JP2012194229A - 中間転写ベルト、その製造方法、及び該中間転写ベルトを用いた画像形成装置 - Google Patents
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Abstract
【課題】屈曲などに対しても粒子が抜け落ちず、良好な耐久性を持ち、トナーの離型性が初期状態を維持できる中間転写ベルトを提供する。
【解決手段】少なくとも弾性層、該弾性層上に球形樹脂粒子からなる樹脂層を設けた電子写真装置用中間転写ベルトであって、該弾性層の深さ方向に該球形樹脂粒子が埋没されており、該弾性層の露出部分の投影面積と該球形樹脂粒子の投影面積との和の70%以上が該球形樹脂粒子の投影面積であり、及び該球形樹脂粒子の露出部分において、平均粒子径aの球形樹脂粒子A群と平均粒子径bの球形樹脂粒子B群とが混在して存在し、該平均粒子径がb≦4a/5を満たし、かつ該球形樹脂粒子A群と該球形樹脂粒子B群との数量の割合(個数比)が2:8〜8:2の範囲で存在することを特徴とする。
【選択図】図1
【解決手段】少なくとも弾性層、該弾性層上に球形樹脂粒子からなる樹脂層を設けた電子写真装置用中間転写ベルトであって、該弾性層の深さ方向に該球形樹脂粒子が埋没されており、該弾性層の露出部分の投影面積と該球形樹脂粒子の投影面積との和の70%以上が該球形樹脂粒子の投影面積であり、及び該球形樹脂粒子の露出部分において、平均粒子径aの球形樹脂粒子A群と平均粒子径bの球形樹脂粒子B群とが混在して存在し、該平均粒子径がb≦4a/5を満たし、かつ該球形樹脂粒子A群と該球形樹脂粒子B群との数量の割合(個数比)が2:8〜8:2の範囲で存在することを特徴とする。
【選択図】図1
Description
本発明は、コピー・プリンター等の画像形成装置に装備されるシームレスベルト状の中間転写ベルト、その中間転写ベルトの製造方法、及び該中間転写ベルトを用いた画像形成装置、特にフルカラー画像形成に好適な中間転写ベルト、該中間転写ベルトの製造方法、及び該中間転写ベルトを用いた画像形成装置に関する。
従来から、電子写真装置においては様々な用途でシームレスベルトが部材として用いられている。特に近年のフルカラー電子写真装置においては、イエロー、マゼンタ、シアン、ブラックの4色の現像画像を一旦中間転写媒体(中間転写ベルト)上に色重ねし、その後一括して紙などの記録媒体に転写する中間転写ベルト方式が用いられている。
このような中間転写ベルト方式は、1つの像担持体(感光体)に対して4色の現像器を用いるシステムで用いられていたが、プリント速度が遅いという欠点があった。そのため、高速プリントとしては、感光体を4色分並べ、各色を連続して紙に転写する4連タンデム方式が用いられている。しかし、この方式では紙の環境による変動などもあり、各色画像を重ねる位置精度を合わせることが非常に困難であり、色ずれ画像を引き起こしていた。そこで近年では、4連タンデム方式に中間転写方式を採用することが主流になってきている。
このような情勢の中で中間転写ベルトにおいても、従来よりも要求特性(高速転写、位置精度)が厳しいものとなっており、これらの要求に対応する特性を満足することが必要となってきている。
ところで、中間転写ベルトは像担持体からトナーを受け取る1次転写と記録媒体へトナーを受け渡す2次転写の機能を持つが、これら1次転写、2次転写共に転写率の向上が求められる。特に2次転写では転写率が低いと記録媒体に転写しきれなかったトナーが中間転写ベルト上に残ってしまい、画像の不具合やフィルミングの原因となりやすい。また昨今、普通紙だけでなく凹凸紙などへのプリント需要が増え、凹凸紙に対応した中間転写ベルトの開発もさかんになってきている。
一般的に凹凸紙へのプリントは普通紙に比べて2次転写率が下がる傾向にあり、その原因は中間転写ベルトが凹凸紙の凹部まで密着しないため、トナーが紙へ転写しきれず中間転写ベルト上に残ってしまうことが挙げられる。
ところで、中間転写ベルトは像担持体からトナーを受け取る1次転写と記録媒体へトナーを受け渡す2次転写の機能を持つが、これら1次転写、2次転写共に転写率の向上が求められる。特に2次転写では転写率が低いと記録媒体に転写しきれなかったトナーが中間転写ベルト上に残ってしまい、画像の不具合やフィルミングの原因となりやすい。また昨今、普通紙だけでなく凹凸紙などへのプリント需要が増え、凹凸紙に対応した中間転写ベルトの開発もさかんになってきている。
一般的に凹凸紙へのプリントは普通紙に比べて2次転写率が下がる傾向にあり、その原因は中間転写ベルトが凹凸紙の凹部まで密着しないため、トナーが紙へ転写しきれず中間転写ベルト上に残ってしまうことが挙げられる。
普通紙対応の中間転写ベルトと同様、凹凸紙に対応した中間転写ベルトにおいてもベルト上にトナーが固着するとフィルミングができてしまい画像の劣化につながる。
この問題を解決するために、多層構成で層中に弾性層を持ち、凹凸紙への追従性がよい中間転写ベルトの開発が盛んに行われている。
単層ベルトでは屈曲強度や引き裂き強度が高いことが重要であるため、ポリイミドやポリフェニレンサルファイドが用いられる。またそういった材料は光沢度が高く、硬度が高く表面のタック性が低い。
一方、多層弾性ベルトでは、基材層は上記と同様の強度の高い材料が用いられ、その上に弾性層を積層している。弾性層は一般的にゴム系材料が用いられることが多く、弾性層は紙へ対する追従性は良いものの、トナーと接触する表面が未処理のままでは表面にタック感があり、トナーの離型性が悪く、二次転写率が下がってしまう問題があった。
この問題を解決するために、多層構成で層中に弾性層を持ち、凹凸紙への追従性がよい中間転写ベルトの開発が盛んに行われている。
単層ベルトでは屈曲強度や引き裂き強度が高いことが重要であるため、ポリイミドやポリフェニレンサルファイドが用いられる。またそういった材料は光沢度が高く、硬度が高く表面のタック性が低い。
一方、多層弾性ベルトでは、基材層は上記と同様の強度の高い材料が用いられ、その上に弾性層を積層している。弾性層は一般的にゴム系材料が用いられることが多く、弾性層は紙へ対する追従性は良いものの、トナーと接触する表面が未処理のままでは表面にタック感があり、トナーの離型性が悪く、二次転写率が下がってしまう問題があった。
この問題を解決するために、新たに保護層を設ける方法があるが、十分に転写性能の高い材料をコートした場合、柔軟層の柔軟性に追従できず、割れやはがれが発生するという問題し好ましくない。一方、表面に微粒子を付着されることにより転写性を向上させる提案がなされている。
即ち、特許文献1には、3μm以下の直径のビーズで弾性層を被覆することが提案されている。しかしながら、この公報記載の技術では粒子の脱離が発生してしまい、昨今の電子写真装置の要求される耐久性に関し、十分ではない。
特許文献2には、熱可塑性樹脂やエラストマーやカーボンブラックを溶融混練して押出成形などで樹脂層を成形した後、再度熱プレスで樹脂を溶融し、シリカを埋没させることが提案されている。しかしながら、この公報記載の技術ではシリカの付着状態をコントロールすることが難しい。
また、特許文献3には、シリカ粒子を接着層に埋設させることで耐久性も実現する構成が提案されている。しかしながら、この公報記載の技術ではシリカ粒子をメチルエチルケトン(MEK)中に分散させた塗料をスプレー塗装にてベルト本体の外周面上塗工しているため粒子が単一で存在するのが難しく、重なってしまうなど存在に不均一性が生じ、やはり昨今の電子写真装置の要求される高いレベルの画質を満足しうるものが得られない。
特許文献2には、熱可塑性樹脂やエラストマーやカーボンブラックを溶融混練して押出成形などで樹脂層を成形した後、再度熱プレスで樹脂を溶融し、シリカを埋没させることが提案されている。しかしながら、この公報記載の技術ではシリカの付着状態をコントロールすることが難しい。
また、特許文献3には、シリカ粒子を接着層に埋設させることで耐久性も実現する構成が提案されている。しかしながら、この公報記載の技術ではシリカ粒子をメチルエチルケトン(MEK)中に分散させた塗料をスプレー塗装にてベルト本体の外周面上塗工しているため粒子が単一で存在するのが難しく、重なってしまうなど存在に不均一性が生じ、やはり昨今の電子写真装置の要求される高いレベルの画質を満足しうるものが得られない。
また、特許文献1〜3に記載のすべてにおいて、シリカが好ましく用いられているが、シリカ粒子は凝集力が強いため前述したとおり、均一な粒子層を形成できない。さらに、シリカのような無機粒子は、像形成を担う潜像担持体として好適に用いられる有機感光体との転写部での接触によって有機感光体の表面を傷つけ、摩耗させやすく、耐久性を低下させるという不具合を生じさせる。
本発明は、上記従来技術に鑑みてなされたものであり、柔軟性があり且つトナー離型性に優れ、転写媒体によらず高い転写率を実現でき、かつ、長期にわたり持続可能である高耐久・高画質の電子写真装置を実現するための中間転写ベルトを得ることを目的とする。
なお、以降「電子写真装置」を「画像形成装置」と呼称することがある。
なお、以降「電子写真装置」を「画像形成装置」と呼称することがある。
本発明者らは鋭意検討した結果、中間転写ベルトの弾性層を構成する弾性ゴムを加硫するのに先だって、該弾性ゴムの表面を独立した球形樹脂粒子で被覆し、加圧した後に加硫を行うことで屈曲などに対しても粒子が抜け落ちず、良好な耐久性を持ち、トナーの離型性が初期状態を維持できる中間転写ベルトを得ることができることを見出した。
さらに、球形樹脂粒子の存在形態として、粒子部分の投影面積と弾性ゴムの露出面積との和の70%以上が該粒子部分の投影面積であり、かつ該球形樹脂粒子の露出部分について、平均粒子径がaである球形樹脂粒子A群と平均粒子径がbである球形樹脂粒子群Bとが混在して存在し、平均粒子径についてb≦4a/5を満たし、A:B数量の割合(個数比)が2:8〜8:2の範囲で存在することにより、球形樹脂粒子を密に充填でき、粘着性のある弾性ゴム部分とトナーとの接触を防ぐことが出来るとともに、屈曲時の樹脂粒子の脱離を抑える効果が得られることを見出した。
本発明はこうした知見に基づいてなされたものである。即ち、本発明の上記課題は以下の(1)〜(9)によって達成される。
さらに、球形樹脂粒子の存在形態として、粒子部分の投影面積と弾性ゴムの露出面積との和の70%以上が該粒子部分の投影面積であり、かつ該球形樹脂粒子の露出部分について、平均粒子径がaである球形樹脂粒子A群と平均粒子径がbである球形樹脂粒子群Bとが混在して存在し、平均粒子径についてb≦4a/5を満たし、A:B数量の割合(個数比)が2:8〜8:2の範囲で存在することにより、球形樹脂粒子を密に充填でき、粘着性のある弾性ゴム部分とトナーとの接触を防ぐことが出来るとともに、屈曲時の樹脂粒子の脱離を抑える効果が得られることを見出した。
本発明はこうした知見に基づいてなされたものである。即ち、本発明の上記課題は以下の(1)〜(9)によって達成される。
(1)少なくとも弾性層、該弾性層上に球形樹脂粒子からなる樹脂層を設けた電子写真装置用中間転写ベルトであって、
該弾性層の深さ方向に該球形樹脂粒子が埋没しており、該弾性層の露出部分の投影面積と該球形樹脂粒子の投影面積との和の70%以上が該球形樹脂粒子の投影面積であり、及び該球形樹脂粒子の露出部分において、平均粒子径aの球形樹脂粒子A群と平均粒子径bの球形樹脂粒子B群とが混在して存在し、該平均粒子径がb≦4a/5を満たし、かつ該球形樹脂粒子A群と該球形樹脂粒子B群との数量の割合(個数比)が2:8〜8:2の範囲で存在することを特徴とする中間転写ベルト。
(2)前記弾性層の露出部分の投影面積と前記球形樹脂粒子の投影面積との和の80%以上が該球形樹脂粒子の投影面積であることを特徴とする上記(1)に記載の中間転写ベルト。
(3)前記球形樹脂粒子は、前記平均粒子径aが1.2〜6μmの球形樹脂粒子A群と、前記平均粒子径bが1〜4.8μmの球形樹脂粒子B群とからなる単分散粒子であることを特徴とする上記(1)又は(2)に記載の中間転写ベルト。
(4)前記球形樹脂粒子の硬度が前記弾性層の硬度より高いことを特徴とする上記(1)〜(3)のいずれかに記載の中間転写ベルト。
(5)前記弾性層の硬度がJIS A20°〜60°であることを特徴とする上記(4)に記載の中間転写ベルト。
(6)前記球形樹脂粒子がシリコーン樹脂微粒子であることを特徴とする上記(1)〜(5)のいずれかに記載の中間転写ベルト。
(7)基材層上に弾性層、独立した球形樹脂粒子を面方向に配列させて凹凸形状を形成させた樹脂粒子層を順次積層して中間転写体を製造する方法において、前記基材層上に弾性層形成液を塗布し、加熱した後、この弾性層上に平均粒子径aの球形樹脂粒子A群10〜90重量%と平均粒子径bの球形樹脂粒子B群90〜10重量%とからなり、かつ該平均粒子径がb≦4a/5を満たす球形樹脂粒子混合物を乾式塗布し、加圧して該球形樹脂粒子を該弾性層に一部埋没させて樹脂粒子層を形成させた後、加熱して該弾性層を加硫することを特徴とすることを特徴とする中間転写ベルトの製造方法。
(8)像担持体上に潜像を形成する潜像形成手段と、該潜像をトナーで現像してトナー画像を形成する現像手段と、該トナー画像を中間転写体に転写する中間転写手段と、前記中間転写体に転写されたトナー画像を記録媒体に転写する転写手段と、該記録媒体上に転写されたトナー画像を定着する定着手段とを備えた画像形成装置において、前記中間転写体が上記(1)〜(6)のいずれかに記載の中間転写ベルトであることを特徴とする画像形成装置。
(9)前記画像形成装置が各色の現像手段を有する複数の潜像担持体を直列に配置してなるフルカラー画像形成装置であることを特徴とする上記(8)に記載の画像形成装置。
該弾性層の深さ方向に該球形樹脂粒子が埋没しており、該弾性層の露出部分の投影面積と該球形樹脂粒子の投影面積との和の70%以上が該球形樹脂粒子の投影面積であり、及び該球形樹脂粒子の露出部分において、平均粒子径aの球形樹脂粒子A群と平均粒子径bの球形樹脂粒子B群とが混在して存在し、該平均粒子径がb≦4a/5を満たし、かつ該球形樹脂粒子A群と該球形樹脂粒子B群との数量の割合(個数比)が2:8〜8:2の範囲で存在することを特徴とする中間転写ベルト。
(2)前記弾性層の露出部分の投影面積と前記球形樹脂粒子の投影面積との和の80%以上が該球形樹脂粒子の投影面積であることを特徴とする上記(1)に記載の中間転写ベルト。
(3)前記球形樹脂粒子は、前記平均粒子径aが1.2〜6μmの球形樹脂粒子A群と、前記平均粒子径bが1〜4.8μmの球形樹脂粒子B群とからなる単分散粒子であることを特徴とする上記(1)又は(2)に記載の中間転写ベルト。
(4)前記球形樹脂粒子の硬度が前記弾性層の硬度より高いことを特徴とする上記(1)〜(3)のいずれかに記載の中間転写ベルト。
(5)前記弾性層の硬度がJIS A20°〜60°であることを特徴とする上記(4)に記載の中間転写ベルト。
(6)前記球形樹脂粒子がシリコーン樹脂微粒子であることを特徴とする上記(1)〜(5)のいずれかに記載の中間転写ベルト。
(7)基材層上に弾性層、独立した球形樹脂粒子を面方向に配列させて凹凸形状を形成させた樹脂粒子層を順次積層して中間転写体を製造する方法において、前記基材層上に弾性層形成液を塗布し、加熱した後、この弾性層上に平均粒子径aの球形樹脂粒子A群10〜90重量%と平均粒子径bの球形樹脂粒子B群90〜10重量%とからなり、かつ該平均粒子径がb≦4a/5を満たす球形樹脂粒子混合物を乾式塗布し、加圧して該球形樹脂粒子を該弾性層に一部埋没させて樹脂粒子層を形成させた後、加熱して該弾性層を加硫することを特徴とすることを特徴とする中間転写ベルトの製造方法。
(8)像担持体上に潜像を形成する潜像形成手段と、該潜像をトナーで現像してトナー画像を形成する現像手段と、該トナー画像を中間転写体に転写する中間転写手段と、前記中間転写体に転写されたトナー画像を記録媒体に転写する転写手段と、該記録媒体上に転写されたトナー画像を定着する定着手段とを備えた画像形成装置において、前記中間転写体が上記(1)〜(6)のいずれかに記載の中間転写ベルトであることを特徴とする画像形成装置。
(9)前記画像形成装置が各色の現像手段を有する複数の潜像担持体を直列に配置してなるフルカラー画像形成装置であることを特徴とする上記(8)に記載の画像形成装置。
以下の詳細かつ具体的な説明から明らかなように、本発明によれば、転写媒体の種類・表面性状によらず、高い転写性能を初期的のみならず、長期に渡って維持することを実現でき、また、有機感光体を損傷することなく、長期に渡り、高耐久・高画質な電子写真装置とすることができる。
前述のように本発明におけるシームレスベルトは、その表面が、平均粒子径がaである球形樹脂粒子A群と平均粒子径がbである球形樹脂粒子群Bとの2つの独立した球形樹脂粒子を面方向に配列させた単分散粒子によって、凹凸形状を形成している樹脂粒子層で形成されることを特徴とするものである。
以下、本発明の中間転写ベルトについて説明する。
以下、本発明の中間転写ベルトについて説明する。
本発明のシームレスベルトは、中間転写ベルト方式の電子写真装置〔いわゆる、像担持体(例えば、感光体ドラム)上に順次形成される複数のカラートナー現像画像を中間転写ベルト上に順次重ね合わせて一次転写を行い、その一次転写画像を被記録媒体に一括して二次転写する方式の装置〕における中間転写ベルトとして好適に装備されるものである。
図1は、ベルト表面が、球形樹脂粒子A群と球形樹脂粒子群Bとの2つの独立した球形樹脂粒子が混在して面方向に存在させた単分散粒子によって樹脂粒子層で形成されている様子を示している。
図1は、ベルト表面が、球形樹脂粒子A群と球形樹脂粒子群Bとの2つの独立した球形樹脂粒子が混在して面方向に存在させた単分散粒子によって樹脂粒子層で形成されている様子を示している。
本発明を実施する形態としては、少なくとも弾性層、表層(樹脂粒子層)を含む2層以上の構成であるが、機械的特性を考慮すると、機械的強度の強い基材層の上に弾性層、さらにその上に独立した単分散粒子(球形樹脂粒子)が弾性層上の深さ方向に埋没していることが好ましい。
<基材層>
基材層の構成材料としては、樹脂中に電気抵抗を調整する充填材(又は、添加材)、いわゆる電気抵抗調整材を含有してなるものが挙げられる。
このような樹脂としては、難燃性の観点から、例えば、PVDF、ETFEなどのフッ素系樹脂や、ポリイミド樹脂またはポリアミドイミド樹脂等が好ましく、機械強度(高弾性)や耐熱性の点から、特にポリイミド樹脂又はポリアミドイミド樹脂が好適である。
基材層の構成材料としては、樹脂中に電気抵抗を調整する充填材(又は、添加材)、いわゆる電気抵抗調整材を含有してなるものが挙げられる。
このような樹脂としては、難燃性の観点から、例えば、PVDF、ETFEなどのフッ素系樹脂や、ポリイミド樹脂またはポリアミドイミド樹脂等が好ましく、機械強度(高弾性)や耐熱性の点から、特にポリイミド樹脂又はポリアミドイミド樹脂が好適である。
電気抵抗調整材としては、金属酸化物やカーボンブラック、イオン導電剤、導電性高分子材料などがある。
金属酸化物としては、例えば、酸化亜鉛、酸化スズ、酸化チタン、酸化ジルコニウム、酸化アルミニウム、酸化珪素等が挙げられる。また、分散性を良くするため、前記金属酸化物に予め表面処理を施したものも挙げられる。
カーボンブラックとしては、例えば、ケッチェンブラック、ファーネスブラック、アセチレンブラック、サーマルブラック、ガスブラック等が挙げられる。
イオン導電剤としては、例えば、テトラアルキルアンモニウム塩、トリアルキルベンジルアンモニウム塩、アルキルスルホン酸塩、アルキルベンゼンスルホン酸塩、アルキルサルフェート、グルセリン脂肪酸エステル、ソルビタン脂肪酸エステル、ポリオキシエチレンアルキルアミン、ポリオキシエチレン脂肪アルコールエステル、アルキルベタイン、過塩素酸リチウム等が挙げられ、これらを併用して用いてもよい。
なお、本発明における電気抵抗調整材は、上記例示化合物に限定されるものではない。
また、本発明のシームレスベルトの製造方法における少なくとも樹脂成分を含む塗工液には必要に応じて、さらに分散助剤、補強材、潤滑材、熱伝導材、酸化防止剤などの添加材を含有してもよい。
金属酸化物としては、例えば、酸化亜鉛、酸化スズ、酸化チタン、酸化ジルコニウム、酸化アルミニウム、酸化珪素等が挙げられる。また、分散性を良くするため、前記金属酸化物に予め表面処理を施したものも挙げられる。
カーボンブラックとしては、例えば、ケッチェンブラック、ファーネスブラック、アセチレンブラック、サーマルブラック、ガスブラック等が挙げられる。
イオン導電剤としては、例えば、テトラアルキルアンモニウム塩、トリアルキルベンジルアンモニウム塩、アルキルスルホン酸塩、アルキルベンゼンスルホン酸塩、アルキルサルフェート、グルセリン脂肪酸エステル、ソルビタン脂肪酸エステル、ポリオキシエチレンアルキルアミン、ポリオキシエチレン脂肪アルコールエステル、アルキルベタイン、過塩素酸リチウム等が挙げられ、これらを併用して用いてもよい。
なお、本発明における電気抵抗調整材は、上記例示化合物に限定されるものではない。
また、本発明のシームレスベルトの製造方法における少なくとも樹脂成分を含む塗工液には必要に応じて、さらに分散助剤、補強材、潤滑材、熱伝導材、酸化防止剤などの添加材を含有してもよい。
前記中間転写ベルトとして好適に装備されるシームレスベルトに含有される電気抵抗調整材は、好ましくは表面抵抗で1×108〜1×1013Ω/□、体積抵抗で1×106〜1×1012Ω・cmとなる量とされるが、機械強度の面から成形膜が脆く割れやすくならない範囲の量を選択して添加することが必要である。
つまり、中間転写ベルトとする場合には、前記樹脂成分(例えば、ポリイミド樹脂前駆体又はポリアミドイミド樹脂前駆体)と電気抵抗調整材の配合を適正に調整した塗工液を用いて、電気特性(表面抵抗及び体積抵抗)と機械強度のバランスが取れたシームレスベルトを製造して用いるのが好ましい。
つまり、中間転写ベルトとする場合には、前記樹脂成分(例えば、ポリイミド樹脂前駆体又はポリアミドイミド樹脂前駆体)と電気抵抗調整材の配合を適正に調整した塗工液を用いて、電気特性(表面抵抗及び体積抵抗)と機械強度のバランスが取れたシームレスベルトを製造して用いるのが好ましい。
本発明における電気抵抗調整材の含有量としては、カーボンブラックの場合には、塗工液中の全固形分の10〜25wt%、好ましくは15〜20wt%である。また、金属酸化物の場合の含有量としては、塗工液中の全固形分の1〜50wt%、好ましくは10〜30wt%である。含有量が前記それぞれの電気抵抗調整材の範囲よりも少ないと効果が十分に得られず、また含有量が前記それぞれの範囲よりも多いと前記中間転写ベルト(シームレスベルト)の機械強度が低下し、実使用上好ましくない。
前記シームレスベルトの材料として好適に用いられるポリイミド樹脂(以下、「ポリイミド」と略称することがある。)又はポリアミドイミド樹脂(以下、「ポリアミドイミド」と略称することがある。)について以下具体的に説明する。
<ポリイミド>
本発明に用いられるポリイミドとしては、限定されるものではないが芳香族系のポリイミドが好ましい例として挙げられる。芳香族系のポリイミドは、一般的に知られている芳香族多価カルボン酸無水物(又はその誘導体)と芳香族ジアミンとの反応によって、ポリアミック酸(ポリイミド前駆体)を経由して得られる。
すなわち、ポリイミド、特に、芳香族系のポリイミドは、その剛直な主鎖構造により溶媒等に対して不溶であり、また不融の性質を有する。そのため、先ず、芳香族多価カルボン酸無水物と芳香族ジアミンとの反応により、有機溶媒に可溶なポリイミド前駆体(ポリアミック酸、又はポリアミド酸)を合成し、このポリアミック酸の段階で様々な方法で成形加工が行なわれ、その後ポリアミック酸を加熱もしくは化学的な方法で脱水反応させて環化(イミド化)しポリイミドとされる。芳香族系のポリイミドを得る反応を例にその概略を下記式(1)に示す。
本発明に用いられるポリイミドとしては、限定されるものではないが芳香族系のポリイミドが好ましい例として挙げられる。芳香族系のポリイミドは、一般的に知られている芳香族多価カルボン酸無水物(又はその誘導体)と芳香族ジアミンとの反応によって、ポリアミック酸(ポリイミド前駆体)を経由して得られる。
すなわち、ポリイミド、特に、芳香族系のポリイミドは、その剛直な主鎖構造により溶媒等に対して不溶であり、また不融の性質を有する。そのため、先ず、芳香族多価カルボン酸無水物と芳香族ジアミンとの反応により、有機溶媒に可溶なポリイミド前駆体(ポリアミック酸、又はポリアミド酸)を合成し、このポリアミック酸の段階で様々な方法で成形加工が行なわれ、その後ポリアミック酸を加熱もしくは化学的な方法で脱水反応させて環化(イミド化)しポリイミドとされる。芳香族系のポリイミドを得る反応を例にその概略を下記式(1)に示す。
[式(1)中、Ar1は少なくとも1つの炭素6員環を含む4価の芳香族残基を示し、Ar2は少なくとも1つの炭素6員環を含む2価の芳香族残基を示す。]
上記少なくとも1つの炭素6員環を含む4価の芳香族カルボン酸無水物(芳香族多価カルボン酸無水物)の具体例としては、例えば、ピロメリット酸二無水物、3,3',4,4'−ベンゾフェノンテトラカルボン酸二無水物、2,2',3,3'−ベンゾフェノンテトラカルボン酸二無水物、3,3',4,4'−ビフェニルテトラカルボン酸二無水物、2,2',3,3'−ビフェニルテトラカルボン酸二無水物、2,2−ビス(2,3−ジカルボキシフェニル)プロパン二無水物、ビス(3,4−ジカルボキシフェニル)エーテル二無水物、ビス(3,4−ジカルボキシフェニル)スルホン二無水物、1,1−ビス(2,3−ジカルボキシフェニル)エタン二無水物、ビス(2,3−ジカルボキシフェニル)メタン二無水物、ビス(3,4−ジカルボキシフェニル)メタン二無水物、2,2−ビス(3,4−ジカルボキシルフェニル)−1,1,1,3,3,3−ヘキサフルオロプロパン二無水物、2,3,6,7−ナフタレンテトラカルボン酸二無水物、1,4,5,8−ナフタレンテトラカルボン酸二無水物、1,2,5,6−ナフタレンテトラカルボン酸二無水物、1,2,3,4−ベンゼンテトラカルボン酸二無水物、3,4,9,10−ペリレンテトラカルボン酸二無水物、2,3,6,7−アントラセンテトラカルボン酸二無水物、1,2,7,8−フェナントレンテトラカルボン酸二無水物等が挙げられる。これらは単独又は2種以上混合して用いてもよい。
また、上記式(1)で表される芳香族多価カルボン酸無水物以外の酸無水物、例えば、エチレンテトラカルボン酸二無水物、シクロペンタンテトラカルボン酸二無水物等の脂肪族多価カルボン酸無水物も使用可能であり、これらは単独又は前記芳香族多価カルボン酸無水物と併用してもよい。
なお、前記式(1)においては、芳香族多価カルボン酸無水物としたが、その誘導体(例えば、エステル誘導体)であってもよい。
また、上記式(1)で表される芳香族多価カルボン酸無水物以外の酸無水物、例えば、エチレンテトラカルボン酸二無水物、シクロペンタンテトラカルボン酸二無水物等の脂肪族多価カルボン酸無水物も使用可能であり、これらは単独又は前記芳香族多価カルボン酸無水物と併用してもよい。
なお、前記式(1)においては、芳香族多価カルボン酸無水物としたが、その誘導体(例えば、エステル誘導体)であってもよい。
次に、上記芳香族多価カルボン酸無水物と反応させる少なくとも1つの炭素6員環を含む2価の芳香族ジアミン(芳香族ジアミン)の具体例としては、例えば、m−フェニレンジアミン、o−フェニレンジアミン、p−フェニレンジアミン、m−アミノベンジルアミン、p−アミノベンジルアミン、4,4’−ジアミノジフェニルエーテル、3,3’−ジアミノジフェニルエーテル、3,4’−ジアミノジフェニルエーテル、ビス(3−アミノフェニル)スルフィド、(3−アミノフェニル)(4−アミノフェニル)スルフィド、ビス(4−アミノフェニル)スルフィド、ビス(3−アミノフェニル)スルフィド、(3−アミノフェニル)(4−アミノフェニル)スルホキシド、ビス(3−アミノフェニル)スルホン、(3−アミノフェニル)(4−アミノフェニル)スルホン、ビス(4−アミノフェニル)スルホン、3,3’−ジアミノベンゾフェノン、3,4’−ジアミノベンゾフェノン、4,4’−ジアミノベンゾフェノン、3,3’−ジアミノジフェニルメタン、3,4’−ジアミノジフェニルメタン、4,4’−ジアミノジフェニルメタン、ビス〔4−(3−アミノフェノキシ)フェニル〕メタン、ビス〔4−(4−アミノフェノキシ)フェニル〕メタン、1,1−ビス〔4−(3−アミノフェノキシ)フェニル〕エタン、1,1−ビス〔4−(4−アミノフェノキシ)フェニル〕−エタン、1,2−ビス〔4−(3−アミノフェノキシ)フェニル〕エタン、1,2−ビス〔4−(4−アミノフェノキシ)フェニル〕エタン、2,2−ビス〔4−(3−アミノフェノキシ)フェニル〕プロパン、2,2−ビス〔4−(4−アミノフェノキシ)フェニル〕プロパン、2,2−ビス〔4−(3−アミノフェノキシ)フェニル〕ブタン、2,2−ビス〔3−(3−アミノフェノキシ)フェニル〕−1,1,1,3,3,3−ヘキサフルオロプロパン、2,2−ビス〔4−(4−アミノフェノキシ)フェニル〕−1,1,1,3,3,3−ヘキサフルオロプロパン、1,3−ビス(3−アミノフェノキシ)ベンゼン、1,3−ビス(4−アミノフェノキシ)ベンゼン、1,4−ビス(3−アミノフェノキシ)ベンゼン、1,4−ビス(4−アミノフェノキシ)ベンゼン、4,4’−ビス(3−アミノフェノキシ)ビフェニル、4,4’−ビス(4−アミノフェノキシ)ビフェニル、ビス〔4−(3−アミノフェノキシ)フェニル〕ケトン、ビス〔4−(4−アミノフェノキシ)フェニル〕ケトン、ビス〔4−(3−アミノフェノキシ)フェニル〕スルフィド、ビス〔4−(4−アミノフェノキシ)フェニル〕スルフィド、ビス〔4−(3−アミノフェノキシ)フェニル〕スルホキシド、ビス〔4−(4−アミノフェノキシ)フェニル〕スルホキシド、ビス〔4−(3−アミノフェノキシ)フェニル〕スルホン、ビス〔4−(4−アミノフェノキシ)フェニル〕スルホン、ビス〔4−(3−アミノフェノキシ)フェニル〕エーテル、ビス〔4−(4−アミノフェノキシ)フェニル〕エーテル、1,4−ビス〔4−(3−アミノフェノキシ)ベンゾイル〕ベンゼン、1,3−ビス〔4−(3−アミノフェノキシ)ベンゾイル〕ベンゼン、4,4’−ビス〔3−(4−アミノフェノキシ)ベンゾイル〕ジフェニルエーテル、4,4’−ビス〔3−(3−アミノフェノキシ)ベンゾイル〕ジフェニルエーテル、4,4’−ビス〔4−(4−アミノ−α,α−ジメチルベンジル)フェノキシ〕ベンゾフェノン、4,4’−ビス〔4−(4−アミノ−α,α−ジメチルベンジル)フェノキシ〕ジフェニルスルホン、ビス〔4−{4−(4−アミノフェノキシ)フェノキシ}フェニル〕スルホン、1,4−ビス〔4−(4−アミノフェノキシ)フェノキシ〕−α,α−ジメチルベンジル〕ベンゼン、1,3−ビス〔4−(4−アミノフェノキシ)−α,α−ジメチルベンジル〕ベンゼン等が挙げられる。これらは単独または2種以上を混合して使用してもよい。本発明における物性を効果的に発現するために、少なくとも成分の1つとして、4,4’−ジアミノジフェニルエーテルを用いることが特に好ましい。
なお、上記式(1)で表される芳香族ジアミン以外の脂肪族系ジアミンも使用可能であり、芳香族ジアミンと併用してもよい。
なお、上記式(1)で表される芳香族ジアミン以外の脂肪族系ジアミンも使用可能であり、芳香族ジアミンと併用してもよい。
芳香族系のポリイミドを得る場合には、上記芳香族多価カルボン酸無水物成分と芳香族ジアミン成分とを略等モル用いて有機極性溶媒中で重合反応させることにより、ポリイミド前駆体(ポリアミック酸)を得、その後ポリアミック酸を脱水反応させて環化し、イミド化する。下記にポリアミック酸の製造方法について具体的に説明する。
ここで、ポリアミック酸を得る際の重合反応に使用される有機極性溶媒としては、例えば、ジメチルスルホキシド、ジエチルスルホキシドなどのスルホキシド系溶媒、N,N−ジメチルホルムアミド、N,N−ジエチルホルムアミドなどのホルムアミド系溶媒、N,N−ジメチルアセトアミド、N,N−ジエチルアセトアミドなどのアセトアミド系溶媒、N−メチル−2−ピロリドン、N−ビニル−2−ピロリドンなどのピロリドン系溶媒、フェノール、o−、m−、又はp−クレゾール、キシレノール、ハロゲン化フェノール、カテコールなどのフェノール系溶媒、テトラヒドロフラン、ジオキサン、ジオキソランなどのエーテル系溶媒、メタノール、エタノール、ブタノールなどのアルコール系溶媒、ブチルセロソルブなどのセロソルブ系、又はヘキサメチルホスホルアミド、γ−ブチロラクトンなどを挙げることができ、これらを単独又は混合溶媒として用いるのが望ましい。
溶媒は、前記ポリアミック酸を溶解するものであれば特に限定されないが、N,N−ジメチルアセトアミド、N−メチル−2−ピロリドンが特に好ましい。
溶媒は、前記ポリアミック酸を溶解するものであれば特に限定されないが、N,N−ジメチルアセトアミド、N−メチル−2−ピロリドンが特に好ましい。
ポリイミド前駆体を製造する場合の例として、先ず、アルゴン、窒素などの不活性ガス雰囲気下において、1種又は複数種のジアミンを上記の有機溶媒に溶解するか、又はスラリー状に分散させる。この溶液に前記した少なくとも1種の芳香族多価カルボン酸無水物(又はその誘導体)を添加(固体状態のままでも、有機溶媒に溶解した溶液状態でも、スラリー状態でもよい)すると、発熱を伴って開環重付加反応が起こり、急速に溶液の粘度増大が見られ、高分子量のポリアミック酸溶液が得られる。この際の反応温度は、通常−20℃〜100℃、望ましくは60℃以下に制御することが好ましい。反応時間は、30
分〜12時間程度である。
分〜12時間程度である。
上記は一例であり、反応における上記添加手順とは逆に、先ず、芳香族多価カルボン酸無水物(芳香族テトラカルボン酸二無水物)又はその誘導体を有機溶媒に溶解又は分散させておき、この溶液中に前記芳香族ジアミン(略、「ジアミン」)を添加させてもよい。ジアミンの添加は、固体状態のままでも、有機溶媒に溶解した溶液状態でも、スラリー状態でもよい。すなわち、芳香族テトラカルボン酸二無水物成分と、ジアミン成分との混合順序は限定されない。さらには、芳香族テトラカルボン酸二無水物とジアミンとを同時に有機極性溶媒中に添加して反応させてもよい。
上記のようにして、芳香族多価カルボン酸無水物又はその誘導体と、芳香族ジアミン成分とをおよそ等モル、有機極性溶媒中で重合反応することにより、ポリアミック酸が有機極性溶媒中に均一に溶解した状態でポリイミド前駆体溶液が得られる。
本発明におけるポリイミド前駆体溶液(ポリアミック酸溶液:「ポリイミド樹脂前駆体を含む塗工液」)は、上記のようにして合成したものを使用することが可能であるが、簡便には有機溶媒にポリアミック酸組成物が溶解された状態の、いわゆるポリイミドワニスとして上市されているものを入手して使用することもできる。
このような例としては、トレニース(東レ社製)、U−ワニス(宇部興産社製)、リカコート(新日本理化社製)、オプトマー(JSR社製)、SE812(日産化学社製)、CRC8000(住友ベークライト社製)等が代表的なものとして挙げられる。
このような例としては、トレニース(東レ社製)、U−ワニス(宇部興産社製)、リカコート(新日本理化社製)、オプトマー(JSR社製)、SE812(日産化学社製)、CRC8000(住友ベークライト社製)等が代表的なものとして挙げられる。
合成又は入手したポリアミック酸溶液に、必要に応じて充填剤(例えば、電気抵抗調整材、あるいは分散助剤、補強材、潤滑材、熱伝導材、酸化防止剤などの添加剤)を混合・分散して塗工液が調製される。塗工液を後述のように支持体(成形用の型)に塗布した後、加熱等の処理することにより、ポリイミド前駆体であるポリアミック酸からポリイミドへの転化(イミド化)が行なわれる。
ポリアミック酸は、前述のように加熱する方法(1)、又は化学的方法(2)によってイミド化することができる。
加熱する方法(1)は、ポリアミック酸を、例えば、200〜350℃に加熱処理することによってポリイミドに転化する方法であり、ポリイミド(ポリイミド樹脂)を得る簡便かつ実用的な方法である。
一方、化学的方法(2)は、ポリアミック酸を脱水環化試薬(例えば、カルボン酸無水物と第3アミンの混合物など)により反応した後、加熱処理して完全にイミド化する方法であり、(1)の加熱する方法に比べると煩雑でコストのかかる方法であるため、通常(1)の方法が多く用いられている。
なお、ポリイミドの本来的な性能を発揮させるためには、相当するポリイミドのガラス
転移温度以上に加熱して、イミド化を完結させることが好ましい。
加熱する方法(1)は、ポリアミック酸を、例えば、200〜350℃に加熱処理することによってポリイミドに転化する方法であり、ポリイミド(ポリイミド樹脂)を得る簡便かつ実用的な方法である。
一方、化学的方法(2)は、ポリアミック酸を脱水環化試薬(例えば、カルボン酸無水物と第3アミンの混合物など)により反応した後、加熱処理して完全にイミド化する方法であり、(1)の加熱する方法に比べると煩雑でコストのかかる方法であるため、通常(1)の方法が多く用いられている。
なお、ポリイミドの本来的な性能を発揮させるためには、相当するポリイミドのガラス
転移温度以上に加熱して、イミド化を完結させることが好ましい。
イミド化の進行状況(イミド化の程度)は、通常行なわれているイミド化率の測定手法により評価することができる。
このようなイミド化率の測定方法としては、例えば、9〜11ppm付近のアミド基に帰属される1Hと、6〜9ppm付近の芳香環に帰属される1Hとの積分比から算出する核磁気共鳴分光法(NMR法)、フーリエ変換赤外分光法(FT-IR法)、イミド閉環に伴う水分を定量する方法、カルボン酸中和滴定法など種々の方法が用いられているが、中でもフーリエ変換赤外分光法(FT−IR法)は最も一般的な方法である。
このようなイミド化率の測定方法としては、例えば、9〜11ppm付近のアミド基に帰属される1Hと、6〜9ppm付近の芳香環に帰属される1Hとの積分比から算出する核磁気共鳴分光法(NMR法)、フーリエ変換赤外分光法(FT-IR法)、イミド閉環に伴う水分を定量する方法、カルボン酸中和滴定法など種々の方法が用いられているが、中でもフーリエ変換赤外分光法(FT−IR法)は最も一般的な方法である。
フーリエ変換赤外分光法(FT−IR法)では、イミド化率を、例えば、下記式(i)のように定義する。
すなわち、焼成段階(イミド化処理段階)でのイミド基のモル数を(A)とし、100%イミド化された場合(理論的)のイミド基のモル数を(B)とすると、次により表される。
イミド化率(%)=[(A)/(B)]×100 (i)
すなわち、焼成段階(イミド化処理段階)でのイミド基のモル数を(A)とし、100%イミド化された場合(理論的)のイミド基のモル数を(B)とすると、次により表される。
イミド化率(%)=[(A)/(B)]×100 (i)
この定義におけるイミド基のモル数は、FT−IR法により測定されるイミド基の特性吸収の吸光度比から求めることができる。例えば、代表的な特性吸収として、以下の吸光度比を用いてイミド化率を評価することができる。
(1)イミドの特性吸収の1つである725cm−1(イミド環C=O基の変角振動帯)と、ベンゼン環の特性吸収1,015cm−1との吸光度比
(2)イミドの特性吸収の1つである1,380cm−1(イミド環C−N基の変角振動帯)と、ベンゼン環の特性吸収1,500cm−1との吸光度比
(3)イミドの特性吸収の1つである1,720cm−1(イミド環C=O基の変角振動帯)と、ベンゼン環の特性吸収1,500cm−1との吸光度比
(4)イミドの特性吸収の1つである1,720cm−1とアミド基の特性吸収1,670cm−1(アミド基N−H変角振動とC−N伸縮振動の間の相互作用)との吸光度比
また、3000〜3300cm−1にかけてのアミド基由来の多重吸収帯が消失していることを確認すればさらにイミド化完結の信頼性は高まる。
(2)イミドの特性吸収の1つである1,380cm−1(イミド環C−N基の変角振動帯)と、ベンゼン環の特性吸収1,500cm−1との吸光度比
(3)イミドの特性吸収の1つである1,720cm−1(イミド環C=O基の変角振動帯)と、ベンゼン環の特性吸収1,500cm−1との吸光度比
(4)イミドの特性吸収の1つである1,720cm−1とアミド基の特性吸収1,670cm−1(アミド基N−H変角振動とC−N伸縮振動の間の相互作用)との吸光度比
また、3000〜3300cm−1にかけてのアミド基由来の多重吸収帯が消失していることを確認すればさらにイミド化完結の信頼性は高まる。
<ポリアミドイミド>
次に、ポリアミドイミドについて説明する。
ポリアミドイミドは、分子骨格中に剛直なイミド基と柔軟性を付与するアミド基を有する樹脂であり、本発明に用いられるポリアミドイミドとしては一般的に知られている構造のものを使用することができ、限定されるものではないが芳香族系のポリアミドイミドが特に好ましい例として挙げられる。
ポリアミドイミド樹脂を合成する方法としては、公知の下記酸クロライド法(a)やイソシアネート法(b)が適用できる。
(a)酸クロライド法:酸無水物基とハロゲン化カルボニル基を有する3価のカルボン酸化合物の誘導体[以下、「酸無水物基を有する3価のカルボン酸化合物の誘導体ハライド」と称することがある。](最も代表的には当該誘導体の酸クロライド化合物が挙げられる。)とジアミンとを溶媒中で反応させ、ポリアミド−アミック酸(ポリアミドイミド樹脂前駆体)を経由してポリアミドイミドを製造する。例えば、特公昭42−15637号公報に記載の方法が知られている。
(b)イソシアネート法:酸無水物基とカルボキシラト基を有する3価のカルボン酸化合物[以下、「酸無水物基を有する3価のカルボン酸の誘導体」と呼称することがある。]とイソシアネート化合物(特に、芳香族イソシアネート化合物が好ましい。)とを溶媒中で反応させてポリアミドイミドを製造する。例えば、特公昭44−19274号公報に記載の方法が知られている。
次に、ポリアミドイミドについて説明する。
ポリアミドイミドは、分子骨格中に剛直なイミド基と柔軟性を付与するアミド基を有する樹脂であり、本発明に用いられるポリアミドイミドとしては一般的に知られている構造のものを使用することができ、限定されるものではないが芳香族系のポリアミドイミドが特に好ましい例として挙げられる。
ポリアミドイミド樹脂を合成する方法としては、公知の下記酸クロライド法(a)やイソシアネート法(b)が適用できる。
(a)酸クロライド法:酸無水物基とハロゲン化カルボニル基を有する3価のカルボン酸化合物の誘導体[以下、「酸無水物基を有する3価のカルボン酸化合物の誘導体ハライド」と称することがある。](最も代表的には当該誘導体の酸クロライド化合物が挙げられる。)とジアミンとを溶媒中で反応させ、ポリアミド−アミック酸(ポリアミドイミド樹脂前駆体)を経由してポリアミドイミドを製造する。例えば、特公昭42−15637号公報に記載の方法が知られている。
(b)イソシアネート法:酸無水物基とカルボキシラト基を有する3価のカルボン酸化合物[以下、「酸無水物基を有する3価のカルボン酸の誘導体」と呼称することがある。]とイソシアネート化合物(特に、芳香族イソシアネート化合物が好ましい。)とを溶媒中で反応させてポリアミドイミドを製造する。例えば、特公昭44−19274号公報に記載の方法が知られている。
本発明においては酸クロライド法(a)及びイソシアネート法(b)のいずれも使用することができる。好ましく用いられる芳香族系のポリアミドイミドを例として各製造方法について以下に説明する。
(a)酸クロライド法:
酸無水物基を有する3価のカルボン酸化合物の誘導体ハライドとしては、例えば、下記構造式(2)及び構造式(3)に示す化合物を使用することができる。
酸無水物基を有する3価のカルボン酸化合物の誘導体ハライドとしては、例えば、下記構造式(2)及び構造式(3)に示す化合物を使用することができる。
[式(2)中、Xはハロゲン原子を示す。]
[式(3)中、Xはハロゲン原子を示し、Yは単結合、−CH2−、−CO−、−SO2−又は−O−を示す。]
前記構造式(2)又は構造式(3)において、ハロゲン原子としてはフッ素原子、塩素原子、臭素原子などが挙げられるが、塩素原子が好ましい。最も代表的には、無水トリメリット酸クロライドが挙げられる。
前記構造式(2)又は構造式(3)に示す酸無水物基を有する3価のカルボン酸化合物の誘導体ハライドは芳香族系のポリアミドイミドを得るための原料の一例であって、これらに限られるものではない。
上記構造式(2)又は構造式(3)に示す芳香族系の3価のカルボン酸化合物以外に、脂肪族系の酸無水物基を有する3価のカルボン酸化合物の誘導体ハライドも使用可能であり、芳香族系の誘導体と併用することもできる。
前記構造式(2)又は構造式(3)に示す酸無水物基を有する3価のカルボン酸化合物の誘導体ハライドは芳香族系のポリアミドイミドを得るための原料の一例であって、これらに限られるものではない。
上記構造式(2)又は構造式(3)に示す芳香族系の3価のカルボン酸化合物以外に、脂肪族系の酸無水物基を有する3価のカルボン酸化合物の誘導体ハライドも使用可能であり、芳香族系の誘導体と併用することもできる。
一方、酸クロライド法において芳香族多価カルボン酸無水物と反応させるジアミンとしては特に限定されないが、芳香族ジアミン、脂肪族ジアミン、及び脂環族ジアミンのいずれも用いられるが、芳香族ジアミンが好ましく用いられる。
芳香族ジアミンとしては、m−フェニレンジアミン、p−フェニレンジアミン、オキシジアニリン、ジアミノ−m−キシリレン、ジアミノ−p−キシリレン、1,4−ナフタレンジアミン、1,5−ナフタレンジアミン、2,6−ナフタレンジアミン、2,7−ナフタレンジアミン、2,2'−ビス−(4−アミノフェニル)プロパン、2,2'−ビス−(4−アミノフェニル)へキサフルオロプロパン、4,4'−ジアミノジフェニルスルホン、4,4'−ジアミノジフェニルエーテル、3,3'−ジアミノジフェニルスルホン、3,3'−ジアミノジフェニルエーテル、3,4−ジアミノビフェニル、4,4'−ジアミノベンゾフェノン、3,4−ジアミノジフェニルエーテル、イソプロピリデンジアニリン、3,3'−ジアミノベンゾフェノン、o−トリジン、2,4−トリレンジアミン、1,3−ビス−(3−アミノフェノキシ)ベンゼン、1,4−ビス−(4−アミノフェノキシ)ベンゼン、1,3−ビス−(4−アミノフェノキシ)ベンゼン、2,2−ビス−[4−(4−アミノフェノキシ)フェニル]プロパン、ビス−[4−(4−アミノフェノキシ)フェニル]スルホン、ビス−[4−(3−アミノフェノキシ)フェニル]スルホン、4,4'−ビス−(4−アミノフェノキシ)ビフェニル、2,2'−ビス−[4−(4−アミノフェノキシ)フェニル]へキサフルオロプロパン、4,4'−ジアミノジフェニルスルフィド、3,3'−ジアミノジフェニルスルフィドなどが挙げられる。
脂肪族系ジアミンとしてはメチレンジアミン、ヘキサフルオロイソプロピリデンジアミンなどが挙げられる。
また、ジアミンとして両末端にアミノ基を有するシロキサン系化合物、例えば、1,3−ビス(3−アミノプロピル)−1,1,3,3−テトラメチルジシロキサン、α,ω−ビス(3−アミノプロピル)ポリジメチルシロキサン、1,3−ビス(3−アミノフェノキシメチル)−1,1,3,3−テトラメチルジシロキサン、α,ω−ビス(3−アミノフェノキシメチル)ポリジメチルシロキサン、1,3,−ビス(2−(3−アミノフェノキシ)エチル)−1,1,3,3−テトラメチルジシロキサン、α,ω−ビス(2−(3−アミノフェノキシ)エチル)ポリジメチルシロキサン、1,3−ビス(3−(3−アミノフェノキシ)プロピル)−1,1,3,3−テトラメチルジシロキサン、α,ω−ビス(3−(3−アミノフェノキシ)プロピル)ポリジメチルシロキサン等を用いればシリコーン変性ポリアミドイミドを得ることができる。
芳香族ジアミンとしては、m−フェニレンジアミン、p−フェニレンジアミン、オキシジアニリン、ジアミノ−m−キシリレン、ジアミノ−p−キシリレン、1,4−ナフタレンジアミン、1,5−ナフタレンジアミン、2,6−ナフタレンジアミン、2,7−ナフタレンジアミン、2,2'−ビス−(4−アミノフェニル)プロパン、2,2'−ビス−(4−アミノフェニル)へキサフルオロプロパン、4,4'−ジアミノジフェニルスルホン、4,4'−ジアミノジフェニルエーテル、3,3'−ジアミノジフェニルスルホン、3,3'−ジアミノジフェニルエーテル、3,4−ジアミノビフェニル、4,4'−ジアミノベンゾフェノン、3,4−ジアミノジフェニルエーテル、イソプロピリデンジアニリン、3,3'−ジアミノベンゾフェノン、o−トリジン、2,4−トリレンジアミン、1,3−ビス−(3−アミノフェノキシ)ベンゼン、1,4−ビス−(4−アミノフェノキシ)ベンゼン、1,3−ビス−(4−アミノフェノキシ)ベンゼン、2,2−ビス−[4−(4−アミノフェノキシ)フェニル]プロパン、ビス−[4−(4−アミノフェノキシ)フェニル]スルホン、ビス−[4−(3−アミノフェノキシ)フェニル]スルホン、4,4'−ビス−(4−アミノフェノキシ)ビフェニル、2,2'−ビス−[4−(4−アミノフェノキシ)フェニル]へキサフルオロプロパン、4,4'−ジアミノジフェニルスルフィド、3,3'−ジアミノジフェニルスルフィドなどが挙げられる。
脂肪族系ジアミンとしてはメチレンジアミン、ヘキサフルオロイソプロピリデンジアミンなどが挙げられる。
また、ジアミンとして両末端にアミノ基を有するシロキサン系化合物、例えば、1,3−ビス(3−アミノプロピル)−1,1,3,3−テトラメチルジシロキサン、α,ω−ビス(3−アミノプロピル)ポリジメチルシロキサン、1,3−ビス(3−アミノフェノキシメチル)−1,1,3,3−テトラメチルジシロキサン、α,ω−ビス(3−アミノフェノキシメチル)ポリジメチルシロキサン、1,3,−ビス(2−(3−アミノフェノキシ)エチル)−1,1,3,3−テトラメチルジシロキサン、α,ω−ビス(2−(3−アミノフェノキシ)エチル)ポリジメチルシロキサン、1,3−ビス(3−(3−アミノフェノキシ)プロピル)−1,1,3,3−テトラメチルジシロキサン、α,ω−ビス(3−(3−アミノフェノキシ)プロピル)ポリジメチルシロキサン等を用いればシリコーン変性ポリアミドイミドを得ることができる。
酸クロライド法により本発明におけるポリアミドイミド(ポリアミドイミド樹脂)を得るためには、前記ポリイミド樹脂の製造の場合と同様に、上記した酸無水物基を有する3価のカルボン酸化合物の誘導体ハライドとジアミンとを有機極性溶媒に溶解した後、低温(0〜30℃)で反応させ、ポリアミドイミド樹脂前駆体(ポリアミド−アミック酸)とした後、イミド化する。
使用することのできる有機極性溶媒としては前記ポリイミドの場合と同様であり、スルホキシド系溶媒(例えば、ジメチルスルホキシド、ジエチルスルホキシド等)、ホルムアミド系溶媒(例えば、N,N−ジメチルホルムアミド、N,N−ジエチルホルムアミド等)、アセトアミド系溶媒(例えば、N,N−ジメチルアセトアミド、N,N−ジエチルアセトアミド等)、ピロリドン系溶媒(例えば、N−メチル−2−ピロリドン、N−ビニル−2−ピロリドン等)、フェノール系溶媒(例えば、フェノール、o−、m−、又はp−クレゾール、キシレノール、ハロゲン化フェノール、カテコール等)、エーテル系溶媒(例えば、テトラヒドロフラン、ジオキサン、ジオキソラン等)、アルコール系溶媒(例えば、メタノール、エタノール、ブタノール等)、セロソルブ系溶媒(例えば、ブチルセロソルブ等)、又はヘキサメチルホスホルアミド、γ−ブチロラクトンなどが挙げられる。
これらを単独又は混合溶媒として用いるのが望ましい。溶媒は、ポリアミド−アミック酸を溶解するものであれば特に限定されないが、N,N−ジメチルアセトアミド、N−メチル−2−ピロリドンが特に好ましい。
これらを単独又は混合溶媒として用いるのが望ましい。溶媒は、ポリアミド−アミック酸を溶解するものであれば特に限定されないが、N,N−ジメチルアセトアミド、N−メチル−2−ピロリドンが特に好ましい。
上記により得たポリアミド−アミック酸溶液を所望の支持体、例えば、成形用の型に塗布して塗膜を形成し、この塗膜を加熱等により処理することで、イミド化が行なわれてポリアミド−アミック酸からポリアミド−イミド(ポリアミドイミド)へ転化する。
イミド化の方法としては、前記ポリイミドの場合と同様に加熱処理によりアミック酸を脱水閉環させる方法、及び脱水閉環触媒を用いて化学的に閉環させる方法が用いられる。
加熱処理により脱水閉環させる場合、例えば、反応温度は150〜400℃、好ましくは180〜350℃であり、加熱処理時間は30秒間〜10時間、好ましくは5分間〜5時間である。また、脱水閉環触媒を用いる場合、反応温度は0〜180℃、好ましくは10〜80℃であり、反応時間は数十分間〜数日間、好ましくは2時間〜12時間である。脱水閉環触媒の例としては、酢酸、プロピオン酸、酪酸、安息香酸等の酸無水物等が挙げられる。
イミド化の方法としては、前記ポリイミドの場合と同様に加熱処理によりアミック酸を脱水閉環させる方法、及び脱水閉環触媒を用いて化学的に閉環させる方法が用いられる。
加熱処理により脱水閉環させる場合、例えば、反応温度は150〜400℃、好ましくは180〜350℃であり、加熱処理時間は30秒間〜10時間、好ましくは5分間〜5時間である。また、脱水閉環触媒を用いる場合、反応温度は0〜180℃、好ましくは10〜80℃であり、反応時間は数十分間〜数日間、好ましくは2時間〜12時間である。脱水閉環触媒の例としては、酢酸、プロピオン酸、酪酸、安息香酸等の酸無水物等が挙げられる。
(b)イソシアネート法:
イソシアネート法の場合に用いる酸無水物基とカルボキシラト基を有する3価のカルボン酸化合物(酸無水物基を有する3価のカルボン酸の誘導体)としては、例えば、下記構造式(4)及び構造式(5)に示す化合物を使用することができる。
イソシアネート法の場合に用いる酸無水物基とカルボキシラト基を有する3価のカルボン酸化合物(酸無水物基を有する3価のカルボン酸の誘導体)としては、例えば、下記構造式(4)及び構造式(5)に示す化合物を使用することができる。
[式(4)中、Rは水素原子、炭素数1〜10のアルキル基又はフェニル基を示す。]
[式(5)中、Rは水素原子、炭素数1〜10のアルキル基又はフェニル基を示し、Yは単結合、−CH2−、−CO−、−SO2−又は−O−を示す。]
上記一般式で表される誘導体は何れも使用することができるが、最も代表的には無水トリメリット酸が挙げられる。また、これらの酸無水物基を有する3価のカルボン酸の誘導体は、目的に応じて単独または混合して用いることができる。
前記構造式(4)又は構造式(5)に示す酸無水物基とカルボキシラト基を有する3価のカルボン酸化合物の誘導体は芳香族系のポリアミドイミドを得るための原料の一例であって、これらに限られるものではない。
上記構造式(4)又は構造式(5)に示す芳香族系の3価のカルボン酸化合物以外に、脂肪族系の3価のカルボン酸化合物も使用可能であり、例えば、芳香族系のカルボン酸化合物と併用することもできる。
前記構造式(4)又は構造式(5)に示す酸無水物基とカルボキシラト基を有する3価のカルボン酸化合物の誘導体は芳香族系のポリアミドイミドを得るための原料の一例であって、これらに限られるものではない。
上記構造式(4)又は構造式(5)に示す芳香族系の3価のカルボン酸化合物以外に、脂肪族系の3価のカルボン酸化合物も使用可能であり、例えば、芳香族系のカルボン酸化合物と併用することもできる。
次に、イソシアネート法において酸無水物基とカルボキシラト基を有する3価のカルボン酸化合物と反応させる一方のイソシアネート化合物としては、例えば、4,4′−ジフェニルメタンジイソシアネート、トリレンジイソシアネート、キシリレンジイソシアネート、4,4′−ジフェニルエーテルジイソシアネート、4,4′−〔2,2−ビス(4−フェノキシフェニル)プロパン〕ジイソシアネート、ビフェニル−4,4′−ジイソシアネート、ビフェニル−3,3′−ジイソシアネート、ビフェニル−3,4′−ジイソシアネート、3,3′−ジメチルビフェニル−4,4′−ジイソシアネート、2,2′−ジメチルビフェニル−4,4′−ジイソシアネート、3,3′−ジエチルビフェニル−4,4′−ジイソシアネート、2,2′−ジエチルビフェニル−4,4′−ジイソシアネート、3,3′−ジメトキシビフェニル−4,4′−ジイソシアネート、2,2′−ジメトキシビフェニル−4,4′−ジイソシアネート、ナフタレン−1,5−ジイソシアネート、ナフタレン−2,6−ジイソシアネート等が挙げられる。
イソシアネート化合物としては、特に芳香族イソシアネート化合物(芳香族ポリイソシアネート)が好ましく用いられる。これらの芳香族ポリイソシアネートは単独で使用することもできるし、組み合わせて使用することもできる。
また、必要に応じてこの一部としてヘキサメチレンジイソシアネート、2,2,4−トリメチルヘキサメチレンジイソシアネート、イソホロンジイソシアネート、4,4′−ジシクロヘキシルメタンジイソシアネート、トランスシクロヘキサン−1,4−ジイソシアネート、水添m−キシリレンジイソシアネート、リジンジイソシアネート等の脂肪族、脂環式イソシアネート及び3官能以上のポリイソシアネートを使用することもできる。
イソシアネート化合物としては、特に芳香族イソシアネート化合物(芳香族ポリイソシアネート)が好ましく用いられる。これらの芳香族ポリイソシアネートは単独で使用することもできるし、組み合わせて使用することもできる。
また、必要に応じてこの一部としてヘキサメチレンジイソシアネート、2,2,4−トリメチルヘキサメチレンジイソシアネート、イソホロンジイソシアネート、4,4′−ジシクロヘキシルメタンジイソシアネート、トランスシクロヘキサン−1,4−ジイソシアネート、水添m−キシリレンジイソシアネート、リジンジイソシアネート等の脂肪族、脂環式イソシアネート及び3官能以上のポリイソシアネートを使用することもできる。
イソシアネート法により本発明におけるポリアミドイミドを得るためには、前記ポリイミドの製造の場合と同様に、上記した酸無水物基を有する3価のカルボン酸の誘導体と、芳香族ポリイソシアネートとを有機極性溶媒に溶解、調整して得られるポリアミドイミド前駆体を含む溶液を支持体に塗布した後、加熱処理することにより、ポリアミドイミド前駆体からポリアミドイミドへの転化が行なわれる。このイソシアネート法によるポリアミドイミドへの転化の際、概略ポリアミック酸を経由することなく、炭酸ガスを発生してポリアミドイミドを生成する。
下記式(6)に無水トリメリット酸と芳香族ジイソシアネートとを用いた場合のポリアミドイミド化による芳香族ポリアミドイミドの生成例を示す。
[式(6)中、Arは2価の芳香族基を示す。]
前述したポリイミド(ポリイミド樹脂)又はポリアミドイミド(ポリアミドイミド樹脂)へ転化する前駆体は、通常単一の組成分を原料として反応したものが使用されるが、必要に応じて相溶性等を考慮して選択された別の組成分を原料として反応した前駆体を組み合せ併用することも可能である。また、ポリイミド繰返単位とポリアミドイミド繰返単位を有する共重合体であってもよい。
基材層の厚さは50〜80μmくらいが適当である。
基材層の厚さは50〜80μmくらいが適当である。
<弾性層>
次に、上記基材層上に積層する弾性層について説明する。
弾性層は特に、転写材である紙の表面性状に凹凸のあるレザック紙のような紙の表面状態に追従させるためにはできるだけ柔らかいものを選択する方が好ましく、エラストマー材料やゴム材料を用いるのが良い。
本発明においては、この弾性層の表面に球形樹脂粒子層を形成する上で、熱可塑性のものよりも熱硬化性のものの方が好ましい。熱硬化性のものの方が、その硬化反応に寄与する官能基の効果により樹脂粒子との密着性に優れ確実に固定化することが可能である。
次に、上記基材層上に積層する弾性層について説明する。
弾性層は特に、転写材である紙の表面性状に凹凸のあるレザック紙のような紙の表面状態に追従させるためにはできるだけ柔らかいものを選択する方が好ましく、エラストマー材料やゴム材料を用いるのが良い。
本発明においては、この弾性層の表面に球形樹脂粒子層を形成する上で、熱可塑性のものよりも熱硬化性のものの方が好ましい。熱硬化性のものの方が、その硬化反応に寄与する官能基の効果により樹脂粒子との密着性に優れ確実に固定化することが可能である。
エラストマー材料としては、ポリウレタン系、シリコーン変性エポキシ系、シリコーン変性アクリル系等が挙げられる。
また、ゴム材料としては、イソプレンゴム、スチレンゴム、ブタジエンゴム、ニトリルゴム、エチレンプロピレンゴム、ブチルゴム、シリコーンゴム、クロロプレンゴム、アクリルゴム、クロロスルホン化ポリエチレン、フッ素ゴム、ウレタンゴム、ヒドリンゴム等が挙げられる。
また、ゴム材料としては、イソプレンゴム、スチレンゴム、ブタジエンゴム、ニトリルゴム、エチレンプロピレンゴム、ブチルゴム、シリコーンゴム、クロロプレンゴム、アクリルゴム、クロロスルホン化ポリエチレン、フッ素ゴム、ウレタンゴム、ヒドリンゴム等が挙げられる。
上記選択した材料に、電気特性を調整するための抵抗調整剤、難燃性を得るための難燃剤、必要に応じて、酸化防止剤、補強剤、充填剤、加硫促進剤などの材料を適宜含有させた配合を行う。
電気特性を調整するための抵抗調整剤としては、すでに基材層の説明において記述した各種材料が適用できるが、カーボンブラックや金属酸化物などは柔軟性を損なうため、使用量を抑えることが好ましく、イオン導電剤や導電性高分子を用いることも有効である。また、これらの併用でも構わない。
電気特性を調整するための抵抗調整剤としては、すでに基材層の説明において記述した各種材料が適用できるが、カーボンブラックや金属酸化物などは柔軟性を損なうため、使用量を抑えることが好ましく、イオン導電剤や導電性高分子を用いることも有効である。また、これらの併用でも構わない。
弾性層の抵抗値としては、表面抵抗で1×108〜1×1013Ω/□、体積抵抗で1×106〜1×1012Ω・cmとなる様に調整されることが好ましい。
弾性層の膜厚としては、200μm〜2mm程度が好ましい。膜厚が薄いと、転写媒体の表面性状への追従性や転写圧力低減効果が低く好ましくない。厚すぎると、膜の重さが重くなりたわみやすくなり走行性が不安定になったり、ベルトを張架させるためのローラ曲率部での屈曲により亀裂が発生しやすくなるため好ましくない。
また、弾性層の硬度は樹脂粒子層を構成する球状樹脂粒子の硬度より低く、JIS A60°以下であるのが好ましい。弾性層の硬度が樹脂粒子の硬度より高いと弾性層中に樹脂粒子を埋没させることが難しくなる。
弾性層の膜厚としては、200μm〜2mm程度が好ましい。膜厚が薄いと、転写媒体の表面性状への追従性や転写圧力低減効果が低く好ましくない。厚すぎると、膜の重さが重くなりたわみやすくなり走行性が不安定になったり、ベルトを張架させるためのローラ曲率部での屈曲により亀裂が発生しやすくなるため好ましくない。
また、弾性層の硬度は樹脂粒子層を構成する球状樹脂粒子の硬度より低く、JIS A60°以下であるのが好ましい。弾性層の硬度が樹脂粒子の硬度より高いと弾性層中に樹脂粒子を埋没させることが難しくなる。
<樹脂粒子層>
次に、上記弾性層上に積層する球形樹脂粒子層について説明する。
樹脂粒子の材料としては特に問わないが、アクリル樹脂、メラミン樹脂、ポリアミド樹脂、ポリエステル樹脂、シリコーン樹脂、フッ素樹脂などの樹脂を主成分としてなる球形粒子が挙げられる。また、これらの樹脂材料からなる粒子の表面を異種材料で表面処理を施したものでも良い。
また、ここで言う樹脂粒子の中には、ゴム材料も含む。ゴム材料で作製された球状粒子の表面を硬い樹脂をコートしたような構成のものも適用可能である。また、中空であったり、多孔質であっても良い。
これらの樹脂中で、滑性を有し、トナーに対しての離型性、耐磨耗性を付与できる機能の高いものとして、シリコーン樹脂粒子が最も好ましい。
これら樹脂を用い、重合法などにより球状の形状に作製された粒子であることが好ましく、本発明においては、真球に近いものほど好ましい。なお、本発明で使用するのに適したシリコーン樹脂粒子は市販されており、例えば商品名:トスパール(モメンティブ・パフォーマンス・マテリアルズ社製)などが挙げられる。
次に、上記弾性層上に積層する球形樹脂粒子層について説明する。
樹脂粒子の材料としては特に問わないが、アクリル樹脂、メラミン樹脂、ポリアミド樹脂、ポリエステル樹脂、シリコーン樹脂、フッ素樹脂などの樹脂を主成分としてなる球形粒子が挙げられる。また、これらの樹脂材料からなる粒子の表面を異種材料で表面処理を施したものでも良い。
また、ここで言う樹脂粒子の中には、ゴム材料も含む。ゴム材料で作製された球状粒子の表面を硬い樹脂をコートしたような構成のものも適用可能である。また、中空であったり、多孔質であっても良い。
これらの樹脂中で、滑性を有し、トナーに対しての離型性、耐磨耗性を付与できる機能の高いものとして、シリコーン樹脂粒子が最も好ましい。
これら樹脂を用い、重合法などにより球状の形状に作製された粒子であることが好ましく、本発明においては、真球に近いものほど好ましい。なお、本発明で使用するのに適したシリコーン樹脂粒子は市販されており、例えば商品名:トスパール(モメンティブ・パフォーマンス・マテリアルズ社製)などが挙げられる。
本発明の中間転写ベルトにおいては、露出部分の樹脂粒子は平均(体積平均)粒子径aの球形樹脂粒子A群と,平均(体積平均)粒子径bの球形樹脂粒子B群との2つで構成されている。ここで、b≦4a/5の要件を満たしていることが必要である。また、bは好ましくはb≧1a/10である。
aの値は1.2〜6μm、bの値は1〜4.8μmが好ましい。aの値が6μmより大きいと電気的特性が悪化し不具合が生じる場合がある。一方、bの値が1μmより小さいとゴムに全面埋もれてしまい粒子が露出しない不具合が生じる場合がある。
球形樹脂粒子のモース硬度が7より高いと感光体の表面を傷つけるおそれがある。
aの値は1.2〜6μm、bの値は1〜4.8μmが好ましい。aの値が6μmより大きいと電気的特性が悪化し不具合が生じる場合がある。一方、bの値が1μmより小さいとゴムに全面埋もれてしまい粒子が露出しない不具合が生じる場合がある。
球形樹脂粒子のモース硬度が7より高いと感光体の表面を傷つけるおそれがある。
<ベルトの表面状態>
次に、本発明におけるベルト表面状態について説明する。
図1(ベルトの表面を真上から観察した拡大模式図)にみられるように、球形樹脂粒子A群と球形樹脂粒子B群がそれぞれ独立し混在して表面層を構成する形態を採る。
本発明においては、上記球形樹脂粒子は樹脂層中へ一部埋設された形態を取るが、その埋没率は20%以上80%以下の範囲のものが好ましく、40%〜60%であることがより好ましい。20%以下では電子写真装置での長期使用において粒子の脱離が起きやすく、耐久性に劣る傾向にあり、一方、80%以上では球形樹脂粒子による転写性への効果が低減する場合がある。
次に、本発明におけるベルト表面状態について説明する。
図1(ベルトの表面を真上から観察した拡大模式図)にみられるように、球形樹脂粒子A群と球形樹脂粒子B群がそれぞれ独立し混在して表面層を構成する形態を採る。
本発明においては、上記球形樹脂粒子は樹脂層中へ一部埋設された形態を取るが、その埋没率は20%以上80%以下の範囲のものが好ましく、40%〜60%であることがより好ましい。20%以下では電子写真装置での長期使用において粒子の脱離が起きやすく、耐久性に劣る傾向にあり、一方、80%以上では球形樹脂粒子による転写性への効果が低減する場合がある。
埋没率とは、粒子の深さ方向の径の樹脂層に埋没している率のことであるが、ここで言う埋没率は、すべての粒子が20%以上80%以下という意味ではなく、ある視野で見たときの平均埋没率で表わしたときの数値が20%以上80%以下であれば良い。
ここで、弾性層の深さ方向への球形樹脂粒子の埋没率の確認は、電解放射走査電子顕微鏡JSM−7400F(日本電子社製)で観察することができる。
埋没率20%のときは、電子顕微鏡による断面観測において、弾性層中へ完全埋没している粒子が殆ど観測されない(樹脂層中に完全に埋没している粒子の個数%は粒子全体のうち5%以下)。さらにこの粒子は、弾性層に対して、厚み方向に単一の状態で含有される方が好ましい。
ここで、弾性層の深さ方向への球形樹脂粒子の埋没率の確認は、電解放射走査電子顕微鏡JSM−7400F(日本電子社製)で観察することができる。
埋没率20%のときは、電子顕微鏡による断面観測において、弾性層中へ完全埋没している粒子が殆ど観測されない(樹脂層中に完全に埋没している粒子の個数%は粒子全体のうち5%以下)。さらにこの粒子は、弾性層に対して、厚み方向に単一の状態で含有される方が好ましい。
ベルトの表面においては、球形樹脂粒子A群と球形樹脂粒子B群との数量の割合(個数比)は、2:8〜8:2の範囲で存在することが好ましい。前記個数比が2:8〜8:2の範囲から逸脱していると、ゴム上の粒子径の場所によるバラつきが大きくなり、均一性がなくなるといった不具合が生じることがある。
また、弾性層の露出部分の投影面積と球形樹脂粒子(A、B)の投影面積との和の70%以上、好ましくは75%以上が球形樹脂粒子の投影面積である。弾性層の露出部分の投影面積及び球形樹脂粒子(A群、B群)の投影面積の全体に占める球形樹脂粒子(A群、B群)の投影面積(以降「対弾性層の粒子部面積比(投影面積)」ともいう)が70%未満であると、二次転写率の低下といった不具合が生じることがある。
また、弾性層の露出部分の投影面積と球形樹脂粒子(A、B)の投影面積との和の70%以上、好ましくは75%以上が球形樹脂粒子の投影面積である。弾性層の露出部分の投影面積及び球形樹脂粒子(A群、B群)の投影面積の全体に占める球形樹脂粒子(A群、B群)の投影面積(以降「対弾性層の粒子部面積比(投影面積)」ともいう)が70%未満であると、二次転写率の低下といった不具合が生じることがある。
<ベルトの作製>
次に、上記本発明の構成のベルトを作製する方法についての一例を説明する。
まず、基材層の作製方法について説明する。
円筒状の型、例えば、円筒状の金属金型をゆっくりと回転させながら、少なくとも樹脂成分を含む塗工液(例えば、ポリイミド樹脂前駆体又はポリアミドイミド樹脂前駆体を含む塗工液)をノズルやディスペンサーのような液供給装置にて円筒の外面全体に均一になるように塗布・流延(塗膜を形成)する。その後、回転速度を所定速度まで上げ、所定速度に達したら一定速度に維持し、所望の時間回転を継続する。そして、回転させつつ徐々に昇温させながら、約80〜150℃の温度で塗膜中の溶媒を蒸発させていく。この過程では、雰囲気の蒸気(揮発した溶媒等)を効率よく循環して取り除くことが好ましい。自己支持性のある膜が形成されたところで金型ごと高温処理の可能な加熱炉(焼成炉)に移し、段階的に昇温し、最終的に250℃〜450℃程度の高温加熱処理(焼成)し、十分にポリイミド樹脂前駆体又はポリアミドイミド樹脂前駆体のイミド化又はポリアミドイミド化を行う。
次に、上記本発明の構成のベルトを作製する方法についての一例を説明する。
まず、基材層の作製方法について説明する。
円筒状の型、例えば、円筒状の金属金型をゆっくりと回転させながら、少なくとも樹脂成分を含む塗工液(例えば、ポリイミド樹脂前駆体又はポリアミドイミド樹脂前駆体を含む塗工液)をノズルやディスペンサーのような液供給装置にて円筒の外面全体に均一になるように塗布・流延(塗膜を形成)する。その後、回転速度を所定速度まで上げ、所定速度に達したら一定速度に維持し、所望の時間回転を継続する。そして、回転させつつ徐々に昇温させながら、約80〜150℃の温度で塗膜中の溶媒を蒸発させていく。この過程では、雰囲気の蒸気(揮発した溶媒等)を効率よく循環して取り除くことが好ましい。自己支持性のある膜が形成されたところで金型ごと高温処理の可能な加熱炉(焼成炉)に移し、段階的に昇温し、最終的に250℃〜450℃程度の高温加熱処理(焼成)し、十分にポリイミド樹脂前駆体又はポリアミドイミド樹脂前駆体のイミド化又はポリアミドイミド化を行う。
十分に冷却後、引き続き、弾性層を積層する。
この弾性層は、射出成形、押し出し成形などにより基材層上に形成することも可能であるが、本発明においては弾性層塗工液を塗布することにより形成することが有効である。
弾性層塗工液においては、液状樹脂または液状エラストマー、液状ゴム等を用いることができる。また、溶剤可溶な樹脂またはエラストマー、ゴム材料を溶剤に溶解した溶液を塗布液として用いることもできる。
この弾性層は、射出成形、押し出し成形などにより基材層上に形成することも可能であるが、本発明においては弾性層塗工液を塗布することにより形成することが有効である。
弾性層塗工液においては、液状樹脂または液状エラストマー、液状ゴム等を用いることができる。また、溶剤可溶な樹脂またはエラストマー、ゴム材料を溶剤に溶解した溶液を塗布液として用いることもできる。
ここでは、ゴム材料を用い、基材層上に塗布形成する方法について説明する。
少なくともゴム、硫黄、加硫促進剤を含む塗布液を、基材層同様、円筒状の金属金型をゆっくりと回転させながら、ノズルやディスペンサーのような液供給装置にて円筒の基材層表面全体に均一になるように塗布・流延(塗膜を形成)し、昇温速度4℃/分で150℃3hまで加熱する。
十分にレベリングしたところで、図2に示すように、弾性層(1)に接する位置に設けられた樹脂粒子供給部材(2)を回転させながら、球形樹脂粒子(3)即ち球形樹脂粒子A群と球形樹脂粒子B群の混合物を弾性層(1)表面に供給する。次いで、図示されていないローラーで加圧した後、加熱して弾性層(1)を加硫することによりベルトを得る。
ここで、弾性層の深さ方向に球形樹脂粒子が埋め込まれ、及び対弾性層の粒子部面積比(投影面積)が70%である樹脂粒子を形成するには、前記ローラーでの加圧は50〜100N/m2が好ましく、60〜90N/m2がより好ましい。また、球形樹脂粒子A群と球形樹脂粒子B群の混合物は、球形樹脂粒子A群10〜90重量%(好ましくは20〜80重量%)と球形樹脂粒子B群90〜10重量%(好ましくは80〜20重量%)とからなるものの使用が好ましく、球形樹脂粒子A群40〜60重量%と球形樹脂粒子B群60〜40重量%とからなるものの使用がより好ましい。
少なくともゴム、硫黄、加硫促進剤を含む塗布液を、基材層同様、円筒状の金属金型をゆっくりと回転させながら、ノズルやディスペンサーのような液供給装置にて円筒の基材層表面全体に均一になるように塗布・流延(塗膜を形成)し、昇温速度4℃/分で150℃3hまで加熱する。
十分にレベリングしたところで、図2に示すように、弾性層(1)に接する位置に設けられた樹脂粒子供給部材(2)を回転させながら、球形樹脂粒子(3)即ち球形樹脂粒子A群と球形樹脂粒子B群の混合物を弾性層(1)表面に供給する。次いで、図示されていないローラーで加圧した後、加熱して弾性層(1)を加硫することによりベルトを得る。
ここで、弾性層の深さ方向に球形樹脂粒子が埋め込まれ、及び対弾性層の粒子部面積比(投影面積)が70%である樹脂粒子を形成するには、前記ローラーでの加圧は50〜100N/m2が好ましく、60〜90N/m2がより好ましい。また、球形樹脂粒子A群と球形樹脂粒子B群の混合物は、球形樹脂粒子A群10〜90重量%(好ましくは20〜80重量%)と球形樹脂粒子B群90〜10重量%(好ましくは80〜20重量%)とからなるものの使用が好ましく、球形樹脂粒子A群40〜60重量%と球形樹脂粒子B群60〜40重量%とからなるものの使用がより好ましい。
ベルト作製の最終段階では、弾性層に粒子が埋め込まれるため、平均粒子径a、bは小さくなる傾向がある。そのため、ベルト作製にあたっては、平均粒子径aより幾分大きい平均粒子径a’ の球形樹脂粒子A’ 群、及び平均粒子径bより幾分大きい平均粒子径b’ の球形樹脂粒子B’ 群 が用いられるのが好ましいが、実際のベルト作製においては、平均粒子径aの球形樹脂粒子A群及び平均粒子径bの球形樹脂粒子B群を用いることで支障が生じることはない。
〔画像形成装置〕
前述の方法により製造されたシームレスベルトは、例えば、像担持体上に順次形成される複数のカラートナー現像画像を中間転写ベルト上に順次重ね合わせて一次転写を行い、その一次転写画像を被記録媒体に一括して二次転写する、いわゆる中間転写方式の電子写真装置の中間転写ベルトとして好適に用いられ、高画質画像形成な電子写真装置(画像形成装置)を構成することができる。
本発明における画像形成装置に装備されるベルト構成部に用いられるシームレスベルトについて、要部模式図を参照しながら以下に詳しく説明する。なお、模式図は一例であって本発明はこれに限定されるものではない。
本発明における画像形成装置に装備されるベルト構成部に用いられるシームレスベルトについて、要部模式図を参照しながら以下に詳しく説明する。なお、模式図は一例であって本発明はこれに限定されるものではない。
図3は、本発明に係る製造方法により得られるシームレスベルトをベルト部材として装備する画像形成装置を説明するための要部模式図である。
図3に示すベルト部材を含む中間転写ユニット(500)は、複数のローラに張架された中間転写体である中間転写ベルト(501)などにより構成されている。この中間転写ベルト(501)の周りには、2次転写ユニット(600)の2次転写電荷付与手段である2次転写バイアスローラ(605)、中間転写体クリーニング手段であるベルトクリーニングブレード(504)、潤滑剤塗布手段の潤滑剤塗布部材である潤滑剤塗布ブラシ(505)などが対向するように配設されている。
図3に示すベルト部材を含む中間転写ユニット(500)は、複数のローラに張架された中間転写体である中間転写ベルト(501)などにより構成されている。この中間転写ベルト(501)の周りには、2次転写ユニット(600)の2次転写電荷付与手段である2次転写バイアスローラ(605)、中間転写体クリーニング手段であるベルトクリーニングブレード(504)、潤滑剤塗布手段の潤滑剤塗布部材である潤滑剤塗布ブラシ(505)などが対向するように配設されている。
また、位置検知用マークが中間転写ベルト(501)の外周面または内周面に図示しない位置検知用マークが設けられる。ただし、中間転写ベルト(501)の外周面側については位置検知用マークがベルトクリーニングブレード(504)の通過域を避けて設ける工夫が必要であり、配置上の困難さを伴うことがあるので、その場合には位置検知用マークを中間転写ベルト(501)の内周面側に設けてもよい。マーク検知用センサとしての光学センサ(514)は、中間転写ベルト(501)が架け渡されている1次転写バイアスローラ(507)とベルト駆動ローラ(508)との間の位置に設けられる。
この中間転写ベルト(501)は、1次転写電荷付与手段である1次転写バイアスローラ(507)、ベルト駆動ローラ(508)、ベルトテンションローラ(509)、2次転写対向ローラ(510)、クリーニング対向ローラ(511)、及びフィードバック電流検知ローラ(512)に張架されている。各ローラは導電性材料で形成され、1次転写バイアスローラ(507)以外の各ローラは接地されている。1次転写バイアスローラ(507)には、定電流または定電圧制御された1次転写電源(801)により、トナー像の重ね合わせ数に応じて所定の大きさの電流または電圧に制御された転写バイアスが印加されている。
中間転写ベルト(501)は、図示しない駆動モータによって矢印方向に回転駆動されるベルト駆動ローラ(508)により、矢印方向に駆動される。
このベルト部材である中間転写ベルト(501)は、通常、半導体、又は絶縁体で、単層または多層構造となっているが、本発明においてはシームレスベルトが好ましく用いられ、これによって耐久性が向上すると共に、優れた画像形成が実現できる。また、中間転写ベルトは、感光体ドラム(200)上に形成されたトナー像を重ね合わせるために、通紙可能最大サイズより大きく設定されている。
このベルト部材である中間転写ベルト(501)は、通常、半導体、又は絶縁体で、単層または多層構造となっているが、本発明においてはシームレスベルトが好ましく用いられ、これによって耐久性が向上すると共に、優れた画像形成が実現できる。また、中間転写ベルトは、感光体ドラム(200)上に形成されたトナー像を重ね合わせるために、通紙可能最大サイズより大きく設定されている。
2次転写手段である2次転写バイアスローラ(605)は、2次転写対向ローラ(510)に張架された部分の中間転写ベルト(501)のベルト外周面に対して、後述する接離手段としての接離機構によって、接離可能に構成されている。2次転写バイアスローラ(605)は、2次転写対向ローラ(510)に張架された部分の中間転写ベルト(501)との間に被記録媒体である転写紙(P)を挟持するように配設されており、定電流制御される2次転写電源(802)によって所定電流の転写バイアスが印加されている。
レジストローラ(610)は、2次転写バイアスローラ(605)と2次転写対向ローラ(510)に張架された中間転写ベルト(501)との間に、所定のタイミングで転写材である転写紙(P)を送り込む。また、2次転写バイアスローラ(605)には、クリーニング手段であるクリーニングブレード(608)が当接している。該クリーニングブレード(608)は、2次転写バイアスローラ(605)の表面に付着した付着物を除去してクリーニングするものである。
このような構成のカラー複写機において、画像形成サイクルが開始されると、感光体ドラム(200)は、図示しない駆動モータによって矢印で示す半時計方向に回転され、該感光体ドラム(200)上に、Bk(ブラック)トナー像形成、C(シアン)トナー像形成、M(マゼンタ)トナー像形成、Y(イエロー)トナー像形成が行なわれる。中間転写ベルト(501)はベルト駆動ローラ(508)によって矢印で示す時計回りに回転される。この中間転写ベルト(501)の回転に伴って、1次転写バイアスローラ(507)に印加される電圧による転写バイアスにより、Bkトナー像、Cトナー像、Mトナー像、Yトナー像の1次転写が行なわれ、最終的にBk、C、M、Yの順に中間転写ベルト(501)上に各トナー像が重ね合わせて形成される。
例えば、上記Bkトナー像形成は次のように行なわれる。
図3において、帯電チャージャ(203)は、コロナ放電によって感光体ドラム(200)の表面を負電荷で所定電位に一様に帯電する。上記ベルトマーク検知信号に基づき、タイミングを定め、図示しない書き込み光学ユニットにより、Bkカラー画像信号に基づいてレーザ光によるラスタ露光を行う。このラスタ像が露光されたとき、当初一様帯電された感光体ドラム(200)の表面の露光された部分は、露光光量に比例する電荷が消失し、Bk静電潜像が形成される。このBk静電潜像に、Bk現像器(231K)の現像ローラ上の負帯電されたBkトナーが接触することにより、感光体ドラム(200)の電荷が残っている部分にはトナーが付着せず、電荷の無い部分つまり露光された部分にはトナーが吸着し、静電潜像と相似なBkトナー像が形成される。
図3において、帯電チャージャ(203)は、コロナ放電によって感光体ドラム(200)の表面を負電荷で所定電位に一様に帯電する。上記ベルトマーク検知信号に基づき、タイミングを定め、図示しない書き込み光学ユニットにより、Bkカラー画像信号に基づいてレーザ光によるラスタ露光を行う。このラスタ像が露光されたとき、当初一様帯電された感光体ドラム(200)の表面の露光された部分は、露光光量に比例する電荷が消失し、Bk静電潜像が形成される。このBk静電潜像に、Bk現像器(231K)の現像ローラ上の負帯電されたBkトナーが接触することにより、感光体ドラム(200)の電荷が残っている部分にはトナーが付着せず、電荷の無い部分つまり露光された部分にはトナーが吸着し、静電潜像と相似なBkトナー像が形成される。
このようにして感光体ドラム(200)上に形成されたBkトナー像は、感光体ドラム(200)と接触状態で等速駆動回転している中間転写ベルト(501)のベルト外周面に1次転写される。この1次転写後の感光体ドラム(200)の表面に残留している若干の未転写の残留トナーは、感光体ドラム(200)の再使用に備えて、感光体クリーニング装置(201)で清掃される。この感光体ドラム(200)側では、Bk画像形成工程の次にC画像形成工程に進み、所定のタイミングでカラースキャナによるC画像データの読み取りが始まり、そのC画像データによるレーザ光書き込みによって、感光体ドラム(200)の表面にC静電潜像を形成する。
そして、先のBk静電潜像の後端部が通過した後で、且つC静電潜像の先端部が到達する前にリボルバ現像ユニット(230)の回転動作が行なわれ、C現像器(231C)が現像位置にセットされ、C静電潜像がCトナーで現像される。以後、C静電潜像領域の現像を続けるが、C静電潜像の後端部が通過した時点で、先のBk現像器(231K)の場合と同様にリボルバ現像ユニットの回転動作を行い、次のM現像器(231M)を現像位置に移動させる。これもやはり次のY静電潜像の先端部が現像位置に到達する前に完了させる。なお、M及びYの画像形成工程については、それぞれのカラー画像データ読み取り、静電潜像形成、現像の動作が上述のBk、Cの工程と同様であるので説明は省略する。
このようにして感光体ドラム(200)上に順次形成されたBk、C、M、Yのトナー像は、中間転写ベルト(501)上の同一面に順次位置合わせされて1次転写される。これにより、中間転写ベルト(501)上に最大で4色が重ね合わされたトナー像が形成される。一方、上記画像形成動作が開始される時期に、転写紙(P)が転写紙カセット又は手差しトレイなどの給紙部から給送され、レジストローラ(610)のニップで待機している。
そして、2次転写対向ローラ(510)に張架された中間転写ベルト(501)と2次転写バイアスローラ(605)によりニップが形成された2次転写部に、上記中間転写ベルト(501)上のトナー像の先端が差しかかるときに、転写紙(P)の先端がこのトナー像の先端に一致するように、レジストローラ(610)が駆動されて、転写紙ガイド板(601)に沿って転写紙(P)が搬送され、転写紙(P)とトナー像とのレジスト合わせが行なわれる。
そして、2次転写対向ローラ(510)に張架された中間転写ベルト(501)と2次転写バイアスローラ(605)によりニップが形成された2次転写部に、上記中間転写ベルト(501)上のトナー像の先端が差しかかるときに、転写紙(P)の先端がこのトナー像の先端に一致するように、レジストローラ(610)が駆動されて、転写紙ガイド板(601)に沿って転写紙(P)が搬送され、転写紙(P)とトナー像とのレジスト合わせが行なわれる。
このようにして、転写紙(P)が2次転写部を通過すると、2次転写電源(802)によって2次転写バイアスローラ(605)に印加された電圧による転写バイアスにより、中間転写ベルト(501)上の4色重ねトナー像が転写紙(P)上に一括転写(2次転写)される。この転写紙(P)は、転写紙ガイド板(601)に沿って搬送されて、2次転写部の下流側に配置した除電針からなる転写紙除電チャージャ(606)との対向部を通過することにより除電された後、ベルト構成部であるベルト搬送装置(210)により定着装置(270)に向けて送られる(図1参照)。そして、この転写紙(P)は、定着装置(270)の定着ローラ(271)、(272)のニップ部でトナー像が溶融定着された後、図示しない排出ローラで装置本体外に送り出され、図示しないコピートレイに表向きにスタックされる。なお、定着装置(270)は必要によりベルト構成部を備えた構成とすることもできる。
一方、上記ベルト転写後の感光体ドラム(200)の表面は、感光体クリーニング装置(201)でクリーニングされ、上記除電ランプ(202)で均一に除電される。また、転写紙(P)にトナー像を2次転写した後の中間転写ベルト(501)のベルト外周面に残留した残留トナーは、ベルトクリーニングブレード(504)によってクリーニングされる。該ベルトクリーニングブレード(504)は、図示しないクリーニング部材離接機構によって、該中間転写ベルト(501)のベルト外周面に対して所定のタイミングで接離されるように構成されている。
このベルトクリーニングブレード(504)の上記中間転写ベルト(501)の移動方向上流側には、該中間転写ベルト(501)のベルト外周面に対して接離するトナーシール部材(502)が設けられている。このトナーシール部材(502)は、上記残留トナーのクリーニング時に上記ベルトクリーニングブレード(504)から落下した落下トナーを受け止めて、該落下トナーが上記転写紙(P)の搬送経路上に飛散するのを防止している。このトナーシール部材(502)は、上記クリーニング部材離接機構によって、上記ベルトクリーニングブレード(504)とともに、該中間転写ベルト(501)のベルト外周面に対して接離される。
このようにして残留トナーが除去された中間転写ベルト(501)のベルト外周面には、上記潤滑剤塗布ブラシ(505)により削り取られた潤滑剤(506)が塗布される。該潤滑剤(506)は、例えば、ステアリン酸亜鉛などの固形体からなり、該潤滑剤塗布ブラシ(505)に接触するように配設されている。また、この中間転写ベルト(501)のベルト外周面に残留した残留電荷は、該中間転写ベルト(501)のベルト外周面に接触した図示しないベルト除電ブラシにより印加される除電バイアスによって除去される。ここで、上記潤滑剤塗布ブラシ(505)及び上記ベルト除電ブラシは、それぞれの図示しない接離機構により、所定のタイミングで、上記中間転写ベルト(501)のベルト外周面に対して接離されるようになっている。
ここで、リピートコピーの時は、カラースキャナの動作及び感光体ドラム(200)への画像形成は、1枚目の4色目(Y)の画像形成工程に引き続き、所定のタイミングで2枚目の1色目(Bk)の画像形成工程に進む。また、中間転写ベルト(501)は、1枚目の4色重ねトナー像の転写紙への一括転写工程に引き続き、ベルト外周面の上記ベルトクリーニングブレード(504)でクリーニングされた領域に、2枚目のBkトナー像が1次転写されるようにする。その後は、1枚目と同様動作になる。以上は、4色フルカラーコピーを得るコピーモードであったが、3色コピーモード、2色コピーモードの場合は、指定された色と回数の分について、上記同様の動作を行うことになる。また、単色コピーモードの場合は、所定枚数が終了するまでの間、リボルバ現像ユニット(230)の所定色の現像機のみを現像動作状態にし、ベルトクリーニングブレード(504)を中間転写ベルト(501)に接触させたままの状態にしてコピー動作を行う。
上記実施形態では、感光体ドラム(200)を一つだけ備えた複写機について説明したが、本発明は、例えば、図4の要部模式図に一構成例を示すような、複数の感光体ドラムをシームレスベルトからなる一つの中間転写ベルトに沿って並設した画像形成装置にも適用できる。
図4は、4つの異なる色(ブラック、イエロー、マゼンタ、シアン)のトナー像を形成するための4つの感光体ドラム(21BK)、(21Y)、(21M)、(21C)を備えた4ドラム型のデジタルカラープリンタの一構成例を示す。
図4は、4つの異なる色(ブラック、イエロー、マゼンタ、シアン)のトナー像を形成するための4つの感光体ドラム(21BK)、(21Y)、(21M)、(21C)を備えた4ドラム型のデジタルカラープリンタの一構成例を示す。
図4において、プリンタ本体(10)は電子写真方式によるカラー画像形成を行うための、画像書込部(12)、画像形成部(13)、給紙部(14)、から構成されている。
画像信号を元に画像処理部で画像処理して画像形成用の黒(BK)、マゼンタ(M)、イエロー(Y)、シアン(C)の各色信号に変換し、画像書込部(12)に送信する。画像書込部(12)は、例えば、レーザ光源と、回転多面鏡等の偏向器と、走査結像光学系、及びミラー群、からなるレーザ走査光学系であり、上記の各色信号に対応した4つの書込光路を有し、画像形成部(13)の各色毎に設けられた像坦持体(感光体)(21BK)、(21M)、(21Y)、(21C)に各色信号に応じた画像書込を行う。
画像信号を元に画像処理部で画像処理して画像形成用の黒(BK)、マゼンタ(M)、イエロー(Y)、シアン(C)の各色信号に変換し、画像書込部(12)に送信する。画像書込部(12)は、例えば、レーザ光源と、回転多面鏡等の偏向器と、走査結像光学系、及びミラー群、からなるレーザ走査光学系であり、上記の各色信号に対応した4つの書込光路を有し、画像形成部(13)の各色毎に設けられた像坦持体(感光体)(21BK)、(21M)、(21Y)、(21C)に各色信号に応じた画像書込を行う。
画像形成部(13)は黒(BK)用、マゼンタ(M)用、イエロー(Y)用、シアン(C)用の各像坦持体である感光体(21BK)、(21M)、(21Y)、(21C)を備えている。この各色用の各感光体としては、通常OPC感光体が用いられる。各感光体(21BK)、(21M)、(21Y)、(21C)の周囲には、帯電装置、上記書込部(12)からのレーザ光の露光部、黒、マゼンタ、イエロー、シアンの各色用の現像装置(20BK)、(20M)、(20Y)、(20C)、1次転写手段としての1次転写バイアスローラ(23BK)、(23M)、(23Y)、(23C)、クリーニング装置(表示略)、及び図示しない感光体除電装置等が配設されている。なお、上記現像装置(20BK)、(20M)、(20Y)、(20C)には、2成分磁気ブラシ現像方式を用いている。ベルト構成部である中間転写ベルト(22)は、各感光体(21BK)、(21M)、(21Y)、(21C)と、各1次転写バイアスローラ(23BK)、(23M)、(23Y)、(23C)との間に介在し、各感光体上に形成された各色のトナー像が順次重ね合わせて転写される。
一方、転写紙(P)は、給紙部(14)から給紙された後、レジストローラ(16)を介して、ベルト構成部である転写搬送ベルト(50)に担持される。そして、中間転写ベルト(22)と転写搬送ベルト(50)とが接触するところで、上記中間転写ベルト(22)上に転写されたトナー像が、2次転写手段としての2次転写バイアスローラ(60)により2次転写(一括転写)される。これにより、転写紙(P)上にカラー画像が形成される。このカラー画像が形成された転写紙(P)は、転写搬送ベルト(50)により定着装置(15)に搬送され、この定着装置(15)により転写された画像が定着された後、プリンタ本体外に排出される。
なお、上記2次転写時に転写されずに上記中間転写ベルト(22)上に残った残留トナーは、ベルトクリーニング部材(25)によって中間転写ベルト(22)から除去される。このベルトクリーニング部材(25)の下流側には、潤滑剤塗布装置(27)が配設されている。この潤滑剤塗布装置(27)は、固形潤滑剤と、中間転写ベルト(22)に摺擦して固形潤滑剤を塗布する導電性ブラシとで構成されている。前記導電性ブラシは、中間転写ベルト(22)に常時接触して、中間転写ベルト(22)に固形潤滑剤を塗布している。固形潤滑剤は、中間転写ベルト(22)のクリーニング性を高め、フィルミィングの発生を防止し耐久性を向上させる作用がある。
以下、実施例に基づいて本発明を更に具体的に説明するが、本発明は、これら実施例によって制限されるものではなく、本発明の要旨を逸脱しない限りこれらの実施例を適宜改変したものも本件の発明の範囲内である。ここでの部は重量基準である。
なお、粒子付着状態評価方法は次ぎのようにして行った。
なお、粒子付着状態評価方法は次ぎのようにして行った。
(弾性層露出部分/樹脂粒子部分の投影面積比、粒子径分布計測方法)
弾性層露出部分/樹脂粒子部分のSEM画像を画像処理ソフトImage−proplus(cyber netics社製)にて画像を2値化して、弾性露出部分と樹脂粒子部分の面積比と各粒子の粒子径を計算した。
弾性層露出部分/樹脂粒子部分のSEM画像を画像処理ソフトImage−proplus(cyber netics社製)にて画像を2値化して、弾性露出部分と樹脂粒子部分の面積比と各粒子の粒子径を計算した。
(弾性層と樹脂粒子の付着強度測定方法)
耐折疲労試験機(東洋精機社製)にて樹脂粒子が埋没した下記実施例のサンプルを10)Nの荷重をかけてそれぞれ屈曲角度135°で1000回屈曲させたのち、SEM観察を行い粒子の離脱しやすさを判定し、樹脂粒子離脱量30%をNGとした。
耐折疲労試験機(東洋精機社製)にて樹脂粒子が埋没した下記実施例のサンプルを10)Nの荷重をかけてそれぞれ屈曲角度135°で1000回屈曲させたのち、SEM観察を行い粒子の離脱しやすさを判定し、樹脂粒子離脱量30%をNGとした。
(二次転写率測定方法)
二次転写率の評価は、単体機(リコー社製)にてベタ画像を出力し、中間転写ベルトから紙へのトナー移動量を量ることで評価した。
二次転写率の評価は、単体機(リコー社製)にてベタ画像を出力し、中間転写ベルトから紙へのトナー移動量を量ることで評価した。
〔実施例1〕
先ず、ポリイミド樹脂前駆体を主成分とするポリイミドワニス(U−ワニスA;宇部興産社製)に、予めビーズミルにてN−メチル−2−ピロリドン中に分散させたカーボンブラック(SpecialBlack4;エボニックデグサ社製)の分散液を、カーボンブラック含有率がポリアミック酸固形分の17重量%になるように調合し、よく攪拌混合して基材層用塗工液を調製した。
次に、外径300mm、長さ300mmの外面をブラスト処理にて粗面化した金属製円筒を型として用い、この円筒型を50rpm(回/分)で回転させながら、上記基材層用塗工液を円筒外面に均一に流延するようにディスペンサーにて塗布した。所定の全量を流し終えて塗膜がまんべんなく広がった時点で、回転数を100rpmに上げ、熱風循環乾燥機に導入して、110℃まで徐々に昇温して60分加熱した。さらに昇温して200℃で20分加熱し、回転を停止、徐冷して成形膜が形成された円筒型を取り出し、これを高温処理の可能な加熱炉(焼成炉)に導入し、段階的に320℃まで昇温して60分加熱処理(焼成)して基材層を形成した。
次に、外径300mm、長さ300mmの外面をブラスト処理にて粗面化した金属製円筒を型として用い、この円筒型を50rpm(回/分)で回転させながら、上記基材層用塗工液を円筒外面に均一に流延するようにディスペンサーにて塗布した。所定の全量を流し終えて塗膜がまんべんなく広がった時点で、回転数を100rpmに上げ、熱風循環乾燥機に導入して、110℃まで徐々に昇温して60分加熱した。さらに昇温して200℃で20分加熱し、回転を停止、徐冷して成形膜が形成された円筒型を取り出し、これを高温処理の可能な加熱炉(焼成炉)に導入し、段階的に320℃まで昇温して60分加熱処理(焼成)して基材層を形成した。
H−NBR(水素化ニトリルゴム、ZETPOL2020L:日本ゼオン社製)100部
塩素化パラフィン(トヨパラックス150、東ソー社製) 50部
硫黄(200mesh硫黄、鶴見化学工業社製) 1部
酸化亜鉛(亜鉛華2種、正同化学工業社製) 5部
加硫促進剤(ノクセラーTS、大内新興化学工業社製) 1部
加工助剤(ルナックS−20、花王社製) 0.2部
ヒドロキシスズ酸亜鉛(ALCANEX/ZHSF、水澤化学工業社製) 20部
からなる材料を混練機にて30℃,30分間練ったのち、メチルエチルケトンで固形分30%になるように溶解して弾性層用塗工液を調製した。
この弾性層用塗工液をポリイミド基材層の外面に、基材層の作製と同様にして、均一にディスペンサーを用いて流延して塗布した。塗布量としては最終的な膜厚が300μmになるような液量の条件とした。基材層表面全面の塗布を終えた後、そのまま回転しながら熱風循環乾燥機に投入して、昇温速度4℃/分で90℃まで昇温して60分加熱し、加硫前の弾性層を形成した。
塩素化パラフィン(トヨパラックス150、東ソー社製) 50部
硫黄(200mesh硫黄、鶴見化学工業社製) 1部
酸化亜鉛(亜鉛華2種、正同化学工業社製) 5部
加硫促進剤(ノクセラーTS、大内新興化学工業社製) 1部
加工助剤(ルナックS−20、花王社製) 0.2部
ヒドロキシスズ酸亜鉛(ALCANEX/ZHSF、水澤化学工業社製) 20部
からなる材料を混練機にて30℃,30分間練ったのち、メチルエチルケトンで固形分30%になるように溶解して弾性層用塗工液を調製した。
この弾性層用塗工液をポリイミド基材層の外面に、基材層の作製と同様にして、均一にディスペンサーを用いて流延して塗布した。塗布量としては最終的な膜厚が300μmになるような液量の条件とした。基材層表面全面の塗布を終えた後、そのまま回転しながら熱風循環乾燥機に投入して、昇温速度4℃/分で90℃まで昇温して60分加熱し、加硫前の弾性層を形成した。
平均粒子径6μmのシリコーン樹脂粒子(トスパール2000B、モメンティブ・パフォーマンス・マテリアルズ社製)50wt%と、平均粒子径4.5μmのシリコーン樹脂粒子(トスパール145A、モメンティブ・パフォーマンス・マテリアルズ社製)50wt%とを混合し、これを図2の装置にて前記加硫前の弾性層上に塗布し、ローラーで加圧80N/m2して樹脂粒子層を形成した。
続いて、昇温速度4℃/分で150℃まで昇温して60分加熱し弾性層を加硫させ、シリコーン樹脂粒子の露出部分において、a=5.9μm、b=4.2μmの粒子径であり、a:bの数量比=55:45、かつ対弾性層の粒子部面積比(投影面積)76の中間転写ベルトを得た。
続いて、昇温速度4℃/分で150℃まで昇温して60分加熱し弾性層を加硫させ、シリコーン樹脂粒子の露出部分において、a=5.9μm、b=4.2μmの粒子径であり、a:bの数量比=55:45、かつ対弾性層の粒子部面積比(投影面積)76の中間転写ベルトを得た。
〔実施例2〕
実施例1の平均粒子径6μmのシリコーン樹脂粒子30wt%を先に塗布し、続いて、平均粒子径4.5μmのシリコーン樹脂粒子70wt%を塗布した以外は、実施例1と同様にして、シリコーン樹脂粒子の露出部分において、a=5.9μm、b=4.5μmの粒子径であり、かつa:bの数量比=31:69、かつ対弾性層の粒子部面積比(投影面積)77の中間転写ベルトを得た。
実施例1の平均粒子径6μmのシリコーン樹脂粒子30wt%を先に塗布し、続いて、平均粒子径4.5μmのシリコーン樹脂粒子70wt%を塗布した以外は、実施例1と同様にして、シリコーン樹脂粒子の露出部分において、a=5.9μm、b=4.5μmの粒子径であり、かつa:bの数量比=31:69、かつ対弾性層の粒子部面積比(投影面積)77の中間転写ベルトを得た。
〔実施例3〕
実施例1の平均粒子径6μmのシリコーン樹脂粒子50wt%を30wt%、平均粒子径4.5μmのシリコーン樹脂粒子50wt%を70wt%にそれぞれ変更した以外は、実施例1と同様にして、シリコーン樹脂粒子の露出部分において、a=5.8μm、b=4.3μmの粒子径であり、a:bの数量比=24:76、かつ対弾性層の粒子部面積比(投影面積)71の中間転写ベルトを得た。
実施例1の平均粒子径6μmのシリコーン樹脂粒子50wt%を30wt%、平均粒子径4.5μmのシリコーン樹脂粒子50wt%を70wt%にそれぞれ変更した以外は、実施例1と同様にして、シリコーン樹脂粒子の露出部分において、a=5.8μm、b=4.3μmの粒子径であり、a:bの数量比=24:76、かつ対弾性層の粒子部面積比(投影面積)71の中間転写ベルトを得た。
〔実施例4〕
実施例1の平均粒子径6μmのシリコーン樹脂粒子50wt%を70wt%、平均粒子径4.5μmのシリコーン樹脂粒子50wt%を30wt%にそれぞれ変更した以外は、実施例1と同様にして、シリコーン樹脂粒子の露出部分において、a=5.9μm、b=4.4μmの粒子径であり、a:bの数量比=65:35、かつ対弾性層の粒子部面積比(投影面積)73の中間転写ベルトを得た。
実施例1の平均粒子径6μmのシリコーン樹脂粒子50wt%を70wt%、平均粒子径4.5μmのシリコーン樹脂粒子50wt%を30wt%にそれぞれ変更した以外は、実施例1と同様にして、シリコーン樹脂粒子の露出部分において、a=5.9μm、b=4.4μmの粒子径であり、a:bの数量比=65:35、かつ対弾性層の粒子部面積比(投影面積)73の中間転写ベルトを得た。
〔実施例5〕
実施例1の平均粒子径4.5μmのシリコーン樹脂粒子(トスパール145A、モメンティブ・パフォーマンス・マテリアルズ社製)50wt%を、平均粒子径2μmのシリコーン樹脂粒子(トスパール120、モメンティブ・パフォーマンス・マテリアルズ社製)50wt%に変更した以外は、実施例1と同様にして、シリコーン樹脂粒子の露出部分において、a=5.9μm、b=1.8μmの粒子径であり、a:bの数量比=32:68、かつ対弾性層の粒子部面積比(投影面積)74の中間転写ベルトを得た。
実施例1の平均粒子径4.5μmのシリコーン樹脂粒子(トスパール145A、モメンティブ・パフォーマンス・マテリアルズ社製)50wt%を、平均粒子径2μmのシリコーン樹脂粒子(トスパール120、モメンティブ・パフォーマンス・マテリアルズ社製)50wt%に変更した以外は、実施例1と同様にして、シリコーン樹脂粒子の露出部分において、a=5.9μm、b=1.8μmの粒子径であり、a:bの数量比=32:68、かつ対弾性層の粒子部面積比(投影面積)74の中間転写ベルトを得た。
〔比較例1〕
平均粒子径4.5μmのシリコーン樹脂粒子(トスパール145A、モメンティブ・パフォーマンス・マテリアルズ社製)を用いないで、シリコーン樹脂粒子を平均粒子径6μmのシリコーン樹脂粒子(トスパール2000B、モメンティブ・パフォーマンス・マテリアルズ社製)100wt%とした以外は、実施例1と同様にして、シリコーン樹脂粒子の露出部分において対弾性層の粒子部面積比(投影面積)66の中間転写ベルトを得た。
平均粒子径4.5μmのシリコーン樹脂粒子(トスパール145A、モメンティブ・パフォーマンス・マテリアルズ社製)を用いないで、シリコーン樹脂粒子を平均粒子径6μmのシリコーン樹脂粒子(トスパール2000B、モメンティブ・パフォーマンス・マテリアルズ社製)100wt%とした以外は、実施例1と同様にして、シリコーン樹脂粒子の露出部分において対弾性層の粒子部面積比(投影面積)66の中間転写ベルトを得た。
〔比較例2〕
シリコーン樹脂粒子を平均粒子径6μmのシリコーン樹脂粒子(トスパール2000B、モメンティブ・パフォーマンス・マテリアルズ社製)を用いないで、平均粒子径4.5μmのシリコーン樹脂粒子(トスパール145A、モメンティブ・パフォーマンス・マテリアルズ社製)100wt%とした以外は、実施例1と同様にして、シリコーン樹脂粒子の露出部分において対弾性層の粒子部面積比(投影面積)68の中間転写ベルトを得た。
シリコーン樹脂粒子を平均粒子径6μmのシリコーン樹脂粒子(トスパール2000B、モメンティブ・パフォーマンス・マテリアルズ社製)を用いないで、平均粒子径4.5μmのシリコーン樹脂粒子(トスパール145A、モメンティブ・パフォーマンス・マテリアルズ社製)100wt%とした以外は、実施例1と同様にして、シリコーン樹脂粒子の露出部分において対弾性層の粒子部面積比(投影面積)68の中間転写ベルトを得た。
〔比較例3〕
実施例1の平均粒子径6μmのシリコーン樹脂粒子50wt%を10wt%、平均粒子径4.5μmのシリコーン樹脂粒子50wt%を90wt%にそれぞれ変更した以外は、実施例1と同様にして、シリコーン樹脂粒子の露出部分において、a=5.9μm、b=4.4μmの粒子径であり、a:bの数量比=6:94、かつ対弾性層の粒子部面積比(投影面積)66の中間転写ベルトを得た。
実施例1の平均粒子径6μmのシリコーン樹脂粒子50wt%を10wt%、平均粒子径4.5μmのシリコーン樹脂粒子50wt%を90wt%にそれぞれ変更した以外は、実施例1と同様にして、シリコーン樹脂粒子の露出部分において、a=5.9μm、b=4.4μmの粒子径であり、a:bの数量比=6:94、かつ対弾性層の粒子部面積比(投影面積)66の中間転写ベルトを得た。
〔評価〕
評価結果をまとめて表1、表2に示す。
評価結果をまとめて表1、表2に示す。
表1の評価結果から明らかなように、本発明の中間転写ベルトの使用によれば、感光体表面から転写されたトナーは、記録材へ高転写率で転写することができる。
(図2の符号)
1 弾性層塗工後のベルト
2 回転ブラシ
3 球形樹脂粒子
(図3の符号)
P 転写紙
70 除電ローラ
80 アースローラ
200 感光体ドラム
201 感光体クリーニング装置
202 除電ランプ
203 帯電チャージャ
210 ベルト搬送装置
230 リボルバ現像ユニット
231Y Y現像機
231K Bk現像機
231C C現像機
231M M現像機
270 定着装置
271、272 定着ローラ
500 中間転写ユニット
501 中間転写ベルト
502 トナーシール部材
503 帯電チャージャ
504 ベルトクリーニングブレード
505 潤滑剤塗布ブラシ
506 潤滑剤
507 1次転写バイアスローラ
508 ベルト駆動ローラ
509 ベルトテンションローラ
510 2次転写対向ローラ
511 クリーニング対向ローラ
512 フィードバッグ電流検知ローラ
514 光学センサ
600 2次転写ユニット
601 転写紙ガイド板
605 2次転写バイアスローラ
606 転写紙除電チャージャ
608 クリーニングブレード
610 レジストローラ
801 1次転写電源
802 2次転写電源
(図4の符号)
P 転写紙
10 プリンタ本体
12 画像書込部
13 画像形成部
14 給紙部
15 定着装置
16 レジストローラ
20BK、20M、20Y、20C 現像装置
21BK、21M、21Y、21C 感光体
22 中間転写ベルト
23BK、23M、23Y、23C 1次転写バイアスローラ
25 ベルトクリーニング部材
27 潤滑剤塗布装置
50 転写搬送ベルト
60 2次転写バイアスローラ
1 弾性層塗工後のベルト
2 回転ブラシ
3 球形樹脂粒子
(図3の符号)
P 転写紙
70 除電ローラ
80 アースローラ
200 感光体ドラム
201 感光体クリーニング装置
202 除電ランプ
203 帯電チャージャ
210 ベルト搬送装置
230 リボルバ現像ユニット
231Y Y現像機
231K Bk現像機
231C C現像機
231M M現像機
270 定着装置
271、272 定着ローラ
500 中間転写ユニット
501 中間転写ベルト
502 トナーシール部材
503 帯電チャージャ
504 ベルトクリーニングブレード
505 潤滑剤塗布ブラシ
506 潤滑剤
507 1次転写バイアスローラ
508 ベルト駆動ローラ
509 ベルトテンションローラ
510 2次転写対向ローラ
511 クリーニング対向ローラ
512 フィードバッグ電流検知ローラ
514 光学センサ
600 2次転写ユニット
601 転写紙ガイド板
605 2次転写バイアスローラ
606 転写紙除電チャージャ
608 クリーニングブレード
610 レジストローラ
801 1次転写電源
802 2次転写電源
(図4の符号)
P 転写紙
10 プリンタ本体
12 画像書込部
13 画像形成部
14 給紙部
15 定着装置
16 レジストローラ
20BK、20M、20Y、20C 現像装置
21BK、21M、21Y、21C 感光体
22 中間転写ベルト
23BK、23M、23Y、23C 1次転写バイアスローラ
25 ベルトクリーニング部材
27 潤滑剤塗布装置
50 転写搬送ベルト
60 2次転写バイアスローラ
Claims (9)
- 少なくとも弾性層、該弾性層上に球形樹脂粒子からなる樹脂粒子層を設けた電子写真装置用中間転写ベルトであって、該弾性層の深さ方向に該球形樹脂粒子が埋没されており、該弾性層の露出部分の投影面積と該球形樹脂粒子の投影面積との和の70%以上が該球形樹脂粒子の投影面積であり、及び該球形樹脂粒子の露出部分において、平均粒子径aの球形樹脂粒子A群と平均粒子径bの球形樹脂粒子B群とが混在して存在し、該平均粒子径がb≦4a/5を満たし、かつ該球形樹脂粒子A群と該球形樹脂粒子B群との数量の割合(個数比)が2:8〜8:2の範囲で存在することを特徴とする中間転写ベルト。
- 前記弾性層の露出部分の投影面積と前記球形樹脂粒子の投影面積との和の80%以上が該球形樹脂粒子の投影面積であることを特徴とする請求項1に記載の中間転写ベルト。
- 前記球形樹脂粒子は、前記平均粒子径aが1.2〜6μmの球形樹脂粒子A群と、前記平均粒子径bが1〜4.8μmの球形樹脂粒子B群とからなる単分散粒子であることを特徴とする請求項1又は2に記載の中間転写ベルト。
- 前記球形樹脂粒子の硬度が前記弾性層の硬度より高いことを特徴とする請求項1〜3のいずれかに記載の中間転写ベルト。
- 前記弾性層の硬度がJIS A30〜60°であることを特徴とする請求項4に記載の中間転写ベルト。
- 前記球形樹脂粒子がシリコーン樹脂微粒子であることを特徴とする請求項1〜5のいずれかに記載の中間転写ベルト。
- 基材層上に弾性層、独立した球形樹脂粒子を面方向に配列させて凹凸形状を形成させた樹脂粒子層を順次積層して中間転写体を製造する方法において、前記基材層上に弾性層形成液を塗布し、加熱した後、この弾性層上に平均粒子径aの球形樹脂粒子A群10〜90重量%と平均粒子径bの球形樹脂粒子B群90〜10重量%とからなり、かつ該平均粒子径がb≦4a/5を満たす球形樹脂粒子混合物を乾式塗布し、加圧して該球形樹脂粒子を該弾性層に一部埋没させて樹脂粒子層を形成させた後、加熱して該弾性層を加硫することを特徴とする中間転写ベルトの製造方法。
- 像担持体上に潜像を形成する潜像形成手段と、該潜像をトナーで現像してトナー画像を形成する現像手段と、該トナー画像を中間転写体に転写する中間転写手段と、前記中間転写体に転写されたトナー画像を記録媒体に転写する転写手段と、該記録媒体上に転写されたトナー画像を定着する定着手段とを備えた画像形成装置において、前記中間転写体が請求項1〜6のいずれかに記載の中間転写ベルトであることを特徴とする画像形成装置。
- 前記画像形成装置が各色の現像手段を有する複数の潜像担持体を直列に配置してなるフルカラー画像形成装置であることを特徴とする請求項8に記載の画像形成装置。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
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JP2011056289A JP2012194229A (ja) | 2011-03-15 | 2011-03-15 | 中間転写ベルト、その製造方法、及び該中間転写ベルトを用いた画像形成装置 |
Applications Claiming Priority (1)
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JP2011056289A JP2012194229A (ja) | 2011-03-15 | 2011-03-15 | 中間転写ベルト、その製造方法、及び該中間転写ベルトを用いた画像形成装置 |
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---|---|
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Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
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-
2011
- 2011-03-15 JP JP2011056289A patent/JP2012194229A/ja active Pending
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