷を得る。現像領域Dに搬送される現像剤の層厚を規制するために、現像剤層厚規制部材としての強磁性金属製の磁性ブレード(ドクターブレード)502が装着されている。磁性ブレード502は、通常、現像剤担持体510の表面から50μm以上500μm以下の間隙を有して現像剤担持体510に対向するように現像容器503に装着される。マグネットローラ509の磁極N1からの磁力線が磁性ブレード502に集中することにより、現像剤担持体510上に磁性一成分現像剤の薄層が形成される。なお、本発明においては、この磁性ブレード502に代えて非磁性の現像剤層厚規制部材を使用することもできる。現像剤担持体510上に形成される磁性一成分現像剤の厚みは、現像領域Dにおける現像剤担持体510と感光体ドラム501との間の最小間隙よりも薄いものであることが好ましい。本発明の現像剤担持体は、以上の様な磁性一成分現像剤により静電潜像を現像する方式の現像装置、すなわち非接触型現像装置に組み込むことが有効である。
また、現像剤担持体510に担持された磁性トナー粒子を有する磁性一成分現像剤を飛翔させるため、現像剤担持体510にはバイアス手段としての現像バイアス電源513により現像バイアス電圧が印加される。この現像バイアス電圧として直流電圧を使用するときは、静電潜像の画像部(現像剤が付着して可視化される領域)の電位と背景部の電位との間の値の電圧を現像剤担持体510に印加するのが好ましい。
現像された画像の濃度を高め、かつ階調性を向上させるためには、現像剤担持体510に交番バイアス電圧を印加し、現像領域Dに向きが交互に反転する振動電界を形成してもよい。この場合には、上記した現像画像部の電位と背景部の電位との中間の値を有する直流電圧成分を重畳した交番バイアス電圧を現像剤担持体510に印加するのが好ましい。
この時、高電位部と低電位部を有する静電潜像の高電位部に現像剤を付着させて可視化する、いわゆる正規現像の場合には、静電潜像の極性と逆極性に摩擦帯電する磁性一成分現像剤を使用する。高電位部と低電位部を有する静電潜像の低電位部に現像剤を付着させて可視化する、いわゆる反転現像の場合には、静電潜像の極性と同極性に摩擦帯電する磁性一成分現像剤を使用する。この場合、高電位、低電位とは、絶対値による表現である。
図2においては、現像剤担持体510上の磁性一成分現像剤の層厚を規制する現像剤層厚規制部材として、現像剤担持体510から離間されて配置された磁性ブレード502を用いた例を示したが、図3は、現像剤層厚規制部材として現像剤担持体510に接触配置された弾性ブレード516を使用する例を示している。弾性ブレード516としては、ウレタンゴム若しくはシリコーンゴムのようなゴム弾性を有する材料、又はリン青銅若しくはステンレス鋼のような金属弾性を有する材料等の弾性板からなるものを使用することができる。この弾性ブレード516は、現像剤担持体510に対して、磁性一成分現像剤を介して接触あるいは圧接させても良い。
図4は、非磁性一成分現像剤を使用する本発明の現像装置における実施形態の構成を示す模式図である。図4に示した実施形態において、公知のプロセスにより形成された静電潜像を担持する静電潜像担持体(感光体ドラム)801は、矢印B方向に回転される。現像剤担持体としての現像スリーブ808は、基体(金属製円筒管)806とその表面に形成される樹脂層807から構成されている。非磁性一成分現像剤を用いているので基体806の内部には磁石は内設されていない。現像容器803内には非磁性一成分現像剤804を撹拌搬送するための撹拌搬送部材810が設けられている。
現像スリーブ808に現像剤804を供給し、かつ現像後の現像スリーブ808の表面に残存する現像剤804を剥ぎ取るための現像剤供給・剥ぎ取り部材813が現像スリーブ808に当接している。現像剤供給・剥ぎ取り部材(現像剤供給・剥ぎ取りローラ)813が現像スリーブ808と同じ方向に回転することにより、供給・剥ぎ取りローラ813の表面は、現像スリーブ808の表面とカウンター方向に移動する。これにより、現像容器803内で非磁性一成分現像剤804は、現像剤スリーブ808に供給される。現像スリーブ808は、供給された非磁性一成分現像剤を担持して、矢印A方向に回転することにより、現像スリーブ808と感光体ドラム801とが対向した現像部Dに非磁性一成分現像剤を搬送する。現像スリーブ808に担持されている非磁性一成分現像剤は、現像スリーブ808の表面に対して現像剤層を介して圧接する現像剤層厚規制部材811によりその厚みが規定される。非磁性一成分現像剤804は現像スリーブ808との摩擦により、感光体ドラム801上の静電潜像を現像するのに十分な摩擦帯電をする。なお、煩雑を避けるため、非接触型現像装置を例にとって、以下、説明を行う。
現像スリーブ808には、これに担持された非磁性一成分現像剤を飛翔させるために、電源809より現像バイアス電圧が印加される。この現像バイアス電圧として直流電圧を使用するときは、静電潜像の画像部(非磁性現像剤804が付着して可視化される領域)の電位と背景部の電位との間の値の電圧が現像スリーブ808に印加されることが好ましい。現像画像の濃度を高めたり、階調性を向上させたりするために、現像スリーブ808に交番バイアス電圧を印加して、現像部に向きが交互に反転する振動電界を形成してもよい。この場合、上記画像部の電位と背景部の電位間の値を有する直流電圧成分が重畳された交番バイアス電圧を現像スリーブ808に印加することが好ましい。
高電位部と低電位部を有する静電潜像の高電位部に現像剤を付着させて可視化するいわゆる正規現像では、静電潜像の極性と逆極性に摩擦帯電する非磁性一成分現像剤を使用する。静電潜像の低電位部に現像剤を付着させて可視化するいわゆる反転現像では、静電潜像の極性と同極性に摩擦帯電する非磁性一成分現像剤を使用する。高電位と低電位というのは、絶対値による表現である。いずれにしても、非磁性一成分現像剤804は現像スリーブ808との摩擦により静電潜像を現像するための極性で摩擦帯電する。
現像剤供給・剥ぎ取り部材813としては、樹脂、ゴム、スポンジの如き弾性ローラ部材が好ましい。現像剤供給・剥ぎ取り部材813として、弾性ローラに代えてベルト部材またはブラシ部材を用いることもできる。現像剤供給・剥ぎ取り部材として弾性ローラを用いる場合には、その回転方向は現像スリーブに対して適宜同方向若しくはカウンター方向を選択することができる。通常、カウンター方向に回転することが、剥ぎ取り性及び供給性の点でより好ましい。
図4に示した現像装置では、弾性ブレード811を使用している。この弾性ブレード811は、現像スリーブ808の回転方向と逆の姿勢で現像スリーブ808に圧接されている。この弾性ブレード811としては、特に安定した規制力と現像剤への安定した(負)摩擦帯電付与性のために、安定した加圧力の得られるリン青銅板表面にポリアミドエラストマー(PAE)を貼り付けた構造のものを用いることが好ましい。ポリアミドエラストマー(PAE)としては、ポリアミドとポリエーテルの共重合体が挙げられる。
以上、図2〜図4によって、本発明の現像剤担持体を用いた、本発明の現像装置における実施形態の例を模式的に例示した。他の実施形態としては、現像容器503の形状、攪拌搬送部材505、511の有無、磁極の配置、現像剤供給部材512の形状、補給容器の有無等を変更した態様がある。
<現像剤>
次に、本発明の現像装置にて用い得る現像剤に特に限定はないが、磁性一成分系の現像剤を用いることが好ましい。本発明で使用する現像剤は、いずれの形式であっても、重量平均粒径が4μm以上11μm以下の範囲にあることが好ましい。このようなものを使用すれば、現像剤の帯電量あるいは画質及び画像濃度がバランスのとれたものとなる。現像剤が、磁性現像剤である場合、磁性材料としては、例えば以下のものが挙げられる。マグネタイト、マグヘマイト、若しくはフェライトの如き酸化鉄系金属酸化物、Fe、Co、若しくはNiのような磁性金属、これらの金属とAl、Co、Cu、Pb、Mg、Ni、Sn、Zn、Sb、Be、Bi、Cd、Ca、Mn、Se、Ti、W、若しくはVのような金属との合金、又はこれらの混合物。その際、これら磁性材料に着色剤としての役目を兼用させてもよい。
実施例および比較例によって本発明をさらに詳しく説明する。尚、実施例または比較例における、1.物性の測定方法、2.導電性粒子、3.樹脂層に用いる樹脂(フェノール樹脂等)、4.合成液(加水分解性シラン化合物等含有液)、5.凹凸付与粒子、6.現像剤は以下の通りである。また「部」は「質量部」を意味する。
<1.物性の測定方法>
〔1〕Si−O−Ph結合の解析
フーリエ変換赤外分光分析(FT−IR)装置 FT−IR8300(商品名、島津製作所製)を使用し、樹脂層のSi−O−Phの結合を測定した。現像剤担持体の表層を削ってペレットを作製し、IR測定を行った。そして、OH面内伸縮振動(1380cm−1付近)、C−O伸縮振動(1230cm−1付近)が強く測定されることにより、Si−O−Phの化学結合が存在しているものと判断した。
〔2〕Si−O−Ti結合の解析
フーリエ変換赤外分光分析(FT−IR)装置 FT−IR8300(商品名、島津製作所製)を使用し、樹脂層のSi−O−Tiの結合を測定した。現像剤担持体の表層を削ってペレットを作製し、IR測定を行った。Si−O−Tiのピーク(920cm−1乃至970cm−1)が観測されることにより、Si−O−Tiの化学結合が存在しているものと判断した。
〔3〕0.5μm以上の導電性粒子、凹凸付与粒子の体積平均粒径
黒鉛粒子や凹凸付与粒子、金属酸化物粒子の如き導電性粒子の粒径は、レーザー回折型粒度分布計コールターLS−230型粒度分布計(商品名、ベックマン・コールター社製)を用いて測定した。測定方法としては、少量モジュールを用い、測定溶媒としてはイソプロピルアルコール(IPA)を使用した。まず、IPAにて粒度分布計の測定系内を約5分間洗浄し、洗浄後バックグラウンドファンクションを実行した。次に、IPA50ml中に、測定試料1mg以上25mg以下を加えて懸濁した溶液を超音波分散機で約1分以上3分間以下分散処理し、被験試料液を得た。そして、測定装置の測定系内に被験試料液を徐々に加えて、装置の画面上のPIDSが45%以上55%以下になるように測定系内の試料濃度を調整して測定を行い、体積分布から算出した体積平均粒径を求めた。
〔4〕現像剤担持体表面の表面粗さ(Ra:算術平均粗さ)
表面粗さ(JIS B0601−2001)に準拠する(株)小坂研究所製の表面粗さ測定器「サーフコーダSE−3500」(商品名)にて、軸方向(中央部及び両端から各50mmの位置)3箇所、周方向(120度均等)3箇所の計9箇所について測定し、その平均値を当該試料の表面粗さRaとした。なお、カットオフ0.8mm、測定距離8.0mm及び送り速度0.5mm/secとした。
〔5〕樹脂層の膜厚
レーザー光にて円筒の外径を測定する(株)キーエンス製の寸法測定器「LS5000シリーズ」(商品名)を用い、樹脂層形成前のスリーブの外径(S)、樹脂層形成後のスリーブの外径(S)をそれぞれ測定した。それらの値から、樹脂層の厚み(S−S)を算出した。
測定には、前記装置のコントローラLS−5500(商品名)及びセンサーヘッドLS−5040T(商品名)を用いた。スリーブ固定治具及びスリーブ送り機構を取り付けた装置にセンサー部を別途固定し、スリーブ長手方向に対し30分割して30箇所、更にスリーブを周方向に90°回転させた後更に30箇所、合計60箇所についてスリーブの外径寸法を測定した。外径寸法はその平均値とし、測定環境は20℃以上25℃以下、50%RH以上60%RH以下として行った。
〔6〕加水分解性シラン化合物及びチタン化合物の縮合物中の残モノマー量の測定
使用する加水分解性シラン化合物、加水分解性チタン化合物が理論的に完全に脱水・縮合反応した構造体から求められる質量に対して計算を行う。測定は、A)予め質量を測定したアルミカップに、B)縮合物約2.000〜3.000gを精密天秤で秤量する。更に200℃、30分間オーブン中に放置して反応させ、その後、C)再度精密天秤で質量を測定し、下記の数式によって固形分を算出する。
Figure 0005693278
理論的に求めた質量に対して、測定で求められた固形分が同等ならば、未反応の残モノマーが非常に少ないということになる。逆にオーブン中で未反応の残モノマーがある場合、オーブン中での揮発により質量減少が生じるので、固形分を測定することによって残モノマーを定量することが出来る。
<2.導電性粒子>
現像剤担持体の樹脂層に用いる導電性粒子としては、以下の導電性粒子1及び2を用いた。
[導電性粒子1]
原材料として、コークスとタールピッチの混合物を用い、この混合物をタールピッチの軟化点以上の温度で練り込み、押出し成型し、窒素雰囲気下において1000℃で一次焼成して炭化した。続いてコールタールピッチを含浸させた後、窒素雰囲気下において2800℃で二次焼成をして黒鉛化し、さらに粉砕及び分級して体積平均粒径4.3μmの導電性粒子1とした。
[導電性粒子2]
カーボンブラック トーカブラック#5500(商品名、東海カーボン製)を導電性粒子2とした。一次粒径は0.025μmである。
<3.樹脂層に用いる樹脂>
現像剤担持体の樹脂層に用いる樹脂としては、以下の樹脂A乃至Dを用いた。
Figure 0005693278
<4.合成液>
現像剤担持体の樹脂層に用いる加水分解性シラン化合物としては、以下の合成液a乃至hを用いた。尚、合成液の製造に用いた原材料の略称、商品名等は以下の表2の通りである。
Figure 0005693278
[合成液a]
下記の表3に示す材料を300mlのナスフラスコに入れ、更にフットボール型攪拌子(全長45mm、径20mm)を入れ、室温、回転数500rpmで1分間スターラー上で攪拌し、混合した。更にスターラーの回転数を900rpmに変更し、イオン交換水(pH=5.5)11.01gを滴下しながら撹拌した。合成時の固形分は、20.00質量%である。
Figure 0005693278
次いで、温度暴走防止機構付きスターラー上に、120℃に設定したオイルバスを設置し、このオイルバス中に上記フラスコを置き、回転数750rpmで撹拌しながら、20分間をかけて内容物の温度を120℃に到達させ、この温度で3時間加熱還流を行うことによって、縮合物−Iを得た。この縮合物−Iの固形分は21.02質量%であった。
一方、光カチオン重合開始剤として芳香族スルホニウム塩[商品名:アデカオプトマーSP−150、旭電化工業(株)製]を、メタノールに溶解させて、濃度が10質量%の重合開始剤溶液を調製した。次に、縮合物−I(50g)に対して上記重合開始剤溶液を添加し、縮合物−Iの固形分濃度が3質量%の合成液aを調製した。
[合成液b乃至h]
材料の種類と使用量を表4に示したように変更した以外は合成液aと同様にして合成液b乃至hを作製した。
Figure 0005693278
[合成液i]
トリメチルメトキシシラン3mlに対してメタノール97mlを加えて合成液iを得た。
[合成液j]
テトライソプロピルチタネート3mlに対してイソプロピルアルコール97mlを加えてを合成液jを得た。
[合成液k]
ジメチルシリコーンオイルTSF451(商品名;モメンティブ社製)3mlに対して2−ブタノール97mlを加えて合成液kを得た。
[合成液m]
下記表5に示す成分を混合した後、室温で30分攪拌した。
Figure 0005693278
続いてオイルバスを用い、120℃で20時間加熱還流を行うことによって、混合成分を反応させ、縮合物中間体−2を得た。この縮合物中間体−2の理論固形分(加水分解性シラン化合物が全て脱水縮合したと仮定した時のポリシロキサン重合物の、溶液全質量に対する質量比率)は28.0質量%であった。次に、室温に冷却した縮合物中間体−2:46.38gに対し、Ti(O−iPr)[高純度化学研究所(株)製]130.42g(4.588モル)を添加し、室温で3時間攪拌し最終的な縮合物−2を得た。一連の攪拌は750rpmで行った。原子数比はTi/Si=5.0であった。
続いて、25gの前記縮合物−2に、前記重合開始剤溶液0.7g添加して、更に、縮合物−2の固形分が3.0質量%になるようにエタノールと2−ブタノールの混合液(エタノール:2−ブタノール=1:1)で希釈して合成液mを得た。
[合成液n]
合成液mの作製途中にできる縮合物中間体−2:42.21gに対し、Ti(O−iPr)[高純度化学研究所(株)製]134.59g(4.734モル)を添加し、室温で3時間攪拌し最終的な縮合物−3を得た。一連の攪拌は750rpmで行った。Ti/Si=5.67であった。上記使用量とした以外は、合成液mと同様にして合成液nを得た。
<5.凹凸付与粒子>
現像剤担持体の樹脂層に用いる凹凸付与粒子として、ガラス状カーボンからなるニカビーズICB−0520(商品名、日本カーボン株式会社製、体積平均粒子径7.6μm)を用いた。
<6.現像剤>
現像剤としては、以下の方法で製造した、トナーZ−1〜Z−3を用いた。
[トナーZ−1]
Figure 0005693278
上記表6に示す材料を5リットル4口フラスコに仕込み、還流冷却器、水分離装置、Nガス導入管、温度計及び撹拌装置を付し、フラスコ内にNガスを導入しながら180℃で縮重合反応を行い、反応終了後、水洗し、脱水、乾燥工程を経て、トナーの結着樹脂TAを得た。
Figure 0005693278
上記表7に示す材料をヘンシェルミキサーで混合した後、110℃に加熱された2軸エクストルーダで溶融混練し、冷却した混練物をハンマーミルで粗粉砕してトナー粗粉砕物を得た。得られた粗粉砕物を、機械式粉砕機ターボミル(ターボ工業社製;回転子及び固定子の表面に炭化クロムを含有したクロム合金めっきでコーティングしたもの、めっき厚150μm、表面硬さHV1050)を用いて、機械的に微粉砕した。得られた微粉砕物を、コアンダ効果を利用した多分割分級装置(日鉄鉱業社製エルボジェット分級機)を用いて微粉及び粗粉を同時に分級除去し原料トナーを得た。この原料トナーは、コールターカウンター法で測定される重量平均粒径(D)が6.1μm、平均円形度が0.965の負帯電性トナー粒子であった。このトナー粒子100質量部と、ヘキサメチルジシラザン処理し次いでジメチルシリコーンオイル処理を行った疎水性シリカ微粉体1.2質量部とを、ヘンシェルミキサーで混合して負帯電性トナーZ−1を調製した。
[トナーZ−2]
Figure 0005693278
上記表8に示す材料を混合し、その混合物を還流(温度:146℃〜156℃)しているクメン200部中に4時間かけて滴下し、クメン還流下で溶液重合を完了させ、減圧下で200℃まで昇温させながらクメンを除去した。このようにして得られたスチレン−アクリル系共重合体30部を下記の混合物中に溶解し混合溶液とした。
Figure 0005693278
上記表9に示す材料を混合し、得られた混合溶液に、ポリビニルアルコール部分ケン化物0.15部を溶解した水溶液170質量部を加え、激しく撹拌しながら懸濁分散液とした。更に、水100質量部を加え、窒素雰囲気に置換した反応器に上記懸濁分散液を添加し、約80℃で8時間重合した。重合終了後、濾別し、充分に水洗して後、脱水乾燥し、トナーの結着樹脂TBを得た。
Figure 0005693278
上記表10に示す材料を混合し、得られた混合物を用いたこと、及び、2軸エクストルーダの加熱温度を115℃としたこと以外は、トナーZ−1の場合と同様にして、コールターカウンター法で測定される重量平均粒径(D)6.3μm、平均円形度が0.948の負帯電性トナー粒子を得た。また、トナーZ−1の場合と同様にして、負帯電性トナーZ−2を調製した。
[トナーZ−3]
下記の手順によって重合法トナーを作製した。60℃に加温したイオン交換水900部に、リン酸三カルシウム3部を添加し、TK式ホモミキサー(特殊機化工業製)で、10,000rpmにて撹拌し、水系媒体を作成した。
Figure 0005693278
また、上記表11に示す材料をホモジナイザー(日本精機社製)に投入し、60℃に加温した後、TK式ホモミキサー(特殊機化工業製)を用いて、8,000rpmにて攪拌し、分散した。これに重合開始剤2,2’−アゾビス(2,4―ジメチルバレロニトリル)5質量部を溶解し、重合性単量体組成物を調製した。次いで、前記水系媒体中に上記重合性単量体組成物を投入し、60℃、窒素雰囲気下において、TK式ホモミキサーを用いて8,000rpmで攪拌し、造粒した。その後、プロペラ式攪拌装置を備えた反応容器に移して攪拌しつつ、2時間かけて70℃に昇温し、更に4時間後、昇温速度40℃/Hrで80℃まで昇温し、80℃で5時間反応を行い、重合体粒子を製造した。重合反応終了後、前記重合体粒子を含むスラリーを冷却し、スラリーの10倍の水量で洗浄し、ろ過、乾燥した。その後、分級によって粒子径を調整してシアントナーの母体粒子(重量平均粒径6.3μm、平均円形度0.974)を得た。このトナー母体粒子100部に対し、ヘキサメチレンジシラザンで表面処理された疎水性シリカ微粉体(平均一次粒径7nm)1.0部、ルチル型酸化チタン微粉体(平均一次粒径45nm)0.18部、ルチル型酸化チタン微粉体(平均一次粒径200nm)0.5部をヘンシェルミキサー(三井鉱山社製)で5分間、乾式混合した。そして、平均円形度0.974の非磁性一成分現像剤としてのトナーZ−3を得た。
<実施例1>
以下の表12に示す材料にメタノールを加え固形分40質量%に調整し、これをサンドミル(直径1mmのガラスビーズをメディア粒子として使用)で2時間分散した。篩を用いてガラスビーズを分離した後、固形分濃度が33質量%になるようにメタノールを添加して、塗料を得た。
Figure 0005693278
一方基体として、上下端部にマスキングを施した外径24.5mmφ、算術平均粗さRa0.2μmの研削加工したアルミニウム製円筒管を準備した。この基体を垂直に立てて、一定速度で回転させ、前記塗料を、スプレーガンを一定速度で下降させながら塗布した。なお、塗工条件は30℃、35%RHの環境下にて、塗工液の温度は恒温槽で28℃に制御した状態で塗工を実施した。続いて、熱風乾燥炉中で150℃、30分間加熱して塗布層を硬化・乾燥し、基体の外周部に樹脂層を形成した。その後、基体を回転させながら樹脂層に254nmの波長の紫外線を積算光量が9000mJ/cmになるように照射することで現像剤担持体T−1を作製した。紫外線の照射には、ハリソン東芝ライティング(株)製の低圧水銀ランプを用いた。現像剤担持体T−1の樹脂層の厚みは15μmであり、表面粗さRaは0.81μmであった。表13に現像剤担持体T−1の樹脂層の構成と物性を示す。樹脂層について、前掲の評価方法に従って、一般式(1)の構造、一般式(2)の構造、Si−O−Ph結合、およびSi−O−Ti結合の存在を確認した。
Figure 0005693278
現像剤担持体T−1を感光体ドラムがアモルファスシリコンドラム感光体であるデジタル複写機IR5075N(商品名、キヤノン株式会社製)の現像器に組み込み、スリーブ−ドラム間距離を240μmとし、現像剤Z−1を使用した。なお、規制力を強めるため、マグネットローラは製品に用いているマグネットローラに比べて磁力を全て1割増加させた全極磁力アップマグネットロールとした。更に、現像剤コート形成手段(磁気ブレード)を強磁性体の鉄で形成したものを、その先端がマグネットの磁極と対向するように配設した。尚、現像剤コート形成手段は、現像剤収容部に支持する部分を厚み1.8mmに、また、現像剤担持体に対向する部分の先端を厚み0.6mmとなるように傾斜をつけて形成したものである。(1)30℃、80%RHの高温/高湿環境(H/H)、(2)23℃、50%RHの常温/常湿環境(N/N)、及び(3)23℃、5%RHの常温/低湿環境(N/L)の各環境下で、印字比率2.5%のテストチャートを用いて50万枚の連続プリントを行なった。下記<1>乃至<6>の評価を行った。得られた結果を表14に示す。また、現像装置の概略を図2に示す。
<1>画像濃度の評価
画像比率5.5%のテストチャートを画像出力して得られたコピー上のφ5mmベタ黒丸部のコピー画像濃度を、反射濃度計「RD918」(商品名、マクベス社製)により反射濃度測定を行い、その10点の平均値を画像濃度とした。
<2>カブリの評価
画像比率5.5%のテストチャートを画像出力して得られたコピー上のベタ白部の反射率をランダムに10箇所測定し、その最悪値から未使用の転写紙の反射率(10箇所の平均値)を差し引いたものをカブリ濃度とした。なお、反射率は反射率計「TC−6DS」(商品名、東京電色(株)製)によって測定した。
<3>スリーブ表面への現像剤の融着評価
ベタ黒テストチャートを画像出力して得られた画像を目視により確認し、融着起因の部分的な濃度薄の有無を下記評価基準で評価した。
○:融着起因の部分的濃度薄が確認されなかった。
×:融着起因の部分的濃度薄が確認された。
<4>飛び散り
画像プリント方向に水平方向に太さ100μmの細線をプリントし、目視により細線周辺の現像剤飛び散りを確認し、下記評価基準で評価した。尚、定着での飛び散りが発生しないように、未定着画像で評価した。
A:飛び散りのない鮮明な画像である。
B:20本の細線のうち1本以上3本以下の細線で飛び散りが確認できる。
C:20本の細線のうち4本以上10本以下の細線で飛び散りが確認できる。
D:20本の細線のうち11本以上15本以下の細線で飛び散りが確認できる。
E:20本の細線のうち16本以上の細線で飛び散りが確認できる。
<5>導電性樹脂層の耐摩耗性
現像剤担持体の外径を測定し、使用前の値から耐久後(50万枚の連続プリント後)の値を引いて、導電性樹脂層の削れ量とし、その平均値を全体の削れ量とした。なお、耐久後の測定に当たっては現像剤担持体の表面をイソプロパノールで洗浄した。なお、測定には常温常湿環境で耐久した現像剤担持体を使用した。
<6>導電性樹脂層の表面粗さRa
常温常湿下で耐久評価した現像剤担持体表面の算術平均粗さRaを測定し、初期の表面粗さと共に表14に示した。
Figure 0005693278
<実施例2乃至17及び比較例1乃至9>
樹脂層用の添加材料(種類および量)並びに硬化条件をそれぞれ表13に示す条件に変更した以外は、実施例1と同様にして現像剤担持体T−2乃至T−26を作製し評価した。但し実施例13においては、紫外線照射後、150℃で30分の熱硬化を実施し、実施例12、比較例1、2、5、7及び9においては、紫外線照射を実施せずに150℃で30分の熱硬化のみを実施した。また、比較例3では表13に示した条件で実施例1と同様に樹脂層を150℃、30分で硬化後、樹脂層上にスプレー塗工で合成液eを膜厚1μmに塗布し、実施例1と同様に紫外線照射することで現像剤担持体を作製した。評価結果を表14に示す。
実施例1乃至17については、評価結果は良好であった。比較例1、2、3、5、7、8及び9については、潤滑性の不足や抵抗均一性の不足により、カブリ、スリーブ汚染、飛び散りが耐久により悪化した。比較例4及び6については、樹脂層の強度が不足しており表14に示すように耐摩耗性が不十分であった。
実施例2乃至6、および8乃至17の各樹脂層について、前掲の評価方法に従って、一般式(1)の構造、一般式(2)の構造、Si−O−Ph結合、およびSi−O−Ti結合の存在を確認した。また実施例7の樹脂層について、前掲の評価方法に従って、一般式(1)の構造およびSi−O−Ph結合の存在を確認した。
<実施例18乃至20>
基体として、上下端部にマスキングを施した外径10.0mmφ、算術平均粗さRa0.2μmの研削加工したアルミニウム製円筒管を使用し、また、表15に示す樹脂層用の添加材料(種類および量)を使用して塗料を調製し、更に、硬化条件をそれぞれ表15に示す条件に変更した。これ以外は実施例1と同様にして、基体の外周部に塗布層を形成し、加熱硬化させて樹脂層を形成した後、紫外線照射して、層厚7μm、Ra=0.99〜1.05μmの樹脂層を有する現像剤担持体T−27〜T−29を作製した。
各樹脂層について、前掲の評価方法に従って、一般式(1)の構造、一般式(2)の構造、Si−O−Ph結合、およびSi−O−Ti結合の存在を確認した。
Figure 0005693278
現像剤担持体の評価には、市販のレーザービームプリンタLeserJetP1505n(ヒューレット・パッカード社製)を用いた。各現像剤担持体をカートリッジに装着可能なようにマグネット及びフランジを取り付けてこのカートリッジに装着し、現像剤を現像剤Z−2に詰め替えた。複写環境を、(1)15℃、10%RHの低温/低湿環境(L/L)、(2)23℃、50%RHの常温/常湿環境(N/N)、及び(3)30℃、85%RHの高温/高湿環境(H/H)の各環境として、1枚/7秒の間欠モードで印字比率が1%の文字パターンにて5000枚の画出し(耐久)を実施した。実施例1と同様にして評価を実施した。評価結果を表16に示す。いずれの実施例の場合も評価結果は良好であった。現像装置の概略を図3に示す。
Figure 0005693278
<比較例10および11>
樹脂層用の添加材料(種類および量)をそれぞれ表15に示す条件に変更した。また、硬化条件として、比較例10では実施例18と同様に樹脂層を形成後、樹脂層上にスプレー塗工で合成液eを膜厚1μmに塗布し、実施例1と同様に紫外線照射することで現像剤担持体を作製した。さらに、比較例11においては、紫外線照射を実施せずに150℃30分の熱硬化のみを実施した。それ以外の条件は実施例18と同様にして、層厚7μmの現像剤担持体T−30およびT−31を作製した。評価結果を表16に示す。いずれの比較例においても、潤滑性の不足や抵抗均一性の不足により、カブリ、スリーブ汚染、飛び散りが耐久により悪化した。
<実施例21乃至28>
基体として、上下端部にマスキングを施した外径12.0mmφ、算術平均粗さRa0.2μmの研削加工したアルミニウム製円筒管を使用した。また、表17に示す樹脂層用の添加材料(種類および量)を使用して塗料を調製し、更に、硬化条件をそれぞれ表17に示す条件に変更した。これ以外は実施例1と同様にして、基体の外周部に塗布層を形成し、加熱硬化させて樹脂層を形成した後、紫外線照射して、層厚8μmの樹脂層を有する現像剤担持体T−32〜T−37、T−41およびT−42を作製した。
各樹脂層について、前掲の評価方法に従って、一般式(1)の構造、一般式(2)の構造、Si−O−Ph結合、およびSi−O−Ti結合の存在を確認した。
Figure 0005693278
各現像剤担持体と現像剤Z−3を、市販のレーザービームプリンタ「レーザーショットLBP5000」(商品名、キヤノン(株)製)のカートリッジにそれぞれ組み込み、現像装置とした。この現像装置を前記市販のレーザービームプリンタ(キヤノン(株)製LBP5000)に搭載し、実施例18と同様の複写環境下で、1枚/10秒の間欠モードで印字比率が1%の文字パターンにて5000枚の画出し(耐久)を行った。それ以外は実施例1と同様にして評価を行った。評価結果を表18に示す。いずれの実施例の場合も評価結果は良好であった。この現像装置の概略を図4に示す。
<比較例12乃至14および15>
樹脂層用の添加材料(種類および量)をそれぞれ表17に示す条件に変更した。また硬化条件として比較例12、14及び5においては、紫外線照射を実施せずに150℃、30分の熱硬化のみを実施した。それ以外は、実施例1と同様にして現像剤担持体を作製し、評価した。評価結果を表18に示す。比較例12乃至14においては、潤滑性の不足や抵抗均一性の不足により、カブリ、スリーブ汚染、飛び散りが耐久により悪化した。比較例15においては、耐摩耗性が悪く、削れが多いため飛び散りが耐久により悪化した。
Figure 0005693278
1 樹脂層
2 基体(金属製円筒管)
3 多極性磁石(マグネットローラ)
a 結着樹脂(複合高分子)
b 導電性粒子2
c 凹凸付与粒子
d 導電性粒子1

Claims (7)

  1. 基体と樹脂層とを有する現像剤担持体であって、
    該樹脂層は、導電性粒子と、下記一般式(1)で示される構成単位を有するSi含有高分子とフェノール樹脂とが化学結合した複合高分子と、を含むことを特徴とする現像剤担持体:
    Figure 0005693278
    [一般式(1)中、R及びRは各々独立に以下の一般式(3)〜(6)の何れかを示す:
    Figure 0005693278
    Figure 0005693278
    Figure 0005693278
    Figure 0005693278
    [一般式(3)〜(6)中、R〜R、R10〜R14、R19、R20、R25及びR26は、各々独立に水素、炭素数1〜4のアルキル基、水酸基、カルボキシル基、またはアミノ基を示す。R、R、R15〜R18、R23、R24及びR29〜R32は、各々独立に水素又は炭素数1〜4のアルキル基を示す。R21、R22、R27及びR28は、各々独立に水素、酸素、炭素数1〜4のアルコキシル基または炭素数1〜4のアルキル基を示す。n、m、l、q、s及びtは、各々独立に1以上8以下の整数を示し、p及びrは、各々独立に4以上12以下の整数を示し、x及びyは、各々独立に0または1を示す。*及び**は、各々一般式(1)中のケイ素原子及び酸素原子との結合位置を示す。]]。
  2. 前記複合高分子はSi−O−Ti結合を有し、かつ下記一般式(2)で示される構成単位を有する請求項1に記載の現像剤担持体:
    Figure 0005693278
  3. 前記複合高分子が、レゾール型フェノール樹脂と加水分解性シラン化合物と加水分解性チタン化合物を反応させて得られたものである請求項1又は2に記載の現像剤担持体。
  4. 前記加水分解性シラン化合物は、下記一般式(B)又は一般式(C)で表される化合物である請求項3に記載の現像剤担持体:
    Figure 0005693278
    [一般式(B)中、R 33 は、カチオン重合可能な基を表し、開裂によってオキシアルキレン基を生成するカチオン重合可能な有機基であり、R 34 は、飽和もしくは不飽和の1価の炭化水素基を表し、Zは、2価の有機基を表す。]、
    Figure 0005693278
    [一般式(C)中、R 35 は、フェニル基置換のアルキル基もしくは無置換のアルキル基、又は、アルキル基置換のアリール基もしくは無置換のアリール基を表し、R 36 は、飽和もしくは不飽和の1価の炭化水素基を表す。]。
  5. 前記加水分解性チタン化合物は、下記一般式(D)で表される化合物である請求項3又は4に記載の現像剤担持体:
    Figure 0005693278
    [一般式(D)中、R 37 は、フェニル基置換のアルキル基もしくは無置換のアルキル基、又は、アルキル基置換のアリール基もしくは無置換のアリール基を表し、R 38 は、飽和もしくは不飽和の1価の炭化水素基を表し、xは、0、1、2又は3であり、yは、1、2、3又は4であり、x+y=4である。]。
  6. 前記導電性粒子は、カーボンブラック又はグラファイトである請求項1〜5のいずれかの一項に記載の現像剤担持体。
  7. 少なくとも負帯電性の現像剤と、前記現像剤を収容するための容器と、前記容器に貯蔵された現像剤を担持搬送するための現像剤担持体を有し、現像剤規制部材により前記現像剤担持体上に現像剤層を形成しながら現像剤担持体上の現像剤を静電潜像担持体と対向する現像領域へと搬送し、前記静電潜像担持体の静電潜像を現像剤により現像し、現像剤像を形成する現像装置において、
    前記現像剤担持体は請求項1〜6のいずれかの一項に記載の現像剤担持体であることを特徴とする現像装置。
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