JP5609505B2 - 中間転写体、及びそれを用いた画像形成装置 - Google Patents

中間転写体、及びそれを用いた画像形成装置 Download PDF

Info

Publication number
JP5609505B2
JP5609505B2 JP2010224340A JP2010224340A JP5609505B2 JP 5609505 B2 JP5609505 B2 JP 5609505B2 JP 2010224340 A JP2010224340 A JP 2010224340A JP 2010224340 A JP2010224340 A JP 2010224340A JP 5609505 B2 JP5609505 B2 JP 5609505B2
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
intermediate transfer
transfer member
image
belt
layer
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Active
Application number
JP2010224340A
Other languages
English (en)
Other versions
JP2012078598A (ja
Inventor
秀貴 久保
秀貴 久保
青戸 淳
淳 青戸
健一 増子
健一 増子
信一 新田
信一 新田
さやか 加藤
さやか 加藤
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Ricoh Co Ltd
Original Assignee
Ricoh Co Ltd
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Ricoh Co Ltd filed Critical Ricoh Co Ltd
Priority to JP2010224340A priority Critical patent/JP5609505B2/ja
Priority to US13/239,528 priority patent/US8521073B2/en
Publication of JP2012078598A publication Critical patent/JP2012078598A/ja
Application granted granted Critical
Publication of JP5609505B2 publication Critical patent/JP5609505B2/ja
Active legal-status Critical Current
Anticipated expiration legal-status Critical

Links

Classifications

    • GPHYSICS
    • G03PHOTOGRAPHY; CINEMATOGRAPHY; ANALOGOUS TECHNIQUES USING WAVES OTHER THAN OPTICAL WAVES; ELECTROGRAPHY; HOLOGRAPHY
    • G03GELECTROGRAPHY; ELECTROPHOTOGRAPHY; MAGNETOGRAPHY
    • G03G15/00Apparatus for electrographic processes using a charge pattern
    • G03G15/14Apparatus for electrographic processes using a charge pattern for transferring a pattern to a second base
    • G03G15/16Apparatus for electrographic processes using a charge pattern for transferring a pattern to a second base of a toner pattern, e.g. a powder pattern, e.g. magnetic transfer
    • G03G15/1605Apparatus for electrographic processes using a charge pattern for transferring a pattern to a second base of a toner pattern, e.g. a powder pattern, e.g. magnetic transfer using at least one intermediate support
    • G03G15/162Apparatus for electrographic processes using a charge pattern for transferring a pattern to a second base of a toner pattern, e.g. a powder pattern, e.g. magnetic transfer using at least one intermediate support details of the the intermediate support, e.g. chemical composition

Landscapes

  • Physics & Mathematics (AREA)
  • General Physics & Mathematics (AREA)
  • Electrostatic Charge, Transfer And Separation In Electrography (AREA)
  • Color Electrophotography (AREA)

Description

本発明は、複写機、プリンタ、ファクシミリ等の電子写真方式に好適な画像形成装置、及びこれに用いられる中間転写体に関するものである。
画像形成装置は、一般的に、帯電させた感光体の表面に、画像読取装置で得られた画像に対応する静電潜像を形成し、現像器によってトナー画像とした後、中間転写体に静電転写(一次転写)し、中間転写体から紙等へ再度転写(二次転写)して、定着ロール又は定着ベルトで加熱定着する。
上記中間転写体において、シームレスベルトが部材として用いられており、特に近年、フルカラー画像形成装置において、イエロー、マゼンタ、シアン、ブラックの4色の現像画像を、一旦中間転写媒体(シームレスベルト)上に色重ねし、その後一括して紙などの転写媒体に転写する中間転写ベルト方式が用いられている。
しかしながら、前記中間転写ベルト方式は、1つの感光体に対して4色の現像器を用いるシステムであるため、プリント速度が遅いという問題がある。
一方、高速プリントが可能な方式として、感光体を4色分並べ、各色を連続して紙に転写する4連タンデム方式が用いられている。
しかしながら、前記4連タンデム方式は、紙の環境による変動などもあり、各色画像を重ねる際の位置精度を合わせることが非常に困難であり、色ずれ画像を引き起こすという問題がある。
そこで、4連タンデム方式に中間転写方式を採用することが提案されており、現在、主流となっている。
このような情勢の中で、中間転写ベルトに対し、従来よりも要求特性(高速転写における位置精度、材質など)が厳しいものとなっており、これらの要求に対応する特性を満足することが必要となってきている。位置精度に対しては、連続使用によるベルト自体の伸び等の変形による変動を抑えることが求められており、中間転写ベルトの材質に対しては、装置の広い領域に渡ってレイアウトされ、転写のために高電圧が印加されることから難燃性であることが求められている。
そこで、中間転写ベルト材料として主に、高弾性率で高耐熱樹脂であるポリイミド樹脂、ポリアミドイミド樹脂などが提案されている。
しかしながら、ポリイミド樹脂による中間転写ベルトにおいては、高強度であるためその表面硬度も高く、トナー像を転写する際にトナー層に高い圧力がかかり、トナーが局部的に凝集し画像の一部が転写されない、いわゆる中抜け画像が発生するという問題や、感光体や用紙などの転写部での接触部材との接触追従性が劣るため、転写部において部分的な接触不良部(空隙)が発生し、転写むらが発生するという問題がある。
また、近年、フルカラー電子写真を用いてさまざまな用紙に画像を形成することが多くなり、通常の平滑な用紙だけでなく、コート紙のようなスリップ性のある平滑度の高いものからリサイクルペーパー、エンボス紙、和紙、又はクラフト紙のような表面性の粗いものが使用されることが増えてきている。このような表面性状の異なる用紙への追従性は重要であり、追従性が悪いと、用紙の凹凸状の濃淡ムラや色調ムラが発生する。そのため、表面性状の異なる用紙であっても、追従性に優れた中間転写ベルトが求められている。
そこで、比較的柔軟性のある層を基材層上に積層した中間転写ベルトが提案されている。
しかしながら、比較的柔軟性のある層を表面層とした場合、転写圧力が低減され、用紙凹凸への追従性が向上する反面、表面の離型性が劣るためにトナーがうまく離型できず転写効率が低下し、前者の効果を生かせないという問題、耐摩耗性、耐擦傷性にも劣るという問題がある。
これらの中間転写ベルトに関する様々な問題を解決することを目的として、新たに保護層を設けた中間転写ベルトが提案されているが、十分に転写性能の高い材料をコートした場合、柔軟層の柔軟性に追従できず、割れやはがれが発生するという問題があることから、中間転写ベルトの表面に微粒子を付着させることが提案されている(例えば、特許文献1〜5参照)。
例えば、中間転写ベルトの表面を、3μm以下の直径のビーズで被覆することが提案されている(例えば、特許文献1参照)。
しかしながら、前記提案では昨今の画像形成装置の要求される耐久性においては、粒子の脱離が発生してしまい十分ではないという問題がある。
また、中間転写ベルトの表面に、疎水化処理微粒子と親和性のある材料とで層を形成し、非常に小さな粒径の粒子を用いることが好ましいと提案されている(例えば、特許文献2、及び3参照)。
しかしながら、前記提案では、粒子層が厚く、粒子の凝集による不均一性部分が存在し、転写性能にもばらつきが発生し、昨今の画像形成装置の要求される高いレベルの画質を満足しうるものが得られないという問題がある。
更に、比較的大きめの粒子を用い、樹脂にある程度埋設させることで転写性だけでなく、耐久性を実現させることが提案されている(例えば、特許文献4、及び5参照)。
しかしながら、前記提案でも、粒子の存在に不均一性が生じ、やはり昨今の画像形成装置の要求される高いレベルの画質を満足しうるものが得られないという問題がある。
そして、上記提案(特許文献1〜5参照)の全てにおいて、シリカが好ましく用いられているが、シリカ粒子は凝集力が強いため均一な粒子層を形成できず、粒子の脱離が起こりやすいという問題がある。
そこで、粒子の脱離を低減することを目的として、中間転写ベルトの表面に、接着層などを設ける方法が提案されている。
しかしながら、前記提案では、接着層におけるトナー離型性が非常に悪いので、粒子間の隙間にある「剥き出しとなった接着層」の部分にトナーが固着(フィルミング)し、クリーニング不良を起こすという問題や、シリカのような無機粒子は、像形成を担う潜像担持体として好適に用いられる有機感光体における転写部との接触により、有機感光体の表面を傷つけ、摩耗させやすく、耐久性を低下させるという問題がある。
したがって、昨今の画像形成装置の要求される高いレベルの画質を満足しうるものは未だ見出されておらず、速やかな開発が求められているのが現状である。
本発明は、かかる現状に鑑みてなされたものであり、従来における前記諸問題を解決し、以下の目的を達成することを課題とする。即ち、本発明は、柔軟性があり、かつ、トナー離型性に優れ、転写媒体の種類、表面性状によらず、高い転写性能を実現することができ、長期に渡って、粒子の脱離がなく、有機感光体への損傷もない、安定した高品質画像を維持することができる中間転写体、及びそれを用いた画像形成装置を提供することを目的とする。
本発明者らは、前記目的を達成すべく、鋭意検討を行った結果、像担持体上に形成された潜像をトナーにより現像して得られたトナー像が転写される中間転写体であって、前記中間転写体は、基材層からなる第一の層と、弾性層からなる第二の層と、球形微粒子を面方向に配列させて凹凸形状を形成させた粒子層からなる第三の層と、をこの順に有してなり、25℃50%RHにおける荷重40mNでの押込み時において、マルテンス硬度が1.0N/mm以下、弾性仕事回復率が75%以上、粒子の弾性層への埋没率が33%〜99%、である中間転写体を用いることにより、柔軟性があり、かつ、トナー離型性に優れ、転写媒体の種類、表面性状によらず、高い転写性能を実現することができ、長期に渡って、粒子の脱離がなく、有機感光体への損傷もない、安定した高品質画像を維持することができることを見出し、本発明の完成に至った。
本発明は、本発明者らによる前記知見に基づくものであり、前記課題を解決するための手段としては、以下のとおりである。即ち、
<1> 像担持体上に形成された潜像をトナーにより現像して得られたトナー像が転写される中間転写体であって、前記中間転写体は、基材層からなる第一の層と、弾性層からなる第二の層と、球形微粒子を面方向に配列させて凹凸形状を形成させた粒子層からなる第三の層と、をこの順に有してなり、25℃50%RHにおける荷重40mNでの押込み時において、マルテンス硬度が1.0N/mm以下、弾性仕事回復率が75%以上、粒子の弾性層への埋没率が33%〜99%、であることを特徴とする中間転写体である。
<2> 球形微粒子が、シリコーン粒子である前記<1>に記載の中間転写体である。
<3> 球形微粒子の体積平均粒径が、0.5μm〜5.0μmである前記<1>から<2>のいずれかに記載の中間転写体である。
<4> 弾性層が、エラストマー、及びゴムの中から選ばれる少なくとも1つのゴム系材料である前記<1>から<3>のいずれかに記載の中間転写体である。
<5> 弾性層の厚みが、200μm〜2,000μmである前記<1>から<4>のいずれかに記載の中間転写体である。
<6> 基材層が、ポリイミド樹脂、及びポリアミドイミド樹脂の中から選ばれる少なくとも1つである前記<1>から<5>のいずれかに記載の中間転写体である。
<7> 潜像が形成され、トナー像を担持可能な像担持体と、該像担持体上に形成された潜像をトナーで現像する現像手段と、該現像手段により現像されたトナー像が一次転写される中間転写体と、前記中間転写体上に担持されたトナー像を記録媒体に二次転写する転写手段とを有してなり、前記中間転写体が前記<1>から<6>のいずれかに記載の中間転写体であることを特徴とする画像形成装置である。
<8> 画像形成装置が、フルカラー画像形成装置であって、各色の現像手段を有する複数の潜像担持体を直列に配置してなる前記<7>に記載の画像形成装置である。
本発明によれば、従来における諸問題を解決でき、柔軟性があり、かつ、トナー離型性に優れ、転写媒体の種類、表面性状によらず、高い転写性能を実現することができ、長期に渡って、粒子の脱離がなく、有機感光体への損傷もない、安定した高品質画像を維持することができる中間転写体、及びそれを用いた画像形成装置を提供することができる。
図1は、本発明の中間転写体の表面構造の一例を説明する図である。 図2は、本発明の中間転写体の表面構造の一例を説明する図である。 図3は、弾性層の表面に球形微粒子を均一に埋設する様子の一例を示す図である。 図4は、画像形成装置の一例を説明するための要部模式図である。 図5は、画像形成装置の一例を説明するための要部模式図である。
(中間転写体)
本発明の画像形成装置においては、いくつかの部材にシームレスベルト(無端ベルト)が用いられるが、電気的特性を要求される部材の一つとして中間転写体(中間転写ベルト)がある。前記中間転写体は、中間転写ベルト方式の画像形成装置(いわゆる、像担持体(例えば、感光体ドラム)上に順次形成される複数のカラートナー現像画像を中間転写ベルト上に順次重ね合わせて一次転写を行い、その一次転写画像を被記録媒体に一括して二次転写する方式の装置)における中間転写ベルトとして好適に用いられるものである。
前記中間転写体は、少なくとも、基材層(第一の層)と、弾性層(第二の層)と、粒子層(第三の層)とを順次積層させた積層構造を有してなり、更に必要に応じて、保護層、中間層、その他の層を有してなる。
<基材層>
前記基材層は、少なくとも、樹脂を有してなり、更に必要に応じて、その他の成分を有する。
<<樹脂>>
前記樹脂としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、PVDF、ETFEなどのフッ素樹脂、ポリイミド樹脂、ポリアミドイミド樹脂などが挙げられる。これらは、1種単独で使用してもよいし、相溶性を考慮して適宜選択された2種以上のものを併用してもよい。また、ポリイミド繰返単位とポリアミドイミド繰返単位を有する共重合体であってもよい。
これらの中でも、PVDF、ETFEなどのフッ素樹脂が難燃性に優れる点で、好ましく、ポリイミド樹脂、ポリアミドイミド樹脂が、機械強度(高弾性)や耐熱性に優れるため、安定した高品質画像を維持することができる点で、好ましい。
−ポリイミド樹脂−
前記ポリイミド樹脂(以下、「ポリイミド」と略称することがある。)としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができるが、芳香族のポリイミドが、機械強度に優れる点で、好ましい。
−ポリイミド樹脂の合成方法−
前記ポリイミド樹脂の合成方法としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、芳香族多価カルボン酸無水物(又はその誘導体)と芳香族ジアミンとの反応によって、ポリイミド前駆体を経由して合成する方法が挙げられる。
前記ポリイミド樹脂の合成方法では、特に、芳香族のポリイミドが、剛直な主鎖構造を有するため、溶媒などに対して不溶であり、不融の性質を有するため、先ず、芳香族多価カルボン酸無水物と芳香族ジアミンとの反応により、有機極性溶媒に可溶なポリイミド前駆体(ポリアミック酸、又はポリアミド酸)を合成し、このポリアミック酸の段階で様々な方法で成形加工が行われ、その後、ポリアミック酸を加熱、もしくは化学的な方法で脱水反応させて環化(イミド化)し、ポリイミド樹脂が合成される。
前記芳香族のポリイミドを得る反応を例に、その概略を下記式(1)に示す。
式中、Arは少なくとも1つの炭素6員環を含む4価の芳香族残基を示し、Arは少なくとも1つの炭素6員環を含む2価の芳香族残基を示す。
−−芳香族多価カルボン酸無水物−−
前記芳香族多価カルボン酸無水物としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、エチレンテトラカルボン酸二無水物、シクロペンタンテトラカルボン酸二無水物、ピロメリット酸二無水物、3,3’,4,4’−ベンゾフェノンテトラカルボン酸二無水物、2,2’,3,3’−ベンゾフェノンテトラカルボン酸二無水物、3,3’,4,4’−ビフェニルテトラカルボン酸二無水物、2,2’,3,3’−ビフェニルテトラカルボン酸二無水物、2,2−ビス(2,3−ジカルボキシフェニル)プロパン二無水物、ビス(3,4−ジカルボキシフェニル)エーテル二無水物、ビス(3,4−ジカルボキシフェニル)スルホン二無水物、1,1−ビス(2,3−ジカルボキシフェニル)エタン二無水物、ビス(2,3−ジカルボキシフェニル)メタン二無水物、ビス(3,4−ジカルボキシフェニル)メタン二無水物、2,2−ビス(3,4−ジカルボキシルフェニル)−1,1,1,3,3,3−ヘキサフルオロプロパン二無水物、2,3,6,7−ナフタレンテトラカルボン酸二無水物、1,4,5,8−ナフタレンテトラカルボン酸二無水物、1,2,5,6−ナフタレンテトラカルボン酸二無水物、1,2,3,4−ベンゼンテトラカルボン酸二無水物、3,4,9,10−ペリレンテトラカルボン酸二無水物、2,3,6,7−アントラセンテトラカルボン酸二無水物、1,2,7,8−フェナントレンテトラカルボン酸二無水物などが挙げられる。これらは、1種単独で使用してもよいし、2種以上を併用してもよい。
−−芳香族ジアミン−−
前記芳香族ジアミンとしては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、m−フェニレンジアミン、o−フェニレンジアミン、p−フェニレンジアミン、m−アミノベンジルアミン、p−アミノベンジルアミン、4,4’−ジアミノジフェニルエーテル、3,3’−ジアミノジフェニルエーテル、3,4’−ジアミノジフェニルエーテル、ビス(3−アミノフェニル)スルフィド、(3−アミノフェニル)(4−アミノフェニル)スルフィド、ビス(4−アミノフェニル)スルフィド、ビス(3−アミノフェニル)スルフィド、(3−アミノフェニル)(4−アミノフェニル)スルホキシド、ビス(3−アミノフェニル)スルホン、(3−アミノフェニル)(4−アミノフェニル)スルホン、ビス(4−アミノフェニル)スルホン、3,3’−ジアミノベンゾフェノン、3,4’−ジアミノベンゾフェノン、4,4’−ジアミノベンゾフェノン、3,3’−ジアミノジフェニルメタン、3,4’−ジアミノジフェニルメタン、4,4’−ジアミノジフェニルメタン、ビス〔4−(3−アミノフェノキシ)フェニル〕メタン、ビス〔4−(4−アミノフェノキシ)フェニル〕メタン、1,1−ビス〔4−(3−アミノフェノキシ)フェニル〕エタン、1,1−ビス〔4−(4−アミノフェノキシ)フェニル〕−エタン、1,2−ビス〔4−(3−アミノフェノキシ)フェニル〕エタン、1,2−ビス〔4−(4−アミノフェノキシ)フェニル〕エタン、2,2−ビス〔4−(3−アミノフェノキシ)フェニル〕プロパン、2,2−ビス〔4−(4−アミノフェノキシ)フェニル〕プロパン、2,2−ビス〔4−(3−アミノフェノキシ)フェニル〕ブタン、2,2−ビス〔3−(3−アミノフェノキシ)フェニル〕−1,1,1,3,3,3−ヘキサフルオロプロパン、2,2−ビス〔4−(4−アミノフェノキシ)フェニル〕−1,1,1,3,3,3−ヘキサフルオロプロパン、1,3−ビス(3−アミノフェノキシ)ベンゼン、1,3−ビス(4−アミノフェノキシ)ベンゼン、1,4−ビス(3−アミノフェノキシ)ベンゼン、1,4−ビス(4−アミノフェノキシ)ベンゼン、4,4’−ビス(3−アミノフェノキシ)ビフェニル、4,4’−ビス(4−アミノフェノキシ)ビフェニル、ビス〔4−(3−アミノフェノキシ)フェニル〕ケトン、ビス〔4−(4−アミノフェノキシ)フェニル〕ケトン、ビス〔4−(3−アミノフェノキシ)フェニル〕スルフィド、ビス〔4−(4−アミノフェノキシ)フェニル〕スルフィド、ビス〔4−(3−アミノフェノキシ)フェニル〕スルホキシド、ビス〔4−(4−アミノフェノキシ)フェニル〕スルホキシド、ビス〔4−(3−アミノフェノキシ)フェニル〕スルホン、ビス〔4−(4−アミノフェノキシ)フェニル〕スルホン、ビス〔4−(3−アミノフェノキシ)フェニル〕エーテル、ビス〔4−(4−アミノフェノキシ)フェニル〕エーテル、1,4−ビス〔4−(3−アミノフェノキシ)ベンゾイル〕ベンゼン、1,3−ビス〔4−(3−アミノフェノキシ)ベンゾイル〕ベンゼン、4,4’−ビス〔3−(4−アミノフェノキシ)ベンゾイル〕ジフェニルエーテル、4,4’−ビス〔3−(3−アミノフェノキシ)ベンゾイル〕ジフェニルエーテル、4,4’−ビス〔4−(4−アミノ−α,α−ジメチルベンジル)フェノキシ〕ベンゾフェノン、4,4’−ビス〔4−(4−アミノ−α,α−ジメチルベンジル)フェノキシ〕ジフェニルスルホン、ビス〔4−{4−(4−アミノフェノキシ)フェノキシ}フェニル〕スルホン、1,4−ビス〔4−(4−アミノフェノキシ)フェノキシ〕−α,α−ジメチルベンジル〕ベンゼン、1,3−ビス〔4−(4−アミノフェノキシ)−α,α−ジメチルベンジル〕ベンゼンなどが挙げられる。これらは、1種単独で使用してもよいし、2種以上を併用してもよい。
これらの中でも、4,4’−ジアミノジフェニルエーテルが、本発明の物性を効果的に発現する点で、好ましい。
−−有機極性溶媒−−
前記有機極性溶媒としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、スルホキシド溶媒、ホルムアミド溶媒、アセトアミド溶媒、ピロリドン溶媒、フェノール溶媒、エーテル溶媒、アルコール溶媒、エステル溶媒、セロソルブ溶媒、ヘキサメチルホスホルアミド、γ−ブチロラクトンなどが挙げられる。これらは、1種単独で使用してもよいし、2種以上を併用してもよい。
前記スルホキシド溶媒としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、ジメチルスルホキシド、ジエチルスルホキシドなどが挙げられる。
前記ホルムアミド溶媒としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、N,N−ジメチルホルムアミド、N,N−ジエチルホルムアミドなどが挙げられる。
前記アセトアミド溶媒としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、N,N−ジメチルアセトアミド、N,N−ジエチルアセトアミドなどが挙げられる。
前記ピロリドン溶媒としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、N−メチル−2−ピロリドン、N−ビニル−2−ピロリドンなどが挙げられる。
前記フェノール溶媒としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、フェノール、o−クレゾール、m−クレゾール、p−クレゾール、キシレノール、ハロゲン化フェノール、カテコールなどが挙げられる。
前記エーテル溶媒としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、テトラヒドロフラン、ジオキサン、ジオキソランなどが挙げられる。
前記アルコール溶媒としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、メタノール、エタノール、ブタノールなどが挙げられる。
前記セロソルブ溶媒としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、ブチルセロソルブが挙げられる。
これらの中でも、N,N−ジメチルアセトアミド、N−メチル−2−ピロリドンが、溶解性が高く重合しやすい点で、好ましい。
−−ポリイミド前駆体−−
前記ポリイミド前駆体は、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、適宜合成したものを使用してもよいし、市販品を使用してもよい。
前記ポリイミド前駆体を合成する方法としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、アルゴン、窒素などの不活性ガス雰囲気下において、芳香族多価カルボン酸無水物又はその誘導体と、芳香族ジアミン成分とを、およそ等モルで、有機極性溶媒中で重合反応することにより、発熱を伴う開環重付加反応を生じさせ、急速に溶液の粘度増大が生じ、高分子量のポリアミック酸が有機極性溶媒中に均一に溶解した状態でポリイミド前駆体溶液を合成する方法が挙げられる。
前記ポリイミド前駆体の合成に用いられる芳香族多価カルボン酸無水物又はその誘導体、ジアミンを添加する順序としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、前記ジアミンを、前記芳香族多価カルボン酸無水物又はその誘導体を添加する順序、前記芳香族多価カルボン酸無水物又はその誘導体を、前記ジアミンを添加する順序、前記芳香族多価カルボン酸無水物又はその誘導体と、前記ジアミンとを有機溶媒中に同時に添加する順序などが挙げられる。
前記ポリイミド前駆体の合成に用いられるジアミン、前記芳香族多価カルボン酸無水物、又はその誘導体を添加する際の状態としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、固体状態、有機溶媒に溶解した溶液状態、スラリー状態などが挙げられる。
前記ポリイミド前駆体の合成における反応時間としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、30分間〜12時間程度が挙げられる。
前記ポリイミド前駆体の合成における反応温度としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができるが、−20℃〜100℃が好ましく、60℃以下であることが特に好ましい。
前記ポリイミド前駆体の市販品としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、いわゆるポリイミドワニス(有機溶媒にポリアミック酸組成物が溶解された状態のもの)の市販品などが挙げられる。
前記ポリイミドワニスの市販品としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、トレニース(東レ社製)、U−ワニス(宇部興産社製)、リカコート(新日本理化社製)、オプトマー(JSR社製)、SE812(日産化学社製)、CRC8000(住友ベークライト社製)などが挙げられる。
−−ポリイミド前駆体からポリイミドへの転化方法−−
前記ポリイミド前駆体からポリイミドへの転化方法としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、加熱して処理する方法、化学的に処理する方法などが挙げられる。
これらの中でも、加熱する方法が、処理が容易であり、低コストである点で、好ましい。
前記加熱して処理する方法としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、合成、又は入手したポリアミック酸溶液に、必要に応じて、充填剤を混合、分散して塗工液を調製し、前記塗工液を支持体(成形用の型)に塗布した後、200℃〜350℃に加熱処理することによってポリイミドに転化する方法が挙げられる。
前記加熱処理としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができるが、ポリイミドの本来的な性能を発揮させるために、ポリイミドのガラス転移温度以上に加熱して、イミド化を完結させる処理が好ましい。
前記化学的に処理する方法としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、合成、又は入手したポリアミック酸溶液に、必要に応じて充填剤を混合、分散して塗工液で調製し、前記塗工液を支持体(成形用の型)に塗布した後、脱水環化試薬により反応させた後、加熱処理して完全にイミド化する方法が挙げられる。
前記脱水環化試薬としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、カルボン酸無水物と第3アミンの混合物が挙げられる。
前記加熱処理としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができるが、ポリイミドの本来的な性能を発揮させるために、ポリイミドのガラス転移温度以上に加熱して、イミド化を完結させる処理が好ましい。
−−イミド化率の測定方法−−
前記イミド化率の測定方法としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、9ppm〜11ppm付近のアミド基に帰属されるHと6ppm〜9ppm付近の芳香環に帰属されるHとの積分比から算出する核磁気共鳴分光法(NMR法)、フーリエ変換赤外分光法(FT-IR法)、イミド閉環に伴う水分を定量する方法、カルボン酸中和滴定法などが挙げられる。
これらの中でも、フーリエ変換赤外分光法(FT-IR法)が、最も一般的な方法であり、短時間で簡易的に測定できる点で、好ましい。
−−フーリエ変換赤外分光法(FT-IR法)−−
前記フーリエ変換赤外分光法(FT-IR法)としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、イミド化率を下記式(a)のように定義して、FT-IR法により測定されるイミド基の特性吸収の吸光度比から求める方法が挙げられる。
前記式(a)は、以下の式で表される。
イミド化率(%)=[(A)/(B)]×100 ・・・ (a)
式中、(A)は焼成段階(イミド化処理段階)でのイミド基のモル数を示し、(B)は100%イミド化された場合のイミド基のモル数(理論値)を示す。
前記イミド基の特性吸収の吸光度比としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、イミドの特性吸収725cm−1(イミド環C=O基の変角振動帯)とベンゼン環の特性吸収1,015cm−1との吸光度比、イミドの特性吸収1,380cm−1(イミド環C−N基の変角振動帯)とベンゼン環の特性吸収1,500cm−1との吸光度比、イミドの特性吸収1,720cm−1(イミド環C=O基の変角振動帯)とベンゼン環の特性吸収1,500cm−1との吸光度比、イミドの特性吸収1,720cm−1(イミド環C=O基の変角振動帯)とアミド基の特性吸収1,670cm−1(アミド基N−H変角振動とC−N伸縮振動との間の相互作用)との吸光度比などが挙げられる。また、3,000cm−1〜3,300cm−1にかけてのアミド基由来の多重吸収帯が消失していることを確認すれば、更にイミド化完結の信頼性は高まる。
−ポリアミドイミド樹脂−
前記ポリアミドイミド樹脂(以下、「ポリアミドイミド」と略称することがある。)としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、分子骨格中に剛直なイミド基と柔軟性を付与するアミド基とを有する樹脂が挙げられる。
−ポリアミドイミド樹脂の合成方法−
前記ポリアミドイミド樹脂の合成方法としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、酸クロライド法、イソシアネート法などが挙げられる。
−酸クロライド法−
前記酸クロライド法としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、酸無水物基を有する3価のカルボン酸の誘導体ハライド化合物とジアミンとを有機極性溶媒中に溶解した後、低温(0℃〜30℃)で反応させて製造する公知の方法(例えば、特公昭42−15637号公報参照)が挙げられる。
−−酸無水物基を有する3価のカルボン酸の誘導体ハライド化合物−−
前記酸無水物基を有する3価のカルボン酸の誘導体ハライド化合物としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、下記式(2)で表される化合物、下記式(3)で表される化合物などが挙げられる。これらは、1種単独で使用してもよいし、2種以上を併用してもよい。
式中、Xはハロゲン元素を示す。
式中、Xはハロゲン元素を示し、Yは2価の基であり、−CH−、−CO−、−SO−、又は−O−を示す。
前記ハロゲン元素としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、クロライド、ブロマイドなどが挙げられる。これらは、1種単独で使用してもよいし、2種以上を併用してもよい。
前記クロライドとしては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、多価カルボン酸の酸クロライドなどが挙げられる。
前記多価カルボン酸の酸クロライドとしては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、テレフタル酸クロライド、イソフタル酸クロライド、4、4’ −ビフェニルジカルボン酸クロライド、4、4’−ビフェニルエーテルジカルボン酸クロライド、4、4’−ビフェニルスルホンジカルボン酸クロライド、4、4’−ベンゾフェノンジカルボン酸クロライド、ピロメリット酸クロライド、トリメリット酸クロライド、3、3’、4、4’−ベンゾフェノンテトラカルボン酸クロライド、3、3’、4、4’−ビフェニルスルホンテトラカルボン酸クロライド、3、3’、4、4’−ビフェニルテトラカルボン酸クロライド、アジピン酸クロライド、セバチン酸クロライド、マレイン酸クロライド、フマール酸クロライド、ダイマー酸クロライド、スチルベンジカルボン酸クロライド、1、4−シクロヘキサンジカルボン酸クロライド、1、2−シクロヘキサンジカルボン酸クロライドなどが挙げられる。これらは、1種単独で使用してもよいし、2種以上を併用してもよい。
−−ジアミン−−
前記ジアミンとしては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、芳香族ジアミン、脂肪族ジアミン、脂環族ジアミン、両末端にアミノ基を有するシロキサン化合物などが挙げられる。これらは、1種単独で使用してもよいし、2種以上を併用してもよい。
これらの中でも、芳香族ジアミンが、機械強度に優れる点で、好ましく、両末端にアミノ基を有するシロキサン化合物が、シリコーン変性ポリアミドイミドを得ることができる点で、好ましい。
前記芳香族ジアミンとしては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、m−フェニレンジアミン、p−フェニレンジアミン、オキシジアニリン、メチレンジアミン、ヘキサフルオロイソプロピリデンジアミン、ジアミノ−m−キシリレン、ジアミノ−p−キシリレン、1,4−ナフタレンジアミン、1,5−ナフタレンジアミン、2,6−ナフタレンジアミン、2,7−ナフタレンジアミン、2,2’−ビス−(4−アミノフェニル)プロパン、2,2’−ビス−(4−アミノフェニル)へキサフルオロプロパン、4,4’−ジアミノジフェニルスルホン、4,4’−ジアミノジフェニルエーテル、3,3’−ジアミノジフェニルスルホン、3,3’−ジアミノジフェニルエーテル、3,4−ジアミノビフェニル、4,4’−ジアミノベンゾフェノン、3,4−ジアミノジフェニルエーテル、イソプロピリデンジアニリン、3,3’−ジアミノベンゾフェノン、o−トリジン、2,4−トリレンジアミン、1,3−ビス−(3−アミノフェノキシ)ベンゼン、1,4−ビス−(4−アミノフェノキシ)ベンゼン、1,3−ビス−(4−アミノフェノキシ)ベンゼン、2,2−ビス−[4−(4−アミノフェノキシ)フェニル]プロパン、ビス−[4−(4−アミノフェノキシ)フェニル]スルホン、ビス−[4−(3−アミノフェノキシ)フェニル]スルホン、4,4’−ビス−(4−アミノフェノキシ)ビフェニル、2,2’−ビス−[4−(4−アミノフェノキシ)フェニル]へキサフルオロプロパン、4,4’−ジアミノジフェニルスルフィド、3,3’−ジアミノジフェニルスルフィドなどが挙げられる。これらは、1種単独で使用してもよいし、2種以上を併用してもよい。
これらの中でも、4,4’−ジアミノジフェニルエーテルが、屈曲性が高い点で、好ましい。
前記両末端にアミノ基を有するシロキサン化合物としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、1,3−ビス(3−アミノプロピル)−1,1,3,3−テトラメチルジシロキサン、α,ω−ビス(3−アミノプロピル)ポリジメチルシロキサン、1,3−ビス(3−アミノフェノキシメチル)−1,1,3,3−テトラメチルジシロキサン、α,ω−ビス(3−アミノフェノキシメチル)ポリジメチルシロキサン、1,3,−ビス(2−(3−アミノフェノキシ)エチル)−1,1,3,3−テトラメチルジシロキサン、α,ω−ビス(2−(3−アミノフェノキシ)エチル)ポリジメチルシロキサン、1,3−ビス(3−(3−アミノフェノキシ)プロピル)−1,1,3,3−テトラメチルジシロキサン、α,ω−ビス(3−(3−アミノフェノキシ)プロピル)ポリジメチルシロキサンなどが挙げられる。これらは、1種単独で使用してもよいし、2種以上を併用してもよい。
−−有機極性溶媒−−
前記有機極性溶媒としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、前記ポリイミド樹脂の合成方法において用いられた有機極性溶媒と同様の有機極性溶媒を用いることができる。
−−ポリアミドイミド前駆体−−
前記ポリアミドイミド前駆体(ポリアミド−アミック酸)は、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、適宜合成したものを使用してもよいし、市販品を使用してもよい。
前記ポリアミドイミド前駆体の合成方法としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、前記酸無水物基を有する3価のカルボン酸の誘導体ハライドと前記ジアミンとを有機極性溶媒に溶解した後、低温(0℃〜30℃)で反応させ、ポリアミドイミド前駆体(ポリアミド−アミック酸)とする方法が挙げられる。
−−ポリアミドイミド前駆体からポリアミドイミドへの転化方法−−
前記ポリアミドイミド前駆体からポリアミドイミドへの転化方法としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、加熱処理により脱水閉環させる方法、化学的処理により脱水閉環させる方法などが挙げられる。
前記加熱処理により脱水閉環させる方法としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、ポリアミド−アミック酸溶液を支持体(例えば、成形用の型)に塗布した後、所定の反応温度と反応時間で、加熱する方法が挙げられる。
前記加熱処理における反応温度としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができるが、150℃〜400℃が好ましく、180℃〜350℃が特に好ましい。
前記加熱処理における反応時間としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができるが、30秒間〜10時間が好ましく、5分間〜5時間が特に好ましい。
前記化学的処理により脱水閉環させる方法としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、ポリアミド−アミック酸溶液を支持体(成形用の型)に塗布した後、前記脱水閉環触媒を用いて、所定の反応温度と反応時間で、加熱する方法が挙げられる。
前記化学的処理における反応温度としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができるが、0℃〜180℃が好ましく、10℃〜80℃が特に好ましい。
前記化学的処理における反応時間としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができるが、数十分間〜数日間が好ましく、2時間〜12時間が特に好ましい。
前記脱水閉環触媒としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、酸、プロピオン酸、酪酸、安息香酸などの酸無水物が挙げられる。
−イソシアネート法−
前記イソシアネート法としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、酸無水物基とカルボン酸を含む3価の誘導体と芳香族ポリイソシアネートとを有機極性溶媒中で反応させて製造する公知の方法(例えば、特公昭44−19274号公報参照)が挙げられる。
−−酸無水物基とカルボン酸を含む3価の誘導体−−
前記酸無水物基とカルボン酸を含む3価の誘導体としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、下記式(4)で表される化合物、下記式(5)で表される化合物、無水トリメリット酸などが挙げられる。これらは、1種単独で使用してもよいし、2種以上を併用してもよい。
これらの中でも、無水トリメリット酸が、最も代表的に用いられており、機械強度に優れる点で、好ましい。
式中、Rは水素、炭素数1〜10のアルキル基、又はフェニル基を示す。
式中、Rは水素、炭素数1〜10のアルキル基、又はフェニル基を示し、Yは2価の基であり、−CH−、−CO−、−SO−、又は−O−を示す。
−−芳香族ポリイソシアネート−−
前記芳香族ポリイソシアネートとしては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、4,4’−ジフェニルメタンジイソシアネート、トリレンジイソシアネート、キシリレンジイソシアネート、4,4’−ジフェニルエーテルジイソシアネート、4,4’−〔2,2−ビス(4−フェノキシフェニル)プロパン〕ジイソシアネート、ビフェニル−4,4’−ジイソシアネート、ビフェニル−3,3’−ジイソシアネート、ビフェニル−3,4’−ジイソシアネート、3,3’−ジメチルビフェニル−4,4’−ジイソシアネート、2,2’−ジメチルビフェニル−4,4’−ジイソシアネート、3,3’−ジエチルビフェニル−4,4’−ジイソシアネート、2,2’−ジエチルビフェニル−4,4’−ジイソシアネート、3,3’−ジメトキシビフェニル−4,4’−ジイソシアネート、2,2’−ジメトキシビフェニル−4,4’−ジイソシアネート、ナフタレン−1,5−ジイソシアネート、ナフタレン−2,6−ジイソシアネートなどが挙げられる。これらは、1種単独で使用してもよいし、2種以上を併用してもよい。
また、前記芳香族イソシアネートの一部として、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、ヘキサメチレンジイソシアネート、2,2,4−トリメチルヘキサメチレンジイソシアネート、イソホロンジイソシアネート、4,4’−ジシクロヘキシルメタンジイソシアネート、トランスシクロヘキサン−1,4−ジイソシアネート、水添m−キシリレンジイソシアネート、リジンジイソシアネート等の脂肪族、脂環式イソシアネート、3官能以上のポリイソシアネートなどが挙げられる。これらは、1種単独で使用してもよいし、2種以上を併用してもよい。
これらの中でも、ヘキサメチレンジイソシアネートが、溶解性に優れる点で、好ましい。
−−有機極性溶媒−−
前記有機極性溶媒としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、前記ポリイミド樹脂の合成方法において用いられた有機極性溶媒と同様の有機極性溶媒を用いることができる。
−−ポリアミドイミド前駆体−−
前記ポリアミドイミド前駆体は、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、適宜合成したものを使用してもよいし、市販品を使用してもよい。
前記ポリアミドイミド前駆体の合成方法としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、前記酸無水物基とカルボン酸を含む3価の誘導体と芳香族ポリイソシアネートとを有機極性溶媒中に溶解した後、反応させ、ポリアミドイミド前駆体とする方法が挙げられる。
前記ポリアミドイミド前駆体の市販品としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、ポリアミドイミドワニス(東洋紡績社、商品名「バイロマックスHR−16NN」)が挙げられる。
−−ポリアミドイミド前駆体からポリアミドイミドへの転化方法−−
前記ポリアミドイミド前駆体からポリアミドイミドへの転化方法としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、前記ポリアミドイミド前駆体を含む溶液を支持体に塗布した後、加熱処理することにより、ポリアミドイミド前駆体からポリアミドイミドへ転化する方法が挙げられる。
前記ポリアミドイミドへの転化の際、前記ポリアミック酸を経由することなく、炭酸ガスを発生して、ポリアミドイミドを生成する。
前記ポリアミドイミド前駆体からポリアミドイミドへの転化の例として、無水トリメリット酸と芳香族イソシアネートとを用いてポリアミドイミドへ転化する例を下記式(6)に示す。
式中、Arは芳香族基を示す。
<<樹脂の基材層における含有量>>
前記樹脂の基材層における含有量としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができるが、一般的には、前記基材層は、樹脂と電気抵抗調整剤に分散剤や触媒、レベリング剤とを含有してなり、分散剤や触媒、レベリング剤などは導入量が非常に少ないため、電気抵抗調整剤を除いた残部を樹脂の基材層における含有量とすることができる。
<<基材層の厚み>>
前記基材層の厚みとしては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができるが、30μm〜150μmが好ましく、40μm〜120μmがより好ましく、50μm〜80μmが特に好ましい。前記基材層の厚みが、30μm未満であると、亀裂によりベルトが裂けることがあり、150μmを超えると、曲げによってベルトが割れることがあることがある。一方、前記基材層の厚みが前記特に好ましい範囲であると耐久性に優れる点で、有利である。
<<基材層の厚みを調整する方法>>
前記基材層の厚みを調整する方法としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、接触式の膜厚計での計測や膜の断面を走査型電子顕微鏡(SEM)で確認して、適宜調整する方法が挙げられる。
<<基材層の形成方法>>
前記基材層の形成方法としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、本発明の少なくとも樹脂成分を含む塗工液、即ち前記ポリイミド樹脂前駆体又はポリアミドイミド樹脂前駆体を含む塗工液を用いて基材層を形成する方法が挙げられる。
前記基材層の形成方法を具体的に説明する。
円筒状の金属金型をゆっくりと回転させながら、少なくとも樹脂成分を含む塗工液(例えば、ポリイミド樹脂前駆体又はポリアミドイミド樹脂前駆体を含む塗工液)をノズルやディスペンサーのような液供給装置にて円筒の外面全体に均一になるように塗布、流延(塗膜を形成)する。その後、回転速度を所定速度まで上げ、所定速度に達したら一定速度に維持し、所望の時間回転を継続する。そして、回転させつつ徐々に昇温させながら、約80℃〜150℃の温度で塗膜中の溶媒を蒸発させていく。この過程では、雰囲気の蒸気(揮発した溶媒等)を効率よく循環して取り除くことが好ましい。自己支持性のある膜が形成されたところで金型ごと高温処理の可能な加熱炉(焼成炉)に移し、段階的に昇温し、最終的に250℃〜450℃程度の高温加熱処理(焼成)し、十分にポリイミド樹脂前駆体又はポリアミドイミド樹脂前駆体のイミド化又はポリアミドイミド化を行う。その後、充分に冷却することにより、基材層を形成する。
<<その他の成分>>
前記その他の成分としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、電気抵抗調整剤が好適に挙げることができ、更に必要に応じて、分散剤、補強剤、潤滑剤、熱伝導剤、酸化防止剤、触媒、レベリング剤などの添加剤を微量含有してもよい。これらは、1種単独で使用してもよいし、2種以上を併用してもよい。
−電気抵抗調整剤−
前記電気抵抗調整剤は、前記樹脂中の電気抵抗を調整する充填剤(又は、添加剤)である。
前記電気抵抗調整剤としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、カーボンブラック、金属酸化物、イオン導電剤、導電性高分子材料などが挙げられる。これらは、1種単独で使用してもよいし、2種以上を併用してもよい。
これらの中でも、カーボンブラックが、抵抗均一性に優れる点で、好ましい。
−−カーボンブラック−−
前記カーボンブラックとしては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、ケッチェンブラック、ファーネスブラック、アセチレンブラック、サーマルブラック、ガスブラックなどが挙げられる。
−−金属酸化物−−
前記金属酸化物としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、酸化亜鉛、酸化スズ、酸化チタン、酸化ジルコニウム、酸化アルミニウム、酸化珪素、分散性を良くするため、前記金属酸化物に予め表面処理を施したものなどが挙げられる。
−−イオン導電剤−−
前記イオン導電剤としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、テトラアルキルアンモニウム塩、トリアルキルベンジルアンモニウム塩、アルキルスルホン酸塩、アルキルベンゼンスルホン酸塩、アルキルサルフェート、グルセリン脂肪酸エステル、ソルビタン脂肪酸エステル、ポリオキシエチレンアルキルアミン、ポリオキシエチレン脂肪アルコールエステル、アルキルベタイン、過塩素酸リチウムなどが挙げられる。
−−導電性高分子材料−−
前記導電性高分子材料としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、ポリパラフェニレン、ポリアニリン、ポリチオフェン、ポリパラフェニレンビニレンなどが挙げられる。
−−電気抵抗調整剤の含有量−−
前記電気抵抗調整剤の含有量としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができるが、前記中間転写体を製造して用いる場合には、前記樹脂成分(例えば、ポリイミド樹脂前駆体又はポリアミドイミド樹脂前駆体)と前記電気抵抗調整剤との配合を適正に調整した塗工液を用いて、電気特性(表面抵抗及び体積抵抗)と機械強度とを考え、膜が脆く割れやすくならない程度の添加量とすることが好ましい。
前記電気抵抗調整剤の含有量が、前記好ましい範囲よりも少ないと、抵抗値の均一性が得られにくくなり、任意の電位に対する抵抗値の変動が大きくなることがあり、前記好ましい範囲よりも多くなると、前記中間転写ベルトの機械強度が低下し、実使用上好ましくないことがある。一方、前記電気抵抗調整剤の含有量が、前記より好ましい範囲であると抵抗均一性、機械強度に優れる点で、有利である。
前記カーボンブラックの含有量としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができるが、塗工液中の全固形分の10wt%〜25wt%が好ましく、15wt%〜20wt%がより好ましい。
前記金属酸化物の含有量としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができるが、塗工液中の全固形分の1wt%〜50wt%が好ましく、10wt%〜30wt%がより好ましい。
前記イオン導電剤の含有量としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができるが、塗工液中の全固形分の1wt%〜10wt%が好ましく、3wt%〜7wt%がより好ましい。
前記導電性高分子材料の含有量としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができるが、塗工液中の全固形分の1wt%〜10wt%が好ましく、3wt%〜7wt%がより好ましい。
−−電気抵抗−−
前記電気抵抗としては、表面抵抗で1×10Ω/□〜1×1014Ω/□、体積抵抗で1×10Ω・cm〜1×1013Ω・cmとなるように調整されることが好ましい。
<弾性層>
前記弾性層は、少なくとも、弾性を有する材料を有してなり、更に必要に応じて、その他の成分を有する。
<<弾性を有する材料>>
前記弾性を有する材料としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、エラストマー、ゴムなどが挙げられる。
これらの中でも、マルテンス硬度が1.0以下、かつ弾性仕事回復率が75%以上のエラストマーやゴムなどのゴム系材料を用いることが、本発明の効果を十分に発現するに十分な柔軟性(弾性)を有する点で、好ましい。
−エラストマー−
前記エラストマーとしては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、熱可塑性エラストマー、熱硬化性エラストマーなどが挙げられる。これらは、1種単独で使用してもよいし、2種以上を併用してもよい。
前記熱可塑性エラストマーとしては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、ポリエステルエラストマー、ポリアミドエラストマー、ポリエーテルエラストマー、ポリウレタンエラストマー、ポリオレフィンエラストマー、ポリスチレンエラストマー、ポリアクリルエラストマー、ポリジエンエラストマー、シリコーン変性ポリカーボネートエラストマー、フッ素共重合体エラストマーなどが挙げられる。
前記熱硬化性エラストマーとしては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、ポリウレタンエラストマー、シリコーン変性エポキシエラストマー、シリコーン変性アクリルエラストマーなどが挙げられる。
これらの中でも、硬化性エラストマーが、弾性層の表面に粒子層を形成する際に、硬化反応に寄与する官能基の効果により微粒子との密着性、接着性に優れ、接着層などを設けずに確実に固定化することができる点で、好ましい。
−ゴム−
前記ゴムとしては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、イソプレンゴム、スチレンゴム、ブタジエンゴム、ニトリルゴム、エチレンプロピレンゴム、ブチルゴム、シリコーンゴム、クロロプレンゴム、アクリルゴム、クロロスルホン化ポリエチレン、フッ素ゴム、ウレタンゴム、ヒドリンゴム、アクリロニトリルブタジエンゴム、加硫ゴムなどが挙げられる。これらは、1種単独で使用してもよいし、2種以上を併用してもよい。
これらの中でも、アクリロニトリルブタジエンゴム、加硫ゴムが、弾性層の表面に粒子層を形成する際に、硬化反応に寄与する官能基の効果により微粒子との密着性、接着性に優れ、接着層などを設けずに確実に固定化することができる点で、好ましい。
<<弾性層の厚み>>
前記弾性層の厚みとしては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができるが、200μm〜2,000μmが好ましく、300μm〜1,000μmがより好ましく、400μm〜700μmが特に好ましい。前記弾性層の厚みが、200μm未満であると、転写媒体の表面性状への追従性や転写圧力低減効果が低くなり、2,000μmを超えると、膜の重さが重くなりたわみやすく、走行性が不安定になり、ベルトを張架させるためのローラ曲率部での屈曲により亀裂が発生しやすく、転写性が低くなることがあることがある。一方、前記弾性層の厚みが前記特に好ましい範囲であると、ベルト駆動性、紙への追従性に優れる点で、有利である。
<<弾性層の厚みを調整する方法>>
前記弾性層の厚みを調整する方法としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、ベルトの断面を走査型電子顕微鏡(SEM)で確認して、適宜調整する方法が挙げられる。
<<弾性層の形成方法>>
前記弾性層の形成方法としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、射出成形、押し出し成形などにより基材層上に弾性層を形成する方法、熱硬化型の液状のエラストマー材料を基材層上に塗布し、弾性層を形成する方法などが挙げられる。
前記弾性層の形成方法を具体的に説明する。
少なくとも液状の熱硬化型エラストマー材料を含む塗布液を、基材層と同様に、円筒状の金属金型をゆっくりと回転させながら、ノズルやディスペンサーのような液供給装置にて円筒の外面全体に均一になるように塗布、流延(塗膜を形成)する。その後、回転速度を所定速度まで上げ、所望の時所定速度に達したら一定速度に維持し、間回転を継続し、十分にレベリングすることにより、弾性層を形成する。
<<その他の成分>>
前記弾性層は、必要に応じて、前記その他の成分を、必要に応じて微量含有することができる。
前記その他の成分としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、電気抵抗調整剤、難燃性を得るための難燃剤、必要に応じて、酸化防止剤、補強剤、充填剤、加硫促進剤などの添加剤が挙げられる。これらは、1種単独で使用してもよいし、2種以上を併用してもよい。
−電気抵抗調整剤−
前記電気抵抗調整剤としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができるが、カーボンブラック、金属酸化物などは柔軟性を損なうため、使用量を抑えることが好ましく、イオン導電剤、導電性高分子などを用いることが好ましい。
−−電気抵抗−−
前記弾性層の抵抗値としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、表面抵抗で1×10Ω/□〜1×1013Ω/□、体積抵抗で1×10Ω・cm〜1×1013Ω・cmとなる様に調整されることが好ましい。
<粒子層>
前記粒子層は、少なくとも、球形微粒子を有してなり、更に必要に応じて、その他の成分を有する。
<<球形微粒子>>
前記球形微粒子とは、平均粒子径が100μm以下で真球状の形状をしており、有機溶剤に不溶で3%熱分解温度が200℃以上である微粒子のことをいう。
前記球形微粒子としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、アクリル樹脂、メラミン樹脂、ポリアミド樹脂、ポリエステル樹脂、シリコーン樹脂、フッ素樹脂などの樹脂、ゴムを主成分としてなる球形微粒子、これらの球形微粒子の表面を異種材料で表面処理を施してなる中空、多孔質の球形微粒子、ゴム系材料で作製された粒子の表面を硬い樹脂を用いてコートしてなる球形微粒子、シリコーン粒子やフッ素粒子を用い、重合法により作製された球形微粒子などが挙げられる。
これらの中でも、シリコーン粒子やフッ素粒子を用い、重合法により作製された球形微粒子が、滑性を有し、トナーに対しての離型性、耐磨耗性を付与できる機能が高い点で、好ましく、真球に近いものほど好ましい。
前記球形微粒子としては、特に制限はなく、適宜合成したものを使用してもよいし、市販品を使用してもよい。前記市販品としては、シリコーン粒子(モメンティブ・パフォーマンス・マテリアルズ社、商品名「トスパール120」、商品名「トスパール145」、商品名「トスパール2000B」)、アクリル粒子(積水化成品工業、商品名「テクポリマーMBX−SS」)などが挙げられる。
−球形微粒子の形態−
前記球形樹脂粒子の形態としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、弾性層に対して厚み方向に単一層で形成される形態、厚み方向に複数の球形微粒子を含むような形態などが挙げられる。
これらの中でも、弾性層に対して厚み方向に単一層で形成される形態が、前記弾性層の上に粉体をそのまま直接塗布して、ならすことにより容易に均一に整列させることができ、安定した高品質画像を維持することができる点で、好ましい。
一方、前記厚み方向に複数の球形微粒子を含むような形態は、球形微粒子の含有される分布がむらになり、球形微粒子の有する電気抵抗値の影響により、ベルト表面の電気特性が不均一となり画像乱れを生じる。具体的には、粒子が多く存在する部分での電気抵抗値が高くなり、ここに残留電荷による表面電位が発生し、ベルト表面において表面電位のばらつきが発生し、隣接した部分での画像濃度に差が生じる等による画像乱れが顕在化することがある。
−球形微粒子の体積平均粒径−
前記球形微粒子の体積平均粒径としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができるが、0.3μm〜10μmが好ましく、0.5μm〜5μmがより好ましく、1μm〜3μmが特に好ましい。また、分布がシャープな単分散であることが好ましい。前記球形微粒子の体積平均粒径が、0.3μm未満であると、粒子による転写性能の効果が十分に得られなくなり、10μmを超えると、表面粗さが大きくなり、粒子間の隙間が大きくなるため、トナーがうまく転写できず、クリーニング不良となる不具合、粒子による帯電電位の残留により、連続画像出力時に画像乱れが発生する不具合が生じることがある。一方、前記球形微粒子の体積平均粒径が前記特に好ましい範囲であると、画像乱れが生じない点で、有利である。
<<粒子層の形成方法>>
前記粒子層の形成方法としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、図3に示すように、粉体供給装置35と押し当て部材33を設置し、回転させながら粉体供給装置35から球形微粒子34を表面に均一にまぶし、表面にまぶされた球形微粒子を押し当て部材33により一定圧力にて押し当てることにより、樹脂層へ粒子を埋設させて、余剰な粒子を取り除き、均一な粒子層を形成した後、回転させながら所定温度、所定時間で加熱することにより、硬化させ、粒子層13を形成する方法が挙げられる。
前記粒子層の形成に用いられる球形粒子は、単分散の球形微粒子を用いるために、前記押し当て部材での、ならし工程のみで、均一な粒子層を形成することができる。
<<その他の成分>>
前記その他の成分としては、本発明の効果を損なわない限り、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができる。
<中間転写体の作製方法>
前記中間転写体の作製する方法としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、円筒状の金属金型上に、比較的屈曲性が得られる剛性な基材層を形成し、前記基材層の上に柔軟な弾性層を積層し、前記弾性層上に球形微粒子を一部埋め込まれた粒子層を積層し、充分に冷却後、金型から基材層ごと脱離させることにより、所望の中間転写体を作製する方法が挙げられる。
<中間転写体のマルテンス硬度>
前記中間転写体のマルテンス硬度としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができるが、1.0N/mm以下であることが必須であり、0.8N/mm以下が好ましく、0.6N/mm以下がより好ましい。前記中間転写体のマルテンス硬度が1.0N/mmを超えると、凹凸紙への追従性が悪いだけでなく、粒子の弾性層への接着力が悪いため粒子脱離が起こりやすく転写不良、クリーニング不良などの不具合が生じることがある。一方、前記中間転写体のマルテンス硬度が前記特に好ましい範囲であると、硬化反応に寄与する官能基の効果により微粒子との密着性、接着性に優れ、接着層など設けずに確実に固定化することができ、安定した高品質画像を維持することができる点で、有利である。
<<中間転写体のマルテンス硬度を測定する方法>>
前記中間転写体のマルテンス硬度を測定する方法としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、市販されている微小硬度計(フィッシャーインスツルメンツ社、商品名「FisherScopeHM2000LT」)にて最大荷重を40mNに設定することにより、測定することができる。
<中間転写体の弾性仕事回復率>
前記中間転写体の弾性仕事回復率としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができるが、75%以上であることが必須であり、80%以上が好ましく、85%以上がより好ましい。前記中間転写体の弾性仕事回復率が、75%未満であると、凹凸紙追従(ベルト変形)からもとの形状に回復するのに時間が掛かるため、凹凸紙を連続通紙した際に、紙の凹凸の跡がベルトに残ってしまっているため、転写ムラなどの異常画像を引き起こしてしまうことがある。一方、前記中間転写体の弾性仕事回復率の厚みが前記特に好ましい範囲であると、硬化反応に寄与する官能基の効果により微粒子との密着性、接着性に優れ、接着層など設けずに確実に固定化することができ、安定した高品質画像を維持することができる点で、有利である。
<<中間転写体の弾性仕事回復率を測定する方法>>
前記中間転写体の弾性仕事回復率を測定する方法としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、前記中間転写体のマルテンス硬度を測定する方法と同様の方法により、測定することができる。
前記埋没率の調整は、押し当て部材の押し当て時間の長さにより調整する。
<中間転写体における球形微粒子の埋没率>
前記中間転写体における球形微粒子の埋没率としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができるが、33%〜99%であることが必須であり、40%〜90%が好ましく、50%〜75%がより好ましい。前記中間転写体における球形微粒子の埋没率が、33%未満であると画像形成装置での長期使用において粒子の脱離が起きやすく、耐久性に劣り、画像濃度ムラが生じることがあり、99%を超えると、粒子による転写性への効果が低減することがあることがある。一方、前記中間転写体における球形微粒子の埋没率が前記特に好ましい範囲であると、耐久性に優れる点で、有利である。
<<中間転写体における球形微粒子の埋没率を測定する方法>>
前記中間転写体における球形微粒子の埋没率を測定する方法としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、中間転写体の断面を走査型電子顕微鏡(SEM)にて観察することにより、測定することができる。
(画像形成装置)
本発明の画像形成装置は、潜像が形成され、トナー像を担持可能な像担持体と、該像担持体上に形成された潜像をトナーで現像する現像手段と、該現像手段により現像されたトナー像が一次転写される中間転写体と、該中間転写体上に担持されたトナー像を記録媒体に二次転写する転写手段とを有してなり、更に必要に応じて適宜選択したその他の手段、例えば、除電手段、クリーニング手段、リサイクル手段、制御手段等を有してなる。
この場合、前記画像形成装置がフルカラー画像形成装置であって、各色の現像手段を有
する複数の潜像担持体を直列に配置してなるものが好ましい。
本発明における画像形成装置に装備されるベルト構成部に用いられるシームレスベルトについて、要部模式図を参照しながら以下に詳しく説明する。なお、模式図は一例であって本発明はこれに限定されるものではない。
図1には、本発明に好適に用いられる中間転写体の層構成を示す。
前記層構成としては、比較的屈曲性が得られる剛性な基材層11の上に柔軟な弾性層12が積層されており、最表面には球形微粒子が弾性層上に一部埋め込まれた粒子層13として積層されている。
図4は、本発明に係る製造方法により得られるシームレスベルトをベルト部材として装備する画像形成装置を説明するための要部模式図である。図4に示すベルト部材を含む中間転写ユニット500は、複数のローラに張架された中間転写体である中間転写ベルト501などにより構成されている。この中間転写ベルト501の周りには、2次転写ユニット600の2次転写電荷付与手段である2次転写バイアスローラ605、中間転写体クリーニング手段であるベルトクリーニングブレード504、潤滑剤塗布手段の潤滑剤塗布部材である潤滑剤塗布ブラシ505などが対向するように配設されている。
また、位置検知用マークが中間転写ベルト501の外周面、又は内周面に図示しない位置検知用マークが設けられる。ただし、中間転写ベルト501の外周面側については位置検知用マークがベルトクリーニングブレード504の通過域を避けて設ける工夫が必要であり、配置上の困難さを伴うことがあるので、その場合には位置検知用マークを中間転写ベルト501の内周面側に設けてもよい。マーク検知用センサとしての光学センサ514は、中間転写ベルト501が架け渡されている1次転写バイアスローラ507とベルト駆動ローラ508との間の位置に設けられる。
この中間転写ベルト501は、1次転写電荷付与手段である1次転写バイアスローラ507、ベルト駆動ローラ508、ベルトテンションローラ509、2次転写対向ローラ510、クリーニング対向ローラ511、及びフィードバック電流検知ローラ512に張架されている。各ローラは導電性材料で形成され、1次転写バイアスローラ507以外の各ローラは接地されている。1次転写バイアスローラ507には、定電流、又は定電圧制御された1次転写電源801により、トナー像の重ね合わせ数に応じて所定の大きさの電流、又は電圧に制御された転写バイアスが印加されている。
中間転写ベルト501は、図示しない駆動モータによって矢印方向に回転駆動されるベルト駆動ローラ508により、矢印方向に駆動される。このベルト部材である中間転写ベルト501は、通常、半導体、又は絶縁体で、単層、又は多層構造となっているが、本発明においてはシームレスベルトが好ましく用いられ、これによって耐久性が向上すると共に、優れた画像形成が実現できる。また、中間転写ベルトは、感光体ドラム200上に形成されたトナー像を重ね合わせるために、通紙可能最大サイズより大きく設定されている。
2次転写手段である2次転写バイアスローラ605は、2次転写対向ローラ510に張架された部分の中間転写ベルト501のベルト外周面に対して、後述する接離手段としての接離機構によって、接離可能に構成されている。2次転写バイアスローラ605は、2次転写対向ローラ510に張架された部分の中間転写ベルト501との間に被記録媒体である転写紙Pを挟持するように配設されており、定電流制御される2次転写電源802によって所定電流の転写バイアスが印加されている。
レジストローラ610は、2次転写バイアスローラ605と2次転写対向ローラ510に張架された中間転写ベルト501との間に、所定のタイミングで転写材である転写紙Pを送り込む。また、2次転写バイアスローラ605には、クリーニング手段であるクリーニングブレード608が当接している。該クリーニングブレード608は、2次転写バイアスローラ605の表面に付着した付着物を除去してクリーニングするものである。
このような構成のカラー複写機において、画像形成サイクルが開始されると、感光体ドラム200は、図示しない駆動モータによって矢印で示す半時計方向に回転され、該感光体ドラム200上に、Bk(ブラック)トナー像形成、C(シアン)トナー像形成、M(マゼンタ)トナー像形成、Y(イエロー)トナー像形成が行われる。中間転写ベルト501はベルト駆動ローラ508によって矢印で示す時計回りに回転される。この中間転写ベルト501の回転に伴って、1次転写バイアスローラ507に印加される電圧による転写バイアスにより、Bkトナー像、Cトナー像、Mトナー像、Yトナー像の1次転写が行われ、最終的にBk、C、M、Yの順に中間転写ベルト501上に各トナー像が重ね合わせて形成される。
例えば、上記Bkトナー像形成は次のように行われる。図4において、帯電チャージャ203は、コロナ放電によって感光体ドラム200の表面を負電荷で所定電位に一様に帯電する。上記ベルトマーク検知信号に基づき、タイミングを定め、図示しない書き込み光学ユニットにより、Bkカラー画像信号に基づいてレーザ光によるラスタ露光を行う。このラスタ像が露光されたとき、当初一様帯電された感光体ドラム200の表面の露光された部分は、露光光量に比例する電荷が消失し、Bk静電潜像が形成される。このBk静電潜像に、Bk現像器231Kの現像ローラ上の負帯電されたBkトナーが接触することにより、感光体ドラム200の電荷が残っている部分にはトナーが付着せず、電荷の無い部分つまり露光された部分にはトナーが吸着し、静電潜像と相似なBkトナー像が形成される。
このようにして感光体ドラム200上に形成されたBkトナー像は、感光体ドラム200と接触状態で等速駆動回転している中間転写ベルト501のベルト外周面に1次転写される。この1次転写後の感光体ドラム200の表面に残留している若干の未転写の残留トナーは、感光体ドラム200の再使用に備えて、感光体クリーニング装置201で清掃される。この感光体ドラム200側では、Bk画像形成工程の次にC画像形成工程に進み、所定のタイミングでカラースキャナによるC画像データの読み取りが始まり、そのC画像データによるレーザ光書き込みによって、感光体ドラム200の表面にC静電潜像を形成する。
そして、先のBk静電潜像の後端部が通過した後で、且つC静電潜像の先端部が到達する前にリボルバ現像ユニット230の回転動作が行われ、C現像機231Cが現像位置にセットされ、C静電潜像がCトナーで現像される。以後、C静電潜像領域の現像を続けるが、C静電潜像の後端部が通過した時点で、先のBk現像機231Kの場合と同様にリボルバ現像ユニットの回転動作を行い、次のM現像機231Mを現像位置に移動させる。これもやはり次のY静電潜像の先端部が現像位置に到達する前に完了させる。なお、M及びYの画像形成工程については、それぞれのカラー画像データ読み取り、静電潜像形成、現像の動作が上述のBk、Cの工程と同様であるので説明は省略する。
このようにして感光体ドラム200上に順次形成されたBk、C、M、Yのトナー像は、中間転写ベルト501上の同一面に順次位置合わせされて1次転写される。これにより、中間転写ベルト501上に最大で4色が重ね合わされたトナー像が形成される。一方、上記画像形成動作が開始される時期に、転写紙Pが転写紙カセット又は手差しトレイなどの給紙部から給送され、レジストローラ610のニップで待機している。そして、2次転写対向ローラ510に張架された中間転写ベルト501と2次転写バイアスローラ605によりニップが形成された2次転写部に、上記中間転写ベルト501上のトナー像の先端がさしかかるときに、転写紙Pの先端がこのトナー像の先端に一致するように、レジストローラ610が駆動されて、転写紙ガイド板601に沿って転写紙Pが搬送され、転写紙Pとトナー像とのレジスト合わせが行われる。
このようにして、転写紙Pが2次転写部を通過すると、2次転写電源802によって2次転写バイアスローラ605に印加された電圧による転写バイアスにより、中間転写ベルト501上の4色重ねトナー像が転写紙P上に一括転写(2次転写)される。この転写紙Pは、転写紙ガイド板601に沿って搬送されて、2次転写部の下流側に配置した除電針からなる転写紙除電チャージャ606との対向部を通過することにより除電された後、ベルト構成部であるベルト搬送装置210により定着装置270に向けて送られる(図4参照)。そして、この転写紙Pは、定着装置270の定着ローラ271、272のニップ部でトナー像が溶融定着された後、図示しない排出ローラで装置本体外に送り出され、図示しないコピートレイに表向きにスタックされる。なお、定着装置270は必要によりベルト構成部を備えた構成とすることもできる。
一方、上記ベルト転写後の感光体ドラム200の表面は、感光体クリーニング装置201でクリーニングされ、上記除電ランプ202で均一に除電される。また、転写紙Pにトナー像を2次転写した後の中間転写ベルト501のベルト外周面に残留した残留トナーは、ベルトクリーニングブレード504によってクリーニングされる。該ベルトクリーニングブレード504は、図示しないクリーニング部材離接機構によって、該中間転写ベルト501のベルト外周面に対して所定のタイミングで接離されるように構成されている。
このベルトクリーニングブレード504の上記中間転写ベルト501の移動方向上流側には、該中間転写ベルト501のベルト外周面に対して接離するトナーシール部材502が設けられている。このトナーシール部材502は、上記残留トナーのクリーニング時に上記ベルトクリーニングブレード504から落下した落下トナーを受け止めて、該落下トナーが上記転写紙Pの搬送経路上に飛散するのを防止している。このトナーシール部材502は、上記クリーニング部材離接機構によって、上記ベルトクリーニングブレード504とともに、該中間転写ベルト501のベルト外周面に対して接離される。
このようにして残留トナーが除去された中間転写ベルト501のベルト外周面には、上記潤滑剤塗布ブラシ505により削り取られた潤滑剤506が塗布される。該潤滑剤506は、例えば、ステアリン酸亜鉛などの固形体からなり、該潤滑剤塗布ブラシ505に接触するように配設されている。また、この中間転写ベルト501のベルト外周面に残留した残留電荷は、該中間転写ベルト501のベルト外周面に接触した図示しないベルト除電ブラシにより印加される除電バイアスによって除去される。ここで、上記潤滑剤塗布ブラシ505及び上記ベルト除電ブラシは、それぞれの図示しない接離機構により、所定のタイミングで、上記中間転写ベルト501のベルト外周面に対して接離されるようになっている。
ここで、リピートコピーの時は、カラースキャナの動作及び感光体ドラム200への画像形成は、1枚目の4色目(Y)の画像形成工程に引き続き、所定のタイミングで2枚目の1色目(Bk)の画像形成工程に進む。また、中間転写ベルト501は、1枚目の4色重ねトナー像の転写紙への一括転写工程に引き続き、ベルト外周面の上記ベルトクリーニングブレード504でクリーニングされた領域に、2枚目のBkトナー像が1次転写されるようにする。その後は、1枚目と同様動作になる。以上は、4色フルカラーコピーを得るコピーモードであったが、3色コピーモード、2色コピーモードの場合は、指定された色と回数の分について、上記同様の動作を行うことになる。また、単色コピーモードの場合は、所定枚数が終了するまでの間、リボルバ現像ユニット230の所定色の現像機のみを現像動作状態にし、ベルトクリーニングブレード504を中間転写ベルト501に接触させたままの状態にしてコピー動作を行う。
上記実施形態では、感光体ドラム1を一つだけ備えた複写機について説明したが、本発明は、例えば、図5の要部模式図に一構成例を示すような、複数の感光体ドラムをシームレスベルトからなる一つの中間転写ベルトに沿って並設した画像形成装置にも適用できる。図5は、4つの異なる色(ブラック、イエロー、マゼンタ、シアン)のトナー像を形成するための4つの感光体ドラム21BK、21Y、21M、21Cを備えた4ドラム型のデジタルカラープリンタの一構成例を示す。
図5において、プリンタ本体10は電子写真方式によるカラー画像形成を行うための、画像書込部12、画像形成部13、給紙部14、から構成されている。画像信号を元に画像処理部で画像処理して画像形成用の黒(BK)、マゼンタ(M)、イエロー(Y)、シアン(C)の各色信号に変換し、画像書込部12に送信する。画像書込部12は、例えば、レーザ光源と、回転多面鏡等の偏向器と、走査結像光学系、及びミラー群、からなるレーザ走査光学系であり、上記の各色信号に対応した4つの書込光路を有し、画像形成部13の各色毎に設けられた像坦持体(感光体)21BK、21M、21Y、21Cに各色信号に応じた画像書込を行う。
画像形成部13は黒(BK)用、マゼンタ(M)用、イエロー(Y)用、シアン(C)用の各像坦持体である感光体21BK、21M、21Y、21Cを備えている。この各色用の各感光体としては、通常OPC感光体が用いられる。各感光体21BK、21M、21Y、21Cの周囲には、帯電装置、上記書込部12からのレーザ光の露光部、黒、マゼンタ、イエロー、シアンの各色用の現像装置20BK、20M、20Y、20C、1次転写手段としての1次転写バイアスローラ23BK、23M、23Y、23C、クリーニング装置(表示略)、及び図示しない感光体除電装置等が配設されている。なお、上記現像装置20BK、20M、20Y、20Cには、2成分磁気ブラシ現像方式を用いている。ベルト構成部である中間転写ベルト22は、各感光体21BK、21M、21Y、21Cと、各1次転写バイアスローラ23BK、23M、23Y、23Cとの間に介在し、各感光体上に形成された各色のトナー像が順次重ね合わせて転写される。
一方、転写紙Pは、給紙部14から給紙された後、レジストローラ16を介して、ベルト構成部である転写搬送ベルト50に担持される。そして、中間転写ベルト22と転写搬送ベルト50とが接触するところで、上記中間転写ベルト22上に転写されたトナー像が、2次転写手段としての2次転写バイアスローラ60により2次転写(一括転写)される。これにより、転写紙P上にカラー画像が形成される。このカラー画像が形成された転写紙Pは、転写搬送ベルト50により定着装置15に搬送され、この定着装置15により転写された画像が定着された後、プリンタ本体外に排出される。
なお、上記2次転写時に転写されずに上記中間転写ベルト22上に残った残留トナーは、ベルトクリーニング部材25によって中間転写ベルト22から除去される。このベルトクリーニング部材25の下流側には、潤滑剤塗布装置27が配設されている。この潤滑剤塗布装置27は、固形潤滑剤と、中間転写ベルト22に摺擦して固形潤滑剤を塗布する導電性ブラシとで構成されている。前記導電性ブラシは、中間転写ベルト22に常時接触して、中間転写ベルト22に固形潤滑剤を塗布している。固形潤滑剤は、中間転写ベルト22のクリーニング性を高め、フィルミィングの発生を防止し耐久性を向上させる作用がある。
次に、実施例及び比較例を挙げて本発明をより具体的に説明するが、本発明は下記実施例に制限されるものではない。
(実施例1)
<中間転写体の作製>
<<基材層>>
−基材層用塗工液Aの調製−
ポリイミド樹脂前駆体を主成分とするポリイミドワニス(宇部興産社、商品名「U−ワニスA」)に、予めビーズミルにてN−メチル−2−ピロリドン中に分散させたカーボンブラック(エボニックデグサ社、商品名「SpecialBlack4」)の分散液を、カーボンブラック含有率がポリアミック酸固形分の17重量%になるように調合し、よく攪拌混合して基材層用塗工液Aを調製した。
−基材層の形成−
外径340mm、長さ300mmの外面をブラスト処理にて粗面化した金属製円筒を型として用い、この円筒型を50rpm(回/分)で回転させながら、基材層用塗工液Aを円筒外面に均一に流延するようにディスペンサーにて塗布した。所定の全量を流し終えて塗膜がまんべんなく広がった時点で、回転数を100rpmに上げ、熱風循環乾燥機に導入して、110℃まで徐々に昇温して60分加熱した。更に昇温して200℃で20分加熱し、回転を停止、徐冷して成形膜が形成された円筒型を取り出し、これを高温処理の可能な加熱炉(焼成炉)に導入し、段階的に320℃まで昇温して60分加熱処理(焼成)し、厚み60μmの基材層を形成した。
<<弾性層>>
−弾性層用塗工液Aの調製−
充分に冷却した後、表1に示す各構成材料を混合し、2軸混練機を用いて十分に混練し、弾性層用塗工液Aを調製した。
−弾性層の形成−
先に作製した基材層の上に、上記弾性層用塗工液Aを同様に外面に均一にディスペンサーを用いて金型を回転させながら流延して塗布した。塗布量としては最終的な膜厚が400μmになるような液量の条件とした。その後、金型をそのまま回転しながら熱風循環乾燥機に投入して、昇温速度4℃/分で90℃まで昇温して30分加熱した。続いて、昇温速度4℃/分で150℃まで昇温して60分加熱処理を行い、弾性層を形成した。
<粒子層>
−粒子層の形成−
充分に冷却した後、図3の方法を用い、球形微粒子としてシリコーン粒子(モメンティブ・パフォーマンス・マテリアルズ社、商品名「トスパール120」(体積平均粒径2.0μm品))をまんべんなく表面にまぶし、ポリウレタンゴムブレードの押し付け部材を押し当てて弾性層に固定化し、粒子層を形成した。
その後、金型から取り外し、シームレスベルト状の中間転写体Aを得た。
<中間転写体のマルテンス硬度の測定>
中間転写体のマルテンス硬度(HM)は、フィッシャーインスツルメンツ社のFisherScopeHM2000LTを使い、測定パラメーターをそれぞれ「F=40mN/10sec(dF/dt=一定)、C=10sec、R=Fと同じ」に設定し、約1cm角にカットした中間転写体サンプルの裏側とスライドガラスを瞬間接着剤で接着させたものを上記条件で測定することにより算出した。なお、圧子はビッカースの正四角錐ダイアモンド圧子を使用した。
<中間転写体の弾性仕事回復率の測定>
中間転写体の弾性仕事回復率(nIT)は、中間転写体のマルテンス硬度(HM)と同様の方法で測定することにより算出した。
<中間転写体における球形微粒子の埋没率の測定>
中間転写体における球形微粒子の埋没率は、中間転写体の断面を走査型電子顕微鏡(SEM)にて観察することにより求めた。
得られた中間転写体Aにおけるマルテンス硬度は0.40N/mm、弾性仕事回復率は92%、球形微粒子の埋没率は50%であった。
(実施例2)
<中間転写体の作製>
実施例1において、粒子埋没率を35%にしたこと以外は、実施例1と同様にして、シームレスベルト状の中間転写体Bを得た。得られた中間転写体Bにおけるマルテンス硬度は0.40N/mm、弾性仕事回復率は92%であった。
(実施例3)
<中間転写体の作製>
実施例1において、粒子埋没率を95%にしたこと以外は、実施例1と同様にして、シームレスベルト状の中間転写体Cを得た。得られた中間転写体Cにおけるマルテンス硬度は0.40N/mm、弾性仕事回復率は92%であった。
(実施例4)
<中間転写体の作製>
実施例1の粒子層の形成において、シリコーン粒子をアクリル粒子(積水化成品工業、商品名「テクポリマーMBX-SS」(体積平均粒径1μm品))にしたこと以外は、実施例1と同様にして、シームレスベルト状の中間転写体Dを得た。得られた中間転写体Dにおけるマルテンス硬度は0.39N/mm、弾性仕事回復率は91%、球形微粒子の埋没率は50%であった。
(実施例5)
<中間転写体の作製>
実施例1の粒子層の形成において、シリコーン粒子(モメンティブ・パフォーマンス・マテリアルズ社、商品名「トスパール120」(体積平均粒径2.0μm品))をシリコーン粒子(モメンティブ・パフォーマンス・マテリアルズ社、商品名「トスパール145」(体積平均粒径4.7μm品))にしたこと以外は、実施例1と同様にして、シームレスベルト状の中間転写体Eを得た。得られた中間転写体Eにおけるマルテンス硬度は0.41N/mm、弾性仕事回復率は93%、球形微粒子の埋没率は50%であった。
(実施例6)
<中間転写体の作製>
実施例1の粒子層の形成において、シリコーン粒子(モメンティブ・パフォーマンス・マテリアルズ社、商品名「トスパール120」(体積平均粒径2.0μm品))をシリコーン粒子(モメンティブ・パフォーマンス・マテリアルズ社、商品名「トスパール2000B」(体積平均粒径6.7μm品))にしたこと以外は、実施例1と同様にして、シームレスベルト状の中間転写体Fを得た。得られた中間転写体Fにおけるマルテンス硬度は0.42N/mm、弾性仕事回復率は88%、球形微粒子の埋没率は50%であった。
(実施例7)
<中間転写体の作製>
実施例1において、弾性層を以下のように形成したこと以外は、実施例1と同様にして、シームレスベルト状の中間転写体Gを得た。
<<弾性層>>
−弾性層用塗工液Bの調製−
充分に冷却した後、表2に示す各構成材料を混合し、2軸混練機を用いて十分に混練し、弾性層用塗工液Bを調製した。
−弾性層の形成−
先に作製した基材層の上に、上記弾性層用塗工液Bを同様に外面に均一にディスペンサーを用いて金型を回転させながら流延して塗布した。塗布量としては最終的な膜厚が400μmになるような液量の条件とした。その後、金型をそのまま回転しながら熱風循環乾燥機に投入して、昇温速度4℃/分で120℃まで昇温して30分加熱した。続いて、昇温速度4℃/分で200℃まで昇温して60分加熱処理を行い、弾性層を形成した。
得られた中間転写体Gにおけるマルテンス硬度は0.92N/mm、弾性仕事回復率は78%、球形微粒子の埋没率は50%であった。
(実施例8)
<中間転写体の作製>
実施例1の弾性層の形成において、弾性層の膜厚を2,100μmにしたこと以外は、実施例1と同様にして、シームレスベルト状の中間転写体Hを得た。得られた中間転写体Hにおけるマルテンス硬度は0.43N/mm、弾性仕事回復率は95%、球形微粒子の埋没率は50%であった。
(実施例9)
<中間転写体の作製>
実施例1の弾性層の形成において、弾性層の膜厚を180μmにしたこと以外は、実施例1と同様にして、シームレスベルト状の中間転写体Iを得た。得られた中間転写体Iにおけるマルテンス硬度は0.52N/mm、弾性仕事回復率は79%、球形微粒子の埋没率は50%であった。
(実施例10)
<中間転写体の作製>
実施例1において、基材層を以下のように形成したこと以外は、実施例1と同様にして、シームレスベルト状の中間転写体Jを得た。
−基材層用塗工液Bの調製−
ポリアミドイミド樹脂前駆体を主成分とするポリアミドイミドワニス(東洋紡績社、商品名「バイロマックスHR−16NN」)に、予めビーズミルにてN−メチル−2−ピロリドン中に分散させたカーボンブラック(三菱化学社、商品名「MA77」)の分散液を、カーボンブラック含有率がポリアミック酸固形分の22重量%になるように調合し、よく攪拌混合して基材層用塗工液Bを調製した。
−基材層の形成−
次に、外径340mm、長さ300mmの外面をブラスト処理にて粗面化した金属製円筒を型として用い、この円筒型を50rpm(回/分)で回転させながら、基材層用塗工液Aを円筒外面に均一に流延するようにディスペンサーにて塗布した。所定の全量を流し終えて塗膜がまんべんなく広がった時点で、回転数を100rpmに上げ、熱風循環乾燥機に導入して、110℃まで徐々に昇温して60分加熱した。続いて回転を停止、徐冷して成形膜が形成された円筒型を取り出し、これを高温処理の可能な加熱炉(焼成炉)に導入し、段階的に250℃まで昇温して60分加熱処理(焼成)し、厚み60μmの基材層を形成した。
得られた中間転写体Jにおけるマルテンス硬度は0.40N/mm、弾性仕事回復率は92%、球形微粒子の埋没率は50%であった。
(実施例11)
<中間転写体の作製>
実施例1の粒子層の形成において、シリコーン粒子を球形PMMA粒子(積水化学社、商品名「テクポリマーXX-17FM」(体積平均粒径0.1μm品))にしたこと以外は、実施例1と同様にして、シームレスベルト状の中間転写体Kを得た。得られた中間転写体Kにおけるマルテンス硬度は0.38N/mm、弾性仕事回復率は93%、球形微粒子の埋没率は50%であった。
(比較例1)
<中間転写体の作製>
実施例1において、粒子埋没率を25%にしたこと以外は、実施例1と同様にして、シームレスベルト状の中間転写体Lを得た。得られた中間転写体Lにおけるマルテンス硬度は0.40N/mm、弾性仕事回復率は92%であった。
(比較例2)
<中間転写体の作製>
実施例1において、弾性層を以下のように形成したこと以外は、実施例1と同様にして、シームレスベルト状の中間転写体Mを得た。
<<弾性層>>
−弾性層用塗工液Cの調製−
充分に冷却した後、表3に示す各構成材料を混合し、2軸混練機を用いて十分に混練し、弾性層用塗工液Cを調製した。
−弾性層の形成−
先に作製した基材層の上に、上記弾性層用塗工液Cを同様に外面に均一にディスペンサーを用いて金型を回転させながら流延して塗布した。塗布量としては最終的な膜厚が400μmになるような液量の条件とした。その後、金型をそのまま回転しながら熱風循環乾燥機に投入して、昇温速度3℃/分で110℃まで昇温して30分加熱した。続いて、昇温速度3℃/分で150℃まで昇温して60分加熱処理を行い、弾性層を形成した。
得られた中間転写体Mにおけるマルテンス硬度は1.24N/mm、弾性仕事回復率は88%、球形微粒子の埋没率は50%であった。
(比較例3)
<中間転写体の作製>
実施例1において、弾性層を以下のように形成したこと以外は、実施例1と同様にして、シームレスベルト状の中間転写体Nを得た。
<<弾性層>>
−弾性層用塗工液Dの調製−
充分に冷却した後、表4に示す各構成材料を混合し、2軸混練機を用いて十分に混練し、弾性層用塗工液Dを調製した。
−弾性層の形成−
先に作製した基材層の上に、上記弾性層用塗工液Dを同様に外面に均一にディスペンサーを用いて金型を回転させながら流延して塗布した。塗布量としては最終的な膜厚が400μmになるような液量の条件とした。その後、金型をそのまま回転しながら熱風循環乾燥機に投入して、昇温速度3℃/分で110℃まで昇温して30分加熱した。続いて、昇温速度3℃/分で150℃まで昇温して60分加熱処理を行い、弾性層を形成した。
得られた中間転写体Nにおけるマルテンス硬度は0.34N/mm、弾性仕事回復率は69%、球形微粒子の埋没率は50%であった。
(比較例4)
<中間転写体の作製>
実施例1の粒子層において、シリコーン粒子をシリコーン接着剤(東レ・ダウコーニング社、商品名「SD4580PSA」)にした後、厚み0.2μmとなるように塗布、乾燥したこと以外は、実施例1と同様にして、シームレスベルト状の中間転写体Oを得た。得られた中間転写体Oにおけるマルテンス硬度は0.88N/mm、弾性仕事回復率は74%であった。
(比較例5)
<中間転写体の作製>
実施例1において、粒子層を形成しなかったこと以外は、実施例1と同様にして、シームレスベルト状の中間転写体Pを得た。得られた中間転写体Pにおけるマルテンス硬度は0.38N/mm、弾性仕事回復率は93%であった。
(実施例1〜11、比較例1〜5)
<評価>
実施例1〜11、比較例1〜5の中間転写体について、図4の画像形成装置に搭載し、以下のように評価した。
<<2次転写率の測定>>
転写紙として、表面に凹凸を施してある紙(レザック66 215Kg紙)を用い、これに青色のベタ画像を出力する操作を実施し、紙に転写する前の中間転写体上の画像トナー量と紙に転写した後に中間転写体上に残ったトナー量を計測し、転写率を算出した。
2次転写率(%)=((転写後の中間転写体上のトナー量(g))/(転写前の中間転写体上のトナー量(g)))×100
<<1万枚連続画像出力時点における転写率の測定>>
テストチャートを連続1万枚連続画像出力した後、停止し、上記2次転写率の測定と同様の方法により、転写率を測定した。
<<1万枚連続画像出力時点における画像評価>>
テストチャートを連続1万枚連続画像出力した後、全面シアン単色のハーフトーン画像を出力し、異常画像を観察した。
<<1万枚連続画像出力時点における粒子脱離観察>>
前記画像評価後、任意の箇所でベルト表面を走査型電子顕微鏡(SEM)で観察し、粒子脱離が起こっているかどうかを観察した。
実施例1〜11、比較例1〜5の中間転写体を表5に、上述の各種評価の結果を表6に示す。
以上より、本発明の構成とすることにより、転写媒体によらず高い転写率を実現でき、かつ、長期にわたり持続可能であり、高耐久、高画質の画像形成装置を実現するための中間転写体を得ることが実現できることがわかった。
本発明は、柔軟性があり、かつ、トナー離型性に優れ、転写媒体の種類、表面性状によらず、高い転写性能を実現することができ、長期に渡って、粒子の脱離がなく、有機感光体への損傷もない、安定した高品質画像を維持することができるため、例えば、複写機、プリンタ、ファクシミリ等の電子写真方式に好適な画像形成装置、及びこれに用いられる中間転写体に好適に用いることができる。
1 基材層
2 弾性層
3 粒子
4 弾性層
5 粒子
10 プリンタ本体
12 画像書込部
13 画像形成部
14 給紙部
15 定着装置
16 レジストローラ
20 BK、20M、20Y、20C 現像装置
21 BK、21M、21Y、21C 感光体
22 中間転写ベルト
23 BK、23M、23Y、23C 1次転写バイアスローラ
25 ベルトクリーニング部材
26 ベルト従動ローラ
27 潤滑剤塗布装置
31 金型ドラム
32 基材層、弾性層を積層したベルト
33 押し当て部材
34 粒子
35 粉体塗布装置
40 バイアスローラ
50 転写搬送ベルト
60 2次転写バイアスローラ
70 除電ローラ
80 アースローラ
200 感光体ドラム
201 感光体クリーニング装置
202 除電ランプ
203 帯電チャージャ
204 電位センサ
205 トナー画像濃度センサ
210 ベルト搬送装置
230 リボルバ現像ユニット
231Y Y現像機
231K Bk現像機
231C C現像機
231M M現像機
270 定着装置
271 定着ローラ
272 定着ローラ
500 中間転写ユニット
501 中間転写ベルト
502 トナーシール部材
503 帯電チャージャ
504 ベルトクリーニングブレード
505 潤滑剤塗布ブラシ
506 潤滑剤
507 1次転写バイアスローラ
508 ベルト駆動ローラ
509 ベルトテンションコントローラ
510 2次転写対向ローラ
511 クリーニング対向ローラ
512 フィードバッグ電流検知ローラ
513 トナー画像
514 光学センサ
600 2次転写ユニット
601 転写紙ガイド板
605 2次転写バイアスローラ
606 転写紙除電チャージャ
608 クリーニングブレード
610 レジストローラ
801 1次転写電源
802 2次転写電源
P 転写紙
L 露光手段
特開平9−230717号公報 特開2002−162767号公報 特開2004−354716号公報 特開2007−328165号公報 特開2009−75154号公報

Claims (8)

  1. 像担持体上に形成された潜像をトナーにより現像して得られたトナー像が転写される中間転写体であって、
    前記中間転写体は、基材層からなる第一の層と、弾性層からなる第二の層と、球形微粒子を面方向に配列させ、前記弾性層に埋没させて、厚み方向に前記球形微粒子の単一層が形成された、表面が凹凸形状を有する、第三の層と、をこの順に有してなり、25℃50%RHにおける荷重40mNでの押込み時において、マルテンス硬度が1.0N/mm以下、弾性仕事回復率が75%以上、前記球形微粒子の前記弾性層に対する埋没率が33%〜99%、であることを特徴とする中間転写体。
  2. 球形微粒子が、シリコーン粒子である請求項1に記載の中間転写体。
  3. 球形微粒子の体積平均粒径が、0.5μm〜5.0μmである請求項1から2のいずれかに記載の中間転写体。
  4. 弾性層が、エラストマー、及びゴムの中から選ばれる少なくとも1つである請求項1から3のいずれかに記載の中間転写体。
  5. 弾性層の厚みが、200μm〜2,000μmである請求項1から4のいずれかに記載の中間転写体。
  6. 基材層が、ポリイミド樹脂、及びポリアミドイミド樹脂の中から選ばれる少なくとも1つである請求項1から5のいずれかに記載の中間転写体。
  7. 潜像が形成され、トナー像を担持可能な像担持体と、該像担持体上に形成された潜像をトナーで現像する現像手段と、該現像手段により現像されたトナー像が一次転写される中間転写体と、前記中間転写体上に担持されたトナー像を記録媒体に二次転写する転写手段とを有してなり、
    前記中間転写体が請求項1から6のいずれかに記載の中間転写体であることを特徴とする画像形成装置。
  8. 画像形成装置が、フルカラー画像形成装置であって、各色の現像手段を有する複数の潜像担持体を直列に配置してなる請求項7に記載の画像形成装置。
JP2010224340A 2010-10-01 2010-10-01 中間転写体、及びそれを用いた画像形成装置 Active JP5609505B2 (ja)

Priority Applications (2)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2010224340A JP5609505B2 (ja) 2010-10-01 2010-10-01 中間転写体、及びそれを用いた画像形成装置
US13/239,528 US8521073B2 (en) 2010-10-01 2011-09-22 Intermediate transfer member and image forming apparatus using the same

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2010224340A JP5609505B2 (ja) 2010-10-01 2010-10-01 中間転写体、及びそれを用いた画像形成装置

Publications (2)

Publication Number Publication Date
JP2012078598A JP2012078598A (ja) 2012-04-19
JP5609505B2 true JP5609505B2 (ja) 2014-10-22

Family

ID=45889950

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2010224340A Active JP5609505B2 (ja) 2010-10-01 2010-10-01 中間転写体、及びそれを用いた画像形成装置

Country Status (2)

Country Link
US (1) US8521073B2 (ja)
JP (1) JP5609505B2 (ja)

Families Citing this family (20)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP5983004B2 (ja) 2011-07-01 2016-08-31 株式会社リコー 中間転写ベルト、及びそれを用いた画像形成装置
JP2014002203A (ja) * 2012-06-15 2014-01-09 Ricoh Co Ltd 画像形成装置
JP6115349B2 (ja) * 2012-09-18 2017-04-19 株式会社リコー 中間転写ベルト及びその製造方法、並びに画像形成装置
JP6070179B2 (ja) * 2012-12-27 2017-02-01 株式会社リコー 中間転写ベルトおよびそれを用いた画像形成装置
JP6264651B2 (ja) 2014-02-25 2018-01-24 株式会社リコー 中間転写体、及びそれを用いた画像形成装置
JP6467195B2 (ja) * 2014-11-10 2019-02-06 三桜工業株式会社 車輌配管用被覆金属管
US9482986B2 (en) 2015-02-27 2016-11-01 Canon Kabushiki Kaisha Member for electrophotography, process cartridge, and electrophotographic image forming apparatus
JP6488866B2 (ja) 2015-05-08 2019-03-27 株式会社リコー キャリア及び現像剤
JP6241454B2 (ja) * 2015-07-06 2017-12-06 コニカミノルタ株式会社 中間転写ベルトおよび画像形成装置
JP6736872B2 (ja) * 2015-12-08 2020-08-05 株式会社リコー 中間転写体及び画像形成装置
US10185255B2 (en) * 2016-02-15 2019-01-22 Ricoh Company, Ltd. Image forming apparatus and image forming method for controlling a secondary transfer bias according to recording sheet type
JP6691322B2 (ja) 2016-03-17 2020-04-28 株式会社リコー 静電潜像現像剤用キャリア、二成分現像剤、補給用現像剤、画像形成装置、およびトナー収容ユニット
US9983518B2 (en) 2016-03-17 2018-05-29 Ricoh Company, Ltd. Intermediate transfer belt, image forming apparatus and image forming method
JP6862962B2 (ja) 2017-03-17 2021-04-21 株式会社リコー 中間転写体、及び画像形成装置
EP3518048B1 (en) 2018-01-24 2022-03-16 Ricoh Company, Ltd. Intermediate transfer medium and image forming apparatus
US11235608B2 (en) * 2019-07-17 2022-02-01 Fujifilm Business Innovation Corp. Method for forming printed material and system for forming printed material
US11235593B2 (en) * 2019-07-17 2022-02-01 Fujifilm Business Innovation Corp. Method for forming printed material and system for forming printed material
JP7447451B2 (ja) * 2019-12-06 2024-03-12 富士フイルムビジネスイノベーション株式会社 無端ベルト、無端ベルトの製造方法、転写装置、及び画像形成装置
JP7484264B2 (ja) * 2020-03-18 2024-05-16 富士フイルムビジネスイノベーション株式会社 印刷物の製造方法及び印刷物の製造システム
JP2022075315A (ja) * 2020-11-06 2022-05-18 富士フイルムビジネスイノベーション株式会社 転写装置、画像形成装置、及び無端ベルト

Family Cites Families (14)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
US5666193A (en) * 1996-02-09 1997-09-09 Eastman Kodak Company Intermediate transfer of small toner particles
JP3327111B2 (ja) * 1996-04-10 2002-09-24 株式会社日立製作所 画像形成装置
JPH1039647A (ja) * 1996-07-19 1998-02-13 Canon Inc 画像形成装置
JP2002162767A (ja) 2000-11-24 2002-06-07 Fuji Xerox Co Ltd 像担持体及びこれを用いた画像記録装置、並びに画像記録方法
JP4430892B2 (ja) * 2003-05-29 2010-03-10 株式会社リコー カラー画像形成装置
JP2007328165A (ja) * 2006-06-08 2007-12-20 Bridgestone Corp 導電性エンドレスベルト
JP2008122446A (ja) * 2006-11-08 2008-05-29 Fuji Xerox Co Ltd 画像形成装置
US7865091B2 (en) * 2007-01-10 2011-01-04 Kabushiki Kaisha Toshiba Image forming apparatus having a transfer surface with elasticity and image forming method
JP2009075154A (ja) * 2007-09-18 2009-04-09 Bridgestone Corp 導電性エンドレスベルト
JP4812728B2 (ja) * 2007-10-16 2011-11-09 シャープ株式会社 画像形成装置
JP5486217B2 (ja) * 2008-06-02 2014-05-07 セイコーエプソン株式会社 多層ベルト
JP2010214903A (ja) * 2009-03-18 2010-09-30 Nitta Ind Corp 弾性シート材、中間転写ベルト、弾性シート材の製造方法および中間転写ベルトの製造方法
JP5434790B2 (ja) * 2010-05-21 2014-03-05 株式会社リコー 弾性転写ベルト、及びこれを用いた画像形成装置
JP5610210B2 (ja) * 2010-09-09 2014-10-22 株式会社リコー 中間転写体と製造方法、及びそれを用いた画像形成装置

Also Published As

Publication number Publication date
US20120082488A1 (en) 2012-04-05
JP2012078598A (ja) 2012-04-19
US8521073B2 (en) 2013-08-27

Similar Documents

Publication Publication Date Title
JP5609505B2 (ja) 中間転写体、及びそれを用いた画像形成装置
JP5610367B2 (ja) 中間転写ベルト及びそれを用いた電子写真装置
JP5983004B2 (ja) 中間転写ベルト、及びそれを用いた画像形成装置
JP6115349B2 (ja) 中間転写ベルト及びその製造方法、並びに画像形成装置
JP5867184B2 (ja) 中間転写ベルト、及びそれを用いた画像形成装置
JP6064680B2 (ja) 中間転写ベルトおよびその製造方法、ならびに画像形成装置
JP5609506B2 (ja) 中間転写体、及び該中間転写体を用いた画像形成装置
JP5476853B2 (ja) シームレスベルトおよびそれを用いた電子写真装置
JP5585284B2 (ja) 中間転写体、その製造方法、及び該中間転写体を具備する画像形成装置
JP5610210B2 (ja) 中間転写体と製造方法、及びそれを用いた画像形成装置
JP2012194229A (ja) 中間転写ベルト、その製造方法、及び該中間転写ベルトを用いた画像形成装置
JP2007121619A (ja) シームレスベルト及びそれを用いた画像形成装置
JP2006251415A (ja) 電子写真用シームレスベルトとその製造方法、中間転写ベルト、画像形成装置、及び画像形成方法
JP2010066430A (ja) 中間転写体及び画像形成装置
JP2012177761A (ja) 中間転写ベルト、その製造方法、及び該中間転写ベルトを用いた画像形成装置
JP2012189916A (ja) 中間転写ベルト及び該中間転写ベルトを用いた画像形成装置
JP5413725B2 (ja) 中間転写体の製造方法、及びそれを用いた画像形成装置
JP5540777B2 (ja) 画像形成装置
JP5604922B2 (ja) 中間転写ベルトの製造方法、該製造方法により得られた中間転写ベルト、及びそれを用いた画像形成装置
JP2006215338A (ja) シームレスベルト及びそれを用いた画像形成装置
JP2010264617A (ja) シームレスベルトの製造方法及びシームレスベルト、それを用いた電子写真装置
JP2010237632A (ja) 電子写真用ベルトとその製造方法及び電子写真装置

Legal Events

Date Code Title Description
A621 Written request for application examination

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A621

Effective date: 20130813

A977 Report on retrieval

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A971007

Effective date: 20140127

A131 Notification of reasons for refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

Effective date: 20140204

A521 Request for written amendment filed

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20140320

A521 Request for written amendment filed

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A821

Effective date: 20140324

TRDD Decision of grant or rejection written
A01 Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01

Effective date: 20140805

A61 First payment of annual fees (during grant procedure)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A61

Effective date: 20140818

R151 Written notification of patent or utility model registration

Ref document number: 5609505

Country of ref document: JP

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R151