JP5627385B2 - 現像剤担持体 - Google Patents

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Description

本発明は、電子写真装置に用いられる現像剤担持体に関する。
近年、電子写真法の現像装置に用いられる現像剤担持体は、更なる長寿命化が要求されている。そして、このような要求に対し、特許文献1は、オキシアルキレン基を有するポリシロキサン層を表層として有する現像剤担持体によれば、現像剤担持体の表面のトナーによる汚染や融着が防止でき、高品位な電子写真画像を安定して形成できることを開示している。
特開2007−264614号公報
しかし、電子写真装置のさらなる高速化及び長寿命化に対するニーズが高まっている状況の下で、現像剤担持体には更なる耐久性の向上が望まれている。
そこで、本発明の課題は、表層の耐摩耗性を高め、潤滑性を向上させることで、長期に亘って表面の変化が少なく、高画質を維持することができる現像剤担持体を提供することにある。
本発明は、基体と表層とを有する現像剤担持体であって、該表層は、Si−O−Sr結合を有する高分子化合物又はSi−O−Ta結合を有する高分子化合物を含み、
該高分子化合物が、一般式(1)で示される構成単位及び一般式(2)で示される構成単位を有する化合物、又は一般式(1)で示される構成単位及び一般式(3)で示される構成単位を有する化合物であることを特徴とする現像剤担持体:
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(一般式(1)中、R1およびR2は各々独立して一般式(4)〜(7)のいずれかを示す。
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(一般式(4)〜(7)中、R3〜R7、R10〜R14、R19、R20、R25およびR26は各々独立して水素、炭素数1〜4のアルキル基、水酸基、カルボキシル基またはアミノ基を示す。R8、R9、R15〜R18、R23、R24およびR29〜R32は各々独立して水素または炭素数1〜4のアルキル基を示す。R21、R22、R27およびR28は各々独立して水素、炭素数1〜4のアルコキシ基、または炭素数1〜4のアルキル基を示す。n、m、l、q、sおよびtは各々独立して1以上、8以下の整数を示す。pおよびrは各々独立して4以上、12以下の整数を示す。xおよびyは各々独立して0又は1を示す。*は一般式(1)中のケイ素原子への結合部位を示し、**は酸素原子への結合部位を示す。))
に関する。
本発明の現像剤担持体は、表層の耐摩耗性に優れ、潤滑性が向上され、現像剤を長期に亘って均一に摩擦帯電することができ、その結果、高速電子写真装置において、良好な現像特性を長期に亘って維持することができる。
本発明の一例を適用した磁性一成分現像装置を示す模式図である。 本発明の一例を適用した他の磁性一成分現像装置を示す模式図である。 本発明の一例を適用した非磁性一成分現像装置を示す模式図である。 表層形成用塗料の17O−NMRスペクトルを示す図である。 表層形成用塗料の17O−NMRスペクトルを示す図である。 表層形成用塗料の17O−NMRスペクトルを示す図である。 表層形成用塗料の29Si−NMRスペクトルを示す図である。
本発明の現像剤担持体は、基体と表層とを有する。
[基体]
基体としては、アルミニウム、ステンレス鋼等の非磁性金属や、これらの合金、真鍮等を用いることができる。
[表層]
表層は、Si−O−Sr結合を有する高分子化合物又はSi−O−Ta結合を有する高分子化合物を含む。かかる高分子化合物は、一般式(1)で示される構成単位及び一般式(2)で示される構成単位を有する化合物(Sr化合物ともいう。)、又は一般式(1)で示される構成単位及び一般式(3)で示される構成単位を有する化合物(Ta化合物ともいう。)である。高分子化合物が、Si−O−Sr結合、又は、Si−O−Ta結合を有することにより、緻密な架橋構造を形成することができ、化合物の摩擦係数を低下させ、これを含む表層の潤滑性を向上させることができる。
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一般式(1)で示される構成単位中、R1およびR2は各々独立して一般式(4)〜(7)のいずれかを示す。
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一般式(4)〜(7)中、R3〜R7、R10〜R14、R19、R20、R25およびR26は各々独立して水素原子、炭素数1〜4のアルキル基、水酸基、カルボキシル基またはアミノ基を示す。R8、R9、R15〜R18、R23、R24およびR29〜R32は各々独立して水素または炭素数1〜4のアルキル基を示す。R21、R22、R27およびR28は各々独立して水素、炭素数1〜4のアルコキシ基、または炭素数1〜4のアルキル基を示す。n、m、l、q、sおよびtは各々独立して1以上、8以下の整数を示す。
pおよびrは各々独立して4以上、12以下の整数を示す。xおよびyは各々独立して0又は1を示す。*は一般式(1)中のケイ素原子への結合部位を示し、**は酸素原子への結合部位を示す。
上記高分子化合物における一般式(1)中R1およびR2としては、各々独立して一般式(9)〜(12)で示される構造から選ばれる何れかであることが好ましい。このような構造とすることで、表層をより強靭で耐久性に優れたものとすることができる。一般式(10)又は(12)に示されるエーテル基を含む構造を有するものは、下層に弾性層等を設けた場合、密着性に優れた表層が得られる。
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一般式(9)〜(12)中、N、M、L、Q、SおよびTは各々独立して1以上、8以下の整数、x’およびy’は各々独立して0又は1を示す。*は一般式(1)中のケイ素原子への結合部位を示し、**は酸素原子への結合部位を示す。
上記高分子化合物の一例として、一般式(1)中のR1が一般式(4)で示され、R2が一般式(5)で示されるTa化合物の構造の一部を以下に示す。
Figure 0005627385
また、上記高分子化合物の一例として、一般式(1)中のR1が一般式(4)で示され、R2が一般式(6)で示されるTa化合物の構造の一部を以下に示す。
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上記高分子化合物は、シロキサン結合およびケイ素原子に結合した有機鎖部分が互いに重合している構造を有することに加え、Si−O−Sr結合又はSi−O−Ta結合を有することによって非常に緻密な架橋構造を構成しているものと考えられる。Sr化合物やTa化合物は、オルガノシロキサン化合物より更に摩擦係数が低く、これらを含有する表層に、極めて高い潤滑性を付与することができる。
上記高分子化合物に含有されるケイ素、ストロンチウム又はタンタルのモル含有量は、ケイ素のモル含有量と、ストロンチウム又はタンタルのモル含有量との合計のモル含有量を100モル%としたときの、ストロンチウム又はタンタルのモル含有量が5モル%以上30モル%以下であることが好ましい。
これらの原子のモル含有量が上記範囲であれば、これを含む表層の摩擦係数を低く維持し、耐磨耗性を著しく向上させることができる。高分子化合物の摩擦係数を低下させ、表層の耐摩耗性を向上させ得る理由として、ストロンチウムやタンタルはシロキサン化合物との反応性が高く、未反応のシロキサン化合物の減少を図り、より緻密な架橋を形成するためと考えられる。
上記高分子化合物のSr化合物は、更に、一般式(8)で示される構成単位を含有し、Si−O−Sr結合に加えて、Si−O−Zr結合及びSr−O−Zr結合を含有することが好ましい。また、Ta化合物は、更に、一般式(8)で示される構成単位を含有し、Si−O−Ta結合に加えて、Si−O−Zr結合及びTa−O−Zr結合を含有することが好ましい。これらの構成単位を有することにより、高分子化合物の摩擦係数が過度に上昇するのを抑制し、表層に高い潤滑性を付与することができる。
Figure 0005627385
上記高分子化合物に含有されるジルコニウムのモル含有量は、ケイ素のモル含有量と、ジルコニウムのモル含有量と、ストロンチルム又はタンタルのモル含有量の合計のモル含有量を100モル%としたとき、30モル%以上であることが好ましい。また、67モル%以下であることが好ましい。
ジルコニウムのモル含有量が上記範囲であれば、高分子化合物の摩擦係数を低下させ、表層の潤滑性を向上させ、現像剤の付着を抑制することができる。ジルコニウムはケイ素と同じ4本の結合手を有することから、高分子化合物中、ケイ素と置換したSi−O−Zr結合を多量に存在させることができ、その摩擦係数の制御が容易となる。
また、ジルコニウムは後述する高分子化合物の形成過程において、シロキサン化合物と酸化ストロンチウムや酸化タンタルとの反応を促進させ、Si−O−Sr結合やSi−O−Ta結合の形成を促進させることができる。このため、未反応のシロキサン化合物の減少を図り、緻密な架橋を形成させ、表層の耐摩耗性を向上させることができる。
上記高分子化合物中のケイ素、ストロンチウム、タンタル、ジルコニウムのモル含有量はNMRを用いて測定した元素分析の測定値によることができる。具体的には、高分子化合物を合成する際に、アルコキシド部位の加水分解に用いる水の10質量%にH2 17Oを用い、NMR(商品名:Avance500、ブルカー・バイオスピン株式会社製)BBO5mmφのプローブを用いる。室温で、17O−NMR測定し、結合状態を把握する。
図4に示すように、70〜200ppmのピークは−Si−O−Sr−結合に由来する。図5に示すように、120ppm〜250ppmのブロードなピークは、−Si−O−Zr−結合に、250ppm〜350ppmのブロードのピークは、OZr4に、350ppm〜450ppmのブロードのピークはOZr3に由来する。図6に示すように、170ppm〜220ppmのピークは、−Si−O−Ta−結合に、380〜470ppmのブロードなピークはOTa2に由来する。これら各ピークの積分比から、例えば、図5から1:1.64:1等として、元素のモル比を求める。
また、Si原子は、NMR(商品名:JMN−EX400NMR、日本電子株式会社製)、FGオートチューンプローブ(商品名:NM−40TH5AT/FG2、日本電子株式会社製)を用い、表1に示す条件で室温での測定値を採用することができる。
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図7に測定結果の一例を示す。66ppm〜72ppmのブロードのピークは、一般式(1)の構造に帰属する。
表層は、上記高分子化合物の他、その機能を阻害しない範囲において、他の樹脂や導電剤、表面に凹凸を形成する粒子等の添加剤を含有していてもよい。他の樹脂として、フェノール樹脂は、硬化後の硬度が高く、硬化前も高粘度にならず、取り扱いが容易なため好ましく用いられる。
導電剤としては、分散性及び電気伝導性に優れることから、特にカーボンブラック、グラファイトが好ましい。導電性のアモルファスカーボンは、特に電気伝導性に優れ、高分子材料に分散されて導電性を付与し、その添加量をコントロールするだけで、ある程度任意の導電度を得ることができるため好適である。また塗料にした場合のチキソ性効果により分散安定性・塗工安定性も良好となる。
このような導電剤を含有する表層の体積抵抗値の目安としては、1010Ω・cm以上1016Ω・cm以下である。
上記表層の厚さの目安としては、0.1μm以上、2.00μm以下、特には0.10μm以上、1.00μm以下である。
また、上記のように表層が結着樹脂や導電剤を含有する場合は、Si−O−Sr結合を有するSr化合物や、Si−O−Ta結合を有するTa化合物は、表層形成用塗料を用いて形成された塗膜中で、その硬化時に表層表面に浮き出し易い。これらの高分子化合物が表層の表面に近傍に偏在することにより、表層は2層構造に近似した構造を有するものとなり、その結果、2層構成と同様の効果が得られる。このような表層においては、膜厚は、7.0μm以上、30.0μm以下であることが好ましい。
表層の膜厚は、以下の測定方法による測定値を採用することができる。
レーザー光にて円筒の外径を測定する寸法測定器(LS5500、株式会社キーエンス製)及びセンサーヘッド(LS−5040T)を用い、スリーブ固定治具及びスリーブ送り機構を取り付けた装置にセンサー部を別途固定して測定する。表層形成前後のスリーブについて、それぞれ長手方向に対し30分割して30箇所、更にスリーブを周方向に90°回転させた後更に30箇所、合計60箇所、温度20℃以上25℃以下、湿度50%RH以上60%RH以下、外径寸法を測定する。表層形成前後のスリーブの測定値の平均値S0、S1から表層の厚さ(S1−S0)を算出する。
[表層の製造方法]
上記表層を製造する方法の一例として、以下の工程(1)〜(3)による方法を挙げる。加水分解及び縮合反応により高分子化合物を調製する工程(1)と、光重合開始剤を添加して表層形成用塗料を調製する工程(2)と、表層形成用塗料の塗膜を形成、硬化する工程(3)を含む方法である。
工程(1)
一般式(13)で示される第1の加水分解性シラン化合物
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一般式(14)で示される第2の加水分解性シラン化合物
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一般式(15)で示される加水分解性ストロンチウム化合物又は一般式(16)で示される加水分解性タンタル化合物
Figure 0005627385
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一般式(17)で示される加水分解性ジルコニウム化合物
Figure 0005627385
以上の加水分解性化合物と水、アルコールを加熱還流させて、加水分解縮合反応の生成物である縮合物として得られる高分子化合物を含有する反応液を得る。ここで、一般式(14)で示される第2の加水分解性シラン化合物と、一般式(17)で示される加水分解性ジルコニウム化合物は任意で用いられる。
一般式(13)中、R34は活性エネルギー線により架橋を形成し得るカチオン重合可能な基を有する一般式(18)〜(21)で示される構造から選ばれる何れかを示す。また、R33は炭素数1〜4のアルキル基を示し、一般式(13)中R33は3つ存在するが、同一化合物においてこれらは同一でも、異なっていてもよい。
Figure 0005627385
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一般式(18)〜(21)中、R42〜R44、R47〜R49、R54、R55、R60およびR61は各々独立して水素、炭素数1〜4のアルキル基、水酸基、カルボキシル基またはアミノ基を示す。R45、R46、R50〜R53、R58、R59およびR64〜R67は各々独立して水素、炭素数1〜4の直鎖状若しくは分岐状のアルキル基を示す。R56、R57、R62およびR63は各々独立して水素、炭素数1〜4のアルコキシ基または炭素数1〜4の直鎖状若しくは分岐状のアルキル基を示す。
また、CR4546、CR5051、CR5253、CR5859、CR6465、CR6667がカルボニル基でもよい。更に、R42、R43、R44、若しくは(CR4546n'中の炭素の少なくともいずれか2つ、R47、R48、R49、若しくは(CR5051m'中の炭素の少なくともいずれか2つは共同してシクロアルカンを形成してもよい。また、R54とR55、または、R60とR61は共同してシクロアルカンを形成してもよい。
n’、m’、l’、q’、s’およびt’は各々独立して1以上、8以下の整数を示す。p’およびr’は各々独立して4以上、12以下の整数を示す。また、*は一般式(13)のケイ素原子との結合位置を示す。n’、m’、l’、q’、s’およびt’は各々独立して1以上、8以下の整数を示し、p’およびr’は各々独立して4以上、12以下の整数を示す。
一般式(13)で示される第1の加水分解性シラン化合物として、具体的には以下のものを用いることができる。
4-(1,2-エポキシブチル)トリメトキシシラン、5,6-エポキシヘキシルトリエトキシシラン、8-オキシラン-2-イルオクチルトリメトキシシラン、8-オキシラン-2-イルオクチルトリエトキシシラン。3-グリシドキシプロピルトリメトキシシラン、3-グリシドキシプロピルトリエトキシシラン、1-(3,4-エポキシシクロヘキシル)エチルトリメトキシシラン。
1-(3,4-エポキシシクロヘキシル)エチルトリエトキシシラン、3-(3,4-エポキシシクロヘキシル)メチルオキシプロピルトリメトキシシラン、3-(3,4-エポキシシクロヘキシル)メチルオキシプロピルトリエトキシシラン。
一般式(14)で示される第2の加水分解性シラン化合物は、加水分解縮合反応において、一般式(13)、一般式(15)又は一般式(16)の加水分解性化合物の溶解性を向上させ、加水分解縮合物の塗工性を向上させ、硬化後の電気特性を向上させ得る。特に、R35がアルキル基の場合、溶解性、塗工性の改善を図り、また、R35がフェニル基の場合は、電気特性、特に体積抵抗率向上に寄与する。
一般式(14)中、R35は炭素数1〜4のアルキル基、またはフェニル基を示し、R36は炭素数1〜6のアルキル基を示す。式中、R36は3つ存在するが、一つの化合物においてこれらは同一でも、異なっていてもよい。また、R35がフェニル基である加水分解性シラン化合物を含む場合、R35がアルキル基を有する加水分解性シラン化合物と併用することが、加水分解縮合反応を通して構造が変化しても溶媒との相溶性が良好であることから、好ましい。
一般式(14)で示される第2の加水分解性シラン化合物として、具体的には以下のものを用いることができる。
メチルトリメトキシシラン、メチルトリエトキシシラン、メチルトリプロポキシシラン、エチルトリメトキシシラン、エチルトリエトキシシラン、エチルトリプロポキシシラン、プロピルトリメトキシシラン、プロピルトリエトキシシラン。プロピルトリプロポキシシラン、ヘキシルトリメトキシシラン、ヘキシルトリエトキシシラン、ヘキシルトリプロポキシシラン、デシルトリメトキシシラン、デシルトリエトキシシラン、デシルトリプロポキシシラン。フェニルトリメトキシシラン、フェニルトリエトキシシラン、フェニルトリプロポキシシラン。
一般式(15)で示される加水分解性ストロンチウム化合物においては、R37は炭素数1〜9のアルキル基を示し、同一式中2つのR37を有するが、これらは同一でも、異なっていてもよい。具体的には、ストロンチウムジイソプロポキシド、ストロンチウムメトキシプロポキシド等を用いることができる。
一般式(16)で示される加水分解性タンタル化合物においては、R38は炭素数1〜9のアルキル基を示し、同一式中5つのR38を有するが、これらは同一でも、異なっていてもよい。具体的には、タンタルペンタイソプロポキシド、タンタルペンタエトキシド等を用いることができる。
一般式(17)で示される加水分解性ジルコニウム化合物においては、R39は炭素数1〜9のアルキル基を示し、同一式中4つのR39を有するが、これらは同一でも、異なっていてもよい。具体的には以下のものを用いることができる。ジルコニウムテトラエトキシド、ジルコニウムテトライソプロポキシド、ジルコニウムテトラn−プロポキシド、ジルコニウムテトラn─ブトキシド、ジルコニウムテトラtert─ブトキシド、ジルコニウムテトラ2エチルヘキソシド。ジルコニウムテトラ2メチル−2ブトキシド等。
これらの一般式(13)、一般式(14)、一般式(15)で示される加水分解性化合物の合計のモル数を100モル%としたとき、一般式(15)で示される加水分解性化合物は5モル%以上、30モル%以下とすることが好ましい。より好ましくは10モル%以上20モル%以下である。同様に、一般式(13)、一般式(14)、一般式(16)で示される加水分解性化合物の合計のモル数を100モル%としたとき、一般式(16)で示される加水分解性化合物は5モル%以上、30モル%以下とすることが好ましい。より好ましくは10モル%以上20モル%以下である。
即ち、Siのモル含有量と、Sr又はTaのモル含有量の合計のモル含有量を100モル%としたとき、Sr又はTaのモル含有量が5モル%以上であると、表面自由エネルギーを低下させる効果、つまり化学的な付着の抑制効果の高い膜が得られる。Sr又はTaのモル含有量が30モル%以下であれば、緻密な膜が得られ、摩擦係数が急激に上昇するのを抑制し、現像剤や外添剤の物理的な付着を抑制することができる。
また、一般式(13)、一般式(14)、一般式(15)、一般式(17)で示される加水分解性化合物の合計のモル数を100モル%としたとき、一般式(17)で示される加水分解性化合物が40モル%以上、30モル%以下であることが好ましい。即ち、Siのモル含有量と、Zrのモル含有量と、Sr又はTaのモル含有量の合計のモル含有量を100モル%としたとき、Zrのモル含有量が40モル%以上であれば、摩擦係数の低下効果、つまり物理的な付着の抑制効果が大きい膜が得られる。
Zrのモル含有量が67モル%以下であれば、SrやTaによる表面自由エネルギー低減の効果が得やすく、結果的に化学的な現像剤の付着が抑制される膜が得られる。Zrの存在により表面自由エネルギーが増大し易いのは、Zr−OHが残存する確率が大きくなることが考えられる。
上記加水分解性化合物の加水分解縮合反応に用いる水(Wモル)は、反応系に存在する上記加水分解性化合物の加水分解部位の全モル数をZモルとしたとき、W/Zが、0.2以上3.0以下となる範囲であることが好ましい。より好ましくは0.4以上2.0以下である。W/Zが0.2以上であれば、縮合反応が十分行われ、未反応のモノマーが残存するのを抑制できる。W/Zが3.0以下であれば、縮合反応を適正に制御し、アルコールとの相溶性を向上させ、一般式(13)中のエポキシ基の開環を抑制し、また、反応生成物の相溶性が低下するのを抑制し、白濁化や沈殿の発生を抑制することができる。
上記加水分解性化合物の加水分解縮合反応に用いるアルコールは、加水分解縮合反応の縮合物を相溶させるために用いられる。第1級アルコール、第2級アルコール、第3級アルコール、第1級アルコールと第2級アルコール又は第1級アルコールと第3級アルコールの混合系を用いることが好ましい。特に、エタノール、メタノールと2−ブタノールの混合系、エタノールと2−ブタノールの混合系が、使用する加水分解性化合物の溶解性がよいことから、好ましい。
加水分解縮合反応は、これらの加水分解性化合物を混合し、適宜加熱して進行させ、反応生成物としての高分子化合物を含有する反応液を得ることができる。
工程(2)
工程(2)は、工程(1)により得られた高分子化合物を含有する反応液に、光重合開始剤を添加して表層形成用塗料を調製する工程である。
光重合開始剤は、得られた縮合物を光照射により効率よく架橋させるものであることが好ましい。光重合開始剤としては、カチオン重合開始剤を用いることが好ましい。例えば、活性エネルギー線によって賦活化されるルイス酸のオニウム塩に対してエポキシ基は高い反応性を示す。よって、上記のカチオン重合可能な基がエポキシ基である場合、カチオン重合開始剤としては、ルイス酸のオニウム塩を用いることが好ましい。その他のカチオン重合開始剤としては、例えば、ボレート塩、イミド構造を有する化合物、トリアジン構造を有する化合物、アゾ化合物、過酸化物が挙げられる。
各種カチオン重合開始剤の中でも、感度、安定性および反応性の観点から、芳香族スルホニウム塩や芳香族ヨードニウム塩が好ましい。特に、ビス(4−tert−ブチルフェニル)ヨードニウム塩や、式(22)で示される構造を有する化合物(商品名:アデカオプトマ−SP150、旭電化工業株式会社製)が好ましい。
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また、式(23)で示される化合物(商品名:イルガキュア261、チバスペシャルティーケミカルズ社製)も好適に用いることができる。
Figure 0005627385
光重合開始剤の使用量は、一般式(13)〜(17)で示される加水分解性化合物から得られる縮合物100質量部に対して、1.0質量部以上、5.0質量部以下の範囲であることが好ましい。光重合開始剤の使用量が1.0質量部以上であれば紫外線による硬化を充分に行うことができ、5.0質量部以下であれば光重合開始剤の縮合反応液への溶解を容易に行うことができる。
光重合開始剤は、表層形成用塗料への相溶性を向上させるため、予めアルコールやケトン等の溶媒、例えば、メタノールやメチルイソブチルケトンに溶解して用いることが好ましい。更に、表層形成用塗料は塗布性を向上させるため、塗工に適した濃度に調整してもよい。用いる溶剤としては、例えば、エタノール、メタノール、2−ブタノール等のアルコールや、酢酸エチルや、メチルエチルケトン、メチルイソブチルケトン等のケトンを挙げることができ、これらは混合して用いることもできる。特に、エタノールと2−ブタノールの混合液、エタノールと2−ブタノールの混合液が好ましい。
表層形成用塗料には、その他導電剤、表面に凹凸を形成する粒子等、必要に応じて添加剤を添加することができる。これらの添加剤は工程(1)により得られた高分子化合物を含有する反応液に添加し、ボールミル、サンドミル、アトライター、ビーズミル等の分散装置や、衝突型微粒化法や薄膜旋回法を利用した分散装置を利用して分散させることができる。
工程(3)
表層形成用塗料を用いて塗膜を形成する塗布方法としては、スプレー塗布、ロールコーターを用いた塗布等の公知の方法を使用することができる。
上記方法により基体上に表層形成用塗料を塗布して形成した塗膜中で、高分子化合物間に架橋を形成する。架橋は、熱硬化や活性エネルギー線照射によることができるが、活性エネルギー線照射により光重合開始剤によって高分子化合物中のエポキシ基を開裂、重合させて形成することが好ましい。
使用する活性エネルギー線としては、紫外線が、低温で光重合開始剤のラジカルを発生させ、架橋反応を進行させることができることから、好ましい。低温で架橋反応を進行させることにより、塗膜から溶剤が急速に揮発するのを抑制し、塗膜に相分離、シワが発生するのを抑制し、基材との密着強度が高い表層を形成することができる。
紫外線の供給源としては、高圧水銀ランプ、メタルハライドランプ、低圧水銀ランプ、エキシマUVランプ等を用いることができ、これらのうち、150nm以上480nm以下の波長の紫外線を供給するものが好ましい。紫外線は、照射時間、ランプ出力、ランプと表面層間の距離によって、供給量を調整して照射することができ、また、照射時間内で紫外線の照射量に勾配をつけることもできる。紫外線の積算光量は、適宜選択することができる。紫外線の積算光量は以下の式から求めることができる。
紫外線積算光量[mJ/cm2]=紫外線強度[mW/cm2]×照射時間[s]
低圧水銀ランプを用いる場合、紫外線の積算光量は、ウシオ電機(株)製の紫外線積算光量計UIT−150−AやUVD−S254(いずれも商品名)を用いて測定することができる。また、エキシマUVランプを用いる場合、紫外線の積算光量は、ウシオ電機(株)製の紫外線積算光量計UIT−150−AやVUV−S172(いずれも商品名)を用いて測定することができる。
本発明の現像剤担持体は、上記基体上に表層を有するものであれば、特に限定されるものではなく、基体と表層間に、結着樹脂と導電剤を含有する下層を有していてもよい。下層に導電剤を有することにより、表層の体積抵抗が低下され、現像剤担持体表面に担持された現像剤を電気的に制御し易くなり、かつ表層への現像剤の静電的付着を抑制することができる。
また、下層が結着樹脂を有することにより導電剤を層中により均一に分布させることができ、現像剤担持体表面の体積抵抗を均一に保つことが可能となる。現像剤担持体と感光体との間隙の振れは、30μm以下が好ましく、20μm以下がより好ましく、10μm以下がさらに好ましい。
[現像装置]
本発明の現像剤担持体を使用した現像装置の一例を図1の概略構成図に示す。図1に示す現像装置は、磁性一成分現像剤を使用する現像装置であり、現像剤を収容するための容器(現像容器503)と、現像容器に貯蔵された現像剤(不図示)を担持搬送する現像剤担持体510を有している。現像剤担持体は、現像スリーブ508上に、基体506と表層507とが順次作製され、現像スリーブ508内に磁石(マグネットローラ)509が配置され、磁性一成分現像剤を表層上に磁気的に付着させかつ保持するようになっている。
現像容器503は、仕切り部材504により第一室514と第二室515に分割されており、現像剤供給部材512を経由して現像剤補給容器(不図示)から磁性一成分現像剤が第一室514に送り込まれる。現像剤は攪拌搬送部材505により攪拌され、現像容器503及び仕切り部材504間の隙間を通過して第二室515に送られる。第二室515中には現像剤が滞留するのを防止するための攪拌搬送部材511が設けられ、現像剤はマグネットローラ509の磁力の作用により現像剤担持体510上に担持される。
磁性一成分現像剤は、磁性現像剤粒子相互間及び現像剤担持体上の表層との摩擦により、感光ドラム501上の静電潜像を現像することが可能な摩擦帯電電荷を得る。現像領域Cに搬送される現像剤の層厚を規制するために、現像剤層厚規制部材としての強磁性金属製の磁性ブレード502が装着されている。
磁性ブレード502は、通常、現像剤担持体510の表面から50μm以上500μm以下の間隙を有して現像剤担持体510に対向するように現像容器503に配置される。マグネットローラ509の磁極N1からの磁力線が磁性ブレード502に集中することにより、現像剤担持体510上に磁性一成分現像剤の薄層が形成される。
なお、この磁性ブレード502に替えて非磁性の現像剤層厚規制部材を使用することもできる。現像剤担持体510上に形成される磁性一成分現像剤の厚みは、現像領域Cにおける現像剤担持体510と感光ドラム501との間の最小間隙よりも薄いものであることが好ましい。
上記現像剤担持体は、上記のような磁性一成分現像剤により静電潜像を現像する方式の現像装置、すなわち非接触型現像装置に組み込むことが有効である。
現像剤担持体510が矢印A方向に回転することにより、現像剤層厚規制部材502により一定厚に形成された現像剤が静電潜像担持体501と対向する現像領域Cへと搬送される。一方、静電潜像を担持する静電潜像担持体(感光ドラム)501は、矢印B方向に回転する。現像剤担持体510には現像バイアス電源513により現像バイアス電圧が印加される。
この現像バイアス電圧として直流電圧を使用するときは、静電潜像の電位と背景部の電位との間の値の電圧を現像剤担持体に印加することが好ましい。現像された画像の濃度を高め、かつ階調性を向上させるためには、現像剤担持体510に交番バイアス電圧を印加し、現像領域Cに向きが交互に反転する振動電界を形成してもよい。この場合には、上記した静電潜像の電位と背景部の電位との中間の値を有する直流電圧成分を重畳した交番バイアス電圧を現像剤担持体510に印加するのが好ましい。
このとき、高電位部と低電位部を有する静電潜像の高電位部に現像剤を付着させて可視化する、いわゆる正規現像の場合には、静電潜像の極性と逆極性に摩擦帯電する磁性一成分現像剤を使用する。高電位部と低電位部を有する静電潜像の低電位部に現像剤を付着させて可視化する、いわゆる反転現像の場合には、静電潜像の極性と同極性に摩擦帯電する磁性一成分現像剤を使用する。
この場合、高電位、低電位というのは、絶対値による表現である。このように現像剤担持体に現像バイアス電圧が印加されることにより、静電潜像担持体501と対向する現像領域Cへと搬送された現像剤は、静電潜像の現像を行う。
図2に、磁性一成分現像剤を使用する現像装置に上記現像剤担持体を適用した他の現像装置を示す。図2の概略構成図に示す現像装置において、現像剤層規制部材516は、ゴム弾性又は金属弾性を有する弾性板、即ち弾性ブレードである。現像剤層規制部材516は、現像剤担持体510に対して、磁性一成分現像剤を介して接触または圧接させてもよい。
現像剤担持体510に対する現像剤層規制部材516の当接圧力は、線圧4.9×10-2N/cm以上4.9×10-1N/cm以下であることが、磁性一成分現像剤を適度に摩擦帯電でき、磁性現像剤層の厚みを好適に規制できる点で好ましい。図1に示すものと同一の符号で示すものは、同じものを示す。
上記現像剤担持体を適用した非磁性一成分現像剤を用いる現像装置を図3の概略構成図に示す。図3に示す現像装置は、静電潜像を担持する感光ドラム501は、矢印B方向に回転される。現像剤担持体としての現像スリーブ808は、基体(金属製円筒管)506とその表面に形成される表層507から構成されている。非磁性一成分現像剤を用いているので基体506の内部には磁石は内設されていない。基体506として金属製円筒管に替えて円柱状部材を用いることもできる。現像容器503内には非磁性一成分現像剤518を撹拌搬送するための撹拌搬送部材511が設けられている。
現像スリーブ508に現像剤518を供給し、かつ現像後の現像スリーブ508の表面に残存する現像剤518を剥ぎ取るための現像剤供給・剥ぎ取り部材517が現像スリーブ508に当接して設けられる。現像剤供給・剥ぎ取り部材(現像剤供給・剥ぎ取りローラ)517が現像スリーブ508と同じ方向に回転することにより、これらのローラが対向する部分において、その表面は相互に反対方向に移動する。これにより、現像容器503内で非磁性一成分現像剤518は、現像剤スリーブ508に供給される。
現像スリーブ508は、供給された非磁性一成分現像剤を担持して、矢印A方向に回転することにより、現像スリーブ508と感光ドラム501とが対向した現像領域Cに非磁性一成分現像剤を搬送する。現像スリーブ508に担持されている非磁性一成分現像剤は、現像スリーブ508の表面に対して現像剤層を介して圧接する現像剤層厚規制部材511によりその厚みが規定される。非磁性一成分現像剤518は現像スリーブ508との摩擦により、感光ドラム501上の静電潜像を現像するのに十分な摩擦帯電をする。なお、煩雑を避けるため、非接触型現像装置を例にとって、以下、説明を行う。
現像スリーブ508には、現像バイアス電源513より現像バイアス電圧が印加される。この現像バイアス電圧として直流電圧を使用するときは、静電潜像の電位と背景部の電位との間の値の電圧が現像スリーブ508に印加されることが好ましい。現像画像の濃度を高めたり、階調性を向上させたりするために、現像スリーブ508に交番バイアス電圧を印加して、現像領域Cに向きが交互に反転する振動電界を形成してもよい。この場合、上記静電潜像の電位と背景部の電位間の値を有する直流電圧成分が重畳された交番バイアス電圧を現像スリーブ508に印加することが好ましい。
高電位部と低電位部を有する静電潜像の高電位部に現像剤を付着させて可視化するいわゆる正規現像では、静電潜像の極性と逆極性に摩擦帯電する非磁性一成分現像剤を使用する。静電潜像の低電位部に現像剤を付着させて可視化するいわゆる反転現像では、静電潜像の極性と同極性に摩擦帯電する非磁性一成分現像剤を使用する。高電位と低電位というのは、絶対値による表現である。いずれにしても、非磁性一成分現像剤518は現像スリーブ508との摩擦により静電潜像を現像するための極性で摩擦帯電する。
現像剤供給・剥ぎ取り部材517としては、弾性ローラ、ベルト部材またはブラシ部材を用いることができる。現像剤供給・剥ぎ取り部材として弾性ローラからなる現像剤供給・剥ぎ取りローラ517を用いる場合には、現像剤供給・剥ぎ取りローラ517の回転方向は現像スリーブに対して適宜同方向若しくは反対方向を選択することができる。通常、反対方向に回転することが、剥ぎ取り性及び供給性の点でより好ましい。
現像スリーブ508に対する現像剤供給・剥ぎ取り部材517の侵入量は、0.5mm以上2.5mm以下であることが、現像剤の供給及び剥ぎ取り性の点で好ましい。現像剤層厚規制部材はウレタンゴム、シリコーンゴム等のゴム弾性を有する材料、またはリン青銅、ステンレス銅等の金属弾性を有する材料の弾性ブレードを使用することができる。この現像剤層厚規制部材(弾性ブレード)516は、現像スリーブ508の回転方向と逆の姿勢で現像スリーブ508に圧接されている。
現像剤層厚規制部材516として、特に安定した規制力と現像剤への安定した(負)摩擦帯電付与性のために、安定した加圧力の得られるリン青銅板表面にポリアミドエラストマー(PAE)を貼り付けた構造のものを用いることが好ましい。ポリアミドエラストマー(PAE)としては、ポリアミドとポリエーテルの共重合体が挙げられる。
現像スリーブ508に対する現像剤層厚規制部材516の当接圧の目安としては、線圧4.9×10-2N/cm以上4.9×10-1N/cm以下である。
現像剤担持体表面、すなわち表層表面の粗さの目安は、JIS B0601−2001に規定の算術平均粗さ(Ra)で0.15μm以上3.00μm以下である。
図1に示す磁性現像剤を用い、現像剤層厚規制部材として現像剤担持体と間隙をもって配置された磁性ブレードを有するような現像装置では、Raが0.15μm以上2.50μm以下程度であることが好ましい。表面粗さがこの範囲であると良好な現像特性が得られる。
図2、図3に示す現像剤規制ブレードが現像剤担持体に圧接して用いられる現像装置の場合には、表層の表面粗さRaの目安は、0.30μm以上3.00μm以下である。表面粗さRaは、JIS B0601−2001に準拠する表面粗さ測定器(商品名:サーフコーダSE−3500、株式会社小坂研究所製)にて、軸方向3箇所、周方向3箇所の計9箇所について測定し、その平均値を採用することができる。測定条件は、カットオフ0.8mm、測定距離8.0mm及び送り速度0.5mm/secとする。
[現像剤]
本発明の現像剤担持体を適用した現像装置において使用する現像剤は、使用する現像装置に応じて選択することができるが、磁性一成分系の現像装置を用いることが好ましい。かかる現像剤は、重量平均粒径が4μm以上9μm以下の範囲にあることが好ましい。上記範囲の現像剤を使用することで、現像剤の摩擦帯電量の適性化を図ることができ、画質及び画像濃度がバランスのとれたものとなる。
現像剤に用いる結着樹脂としては、例えば、ビニル系樹脂、ポリエステル樹脂、ポリウレタン樹脂、エポキシ樹脂、又はフェノール樹脂が挙げられる。この中でもビニル系樹脂又はポリエステル樹脂が好ましい。摩擦帯電特性を向上させる目的で、荷電制御剤を現像剤粒子に包含させる(内添)、又は現像剤粒子と混合して用いる(外添)ことができる。荷電制御剤を添加することで、現像システムに応じた摩擦帯電量の制御を図ることができる。
現像剤が、磁性現像剤である場合、磁性材料としては、マグネタイト、マグヘマイト、又は、フェライト等の酸化鉄系金属酸化物等を用い得る。現像剤に配合する着色剤としては、顔料、又は染料を使用することが可能である。現像剤には離型剤を配合することが好ましい。さらに、現像剤には、環境安定性、帯電安定性、現像性、流動性、保存性向上及びクリーニング性向上のために、シリカ、酸化チタン、又はアルミナ等の無機微粉体を外添することが好ましい。中でも、シリカ微粉体がより好ましい。
以下に、具体的な実施例を挙げて本発明を更に詳細に説明する。
[現像剤Z−1の製造]
以下の材料を混合機(商品名:ヘンシェルミキサー、三井鉱山株式会社製)で前混合した後、二軸混練押し出し機によって、溶融混練した。このとき、混練された樹脂の温度が150℃になるように滞留時間をコントロールした。
ハイブリッド樹脂 100質量部
(ビスフェノールAプロピレンオキサイド付加物、ビスフェノールAエチレンオキサイド付加物、テレフタル酸、コハク酸誘導体、トリメリット酸、スチレン、2−エチルヘキシルアクリレート、アクリル酸;ガラス転移温度:59℃、軟化点:130℃)
磁性体(重量平均粒径:0.15μm) 65質量部
ワックス 4質量部
(フィッシャートロプシュワックス、融点105℃、数平均分子量1500、重量平均分子量2500)
得られた混練物を冷却し、ハンマーミルで粗粉砕した。使用した粉砕機は、商品名ターボミル(ターボ工業株式会社製)で、回転子及び固定子の表面を炭化クロムを含有したクロム合金で、厚150μm、表面硬さHV1050にめっきしたものである。得られた微粉砕粉末をコアンダ効果を利用した多分割分級装置(商品名:エルボジェット分級機、日鉄鉱業株式会社製)を用いて分級し、重量平均粒径6.1μm、円形度が0.940の負摩擦帯電性の磁性現像剤粒子を得た。
磁性現像剤粒子100質量部に対し、疎水性シリカ微粉末1.0質量部、及びチタン酸ストロンチウム(平均粒径1.2μm)3.0質量部を外添混合し目開き150μmのメッシュで篩い、負摩擦帯電性の磁性現像剤Z−1を得た。疎水性シリカ微粉末はBET140m2/g、ヘキサメチルジシラザン(HMDS)30質量部及びジメチルシリコーンオイル10質量部でシリカ微粉体100質量部を疎水化処理したものである。
[現像剤Z−2の製造]
以下のものを含む混合物を還流(温度:146 ℃〜156 ℃)しているクメン200部中に4時間かけて滴下し、クメン還流下で溶液重合を完了させ、減圧下で200℃まで昇温させながらクメンを除去した。
スチレン 68質量部
ブチルアクリレート 14質量部
モノブチルマレート 10質量部
ジ−tert−ブチルパーオキサイド 0.8質量部
得られたスチレン−アクリル系共重合体30部を、下記の混合物中に溶解し混合溶液とした。
スチレン 48質量部
ブチルアクリレート 22質量部
モノブチルマレート 2質量部
ジビニルベンゼン 0.4質量部
ベンゾイルパーオキサイド 0.7質量部
tert−ブチルパーオキシ−2−エチルヘキサノエート 0.7質量部
上記混合溶液に、ポリビニルアルコール部分ケン化物0.15部を溶解した水170質量部を加え、激しく撹拌しながら懸濁分散液とした。更に、水100質量部を加え、窒素雰囲気に置換した反応器に懸濁分散液を添加し、約80℃で8時間重合した。重合終了後、濾別し、充分に水洗して後、脱水乾燥し、結着樹脂Bを得た。
上記混合物をヘンシェルミキサーで前混合した後、115℃に加熱された2軸エクストルーダで溶融混練し、冷却した混練物をハンマーミルで粗粉砕して現像剤粗粉砕物を得た。
結着樹脂B
(Tg:63.0℃、重量平均分子量:13200) 100質量部
磁性体(重量平均粒径:0.20μm) 95質量部
モノアゾ鉄錯体(商品名:T−77、保土谷化学工業株式会社製) 1.5質量部
パラフィン(融点:76℃) 4質量部
得られた現像剤粗粉砕物を、ターボミルを用いて、機械的に微粉砕し、コアンダ効果を利用したエルボジェット分級機で微粉及び粗粉を同時に分級除去した。以上の工程を経て、コールターカウンター法で測定される重量平均粒径(D4)6.5μm、平均円形度が0.945の負帯電性現像剤粒子を得た。
この現像剤粒子100質量部と、ヘキサメチルジシラザン処理し、次いでジメチルシリコーンオイル処理を行った疎水性シリカ微粉体1.2質量部とを、ヘンシェルミキサーで混合して負帯電性現像剤Z−2を調製した。
[現像剤Z−3の製造]
下記の手順によって重合法現像剤を作製した。60℃に加熱したイオン交換水900部に、リン酸三カルシウム3部を添加し、攪拌機(商品名:TK式ホモミキサー、特殊機化工業株式会社製)を用いて、10,000rpmにて撹拌し、水系媒体を作製した。下記物質をホモジナイザーに投入し、60℃に加熱した後、TK式ホモミキサーを用いて、8,000rpmにて攪拌し、分散した。
スチレン 130質量部
n−ブチルアクリレート 60質量部
C.I.ピグメントブルー15:3 17質量部
サリチル酸アルミニウム化合物 3質量部
(商品名:ボントロンE−88、オリエント化学株式会社製)
ポリエステル樹脂 15質量部
(プロピレンオキサイド変性ビスフェノールAとイソフタル酸との重縮合物、Tg=65℃、Mw=10000、Mn=6000)
ステアリン酸ステアリルワックス 40質量部
(DSCのメインピーク60℃)
ジビニルベンゼン 0.5質量部
これに重合開始剤2,2'-アゾビス(2,4―ジメチルバレロニトリル)5質量部を溶解し、重合性単量体組成物を調製した。前記水系媒体中に上記重合性単量体組成物を投入し、温度60℃、窒素雰囲気下において、TK式ホモミキサーを用いて8,000rpmで攪拌し、造粒した。その後、プロペラ式攪拌装置を備えた反応容器に移して攪拌しつつ、2時間かけて70℃に昇温し、更に4時間後、昇温速度40℃/Hrで80℃まで昇温し、温度80℃で5時間反応を行い、重合体粒子を製造した。
重合反応終了後、重合体粒子を含むスラリーを冷却し、スラリーの10倍の水量で洗浄し、ろ過、乾燥の後、分級によって粒子径を調整してシアン現像剤の母体粒子(重量平均粒径6.5μm、平均円形度0.970)を得た。
この現像剤母体粒子100質量部に対し、ヘキサメチレンジシラザンで表面処理された疎水性シリカ微粉体1.0質量部(平均一次粒径7nm)、ルチル型酸化チタン微粉体0.18質量部(平均一次粒径45nm)、ルチル型酸化チタン微粉体0.5質量部(平均一次粒径200nm)をヘンシェルミキサーで5分間乾式混合して、平均円形度0.970の非磁性一成分現像剤としての現像剤Z−3を得た。
[現像剤担持体]
用いた材料を以下に挙げる。
導電性粒子1:グラファイト(商品名CSP、日本黒鉛株式会社製)
導電性粒子2:カーボンブラック(商品名:トーカブラック#5500、東海カーボン株式会社製)
樹脂A:レゾール型フェノール樹脂(商品名:J−325CA、DIC株式会社製)
樹脂B(結着樹脂2):ポリオール(商品名:ニッポラン5037、日本ポリウレタン工業株式会社製)と、硬化剤(商品名:コロネートL、日本ポリウレタン工業製)を質量比10:1で配合したもの
凹凸付与粒子:分級したフェノール樹脂粒子(商品名:ベルパールRタイプ、エア・ウォーター株式会社製)体積平均粒径:7.0μm
ここで、導電性粒子、凹凸付与粒子、金属酸化物粒子の導電性粒子の体積平均粒径は、以下の測定方法による測定値を採用した。レーザー回折型粒度分布計 (商品名:コールターLS−230型粒度分布計、ベックマン・コールター株式会社製)を用いた。測定方法としては、少量モジュールを用い、測定溶媒としてはイソプロピルアルコール(IPA)を使用した。
まず、IPAにて粒度分布計の測定系内を5分間洗浄し、洗浄後バックグラウンドファンクションを実行した。次に、IPA50ml中に、測定試料1mg以上25mg以下を加えて懸濁した溶液を超音波分散機で3分間分散処理し、被験試料液を得た。そして、測定装置の測定系内に被験試料液を徐々に加えて、装置の画面上のPIDS(偏光散乱強度差)が45%以上55%以下になるように測定系内の試料濃度を調整して測定を行い、体積分布から算出した体積平均粒径を求めた。
[縮合物中間体C−1]
表2に示す材料を300mlのナスフラスコにフットボール型攪拌子(全長45mm×径20mm)と共に入れ、室温で、回転数500rpm1分間スターラー上で攪拌し、混合した。
Figure 0005627385
更にスターラーの回転数を900rpmに変更し、イオン交換水(pH=5.5)11.95gを滴下しながら添加した。合成時の固形分は、28.00質量%であった。温度暴走防止機構付きスターラー上に、温度120℃に設定したオイルバスを設置し、このオイルバス中に上記フラスコを置き、回転数750rpmとした。フラスコ内容物は20分後に温度120℃に到達し、20時間加熱還流を行うことによって、縮合物中間体C−1を得た。
[縮合物中間体C−1〜C−5]
表3に示す原料を用いた他は縮合物中間体C−1と同様にして縮合物中間体C−1〜C−5を得た。
[縮合物中間体C−6]
縮合物中間体C−6はシリコンエポキシワニス(商品名:ES−1001N、信越シリコーン株式会社製)をそのまま使用した。
Figure 0005627385
表中の符号は、以下のものを示す。
GPTMS:3−グリシドキシプロピルトリメトキシシラン(KBM−403、信越化学工業株式会社製)
ECHETMS:2−(3,4-エポキシシクロヘキシル)エチルトリメトキシシラン(KBM−303、信越化学工業株式会社製)
APTMS:3−アクリロキシプロピルトリメトキシシラン(KBM−5103、信越化学工業株式会社製)
GPMDES:3-グリシドキシプロピルメチルジエトキシシラン(KBM−402、信越化学工業株式会社製)
HeTMS:ヘキシルトリメトキシシラン(KBM−3063、信越化学工業株式会社製)
[表層形成用塗料G−1の調製]
下記材料を50mlのナスフラスコに入れ、室温で3時間攪拌して最終的な縮合物S−1を合成した。
縮合物中間体C−110.70g
加水分解性ストロンチウム化合物としてストロンチウムメトキシプロポキシド(SrMPr)(商品名:AKS793、Gelest Inc製、メトキシプロパノール中の濃度20%)16.28g(0.011mol)
加水分解性ジルコニウム化合物としてジルコニウムイソプロポキシド(ZriPr)(商品名:AKZ955、Gelest Inc製、ヘプタン中の濃度75%)14.05g(0.032mol)
次いで、光カチオン重合開始剤としての芳香族スルホニウム塩(商品名:アデカオプトマーSP−150、旭電化工業株式会社製)を、メタノールで濃度が10%となるように希釈した。更に縮合物S−1の50g分の固形分100質量部に対して、光カチオン重合開始剤3.0質量部となるように、メタノール10%希釈開始剤を添加した後、メタノールで調整し固形分20%の表層形成用塗料G−1を調製した。

[表層形成用塗料G−2〜G−60]
表4に示す材料を用いた他は、表層形成用塗量G−1と同様にして表層形成用塗料G−2〜G−60を調製した。
Figure 0005627385
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[実施例1]
表層形成用塗布液と以下のものとメタノールとを加え固形分40%に調整し、これをサンドミル(商品名:サンドグラインダーLSG−4U−08、アイメックス株式会社製)(直径1mmのガラスビーズをメディア粒子として使用)で2時間分散した。
樹脂A 167質量部(固形分100質量部)
導電性粒子1 30質量部
導電性粒子2 10質量部
表層形成用塗布液G−1 20質量部(固形分4質量部)
凹凸付与粒子 20質量部
篩を用いてガラスビーズを分離した後、固形分濃度が33%になるようにメタノールを添加して、塗料を得た。
基体として、上下端部にマスキングを施した外径32.0mmφで算術平均粗さRa0.2μmの研削加工したアルミニウム製円筒管を準備した。この基体を垂直に立てて、一定速度で回転させ、前記塗料を、スプレーガンを一定速度で下降させながら塗布した。
続いて、熱風乾燥炉中で温度150℃、30分間加熱して塗膜を硬化・乾燥し、その後、現像剤担持体を回転させながら塗膜に254nmの波長の紫外線を積算光量が9000mJ/cm2になるように照射し、現像剤担持体T1−1を作製した。紫外線の照射には、ハリソン東芝ライティング(株)製の低圧水銀ランプを用いた。24.5mmφの基体でも同様に現像剤担持体を作製し、現像剤担持体T1−2とした。
得られた現像剤担持体について、表層の膜厚、構造、表面粗さを測定し、画像評価を以下のように行った。結果をそれぞれ表5〜7に示す。
[画像評価]
感光体としてアモルファスシリコンドラム、ツイン現像剤担持体システム使用のデジタル複写機(商品名:imagePRESS 1135、キヤノン株式会社製)(図1)を使用した。現像器に現像剤担持体T1−1とT1−2を組み込み、スリーブ-ドラム間距離を240μmとし、現像剤Z−1を使用した。複写環境は、高温高湿環境(温度30℃,湿度80%RH)、常温常湿環境(温度23℃,湿度50%RH)及び常温低湿環境(温度23℃,湿度5%RH)とし、各環境下で印字比率2.5%のテストチャートを用いて500万枚の連続プリントを行った。
[画像濃度]
印字比率5.5%のテストチャートを画像出力して得られたコピー上のφ5mmベタ黒丸部のコピー画像濃度を、反射濃度計(商品名:RD918、マクベス社製)により反射濃度測定を行い、その10点の平均値を画像濃度とした。またその際、耐久前後の濃度低下率(%)も同時に記載し、連続プリント後に濃度が上昇した場合は、負の値で表記した。
[スリーブ汚染]
連続プリント後の表層表面をエアーガンで清掃し肉眼で観察すると共に、超深度形状測定顕微鏡(商品名:VK-8500、株式会社キーエンス製)を用いた200倍でも観察し、現像剤汚染の程度を以下の基準にて評価した。
A:ほとんど汚染が観察されない。肉眼でも200倍でも汚染が観察されない。
B:肉眼では観察できないが、200倍で観測できる軽微な汚染が部分的に発生している。
C:肉眼では観察できないが、200倍で観測できる軽微な汚染が全体的に発生している。
D:肉眼でもはっきり観察できる融着が部分的に発生している。
E:肉眼でもはっきり観察できる融着が全面に発生している。
[表層の耐摩擦性]
連続プリント前後の現像剤担持体の外径差を、表層の削れ量とし、その平均値を全体の削れ量とした。連続プリント後の測定に当たっては、測定には温度23℃、湿度50%RHの常温常湿(N/N)における連続プリントを行った現像剤担持体の表面をMEKで洗浄して使用した。
[表層の表面粗さ]
連続プリント前後に現像剤担持体表面の算術平均粗さRaを測定した。連続プリント後の測定に当たっては、測定には温度23℃、湿度50%RHの常温常湿(N/N)における連続プリントを行った現像剤担持体の表面をMEKで洗浄して使用した。
[実施例2、3、比較例1〜4]
表5に示す表層用塗料を用いた他は、実施例1と同様にして、現像剤担持体を調製し、表層の膜厚、構造を測定し、画像評価を行った。結果を表5〜7に示す。
実施例3においては、基体と表層間に下層を作製した。下層は、表層用塗布液G−1を使用しない他は、実施例1の表層の作製と同様に作製し、表層用塗布液をG−3を用いて膜厚を0.5μmとした他は、実施例1と同様に表層を作製し、現像剤担持体を調製した。比較例4は、表層用塗料G−54を用い、紫外線照射を行わなかった他は実施例1と同様に現像剤担持体を調製した。
ここで、実施例3の表層の膜厚は、以下の方法を用いて測定した。現像剤担持体T3−1の表面を直接ESCAによるAr+イオンスパッタにより厚み方向分析を行った。装置は、ESCA(商品名:Quantum2000アルバックファイ株式会社製)を用い、以下の条件で測定した。
X線;モノクロAl kα、25w15kV100μm
pass energy;23.5eV、step width ; 0.1eV
試料傾斜角;45、
Ar+スパッタ;4kV、2×2mm2 、6sec/cycle (スパッタ速度;30nm/min. SiO2
解析法;Si2pピーク強度が変化しなくなった深さまでを膜厚とした。
Figure 0005627385
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結果から、比較例においては、表層の削れ量が大きく、画像濃度の低下、スリーブの汚染が見られたのに対し、実施例では連続プリント後においても、良好な画像が得られ、耐久性に優れることが分かる。
[実施例4〜28、比較例5〜7]
導電性粒子1の使用量を60質量部、凹凸付与粒子の使用量を30質量部に変更し、固形分2質量部の表層用塗布液を表8に示すように変更し、固形分33%の塗料を用い、外径20.0mmの基体を用いた。塗料は温度28℃の恒温槽に保持し、温度30℃/湿度35%RH下で塗工を行った他は、実施例1と同様に表層を作製した。得られた現像剤担持体について、表層の膜厚、構造、表面粗さを実施例1と同様に測定し、画像評価の対象とする画像形成は以下のように行った。結果を表8〜11に示す。
[画像評価]
得られた現像剤担持体にマグネットローラを組み付け、これを市販のレーザービームプリンタ(商品名:LASER JET4350、日本ヒューレットパッカード株式会社製)(図2)用の純正カートリッジに組み込んだ。現像剤Z−2を使用し、1枚/10秒の間欠モードで印字比率1.0%のテストチャートを用いて5万枚の画出し(耐久)を、それぞれ常温常湿、低温低湿、高温高湿の環境下で行った。プリント途中の100枚目(初期)と2万枚目の画像について、実施例1と同様に評価を行った。
Figure 0005627385
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結果から、比較例5においては、スリーブが汚染され、比較例6、7においては、表層の削れ量が大きく、画像濃度が低下し、スリーブの汚染が見られたが、実施例では連続プリント後においても、良好な画像が得られ、耐久性に優れることが分かる。
[実施例29〜51、比較例8、9]
導電性粒子1の使用量を40質量部、凹凸付与粒子の使用量を5質量部に変更し、固形分8質量部の表層用塗布液を表12に示すように変更し、固形分33%の塗料を用い、外径12.0mmの基体を用いた。塗料は温度28℃の恒温槽に保持し、温度30℃/湿度35%RH下で塗工を行った他は、実施例1と同様に表層を作製した。得られた現像剤担持体について、表層の膜厚、構造、表面粗さを実施例1と同様に測定し、画像評価の対象とする画像形成は以下のように行った。結果を表12〜15に示す。
比較例9において紫外線照射を行わなかった他は、実施例29と同様にして、現像体担持体を調製した。
[画像評価]
得られた現像剤担持体にマグネットローラを組み付け、これを市販のレーザービームプリンタ(商品名:レーザーショットLBP5000、キヤノン株式会社製)(図3)用の純正カートリッジに組み込んだ。現像剤Z−3を使用し、1枚/10秒の間欠モードで印字比率1.0%のテストチャートを用いて3万枚の画出し(耐久)を、プリント3000枚毎に現像剤を補給しつつ継続して行い、それぞれ常温常湿、低温低湿、高温高湿の環境下で行った。プリント途中の100枚目(初期)と3万枚目の画像について、実施例1と同様に評価を行った。
Figure 0005627385
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結果から、比較例においては、表層の削れ量が大きく、画像濃度の低下、スリーブの汚染が見られたのに対し、実施例では連続プリント後においても、良好な画像が得られ、耐久性に優れることが分かる。
506 基体
507 表層
510 現像剤担持体

Claims (5)

  1. 基体と表層とを有する現像剤担持体であって、該表層は、Si−O−Sr結合を有する高分子化合物又はSi−O−Ta結合を有する高分子化合物を含み、該高分子化合物が、一般式(1)で示される構成単位及び一般式(2)で示される構成単位を有する化合物、又は一般式(1)で示される構成単位及び一般式(3)で示される構成単位を有する化合物であることを特徴とする現像剤担持体:
    Figure 0005627385
    Figure 0005627385
    Figure 0005627385
    (一般式(1)中、R1およびR2は各々独立して一般式(4)〜(7)のいずれかを示す。
    Figure 0005627385
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    Figure 0005627385
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    (一般式(4)〜(7)中、R3〜R7、R10〜R14、R19、R20、R25およびR26は各々独立して水素、炭素数1〜4のアルキル基、水酸基、カルボキシル基またはアミノ基を示す。R8、R9、R15〜R18、R23、R24およびR29〜R32は各々独立して水素または炭素数1〜4のアルキル基を示す。R21、R22、R27およびR28は各々独立して水素、炭素数1〜4のアルコキシ基、または炭素数1〜4のアルキル基を示す。n、m、l、q、sおよびtは各々独立して1以上、8以下の整数を示す。pおよびrは各々独立して4以上、12以下の整数を示す。xおよびyは各々独立して0又は1を示す。*は一般式(1)中のケイ素原子への結合部位を示し、**は酸素原子への結合部位を示す。))
  2. 前記高分子化合物における、ケイ素のモル含有量と、ストロンチウムまたはタンタルのモル含有量との合計のモル含有量を100モル%としたとき、ストロンチウムまたはタンタルのモル含有量が5モル%以上、30モル%以下である請求項1に記載の現像剤担持体。
  3. 前記高分子化合物が、Si−O−Zr結合及びSr−O−Zr結合を含有するか、または、Si−O−Zr結合及びTa−O−Zr結合を含有し、該高分子化合物が、一般式(8)で示される構成単位を有する請求項1又は2記載の現像剤担持体。
    Figure 0005627385
  4. 一般式(1)のR1、R2が各々独立して一般式(9)〜(12)で示される構成単位のいずれかを示す請求項1乃至3のいずれかに記載の現像剤担持体:
    Figure 0005627385
    Figure 0005627385
    Figure 0005627385
    Figure 0005627385
    (一般式(9)〜(12)において、N、M、L、Q、SおよびTは各々独立して1以上、8以下の整数を示す。x’およびy’は各々独立して0又は1を示す。*は一般式(1)中のケイ素原子への結合位置を示し、**は酸素原子への結合位置を示す。)
  5. 前記高分子化合物における、ケイ素のモル含有量と、ジルコニウムのモル含有量と、ストロンチウムまたはタンタルのモル含有量との合計のモル含有量を100モル%としたとき、ジルコニウムのモル含有量が30モル%以上、67モル%以下である請求項3又は4に記載の現像剤担持体。
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