JP5920142B2 - 二次転写装置用の二次転写ベルト、二次転写装置、転写装置、及び画像形成装置 - Google Patents

二次転写装置用の二次転写ベルト、二次転写装置、転写装置、及び画像形成装置 Download PDF

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Description

本発明は、二次転写装置用の二次転写ベルト、二次転写装置、転写装置、及び画像形成装置に関する。
電子写真方式(静電複写方式)を用いた画像形成装置は、光導電性の感光体からなる像保持体の表面を帯電し、画像信号を変調したレーザー光等で静電潜像を形成した後、帯電したトナーで前記静電潜像を現像して可視化したトナー像とする。
そして、可視化されたトナー像は、例えば、中間転写体を介して、上記トナー像を記録媒体に静電的に転写することにより画像が得られる。
この中間転写方式の画像形成装置における二次転写部では、二次転写ロールや二次転写ベルトが使用される。
例えば、特許文献1には「使用するトナー粒径以上の粒径を有する粗さ形成用粒子を含有する表層を有し、前記表層の表面には、前記粗さ形成用粒子に起因する表面凹凸が形成されている電子写真機器用転写ロール」が開示されている。
また、特許文献2には「像担持体上に形成されるトナー像を直接若しくは転写材を介して転写保持する搬送転写体であって、この搬送転写体の少なくとも画像を担持する側に位置する面の表面近傍をフィラーが含有せしめられる高分子組成物にて形成し、搬送転写体の少なくとも画像を担持する側に位置する面にフィラーによる突起を散在させた搬送転写体」が開示されている。
特開2009−139924号公報 特開2000−206798号公報
本発明の課題は、外周面におけるトナーのクリーニング不良を抑制した二次転写装置用の二次転写ベルトを提供することである。
上記課題は、以下の手段により解決される。即ち、
請求項1に係る発明は、
少なくとも外周面が樹脂材料を含んで構成され、当該外周面に高さ10μm以上50μm以下の突起部が配列された二次転写装置用の二次転写ベルト。
請求項2に係る発明は、
前記突起部の頂部が、湾曲状に突出して構成されている請求項1に記載の二次転写装置用の二次転写ベルト。
請求項3に係る発明は、
前記突起部の配列間隔が、10μm以上100μm以下である請求項1又は2に記載の二次転写装置用の二次転写ベルト。
請求項4に係る発明は、
中間転写体の外周面に接触して配置される二次転写ベルトであって、請求項1〜3のいずれか1項に記載の二次転写装置用の二次転写ベルトと、
前記二次転写ベルトの内周面に接触し、且つ前記二次転写ベルトを介して前記中間転写体に対向して配置される二次転写ロールと、
前記二次転写ベルトの内周面に接触して配置され、前記二次転写ロールと共に前記二次転写ベルトを張力が掛かった状態で支持する一つ又は複数の支持ロールと、
を備える二次転写装置。
請求項5に係る発明は、
像保持体上のトナー像が転写される中間転写体と
前記像保持体上の前記トナー像を前記中間転写体に転写する一次転写装置と、
前記中間転写体に転写された前記トナー像を記録媒体に転写する二次転写装置であって、請求項4に記載の二次転写装置と、
を備える転写装置。
請求項6に係る発明は、
像保持体と、
前記像保持体の表面を帯電させる帯電装置と、
帯電された前記像保持体の表面に静電潜像を形成する静電潜像形成装置と、
トナーを含む現像剤を収容し、前記像保持体の表面に形成された静電潜像を前記トナーにより現像してトナー像を形成する現像装置と、
前記像保持体上の前記トナー像が転写される中間転写体と、
前記像保持体上の前記トナー像を前記中間転写体に転写する一次転写装置と、
前記中間転写体に転写された前記トナー像を記録媒体に転写する二次転写装置であって、請求項4に記載の二次転写装置と、
を備える画像形成装置。
請求項1の発明によれば、上記範囲の高さの突起部を外周面に有さない場合に比べ、外周面におけるトナーのクリーニング不良を抑制した二次転写装置用の二次転写ベルトが提供される。
請求項2に係る発明によれば、突起部の頂部が平坦である場合に比べ、外周面におけるトナーのクリーニング不良を抑制した二次転写装置用の二次転写ベルトが提供される。
請求項3に係る発明によれば、突起部の配列間隔が上記範囲外の場合に比べ、外周面におけるトナーのクリーニング不良を抑制した二次転写装置用の二次転写ベルトが提供される。
請求項4、5、又は6に係る発明によれば、上記範囲の高さの突起部を外周面に有さない二次転写装置用の二次転写ベルトを備えた場合に比べ、当該二次転写ベルトの外周面におけるクリーニング不良に起因する画像欠陥が抑制される二次転写装置、転写装置、又は画像形成装置が提供される。
本実施形態に係る二次転写装置用の二次転写ベルトを示す概略斜視図である。 図1のA−A断面図である。 他の本実施形態に係る二次転写装置用の二次転写ベルトを示す概略平面図である。 円形電極の一例を示す概略平面図(A)及び概略断面図(B)である。 本実施形態に係る二次転写装置を示す概略構成図である。 本実施形態に係る画像形成装置を示す概略構成図である。
以下、本発明の一例である実施形態を図面を参照しつつ説明する。
(二次転写装置用の二次転写ベルト)
図1は、本実施形態に係る二次転写装置用の二次転写ベルトを示す概略斜視図である。図2は、図1のA−A断面図である。
本実施形態に係る二次転写装置用の二次転写ベルト(以下、「二次転写ベルト」と称する)10は、例えば、図1及び図2に示すように、少なくとも外周面が樹脂材料を含んで構成され、当該外周面に高さ10μm以上50μm以下の突起部10Aが配列されて構成されている。
ここで、従来、画像形成装置の二次転写装置では、記録媒体(例えば用紙)との剥離性の観点から、二次転写ロールに代えて、二次転写ベルトを使用することが行われている。
しかしながら、外周面が樹脂材料を含んで構成された二次転写ベルトでは、二次転写時において、非通紙部で中間転写体との間でトナーが潰されて、外周面にトナーが被覆される現象(以下、「フィルミング」と称する)が生じ、トナーのクリーニング不良が多くなる傾向がある。また、二次転写時以外においても、通紙部及び非通紙部を問わず、中間転写体に残存したトナーが、中間転写体と二次転写ベルトとの間で潰れされて、やはり、二次転写ベルトの外周面にフィルミングが生じ、トナーのクリーニング不良が多くなる傾向がある。
これに対して、本実施形態に係る二次転写ベルト10では、樹脂材料を含んで構成され外周面に、突起部10Aが配列されていることで、中間転写体のトナーが外周面に到達したとき、突起部10A間にトナーが入り込む。そして、突起部10Aが上記範囲の高さを持つことで、二次転写ベルト10の外周面と中間転写体の外周面とが圧接しても、二次転写ベルト10の外周面に設けた突起部10A間に存在するトナーは、潰され難くなる。
このため、二次転写ベルトの外周面におけるフィルミングの発生が抑制される。
以上から、本実施形態に係る二次転写ベルト10は、外周面におけるトナーのクリーニング不良が抑制される。
そして、本実施形態に係る二次転写ベルト10を備える二次転写装置(転写装置、及び画像形成装置)では、二次転写ベルト10の外周面のクリーニング不良に起因する欠陥(例えば記録媒体の裏面へのトナー付着)が抑制される。
以下、本実施形態に係る二次転写ベルト10の詳細について説明する。
本実施形態に係る二次転写ベルト10は、具体的には、例えば、樹脂材料を含んで構成された樹脂層の単層体で構成され、当該樹脂層の単層体の外周面に突起部10Aが配列して設けられている。
なお、本実施形態に係る二次転写ベルト10は、単層構成に限られず、当該樹脂層の単層体を最外層として有する積層体で構成されていてもよい。
−突起部−
突起部10Aは、例えば、ベルト周方向に沿って連続して設けられている。そして、ベルト周方向に沿った方向を長手方向とする突起部10Aが、互いの長手方向が沿うように、間隔を持って配列して複数設けられている。
突起部10Aは、その頂部が湾曲状に突出して構成されていることがよい。つまり、突起部10Aの頂部は、その断面形状(幅方向に沿って切断した断面形状)で、湾曲状に突出していることがよい。
突起部10Aの頂部が湾曲状に突出していることで、突起部10Aの頂部に到達したトナーが、配列した突起部10A同士の間に移行し易くなる。つまり、突起部10Aの頂部に到達したトナーは、中間転写体と二次転写ベルト10との間で圧力が加わると、突起部10Aの頂部が湾曲して傾斜しているため、転がり易くなり、配列した突起部10A同士の間に移行し易くなる。その結果、突起部10Aの頂部でのトナー潰れが抑えられ、トナーのクリーニング不良が抑制され易くなる。
なお、突起部10Aは、上記態様に限られず、例えば、以下に示す態様であってもよい。
1)図3(A)に示すように、長手方向がベルト周方向に傾斜した突起部10Aを、互いの長手方向が沿うように、間隔を持って配列して複数設けた態様(具体的には、例えば螺旋状に突起部10Aを設けた態様)。
2)図3(B)に示すように、長手方向がベルト幅方向に沿った突起部10Aを、互いの長手方向が沿うように、間隔を持って配列して複数設けた態様。
3)図3(C)に示すように、突起部10Aを断続的に設けた態様(本実施形態では、隣合う突起部10A同士の断続部が千鳥格子状に配列した態様を示しているが、断続部が格子状(つまり突起部10Aが格子状)に配列した態様であってもよい。)
突起部10Aの高さHは、10μm以上50μm以下であるが、トナーのクリーニング性の観点から、望ましくは20μm以上30μm以下である。なお、突起部10Aの高さHは、適用するトナーの体積平均粒径よりも大きいことがよい。
ここで、突起部10Aの高さHは、底部(ベルト外周面)から頂部先端までの最大値を意味する。
突起部10Aの幅Wは、トナーのクリーニング性の観点から、例えば、10μm以上500μm以下がよく、望ましくは20μm以上200μm以下、より望ましくは30μm以上100μm以下である。なお、突起部10Aの幅Wは、適用するトナーの体積平均粒径よりも大きいことがよい。
また、突起部10Aの幅Wは、底部の幅よりも頂部の幅が小さいことがよい。これにより、互いの突起部10A同士の間にトナーが入り込み易くなり、その結果、トナーのクリーニング不良が抑制され易くなる。
ここで、突起部10Aの幅Wは、底部から頂部までの幅うち、最大値を意味する。
突起部10Aの配列間隔Pは、トナーのクリーニング性の観点から、例えば、10μm以上100μm以下がよく、望ましくは10μm以上50μm以下、より望ましくは10μm以上30μm以下である。なお、突起部10Aの配列間隔Pは、適用するトナーの体積平均粒径よりも大きいことがよい。
ここで、突起部10Aの配列間隔Pは、互いの突起部10Aの底部同士の間隔のうち、最小値を意味する。
−ベルト組成−
本実施形態に係る二次転写ベルト10は、樹脂材料を含んで構成されるが、必要に応じて、導電剤、フッ素樹脂粒子、及びその他、周知の添加剤を含んで構成されてもよい。
・樹脂材料
樹脂材料としては、例えば、ポリイミド樹脂、フッ化ポリイミド樹脂、ポリアミド樹脂、ポリアミドイミド樹脂、ポリエーテルエーテルエステル樹脂、ポリアリレート樹脂、ポリエステル樹脂、補強材を添加してなるポリエステル樹脂などが挙げられる。
樹脂材料は、熱硬化性樹脂が望ましく、特にポリイミド樹脂が好適である。ポリイミド樹脂は、高ヤング率材料であることから、駆動時(支持ロール、クリーニングブレード等の応力)による変形が他の樹脂に比べ少ないので、色ズレ等の画像欠陥が生じにくいベルト部材となる。
ポリイミド樹脂としては、例えば、テトラカルボン酸二無水物とジアミン化合物との重合体であるポリアミド酸のイミド化物が挙げられる。ポリイミド樹脂として具体的には、例えば、テトラカルボン酸二無水物とジアミン化合物との等モル量を溶媒中で重合反応させてポリアミド酸の溶液として得て、そのポリアミド酸をイミド化して得られたものである。
テトラカルボン酸二無水物としては、例えば、下記の一般式(I)で示されるものが挙げられる。

(一般式(I)中、Rは4価の有機基であり、芳香族、脂肪族、環状脂肪族、芳香族と脂肪族を組み合わせたもの、又はそれらの置換された基である。)
テトラカルボン酸二無水物として具体的には、ピロメリット酸二無水物、3,3’,4,4’−ベンゾフェノンテトラカルボン酸二無水物、3,3’,4,4’−ビフェニルテトラカルボン酸二無水物、2,3,3’,4−ビフェニルテトラカルボン酸二無水物、2,3,6,7−ナフタレンテトラカルボン酸二無水物、1,2,5,6−ナフタレンテトラカルボン酸二無水物、1,4,5,8−ナフタレンテトラカルボン酸二無水物、2,2’−ビス(3,4−ジカルボキシフェニル)スルホン酸二無水物、ペリレン−3,4,9,10−テトラカルボン酸二無水物、ビス(3,4−ジカルボキシフェニル)エーテル二無水物、エチレンテトラカルボン酸二無水物等が挙げられる。
一方、ジアミン化合物の具体例としては、4,4’−ジアミノジフェニルエーテル、4,4’−ジアミノジフェニルメタン、3,3’−ジアミノジフェニルメタン、3,3’−ジクロロベンジジン、4,4’−ジアミノジフェニルスルフィド、3,3’−ジアミノジフェニルスルフォン、1,5−ジアミノナフタレン、m−フェニレンジアミン、p−フェニレンジアミン、3,3’−ジメチル4,4’−ビフェニルジアミン、ベンジジン、3,3’−ジメチルベンジジン、3,3’−ジメトキシベンジジン、4,4’−ジアミノジフェニルスルフォン、4,4’−ジアミノジフェニルプロパン、2,4−ビス(β−アミノ第三ブチル)トルエン、ビス(p−β−アミノ−第三ブチルフェニル)エーテル、ビス(p−β−メチル−δ−アミノフェニル)ベンゼン、ビス−p−(1,1−ジメチル−5−アミノ−ベンチル)ベンゼン、1−イソプロピル−2,4−m−フェニレンジアミン、m−キシリレンジアミン、p−キシリレンジアミン、ジ(p−アミノシクロヘキシル)メタン、ヘキサメチレンジアミン、ヘプタメチレンジアミン、オクタメチレンジアミン、ノナメチレンジアミン、デカメチレンジアミン、ジアミノプロピルテトラメチレン、3−メチルヘプタメチレンジアミン、4,4−ジメチルヘプタメチレンジアミン、2,11−ジアミノドデカン、1,2−ビス−3−アミノプロボキシエタン、2,2−ジメチルプロピレンジアミン、3−メトキシヘキサメチレンジアミン、2,5−ジメチルヘプタメチレンジアミン、3−メチルヘプタメチレンジアミン、5−メチルノナメチレンジアミン、2,17−ジアミノエイコサデカン、1,4−ジアミノシクロヘキサン、1,10−ジアミノ−1,10−ジメチルデカン、12−ジアミノオクタデカン、2,2−ビス〔4−(4−アミノフェノキシ)フェニル〕プロパン、ピペラジン、HN(CHO(CHO(CH)NH、HN(CHS(CHNH、HN(CHN(CH(CHNH等が挙げられる。
テトラカルボン酸二無水物とジアミンを重合反応させる際の溶媒としては、溶解性等の点より極性溶媒(有機極性溶媒)が好適に挙げられる。極性溶媒としては、N,N−ジアルキルアミド類が望ましく、具体的には、例えば、これの低分子量のものであるN,N−ジメチルホルムアミド、N,N−ジメチルアセトアミド、N,N−ジエチルホルムアミド、N,N−ジエチルアセトアミド、N,N−ジメチルメトキシアセトアミド、ジメチルスルホキシド、ヘキサメチルホスホルトリアミド、N−メチル−2−ピロリドン、ピリジン、テトラメチレンスルホン、ジメチルテトラメチレンスルホン等が挙げられる。これらは単数又は複数併用してもよい。
ポリイミド樹脂の含有量は、例えば、層を構成する成分全体に対して10質量%以上80質量%以下であり、望ましくは20質量%以上75質量%以下、より望ましくは40質量%以上70質量%以下である。
ポリイミド樹脂は、1種単独で用いてもよいし、2種以上併用してもよい。
・導電剤
導電剤としては、導電性(例えば体積抵抗率10Ω・cm未満、以下同様である)もしくは半導電性(例えば体積抵抗率10Ω・cm以上1013Ω・cm以下、以下同様である)の粉末(1次粒径が10μm未満の粒子からなる粉末がよく、望ましくは1次粒径が1μm以下の粒子からなる粉末)が挙げられる。
導電剤としては、特に制限はないが、例えば、カーボンブラック(例えばケッチエンブラック、アセチレンブラック、表面が酸化処理されたカーボンブラック等)、金属(例えばアルミニウムやニッケル等)、酸化金属化合物(例えば酸化イットリウム、酸化錫等)、イオン導電性物質(例えばチタン酸カリウム、LiCl等)等が挙げられる。
導電剤は、その使用目的により選択されるが、カーボンブラックがよく、特に、電気抵抗の経時での安定性や、転写電圧による電界集中を抑制する電界依存性の観点から、pH5以下(望ましくはpH4.5以下であり、より望ましくはpH4.0以下)の酸化処理カーボンブラック(例えば表面にカルボキシル基、キノン基、ラクトン基、水酸基等を付与して得られたカーボンブラック)がよい。
導電剤の含有量は、目的とする抵抗により選択されるが、例えば、層を構成する成分全体に対して1質量%以上50質量%以下であり、望ましくは2質量%以上40質量%以下、より望ましくは4質量%以上30質量%以下である。
なお、導電剤は、1種単独で用いてもよいし、2種以上併用してもよい。
・フッ素樹脂粒子
フッ素樹脂粒子としては、例えば、4フッ化エチレン樹脂、3フッ化塩化エチレン樹脂、6フッ化プロピレン樹脂、フッ化ビニル樹脂、フッ化ビニリデン樹脂、2フッ化2塩化エチレン樹脂及びそれらの共重合体の粒子が挙げられる。
これらの中も、フッ素樹脂粒子としては、特に、ポリテトラフルオロエチレン(4フッ化エチレン樹脂「PTFE」)、テトラフルオロエチレン−ヘキサフルオロプロピレン−パーフルオロアルキルビニルエーテル共重合体(「FEP」)、テトラフルオロエチレンとパーフルオロアルキルビニルエーテルとの共重合体(「PFA」)がよく、特に、ポリテトラフルオロエチレン(4フッ化エチレン樹脂「PTFE」)が望ましい。
フッ素樹脂粒子は、一次粒子、2μm以下(望ましくは1μm以下、より望ましくは0.5μm以下)の二次粒子径を持つ二次粒子、又はこれの混合状態で含まれていることがよい。
これは、フッ素樹脂粒子が、一次粒子、二次粒子(一次粒子が2つ以上凝集した凝集状態)、又はこれらの混合状態で分散・含有されており、少なくとも凝集粒子の状態での二次粒子径が上記範囲となっていること、つまり、フッ素樹脂粒子の凝集が抑制された状態でフッ素樹脂粒子が分散されていることを意味する。
なお、フッ素樹脂粒子の一次粒子(凝集していない状態の粒子径:一次粒径)は、0.1μm以上0.3μm以下であることがよい。
フッ素樹脂粒子の一次粒径及び二次粒径は、感光体の最表面層から試料片を得て、これをSEM(走査型電子顕微鏡)により例えば倍率5000倍以上で観察し、一次粒子、又は凝集粒子の状態のフッ素樹脂粒子のそれぞれの最大径を測定し、これを50個の粒子について行った平均値とする。なお、SEMとして日本電子製JSM-6700Fを使用し、加速電圧5kVの2次電子画像を観察する。
フッ素樹脂粒子の含有量は、例えば、層を構成する成分全体に対して1質量%以上50質量%以下であることがよく、望ましくは2質量%以上45質量%以下より望ましくは3質量%以上40質量%以下である。
なお、フッ素樹脂粒子は、1種単独で用いてもよいし、2種以上併用してもよい。
ここで、フッ素樹脂粒子を上記分散状態(含有状態)とするには、例えば、分散剤としてのフッ素系グラフトポリマーを併用することがよい。
フッ素系グラフトポリマーとしては、分子鎖の片方の末端に重合性の官能基を有するマクロモノマーと、フッ化アルキル基を有する重合性フッ素系モノマーと、の共重合体が挙げられる。
フッ素系グラフトポリマーとして具体的には、例えば、マクロマーとして、アクリル酸エステル、メタクリル酸エステル、スチレン化合物等の重合体又はそれらの共重合体と、フッ素系モノマーとして、パーフルオロアルキルエチルメタクリレート、パーフルオロアルキルメタクリレート等との、グラフト共重合体が挙げられる。
マクロモノマーと重合性フッ素系モノマーとの重合比は、例えば、フッ素系グラフトポリマー中のフッ素含有量として10質量%以上50質量%以下(望ましくは10質量%以上40質量%以下、より望ましくは10質量%以上30質量%以下)となる重合比であることがよい。
フッ素系グラフトポリマーの分子量は、例えば、数平均分子量で5000以上20000以下であることよく、望ましくは5000以上17500以下、より望ましくは5000以上12000以下である。
フッ素系グラフトポリマーの量は、例えば、フッ素樹脂粒子に対して0.1質量%以上10質量%以下であることがよい。
−ベルト部材の特性−
本実施形態に係る二次転写ベルト10の外周面の表面抵抗率は、二次転写性の観点から、常用対数値で9(LogΩ/□)以上13(LogΩ/□)以下であることが望ましく、10(LogΩ/□)以上12(LogΩ/□)以下であることがより望ましい。
なお、表面抵抗率の常用対数値は、導電剤の種類、及び導電剤の添加量により制御される。
ここで、表面抵抗率の測定方法は、次の通り行う。円形電極(例えば、三菱油化(株)製ハイレスターIPの「URプローブ」)を用い、JIS K6911に従って測定する。表面抵抗率の測定方法を、図を用いて説明する。図4は、円形電極の一例を示す概略平面図(A)及び概略断面図(B)である。図4に示す円形電極は、第一電圧印加電極Aと板状絶縁体Bとを備える。第一電圧印加電極Aは、円柱状電極部Cと、該円柱状電極部Cの外径よりも大きい内径を有し、且つ円柱状電極部Cを一定の間隔で囲む円筒状のリング状電極部Dとを備える。第一電圧印加電極Aにおける円柱状電極部C及びリング状電極部Dと板状絶縁体Bとの間にベルトTを挟持し、第一電圧印加電極Aにおける円柱状電極部Cとリング状電極部Dとの間に電圧V(V)を印加したときに流れる電流I(A)を測定し、下記式により、ベルトTの転写面の表面抵抗率ρs(Ω/□)を算出する。ここで、下記式中、d(mm)は円柱状電極部Cの外径を示し、D(mm)はリング状電極部Dの内径を示す。
式:ρs=π×(D+d)/(D−d)×(V/I)
なお、表面抵抗率は、円形電極(三菱油化(株)製ハイレスターIPのURプローブ:円柱状電極部Cの外径Φ16mm、リング状電極部Dの内径Φ30mm、外径Φ40mm)を用い、22℃/55%RH環境下、電圧500V、10秒印加後の電流値を求め算出する。
本実施形態に係る二次転写ベルト10の全体の体積抵抗率は、二次転写性の観点から、常用対数値で8(LogΩcm)以上13(LogΩcm)以下であることが望ましい。 なお、体積抵抗率の常用対数値は、導電剤の種類、及び導電剤の添加量により制御される。
ここで、体積抵抗率の測定は、円形電極(例えば、三菱油化(株)製ハイレスターIPのURプローブ)を用い、JIS K6911に従って測定する。前記体積抵抗率の測定方法を、図4を用いて説明する。測定は表面抵抗率と同一の装置で測定する。但し、図4に示す円形電極において、表面抵抗率測定時の板状絶縁体Bに代えて第二電圧印加電極B’とを備える。そして、第一電圧印加電極Aにおける円柱状電極部C及びリング状電極部Dと第二電圧印加電極B’との間にベルトTを挟持し、第一電圧印加電極Aにおける円柱状電極部Cと第二電圧印加電極Bとの間に電圧V(V)を印加した時に流れる電流I(A)を測定し、下記式により、ベルトTの体積抵抗率ρv(Ωcm)を算出する。ここで、下記式中、tは、ベルトTの厚さを示す。
式ρv=19.6×(V/I)×t
なお、体積抵抗率は、円形電極(三菱油化(株)製ハイレスターIPのURプローブ:円柱状電極部Cの外径Φ16mm、リング状電極部Dの内径Φ30mm、外径Φ40mm)を用い、22℃/55%RH環境下、電圧500V、10秒印加後の電流値を求め算出する。
また、上記式に示される19.6は、抵抗率に変換するための電極係数であり、円柱状電極部の外径d(mm)、試料の厚さt(cm)より、πd/4tとして算出される。また、ベルトTの厚さは、サンコー電子社製渦電流式膜厚計CTR−1500Eを使用し測定する。
−ベルト部材の製造方法−
本実施形態に係る二次転写ベルト10の製造方法には、特に制限はなく、例えば、上記成分を含む層形成用塗布液の円筒状金型(芯体)上へ塗布し、その後、乾燥、必要に応じて焼成(ポリイミド樹脂前駆体を使用した場合、イミド化)して無端状のベルト部材を作製する。そして、得られたベルト部材の外周面を切削して、突起部10Aを形成する。
また、本実施形態に係る二次転写ベルト10の製造方法としては、その他、フローコート法を利用する方法も有効である。
具体的には、塗布装置(層形成用塗布液を吐出するノズル)と、回転する円筒状金型(芯体)と、を当該金型の軸方向の一端から他端に向けて相対的に移動させつつ、塗布装置(層形成用塗布液を吐出するノズル)から金型の外周面に層形成用塗布液を吐出し、塗膜を形成する。但し、金型(芯体)の外周面に層形成用塗布液が付着した後、その塗膜に対して平坦化処理(例えば板状部材で塗膜を当て付ける処理)は行わない、又は当て付け力を通常より小さくして平坦化処理を実施する。
この際、例えば、塗布装置(層形成用塗布液を吐出するノズル)の吐出量を50ml/分以上200ml/分以下(通常の1割程度の吐出量)とする。
また、金型(芯体)の回転速度を、例えば、100rpm以上500rpm(望ましくは200rpm以上500rpm)とする。
また、塗布装置(層形成用塗布液を吐出するノズル)と金型(芯体)の相対速度(トラバース速度)を10mm/分以上100mm/分以下通常の1割程度の相対速度)とする。
このフローコート法により塗膜を形成し、当該塗膜を乾燥、必要に応じて焼成して無端状のベルト部材を作製すると、外周面に配列された突起部10Aが形成された二次転写ベルト10が得られる。具体的には、例えば、ベルト周方向に沿って連続した突起部10Aが、互いの長手方向が沿うように、間隔を持って配列して複数形成(又は螺旋状に突起部10Aが形成)された二次転写ベルト10が得られる。
この理由は、定かではないが、このフローコート法により、塗膜中に混在する気泡が、ベルト周方向に沿って配列するように偏在し、且つこの配列した気泡の偏在領域が互いの配列方向が沿うように間隔を持って配列する(又は気泡の偏在領域が螺旋状に配列する)と考えられる。この状態の塗膜を乾燥、必要に応じて焼成を行うと、気泡が表面に析出し、配列した突起部10Aが形成されると考えられる。
(二次転写装置用)
図5は、本実施形態に係る二次転写装置を示す概略構成図である。
本実施形態に係る二次転写装置109は、例えば、図5に示すように、中間転写ベルト107(中間転写体の一例)の外周面に接触して配置される二次転写ベルト10(本実施形態に係る二次転写ベルト)と、二次転写ベルト10の内周面に接触し、且つ二次転写ベルト10を介して中間転写ベルト107に対向して配置される二次転写ロール12と、二次転写ベルト10の内周面に接触して配置され、二次転写ロールと共に前記二次転写ベルトを張力が掛かった状態で支持する一つ又は複数の支持ロール14A〜14F(本実施形態では6つの支持ロール14A〜14F)と、を備えている。
二次転写ロール12は、その層構造について、特に限定されるものではないが、例えば、三層構造の場合、コア層と中間層とその表面を被覆するコーティング層により構成される。コア層は導電性粒子を分散したシリコーンゴム、ウレタンゴム、またはEPDM等の発泡体で、中間層はこれらの無発泡体で構成される。コーティング層の材料としては、テトラフルオロエチレン−ヘキサフルオロプロピレン共重合体、またはパーフルオロアルコキシ樹脂などが挙げられる。二次転写ロール12の体積抵抗率は10Ωcm以下であることが望ましい。また、中間層を除いた2層構造としてもよい。
二次転写ベルト10の外周面には、二次転写ロール12よりもベルト回転方向下流側に、二次転写ベルト10を介して支持ロール14A(掻取治具対向ロールとして機能するロール)と対向するように、二次転写ベルト10の外周面の付着物(トナー等)を掻き取る掻取治具16(スクレーパ:クリーニング装置の一例)が設けられている。
なお、掻取治具16よりもベルト回転方向上流側には、掻取治具16の面出しを行うため、二次転写ベルト10を内周面側から外周面側に押し上げる面出しロール14Gが備えられている。
二次転写ベルト10の外周面には、掻取治具16よりも、ベルト回転方向下流側に、二次転写ベルト10の外周面の付着物(トナー等)を静電的に除去する静電クリーナー18(クリーニング装置の一例)が備えられている。
静電クリーナー18には、例えば、二次転写ベルト10と接触し、付着物(トナー等)を静電的に除去する2つの静電ブラシ20,22と、2つの静電ブラシ20,22に接触しつつ回転して静電ブラシ20,22に付着した付着物(トナー等)を回収する2つの回収ローラ20A,22Aと、2つの回収ローラ20A,22Aに各々接触しつつ回収ローラ20A,22Aに付着した付着物(トナー等)を掻き落とす掻取治具20B,22B(スクレーパ)と、を備える。なお、掻取治具20B,22B(スクレーパ)により掻き落とされた付着物(トナー等)は、静電クリーナー18内(その筐体内)に収容する
そして、静電クリーナー18は、2つの静電ブラシ20,22が支持ロール14C及び14D(静電ブラシ対向ロールとして機能するロール)と各々対向するように、設けられている。
なお、本実施形態に係る二次転写装置109は、上記構成に限られず、周知のベルト方式の二次転写装置が採用される。
(画像形成装置)
図6は、本実施形態に係る画像形成装置を示す概略構成図である。
本実施形態に係る画像形成装置100は、例えば、図6に示すように、いわゆるタンデム方式であり、それぞれ電子写真感光体からなる4つの像保持体101a〜101dの周囲に、その回転方向に沿って順次、像保持体101a〜101dの表面を帯電させる帯電装置102a〜102d、帯電された像保持体101a〜101dの表面を露光し、静電潜像を形成する露光装置114a〜114d(静電潜像形成装置の一例)、トナーを含む現像剤を収容し、像保持体101a〜101dの表面に形成された静電潜像をトナーにより現像してトナー像を形成する現像装置103a〜103d、像保持体101a〜101d上のトナー像を中間転写ベルト107に転写する一次転写装置(一次転写ロール)105a〜105d、像保持体クリーニング装置104a〜104dが配置されている。尚、転写後の像保持体101a〜101dの表面に残留している残留電位を除去するために除電器を備えていてもよい。
また、像保持体101a〜101d上のトナー像が転写される中間転写ベルト107(中間転写体の一例)が、支持ロール106a〜106d、駆動ロール111および対向ロール108に支持され、ベルト支持装置107bを形成している。これらの支持ロール106a〜106d、駆動ロール111および対向ロール108により、中間転写ベルト107は、各像保持体101a〜101dの表面に接触しながら各像保持体101a〜101dと一次転写装置105a〜105dとで挟まれる領域を矢印Aの方向に移動し得る。一次転写装置105a〜105dが中間転写ベルト107を介して像保持体101a〜101dに接触する部位が一次転写部となり、像保持体101a〜101dと一次転写装置105a〜105dとの接触部には一次転写電圧が印加される。
また、一次転写装置105a〜105dよりも、中間転写ベルト107の回転方向(矢印A)下流側において、中間転写ベルト107の外周面には二次転写装置109(本実施形態に係る二次転写装置109)が配置されている。そして、二次転写装置109の二次転写ロール12と対向するように、二次転写ベルト10及び中間転写ベルト107を介して、対向ロール108が中間転写ベルト107の内周面に接触して配置されている。
二次転写装置109(その二次転写ロール12)が中間転写ベルト107および二次転写ベルト116を介して対向ロール108に接触する部位が二次転写部となり、二次転写ベルト10を介した二次転写ロール12と対向ロール108との接触部には二次転写電圧が印加される
そして、転写後の中間転写ベルト107の外周面と接触するように、中間転写ベルトクリーニング装置112,113が配置されている。
また、二次転写部を通過し、用紙等の記録媒体115に転写されたトナー像を定着するための定着装置110が設けられている。
(転写装置)
ここで、例えば、中間転写ベルト107と、一次転写装置105a〜105dと、二次転写装置109と、その他、中間転写ベルトクリーニング装置112,113と、対向ロール108等を含むロール群と、を有するユニットが本実施形態に係る転写装置に相当する。
中間転写ベルト107は、導電性を付与したポリイミド、ポリアミドイミド、ポリカーボネート、ポリアリレート、ポリエステル、ゴム等のベルト状のもの(中間転写ベルト)が使用される。また、中間転写体の形態としては、ベルト状以外にドラム状のものを用いてもよい。
対向ロール108は、二次転写ロール12の対向電極を形成する。対向ロール108の層構造は、単層又は多層のいずれでもよい。例えば単層構造の場合は、シリコーンゴム、ウレタンゴム、またはEPDM等にカーボンブラック等の導電性粒子が適量配合されたロールで構成される。二層構造の場合は、上記のゴム材料で構成される弾性層の外周面を高抵抗層で被覆したロールから構成される。
なお、対向ロール108と二次転写ロール12のシャフトとには、通常1kV以上6kV以下の電圧が印加される。対向ロール108のシャフトへの電圧印加に代えて、対向ロール108に接触させた電気良導性の電極部材と二次転写ロール12とに電圧を印加してもよい。上記電極部材としては、金属ロール、導電性ゴムロール、導電性ブラシ、金属プレート、または導電性樹脂プレート等が挙げられる。
中間転写ベルトクリーニング装置112,113としては、クリーニングブレードの他、ブラシクリーニング、またはロールクリーニング等が用いられる、これらの中でもクリーニングブレードを用いることが望ましい。また、クリーニングブレードの材質としてはウレタンゴム、ネオプレンゴム、またはシリコーンゴム等が挙げられる。
以下、本実施形態に係る画像形成装置100のその他要素について、説明する。
(像保持体)
像保持体101a〜101dとしては、公知の電子写真感光体が広く適用される。電子写真感光体としては、感光層が無機材料で構成される無機感光体や、感光層が有機材料で構成される有機感光体などが用いられる。有機感光体においては、露光により電荷を発生する電荷発生層と、電荷を輸送する電荷輸送層を積層する機能分離型有機感光体や、電荷を発生する機能と電荷を輸送する機能を果たす単層型有機感光体が好適に用いられる。また、無機感光体においては、感光層がアモルファスシリコンにより構成されているものが、好適に用いられる。
像保持体101a〜101dの形状には特に限定はなく、例えば、円筒ドラム状、シート状またはプレート状等、公知の形状が採用される。
(帯電装置)
帯電装置102a〜102dとしては、特に制限はなく、例えば、導電性(ここで、帯電装置における「導電性」とは例えば体積抵抗率が10Ω・cm未満を意味する。)または半導電性(ここで、帯電装置における「半導電性」とは例えば体積抵抗率が10乃至1013Ωcmを意味する。)のローラ、ブラシ、フィルム、またはゴムブレード等を用いた接触型帯電器、コロナ放電を利用したスコロトロン帯電器やコロトロン帯電器など、公知の帯電器が広く適用される。これらの中でも接触型帯電器が望ましい。
帯電装置102a〜102dは、像保持体101a〜101dに対し、通常、直流電流を印加するが、交流電流を更に重畳させて印加してもよい。
(露光装置)
露光装置114a〜114dとしては、特に制限はなく、例えば、像保持体101a〜101dの表面に、半導体レーザー光、LED(Light Emitting Diode、発光ダイオード)光、若しくは液晶シャッタ光等の光源、又はこれらの光源からポリゴンミラーを介して定められた像様に露光し得る光学系機器など、公知の露光装置が広く適用される。
(現像装置)
現像装置103a〜103dとしては、目的に応じて選択され、例えば、一成分系現像剤または二成分系現像剤をブラシ、またはローラ等を用い接触又は非接触させて現像する公知の現像器などが挙げられる。
本実施形態の画像形成装置100に用いるトナー(現像剤)は特に限定されず、例えば、結着樹脂と着色剤を含んで構成される。
結着樹脂としては、スチレン類、モノオレフィン類、ビニルエステル類、α−メチレン脂肪族モノカルボン酸エステル類、ビニルエーテル類、またはビニルケトン類等の単独重合体および共重合体が例示され、特に代表的な結着樹脂としては、ポリスチレン、スチレン−アクリル酸アルキル共重合体、スチレン−メタクリル酸アルキル共重合体、スチレン−アクリロニトリル共重合体、スチレン−ブタジエン共重合体、スチレン−無水マレイン酸共重合体、ポリエチレン、またはポリプロピレン等が挙げられる。更に、ポリエステル、ポリウレタン、エポキシ樹脂、シリコーン樹脂、ポリアミド、変性ロジン、またはパラフィンワックス等も挙げられる。
着色剤としては、マグネタイト、フェライト等の磁性粉、カーボンブラック、アニリンブルー、カルコイルブルー、クロムイエロー、ウルトラマリンブルー、デュポンオイルレッド、キノリンイエロー、メチレンブルークロリド、フタロシアニンブルー、マラカイトグリーンオキサレート、ランプブラック、ローズベンガル、C.I.ピグメント・レッド48:1、C.I.ピグメント・レッド122、C.I.ピグメント・レッド57:1、C.I.ピグメント・イエロー97、C.I.ピグメント・イエロー17、C.I.ピグメント・ブルー15:1、またはC.I.ピグメント・ブルー15:3等が代表的なものとして挙げられる。
トナーには、帯電制御剤、離型剤、他の無機粒子等の公知の添加剤を内添加処理や外添加処理してもよい。
離型剤としては、低分子ポリエチレン、低分子ポリプロピレン、フィッシャートロプシュワックス、モンタンワックス、カルナバワックス、ライスワックス、またはキャンデリラワックス等が代表的なものとして挙げられる。
帯電制御剤としては、公知のものが使用されるが、アゾ系金属錯化合物、サリチル酸の金属錯化合物、または極性基を含有するレジンタイプ等の帯電制御剤が用いられる。
他の無機粒子としては、粉体流動性、帯電制御等の目的で、平均1次粒径が40nm以下の小径無機粒子を用い、更に、付着力低減の為、それより大径の無機又は有機粒子を併用してもよい。これらの他の無機粒子は公知のものが使用される。
また、小径無機粒子については表面処理することにより、分散性が高くなり、粉体流動性をあげる効果が大きくなるため有効である。
トナーの製造方法としては、高い形状制御性を得られることから、乳化重合凝集法や溶解懸濁法等などの重合法が望ましく用いられる。また、これらの方法で得られたトナーをコアにして、更に凝集粒子を付着、加熱融合してコアシェル構造をもたせる製造方法を行ってもよい。
なお、外添剤を添加する場合、トナーおよび外添剤をヘンシェルミキサー又はVブレンダー等で混合することによって製造し得る。また、トナーを湿式にて製造する場合は、湿式にて外添してもよい。
(一次転写装置)
一次転写装置105a〜105dは、転写ロールで構成され、単層又は多層のロールのいずれでもよい。例えば、単層構造の場合は、発泡または無発泡のシリコーンゴム、ウレタンゴム、またはEPDM等にカーボンブラック等の導電性粒子が適量配合されたロールで構成される。
(像保持体クリーニング装置)
像保持体クリーニング装置104a〜104dは、一次転写工程後の像保持体101a〜101dの表面に付着する残存トナーを除去するためのものであり、クリーニングブレードの他、ブラシクリーニング、またはロールクリーニング等が用いられる。これらの中でもクリーニングブレードを用いることが望ましい。また、クリーニングブレードの材質としてはウレタンゴム、ネオプレンゴム、またはシリコーンゴム等が挙げられる。
(定着装置)
定着装置110としては、例えば、熱ローラ定着器、加圧ローラ定着器、またはフラッシュ定着器など公知の定着器が広く適用される。
(画像形成プロセス)
この画像形成装置100で画像形成を行う際には、像保持体101aが矢印Cの方向に回転するとともに、その表面が帯電装置102aによって帯電された後、レーザー光等の露光装置114aにより第1色目の静電潜像が形成される。像保持体101aの表面に形成された静電潜像はその色に対応するトナーを含む現像剤を収容した現像装置103aにより、トナーで現像(顕像化)されてトナー像が形成される。なお、現像装置103a〜103dには、各色の静電潜像に対応するトナー(例えば、イエロー、マゼンタ、シアン、ブラック)がそれぞれ収容されている。
像保持体101a上に形成されたトナー像は、一次転写部を通過する際に、一次転写装置105aによって中間転写ベルト107上に静電的に転写(一次転写)される。以降、第1色目のトナー像を保持した中間転写ベルト107上に、一次転写装置105b〜105dによって、第2色目、第3色目、第4色目のトナー像が順次重ね合わせられるよう一次転写され、最終的に多色の多重トナー像が得られる。
中間転写ベルト107上に形成された多重トナー像は、二次転写部を通過する際に、記録媒体115に静電的に一括転写される。トナー像が転写された記録媒体115は、定着装置110に搬送され、加熱や加圧等により定着処理された後、機外に排出される。
一次転写後の像保持体101a〜101dは、それぞれ像保持体クリーニング装置104a〜104dにより残留トナーが除去される。一方、二次転写後の中間転写ベルト107は、中間転写ベルトクリーニング装置112,113により残留トナーが除去され、次の画像形成プロセスに備える。
上述した実施形態においては、像保持体が複数個で構成される所謂タンデム方式の画像形成装置を説明したが、像保持体が1個で、色数分だけ中間転写ベルトが回転・作像プロセスを行う所謂複数サイクル方式(例えば4サイクル方式等)の画像形成装置であっても良い。
また、本実施形態に係る画像形成装置用複層ポリイミドフィルムを中間転写ベルトとして使用する場合について主に説明したが、本実施形態に係る画像形成装置用複層ポリイミドフィルムは中間転写ベルト以外にも適用してもよく、例えば、被転写体を搬送する転写搬送ベルトとして用いてもよい。
以下、実施例および比較例について説明するが、本発明は以下の実施例に限定されるものではない。尚、以下において「部」は、特に断りのない限り質量基準を表す。
[実施例1]
(ベルト部材(層)形成用塗布液の調製)
−カーボンブラック分散ポリアミド酸溶液の調製−
まず、ビフェニルテトラカルボン酸二無水物(BPDA)とp−フェニレンジアミン(PDA)を含むポリアミド酸N−メチル−2−ピロリドン(NMP)溶液(ユニチカ社製UイミドKX/固形分濃度20質量%)中にカーボンブラック(SPECIAL Black 4、エボニックデグサジャパン社製)を固形分質量比で8質量%投入し、ジェトミル分散機(ジーナス社製:GeanusPY)で分散処理(200N/mm、5パス)を行った。得られたカーボンブラック分散ポリアミド酸溶液を、ステンレス製20μmメッシュに通過させて、異物及びカーボンブラック凝集物を取り除いた。更に、攪拌しながら真空脱泡を15分間行い、最終的な溶液を調製した。
−フッ素樹脂粒子分散ポリアミド酸溶液の調製−
まず、ビフェニルテトラカルボン酸二無水物(BPDA)とp−フェニレンジアミン(PDA)を含むポリアミド酸N−メチル−2−ピロリドン(NMP)溶液(ユニチカ社製UイミドKX/固形分濃度20質量%)を準備した。
次に、この溶液に、一次粒径0.2μmのPTFE粒子を固形分質量比で20質量%と、フッ素樹脂粒子分散剤(AGCセイミケミカル社製S−386)を固形分質量比で1質量%と、を混合し、ジェトミル分散機(ジーナス社製:GeanusPY)で分散処理(200N/mm、5パス)を行った。
得られたフッ素樹脂粒子分散ポリアミド酸溶液を、ステンレス製20μmメッシュに通過させて、異物及びPTFE凝集物を取り除いた。更に、攪拌しながら真空脱泡を15分間行い、最終的な溶液を作製した。
−混合溶液の調整−
カーボンブラック分散ポリアミド酸溶液500質量部と、フッ素樹脂粒子分散ポリアミド酸溶液500質量部と、を回転式攪拌機により混合して、混合溶液を調製した。
これをベルト部材(層)形成用塗布液とした。
(ベルト部材の作製)
外径600mm、肉厚8mm、長さ900mmのSUS304製円筒状金型を用意し、保持板として厚さ8mm、外径が上記円筒に嵌まる径、150mm径の通風孔を4つ設けた円板を同じSUS材で作製し、円筒状金型の両端に嵌めて溶接し、芯体とした。芯体の外周面は、アルミナ粒子によるブラスト処理によりRa0.4μmに粗面化した。
次に、芯体の外周面には、シリコーン系離型剤(商品名:セパコート、信越化学製)を塗布して、300℃で1時間、焼き付け処理を施した。
次に、ベルト部材(層)形成用塗布液を芯体の外周面に塗布して、塗布液の塗膜を形成した。
ここで、塗布液の塗布は、フローコート法(らせん塗布方法)を適用して行った。
塗布条件は、15リットルの塗布液が入った容器にモーノポンプを連結した流下装置のノズルから毎分50mlの塗布液の吐出を行い、芯体を100rpmで回転させ、芯体軸方向に10mm/分の速度(相対速度)で移動させて行った。
塗布幅は芯体の軸方向の端部10mmの位置から、他端部10mmの位置までとした。塗布後、そのまま5分間回転を続けることで、塗膜表面のらせん筋は消失した。
これにより、膜厚が300μmの塗布液の塗膜が形成された。この厚さは、でき上がり膜厚80μmに相当する。
その後、芯体を10rpmで回転させながら150℃の乾燥炉に入れ、最内層形成用塗布液の塗膜を30分間乾燥させた。
次に、芯体を回転台から降ろして垂直にして加熱炉に入れ、315℃で1時間加熱反応させ、イミド化反応(焼成)を行って、ベルト部材を得た。その後、得られたベルト部材を芯体から抜き取った。
[実施例2〜3、比較例1]
表1に従って、流下装置のノズルからの塗布液の吐出量、芯体の回転速度、流下装置のノズルの移動速度(相対速度)、その他条件を変更して、塗布液の塗膜を形成した以外は、実施例1と同様にして、ベルト部材を得た。
[評価]
各例で得られたベルト部材について、以下の評価を行った。
−ベルト部材の外観観察及び測定−
各実施例で得られたベルト部材の外周面を観察したところ、ベルト周方向に沿って連続して突起部が形成されており、互いの長手方向が沿うように、間隔を持って配列して複数形成されていた。具体的には、螺旋状に突起部が形成されていた。また、突起部の頂部は、湾曲状に突出していた。
そして、その突起部の高さ、幅、配列間隔を測定した。
なお、比較例1で得られたベルト部材の外周面を観察したところ、突起部は形成されていなかった。
−クリーニング性−
各例で得られたベルト部材を二次転写ベルトとして、画像形成装置「富士ゼロックス社製700 Digital Color Press」のプロセス速度等を変更した改造機種の二次転写装置に装着し、次のようにして、クリーニング性を評価した。なお、評価には、体積平均粒径5.8μmのトナーを含む現像剤を使用した。
評価基準は、以下の通りである。
○: トナーすり抜けなし
△: トナーすり抜けややあり
×: トナーすり抜けあり
以下、各評価の結果を表1に一覧にして示す。
上記結果から、本実施例では、比較例1に比べ、クリーニング性、用紙剥離性の評価が共に良好であることがわかる。
10 二次転写ベルト
10A 突起部
12 二次転写ロール
14A〜14F 支持ロール
14G 面出しロール
16 掻取治具
18 静電クリーナー
20,22 静電ブラシ
20A,22A 回収ローラ
20B,22B 掻取治具
101a、101b、101c、101d 像保持体
102a、102b、102c、102d 帯電装置
103a、103b、103c、103d 現像装置
104a、104b、104c、104d 像保持体クリーニング装置
105a、105b、105c、105d 一次転写装置
106a、106b、106c、106d 支持ロール
107 中間転写ベルト
107b 中間転写ベルト支持装置(ベルト支持装置)
108 対向ロール
109 二次転写装置
110 定着装置
111 駆動ロール
112 中間転写ベルトクリーニングブレード
113 中間転写ベルトクリーニングブラシ
114a、114b、114c、114d 露光装置
115 記録媒体

Claims (6)

  1. 少なくとも外周面が樹脂材料を含んで構成され、当該外周面に高さ10μm以上50μm以下の突起部が配列された二次転写装置用の二次転写ベルト。
  2. 前記突起部の頂部が、湾曲状に突出して構成されている請求項1に記載の二次転写装置用の二次転写ベルト。
  3. 前記突起部の配列間隔が、10μm以上100μm以下である請求項1又は2に記載の二次転写装置用の二次転写ベルト。
  4. 中間転写体の外周面に接触して配置される二次転写ベルトであって、請求項1〜3のいずれか1項に記載の二次転写装置用の二次転写ベルトと、
    前記二次転写ベルトの内周面に接触し、且つ前記二次転写ベルトを介して前記中間転写体に対向して配置される二次転写ロールと、
    前記二次転写ベルトの内周面に接触して配置され、前記二次転写ロールと共に前記二次転写ベルトを張力が掛かった状態で支持する一つ又は複数の支持ロールと、
    を備える二次転写装置。
  5. 像保持体上のトナー像が転写される中間転写体と
    前記像保持体上の前記トナー像を前記中間転写体に転写する一次転写装置と、
    前記中間転写体に転写された前記トナー像を記録媒体に転写する二次転写装置であって、請求項4に記載の二次転写装置と、
    を備える転写装置。
  6. 像保持体と、
    前記像保持体の表面を帯電させる帯電装置と、
    帯電された前記像保持体の表面に静電潜像を形成する静電潜像形成装置と、
    トナーを含む現像剤を収容し、前記像保持体の表面に形成された静電潜像を前記トナーにより現像してトナー像を形成する現像装置と、
    前記像保持体上の前記トナー像が転写される中間転写体と、
    前記像保持体上の前記トナー像を前記中間転写体に転写する一次転写装置と、
    前記中間転写体に転写された前記トナー像を記録媒体に転写する二次転写装置であって、請求項4に記載の二次転写装置と、
    を備える画像形成装置。
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