JP6738124B2 - 転写搬送装置及び画像形成装置 - Google Patents

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Description

本発明は、転写搬送装置及び画像形成装置に関する。
下記特許文献1には、画像形成装置等に使用される転写搬送装置が記載されている。特許文献1に記載の転写搬送装置は、用紙を搬送して、感光体ドラムのトナー像を当該用紙に転写するために、駆動ローラと従動ローラとの間に張架された無端状ベルトを用いている。また、特許文献1に記載の転写搬送装置は、無端状ベルトに摺動してクリーニングするブレードを備えている。特許文献1には、当該ブレードを、無端状ベルトが駆動ローラから離間する僅かに下流に設けることによって、ベルト自体の搬送性を損なうことなく、かつ充分なクリーニング効果が得られることが記載されている。
特許第2838550号公報
複写機、プリンタ、ファクシミリ、複合機等の電子写真式の画像形成装置は、一般に、感光体ドラム、帯電装置、露光装置、現像器、転写装置、クリーニング装置、定着器等を備えている。感光体ドラムの表面上に形成されたトナー像は、転写装置によって用紙に転写される。転写されたトナー像は、定着器によって用紙に定着させられる。
上述のような画像形成装置においては、用紙を安定に搬送して印刷の高速化を図るために、上記転写装置として、ゴム製の無端状ベルトを用いた転写搬送装置が採用されることが、近年多くなっている。このような転写搬送装置においては、無端状ベルトが駆動ローラと従動ローラとの間に張架されて回転する。この無端状ベルトに用紙を静電的に吸着させることにより、当該用紙を感光体ドラムと転写ローラとの間に搬送し、転写ローラによって感光体ドラム上のトナー像を電気的に用紙に転写する。その後、無端状ベルトによって、用紙を下流に設けられた定着器まで搬送する。
また、無端状ベルトには、トナー像を構成していたトナーの一部が付着してしまうことがある。そのようなトナーは、用紙の裏面を汚す原因となってしまう。そのため、上記特許文献1に記載の転写搬送装置のように、無端状ベルトに摺動してクリーニングするブレードを設ける方法が知られている。このブレードによって無端状ベルトに付着したトナーを十分に除去することにより、用紙の裏面の汚れは抑制される。
しかしながら、以下のような理由により、無端状ベルトによって用紙を安定して搬送することと、無端状ベルトに摺動するブレードによって無端状ベルトに付着したトナーを十分に除去することを両立させることは難しい場合がある。
即ち、無端状ベルトへの用紙の吸着力が大きい場合、用紙の搬送が安定するのに対して、無端状ベルトのトナーに対する電気鏡映力が大きいため、無端状ベルトへのトナーの付着力も増加する。そのため、無端状ベルトに付着したトナーを十分に除去することが難しくなる。また、無端状ベルトへの用紙の吸着力が小さい場合、無端状ベルトに付着したトナーを除去するこが容易になるのに対して、無端状ベルトから用紙が離間し易くなるため、用紙の搬送が不安定になる。
そして、無端状ベルトへの用紙の吸着力と、無端状ベルトへのトナーの付着力は、無端状ベルトを使用し続けることにより変化し(以下、「耐久変化」という場合がある)、また、外部環境に依存して変化する。具体的には、耐久変化が進むと、無端状ベルトへの用紙の吸着力、及び、無端状ベルトへのトナーの付着力が増加する。また、高温高湿の環境下では、無端状ベルトへの用紙の吸着力、及び、無端状ベルトへのトナーの付着力は減少するのに対して、低温低湿の環境下では、無端状ベルトの用紙に対する吸着力、及び、無端状ベルトへのトナーの付着力は増加する。
そのため、ある時点で無端状ベルトによって用紙を安定して搬送することと、無端状ベルトに摺動するブレードによって無端状ベルトに付着したトナーを十分に除去することが十分な程度で両立されていたとしても、耐久変化が進んだり、使用環境が変化したりすることで、用紙を安定して搬送することと、無端状ベルトに摺動するブレードによって無端状ベルトに付着したトナーを十分に除去することの一方が十分に達成されなくなってしまう。例えば、耐久変化が進むと、無端状ベルトへの用紙の吸着力が増加するため、特に低温低湿の環境下では、無端状ベルトへのトナーの吸着力が大きくなり過ぎてしまい、無端状ベルトからトナーを十分に除去することが難しくなる場合がある。そのような問題を防ぐために使用初期における無端状ベルトへの用紙の吸着力が小さくなるように無端状ベルトを形成すると、耐久変化が進んでも無端状ベルトからトナーを除去することは可能となるが、使用初期における無端状ベルトの用紙に対する吸着力が小さいため、特に高温高湿の環境下では無端状ベルトから用紙が離間し易くなるため、用紙の搬送が不安定になってしまう。
以上のような理由に基づき、従来の転写搬送装置では、無端状ベルトによって用紙を安定して搬送することと、無端状ベルトに付着したトナーを十分に除去することを両立させることは難しい場合があった。
本発明はこのような課題に鑑みてなされたものであり、無端状ベルトによって用紙を安定して搬送することと、無端状ベルトに付着したトナーを十分に除去することを両立させることが容易な転写搬送装置、及び、そのような転写搬送装置を備える画像形成装置を提供することを目的とする。
上述の課題を解決するため、本発明に係る転写搬送装置は、複数のローラと、複数のローラ間に架け渡され、当該複数のローラによって回転する、転写材を搬送するための無端状ベルトと、無端状ベルトの裏面側に設けられた電界印加手段であって、無端状ベルトの表面側に設けられた像担持体上のトナー像が転写材に電気的に転写されるように当該トナー像に転写電界を印加する電界印加手段を有する転写部と、無端状ベルトの表面に付着したトナーを除去するための、ゴムブレードを有するクリーニング部と、を備え、無端状ベルトは、ゴム基体部を有し、ゴムブレードは、ゴム基体部を有し、ゴムブレードの表面は、当該ゴムブレードの先端部において、無端状ベルトの表面に摺動可能であり、無端状ベルトの表面に4kVのコロナ放電を印加してから2秒後の当該表面の電位は、13V以上、62V以下であり、ゴムブレードの10℃における反発弾性値は、18%以上、39%以下であることを特徴とする。
本発明に係る転写搬送装置においては、ゴムブレードの10℃における反発弾性値が18%以上であることにより、低温低湿の環境下においても、ゴムブレードによる無端状ベルトに付着したトナーの除去能力を維持することができる。また、当該反発弾性値が39%を超えると、ゴムブレードのゴムのへたりが悪化してしまう。そのため、当該反発弾性値を18%以上、39%以下とすることによって、低温低湿の環境に起因して無端状ベルトに強固にトナーが付着しても、ゴムブレードによって当該トナーを除去し易くなる。さらに、無端状ベルトの表面に4kVのコロナ放電を印加してから2秒後の当該表面の電位(残電)は、13V以上、62V以下という範囲内に限られているため、無端状ベルトの残電特性(電圧印加後の表面の帯電特性)の耐久変化を抑制することができる。さらに、上記残電が13V以上となるため、無端状ベルトへの用紙の吸着力を十分に大きくすることができる。これらの理由により、本発明に係る転写搬送装置によれば、無端状ベルトへの用紙の吸着力を十分に大きくすると共に、無端状ベルトへのトナーの付着力の耐久変化を抑制することができるため、無端状ベルトによって用紙を安定して搬送することと、無端状ベルトに付着したトナーを十分に除去することを両立させることが可能となる。
さらに、本発明に係る転写搬送装置においては、無端状ベルトのゴム基体部上に設けられ、無端状ベルトの表面を規定する塗膜層をさらに有することが好ましい。これにより、無端状ベルトへの用紙の吸着力及び無端状ベルトへのトナーの付着力に影響する無端状ベルトの表面の特性値の調節が容易となる。そのため、無端状ベルトによって用紙を安定して搬送することと、無端状ベルトに付着したトナーを十分に除去することを両立させることが、より容易となる。
さらに、本発明に係る転写搬送装置においては、ゴムブレードは、ゴムブレードのゴム基体部上に設けられ、ゴムブレードの表面を規定する塗膜層をさらに有することが好ましい。これにより、ゴムブレードによる無端状ベルトに付着したトナーの除去能力に影響するゴムブレードの表面の特性値の調節が容易となる。そのため、無端状ベルトによって用紙を安定して搬送することと、無端状ベルトに付着したトナーを十分に除去することを両立させることが、より容易となる。
さらに、本発明に係る転写搬送装置においては、無端状ベルトの塗膜層は、平均一次粒子径が22nm以上、66nm以下のカーボンブラックを含むことが好ましい。当該平均一次粒子径をこの範囲内とすることにより、無端状ベルトの残電特性(電圧印加後の表面の帯電特性)の耐久変化を容易に抑制することができることを発明者らは見出した。具体的には、当該平均一次粒子径を22nm以上、66nm以下とすることにより、無端状ベルトの使用を続けても、無端状ベルトの表面に4kVのコロナ放電を印加してから2秒後の当該表面の電位(残電)を、13V以上、62V以下までの範囲に容易に抑制することができることを発明者らは見出した。そのため、無端状ベルトによって用紙を安定して搬送することと、無端状ベルトに付着したトナーを十分に除去することを両立させることが、より容易となる。
さらに、本発明に係る転写搬送装置においては、無端状ベルトの表面の静摩擦係数は、0.4以上、0.8以下とすることができる。無端状ベルトの表面にトナーが付着し難くする観点からは、無端状ベルトの表面の静摩擦係数はできる限り小さい方がよい。そのため、本発明に係る転写搬送装置においては、ゴム基体部の表面に化学的な付着力を低減する塗膜層を形成する等の方法によって、当該静摩擦係数の低減を図ることが好ましい。当該静摩擦係数の大きさは、無端状ベルトの表面における場所により不均一となる場合があるため、塗膜層が薄い場所等で実現される当該静摩擦係数の最大値を0.8とすることができ、塗膜層が厚い場所等で実現される当該静摩擦係数の最小値を0.4とすることができる。
さらに、本発明に係る転写搬送装置においては、無端状ベルトの表面の十点平均粗さは、1.6μm以上、10.2μm以下とすることができる。無端状ベルトの表面に付着したトナーがゴムブレードを物理的にすり抜けてしまうことを抑制する観点からは、当該十点平均粗さはできる限り小さい方がよい。研磨工程でのゴム基体部に対する研磨条件等の無端状ベルトの製造条件に不均一が生じる場合があるため、表面の凹凸が大きい場所に対応する当該十点平均粗さの最大値を10.2μmとすることができ、表面の凹凸の小さい場所に対応する当該十点平均粗さの最小値を1.6μmとすることができる。
さらに、本発明に係る転写搬送装置においては、ゴムブレードの先端部の、温度30℃、湿度85%における動摩擦係数は、できるだけ小さい方が好ましく、5.3以下であることが好ましい。当該動摩擦係数が5.3以下であることにより、高温高湿の環境下においても、無端状ベルトの表面に摺動するゴムブレードがフリップすることを抑制することができるため、ゴムブレードによって無端状ベルトに付着するトナーを安定して除去することができる。その結果、無端状ベルトによって用紙を安定して搬送することと、無端状ベルトに付着したトナーを十分に除去することを両立させることが、より容易となる。また、ゴムブレードの先端部の当該動摩擦係数の製造上の限界としての下限値は、2.6である。
さらに、本発明に係る転写搬送装置においては、トナー像を構成するトナーの球形度は、0.94以上であることができる。球形度が0.94以上と高いトナーが無端状ベルトの表面に付着している場合、当該トナーが無端状ベルトの表面に摺動するゴムブレードを物理的にすり抜け易い。そのため、当該トナーはゴムブレードによって除去され難くなる。これにより、従来の転写搬送装置では、無端状ベルトによって用紙を安定して搬送することと、無端状ベルトに付着したトナーを十分に除去することを両立させることが特に難しくなる。そのため、無端状ベルトによって用紙を安定して搬送することと、無端状ベルトに付着したトナーを十分に除去することを両立させることが容易になるという本発明の効果が特に有効に発揮される。
また、本発明に係る画像形成装置は、上述のいずれかの転写搬送装置を備える。
本発明によれば、無端状ベルトによって用紙を安定して搬送することと、無端状ベルトに付着したトナーを十分に除去することを両立させることが容易な転写搬送装置、及び、そのような転写搬送装置を備える画像形成装置が提供される。
実施形態に係る転写搬送装置を備える画像形成装置の構成を示す模式図である。 実施形態に係る転写搬送装置の構成を示す模式図である。 転写ベルトの断面の構成を模式的に示す図である。 転写ベルトの残電の計測方法を示す図である。 ゴムブレードの先端の動摩擦係数μの測定方法を示す図である。
以下、実施の形態に係る転写搬送装置及び画像形成装置について、添付図面を参照しながら詳細に説明する。なお、各図面において、可能な場合には同一要素には同一符号を用いる。また、図面中の構成要素内及び構成要素間の寸法比は、図面の見易さのため、それぞれ任意となっている。
図1は、本実施形態に係る転写搬送装置を備える画像形成装置の構成を示す模式図である。図1に示すように、画像形成装置1は、記録媒体搬送ユニット10、像担持体としての感光体ドラム30を有する転写搬送装置20、現像ユニット(現像装置)40、定着ユニット50、及び、トナータンク60を主として備えている。
記録媒体搬送ユニット10は、最終的に画像が形成される記録媒体(転写材)としての用紙Pを収容すると共に、用紙Pを記録媒体搬送路R上に搬送する。用紙Pは、カセットに積層して収容される。記録媒体搬送ユニット10は、記録媒体搬送路Rを介して用紙Pを転写搬送装置20に到達させる。
転写搬送装置20は、現像ユニット40により形成されたトナー像を用紙Pに転写するタイミングで、記録媒体搬送路Rを介して用紙Pを転写領域に搬送する。転写搬送装置20は、転写ベルト24と、転写ベルト24を張架する張架ローラ22及び23と、感光体ドラム30に対向する電界印加手段としての転写ローラ21とを備える。転写ベルト24は、張架ローラ22及び23間に架け渡されている無端状ベルトである。2本の張架ローラの一方が、本体からの駆動を受けてドライブローラとして転写ベルト24に駆動を与える。これにより、転写ベルト24は回転する。転写ベルト24は、用紙Pを転写ベルト24の表面に吸着させることにより、転写ベルト24の回転に伴って用紙Pを搬送する。転写ローラ21は転写ベルト24の裏面側に設けられている。本実施形態では転写ローラ21は、転写ベルト24の裏面に接しており、転写ベルト24の裏面の移動にともなって、つれ回りする。そして転写搬送装置20は、転写ベルト24の表面に付着したトナーを除去するクリーニング部25を備えている。
感光体ドラム30は、周面に画像が形成される静電潜像担持体であり、例えばOPC(OrganicPhotoConductor)からなる。感光体ドラム30は、転写ベルト24の表面側に設けられている。そして、本実施形態に係る画像形成装置1は、図1に示すように、帯電ローラ31、露光ユニット35、現像ユニット40、及び、クリーニング部材32をさらに備えている。
帯電ローラ31は、感光体ドラム30の表面を所定の電位に均一に帯電させる。露光ユニット35は、帯電ローラ31により帯電した感光体ドラム30の表面を、用紙Pに形成する画像に応じて露光する。これにより、感光体ドラム30の表面のうち露光ユニットにより露光された部分の電位が変化し、静電潜像が形成される。現像ユニット40は、現像ローラ41、サプライオーガ42、及び、アドミックスオーガ43を備え、これらを利用してトナータンク60から供給されたトナーによって感光体ドラム30の表面に形成された静電潜像を現像し、トナー像を生成する。転写ローラ21は、感光体ドラム30の表面の上記トナー像が、用紙Pに電気的に転写されるように当該トナー像に電界(転写電界)を印加することができるように構成されている。そのため、当該トナー像は、転写ローラ21によって、転写領域に搬送された用紙Pに電気的に転写される。本実施形態の転写搬送装置20の転写部は、転写ローラ21と感光体ドラム30とを備える。上述のように、本実施形態の電界印加手段は、ローラ転写方式に基づく転写ローラ21であるが、電界印加手段として、コロナ転写方式に基づくコロナ放電器を用いることもできる。トナータンク60内には、トナーが充填してある。なお、感光体ドラム30の周上には、感光体ドラム30の回転方向において帯電ローラ31のすぐ上流に、感光体ドラム30の電位をリセットする除電ランプを配置することもできる。
トナータンク60は、球形トナーを収容することができる。ここで、球形トナーの粒子径は5μmであり、球形度が0.94以上であることができる。トナーの球形度は、フロー式粒子像分析装置FPIA−2100(シスメックス社製)を用いて測定された粒子の球形度を下式より求め、測定された全粒子の球形度の総和を測定された全粒子数で除した値である。
球形度=(粒子像と同じ投影面積を持つ円の周囲長)/(粒子の投影像の周囲長)
本実施形態における球形度とは、トナー粒子の凹凸の度合いの指標であり、トナーが完全球体の場合に1.000を示し、トナー形状が複雑になるほど円形度は小さな値となる。
球形トナーは、不定形トナーと比較して高品質な画像が得られ、球形度が0.94以上のトナーを用いることにより、特に高品質な画像を形成することができる。しかしながら、球形トナーは、クリーニング部25を物理的にすり抜けやすく、クリーニング部25をすり抜けたトナーは、画像に悪影響を及ぼし易くなる。
定着ユニット50は、静電気力のみで用紙Pへ転写されたトナー像を、用紙Pに高温で定着する。定着ユニット50は、例えば、加熱ローラ52と、加圧ローラ51とを含んで構成される。加熱ローラ52は、回転軸周りに回転可能な円筒状の部材であり、その内部には例えばハロゲンランプなどの熱源が設けられている。加圧ローラ51は、回転軸周りに回転可能な円筒状の部材であり、加熱ローラ52を押圧するように設けられる。加熱ローラ52及び加圧ローラ51の外周面には、例えばシリコーンゴム等の耐熱弾性層が設けられる。加熱ローラ52と加圧ローラ51との接触領域である定着ニップ部に用紙を通過させることにより、トナー像を用紙に溶融定着する。そして、トナー像が定着された用紙Pを画像形成装置1の外部へ排出する。
続いて、転写搬送装置のより詳細な構成について説明する。図2は、本実施形態に係る転写搬送装置の構成を示す模式図である。図2に示すように、転写ベルト24は、ゴム基体部24Aと、ゴム基体部24A上に形成された塗膜層24Bとを有する。塗膜層24Bは、例えば5μmの厚みを有する。塗膜層24Bは、転写ベルト24の表面の化学的な付着力を低減させて当該表面の静摩擦係数を小さくするために設けられている。ゴム基体部24Aは、ゴムからなる弾性部である。塗膜層24Bは、転写ベルト24の表面を規定する。クリーニング部25は、板状のゴムブレード27と、ゴムブレード27を固定する金属等からなるホルダー29とを有する。ゴムブレード27は、ゴム基体部27Aと、ゴム基体部27A上に形成された塗膜層27Bとを有する。ゴム基体部27Aは、ゴムからなる板状の弾性部であり、例えば2mmの厚さを有する。塗膜層27Bは、ゴムブレード27の表面を規定し、例えば5μmの厚さを有する。ゴムブレード27の基端部は、所定の長さでホルダー29に固定されており、自由長F27に対応する部分がホルダー29に固定されていない。ゴムブレード27の表面は、先端部において、矢印Dに沿って回転する転写ベルト24の表面に、所定の鋭角の角度θで接しながら摺動可能である。これにより、転写ベルト24の表面に付着したトナーをクリーニング部25のゴムブレード27で除去することができる。
図3は、転写ベルトの断面の構成を模式的に示す図である。図3に示すように、転写ベルト24のゴム基体部24Aの表面は凹凸を有し、この凹凸に伴い、塗膜層24Bの表面も凹凸を有する。ゴム基体部24Aの厚さは、例えば600μmであり、塗膜層24Bの厚さT24Aは、例えば5μmである。塗膜層24Bは、平均一次粒子径が22nm以上、66nm以下のカーボンブラックを含む。ここで、カーボンブラックの平均一次粒子径は、電子顕微鏡によって測定した値である。
上述のような本実施形態の転写搬送装置20においては、ゴムブレード27の10℃における反発弾性値が18%以上であることにより、低温低湿の環境下においても、ゴムブレード27による転写ベルト24に付着したトナーの除去能力を維持することができる。また、当該反発弾性値が39%を超えると、ゴムブレード27のゴムのへたりが悪化してしまう。そのため、当該反発弾性値を18%以上、39%以下とすることによって、低温低湿の環境に起因して転写ベルト24に強固にトナーが付着しても、ゴムブレード27によって当該トナーを除去し易くなる。
なお、上述のゴムブレード27の反発弾性値は、JISK6255に準拠したリュプケ式反発弾性試験装置により求めた値である。
さらに、本実施形態に係る転写搬送装置20においては、転写ベルト24の表面に4kVのコロナ放電を印加してから2秒後の当該表面の電位(残電)は、13V以上、62V以下である。当該残電が、このような範囲内に限られているため、無端状ベルトの残電特性(電圧印加後の表面の帯電特性)の耐久変化を抑制することができる。さらに、上記残電が13V以上となるため、無端状ベルトへの用紙の吸着力を十分に大きくすることができる。これらの理由により、本実施形態に係る転写搬送装置20によれば、転写ベルト24への用紙Pの吸着力を十分に大きくすると共に、転写ベルト24へのトナーの付着力の耐久変化を抑制することができるため、転写ベルト24によって用紙Pを安定して搬送することと、転写ベルト24に付着したトナーを十分に除去することを両立させることが可能となる。
なお、上述の転写ベルト24の表面に4kVのコロナ放電を印加してから2秒後の当該表面の電位(残電)は、以下のようにして測定された値である。即ち、コロナ荷電器と静電プローブを内蔵したキャリッジを転写ベルト24の表面に沿って走査することにより、転写ベルト24の表面の任意の位置における表面電位を測定できる。そして、「転写ベルト24の表面に4kVのコロナ放電を印加してから2秒後の当該表面の電位(残電)」とは、コロナ荷電器へ4kVの電圧を印加することにより当該荷電器によって荷電を行い、この荷電から2秒後に、荷電器の進行方向に対して後方に位置するプローブによって測定される転写ベルト24の表面の電位である。測定対象である転写ベルト24の表面とプローブ間の距離は1.00mm、キャリッジの走査速度は400mm/秒である。
さらに、本実施形態に係る転写搬送装置20においては、転写ベルト24のゴム基体部24A上に設けられ、転写ベルト24の表面を規定する塗膜層24Bをさらに有している。これにより、転写ベルト24への用紙の吸着力及び無端状ベルトへのトナーの付着力に影響する転写ベルト24の表面の特性値(例えば、転写ベルト24の上記残電、及び転写ベルト24の表面の下記静摩擦係数など)の調節が容易となる。そのため、転写ベルト24によって用紙Pを安定して搬送することと、転写ベルト24に付着したトナーを十分に除去することを両立させることが、より容易となる。ただし、転写ベルト24は塗膜層24Bを有していなくてもよい。
さらに、本実施形態に係る転写搬送装置20においては、ゴムブレード27は、ゴムブレード27のゴム基体部27A上に設けられ、ゴムブレード27の表面を規定する塗膜層27Bをさらに有している。これにより、ゴムブレード27による転写ベルト24に付着したトナーの除去能力に影響するゴムブレード27の表面の特性値(例えば、ゴムブレード27の下記の動摩擦係数)の調節が容易となる。そのため、転写ベルト24によって用用紙Pを安定して搬送することと、転写ベルト24に付着したトナーを十分に除去することを両立させることが、より容易となる。ただし、ゴムブレード27は塗膜層27Bを有していなくてもよい。
さらに、本実施形態に係る転写搬送装置20においては、転写ベルト24の塗膜層24Bは、平均一次粒子径が22nm以上、66nm以下のカーボンブラックを含む。当該平均一次粒子径をこの範囲内とすることにより、転写ベルト24の残電特性(電圧印加後の表面の帯電特性)の耐久変化を容易に抑制することができることを発明者らは見出した。具体的には、当該平均一次粒子径を22nm以上、66nm以下とすることにより、転写ベルト24の使用を続けても、転写ベルト24の表面に4kVのコロナ放電を印加してから2秒後の当該表面の電位(残電)を、13V以上、62V以下までの範囲に容易に抑制することができることを発明者らは見出した。そのため、転写ベルト24によって用紙Pを安定して搬送することと、転写ベルト24に付着したトナーを十分に除去することを両立させることが、より容易となる。ただし、転写ベルト24の塗膜層24Bは、上述のようなカーボンブラックを含んでいなくてもよい。
さらに、本実施形態に係る転写搬送装置20においては、転写ベルト24の表面の静摩擦係数は、0.4以上、0.8以下とすることができる。転写ベルト24の表面にトナーが付着し難くする観点からは、転写ベルト24の表面の静摩擦係数はできる限り小さい方がよい。そのため、本実施形態に係る転写搬送装置20においては、ゴム基体部24Aの表面に化学的な付着力を低減する塗膜層24Bを形成する等の方法によって、当該静摩擦係数の低減を図ることが好ましい。当該静摩擦係数の大きさは、転写ベルト24の表面における場所により不均一となる場合があるため、塗膜層24Bが薄い場所等で実現される当該静摩擦係数の最大値を0.8とすることができ、塗膜層24Bが厚い場所等で実現される当該静摩擦係数の最小値を0.4とすることができる。
さらに、本実施形態に係る転写搬送装置20においては、転写ベルト24の表面の十点平均粗さは、1.6μm以上、10.2μm以下とすることができる。転写ベルト24の表面に付着したトナーがゴムブレード27を物理的にすり抜けてしまうことを抑制する観点からは、当該十点平均粗さはできる限り小さい方がよい。研磨工程でのゴム基体部24Aに対する研磨条件等の転写ベルト24の製造条件に不均一が生じる場合がある。そのため、表面の凹凸が大きい場所に対応する当該十点平均粗さの最大値を10.2μmとすることができ、表面の凹凸の小さい場所に対応する当該十点平均粗さの最小値を1.6μmとすることができる。
なお、上述の転写ベルト24の表面の静摩擦係数は、スライダーとしてハードクロム処理を行った40gの黄銅を用いた新東科学社製のポータブル摩擦計3DミューズTYPE37によって、30℃85%の環境下で水平面に置いた転写ベルト24の表面に、当該摩擦計を静かに乗せて測定した値である。また、上述の転写ベルト24の表面の十点平均粗さは、KEYENCE社製の形状解析レーザ顕微鏡VK−X100を用いて測定した値である。
また、本実施形態に係る転写搬送装置20においては、ゴムブレード27の先端部の、温度30℃、湿度85%における動摩擦係数は、可能な限り小さい方が好ましい。この観点から、本実施形態においては、ゴム基体部27Aの表面に化学的な付着力を低減する塗膜層27Bを形成している。塗膜層27Bの膜厚は場所により不均一となる場合がある等の理由により、上記動摩擦係数も場所により不均一となる場合がある。そのため、塗膜層27Bが薄い場所等で実現されるゴムブレード27の先端部の、温度30℃、湿度85%における動摩擦係数の最大値を5.3とすることができ、塗膜層27Bが厚い場所等で実現される当該動摩擦係数の最小値を2.6とすることができる。また、2.6という当該動摩擦係数の値は、ゴムブレード27の先端部の製造上の限界値であるとも言える。当該動摩擦係数が5.3以下であることにより、高温高湿の環境下においても、転写ベルト24の表面に摺動するゴムブレード27がフリップすることを抑制することができるため、ゴムブレード27によって転写ベルト24に付着するトナーを安定して除去することができる。その結果、転写ベルト24によって用紙を安定して搬送することと、転写ベルト24に付着したトナーを十分に除去することを両立させることが、より容易となる。
さらに、本実施形態に係る転写搬送装置20においては、トナー像を構成するトナーの球形度は、0.94以上であることができる。球形度が0.94以上と高いトナーが転写ベルト24の表面に付着している場合、当該トナーが転写ベルト24の表面に摺動するゴムブレード27を物理的にすり抜け易い。そのため、当該トナーはゴムブレード27によって除去され難くなる。これにより、従来の転写搬送装置では、転写ベルトによって用紙を安定して搬送することと、転写ベルトに付着したトナーを十分に除去することを両立させることが特に難しくなる。そのため、転写ベルト24によって用紙Pを安定して搬送することと、転写ベルト24に付着したトナーを十分に除去することを両立させることが容易になるという本実施形態の転写搬送装置20の効果が特に有効に発揮される。
次に、本実施形態の転写搬送装置20に利用される転写ベルト24の製造方法、及び、より具体的な構成の例について説明する。
図2に関連して上述したように、転写ベルト24は、基材となる弾性体であるゴム基体部24Aと、その表面の塗膜層24Bとから成る。ゴム基体部24Aの材料としては、例えば、スチレン−ブタジエンゴム(SBR)、ブタジエンゴム(BR)、アクリロニトリル−ブタジエンゴム(NBR)、クロロプレンゴム(CR)、エチレン−プロピレン−ジエンゴム(EPDM)、ブチルゴム(IIR)、アクリルゴム(ANM)、クロロスルホン化ポリエチレンゴム(CSM)、シリコーンゴム、フッ素ゴム、多硫化ゴム、天然ゴムなどが適している。これらのゴム材料のうち、1種を単独で用いることができ、あるいは、2種以上を併用してもよい。
ゴム基体部24Aを半導電性(体積抵抗率にて10〜1012Ω・cm)に構成する場合には、所定の抵抗値に調整するために、導電性材料を添加する。具体的には、銀粉、銅粉、ニッケル粉等の金属材料、酸化錫、酸化インジウム等の金属酸化物、金属をコーティングしたマイカ等の無機材料、カーボンブラックやグラファイト、炭素繊維等の炭素化合物、チオシアン酸アンモニウム等のイオン性導電材料が例示される。これらのうちの2種以上を併用してもよい。上記の導電性材料の中でも、ゴム基体部24Aの補強効果も併せて得られることから、カーボンブラックの使用が特に好ましい。
塗膜層24Bの材料は、用途に応じて適宜選択されるが、本実施形態ではトナーの付着防止及び付着したトナーのゴムブレード27による除去の容易化のために、塗膜層24Bの材料として潤滑性塗料を用いることができる。このような潤滑性塗料としては、ポリウレタン樹脂のバインダーに、ポリ四フッ化エチレン微粉末、ポリアルキルシロキサンを添加したものを用いることができる。
ゴム基体部24Aの作製は、上記の材料を調製し、最初に混練りを実施する。混練り工程では、前述の材料と、可塑剤、安定剤、分散改良剤を加えて混練し、その後、加硫剤、加硫促進剤、架橋密度調整剤を加えて、ニーダーで混連し、未加硫ゴム組成物を調製する。架橋は過酸化物架橋であってもよく、硫黄加硫であってもよい。この未加硫ゴム組成物に対して、押出工程、加硫工程、研磨工程、塗装工程を実施することにより、転写ベルト24が完成する。
押出工程では、上記未加硫ゴム組成物を、所定厚みにて筒状金型の外面に被覆させ、加硫工程に供給する。加硫工程では、上記未加硫ゴム組成物を被覆した筒状金型を、加硫缶にセットして、加硫缶内に過熱水蒸気を送り込んで加圧して加硫する。研磨工程では、筒状金型から脱径したゴム基材を、マンドレルを使用して、伸張状態にて回転させつつ回転砥石で研磨する。研磨後のゴム基材の厚みは特に限定されるものではないが、本実施形態では例えば600μmとすることができる。またこの工程では、ゴム摩耗粉が発生して次の工程で塗料に混ざって凸状の荒れが発生しないために、ゴム基材を洗浄することが必要である。
塗装工程では、ゴム基材の状態でのタック性を改善し、潤滑性を得るために、マンドレルを使用して、ポリ四フッ化エチレン微粉末、ポリアルキルシロキサンを添加したポリウレタン樹脂のバインダーをスプレー塗装して、5±2μmの厚みの塗膜層24Bを表面に形成する。スプレー塗装を採用することにより、塗膜層24Bの厚み調整が容易となる。
塗膜層24Bについても必要に応じて、その電気抵抗値を半導電性や導電性の範囲に調整してもよく、その場合には塗膜層24Bには、カーボンブラックまたはイオン性の導電材料を添加することができる。
以上のような方法によって、本実施形態の転写ベルト24を製造した。製造した転写ベルト24の諸特性を測定したところ、体積抵抗率が9〜12Log(Ω・cm)であり、表面の静摩擦係数μsが0.4〜0.8であり、表面の十点平均粗さRzが1.6〜10.2μmであった。測定された諸特性の数値に幅があるのは、製造した1本の転写ベルト24内で計測位置により測定値がある程度異なることと、製造ロットによりある程度測定値が異なることに起因している。静摩擦係数μsは、新東科学社製のポータブル摩擦計3DミューズTYPE37で測定した。30℃85%環境下、水平面に置いたベルト表面に、摩擦擦係数測定器を静かにのせて測定した。また十点平均粗さRzは、形状解析レーザ顕微鏡VK−X100(KEYENCE社製)を用いて測定した十点平均粗さを記す。表面の十点平均粗さRzは、転写ベルト24の表面の凹凸の度合いの指標であり、Rzが大きい値である程、表面の凹凸が大きい。図3に示すように、塗膜層24Bの表面の形状は、ゴム基体部24Aの表面の凹凸の影響を受ける。転写ベルト24の表面に付着した球形トナーは、転写ベルト24の十点平均粗さRzが大きいほど、ゴムブレード27を物理的にすり抜けやすく、ゴムブレード27をすり抜けたトナーは、画像形成装置によって形成される画像に悪影響を及ぼす可能性がある。
続いて、本実施形態の転写搬送装置20に利用されるクリーニング部25の製造方法、及び、より具体的な構成の例について説明する。
図2に関連して上述したように、転写搬送装置20は、剛性板状体である金属製のホルダー29に、本実施形態のポリウレタンゴムから成る板状のゴムブレード27が取り付けられて構成されている。ゴムブレード27は、ゴム基体部27Aと塗膜層27Bを含む。ゴムブレード27については、ゴム厚を2.0mm、自由長F27を8.5mm、幅を334mmとすることができる。ホルダー29については、厚さを1.6mm、ゴムブレード27との接着幅を5mmとすることができる。ゴムブレード27の表面は、その先端部において、回転する転写ベルト24の表面に、当接角度が19°で摺動するように接する。このゴムブレード27の先端部によって、転写ベルト24の表面に付着したトナーを掻き出して除去する。
ゴムブレード27のゴム基体部27Aの成形方法としては、高分子ポリオール、ポリイソシアネート、架橋剤及び触媒等を一度に混合して、金型に注型して成形するワンショット法を用いることができる。続いて、高温高湿におけるゴムブレード27の先端部の摩擦係数を小さく制御するために、ゴムブレード27の塗膜層27Bを、芳香族系のポリイソシアネート成分を含む表面処理液に、塗膜層27Bを含浸させることにより成形する。
ゴム基体部27Aに用いるポリエステルポリオールとしては、エチレングリコール、ブタンジオール、ヘキサンジオール、ノナンジオール、デカンジオール、3−メチル−1,5−ペンタンジオール、ネオペンチルグリコール、2,4−ジエチル−1,5−ペンタンジオール、ブチルエチルプロパンジオール、2−メチル−1,8−オクタンジオールなどのジオールと、アジピン酸、アゼライン酸、セバシン酸、ダイマー酸、水添ダイマー酸などの二塩基酸との組み合わせを挙げることができる。具体的には、ノナンジオールアジペート、2−メチル−1,8−オクタンジオールアジペート、デカンジオールアジペート、ヘキサンジオールアゼレート、ノナンジオールアゼレート、2−メチル−1,8−オクタンジオールアゼレート、デカンジオールアゼレート、ブタンジオールセバケート、ヘキサンジオールセバケート、ノナンジオールセバケート、2−メチル−1,8−オクタンジオールセバケート、デカンジオールセバケート、各種グリコールのダイマー酸エステル及び水添ダイマー酸エステルなどである。これらのうちの2種以上を併用することもできる。
しかし、低温低湿環境におけるゴムブレード27の反発弾性を向上する目的のためには、ε−カプロラクトンやδ−バレロラクトンなどのラクトン類を重付加もしくは共重合したり、ジオール成分と二塩基酸とを脱水縮合する際にラクトン類を共重合してランダム共重合体としたり、または、脱水縮合したものにラクトン類を重付加することで得られるポリオールを選択したりすることができる。
また、ゴム基体部27Aの成形において、ポリエステルポリオールと反応させるポリイソシアネートとしては、2,6−トルエンジイソシアネート(TDI)、4,4’−ジフェニルメタンジイソシアネート(MDI)、パラフェニレンジイソシアネート(PPDI)、1,5−ナフタレンジイソシアネート(NDI)、3,3−ジメチルジフェニル−4,4’−ジイソシアネート(TODI)などを挙げることができ、これらのうちの2種以上を併用することもできる。
上述したポリエステルポリオールを用いてポリウレタンを製造するには、ポリエステルポリオール及び鎖長延長剤としての短鎖ポリオールに、ポリイソシアネートを配合し、反応させる。ここで、短鎖ポリオールは、数平均分子量が500以下のものであり、具体的には、例えば、エチレングリコール、1,3−プロパンジオール、1,4−ブタンジオールなどの主鎖の炭素数が2〜12の直鎖グリコール;ネオペンチルグリコール、3−メチル−1,5−ペンタンジオールなどの炭素数12以下の側鎖を有するジオール類;3−アリルオキシ−1,2−プロパンジオールなどの炭素数12以下の不飽和基を有するジオール類;および、1,4−ビス(ヒドロキシエトキシ)ベンゼン、パラキシレングリコールなどの芳香族環を含む炭素数20以下のジオール類、シクロへキサンジオール、シクロヘキサンジメタノール等の脂環式ジオール類、トリメチロールエタン、トリメチロールプロパン、グリセリンなどのトリオール類およびペンタエリスリトールやソルビトールなどの4官能以上のポリオールを挙げることができる。これらの短鎖ポリオールは、2種以上を併用することができる。
塗膜層27Bの形成において、表面処理液に用いるポリイソシアネートとしては、分子内に2個以上の分子末端イソシアネート基を有するポリイソシアネートを用いることができる。このようなイソシアネートとしては、ジフェニルメタンジイソシアネート(MDI)、ポリメチレンポリフェニルイソシアネート(ポリメリックMDI)、トリレンジイソシアネート(TDI)、1,5-ナフタレンジイソシアネート(NDI)等の芳香族イソシアネート及びポリイソシアネート類、並びに、ヘキサメチレンジイソシアネート(HDI)、リジンメチルエステルジイソシアネート類の脂肪族イソシアネート及びポリイソシアネート類、水添ジフェニルメタンジイソシアネート(H12MDI)、イソホロンジイソシアネート(IPDI)、ノルボルネンジイソシアネート(NBDI)、テトラメチルキシリレンジイソシアネート(TMXDI)等の脂環式イソシアネート及びポリイソシアネート類を挙げることができ、これらのうちの2種以上を併用することもできる。
しかしながら、高温高湿におけるゴムブレード27の先端部の摩擦係数を小さく制御する目的のためには、芳香族系のポリイソシアネートを選択することができる。また、上記表面処理液は、カーボンブラックを用いることで更に低摩擦係数化を図ることができる。カーボンブラックを表面処理液に分散させた状態で塗膜層27Bを形成することにより、カーボンブラックを塗膜層27B内に固定することができる。表面処理液中のカーボンブラックは、イソシアネート成分に対して20重量% 以下であるのが好ましい。これよりカーボンブラックの割合が多いと、脱落等の問題が生じる場合があるからである。
以下、本発明の効果をより一層明らかなものとするため、実施例および比較例を用いて説明する。
(実施例1)
(転写ベルトの作製)
転写ベルトのゴム基体部を以下のように作製した。
クロロプレンゴム75重量部(ショウプレンWRT、昭和電工エラストマー社製)、EPDMゴム25重量部(エスプレン505、住友化学社製)、酸化亜鉛5重量部(亜鉛華、三井金属鉱業社製)、酸化マグネシウム4重量部(キョーワマグ150、協和化学工業社製)、カーボンブラック15重量部(シースト300、東海カーボン社製)、プロセスオイル22重量部(NS−100、出光興産社製)、及びステアリン酸1重量部(ルナックS−50V、花王社製)をニーダーで混練し、冷却したのちオープンロールで硫黄1重量部、エチレンチオ尿素0.5重量部(アクセル22−S、川口化学工業社製)及びテトラメチルチウラムジスルフィド0.5重量部(ノクセラーTT、大内新興化学工業社製)を加えて混練し、リボン状にして押出機に供給した。
次に、スクリュー径75mmのベント型押出機に、チュービング用ダイを装着し、シリンダー温度60℃、ヘッド温度80℃、ダイ温度90℃で押出成形を行い、厚さ0.6mmのゴムチューブを成形した。このゴムチューブを、円筒形金型に挿入し、190℃で30分間蒸気加硫した後、冷却して表面を研磨して、長さ340mmに切断して内周長168mm、厚さ0.6mmに研磨仕上げを行い,ゴム基体部を得た。
転写ベルトの塗膜層を以下のように作製した。テフロン(登録商標)配合樹脂を100重量部(エムラロン345、ポリ四フッ化エチレンおよびポリウレタン樹脂およびアクリル樹脂のエマルジョン、ヘンケルテクノロジージャパン社製)、三菱カーボン#30を8重量部(カーボンブラック、平均一次粒子径33nm、三菱化学社製)を調製して、表面層形成用塗料として、乾燥後の塗膜層の厚さが5μmとなるようにゴム基体部の表面に塗装、及び乾燥(120℃,20分加熱)して塗膜層を形成した。これにより、転写ベルトを得た。この転写ベルトの表面の静摩擦係数μsを上述の方法で測定したところ、0.34〜0.82であり、転写ベルトの表面の十点平均粗さRzを上述の方法で測定したところ、1.5〜11μmであった。
(ゴムブレードの作製)
ゴム基体部の作製において、2官能のポリエステルポリオール化合物であるプラクセル220(ダイセル化学工業社製、数平均分子量2000)と、MDIおよび鎖長延長剤としての1,3−プロパンジオール/トリメチロールエタン(80/20)の混合液とを用いて熱硬化型ポリウレタンとし、ゴムブレード27のゴム基体部を作製した。なお、ポリウレタン中のポリエステルポリオールは約65重量%とした。
ゴムブレードの塗膜層の作製において、酢酸エチル100重量部、芳香族系のジフェニルメタンジイソシアネート(大日本インキ社製、MDI)20重量部をボールミルで3時間に亘って分散混合して表面処理液を調製した。この表面処理液を23℃ に保ったまま、ゴム基体部の1面を上記表面処理液に10秒間浸漬後、50 ℃で保持されたオーブンで1時間加熱し、ゴムブレードを得た。
(実施例2)
(転写ベルトの作製)
塗膜層の作製において、三菱カーボン#30の代わりに、旭#80を10重量部(カーボンブラック、平均一次粒子径22nm、旭カーボン社製)を調製した以外は、実施例1と同様にして転写ベルトを作製した。転写ベルトの表面の静摩擦係数μsを上述の方法で測定したところ、0.4〜0.9であり、転写ベルトの表面の十点平均粗さRzを上述の方法で測定したところ、1.3〜10.2μmであった。
(ゴムブレードの作製)
プラクセル220の代わりに、プラクセル220N(ダイセル化学工業社製、数平均分子量2000)を用いた以外は、実施例1と同様にしてゴムブレードのゴム基体部を製造した。
(実施例3)
(転写ベルトの作製)
表面層の作製において、三菱カーボン#30の代わりに、シーストSを5重量部(カーボンブラック、平均一次粒子径66nm、東海カーボン社製)を調製した以外は、実施例1と同様にして転写ベルトを作製した。転写ベルトは、この転写ベルトの表面の静摩擦係数μsを上述の方法で測定したところ、0.38〜0.8であり、転写ベルトの表面の十点平均粗さRzを上述の方法で測定したところ、1.6〜11.2μmであった。
(ゴムブレードの作製)
実施例2と全く同様の方法でゴムブレードを作製した。
(実施例4)
(転写ベルトの作製)
実施例2と全く同様の方法で転写ベルトを作製した。
(ゴムブレードの作製)
プラクセル230N(ダイセル化学工業社製、数平均分子量3000)を用い、鎖長延長剤として1,3−プロパンジオール/分子量800のポリカプロラクトンを用いた以外は、実施例1と同様にしてゴムブレードのゴム基体部を製造した。なお、ポリウレタン中のポリエステルポリオールは約65重量%とした。
(実施例5)
(転写ベルトの作製)
実施例3と全く同様の方法で転写ベルトを作製した。
(ゴムブレードの作製)
実施例4と全く同様の方法でゴムブレードを作製した。
(比較例1)
(転写ベルトの作製)
転写ベルトの塗膜層24Bの作製において、三菱カーボン#30の代わりに、三菱カーボン#3400Bを13重量部(カーボンブラック、平均一次粒子径21nm、三菱化学社製)を調製した以外は、実施例1と同様にして転写ベルトを作製した。この転写ベルトの表面の静摩擦係数μsを上述の方法で測定したところ、0.35〜0.84であり、転写ベルトの表面の十点平均粗さRzを上述の方法で測定したところ、1.5〜10.8μmであった。
(ゴムブレードの作製)
実施例4と全く同様の方法でゴムブレードを作製した。
(比較例2)
(転写ベルトの作製)
転写ベルトの塗膜層の作製において、三菱カーボン#3400Bを20重量部(カーボンブラック、平均一次粒子径21nm、三菱化学社製)とした以外は、比較例1と同様にして転写ベルトを作製した。この転写ベルトの表面の静摩擦係数μsを上述の方法で測定したところ、0.38〜0.82であり、転写ベルトの表面の十点平均粗さRzを上述の方法で測定したところ、1.46〜11.8μmであった。
(ゴムブレード27の作製)
実施例2と全く同様の方法でゴムブレードを作製した。
(比較例3)
(転写ベルトの作製)
比較例1と全く同様の方法で転写ベルトを作製した。
(ゴムブレードの作製)
プラクセル230(ダイセル化学工業社製、数平均分子量3000)と、MDIおよび鎖長延長剤としての1,3−プロパンジオール/トリメチロールエタン(80/20)の混合液とを用いて熱硬化型ポリウレタンとし、ポリウレタン中のポリエステルポリオールを75重量%とした以外は、実施例1と同様にして、ゴムブレードのゴム基体部を作製した。
(比較例4)
(転写ベルトの作製)
実施例2と全く同様の方法で転写ベルトを作製した。
(ゴムブレードの作製)
プラクセル220の代わりに、プラクセル212(ダイセル化学工業社製、数平均分子量1250)を用いた以外は、実施例1と同様にしてゴムブレードのゴム基体部を作製した。
(比較例5)
(転写ベルトの作製)
転写ベルトの塗膜層の作製において、シーストSの代わりに、三菱カーボン#10(カーボンブラック、平均一次粒子径75nm、三菱化学社製)を調製した以外は、実施例3と同様にして転写ベルトを作製した。この転写ベルトの表面の静摩擦係数μsを上述の方法で測定したところ、0.32〜0.88であり、転写ベルトの表面の十点平均粗さRzを上述の方法で測定したところ、1.35〜10.6μmであった。
(試験方法)
実施例1〜5及び比較例1〜5の転写ベルト及びゴムブレードについて、以下のような評価(1)〜(7)を行った。
(1)転写ベルトの残電の計測方法
図4に示すように、支持部70に支持された計測ヘッド71は、コロナ放電器73及び表面電位計75を備えている。コロナ放電器73及び表面電位計75と、各実施例及び比較例の張架ローラに支持された転写ベルト24の表面との間隔が1(mm)になるように、転写ベルト24の表面の上方に計測ヘッド71を配置した。そして、計測ヘッド71を転写ベルト24の表面に沿って移動させながら、コロナ放電器73で転写ベルト24の表面にコロナ放電を印加し、その2秒後に、コロナ放電を印加した場所の表面電位を表面電位計75で計測した電位を残電の値とした。残電の値が大きいほど、残留電荷が大きく、誘電的性質が強いことを意味する。このような測定を、使用初期の実施例1〜5及び比較例1〜5の転写ベルト24、及び、100K枚印刷後の実施例1〜5及び比較例1〜5の転写ベルトに対して、それぞれ残電を計測した。使用初期及び100K枚印刷後の両方において、上記残電が13V以上、62V以下である場合に良好と判断し、上記残電が13V未満、又は、62Vよりも大きい場合に不良と判断した。
(2)30℃85%の用紙吸着性
30℃85%の環境下で、白パターンをXeroxPremier60g/cm紙で、実施例1〜5及び比較例1〜5の転写ベルトを実装した実機で印刷して、使用初期段階において、定着ユニット手前で用紙ジャムが発生した場合、もしくは用紙の先端部に折れ曲がりが発生した場合に不良(×)と判断し、これらがいずれの生じなかった場合に、良好(○)と判断した。
(3)反発弾性
実施例1〜5及び比較例1〜5のゴムブレードについて、各温度における反発弾性(Rb)を、JISK6255に準拠したリュプケ式反発弾性試験装置により測定した。
(4)へたり試験
実施例1〜5及び比較例1〜5のゴムブレードについて、100%永久伸び(100%PS)の値をJISK6262に準じて測定した。この100%永久伸びの値は、2.0%以下であることが必要である。この値が2.0%より大きいと、ゴムブレードの使用時にエッジ部のへたりが大きくなり、線圧が低下してゴムブレードのクリーニング性能が悪化する。そのため、この値が2.0%以下である場合を良好と判断し、2.0%より大きい場合を不良と判断した。
(5)10℃10%のクリーニング評価
実施例1〜5及び比較例1〜5の転写ベルトにSolid Patternを書込み、その後ゴムブレードで掻き落とす実験を行った。転写ベルト上に残留する残トナーをスコッチテープに転写して濃度計で計測して、残トナーの濃度によりクリーニングの良否を判断した。当該残トナーの濃度値は、X−Rite社製の分光濃度計X−Rite528を用いて測定した。残トナーの濃度値が0.23以下の場合を良好(○)と判断し、残トナーの濃度値が0.23より大きい場合を不良(×)と判断した。また、実質的なクリーニング評価を行うことができなかった場合を、測定不能(−)と判断した。
(6)30℃85%の環境下でのゴムブレードの先端の動摩擦係数μ
実施例1〜5及び比較例1〜5のゴムブレード27について、30℃85%の環境において、図5のような方法で、矢印DEに沿って動く平坦なステンレス板90に対してゴムブレード27の先端を、当接角度θが13°となるように摺動させた。この際、ステンレス板90とゴムブレード27の先端との相対速度を30mm/秒とし、ゴムブレード27の上記先端に対するステンレス板90の面抗力を、200gfとし、ゴムブレード27の厚さを2mm、ゴムブレード27の自由長F27(図2参照)を8mm、ゴムブレード27の幅(ゴムブレード27の矢印DEと直交方向の幅)を330mmとした。また、ステンレス板90として、ゴムブレード27の先端が摺動する表面の粗さRa(JIS B0601 2013に準ずる)が、0.2μm以上、1.2μm以下のものを用いた。また、ステンレス板90の上記表面及びゴムブレード27の上記先端には、油及びKynar(登録商標)粉等の潤滑剤といった異物が実質的に存在しないようにした。そして、ステンレス板90の矢印DEに沿った方向への引っ張り力から、動摩擦力を計測し、ゴムブレードの先端の動摩擦係数μを求めた。
(7)Flip評価
30℃85%の環境下で、実施例1〜5及び比較例1〜5の転写ベルト及びゴムブレードをセットした転写搬送装置を、2時間連続動作した。そして、Flipが未発生の場合を良好(〇)と判断し、Flipが発生した場合を不良(×)と判断した。また、実質的なFlip評価を行うことができなかった場合を、測定不能(−)と判断した。
以下の表1は、実施例1〜5及び比較例1〜5についての製造時の諸条件、及び、上記評価の結果を示す。実施例1〜5については、上記(1)(2)(4)(5)(7)の評価については、全て良好であったのに対して、比較例1〜5については、上記(1)(2)(4)(5)(7)の評価の少なくとも1つが不良であった。例えば、比較例1は、(5)のクリーニング評価が不良となったが、これは使用を続けた際の残電が85Vと大きくなったことに起因していると考えられる。また、比較例2は、(2)の30℃85%の用紙吸着性の評価が不良となった。また、上記(3)の評価について、実施例1〜5は、全て10℃における反発弾性値は、18%以上、39%以下であったのに対し、比較例3については、10℃における反発弾性値が41%であり、比較例4については、10℃における反発弾性値が15%であった。そのため、比較例3は、ゴムブレードの掻き落とし能力を強化する目的は達成しているが、ゴムブレードのゴムのへたりが悪化してしまったため、製品として不十分である上に、ゴムブレード先端部の高温高湿環境における摩擦係数が大きくて、連続印刷中にFlipが発生してしまったため、(7)のFlip評価が不良となった。比較例5については、(2)の30℃85%の用紙吸着性の評価が不良となった。
Figure 0006738124
1…画像形成装置、20…転写搬送装置、21…転写ローラ、22、23…張架ローラ、24…転写ベルト、24A…転写ベルトのゴム基体部、24B…転写ベルトの塗膜層、25…クリーニング部、27…ゴムブレード、27A…ゴムブレードのゴム基体部、27B…ゴムブレードの塗膜層、29…ホルダー。

Claims (5)

  1. 複数のローラと、
    前記複数のローラ間に架け渡され、当該複数のローラによって回転する、転写材を搬送するための無端状ベルトと、
    前記無端状ベルトの裏面側に設けられた電界印加手段であって、前記無端状ベルトの表面側に設けられた像担持体上のトナー像が前記転写材に電気的に転写されるように当該トナー像に転写電界を印加する電界印加手段を有する転写部と、
    前記無端状ベルトの表面に付着したトナーを除去するための、ゴムブレードを有するクリーニング部と、
    を備え、
    前記無端状ベルトは、ゴム基体部、及び前記無端状ベルトの前記ゴム基体部上に設けられ、前記無端状ベルトの表面を規定する塗膜層を有し、前記塗膜層は、平均一次粒子径が22nm以上、66nm以下のカーボンブラックを含み、
    前記ゴムブレードは、ゴム基体部、及び前記ゴムブレードの前記ゴム基体部上に設けられ、前記ゴムブレードの表面を規定する塗膜層を有し、
    前記ゴムブレードの表面は、当該ゴムブレードの先端部において、前記無端状ベルトの表面に摺動可能であり、前記ゴムブレードの前記先端部の、温度30℃、湿度85%における動摩擦係数は、2.6以上、5.3以下であり、
    前記無端状ベルトの表面に4kVのコロナ放電を印加してから2秒後の当該表面の電位は、13V以上、62V以下であり、
    前記ゴムブレードの10℃における反発弾性値は、18%以上、39%以下である、ことを特徴とする転写搬送装置。
  2. 前記無端状ベルトの表面の静摩擦係数は、0.4以上、0.8以下であることを特徴とする請求項に記載の転写搬送装置。
  3. 前記無端状ベルトの表面の十点平均粗さは、1.6μm以上、10.2μm以下であることを特徴とする請求項1又は2に記載の転写搬送装置。
  4. 前記トナー像を構成するトナーの球形度は、0.94以上であることを特徴とする請求項1〜のいずれか一項に記載の転写搬送装置。
  5. 請求項1〜のいずれか一項に記載の転写搬送装置を備えることを特徴とする画像形成装置。
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