JP4210100B2 - 電子写真装置用半導電性ベルト - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
この発明は、電子写真装置に用いられる半導電性ベルトに関する。特に、感光体上に形成されたトナー画像を記録材に転写する転写ベルトまたは中間転写ベルトに適した半導電性ベルトに関する。
【0002】
【従来の技術】
従来、複写機、レーザープリンター等の電子写真装置においては、感光体上に形成されたトナー像を記録紙、転写紙などの記録材に転写する際に、このトナー像を一旦、中間転写ベルトに写し取った後、記録材に転写するというプロセスが多く採用されている。また転写後、当中間転写ベルトの表面に残留するトナーは弾性ブレード等のクリーニング手段により除去され、中間転写ベルトはクリーニングされて次の転写を可能にする。
【0003】
この中間転写ベルトとしては、例えば、カーボンブラック、金属粉などの導電性微粒子(導電剤ともいう)を混入したポリカーボネート樹脂(PCと略す)、ポリイミド等の単体からなる薄肉円筒体(例えば、特許文献1参照。)が用いられている。しかし、PCにカーボンブラック等の導電剤を混入させ成形されたものは耐屈曲疲労性が悪く、長期の使用によってひび割れを生じやすく、また、長期間の停止・保管した場合などには、張架された駆動ローラ、転写ローラなどの外径面の曲率により永久歪み(変形)が残るなどの問題がある。
【0004】
また、ゴムなどの弾性体からなる薄肉円筒状のベルト基材(ベルト基材ともいう)の外周面に、同様に導電剤を混入したウレタン等をコーティングして表面層を形成した構造をなすもの(例えば、特許文献2参照。)が用いられている。弾性ベルト基材の表面に、導電剤を混入させたウレタン等の樹脂をコーティング剤として塗工した表面層は、その高い表面自由エネルギーのためトナー等との離形性が悪く、また、ベルト表面のクリーニング手段として弾性ブレード(例えば、ポリウレタンブレード)を用いる場合には、摩擦係数が大きくなり弾性ブレードが反転(ベルト表面と接するブレードのエッジがベルト進行方向に対し反対側に移動することをいう)し易いという問題がある。
【0005】
トナーとの離形性、弾性ブレードの反転等の問題を解決するために、フッ素系樹脂をベルト表面にコーティングすることにより、ベルト表面の表面自由エネルギーを低減する手段が一般にとられる。しかし、ベルト基材とフッ素系樹脂との間の密着性(耐剥離性)が悪く、表面層が剥離しやすいという問題がある。また、前記問題を解決するために、アクリル系の重合体をフッ素系樹脂に添加する場合があるが、添加成分は線状高分子で、結晶化しやすく、表面層の弾性が乏しくなりベルト基材の伸縮に追従できなくなり(基材追従性が悪い)、また、ベルトを張架して駆動するローラによる繰り返し屈曲に伴い表面層にひび割れ、クラックが発生するという問題を生じる。
【0006】
更に、密着性、防汚性に優れ、伸張率が高いコーティング剤として、フッ素化(メタ)アクリレート(A)及び/又はポリシロキサン基含有(メタ)アクリレート(B)と、(A)及び(B)以外の(メタ)アクリレート(C)との共重合体(I)と(メタ)アクリロイル基を含有する単量体の重合体(II)とフッ素化オレフィン系重合体(III)とを含有するものが提案されている(例えば、特許文献3参照。)。この提案には各種基材との密着性、防汚性に優れ、伸張率が高く、柔軟で折曲げ、湾曲部を伴う用途への応用が示唆されている。しかし、各成分の化学式が網羅的に記載されているのみで、個々の用途に対応する技術的な基礎については記載はなく、例えば、伸張して繰返し屈曲される半導電性ベルトのように、弾性ベルト基材の表面層に用いることについては何らの示唆すらない。
【0007】
【特許文献1】
特開平3−89357号公報(第1〜5頁、図1)
【特許文献2】
特開2001−290376号公報(第1〜4頁、図1)
【特許文献3】
特開平7−228820号公報(第2頁、右欄第13〜20頁)
【0008】
【発明が解決しようとする課題】
本発明は上記問題点に鑑みなされたもので、基材が弾性体からなる電子写真装置の転写ベルト、中間転写ベルトなどであって、クリーニング用の弾性ブレードとの摺擦抵抗が小さくエッジの反転が生じにくく、しかも擦り傷や摩耗の発生が少なく、ベルト表面にトナーや紙粉などが付着しにくいうえに、これらのベルトが小さい外径(10mm程度)のロールに3〜10%の伸張率で取り付けられ懸回されて繰り返し屈曲されても、その表面層には、クラックや剥離を生じることがない半導電性ベルトを提供することを目的とする。
【0009】
【課題を解決するための手段】
上記した課題を解決するために本発明の電子写真装置用半導電性ベルトは、ベルトの表面層について成分及び特性に関し種々の実験を重ねて完成したもので、薄肉円筒状の弾性ベルト基材の外周面に表面層を形成している電子写真装置用半導電性ベルトであって、前記表面層が、フッ素変性アクリレートと他のアクリレートとの共重合体と、フッ素化オレフィン系重合体と、メタクリル酸メチルと他の(メタ)アクリロイル基を含有する単量体との共重合体とを主成分とし、前記メタクリル酸メチルと他の(メタ)アクリロイル基を含有する単量体との共重合体がOH基を有し、このOH基と反応する架橋剤が添加され架橋されていること、ならびに引張り破断強度が10〜25MPa、引張り破断伸びが200〜350%、弾性率が300〜600MPaであることを特徴とする。
【0010】
ベルト基材として弾性体を使用することにより、電子写真装置に組み込み易く、駆動ローラ、ガイドローラ等にも馴染みやすく、また、長期間停止・保管した場合でもベルトのガイドローラ等に巻き付けられていた位置にローラの形状(巻き癖)が残りにくく、スムーズに再起動しやくなる。弾性体としては、クロロプレンゴム(CRと略す)、ニトリルゴム(NBRと略す)などが好ましく使用される。
【0011】
表面層がフッ素化オレフィン、フッ素変性アクリレート共重合体およびメタクリル酸系共重合体の3成分を主体とし、しかも特定範囲の物性を有する。フッ素変性アクリレートを含有するために最表面(トナー、記録材などと接する面)にフッ素が配列しやすくベルト表面の表面自由エネルギーが低減されるので、トナー、紙粉等が付着しにくく、クリーニング手段としての弾性ブレードとの摩擦係数が低減される。従って、余分なトナーがベルト表面に残留せず、次に転写された画像が汚れることがなく、弾性ブレードの反転も生じにくい。また、フッ素化オレフィン系重合体を含有することにより摩擦係数が低減されると同時に、弾性ベルト基材からの低分子成分の滲出や外部からの異物進入(膨潤)を有効に防止できる。
【0012】
さらに、メタクリル酸メチルと他の(メタ)アクリロイル基を含有する単量体との共重合体(メタアクリル酸メチル含有共重合体ともいう)を添加することにより、これに含まれる極性を有する官能基により、架橋しやすくなり、塗膜が柔軟でかつ強靱になり、CR、NBRなどベルト基材との接着性がより向上され、駆動ローラ等による繰り返し屈曲にも剥離することが無い。
【0013】
本発明において上記フッ素系3成分重合体を主成分とする表面層は、引張り破断強度10〜25MPa、引張り破断伸び200〜350%、弾性率300〜600MPaに形成される。
【0014】
破断強度が10MPa未満である場合や、弾性率が300MPa未満である場合、また破断伸びが350%を超える場合には塗膜の強度が不足し、記録材の搬送、残留トナーの掻き取りなどにより擦り傷や摩耗を生じ、汚れ易くなる。また、破断強度が25MPaを超える場合、弾性率が600MPaを超える場合、また破断伸びが200%未満である場合には、ベルトが外径20mm程度の駆動ローラ等に馴染みにくくなり、馴染ませるためにベルトに張力を掛けると軸受荷重が増し回転が不安定になりやすく、しかも、弾性ベルト基材の伸びに表面層が追従できず、表面層にひび割れやクラックを生じ易くなる。
【0015】
また本発明の半導電性ベルトは、前記メタアクリル酸メチル含有共重合体がOH基を含有し、OH基と反応する基、例えばイソシアネート基を有する架橋剤を添加して架橋反応をおこし、三次元網目構造を形成して弾性が付与され、前記物性(引張り破断強度、引張り破断伸び、弾性率)を有する表面層を形成することができる。表面層の物性をこの範囲とすることにより、半導電性ベルトを電子写真装置に組込んで使用するとき、ベルト基材の伸長、屈曲等による表面層のひび割れが発生しにくく耐摩耗性に優れたものになる。
【0017】
請求項2に記載の半導電性ベルトは、架橋剤がブロックイソシアネートであることを特徴とする。架橋剤としてブロックイソシアネートを用いることにより、上記架橋反応が室温では進行せず、一定の温度以上になるとブロックが解離してイソシアネートが発現し、架橋反応が進行する特性を有している。従って、室温付近でブロックイソシアネートをコーティング液中に混合し、ベルト基材にコーティングした後、温度を上げて架橋反応を進行させることができる。また、室温で混合したりコーティングしたりする間、コーティング液中のブロックイソシアネートは、大気中の水分と反応しないので、塗工液のNCO/OH比が変動しない。したがって、コーティング液を開放した貯留槽に入れてコーティングを行うディッピング法に好適である。装置が簡単で一度に厚い表面層を形成することができる。
【0018】
請求項3に記載の半導電性ベルトは、弾性ベルト基材が、クロロプレンゴム、ニトリルゴム、ポリウレタンゴム、エピクロルヒドリンおよびエピクロルヒドリン−エチレンオキサイドを主成分とする共重合体のいずれか1種または2種以上の混合体からなる極性ゴムに、導電性微粒子を加え、体積抵抗率を106〜1012Ωcmに調整されることを特徴とする。
【0019】
弾性ベルト基材に弾性体としてCR,NBRなどの極性ゴムを使用し、これにカーボンブラックなどの導電性微粒子を添加して、その体積抵抗率を106〜1012Ωcm、好ましくは109〜1011Ωcmに調整される。前記極性ゴムは、導電性微粒子を分散しやすく、また、弾性ベルト基材の導電性を制御しやすい。弾性ベルト基材の体積抵抗率が106Ωcm未満では、弾性ベルト基材を介してベルトの周方向に電流が流れ、ベルト表面に所定の表面電位が得られない。これが1012Ωcmを超えると、ローラからの電圧を表面層に伝えることができず、ベルト表面に必要な表面電位が得られない。
【0020】
導電性微粒子としては、カーボンブラック、金属粉末、酸化錫などが例示される。カーボンブラックは入手しやすく、前記極性ゴムに容易に分散できるので好ましい。
【0021】
請求項4に記載の半導電性ベルトは、フルカラー複写機およびモノクロ複写機に使用される転写ベルトまたは中間転写ベルトであることを特徴とする。転写ベルト、中間転写ベルトなどは、トナーや記録紙などを容易に担持しかつ容易に分離できることが要求され、また、長期に高画質で使用できることが要求されるので前記の半導電性ベルトが極めて好適に使用できる。
【0022】
【発明の実施の形態】
以下、本発明に係る半導電性ベルトについて各実施の形態を図面を参考にしながら説明する。図1は本発明に係る半導電性ベルト20の斜視図(一部省略)であり、薄肉円筒状の弾性ベルト基材22の外周面に表面層21を積層している。図2は本発明の半導電性ベルトが使用される電子写真装置の概要を示す側面図であり、感光体1は帯電部2によって帯電された後、露光部3によって潜像が形成され、現像部4によってトナー像が形成されるようになっている。また、転写ベルト5(半導電性ベルト)はローラ6、6’、6”に張架されて、感光体1に押しつけながら回転し記録材8を矢印xの方向に移送する。記録材8には感光体1に形成されたトナー像が転写ベルト5を介して転写され、定着ローラ9により定着される。転写ベルト5は、記録材8にトナー像を転写した後、その表面に残留するトナーを転写ブレード7(転写ベルト用弾性ブレード)により掻き落とされる。また、転写後、感光体1に残留するトナーはクリーニング部10によって拭き落とされ回収される。つづいて感光体1の表面はイレーザーランプ11によって除電される。
【0023】
上記のように転写ベルトとして使用される半導電性ベルトの実施例および比較例により、本発明を更に具体的に説明する。
【0024】
〔実施例1〕
弾性ベルト基材はCRを主体とし、CR100重量部に導電性粒子としてカーボンブラック(三菱化学社製、HAFカーボン)30重量部およびその他配合剤(酸化亜鉛、加硫剤など)を混練りした配合ゴムを押出機を用いて外径約42mm、厚さ約1mmの弾性体チューブ(薄肉円筒体)を成形した。この弾性体チューブを長さを約400mmに切断し、円筒金型に装填し、スリーブで加圧、加熱して加硫、脱型した後、均一な所定の厚さとするために、前記弾性体チューブ全長にわたり研磨して外径40mm、厚さ0.5mmの弾性ベルト基材を得た。この体積抵抗率は3×1011Ωcmであった。
【0025】
この弾性ベルト基材の外周面にフッ素系のコーティング剤を塗工することにより表面層を形成する。この表面層は、表1に示すフッ素系のコーティング剤を、ディッピング法により、乾燥後の表面層厚さが10μmになるように塗工し乾燥して、更に熱風オーブンを用いて140℃で30分間乾燥・硬化して半導電性ベルト(転写ベルト)を作製した。
【0026】
なお、前記フッ素系のコーティング剤は、大日本インキ化学工業社製、フッ素系防汚コーティング剤、商品名「ディフェンサー:TR306」であって、フッ素変性アクリレートと他のアクリレートとの共重合体と、フッ素化オレフィンと、メタクリル酸メチルと他の(メタ)アクリロイル基を含有する単量体との共重合体との3成分をメチルエチルケトン/ブチルアセテート混合溶剤に混合したものである。
【0027】
前記フッ素系コーティング剤は、表面層への適否を確認するため前もって、コーティング剤をテフロン(登録商標)シートの上に滴下し、風乾して溶剤を充分揮発させた後、熱風オーブンを用いて140℃で30分間乾燥して、厚さ約100μmの物性試験用のフィルムを作成し、引張り破断強度、引張り破断伸び及び弾性率の評価を行った。この引張り破断強度、引張り破断伸びおよび弾性率は、インストロン社製万能引張り試験機5568型を使用し、試験片はJIS6号ダンベル型に打ち抜き、引張りスピードを200mm/minとして測定した。
【0028】
また、上記のベルトの評価方法は、次の通りである。屈曲耐久性は、MIT耐屈曲強さ試験器により亀裂が入るまでの屈曲回数を測定し、接触角は接触角測定機による対純水接触角を測定し、動摩擦係数はヘイドン表面測定機を使用し、相手部材としてウレタンブレードを摺動させて測定した。
【0029】
さらに、表面層の耐剥離性と基材追従性は、伸張時耐クラック性により評価した。ベルトを10%、15%伸長してクラック発生をマイクロスコープにて目視で確認し、15%伸長でもクラック発生のないものを◎、10%伸長でクラック発生の認められないものを○、10%伸長でクラックが認められるものを×として評価した。これは本発明の半導電性ベルトが、基材が弾性体よりなり、5〜10%伸張した上で外径の小さいローラに張架され、屈曲されることを想定したものである。
【0030】
〔実施例2〕
実施例1のコーティング剤の固形分100重量部に対しブロックイソシアネートである架橋剤(旭化成工業社製、商品名「デュラネート:TPA−B80X」)を6重量部添加して形成したフィルムで引張り特性を評価したコーティング剤を用いた他は、実施例1と同様に屈曲耐久性、接触角、動摩擦係数及び伸張耐クラック性を評価した。結果を表2に示す。
【0031】
〔比較例1〕
弾性ベルト基材を単層の樹脂円筒状体としたもので、PC樹脂100重量部にカーボンブラック(三菱化学社製HAFカーボン)を10重量部配合し、押出成形機を用いて外径40mm、厚さ0.1mmの表面層を有しない半導電性ベルトを作製した。得られた半導電性ベルトについて実施例1と同様に屈曲耐久性を評価した。結果を表2に示す(屈曲耐久性60回)。
【0032】
〔比較例2〕
実施例1の弾性ベルト基材に表1に示すウレタン系コーティング剤(大日精化工業社製、商品名「レザミン」ME823LP:固形分含量=15%、溶剤=DMF/MEK混合)を実施例1と同様に塗工・硬化して、半導電性ベルトを作成した。コーティングフィルム及びベルトの特性を実施例1と同様に評価した。結果を表2に示す(動摩擦係数が大きく、エッジの反転が多い)。
【0033】
〔比較例3〕
実施例1の弾性ベルト基材にフッ素変性アクリレートと他のアクリレートとの共重合体と、フッ素化オレフィンとメタアクリル酸メチルと他の(メタ)アクリロイル基含有単量体との共重合体の3成分を含み表1に示す引張り特性を有するフッ素系コーティング剤(大日本インキ化学工業社製、フッ素系防汚コーティング剤、商品名「ディフェンサー・TR250」)を用いた他は実施例1と同様にして半導電性ベルトを作製した。このベルトの耐耐久性、接触角、動摩擦係数)および伸張耐クラック性を実施例1と同様に評価した結果を表2に示す。
【0034】
【表1】
【0035】
【表2】
表1、表2より明らかなように、ベルト基材に弾性体(CR)を使用し、表面層にフッ素系共重合体2種とアクリル系共重合体を含有し、所定範囲の引張り特性有するコーティング剤を使用している実施例1,2は、転写ブレードとの動摩擦係数が低く、接触角が大きくてトナーが付着しにくく、屈曲耐久性や伸張耐クラック性に優れる。同じフッ素系共重合体2種とアクリル系共重合体を含有しても、コーティングフィルムの引張り特性が所定の範囲を外れると、比較例3のように伸張耐クラック性が劣り、実用に供せなくなる。
【0036】
【発明の効果】
上記のように本発明の半導電性ベルトは、弾性ベルト基材と表面層(塗膜)とからなり、表面層にフッ素系共重合体2種とアクリル系共重合体を含有させたコーティング剤を用い所定範囲の引張り特性を有させることにより、電子写真装置に組み込み易くトナーが付着しにくく、クリーニングブレードとの摺擦が良く、20mm前後の小径ローラの掛け渡し回動させても、クラックや剥離を生じにくく耐久性に優れたものとなる。
【0037】
表面層に使用する共重合体にOH基を含有させ、 架橋剤を添加して三次元構造となすことにより、柔軟で屈曲、剥離により強くなる。架橋剤としてブロックイソシアネートを使用することにより、常温での取扱中に架橋が進行することを防止できるので、ディッピング法により安定に塗工することができる。
【0038】
弾性ベルト基材の体積抵抗率を所定の範囲に調整することにより、印加電圧を好ましい表面電位に変換できる。従って、本発明の半導電性ベルトは、転写ベルトとして充分に活用することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の半導電性ベルト20の斜視図(一部省略)である。
【図2】本発明の半導電性ベルト20が使用される電子写真装置の概要を示す側面図である。
【符号の説明】
1:感光体
2:帯電部
3:露光部
4:現像部
5:転写ベルト
6、6’、6”:ローラ
7:弾性ブレード
8:記録材
9:クリーニング部
20:半導電性ベルト
21:表面層
22:弾性ベルト基材
Claims (4)
- 薄肉円筒状の弾性ベルト基材の外周面に表面層を形成している電子写真装置用半導電性ベルトにおいて、
前記表面層が、フッ素変性アクリレートと他のアクリレートとの共重合体と、フッ素化オレフィン系重合体と、メタクリル酸メチルと他の(メタ)アクリロイル基を含有する単量体との共重合体とを主成分とし、前記メタクリル酸メチルと他の(メタ)アクリロイル基を含有する単量体との共重合体がOH基を有し、このOH基と反応する架橋剤が添加され架橋されていること、ならびに
引張り破断強度が10〜25MPa、引張り破断伸びが200〜350%、弾性率が300〜600MPaであることを特徴とする電子写真装置用半導電性ベルト。 - 前記架橋剤がブロックイソシアネートである請求項1に記載の電子写真装置用半導電性ベルト。
- 前記弾性ベルト基材が、クロロプレンゴム、ニトリルゴム、ウレタンゴム、エピクロルヒドリンおよびエピクロルヒドリン−エチレンオキサイドを主成分とする共重合体のいずれか1種または2種以上の混合体からなる極性ゴムに、導電性微粒子を加え、体積抵抗率を106〜1012Ωcmに調整されていることを特徴とする請求項1または2に記載の電子写真装置用半導電性ベルト。
- 前記電子写真装置用半導電性ベルトがフルカラー複写機およびモノクロ複写機の転写ベルト若しくは中間転写ベルトであることを
特徴とする請求項1〜3のいずれかに記載の電子写真装置用半導電性ベルト。
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