JP6082622B2 - 電子写真機器用導電性ゴム組成物およびこれを用いた電子写真機器用帯電ロール - Google Patents

電子写真機器用導電性ゴム組成物およびこれを用いた電子写真機器用帯電ロール Download PDF

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Description

本発明は、電子写真機器用帯電ロールの誘電層を形成する導電性ゴム組成物として好適な電子写真機器用導電性ゴム組成物およびこれを用いた電子写真機器用帯電ロールに関するものである。
電子写真方式を採用する複写機、プリンター、ファクシミリなどの電子写真機器において、感光ドラムの周囲には、帯電ロール、現像ロール、転写ロール、トナー供給ロールなどのロール状導電性部材や転写ベルトなどのベルト状導電性部材が配設されている。導電性部材の基層には導電性ゴム弾性体よりなる導電性ゴム弾性体層が用いられる。
導電性ゴム弾性体層には、電子導電剤よりも電気的均一性を与えるイオン導電剤を導電剤として添加することがある。例えば特許文献1には、イオン導電剤として第四級アンモニウム塩を導電性ロールの弾性層に添加することが記載されている。また、特許文献2には、イオン導電剤として第四級ホスホニウム塩を用いることが記載されている。
特開2002−132020号公報 特開2001−279104号公報
しかしながら、イオン導電剤として第四級アンモニウム塩を用いると、通電耐久時にゴムから第四級アンモニウム塩がブリードすることがわかった。ブリードした第四級アンモニウム塩は導電性部材に接触する相手部材を汚染する。例えば感光ドラムを汚染すると、得られる画像が悪化する。
一方、イオン導電剤として第四級ホスホニウム塩とプロピレンカーボネイトを用いると、通電耐久時にゴムから第四級ホスホニウム塩がブリードすることは抑えられ、電圧依存性を低減させているがゴムの電気抵抗が十分に下がっていない。さらに、導電性ロールの高耐久化に向けては、イオン導電剤のイオン性発現レベルを上げて抵抗を均一化する問題などが解決できていない。
本発明が解決しようとする課題は、イオン導電剤のブリードが抑えられ、低抵抗化、電圧依存性の低減、抵抗の均一化を満足する電子写真機器用導電性ゴム組成物を提供することにある。また、これを用いた電子写真機器用帯電ロールを提供することにある。
本発明に係る電子写真機器用導電性ゴム組成物は、(a)不飽和結合またはエーテル結合を有する極性ゴムと、(b)下記の式(1)に示すホスホニウム塩よりなるイオン導電剤と、(c)粒子径が200〜700nmの範囲内にあるハイドロタルサイト類化合物と、を含有し、前記(a)成分100質量部に対して、前記(b)成分が0.1〜10質量部の範囲内であり、前記(c)成分が2〜20質量部の範囲内であることを要旨とするものである。
(化1)
[(C(C2n+1)P]・(CFSON (1)
(式中、nは、1〜16の整数である。)
この場合、前記ホスホニウム塩はテトラブチルホスホニウム塩であることが好ましい。
そして、本発明に係る電子写真機器用帯電ロールは、上記の導電性ゴム組成物の架橋体により形成された誘電層を備えることを要旨とするものである。
本発明に係る電子写真機器用導電性ゴム組成物によれば、高いイオン性を発現する特定のホスホニウム塩を用いたことで低抵抗にできる。そして、特定のホスホニウム塩と特定の粒子径を有するハイドロタルサイト類化合物を組み合わせたことで特定のホスホニウム塩のイオン性がさらに高まり、電圧依存性を低減(低電圧依存化)し電気抵抗を均一化できる。また、イオン導電剤としてホスホニウム塩を用いているため、通電耐久時にゴムからイオン導電剤がブリードすることが抑えられる。
ホスホニウム塩がテトラブチルホスホニウム塩であると、特定の粒子径を有するハイドロタルサイト類化合物との関係においてイオン性が最も高くなり、低抵抗化、低電圧依存化、抵抗均一化の効果に最も優れる。
本発明に係る電子写真機器用帯電ロールによれば、誘電層が上記導電性ゴム組成物の架橋体により形成されているため、低抵抗でイオン導電剤のブリードが抑えられる。このような低抵抗化、低電圧依存化、抵抗均一化された電子写真用帯電ロールは、帯電ロール表面の耐汚れ性が向上し高耐久化することができる。すなわち、低抵抗化による高帯電性と低電圧依存性、抵抗均一化による感光体の均一帯電性を両立することが出来る。このことから、感光体表面の残トナー量が減り且つ残トナー量が均一な為、帯電ロール表面に付着するトナーにムラがなく、帯電ロール表面が部分的に変化することが抑えられ耐久性を向上させることができる。
本発明の電子写真機器用帯電ロールの周方向断面図である。 本発明の電子写真機器用帯電ロールの周方向断面図である。 実施例における帯電ロールの電気抵抗値(ロール抵抗)の測定方法を模式的に示した説明図である。
本発明に係る電子写真機器用導電性ゴム組成物(以下、本組成物ということがある。)について詳細に説明する。
本組成物は、(a)特定の極性ゴムと、(b)特定のイオン導電剤と、(c)特定の粒子径を有するハイドロタルサイト類化合物と、を含有するものからなる。
(a)特定の極性ゴムは、不飽和結合を有する極性ゴム、または、エーテル結合を有する極性ゴムである。極性ゴムは、極性基を有するゴムであり、極性基としては、クロロ基、ニトリル基、カルボキシル基、エポキシ基などを挙げることができる。(a)特定の極性ゴムとしては、具体的には、ヒドリンゴム、ニトリルゴム(NBR)、ウレタンゴム(U)、アクリルゴム(アクリル酸エステルと2−クロロエチルビニルエーテルとの共重合体、ACM)、クロロプレンゴム(CR)、エポキシ化天然ゴム(ENR)などを挙げることができる。
(a)特定の極性ゴムのうちでは、本組成物の体積抵抗率が特に低くなりやすいなどの観点から、ヒドリンゴム、ニトリルゴム(NBR)が好ましい。
ヒドリンゴムとしては、エピクロルヒドリンの単独重合体(CO)、エピクロルヒドリン−エチレンオキサイド二元共重合体(ECO)、エピクロルヒドリン−アリルグリシジルエーテル二元共重合体(GCO)、エピクロルヒドリン−エチレンオキサイド−アリルグリシジルエーテル三元共重合体(GECO)などを挙げることができる。
ウレタンゴムとしては、分子内にエーテル結合を有するポリエーテル型のウレタンゴムを挙げることができる。ポリエーテル型のウレタンゴムは、両末端にヒドロキシル基を有するポリエーテルとジイソシアネートとの反応により製造できる。ポリエーテルとしては、特に限定されるものではないが、ポリエチレングリコール、ポリプロピレングリコールなどを挙げることができる。ジイソシアネートとしては、特に限定されるものではないが、トリレンジイソシアネート、ジフェニルメタンジイソシアネートなどを挙げることができる。
(b)特定のイオン導電剤は、下記の式(1)に示す特定のホスホニウム塩よりなる。式(1)中のアルキル基(C、C2n+1)は、直鎖状または分岐鎖状のアルキル基である。
(化2)
[(C(C2n+1)P]・(CFSON (1)
(式中、nは、1〜16の整数である。)
(b)特定のイオン導電剤のアニオンの(CFSO(以下、TFSIと略記する。)は、構造中にフッ素基を多く含んでいるため、アニオン自体の塩基性が小さく、カチオンと比較的弱いイオン結合を形成する。これにより、(b)特定のイオン導電剤は上記極性ゴム中でイオンに解離しやすく、ゴムの低電気抵抗化に寄与していると推察される。
また、アニオンがTFSIであるホスホニウム塩はフルオロ基を有する他のアニオンを持つホスホニウム塩と比べても低粘度であり運動性に優れる。TFSIにおける電荷が非局在化していることと相まって低粘性がカチオンの自由度を大きくし、カチオンの独立泳動性が高まるため、これによってもイオン性が向上する。
本発明においては、このような(b)特定のイオン導電剤とともに(c)特定の粒子径を有するハイドロタルサイト類化合物を用いる。これにより、(b)特定のホスホニウム塩のイオン性がさらに高まり、低電圧依存化と抵抗均一化が図れるので、低抵抗化、低電圧依存化、抵抗均一化を達成できる。
ハイドロタルサイト類化合物は、金属水酸化物からなる層間に陰イオンを有する層状の結晶構造を持つものである。ハイドロタルサイト類化合物は下記の一般式(2)によって表される。ハイドロタルサイト類化合物のうち天然のハイドロタルサイトは下記の式(3)によって表される。
(化3)
[M2+ 1−x3+ (OH)][An− x/n・mHO] (2)
式(2)中、M2+は2価の金属イオンであり、M3+は3価の金属イオンである。An−は層間の陰イオンを表す。xは0〜1の間の数であり、n、mは正の整数である。
(化4)
[MgAl(OH)16][CO・4HO] (3)
ハイドロタルサイト類化合物は陰イオン交換体であるが、TFSIは分子サイズからいってゲスト層の陰イオンとの間でインターカレーションされない。しかしながら、TFSIの荷電密度が高いこと、TFSIを有するホスホニウム塩の運動性が高いことにより、TFSIはハイドロタルサイト類化合物の周囲に引き寄せられてアニオンがTFSIであるホスホニウム塩の配位性が高まっているものと推察される。これにより、TFSIはカチオンとの間に距離を取ることができる。(b)特定のホスホニウム塩のイオン性がさらに高まる(低抵抗化・低電圧依存化・抵抗均一化できる)理由は、このようなことによるものと推察される。
ハイドロタルサイト類化合物の粒子径は、ゴム成形体のヘタリ性や表面性に影響する。粒子径が200nm未満であると、凝集等によりヘタリ性が低下する。粒子径が700nm超であると、粒子径が大きすぎてロール表面を凸凹させ表面性を悪化させる。また、ハイドロタルサイト類化合物が凝集すると分散性が悪化する。粒子径が大きい場合にも分散性が悪化する。ハイドロタルサイト類化合物の分散性が悪いと、これと相互作用すると考えられるTFSIを有するイオン導電剤の分散性が悪くなる。イオン導電剤の分散性が悪化すると、ゴムの電気的均一性が低下する。イオン性の更なる向上を目的として添加したハイドロタルサイト類化合物によりイオン導電剤の特性であるゴムの電気的均一性を低下させない手立てとして、ハイドロタルサイト類化合物の粒子径を特定範囲内に設定する。なお、粒子径は、島津式粒度分布計CP−4Lにより測定した粒子の50%平均粒子径(μm)で表される。
(b)特定のイオン導電剤は、アニオンにおいてフッ素基を多く含んでいる。また、カチオンにおいて燐原子に結合する基がアルキル基(C、C2n+1)のみからなる。これらにより、(b)特定のイオン導電剤は疎水性となるため、高湿度環境下においても吸湿性が低い。これにより、環境変化による電気抵抗の変動を抑える効果に優れると推察される。ただし、非極性基であるアルキル基の炭素鎖が長くなるとイオン性が低下するので、ゴムの低抵抗化の観点から、4つのアルキル基のうちの3つを炭素数4に固定するとともに、残りの1つのアルキル基の炭素数を1〜16の範囲内としている。
残りの1つのアルキル基の炭素数(式(1)におけるn)は4であること、すなわち、ホスホニウム塩はテトラブチルホスホニウム塩であることが好ましい。ホスホニウム塩がテトラブチルホスホニウム塩であると、特定の粒子径を有するハイドロタルサイト類化合物との関係においてイオン性が最も高くなり、低抵抗且つ抵抗均一効果に最も優れる。これは、非極性基(長鎖アルキル基)によりファンデルワールス力が増加し、アルキル基が短すぎると増粘して静電気的作用が増加することから、C4(程度)においてファンデルワールス力のような静電気的相互作用が最も小さいこと、アルキル基が非対称の場合には融点が低下し、分解温度も低下する(例えばC3では220〜250℃であり、C5では220〜250℃であるのに対し、C4では350〜370℃である)ことによるものと推測される。
(b)特定のイオン導電剤のカチオンは、燐原子が中心原子のカチオンである。燐原子は、極性基だけでなく不飽和基やエーテル基にも配位できることから、(a)特定の極性ゴムの極性基だけでなく不飽和結合あるいはエーテル結合にも配位して、カチオンがこの極性ゴム中を移動するのを抑える効果を有すると推察される。これにより、通電耐久時にカチオンがこの極性ゴム中を移動して電極近傍で高濃度になるのを抑えて、(b)特定のイオン導電剤がブリードするのを抑える効果に優れるものと推察される。
(b)特定のイオン導電剤の配合量は、(a)特定の極性ゴム100質量部に対して、0.1〜10質量部の範囲内である。配合量が0.1質量部未満では、本組成物を低抵抗にする効果に劣る。また、通電耐久後に体積抵抗率が上昇する。一方、配合量が10質量部を超えると、通電耐久後にイオン導電剤がブリードする。
(b)特定のイオン導電剤の配合量としては、(a)特定の極性ゴム100質量部に対して、より好ましくは0.3〜7質量部の範囲内、さらに好ましくは0.5〜5質量部の範囲内である。配合量をより好ましい範囲、あるいは、さらに好ましい範囲とすることにより、本組成物の低抵抗化、低電圧依存化、抵抗均一化の効果と通電耐久後にイオン導電剤がブリードするのを抑える効果とのバランスに優れる。
式(1)のホスホニウム塩は、例えば、対応するホスホニウムカチオンを有するホスホニウム=ハライドを、ビス(トリフルオロメタンスルホニル)イミド酸またはそのアルカリ金属塩を用いてアニオン交換反応をすることにより、製造できる。ホスホニウム=ハライドは、市販のものを用いても良いし、例えば、トリブチルホスフィンを、炭素数1〜16のアルキルハライドと反応させることにより、製造できる。
(c)特定の粒子径を有するハイドロタルサイト類化合物の配合量は、(a)特定の極性ゴム100質量部に対して、2〜20質量部の範囲内である。配合量が2質量部未満では、カチオンとアニオンの配位性が高まらず、成形体の抵抗バラツキが見られる。一方、配合量が20質量部を超えると、絶縁性のフィラーの割合が増えるため、低抵抗化できない。
(c)特定の粒子径を有するハイドロタルサイト類化合物の配合量としては、(a)特定の極性ゴム100質量部に対して、より好ましくは4〜18質量部の範囲内、さらに好ましくは5〜15質量部の範囲内である。配合量をより好ましい範囲、あるいは、さらに好ましい範囲とすることにより、成形体の電気抵抗を均一にできる。
本組成物においては、必要に応じて、カーボンブラックなどの電子導電剤、滑剤、老化防止剤、光安定剤、粘度調整剤、加工助剤、難燃剤、可塑剤、発泡剤、充填剤、分散剤、消泡剤、顔料、離型剤などの各種添加剤を1種または2種以上含有していても良い。また、ゴムの架橋剤を含有していても良い。
架橋剤としては、(a)特定の極性ゴムを架橋する架橋剤であれば特に限定されるものではない。架橋剤としては、硫黄架橋剤、過酸化物架橋剤、脱塩素架橋剤を挙げることができる。これらの架橋剤は、単独で用いても良いし、2種以上組み合わせて用いても良い。
硫黄架橋剤としては、粉末硫黄、沈降硫黄、コロイド硫黄、表面処理硫黄、不溶性硫黄、塩化硫黄、チウラム系加硫促進剤、高分子多硫化物などの従来より公知の硫黄架橋剤を挙げることができる。
過酸化物架橋剤としては、パーオキシケタール、ジアルキルパーオキサイド、パーオキシエステル、ケトンパーオキサイド、パーオキシジカーボネート、ジアシルパーオキサイド、ハイドロパーオキサイドなどの従来より公知の過酸化物架橋剤を挙げることができる。
脱塩素架橋剤としては、ジチオカーボネート化合物を挙げることができる。より具体的には、キノキサリン−2,3−ジチオカーボネート、6−メチルキノキサリン−2,3−ジチオカーボネート、6−イソプロピルキノキサリン−2,3−ジチオカーボネート、5,8−ジメチルキノキサリン−2,3−ジチオカーボネートなどを挙げることができる。
架橋剤の配合量としては、ブリードしにくいなどの観点から、(a)特定の極性ゴム100質量部に対して、好ましくは0.1〜2質量部の範囲内、より好ましくは0.3〜1.8質量部の範囲内、さらに好ましくは0.5〜1.5質量部の範囲内である。
架橋剤として脱塩素架橋剤を用いる場合には、脱塩素架橋促進剤を併用しても良い。脱塩素架橋促進剤としては、1,8−ジアザビシクロ(5,4,0)ウンデセン−7(以下、DBUと略称する。)もしくはその弱酸塩を挙げることができる。脱塩素架橋促進剤は、DBUの形態として用いても良いが、その取り扱い面から、その弱酸塩の形態として用いることが好ましい。DBUの弱酸塩としては、炭酸塩、ステアリン酸塩、2−エチルヘキシル酸塩、安息香酸塩、サリチル酸塩、3−ヒドロキシ−2−ナフトエ酸塩、フェノール樹脂塩、2−メルカプトベンゾチアゾール塩、2−メルカプトベンズイミダゾール塩などを挙げることができる。
脱塩素架橋促進剤の含有量としては、ブリードしにくいなどの観点から、(a)イオン導電性ゴム100質量部に対して、0.1〜2質量部の範囲内であることが好ましい。より好ましくは0.3〜1.8質量部の範囲内、さらに好ましくは0.5〜1.5質量部の範囲内である。
以上の構成の本組成物は、電子写真機器用帯電ロールに用いられる導電性ゴム組成物に好適である。より具体的には、帯電ロールの基層、抵抗調整層などの誘電層となる層を形成する導電性ゴム組成物に好適である。また、以上の構成の本組成物は、電子写真機器用帯電ロール以外にも、電子写真機器用導電性部材である現像ロール、転写ロール、転写ベルト、トナー供給ロールなどのゴム弾性体層を形成する材料としても用いることができる。
次に、本発明に係る電子写真機器用帯電ロールについて説明する。
図1および図2に、本発明に係る電子写真機器用帯電ロールの一例を示す。図1および図2は、本発明に係る電子写真機器用帯電ロールの一例を示す周方向断面図である。
図1に示す帯電ロール10は、軸体12の外周に、基層14と、表層16とがこの順に積層された積層構造を有している。図1に示す帯電ロール10は、基層14の外周に抵抗調整層を有していない構成であり、基層14が誘電層となる層である。したがって、基層14を形成する材料に本組成物を用いる。
一方、図2に示す帯電ロール20は、軸体22の外周に、基層24と、抵抗調整層28と、表層26とがこの順に積層された積層構造を有している。この抵抗調製層28が誘電層となる層である。したがって、抵抗調整層28を形成する材料に本組成物を用いる。
なお、帯電ロールの構成としては、図1および図2に示す構成に特に限定されるものではない。例えば、基層と表層との間に、抵抗調整層28の他に、さらに1層以上の中間層を有する構成であっても良い。また、表層に代えて、基層あるいは抵抗調整層などの中間層に表面改質を施すことにより、表層を形成することと同等の表面特性を有するようにすることもできる。表面改質方法としては、UVや電子線を照射する方法、基層の不飽和結合やハロゲンと反応可能な表面改質剤、例えば、イソシアネート基、ヒドロシリル基、アミノ基、ハロゲン基、チオール基などの反応活性基を含む化合物と接触させる方法などを挙げることができる。
図1に示す帯電ロール10において、基層14は、軸体12をロール成形金型の中空部に同軸的に設置し、本組成物を注入して、加熱・硬化させた後、脱型する方法(注入法)、あるいは、軸体12の表面に本組成物を押出成形する方法(押出法)などにより、形成できる。
基層14の厚みは、0.1〜10mmの範囲内であることが好ましい。この範囲内であれば、通電耐久前後の体積抵抗率の変化幅(上昇)を小さくできるとともに、環境変化による電気抵抗の変動を抑える効果にも優れる。基層14の厚みが0.1mm未満では、通電耐久前後の体積抵抗率の変化幅が大きくなる傾向にある。一方、基層14の厚みが10mmを超えると、環境変化による電気抵抗の変動が大きくなる傾向にある。
基層14の厚みとしては、より好ましくは0.5〜5mmの範囲内、さらに好ましくは1〜3mmの範囲内である。基層14の厚みをより好ましい範囲、あるいは、さらに好ましい範囲とすることにより、より一層、通電耐久前後の体積抵抗率の変化幅を小さくする効果と、環境変化による電気抵抗の変動を抑える効果のバランスに優れる。
基層14の体積抵抗率としては、好ましくは10〜1010Ω・cm、より好ましくは10〜10Ω・cm、さらに好ましくは10〜10Ω・cmの範囲内である。基層14を形成する材料に本組成物を用いることにより、基層14の体積抵抗率をこれらの好ましい範囲内に調整することができる。
軸体12は、導電性を有するものであれば特に限定されない。具体的には、鉄、ステンレス、アルミニウムなどの金属製の中実体、中空体からなる芯金などを例示することができる。軸体12の表面には、必要に応じて、接着剤、プライマーなどを塗布しても良い。接着剤、プライマーなどには、必要に応じて導電化を行なっても良い。
表層16は、ロール表面の保護層などとして機能し得る。表層16を形成する主材料としては、特に限定されるものではなく、ポリアミド(ナイロン)系、アクリル系、ウレタン系、シリコーン系、フッ素系のポリマーを挙げることができる。これらのポリマーは、変性されたものであっても良い。変性基としては、例えば、N−メトキシメチル基、シリコーン基、フッ素基などを挙げることができる。
表層16には、導電性付与のため、カーボンブラック、カーボンナノチューブ、グラファイト、c−TiO、c−ZnO、c−SnO(c−は、導電性を意味する。)、イオン導電剤(4級アンモニウム塩、ホウ酸塩、界面活性剤など)などの従来より公知の導電剤を適宜添加することができる。また、必要に応じて、各種添加剤を適宜添加しても良い。
表層16を形成するには、表層形成用組成物を用いる。表層形成用組成物は、上記主材料、導電剤、必要に応じて含有されるその他の添加剤を含有するものからなる。添加剤としては、滑剤、加硫促進剤、老化防止剤、光安定剤、粘度調整剤、加工助剤、難燃剤、可塑剤、発泡剤、充填剤、分散剤、消泡剤、顔料、離型剤などを挙げることができる。
表層形成用組成物は、粘度を調整するなどの観点から、メチルエチルケトン、トルエン、アセトン、酢酸エチル、酢酸ブチル、メチルイソブチルケトン(MIBK)、THF、DMFなどの有機溶剤や、メタノール、エタノールなどの水溶性溶剤などの溶剤を適宜含んでいても良い。
表層16は、基層14の外周に表層形成用組成物を塗工するなどの方法により、形成できる。塗工方法としては、ロールコーティング法や、ディッピング法、スプレーコート法などの各種コーティング法を適用することができる。塗工された表層16には、必要に応じて、紫外線照射や熱処理を行なっても良い。
表層16の厚みは、特に限定されるものではないが、好ましくは0.01〜100μmの範囲内、より好ましくは0.1〜20μmの範囲内、さらに好ましくは0.3〜10μmの範囲内である。表層16の体積抵抗率は、好ましくは、10〜10Ω・cm、より好ましくは、10〜10Ω・cm、さらに好ましくは、10〜10Ω・cmの範囲内である。
図2に示す帯電ロール20において、基層24を形成する主材料としては、例えば、エチレン−プロピレンゴム(EPDM)、ニトリルゴム(NBR)、スチレン−ブタジエンゴム(SBR)、シリコーンゴム、ブタジエンゴム(BR)、イソプレンゴム(IR)、アクリルゴム(ACM)、クロロプレンゴム(CR)、ウレタンゴム(U)、フッ素ゴム、ヒドリンゴム(CO、ECO、GCO、GECO)、天然ゴム(NR)、エポキシ化天然ゴム(ENR)などの各種ゴム材料を挙げることができる。これらは単独で用いても良いし、2種以上組み合わせて用いても良い。
基層24には、導電性付与のため、カーボンブラック、カーボンナノチューブ、グラファイト、c−TiO、c−ZnO、c−SnO(c−は、導電性を意味する。)、イオン導電剤(4級アンモニウム塩、ホウ酸塩、界面活性剤など)などの従来より公知の導電剤を適宜添加することができる。導電剤を配合することで、体積抵抗率が5×10〜1×10Ω・cmの範囲内の導電性を得ることができる。
また、必要に応じて、各種添加剤を適宜添加しても良い。添加剤としては、増量剤、補強剤、加工助剤、硬化剤、架橋剤、架橋促進剤、発泡剤、酸化防止剤、可塑剤、紫外線吸収剤、シリコーンオイル、滑剤、助剤、界面活性剤などを挙げることができる。
図2に示す基層24は、図1に示す基層14と同様の方法により、形成できる。基層24の厚みとしては、好ましくは0.1〜10mmの範囲内、より好ましくは0.5〜5mmの範囲内、さらに好ましくは1〜3mmの範囲内である。
抵抗調整層28は、基層24を形成した軸体22をロール成形金型の中空部に同軸的に設置し、本組成物を注入して、加熱・硬化させた後、脱型する方法(注入法)、あるいは、基層24の表面に本組成物を押出成形する方法(押出法)などにより、形成できる。
抵抗調整層28の厚みは、0.1〜10mmの範囲内であることが好ましい。この範囲内であれば、通電耐久前後の体積抵抗率の変化幅を小さくできるとともに、環境変化による電気抵抗の変動を抑える効果にも優れる。抵抗調整層28の厚みが0.1mm未満では、通電耐久前後の体積抵抗率の変化幅が大きくなる傾向にある。一方、抵抗調整層28の厚みが10mmを超えると、環境変化による電気抵抗の変動が大きくなる傾向にある。
抵抗調整層28の厚みとしては、より好ましくは0.5〜5mmの範囲内、さらに好ましくは1〜3mmの範囲内である。抵抗調整層28の厚みをより好ましい範囲、あるいは、さらに好ましい範囲とすることにより、より一層、通電耐久前後の体積抵抗率の変化幅を小さくする効果と、環境変化による電気抵抗の変動を抑える効果のバランスに優れる。
抵抗調整層28の体積抵抗率としては、好ましくは10〜1010Ω・cm、より好ましくは10〜10Ω・cm、さらに好ましくは10〜10Ω・cmの範囲内である。抵抗調整層28を形成する材料に本組成物を用いることにより、抵抗調整層28の体積抵抗率をこれらの好ましい範囲内に調整することができる。
図2に示す帯電ロール20の軸体22および表層26の構成は、図1に示す帯電ロール10の軸体12および表層16と同様の構成であれば良い。表層26は、抵抗調整層28の外周に表層形成用組成物を塗工するなどの方法により、形成できる。
以上の構成の本発明に係る帯電ロールは、感光ドラムなどに一定の荷重で圧接された状態で使用される、いわゆる接触帯電方式に用いられる帯電ロールに好適である。
以下、実施例を用いて本発明を詳細に説明する。なお、実施例は、軸体の外周に基層と表層とがこの順に積層された積層構造を有する帯電ロールを例に挙げるものであるが、本発明はこの構成に限定されるものではない。
(実施例1)
<ホスホニウム塩の合成>
塩化メチレン:イオン交換水(1:1)混合液中で、トリn−ブチルメチルホスホニウムブロミドおよびビス(トリフルオロメタンスルホニル)イミド酸を添加し、室温で4時間攪拌した後、有機層からトリn−ブチルメチルホスホニウム=ビス(トリフルオロメタンスルホニル)イミドを得た。このホスホニウム塩のカチオン種を、「(C(C)P」と略記する。また、このホスホニウム塩のアニオン種を、「TFSI」と略記する。
<導電性ゴム組成物の調製>
ヒドリンゴム(ECO、日本ゼオン社製、「HydrinT3106」)100質量部に対し、上記ホスホニウム塩を3質量部、ハイドロタルサイト(協和化学社製「アルカマーザー」、粒子径500〜600nm)を10質量部、架橋剤として硫黄(鶴見化学社製、「イオウ−PTC」)を2質量部添加し、これらを攪拌機により撹拌、混合して、実施例1に係る導電性ゴム組成物を調製した。
<帯電ロールの作製>
(基層の形成)
成形金型に芯金(直径6mm)をセットし、上記導電性ゴム組成物を注入し、170℃で30分加熱した後、冷却、脱型して、芯金の外周に、厚み1.5mmの基層(誘電層)を形成した。
(表層の形成)
N−メトキシメチル化ナイロン(ナガセケムテックス社製、「EF30T」)100質量部と、導電性酸化スズ(三菱マテリアル社製、「S−2000」)60質量部と、クエン酸1質量部と、メタノール300質量部とを混合して、表層形成用組成物を調製した。次いで、基層の表面に表層形成用組成物をロールコートし、120℃で50分加熱して、基層の外周に、厚み10μmの表層を形成した。これにより、実施例1に係る帯電ロールを作製した。
(実施例2〜3)
ホスホニウム塩の合成において、トリn−ブチルメチルホスホニウムブロミドに代えてテトラn−ブチルホスホニウムブロミドまたはトリn−ブチルヘキサデシルホスホニウムブロミドを用いた以外は実施例1と同様にして、導電性ゴム組成物を調製した。また、調製した導電性ゴム組成物を用い、実施例1と同様にして、帯電ロールを作製した。このホスホニウム塩のカチオン種を、「(CP」または「(C(C16)P」と略記する。
(実施例4〜7)
導電性ゴム組成物の調製において、ハイドロタルサイトとして協和化学社製「DHT−4A」(粒子径400〜600nm)を用い、ハイドロタルサイトの配合量とホスホニウム塩の配合量を所定量とした以外は実施例2と同様にして、導電性ゴム組成物を調製した。また、調製した導電性ゴム組成物を用い、実施例2と同様にして、帯電ロールを作製した。
(実施例8〜9)
導電性ゴム組成物の調製において、ハイドロタルサイトとしてSinwon Chemical社製「HI−TAL P1」(粒子径600〜700nm)またはIL−YANG PHARM社製「CLC−120」(粒子径200〜500nm)を用いた以外は実施例2と同様にして、導電性ゴム組成物を調製した。また、調製した導電性ゴム組成物を用い、実施例2と同様にして、帯電ロールを作製した。
(実施例10〜14)
導電性ゴム組成物の調製において、ヒドリンゴムに代えて表1に記載の各極性ゴムを用いた以外は、実施例2と同様にして、導電性ゴム組成物を調製した。また、調製した導電性ゴム組成物を用い、実施例2と同様にして、帯電ロールを作製した。用いた各極性ゴムの詳細については、以下に示す。
・ニトリルゴム(NBR):日本ゼオン社製「Nipol DN302」
・ウレタンゴム(U):TSEインダストリーズ社製「ミラセンE−34」
・アクリルゴム(ACM):日本ゼオン社製「Nipol AR31」
・クロロプレンゴム(CR):東ソー社製「スカイプレンB−30」
・エポキシ化天然ゴム(ENR):MMG社製「EPOXYPRENE50」
(比較例1)
導電性ゴム組成物の調製において、ハイドロタルサイトを配合しなかった以外は実施例2と同様にして、導電性ゴム組成物を調製した。また、調製した導電性ゴム組成物を用い、実施例2と同様にして、帯電ロールを作製した。
(比較例2〜3)
導電性ゴム組成物の調製において、ハイドロタルサイトとしてコンカレント社製「ナノハイドロタルサイト」(粒子径3〜8nm)またはSasol ドイツ社製「PURAL MG30」(粒子径4500nm)を用いた以外は実施例2と同様にして、導電性ゴム組成物を調製した。また、調製した導電性ゴム組成物を用い、実施例2と同様にして、帯電ロールを作製した。
(比較例4〜7)
導電性ゴム組成物の調製において、ハイドロタルサイトの配合量またはホスホニウム塩の配合量を所定量とした以外は実施例2と同様にして、導電性ゴム組成物を調製した。また、調製した導電性ゴム組成物を用い、実施例2と同様にして、帯電ロールを作製した。
(比較例8)
ホスホニウム塩としてテトラn−ブチルホスホニウムブロミドを用いた以外は実施例2と同様にして、導電性ゴム組成物を調製した。また、調製した導電性ゴム組成物を用い、実施例2と同様にして、帯電ロールを作製した。
作製した各帯電ロールを用い、製品特性評価を行った。測定方法および評価方法を以下に示す。
(電気抵抗)
図3に示すように、作製した帯電ロール1の両端を所定の荷重にて金属ロール2(直径:30mm)に押圧した状態で、かかる金属ロール2を所定の回転数にて図中の矢印方向に回転させることにより、帯電ロール1を連れ回りさせた。かかる状態を保ちながら(金属ロール2及び帯電ロール1を共に回転させながら)、帯電ロール1と金属ロール2の端部間に100Vの電圧を印加して、流れる電流値を測定し、電気抵抗値(ロール抵抗:Ω)を求めた。
(帯電性)
帯電性のバラツキとしてロール周方向のバラツキを測定した。具体的には、23℃53%の環境下にて各導電性ロールを感光ドラムに接触させ、両端へ各500gf荷重をかけ、感光ドラムを60rpmで回転させた。導電性ロールは連れ回りとする。この状態で導電性ロールの芯金へDC−1000Vを印加し、感光ドラムの周方向表面電位を表面電位計で測定した。
(表面性)
小坂研究所製の表面粗さ測定機サーフコーダSE3500を用い、各導電性ロールの表面粗さ(Ra)を各40本測定し平均値を求めた。
(通電耐久後のブリード)
上記電気抵抗値の測定方法に準拠して、15℃×10%RH環境下で、通電耐久試験前に予め帯電ロールの電気抵抗値を測定した。その後、同環境下で、各帯電ロールをそれぞれ30mmφの鏡面金属ロール(金属ドラム)に対して軸平行の状態で接触させ、帯電ロールの両端に軸体部分に片端当たり500gfの荷重をかけて、金属ドラムに対して押し付けた状態において、その金属ドラムを30rpmで回転させながら(帯電ロールは金属ドラムに連れ周りする)、DC200μAの定電流を連続印加することにより、3時間通電耐久試験を行った。次いで、通電耐久後の帯電ロール表面を目視にて確認した(ブリード物の有無を調べた)。この際、ブリード物がないものを「○」、ブリード物があるものを「×」とした。
(ヘタリ性)
JIS K−6262の「加硫ゴム及び熱可塑性ゴムの常温及び、低温における圧縮永久歪みの求め方」に従い、70℃×22HRS×25%圧縮試験を実施した。
(電圧依存性)
電気抵抗の測定方式にて、印加電圧100Vと1000Vの電流値を測定し、それぞれの電気抵抗値(ロール抵抗:Ω)を算出して、100V印加時のロール抵抗から1000V印加時のロール抵抗を差し引いて電圧依存性(桁)を求めた。
Figure 0006082622
Figure 0006082622
Figure 0006082622
比較例1では、導電性ゴム組成物の調製においてハイドロタルサイトを用いていない。このため、イオン性が低く、電圧依存性が高くなり抵抗均一化も劣っている。これにより、ロール周方向の帯電性評価においてバラツキが大きい。比較例2では、導電性ゴム組成物の調製においてホスホニウム塩とともに用いたハイドロタルサイトの粒子径が小さい。このため、帯電性評価において比較例1と同様、周方向のバラツキが大きい。比較例3では、導電性ゴム組成物の調製においてホスホニウム塩とともに用いたハイドロタルサイトの粒子径が大きい。このため、ロール表面の凹凸が大きくなり、表面性が悪化している。
比較例4では、導電性ゴム組成物の調製においてハイドロタルサイトの配合量が少ない。このため、帯電性評価において比較例1と同様、周方向のバラツキが大きい。比較例5では、導電性ゴム組成物の調製においてハイドロタルサイトの配合量が多い。このため、高抵抗化を招く。比較例6では、導電性ゴム組成物の調製においてホスホニウム塩の配合量が少ない。このため、抵抗が高い。また、電圧依存性が高い。比較例7では、導電性ゴム組成物の調製においてホスホニウム塩の配合量が多い。このため、通電耐久後にホスホニウム塩がブリードする。比較例8では、アニオンが臭化物イオンであるホスホニウム塩を用いている。このため、抵抗が高い。また、電圧依存性が高く、帯電性評価において周方向のバラツキが大きい。さらに、通電耐久後にホスホニウム塩がブリードする。これは、イオン性が高まっていないためと推察される。
これに対し、実施例によれば、低抵抗であり、抵抗均一性による帯電性評価の周方向バラツキが小さく、通電耐久後におけるホスホニウム塩のブリードが抑えられている。
以上、本発明の実施形態について詳細に説明したが、本発明は上記実施例に何ら限定されるものではなく、本発明の要旨を逸脱しない範囲で種々の改変が可能である。
10 電子写真機器用帯電ロール
12 軸体
14 基層
16 表層

Claims (2)

  1. (a)不飽和結合またはエーテル結合を有する極性ゴムと、
    (b)下記の式(1)に示すホスホニウム塩よりなるイオン導電剤と、
    (c)粒子径が200〜700nmの範囲内にあるハイドロタルサイト類化合物と、を含有し、
    前記(a)成分100質量部に対して、前記(b)成分が0.1〜10質量部の範囲内であり、前記(c)成分が2〜20質量部の範囲内であることを特徴とする電子写真機器用導電性ゴム組成物。
    (化1)
    [(C(C )P]・(CFSON (1)
  2. 請求項に記載の導電性ゴム組成物の架橋体により形成された誘電層を備えることを特徴とする電子写真機器用帯電ロール。
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