JP2015200711A - 画像形成装置 - Google Patents

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Masashi Katagiri
真史 片桐
修一 鉄野
Shuichi Tetsuno
修一 鉄野
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Takeshi Ono
健 大野
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Abstract

【課題】中間転写ベルトに対してベルト周方向に電流を流して一次転写を行う画像形成装置において、良好な一次転写性を確保することができる画像形成装置を提供する。
【解決手段】トナー像を担持する像担持体1と接触しつつ回転する無端状のベルト10に、ベルト10の回転方向において像担持体1とは異なる位置で接触し、ベルト10に電流を供給する電流供給部材20と、ベルト10を支持する支持部材13に接続される電圧安定素子15と、を有する画像形成装置において、像担持体1とベルト10が形成する転写部に流れる転写電流値の変動の範囲であって、転写部に形成される転写電位が常に所定の電位で維持される大きさの電流を電流供給部材20がベルト10との接触部に流した場合における変動の範囲よりも、最大値が小さい所定の変動の範囲に転写電流値の変動が収まるように設定された所定の値の電流を、電流供給部材20が接触部に流す。
【選択図】図1

Description

本発明は、電子写真プロセス等を利用したカラー画像形成装置に関する。
従来から、複写機やレーザビームプリンタなどの画像形成装置として、中間転写体を使用する構成を有する画像形成装置が知られている。この画像形成装置では、一次転写工程として、像担持体としての感光ドラムの表面に形成されたトナー像を、感光ドラムに対向して配置された一次転写部材に電圧電源より電圧を印加することで、中間転写体上に転写する。複数色からなるカラー画像を形成するフルカラープリンタなどでは、この一次転写工程を各色ごとに実行して各色のトナー像を互いに重ね合せることにより、中間転写体表面に複数色からなるトナー像を形成する。そして、二次転写工程として、中間転写体表面に形成された複数色のトナー像を、二次転写部材へ電圧を印加することで、紙などの記録材表面に転写する。転写されたトナー像は、その後、定着手段により、記録材に永久定着されることにより、カラー画像が形成される。
特許文献1には、中間転写体としてベルト状の部材(以下、中間転写ベルト)を使用し、一次転写部から離れた位置で中間転写ベルトの外周面に接触する電流供給部材に電圧を印加することにより、一次転写する構成が開示されている。具体的には、電流供給部材から対向ローラに接続されたツェナーダイオードに電流を流すことで固定電圧を発生させることにより、中間転写ベルトに対してベルト周方向に電流を流す。これにより、中間転写ベルトの電位をツェナーダイオードで管理し、ベルト周方向に並んで配置されている複数の感光ドラムのそれぞれに電流を供給し、各画像形成ステーションにおいて中間転写ベルトにトナー像を一次転写させている。本構成によれば、装置構成から一次転写専用の高圧電源を減らすことができ、画像形成装置の低コスト化、小型化を図ることができる。
特開2012−98709号公報
しかしながら、中間転写ベルトに対してベルト周方向に電流を流して一次転写を行う構成では、各画像形成ステーションにおける一次転写電圧は、電流供給部材からツェナーダイオードに電流を流すことで発生させているため、固定値となってしまっていた。そのため、一次転写部のインピーダンスが変動してしまうと、一次転写電流も変動してしまい、転写電流を制御するのが困難であった。その結果、適正な転写電流で転写することができなくなってしまい、転写不良を招いてしまうことが懸念される。本現象は特に中間転写ベルトの抵抗が製造公差や環境変動によって低くなってしまった場合に、過剰に転写電流が流れてしまうことで顕著に発生する。
本発明の目的は、中間転写ベルトに対してベルト周方向に電流を流して一次転写を行う画像形成装置において、良好な一次転写性を確保することができる画像形成装置を提供することである。
上記目的を達成するため、本発明の画像形成装置は、
トナー像を担持する像担持体と、
前記像担持体と接触しつつ回転する無端状のベルトと、
前記ベルトの回転方向において前記像担持体とは異なる位置で前記ベルトに接触し、前記ベルトに電流を供給する電流供給部材と、
前記ベルトを支持する支持部材と、
前記支持部材に接続される電圧安定素子と、
を有する画像形成装置において、
前記像担持体と前記ベルトが形成する転写部に流れる転写電流値の変動の範囲であって、前記転写部に形成される転写電位が常に所定の電位で維持される大きさの電流を前記電流供給部材が前記ベルトとの接触部に流した場合における前記変動の範囲よりも、最大値が小さい所定の前記変動の範囲に前記転写電流値の変動が収まるように設定された所定の値の電流を、前記電流供給部材が前記接触部に流すことを特徴とする。
上記目的を達成するため、本発明の画像形成装置は、
トナー像を担持する像担持体と、
前記像担持体と接触しつつ回転する無端状のベルトと、
前記ベルトの回転方向において前記像担持体とは異なる位置である接触部で前記ベルトに接触し、前記ベルトに電流を供給する電流供給部材と、
前記ベルトを支持する支持部材と、
前記支持部材に接続される電圧安定素子と、
を有する画像形成装置において、
前記像担持体と前記ベルトが形成する転写部に流れる転写電流値と、前記転写部に形成される転写電位と、の変動状態が、
前記接触部に流した電流の一部が前記電圧安定素子によって接地側に流れることにより、前記転写電位が所定の電位で維持されながら、前記転写電流値が所定の変動の範囲で変動する第1の変動状態と、
前記接触部に流した電流が前記電圧安定素子により接地側に流れることなく前記転写部に流れることにより、前記転写電流値が所定の前記変動の範囲の最大値で維持されながら、前記転写電位が変動する第2の変動状態と、
を含むように設定された所定の値の電流を、
前記電流供給部材が前記接触部に流すことを特徴とする。
本発明によれば、中間転写ベルトに対してベルト周方向に電流を流して一次転写を行う画像形成装置において、良好な一次転写性を確保することができる。
本発明の実施例1に係る画像形成装置の概略構成を説明する模式図 本発明の実施例1における一次転写部の構成を説明する模式図 本発明の実施例1における中間転写ベルトの周方向の抵抗の測定系の模式図 本発明の実施例1における一次転写電流と一次転写電位の関係を表す図 本発明の実施例1における一次転写電流と一次転写効率の関係を表す図 本発明の実施例1における他の構成例を説明する模式図 本発明の実施例1における他の構成例を説明する模式図 本発明の実施例2に係る画像形成装置の概略構成を説明する模式図 本発明の実施例2における他の構成例を説明する模式図 本発明の実施例2における他の構成例を説明する模式図
以下に図面を参照して、この発明を実施するための形態を、実施例に基づいて例示的に詳しく説明する。ただし、この実施の形態に記載されている構成部品の寸法、材質、形状それらの相対配置などは、発明が適用される装置の構成や各種条件により適宜変更されるべきものである。すなわち、この発明の範囲を以下の実施の形態に限定する趣旨のもので
はない。
(実施例1)
[画像形成装置の概略構成]
図1を参照して、本実施例の画像形成装置の構成及び動作を説明する。図1は、本実施例に係る画像形成装置の一例(レーザカラープリンタ)を示す概略図である。尚、本実施例の画像形成装置は、4つの画像形成ステーションa〜dを設けているいわゆるタンデムタイプのプリンタである。第1の画像形成ステーションaはイエロー(Y)、第2の画像形成ステーションbはマゼンタ(M)、第3の画像形成ステーションcはシアン(C)、第4の画像形成ステーションdはブラック(Bk)の各色の画像を形成する。各画像形成ステーションの構成は、収容するトナーの色以外では同じであり、以下、第1の画像形成ステーションaを用いて説明する。
第1の画像形成ステーションaは、ドラム状の電子写真感光体(以下、感光ドラムという)1aと、帯電部材である帯電ローラ2aと、現像器4aと、クリーニング装置5aと、を備える。感光ドラム1aは、矢印の方向に所定の周速度(プロセススピード)で回転駆動しトナー像を担持する像担持体である。現像器4aは、イエローのトナーを収容し感光ドラム1aにイエロートナーを現像するための装置である。クリーニング装置5aは、感光ドラム1aに付着したトナーを回収するための装置である。本実施例では、クリーニング装置5aは、感光ドラム1aに当接するクリーニング部材であるクリーニングブレードと、クリーニングブレードが回収したトナーを収容する廃トナーボックスを備える。
コントローラ等を含む画像形成装置の制御ICであるCPU(制御部)9は、画像信号を受信することによって画像形成動作を開始し、感光ドラム1aを回転駆動させる。感光ドラム1aは回転過程で、帯電ローラ2aにより所定の極性(本実施例では負極性)で所定の電位に一様に帯電処理され、露光手段3aにより画像信号に応じた露光を受ける。これにより、目的のカラー画像のイエロー色成分像に対応した静電潜像が形成される。次いで、その静電潜像は現像位置において現像器(イエロー現像器)4aにより現像され、イエロートナー像として可視化される。ここで、現像器に収容されたトナーの正規の帯電極性は、負極性である。この実施例では帯電部材による感光ドラムの帯電極性と同極性に帯電したトナーにより静電潜像を反転現像しているが、本発明は、感光ドラムの帯電極性とは逆極性に帯電したトナーにより静電潜像を正現像するようにした電子写真装置にも適用できる。
中間転写ベルト10は、張架部材(支持部材)としての複数のローラ11、12、13とで張架(支持)され、感光ドラム1aと当接した当接部で感光ドラム1aと同方向に移動する向きに、感光ドラム1aと略同一の周速度で回転駆動される。感光ドラム1a上に形成されたイエロートナー像は、感光ドラム1aと中間転写ベルト10との当接部(以下、一次転写部と称す)を通過する過程で、中間転写ベルト10の上に転写される(一次転写)。本実施例では、一次転写時には中間転写ベルト10に接触する電流供給部材としての二次転写ローラ20から中間転写ベルト10の周方向に電流を流し、中間転写ベルト10の各一次転写部で一次転写電位が形成される。本実施例の一次転写電位の形成方法については後述する。感光ドラム1a表面に残留した一次転写残トナーは、クリーニング装置5aにより清掃、除去された後、帯電以下の画像形成プロセスに供せられる。
同様にして、第2,3,4の画像形成ステーションb、c、dによって第2色のマゼンタトナー像、第3色のシアントナー像、第4色のブラックトナー像が形成され、中間転写ベルト10上に順次重ねて転写される。これにより、目的のカラー画像に対応した合成カラー画像が中間転写ベルト10上に得られる。中間転写ベルト10上の4色のトナー像は、中間転写ベルト10と二次転写部材としての二次転写ローラ20が形成する二次転写部
を通過する過程で、給紙手段50により給紙された紙等の記録材Pの表面に一括転写される(二次転写)。
ここで、二次転写ローラ20は、外径8mmのニッケルメッキ鋼棒に、体積抵抗10Ω・cm、厚み5mmに調整したNBRとエピクロルヒドリンゴムを主成分とする発泡スポンジ体で覆った外径18mmのものを用いている。また、二次転写ローラ20は、中間転写ベルト10の外周面に対して、50Nの加圧力で接触し、二次転写部を形成している。二次転写ローラ20は、中間転写ベルト10に対して従動回転し、また、中間転写ベルト10上のトナーを記録材Pに二次転写している時には、転写電源21から定電流が供給されるように構成されている。
また、転写電源21は、二次転写ローラ20に接続され、不図示のトランスから出力された二次転写電圧を二次転写ローラ20に供給する構成となっている。CPU9は、二次転写電流が略一定となるように、予め設定されたコントロール電流と実際の出力値であるモニター電流との差分をトランスにフィードバックすることで、転写電源21が供給する二次転写電流を制御している。転写電源21は、100V〜4000Vの範囲の出力が可能である。
4色のトナー像を担持した記録材Pは、定着器30に導入され、そこで加熱および加圧されることにより4色のトナーが溶融混色して記録材Pに固定される。二次転写後に中間転写ベルト10上に残ったトナーは、クリーニング装置16により清掃、除去される。以上の動作により、フルカラーのプリント画像が形成される。
[一次転写部の構成]
図2を参照して、各一次転写部で一次転写電位を形成する為に必要な中間転写ベルト10と、張架部材としての各ローラ11、12、13、金属ローラ14、電圧維持素子(電圧安定素子)15について説明する。図2は、本発明の実施例1における一次転写部の構成を説明する模式図であり、(a)は金属ローラ14の配置について説明する図、(b)は一次転写部の構成の全体を示す図である。
図2(b)に示すように、各画像形成ステーションa、b、c、dと対向する位置には、中間転写体として中間転写ベルト10が配置されている。中間転写ベルト10は、樹脂材料に導電剤を添加して導電性を付与した無端状ベルトであり、張架部材である駆動ローラ11、テンションローラ12、二次転写対向ローラ13の3軸で張架され、テンションローラ12により総圧60Nの張力で張架されている。中間転写ベルト10は、感光ドラム1a、1b、1c、1dと当接した当接部で同方向に移動する向き(順方向)に、駆動源(不図示)によって回転する駆動ローラ11によって感光ドラム1a、1b、1c、1dと略同一の周速度で回転駆動される。本実施例では、中間転写ベルト10の外周面であって、感光ドラム1a、1b、1c、1dからトナー像が一次転写される一次転写面(図中で、Mで示す面)を、二次転写対向ローラ13と駆動ローラ11の二つの張架部材によって形成している。
図2(a)に示すように、中間転写ベルト10の移動方向(回転方向)において、感光ドラム1bと感光ドラム1cの間の位置には、中間転写ベルト10の内周面に接触する接触部材である金属ローラ14が配置されている。この金属ローラ14は、第2画像形成ステーションbと第3画像形成ステーションcとの中間位置で、感光ドラム1b、1cと中間転写ベルト10で形成される水平面に対して、持ち上げた位置で両端部を装置本体の不図示のフレームに保持されている。すなわち、水平に延びる中間転写ベルト10に対し、金属ローラ14は、中間転写ベルト10との接触部の位置が、感光ドラム1b、1cの中間転写ベルト10との接触部よりも上方となるように配置される。これにより、中間転写
ベルト10における感光ドラム1b、1cとの接触部の間に張力が発生し、感光ドラム1b、1cへの中間転写ベルト10の巻きつき量を確保できる。
金属ローラ14は、外径6mmのストレート形状のニッケルメッキされたSUS丸棒で構成され、中間転写ベルト10の回転に伴い、従動して回転する。金属ローラ14は、中間転写ベルト10の移動方向と直交する長手方向の所定領域に亘って接触している。第2画像形成ステーションbの感光ドラム1bと第3画像形成ステーションcの感光ドラム1cとの間の距離をW、感光ドラム1bと金属ローラ14の距離をT、中間転写ベルト10に対する金属ローラ14の持ち上げ高さをH1と定義する。距離は、中間転写ベルト10の移動方向における、隣接する軸中心と軸中心の間の距離である。本実施例では、W=50mm、T=25mm、H1=2mmとする。
また、図2(b)に示すように、本実施例では感光ドラム1a、1dに対する中間転写ベルト10の巻きつき量を確保するため、駆動ローラ11、二次転写対向ローラ13を感光ドラム1a〜1dと中間転写ベルト10で形成される水平面よりも持ち上げている。感光ドラム1a、1dに対する中間転写ベルト10の巻きつき量を確保することによって、感光ドラム1a、1dと中間転写ベルト10との接触が不安定になることで発生する転写不良を抑制する効果がある。二次転写対向ローラ13と感光ドラム1a間の距離をD1、駆動ローラ11と感光ドラム1d間の距離をD2、中間転写ベルト10に対する二次転写対向ローラ13の持ち上げ高さをH2、駆動ローラ11の持ち上げ高さをH3と定義する。本実施例では、D1=D2=50mm、H2=H3=2mmとした。
本実施例で使用した中間転写ベルト10は、周長700mm、厚さ90μmで、導電剤としてカーボンを混合した無端状のポリイミド樹脂を用いている。本実施例では、中間転写ベルト10の材料としてポリイミド樹脂を使用したものの、熱可塑性樹脂であれば、他の材料でもよい。例えば、ポリエステル、ポリカーボネート、ポリアリレート、アクリロ二トリル−ブタジエン−スチレン共重合体(ABS)、ポリフェニレンサルファイド(PPS)、ポリフッ化ビニリデン(PVdF)等の材料及びこれらの混合樹脂を使用しても良い。また、導電剤としてはカーボン以外に、導電性の金属酸化物微粒子及びイオン導電剤を使用することが可能である。
本実施例の中間転写ベルト10は、体積抵抗率で1×10Ω・cmである。体積抵抗率の測定は、三菱化学株式会社のHiresta−UP(MCP−HT450)にリングプローブのタイプUR(型式MCP−HTP12)を使用して測定する。測定条件は、室内温度は23℃、室内湿度は50%に設定し、印加電圧100V、測定時間10secの条件である。本実施例では、中間転写ベルト10の体積抵抗率は、1×10〜1010Ω・cmの範囲のものが使用可能である。ここで体積抵抗率は、中間転写ベルト10の材料としての導電性の尺度であり、実際に周方向に電流を流して所望な一次転写電位を形成することが可能なベルトであるか否かは、周方向の抵抗の大きさが重要である。
図3は、本発明の実施例1における中間転写ベルト10の周方向の抵抗の測定系を示す模式図である。中間転写ベルト10の周方向の抵抗については、図3(a)に示す周方向抵抗測定治具を使用して測定した。まず、装置の構成を説明する。測定する中間転写ベルト10は内面ローラ101と駆動ローラ102でたるみが無いように張架される。金属でできた内面ローラ101は高圧電源(TREK社製高圧電源:Model_610E)103に接続され、駆動ローラ102は接地されている。駆動ローラ102の表面は、中間転写ベルト10に対して十分に抵抗の低い導電ゴムで被覆されており、中間転写ベルト10が100mm/secとなるように回転する。
次に、測定方法について説明する。駆動ローラ102によって中間転写ベルト10を1
00mm/secで回転させた状態で内面ローラ101に一定電流Iを印加し、内面ローラ101に繋いだ高圧電源103で電圧Vをモニターする。図3(a)に示す測定系は、図3(b)に示す等価回路であるとみなすことができる。そうすると、内面ローラ101と駆動ローラ102までの距離L(本実施例では300mm)の長さにおける中間転写ベルト10の周方向の抵抗Rは、R=2V/Iによって算出することが出来る。このRを中間転写ベルト10の100mm相当の中間転写ベルト周長に換算することで周方向の抵抗を求める。電流供給部材から中間転写ベルト10を通して感光体ドラム1に電流を流すため、周方向の抵抗は1×10Ω以下が好ましい。
本実施例の構成では、前述した測定方法によって求められた、周方向の抵抗値で1×10Ωの中間転写ベルト10を用いている。本実施例の中間転写ベルト10は、I=5μAの定電流で測定を行い、その時のモニター電圧Vは7.5Vであった。モニター電圧Vは、中間転写ベルト10の1周分の区間で行い、その区間測定値の平均値から求めている。また、Rに関しては、R=2V/Iであるため、R=2×7.5/(5×10−6)=3.0×10Ωとなり、これを100mm相当に換算すると、周方向の抵抗値は、1×10Ωとなる。本実施例では、このように周方向に電流が流すことが可能な導電性ベルトを中間転写ベルト10として用いている。
図1に示すように、本実施例では、駆動ローラ11との間で中間転写ベルト10の一次転写面を形成する二次転写対向ローラ13は、電圧維持素子15を介して接地されている。電圧維持素子15は、電流供給部材としての二次転写ローラ20から中間転写ベルト10を介して電圧維持素子15に電流が流れることで被接続部材(二次転写対向ローラ13)を所定電位に維持する素子である。電圧維持素子15により維持される所定電位は、各一次転写部で所望の転写効率を得ることができる一次転写電位を維持できるように設定された電位である。本実施例では電圧維持素子15として、定電圧素子であるツェナーダイオードを使用している。なお、ツェナーダイオードは、一定以上の電流が流れた際にカソード側には所定の電圧が発生する(以下、ツェナー電圧とする)。本実施例では、所望の一次転写効率を得るためにツェナー電圧を300Vとしている。
[一次転写電位の形成方法]
本実施例の構成では、転写電源として二次転写部材に電圧を印加する二次転写電源21が、一次転写を行うための電源としても使用される。すなわち、二次転写電源21は、一次転写と二次転写の共通の転写電源であり、二次転写ローラ20と中間転写ベルト10の一次転写部に電流を流す電源であり、二次転写ローラ20が本実施例における電流供給部材となる。
上述したように、中間転写ベルト10を張架している二次転写対向ローラ13に電圧維持素子15を接続し、二次転写電源21から中間転写ベルト10を介して二次転写対向ローラ13に向かって電流を流すことで、一次転写を行う構成となっている。この時、二次転写対向ローラ13は、電圧維持素子15に応じた電位となり、この電位が起点となって、中間転写ベルト10の周方向に電流を流れ、各画像形成ステーションa、b、c、dにおいて一次転写電位が形成される。この一次転写電位と感光ドラム電位との電位差によって、感光ドラム1a、1b、1c、1d上のトナーが中間転写ベルト10上に移動することで、一次転写が行われる。
[本実施例における一次転写工程の定電流制御]
図4を参照して、本発明の実施例1における一次転写工程における定電流制御について説明する。図4は、一次転写電流と一次転写電位の関係を表す図である。本実施例は、流供給部材である二次転写ローラ20から中間転写ベルト10に供給する電流の値を、インピーダンスの変化によって一次転写電流に変動が生じても所定の範囲に収まるように、所
定の値に設定することを特徴としている。ここで、一次転写部のインピーダンスは、中間転写ベルト10の抵抗、感光ドラム1a、1b、1c、1dの膜厚、これらの製造交差、消耗による継時的な変化、環境変動、部品やカートリッジ交換などのメンテナンスなどが要因となって変化することがある。
図4(a)は、一次転写電位を変えた場合の、一次転写部の電流との関係を示したグラフである。グラフ中、横軸は一次転写部の電位を示し、縦軸は一次転写電流を示している。なお、グラフ中の一次転写電流値は、各感光ドラム1a、1b、1c、1dに流れる一次転写電流値の合計の値を示している。また、グラフ中のTa、Tb、Tcのそれぞれの直線は一次転写部のインピーダンスが異なっており、Taが最もインピーダンスが高く、Tcが最もインピーダンスが低い状態を表している。グラフの各直線のインピーダンスの違いは、中間転写ベルト10の抵抗、感光ドラム1a、1b、1c、1dの膜厚、環境等を考慮して、最もインピーダンスが高くなる状態をTa、最もインピーダンスが低くなる状態をTcとしている。一次転写部の電位が300vの場合、インピーダンスが高い直線Taでは20μAの一次転写電流が流れ、インピーダンスの低い直線Tcでは50μAの電流が流れることになる。
本実施例の構成では、所望の転写効率を満たすため、ツェナー電圧を300Vに設定した。ここで、ツェナー電圧が300Vの場合で、常にツェナー電圧が維持される大きさの電流が中間転写ベルト10に供給された場合の一次転写電流をIzとすると、一次転写部のインピーダンスの変動による一次転写電流Izの変動範囲は20〜50μAである。本実施例の一次転写構成では、一次転写電流は電流供給部材である二次転ローラ20から中間転写ベルト10へ供給されるため、電流供給部材から供給される以上の電流が一次転写部に流れることはない。そこで、本実施例では、一次転写及び二次転写において、電流供給部材である二次転写ローラ20から中間転写ベルト10に供給する電流値を、二次転写電源21を定電流制御することにより一定に制御し、その設定値IをIzの変動範囲内である30μAとした。
図4(b)を参照して、本実施例の動作を説明をする。図4(b)は、本実施例の定電流制御を示す図であり、電流供給部材の電流値を30μAとした時の、一次転写電位と一次転写電流の関係を実線で表している。一次転写部のインピーダンスが最も高いTaの場合には、30μA中10μAが電圧維持素子15に流れるため、ツェナー電圧が300vに維持される。その結果、一次転写電位は300vとなり、一次転写電流として20μAが流れる。そこから、一次転写部のインピーダンスが低くになるにつれて、一次転写電位が300vの状態で流せる一次転写電流が高くなっていき、反対に電圧維持素子15に流れる電流が減っていく。そして、一次転写電流が30μA相当の一次転写部のインピーダンスになった場合(Iz=I)、電流供給部材からの電流が全て一次転写電流となり、電圧維持素子15を使用しない制御となる。その後、更に一次転写部のインピーダンスが低くなると(Iz>I)、電流供給部材の定電流値I(30μA)相当の一次転写電位となるため、グラフの実線で表されるように、一次転写部の電位が低下していく。最も一次転写部のインピーダンスが低いTc状態になると、一次転写部の電位は180vとなる。
例えば、50μAの定電流値Iを一次転写部に流した場合、インピーダンスが変化しても一次転写電位は電圧維持素子15によりツェナー電位(300V)に維持され、一次転写電流値の変動の範囲は、図4(a)に示すように、20〜50μAとなる。これに対し、30μAの定電流値Iを二次転写ローラ20から中間転写ベルト10へ供給する本実施例において、インピーダンスの変化による一次転写電流値の変動の範囲は、図4(b)に示すように、20〜30μAである。本実施例における一次転写電流値の変動の範囲の最大値(30μA)は、ツェナー電圧が維持されるような定電流値(例えば50μA)を流した場合の一次転写電流値Izの変動の範囲における最大値(50μA)よりも小さい値
となる。すなわち、本実施例では、二次転写ローラ20が中間転写ベルト10との接触部に流す定電流値Iの大きさを、一次転写電流値の変動が常にツェナー電位が維持される定電流値を流した場合の変動範囲よりも最大値の小さい変動範囲に収まるように設定する。
また、本実施例の30μAの定電流制御では、インピーダンスの変化による一次転写電流値と一次転写電位の変動状態が2種類ある。一つは、二次転写ローラ20が中間転写ベルト10との接触部に流した電流の一部が電圧維持素子15によって接地側に流れることで、一次転写電位がツェナー電位300Vに維持されながら、一次転写電流値が所定の範囲(20〜30μA)で変動する。もう一つは、二次転写ローラ20が中間転写ベルト10との接触部に流した電流が接地側に流れることなく一次転写部に流れることにより、一次転写電流値が変動範囲における最大値30μAで維持されながら、一次転写電位が変動する(300V→180V)。すなわち、本実施例の定電流制御では、ツェナー電位を維持しながら一次転写電流が変動する状態(第1の変動状態)と、一次転写電流が最大値(30μA)を維持しながら一次転写電位が低下する状態(第2の変動状態)の2つの変動状態が表れることになる。
[本実施例による定電流制御による作用効果]
本実施例では、インピーダンスの変化による一次転写電流の変動に対し、変動の最大値がIzの最大値に至らないように二次転写ローラ20から中間転写ベルト10に供給する定電流値の大きさを設定する。この定電流制御を行うことで、一次転写電流が過剰に流れてしまうことを抑制している。以下、詳細を説明する。
表1は、本実施例及び比較例における一次転写部のインピーダンスTa、Tb、Tcの各状態における、一次転写電流、一次転写電位、一次転写効率を示している。比較例の構成は、本実施例の構成に対し、電流供給部材である二次転写ローラ20から3000vの定電圧制御を行う構成とした。その他の構成は実施例1と同様である。なお、一次転写効率については、一次転写残濃度をマクベス濃度計(メーカー:グレタグマクベス社)で測定した結果から算出している。測定値が大きいほど一次転写残濃度が高くなるため、転写効率が低下する。一次転写電流が低すぎる場合は、転写に必要な電流を流すことができないため転写不良が発生する。一次転写電流が高すぎる場合には、転写電流の流れすぎによって転写すべきトナーの極性を反転させてしまうことで、転写不良が発生してしまう。
図5は、本実施例及び比較例の構成において、上述したそれぞれのインピーダンス状態における転写効率を表したグラフである。グラフの縦軸は転写効率を表し、横軸は一次転写電流を示している。本実施例及び比較例の構成では、一次転写効率が良好となる領域(95%以上の転写効率を達成する領域)は、20μA〜40μAの一次転写電流が必要であること分かる。
(表1)
Figure 2015200711
本実施例は、電流供給部材から30μAの定電流値の電流を中間転写ベルト10に供給する定電流制御となっている。一次転写部のインピーダンスが高い場合には、電圧維持素子15に電流が流れることでツェナー電圧が300vに維持される。これにより、一次転写電位が300vとなり、一次転写電流として20μAが流れる。インピーダンスが中心(中くらい)の場合も同様に、一次転写電流が28μA流れる。インピーダンスが低い場合は、電流供給部材からの電流が電圧維持素子15に流れず、30μA全てが一次転写電流となる。この時一次転写部の電位は180vに維持され、電圧維持素子15を使用しない制御となり、一次転写電流が過剰に流れることによる転写不良を抑制することができる。その結果、本実施例では、どのインピーダンスの状態においても一次転写電流が所望の一次転写効率を満たす範囲に入るため、良好な一次転写性を確保することが出来る。
比較例の構成は、電流供給部材である二次転写ローラ20を3000vの定電圧で制御している。二次転写を定電圧で制御した場合、記録材の抵抗、トナー量、環境等によって二次転写部のインピーダンスが変動することで、二次転写電流は変動し、多くの電流が流れてしまう場合がある。一次転写部のインピーダンスが高い場合と中心の場合には、実施例と同様に電圧維持素子15に電流が流れることで、ツェナー電圧である300vに一次転写電位が維持される。これにより、一次転写電流が20μA〜28μAと所望の範囲となるため、良好な一次転写性を確保できる。しかし、一次転写部のインピーダンスが低い場合にも、定電圧制御を行う二次転写ローラ20から多くの電流が流れてしまうことで、電圧維持素子15に電流が流れてしまい、一次転写電位がツェナー電圧相当の300vとなってしまう。これにより、一次転写部に電流が50μAも流れてしまうことで、転写効率が低くなってしまい、転写不良となってしまう。
以上説明したように、本実施例は、一次転写電流の変動範囲の最大値がIzの変動範囲の最大値よりも小さくなるように二次転写ローラ20が中間転写ベルト10に供給する定電流値の値を設定する。こうすることで、一次転写部のインピーダンスが低くなった場合に一次転写電流が過剰に流れてしまうことを抑制している。これにより、最適な一次転写電流を維持できるため、良好な一次転写性を確保できる。
本実施例では、電圧安定化素子として電圧維持素子15を使用したものの、同様の効果を得られる素子であれば、別の電圧安定化素子でも良く、たとえばバリスタなどの素子を用いても良い。
また、本実施例では、電圧維持素子15の接続構成として二次転写対向ローラ13のみに接続する構成を示したものの、この構成に限ることなく他の構成も採用することができる。例えば、図6に示すように、二次転写対向ローラ13とともに、第2画像形成ステーションbと第3画像形成ステーションcの間に配置された金属ローラ14、駆動ローラ11とともに電圧維持素子15を介して接地するような構成であってもよい。また、図7に示すように、各画像形成ステーションa〜dにそれぞれ金属ローラ14a、14b、14c、14dを配置し、それらを二次転写対向ローラ13、駆動ローラ11とともに電圧維持素子15を介して接地するような構成であってもよい。以上のように、各感光ドラム1と中間転写ベルト10との各当接部の間の少なくとも1箇所において中間転写ベルト10が電圧維持素子15と接続されるように構成する。このような構成とすることで、各画像形成ステーションb、c、dの近くからも電流供給できるため、一次転写電流の変動をより抑えることができる。
(実施例2)
図8を参照して、本発明の実施例2に係る画像形成装置について説明する。図8は、本実施例に係る画像形成装置の概略断面図である。ここでは、主に実施例1と異なる点について説明し、実施例1と同様の構成については、同一の符号を付して説明を省略する。実施例1は、電流供給部材として二次転写ローラ20のみを使用し、二次転写ローラ20から中間転写ベルト10に電流を供給する構成となっている。これに対し、本実施例は、電流供給部材として二次転写ローラ20に加え、他の導電部材からも中間転写ベルト10に電流を供給することを特徴とする。
具体的には、図8に示すように、本実施例に係る画像形成装置は、電流供給部材として、中間転写ベルト10の外周面と接触するように配置した導電部材である導電性ローラ17aを用いることを特徴とする。導電性ローラ17aは、クリーニング装置16の下流側で中間転写ベルト10に接触し、一次転写部への電流供給部材として機能する。導電性ローラ17aとしては、体積抵抗率10Ω・cmのウレタンゴムを主成分とする弾性ローラを用いた。導電性ローラ17aは、中間転写ベルト10を介して二次転写対向ローラ13に対向し総圧9.8Nで不図示のバネにより加圧され、中間転写ベルト10の回転に伴い、従動して回転する。また、導電性ローラ17aには、ローラ電源17bから、10μAの定電流が印加され、一次転写部へ電流を供給する構成となっている。
上述のように、本実施例では、電流供給部材として二次転写ローラ20に加え、導電部材である導電性ローラ17a(第2の電流供給部材)を用いることを特徴としている。実施例1では、二次転写ローラ20に二つの役割があった。すなわち、二次転写性を満たすために二次転写用の所望の電流量を流すことと、一次転写部の中間転写ベルト10の一次転写性を保つために一次転写用の所望の電流量を各感光ドラム1a、1b、1c、1dへ流すこと、である。よって、実施例1では、二次転写用の所望の電流量と一次転写用の所望の電流量を、電流供給部材として二次転写ローラ20のみから供給する必要があった。
そこで、本実施例では、電流供給部材として導電性ローラ17aも使用することで、二次転写ローラ20から供給する電流量を二次転写用の所望の電流量に対して最適になるように設定しつつ、一次転写性も満足することが可能になる。上述のように、一次転写に最適な電流は20〜40μAである。つまり、導電性ローラ17a、二次転写ローラ20の合算電流が20μA〜40μAの範囲であれば、一次転写に必要な電流は確保されることとなる。そこで、導電性ローラ17aから10μAの定電流を供給すれば、二次転写ローラ20から供給する電流20μAであっても、重畳した電流値の合計で30μAとなり、二次転写と一次転写を良好に行えるようになる。
本実施例では、電流供給部材として、二次転写ローラ20のみならず導電性ローラ17
aを使用する構成を示したものの、この構成に限ることなく他の構成も採用することができる。例えば、図9に示すように、中間転写ベルト10上のトナーをクリーニングする機能も有する導電性ブラシ18aを電流供給部材として使用しても、同様の効果を得ることが出来る。また、図10に示すように、実施例1で示したクリーニング装置16に、クリーニング電源16aを接続することで、クリーニング装置16を電流供給部材として使用しても、同様の効果を得ることが出来る。
(実施例3)
本発明の実施例3に係る画像形成装置について説明する。ここでは、主に実施例1、2と異なる点について説明し、実施例1、2と同様の構成については、同一の符号を付して説明を省略する。実施例1、2の構成では、電流供給部材からの定電流値の大きさを所定の一定値に設定(固定)していた。これに対し、本実施例では、電流供給部材からの定電流値を環境によって変えること特徴としている。
具体的には、図1等に示すような温湿度センサ(温度・湿度センサ)9を備えており、その検知結果に応じて、電流供給部材からの中間転写ベルト10に供給する定電流値をせってする。例えば、高温高湿環境では中間転写ベルト10の抵抗が低下する場合があり、一次転写部のインピーダンスが低くなる場合がある。中間転写ベルト10の抵抗が低下すると、例えば、両側が白地部に挟まれるような孤立したトナーパターンを一次転写する際には、転写電流が白地部の方に流れてしまい、本来転写電流を流したいパターン部に電流を流せなくなってしまう。これにより、孤立したトナーパターンの転写性が低下してしまうことがあった。
そこで本実施例の構成では、孤立したトナーパターンの転写性が悪化するのを防止するため、通常環境に対して、高温高湿環境では、電流供給部材から中間転写ベルト10に供給する定電流値を高くしている。温湿度センサ9等により、低温低湿環境や常温常湿環境を検知した場合には、制御部9は、実施例1、2と同様に、電流供給部材から中間転写ベルト10に供給する定電流値を30μAの値に設定し定電流制御を行う。一方、高温高湿環境を検知した場合には、孤立パターンの一次転写性を確保できるように、制御部9は、電流供給部材から中間転写ベルト10に供給する定電流値を40μAに設定する。
ここで、電流供給部材から中間転写ベルト10へ供給する電流値を高くする方法としては、二次転写性を損なわない範囲であれば、二次転写ローラ20の定電流値を高くしても良い。また、実施例2の構成のように二次転写ローラ20に加え導電性ローラ17aのような電流供給部材があるような場合には、導電性ローラ17aの定電流値を高くしてもようい。これにより、高温高湿環境での一次転写性を確保しても同様の効果を得ることができる。
上記各実施例は、可能な限り互いに組み合わせた構成を採用することができる。
1…感光ドラム(像担持体)、10…中間転写ベルト、11…駆動ローラ、12…テンションローラ、13…二次転写対向ローラ(支持部材)、15…電圧維持素子、ツェナーダイオード(電圧安定素子)、20…二次転写ローラ(電流供給部材)、21…二次転写電源

Claims (17)

  1. トナー像を担持する像担持体と、
    前記像担持体と接触しつつ回転する無端状のベルトと、
    前記ベルトの回転方向において前記像担持体とは異なる位置で前記ベルトに接触し、前記ベルトに電流を供給する電流供給部材と、
    前記ベルトを支持する支持部材と、
    前記支持部材に接続される電圧安定素子と、
    を有する画像形成装置において、
    前記像担持体と前記ベルトが形成する転写部に流れる転写電流値の変動の範囲であって、前記転写部に形成される転写電位が常に所定の電位で維持される大きさの電流を前記電流供給部材が前記ベルトとの接触部に流した場合における前記変動の範囲よりも、最大値が小さい所定の前記変動の範囲に前記転写電流値の変動が収まるように設定された所定の値の電流を、前記電流供給部材が前記接触部に流すことを特徴とする画像形成装置。
  2. 前記転写電流値と前記転写電位の変動状態が、
    前記接触部に流した電流の一部が前記電圧安定素子によって接地側に流れることにより、前記転写電位が所定の電位で維持されながら、前記転写電流値が前記所定の前記変動の範囲で変動する第1の変動状態と、
    前記接触部に流した電流が前記電圧安定素子により接地側に流れることなく前記転写部に流れることにより、前記転写電流値が前記所定の前記変動の範囲の最大値で維持されながら、前記転写電位が変動する第2の変動状態と、
    を含むように設定された所定の値の電流を、
    前記電流供給部材が前記接触部に流すことを特徴とする請求項1に記載の画像形成装置。
  3. トナー像を担持する像担持体と、
    前記像担持体と接触しつつ回転する無端状のベルトと、
    前記ベルトの回転方向において前記像担持体とは異なる位置である接触部で前記ベルトに接触し、前記ベルトに電流を供給する電流供給部材と、
    前記ベルトを支持する支持部材と、
    前記支持部材に接続される電圧安定素子と、
    を有する画像形成装置において、
    前記像担持体と前記ベルトが形成する転写部に流れる転写電流値と、前記転写部に形成される転写電位と、の変動状態が、
    前記接触部に流した電流の一部が前記電圧安定素子によって接地側に流れることにより、前記転写電位が所定の電位で維持されながら、前記転写電流値が所定の変動の範囲で変動する第1の変動状態と、
    前記接触部に流した電流が前記電圧安定素子により接地側に流れることなく前記転写部に流れることにより、前記転写電流値が所定の前記変動の範囲の最大値で維持されながら、前記転写電位が変動する第2の変動状態と、
    を含むように設定された所定の値の電流を、
    前記電流供給部材が前記接触部に流すことを特徴とする画像形成装置。
  4. 前記所定の前記変動の範囲は、前記転写部に形成される転写電位が常に所定の電位で維持される大きさの電流を前記電流供給部材が前記ベルトとの接触部に流した場合における前記変動の範囲よりも、最大値が小さいことを特徴とする請求項3に記載の画像形成装置。
  5. 前記転写電流値と前記転写電位の変動状態は、前記第1の変動状態から前記第2の変動
    状態に継時的に変化することを特徴とする請求項2〜4のいずれか1項に記載の画像形成装置。
  6. 前記第2の変動状態において、前記転写電位は継時的に低下することを特徴とする請求項2〜5のいずれか1項に記載の画像形成装置。
  7. 前記転写電流値と前記転写電位の変動状態は、前記転写部のインピーダンスが低下することで、前記第1の変動状態から前記第2の変動状態へ変化することを特徴とする請求項2〜6のいずれか1項に記載の画像形成装置。
  8. 前記電圧安定素子は、ツェナーダイオードであることを特徴とする請求項1〜7のいずれか1項に記載の画像形成装置。
  9. 前記電流供給部材は、前記像担持体とは異なる位置であって前記ベルトを介して前記支持部材と対向する位置において前記ベルトに接触することを特徴とする請求項1〜8のいずれか1項に記載の画像形成装置。
  10. 前記ベルトは、記録材にトナー像を転写するために前記像担持体からトナー像が一次転写される中間転写ベルトであることを特徴とする請求項1〜9のいずれか1項に記載の画像形成装置。
  11. 前記電流供給部材は、前記接触部に流す電流によりトナー像を前記ベルトから記録材に二次転写させる二次転写部材であることを特徴とする請求項1〜10のいずれか1項に記載の画像形成装置。
  12. 複数の前記像担持体を備え、
    前記接触部に流される電流値は、複数の前記像担持体のそれぞれの前記転写電流値の合計の値が、前記所定の前記変動の範囲に収まるように設定されることを特徴とする請求項1〜11のいずれか1項に記載の画像形成装置。
  13. 前記電圧安定素子は、前記接触部において前記ベルトに接続されるとともに、複数の前記像担持体との各転写部の間の少なくとも1箇所において前記ベルトに接続されることを特徴とする請求項12に記載の画像形成装置。
  14. 前記像担持体及び前記電流供給部材とは異なる位置で前記ベルトに接触する第2の電流供給部材をさらに備え、
    前記電流供給部材が前記ベルトに流す電流と、前記第2の電流供給部材が前記ベルトに流す電流とを重畳した電流が、前記転写部に流れることを特徴とする請求項1〜13のいずれか1項に記載の画像形成装置。
  15. 前記第2の電流供給部材は、前記ベルトの表面をクリーニングするクリーニング部材であることを特徴とする請求項14に記載の画像形成装置。
  16. 前記電流供給部材が前記接触部に流す電流値は、定電流値であることを特徴とする請求項1〜15のいずれか1項に記載の画像形成装置。
  17. 温度及び湿度を検知するセンサをさらに備え、
    前記センサの検知結果に応じて、前記電流供給部材が前記接触部に流す電流の値が設定されることを特徴とする請求項1〜16のいずれか1項に記載の画像形成装置。
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