JP3659293B2 - 導電性部材及び画像形成装置 - Google Patents

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、複写機、レーザープリンター等の電子写真装置、あるいは、インクジェットプリンター、トナージェットプリンター、熱転写プリンター、熱昇華プリンター、インパクトプリンター等の画像形成装置で使用されるベルト、ローラ、ドラム、ブレード等の導電性部材に関する。
【0002】
【従来の技術】
従来、複写機、プリンター等の画像形成装置には、帯電、現像、転写、中間転写、トナー層形成、トナー搬送、トナー攪拌、クリーニング、定着、紙搬送等にベルト、ローラ、ドラム、ブレード等の部材が使用されている。
【0003】
これらの部材は、多くの場合、軟らかさが要求され、導電性を有するゴム状弾性体やフォーム体を必要に応じて金属、繊維状物或いは樹脂成型体と積層或いは複合して形成されている。更に、用途等に応じて、これらのゴム状弾性体やフォーム体の表面に、感光体の汚染防止、トナー付着防止、トナーの帯電制御、抵抗調整、摩擦係数の制御等の種々の目的で樹脂からなる被覆層を形成する場合が多い。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、この被覆層を形成する樹脂は、ゴム等と比較して遥かに硬く、ゴム等の弾性変形に良好に追随し得ず、ベルトやローラ等とした場合、被覆層に割れが生じ、その結果、その割れ目からゴム等の配合剤が滲み出たり、割れ目にトナーが付着したり、摩擦係数が変わったりして、早期に所期の目的を達せなくなってしまう。特に、ベルト状あるいは円筒ドラム状の部材の場合は、他の部材と比較して大きな変形が要求され、被覆層の寿命が問題になっている。この場合、比較的良好な柔軟性を有するポリウレタン樹脂で被覆層を形成することが考えられるが、ポリウレタン樹脂の場合ゴム等の弾性変形に対する追随性は良好であるものの感光体汚染防止、トナー付着防止、摩擦係数の低減化等の性能が不十分で、被覆層本来の目的を十分に達成することができない。
【0005】
本発明は、上記事情に鑑みなされたもので、複写機、プリンター等の画像形成装置に用いられるゴム等を用いた弾性部材で、ゴム等の弾性変形に十分追随し高耐久寿命で、かつ感光体の汚染防止、トナー付着防止、トナーの帯電制御、摩擦係数の制御等の機能を有する被覆層を持つ導電性部材、及び該導電性部材を用いた画像形成装置を提供することを目的とする。
【0006】
【課題を解決するための手段及び発明の実施の形態】
本願発明者は、上記目的を達成するため鋭意検討を重ねた結果、ポリアミン化合物をポリイソシアネート化合物と反応させて硬化させたポリウレア樹脂は、感光体の汚染防止、トナー付着防止、トナーの帯電制御、抵抗調整、摩擦係数の制御等の被覆層としての好適な機能を有し、しかもゴムの変形に十分追随して良好な耐久性を発揮し得、特にこのポリウレア樹脂を用いた被覆層をポリアミン化合物の良溶媒で抽出したときの可溶部が被覆層の30%以下である場合には、感光体の汚染、トナーの汚染や凝集、被覆層の磨耗、摩擦係数の増大などといった不都合の発生をより効果的に防止し得、画像形成装置に用いられる導電性部材の被覆層として好適な被覆層を構成し得ることを見い出し、本発明を完成したものである。
【0007】
従って、本発明は、導電性弾性層と、該導電性弾性層上に被覆形成された被覆層とを具備し、該被覆層が、ポリアミン化合物をポリイソシアネート化合物と反応させて硬化させたポリウレア樹脂を含有するものであり、かつ該被覆層をポリアミン化合物の良溶媒で抽出したときの可溶部が被覆層の30%以下であることを特徴とする導電性部材を提供する。
【0008】
以下に本発明について更に詳しく説明する。
本発明の導電性部材は、導電性弾性層上に、ポリアミン化合物をポリイソシアネート化合物と反応させて硬化させたポリウレア樹脂からなる被覆層を形成したものである。
【0009】
上記導電性弾性層としては、特に制限はなく、適宜な弾性材料に導電剤を添加して導電性を付与した弾性体が用いられる。弾性材料としては特に限定されないが、ニトリルゴム、エチレンプロピレンゴム、スチレンブタジエンゴム、ブタジエンゴム、イソプレンゴム、天然ゴム、シリコーンゴム、ウレタンゴム、アクリルゴム、クロロプレンゴム、ブチルゴム、エピクロルヒドリンゴム等が例示され、これらの1種又は2種以上の混合ゴムを用いることができ、特に、ニトリルゴム、ウレタンゴム、アクリルゴム、エピクロルヒドリンゴム及びそれらとエチレンプロピレンゴム等、他のゴム材料とのブレンド物が、被覆層を形成するポリウレア樹脂との接着性が良いため好ましく用いられる。
【0010】
この導電性弾性層は、通常導電剤を添加することにより導電性が付与又は調整され、この場合導電剤としては、イオン導電剤および電子導電剤がある。イオン導電剤の例としては、テトラエチルアンモニウム,テトラブチルアンモニウム,ラウリルトリメチルアンモニウム,ステアリルトリメチルアンモニウム,オクタデシルトリメチルアンモニウム,ドデシルトリメチルアンモニウム,ヘキサデシルトリメチルアンモニウム,ベンジルトリメチルアンモニウム,変性脂肪酸ジメチルエチルアンモニウム等の過塩素酸塩、塩素酸塩、塩酸塩、臭素酸塩、ヨウ素酸塩、ホウフッ化水素酸塩、硫酸塩、エチル硫酸塩、カルボン酸塩、スルフォン酸塩等のアンモニウム塩;リチウム,ナトリウム,カルシウム,マグネシウム等のアルカリ金属あるいはアルカリ土類金属の過塩素酸塩、塩素酸塩、塩酸塩、臭素酸塩、ヨウ素酸塩、ホウフッ化水素酸塩、トリフルオロメチル硫酸塩、スルフォン酸塩等が挙げられる。
【0011】
また、電子導電剤として具体的には、ケッチェンブラック、アセチレンブラック等の導電性カーボン;SAF、ISAF、HAF、FEF、GPF、SRF、FT、MT等のゴム用カーボン;酸化処理を施したインク用カーボン、熱分解カーボン、グラファイト;酸化スズ、酸化チタン、酸化亜鉛等の導電性金属酸化物;ニッケル、銅等の金属等を例示することができる。
【0012】
これらの導電剤の添加量は、特に制限されるものではないが、上記イオン導電剤の場合、上記ゴム等の主材成分100重量部に対して0.01〜5重量部、好ましくは0.05〜2重量部程度とすることができ、一方電子導電剤は、上記主材成分100重量部に対して1〜50重量部、好ましくは5〜40重量部程度とすることができ、これにより導電性弾性層の抵抗値を103〜109Ω・cm、特に104〜108Ω・cmに調整することが好ましい。
【0013】
なお、この導電性弾性層には、上記導電剤以外にも必要に応じて公知の充填剤、加硫剤等、その他のゴム用添加剤を適宜添加することができる。
【0014】
次に、被覆層を形成するポリウレア樹脂は、ポリアミン化合物をポリイソシアネート化合物と反応させて硬化させたものである。
この場合上記ポリアミン化合物は、 通常のポリウレタンの原料として使用されるポリエーテルポリオール、ポリエステルポリオール、ポリカーボネートポリオール、ポリオレフィン系ポリオール或いはポリマーポリオール等の水酸基をアミノ基に変換したものが好適に用いられる。この場合、水酸基をアミノ基に変換する方法としては、例えば、ポリオールにニトロ安息香酸クロライドを反応させ、次にニトロ基を還元してアミノ基とする方法、ポリオールにアミノ安息香酸エチルを反応させ、エステル交換反応によりアミノ安息香酸基を導入する方法、ポリオールにアミノ安息香酸を反応させ、エステル化反応によりアミノ安息香酸基を導入する方法等がある。
【0015】
これらポリアミン化合物に中でも、ポリエーテルポリアミン化合物はポリウレア樹脂とした際に、ガラス転移温度を低くできることから特に好ましく用いられる。この場合、ポリウレア樹脂のガラス転移温度が高いと、低温で脆くなり、ゴム等の弾性層の変形に十分追随し得なくなる場合があり、ポリウレア樹脂のガラス転移温度としては、0℃以下、特に−20℃以下であることが好ましい。また、ポリエーテルポリアミン化合物はポリウレア樹脂とした際に、加水分解や画像形成装置中で発生するオゾンや窒素酸化物に対して安定である点でも好ましく用いられる。
【0016】
上記ポリアミン化合物と反応させるポリイソシアネート化合物は、分子中に2個以上のイソシアネート基を持つ化合物であり、通常ポリウレタンの原料として使用されるポリイソシアネート化合物が使用可能である。ポリイソシアネート化合物として具体的には、トリレンジイソシアネート(TDI)、ジフェニルメタンジイソシアネート(MDI)、ナフタレンジイソシアネート(NDI)、トリジンジイソシアネート(TODI)、ヘキサメチレンジイソシアネート(HDI)、イソホロンジイソシアネート(IPDI)、フェニレンジイソシアネート、キシリレンジイソシアネート(XDI)、テトラメチルキシリレンジイソシアネート(TMXDI)、シクロヘキサンジイソシアネート、リジンエステルジイソシアネート、リジンエステルトリイソシアネート(LDI)、ウンデカントリイソシアネート、ヘキサメチレントリイソシアネート、トリフェニルメタントリイソシアネート、及びこれらイソシアネート化合物の重合体、誘導体、変性体、水素添加体等が挙げられる。特に、ヘキサメチレンジイソシアネートやイソホロンジイソシアネート等の脂肪族イソソアネートや脂環族イソシアネート、及びそれらの重合体、誘導体、変性体が、耐オゾン性や耐熱性等に優れる点で特に好ましく用いられる。
【0017】
ポリアミン化合物とポリイソシアネート化合物との反応は、容易に進行し得、低温硬化も可能であるが、その一方でこれらを混合して一液型塗料としたときには、ポットライフが短く不都合な場合があり、その場合にはポリイソシアネート化合物をブロック型に変性したものが好ましく用いられる。
【0018】
本発明で用いられるポリウレア樹脂は、ポリアミン化合物のアミノ基(−NH2)とポリイソシアネート化合物のイソシアネート基(−NCO)との反応でウレア結合(−NHCONH−)を形成し、硬化体となったものである。その際、ポリアミン化合物とポリイソシアネート化合物の混合割合は、ポリアミン化合物の−NH2基とポリイソシアネート化合物の−NCO基のモル比(−NCO /−NH2比)で0.7〜1.5とするが好ましく、より好ましくは、0.8〜1.3である。
【0019】
本発明の導電性部材に用いられる被覆層は、上記ポリウレア樹脂で形成されたものであるが、このポリウレア樹脂をバインダーとして、更なる摩擦係数や粘着性の低減、表面エネルギーの低減あるいは、帯電挙動の調整、静電容量の調整、抵抗の調整等の目的で、他の成分を添加してもよい。例えば、他のウレタン樹脂や、フッ素樹脂,ポリアミド,ポリエステル,アルキッド樹脂,メラミン樹脂,フェノール樹脂,エポキシ樹脂,アクリル樹脂,アクリルシリコーン樹脂,アクリルウレタン樹脂,シリコーン樹脂,アミノ樹脂,尿素樹脂,塩素化ポリエチレン,エチレン酢酸ビニル樹脂,エチレンエチルアクリレート樹脂,あるいはポリビニールブチラール樹脂等の他の樹脂、カーボン,金属粉,金属酸化物粉,イオン性物質等の導電剤、フッ素樹脂の微粒子、シリコーン微粒子、硫化モリブデン、グラファイト等の無機物質の微粉体等の滑材、あるいは、荷電制御剤を添加することができる。
【0020】
この場合、導電剤としては、上記導電性弾性層に用いられる導電剤として上掲したものと同様のものを例示することができる。これら導電剤をポリウレア樹脂に添加して被覆層に導電性を付与したり導電性を調整する場合には、特に制限されるものではないが、イオン導電剤を用いることが好ましい。即ち、イオン導電系の被覆層は、カーボン等の添加による粒子分散電子導電系と異なり、均一性が良いので抵抗のばらつきが小さく、イオン導電剤を添加することで容易に抵抗を制御できる。
【0021】
被覆層の形成法は特に限定されないが、通常は、ポリアミン化合物、ポリイソシアネート化合物およびその他の添加剤等を溶媒に溶解あるいは分散させてディップ法、ロールコーター法、ドクターブレード法、あるいはスプレー法等により導電性弾性層上に塗布し、常温あるいは50〜170℃程度の高温下で乾燥し反応硬化させる方法が好ましく採用される。この場合、上記溶媒としては、アセトン,メチルエチルケトン,シクロヘキサノン等のケトン系溶媒、トルエン,キシレン等の芳香族炭化水素系溶媒、ヘキサン等の脂肪族炭化水素系溶媒、シクロヘキサン等の脂環族炭化水素系溶媒、酢酸エチル等のエステル系溶媒、イソプロピルエーテル,テトラヒドロフラン等のエーテル系溶媒、ジメチルスルフォアミド等のアミド系溶媒、クロロフォルム,ジクロロエタン等のハロゲン化炭化水素系溶媒等、及びこれらの混合溶媒等が好ましく用いられる。
【0022】
この被覆層の厚みは、特に制限はされないが、通常1〜200μm程度、特に3〜100μmとすることが好ましい。また、被覆層の抵抗は、部材の用途や被覆層の目的等に応じて適宜設定されるもので、特に制限されるものではないが、トナー、感光体、転写紙等の他の材料や部材との電荷の授受や電位バイアスを印加する場合には、上記導電性弾性層よりは高目の抵抗に調整する場合が多く、目的にもよるが、通常は106〜1016Ω・cm程度、特に108〜1016Ω・cmに調整することが好ましい。
【0023】
上述のように、本発明で用いられる被覆層は、ポリアミン化合物を主材とし、ポリイソシアネート化合物を硬化剤として用いることにより得られるポリウレア樹脂を用い、必要に応じてこのポリウレア樹脂をバインダー成分として種々の添加剤を添加したものである。この場合、本発明では、この被覆層を、原料であるポリアミン化合物の良溶媒、例えばメチルエチルケトン、トルエン等で抽出したときの可溶部が30%以下とするものであり、好ましくは10%以下とするものである。可溶部が多いということは、比較的低分子量のものや未硬化の成分が被覆層に多くあるということで、このような被覆層を部材表面に形成すると、感光体の汚染、トナーの汚染や凝集、被覆層の摩耗、摩擦係数の増大等の原因となり好ましくない。なお、溶剤可溶部は次式により求められる。
【数1】
Figure 0003659293
【0024】
本発明の導電性部材は、上記導電性弾性層上に上記被覆層を有するものであり、この場合、上記導電性弾性層を用途等に応じて所望の形状に成形することによりベルト、ローラ、ドラム、ブレード等の各種の部材とすることができ、このとき用途や形状に応じて上記導電性弾性層を金属や繊維状物或いは樹脂成形体等と積層又は複合化して本発明の導電性部材を構成することができる。例えば、ドラム状やローラ状の部材とする場合には、上記導電性弾性層を金属や樹脂成形体からなるドラム状、ローラ状又は棒状の芯材上に形成して導電性部材を構成することができ、またベルト状やブレード状とする場合には、補強層を積層したり、埋設したりすることにより、上記導電性ゴム層を補強してベルト状或いはブレード状などとすることもできる。
【0025】
上記補強層としては、樹脂補強層及び/又は繊維層を形成することかできる。上記樹脂補強層は、公知の熱可塑性樹脂、熱可塑性エラストマー及び熱硬化性樹脂等を挙げることができ、具体的には、ポリカーボネート樹脂、ポリエステル樹脂、ポリアミド樹脂、ポリイミド樹脂、ポリウレタン樹脂、ポリエーテル樹脂、ポリビニル系樹脂、ポリビニリデン系樹脂、ポリエーテルエーテルケトン樹脂、ポリスルホン樹脂等の樹脂を例示することができる。この場合、上記樹脂補強層は、上述した樹脂を複数積層して形成してもよく、また、後述する繊維層と併用することもできる。なお、この樹脂補強層は上記樹脂を用いて適宜な方法で成形しても、予めフィルム状に成形された上記樹脂を積層してもよい。
【0026】
また、上記繊維層は、公知の織布や不織布を用いて形成することができ、具体的には、麻,毛,絹,綿等の天然繊維、ビスコース等の再生繊維、ポリエステル,ナイロン(ナイロン6,66,46等),ビニロン,塩化ビニリデン,ポリオレフィン(ポリエチレン,ポリプロピレン等),ポリクラーク等の合成繊維、アセテート等の半合成繊維、アラミド繊維,ポリビニルアルコール繊維,ポリアクリロニトリル繊維等の所謂高機能性繊維、ステンレススチール,その他のスチール等の金属繊維などの織布や不織布を例示することができる。この場合、織布の布構造としては、平織、斜文織、朱子織、及びこれらを組み合わせたものなど、適宜選択することができるが、特に堅牢性、経済性等の点から平織構造の織布が好ましく用いられる。
【0027】
上記繊維層は、上記織布や不織布を複数積層した複数層構造の繊維層としてもよく、その際、繊維層の厚みはとくに制限されるものではないが、0.01〜2mm、とくに0.05〜0.5mm程度であることが好ましく、繊維層の厚みが0.01mm未満であると、この繊維層による寸法安定性が低下してベルト状の部材に伸び等の変形が生じてしまう場合があり、一方、2mmを超えるとベルト状の部材の柔軟性が損なわれる場合がある。また、この繊維層を形成する織布や不織布の繊維径は、特に制限されるものではないが、20〜420デニール、特に30〜210デニール、更には30〜80デニールであることが好ましい。更に、上記織布や不織布は、特に制限されるものではないが、比較的薄いものであることが好ましく、具体的には、厚み0.01〜0.2mm、特に0.05〜0.15mmであることが好ましい。この場合、上記織布や不織布の厚みが0.01mm未満であると、この繊維層による寸法安定性が低下してベルト状の部材に伸び等の変形が生じてしまう場合があり、一方、0.2mmを超えると部材の柔軟性が損なわれる場合がある。
【0028】
この繊維層を形成する上記織布や不織布には、その表面部分又は全体に必要に応じてゴムや樹脂を含浸させることができ、これにより繊維層と上記導電性弾性層又は上記被覆層との接着性及び表面平滑性を向上させることができる。この場合、含浸剤としては、上記導電性弾性層のゴム成分として例示したものと同種のゴム等によるゴムセメントやエポキシ樹脂、レゾルシンホルムアルデヒド(RFL)、及びこれらの混合物が好適に用いられ、塗布又は浸漬により、これら含浸剤を上記織布や不織布に予め含浸させておくことができ、これによりゴム又は樹脂が含浸した織布又は不織布を容易に得ることができる。
【0029】
本発明の導電性部材は、上記のようにベルト状、ローラ状、ドラム状、プレート状等の種々の形態で用いられるものであるが、特に良好な弾性が求められるベルト状やドラム状或いはローラ状の部材である場合にその効果が顕著であり、また、その用途としては、複写機やプリンタなどの画像形成装置において、帯電、現像、転写、中間転写、トナー層形成、トナー搬送、トナー攪拌、クリーニング、トナー定着、紙搬送等の種々用途が挙げられるが、特に転写、中間転写、紙搬送等に用いられるベルトやドラムとした場合に、本発明の効果がより顕著である。
【0030】
ここで、本発明の導電性部材が好適に用いられる画像形成装置として、中間転写方式によりカラー画像の形成を行う装置を例示すれば、ドラム状の中間転写部材を用いた装置として図1の画像形成装置を、ベルト状の中間転写部材を用いた装置として図2の画像形成装置を例示することができる。
【0031】
即ち、図1及び図2中、1はドラム状の感光体であり、それぞれ図中矢印方向に回転するようになっている。この感光体1は、一次帯電器2によって帯電され、次いで画像露光3により露光部分の帯電が消去されて第1の色成分に対応した静電潜像がこの感光体1上に形成され、更に静電潜像が現像器41により第1色のマゼンタトナーMで現像され、第1色のマゼンタトナー画像が感光体1上に形成される。そして、このトナー画像が、感光体1と接触しながら回転する中間転写ドラム20a(図1)又は中間転写ベルト20b(図2)(以下、これらを合わせて「中間転写部材20a,20b」という)に転写される。この場合、感光体1から中間転写部材20a,20bへの転写は、感光体1と中間転写部材20a,20bとのニップ部において、中間転写部材20a,20bに電源61から印加される一次転写バイアスにより行われる。この中間転写部材20a,20bに第1色のマゼンタトナー画像が転写された後、上記感光体1はその表面がクリーニング装置14により清掃され、感光体の1回転目の現像転写操作が完了する。以降、感光体が3回転し、各周回毎に現像器42〜44を順次用いて第2色のシアントナー画像、第3色のイエロートナー画像、第4色のブラックトナー画像が順次感光体1上に形成され、これが周回毎に中間転写部材20a,20bに重畳転写され、目的のカラー画像に対応した合成カラートナー画像が中間転写部材20a,20b上に形成される。なお、図2の装置にあっては、感光体1の周回毎に現像器41〜44が順次入れ替わってマゼンタトナーM、シアントナーC、イエロートナーY、ブラックトナーBによる現像が順次行われるようになっている。
【0032】
次に、上記合成カラートナー画像が形成された中間転写部材20a,20bに転写ローラ25が当接し、そのニップ部に給紙カセット9から紙等の記録媒体24が給送される。これと同時に二次転写バイアスが電源29から転写ローラ25に印加され、合成カラートナー画像が中間転写部材20a,20bから記録媒体24に転写され、更にこの記録媒体24は定着器15へ導入されて記録媒体24上の合成カラートナー画像が加熱定着され、最終画像となる。そして、合成カラートナー画像を記録媒体24へと転写した後の中間転写部材20a,20bは、表面の転写残留トナーがクリーニング装置35により除去され、初期状態に戻り次の画像形成に備えるようになっている。
【0033】
本発明の導電性部材は、このような中間転写方式の画像形成装置に用いられる上記中間転写部材20a,20bや転写ローラ25として好適に用いられるものであり、例えば、図1の中間転写部材20aのようにドラム状の場合には、図3に示したように、金属製ドラム基体200の上に上記導電性弾性層201を積層し、更にこの導電性弾性層201上に上述の被覆層202を形成したものを例示することができ、また図2の中間転写部材20bのようにベルト状の場合には、図4に示したように、織布やスパイラル状に巻いた糸等(図示せず)で補強した上記導電性弾性層201をベルト状に成形し、更にこの導電性弾性層201上に上述の被覆層202を形成したものを例示することができる。
【0034】
この中間転写ドラム20a、及び中間転写ベルト20bや転写ローラ25として、本発明の導電性部材を用いることにより、表面の被覆層が部材の弾性変形に良好に追随して該被覆層に割れなどの不都合を生じることなく、しかも感光体の汚染防止、トナー付着防止、トナーの帯電制御、摩擦係数の制御等にも優れ、良好な画像形成性能(中間転写性能)を長期に亘って発揮して、良好な画像を長期に亘って得ることができる。
【0035】
【実施例】
以下に実施例、比較例を示して、本発明を具体的に説明するするが本発明は下記に限定されるものではない。
【0036】
[実施例1〜4]
マンドレル上に織布を巻き付け、その上にニトリルゴムとエチレンプロピレンゴムのブレンド物にカーボンを添加して抵抗を調整したゴムを積層し、加硫成型して幅240mm、周長450mm,厚さ1mmのゴムベルトを作成した。ゴムの硬度はJIS−A硬度で40°、抵抗は体積固有抵抗で1.0×106Ω・cmであった。
【0037】
ポリアミン化合物として、ポリエーテルポリアミン化合物であるポレアS100〔イハラケミカル社製、アミン価:91(mgKOH/g)〕およびポレアR100〔イハラケミカル社製、アミン価:128(mgKOH/g)〕を用い、ポリイソシアネート化合物としてトリメチロールプロパン変性イソホロンジイソシアネートであるマイテックNY220A〔三菱化学社製、含有量:75%、NCO%:8.4%〕およびイソシアヌレート変性イソホロンジイソシアネートであるベスタネートT1890〔ヒュルスジャパン社製、 NCO%:17%〕を夫々用い、溶媒としてMEK〔メチルエチルケトン〕を用い、滑剤としてPTFE粉末〔ポリテトラフルオロエチレン粉末、中心粒径:0.3μ〕を用いて、表1の組成の塗料を作成した。いずれも、−NCO/−NH2比は1.05とした。この塗料を用い、スプレー法により、上記ゴムベルト上に厚さ約30μの被覆層を形成し、110℃で6時間乾燥硬化して中間転写ベルトを作成した。
【0038】
[比較例]
ポリウレア樹脂の代わりにポリウレタン被覆層を用いて中間転写ベルトを作成した。即ち、ニポラン3126〔日本ポリウレタン社製、ポリエステル系ウレタンポリオール53%溶液〕、TDI〔トリレンジイソシアネート〕、PTFE粉末、 TL(トルエン)およびMEKを用いた表1の組成の塗料で被覆層を形成したこと以外は実施例1〜4と同様にして中間転写ベルトを作成した。
【0039】
得られた各中間転写ベルトにつき、下記の試験を行った。結果を表1に示す。被覆層の溶媒可溶部
ガラス板を用意し、各ベルトの被覆層形成に用いた塗料液を用いて、該ガラス板上に該塗料液を塗布し、各ベルトと同条件で塗膜を加熱し、架橋硬化を行った。その後、ガラス板ごとメチルエチルケトン中に常温で24時間浸漬後、乾燥して、前後の塗膜の重量を測定し、以下の式により溶媒可溶部を求めて、ローラの被覆層の溶媒可溶部とした。
【数2】
Figure 0003659293
被覆層の抵抗
銅板を用意し、各ベルトの被覆層形成に用いた塗料液を用いて、該銅板上に該塗料液を塗布し、ベルトと同条件で塗膜を加熱し、架橋硬化を行った。その後、銅板と測定電極の間の抵抗を測定して被覆層の抵抗を測定した。
感光体汚染試験
感光体ドラムを両端部にそれぞれ500gずつ荷重をかけてベルトに押し付け、3週間放置した。その後に、感光体ドラムからベルトを引き離し、感光体ドラム表面の汚染状態を観察した。
トナー付着試験
トナーをベルトに振りかけた後に、コトンペーパーで拭き取り、ベルト上へのトナーの残り具合を観察した。
摩擦係数
ヘイドン表面試験機を用い、荷重200gでのポリエステルフィルムに対する最大静止摩擦係数を測定した。
ベルト屈曲試験
上記ベルトから幅20mm、長さ350mmの試験片を切り出して、径16mmのプーリーに掛け、張力が1kg/1mmとなるように両端の荷重を調整して、30RPMの速度で交互に上下動を繰り返し、所定回数後にベルト表面を観察した。
【0040】
【表1】
Figure 0003659293
【0041】
表1に示されているように、本発明の中間転写部材の被覆層は、感光体汚染、トナー付着、摩擦特性に優れており、更に、屈曲に対する耐久性が著しく優れていることが確認された。
【0042】
【発明の効果】
以上説明したように、本発明の導電性部材では、被覆層を、ポリアミン化合物をポリイソシアネート化合物と反応させて硬化させたポリウレア樹脂とすることで、被覆層が割れてしまうことがなく、長期耐久性に優れ、かつ感光体の汚染防止、トナー付着防止、トナーの帯電制御、抵抗調整、摩擦係数の制御等の機能を持った導電性部材を容易に提供できるものである。
【図面の簡単な説明】
【図1】ドラム形状の中間転写部材を用いたカラー画像形成装置を示すの概略図である。
【図2】ベルト形状の中間転写部材を用いたカラー画像形成装置を示す概略図である。
【図3】本発明の導電性部材からなるドラム形状の中間転写部材を示す概略断面図である。
【図4】本発明の導電性部材からなるベルト形状の中間転写部材を示す概略断面図である。
【符号の説明】
1 感光体
2 一次帯電器
3 画像露光
9 給紙カセット
14 クリーニング装置
15 定着器
20a ドラム状中間転写部材(本発明導電性部材)
20b ドラム状中間転写部材(本発明導電性部材)
24 記録媒体
25 転写ローラ
29 バイアス電源
35 中間転写部材のクリーニング装置
41 マゼンタ色現像装置
42 シアン色現像装置
43 イエロー色現像装置
44 ブラック色現像装置
61 バイアス電源
200 芯金
201 導電性弾性層
202 被覆層

Claims (11)

  1. 導電性弾性層と、該導電性弾性層上に被覆形成された被覆層とを具備し、該被覆層が、ポリアミン化合物をポリイソシアネート化合物と反応させて硬化させたポリウレア樹脂を含有するものであり、かつ該被覆層をポリアミン化合物の良溶媒で抽出したときの可溶部が被覆層の30%以下であることを特徴とする導電性部材。
  2. 上記ポリアミン化合物が、ポリエーテルポリアミン化合物である請求項1記載の導電性部材。
  3. 上記ポリイソシアネート化合物が、脂肪族、脂環族又は水添芳香族ポリイソシアネート化合物の1種又は2種以上の混合物である請求項1又は2記載の導電性部材。
  4. 上記ポリイソシアネート化合物が、ヘキサメチレンジイソシアネート、イソホロンジイソシアネート及びそれらの誘導体から選ばれた1種又は2種以上の混合物である請求項3記載の導電性部材。
  5. 上記導電性弾性層の抵抗が103〜109Ω・cmである請求項1〜4のいずれか1項に記載の導電性部材。
  6. 上記被覆層が導電性を有し、その抵抗が106〜1016Ω・cmである請求項1〜5のいずれか1項に記載の導電性部材。
  7. 上記被覆層がイオン導電剤で抵抗調整されたものである請求項6記載の導電性部材。
  8. 表面にトナー画像を形成保持した画像形成体と記録媒体との間に配設され、画像形成体から上記トナー画像を一旦自己の表面に転写保持し、これを上記記録媒体へと転写する中間転写部材である請求項1〜7のいずれか1項に記載の導電性部材。
  9. 被帯電体に当接させて、この被帯電体との間に電圧を印加することにより、被帯電体を帯電させる帯電部材である請求項1〜7のいずれか1項に記載の導電性部材。
  10. 導電性部材により、記録媒体を、表面にトナー画像を保持した画像保持体に接触せしめ、かつ該導電性部材と該画像保持体との間に電圧を印加して、該トナー画像を記録媒体に転写する転写部材である請求項1〜7のいずれか1項に記載の導電性部材。
  11. 上記請求項8〜10のいずれか1項に記載の導電性部材を具備してなることを特徴とする画像形成装置。
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