JP5846982B2 - 無端ベルト - Google Patents
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Description
すなわち、上記無端ベルトは、比較的大型な部材である等の理由により、難燃性が要求されることが多い。ゴム弾性層を有する無端ベルトに難燃性を付与するためには、ゴム弾性層中に各種の無機系難燃剤や有機系難燃剤を添加するのが通常である。無機系難燃剤を用いて十分な難燃性を得ようとする場合、有機系難燃剤を用いる場合に比べ、その添加量を多量にする必要がある。そのため、多量に添加された無機系難燃剤によってゴム弾性層が硬くなり、ゴム弾性層の柔軟性が低下しやすくなる。また、ゴム弾性層表面の平滑性も低下しやすくなる。それ故、この無端ベルトを、例えば、中間転写ベルトとして用いた場合には、未転写部分が生じ、画像不具合が発生しやすくなる。
上記ゴム弾性層は、マトリックスポリマーとして、アクリロニトリル含有量が40質量%以下であるアクリロニトリルブタジエンゴムと、分子内にハロゲン原子を含有するハロゲン含有ポリマーとを含んでおり、
上記ゴム弾性層中に含まれる全マトリックスポリマー成分に対する上記ハロゲン含有ポリマーの含有量が、30〜80質量%の範囲内にあり、
上記ハロゲン含有ポリマーは、クロロプレンゴムを含むことを特徴とする無端ベルトにある。
図1、図2に示すように、無端ベルト1は、筒状に形成された樹脂製の基層2と、基層2の外周に積層されたゴム弾性層3とを有している。無端ベルト1は、具体的には、基層2と、基層2に接するゴム弾性層3とからなる二層構造を有している。なお、本例では、具体的には、基層2は、電子導電剤を含むポリアミドイミドから形成されており、電子導電性を有している。
<基層形成用材料の調製>
ポリアミドイミド(PAI)[東洋紡績(株)製「バイロマックスHR−16NN」]100質量部と、カーボンブラック[電気化学工業(株)製「デンカブラック」]10質量部と、N−メチル−2−ピロリドン(NMP)800質量部とを混合することにより基層形成用材料を調製した。なお、基層形成用材料は、液状であり、粘度は、10,000mPa・s(25℃、B型粘度計の測定値)程度に調整した。また、この基層形成用材料は、各試料の無端ベルト作製において共通に使用するものである。
ゴム弾性層形成用材料の調製に用いる各材料として以下のものを準備した。
−マトリックスポリマー−
・アクリロニトリルブタジエンゴム(1)(アクリロニトリル含有量:35質量%)[JSR(株)製、「N230S」]
・アクリロニトリルブタジエンゴム(2)(アクリロニトリル含有量:15質量%)[JSR(株)製、「N260S」]
・アクリロニトリルブタジエンゴム(3)(アクリロニトリル含有量:48質量%)[JSR(株)製、「N215SL」]
・アクリロニトリルブタジエンゴム(4)(アクリロニトリル含有量:41質量%)[JSR(株)製、「N220S」]
・クロロプレンゴム[電気化学工業(株)製、「デンカクロロプレンDCR−75」]
−有機系難燃剤−
・トリメチルホスフェート[大八化学工業(株)製、「TMP」]
−無機系難燃剤−
・水酸化マグネシウム(平均粒子径0.8μm)[協和化学工業(株)製、「キスマ5A」]
−樹脂架橋剤−
・フェノールノボラック型エポキシ樹脂[DIC(株)製、「EPICLON N−775」]
−架橋剤−
・硫黄[鶴見化学工業(株)製、「イオウPTC」]
−架橋促進剤−
・テトラブチルチウラムジスルフィド[三新化学工業(株)製、「サンセラーTBT」]
−イオン導電剤−
・ポリアルキレングリコール化合物と過塩素酸リチウムの複合物[日本カーリット(株)製、「PEL−20A」]
−電子導電剤−
・カーボンブラック[電気化学工業(株)製、「デンカブラック」]
基体として、アルミニウム製の円筒状金型を準備した。また、2つのノズルを有するディスペンサ(液体定量吐出装置)を準備した。このディスペンサのノズルは、内径φ=1mmのニードルノズルである。次いで、上記調製した基層形成用材料とゴム弾性層形成用材料とを、それぞれ別のエアー加圧タンクに収容し、金型の外周面とノズルとのクリアランスを1mmとして、金型およびノズルをセットした。次いで、金型を垂直にした状態で、回転数200rpmで軸中心に回転させながら、基層形成用材料を吐出するノズルを、1mm/secの移動速度で軸方向下方に移動させるとともに、エアー加圧タンクに0.4MPaの圧力をかけて基層形成用材料をノズルに圧送し、ノズルから基層形成用材料を吐出させ、金型の外周面上にらせん状に塗工し、らせん状塗膜の連続体からなる全体塗膜を形成した。次いで、形成された全体塗膜に対して、2時間で250℃まで昇温し、250℃で1時間保持するという条件にて熱処理を施した。これにより、金型の外周面上に、筒状に形成されたポリアミドイミド製の基層(厚み80μm、筒径φ320mm)を形成した。
米国アンダーライターズ・ラボラトリーズ・INC.(UL)が規定したUL規格94(第5版、第11章)に準じたVTM燃焼性試験を行なった。具体的には、試料の無端ベルトより切り出したフィルム状の試験片(n数:3本)を円筒状に巻き、クランプする側の端部から反対側の端部に向かって75mmの位置まで粘着テープにて固定し、この状態の試験片をクランプに垂直に取り付け、20mmの炎による3秒間の接炎を2回行ない、その燃焼挙動を後述の表3に示す判定条件に従って判定した。なお、表3から明らかなように、VTM−0が最も優れた難燃性を示すものであり、以下、VTM−1、VTM−2となり、VTM−2を超える場合はNotとなる。VTM−0またはVTM−1と判定された場合を、難燃性を有するとして「A」とした。VTM−2またはNotとの判定された場合を、難燃性を有さないとして「C」とした。
上記試料の無端ベルトの作製と同様にして、基層を形成した後、これを円筒状金型より脱型した。次いで、基層の一部を切り取り、これを平板状に貼り付けた。次いで、この基層上に、バーコート法を用いてゴム弾性層形成用材料を塗工した。次いで、形成された塗膜を130℃で30分間保持して溶剤を揮発させた後、基層の筒軸方向と垂直な方向が長手方向となるように、JIS2号ダンベル形状のサンプルを打ち抜きにより採取した。次いで、採取したサンプルを2時間で170℃まで昇温し、170℃で30分間保持するという条件で熱処理し、反り試験片を得た。次いで、得られた反り試験片を平面台の上に載置し、平面台から浮いている量の最大値をノギスにて測定し、これを試料の無端ベルトと相関のある反り量とした。この反り量が2mm以内の場合を、反りの抑制ができているとして「A」とした。上記反り量が2mmを上回る場合を、反りを抑制できないとして「C」とした。
試料の無端ベルトから大きさ110mm角の試験片を採取した。次いで、テーバー式アブレーションテスター[(株)安田精機製作所製]を用い、回転数70rpmで回転する試験片上に、上記テスターの摩耗輪を一定荷重500gで押し付け、回転回数3000回の摩耗試験を行った後の摩耗減量を測定した。この摩耗減量が100mg以下の場合を、耐摩耗性を有するとして「A」とした。上記摩耗減量が100mgを上回る場合を、耐摩耗性を有さないとして「C」とした。
試料の無端ベルトを、電子写真方式を採用するデジタルフルカラー複合機((株)リコー製、「ImagioMP C5001」)の中間転写ベルトとして組み込み、23.5℃×53%RHの環境下にて、さざ波紙(A4紙)を用いて画像出力(テストパターン印刷)を行った。得られた画像を目視で観察し、未転写部分や白点画像の画像不具合が認められなかった場合を、表層の柔軟性が良好であるため転写性が良好であるとして「A」とした。上記画像不具合が認められた場合を、表層の柔軟性に劣るため転写性が悪いとして「B」とした。
試料の無端ベルトを、50℃×95%RHの環境下に2週間放置した後、ゴム弾性層の表面を目視にて観察した。ゴム弾性層の表面にブリード物が見られなかった場合を、耐ブリード性が良好であるとして「A」とした。ゴム弾性層の表面にブリード物が見られた場合を、耐ブリード性に劣るとして「B」とした。
すなわち、試料14の無端ベルトは、ゴム弾性層中に含まれる全マトリックスポリマー成分に対するクロロプレンゴム(ハロゲン含有ポリマー)の含有量が、30質量%を下回っている。そのため、クロロプレンゴムが少なすぎてクロロプレンゴムによる難燃効果が発揮できず、必要な難燃性を確保することができなかった。
2 基層
3 ゴム弾性層
Claims (4)
- 筒状に形成された樹脂製の基層と、該基層の外周に積層されたゴム弾性層とを有する無端ベルトであって、
上記ゴム弾性層は、マトリックスポリマーとして、アクリロニトリル含有量が40質量%以下であるアクリロニトリルブタジエンゴムと、分子内にハロゲン原子を含有するハロゲン含有ポリマーとを含んでおり、
上記ゴム弾性層中に含まれる全マトリックスポリマー成分に対する上記ハロゲン含有ポリマーの含有量が、30〜80質量%の範囲内にあり、
上記ハロゲン含有ポリマーは、クロロプレンゴムを含むことを特徴とする無端ベルト。 - 請求項1に記載の無端ベルトであって、
上記ゴム弾性層は、有機系難燃剤および/または無機系難燃剤を含み、
上記有機系難燃剤は、上記全マトリックスポリマー成分100質量部に対して40質量部未満であり、
上記無機系難燃剤は、上記全マトリックスポリマー成分100質量部に対して100質量部未満であることを特徴とする無端ベルト。 - 請求項1または2に記載の無端ベルトであって、
上記基層の樹脂は、ポリイミドおよびポリアミドイミドから選択される1種または2種以上を含むことを特徴とする無端ベルト。 - 請求項1〜3のいずれか1項に記載の無端ベルトであって、
電子写真方式の画像形成装置に組み込まれる中間転写ベルトとして用いられることを特徴とする無端ベルト。
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