JP7328114B2 - 電子写真用部材、プロセスカートリッジおよび電子写真画像形成装置 - Google Patents

電子写真用部材、プロセスカートリッジおよび電子写真画像形成装置 Download PDF

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Description

本開示は、電子写真方式を採用した装置に組み込まれる、電子写真用部材に関する。また、本開示は、該電子写真用部材を用いたプロセスカートリッジおよび電子写真画像形成装置に関する。
一つの態様に係る電子写真画像形成装置(「電子写真装置」ともいう)においては、像担持体が帯電手段により帯電され、レーザーにより静電潜像が形成される。次に、現像容器内のトナーがトナー供給ロ-ラ及びトナー規制部材により現像部材上に塗布され、像担持体と現像部材との接触または近接でトナーによる現像が行われる。その後、像担持体上のトナーは、転写手段により記録紙に転写され、熱と圧力により定着され、像担持体上に残留したトナーはクリーニングブレードによって除かれる。
このような電子写真装置には、これまで以上に高い画像品質や耐久性、より速い印刷速度が求められるようになってきている。このため、電子写真用部材への要求性能も高度化が進んでいる。
例えば、電子写真装置の耐久寿命が極めて長寿命になった場合、従来の電子写真用部材では、繰り返しの摺擦によって表面が削れてキズが発生する場合がある。さらに、現像剤成分の固着や堆積に伴う著しいフィルミングが発生する場合がある。このような電子写真用部材を用いて高品位な電子写真画像を形成することは困難な場合がある。高品位な電子写真画像を、より長期に亘って安定して出力し続けるためには、削れによるキズやフィルミングの発生がより高い次元で抑制された、すなわち、より優れた耐久性を備えた電子写真用部材が求められる。
特許文献1ではゴム弾性を有するゴム弾性体と、該ゴム弾性体の表面より含浸させた光硬化性組成物の硬化物より構成される表面処理層とを有する改質ゴム弾性体とそれを用いた電子写真用部材を開示している。該光硬化性組成物は、(メタ)アクリルモノマーと、シリコーン基および/またはフッ素含有基と(メタ)アクリロイル基とを分子内に有する光重合性ポリマーと光重合開始剤とを含む。そして、かかる電子写真用部材によれば、トナー離形性と低摩擦性の両立が図られることが記載されている。
特開2014-197064号公報
本開示の一態様は、高品位の電子写真画像をより長期に亘り形成し得る電子写真用部材の提供に向けたものである。
本開示の他の態様は、高品位な電子写真画像の安定した形成に資するプロセスカートリッジの提供に向けたものである。
本開示のさらに他の態様は、高品位な電子写真画像を安定して形成することのできる電子写真画像形成装置の提供に向けたものである。
本開示の一態様によれば、導電性の基体と、該基体上の単層の表面層と、を有する電子写真部材であって、該表面層は、架橋ウレタン樹脂をバインダーとして含むマトリックスを有し、該表面層の厚み方向の断面において測定される、該表面層の外表面から深さ0.1μmまでの第1領域における該マトリックスの弾性率をE1とし、該外表面から深さ1.0μmから1.1μmまでの第2領域における該マトリックスの弾性率をE2としたとき、下記式(1)及び(2):
E1≧200MPa (1);
10MPa≦E2≦100MPa (2)
を同時に満たす電子写真用部材が提供される。
また、本開示の他の態様によれば、電子写真画像形成装置の本体に着脱可能に構成されているプロセスカートリッジであって、前記電子写真用部材が搭載されているプロセスカートリッジが提供される。
さらに、本開示の他の態様によれば、静電潜像を担持するための像担持体と、該像担持体を一次帯電するための帯電装置と、一次帯電された該像担持体に静電潜像を形成するための露光装置と、該静電潜像をトナーにより現像してトナー像を形成するための現像部材と、該トナー像を転写材に転写するための転写装置とを有する画像形成装置であって、該現像部材が前記電子写真用部材である電子写真画像形成装置が提供される。
本開示の一態様によれば、極めて高い耐久性を備えた電子写真用部材を提供することができる。また、他の態様によれば、高品位な電子写真画像の安定した形成に資するプロセスカートリッジを得ることができる。さらに他の態様によれば、高品位な電子写真画像を安定して形成することのできる電子写真画像形成装置を得ることができる。
本開示の一態様に係る電子写真用部材を示す概略図である。 本開示の一態様に係る電子写真画像形成装置の概略図である。 本開示の一態様に係るプロセスカートリッジの概略図である。 本開示の一態様に係る電子写真用部材の断面図である。
特許文献1に記載されているような、ポリマーを含む処理液で処理されたゴム組成物から成る電子写真用部材を、高温環境下で多数枚の電子写真画像の形成に供した場合、表面にフィルミングやキズが発生することがあった。フィルミングが発生し易い理由としては、高硬度のアクリルポリマーが表面付近に数μm程度の深さで存在することにより、トナーへの負荷が大きく、劣化したトナーが、該電子写真用部材の表面に固着していくためであると考えられる。また、キズが発生し易い理由としては、該電子写真用部材の表面に存在するアクリルポリマーの靱性が低く、他部材との摺擦によってクラックが発生し易いためであると考えられる。
そこで、本発明者らが検討を重ねた結果、電子写真用部材の表面層において、深さ方向の弾性率に着目した。すなわち、該弾性率を最適化することで高温環境での多数枚印刷による耐久使用においても、フィルミングを悪化させることなく電子写真用部材表面の削れによるキズの発生を抑制できることを見出した。
本開示の一態様に係る電子写真用部材は、導電性の基体と、該基体上の単層の表面層と、を有する。該表面層は、架橋ウレタン樹脂をバインダーとして含むマトリックスを有する。該表面層の厚み方向の断面において測定される、該表面層の外表面から深さ0.1μmまでの第1領域における該マトリックスの弾性率をE1とし、該外表面から深さ1.0μmから1.1μmまでの第2領域における該マトリックスの弾性率をE2としたとき、
下記式(1)及び(2):
E1≧200MPa (1);
10MPa≦E2≦100MPa (2)
を同時に満たす。
このような電子写真用部材が、高温環境での削れによるキズとトナー劣化に伴うフィルミングの発生を抑制できる理由について、本発明者らは以下のように推察している。
架橋ウレタン樹脂は、ポリオールの水酸基とイソシアネート化合物を反応させることにより、ウレタン結合を架橋して形成することで得られる。ここでいう架橋の意味は、得られるウレタン樹脂の構造が直鎖構造ではなく、ポリオールかイソシアネート化合物のいずれか、あるいは両方が3個以上の反応性官能基を有していることにより、3次元網目状構造を形成するウレタン樹脂であることを示している。
そして、本実施形態では外表面に近い第1領域の弾性率E1は高くし、所定の深さの第2領域の弾性率E2を低く設定する。
そのために、表面層のマトリックスを構成する架橋ウレタン樹脂に対して、表面側の弾性率を高めるため、例えば、相互侵入高分子網目構造を形成する。
まず、相互侵入高分子網目構造について述べる。相互侵入高分子網目(Interpenetrating Polymer Network)構造(以下、IPN構造という)とは、二つ以上の高分子の網目構造が共有結合で結ばれることなくお互いに入り組み、絡み合った構造である。そして、この構造は網目を形成する分子鎖を切断しない限りほどけることは無い。
IPN構造の形成方法としては、いくつかの方法を挙げることができる。例えば、第一の成分のポリマーの網目を先に形成させておき、次に第二の成分のモノマーと重合開始剤で膨潤させた後で第二の成分のポリマーの網目を形成させる、逐次網目形成法。あるいは、それぞれ反応機構の異なる第一の成分のモノマーと、第二の成分のモノマー、さらに、各々の重合開始剤を混合し、同時に網目を形成させる、同時網目形成法などが挙げられる。
本態様では、特に架橋ウレタン樹脂に対して、該架橋ウレタン樹脂よりも弾性率の高い架橋ポリマー、特に架橋アクリル樹脂によるIPN構造を形成することが好ましい。このIPN構造は、第一の成分としての架橋ウレタン樹脂に対して、前記外表面からアクリルモノマーと重合開始剤を含浸させた後、第二の成分のポリマーとして架橋アクリル樹脂を形成する。この場合、アクリルモノマーが架橋ウレタン樹脂の3次元網目状構造間に侵入し、重合することで架橋アクリル樹脂の網目構造を形成する。
本態様においては、架橋ウレタン樹脂の表面から深さ方向に1μm程度の厚さの架橋ウレタン樹脂と架橋アクリル樹脂のIPN構造を形成する。高温環境においては、IPN構造導入による高強度化は削れによるキズとトナー劣化に伴うフィルミングの二律背反となる。即ち、IPN構造を外表面からの深さ方向に厚く形成する場合、削れによるキズを抑制できるが、トナーへの負荷が高くなり、フィルミングが悪化してしまう。
一方、IPN構造を外表面からの深さ方向で薄く形成する場合、トナーへの負荷が軽減し、フィルミングを抑制できるが、架橋アクリル樹脂量を少なくせざるを得ず、外表面の強度確保が十分ではなく、削れによるキズが悪化してしまう。高強度化の方法としては、例えば電子写真用部材の表面を構成するゴムの架橋密度を著しく高めるなどの手法を挙げることもできるが、こうした手法の場合、高強度化に伴い高硬度化が進む。このため、トナーへの負荷が高くなり、フィルミングが悪化してしまう。また、こうした手法で高強度化する場合、可撓性が落ちて脆化する場合があり、かえって削れによるキズを悪化させることとなる。
本実施形態の構成においては、架橋アクリル樹脂によるIPN構造などによる高強度化が表面層の極めて外表面近傍に局所的に存在していることにより強度と柔軟性を発現している。このため、架橋密度を無用に高める必要がなく、可撓性、柔軟性が失われない。従って、本実施形態に係る構成は、高強度であるにも関わらず、トナーへの負荷が抑えられて、フィルミングが悪化しない。即ち、削れによるキズの発生とフィルミングの発生とを極めて高い次元で抑制することができる。
また、一般的にトナーは、帯電安定性、耐久現像性、流動性、耐久性向上のために、アルミナ微粒子、チタニア微粒子、シリカ微粒子、の如き金属酸化物をトナー粒子に外添剤として添加することが好ましい態様の一つである。しかしながら、前記外添剤のヤング率は、一般的に、50GPa(50×10Pa)~500GPa(500×10Pa)程度であり、前記外添剤が電子写真用部材の表面を構成するゴムや樹脂の外表面と繰り返し摺擦すると、前記外表面の削れによるキズを悪化させることとなる。
一方で、本態様においては、第1領域の弾性率E1は、200MPa(200×10Pa)以上であり、削れによるキズの発生とフィルミングの発生とを、極めて高い次元で抑制することができる。
また、一般的に、トナーの主成分は、エステル系、スチレンアクリル系、の如き樹脂材料であり、トナーの粘弾性測定において、30℃における貯蔵弾性率が、10MPa(10×10Pa)以上10GPa(10×10Pa)以下である。しかしながら、トナーは、電子写真用部材の表面を構成するゴムや樹脂の外表面と繰り返し摺擦すると、トナーがつぶれ、または、変形し、フィルミングを悪化させることとなる。
一方で、本実施形態の構成においては、表面層の外表面近傍は高強度であり、表面層の内部は十分に柔軟性を保持しており、削れによるキズの発生とフィルミングの発生とを極めて高い次元で抑制することができる。外表面から深さ1.0μmから1.1μmまでの第2領域の弾性率をE2とした場合、E2は、10MPa(10×10Pa)以上、100MPa(100×10Pa)以下であり、20MPa以上、50MPa以下であることが好ましい。
なお、第1領域の弾性率E1の上限には特に制限はないが、上記第2領域の弾性率E2や後述する第3領域の弾性率E3との関係で適切な範囲に設定される。通常、第1領域の弾性率E1は4500MPa(4500×10Pa)以下であることが好ましい。
また、表面層中に架橋ウレタン樹脂以外に、変性シリコーン化合物または、変性フッ素化合物の如き界面活性剤を含有することができる。該界面活性剤は、含シリコーン基または、含フッ素基、の如き低極性基、と変性部位に高極性基を併せ持つことができる。架橋ウレタン樹脂のウレタン基または、他の高極性基と、界面活性剤分子中の含シリコーン基または、含フッ素基、の如き低極性基、の極性差が大きいことにより、該界面活性剤は表面層の外表面近傍に移行し留まる。さらに、この界面活性剤を含んだ架橋ウレタン樹脂に対して、前記外表面からアクリルモノマーと重合開始剤を膨潤させる場合、界面活性剤分子中の高極性基と極性差が小さいアクリルモノマーを使用することで、アクリルモノマーが界面活性剤付近に留まる。即ち、アクリルモノマーが外表面付近に留まり硬化するため、IPN構造を表面層の外表面近傍に局所的に形成することができる。
以下、本開示の一態様に係る、現像部材として好適に用い得る、ローラ形状を有する電子写真用部材(以降、「電子写真ローラ」ともいう)によって説明するが、電子写真用部材の形状はこれに限定されない。
図1(a)は、導電性の基体として導電性の軸芯体2と、該基体の周面の表面層1とを有する電子写真ローラの周方向の断面図である。図1(b)は、導電性の基体として軸芯体2と、表面層1と軸芯体2の間の中間層3とを有するローラ形状の電子写真用部材の周方向の断面図である。中間層3としては、単層に限定されず、複数層としてもよい。例えば、非磁性一成分接触現像系プロセスでは、軸芯体2の上に中間層3を積層した導電性の基体上に、表面層1を設けた現像部材が好適に用いられる。
[導電性の基体]
導電性の基体は、円柱状または中空円筒状の導電性の軸芯体、または、こうした軸芯体上にさらに一層、あるいは複数層の導電性の中間層を設けたものを用いることができる。軸芯体の形状は円柱状または中空円筒状であり、以下の導電性の材質で構成される。アルミニウム、銅合金、ステンレス鋼の如き金属または合金;クロム、又はニッケルで鍍金処理を施した鉄;導電性を有する合成樹脂。軸芯体2の表面にはその外周の中間層3や表面層1等との接着性を向上させる目的で、公知の接着剤を塗布することもできる。
前述のように、非磁性一成分接触現像系プロセスでは、軸芯体2と表面層1の間に中間層3が積層された現像部材が好適に用いられる。中間層は、像担持体の表面に形成された静電潜像にトナーを過不足なく供給することができるように、適切なニップ幅とニップ圧をもって像担持体に押圧されるような硬度や弾性を、現像部材に付与するものである。
中間層は、通常ゴム材の成型体により形成されていることが好ましい。ゴム材料としては以下のものが挙げられる。エチレン-プロピレン-ジエン共重合ゴム(EPDM)、アクリロニトリル-ブタジエンゴム(NBR)、クロロプレンゴム(CR)、天然ゴム(NR)、イソプレンゴム(IR)、スチレン-ブタジエンゴム(SBR)、フッ素ゴム、シリコーンゴム、エピクロロヒドリンゴム、NBRの水素化物、ウレタンゴム。これらは単独であるいは2種以上を組み合わせて用いることができる。これらの中でも、特に、長期に亘って他の部材(トナー規制部材等)が当接した場合にも圧縮永久歪みを生じさせにくいシリコーンゴムが好ましい。シリコーンゴムとしては、具体的には、付加硬化型のシリコーンゴムの硬化物が挙げられる。
中間層は、上記ゴム材料に電子導電性物質やイオン導電性物質のような導電性付与剤を配合した中間層とすることができる。中間層の体積抵抗率は、好ましくは10Ωcm以上1011Ωcm以下、より好ましくは10Ωcm以上1010Ωcm以下に調整される。
電子導電性物質としては、例えば以下の物質が挙げられる。導電性カーボン、ゴム用カーボン、カラー(インク)用カーボンの如きカーボンブラック;例えば、ケッチェンブラックEC、アセチレンブラックの如き導電性カーボンブラック;、SAF、ISAF、HAF、FEF、GPF、SRF、FT、MTの如きゴム用カーボン;、酸化処理を施したカラー(インク)用カーボン;銅、銀、ゲルマニウムの如き金属およびその金属酸化物。この中でも、少量で導電性を制御しやすいことから導電性カーボン〔導電性カーボン、ゴム用カーボン、カラー(インク)用カーボン〕が好ましい。
イオン導電性物質としては、例えば以下の物質が挙げられる。過塩素酸ナトリウム、過塩素酸リチウム、過塩素酸カルシウム、塩化リチウムの如き無機イオン導電性物質;変性脂肪族ジメチルアンモニウムエトサルフェート、ステアリルアンモニウムアセテートの如き有機イオン導電性物質。
これら導電性付与剤は、中間層を前記のような適切な体積抵抗率に調整するのに必要な量が用いられるが、通常バインダー樹脂100質量部に対して、0.5質量部以上50質量部以下の範囲で用いられる。
また、中間層には、必要に応じて更に可塑剤、充填剤、増量剤、加硫剤、加硫助剤、架橋助剤、硬化抑制剤、酸化防止剤、老化防止剤、加工助剤、の如き各種添加剤を含有させることができる。充填剤としては、シリカ、石英粉末、及び炭酸カルシウム等が挙げられる。これら任意成分は、中間層の機能を阻害しない範囲の量で配合される。
中間層は、現像部材に要求される弾性を有し、アスカーC硬度で20度以上100度以下が好ましく、厚みは0.3mm以上6.0mm以下が好ましい。
中間層用の各材料の混合は、一軸連続混練機、二軸連続混練機、二本ロール、ニーダーミキサー、トリミックス等の動的混合装置や、スタティックミキサー等の静的混合装置を用いて行うことができる。
軸芯体上に中間層を形成する方法としては、特に限定されず、型成形法、押出成形法、射出成形法、塗工成形法を挙げることができる。型成形法では、例えば、先ず、円筒状の金型の両端に、金型内に軸芯体を保持するための駒を固定し、駒に注入口を形成する。次いで、金型内に軸芯体を配置し、中間層用の材料を注入口より注入した後、該材料が硬化する温度で金型を加熱し、脱型する方法を挙げることができる。押出成形法では、例えば、クロスヘッド型押出機を用いて軸芯体と中間層の材料を共に押し出して、該材料を硬化して、軸芯体の周囲に中間層を形成する方法を挙げることができる。
中間層の表面は、表面層との密着性向上の為、表面研磨や、コロナ処理、フレーム処理、エキシマ処理の表面改質方法によって改質することもできる。
[表面層]
表面層は、電子写真用部材の最外面に設けられている単層であり、ローラ形状の部材の場合は、最外周面に設けられる。表面層は、軸芯体上に直接形成することもできるが、軸芯体上に中間層を設けたものを基体として、その外周面に表面層を形成することもできる。表面層は、バインダー樹脂を含んでいる。また、バインダー樹脂としては、架橋ウレタン樹脂を含んでおり、IPN構造を形成する場合、該架橋ウレタン樹脂に架橋アクリル樹脂が相互侵入したIPN構造を有していることが好ましい。
また、電子写真部材の表面に凸部を形成する目的で、表面層に樹脂粒子を添加してもよい。表面層に表面粗度を持たせる場合は、表面層に粗さを付与するための微粒子を含有させることができる。具体的には、ポリウレタン樹脂、ポリエステル樹脂、ポリエーテル樹脂、ポリアミド樹脂、アクリル樹脂、ポリカーボネート樹脂の微粒子を用いることができる。これらはまた、架橋樹脂粒子であることが好ましい。表面層の外表面側にIPN構造を形成する場合、架橋樹脂粒子の内部にもIPN構造が形成される場合がある。微粒子の体積平均粒子径は1.0μm以上30μm以下が好ましく、微粒子によって形成される表面粗さ(十点平均粗さ)Rzjisは、0.1μm以上20μm以下が好ましい。尚、RzjisはJIS B0601(1994)に基づき測定される値である。
[表面層の形成方法]
以下に、架橋アクリル樹脂によりIPN構造を形成した表面層の実施形態について、その形成方法を説明する。
本実施形態の表面層は、以下の工程により形成することができる。
導電性の基体上に、バインダー樹脂としての架橋ウレタン樹脂を含む樹脂層を形成する工程;
該樹脂層の外表面に、液状のアクリルモノマーを含浸させる工程;及び
含浸されたアクリルモノマーを硬化させる工程。
架橋ウレタン樹脂を含む樹脂層の形成については、特に限定されないが、液状塗料の塗工成形法が好ましい。例えば、樹脂層用の各材料を溶剤中にて分散混合して塗料化し、導電性の基体上に塗工し、乾燥固化あるいは加熱硬化することにより形成することが可能である。溶剤としては、架橋ウレタン樹脂の原材料である、ポリオールやイソシアネート化合物に対する相溶性の観点から、極性溶媒が好ましい。極性溶媒としては、例えば、メタノール、エタノール、n-プロパノール、といったアルコール類、アセトン、メチルエチルケトン、メチルイソブチルケトンといったケトン類、酢酸メチル、酢酸エチルといったエステル類等が挙げられる。これらの中から、その他の材料との相溶性の良い溶剤を、1種あるいは2種以上混合して用いることができる。また、塗料化する際の固形分は、溶剤の混合量により自由に調整可能であるが、後述するカーボンブラック等の電子導電性物質を均一に分散するという観点で、20質量%以上40質量%以下が好ましい。分散混合には、サンドミル、ペイントシェーカー、ダイノミル、パールミルの如きビーズを利用した公知の分散装置が利用できる。また、塗工方法としては、浸漬塗工、リング塗工、スプレー塗工又はロールコートが利用できる。
当該樹脂層には、上記架橋ウレタン樹脂に電子導電性物質やイオン導電性物質のような導電性付与剤を配合することができる。表面層の体積抵抗率として、好ましくは10Ωcm以上1011Ωcm以下、より好ましくは10Ωcm以上1010Ωcm以下に調整される。
電子導電性物質としては、後述の導電性フィラーを用いることができるが、少量で導電性を制御しやすいことから導電性カーボンが好ましい。
イオン導電性物質としては、例えば以下の物質が挙げられる。過塩素酸ナトリウム、過塩素酸リチウム、過塩素酸カルシウム、塩化リチウムの如き無機イオン導電性物質;変性脂肪族ジメチルアンモニウムエトサルフェート、ステアリルアンモニウムアセテートの如き有機イオン導電性物質。
これら導電性付与剤は、表面層を前記のような適切な体積抵抗率に調整するのに必要な量が用いられるが、通常バインダー樹脂100質量部に対して、0.5質量部以上50質量部以下の範囲で用いられる。
次に、上記の如く形成された樹脂層に対し、液状のアクリルモノマーを含浸させる。液状のアクリルモノマーを、そのまま、ないし各種溶媒で適宜希釈した、含浸処理液として含浸させることができる。液状のアクリルモノマーを各種溶媒で適宜希釈させることで、より表面組成の均一な表面層となる。溶媒としては、樹脂層との親和性と、アクリルモノマーの溶解性の双方を満たす溶媒であれば自由に選択できる。例えば、メタノール、エタノール、n-プロパノール、といったアルコール類、アセトン、メチルエチルケトン、メチルイソブチルケトンといったケトン類、酢酸メチル、酢酸エチルといったエステル類等が挙げられる。また、含浸処理液には、適宜重合開始剤を混合させることができる。重合開始剤の詳細については後述する。含浸処理液の含浸方法は特に限定されないが、浸漬塗工、リング塗工、スプレー塗工又はロールコートが利用できる。
こうして含浸処理液で含浸処理を行った後、アクリルモノマーを重合、硬化させることにより、表面層を形成することができる。重合、硬化方法としては、特に限定されず、公知の方法を使用することができる。具体的には、熱硬化や紫外線照射などの方法が挙げられる。
このような工程により、樹脂層の架橋ウレタン樹脂の網目構造に対して、相互に絡み合う形で架橋アクリル樹脂が導入され、IPN構造を形成することができる。本実施形態では、特に架橋ウレタン樹脂に対して、該架橋ウレタン樹脂よりも弾性率の高い架橋ポリマー、特に架橋アクリル樹脂によるIPN構造を形成することが好ましい。このIPN構造は、第一の成分としての架橋ウレタン樹脂に対して、前記外表面からアクリルモノマーと重合開始剤を含浸させた後、第二の成分のポリマーとして架橋アクリル樹脂を形成する。この場合、アクリルモノマーが架橋ウレタン樹脂の3次元網目状構造間に侵入し、重合することで架橋アクリル樹脂の網目構造を形成する。こうして得られる表面層の膜厚は、前記式(1)及び(2)の要件を満足するために、1.1μm以上であり、膜強度の観点から、好ましくは1.4μm以上、より好ましくは2.0μm以上である。また表面層の膜厚の上限は特に設定されないが、中間層を形成した基体上に単層の表面を形成する場合、柔軟性の観点から、200.0μm以下、好ましくは160.0μm以下、より好ましくは150.0μm以下である。なお、ここでいう表面層の膜厚とは、粗さ粒子などの添加で凸状に突き出した部分を除く部分の膜厚をいう。
[架橋ウレタン樹脂]
表面層は架橋ウレタン樹脂をバインダーとして含むマトリックスを有している。架橋ウレタン樹脂は、柔軟性と強度に優れているため、バインダーとして好適である。ウレタン樹脂は、ポリオールとイソシアネート、必要に応じて鎖延長剤から得ることができる。ウレタン樹脂の原料たるポリオールとしては、ポリエーテルポリオール、ポリエステルポリオール、ポリカーボネートポリオール、ポリオレフィンポリオール、アクリルポリオール、およびこれらの混合物が挙げられる。ウレタン樹脂の原料たるイソシアネートとしては、例えば以下が挙げられる。トリレンジイソシアネート(TDI)、ジフェニルメタンジイソシアネート(MDI)、ナフタレンジイソシアネート(NDI)、トリジンジイソシアネート(TODI)、ヘキサメチレンジイソシアネート(HDI)、イソホロンジイソシアネート(IPDI)、フェニレンジイソシアネート(PPDI)、キシリレンジイソシアネート(XDI)、テトラメチルキシリレンジイソシアネート(TMXDI)、シクロヘキサンジイソシアネート、およびこれらの混合物。ウレタン樹脂の原料たる鎖延長剤としては、エチレングリコール、1,4-ブタンジオール、3-メチルペンタンジオールの如き2官能性低分子ジオール、トリメチロールプロパンの如き3官能性低分子トリオール、およびこれらの混合物が挙げられる。また、上記の各種イソシアネート化合物と、各種ポリオールを、イソシアネート基が過剰な状態で予め反応させて得られる、末端にイソシアネート基を有する、プレポリマータイプのイソシアネート化合物を用いてもよい。また、これらのイソシアネート化合物としては、イソシアネート基を、MEKオキシムなどの各種ブロック剤でブロック化した材料を用いてもよい。
いずれの材料を用いた場合においても、ポリオールとイソシアネートを加熱により反応させることでウレタン樹脂を得ることができる。さらに、ポリオールかイソシアネートのいずれか一方、あるいは両方が、分岐構造を有し、官能基数が3個以上であることにより、得られるウレタン樹脂は架橋ウレタン樹脂となる。
[架橋アクリル樹脂]
架橋アクリル樹脂は、高強度であるが、単独で用いると、硬く脆い場合がある。従って、単独膜として電子写真用部材の表面層に用いた場合は、その脆さ故に摺擦による削れによりキズが生じやすい。また、硬いため、トナーへの負荷が大きくなりやすく、フィルミングの原因となることがある。一方で、架橋ウレタン樹脂をマトリックスとして構成される表面層の極めて外表面近傍において、IPN構造として導入される場合は、硬さと脆さが発現しにくく、柔軟性を保持したまま高強度を付与することができる。
架橋アクリル樹脂は、アクリルモノマーの重合により形成される。ここでいうアクリルモノマーとは、単にアクリルモノマーだけでなく、メタクリルモノマーも意味する。即ち、架橋アクリル樹脂は、アクリルモノマーとメタクリルモノマーのいずれか一方、あるいは両方の重合により形成されるものである。
架橋アクリル樹脂が、表面層の極めて外表面近傍において、架橋ウレタン樹脂とのIPN構造を形成させるためには、前述のように、架橋ウレタンを含む樹脂層に、液状のアクリルモノマーを含浸させ、これを硬化させることにより形成される。ここで用いられるアクリルモノマーの種類としては、架橋構造を形成させるために、官能基としてアクリロイル基、またはメタクリロイル基を複数個有する多官能モノマーを含む。一方で、官能基が4個以上になる場合、アクリルモノマーの粘度が著しく高くなるため、架橋ウレタン樹脂からなる樹脂層表面へ染みこみにくく、結果として、IPN構造を形成しにくい。従って、アクリルモノマーとしては、一分子中に含まれる、アクリロイル基とメタクリロイル基の存在数の合計が2個あるいは3個であるモノマーが好ましく、より好ましくは、2個である2官能アクリルモノマーが挙げられる。また、単官能モノマーを必要に応じて組み合わせてもよい。
上記アクリルモノマーの分子量としては、200以上750以下の範囲であることが好ましい。この範囲の分子量を用いることで、架橋ウレタン樹脂の網目構造に対して、IPN構造を形成しやく、効果的に表面層の強度を向上させることができる。
前述のように、アクリルモノマーは架橋ウレタン樹脂を含む樹脂層に含浸される。そのためには、適当な粘度を有する。即ち、高粘度では含浸しにくく、低粘度では含浸状態の制御が困難である。従って、アクリルモノマーの粘度は、25℃において5.0mPa・s以上、140mPa・s以下であることが好ましい。
すなわち、上述の分子量範囲と粘度範囲を満たすアクリルモノマーを、1種類または2種以上選択し、樹脂層に含浸して、重合させることで、架橋ウレタン樹脂と架橋アクリル樹脂とのIPN構造を形成することができる。
アクリルモノマーの重合方法としては特に限定されず、公知の方法を用いることができる。具体的には、加熱や紫外線照射などの方法が挙げられる。
各重合方法に対しては、公知のラジカル重合開始剤やイオン重合開始剤を用いることができる。
加熱して重合する場合の重合開始剤としては、例えば、3-ヒドロキシ-1,1-ジメチルブチルパーオキシネオデカノエート、α-クミルパーオキシネオデカノエート、t-ブチルパーオキシネオヘプタノエート、t-ブチルパーオキシビバレート、t-アミルパーオキシノルマルオクトエート、t-ブチルパーオキシ2-エチルヘキシルカーボネート、ジクミルパーオキサイド、ジ-t-ブチルパーオキサイド、ジ-t-アミルパーオキサイド、1,1-ジ(t-ブチルパーオキシ)シクロヘキサン、n-ブチル-4,4-ジ(t-ブチルパーオキシ)バレレートの如き過酸化物;
2,2-アゾビスブチロニトリル、2,2-アゾビス(4-メトキシ-2,4-ジメチルバレロニトリル)、2,2-アゾビス(2,4-ジメチルバレロニトリル)、2,2-アゾビス(2-メチルブチロニトリル)、1,1-アゾビス(シクロヘキサン-1-カルボニトリル)、2,2-アゾビス[2-(2-イミダゾリン-2-イル)プロパン]、2,2-アゾビス[2-メチル-N-(2-ヒドロキシエチル)プロピオンアミド]、2,2-アゾビス[N-(2-プロペニル)-2-メチルプロピオンアミド]、2,2-アゾビス(N-ブチル-2-メトキシプロピオンアミド)、ジメチル-2,2-アゾビス(イソブチレート)の如きアゾ化合物が挙げられる。
紫外線を照射して重合する場合の重合開始剤としては、例えば、2,2-ジメトキシ-1、2-ジフェニルエタン-1-オン、1-ヒドロキシシクロヘキシルフェニルケトン、2-ヒドロキシ-2-メチル-1-フェニルプロパン-1-オン、1-[4-(2-ヒドロキシエトキシ)-フェニル]-2-ヒドロキシ-2-メチル-1-プロパン-1-オン、2-ヒドロキシ-1-{4-[4-(2-ヒドロキシ-2-メチル-プロピオニル)-ベンジル]-フェニル}-2-メチルプロパン-1-オン、2-メチル-1-[4-(メチルチオ)フェニル]-2-モルフォリノプロパン-1-オン、2-ベンジル-2-ジメチルアミノ-1-(4-モルフォリノフェニル)-ブタン-1-オン、2-ジメチルアミノ-2-(4-メチルベンジル)-1-(4-モルフォリン-4-イル-フェニル)-ブタン-1-オン、ビス(2,4,6-トリメチルベンゾイル)-フェニルホスフィンオキサイド、2,4,6-トリメチルベンゾイル-ジフェニルホスフィンオキサイドが挙げられる。
なお、これらの重合開始剤は、単独で用いてもよく、2種類以上を併用してもよい。
また、重合開始剤の配合量は、特定の樹脂を形成するための化合物(例えば、(メタ)アクリロイル基を有する化合物)全量を100質量部としたときに、効率的に反応を進行させる観点から、0.5質量部以上10質量部以下で使用することが好ましい。
なお、加熱装置や紫外線照射装置は、公知のものを適宜用いることができる。紫外線を照射する光源としては、例えば、LEDランプ、高圧水銀ランプ、メタルハライドランプ、キセノンランプ、及び、低圧水銀ランプ等を用いることができる。重合の際に必要な積算光量については、使用する化合物や重合開始剤の種類や添加量に応じて、適宜、調整することができる。
<SPM弾性率の測定法>
先ず、電子写真用部材の測定する断面の領域をクライオミクロトーム(商品名:EMFC6、ライカマイクロシステムズ社製)にて、-110℃に保持した状態でダイヤモンドナイフを用いて、薄片に切削して切り出す。さらに該薄片から100μm角、深さ方向の幅100μmの試料を作成する。ここで、図4に導電性の基体45上に形成した表面層44の断面概略図を示す。本開示では、図4に示すように、表面層44の外表面から深さ0.1μmまでを第1領域41、外表面から深さ1.0μmから1.1μmまでを第2領域42、外表面から深さ0.5μmから0.6μmまでを第3領域43と規定する。作成した試料の断面に現れる各々の領域において、架橋ウレタン樹脂をバインダーとして含むマトリックスの弾性率を測定する。測定には、SPM装置(商品名:MFP-3D-Origin、オックスフォード・インストゥルメンツ社製)と、探針(商品名:AC160、オリンパス社製)を使用する。このとき、フォースカーブを10回測定し、最高値と最低値を除く8点の算術平均として求め、Hertz理論で弾性率を算出することができる。第1領域41、第2領域42及び第3領域43における該マトリックスの弾性率をそれぞれE1、E2、E3とする。
<相互侵入高分子網目(IPN)構造の確認方法>
IPN構造が形成されていることを確認するには、溶剤抽出による方法、IPN構造を形成する前後でのガラス転移点のシフトにより確認する方法などが挙げられるが、本開示においては、SPM弾性率および熱クロマトグラムのピークトップ温度から確認を行う。
IPN構造を形成する場合、相互の高分子の絡み合いにより、弾性率が高くなる。従って、IPN構造を形成の有無での弾性率の大小関係を確認することで、IPN構造の有無を確認できる。即ち、本実施形態においては、架橋ウレタン樹脂と架橋アクリル樹脂とがIPN構造を形成している外表面および外表面近傍(第1領域)と、外表面より内部(第2領域及び第3領域)の弾性率を比較した場合、前者の方が高い弾性率となる。
また、相互の高分子の絡み合いにより、熱分解温度即ち熱クロマトグラムのピークトップ温度が高温側にシフトする。従って、IPN構造を形成の有無での熱クロマトグラムのピークトップ温度の大小関係を確認することで、IPN構造の有無を確認できる。即ち、本開示においては、架橋ウレタン樹脂とIPN構造を形成している架橋アクリル樹脂と、単独で存在する場合の架橋アクリル樹脂のピークトップを比較した場合、前者の方が高温側にピークトップ温度が存在することとなる。従って、表面層から採取したサンプルにおいて、架橋ウレタン樹脂を分解除去する前後での、架橋アクリル樹脂由来の熱クロマトグラムのピークトップ温度を比較した際に、架橋ウレタン樹脂を分解除去する前のピークトップ温度の方が高い場合、IPN構造を形成していると確認することができる。
ここでいう熱クロマトグラムとは、マイクロサンプリング質量分析法により得ることができる、イオンクロマトグラムという質量スペクトルを意味する。マイクロサンプリング質量分析法の概要を以下に示す。
<マイクロサンプリング質量分析法>
先ず、電子写真用部材の測定する領域をSPM弾性率の測定と同様にクライオミクロトームを用いて、薄片に切削して切り出し、試料を準備する。具体的には、表面層の上記第1領域~第3領域から、それぞれ100μm角、深さ方向の幅0.1μmの試料を作成する。測定には、例えば、ガスクロマトグラフィー質量分析装置(「Polaris Q」(商品名、Thermo Electron社製)に搭載されている、イオントラップ型質量分析装置を使用する。プローブの先端に位置するフィラメントに試料を固定し、イオン化チャンバーの中に直接挿入する。その後、一定の加熱速度で室温から温度1000℃まで急速に加熱する。加熱により分解し、蒸発した試料を電子ビームの照射によりイオン化し、質量分析計により検出する。このとき、加熱速度が一定の条件では、トータル・イオン・クロマトグラム(TIC)と呼ばれる質量スペクトルを持つ、TG-MS(熱重量-質量同時分析)法に類似した熱クロマトグラムが得られる。また、所定の質量のフラグメントに対する熱クロマトグラムも得ることができるため、所望の分子構造の分解温度に相当する、熱クロマトグラムのピーク温度を得ることができる。熱クロマトグラムのピーク温度は、樹脂の構造体における、架橋構造に相関があり、架橋が密になるほど、ピーク温度としては高温側にシフトすることとなる。
本実施形態の電子写真用部材においては、表面層の極めて外表面近傍で、架橋ウレタン樹脂と架橋アクリル樹脂とのIPN構造を形成することで高温環境においても両者が近接位置で保持される。これにより、架橋ウレタン樹脂と架橋アクリル樹脂の分子間力の相互作用が、高温環境においても発揮できるため、高温環境でも摺動による表面の削れによるキズが抑制される。架橋アクリル樹脂とのIPN構造を形成することにより、架橋ウレタン樹脂周辺の架橋密度が相対的に増大することで、表面層の外表面が、より強固になり、削れによるキズの抑制効果が高くなる。
よって、本実施形態の電子写真部材は、導電性の基体と、単層の表面層と、を有する電子写真部材であって、該表面層は、架橋ウレタン樹脂をマインダーとして含むマトリックスを有する。そして該表面層の第1領域におけるマトリックスの弾性率をE1、該外表面から深さ1.0μmから1.1μmまでの第2領域のマトリックスの弾性率をE2としたとき、E1及びE2が以下の式(1)及び(2)を同時に満足する。このとき、効果的に表面層の外表面の高強度化を保持したまま、表面層の柔軟性を十分に保持でき、表面層の削れによるキズとフィルミングがより高い次元で抑制できる。
E1≧200MPa (1);
10MPa≦E2≦100MPa (2)。
また、前記断面において測定される、前記表面層の外表面から深さ0.5μmから0.6μmまでの第3領域のマトリックスの弾性率をE3としたとき、E1およびE3が下記式(3)を満たすことが好ましい。式(3)を満たすとき、効果的に表面層の外表面の高強度化を保持したまま、表面層の柔軟性を十分に保持でき、表面層の削れによるキズとフィルミングがより高い次元で抑制できる。
(E1-E3)/E3>1 (3)。
本実施形態の表面層は架橋アクリル樹脂を含むことで、架橋アクリル樹脂が架橋ウレタン樹脂に対してIPN構造を形成し、効果的に表面層の外表面が高強度化されており、表面層の削れによるキズとフィルミングがより高い次元で抑制できる
本実施形態の架橋アクリル樹脂が架橋ウレタン樹脂に対してIPN構造を形成していることは、その組成物中の架橋ウレタン樹脂を分解除去する前後における、架橋アクリル樹脂由来のフラグメントの熱クロマトグラムのピーク温度の差を確認すればよい。即ち、前述の第1領域からサンプリングされる第1の試料から測定される架橋アクリル樹脂に由来する熱クロマトグラムのピークトップ温度をA1(℃)とする。また、第1の試料が含む架橋ウレタン樹脂を分解して得られる第2の試料から測定される該架橋アクリル樹脂に由来する熱クロマトグラムのピークトップ温度をA2(℃)とする。A1およびA2が下記式(4)で示される関係を満たすとき、効果的に表面層の外表面が高強度化されており、表面層の削れによるキズとフィルミングがより高い次元で抑制できるため、好ましい。
A1>A2 (4)。
また、本実施形態の電子写真用部材においては、表面層の前述の第1領域と第2領域とが、以下の式(5)の関係を満足することが好ましい。
T1>T2 (5)。
式(5)において、T1は第1領域の架橋ウレタン樹脂に由来する熱クロマトグラムのピークトップ温度(℃)であり、T2は前述の第2領域に含まれる架橋ウレタン樹脂由来する熱クロマトグラムのピークトップ温度(℃)である。上記式(5)を満たすとき、より効果的に表面層の外表面が高強度化されており、表面層の削れによるキズとフィルミングがより高い次元で抑制できる。
また、上記のT1及びT2が下記式(6)を満たすとき、架橋アクリル樹脂によるIPN構造が適正に形成され、外表面の強度を十分に保つことができるため、より好ましい。
(T1-T2)>1.0 (6)。
高温環境下での多数枚の画像形成の際の、電子写真用部材の表面の削れによるキズの発生の抑制と、トナーによる汚染、即ちフィルミングの発生の抑制とを、高い次元で達成することを目的としている。従って、架橋アクリル樹脂などによるIPN構造は、表面層における極めて外表面近傍に形成されることが好ましい。なぜなら、このような構成とすることにより、トナーに対する負荷を、より一層軽減することが可能となるためである。よって、下記式(7)および(8)を満たすことがより好ましい。
T1>T3 (7)
|T1-T3|>|T3-T2| (8)。
ここで、T1及びT2は上記の意味であり、T3は、前述の第3領域における、架橋ウレタン樹脂に由来する熱クロマトグラムのピークトップ温度である。上記の式(7)、および式(8)を満たすとき、IPN構造は、表面層の表面から1μm未満の深さに大部分が形成されていることを示している。従って、表面層の削れによるキズの発生と、フィルミングの発生とを高い次元で抑制することができる。
前述の表面層中に、変性シリコーン化合物、変性フッ素化合物、のいずれか一種または複数種を含有するとき、アクリルモノマーが外表面付近に留まり、IPN構造を極めて外表面近傍に局所的に形成できる。また、アクリルモノマーが表面層の深くまで浸透することを抑制でき、表面層の適度な柔軟性を保持できる。このため、表面層の削れによるキズの発生と、フィルミングの発生とをより高い次元で抑制することができる。
該架橋アクリル樹脂を形成するモノマーが、官能基としてアクリロイル基、またはメタクリロイル基を複数個有する多官能モノマーであって、一分子中に含まれる、アクリロイル基とメタクリロイル基の存在数の合計が2個あるいは3個であることが好ましい。このとき、効果的に該モノマーが外表面付近に留まり、IPN構造を極めて外表面側に局所的に形成するため、表面層の削れによるキズの発生と、フィルミングの発生とを高い次元で抑制することができる。
[フィラー]
また、表面層の補強効果を高める目的でフィラーを含有してもよい。
絶縁性フィラーとして以下のものが挙げられる。石英微粉末、シリカ粒子、ケイソウ土、酸化亜鉛、塩基性炭酸マグネシウム、活性炭酸カルシウム、ケイ酸マグネシウム、ケイ酸アルミニウム、二酸化チタン、タルク、雲母粉末、硫酸アルミニウム、硫酸カルシウム、硫酸バリウム、ガラス繊維、有機補強剤、有機充填剤。これらのフィラーの表面は有機珪素化合物、例えば、ポリジオルガノシロキサンで処理して疎水化しても良い。絶縁性フィラーとしては、表面層内の均一分散性が良好であることから、シリカ粒子が好適に用いられる。さらに、シリカ粒子の中でも、シリカ粒子の表面を疎水化処理したシリカ粒子が特に好適に用いられる。シリカ粒子の含有率は、表面層を形成する樹脂成分100質量部に対して0.5質量%以上20質量%以下であることが好ましい。
表面層の補強性能及び導電性を考慮すると、シリカ粒子の一次粒子径は、個数平均一次粒径が10nm以上120nm以下の範囲内にあることが好ましく、15nm以上80nm以下の範囲内にあることがより好ましく、15nm以上40nm以下の範囲内にあることが特に好ましい。なお、個数平均一次粒径は、次のようにして測定される。走査電子顕微鏡でシリカ粒子を観察し、視野中の100個の粒子の粒子径を測定して平均粒子径を求める。
導電性フィラーとしては以下のものが挙げられる。カーボンブラック、グラファイト等の炭素系物質;アルミニウム、銀、金、錫-鉛合金、銅-ニッケル合金等の金属或いは合金;酸化亜鉛、酸化チタン、酸化アルミニウム、酸化錫、酸化アンチモン、酸化インジウム、酸化銀等の金属酸化物;各種フィラーに銅、ニッケル、銀等の導電性金属めっきを施した物質。導電性フィラーとしては、導電性の制御が容易であり、また安価であるといった理由から、カーボンブラックが特に好適に用いられる。中でも、表面層内の均一分散性が良好であることから、比較的一次粒子径が小さく、疎水傾向を維持しているものが特に好適に用いられる。表面層の補強性能及び導電性を考慮すると、カーボンブラックの一次粒子径は、個数平均一次粒径が20nm以上60nm以下の範囲内にあることが好ましい。カーボンブラックの表面特性については、pHが3.0以上8.0以下のものが好ましい。また、カーボンブラックの含有率は、表面層を形成する樹脂成分100質量部に対して5質量%以上45質量%以下であることが好ましい。
[その他の成分]
また、表面層には、これまでに記述したもの以外に、上記機能を阻害しない範囲で、架橋剤、架橋助剤、可塑剤、充填剤、増量剤、加硫剤、加硫助剤、酸化防止剤、老化防止剤、加工助剤、分散剤、レベリング剤の如き各種添加剤を含有させることができる。
[電子写真プロセスカートリッジおよび電子写真画像形成装置]
本開示の電子写真画像形成装置は、静電潜像を担持するための像担持体と、該像担持体を一次帯電するための帯電装置と、一次帯電された該像担持体に静電潜像を形成するための露光装置と、該静電潜像をトナーにより現像してトナー像を形成するための現像装置と、該トナー像を転写材に転写するための転写装置とを有する装置である。図2は、本開示の一態様に係る電子写真画像形成装置の概略を示す断面図である。
図3は、図2の電子写真画像形成装置に装着されるプロセスカートリッジの拡大断面図である。このプロセスカートリッジは、感光ドラムなどの像担持体21と、帯電部材22を具備する帯電装置と、現像部材24を具備する現像装置と、クリーニング部材30を具備するクリーニング装置とを内蔵している。そして、プロセスカートリッジは、図2の電子写真画像形成装置の本体に着脱可能に構成されている。
像担持体21は、不図示のバイアス電源に接続された帯電部材22によって一様に帯電(一次帯電)される。このときの像担持体21の帯電電位は-800V以上-400V以下である。次に、像担持体21は、静電潜像を書き込むための露光光23を、不図示の露光装置により照射し、その表面に静電潜像が形成される。露光光23には、LED光、レーザー光のいずれも使用することができる。露光された部分の像担持体21の表面電位は-200V以上-100V以下である。
次に、現像部材24によって負極性に帯電したトナーが静電潜像に付与(現像)され、像担持体21上にトナー像が形成され、静電潜像が可視像に変換される。このとき、現像部材24には不図示のバイアス電源によって-500V以上-300V以下の電圧が印加される。なお、現像部材24は、像担持体21と0.5mm以上3mm以下のニップ幅をもって接触している。本開示の一態様に係るプロセスカートリッジにおいては、トナー規制部材である現像ブレード26と現像部材24との当接部に対して現像部材24の回転の上流側に、トナー供給ローラ25が回転可能な状態で現像部材24に当接される。
像担持体21上で現像されたトナー像は、中間転写ベルト27に1次転写される。中間転写ベルト27の裏面には1次転写部材28が当接しており、1次転写部材28に+100V以上+1500V以下の電圧を印加することで、負極性のトナー像を像担持体21から中間転写ベルト27に1次転写する。1次転写部材28はローラ形状であってもブレード形状であってもよい。
電子写真画像形成装置がフルカラー画像形成装置である場合、上記の帯電、露光、現像、1次転写の各工程を、イエロー色、シアン色、マゼンタ色、ブラック色の各色に対して行う。そのために、図2に示す電子写真画像形成装置では、前記各色のトナーを内蔵したプロセスカートリッジが各1個、合計4個、電子写真画像形成装置本体に対し着脱可能な状態で装着されている。そして、上記の帯電、露光、現像、1次転写の各工程は、所定の時間差をもって順次実行され、中間転写ベルト27上に、フルカラー画像を表現するための4色のトナー像を重ね合わせた状態が作り出される。
中間転写ベルト27上のトナー像は、中間転写ベルト27の回転に伴って、2次転写部材29と対向する位置に搬送される。中間転写ベルト27と2次転写部材29との間には所定のタイミングで記録用紙の搬送ルート32に沿って記録用紙が搬送されてきており、2次転写部材29に2次転写バイアスを印加することにより、中間転写ベルト27上のトナー像を記録用紙に転写する。このとき、2次転写部材29に印加されるバイアス電圧は、+1000V以上+4000V以下である。2次転写部材29によってトナー像が転写された記録用紙は、定着装置31に搬送され、記録用紙上のトナー像を溶融させて記録用紙上に定着させた後、記録用紙を電子写真画像形成装置の外に排出することで、プリント動作が終了する。
なお、像担持体21から中間転写ベルト27に転写されることなく像担持体21上に残存したトナーは像担持体21表面をクリーニングするためのクリーニング部材30により掻き取られ、像担持体21の表面はクリーニングされる。
以下に、現像ローラを例として、具体的な実施例を挙げて本開示のいくつかの態様について、更に詳細に説明する。電子写真用部材としての本開示の技術的範囲はこれらの具体的な態様に限定されるものではない。
〔実施例1〕
[1.導電性の基体の作製]
外径6mm、長さ270mmのSUS304製の芯金にプライマー(商品名:DY35-051、東レ・ダウコーニング社製)を塗布し、温度150℃で20分間加熱した。この芯金を内径12.0mmの円筒状金型内に同心となるように設置した。
中間層の材料として、下記表1に示す材料を混練機(商品名:トリミックスTX-15、井上製作所社製)で混合した付加型シリコーンゴム組成物を温度115℃に加熱した金型内に注入した。材料注入後、温度120℃にて10分間加熱成型し、室温まで冷却後、金型から脱型し、芯金の外周に厚み3.0mmの中間層が形成された導電性の基体(弾性ローラ)を得た。
Figure 0007328114000001
[表面層の形成]
表面層の形成に当たっては、まず、樹脂層を形成する。樹脂層の材料として、下記表2中の、粗さ形成粒子以外の材料を撹拌混合した。その後、固形分濃度30質量%になるようにメチルエチルケトン(キシダ化学株式会社製)に溶解し、混合した後、サンドミルにて均一に分散した。この混合液にメチルエチルケトンを加え固形分濃度25質量%に調整したものに表2の粗さ形成粒子の欄に示す材料を加え、ボールミルで攪拌分散して、樹脂層用塗料1を得た。前記弾性ローラを、この塗料中に浸漬して塗工することにより樹脂層の膜厚が約15μmとなるように塗布した。その後、温度135℃にて60分間加熱して、塗膜を乾燥、硬化して樹脂層を形成した。
Figure 0007328114000002
続いて、アクリルモノマーの含浸、硬化処理を下記の方法で行う。含浸処理用の含浸処理液の材料として、下記表3に示す材料を溶解混合した。樹脂層の形成された弾性ローラを、この含浸処理液中に2秒間浸漬し処理を行い、アクリルモノマー成分を含浸させた。その後、常温で30分間風乾を行い、90℃で1時間乾燥して、溶剤を揮発させた。乾燥後の弾性ローラを、回転させながら、積算光量が15000mJ/cmとなるように紫外線を照射することにより、アクリルモノマーを硬化させて、表面層を形成させた。なお、紫外線照射装置として、高圧水銀ランプ(商品名:ハンディータイプUV硬化装置、マリオネットワーク社製)を用いた。
Figure 0007328114000003
得られた現像ローラについて、以下の評価を行った。
[評価方法]
<SPM弾性率の測定>
前述したSPM弾性率の測定法により、第1領域~第3領域の弾性率E1~E3を求めた。さらに、下記式(3)の左辺に得られた弾性率E1及びE3を代入して(E1-E3)/E3の値を求めた。結果を表7に示す。
(E1-E3)/E3>1 (3)
<T1,T2,T3,A1,A2の測定>
前述したマイクロサンプリング質量分析法により、前述の第1領域~第3領域の各々の領域からサンプリングされる試料の熱クロマトグラムを得た。得られた熱クロマトグラムから、第1領域、第2領域、第3領域のそれぞれの領域における架橋ウレタン樹脂に由来する熱クロマトグラムのピークトップ温度、T1、T2、T3を得た。また、第1領域の第1の試料から架橋アクリル樹脂に由来する熱クロマトグラムのピークトップ温度A1、さらに、該第1の試料が含む架橋ウレタン樹脂を分解して得られる第2の試料から測定される該架橋アクリル樹脂に由来する熱クロマトグラムのピークトップ温度A2を得た。
なお、第2、第3領域については、ゴムロール鏡面加工機(商品名:SZC、水口製作所社製)を用いて、ローラ表面を所定の深さ分だけ研磨、除去して、新たに現れた面から、同様にミクロトームによる薄片への切削を行う。さらに該薄片からマイクロサンプリング質量分析用の試料(第3の試料及び第4の試料)を採取した。また、A2については、後述するピリジン分解法により、架橋ウレタンを分解した後に得られる第2の試料において、マイクロサンプリング質量分析法を行うことにより得た値である。いずれの値も、5回の測定によって得られた各ピーク温度を、算術平均して得られた値である。結果を表7に示す。
<ピリジン分解法>
ピリジン分解法はウレタン結合を選択的に分解する方法である。架橋アクリル樹脂と架橋ウレタン樹脂のIPN構造を有するサンプルにおいて、ピリジン分解法を行うことで、架橋ウレタンに由来する構造を除去した後の、架橋アクリル樹脂を得ることができ、IPN構造の有無による熱クロマトグラムのピーク温度の変化をとらえることができる。ピリジン分解法は具体的には以下の方法で行う。
ミクロトームを用いて、現像ローラの表面から0.1μmの厚さで、サンプルを切り出し、500mg分を収集する。得られたサンプルに対して、ピリジン(和光純薬社製)と水を3:1で混合した混合液を、0.5mL加え、ステンレスジャケット付きフッ素樹脂(「テフロン」(登録商標))製密閉容器中で、130℃で15時間加熱することにより分解を行う。得られた分解物を減圧処理することにより、ピリジンを除去した。こうして得られたサンプルを用いて、上述のマイクロサンプリング質量分析法を行い、A2の値を得た。
<耐久性評価>
(キズ評価)
現像ローラ1を、カラーレーザープリンタ(商品名:HP Color LaserJet Enterprise M652dn、HP社製)用のプロセスカートリッジに装着し、該プロセスカートリッジを該カラーレーザープリンタに装着して現像ローラ表面の削れによるキズの状態とフィルミング状態を評価した。評価結果を下記表7に示す。尚、評価には上記カラーレーザープリンタ用のシアンプロセスカートリッジ(商品名:HP 656X High Yield Cyan Original LaserJet Toner Cartridge、HP社製)を使用した。評価手順は以下の通りである。
温度30℃、相対湿度95%の高温高湿環境下に前記シアンプロセスカートリッジを16時間放置後、同環境下にて極めて多数枚印刷における評価を行うため、印字率0.2%の低印字画像を記録用紙に連続して出力した。但し、印字によりトナーが消費される為、5万枚出力する毎に、該プロセスカートリッジ内のトナー重量が100gになるようにトナーの補充を行った。20万枚の印刷が終了した後、プロセスカートリッジから、現像ローラ1を取り外し、ローラ表面をエアブローして表面にコートされているトナーを除去し、ローラの表面状態を目視で観察し、以下の基準で評価した。
評価基準
ランク「A」:表面に削れによるキズが確認できない。
ランク「B」:キズが確認できるが、最も大きいキズでも長さが1mm未満。
ランク「C」:1mm以上のキズの発生が確認できる。
(フィルミング)
またローラ表面をレーザー顕微鏡(商品名:VK-8700、キーエンス社製)で、20倍の対物レンズを用いて観察し、下記の基準でフィルミングの状態を評価した。
評価基準
ランク「A」:ローラの全表面積に対する固着トナーの面積が5%以下。
ランク「B」:ローラの全表面積に対する固着トナーの面積が5%超~15%以下。
ランク「C」:ローラの全表面積に対する固着トナーの面積が15%超。
(実施例2~10、13~15)
実施例1と同様の方法により、表4に示す材料で、それぞれの樹脂層用塗料を調製し、表5に示す材料でそれぞれの含浸処理液を調製し、さらに表6に示す通りの組み合わせでそれぞれの現像ローラを作製した。得られた現像ローラについては、実施例1と同様の方法でそれぞれ評価を行った。評価結果を表7に示す。
(実施例11)
樹脂層用塗料の粗さ形成粒子を混合する前の固形分濃度を20質量%とすることで、樹脂層の膜厚を5μmに変更した。それ以外は、実施例1と同様の方法により、表4に示す材料で、樹脂層用塗料を調製し、表5に示す材料で含浸処理液を調製し、さらに表6に示す通りの組み合わせで現像ローラを作製した。得られた現像ローラについては、実施例1と同様の方法で評価を行った。評価結果を表7に示す。
(実施例12)
樹脂層用塗料の粗さ形成粒子を混合する前の固形分濃度を32質量%とすることで、樹脂層の膜厚を30μmに変更した。それ以外は、実施例1と同様の方法により、表4に示す材料で、樹脂層用塗料を調製し、表5に示す材料で含浸処理液を調製し、さらに表6に示す通りの組み合わせで現像ローラを作製した。得られた現像ローラについては、実施例1と同様の方法で評価を行った。評価結果を表7に示す。
(比較例1~4、6)
実施例1と同様の方法により、表4に示す材料で、それぞれの樹脂層用塗料を調製し、表5に示す材料でそれぞれの含浸処理液を調製し、さらに表6に示す通りの組み合わせでそれぞれの現像ローラを作製した。得られた現像ローラについては、実施例1と同様の方法でそれぞれ評価を行った。評価結果を表7に示す。
(比較例5)
特許文献1の実施例に記載される光重合性ポリマーAを含む合成液得た。具体的には、100mLの反応フラスコに、アクリレート変性シリコーンオイル(信越化学工業社製、「X-22-174DX」)1.66g(0.36mmol)と、2-(パーフルオロヘキシル)エチルアクリレート(ダイキン工業社製、「R-1620」)5.61g(13mmol)と、メタクリル酸2-ヒドロキシエチル(東京化成工業社製)1.69g(13mmol)と、メタクリル酸メチル(純正化学工業社製)7.37g(73.64mmol)と、ジメチル1,1’-アゾビス(1-シクロヘキサンカルボキシレート)(富士フイルム和光純薬社製、「VE-73」)1.24g(4mmol)と、メチルエチルケトン(MEK)75gとを仕込み、撹拌しながら5分間窒素によるバブリングを行った後、内液の温度75℃にて7時間重合させて共重合体を生成させた。その後、この反応フラスコに2-イソシアナトエチルメタクリレート(昭和電工社製、「カレンズMOI」)2.02g(13mmol)とビスマストリス(2-エチルヘキサノエート)(富士フイルム和光純薬社製)0.001gとを加えた後、内液の温度75℃にて10時間撹拌することにより、上記共重合体におけるメタクリル酸2-ヒドロキシエチルに基づく重合単位の水酸基と2-イソシアナトエチルメタクリレートのイソシアネート基とを反応させ、光重合性ポリマーAを含む溶液を得た。これを、含浸処理剤の材料として用いた以外は、実施例1と同様の方法により、表4に示す材料で、樹脂層用塗料を調製し、表5に示す材料で含浸処理液を調製し、さらに表6に示す通りの組み合わせで現像ローラを作製した。得られた現像ローラについては、実施例1と同様の方法で評価を行った。評価結果を表7に示す。
(比較例7)
アクリルモノマーの含浸と硬化処理を行わない以外は、実施例1と同様の方法により、表4に示す材料で、樹脂層用塗料を調製し、現像ローラを作製した。得られた現像ローラについては、実施例1と同様の方法で評価を行った。評価結果を表7に示す。
(比較例8)
特開2017-049282号公報の実施例に記載される表面改質剤Aを樹脂層用塗料の材料として用いて、表4に示す材料で、樹脂層用塗料を調製し、表6に示す通りの組み合わせで現像ローラを作製した。得られた現像ローラについては、実施例1と同様の方法で評価を行った。評価結果を表7に示す。
Figure 0007328114000004
※表中の数字は各材料の配合量を質量部で表すものである。
※表中に記載される材料はそれぞれ以下のものである。
・「PTGL1000」:商品名;保土谷化学工業社製 ポリオール。
・「PTGL3500」:商品名;保土谷化学工業社製 ポリオール。
・「MR-400」(「ミリオネートMR-400」;商品名;東ソー社製 イソシアネート化合物(ポリメリックMDI)。
・「ME-8115LP」(「レザミンME-8115LP」);商品名;大日精化工業社製 熱可塑性ウレタン樹脂。
・「SUNBLACK X15」(商品名;旭カーボン社製 カーボンブラック(揮発分:2.1%)。
・「MSP-013」:商品名;テイカ社製 疎水処理シリカ。
・「50HB-100」(ニューポール 50HB-100):商品名;三洋化成工業社製 モノオール(ポリ(オキシエチレンオキシプロピレン)グリコールモノブチルエーテル、分子量Mn=510)。
・「TSF4445」:商品名;モメンティブ・パフォーマンス・マテリアルズ・ジャパン社製 変性シリコーン化合物
・「メガファックF430」:商品名;DIC社製 変性フッ素化合物
・表面改質剤A:特開2017-049282号公報の実施例に記載の表面改質剤A
・UCN-5090:製品名 「ダイミックビーズUCN-5090」 大日精化工業社製 架橋ウレタン樹脂粒子 平均粒径9μm
・UCN-5070:製品名 「ダイミックビーズUCN-5070」 大日精化工業社製 架橋ウレタン樹脂粒子 平均粒径7μm
・UCN-5150:製品名 「ダイミックビーズUCN-5150」 大日精化工業社製 架橋ウレタン樹脂粒子 平均粒径15μm
・C-200:製品名 「アートパールC-200透明」 根上工業社製 架橋ウレタン樹脂粒子 平均粒径32μm
・C-1000:製品名 「アートパールC-1000透明」 根上工業社製 架橋ウレタン樹脂粒子 平均粒径3μm
・CE-300TH(「アートパールCE-300TH」):商品名;根上工業社製 架橋ウレタン樹脂粒子、平均粒径23μm。
Figure 0007328114000005
※表中の数字は各材料の配合量を質量部で表すものである。
※表中に記載される材料はそれぞれ以下のものである。
・EBECRYL145:ダイセル・オルネクス社製 2官能アクリルモノマー
・TMPTA:ダイセル・オルネクス社製 3官能アクリルモノマー
・EBECRYL11:ダイセル・オルネクス社製 2官能アクリルモノマー
・ペンタエリスリトール トリアクリレート:新中村化学工業社製 3官能アクリルモノマー
・NKエステル9G:新中村化学工業社製 2官能アクリルモノマー
・NKエステル14G:新中村化学工業社製 2官能アクリルモノマー
・光重合性ポリマーA溶液(20質量%溶液): 特許文献1の実施例に記載の光重合性アクリルポリマー
・IRGACURE184:BASF社製 光重合開始剤
Figure 0007328114000006
Figure 0007328114000007
※比較例5について、架橋ウレタン樹脂に由来する熱クロマトグラムのピークトップ温度、T1、T3が得られなかったことから、該第1領域と該第3領域は主に架橋アクリル樹脂で構成されていると考えられる。
〔評価結果の考察〕
実施例1~15の電子写真用部材は、いずれも、表面層の弾性率E1及びE2が本開示で規定する式(1)及び(2)を同時に満足している。その結果、高温環境における極めて多数枚の印刷による耐久評価においても、削れによるキズの発生とフィルミングが抑えられている。
比較例1、3では、弾性率E1は式(1)を満たすが、弾性率E2が式(2)を満たさず、フィルミングが悪化した。比較例5では表面層が全体的に硬くなりすぎたため、キズ及びフィルミングのいずれも悪化した。比較例2、4、7、8では弾性率E1が式(1)を満たないため、キズが悪化した。比較例6では、表面層のマトリックスがバインダーとして熱可塑性ウレタン樹脂を含み、架橋ウレタン樹脂ではないためIPN構造が形成できず、キズ及びフィルミングのいずれも悪化した。
1:表面層
2:軸芯体
3:中間層
21:像担持体
22:帯電部材
23:露光光
24:現像部材
25:トナー供給ローラ
26:現像ブレード
27:中間転写ベルト
28:1次転写部材
29:2次転写部材
30:クリーニング部材
31:定着装置
32:記録用紙の搬送ルート
41:第1領域
42:第2領域
43:第3領域
44:表面層
45:導電性の基体

Claims (12)

  1. 導電性の基体と、
    該基体上の単層の表面層と、
    を有する電子写真部材であって、
    該表面層は、架橋ウレタン樹脂をバインダーとして含むマトリックスを有し、
    該表面層の厚み方向の断面において測定される、該表面層の外表面から深さ0.1μmまでの第1領域における該マトリックスの弾性率をE1とし、
    該外表面から深さ1.0μmから1.1μmまでの第2領域における該マトリックスの弾性率をE2としたとき、下記式(1)及び(2):
    E1≧200MPa (1);
    10MPa≦E2≦100MPa (2)
    を満たすことを特徴とする電子写真用部材。
  2. 前記表面層の厚み方向の断面において測定される、前記表面層の外表面から深さ0.5μmから0.6μmまでの第3領域における前記マトリックスの弾性率をE3としたとき、前記E1およびE3が、下記式(3):
    (E1-E3)/E3>1 (3)
    を満たす請求項1に記載の電子写真用部材。
  3. 前記表面層は、架橋アクリル樹脂を含み、該架橋アクリル樹脂が前記架橋ウレタン樹脂と相互侵入高分子網目構造を形成している請求項1又は2に記載の電子写真用部材。
  4. 前記架橋アクリル樹脂を形成するモノマーが、官能基としてアクリロイル基、またはメタクリロイル基を複数個有する多官能モノマーであって、一分子中に含まれる、アクリロイル基とメタクリロイル基の存在数の合計が2個あるいは3個である請求項3に記載の電子写真用部材。
  5. 前記第1領域からサンプリングされる、第1の試料から測定される該架橋アクリル樹脂に由来する熱クロマトグラムのピークトップ温度をA1(℃)とし、
    該第1の試料が含む架橋ウレタン樹脂を分解して得られる第2の試料から測定される該架橋アクリル樹脂に由来する熱クロマトグラムのピークトップ温度をA2(℃)としたとき、下記式(4):
    A1>A2 (4)
    を満たす請求項3又は4に記載の電子写真用部材。
  6. 前記第1領域からサンプリングされる、第1の試料から測定される該架橋ウレタン樹脂に由来する熱クロマトグラムのピークトップ温度をT1(℃)とし、
    前記第2領域からサンプリングされる、第3の試料から測定される該架橋ウレタン樹脂に由来する熱クロマトグラムのピークトップ温度をT2(℃)としたとき、T1およびT2が下記式(5):
    T1>T2 (5)
    を満たす請求項1~5のいずれか一項に記載の電子写真用部材。
  7. 前記T1およびT2が、下記式(6):
    (T1-T2)>1.0 (6)
    を満たす請求項6に記載の電子写真用部材。
  8. 前記表面層の厚み方向の断面において測定される、前記表面層の外表面から深さ0.5μmから0.6μmまでの第3領域からサンプリングされる、第4の試料から測定される該架橋ウレタン樹脂に由来する熱クロマトグラムのピークトップ温度をT3(℃)としたときに、T1、T2およびT3が下記式(7)および式(8):
    T1>T3 (7);
    |T1-T3|>|T3-T2| (8)
    を満たす請求項6又は7に記載の電子写真用部材。
  9. 前記表面層が、さらに、変性シリコーン化合物、変性フッ素化合物、のいずれか一種または複数種を含有する、請求項1~8のいずれか一項に記載の電子写真用部材。
  10. 電子写真装置の本体に着脱可能に構成されている電子写真プロセスカートリッジであって、請求項1~9のいずれか一項に記載の電子写真用部材を有していることを特徴とする電子写真プロセスカートリッジ。
  11. 前記電子写真用部材を現像部材として具備している請求項10に記載の電子写真プロセスカートリッジ。
  12. 静電潜像を担持するための像担持体と、該像担持体を一次帯電するための帯電装置と、一次帯電された該像担持体に静電潜像を形成するための露光装置と、該静電潜像をトナーにより現像してトナー像を形成するための現像部材と、該トナー像を転写材に転写するための転写装置とを有する画像形成装置において、該現像部材が請求項1~9のいずれか一項に記載の電子写真用部材であることを特徴とする電子写真画像形成装置。
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