JP2004361870A - 電子写真装置用の半導電性ベルト - Google Patents
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Abstract
【課題】電子写真装置に中間転写ベルト等として使用される半導電性ベルトに関し、転写後、表面に残留したトナーをブレードにより、反転や鳴きがなくクリーニングでき、湿式トナーや油性成分含有トナーに接触しても表面性能の変質が少ない半導電性ベルトを提供する。
【解決手段】電子写真装置用の半導電性ベルトであって、前記表面層が、引張弾性率150〜180MPa、破断伸びが250〜500%であり、動的濡れ試験における炭素数9〜14の不飽和炭化水素系溶剤に対する後退接触角が10°以上であり、前記表面層を形成するコーティング剤が、(1)フッ素変性アクリレートと他のアクリレートとの共重合体、(2)フッ素化オレフィン,(3)メタクリル酸メチルと他の(メタ)アクリロイル基を有する単量体との共重合体との3成分を含有している。
【選択図】 図1
【解決手段】電子写真装置用の半導電性ベルトであって、前記表面層が、引張弾性率150〜180MPa、破断伸びが250〜500%であり、動的濡れ試験における炭素数9〜14の不飽和炭化水素系溶剤に対する後退接触角が10°以上であり、前記表面層を形成するコーティング剤が、(1)フッ素変性アクリレートと他のアクリレートとの共重合体、(2)フッ素化オレフィン,(3)メタクリル酸メチルと他の(メタ)アクリロイル基を有する単量体との共重合体との3成分を含有している。
【選択図】 図1
Description
【0001】
【発明の属する技術分野】
この発明は、電子写真装置に用いられる半導電性ベルトに関する。特に、感光体上に形成されたトナー画像を紙等の記録媒体に転写する中間転写ベルトに適した半導電性ベルトに関する。
【0002】
【従来技術】
前記中間転写ベルトは、感光体等の像担持体上に現像されたトナー像を、一旦、ベルト表面に転写した後、紙等の記録媒体に再転写する半導電性ベルトを云い、感光体と記録媒体との間を仲介する役割を担う。また、この中間転写ベルトは、トナー像を記録媒体に転写した後、ベルト表面に残留するトナーをクリーニングブレード(ブレードという)やブラシ等の手段によって除去し、清浄なベルト表面を形成して新しいトナー像の転写を可能とする必要があり(クリーニングという)、このクリーニングが容易であり、長期間安定していることが要求される。
【0003】
中間転写ベルトは、導電剤を混入したポリカーボネート等の樹脂単体を薄肉円筒状に成形したものと、導電剤を混練りした樹脂またはゴム状弾性体を薄肉円筒状に成形したベルト基材の外周面に、導電剤を混入したウレタン,アクリル樹脂等をコーティングして表面層を形成した積層構造をなしたものとが用いられている。
【0004】
この積層構造をなした中間転写ベルトの表面層は、残留トナーを取れやすくするとともに、ブレード等との摺擦抵抗を減少させる、所謂、クリーニング性を向上させることを目的として、フッ素変性アクリレートやシリコン変性アクリレート等、表面自由エネルギーを下げ、撥水・撥油性機能を付与する共重合体を用いる事例がある(例えば、特許文献1参照)。これらの共重合体を用いることにより、ベルト表面とトナーとの離型性が向上し、また、このブレードとベルト表面との間に発生する摩擦力も下がるので「ブレードの反転」や「鳴き」といった不具合が発生しにくくなる。
「ブレードの反転」とは、通常、ベルト走行方向の逆向きに傾斜されているブレードの先端部(エッジ)が、ベルト走行方向に順な方向に変形されることにより、残留トナーが十分に掻き取れなくなることを云い、「鳴き」とはブレードがベルト表面との摩擦により振動音を発することを云う。
【0005】
しかし、近年、このベルト表面層のトナー離型性やブレードとの摩擦力減少といった機能を維持できない場合が生じている。即ち、高画質(高解像度)化の要求に対応して、トナーを溶媒中に分散させ小粒径化した湿式トナーや、種々の油性外添剤(例えば、シリコーンオイル)を加えたトナーが使用されるようになり、このようなトナーに長時間接触していると、ベルト表面層の含有成分の配列がくずれ(モルフォロジー変化という)、表面自由エネルギーのムラが生じることがある。特に、ベルト表面層にシリコン変性アクリル系の共重合体を含有させている場合、トナーの前記外添剤とこのベルト表面層とのSP値が比較的近くなる為、変質しやすく、トナーの離型性が低下し、クリーニング性が低下してくる問題が出てきた。
【0006】
従来、トナーのベルト表面層からの離型性やブレードとの摺擦を評価する指標として、通常、水に対する接触角を測定する方法がとられてきた。例えば、ベルト表面の水に対する接触角を70゜以上、好ましくは80゜〜120゜にすることで優れたトナー離型性を発現するベルト表面が得られることが記載されている(例えば、特許文献2参照)。
【0007】
しかし、通常、トナーにはワックス成分を含むこと、及び、上述の湿式トナーの場合は炭化水素系の溶媒が用いられることで、ベルト表面層はワックスや溶媒に曝されるので、水に対する接触角(親水性評価)は、ベルト表面層のトナー離型性やクリーニング性の評価として適切であるといえなくなってきた。
【0008】
ベルト走行時のブレード反転、鳴きはブレードとベルト表面層との摩擦力に強く影響され、ベルト表面層の引張弾性率が高い方が摩擦力は低くなる。これは引張弾性率が高い方が、応力に対して変形が小さい為、ブレードのエッジをベルト表面に圧接したとき、ベルト表面層の窪みが小さい実接触面積が小さくなるためである。
【0009】
一方、弾性率を高くすると破断伸びが小さくなる傾向があり、弾性率が比較的低い、即ち、低い応力で変形しやすいゴム的な性質を有する表面層は、力が加えられた時変形することによって、その力を吸収することができるが、弾性率の高い樹脂などは、付加される力を変形により吸収することができず、一定量以上の変形によりクラックを生じる原因となる。
【0010】
具体的に、ブレードをベルト表面に当接してクリーニングする場合、ブレードとベルト表面層との接触部では摩擦力により進行方向と逆向きの変形が発生するが、ベルト表面層の弾性率が高過ぎる場合はこの変形に耐えられずクラックが生じやすく、弾性率が低すぎる場合には摩擦力が大きすぎてブレードの先端が反転することがある。
【0011】
【特許文献1】
特開平7−228820号公報
【特許文献2】
特開平9−230714号公報
【0012】
【発明が解決しようとする課題】
本発明は以上の問題点に鑑みなされたもので、ブレードとベルト表面層との摺擦による、ブレードの反転や鳴き、ベルト表面層のクラックを生じなくするとともに、近年の湿式トナーや油性外添剤を有するトナーに対応する離型性に優れたベルト表面層を有し、長期にわたり安定して使用できる半導電性ベルトを提供する。
【0013】
【課題を解決するための手段】
上記課題を解決するために請求項1に記載の半導電性ベルトは、薄肉円筒状の弾性体であるベルト基材の外周面に表面層を形成した電子写真装置用の半導電性ベルトであって、前記表面層が、引張弾性率150〜180MPa、破断伸びが250〜500%であり、動的濡れ試験における炭素数9〜14の不飽和炭化水素系溶剤に対する後退接触角が10°以上であることを特徴とする。
【0014】
動的濡れ性試験での炭素数9〜14の炭化水素系溶剤に対する後退接触角が10゜以上の弾性材料である表面層を備えることにより、高機能トナーや炭化水素系溶剤を含む小粒径化した湿式トナーを長期間使用する場合であっても、ベルト表面の自由エネルギーが大きく変化することがなく、撥水・撥油性を維持することができる。即ち、残留トナーを容易に掻き落とすことができる。後退接触角が10°より小さくなるにつれベルト表面層のトナーに対する濡れ性がよくなり、トナー離型性やクリーニング性を維持することができなくなる。
【0015】
ベルト表面層の引張弾性率と破断伸びとを前記の範囲とすることにより、長期間使用してもブレードの反転、鳴きなどが見られず、かつ、ベルト表面層にクラックの発生も見られない。引張弾性率が130MPa未満であり、または、破断伸びが500%を超えると、ブレードを当接して残留トナーを掻き落とすときの摩擦係数が大きくなり、鳴き(振動)やブレード反転といった問題が生じやすくなる。弾性率が200MPaを超え、または、破断伸びが250%未満であれば、ブレードとの摩擦によるベルト表面層の変形に対して伸びが追従できずクラックが発生しやすくなる。
【0016】
請求項2に記載の半導電性ベルトは、前記表面層が、(1)フッ素変性アクリレートと他のアクリレートとの共重合体、(2)フッ素化オレフィン,(3)メタクリル酸メチルと他の(メタ)アクリロイル基を含有する単量体との共重合体との3成分を含有していることを特徴とする。
【0017】
この構成により、前記ベルト基材との接着性と形成される表面層の特性を決める。即ち、(1)フッ素変性アクリレートと他のアクリレートとの共重合体は、表面層の最表面に配されて表面自由エネルギーを下げ、トナーやトナー外添剤の付着防止機能を担い、(2)メタクリル酸メチルと他の(メタ)アクリロイル基を含有する単量体との共重合体は、基材面側に配され表面層と弾性ウレタンを主体とするベルト基材との接着力を向上し、(3)フッ素化オレフィンは、表面自由エネルギー低下とトナー及びトナー外添剤の拭き取り性を容易にする機能を有する。なお、これらの成分は別個になっているのではなく溶剤が添加されディッピング塗工可能に調製される。
【0018】
また、上記表面層を形成するコーティング剤には、導電性を付加するため、カーボンブラック等の導電性粒子を混合しても良く、更に、ベルト基材と表面層との接着性を向上させるため、コーティング剤及びベルト基材が保有する官能基と反応するイソシアネート等の架橋剤を加えてもよい。
【0019】
【発明の実施の形態】
以下、本発明に係る半導電性ベルトの実施例及び比較例によって本発明を更に具体的に説明する。
【0020】
(実施例1)
イソシアネート成分としてジフェニールメタン−4,4’−ジイソシアネート(MDIという)100重量部、ポリオール成分としてポリテトラメチレングリコール(PTMGという)208重量部、架橋剤成分として1,4−ブタンジオール(1,4−Bという)とトリメチロールプロパン(TMPという)との混合物(混合重量比72/28)21重量部を混合した液状体を、遠心成型機に注型して熱硬化させて、外径500mm、厚さ0.5mm、幅300mmの薄肉円筒状のベルト基材を得た。
【0021】
このベルト基材の外周面に、フッ素系コーティング剤をディッピング法により、乾燥後の厚さが5μmになるように塗工して熱風オーブンを用いて130℃×30分の条件で乾燥硬化させ表面層を形成して、本発明の導電性ベルトを作製した。得られた導電性ベルトは、図1に示すように、弾性体からなる薄肉円筒体のベルト基材2の外周に表面層3を塗布して形成した広幅平ベルトの形態をなしている。
【0022】
なお、前記フッ素系コーティング剤は、(1)フッ素変性アクリレートと他のアクリレートとの共重合体,(2)フッ素化オレフィン,(3)メタクリル酸メチルと他の(メタ)アクリロイル基を含有する単量体との共重合体の3成分を含有する主剤(大日本インキ化学工業社製、ディフェンサーDR−211、(3)の共重合体のガラス転移点が−7.5℃)の固形分100重量部に対し、架橋剤としてヘキサメチレンジイソシアネート系ブロックイソシアネート(旭化成工業株式会社製「デュラネートTPA−B80X」)を10重量部、触媒としてジブチル錫ジラウレート(DBTDLという)を0.5重量部、希釈溶媒としてメチルエチルケトン(MEK)/メチルイソブチルケトン(MIBK)=80/20の混合溶媒を、固形分濃度15wt%になるよう加えて調製したものである。
【0023】
このコーティング剤に、MEKで洗浄した厚み0.3mmのガラス板を浸漬コーティングし、熱風オーブン中で130℃×30分乾燥し、動的濡れ試験片を作製した。
【0024】
更に、このコーティング剤をポリテトラフルオロエチレン〔テフロン(登録商標)〕シート上に流して塗布し、風乾で溶媒を揮発させた後、熱風オーブン中で、130℃×30分乾燥し、厚み0.5mmの引張試験用シートを作製した。
<動的濡れ試験>
ベルト表面層の濡れ特性としての前進接触角、後退接触角は、ウィルヘルミイ(Wilhelmy)平板法により表面張力を測定して計算により求められる。この測定方法について、図2(a)に概念図を示す動的濡れ性試験装置(レイカ社製「WET−6000」)を参考にして説明する。
【0025】
動的濡れ試験片7を、荷重検出器6に連結したクリップ12に取り付け、貯留槽9に湿式トナーの溶媒としてよく用いられ、表面張力が既知である炭化水素系溶剤(炭素数12のノルマルドデカン)8を満たし、貯留槽9を上方に0.5mm/秒の速度で上昇させて、動的濡れ試験片7を炭化水素系溶剤8に浸漬させ浸漬深さ5mmにて30秒間保持した後、0.5mm/秒の速度で下降させて浸漬を解除する。なお、図2(b)に示す貯留槽9を矢印10の方向に上昇させるときの接触角θAを前進接触角といい、図2(c)に示す貯留槽9を矢印11の方向に下降させるときの接触角θRを後退接触角という。
【0026】
この過程を図3により詳しく説明する。動的濡れ試験片7〔図2(a)参照〕の浸漬深さを横軸xとし、荷重検出器6で検出される荷重を縦軸yとして、上記の浸漬開始点sから浸漬終了点eまでの荷重変化の1サイクルをプロットし、このループ(矢印p1,p2,p3)の直線部分(前進直線部分A、後退直線部分R)を外延して接触点Tでの浮力項(試料の浸漬深さによる浮力)を除いた荷重(FA、FR)を読みとり、次式より前進接触角(θA)および後退接触角(θR)を求めた。なお、接触点Tは、ロードセルに掛かる初期荷重がフルスケールの1%変化した点を云う。
【0027】
cosθA=FA/PγL
cosθB=FB/PγL
ここでPは試験片7と溶液8表面との接線長さであり、試験片の厚さ(t)と幅(w)より決定される〔P=2×(t+w)〕。γLは浸漬する溶剤8の表面張力(既知)を表す。結果を表1に示す。
【0028】
<引張試験>
引張弾性率、破断伸びの測定は、前記引張試験用シートをJIS−6号ダンベルにて打ち抜き、試験片を作製し、インストロン社製5568引張り試験機にて、引張り速度200mm/minの条件にて、引張弾性率と破断時伸びを測定した。測定結果を表1に示す。
【0029】
<ブレードクリーニング性試験>
前記得られた導電性ベルトを、試験用の一対のプーリに懸回し、このベルト表面層にJIS−A硬度=80゜のポリウレタン製ブレードを当接させ、このブレードの上流側に現像剤を供給しながら、前記導電性ベルトを回転させ、ブレードにより残留トナーのクリーニングができなくなるまで、即ち、ブレードの反転やベルト表面のクラック等が生じるまでの走行距離を測定し、A4普通紙何枚分に相当するか換算し、走行枚数として表1に示した。
【0030】
(比較例1)
実施例1の用いたフッ素系コーティング剤の1成分である(3)メタクリル酸メチルと他の(メタ)アクリロイル基を含有する単量体との共重合体として、ガラス転移点が−10℃であるアクリル樹脂を用いたコーティング剤に変更した他は実施例1と同様にして、導電性ベルト、動的濡れ試験片と引張試験片を作製し、実施例1と同様に表面層の特性(後退接触角、弾性率など)の測定およびクリーニング性試験を行い、得られた結果を表1に示す。
【0031】
(比較例2)
コーティング剤の組成を下記に変更した以外は、実施例1と同様に導電性ベルト、濡れ試験片および引張試験片を作製し、表面層の特性(後退接触角、引張弾性率)およびブレードクリーニング性試験を行って、結果を表1に示す。
【0032】
コーティング剤として、エステル系ウレタン(ミラクトラン社製「レザミンE−185」)をTHF,MEK(混合重量比THF/MEK=70/30)の混合溶媒で希釈した主剤に、表面自由エネルギーを低下させる為にアクリルシリコン(東亞合成社製「US−270」)を前記主剤の固形分100重量部に対し36重量部を添加し、更に、架橋剤としてHDI系ブロックイソシアネート(旭化成工業社製「デュラネートTPA−B80X」を前記主剤の固形分100重量部に対し10重量部、触媒としてDBTDLを前記主剤の固形分100重量部に対し0.5重量部を添加し、固形分濃度15wt%になるように調製した。
【0033】
(比較例3)
コーティング剤の組成を下記に変更した以外は、実施例1と同様に導電性ベルト、動的濡れ試験片、引張試験片を作製し、表面層の特性(後退接触角、引張弾性率など)およびブレードクリーニング性試験を行い、得られた結果を表1に示す。
【0034】
コーティング剤として、エステル系ウレタン(大日精化社製「レザミンME−823LP」)をMEK,DMF(混合重量比MEK/DMF=35/65)の混合溶媒で希釈した主剤に、表面自由エネルギーを低下させる為にフッ素系共重合樹脂(大日精化社製「ダイアロマーFF−101D」)を前記主剤の固形分100重量部に対し1.5重量部を添加し、前記主剤の固形分濃度が15wt%になるように調製した。
【0035】
【表1】
表1より明らかなように、実施例1の半導電性ベルトは、その表面層の引張弾性率は150〜180MPa、破断伸びは250〜500%であり、動的濡れ性試験での後退接触角は10°以上と油性成分に対する撥油機能を有する。湿式トナーや油性成分入りトナーと長期間接触しても、ベルト表面は高い撥油機能を維持でき、ブレードクリーニングにも耐える。
【0036】
比較例1は、ベルトの表面層の後退接触角が実施例1と同じであるが、弾性率が高く破断伸びが低い為、クラックが早期に発生しやすい。
【0037】
比較例2は、表面層の後退接触角が4°と低く、撥油機能に劣ることで油性成分含有トナーの離型性が低下しやすい。
【0038】
比較例3は、後退接触角が一番優れているが、弾性率が低いために摩擦係数が高くなり、当接するブレードが大きく振動してクリーニング不良が生じやすい。
【0039】
【発明の効果】
請求項1に記載の半導電性ベルトは、表面層が炭化水素系溶剤等の油性成分に対する後退接触角が10°以上であり、引張弾性率150〜180MPa,破断伸びは250〜500%で柔軟でタフであるので、油性成分を含有するトナーに対して離型性を長期間維持でき、クラックの発生や、ブレードの反転、鳴きなどの問題が発生しにくい。
【0040】
請求項2に記載の半導電性ベルトは、ベルト表面層を構成するフッ素系3成分それぞれが基材側から表面側に偏在し、ベルト基材との接着機能および表面機能(トナー離型性、撥油機能)を果たす。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明に係る半導電性ベルトの斜視図である。
【図2】動的濡れ性試験の概要を説明する概念図である。
【図3】動的濡れ試験における浸漬深さと荷重との関係図である。
【符号の説明】
1.半導電性ベルト
2.ベルト基材
3.表面層
6.荷重検出器
7.濡れ試験片
8.炭化水素系溶剤
9.貯留槽
【発明の属する技術分野】
この発明は、電子写真装置に用いられる半導電性ベルトに関する。特に、感光体上に形成されたトナー画像を紙等の記録媒体に転写する中間転写ベルトに適した半導電性ベルトに関する。
【0002】
【従来技術】
前記中間転写ベルトは、感光体等の像担持体上に現像されたトナー像を、一旦、ベルト表面に転写した後、紙等の記録媒体に再転写する半導電性ベルトを云い、感光体と記録媒体との間を仲介する役割を担う。また、この中間転写ベルトは、トナー像を記録媒体に転写した後、ベルト表面に残留するトナーをクリーニングブレード(ブレードという)やブラシ等の手段によって除去し、清浄なベルト表面を形成して新しいトナー像の転写を可能とする必要があり(クリーニングという)、このクリーニングが容易であり、長期間安定していることが要求される。
【0003】
中間転写ベルトは、導電剤を混入したポリカーボネート等の樹脂単体を薄肉円筒状に成形したものと、導電剤を混練りした樹脂またはゴム状弾性体を薄肉円筒状に成形したベルト基材の外周面に、導電剤を混入したウレタン,アクリル樹脂等をコーティングして表面層を形成した積層構造をなしたものとが用いられている。
【0004】
この積層構造をなした中間転写ベルトの表面層は、残留トナーを取れやすくするとともに、ブレード等との摺擦抵抗を減少させる、所謂、クリーニング性を向上させることを目的として、フッ素変性アクリレートやシリコン変性アクリレート等、表面自由エネルギーを下げ、撥水・撥油性機能を付与する共重合体を用いる事例がある(例えば、特許文献1参照)。これらの共重合体を用いることにより、ベルト表面とトナーとの離型性が向上し、また、このブレードとベルト表面との間に発生する摩擦力も下がるので「ブレードの反転」や「鳴き」といった不具合が発生しにくくなる。
「ブレードの反転」とは、通常、ベルト走行方向の逆向きに傾斜されているブレードの先端部(エッジ)が、ベルト走行方向に順な方向に変形されることにより、残留トナーが十分に掻き取れなくなることを云い、「鳴き」とはブレードがベルト表面との摩擦により振動音を発することを云う。
【0005】
しかし、近年、このベルト表面層のトナー離型性やブレードとの摩擦力減少といった機能を維持できない場合が生じている。即ち、高画質(高解像度)化の要求に対応して、トナーを溶媒中に分散させ小粒径化した湿式トナーや、種々の油性外添剤(例えば、シリコーンオイル)を加えたトナーが使用されるようになり、このようなトナーに長時間接触していると、ベルト表面層の含有成分の配列がくずれ(モルフォロジー変化という)、表面自由エネルギーのムラが生じることがある。特に、ベルト表面層にシリコン変性アクリル系の共重合体を含有させている場合、トナーの前記外添剤とこのベルト表面層とのSP値が比較的近くなる為、変質しやすく、トナーの離型性が低下し、クリーニング性が低下してくる問題が出てきた。
【0006】
従来、トナーのベルト表面層からの離型性やブレードとの摺擦を評価する指標として、通常、水に対する接触角を測定する方法がとられてきた。例えば、ベルト表面の水に対する接触角を70゜以上、好ましくは80゜〜120゜にすることで優れたトナー離型性を発現するベルト表面が得られることが記載されている(例えば、特許文献2参照)。
【0007】
しかし、通常、トナーにはワックス成分を含むこと、及び、上述の湿式トナーの場合は炭化水素系の溶媒が用いられることで、ベルト表面層はワックスや溶媒に曝されるので、水に対する接触角(親水性評価)は、ベルト表面層のトナー離型性やクリーニング性の評価として適切であるといえなくなってきた。
【0008】
ベルト走行時のブレード反転、鳴きはブレードとベルト表面層との摩擦力に強く影響され、ベルト表面層の引張弾性率が高い方が摩擦力は低くなる。これは引張弾性率が高い方が、応力に対して変形が小さい為、ブレードのエッジをベルト表面に圧接したとき、ベルト表面層の窪みが小さい実接触面積が小さくなるためである。
【0009】
一方、弾性率を高くすると破断伸びが小さくなる傾向があり、弾性率が比較的低い、即ち、低い応力で変形しやすいゴム的な性質を有する表面層は、力が加えられた時変形することによって、その力を吸収することができるが、弾性率の高い樹脂などは、付加される力を変形により吸収することができず、一定量以上の変形によりクラックを生じる原因となる。
【0010】
具体的に、ブレードをベルト表面に当接してクリーニングする場合、ブレードとベルト表面層との接触部では摩擦力により進行方向と逆向きの変形が発生するが、ベルト表面層の弾性率が高過ぎる場合はこの変形に耐えられずクラックが生じやすく、弾性率が低すぎる場合には摩擦力が大きすぎてブレードの先端が反転することがある。
【0011】
【特許文献1】
特開平7−228820号公報
【特許文献2】
特開平9−230714号公報
【0012】
【発明が解決しようとする課題】
本発明は以上の問題点に鑑みなされたもので、ブレードとベルト表面層との摺擦による、ブレードの反転や鳴き、ベルト表面層のクラックを生じなくするとともに、近年の湿式トナーや油性外添剤を有するトナーに対応する離型性に優れたベルト表面層を有し、長期にわたり安定して使用できる半導電性ベルトを提供する。
【0013】
【課題を解決するための手段】
上記課題を解決するために請求項1に記載の半導電性ベルトは、薄肉円筒状の弾性体であるベルト基材の外周面に表面層を形成した電子写真装置用の半導電性ベルトであって、前記表面層が、引張弾性率150〜180MPa、破断伸びが250〜500%であり、動的濡れ試験における炭素数9〜14の不飽和炭化水素系溶剤に対する後退接触角が10°以上であることを特徴とする。
【0014】
動的濡れ性試験での炭素数9〜14の炭化水素系溶剤に対する後退接触角が10゜以上の弾性材料である表面層を備えることにより、高機能トナーや炭化水素系溶剤を含む小粒径化した湿式トナーを長期間使用する場合であっても、ベルト表面の自由エネルギーが大きく変化することがなく、撥水・撥油性を維持することができる。即ち、残留トナーを容易に掻き落とすことができる。後退接触角が10°より小さくなるにつれベルト表面層のトナーに対する濡れ性がよくなり、トナー離型性やクリーニング性を維持することができなくなる。
【0015】
ベルト表面層の引張弾性率と破断伸びとを前記の範囲とすることにより、長期間使用してもブレードの反転、鳴きなどが見られず、かつ、ベルト表面層にクラックの発生も見られない。引張弾性率が130MPa未満であり、または、破断伸びが500%を超えると、ブレードを当接して残留トナーを掻き落とすときの摩擦係数が大きくなり、鳴き(振動)やブレード反転といった問題が生じやすくなる。弾性率が200MPaを超え、または、破断伸びが250%未満であれば、ブレードとの摩擦によるベルト表面層の変形に対して伸びが追従できずクラックが発生しやすくなる。
【0016】
請求項2に記載の半導電性ベルトは、前記表面層が、(1)フッ素変性アクリレートと他のアクリレートとの共重合体、(2)フッ素化オレフィン,(3)メタクリル酸メチルと他の(メタ)アクリロイル基を含有する単量体との共重合体との3成分を含有していることを特徴とする。
【0017】
この構成により、前記ベルト基材との接着性と形成される表面層の特性を決める。即ち、(1)フッ素変性アクリレートと他のアクリレートとの共重合体は、表面層の最表面に配されて表面自由エネルギーを下げ、トナーやトナー外添剤の付着防止機能を担い、(2)メタクリル酸メチルと他の(メタ)アクリロイル基を含有する単量体との共重合体は、基材面側に配され表面層と弾性ウレタンを主体とするベルト基材との接着力を向上し、(3)フッ素化オレフィンは、表面自由エネルギー低下とトナー及びトナー外添剤の拭き取り性を容易にする機能を有する。なお、これらの成分は別個になっているのではなく溶剤が添加されディッピング塗工可能に調製される。
【0018】
また、上記表面層を形成するコーティング剤には、導電性を付加するため、カーボンブラック等の導電性粒子を混合しても良く、更に、ベルト基材と表面層との接着性を向上させるため、コーティング剤及びベルト基材が保有する官能基と反応するイソシアネート等の架橋剤を加えてもよい。
【0019】
【発明の実施の形態】
以下、本発明に係る半導電性ベルトの実施例及び比較例によって本発明を更に具体的に説明する。
【0020】
(実施例1)
イソシアネート成分としてジフェニールメタン−4,4’−ジイソシアネート(MDIという)100重量部、ポリオール成分としてポリテトラメチレングリコール(PTMGという)208重量部、架橋剤成分として1,4−ブタンジオール(1,4−Bという)とトリメチロールプロパン(TMPという)との混合物(混合重量比72/28)21重量部を混合した液状体を、遠心成型機に注型して熱硬化させて、外径500mm、厚さ0.5mm、幅300mmの薄肉円筒状のベルト基材を得た。
【0021】
このベルト基材の外周面に、フッ素系コーティング剤をディッピング法により、乾燥後の厚さが5μmになるように塗工して熱風オーブンを用いて130℃×30分の条件で乾燥硬化させ表面層を形成して、本発明の導電性ベルトを作製した。得られた導電性ベルトは、図1に示すように、弾性体からなる薄肉円筒体のベルト基材2の外周に表面層3を塗布して形成した広幅平ベルトの形態をなしている。
【0022】
なお、前記フッ素系コーティング剤は、(1)フッ素変性アクリレートと他のアクリレートとの共重合体,(2)フッ素化オレフィン,(3)メタクリル酸メチルと他の(メタ)アクリロイル基を含有する単量体との共重合体の3成分を含有する主剤(大日本インキ化学工業社製、ディフェンサーDR−211、(3)の共重合体のガラス転移点が−7.5℃)の固形分100重量部に対し、架橋剤としてヘキサメチレンジイソシアネート系ブロックイソシアネート(旭化成工業株式会社製「デュラネートTPA−B80X」)を10重量部、触媒としてジブチル錫ジラウレート(DBTDLという)を0.5重量部、希釈溶媒としてメチルエチルケトン(MEK)/メチルイソブチルケトン(MIBK)=80/20の混合溶媒を、固形分濃度15wt%になるよう加えて調製したものである。
【0023】
このコーティング剤に、MEKで洗浄した厚み0.3mmのガラス板を浸漬コーティングし、熱風オーブン中で130℃×30分乾燥し、動的濡れ試験片を作製した。
【0024】
更に、このコーティング剤をポリテトラフルオロエチレン〔テフロン(登録商標)〕シート上に流して塗布し、風乾で溶媒を揮発させた後、熱風オーブン中で、130℃×30分乾燥し、厚み0.5mmの引張試験用シートを作製した。
<動的濡れ試験>
ベルト表面層の濡れ特性としての前進接触角、後退接触角は、ウィルヘルミイ(Wilhelmy)平板法により表面張力を測定して計算により求められる。この測定方法について、図2(a)に概念図を示す動的濡れ性試験装置(レイカ社製「WET−6000」)を参考にして説明する。
【0025】
動的濡れ試験片7を、荷重検出器6に連結したクリップ12に取り付け、貯留槽9に湿式トナーの溶媒としてよく用いられ、表面張力が既知である炭化水素系溶剤(炭素数12のノルマルドデカン)8を満たし、貯留槽9を上方に0.5mm/秒の速度で上昇させて、動的濡れ試験片7を炭化水素系溶剤8に浸漬させ浸漬深さ5mmにて30秒間保持した後、0.5mm/秒の速度で下降させて浸漬を解除する。なお、図2(b)に示す貯留槽9を矢印10の方向に上昇させるときの接触角θAを前進接触角といい、図2(c)に示す貯留槽9を矢印11の方向に下降させるときの接触角θRを後退接触角という。
【0026】
この過程を図3により詳しく説明する。動的濡れ試験片7〔図2(a)参照〕の浸漬深さを横軸xとし、荷重検出器6で検出される荷重を縦軸yとして、上記の浸漬開始点sから浸漬終了点eまでの荷重変化の1サイクルをプロットし、このループ(矢印p1,p2,p3)の直線部分(前進直線部分A、後退直線部分R)を外延して接触点Tでの浮力項(試料の浸漬深さによる浮力)を除いた荷重(FA、FR)を読みとり、次式より前進接触角(θA)および後退接触角(θR)を求めた。なお、接触点Tは、ロードセルに掛かる初期荷重がフルスケールの1%変化した点を云う。
【0027】
cosθA=FA/PγL
cosθB=FB/PγL
ここでPは試験片7と溶液8表面との接線長さであり、試験片の厚さ(t)と幅(w)より決定される〔P=2×(t+w)〕。γLは浸漬する溶剤8の表面張力(既知)を表す。結果を表1に示す。
【0028】
<引張試験>
引張弾性率、破断伸びの測定は、前記引張試験用シートをJIS−6号ダンベルにて打ち抜き、試験片を作製し、インストロン社製5568引張り試験機にて、引張り速度200mm/minの条件にて、引張弾性率と破断時伸びを測定した。測定結果を表1に示す。
【0029】
<ブレードクリーニング性試験>
前記得られた導電性ベルトを、試験用の一対のプーリに懸回し、このベルト表面層にJIS−A硬度=80゜のポリウレタン製ブレードを当接させ、このブレードの上流側に現像剤を供給しながら、前記導電性ベルトを回転させ、ブレードにより残留トナーのクリーニングができなくなるまで、即ち、ブレードの反転やベルト表面のクラック等が生じるまでの走行距離を測定し、A4普通紙何枚分に相当するか換算し、走行枚数として表1に示した。
【0030】
(比較例1)
実施例1の用いたフッ素系コーティング剤の1成分である(3)メタクリル酸メチルと他の(メタ)アクリロイル基を含有する単量体との共重合体として、ガラス転移点が−10℃であるアクリル樹脂を用いたコーティング剤に変更した他は実施例1と同様にして、導電性ベルト、動的濡れ試験片と引張試験片を作製し、実施例1と同様に表面層の特性(後退接触角、弾性率など)の測定およびクリーニング性試験を行い、得られた結果を表1に示す。
【0031】
(比較例2)
コーティング剤の組成を下記に変更した以外は、実施例1と同様に導電性ベルト、濡れ試験片および引張試験片を作製し、表面層の特性(後退接触角、引張弾性率)およびブレードクリーニング性試験を行って、結果を表1に示す。
【0032】
コーティング剤として、エステル系ウレタン(ミラクトラン社製「レザミンE−185」)をTHF,MEK(混合重量比THF/MEK=70/30)の混合溶媒で希釈した主剤に、表面自由エネルギーを低下させる為にアクリルシリコン(東亞合成社製「US−270」)を前記主剤の固形分100重量部に対し36重量部を添加し、更に、架橋剤としてHDI系ブロックイソシアネート(旭化成工業社製「デュラネートTPA−B80X」を前記主剤の固形分100重量部に対し10重量部、触媒としてDBTDLを前記主剤の固形分100重量部に対し0.5重量部を添加し、固形分濃度15wt%になるように調製した。
【0033】
(比較例3)
コーティング剤の組成を下記に変更した以外は、実施例1と同様に導電性ベルト、動的濡れ試験片、引張試験片を作製し、表面層の特性(後退接触角、引張弾性率など)およびブレードクリーニング性試験を行い、得られた結果を表1に示す。
【0034】
コーティング剤として、エステル系ウレタン(大日精化社製「レザミンME−823LP」)をMEK,DMF(混合重量比MEK/DMF=35/65)の混合溶媒で希釈した主剤に、表面自由エネルギーを低下させる為にフッ素系共重合樹脂(大日精化社製「ダイアロマーFF−101D」)を前記主剤の固形分100重量部に対し1.5重量部を添加し、前記主剤の固形分濃度が15wt%になるように調製した。
【0035】
【表1】
表1より明らかなように、実施例1の半導電性ベルトは、その表面層の引張弾性率は150〜180MPa、破断伸びは250〜500%であり、動的濡れ性試験での後退接触角は10°以上と油性成分に対する撥油機能を有する。湿式トナーや油性成分入りトナーと長期間接触しても、ベルト表面は高い撥油機能を維持でき、ブレードクリーニングにも耐える。
【0036】
比較例1は、ベルトの表面層の後退接触角が実施例1と同じであるが、弾性率が高く破断伸びが低い為、クラックが早期に発生しやすい。
【0037】
比較例2は、表面層の後退接触角が4°と低く、撥油機能に劣ることで油性成分含有トナーの離型性が低下しやすい。
【0038】
比較例3は、後退接触角が一番優れているが、弾性率が低いために摩擦係数が高くなり、当接するブレードが大きく振動してクリーニング不良が生じやすい。
【0039】
【発明の効果】
請求項1に記載の半導電性ベルトは、表面層が炭化水素系溶剤等の油性成分に対する後退接触角が10°以上であり、引張弾性率150〜180MPa,破断伸びは250〜500%で柔軟でタフであるので、油性成分を含有するトナーに対して離型性を長期間維持でき、クラックの発生や、ブレードの反転、鳴きなどの問題が発生しにくい。
【0040】
請求項2に記載の半導電性ベルトは、ベルト表面層を構成するフッ素系3成分それぞれが基材側から表面側に偏在し、ベルト基材との接着機能および表面機能(トナー離型性、撥油機能)を果たす。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明に係る半導電性ベルトの斜視図である。
【図2】動的濡れ性試験の概要を説明する概念図である。
【図3】動的濡れ試験における浸漬深さと荷重との関係図である。
【符号の説明】
1.半導電性ベルト
2.ベルト基材
3.表面層
6.荷重検出器
7.濡れ試験片
8.炭化水素系溶剤
9.貯留槽
Claims (2)
- 薄肉円筒状の弾性体であるベルト基材の外周面に表面層を形成した電子写真装置用の半導電性ベルトであって、
前記表面層が、引張弾性率150〜180MPa、破断伸びが250〜500%であり、動的濡れ試験における炭素数9〜14の不飽和炭化水素系溶剤に対する後退接触角が10°以上であることを特徴とする電子写真装置用の半導電性ベルト。 - 前記表面層が、(1)フッ素変性アクリレートと他のアクリレートとの共重合体、(2)フッ素化オレフィン,(3)メタクリル酸メチルと他の(メタ)アクリロイル基を含有する単量体との共重合体の3成分を含有している請求項1に記載の電子写真装置用の半導電性ベルト。
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-
2003
- 2003-06-09 JP JP2003163177A patent/JP2004361870A/ja active Pending
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