JP7447452B2 - 無端ベルト、転写装置、及び画像形成装置 - Google Patents

無端ベルト、転写装置、及び画像形成装置 Download PDF

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Description

本発明は、無端ベルト、転写装置、及び画像形成装置に関する。
電子写真方式を用いた画像形成装置(複写機、ファクシミリ、プリンタ等)では、像保持体の表面に形成されたトナー像を記録媒体の表面に転写し、記録媒体上に定着して画像が形成される。なお、こうしたトナー像の記録媒体への転写には、例えば、中間転写ベルトのような導電性の無端ベルトが用いられる。
例えば、特許文献1には、「基材上に少なくとも表面層を有する中間転写ベルトであって、該表面層が、平均粒子径0.5~25μmの導電性粒子の凝集体を含有していることを特徴とする中間転写ベルト。」が開示されている。
特許文献2には、「基材上に少なくとも表面層を有する中間転写ベルトであって、該表面層が、金属被覆した樹脂微粒子を含有することを特徴とする中間転写ベルト。」が開示されている。
特開2007-011117号公報 特開2007-078789号公報
無端ベルトを中間転写体として用いた画像形成装置では、エンボス紙のような表面凹凸が大きい記録媒体(以下「凹凸紙」ともいう)を用いると、トナー像を中間転写体から記録媒体に転写する際に中間転写体が記録媒体の凹凸に追従できず、転写性が低下して画像の白抜けが生じることがある。
本発明の課題は、イミド系樹脂と導電性粒子とを含み、y/xの値が0.8992未満若しくは1.0157超えである層の単層体又は前記層を最外層に有する積層体である場合に比べ、無端ベルトを中間転写体として用いたときの凹凸紙への転写性に優れる無端ベルトを提供することである。
上記課題は、以下の手段により解決される。
<1>
イミド系樹脂と導電性粒子とを含む層であって、印加電圧100V、印加時間3秒、荷重1kgの条件で環状プローブを用いて測定した外周面の表面抵抗率の常用対数値をx(logΩ/□)とし、印加電圧100V、印加時間5秒、荷重1kgの条件で環状プローブを用いて測定した体積抵抗率の常用対数値をy(logΩ・cm)としたとき、y/xの値が0.8992以上1.0157以下である層の単層体又は前記層を最外層に有する積層体である無端ベルト。
<2>
前記導電性粒子の個数平均一次粒径は、10nm以上20nm以下である<1>に記載の無端ベルト。
<3>
前記導電性粒子の個数平均一次粒径は、10nm以上15nm以下である<2>に記載の無端ベルト。
<4>
前記導電性粒子は、pHが2.0以上3.0以下のカーボンブラックである<1>~<3>のいずれか1つに記載の無端ベルト。
<5>
前記カーボンブラックはチャンネルブラックである<4>に記載の無端ベルト。
<6>
前記xの値は、9.0以上13.0以下である<1>~<5>のいずれか1つに記載の無端ベルト。
<7>
前記yの値は、8.2以上13.0以下である<1>~<6>のいずれか1つに記載の無端ベルト。
<8>
前記イミド系樹脂は、ポリイミド樹脂である<1>~<7>のいずれか1つに記載の無端ベルト。
<9>
前記導電性粒子の個数平均二次粒径は、前記導電性粒子の個数平均一次粒径の1倍以上8倍以下である<1>~<9>のいずれか1つに記載の無端ベルト。
<10>
単層体である<1>~<9>のいずれか1つに記載の無端ベルト。
<11>
<1>~<10>のいずれか1つに記載の無端ベルトである中間転写体と、
像保持体の表面に形成されたトナー像を前記中間転写体の表面に一次転写する一次転写手段と、
前記中間転写体の表面に転写された前記トナー像を記録媒体の表面に二次転写する二次転写手段と、
を備える転写装置。
<12>
像保持体と、
前記像保持体の表面を帯電する帯電装置と、
帯電した前記像保持体の表面に静電潜像を形成する静電潜像形成装置と、
トナーを含む現像剤を収容し、前記現像剤により、前記像保持体の表面に形成された静電潜像を現像してトナー像を形成する現像装置と、
前記トナー像を記録媒体の表面に転写する<11>に記載の転写装置と、
を備える画像形成装置。
前記<1>、<8>、又は<10>に係る発明によれば、イミド系樹脂と導電性粒子とを含み、y/xの値が0.8992未満若しくは1.0157超えである層の単層体又は前記層を最外層に有する積層体である場合に比べ、無端ベルトを中間転写体として用いたときの凹凸紙への転写性に優れる無端ベルトが提供される。
前記<2>に係る発明によれば、導電性粒子の個数平均一次粒径が20nmを超える場合に比べ、中間転写体として用いたときの凹凸紙への転写性に優れる無端ベルトが提供される。
前記<3>に係る発明によれば、導電性粒子の個数平均一次粒径が15nmを超える場合に比べ、中間転写体として用いたときの凹凸紙への転写性に優れる無端ベルトが提供される。
前記<4>に係る発明によれば、導電性粒子がpH3.0を超えるカーボンブラックである場合に比べ、中間転写体として用いたときの凹凸紙への転写性に優れる無端ベルトが提供される。
前記<5>に係る発明によれば、導電性粒子がファーネスブラックである場合に比べ、中間転写体として用いたときの凹凸紙への転写性に優れる無端ベルトが提供される。
前記<6>に係る発明によれば、xの値が9.0未満又は13.0超えである場合に比べ、中間転写体として用いたときの凹凸紙への転写性に優れる無端ベルトが提供される。
前記<7>に係る発明によれば、yの値が8.2未満又は13.0超えである場合に比べ、中間転写体として用いたときの凹凸紙への転写性に優れる無端ベルトが提供される。
前記<9>に係る発明によれば、導電性粒子の二次粒径が前記導電性粒子の一次粒径の8倍超えである場合に比べ、中間転写体として用いたときの凹凸紙への転写性に優れる無端ベルトが提供される。
前記<11>に係る発明によれば、中間転写体として、イミド系樹脂と導電性粒子とを含みy/xの値が0.8992未満若しくは1.0157超えである層の単層体又は前記層を最外層に有する積層体である無端ベルトを用いた場合に比べ、凹凸紙への転写性に優れる転写装置が提供される。
前記<12>に係る発明によれば、中間転写体として、イミド系樹脂と導電性粒子とを含みy/xの値が0.8992未満若しくは1.0157超えである層の単層体又は前記層を最外層に有する積層体である無端ベルトを用いた場合に比べ、凹凸紙への転写性に優れる画像形成装置が提供される。
本実施形態に係る画像形成装置の一例を示す概略構成図である。
以下に、本実施形態について説明する。これらの説明及び実施例は実施形態を例示するものであり、実施形態の範囲を制限するものではない。
本実施形態中に段階的に記載されている数値範囲において、一つの数値範囲で記載された上限値又は下限値は、他の段階的な記載の数値範囲の上限値又は下限値に置き換えてもよい。また、本実施形態中に記載されている数値範囲において、その数値範囲の上限値又は下限値は、実施例に示されている値に置き換えてもよい。
本実施形態において「工程」との語は、独立した工程だけでなく、他の工程と明確に区別できない場合であってもその工程の所期の目的が達成されれば、本用語に含まれる。
本実施形態において実施形態を図面を参照して説明する場合、当該実施形態の構成は図面に示された構成に限定されない。また、各図における部材の大きさは概念的なものであり、部材間の大きさの相対的な関係はこれに限定されない。
本実施形態において各成分は該当する物質を複数種含んでいてもよい。本実施形態において組成物中の各成分の量について言及する場合、組成物中に各成分に該当する物質が複数種存在する場合には、特に断らない限り、組成物中に存在する当該複数種の物質の合計量を意味する。
[無端ベルト]
本実施形態に係る無端ベルトは、イミド系樹脂と導電性粒子とを含む層であって、印加電圧100V、印加時間3秒、荷重1kgの条件で環状プローブを用いて測定した外周面の表面抵抗率の常用対数値をx(logΩ/□)とし、印加電圧100V、印加時間5秒、荷重1kgの条件で環状プローブを用いて測定した体積抵抗率の常用対数値をy(logΩ・cm)としたとき、y/xの値が0.8992以上1.0157以下である層の単層体又は前記層を最外層に有する積層体である。
なお、本明細書において導電性とは、20℃における体積抵抗率が1×1013Ωcm未満であることを意味する。
ここで、上記表面抵抗率の常用対数値xの測定は、以下の方法により行う。
抵抗測定機として、微小電流計(Advantest社製R8430A)を用い、プローブとしてURプローブ(三菱ケミカルアナリテック(株)製)を使用し、無端ベルトの外周面における表面抵抗率の常用対数値(logΩ/□)について、無端ベルトの外周面を周方向に等間隔で6点、幅方向の中央部及び両端部について3点の計18点、電圧100V、印加時間3秒間、加圧1kgfで測定し、平均値を算出する。また、温度22℃、湿度55%RHの環境下で測定を行うものとする。
上記体積抵抗率の常用対数値yの測定は、以下の方法により行う。
抵抗測定機として、微小電流計(Advantest社製R8430A)を用い、プローブとしてURプローブ(三菱ケミカルアナリテック(株)製)を使用し、体積抵抗率の常用対数値(logΩ・cm)について、無端ベルトを周方向に等間隔で6点、幅方向の中央部及び両端部について3点の計18点、電圧100V、印加時間5秒間、加圧1kgfで測定し、平均値を算出する。また、温度22℃、湿度55%RHの環境下で測定を行うものとする。
本実施形態では、単層又は最外層がイミド系樹脂と導電性粒子とを含み、かつ、y/xの値が0.8992以上1.0157以下であることにより、無端ベルトを中間転写体として用いたときの凹凸紙への転写性に優れる。その理由は定かではないが、以下のように推測される。
無端ベルトを中間転写体として用いた画像形成装置では、記録媒体として凹凸紙を用いると、トナー像を中間転写体から記録媒体に転写する際に中間転写体が記録媒体の凹凸に追従できず、転写性が低下して画像の白抜けが生じることがある。
具体的には、例えば、二次転写領域においてトナーの電荷が中間転写体の膜厚方向に流れ出すことがあり、トナーの帯電量低下によって、特に記録媒体の凹部において転写が行われにくくなることがある。また、記録媒体の凹部において十分な転写電界が形成されにくいため転写時の電界を強くすると、記録媒体の凸部において局所的に過剰な電界がかかることで異常放電が起こり、トナーの帯電量低下又は逆帯電により転写性が低下することがある。
これに対して、本実施形態では、単層又は最外層が、イミド系樹脂と導電性粒子とを含み、かつ、y/xの値が0.8992以上1.0157以下である。つまり、従来のイミド系樹脂と導電性粒子とを含む層は表面抵抗率に比べて体積抵抗率が低いものが多いが、本実施形態における単層又は最外層では、従来に比べて表面抵抗率を低く抑えつつ体積抵抗率が高い層となっている。そのため、二次転写領域においてトナーの電荷が中間転写体の膜厚方向に流れ出すことが抑制され、トナーの帯電量低下による転写性の低下が抑制されると考えられる。
また、イミド系樹脂と導電性粒子とを含みy/xの値が上記範囲である層では、外周面において導電性粒子が細かく分散することで表面抵抗率が低く抑えられ、かつ、層の厚み方向における導電性粒子の分布が少ないことで体積抵抗率が高くなっていると考えられる。そのため、中間転写体が記録媒体の凹凸に追従できず、凹凸紙の凸部において局所的に過剰な電界がかかったとしても、無端ベルトの外周面において細かく分散された導電点でそれぞれ小さな放電が起こり、電流が分散されることで、異常放電によるトナーの帯電量低下又は逆帯電が抑制され、転写性が向上すると考えられる。
以上の理由により、本実施形態では、単層又は最外層がイミド系樹脂と導電性粒子とを含み、かつ、y/xの値が0.8992以上1.0157以下であることにより、無端ベルトを中間転写体として用いたときの凹凸紙への転写性に優れると推測される。
無端ベルトは、単層体であっても積層体であってもよい。
無端ベルトが単層体である場合、前記単層体が、イミド系樹脂と導電性粒子とを含み、かつ、y/xの値が0.8992以上1.0157以下の層である。
無端ベルトが積層体である場合、前記積層体は、例えば、基材層と、基材層に設けられた表面層と、を有する。表面層は、無端ベルトの最外層である。積層体は、基材層と表面層との間に他の層を有してもよい。
無端ベルトが基材層と表面層とを有する積層体である場合、前記表面層が、イミド系樹脂と導電性粒子とを含み、かつ、y/xの値が0.8992以上1.0157以下の層である。基材層は、特に限定されるものではなく、例えば、基材層用樹脂と基材層用導電性粒子とを含む層が挙げられる。
以下、単層体である無端ベルトの層を「単層」ともいう。また、積層体である無端ベルトのうちイミド系樹脂と導電性粒子とを含む表面層を「第1の層」、基材層用樹脂と基材層用導電性粒子とを含む基材層を「第2の層」ともいう。さらに、単層又は第1の層に含まれるイミド系樹脂及び導電性粒子をそれぞれ「第1の樹脂」及び「第1の導電性粒子」ともいい、第2の層に含まれる基材層用樹脂及び基材層用導電性粒子をそれぞれ「第2の樹脂」及び「第2の導電性粒子」ともいう。
<樹脂>
単層又は第1の層に含まれる第1の樹脂であるイミド系樹脂は、イミド結合を有する構成単位を含む樹脂であり、例えば、ポリイミド樹脂(PI樹脂)、ポリアミドイミド樹脂(PAI樹脂)等が挙げられる。第1の樹脂は、機械的強度及び第1の導電性粒子の分散性の観点から、ポリイミド樹脂を含むことがより好ましい。第1の樹脂は、1種の樹脂からなるものであってもよく、2種以上の樹脂の混合物であってもよい。
第2の層に含まれる第2の樹脂としては、例えば、ポリイミド樹脂(PI樹脂)、ポリアミドイミド樹脂(PAI樹脂)、芳香族ポリエーテルエーテルケトン樹脂、ポリフェニレンサルファイド樹脂(PPS樹脂)、ポリエーテルイミド樹脂(PEI樹脂)、ポリエステル樹脂、ポリアミド樹脂、ポリカーボネート樹脂等が挙げられる。
第2の樹脂は、1種の樹脂からなるものであってもよく、2種以上の樹脂の混合物であってもよい。
なお、無端ベルトが第1の層と第2の層とを有する場合、第1の樹脂と第2の樹脂とは、同じ樹脂であってもよく、異なる樹脂であってもよく、同種の樹脂である(例えば第1の樹脂及び第2の樹脂がいずれもポリイミド樹脂である)ことが好ましい。
(ポリイミド樹脂)
ポリイミド樹脂としては、例えば、テトラカルボン酸二無水物とジアミン化合物との重合体であるポリアミック酸(ポリイミド樹脂の前駆体)のイミド化物が挙げられる。
ポリイミド樹脂としては、例えば、下記一般式(I)で示される構成単位を有する樹脂が挙げられる。
一般式(I)中、Rは4価の有機基を表し、Rは2価の有機基を表す。
で表される4価の有機基としては、芳香族基、脂肪族基、環状脂肪族基、芳香族基と脂肪族基とを組み合わせた基、又はそれらが置換された基が挙げられる。4価の有機基として具体的には、例えば、後述するテトラカルボン酸二無水物の残基が挙げられる。
で表される2価の有機基としては、芳香族基、脂肪族基、環状脂肪族基、芳香族基と脂肪族基とを組み合わせた基、又はそれらが置換された基が挙げられる。2価の有機基として具体的には、例えば、後述するジアミン化合物の残基が挙げられる。
ポリイミド樹脂の原料として用いるテトラカルボン酸二無水物として具体的には、ピロメリット酸二無水物、3,3’,4,4’-ベンゾフェノンテトラカルボン酸二無水物、3,3’,4,4’-ビフェニルテトラカルボン酸二無水物、2,3,3’,4-ビフェニルテトラカルボン酸二無水物、2,3,6,7-ナフタレンテトラカルボン酸二無水物、1,2,5,6-ナフタレンテトラカルボン酸二無水物、1,4,5,8-ナフタレンテトラカルボン酸二無水物、2,2’-ビス(3,4-ジカルボキシフェニル)スルホン酸二無水物、ペリレン-3,4,9,10-テトラカルボン酸二無水物、ビス(3,4-ジカルボキシフェニル)エーテル二無水物、エチレンテトラカルボン酸二無水物等が挙げられる。
ポリイミド樹脂の原料として用いるジアミン化合物の具体例としては、4,4’-ジアミノジフェニルエーテル、4,4’-ジアミノジフェニルメタン、3,3’-ジアミノジフェニルメタン、3,3’-ジクロロベンジジン、4,4’-ジアミノジフェニルスルフィド、3,3’-ジアミノジフェニルスルホン、1,5-ジアミノナフタレン、m-フェニレンジアミン、p-フェニレンジアミン、3,3’-ジメチル4,4’-ビフェニルジアミン、ベンジジン、3,3’-ジメチルベンジジン、3,3’-ジメトキシベンジジン、4,4’-ジアミノジフェニルスルホン、4,4’-ジアミノジフェニルプロパン、2,4-ビス(β-アミノ第三ブチル)トルエン、ビス(p-β-アミノ-第三ブチルフェニル)エーテル、ビス(p-β-メチル-δ-アミノフェニル)ベンゼン、ビス-p-(1,1-ジメチル-5-アミノ-ペンチル)ベンゼン、1-イソプロピル-2,4-m-フェニレンジアミン、m-キシリレンジアミン、p-キシリレンジアミン、ジ(p-アミノシクロヘキシル)メタン、ヘキサメチレンジアミン、ヘプタメチレンジアミン、オクタメチレンジアミン、ノナメチレンジアミン、デカメチレンジアミン、ジアミノプロピルテトラメチレン、3-メチルヘプタメチレンジアミン、4,4-ジメチルヘプタメチレンジアミン、2,11-ジアミノドデカン、1,2-ビス-3-アミノプロボキシエタン、2,2-ジメチルプロピレンジアミン、3-メトキシヘキサメチレンジアミン、2,5-ジメチルヘプタメチレンジアミン、3-メチルヘプタメチレンジアミン、5-メチルノナメチレンジアミン、2,17-ジアミノエイコサデカン、1,4-ジアミノシクロヘキサン、1,10-ジアミノ-1,10-ジメチルデカン、12-ジアミノオクタデカン、2,2-ビス〔4-(4-アミノフェノキシ)フェニル〕プロパン、ピペラジン、HN(CHO(CHO(CH)NH、HN(CHS(CHNH、HN(CHN(CH(CHNH等が挙げられる。
(ポリアミドイミド樹脂)
ポリアミドイミド樹脂としては、繰り返し単位にイミド結合とアミド結合とを有する樹脂が挙げられる。
より具体的には、ポリアミドイミド樹脂は、酸無水物基を有する3価のカルボン酸化合物(トリカルボン酸ともいう)と、ジイソシアネート化合物又はジアミン化合物と、の重合体が挙げられる。
トリカルボン酸としては、トリメリット酸無水物及びその誘導体が好ましい。トリカルボン酸の他に、テトラカルボン酸二無水物、脂肪族ジカルボン酸、芳香族ジカルボン酸などを併用してもよい。
ジイソシアネート化合物としては、3,3’-ジメチルビフェニル-4,4’-ジイソシアネート、2,2’-ジメチルビフェニル-4,4’-ジイソシアネート、ビフェニル-4,4’-ジイソシアネート、ビフェニル-3,3’-ジイソシアネート、ビフェニル-3,4’-ジイソシアネート、3,3’-ジエチルビフェニル-4,4’-ジイソシアネート、2,2’-ジエチルビフェニル-4,4’-ジイソシアネート、3,3’-ジメトキシビフェニル-4,4’-ジイソシアネート、2,2’-ジメトキシビフェニル-4,4’-ジイソシアネート、ナフタレン-1,5-ジイソシアネート、ナフタレン-2,6-ジイソシアネート等が挙げられる。
ジアミン化合物としては、上記のイソシアネートと同様の構造を有し、イソシアナト基の代わりにアミノ基を有する化合物が挙げられる。
単層全体に対する第1の樹脂の含有量は、機械的強度及び体積抵抗率調整等の観点から、60質量%以上95質量%以下であることが好ましく、70質量%以上95量%以下であることがより好ましく、75質量%以上90質量%以下であることが更に好ましい。
第1の層全体に対する第1の樹脂の含有量は、機械的強度及び体積抵抗率調整等の観点から、60質量%以上95質量%以下であることが好ましく、70質量%以上95量%以下であることがより好ましく、75質量%以上90質量%以下であることが更に好ましい。
第2の層全体に対する第2の樹脂の含有量は、機械的強度及び体積抵抗率調整等の観点から、60質量%以上95質量%以下であることが好ましく、70質量%以上95量%以下であることがより好ましく、75質量%以上90質量%以下であることが更に好ましい。
<導電性粒子>
単層又は第1の層に含まれる第1の導電性粒子としては、例えば、カーボンブラック、金属(例えばアルミニウムやニッケル等)、金属酸化物(例えば酸化イットリウム、酸化錫等)、イオン導電性物質(例えばチタン酸カリウム、LiCl等)などが挙げられ、これらの中でもカーボンブラックが好ましく挙げられる。
これら導電性粒子は、1種単独で用いてもよいし、2種以上併用してもよい。
カーボンブラックとしては、例えば、ケッチェンブラック、オイルファーネスブラック、チャンネルブラック(すなわちガスブラック)、アセチレンブラック、等が挙げられる。カーボンブラックとしては、表面が処理されたカーボンブラック(以下、「表面処理カーボンブラック」ともいう)を用いてもよい。
表面処理カーボンブラックは、その表面に、例えば、カルボキシ基、キノン基、ラクトン基、ヒドロキシ基等を付与して得られる。表面処理の方法としては、例えば、高温雰囲気下で空気と接触して反応させる空気酸化法、常温(例えば、22℃)下で窒素酸化物又はオゾンと反応させる方法、高温雰囲気下での空気酸化後、低温でオゾンにより酸化する方法等を挙げられる。
これらの中でも、導電性粒子としては、チャンネルブラックがよく、特に、pH5.0以下の酸性カーボンブラックがよい。
酸性カーボンブラックとしては、表面が酸化処理されたカーボンブラック、例えば、表面にカルボキシル基、キノン基、ラクトン基、水酸基等を付与して得られたカーボンブラックが挙げられる。
酸性カーボンブラックとしては、凹凸紙への転写性向上の観点から、pH4.5以下のカーボンブラックが好ましく、より好ましくはpH4.0以下の酸性カーボンブラック、さらに好ましくはpH3.0以下の酸性カーボンブラック、特に好ましくはpH2.0以上3.0以下の酸性カーボンブラック、極めて好ましくはpH2.0以上2.8以下の酸性カーボンブラックである。
なお、酸性カーボンブラックのpHは、JIS Z8802(2011)規定のpH測定方法によって測定される値である。
第1の導電性粒子の個数平均一次粒径としては、例えば20nm以下の範囲が挙げられ、y/xを前記範囲に調整する観点から、18nm以下の範囲が好ましく、15nm以下の範囲がより好ましく、13nm以下の範囲がさらに好ましい。また、第1の導電性粒子の個数平均一次粒径としては、例えば2nm以上の範囲が挙げられ、y/xを前記範囲に調整する観点から、5nm以上の範囲が好ましく、10nm以上の範囲がより好ましい。
導電性粒子の個数平均一次粒径は、次の方法により測定される。
まず、得られたベルトの各層から、ミクロトームにより、100nmの厚さの測定サンプルを採取し、本測定サンプルをTEM(透過型電子顕微鏡)により観察する。そして、導電性粒子50個の各々の投影面積に等しい円の直径(すなわち円相当径)を粒子径として、その平均値を個数平均一次粒径とする。
第1の導電性粒子の個数平均二次粒径としては、例えば、13nm以上100nmの範囲が挙げられ、y/xを前記範囲に調整する観点から、13nm以上55nm以下の範囲が好ましく、13nm以上40nm以下の範囲がより好ましい。
また、第1の導電性粒子の個数平均二次粒径は、y/xを前記範囲に調整する観点から、第1の導電性粒子の個数平均一次粒径の1倍以上8倍以下であることが好ましく、1倍以上5倍以下であることがより好ましく、1倍以上4.5倍以下であることがさらに好ましく、1倍以上3.5倍以下であることが特に好ましく、1倍以上3倍以下であることが極めて好ましい。
導電性粒子の個数平均二次粒径は、無端ベルトの外周面を走査型電子顕微鏡(例えば、日立ハイテクノロジーズ社製、型番:SU8010)にて2万倍の倍率で観察し、得られた256階調画像を閾値128にて二値化処理することで得られた画像から求める。具体的には、導電性粒子の凝集体等50個の各々の投影面積に等しい円の直径(すなわち円相当径)の平均値を個数平均二次粒径とする。
なお、上記導電性粒子の個数平均二次粒径は、凝集せずに単独で存在する一次粒子が含まれる場合、前記単独で存在する一次粒子の円相当径も含めて平均値を求める。つまり、すべての導電性粒子が凝集せずに単独で存在する場合、導電性粒子の個数平均二次粒径は個数平均一次粒径の1倍となる。
単層全体に対する第1の導電性粒子の含有量は、抵抗発現性およびの表面の分散性担保の観点から、10質量%以上50質量%以下であることが好ましく、12質量%以上40質量%以下であることがより好ましく、14質量%以上30質量%以下であることが更に好ましく、15質量%以上20質量%以下であることが特に好ましい。
第1の層全体に対する第1の導電性粒子の含有量は、抵抗発現性およびの表面の分散性担保の観点から、10質量%以上50質量%以下であることが好ましく、12質量%以上40質量%以下であることがより好ましく、14質量%以上30質量%以下であることが更に好ましく、15質量%以上20質量%以下であることが特に好ましい。
なお、第2の層に含まれる第2の導電性粒子の具体例も、第1の導電性粒子の具体例と同様のものが挙げられ、好ましい態様も同様である。
第2の導電性粒子の個数平均一次粒径としては、例えば2以上40nm以下の範囲が挙げられ、分散性、機械的強度、体積抵抗率等の観点から、20nm以上40nmnm以下の範囲が好ましく、20nm以上35nm以下の範囲がより好ましく、20nm以上28nm以下の範囲がさらに好ましい。
第2の層全体に対する第2の導電性粒子の含有量は、分散性、機械的強度、体積抵抗率調整の観点から、5質量%以上40質量%以下であることが好ましく、10質量%以上30質量%以下であることがより好ましく、20質量%以上30質量%以下であることが更に好ましい。
<その他の成分>
単層、第1の層、及び第2の層は、それぞれ、樹脂及び導電性粒子のほかに、その他の成分を含んでもよい。
その他の成分としては、例えば、導電性粒子以外の導電剤、ベルトの強度向上のためのフィラー、ベルトの熱劣化を防止するための酸化防止剤、流動性を向上させるための界面活性剤、耐熱老化防止剤等が挙げられる。
上記層にその他の成分が含まれる場合、その他の成分の含有量は、対象となる層の全質量に対して、0質量%超10質量%以下が好ましく、0質量%超5質量%以下がより好ましく、0質量%超1質量%以下が更に好ましい。
<無端ベルトの特性>
(無端ベルトの厚み)
単層の厚みは、ベルトの機械的強度の観点から、60μm以上120μm以下であることが好ましく、80μm以上120μm以下であることがより好ましい。
第1の層の厚みは、製造適性の観点、及び放電を抑制する観点から、1μm以上40μm以下であることが好ましく、3μm以上20μm以下であることがより好ましい。
第2の層の厚みは、ベルトの機械的強度の観点から、50μm以上100μm以下であることが好ましく、60μm以上80μm以下であることがより好ましい。
無端ベルトが第1の層及び第2の層を有する場合、凹凸紙への転写性の観点から、総厚みに対する第1の層の割合が3%以上50%以下であることが好ましく、5%以上30%以下であることがより好ましい。
なお、各層の膜厚は、以下のようにして測定する。
即ち、無端ベルトの厚み方向の断面を光学顕微鏡又は走査型電子顕微鏡により観察して、測定対象の層の厚みを10箇所測定し、この平均値を厚みとする。
(無端ベルトの体積抵抗率、表面抵抗率)
単層又は第1の層における体積抵抗率の常用対数値y(logΩ・cm)は、凹凸紙への転写性の観点から、8.2(logΩ・cm)以上13.0(logΩ・cm)以下であることが好ましく、8.4(logΩ・cm)以上12.0(logΩ・cm)以下であることがより好ましく、10.0(logΩ・cm)以上11.5(logΩ・cm)以下であることが特に好ましい。
単層又は第1の層における外周面の表面抵抗率の常用対数値x(logΩ/□)は、凹凸紙への転写性の観点から、9.0(logΩ/□)以上13.0(logΩ/□)以下であることが好ましく、9.0(logΩ/□)以上12.0(logΩ/□)以下であることがより好ましく、10.5(logΩ/□)以上11.5(logΩ/□)以下であることが特に好ましい。
外周面の表面抵抗率の常用対数値が上記範囲であることにより、特に上記範囲よりも高い場合に比べて、電荷が乗りにくくなったりトナーの飛散が生じたりすることが抑制される。
前記y/xの値は、0.8992以上1.0157以下であり、凹凸紙への転写性の観点から、0.9000以上1.0000以下が好ましく、0.9300以上1.0000以下がより好ましく、0.9500以上1.0000以下がさらに好ましい。
前記y/xの値を上記範囲とする方法は、特に限定されるものではなく、例えば、第1の導電性粒子として個数平均一次粒径の小さな粒子を用いる方法、第1の導電性粒子としてpHの低いカーボンブラックを用いる方法、用いる第1の導電性粒子の種類を選択する方法、無端ベルトの製造過程における条件(例えば乾燥条件等)を調整する方法、これらを組み合わせる方法などが挙げられる。
<無端ベルトの製造方法>
本実施形態に係る無端ベルトの製造方法は、特に限定されるものではない。
無端ベルトの製造方法の一例では、例えば、第1の樹脂又はその前駆体と第1の導電性粒子と第1の溶媒とを含有する第1の塗布液を調製する第1の塗布液調製工程と、被塗布材の外周上に前記第1の塗布液を塗布して第1の塗布膜を形成する第1の塗布膜形成工程と、前記被塗布材の温度を上昇させながら前記第1の塗布膜を乾燥させる第1の乾燥工程と、を経る。上記無端ベルトの製造方法は、第1の塗布液調製工程、第1の塗布膜形成工程、及び第1の乾燥工程の他に、他の工程を経てもよい。他の工程としては、例えば第1の樹脂の前駆体を用いる場合、第1の乾燥工程によって乾燥された第1の塗布膜を焼成する第1の焼成工程等が挙げられる。
単層体である無端ベルトを製造する場合、上記第1の塗布液調製工程、第1の塗布膜形成工程、及び第1の乾燥工程を経ることで、被塗布材の外周面に、第1の樹脂及び第1の導電性粒子を含む単層が形成される。なお、単層は、例えば、第1の樹脂と第1の導電性粒子とを含むペレットを作製し、このペレットを溶融押出することで形成されたものであってもよい。また、単層は、第1の塗布膜形成工程と第1の乾燥工程とを複数回繰り返すことで複数の層を一体化して形成されたものであってもよい。第1の塗布膜形成工程と第1の乾燥工程とを繰り返す回数は、特に限定されず、2回であってもよく、3回以上であってもよい。
積層体である無端ベルトを製造する場合、例えば、前記第1の塗布液調製工程、第1の塗布膜形成工程、及び第1の乾燥工程を経ることで、被塗布材上に形成された第2の層の外周面に、第1の樹脂及び第1の導電性粒子を含む第1の層が形成される。また、第1の層も、上記単層と同様に、第1の塗布膜形成工程と第1の乾燥工程とを複数回繰り返すことで複数の層を一体化して形成されたものであってもよい。
積層体である無端ベルトを製造する場合、第2の層は、例えば、第2の樹脂又はその前駆体と第2の導電性粒子と第2の溶媒とを含有する第2の塗布液を調製する第2の塗布液調製工程と、被塗布材の外周上に前記第2の塗布液を塗布して第2の塗布膜を形成する第2の塗布膜形成工程と、第2の塗布膜を乾燥させる第2の乾燥工程と、を経ることで、被塗布材の外周面に形成される。なお、第2の層は、例えば、第2の樹脂と第2の導電性粒子とを含むペレットを作製し、このペレットを溶融押出することで形成されたものであってもよい。
(塗布液調製工程)
第1の塗布液調製工程では、第1の樹脂又はその前駆体と第1の導電性粒子と第1の溶媒とを含有する第1の塗布液を調製する。例えば、第1の樹脂がポリイミド樹脂であり、第1の導電性粒子がカーボンブラックである場合、第1の塗布液として、例えば、カーボンブラックが分散し、かつ、ポリイミド樹脂の前駆体であるポリアミック酸が第1の溶媒に溶解した溶液を調整する。また、例えば、第1の樹脂がポリアミドイミド樹脂であり、第1の導電性粒子がカーボンブラックである場合、第1の塗布液として、例えば、カーボンブラックが分散し、かつ、ポリアミドイミド樹脂が第1の溶媒に溶解した溶液を調整する。
第1の塗布液を調製する方法としては、第1の導電性粒子の凝集体を粉砕する観点から、また、第1の導電性粒子の分散性を高める観点から、ボールミル、ジェットミル等の粉砕機を用いて、分散処理を行うことが好ましい。
第1の溶媒は、特に制限はなく、第1の樹脂として用いる樹脂の種類等に応じて適宜決定すればよい。例えば、第1の樹脂としてポリイミド樹脂又はポリアミドイミド樹脂である場合、第1の溶媒として、後述する極性溶剤が好ましく用いられる。
極性溶剤として、例えば、N-メチル-2-ピロリドン(NMP)、N,N-ジメチルホルムアミド(DMF)、N,N-ジメチルアセトアミド(DMAc)、N,N-ジエチルアセトアミド(DEAc)、ジメチルスルホキシド(DMSO)、ヘキサメチレンホスホルアミド(HMPA)、N-メチルカプロラクタム、N-アセチル-2-ピロリドン、1,3-ジメチル-2-イミダゾリジノン(N,N-ジメチルイミダゾリジノン、DMI)等が挙げられ、これらは1種単独で使用しても2種以上を併用してもよい。
なお、第2の塗布液調製工程を経る場合、第2の塗布液調製工程において、第2の樹脂と第2の導電性粒子と第2の溶媒とを含有する第2の塗布液を調製する。第2の樹脂及び第2の導電性粒子は前述のとおりであり、第2の塗布液の調製方法及び第2の溶媒は前記第1の塗布液の調製方法及び第1の溶媒とそれぞれ同様である。
(塗布膜形成工程)
第1の塗布膜形成工程では、被塗布材の外周上に前記第1の塗布液を塗布して第1の塗布膜を形成する。
被塗布材としては、例えば、円筒状又は円柱状の金型等が挙げられる。被塗布材は、前記金型の外周面を離型剤処理したものであってもよい。単層体である無端ベルトを製造する場合、第1の塗布膜形成工程では、例えば、上記被塗布材又は離型剤処理した被塗布材の外周面に直接第1の塗布液を塗布する。積層体である無端ベルトを製造する場合、第1の塗布膜形成工程では、例えば、第2の層又は第2の塗布膜が形成された被塗布材の外周面に第1の塗布液を塗布する。
第1の塗布液の塗布方法としては、例えば、スプレー塗布法、らせん塗布(フローコート)法、ブレード塗布法、ワイヤーバー塗布法、浸漬塗布法、ビード塗布法、エアーナイフ塗布法、カーテン塗布法等の公知の方法が挙げられる。
なお、第2の塗布膜形成工程を経る場合、第2の塗布膜形成工程において、被塗布材の外周上に第2の塗布液を塗布して第2の塗布膜を形成する。第2の塗布液の塗布方法も、第1の塗布液の塗布方法と同様である。
(乾燥工程)
第1の乾燥工程では、第1の塗布膜形成工程において形成 された第1の塗布膜を乾燥させる。第1の乾燥工程によって、第1の塗布膜中に含まれる第1の溶媒が除去され、単層又は第1の層が得られる。
第1の塗布膜を乾燥させる方法としては、例えば、第1の塗布膜に熱風を供給する方法、被塗布材を加熱する方法等が挙げられる。
第1の塗布膜表面における熱風の速度としては、例えば0.1m/s以上50m/s以下の範囲が挙げられ、1m/s以上40m/s以下の範囲が好ましく、1m/s以上20m/s以下の範囲がより好ましい。
ここで、第1の塗布膜表面における熱風の速度は、以下のようにして測定される。具体的には、貼付型風速風温プローブQB-5をMONITOR-Nへ接続して出力された電圧値を換算式に則り換算することで得る。
第1の塗布膜表面における熱風の温度としては、例えば100℃以上280℃以下の範囲が挙げられ、100℃以上250℃以下の範囲が好ましく、110℃以上235℃以下の範囲がより好ましい。
第1の塗布膜表面における熱風の温度は、温度計(例えば、グラフテック社K熱電対、型番:JBS-7115-5M-K)をグラフテック社データレコーダー、型番:GL240に接続すること)により測定される。
第1の塗布膜の表面に熱風を供給する方法は、特に限定されるものではなく、例えば、乾燥炉の熱風をスリットノズルから第1の塗布膜の表面に向かって吹き出す方法、乾燥炉の熱風を第1の塗布膜に直接供給する方法等が挙げられる。その中でも、第1の塗布膜表面における熱風の速度を制御しやすくなる観点から、スリットノズルを用いる方法が好ましい。
なお、第2の乾燥工程を経る場合、第2の乾燥工程において、第2の塗布膜形成工程で形成された第2の塗布膜を乾燥させる。第2の塗布膜を乾燥させる方法は、第1の塗布膜を乾燥させる方法と同様である。第2の乾燥工程は、第1の塗布膜形成工程が行われる前に完了していてもよく、第2の乾燥工程が完了する前に第1の塗布膜形成工程が行われ、第1の乾燥工程が第2の乾燥工程の一部を兼ねていてもよい。
(焼成工程)
前記のように、無端ベルトの製造方法は、第1の焼成工程を経るものであってもよい。第1の焼成工程では、第1の乾燥工程によって乾燥された第1の塗布膜を加熱することで焼成する。例えば第1の樹脂がポリイミド樹脂である場合、第1の焼成工程によって第1の塗布膜に含まれるポリアミック酸がイミド化され、ポリイミドが得られる。
第1の焼成工程における加熱温度は、例えば150℃以上450℃以下の範囲が挙げられ、200℃以上430℃以下の範囲が好ましい。また、第1の焼成工程における加熱時間は、例えば20分間以上180分間以下の範囲が挙げられ、60分間以上150分以下の範囲が好ましい。
なお、積層体である無端ベルトを製造する場合において、第2の塗布液調製工程、第2の塗布膜形成工程、及び第2の乾燥工程を経て第2の層を形成する場合、第2の乾燥工程によって乾燥された第2の塗布膜を焼成する第2の焼成工程を経てもよい。第2の焼成工程は、第1の焼成工程を兼ねたものであってもよい。
[転写装置、画像形成装置]
本実施形態に係る転写装置は、中間転写体と、像保持体の表面に形成されたトナー像を中間転写体の表面に一次転写する一次転写手段と、中間転写体の表面に転写されたトナー像を記録媒体の表面に二次転写する二次転写手段と、を備え、中間転写体として前述の無端ベルトを用いる。
本実施形態に係る画像形成装置は、像保持体と、前記像保持体の表面を帯電する帯電装置と、帯電した前記像保持体の表面に静電潜像を形成する静電潜像形成装置と、トナーを含む現像剤を収容し、前記現像剤により、前記像保持体の表面に形成された静電潜像を現像してトナー像を形成する現像装置と、前記トナー像を記録媒体の表面に転写する転写装置と、を備え、転写装置として前述の転写装置を用いる。
以下、本実施形態に係る画像形成装置の一例について図面を参照しつつ説明する。
図1は、本実施形態に係る画像形成装置の構成を示した概略構成図である。
なお、中間転写ベルトとして前述の無端ベルトが適用されている。
また、本実施形態に係る画像形成装置において、例えば、転写装置を少なくとも含む部分が、画像形成装置に対して着脱されるカートリッジ構造(プロセスカートリッジ)であってもよい。
本実施形態に係る画像形成装置100は、図1に示すように、例えば、一般にタンデム型と呼ばれる中間転写方式の画像形成装置であって、電子写真方式により各色成分のトナー像が形成される複数の画像形成ユニット1Y、1M、1C、1Kと、各画像形成ユニット1Y、1M、1C、1Kにより形成された各色成分トナー像を中間転写ベルト15に順次転写(一次転写)させる一次転写部10(つまり、一次転写領域)と、中間転写ベルト15上に転写された重畳トナー像を記録媒体である用紙Kに一括転写(二次転写)させる二次転写部20(つまり、二次転写領域)と、二次転写された画像を用紙K(記録媒体の一例)上に定着させる定着装置60と、を備えている。また、画像形成装置100は、各装置(各部)の動作を制御する制御部40を有している。
画像形成装置100の各画像形成ユニット1Y,1M,1C,1Kは、表面に形成されるトナー像を保持する像保持体の一例として、矢印A方向に回転する感光体11(像保持体の一例)を備えている。
感光体11の周囲には、帯電装置の一例として、感光体11を帯電させる帯電器12が設けられ、静電潜像形成装置の一例として、感光体11上に静電潜像を書込むレーザ露光器13(図中露光ビームを符号Bmで示す)が設けられている。
また、感光体11の周囲には、現像装置の一例として、各色成分トナーが収容されて感光体11上の静電潜像をトナーにより可視像化する現像器14が設けられ、感光体11上に形成された各色成分トナー像を一次転写部10にて中間転写ベルト15に転写する一次転写ロール16が設けられている。
更に、感光体11の周囲には、感光体11上の残留トナーが除去される感光体クリーナ17が設けられ、帯電器12、レーザ露光器13、現像器14、一次転写ロール16及び感光体クリーナ17の電子写真用デバイスが感光体11の回転方向に沿って順次配設されている。これらの画像形成ユニット1Y,1M,1C,1Kは、中間転写ベルト15の上流側から、イエロー(Y)、マゼンタ(M)、シアン(C)、ブラック(K)の順に、略直線状に配置されている。
中間転写体である中間転写ベルト15は、体積抵抗率が例えば1×10Ωcm以上1×1014Ωcm以下となるように形成されており、その厚みは、例えば0.1mm程度に構成されている。
中間転写ベルト15は、各種ロールによって図1に示すB方向に目的に合わせた速度で循環駆動(回転)されている。この各種ロールとして、定速性に優れたモータ(不図示)により駆動されて中間転写ベルト15を回転させる駆動ロール31、各感光体11の配列方向に沿って略直線状に延びる中間転写ベルト15を支持する支持ロール32、中間転写ベルト15に対して張力を与えると共に中間転写ベルト15の蛇行を防止する補正ロールとして機能する張力付与ロール33、二次転写部20に設けられる背面ロール25、中間転写ベルト15上の残留トナーを掻き取るクリーニング部に設けられるクリーニング背面ロール34を有している。
一次転写部10は、中間転写ベルト15を挟んで感光体11に対向して配置される一次転写ロール16で構成されている。そして、一次転写ロール16は中間転写ベルト15を挟んで感光体11に圧接配置され、更に一次転写ロール16にはトナーの帯電極性(マイナス極性とする。以下同様。)と逆極性の電圧(一次転写バイアス)が印加されるようになっている。これにより、各々の感光体11上のトナー像が中間転写ベルト15に順次、静電吸引され、中間転写ベルト15上において重畳されたトナー像が形成されるようになっている。
二次転写部20は、背面ロール25と、中間転写ベルト15のトナー像保持面側に配置される二次転写ロール22と、を備えて構成されている。
背面ロール25は、表面抵抗率が1×10Ω/□以上1×1010Ω/□以下となるように形成され、硬度は、例えば、70°(アスカーC:高分子計器社製、以下同様。)に設定される。この背面ロール25は、中間転写ベルト15の裏面側に配置されて二次転写ロール22の対向電極を構成し、二次転写バイアスが安定的に印加される金属製の給電ロール26が接触配置されている。
一方、二次転写ロール22は、体積抵抗率が107.5Ωcm以上108.5Ωcm以下の円筒ロールである。そして、二次転写ロール22は中間転写ベルト15を挟んで背面ロール25に圧接配置され、更に二次転写ロール22は接地されて背面ロール25との間に二次転写バイアスが形成され、二次転写部20に搬送される用紙K上にトナー像を二次転写する。
なお、二次転写部20における用紙Kの搬送速度としては、例えば50mm/s以上60mm/s以下の範囲が挙げられる。
また、中間転写ベルト15の二次転写部20の下流側には、二次転写後の中間転写ベルト15上の残留トナーや紙粉を除去し、中間転写ベルト15の表面をクリーニングする中間転写ベルトクリーナ35が接離自在に設けられている。
なお、中間転写ベルト15、一次転写部10(一次転写ロール16)、及び二次転写部20(二次転写ロール22)が、転写装置の一例に該当する。
一方、イエローの画像形成ユニット1Yの上流側には、各画像形成ユニット1Y,1M,1C,1Kにおける画像形成タイミングをとるための基準となる基準信号を発生する基準センサ(ホームポジションセンサ)42が配設されている。また、黒の画像形成ユニット1Kの下流側には、画質調整を行うための画像濃度センサ43が配設されている。この基準センサ42は、中間転写ベルト15の裏側に設けられたマークを認識して基準信号を発生しており、この基準信号の認識に基づく制御部40からの指示により、各画像形成ユニット1Y,1M,1C,1Kは画像形成を開始するように構成されている。
更に、本実施形態に係る画像形成装置では、用紙Kを搬送する搬送手段として、用紙Kを収容する用紙収容部50、この用紙収容部50に集積された用紙Kを予め定められたタイミングで取り出して搬送する給紙ロール51、給紙ロール51により繰り出された用紙Kを搬送する搬送ロール52、搬送ロール52により搬送された用紙Kを二次転写部20へと送り込む搬送ガイド53、二次転写ロール22により二次転写された後に搬送される用紙Kを定着装置60へと搬送する搬送ベルト55、用紙Kを定着装置60に導く定着入口ガイド56を備えている。
次に、本実施形態に係る画像形成装置の基本的な作像プロセスについて説明する。
本実施形態に係る画像形成装置では、図示しない画像読取装置や図示しないパーソナルコンピュータ(PC)等から出力される画像データは、図示しない画像処理装置により画像処理が施された後、画像形成ユニット1Y,1M,1C,1Kによって作像作業が実行される。
画像処理装置では、入力された反射率データに対して、シェーディング補正、位置ズレ補正、明度/色空間変換、ガンマ補正、枠消しや色編集、移動編集等の各種画像編集等の画像処理が施される。画像処理が施された画像データは、Y、M、C、Kの4色の色材階調データに変換され、レーザ露光器13に出力される。
レーザ露光器13では、入力された色材階調データに応じて、例えば半導体レーザから出射された露光ビームBmを画像形成ユニット1Y,1M,1C,1Kの各々の感光体11に照射している。画像形成ユニット1Y,1M,1C,1Kの各感光体11では、帯電器12によって表面が帯電された後、このレーザ露光器13によって表面が走査露光され、静電潜像が形成される。形成された静電潜像は、各々の画像形成ユニット1Y,1M,1C,1Kによって、Y、M、C、Kの各色のトナー像として現像される。
画像形成ユニット1Y,1M,1C,1Kの感光体11上に形成されたトナー像は、各感光体11と中間転写ベルト15とが接触する一次転写部10において、中間転写ベルト15上に転写される。より具体的には、一次転写部10において、一次転写ロール16により中間転写ベルト15の基材に対しトナーの帯電極性(マイナス極性)と逆極性の電圧(一次転写バイアス)が付加され、トナー像を中間転写ベルト15の表面に順次重ね合わせて一次転写が行われる。
トナー像が中間転写ベルト15の表面に順次一次転写された後、中間転写ベルト15は移動してトナー像が二次転写部20に搬送される。トナー像が二次転写部20に搬送されると、搬送手段では、トナー像が二次転写部20に搬送されるタイミングに合わせて給紙ロール51が回転し、用紙収容部50から目的とするサイズの用紙Kが供給される。給紙ロール51により供給された用紙Kは、搬送ロール52により搬送され、搬送ガイド53を経て二次転写部20に到達する。この二次転写部20に到達する前に、用紙Kは一旦停止され、トナー像が保持された中間転写ベルト15の移動タイミングに合わせて位置合わせロール(不図示)が回転することで、用紙Kの位置とトナー像の位置との位置合わせがなされる。例えば、用紙Kとしてエンボス紙等の表面に凹凸を有する紙を用いた場合であっても、用紙Kへの良好な転写性が得られる。
二次転写部20では、中間転写ベルト15を介して、二次転写ロール22が背面ロール25に加圧される。このとき、タイミングを合わせて搬送された用紙Kは、中間転写ベルト15と二次転写ロール22との間に挟み込まれる。その際に、給電ロール26からトナーの帯電極性(マイナス極性)と同極性の電圧(二次転写バイアス)が印加されると、二次転写ロール22と背面ロール25との間に転写電界が形成される。そして、中間転写ベルト15上に保持された未定着トナー像は、二次転写ロール22と背面ロール25とによって加圧される二次転写部20において、用紙K上に一括して静電転写される。
その後、トナー像が静電転写された用紙Kは、二次転写ロール22によって中間転写ベルト15から剥離された状態でそのまま搬送され、二次転写ロール22の用紙搬送方向下流側に設けられた搬送ベルト55へと搬送される。搬送ベルト55では、定着装置60における最適な搬送速度に合わせて、用紙Kを定着装置60まで搬送する。定着装置60に搬送された用紙K上の未定着トナー像は、定着装置60によって熱及び圧力で定着処理を受けることで用紙K上に定着される。そして定着画像が形成された用紙Kは、画像形成装置の排出部に設けられた排紙収容部(不図示)に搬送される。
一方、用紙Kへの転写が終了した後、中間転写ベルト15上に残った残留トナーは、中間転写ベルト15の回転に伴ってクリーニング部まで搬送され、クリーニング背面ロール34及び中間転写ベルトクリーナ35によって中間転写ベルト15上から除去される。
以上、本実施形態について説明したが、上記実施の形態に限定的に解釈されるものではなく、種々の変形、変更、改良が可能である。
以下、本発明の実施例について説明するが、本発明は以下の実施例に限定されるものではない。なお、以下の説明において、特に断りのない限り、「部」及び「%」はすべて質量基準である。
[実施例1]
―塗布液の調製―
3,3’,4,4’-ビフェニルテトラカルボン酸二無水物と4,4’-ジアミノジフェニルエーテルとからなるポリアミック酸のN-メチル-2-ピロリドン(NMP)溶液(イミド転化後の固形分率が18質量%)に、カーボンブラック粒子(チャンネルブラック、FW200、オリオンエンジニアドカーボン社製)をポリアミック酸の固形分100質量部に対して19.0質量部になるよう添加し、混合・攪拌することにより、カーボンブラック分散ポリイミド前駆体溶液である塗布液1を調製した。
-中間転写ベルトの作製-
外径278mm、長さ600mmのアルミニウム製円筒体を用意した。
上記アルミニウム製円筒体の外面に、アルミニウム製円筒体を回転させながら、ディスペンサーを介して、500mmの幅で塗布液1を吐出し、膜厚80μmの塗布膜を形成した。
その後、塗布膜が形成されたアルミニウム製円筒体を水平にしたまま、140℃で30分間加熱乾燥させ、その後最高温度が320℃となるように120分加熱することで無端ベルトを得た。
その後、無端ベルトの軸方向中央部を363mmの幅にカットし、中間転写ベルト1を得た。
[実施例2]
塗布液の調製において、カーボンブラック粒子の添加量を19.0質量部から17.5質量部に変更した以外は、実施例1と同様にして、中間転写ベルト2を得た。
[実施例3]
塗布液の調製において、カーボンブラック粒子の添加量を19.0質量部から20.0質量部に変更した以外は、実施例1と同様にして、中間転写ベルト3を得た。
[実施例4]
塗布液の調製において、カーボンブラック粒子(FW200)を19.0質量部添加する代わりに、カーボンブラック粒子(チャンネルブラック、FW285、オリオンエンジニアドカーボン社製)を14.0質量部添加した以外は、実施例1と同様にして、中間転写ベルト4を得た。
[実施例5]
塗布液の調製において、カーボンブラック粒子(FW200)を19.0質量部添加する代わりに、カーボンブラック粒子(チャンネルブラック、FW182、オリオンエンジニアドカーボン社製)を14.0質量部添加した以外は、実施例1と同様にして、中間転写ベルト5を得た。
[実施例6]
塗布液の調製において、カーボンブラック粒子の添加量を19.0質量部から20.1質量部に変更した以外は、実施例1と同様にして、中間転写ベルト6を得た。
[実施例7]
塗布液の調製において、カーボンブラック粒子の添加量を19.0質量部から17.4質量部に変更した以外は、実施例1と同様にして、中間転写ベルト7を得た。
[比較例1]
塗布液の調製において、カーボンブラック粒子(FW200)を19.0質量部添加する代わりに、カーボンブラック粒子(チャンネルブラック、Special Black 4、オリオンエンジニアドカーボン社製)を27.5質量部添加した以外は、実施例1と同様にして、中間転写ベルトC1を得た。
[中間転写ベルトの測定]
得られた中間転写ベルトについて、それぞれ、前述の方法で外周面の表面抵抗率の常用対数値x(logΩ/□)及び体積抵抗率の常用対数値y(logΩ・cm)を求めた。結果を表1に示す。
また、無端ベルトの層構成、用いたカーボンブラック粒子の個数平均一次粒径(nm)、及び用いたカーボンブラック粒子のpHを併せて表1に示す。
また、得られた中間転写ベルトについて、前述の方法で導電性粒子(カーボンブラック粒子)の個数平均二次粒径Rを求め、個数平均一次粒径rとの比(R/r)を算出した。結果を表1に示す。
[中間転写ベルトの評価]
<凹凸紙への転写性評価>
得られた中間転写ベルトを、画像形成装置(IridesseTM Production Press、富士ゼロックス社製)に内蔵の中間転写ベルトに貼り付け、画質評価を実施した。
画質評価にはエンボス紙(レザック66、250gsm)を用い、K色(すなわち黒色)ハーフトーン60%のベタ画像で評価した。評価基準は以下のとおりであり、結果を表1に示す。
-評価基準-
A:用紙の凹部での白抜けほとんど無し
B:用紙の凹部でやや白抜けしている
C:用紙の凹部で約半分白抜けしている
D:用紙の凹部で殆ど白抜けしている
前記表1に示す結果から、本実施例のベルトは、比較例のベルトに比べ、表面凹凸が大きい記録媒体を用いても、転写性に優れることがわかる。
1Y,1M,1C,1K 画像形成ユニット
10 一次転写部
11 感光体
12 帯電器
13 レーザ露光器
14 現像器
15 中間転写ベルト
16 一次転写ロール
17 感光体クリーナ
20 二次転写部
22 二次転写ロール
25 背面ロール
26 給電ロール
31 駆動ロール
32 支持ロール
33 張力付与ロール
34 クリーニング背面ロール
35 中間転写ベルトクリーナ
40 制御部
42 基準センサ
43 画像濃度センサ
50 用紙収容部
51 給紙ロール
52 搬送ロール
53 搬送ガイド
55 搬送ベルト
56 定着入口ガイド
60 定着装置
100 画像形成装置
K 用紙

Claims (12)

  1. イミド系樹脂と導電性粒子とを含む層であって、印加電圧100V、印加時間3秒、荷重1kgの条件で環状プローブを用いて測定した外周面の表面抵抗率の常用対数値をx(logΩ/□)とし、印加電圧100V、印加時間5秒、荷重1kgの条件で環状プローブを用いて測定した体積抵抗率の常用対数値をy(logΩ・cm)としたとき、y/xの値が0.9500以上1.0157以下である層の単層体又は前記層を最外層に有する積層体である無端ベルト。
  2. 前記導電性粒子の個数平均一次粒径は、10nm以上20nm以下である請求項1に記載の無端ベルト。
  3. 前記導電性粒子の個数平均一次粒径は、10nm以上15nm以下である請求項2に記載の無端ベルト。
  4. 前記導電性粒子は、pHが2.0以上3.0以下のカーボンブラックである請求項1~請求項3のいずれか1項に記載の無端ベルト。
  5. 前記カーボンブラックはチャンネルブラックである請求項4に記載の無端ベルト。
  6. 前記xの値は、9.0以上13.0以下である請求項1~請求項5のいずれか1項に記載の無端ベルト。
  7. 前記yの値は、8.2以上13.0以下である請求項1~請求項5のいずれか1項に記載の無端ベルト。
  8. 前記イミド系樹脂は、ポリイミド樹脂である請求項1~請求項7のいずれか1項に記載の無端ベルト。
  9. 前記導電性粒子の個数平均二次粒径は、前記導電性粒子の個数平均一次粒径の1倍以上8倍以下である請求項1~請求項8のいずれか1項に記載の無端ベルト。
  10. 単層体である請求項1~請求項9のいずれか1項に記載の無端ベルト。
  11. 請求項1~請求項10のいずれか1項に記載の無端ベルトである中間転写体と、
    像保持体の表面に形成されたトナー像を前記中間転写体の表面に一次転写する一次転写手段と、
    前記中間転写体の表面に転写された前記トナー像を記録媒体の表面に二次転写する二次転写手段と、
    を備える転写装置。
  12. 像保持体と、
    前記像保持体の表面を帯電する帯電装置と、
    帯電した前記像保持体の表面に静電潜像を形成する静電潜像形成装置と、
    トナーを含む現像剤を収容し、前記現像剤により、前記像保持体の表面に形成された静電潜像を現像してトナー像を形成する現像装置と、
    前記トナー像を記録媒体の表面に転写する請求項11に記載の転写装置と、
    を備える画像形成装置。
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