以下、図面を参照して、本発明の好適な実施形態を例示的に詳しく説明する。ただし、以下の実施形態に記載されている構成部品の寸法、材質、形状、それらの相対配置などは、本発明が適用される装置の構成や各種条件により適宜変更されるべきものである。従って、特に特定的な記載がない限りは、本発明の範囲をそれらのみに限定する趣旨のものではない。
(実施形態1)
図1は、カラー画像形成装置の一例を示す概略図であり、図1を用いての本実施形態の画像形成装置の構成及び動作を説明する。尚、本実施形態の画像形成装置は、a〜dの画像形成ステーションを設けているいわゆるタンデムタイプのプリンタである。第1の画像形成ステーションaはイエロー(Y)、第2の画像形成ステーションbはマゼンタ(M)、第3の画像形成ステーションcはシアン(C)、第4の画像形成ステーションdはブラック(Bk)の各色の画像を形成する。各画像形成ステーションの構成は、収容するトナーの色以外では同じであり、以下、第1の画像形成ステーションaを用いて説明する。
第1の画像形成ステーションaは、ドラム状の電子写真感光体(以下、感光ドラムという)1aと、帯電部材である帯電ローラ2aと、現像器4aと、クリーニング装置5aと、を備える。感光ドラム1aは矢印の方向に所定の周速度(プロセススピード)で回転駆動しトナー像を担持する像担持体である。
さらに、現像器4aは、イエローのトナーを収容し感光ドラム1aにイエロートナーを現像するための装置である。クリーニング装置5aは、感光ドラム1aに付着したトナーを回収するための部材であり、本実施形態では、感光ドラム1aに当接するクリーニング部材であるクリーニングブレードと、クリーニングブレードが回収したトナーを収容する廃トナーボックスを備える。
コントローラ等の制御部(不図示)が画像信号を受信することによって画像形成動作が開始され、感光ドラム1aは回転駆動される。感光ドラム1aは回転過程で、帯電ローラ2aにより所定の極性(本実施形態では負極性)で所定の電位に一様に帯電処理され、露光手段3aにより画像信号に応じた露光を受ける。これにより、目的のカラー画像のイエロー色成分像に対応した静電潜像が形成される。次いで、その静電潜像は現像位置において現像器(イエロー現像器)4aにより現像され、イエロートナー像として可視化される。ここで、現像器に収容されたトナーの正規の帯電極性は、負極性である。この実施形態では帯電部材による感光ドラムの帯電極性と同極性に帯電したトナーにより静電潜像を反転現像しているが、本発明は、感光ドラムの帯電極性とは逆極性に帯電したトナーにより静電潜像を正現像するようにした電子写真装置にも適用できる。
中間転写ベルト10は、複数の張架部材11、12、13とで張架され、感光ドラム1aと当接した対向部で同方向に移動する向きに、感光ドラム1aと略同一の周速度で移動可能である。感光ドラム1a上に形成されたイエロートナー像は、感光ドラム1aと中間転写ベルト10との当接部(以下、一次転写部と称す)を通過する過程で、中間転写ベルト10の上に転写される(一次転写)。一次転写時には、中間転写ベルトに接触する電流供給部材から電流を流し、中間転写ベルト10の各一次転写部で一次転写電位が形成される。本実施形態の一次転写電位の形成方法については後述詳細に説明する。
感光ドラム1a表面に残留した一次転写残トナーは、クリーニング装置5aにより清掃、除去された後、帯電以下の画像形成プロセスに供せられる。
以下、同様にして、第2,3,4の画像形成ステーションb、c、dによって第2色のマゼンタトナー像、第3色のシアントナー像、第4色のブラックトナー像が形成され、中間転写ベルト10上に順次重ねて転写され、目的のカラー画像に対応した合成カラー画像が得られる。
中間転写ベルト10上の4色のトナー像は、中間転写ベルト10と二次転写部材が形成する二次転写部を通過する過程で、給紙手段50により給紙された記録材Pの表面に一括転写される(二次転写)。二次転写部において中間転写ベルトを介して二次転写部材に対向する位置に、二次転写対向部材を設けている。二次転写部材として使用される二次転写ローラ20は外径8mmのニッケルメッキ鋼棒に、体積抵抗108Ω・cm、厚み5mmに調整したNBRとエピクロルヒドリンゴムを主成分とする発泡スポンジ体で覆った外径18mmのものを用いている。また、二次転写ローラ20は、中間転写ベルト10の外周面に対して、50Nの加圧力で接触し、二次転写部を形成している。二次転写ローラ20は中間転写ベルト10に対して従動回転し、また、中間転写ベルト10上のトナーを紙等の記録材Pに二次転写している時には、転写電源21から2500[V]の二次転写電圧が印加されている。
転写電源21は、2次転写ローラ20に接続され、不図示のトランスから出力された電圧を二次転写ローラ20に供給する構成となっている。二次転写電圧は、画像形成装置の制御ICである不図示のCPUにより、予め設定されたコントロール電圧と実際の出力値であるモニター電圧との差分をトランスにフィードバックすることで、二次転写電圧を略一定に制御している。また、転写電源21は、100[V]から4000[V]の範囲の電圧を印加可能である。
その後、4色のトナー像を担持した記録材Pは定着器30に導入され、そこで加熱および加圧されることにより4色のトナーが溶融混色して記録材Pに固定される。本実施形態では、以上の動作により、フルカラーのプリント画像が形成される。
二次転写後に中間転写ベルト10上に残ったトナーは、帯電部材である導電性ブラシ部材16、帯電ローラ部材17によって帯電される。導電性ブラシ部材16は、導電性を有する繊維で構成されている。導電性ブラシ部材16には、帯電電源60から、所定の電圧が印加され、二次転写残トナーを帯電する構成となっている。本実施形態では、現像器に収容されたトナーの正規の帯電極性は負極性であるので、導電性ブラシ部材16に正極性の電圧をブラシ帯電電源60(第一の帯電電源)から印加する。本実施形態の特徴である導電性ブラシ部材16の構成については、後述する。
導電性ローラ17としては、体積抵抗率109Ω・cmのウレタンゴムを主成分とする弾性ローラを用いた。導電性ローラ17は、中間転写ベルト10を介して二次転写対向ローラ13に対し総圧9.8Nで不図示のバネにより加圧され、中間転写ベルト10の回転に伴い、従動して回転する。また、導電性ローラ17には、ローラ帯電電源70(第二の帯電電源)から、1500Vの電圧が印加され、二次転写残トナー帯電する構成となっている。
以上説明した構成において、中間転写ベルト10のクリーニング方法について図2を用いて説明する。本実施形態において、上述したように現像器4a〜dでトナーは負極性に帯電された後、感光ドラム1a〜1dに現像され、一次転写部で中間転写ベルト10に一次転写される。その後、転写電源21より正極性の電圧を印加された二次転写ローラ20により紙等の記録材Pに二次転写して画像形成を行っている。図2に示すように、二次転写後に中間転写ベルト10上に残留した二次転写残トナーは、二次転写ローラ20に印加した正極性の電圧の影響により正極性に帯電され易い。その結果二次転写残トナーは、正負の極性が混在している。また、記録材P表面の凹凸の影響を受け、二次転写残トナーは局所的に複数層に重なって中間転写ベルト10上に残留する(図3中A)。
中間転写ベルト10上に残留した二次転写残トナーに対して中間転写ベルト10の回転方向に対し上流側に位置する導電性ブラシ部材16は回転移動する中間転写ベルト10に対して固定配置され、かつ中間転写ベルト10に対して所定の侵入量で配置されている。即ち、導電性ブラシ部材は、中間転写ベルトの移動中に回転することなく装置内に支持されており、中間転写ベルト10の表面を摺擦する。そのため、また、導電性ブラシ部材16通過時には、中間転写ベルト10上に複数層に堆積していた二次転写残トナーは、導電性ブラシ部材16との周速差により機械的に略一層の高さに散らされる(図2中B)。
また、導電性ブラシ部材16にはブラシ帯電電源60より正極性の電圧を印加し、定電流制御を行うことで(本実施形態では10μA)二次転写残トナーを導電性ブラシ部材16通過時に現像時のトナー極性と逆極性である正極性に帯電し、正極性に帯電しきれなかった負極性トナーは、導電性ブラシ部材16に回収される。その後、導電性ブラシ部材16を通過した二次転写残トナーは、中間転写ベルト10の移動方向に移動し、導電性ローラ部材17に到達する。導電性ローラ部材17には、ローラ帯電電源70により正極性の電圧(本実施形態は1500V)が印加されている。導電性ブラシ部材16を通過し、正極性に帯電された二次転写残トナーは、導電性ローラ部材17通過時に更に帯電される。(図2中C)最適な電荷が付与された二次転写残トナーは、一次転写部において負極性に帯電された感光ドラム1aに移動させる。中間転写ベルト10から感光ドラム1aに移動した二次転写残トナーは、感光ドラム1a上に配置されたクリーニング装置5aへ回収される。
導電性ブラシ部材16に1次回収されたトナー及び導電性ローラ部材17に付着したトナーは印刷動作終了時の後回転動作により、定期的に吐き出される。尚、正極性に帯電された二次転写残トナーを中間転写ベルト10から感光ドラム1aへ移動させるタイミングは、トナー像を感光ドラム1aから中間転写ベルト10に一次転写させるタイミングと同時に行ってもよいし、別々に行ってもよい。
尚、本実施形態では導電性ブラシ部材16の中間転写ベルト10の回転方向下流側に導電性ローラ部材17を配置しているが、その目的とするところは、導電性ブラシ部材16通過後の帯電量をより均一にすることである。従って、導電性ローラ部材17が無くても二次転写残トナーの帯電量が所定の範囲内であれば、導電性ブラシ部材16のみで二次転写残トナーは帯電してもよい。二次転写残トナーの帯電量は、二次転写時の温度、湿度などの環境、中間転写ベルト10上のトナー帯電量、紙等の記録材種類などで変化することが多く、導電性ローラ部材17を用いることで、前述の二次転写残トナーの帯電量のバラツキに対応することができる。
本実施形態で使用した中間転写ベルト10は、周長700mm、厚さ90μmで、導電剤としてカーボンを混合した無端状のポリイミド樹脂を用いている。電気的特性としては、電子導電性の特性を示し、雰囲気中の温湿度に対する抵抗値変動が小さいのが特徴である。また、本実施形態では、中間転写ベルト10の材料としてポリイミド樹脂を使用したものの、熱可塑性樹脂であれば、他の材料でもよく、例えば、ポリエステル、ポリカーボネート、ポリアリレート、アクリロニトリル−ブタジエン−スチレン共重合体(ABS)、ポリフェニレンサルファイド(PPS)、ポリフッ化ビニリデン(PVdF)等の材料及びこれらの混合樹脂を使用しても良い。また、導電剤としてはカーボン以外に、導電性の金属酸化物微粒子を使用することが可能である。
本実施形態の中間転写ベルト10は、体積抵抗率で1×109Ω・cmである。体積抵抗率の測定は、三菱化学株式会社のHiresta−UP(MCP−HT450)にリングプローブのタイプUR(型式MCP−HTP12)を使用して測定する。測定条件は、室内温度は23℃、室内湿度は50%に設定し、印加電圧100[V]、測定時間10secの条件である。本実施形態では、中間転写ベルト10の体積抵抗率は、1×107〜1010Ω・cmの範囲のものが使用可能である。
ここで体積抵抗率は、中間転写ベルトの材料としての導電性の尺度である。本実施形態では、中間転写ベルト10の周方向に流れる電流によって所望な一次転写電位を形成する必要がある。そのため、実際に周方向に電流を流して所望な一次転写電位を形成することが可能なベルト(以下、導電性ベルト)であるか否かは、周方向の抵抗の大きさが重要である。
中間転写ベルト10の周方向の抵抗については、図3(a)に示す周方向抵抗測定治具を使用して測定した。まず、装置の構成を説明する。測定する中間転写ベルト10は内面ローラ101と駆動ローラ102でたるみが無いように張架される。金属でできた内面ローラ101は高圧電源(TREK社製高圧電源:Model_610E)103に接続され、駆動ローラ102は接地されている。駆動ローラ102の表面は、中間転写ベルト10に対して十分に抵抗の低い導電ゴムで被覆されており、中間転写ベルト10が100mm/secとなるように回転する。
次に、測定方法について説明する。駆動ローラ102によって中間転写ベルト10を100mm/secで回転させた状態で内面ローラ101に一定電流ILを印加し、内面ローラ101に繋いだ高圧電源103で電圧VLをモニターする。図3(a)に示す測定系は図3(b)に示す等価回路であるとみなす。その場合、内面ローラ101と駆動ローラ102までの距離L(本実施形態では300mm)の長さにおける中間転写ベルト10の周方向の抵抗RLはRL=2VL/ILによって算出することが出来る。このRLを中間転写ベルト10の100mm相当の中間転写ベルト周長に換算することで周方向の抵抗を求める。電流供給部材から中間転写ベルト10を通して感光体ドラム1に電流を流すため、周方向の抵抗は1×109Ω以下が好ましい。
本実施形態の構成では、前述した測定方法によって求められた、周方向の抵抗値で1×108Ωの中間転写ベルト10を用いている。本実施形態の中間転写ベルト10は、IL=5μAの定電流で測定を行い、その時のモニター電圧VLは750[V]であった。モニター電圧VLは、中間転写ベルト10の1周分の区間で行い、その区間測定値の平均値から求めている。また、RLに関しては、RL=2[VL]/ILであるため、RL=2×750/(5×10−6)=3×108Ωとなり、これを100mm相当に換算すると、周方向の抵抗値は、1×108Ωとなる。
本実施形態では、このように周方向に電流が流すことが可能な導電性ベルトを中間転写ベルト10として用いている。
以下、本実施形態の一次転写を実行する為の一次転写電位の形成方法について詳細に説明する。本実施形態の構成では、転写電源として二次転写部材に電圧を印加する二次転写電源21が、一次転写を行うための電源として使用される。すなわち二次転写電源21は、一次転写と二次転写の共通の転写電源である。二次転写電源21を共通の転写電源として使用すれば、一次転写専用の転写電源が必要なくなりコストダウンすることが可能である。本実施形態では、二次転写電源21から二次転写電圧が印加される二次転写部材(二次転写ローラ20)が、中間転写ベルト10に接触し中間転写ベルト10に電流を供給する電流供給部材として使用されている。
二次転写ローラ20から中間転写ベルト10に流れた電流は、中間転写ベルト10の周方向に流れることで中間転写ベルト10を帯電し、各一次転写部で一次転写電位を形成している。この一次転写電位と感光ドラム電位との電位差によって、感光ドラム1a、1b、1c、1d上のトナーが中間転写ベルト10上に移動することで、一次転写を行っている。
また、図1に示すように複数の感光ドラム1からトナー像が一次転写される一次転写面を形成する張架部材(ここでは二次転写対向ローラ13、駆動ローラ11)に、電圧維持素子15を接続してもよい。電圧維持素子15は、電流供給部材(本実施形態では二次転写ローラ20)から電流が供給されることによって、接続されている二次転写対向ローラ13と駆動ローラ20を、所定電位以上に維持するための部材である。電圧維持素子15の所定電位は、各一次転写部で所望の転写効率を得ることができる一次転写電位を維持できるように設定された電位である。本実施形態では電圧維持素子15として、定電圧素子であるツェナーダイオード15を使用している。ツェナーダイオード15に一定以上の電流が流れた際にカソード側が維持する電圧をツェナー電圧と定義する。
転写電源21が二次転写ローラ20に電圧を印加すると、二次転写ローラ20から中間転写ベルト10と二次転写対向ローラ13を介してツェナーダイオード15に電流が流れる。ツェナーダイオード15に一定以上の電流が流れツェナー電圧を維持すると、二次転写対向ローラ13と駆動ローラ20もツェナー電圧に維持される。その結果、一次転写面の上下流側で中間転写ベルト10の電位を等電位で維持することが可能になる。
また、中間転写ベルトの周方向に流れる電流は、二次転写ローラ20から離れるほど中間転写ベルト自身の抵抗と、各一次転写部で対応する各感光ドラム1に電流が流れることによって、徐々に減少し所望の一次転写電位を維持することが難しくなる。特に、中間転写ベルト10の抵抗が高いと一次転写電位が低下しやすい。そこで、一次転写面を形成する張架部材(ここでは二次転写対向ローラ13、駆動ローラ11)の間に配置され、中間転写ベルト10の一次転写面に対応する領域に接触する接触部材を設け、その接触部材にツェナーダイオード15を接続してもよい。ツェナーダイオード15に接続された接触部材が一次転写面に対応する領域で中間転写ベルト10に接触しているので一次転写面における電位勾配を減少し、一次転写電位を維持し易くすることが可能である。
また、図1に示すように、各感光ドラム1a、1b、1c、1dに対応して複数の接触部材(本実施形態では、金属ローラ14a、14b、14c、14d)を配置し、各金属ローラ14a、14b、14c、14dにツェナーダイオード15を接続してもよい。各感光ドラム1a、1b、1c、1dに対応して、ツェナーダイオード15が接続される各金属ローラ14a、14b、14c、14dを配置しているので、一次転写部近傍の中間転写ベルトの電位を所定電位以上に維持することが可能になり、各一次転写部で所望の一次転写電位をより維持し易くすることが可能である。
このように、電流供給部材である二次転写ローラ20から中間転写ベルト10の周方向に電流を流す構成では、表面が電位を有した状態で中間転写ベルト10は回転移動する。そのため、本実施形態は、一次転写部の上流側で帯電部材によって正極性に帯電された二次転写残トナーが異常放電により反転し易い構成である。
そこで、本実施形態は、帯電部材である導電性ブラシ部材16と中間転写ベルト10が形成する帯電部を通過した二次転写残トナーの量が、通過する前よりも少なくなるようにする。具体的には、導電性ブラシ部材16の抵抗値をRb[Ω]、中間転写ベルト10と導電性ブラシ部材が接触する面積における中間転写体の抵抗値をRi[Ω]としたとき、Rb≧Riという関係満たすようにする。
本実施形態の導電性ブラシ部材16について図4(a)、(b)を使用して説明をする。図4(a)は、導電性ブラシ部材16を中間転写ベルト10の回転方向から見た断面図であり、Lは中間転写ベルト10の回転方向と直交する方向である長手方向の長さである。Aは導電性ブラシの高さを示している。図4(b)は、図4(a)の断面図であり、Wは中間転写ベルト10の回転方向の長さを示す。
導電性ブラシ部材16を構成する導電性繊維16aはナイロンを主成分とし、導電剤としてカーボンを使用し単糸繊度300T/60F(5dtex)である。この場合の単糸繊度は、1本の糸が60フィラメントの繊維で構成され、その重さが300T(デシテックス:10000m分の長さの重さが300g)であることを示している。
上述したような導電性繊維16aの集合体として構成される導電性ブラシ部材16は、図4(a)、(b)に示すように絶縁性ナイロンで構成される基布16dに、導電性繊維16aを織り込むことでブラシを構成し、厚さ1mmのSUS板金16e上に基布16dを導電性接着剤で接着している。即ち、基布16は支持部であり、導電性繊維16aは支持部によって一端が支持されている。そして、導電性繊維の支持部によって支持されていない他端側が中間転写ベルト10と摺擦する。ブラシ帯電電源60は、SUS板金16eに電圧を印加することで、導電性接着剤で接着された基布16dを介して、導電性繊維16aに電圧が印加される。
導電性繊維16aの密度は、密度は100kF/inch2、導電性繊維16aの長さAは5mm、長手幅Lは225mm、搬送方向幅Wは4mmであり、中間転写ベルト10の回転方向に5列が植毛されている。
導電性繊維16aの1本の単位長さあたりの抵抗(Ω/cm)の測定方法は、図5(a)に示されるように、測定対象の導電性繊維16aを幅10mm(D)で配置された2本のφ5金属ローラ83で張架し、片側100gの錘84にて荷重をかける。この状態で、測定用電源81から200Vの電圧を、金属ローラ83を介して導電性繊維16aに印加し、その時の電流値を測定用電流計82で読み取り、10mm(1cm)あたりの導電性繊維16aの抵抗値(Ω/cm)を算出している。なお、導電性繊維の抵抗範囲としては、1×1010〜1013Ω/cmの範囲が好ましい。
上述のように、ブラシ部材である導電性ブラシ部材16は、複数の導電性繊維16aが中間転写ベルト10に接触する構成である。導電性繊維16a自体の抵抗のばらつきも考慮して、導電性ブラシ部材16全体の抵抗を測定によって求める。図5(b)を用いて、導電性ブラシの抵抗値Rbの測定方法について説明する。導電性ブラシ部材16の抵抗値Rb[Ω]の測定方法は、図5(b)に示されるように、測定対象の導電性ブラシ部材16をφ30の金属ローラ85に侵入量1.0mmで当接させ、電源81から200Vの電圧を、導電性ブラシ部材16に印加し、その時の電流値を電流計82で読み取り、導電性ブラシ部材16の抵抗値(Ω)を算出している。
中間転写ベルト10と導電性ブラシ部材16が接触する部分における中間転写ベルト10の抵抗値Ri[Ω]は、以下のように求めることができる。中間転写ベルト10と導電性ブラシ部材16とが接触する部分の面積は、図4の導電性ブラシ部材16から考えると、導電性ブラシ部材16の接触面積から求めることが可能である。本実施形態では、ベルト回転方向における幅W4mm、長手幅L225mmである。
よって、中間転写ベルトの体積抵抗率と、中間転写ベルト10の厚みと、接触面積から中間転写ベルト10の抵抗値Riを求めることが可能である。例えば、中間転写ベルト10の体積抵抗率を1×109Ω・cm、厚みを90μmとした場合、中間転写ベルト10の抵抗値Riは、1×109Ω・cm×90μm/(4mm×225mm)=1.0×106Ωとなる。以上より、本実施形態の構成において、導電性ブラシ部材16の抵抗値Rb[Ω]と、中間転写ベルト10と導電性ブラシ部材16が接触する面積における中間転写ベルト10の抵抗値Ri[Ω]が、Rb≧Riという関係となっている。
中間転写ベルト10よりも抵抗が高い導電性ブラシ部材16を用いることで、導電性ブラシ部材16部での二次転写残トナーの1次回収量を多くし、一次転写ニップ部近傍の異常放電で負極性に帯電される二次転写残トナー量を低減することが可能となった。これにより、クリーニングに起因する画像不良のない画像形成装置を提供できる。
図6から図8を使用して具体的に説明する。図6に示される模式図に示すように、導電性ブラシ部材16はブラシ帯電電源60から電圧が印加され、ブラシ帯電電源60を制御する制御部(図中では省略)によって、流れる電流が約10μAになるように定電流制御される。ブラシ帯電電源60から導電性ブラシ部材16から中間転写ベルト10を介して、二次転写対向ローラ13に向かって電流が流れるように電流経路は形成されている。
図7は、図6の構成を等価回路にして説明する図である。導電性ブラシ部材16を抵抗値Rb〔Ω〕の抵抗16b、中間転写ベルト10を抵抗値Ri〔Ω〕の抵抗10bとみなして、ブラシ帯電電源60からI〔A〕の定電流制御されている様子を示している。図7で説明するように、導電性ブラシ部材16と中間転写ベルト10は直列に接続していると考えられる。その為、この等価回路を流れる電流をIとすると、導電性ブラシ部材16を示す抵抗16bにかかる電位差Vb〔V〕はVb=Rb×I、中間転写ベルト10を示す抵抗10bにかかる電位差Viは、Vi=Ri×Iとなり、電位差は抵抗値に依存する。
その結果、本実施形態のように、中間転写ベルト10の抵抗値Riより導電性ブラシ部材16の抵抗値Rbが高い場合(Ri≦Rb)、導電性ブラシ部材16で発生する電位差Vbが中間転写ベルト10で発生する電位差Viより大きくなる。図7の等価回路では、主として導電性ブラシ部材16の部分で電圧降下が発生していることになる。
図8(a)、(b)は、導電性ブラシ部材16の二次転写残トナーを回収の様子を模式的に示した図である。図中の矢印の向きが中間転写ベルト10の回転方向である。図8(a)は、中間転写ベルト10の抵抗値Riより導電性ブラシ部材16の抵抗値Rbが高い場合(Ri≦Rb)を説明する図であり、図8(b)は、中間転写ベルト10の抵抗値Riが導電性ブラシ部材16の抵抗値Rbより高い場合(Ri>Rb)を説明する図である。
二次転写残トナーを正極性に帯電する際は、導電性ブラシ部材16には正極性の電圧がブラシ帯電電源60から印加されている。その為、正、負両方の極性が混在した二次転写残トナーが導電性ブラシ部材16へ突入する(接触する)際には、負極性のトナーが静電的に導電性ブラシ部材16に付着する。
図8(a)で示すように、Ri≦Rbの場合は、導電性ブラシ部材16部分の電位差Vbが中間転写ベルト10部分の電位差Viより大きくなり、即ち、導電ブラシ16で発生する電圧降下の方が、中間転写ベルト10で発生する電圧降下よりも回路全体として考えた時に支配的になる。その為、導電性繊維16aの根元にいくほど電圧値(正極性の電位)が大きくなり、トナーを静電的に引き付ける力が強くなる。即ち、導電性繊維16aの一端と他端の間に生じる電位差によって二次転写残留トナーを導電繊維16aの根元まで回収することが可能である。
これにより、中間転写ベルト10上の二次転写残トナーは、導電性ブラシ部材16に付着した際に、導電性繊維16aの毛先だけではなく根元にまで付着する(回収される)。即ち、中間転写ベルト10から回収する二次転写残トナーは、導電性繊維16aの根元まで回収できることになり、導電性ブラシ部材16として回収する二次転写残トナーは多くなる。また、多くの二次転写残トナーが導電性ブラシ部材16に回収される為、導電性ブラシ部材16による中間転写ベルト10上の二次転写残トナーに対する帯電効率も向上する。
しかしながら、図8(b)で示すように、Ri>Rbの場合は、導電性ブラシ部材16部分の電位差Vbが中間転写ベルト10部分の電位差Viより小さくなり、即ち、中間転写ベルト10で発生する電圧降下が導電ブラシ16部で発生する電圧降下よりも回路全体として考えた時に支配的になる。その為、導電性繊維16aの毛先と根元での電位差が、中間転写ベルト10部で発生する電位差に対して小さくなり、二次転写残トナーはより静電的に中間転写ベルト10側に引き付けられる。これにより、図8(b)の模式図に示されるように中間転写ベルト10から距離が近い導電性繊維16aの毛先にトナー付着が集中してしまうことになる。その結果、導電性ブラシ部材16は、毛先に一定以上の二次転写残トナーが付着すると、それ以上の二次転写残トナーが導電性ブラシ部材16に付着することができなくなる。さらに、導電性ブラシ部材16に付着しない二次転写残トナーに対する帯電効率も低下してしまう。
表1は、導電性ブラシ部材16に接触する中間転写ベルトの抵抗値Riを1×107Ωとした場合に、導電性ブラシ部材16の抵抗値Rbを変更させた場合の、導電性ブラシ部材16に発生する電位差Vbの大きさを説明する表である。尚、10μAの電流Iが流れるように定電流制御を行っている。電流I の大きさは、中間転写ベルト10上の二次転写残トナーを負極性から正極性に反転させることが可能な電流の大きさとして設定されており、本実施形態では、10〜20μAの大きさが望ましい。
No.1は、導電性ブラシ部材16の抵抗値Rbが1×105Ω、中間転写ベルト10の抵抗値Riが1×107Ωであり、図8(b)で示すRb<Riという関係になっている。10μAの定電流制御を行うと、導電性ブラシ部材16部での電位差Vbは(1×105Ω)×(10μA)=1Vとなり、ほとんど電圧降下しない。また中間転写ベルト10部での電位差Viは、(1×107Ω)×(10μA)=100Vとなる。
即ち、10μAの定電流制御をする為に、ブラシ高圧電源60は101Vを導電性ブラシ部材16に出力し、その内1V分だけ導電性ブラシ部材16部で電圧降下している。よって、図8(b)で説明したように、二次転写残トナーは導電性ブラシ部材16の先端に集中して付着するようになる。
なお、No.1の構成で、例えば1000μAの定電流制御を行えば、導電性ブラシ部材16部で発生する電位差は100Vとなる。しかしながら、導電性ブラシ部材16に対して1000μAの定電流制御を行うと、導電性ブラシ部材16と中間転写ベルト10の間で過剰な放電が発生し、二次転写残トナーを装置内に飛散させてしまう恐れがある。
さらに、過剰な放電により、中間転写ベルト10を過剰に帯電してしまい下流側の一次転写ニップを通過する際の一次転写性に影響を与える場合もある。また、二次転写残トナーを過剰帯電すると、導電性ブラシ部材16によって正極性に帯電した二次転写残トナーを次の記録材に対する感光体ドラム1からの一次転写と同時に中間転写ベルト10から感光体ドラム1へ移動させる場合に、不良画像の要因となる。これは、導電性ブラシ部材16による二次転写残トナーに対する帯電量が大きくなりすぎるので、本来一次転写されるべきトナーを巻き込んで感光体ドラム1aに二次転写残トナーが回収されるため、本来画像があるべきところのトナーが存在しなくなってしまうのが理由と考えられる。よって、Rb<Riの関係では、二次転写残トナーを帯電して中間転写ベルト10から回収するという機能と、導電性ブラシ部材16の根元まで二次転写残トナーを回収するという機能を両立することが難しい。
No.2は、導電性ブラシ部材16の抵抗値Rbが1×107Ω、中間転写ベルト10の抵抗値Riが1×107Ωであり、本実施形態の構成であるRi≦Rbという関係になっている。その結果、10μAの定電流制御を行うと、導電性ブラシ部材16の電位差Vbは100Vとなり、導電性ブラシ部材16部で電圧降下する。これにより、トナーを静電的に引き付ける力が強くなるため、導電性繊維16aの根元にまで二次転写残トナーを付着させることが可能である。
No.3は、導電性ブラシ部材16の抵抗値Rbが1×109Ω、中間転写ベルト10の抵抗値Riが1×107Ωであり、No.2と同様に本実施形態の構成であるRi≦Rbという関係になっている。そのため、10μAの定電流制御を行うと、導電性ブラシ部材16の電位差Vbは10000Vとなり、導電性ブラシ部材16部で発生する電圧降下が、中間転写ベルト10で発生する電圧降下(100V)の100倍になる。これにより、No.2同様にトナーを静電的に引き付ける力が強くなるため、導電性繊維16aの根元にまで二次転写残トナーを付着させることが可能である。
以上説明した通り、中間転写ベルト10よりも抵抗が高い導電性ブラシ部材16を用いることで、導電性ブラシ部材16部で大きな電圧降下させ、導電性繊維16aの根元にまで二次転写残トナーが付着するため、導電性ブラシ部材16部での二次転写残トナーの1次回収量は多くなる。
導電性ブラシ部材16部での二次転写残トナーの1次回収量が多いと、感光ドラム1aと中間転写ベルト10の電位差によって一次転写ニップ部近傍で生じる異常放電によって負極性に帯電される二次転写残トナー量は減少する。その結果、感光ドラム1aに逆転写されず中間転写ベルト10上に残留する二次転写残トナーを低減することが可能となる。
尚、導電性ブラシ部材16に付着した二次転写残トナーは吐き出しモードを実行して、導電性ブラシ部材16から中間転写ベルト10に移動させる。吐き出しモードは、記録材Pに対する印刷動作が終了した後のタイミングや、連続する記録材に対する印刷動作の間に実施することが可能である。吐き出しモードを実行する際は、導電性ブラシ部材16に帯電時と逆極性(本実施形態では負極性)の電圧を印加する。これによって、導電性ブラシ部材16に付着した負極性の二次転写残トナーは中間転写ベルト10へ移動する。中間転写ベルト10上の二次転写残トナーは、感光ドラム1を負極性に帯電させることで、中間転写ベルト10から感光体ドラム1へ移動する。これによって、導電性ブラシ部材16から二次転写残トナーを除去することが可能になり、次の画像形成に備えることが可能になる。
このように本実施形態の形態によれば、導電性ブラシ部材16によって二次転写残トナーの一次回収量が多くなるため、帯電後に一次転写部に到達する中間転写体上に残留する二次転写残トナー量を少なくすることが可能である。それによって、一次転写ニップ部近傍で生じる異常放電によって負極性に帯電される二次転写残トナー量を少なくし、クリーニングに起因する画像不良の発生を抑制することが可能である。
また、本実施の形態では、導電性ブラシ部材16の制御として定電流制御を用いて説明を行ったものの、本実施形態はこれに限るものではなく、例えば、定電圧制御であっても同様の効果を得ることが出来る。
(実施形態2)
本実施形態で適用する画像形成装置の構成において、実施形態1と同様のものには、同一部材には同一符号を付し、説明を省略する。二次転写残トナーの帯電部材である導電性ブラシ部材16についても、寸法、配置および抵抗等の特性は実施形態1と同様である。図9は、本実施形態の画像形成装置を説明する概略図である。図1と図10の相違点は、中間転写ベルト40のみであり、その他の説明は省略する。
本実施形態は、中間転写ベルト40に接触した電流供給部材から中間転写ベルト40の周方向を通して電流を流し各一次転写部に一次転写電位を形成する構成において、中間転写ベルト40は、像担持体と接する面がコート層で構成され、コート層の表面抵抗が1×1013Ω/□以下であることを特徴とする。
本実施形態の特徴である中間転写ベルト40について図10を使用して説明する。本実施形態で使用した中間転写ベルト40は、周長700mm、コート層41、基層42からなる2層構成からなる無端状のベルトである。基層42は、厚さ90μmで、導電剤としてカーボンを混合した無端状のポリイミド樹脂を用いている。電気的特性としては、電子導電性の特性を示し、雰囲気中の温湿度に対する抵抗値変動が小さいのが特徴である。コート層41は、厚さ2μmのアクリル樹脂であり、平滑度は高く、カーボンブラック等の導電剤を添加している。基層42の体積抵抗率は1×108〜1010Ω・cmの範囲内にあり、コート層41の表面抵抗は1×1013Ω/□以下である。
本実施形態では、基層42の材料としてポリイミド樹脂を使用したものの、熱可塑性樹脂であれば、他の材料でもよく、例えば、ポリエステル、ポリカーボネート、ポリアリレート、アクリロニトリル−ブタジエン−スチレン共重合体(ABS)、ポリフェニレンサルファイド(PPS)、ポリフッ化ビニリデン(PVdF)等の材料及びこれらの混合樹脂を使用しても良い。また、コート層41の材料としては、特に限定されるものではなく、例えば、ポリエステル、ポリエーテル、ポリカーボネート、ポリアリレート、ウレタン、シリコーン、フッ素樹脂等の材料を使用しても良い。
基層42の体積抵抗率は、コート層41が塗布されていない基層42のみで構成された中間転写ベルト40を用意し、実施形態1で示した方法および条件で測定した。コート層の表面抵抗は三菱化学株式会社のHiresta−UP(MCP−HT450)にリングプローブのタイプUR−100(型式MCP−HTP16)を使用して測定する。測定時の室内温度は23℃、室内湿度は50%に設定し、印加電圧500V、測定時間10secの条件で行う。コート層41のみの表面抵抗を測定するため、市販の絶縁PETフィルム上にコート層41を厚さ2μmとなるように均一に塗布した試料を上記の方法および条件で測定した。
中間転写ベルトにコート層41を設けることで転写性を向上し、二次転写残トナー量を削減することが可能となった。さらにコート層41が低抵抗の中間転写ベルト40を使用することで、中間転写ベルト40のチャージアップによる表面電位の上昇を防ぎ、一次転写ニップ部近傍の異常放電の発生を抑えることで、二次転写残トナーが負極性に帯電される現象を抑制することが可能となった。以上の効果によって、クリーニングに起因する画像不良のない画像形成装置を提供できる。
基層42上にコート層41を設けることで、製造時に生じる基層42の凹凸を軽減することができるため、中間転写ベルト40の表層を平滑度の高い層とすることができる。中間転写ベルト40のコート層41の平滑度が向上すると、記録材表面との間に発生する微小空間を小さくすることができるため、二次転写部での電界の乱れを抑制することができ、二次転写効率が向上する。その結果、二次転写残トナー量を減らすことが出来る。
また、例えばコート層41の抵抗が高く、二次転写ローラ20や導電性ブラシ部材16などのから印加される電圧によって、一次転写ニップ部近傍においてコート層41がチャージアップしている場合、一次転写ニップ部近傍では感光ドラム1と中間転写ベルト40との電位差が大きくなり、異常放電が発生しやすくなる。特にコート層41の表面抵抗が1×1013Ω/□を超えると、上記の現象がより顕著になる。そこで、本実施形態では、表面抵抗が1×1013Ω/□以下であるコート層41を基層42上に設けることで、コート層41のチャージアップを防ぎ、一次転写ニップ部近傍の異常放電の発生を抑制することが出来る。
このように本実施形態の形態によれば、コート層41によって二次転写残トナーの発生量が少なくなるため、帯電後に一次転写部に到達する中間転写体上に残留する二次転写残トナー量を少なくすることが可能である。それによって、一次転写ニップ部近傍で生じる異常放電によって負極性に帯電される二次転写残トナー量を少なくし、クリーニングに起因する画像不良の発生を抑制することが可能である。
本実施形態も、実施形態1と同様、二次転写対向ローラ13、駆動ローラ11、テンションローラ12に電圧維持素子であるツェナーダイオード15を接続することで、各一次転写部の電位変動を抑制できる。また、図9に示すように、各感光ドラムに対応して複数の接触部材を電圧維持素子であるツェナーダイオード15で接続することによって、各一次転写部の電位変動をより抑制することが可能である。
実施形態1、実施形態2では、中間転写ベルト電位を安定化させるため、電圧維持素子として定電圧素子であるツェナーダイオード15を使用した。しかしながら、同様の効果を得られる素子であれば、別の定電圧素子(例えば、バリスタなどの素子)を用いてもよい。また、被接続部材の電位を所定以上に維持できれば抵抗素子でも良く、例えば、100MΩの抵抗素子を使っても良い。その場合、定電圧素子と違い抵抗素子に流れる電流量に応じて電位が変動するため、定電圧素子より電位の管理が難しくなる。
また実施形態1、実施形態2では、電流供給部材として二次転写ローラを使用したが、二次転写ローラ以外の導電性ローラを中間転写ベルトに接触し電流を供給する電流供給部材として用いてもよい。この場合、二次転写ローラ20に電圧を印加する転写電源以外の電源を用いてもよく、また、二次転写ローラ20と上記電流供給部材に共通の電源から電圧を印加する構成であってもよい。