JP2010197961A - 転写装置、及び画像形成装置 - Google Patents

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Abstract

【課題】二次転写工程において、記録媒体の幅方向の端部において二次転写電流が通紙部から非通紙部へ迂回することで生じる記録媒体の幅方向の端部における端部転写不良を抑制する転写装置を提供すること。
【解決手段】像保持体上のトナー像を中間転写ベルトに一次転写させる一次転写ロールと、バックアップロールと二次転写ベルトとの間に二次転写電界を形成して中間転写ベルト上のトナー像を記録用紙に二次転写させる二次転写装置とを備えた転写装置が、二次転写電圧が印加された時の二次転写ニップ内の通紙部と非通紙部における各部材の実効抵抗値が式(1)である中間転写ベルトの実効抵抗値<二次転写ベルトの実効抵抗値、又は、式(2)である二次転写ベルトの実効抵抗値<バックアップロールの実効抵抗値<中間転写ベルトの実効抵抗値のどちらか一方の関係を満足することで記録用紙115の幅方向の端部転写不良を抑制することができる。
【選択図】図3

Description

本発明は、転写装置、及び画像形成装置に関する。
電子写真方式を利用した画像形成装置では、従来、電子写真感光体などの像保持体に静電潜像を形成し、この静電潜像をトナーにより現像し、得られたトナー像を無端ベルトである中間転写ベルト上に静電気的に転写(一次転写工程)した後、用紙などの記録媒体上に転写(二次転写工程)することで記録媒体に画像を形成する画像形成装置が知られている。このような中間転写ベルトを介して記録媒体に画像を転写する方式は、異なる複数色のトナー像を複数の像保持体により中間転写ベルト上に重ねることでフルカラー画像を得る方式(タンデム方式)の画像形成装置に好適に用いられている。
中間転写ベルトを介して記録媒体に画像を転写する方式を用いた画像形成装置において、中間転写ベルト上に形成されたトナー像を記録媒体へ転写する二次転写工程では、中間転写ベルトを挟んで対向配置された一対のロール間に電界を発生させることで、その電界の作用により、記録媒体へ中間転写ベルト上のトナー像が転写される。
特許文献1では、フルカラー画像を得る方式の画像形成装置において、二次転写ローラを接地すると共に、二次転写対抗ローラ側に定電流制御とした二次転写バイアスを印加し、二次転写対抗ローラの近傍でかつ中間転写ベルト裏面側に抵抗の環境変動の少ない導電性部材を接地し、二次転写ニップ部から前記導電性部材の接地部までの全幅抵抗を5E+7Ω〜2E+8Ωとすることで二次転写ニップ部内での抵抗ムラを抑制している。
特開2005−345912号公報
本発明は、二次転写工程において、記録媒体の幅方向の端部において二次転写電流が通紙部から非通紙部へ迂回することで生じる記録媒体の幅方向の端部における端部転写不良を抑制する転写装置及び画像形成装置を提供することを課題とする。
本発明の請求項1に記載の転写装置は、像保持体上に形成されたトナー像を中間転写体上に一次転写させる一次転写手段と、前記中間転写体を支持する支持部材と、前記中間転写体を挟んで前記支持部材と対向配置される二次転写部材とを有し、前記二次転写部材と前記支持部材との間に二次転写電界を形成して前記中間転写体上に一次転写された前記トナー像を記録媒体に二次転写させる二次転写手段と、を備え、前記記録媒体の種類が設定されると、その設定に応じて前記二次転写手段に予め決められた二次転写電圧が印加される転写装置において、二次転写電圧が印加された時の二次転写ニップ内の通紙部と非通紙部における前記支持部材、前記中間転写体、前記二次転写部材の実効抵抗値が、式(1)または式(2)の関係のどちらか一方を満足する。
中間転写体の実効抵抗値<二次転写部材の実効抵抗値 (1)
二次転写部材の実効抵抗値<支持部材の実効抵抗値<中間転写体の実効抵抗値 (2)
本発明の請求項2に記載の転写装置は、前記中間転写体は、単層または複層からなる帯状の無端ベルトである。
本発明の請求項3に記載の転写装置は、前記中間転写体は、少なくとも最外層と最内層との2層を有してなり、前記最外層において単位体積当たりに含有されるカーボンブラックの量が、前記最内層において単位体積当たりに含有されるカーボンブラックの量より少ない。
本発明の請求項4に記載の転写装置は、前記二次転写部材が回転可能な回転部材とされ、前記二次転写部材と前記中間転写体が接すると共に所定の回転速度で非通紙状態で回転している状態で、前記二次転写手段に60μAを流した時のシステム抵抗値が、式(3)の関係を満足する。
6.7LogΩ≦システム抵抗値≦8.0LogΩ (3)
本発明の請求項5に記載の転写装置は、請求項1〜請求項4の何れか1項に記載の転写装置と、前記像保持体上にトナー像を形成するトナー像形成手段と、前記記録媒体に二次転写された前記トナー像を前記記録媒体に定着させる定着手段と、を有する。
請求項1の発明は、本構成を有していない場合と比較して、二次転写工程において、記録媒体の幅方向の端部において二次転写電流が通紙部から非通紙部へ迂回することで生じる記録媒体の幅方向の端部における端部転写不良を抑制することができる。
請求項2の発明は、本構成を有していない場合と比較して、小スペースで高速化を実現することができる。
請求項3の発明は、本構成を有していない場合と比較して、経時においても中間転写体の抵抗変動を抑制することができる。
請求項4の発明は、本構成を有していない場合と比較して、二次転写工程において記録媒体への安定した転写性を得る事ができる。
請求項5の発明は、本構成を有していない場合と比較して、二次転写工程において、記録媒体の幅方向の端部において二次転写電流が通紙部から非通紙部へ迂回することで生じる記録媒体の幅方向の端部における端部転写不良を抑制した画像形成装置を提供することができる。
本実施形態の画像形成装置の好適な一実施形態を示す模式断面図である。 (A)〜(C)は、本実施形態の中間転写ベルトの一例を示す模式断面図である。 (A)及び(B)は、本実施例1に用いた各部材の抵抗値の印加電圧依存性を示すグラフである。 本実施例1における記録用紙端部の転写性を示すグラフである。 (A)及び(B)は、本実施例2に用いた各部材の抵抗値の印加電圧依存性を示すグラフである。 本実施例2における記録用紙端部の転写性を示すグラフである。 (A)及び(B)は、本比較例に用いた各部材の抵抗値の印加電圧依存性を示すグラフである。
(第1実施形態)
以下、図面を参照して好ましい実施形態について詳細に説明する。
図1は、好ましい実施形態に係る転写装置を適用した画像形成装置の構成の一例(一実施形態)を示す概略図である。本実施形態に係る画像形成装置100は、いわゆるタンデム方式であり、電子写真感光体から構成される4つの像保持体101a〜101dの周囲に、その回転方向に沿って順次、帯電装置102a〜102d、露光装置114a〜114d、現像装置103a〜103d、一次転写装置(一次転写ロール)105a〜105d、像保持体クリーニング装置104a〜104dが配置されている。なお、転写後の像保持体101a〜101dの表面に残留している残留電位を除去するために除電器を備えていてもよい。
中間転写ベルト107は、テンションロール106a〜106d、ドライブロール111およびバックアップロール108に張架され、環状体張架装置(ベルト張架装置)を形成している。これらのテンションロール106a〜106d、ドライブロール111およびバックアップロール108により、中間転写ベルト107は、各像保持体101a〜101dの表面に接触しながら各像保持体101a〜101dと一次転写ロール105a〜105dとの間を矢印A方向へ搬送される。
一次転写ロール105a〜105dは、像保持体101a〜101dの各々との間に中間転写ベルト107を挟むように中間転写ベルト107の内周面側に接触配置されている。この一次転写ロール105a〜105dの各々と、像保持体101a〜101dの各々とが接触する部位が一次転写部(一次転写ニップ)となる。各一次転写部には、各一次転写ロール105a〜105dによって一次転写電流が印加され、これによって、各像保持体101a〜101d上に保持されていた各トナー像が、中間転写ベルト107上に転写される。なお、上記画像形成装置100が、本発明の画像形成装置に相当し、像保持体101a〜101dが、本発明の像保持体に相当し、中間転写ベルト107が本発明の中間転写体に相当する。また、画像形成装置100には、像保持体101dよりも中間転写ベルト107の搬送方向方下流側に二次転写装置120を備えている。二次転写装置120は、駆動ロール109、バックアップロール108、コンタクトロール119A、二次転写ベルト116、二次転写バイアス定電圧電流印加部119、及び駆動部(図示省略)を含んで構成されている。なお、本発明では、二次転写部材とは中間転写ベルト107の表面に接触する転写部材と定義することから、二次転写ベルト116が二次転写部材に、バックアップロール108が支持部材に相当する。
二次転写装置120では、中間転写ベルト107を介して、バックアップロール108と二次転写ベルト116が対向配置されている。これらの中間転写ベルト107及び二次転写ベルト116は、互いに逆方向に回転することで、記録用紙115(記録媒体の一例)を挟み込むようになっている。記録用紙115は、中間転写ベルト107と二次転写ベルト116との間を両者に挟まれながら矢印B方向に搬送され、その後、定着装置110を通過する。ここで、駆動ロール109が中間転写ベルト107および二次転写ベルト116を介してバックアップロール108に接触する部位が二次転写部(二次転写ニップ)となり、コンタクトロール119Aに電圧が印加されることで、バックアップロール108とシャフト軸が接地された駆動ロール109との間に二次転写電界が形成される。更に、二次転写後の中間転写ベルト107と接触するように、中間転写ベルトクリーニング装置112および113が配置されている。
この構成のフルカラーの画像形成装置100では、像保持体101aが矢印Cの方向に回転するとともに、その表面が帯電装置102aによって帯電された後、レーザー光等の露光装置114aにより第1色目の静電潜像が形成される。形成された静電潜像はその色に対応するトナーを収容した現像装置103aにより、トナーで現像(顕像化)されてトナー像が形成される。なお、現像装置103a〜103dには、各色の静電潜像に対応するトナー(例えば、イエロー、マゼンタ、シアン、ブラック)がそれぞれ収容されている。
像保持体101a上に形成されたトナー像は、一次転写部を通過する際に、一次転写ロール105aによって中間転写ベルト107上に静電気的に転写(一次転写)される。以降、第1色目のトナー像を保持した中間転写ベルト107上に、一次転写ロール105b〜105dによって、第2色目、第3色目、第4色目のトナー像が順次重ね合わせられるよう一次転写され、最終的にフルカラーの多重トナー像が得られる。
中間転写ベルト107上に形成されたトナー像は、二次転写部を通過する際に、記録用紙115に静電気的に一括転写(二次転写)される。トナー像が転写された記録用紙115は、定着装置110に搬送され、加熱および加圧の少なくとも一方により定着処理された後、機外に排出される。
一次転写後の像保持体101a〜101dは、像保持体クリーニング装置104a〜104dにより残留トナーが除去される。一方、二次転写後の中間転写ベルト107は、中間転写ベルトクリーニング装置112および113により残留トナーが除去され、次の画像形成プロセスに備える。
以下、各構成について説明する。なお、以下では、同じ機能を有する構成(部材)について説明する場合には、上記a〜dの符号を省略して説明する。例えば、像保持体101a〜101dを総称する場合には、像保持体101として説明する。
[像保持体]
像保持体101としては、公知の電子写真感光体が広く適用される。電子写真感光体としては、感光層が無機材料で構成される無機感光体や、感光層が有機材料で構成される有機感光体などが用いられる。有機感光体においては、露光により電荷を発生する電荷発生層と、電荷を輸送する電荷輸送層を積層する機能分離型の有機感光体や、電荷を発生する機能と電荷を輸送する機能を同一の層が果たす単層型有機感光体が好適に用いられる。また、無機感光体においては、感光層がアモルファスシリコンにより構成されているものが、好適に用いられる。また、像保持体の形状には特に限定はなく、例えば、円筒ドラム状、シート状或いはプレート状等、公知の形状が採用される。
[像保持体クリーニング装置]
像保持体クリーニング装置104は、一次転写工程後の像保持体101の表面に付着する残留トナーを除去するためのものであり、クリーニングブレードの他、ブラシクリーニング、またはロールクリーニング等を用いることができる。また、クリーニングブレードの材質としてはウレタンゴム、ネオプレンゴム、またはシリコーンゴム等が挙げられる。
[帯電装置]
帯電装置102としては、特に制限はなく、例えば、導電性または半導電性のローラ、ブラシ、フィルム、またはゴムブレード等を用いた接触型帯電器、コロナ放電を利用したスコロトロン帯電器やコロトロン帯電器など、公知の帯電器を広く適用することができる。これらの中でも、オゾンの発生が少なく、効率的な帯電を行うことができる接触型帯電器が好ましい。
[露光装置]
露光装置114としては、特に制限はなく、例えば、像保持体101a〜101dの表面に、半導体レーザー光、LED光、または液晶シャッタ光等の光源、或いはこれらの光源からポリゴンミラーを介して所望の像様に露光する光学系機器など、公知の露光装置が広く適用される。
[現像装置]
現像装置103としては、目的に応じて選択される。例えば、一成分系現像剤または二成分系現像剤をブラシ、ローラ等を用い接触或いは非接触させて現像する公知の現像器などが挙げられる。
[トナー]
本実施形態の画像形成装置100に用いるトナーは特に限定されず、例えば、結着樹脂と着色剤を含んで構成される。
結着樹脂としては、スチレン類、モノオレフィン類、ビニルエステル類、α−メチレン脂肪族モノカルボン酸エステル類、ビニルエーテル類、ビニルケトン類等の単独重合体または共重合体を例示することができ、特に代表的な結着樹脂としては、ポリスチレン、スチレン−アクリル酸アルキル共重合体、スチレン−メタクリル酸アルキル共重合体、スチレン−アクリロニトリル共重合体、スチレン−ブタジエン共重合体、スチレン−無水マレイン酸共重合体、ポリエチレン、またはポリプロピレン等が挙げられる。更に、ポリエステル、ポリウレタン、エポキシ樹脂、シリコーン樹脂、ポリアミド、変性ロジン、またはパラフィンワックス等も挙げられる。
着色剤としては、マグネタイト、フェライト等の磁性粉、カーボンブラック、アニリンブルー、カルコイルブルー、クロムイエロー、ウルトラマリンブルー、デュポンオイルレッド、キノリンイエロー、メチレンブルークロリド、フタロシアニンブルー、マラカイトグリーンオキサレート、ランプブラック、ローズベンガル、C.I.ピグメント・レッド48:1、C.I.ピグメント・レッド122、C.I.ピグメント・レッド57:1、C.I.ピグメント・イエロー97、C.I.ピグメント・イエロー17、C.I.ピグメント・ブルー15:1、またはC.I.ピグメント・ブルー15:3等を代表的なものとして挙げられる。
トナーには、帯電制御剤、離型剤、他の無機粒子等の公知の添加剤を内添加処理や外添加処理してもよい。離型剤としては、低分子ポリエチレン、低分子ポリプロピレン、フィッシャートロプシュワックス、モンタンワックス、カルナバワックス、ライスワックス、またはキャンデリラワックス等を代表的なものとして挙げられる。帯電制御剤としては、公知のものが使用されるが、アゾ系金属錯化合物、サリチル酸の金属錯化合物、極性基を含有するレジンタイプ等の帯電制御剤が用いられる。他の無機粒子としては、粉体流動性、帯電制御等の目的で、平均一次粒径が40nm以下の小径無機粒子を用い、更に必要に応じて、付着力低減の為、それより大径の無機或いは有機粒子を併用してもよい。これらの他の無機粒子は公知のものが使用される。また、小径無機粒子については表面処理することにより、分散性が高くなり、粉体流動性をあげる効果が大きくなるため有効である。
トナーの製造方法としては、乳化重合凝集法や溶解懸濁法等の重合法が用いられる。また、これらの方法で得られたトナーをコアにして、更に凝集粒子を付着、加熱融合してコアシェル構造をもたせる製造方法を行ってもよい。なお、外添剤を添加する場合、トナーおよび外添剤をヘンシェルミキサー或いはVブレンダー等で混合することによって製造される。また、トナーを湿式にて製造する場合は、湿式にて外添することもある。
[中間転写ベルト]
本実施形態における中間転写ベルト107は、図2に示すように、複数の層が厚み方向に積層された構成とされている。
例えば、図2(A)に示すように、中間転写ベルト107は、最も内周面側に位置される最内層107B上に、最も外周面側に位置される最外層107Aが積層されて構成されている。画像形成装置100に装着された状態の中間転写ベルト107においては、最外層107Aに像保持体101が接触配置されると共に中間転写ベルト107の搬送方向(図1中、矢印A方向)に所定間隔をあけて配列された状態となる。また、一次転写ロール105は、これらの像保持体101との間で中間転写ベルト107を挟持するように中間転写ベルト107の内周面に接触配置されている。なお、中間転写ベルト107の層構成は、複数層(2層以上)であればよく、図2(A)に示す2層である場合に限られず、図2(B)に示す3層構造、図2(C)に示す4層構造、または5層以上の層構成であってもよい。例えば、3層構造である場合には、図2(B)に示すように、中間転写ベルト107を、最内層107B、中間層107C、及び最外層107Aの順に積層させた構成とすればよい。また、4層構造である場合には、図2(C)に示すように、中間転写ベルト107を、最内層107B、中間層107D、中間層107C、及び最外層107Aの順に積層した構成とすればよい。
この中間転写ベルト107は、最外層107Aにおいて単位体積当たりに含有されるカーボンブラックの含有量が、最内層107Bにおいて単位体積当たりに含有されるカーボンブラックの含有量より少なくなっている。最外層に含有されるカーボンブラックの含有量を最内層よりも少なく制御することにより、出力画像上における放電による画質欠陥の発生が抑制される。
なお、より効果的に放電による画質欠陥の発生を抑制する観点から、前記最外層において単位体積当たりに含有されるカーボンブラックの含有量を(A(質量%))と、前記最内層において単位体積当たりに含有されるカーボンブラックの含有量を(B(質量%))と、した場合における比率(A)/(B)は0.78以上0.99以下であることが好ましい。また更には、0.80以上0.97以下であることが好ましく、0.81以上0.92以下であることがより好ましく、0.83以上0.90以下であることが特に好ましい。比率(A)/(B)が0.78以上であることにより、一次転写工程および二次転写工程において、トナーが転写される際に、転写電界の乱れによりトナーが所定の位置に転写されずに周辺に飛び散ることによる粒状性の悪化が良好に抑制される。一方、比率(A)/(B)が0.99以下であることにより、一次転写工程および二次転写工程において、放電による画質欠陥の発生が抑制される。また、放電による画質欠陥の観点から、本実施形態においては、上記中間転写ベルト107は、式(4)の関係を満足することが望ましい。
50μm≦du/(du+dl)×100≦80μm (4)
ただし、duは最外層107Aの層厚を、dlは最内層107Bの層厚をそれぞれ表す。
中間転写ベルト107の材質としては、例えば、ポリカーボネート樹脂、ポリフッ化ビニリデン樹脂、ポリアルキレンフタレート樹脂、ポリカーボネート/ポリアルキレンフタレートのブレンド材料、エチレンテトラフルオロエチレン共重合体等の熱可塑性樹脂、ポリイミド、ポリイミドとポリアミドの共重合体等の熱硬化性樹脂に、導電剤を溶解或いは分散させたものが用いられる。
また、本実施形態の中間転写ベルト107では、最外層および最内層のいずれにも、導電剤としてカーボンブラックが含有される。該カーボンブラックとしては、従来公知のものが使用できるが、特に表面に酸化処理を施したカーボンブラックが好適に用いられる。
[中間転写ベルトクリーニング装置]
中間転写ベルトクリーニング装置112および113としては、クリーニングブレードの他、ブラシクリーニング、ロールクリーニング等を用いることができる。また、クリーニングブレードの材質としてはウレタンゴム、ネオプレンゴム、またはシリコーンゴム等が挙げられる。
[一次転写ロール]
一次転写ロール105は、単層或いは多層のいずれでもよい。例えば、単層構造の場合は、発泡または無発泡のシリコーンゴム、ウレタンゴム、またはEPDM等にカーボンブラック等の導電剤が適量配合されたロールで構成される。この一次転写ロール105には例えば30μA以上100μA以下の電流が印加され、像保持体101との間に形成される電界によって、像保持体101上に保持されていたトナー像が中間体ベルト上へと転写される。
[定着装置]
定着装置110としては、例えば、熱ローラ定着器や加圧ローラ定着器、またはフラッシュ定着器など公知の定着器が広く適用される。
[二次転写装置]
二次転写装置120に設けられている駆動ロール109、二次転写ベルト116及びバックアップロール108の構成について説明する。
駆動ロール109は、円柱状に構成され、中間転写ベルト107の幅方向に軸方向が一致するように、中間転写ベルト107の外周面に二次転写ベルト116を介して接触配置されている。本実施形態では、この駆動ロール109は、金属シャフトである芯材の外周に1層または多層の導電層109Bが積層された構成とされている。この導電層109Bとしては、カーボンブラック等の導電剤の分散されたシリコーンゴム、ウレタンゴム、またはEPDM等の発泡体で構成されている。また、この導電層109Bの硬度は、アスカーC硬度で15°以上50°以下の範囲であることが望ましい。アスカーC硬度が15°以上50°以下の範囲内であれば、中間転写ベルト107との接触状態の安定性が得られる。なお、アスカーC硬度の測定は、5mm厚の測定シート表面にアスカーC型硬度計(高分子計器社製)の測定針を押圧し行う。
二次転写ベルト116は、駆動ロール109とアイドラロール106eにより張架され、中間転写ベルト107と逆方向に回転することで、二次転写ニップ内の記録用紙115に中間転写体上のトナー像を二次転写すると同時に記録用紙115を定着装置110の方向へ搬送する機能を備えている。二次転写ニップ内では、二次転写ベルト116と中間転写ベルト107の擦れが発生することから、中間転写ベルト107にカーボンブラック等の導電剤を分散させたポリイミド等の樹脂を用いた場合、二次転写ベルト116はカーボンブラック等の導電剤を分散させたシリコーンゴム、ウレタンゴム、クロロプレンゴム等の弾性部材を用いる事が好ましく、逆に、中間転写ベルト107にカーボンブラック等の導電剤を分散させたシリコーンゴム、ウレタンゴム、クロロプレンゴム等の弾性部材を用いた場合、二次転写ベルト116にはカーボンブラック等の導電剤を分散させたポリイミド等の樹脂を用いることが好ましい。
バックアップロール108は、駆動ロール109の対向電極を形成する。本実施形態では、バックアップロール108は、円柱状に構成され、中間転写ベルト107の幅方向及びバックアップロール108の軸方向の双方に軸方向が一致するように、中間転写ベルト107の内周面に接触配置されている。また、このバックアップロール108は、中間転写ベルト107を介して駆動ロール109に対向配置されている。このバックアップロール108は、駆動ロール109の導電層109Bと同様に、単層(1層)であっても多層であってもよい。例えば、導電層108Bが単層構造である場合には、導電層109Bと同様に、シリコーンゴム、ウレタンゴム、またはEPDM等にカーボンブラック等の導電剤が適量配合された材料で構成すればよい。導電層109Bが二層構造の場合は、上記のゴム材料で構成された層の外周面を、表面層で被覆した構成とすればよい。
上記バックアップロール108には、通常0.1KV以上10KV以下の電圧が印加されるように、コンタクトロール119Aに電圧が印加される。駆動ロール109の芯材109Aは、図示省略する支持体によって、回転可能に支持されており、該支持体を回転させる図示を省略する駆動部が画像形成装置100の装置各部を制御する図示を省略する制御部に信号授受可能に接続されている。なお、バックアップロール108の芯材108Aについても同様に、図を省略する支持体によって回転可能に支持されており、該支持体を回転させる図示を省略する駆動部が画像形成装置100の装置各部を制御する図示を省略する制御部に信号授受可能に接続されている。
また、駆動ロール109及びバックアップロール108は、中間転写ベルト107及び二次転写ベルト116を介して接触しており、このときの中間転写ベルト107への押しつけ量を食い込み量と呼び、この食い込み量は、記録用紙115によって調整されることが好ましい。例えば、記録用紙115の坪量が60〜186g/mの範囲内の用紙の場合、食い込み量は0.9mmとすることが好ましく、187g/m以上の用紙の場合は、食い込み量は0.3mmとすることが好ましい。また、このときの、駆動ロール109とバックアップロール108とのラップ角は、27°付近に設定することが好ましい。なお、本実施形態では、記録用紙115の種類に応じて駆動ロール109が移動してバックアップロール108との距離を調整するようになっている。
駆動ロール109とバックアップロール108との間に抵抗検知電流60μAが流れたときのシステム抵抗が6.7LogΩ〜8.0LogΩを満たすことが好ましい。このシステム抵抗が6.7LogΩ未満になると記録用紙115に対する良好な転写性が得られず、8.0LogΩを越えると、モトル(まだら状濃度ムラ)が発生するおそれがある。
以上、実施形態を挙げて本発明の実施形態を説明したが、これらの実施形態は一例であり、要旨を逸脱しない範囲内で種々変更して実施できる。また、本発明の権利範囲がこれらの実施形態に限定されないことは言うまでもない。
以下、実施例について説明するが、本発明は以下の実施例に限定されるものではない。
[実施例1]
本実施例では、1次転写ニップ幅を2mm、2次転写ニップ幅を5mmとなるように各部材を加圧接触させ、図示を省略する制御部により、中間転写ベルト107の回転速度(プロセススピード)が440mm/sになるように装置各部を制御している。
本実施例に用いたトナーは、粒径5.8μm、形状係数120〜140に調整された乳化重合凝集法によるトナーを用いている。ここで、前記形状係数は、ルーゼックス画像解析装置(ニコレ社製、LUZEXIII )を用い、100個のトナーに対して、トナーの周囲長(ML)及び投影面積(A)を測定し、[(ML)2/A]×(1/4π)×100を計算し、平均値をとったものとし、球形を100、歪度が増すほど大きな値をとるように定義されている。
本実施例に用いた中間転写ベルト107は、最内層の厚さが33μm、最外層の厚さが67μmの2層構造で、全体としての厚さが100μm、印加電圧500V時の表面抵抗率が10.8LogΩ/□、体積抵抗率が10.6LogΩ・cmに調整されている。
本実施例に用いた一次転写ロール105は、直径が28mm、軸方向の長さが328mm、アスカーC硬度計による硬度が30°、1KV印加時の抵抗値が7.7LogΩに調整されたカーボン導電材分散の半導電EPDM、SBR、NBR混合材から構成されている。
本実施例に用いたバックアップロール108は、直径が28mm、軸方向の長さが320mm、アスカーC硬度計による硬度が70°、1.5KV印加時の表面抵抗率が6.0LogΩ/□、7.5LogΩ/□、3KV印加時の体積抵抗率が10.0LogΩ・cmに調整されたカーボン導電材分散の半導電EPDM、NBR混合材から構成されており、コンタクトロール119Aを通じてバックアップロールの表面方向に電圧を印加する沿面タイプのロールとして使われている。また、コンタクトロール119Aは、軸方向の長さが320mm、二次転写ニップまでの距離が44mmの位置に設置されている。
本実施例に用いた二次転写ベルト116は、クロロプレン、EPDM(エチレンプロピレンジエン)等の各種ゴムに導電性カーボンブラックを分散させた基材層の表面にPTFE分散ウレタンエマルション等をコートした表面層を有するものであり、厚さ0.45mm、500V印加時の体積抵抗率は11.6LogΩ・cmに調整されている。
本実施例に用いた駆動ロール109は、直径が28mm、軸方向の長さが350mm、アスカーC硬度計による硬度が25°、100V印加時の抵抗値が8.0LogΩに調整されたフッ素コート、イオン導電ゴム、カーボン分散発泡ウレタンから構成されている。
中間転写ベルト107及び二次転写ベルト116の抵抗測定には、アドバンテスト社製のR8340Aを用い、所定の電圧を印加した時の電流値から計算された抵抗値から、使用したR8340A専用のプローブ形状に従い、体積抵抗率、表面抵抗率をそれぞれ式(5)、(6)に従い算出した。
体積抵抗率:Logρv=4+Log(2.01/d)+LogR (5)
表面抵抗率:Logρs=1+LogR (6)
ただし、ρvは体積抵抗率(Ω・cm)、ρsは表面抵抗率(Ω/□)、dは中間転写ベルト107及び二次転写ベルト116の厚さ(μm)、Rは抵抗値(Ω)を表す。
一次転写ロール105と駆動ロール109の抵抗測定には、接地した板金上にロールを固定し、実際の一次転写ニップまたは二次転写ニップ同等のニップ幅になるように両端のシャフト軸に荷重をかけて、シャフト軸に所定の電圧を印加し、流れた電流値から計算した抵抗値を採用した。
バックアップロール108の抵抗測定には、実際のコンタクトロール119Aから二次転写ニップまでの距離と同等の距離だけ離したバックアップロール108のシャフトに平行に置かれた2本の電極のうち、一方を接地し、他方に所定の電圧を印加し、流れた電流値から計算した抵抗値から、表面抵抗率を式(7)に従い算出した。
表面抵抗率:Logρ=Log(R×L/T) (7)
ただし、ρは表面抵抗率(Ω/□)、Rは抵抗値(Ω)、Lは電極の長さ(mm)、Tは電極間の距離(mm)を表す。
評価には記録用紙115の抵抗が高くなることで、本課題である記録用紙115の幅方向の端部における端部転写不良が発生しやすくなる低湿度(15%)、低温度(10℃)の環境で実施した。実施内容は、本課題が発生しやすい抵抗の高い記録用紙115である厚紙216g/mを使用し、記録用紙が設定されたときに決まる二次転写電圧4.1KV(通紙部における二次転写電流126μA、非通紙部における二次転写電流191μA)、5.6KV(通紙部における二次転写電流207μA、非通紙部における二次転写電流268μA)において、全面に2次色であるブルー画像を両面に形成した時の記録用紙115の転写性レベルを評価した。
図3には、二次転写ニップを形成した時における本実施例に用いた中間転写ベルト107の体積抵抗値、駆動ロール109の体積抵抗値、二次転写ベルト116の体積抵抗値、バックアップロール108の表面抵抗値の印加電圧依存性と二次転写時の非通紙部における実効抵抗値を示す。二次転写ベルト116の実効抵抗値が中間転写ベルト107の実効抵抗値よりも大きいこの評価の場合、バックアップロール108の実効抵抗値の大小によらずに常に転写性は良好であった。これは、二次転写ベルト116の実効抵抗が高いことで、通紙部と非通紙部との抵抗差が減少することもあり、また、バックアップロール108の表面から流れ込んだ中間転写ベルト107中の電子は、二次転写ベルト116との界面近傍において導電パスが減少するために減加速を受け、二次転写ベルト116へ流れ難くなるので、二次転写ニップ内において、記録用紙115の幅方向の端部において、通紙部から非通紙部へ電流が迂回し難くなり、記録用紙115の幅方向の端部において正常な転写電界が形成されたためだと考えられる。
図4には、上記評価と同様の評価を、数種類の中間転写ベルト107と二次転写ベルト116に対する評価から、各部材の非通紙部における実効抵抗値に対して記録用紙の幅方向における端部転写不良発生、未発生の結果をプロットした。ここで、二次転写電圧は各部材に対する最適な転写電圧である3.6KV〜6.4KVに設定してある。この結果から、発明者は中間転写ベルト107の実効抵抗が二次転写ベルト116の実効抵抗よりも低い場合は二次転写ニップ内における記録用紙115の幅方向の端部において、通紙部から非通紙部へ電流が迂回することなく、記録用紙115の幅方向の端部において正常な転写電界が形成され良好な画質が得られるという、中間転写ベルト107の実効抵抗と二次転写ベルト116の実効抵抗に重要な相関関係があることを見出した。
[実施例2]
次に、実施例1と同様の内容の評価を、中間転写ベルト107の実効抵抗が二次転写ベルト116の実効抵抗よりも高くなるように部材を変えて実施した。
本実施例に用いた中間転写ベルト107は、最内層の厚さが33μm、最外層の厚さが67μmの2層構造で、全体としの厚さが100μm、印加電圧500V時の表面抵抗率が12.8LogΩ/□、体積抵抗率が12.6LogΩ・cmに調整されている。
評価は、記録用紙が設定されたときに決まる二次転写電圧4.7KV(通紙部における二次転写電流145μA、非通紙部における二次転写電流227μA)、5.9KV(通紙部における二次転写電流238μA、非通紙部における二次転写電流313μA)において、全面に2次色であるブルー画像を両面に形成した時の記録用紙115の転写性レベルを評価した。
本実施例に用いたバックアップロール108は、直径が28mm、軸方向の長さが320mm、アスカーC硬度計による硬度が70°、1.5KV印加時の表面抵抗率が7.2LogΩ/□、8.4LogΩ/□に調整されたカーボン導電材分散の半導電EPDM、NBR混合材から構成されており、コンタクトロール119Aを通じてバックアップロールの表面方向に電圧を印加する沿面タイプのロールとして使われている。
本実施例に用いた二次転写ベルト116は、クロロプレン、EPDM(エチレンプロピレンジエン)等の各種ゴムに導電性カーボンブラックを分散させた基材層の表面にPTFE分散ウレタンエマルション等をコートした表面層を有するものであり、厚さ0.45mm、500V印加時の体積抵抗率は8.6LogΩ・cmに調整されている。
図5には、二次転写ニップを形成した時における本実施例に用いた中間転写ベルト107の体積抵抗値、駆動ロール109の体積抵抗値、二次転写ベルト116の体積抵抗値、バックアップロール108の表面抵抗値の印加電圧依存性と二次転写時の非通紙部における実効抵抗値を示す。各部材の実効抵抗値が、バックアップロール108の実効抵抗値、中間転写ベルト107の実効抵抗値、二次転写ベルト116の実効抵抗値の順に大きい場合は、記録用紙115の幅方向の端部において転写不良が発生したのに対して、中間転写ベルト107の実効抵抗値、バックアップロール108の実効抵抗値、二次転写ベルト116の実効抵抗値の順に大きい場合は記録用紙115の幅方向の端部において良好な転写性が得られることが分かった。これは、バックアップロール108の実効抵抗値が中間転写ベルト107の実効抵抗値よりも大きい場合、バックアップロール108から流れ込んできた電子は導電パスの多い中間転写ベルト107との界面近傍で1次増加速を受け移動速度を増し、さらに導電パスの多い二次転写ベルト116との界面近傍で2次増加速を受け移動速度を増すことで中間転写ベルト107と二次転写ベルト116の界面近傍では電流が流れ込みやすい状態となり、記録用紙115の幅方向の端部において、抵抗の低い非通紙部へ電流が迂回しやすくなり、結果として、記録用紙115の幅方向の端部において転写不良が発生したのに対して、バックアップロール108の実効抵抗値が中間転写ベルト107の実効抵抗値よりも小さい場合、バックアップロール108から流れ込んできた電子は導電パスの少ない中間転写ベルト107との界面近傍で減加速を受けるために中間転写ベルト107内では移動速度が減速し、導電パスの多い二次転写ベルト116との界面近傍では通常に電流が流れるために、記録用紙115の幅方向の端部において、電流が通紙部から非通紙部へ迂回することなく、その結果、記録用紙115の幅方向の端部において正常な転写電界が形成されたためだと考えられる。
図6には、上記評価と同様の評価を、数種類のバックアップロール108と中間転写ベルト107に対して実施した評価から、各部材の非通紙部における実効抵抗値に対して記録用紙の幅方向における端部転写不良発生、未発生の結果をプロットした。ここで、二次転写電圧は各部材に対する最適な転写電圧である3.6KV〜6.4KVに設定してある。この結果から、発明者はバックアップロール108の実効抵抗値が中間転写ベルト107の実効抵抗値よりも低い場合は二次転写ニップ内において、記録用紙115の幅方向の端部において、通紙部から非通紙部へ電流が迂回することなく、記録用紙115の幅方向の端部において正常な転写電界が形成され良好な画質が得られるという、中間転写ベルト107の実効抵抗とバックアップロール108の実効抵抗に重要な相関関係があることを見出した。
以下、比較例について説明するが、本発明は以下の実施例に限定されるものではない。
[比較例]
評価は、実施例1と同様の評価内容で中間転写ベルト107を厚さの異なるものと導電剤の異なるもの2種類を用いて実施した。以下、実施例1と同じ構成は説明を省略する。
図7には、比較例に用いた中間転写ベルト107の体積抵抗値、駆動ロール109の体積抵抗値、二次転写ベルト116の体積抵抗値、バックアップロール108の表面抵抗値の印加電圧依存性を示す。図7(A)の中間転写ベルト107は、厚さが80μm単層構造で導電剤であるカーボンブラックにより、印加電圧500V時の表面抵抗率が12.1LogΩ/□、体積抵抗率が12.8LogΩ・cmに調整されており、図7(B)の中間転写ベルト107は、厚さが80μm単層構造で導電剤であるポリアリニンにより、印加電圧500V時の表面抵抗率が10.5LogΩ/□、体積抵抗率が10.8LogΩ・cmに調整されている。図7(A)において、記録用紙の幅方向における端部転写性は良好であった。その理由として、印加電圧の低い側では、二次転写ベルト116の抵抗値よりも中間転写ベルト107の抵抗値の方が大きいが、実際に二次転写電圧が印加された状態での実効抵抗値は、二次転写ベルト116よりも中間転写ベルト107の方が小さいためであると考えられる。逆に、図7(B)において、記録用紙の幅方向における端部転写性は悪く、本課題である端部転写不良が発生した。その理由として、印加電圧の低い側では、二次転写ベルト116の抵抗値よりも中間転写ベルト107の抵抗値の方が小さいが、実際に二次転写電圧が印加された状態での実効抵抗値は、二次転写ベルト116よりも中間転写ベルト107の方が大きいためであると考えられる。
なお、図3、図5、図7からも分かるように、本実施例1、2及び比較例において一般的な記録用である厚紙、OHP、普通紙に二次転写する際の、画像形成装置に用いる一般的な部材に対する通紙部、非通紙部における実効抵抗値の大小関係は変わることはない。
以上のように、二次転写工程において、式(1)または(2)の関係を満足するように各部材を設定することで、記録用紙115の幅方向における端部転写不良がなく良好な画質を得る事ができる。ここで、図3、図5からもわかるように、部材の抵抗調整のためにカーボンブラックを含有した場合、印加電圧によって抵抗値が大きく変わる。当然、図7のように導電剤の種類や部材の厚み等を変えれば、それらの部材の抵抗値の電圧依存性は変わる。また、本実施例では、二次転写電圧が3.6KV〜6.4KVに設定したが、さらなる高速化や新規部材等の組み合わせによっては、さらに高い二次転写電圧が設定されることも十分考えられる。従って、二次転写ニップ内における分圧を考慮した実効抵抗値で部材を設計する必要がある。
なお、本実施例では記録用紙115に抵抗の高い厚紙を用いているが、さらに抵抗の高いOHPシートに対しても同様の効果が得られることを確認している。また、本実施例に用いた厚紙よりも抵抗の低い普通紙を用いた評価では、本課題の発現が小さいものの、同様の効果が得られることを確認した。従って、式(1)または(2)の関係を満足するように部材を選択することで記録用紙の幅方向の端部における転写不良を抑制し、良好な画質を得る事ができる。
101a〜101d 像保持体
105a〜105d 一次転写ロール
107 中間転写ベルト(中間転写体)
108 バックアップロール(支持部材)
109 駆動ロール
116 二次転写ベルト
120 二次転写装置(二次転写手段)

Claims (5)

  1. 像保持体上に形成されたトナー像を中間転写体上に一次転写させる一次転写手段と、
    前記中間転写体を支持する支持部材と、前記中間転写体を挟んで前記支持部材と対向配置される二次転写部材とを有し、前記二次転写部材と前記支持部材との間に二次転写電界を形成して前記中間転写体上に一次転写された前記トナー像を記録媒体に二次転写させる二次転写手段と、を備え、
    前記記録媒体の種類が設定されると、その設定に応じて前記二次転写手段に予め決められた二次転写電圧が印加される転写装置において、
    二次転写電圧が印加された時の二次転写ニップ内の通紙部と非通紙部における前記支持部材、前記中間転写体、前記二次転写部材の実効抵抗値が、式(1)または式(2)の関係のどちらか一方を満足する転写装置。
    中間転写体の実効抵抗値<二次転写部材の実効抵抗値 (1)
    二次転写部材の実効抵抗値<支持部材の実効抵抗値<中間転写体の実効抵抗値 (2)
  2. 前記中間転写体は、単層または複層からなる帯状の無端ベルトである請求項1に記載の転写装置。
  3. 前記中間転写体は、少なくとも最外層と最内層との2層を有してなり、前記最外層において単位体積当たりに含有されるカーボンブラックの量が、前記最内層において単位体積当たりに含有されるカーボンブラックの量より少ない請求項1又は請求項2に記載の転写装置。
  4. 前記二次転写部材が回転可能な回転部材とされ、前記二次転写部材と前記中間転写体が接すると共に所定の回転速度で非通紙状態で回転している状態で、前記二次転写手段に60μAを流した時のシステム抵抗値が、式(3)の関係を満足する請求項1〜請求項3の何れか1項に記載の転写装置。
    6.7LogΩ≦システム抵抗値≦8.0LogΩ (3)
  5. 請求項1〜請求項4の何れか1項に記載の転写装置と、前記像保持体上にトナー像を形成するトナー像形成手段と、前記記録媒体に二次転写された前記トナー像を前記記録媒体に定着させる定着手段と、を有する画像形成装置。
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