JP5703076B2 - 電子写真機器用導電性組成物およびこれを用いた電子写真機器用導電性部材 - Google Patents
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Description
(b1)炭素数4以上のアルキル基を有する第四級アンモニウム塩
(b2)炭素数4以上のアルキル基を有する第四級ホスホニウム塩
(b3)イミダゾリウム塩
・マトリックスポリマー(NBR):日本ゼオン社製「DN219」
・マトリックスポリマー(ECO):日本ゼオン社製、「HydrinT3106」
・マトリックスポリマー(ナイロン):N−メトキシメチル化ナイロン(帝国化学産業社製「トレジンEF30T」
・イオン導電剤<1>:テトラn−ブチルアンモニウムブロミド(試薬)
・イオン導電剤<2>:トリメチルn−オクチルアンモニウムブロミド(試薬)
・イオン導電剤<3>:トリn−ブチルメチルホスホニウムヨージド(試薬)
・イオン導電剤<4>:テトラメチルアンモニウムブロミド(試薬)
・イオン導電剤<5>:テトラn−プロピルアンモニウムブロミド(試薬)
・イオン導電剤<6>:1−エチル−3−メチルイミダゾリウムブロミド(四国化成工業社製)
・カーボネート化合物<1>:エチレンカーボネート(融点36℃、試薬)
・カーボネート化合物<2>:プロピレンカーボネート(融点−49℃、試薬)
・カーボネート化合物<3>:フルオロエチレンカーボネート(融点18〜20℃、ダイキン工業社製)
・カーボネート化合物<4>:ビニレンカーボネート(融点21℃、試薬)
・カーボネート化合物<5>:ジエチルカーボネート(融点−43℃、試薬)
・カーボネート化合物<6>:ジフェニルカーボネート(融点80℃、試薬)
・トリメチロールメラミン:住友化学社製「スミカフレックスM3」
<導電性組成物の調製>
マトリックスポリマーとしてのNBR100質量部に対し、イオン導電剤<1>を3質量部、カーボネート化合物<1>を3質量部、ステアリン酸(滑剤)を1質量部、亜鉛華(加硫促進剤)を5質量部、粉末硫黄を0.8質量部添加し、ロールを用いて混練りすることにより、実施例1に係る導電性組成物を調製した。
(実施例5〜8):実施例1に対して、カーボネート化合物の種類を変更した。
(実施例9):実施例1に対して、マトリックスポリマーの種類を変更した。
(実施例11〜13):実施例1に対して、イオン導電剤の種類を変更した。
(実施例14〜16)実施例1に対して、カーボネート化合物の種類とその配合量を変更した。
(実施例17)実施例15に対して、マトリックスポリマーの種類を変更した。
(実施例19〜20)実施例15に対して、カーボネート化合物の配合量を変更するとともに、イオン導電剤の配合量を変更した。
(実施例21〜24)実施例15に対して、カーボネート化合物の配合量を変更するとともに、イオン導電剤の種類および配合量を変更した。
(比較例1):実施例1に対して、カーボネート化合物を配合しなかった。
(比較例2):実施例1に対して、イオン導電剤を配合しなかった。
(比較例3〜4):実施例1に対して、イオン導電剤の種類を変更した。
(比較例5):実施例13に対して、カーボネート化合物を配合しなかった。
(比較例6〜9):実施例9〜12に対して、カーボネート化合物を配合しなかった。
実施例1〜9、11〜13、14〜17、19〜24、比較例1〜9の各導電性組成物を厚さ2.5mmに分出し成形した後、160℃で30分間プレス架橋成形を行い、厚さ2mmのシート状サンプルをそれぞれ作製した。
<導電性組成物の調製>
マトリックスポリマーとしてのN−メトキシメチル化ナイロン100質量部に対し、イオン導電剤<1>を3質量部、カーボネート化合物<1>を3質量部、トリメチロールメラミンを30質量部添加し、メタノール:トルエン=7:3の混合溶媒50質量部を加えて混合攪拌することにより、実施例10の導電性組成物を含む塗料を調製した。
実施例10の塗料を用い、離型性PETフィルム(厚さ200μm)の上に30μmの厚さでバーコートにて塗膜を形成し、オーブンで160℃60分間架橋した後、PETフィルムから剥がすことにより、実施例10のシート状サンプルを作製した。
実施例10に対して、カーボネート化合物の種類および配合量を変更した。
シート状サンプルにおける一方の表面上に銀ペーストを塗布することにより、10×10mmの大きさの電極を設けた(ガード電極付き)。一方、電極を設けた面と反対側の面に対向電極を設け、印加電圧100V、23.5℃×53%RHの条件下における両電極間の抵抗を、JIS K 6911に準拠して測定した。マトリックスポリマー100質量部に対し、同種のイオン導電剤を3質量部添加した構成の比較例の体積抵抗率を基準値とした。すなわち、実施例1〜8、14〜16、19〜20は比較例1を、実施例9、17は比較例6を、実施例10、18は比較例7を、実施例11、21〜22は比較例8を、実施例12、23〜24は比較例9を、実施例13は比較例5をそれぞれ基準にした。基準値となる比較例については、体積抵抗率を示している。測定した体積抵抗率をLOGに換算し、基準値より低下した体積抵抗率の低下桁数を示した。この際、低下桁数が0.5Ω・cm以上の場合を良好とした。
上記(体積抵抗率の低下について)における体積抵抗率の測定方法に準拠して、低温低湿条件下(15℃×10%RH)および高温高湿条件下(32.5℃×85%RH)のそれぞれで、体積抵抗率を測定した。測定した体積抵抗率をLOGに換算し、低温低湿条件下と高温高湿条件下での体積抵抗率の差を変動桁数で示した。この際、変動桁数が1.2Ω・cm以下の場合を良好とした。
作製したシート状サンプルを50℃×95%RHの環境下に7日間放置した後、その表面をマイクロスコープ(ナカデン社製「マイクロスコープMx1200」」)により観察した。表面にオイル状物(カーボネート化合物)の発生が確認されたものを「×」、表面にオイル状物の発生が確認されなかったものを「○」とした。
円筒状金型に導電性シャフト(直径6mm)をセットし、調製した各導電性組成物を注入し、170℃で30分加熱架橋した後、冷却、脱型して、芯金の外周に、厚み2mmの弾性層(ベース層)を形成した。次いで、下記の表層形成用組成物を弾性層の表面にロールコートし、120℃で50分加熱して、弾性層の外周に、厚み10μmの表層を形成した。これにより、実施例、比較例に係る各帯電ロールを作製した。
N−メトキシメチル化ナイロン100質量部と、c−SnO260質量部と、クエン酸1質量部と、メタノール300質量部とを混合して、表層形成用組成物を調製した。
作製した帯電ロールをリコー社製「IPSIO SPC220」カートリッジに組み込み、23℃×53%RH環境下で、感光体と帯電ロールとを接触させた状態で感光体、帯電ロールともに60rpmで回転させながら、帯電ロールにDC−1200Vの電圧を印加した。このとき、帯電ロールの位置から感光体の周方向に90度回った位置で、感光体から2mm離した位置に表面電位計(トレックジャパン(株)製「MODEL−370」)のプローブを配置し、暗所で感光体中央部の表面電位(帯電量)を測定した。このとき、2周目の波形の平均値が、−550Vを超える場合を良好「○」、−450V超−550V以下の場合を良「△」、−450V以下の場合を不良「×」とした。
低温低湿環境下(15℃×10%RH、LL環境下)および高温高湿環境下(32.5℃×85%RH、HH環境下)での帯電量を上記の測定方法で測定した。この際、帯電量の差が120V超の場合を「×」、120〜100Vの範囲内の場合を「△」、100V未満の場合を「○」とした。
作製した帯電ロールをリコー社製「IPSIO SPC220」黒カートリッジに組み込み、低温低湿環境下(15℃×10%RH、LL環境下)で、白地チャート画像の評価を行った。この際、帯電不良により黒い汚れがひどく発生するものを「×」、黒い汚れは発生するが軽微であるものを「△」、黒い汚れが発生しないものを「○」とした。
(円筒状金型の作製)
硫酸ニッケル6水和物を20g/リットル、次亜リン酸ナトリウム1水和物(還元剤)を25g/リットル、乳酸(錯化剤)を27g/リットル、プロピオン酸(錯化剤)を2.5g/リットル、PTFE製分散粒子(平均粒径0.2μm)を5g/リットル、ラウリルトリメチルアンモニウムクロライド(カチオン性界面活性剤)を0.1g/リットル配合して、pH4.8のめっき浴を調製した。
トリクロロイソシアヌル酸(試薬)5質量部と、tert−ブチルアルコール80質量部と、酢酸エチル20質量部とを混合することにより、表面改質液を調製した。
作製した円筒状金型内に導電性シャフト(φ6mm、長さ270mm)を同軸にセットして、調製した各導電性組成物を金型内に注入し、180℃のオーブンで30分間熱処理した後、冷却、脱型した。これにより、導電性シャフトの外周に厚さ3mmの弾性層を有するロール体を作製した。形成した弾性層の外周面には、円筒状金型の内面に形成された多数の凹部に対応する多数の凸部が型転写により形成されている。次いで、調製した表面改質液中に、作製した各ロール体の表面が浸るように25℃で30分間浸し、引き上げた後、純水で洗浄した。以上のようにして、実施例、比較例に係る現像ロールを作製した。
温度15℃、湿度10%RHの環境下において、ロール回転数70rpmで各現像ロールを回転させながら、その現像ロール表面に、コロナ放電線(コロトロン)を用いて100μAのコロナ電流を印加し、ロール表面を帯電した。そして、上記コロナ放電線から1/4周期分後方の位置に配した表面電位計により、上記現像ロール表面の残留電荷qsを測定した。さらに、上記印加停止1秒後の残留電荷qrを測定した。なお、測定はロールを回転させたままで行った。そして、これらの値から、電荷減衰率=(qs−qr)/qs×100(%)を算出した。この電荷減衰率は、電気応答性の指標となるもので、当該値が大きいほど、電気応答性が高い。ここでは、上記電荷減衰率が90%以上であった場合を、電気応答性が極めて良好であるとして「○」、上記電荷減衰率が80%以上であった場合を「△」、80%未満の場合を電気応答性に劣るとして「×」とした。
各現像ロールをLL環境(10℃×10%RH)で3日間養生し、ファラデーゲージにて所定量のトナー帯電量を測定した。また、各現像ロールをHH環境(32.5℃×85%RH)で3日間養生し、ファラデーゲージにて所定量のトナー帯電量を測定した。具体的には、上記養生後、各現像ロールを市販のカラーレーザープリンター(キヤノン(株)製、「LBP−2510」)に組み込み、そのままそれぞれの環境下でベタ黒画像出し中にプリンターを停止した。次いで、吸引式静電電荷量測定装置の吸引口を現像ロールに押し当てながら、現像前の現像ロール上にあるトナーを吸引し、当該装置の内筒内のフィルタにトナーを回収した。内筒は、外部から静電的にシールドされている。接続されたエレクトロメータ(KEITHLEY社製、「6517A」)にて、フィルタに蓄積されたトナー帯電量を測定し、トナーを吸引したロール表面の面積から、面積当たりのトナー帯電量(−μC/cm2)を求めた。また、トナーの吸い取りをしたロール表面の面積と吸い取った量(フィルタの重量増加分)よりトナー搬送量M(g/cm2)を算出した。これらの値を基に、Q/M=トナー帯電量/トナー搬送量(−μC/g)を算出した。Q/M(−μC/g)の値をトナー荷電量とした。この際、LL環境下においては、トナー荷電量が40以上の場合を「×」、40未満〜35の場合を「△」、35未満の場合を「○」とする。HH環境下においては、トナー荷電量が25以上の場合を「○」、25未満〜20の場合を「△」、20未満の場合を「×」とする。環境依存性については、LL環境下とHH環境下のトナー荷電量の差が10以下の場合を「○」、10超〜15以下の場合を「△」、15超の場合を「×」とした。
各現像ロールを市販のカラーレーザープリンター(キヤノン(株)製、LBP−2510)のカートリッジに組み込み、ハーフトーンの画像出しをL/L環境(10℃×10%RH)で行なった。出力画像にハーフトーンモヤがなかった場合を「○」、ハーフトーンモヤが生じたが許容できる軽微な場合を「△」、ハーフトーンモヤがひどく生じた場合を「×」とした。
12 軸体
14 弾性層
16 表層
18 中間弾性層
Claims (4)
- 電子写真機器用導電性部材を形成する電子写真機器用導電性組成物であって、
(a)マトリックスポリマーと、
(b)下記の(b1)〜(b3)のうちのいずれか1種または2種以上のイオン導電剤と、
(b1)炭素数4以上のアルキル基を有する第四級アンモニウム塩
(b2)炭素数4以上のアルキル基を有する第四級ホスホニウム塩
(b3)イミダゾリウム塩
(c)カーボネート化合物と、
を含有し、前記(c)成分は、ジフェニルカーボネートであることを特徴とする電子写真機器用導電性組成物。 - 前記(a)成分は、ニトリルゴム、ヒドリンゴム、ポリアミド、および、ポリウレタンから選択される1種または2種以上のポリマーを含有することを特徴とする請求項1に記載の電子写真機器用導電性組成物。
- 前記ジフェニルカーボネートの配合量は、前記(a)成分100質量部に対し、0.1〜100質量部の範囲内にあることを特徴とする請求項1または2に記載の電子写真機器用導電性組成物。
- 請求項1から3のいずれかに記載の電子写真機器用導電性組成物を用いた電子写真機器用導電性部材。
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