JP6012436B2 - 画像形成装置 - Google Patents

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Description

本発明は、画像形成装置に関する。
従来から、レーザープリンタ、複写機、ファクシミリ等の電子写真記録方式を利用するカラー画像形成装置の構成として、中間転写体を使用する構成が知られている。1次転写工程として、感光ドラム(像担持体)上に形成されたトナー像を、中間転写ベルト(中間転写体)に転写する。この工程を、イエロー(Y)、マゼンタ(M)、シアン(C)、ブラック(Bk)の各色に対応した各画像形成ステーションごとに実行することで、中間転写ベルト表面に複数色からなるトナー像を形成する。続けて、2次転写工程として、中間転写ベルト表面に形成された複数色のトナー像を、紙などの記録材表面に一括して転写する。一括転写されたトナー像が、その後、定着手段によって記録材表面に永久定着されることにより、記録材にカラー画像が形成される。
上記構成の画像形成装置において、電源のコストダウンを目的として、中間転写ベルトの張架ローラをツェナーダイオードやバリスタを介して接地し、2次転写部から中間転写ベルトの周方向に電流を流して1次転写と2次転写の両立を図る構成が特許文献1に提案されている。
特許文献1には、転写不良を防止し、かつ低コスト化を図るため、中間転写ベルトを張架して移動させる駆動ローラに、2次転写電圧電源(高圧電源)を接続し、中間転写ベルトの周方向に電流を流すことによって1次転写を行う構成が開示されている。
一方、従来より、2次転写工程後の中間転写ベルトクリーニングを目的として、中間転写ベルト上の2次転写残トナーを中間転写ベルトに接触する帯電部材により均一に帯電させて1次転写部の感光ドラムで回収する方式の中間転写ベルトクリーニングが提案されている。(特許文献2)
特開2012−137733号公報 特開2009−205012号公報
特許文献1の構成において、後から述べた方式の中間転写ベルトクリーニング(ドラム静電クリーニング)を実行しようとした場合、次のような課題がある。ドラム静電クリーニングは、帯電部材のクリーニングも必要となる。例えば、通常印字動作における1次転写工程終了後の動作、すなわち後回転動作において、帯電部材に付着したトナーを中間転写ベルトに移動させるクリーニング(吐き出しクリーニング)を実行する。この吐き出しクリーニングでは、帯電部材に印加する電圧の極性を正負交互に切り替えるが、これに連動して、1次転写部の印加電圧の極性も正負が切り換わってしまうことがある。この1次転写部の極性の切り換わりが、各画像形成ステーションにおける感光ドラムでのドラム静電クリーニングに影響を与え、感光ドラムでのトナーの回収を困難とすることが考えられる。
本発明の目的は、1次転写と2次転写のための電源を共通化した画像形成装置において、中間転写ベルトのクリーニングと帯電部材のクリーニングを安定的・効率的に行うことができる画像形成装置を提供することである。
上記目的を達成するため、本発明の画像形成装置は、
トナー像を担持する複数の像担持体と、
無端状で回転可能であって、前記複数の像担持体から1次転写されたトナー像を記録材に2次転写するための中間転写ベルトと、
前記中間転写ベルトの外周面に1次転写されたトナー像を記録材に2次転写するための2次転写部材と、
前記2次転写部材に極性を可変に電圧を印加することが可能な第1の電源部と、
2次転写部の下流かつ1次転写部の上流において前記中間転写ベルトに残留したトナーを帯電させる帯電部材と、
前記帯電部材に極性を可変に電圧を印加する第2の電源部と、
を備え、
前記第1の電源部及び前記第2の電源部の少なくともいずれかが前記中間転写ベルトを介して前記複数の像担持体に電流を流すことで、前記複数の像担持体から前記中間転写ベルトにトナー像を1次転写させ、
前記第1の電源部が前記2次転写部材に電圧を印加することで、前記中間転写ベルトから記録材にトナー像を2次転写させ、
前記2次転写部材から前記中間転写ベルトに流れる電流と、前記帯電部材から前記中間転写ベルトに流れる電流と、の重畳電流が前記1次転写部に流れる画像形成装置において、
前記第1の電源部が前記2次転写部材に2次転写のときと同じ極性の電圧を印加している間に、前記第2の電源部が前記帯電部材に正負いずれの極性の電圧を印加しても、前記重畳電流の極性が前記第1の電源部の印加電圧と同じ極性に維持されることを特徴とする。
本発明によれば、1次転写と2次転写のための電源を共通化した画像形成装置において、中間転写ベルトのクリーニングと帯電部材のクリーニングを安定的・効率的に行うことができる。
本発明の実施例1に係る画像形成装置の概略構成図 中間転写ベルト周方向の抵抗測定方法を示す図 導電性ブラシの抵抗測定方法を示す図 中間転写ベルト電位と1次転写効率の関係を示す図 本発明の実施例1における後回転時のタイミングチャート 本発明の実施例1におけるトナーの状態を示す図 本発明の実施例1におけるトナーの状態を示す図 本発明の実施例1におけるトナーの状態を示す図 本発明の実施例1におけるトナーの状態を示す図 本発明の実施例2に係る画像形成装置の概略構成図 本発明の実施例2における後回転時のタイミングチャート
以下に図面を参照して、この発明を実施するための形態を、実施例に基づいて例示的に詳しく説明する。ただし、この実施の形態に記載されている構成部品の寸法、材質、形状それらの相対配置などは、発明が適用される装置の構成や各種条件により適宜変更されるべきものである。すなわち、この発明の範囲を以下の実施の形態に限定する趣旨のものではない。
(実施例1)
図1は、本発明の実施例1に係るカラー画像形成装置の概略構成図である。本画像形成装置は、4つの画像形成ステーションより構成され、第1ステーション(a)はイエロー、第2ステーション(b)はマゼンタ、第3ステーション(c)はシアン、第4ステーション(d)はブラックの各トナー画像(現像剤像)を形成する。本画像形成装置は、4連ドラム方式(インライン方式)プリンタである。すなわち、複数の第1の像担持体である感光ドラム1(1a、1b、1c、1d)を有し、それぞれ図の矢印方向に回転駆動しつつ、順次第2の像担持体である回転可能な中間転写ベルト10に連続的に多重転写することで、フルカラープリント画像を得る。
<画像形成動作>
4つの画像形成ステーションはいずれも同様の構成を有しており、ここでは、代表例として第1ステーション(a)における画像形成動作について説明し、他のステーションの説明は省略する。
感光ドラム1aは、回転過程で、帯電ローラ2aにより所定の極性・電位に一様に帯電処理され、次いで露光手段3aにより像露光を受ける。これにより、目的のカラー画像のイエロー色成分像に対応した静電潜像が形成される。次いで、その静電潜像は現像位置において第1の現像器(イエロー現像器)4aにより現像され、イエロートナー像として可視化される。
感光ドラム1a上に形成されたイエロートナー像は、感光ドラム1aと中間転写ベルト10との当接部(以下、1次転写ニップ部と称す)を通過する過程で、中間転写ベルト10の外周面上に転写される(1次転写)。1次転写の給電手段については後述する。
感光ドラム1a表面に残留した1次転写残トナーは、クリーニング装置5aにより清掃、除去された後、再び帯電以降の画像形成プロセスに供せられる。
同様に、第2色のマゼンタトナー像、第3色のシアントナー像、第4色のブラックトナー像が各感光ドラム1b〜1dに形成され、中間転写ベルト10上に順次重ねて転写されることで、目的のカラー画像に対応した合成カラー画像が得られる。
中間転写ベルト10上の4色のカラートナー像は、その後、中間転写ベルト10と2次転写ローラ20との接触部である2次転写ニップ部を通過する。これと同時に、給紙手段50により給紙された記録材Pも2次転写ニップ部を通過する。この過程で、2次転写高圧電源21が2次転写ローラ20に印加する2次転写電圧により、中間転写ベルト10上のカラートナー像が記録材Pの表面に一括転写される(2次転写)。その後、4色のトナー像を担持した記録材Pは、定着器30に導入され、そこで加熱及び加圧されることにより4色のトナーが溶融混色して記録材Pに固定(定着)される。以上の動作により、フルカラーのプリント画像が記録材Pに形成される。
また、2次転写後に中間転写ベルト10表面に残留した2次転写残トナーは、1次転写部の上流において、2次転写残トナーの帯電部材である導電性ブラシ16により均一に散らされ、かつ帯電される。その後、導電性ローラ17により電荷が付与され、次回の1次転写時に各感光ドラム1a〜1dに逆転写される。この際、感光ドラム1a〜1dに付着した2次転写残トナーは、1次転写残トナーと共に、各感光ドラムに対応したクリーニング装置5a〜5dによってそれぞれ回収される。
<中間転写ベルト(中間転写体)>
中間転写ベルト10は、周長700mm、厚さ90μmで、無端状のポリイミド樹脂を用いて作成される。中間転写ベルト10は、駆動ローラ11、テンションローラ12、2次転写対向ローラ13の3軸で張架され、テンションローラ12により総圧60Nの張力で張架されつつ、図1の矢印方向に、感光ドラム1a〜1dと略同一の周速度で回転駆動
される。
中間転写ベルト10の電気的特性としては、電子導電性の特性を示し、雰囲気中の温湿度に対する抵抗値変動が小さいのが特徴である。本実施例で用いた中間転写ベルト10は、体積抵抗率を1×10〜1010Ω・cm、周方向の抵抗値を1×10Ωとしている。ここで、体積抵抗率は、三菱化学株式会社のHiresta‐UP(MCP‐HT450)にリングプローブのタイプUR(型式MCP‐HTP12)を使用して測定した。測定時の室内温度は23℃、室内湿度は50%に設定し、印加電圧500V、測定時間10secの条件で行った。
また、周方向の抵抗は、図2(a)に示す周方向抵抗測定治具を使用して測定した。図2(a)において、測定する中間転写ベルト10は、内面ローラ51と駆動ローラ52でたるみが無いように張架されている。金属でできた内面ローラ51は高圧電源(メーカー:TREK社)53に接続され、駆動ローラ52は接地されている。駆動ローラ52の表面は、中間転写ベルト10に対して十分に抵抗の低い導電ゴムで被覆されており、中間転写ベルト10が100mm/secとなるように回転する。駆動ローラ52によって中間転写ベルト10を100mm/secで回転させた状態で、内面ローラ51に一定電流ILを印加し、内面ローラ51に繋いだ高圧電源53で電圧VLをモニタする。図2(a)に示す測定系は図2(b)に示す等価回路であるとみなすと、内面ローラ51と駆動ローラ52までの距離L(本実施例では300mm)の長さにおける中間転写ベルト10の周方向の抵抗RLはRL=2VL/ILによって算出することが出来る。このRLを中間転写ベルト10の周長(本実施例では700mm)に換算することで周方向の抵抗を求めている。
なお、本実施例では、中間転写ベルト10の材料としてポリイミド樹脂を使用したが、熱可塑性樹脂であれば他の材料でもよい。例えば、ポリエステル、ポリカーボネート、ポリアリレート、アクリロニトリル‐ブタジエン‐スチレン共重合体(ABS)、ポリフェニレンサルファイド(PPS)、ポリフッ化ビニリデン(PVDF)等の材料及びこれらの混合樹脂を使用してもよい。
<2次転写ローラ及び帯電部材>
2次転写ローラ20は、外径8mmのニッケルメッキ鋼棒に、体積抵抗10Ω・cm、厚み5mmに調整したNBRとエピクロルヒドリンゴムを主成分とする発泡スポンジ体で覆った外径18mmのものを用いている。また、2次転写高圧電源21から正負両極性の電圧が可変に印加されるよう接続されており、中間転写ベルト10に対して50Nの加圧力で当接されつつ、中間転写ベルト10の回転に伴い従動回転する。中間転写ベルト10とのニップ部(2次転写ニップ部)における実抵抗値は約2×10Ωである。抵抗値は、測定対象ローラを直径30mmのアルミ製シリンダに対して従動回転させながら、Advantest社製R8340超高抵抗計を用いて測定した。測定条件は、印加電圧1000V、印加時間30秒、当接圧9.8N、2次転写ローラ20の回転周速100mm/sである。2次転写ニップ幅は約3.5mm、長手幅は220mmである。
導電性ブラシ16は、導電性を有する繊維で構成されている。導電性繊維はナイロンを主成分とし、導電剤としてカーボンを使用し、導電性繊維1本の単位長さあたりの抵抗値は1×1010Ω/cmであり、繊度300T/60Fである。導電性繊維の単位長さあたりの抵抗(Ω/cm)測定方法は、図3(a)に示されるように、測定対象の導電性繊維16aを幅10mm(D)で配置された2本のφ5金属ローラ83で張架し、片側100gの錘84にて荷重をかける。この状態で、測定用電源81から200Vの電圧を、金属ローラ83を介して導電性繊維16aに印加し、その時の電流値を測定用電流計82で読み取り、10mm(1cm)あたりの導電性繊維16aの抵抗値(Ω/cm)を算出し
ている。導電性ブラシ16の抵抗値の測定方法は、図3(b)に示すように、測定対象の導電性ブラシ16をφ30の金属ローラ85に侵入量1.0mmで当接させ、電源81から200Vの電圧を導電性ブラシ16に印加し、その時の電流値を電流計82で読み取ることによって抵抗値を算出する。算出方法による導電性ブラシ16の抵抗値は1×10Ωである。また、導電性ブラシ高圧電源60から正負両極性の電圧が印加されるよう接続されており、中間転写ベルト10に対して約1.0mmの侵入量で固定配置されている。
導電性ローラ17は、体積抵抗率10Ω・cmのウレタンゴムを主成分とする弾性ローラを用いている。また、導電性ローラ高圧電源70から正負両極性の電圧が印加されるよう接続されており、不図示のバネによって、中間転写ベルト10に対して総圧9.8Nで加圧されつつ、中間転写ベルト10の回転に伴い従動回転する。中間転写ベルト10とのニップ部(導電性ローラニップ部)における実抵抗値は約1×10Ωである。抵抗値は、2次転写ローラ同様に、測定対象ローラを直径30mmのアルミ製シリンダに対して従動回転させながら、Advantest社製R8340超高抵抗計を用いて測定した。測定条件は、印加電圧1000V、印加時間30秒、当接圧9.8N、導電性ローラ16の回転周速100mm/sである。導電性ローラ17のニップ幅は約1.5mmである。尚、本実施例では導電性ローラ17としてウレタンゴムを用いたが特に限定されるものではなく、NBR、EPDM、エピクロルヒドリンなどであってもよい。
<2次転写残トナーの帯電手段>
本画像形成装置に用いられるトナー(現像剤)は、現像器4(4a、4b、4c、4d)内において負極性の電荷が付与される。そして、通常の画像形成時は、感光ドラム1a〜1dから中間転写ベルト10に1次転写された後、2次転写ローラ20により所望の正極性電圧(本実施例では約800V)を与えられることによって、記録材Pに2次転写して画像形成を行っている。2次転写後の中間転写ベルト10上には、図4に示すように、正負両極性の2次転写残トナーが混在している。図4は、中間転写ベルト電位と1次転写効率の関係を示す図である。さらに、記録材P表面の凹凸の影響を受け、2次転写残トナーは局所的に複数層に重なって中間転写ベルト10上に残留している(図4中のA)。
導電性ブラシ16は、複数層に重なった2次転写残トナーを帯電しつつ均一に散らす役割を担っており、2次転写残トナーは、導電性ブラシ16との周速差により機械的に略一層の高さに散らされる(図4中のB)。また、導電性ブラシ16には導電性ブラシ高圧電源60より正極性の定電流制御を行うことによって(本実施例では20μA)、2次転写残トナーを現像時のトナー極性と逆極性である正極性に帯電する。正極性に帯電しきれなかった負極性トナーは、導電性ブラシ16に1次回収される。その後、導電性ブラシ16を通過した2次転写残トナーは、中間転写ベルト10の回転方向に移動し、導電性ローラ17に到達する。
導電性ローラ17には、導電性ローラ高圧電源70により所望の正極性の電圧が印加されている。導電性ブラシ16を通過し、正極性に帯電された2次転写残トナーは、導電性ローラ17通過時に更に帯電され、転写同時方式の中間転写ベルトクリーニングを実現させるために最適な正電荷が付与される(図4中のC)。最適な正電荷が付与された2次転写残トナーは、1次転写ニップ部において、感光ドラム1に逆転写され、感光ドラム1に配置されたクリーニング装置5に回収される(ドラム静電クリーニング回収)。
尚、本実施例では導電性ブラシ16の中間転写ベルト10の回転方向下流側に導電性ローラ17を配置しているが、その目的とするところは、導電性ブラシ16通過後のトナーの帯電量をより均一にすることである。
<1次転写の給電手段>
本画像形成装置は、第1の電源部としての2次転写高圧電源21、第2の電源部としての導電性ブラシ高圧電源60及び導電性ローラ高圧電源70を使用して、中間転写ベルト10の周方向に電流を流すことによって中間転写ベルト10を帯電し、電位を形成している。この中間転写ベルト10と感光ドラム1a〜1dとの電位差により感光ドラム1上の負極性トナーが中間転写ベルト10上に移動することによって、1次転写を行っている。ここで、2次転写ローラ20から流れる電流、導電性ブラシ16から流れる電流、導電性ローラ17から流れる電流は、それぞれ重畳されて中間転写ベルト10の周方向に流れる。
また、中間転写ベルト10を張架する駆動ローラ11、テンションローラ12、2次転写対向ローラ13は、直列且つお互いに相反する向きに接続された2つのツェナーダイオード15a、15bを介して接地されている。2つのツェナーダイオード15a、15bは、共にツェナー電圧が300Vである。
これにより、各高圧電源21、60、70から中間転写ベルト10を介して各張架ローラ11、12、13に電流が流れることによって、ツェナーダイオード15a、15bに応じた電位(±300V)が出力される。本実施例のツェナーダイオード15a、15bは、所定電流(絶対値で5μA)以上流れることで、所望の電位(±300V)を維持し、それ以上流れる電流は接地側に流すことが可能である。
このとき、各張架ローラ(駆動ローラ11、テンションローラ12、2次転写対向ローラ13)は正負極性共に300Vに維持されるため、中間転写ベルト10の裏面電位も、同じく正負極性共に300Vに維持される。また、各張架ローラ(駆動ローラ11、テンションローラ12、2次転写対向ローラ13)に流れる電流も、2次転写ローラ20から流れる電流と、導電性ブラシ16から流れる電流、及び導電性ローラ17から流れる電流が重畳される。このため、重畳された電流が正極性の場合は、中間転写ベルト10の裏面電位は+300Vとなり、負極性の場合は−300Vとなる。
ここで、一方のツェナーダイオードを逆向きに接続しているのは、帯電部材の吐き出しクリーニングを行う際など、逆極性の電圧を印加する際においても、1次転写ニップ部に安定した電位を供給するためである。
<本発明が解決しようとする課題の詳細>
1次転写と2次転写のための電源を共通化した画像形成装置において、印字の後回転時等に帯電部材の吐き出しクリーニングを行う際、帯電部材に対する高圧電源60、70から出力する電圧の正負極性の切り替えに連動して、1次転写部に印加される電圧の正負極性も切り替わることが生じ得る。このため、本来回収したいステーションを通過する際に、1次転写部の電位が負極性になってしまい、残トナーTが中間転写ベルト100に残留してしまう可能性がある。これら中間転写ベルト100に残留した残トナーTをクリーニングするためには、さらに中間転写ベルト100を駆動回転させることが必要となることが考えられ、ダウンタイムや本体寿命にも影響を及ぼすことが懸念される。
<本発明の実施例の特徴>
本発明の実施例に係る画像形成装置は、吐き出しクリーニングなど帯電部材に印加する電圧の正負極性を切り替えたときに、1次転写部に印加される電圧の正負極性が変わらないように構成したことを特徴とする。より具体的には、帯電部材に印加する電圧の正負極性を切り替えた場合においても、2次転写部材から中間転写ベルト100に流れる電流が支配的となるようにし、1次転写部においては常に所望の極性で且つ安定した電圧が維持されるようにした。これにより、帯電部材の吐き出しクリーニングと1次転写部のドラム静電クリーニングを並行して且つ安定して行うことができるようになり、ダウンタイムの削減や本体の長寿命化を実現することができる。
本実施例における2次転写ローラ20と帯電部材(導電性ブラシ16、導電性ローラ17)の抵抗値は先に述べた通りであり、次の関係を満たしている。
2次転写ローラ20 < 帯電部材(導電性ブラシ16、導電性ローラ17)
本実施例の特徴の一つは、1次転写ニップ部に流れる電流値は、2次転写ローラ20から流れる電流値(第1の電流の電流値)と、帯電部材(導電性ブラシ16、導電性ローラ17)から流れる電流値(第2の電流の電流値)の重畳によって決定されることである。また、帯電部材(導電性ブラシ16、導電性ローラ17)に印加する電圧極性を切り替えた場合においても次の関係を満たすことである。
2次転写部材から流れる電流値 > 帯電部材から流れる電流値
<画像形成装置の動作>
図5〜図9を参照して、本実施例に係る画像形成装置の具体的な動作について説明する。図5は、本実施例における印字後の後回転動作のタイミングチャートを示している。図5において、S1は、中間転写ベルト10から記録材Pにトナー像を2次転写している途中のタイミングであり、このときのトナー状態を図6に示す。図6は、記録材Pに転写されなかった2次転写残トナーが、中間転写ベルト10上に残留したまま移動しつつ、第1ステーション(a)においてドラム静電クリーニング回収されている状態を示している。このとき、2次転写高圧電源21は+800V、導電性ブラシ高圧電源60、導電性ローラ高圧電源70は共に+1500Vを印加し、2次転写ローラ20及び帯電部材(導電性ブラシ16、導電性ローラ17)から流れる重畳電流によって1次転写を行っている。画像形成中に1次転写ニップ部T1に流れる電流は、約+40μAである。
区間S1〜S2において、1次転写部における画像形成が終了した時点で、感光ドラム1a〜1dの表面はほぼ電位を持たなくなるため、このタイミングから重畳電流は、張架ローラ(駆動ローラ11、テンションローラ12、2次転写対向ローラ13)側に流れる。したがって、以降1次転写ニップ部T1における中間転写ベルト10の裏面電位は+300Vを維持している。
次に、記録材Pへの2次転写が終了し、2次転写残トナーが導電性ローラ17に到達した時点(S2)で、2次転写高圧電源21、導電性ブラシ高圧電源60、導電性ローラ高圧電源70の正極性電圧をそれぞれOFFするとともに負極性電圧をそれぞれONする。印加電圧は、共に−1000Vである。この瞬間(S2)から、2次転写ローラ20及び帯電部材(導電性ブラシ16、導電性ローラ17)から流れる重畳電流(約−70μA)によって、1次転写ニップ部T1における中間転写ベルト10の裏面電位は−300Vに維持される。これにより、正極性の電荷を持つ2次転写残トナーの後端は、中間転写ベルト10側に静電的に引き付けられることになる。一方、同瞬間(S2)から、導電性ブラシ16に1次回収されていた負極性トナーが導電性ブラシ16から吐き出され、導電性ローラ17によってさらに負極性に帯電させられつつ移動する。このときのトナー状態(区間S2〜S3)を図7に示す。図7より、2次転写残トナーの後端が、第1ステーション(a)に回収されずに中間転写ベルト10に静電的に引き付けられた状態で移動し、一方で導電性ブラシ16から負極性トナーが吐き出されていることが分かる。2次転写残トナーの後端をステーション(a)に回収させないのは、過度なトナー回収によるクリーニング装置5aの飽和(パンクリスク)を回避し、ステーション(b)〜(d)のクリーニング装置5b〜5dにも振り分けて回収させるためである。本実施例においては、2次転写残トナーの後端をステーション(b)、(c)に振り分けて回収させる。
次に、2次転写残トナーの後端がステーション(a)を通過した時点(S3)で、再び2次転写高圧電源21の正極性電圧をONし、負極性電圧をOFFする。また同瞬間(S
3)から、導電性ブラシ高圧電源60及び導電性ローラ高圧電源70の正極性電圧と負極性電圧のON/OFFを交互に繰り返すことによって、帯電部材(導電性ブラシ16、導電性ローラ17)の吐き出しクリーニングを行う。吐き出しクリーニングは、正極性電圧を4回ON/OFFさせた時点(S4)で終了する。
ここで、区間S3〜S4における、1次転写ニップ部の電位について説明する。2次転写高圧電源21は、この間+1000Vの電圧を印加しており、2次転写ローラ20には+50μAの電流が流れる。一方、導電性ブラシ高圧電源60は、正負極性共に1000Vの電圧を印加しており、導電性ブラシ16には、正極性(+1000V)印加のときは+10μA、負極性(−1000V)印加のときは−10μAの電流が流れる。また導電性ローラ70も、同様に正負極性共に1000Vの電圧を印加しており、導電性ローラ17には、正極性(+1000V)印加のときは+10μA、負極性(−1000V)印加のときは−10μAの電流が流れる。
したがって、導電性ブラシ高圧電源60及び導電性ローラ高圧電源70が共に正極性のとき、2次転写ローラ20から流れる電流は+50μ、帯電部材(導電性ブラシ16、導電性ローラ17)から流れる電流は+20μAとなる。その重畳電流は+70μAとなるため、1次転写ニップ部T1における中間転写ベルト10の裏面電位は+300Vに維持される。また、導電性ブラシ高圧電源60及び導電性ローラ高圧電源70が共に負極性のときは、2次転写ローラ20から流れる電流は+50μA、帯電部材(導電性ブラシ16、導電性ローラ17)から流れる電流は−20μAとなる。その重畳電流は+30μAとなるため、同様に中間転写ベルト10の裏面電位は+300Vに維持される。
つまり、この区間S3〜S4においては、いずれの場合においても、中間転写ベルト10の裏面電位は+300Vに維持される。これは、帯電部材(導電性ブラシ16、導電性ローラ17)に印加する電圧極性を負極性に切り替えた場合においても、次の関係を満たすことによって、重畳電流が正極性を維持するからである。
2次転写ローラ20から流れる電流値 > 帯電部材から流れる電流値
図8は、区間S3〜S4におけるトナー状態図である。S3時点から、2次転写残トナーは中間転写ベルト10から静電的に引き離される力が働き、感光ドラム1側に引き寄せられ、ステーション(b)、(c)のクリーニング装置5b、5cに回収される。このとき、導電性ブラシ16から吐き出された負極性トナーAが、中間転写ベルト10に静電的に引き付けられた状態でステーション(a)を通過している。また、帯電部材(導電性ブラシ16、導電性ローラ17)の吐き出しクリーニングによって、帯電部材(導電性ブラシ16、導電性ローラ17)から正負極性のトナーBが交互に吐き出されている。
その後(S4以降)、2次転写高圧電源21の正極性電圧(+1000V)はON状態のまま、導電性ブラシ高圧電源60及び導電性ローラ高圧電源70の正極性電圧をOFFし、負極性電圧(−1000V)をONとする。このとき、2次転写ローラ20及び帯電部材(導電性ブラシ16、導電性ローラ17)の重畳電流は+30μAとなり、1次転写ニップ部T1における中間転写ベルト10の裏面電位は+300Vに維持される。
次に、帯電部材(導電性ブラシ16、導電性ローラ17)の吐き出しクリーニングによって吐き出された正負極性トナーBが、第1ステーション(a)を通過した時点(S5)で、2次転写高圧電源21の正極性電圧をOFFする。このとき、帯電部材(導電性ブラシ16、導電性ローラ17)の重畳電流は−20μAとなるため、1次転写ニップ部T1における中間転写ベルト10の裏面電位は−300Vに維持される。したがって、この瞬間(S5)から、負極性トナーAは中間転写ベルト10から静電的に引き離される力が働き、感光ドラム1側に引き寄せられる。図9は、負極性トナーAが、ステーション(b)
〜(d)のクリーニング装置5b〜5dに振り分けられている状態を示している。また、吐き出しクリーニングによって吐き出された正負極性トナーBについては、2次転写高圧電源21の正極性電圧がOFFされる(S5)以前は、ステーション(a)において正極性トナーのみ回収され、負極性トナーは通過する。ステーション(a)を通過した負極性トナーは、S5以降にステーション(b)、(c)によって回収される。
こうして、全ての負極性トナーをステーション(b)〜(d)のクリーニング装置5b〜5dで回収した時点(S6)で、導電性ブラシ高圧電源60及び導電性ローラ高圧電源70の負極性電圧をOFFし、また画像形成装置のメインモータをOFFする。これにより、一連の画像形成動作を終了する。
<本実施例の作用効果>
以上説明したように、印字後の後回転動作において、帯電部材の印加電圧の極性を切り替えた場合においても、次の関係を満たすことで、1次転写ニップ部における中間転写ベルト10の裏面電位の極性は変わらず安定した電圧を維持することができる。
2次転写部材から流れる電流値 > 帯電部材から流れる電流値
これにより、帯電部材(導電性ブラシ16、導電性ローラ17)の吐き出しクリーニングを行いつつ、1次転写ニップ部T1におけるドラム静電クリーニングを並行して且つ安定して行うことができるため、ダウンタイムの削減を図ることができる。また、2次転写残トナーや帯電部材の吐き出しトナーといった、正負極性の異なるトナーを、各画像形成ステーションにおいて即座に効率良く振り分けして回収することができ、画像形成動作の終了タイミングを早めることができる。したがって、感光ドラム1や中間転写ベルト10の回転時間を軽減し、画像形成装置の長寿命化を図ることができる。
尚、本実施例では、ツェナーダイオード15を3本の張架ローラ11、12、13にそれぞれ接続しているが、張架部材に接続するのは1本ないし2本でもよい。
また、各画像形成ステーションの1次転写ニップ部で感光ドラム1(1a、1b、1c、1d)に対向する箇所等に金属ローラ等の導電部材を設置し、張架ローラ(駆動ローラ11、テンションローラ12、2次転写対向ローラ13)と同様にツェナーダイオード15a、15bに接続してもよい。
また、本実施例では、中間転写ベルトの内周面の表面電位を重畳電流と同じ極性の所定電位以上に維持する電圧安定素子(定電圧素子)としてツェナーダイオード15a、15bを使用した。しかし、同様の効果を得られる素子であれば、別の電圧安定素子でもよく、例えば、バリスタなどの素子であってもよい。
また、2次転写ローラ20、導電性ブラシ16、導電性ローラ17の抵抗値が、全て1×10Ωであってもよい(変形例1)。つまり、次の関係を満たしている。
2次転写ローラ20 = 帯電部材(導電性ブラシ16、導電性ローラ17)
この場合、帯電部材(導電性ブラシ16、導電性ローラ17)の吐き出しクリーニング中における、2次転写高圧電源21の印加電圧は+2500V、導電性ブラシ高圧電源60、導電性ローラ高圧電源70の印加電圧は±1000Vとする。つまり、印加電圧(絶対値)の関係は、次のようになる。
2次転写ローラ20 > 帯電部材(導電性ブラシ16、導電性ローラ17)
このとき、区間(S3〜S4)において、2次転写ローラには+25μAの電流が流れている。一方、帯電部材(導電性ブラシ16、導電性ローラ17)には、正極性(+10
00V)印加のときは共に+10μA、負極性(−1000V)印加のときは共に−10μAの電流が流れている。したがって、導電性ブラシ高圧電源60及び導電性ローラ高圧電源70が共に正極性のとき、重畳電流は+45μAとなり、共に負極性のときは、重畳電流は+5μAとなるため、いずれの場合においても重畳電流は正極性となる。よって、1次転写ニップ部T1における中間転写ベルト10の裏面電位は+300Vに維持することができる。
以上説明したように、変形例1の構成で、帯電部材としての導電性ブラシ高圧電源60及び導電性ローラ高圧電源70から印加される電圧の正負極性を切り替えた場合においても、次の関係が満たされる。
2次転写部材から流れる電流値 > 帯電部材から流れる電流値
したがって、本変形例においても、1次転写ニップ部における中間転写ベルト10の裏面電位の極性が変わらず安定した電圧を維持することができる。
また、2次転写ローラ20の抵抗値が1×10Ωであり、導電性ブラシ16、導電性ローラ17の抵抗値が、共に5×10Ωであってもよい(変形例2)。つまり、次の関係を満たしている。
2次転写ローラ20 > 帯電部材(導電性ブラシ16、導電性ローラ17)
この場合、帯電部材(導電性ブラシ16、導電性ローラ17)の吐き出しクリーニング中における、2次転写高圧電源21の印加電圧は+2500V、導電性ブラシ高圧電源60、導電性ローラ高圧電源70の印加電圧は±500Vとする。つまり、印加電圧(絶対値)の関係は、次のようになる。
2次転写ローラ20 > 帯電部材(導電性ブラシ16、導電性ローラ17)
このとき、区間(S3〜S4)において、2次転写ローラには+25μAの電流が流れている。一方、帯電部材(導電性ブラシ16、導電性ローラ17)には、正極性(+500V)印加のときは共に+10μA、負極性(−500V)印加のときは共に−10μAの電流が流れている。したがって、導電性ブラシ高圧電源60及び導電性ローラ高圧電源70が共に正極性のとき、重畳電流は+45μAとなり、共に負極性のときは、重畳電流は+5μAとなるため、いずれの場合においても重畳電流は正極性となる。よって、1次転写ニップ部T1における中間転写ベルト10の裏面電位は+300Vに維持することができる。
以上説明したように、変形例2の構成で、帯電部材としての導電性ブラシ高圧電源60及び導電性ローラ高圧電源70から印加される電圧の正負極性を切り替えた場合においても、次の関係を満たされる。
2次転写部材から流れる電流値 > 帯電部材から流れる電流値
したがって、本変形例においても、1次転写ニップ部における中間転写ベルト10の裏面電位の極性が変わらず安定した電圧を維持することができる。
また、2次転写ローラ20の抵抗値が2×10Ωであり、導電性ブラシ16、導電性ローラ17の抵抗値が、共に2×10Ωであっても良い(変形例3)。つまり、次の関係を満たしている。
2次転写ローラ20 < 帯電部材(導電性ブラシ16、導電性ローラ17)
この場合、帯電部材(導電性ブラシ16、導電性ローラ17)の吐き出しクリーニング中における、2次転写高圧電源21の印加電圧は+800V、導電性ブラシ高圧電源60、導電性ローラ高圧電源70の印加電圧は±1000Vとする。つまり、印加電圧(絶対値)の関係は、次のようになる。
2次転写ローラ20 < 帯電部材(導電性ブラシ16、導電性ローラ17)
このとき、区間(S3〜S4)において、2次転写ローラには+40μAの電流が流れている。一方、帯電部材(導電性ブラシ16、導電性ローラ17)には、正極性(+1000V)印加のときは共に+0.5μA、負極性(−1000V)印加のときは共に−0.5μAの電流が流れている。したがって、導電性ブラシ高圧電源60及び導電性ローラ高圧電源70が共に正極性のとき、重畳電流は+41μAとなり、共に負極性のときは、重畳電流は+39μAとなるため、いずれの場合においても重畳電流は正極性となる。よって、1次転写ニップ部T1における中間転写ベルト10の裏面電位は+300Vに維持することができる。
以上説明したように、変形例3の構成で、帯電部材としての導電性ブラシ高圧電源60、及び導電性ローラ高圧電源70から印加される電圧の正負極性を切り替えた場合においても、次の関係が満たされる。
2次転写部材から流れる電流値 > 帯電部材から流れる電流値
したがって、1次転写ニップ部における中間転写ベルト10の裏面電位の極性が変わらず安定した電圧を維持することができる。
(実施例2)
本発明の実施例2に係る画像形成装置について説明する。本実施例に係る画像形成装置の構成において、実施例1と同一部材には同一符号とし、説明を省略する。ここで説明しない事項については、実施例1と同様である。
<本実施例の特徴>
図10は、本発明の実施例2に係る画像形成装置の概略構成図である。図10に示すように、本実施例における画像形成装置は、実施例1のように帯電部材としての導電性ローラを持たず、導電性ブラシ16のみとすることが特徴の一つである。
本実施例で用いる中間転写ベルト10は、表面に厚み2μmのアクリル樹脂塗料を塗布することによって、平滑度の高いコート層を設けている。一方、基層は、ポリエステルを主成分とする材料から構成され、厚みは実施例1と同様に100μmである。この結果、中間転写ベルト10の体積抵抗率は、1×10Ω・cmとなり、導電性ブラシ16と接触する部分における中間転写ベルト10の抵抗値は、8.9×10Ωとなる。中間転写ベルト10のコート層の平滑度が向上すると、記録材表面との間に発生する微小空間を小さくすることができるため、2次転写ニップ部での電界の乱れを抑制することができ、2次転写効率が向上する。その結果、2次転写残トナー量を減らすことができ、導電性ブラシ16が持つ1次回収性能により、正極性に帯電させるべきトナー量も十分に減らすことができるため、導電性ブラシ16のみでも2次転写残トナーを正極性に帯電させることができる。
導電性ブラシ16の構成については、実施例1と同様の材料であり、導電性繊維16aの1本の単位長さあたりの抵抗値は1×1012Ω/cm、導電性ブラシ16の抵抗値は1×10Ω、単糸繊度300T/60F(5dtex)である。また、ブラシ密度としては100kF/inchである。
また、本実施例のもう一つの特徴は、2次転写ローラ20と導電性ブラシ16に印加する負極性の電圧を共通化していることである。正極性の電圧は、それぞれ個別の高圧電源(2次転写正高圧電源63、導電性ブラシ正高圧電源61)によって印加され、負極性の電圧は、共に2次転写導電性ブラシ負高圧電源62から印加される。これは、高圧電源を一つ削減できることによるコストダウンを図っている。
<画像形成装置の動作>
図11を用いて、上記特徴を持つ画像形成装置の具体的な動作について説明する。図11は、本実施例における印字後の後回転動作のタイミングチャートを示している。図11において、各タイミング(S1〜S6)は、実施例1と同様であり、また各タイミングにおけるトナー状態も図6〜図9と同様のため、詳細な説明は省略し、相違点を説明する。
S1において、2次転写正高圧電源61は+800V、導電性ブラシ正高圧電源62は+1500Vを印加している。このとき、1次転写ニップ部T1に流れる電流は、約+35μAである。また、区間S1〜S2において、1次転写部における画像形成が終了した以降、1次転写ニップ部T1における中間転写ベルト10の裏面電位は+300Vを維持している。
S2において、2次転写正高圧電源61及び導電性ブラシ正高圧電源62をそれぞれOFFし、2次転写導電性ブラシ負高圧電源63をONする。印加電圧は−1000Vである。この瞬間(S2)から、2次転写ローラ20及び導電性ブラシ16から流れる重畳電流(約−60μA)によって、1次転写ニップ部T1における中間転写ベルト10の裏面電位は−300Vに維持される。
S3において、再び2次転写正高圧電源61をONする。また、導電性ブラシ正高圧電源62のON/OFFを交互に繰り返すことによって、導電性ブラシ16の吐き出しクリーニングを行う。吐き出しクリーニングは、正極性電圧を4回ON/OFFさせた時点(S4)で終了する。この区間(S3〜S4)、2次転写導電性ブラシ負高圧電源63はONのままである。このとき、2次転写ローラ20及び導電性ブラシ16においては、負電圧がON状態においても、正電圧が印加された場合は、正電圧が支配的となるような回路構成となっている(不図示)。したがって、2次転写ローラ20においては常に正電流が流れ、導電性ブラシ16においては、導電性ブラシ正高圧電源62がONのときは正電流が流れ、OFFのときは負電流が流れることになる。
このとき、2次転写正高圧電源61は+1000Vの電圧を印加しており、2次転写ローラには+50μAの電流が流れる。一方、導電性ブラシ正高圧電源62は+1000V、2次転写導電性ブラシ負高圧電源63は−1000Vの電圧を印加しており、導電性ブラシ16には、導電性ブラシ正高圧電源62がONのときは+10μA、OFFのときは−10μAの電流が流れる。
したがって、導電性ブラシ正高圧電源62がONのとき、2次転写ローラ20及び導電性ブラシ16からの重畳電流は+60μAとなり、OFFのとき、重畳電流は+40μAとなる。つまり、いずれの場合においても重畳電流は正極性となるため、1次転写ニップ部T1における中間転写ベルト10の裏面電位は+300Vに維持される。これは、帯電部材(導電性ブラシ16)に印加する電圧極性を負極性に切り替えた場合においても、次の関係を満たすことによって、重畳電流が正極性を維持するからである。
2次転写ローラ20から流れる電流値 > 帯電部材から流れる電流値
S4以降、2次転写正高圧電源61はON状態のまま、導電性ブラシ正高圧電源62をOFF状態とし、2次転写導電性ブラシ負高圧電源63はONのままとする。このとき、2次転写ローラ20及び導電性ブラシ16からの重畳電流は+40μAとなり、1次転写ニップ部T1における中間転写ベルト10の裏面電位は+300Vに維持される。
S5において、2次転写正高圧電源61をOFFする。このときは、導電性ブラシ16からの電流(−10μA)のみが流れるため、1次転写ニップ部T1における中間転写ベ
ルト10の裏面電位は−300Vに維持される。
S6において、2次転写導電性ブラシ負高圧電源63をOFFし、また画像形成装置のメインモータをOFFすることによって、一連の画像形成動作を終了する。
<本実施例の作用効果>
本実施例によれば、帯電部材としての導電性ローラ17を用いないことによるコストダウンと、2次転写ローラ20と導電性ローラ17に供給する負極性高圧電源を共通化することによるコストダウンを図りつつ、実施例1と同様の作用効果を得ることができる。
尚、本実施例では、ツェナーダイオード15を3軸の張架ローラ11、12、13にそれぞれ接続しているが、張架部材に接続するのは1軸ないし2軸でもよい。
また、各画像形成ステーションの1次転写ニップ部で感光ドラム1a〜1dに対向する箇所等に金属ローラ等の導電部材を設置し、駆動ローラ11、テンションローラ12、2次転写対向ローラ13と同様にツェナーダイオード15a、15bに接続してもよい。
また、本実施例では、電圧安定素子としてツェナーダイオード15a、15bを使用したものの、同様の効果を得られる素子であれば、別の電圧安定素子でもよく、例えば、バリスタなどの素子であってもよい。
なお、各実施例では、トナーの正規の帯電極性が、負極性の場合について説明したが、正極性の場合でも、本発明を適用できることは言うまでもない。なお、正極性トナーの場合には、以下の関係を満たし、1次転写ニップ部における中間転写ベルトの裏面電位が負極性を維持できる重畳電流が流れるように構成すればよい。
2次転写ローラ20から流れる電流値 < 帯電部材から流れる電流値
上記各実施例は、可能な限り互いに組み合わせた構成を採用することができる。
1…感光ドラム、10…中間転写ベルト、11…駆動ローラ、12…テンションローラ、13…2次転写対向ローラ、15…ツェナーダイオード、16…導電性ブラシ、17…導電性ローラ、20…2次転写ローラ、21…2次転写高圧電源、60…導電性ブラシ高圧電源、70…導電性ローラ高圧電源

Claims (11)

  1. トナー像を担持する複数の像担持体と、
    無端状で回転可能であって、前記複数の像担持体から1次転写されたトナー像を記録材に2次転写するための中間転写ベルトと、
    前記中間転写ベルトの外周面に1次転写されたトナー像を記録材に2次転写するための2次転写部材と、
    前記2次転写部材に極性を可変に電圧を印加することが可能な第1の電源部と、
    2次転写部の下流かつ1次転写部の上流において前記中間転写ベルトに残留したトナーを帯電させる帯電部材と、
    前記帯電部材に極性を可変に電圧を印加する第2の電源部と、
    を備え、
    前記第1の電源部及び前記第2の電源部の少なくともいずれかが前記中間転写ベルトを介して前記複数の像担持体に電流を流すことで、前記複数の像担持体から前記中間転写ベルトにトナー像を1次転写させ、
    前記第1の電源部が前記2次転写部材に電圧を印加することで、前記中間転写ベルトから記録材にトナー像を2次転写させ、
    前記2次転写部材から前記中間転写ベルトに流れる電流と、前記帯電部材から前記中間転写ベルトに流れる電流と、の重畳電流が前記1次転写部に流れる画像形成装置において、
    前記第1の電源部が前記2次転写部材に2次転写のときと同じ極性の電圧を印加している間に、前記第2の電源部が前記帯電部材に正負いずれの極性の電圧を印加しても、前記重畳電流の極性が前記第1の電源部の印加電圧と同じ極性に維持されることを特徴とする画像形成装置。
  2. 前記第1の電源部が、前記中間転写ベルトに残留したトナーを前記複数の像担持体に逆転写させるべく、前記2次転写部材に2次転写のときと同じ極性の電圧を印加している間に、前記第2の電源部が、前記帯電部材に付着したトナーを前記中間転写ベルトに吐き出すべく、正極性の電圧と負極性の電圧を交互に印加しても、前記重畳電流の極性が前記第1の電源部の印加電圧と同じ極性に維持されることを特徴とする請求項1に記載の画像形成装置。
  3. 前記第1の電源部における前記2次転写部材に負極性の電圧を印加する電源部と、前記第2の電源部における前記帯電部材に負極性の電圧を印加する電源部と、が共通化されていることを特徴とする請求項1または2に記載の画像形成装置。
  4. 前記中間転写ベルトは、前記中間転写ベルトの内周面の表面電位を前記重畳電流と同じ極性の所定電位以上に維持する定電圧素子を介して設置されていることを特徴とする請求項1〜3のいずれか1項に記載の画像形成装置。
  5. 前記第1の電源部が前記2次転写部材に正極性の電圧を印加している間に、前記第2の電源部が前記帯電部材に正負いずれの極性の電圧を印加しても、
    前記2次転写部材から前記中間転写ベルトに流れる第1の電流の電流値と、前記帯電部材から前記中間転写ベルトに流れる第2の電流の電流値と、が、
    前記第1の電流の電流値>前記第2の電流の電流値
    の関係を満たすことを特徴とする請求項1〜4のいずれか1項に記載の画像形成装置。
  6. 前記2次転写部材の抵抗値と前記帯電部材の抵抗値との関係が、
    前記2次転写部材<前記帯電部材
    を満たし、
    前記2次転写部材の印加電圧と前記帯電部材の印加電圧との関係が、
    前記2次転写部材=前記帯電部材
    を満たすことにより、
    前記第1の電流の電流値>前記第2の電流の電流値
    の関係を満たすことを特徴とする請求項5に記載の画像形成装置。
  7. 前記2次転写部材の抵抗値と前記帯電部材の抵抗値との関係が、
    前記2次転写部材=前記帯電部材
    を満たし、
    前記2次転写部材の印加電圧と前記帯電部材の印加電圧との関係が、
    前記2次転写部材>前記帯電部材
    を満たすことにより、
    前記第1の電流の電流値>前記第2の電流の電流値
    の関係を満たすことを特徴とする請求項5に記載の画像形成装置。
  8. 前記2次転写部材の抵抗値と前記帯電部材の抵抗値との関係が、
    前記2次転写部材>前記帯電部材
    を満たし、
    前記2次転写部材の印加電圧と前記帯電部材の印加電圧との関係が、
    前記2次転写部材>前記帯電部材
    を満たすことにより、
    前記第1の電流の電流値>前記第2の電流の電流値
    の関係を満たすことを特徴とする請求項5に記載の画像形成装置。
  9. 前記2次転写部材の抵抗値と前記帯電部材の抵抗値との関係が、
    前記2次転写部材<前記帯電部材
    を満たし、
    前記2次転写部材の印加電圧と前記帯電部材の印加電圧との関係が、
    前記2次転写部材<前記帯電部材
    を満たすことにより、
    前記第1の電流の電流値>前記第2の電流の電流値
    の関係を満たすことを特徴とする請求項5に記載の画像形成装置。
  10. 前記定電圧素子は、ツェナーダイオードであることを特徴とする請求項4に記載の画像形成装置。
  11. 前記定電圧素子は、バリスタであることを特徴とする請求項4に記載の画像形成装置。
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