JP2007078789A - 中間転写ベルト - Google Patents

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Abstract

【課題】 2次転写時に中間転写ベルトと記録媒体との間で剥離放電を発生させないようにして画像欠陥のないトナー画像を安定して形成することが可能な中間転写ベルトを提供する。
【解決手段】 基材上に少なくとも表面層を有する中間転写ベルトであり、表面層中に金属被覆した樹脂微粒子を含有する中間転写ベルト。
【選択図】 図1

Description

本発明は、電子写真方式の画像形成装置に用いられる中間転写ベルトに関する。
電子写真方式の画像形成装置は、オフィス向けの複写機、プリンタに加えて、最近では、軽印刷と呼ばれる印刷分野にまで普及し、版をおこさずに数千枚レベルのプリントを短時間で行えるというメリットから注目されるようになってきた。
電子写真方式の画像形成方法の1つに、感光体上に形成されたトナー画像を転写中間体上に転写し、転写中間体より記録媒体上に2次転写を行う工程を経て画像形成を行うものがある。そして、中間転写体の実施形態の1つに、樹脂製の無端ベルトを用いた中間転写ベルトがあり、良好な転写性能を発現させるために、中間転写ベルトの改良がこれまでも進められてきた。
例えば、高い撥水性を付与し、かつ、トナーと逆極性の摩擦帯電性を発現する材料を中間転写ベルトの表面に用いることにより、虫食い版画と呼ばれる局所的な転写不良の発生をなくして安定した転写を行えるようにした技術がある(例えば、特許文献1参照)。また、導電性フィラーを含有する層とシリコーン樹脂を含有する表面層を設けることにより、長期にわたりトナー離型性を維持させるとともに、引張強度を向上できるようにした技術が開示されている(例えば、特許文献2参照)。
また、最近では、デジタル化の進展に対応して高精細なトナー画像を精度よく転写できるように、中間転写ベルト表面領域の性能を向上させる技術が検討されている。具体的には、表面層に導電剤を含有させた中間転写ベルト(例えば、特許文献3参照)や電子受容性あるいは電子供与性の原子団を有するカップリング剤を表面層に含有する中間転写ベルト(例えば、特許文献4参照)などが挙げられる。
ところで、中間転写ベルト上のトナー像を記録部材に転写した後、記録部材を中間転写ベルトから剥離するときに剥離放電と呼ばれる現象が発生することがある。これは、中間転写ベルト側と紙側のギャップ間に電位差が生じて両者間に電界が形成されて放電を起こすもので、トナー画像上に白抜けと呼ばれる数ミリレベルの大きさの画像欠陥を発生させる。
すなわち、中間転写ベルトより記録紙を剥離するとき、残存電荷とトナー電荷が共存することにより、中間転写ベルトと記録紙間の空隙に電界が形成される。一方、空隙における耐電圧値はPaschenの法則により規定されるが、空隙に耐電圧値以上の電界が形成されると、電荷がリークして耐電圧値以下になろうとする。この電荷のリークが放電となってあらわれる結果、トナー画像に乱れを発生させることになる。放電が発生した個所では適正なトナーの転写が行えず、白抜けなどの画像欠陥を発生させることになる。
このような画像欠陥を防止する方法の1つとして、前述の特許文献3の様に、中間転写ベルト表面層にカーボンブラック等の導電性微粒子を添加して転写電圧による抵抗低下をなくすことで画像欠陥の発生を抑制しようとする方法が検討された。しかしながら、前述した軽印刷のように、数千枚レベルのプリント作成を短時間で行うケースでは、2次転写を連続的に行うために導電性微粒子を添加しても剥離放電による画像欠陥の発生を十分に防ぐことができなかった。この様に、数千枚レベルの大量プリントを連続で行うような画像形成条件下でも剥離放電による画像欠陥を発生させずにプリント作成が行える中間転写ベルトが求められていた。
特開平9−230714号公報 特開平9−269676号公報 特開2001−242725号公報 特開2002−328535号公報
本発明は、2次転写を行った後、剥離放電に基づく集中放電に起因する白抜けなどの画像欠陥や画質低下を発生させない中間転写ベルトを提供することを目的とする。
特に、連続で5000枚以上のプリント作成を行う場合など、大量の画像形成を行ったときに剥離放電を起こさず、画像欠陥のないトナー画像が得られる中間転写ベルトを提供することを目的とする。
本発明の課題は、以下に記載の構成により達成される。
(1)
基材上に少なくとも表面層を有する中間転写ベルトであって、
該表面層が、金属被覆した樹脂微粒子を含有することを特徴とする中間転写ベルト。
(2)
前記金属被覆した樹脂微粒子の平均粒径が0.5μm以上50.0μm以下であることを特徴とする前記(1)に記載の中間転写ベルト。
(3)
前記表面層における表面エネルギーが30mN/m以下であることを特徴とする前記(1)または(2)に記載の中間転写ベルト。
本発明では、金属を被覆した樹脂微粒子を中間転写ベルト表面層に含有させることにより、中間転写ベルト表面に放電可能な領域が形成されたためと推測されるが、2次転写のときに中間転写ベルトと紙との間で集中放電が発生しなくなった。その結果、中間転写ベルトより記録紙上に転写されたトナー画像上に白抜けが発生しなくなり、画像欠陥のない良好なトナー画像を安定して形成できるようになった。
とりわけ、本発明では、連続で5000枚以上のプリント作成を行う様な場合でも、2次転写による局所的な剥離放電を起こさないので、画像欠陥のない良好な画像形成を長期にわたり安定して行えるようになった。その結果、数千枚レベルのプリント作成を短時間で行う軽印刷分野で良好な品質のプリント物を安定して提供できるようになった。
本発明は、金属被覆した樹脂微粒子を表面層に含有する中間転写ベルトに関する。
本発明では、中間転写ベルトの表面層に金属被覆した樹脂微粒子を含有させることにより、剥離放電による画像欠陥の発生をなくした。これは、金属被覆した樹脂微粒子を分散含有させることで、中間転写ベルト上に放電可能な領域が多く形成され、中間転写ベルトと記録紙との間に電界が形成されにくくなったためと推測される。また、電荷の移動が微粒子表面の金属被覆領域のみで行われるようになったため、仮に中間転写ベルト表面に電界が形成されても電荷が迅速に消失できるようになったことも推測される。
従来技術でも中間転写ベルト表面層にカーボンブラックなどの導電性粒子を添加する技術があるが、集中放電を緩和させるための適度な導電性領域を均一に確保することができず、白抜けなどの画像欠陥の発生を抑止することができなかったものと推測される。
以下、本発明について説明する。
最初に、本発明に係る中間転写ベルトについて説明する。
本発明に係る中間転写ベルトは、基材上に表面層を有するいわゆる多層構造のもので、表面層に前述した金属被覆した樹脂微粒子を含有するものである。また、本発明では中間転写ベルトを多層構造とすることにより、単一の材料構成では得られない可撓性と剛性をバランスよく発現することも可能である。なお、本発明では前述の基材のことを基材層ともいう。
本発明に係る中間転写ベルト2の一例を図1に示す。図1(a)は、表面層21と基材層23とからなる2層構造の中間転写ベルト2で、図1(b)は、基材層23上に中間層24を有し、中間層24上に表面層21を有する3層構造の中間転写ベルト2である。また、図1(c)は、基材層23の外側に2つの中間層24、25を有し、中間層25の外側に表面層21を有する4層構造の中間転写ベルト2である。
次に、表面層21に含有される金属被覆した樹脂微粒子(以下、導電性微粒子ともいう)について説明する。
本発明に使用される導電性微粒子は、樹脂微粒子表面に金属の薄層を被覆したもので、この金属層は、樹脂微粒子表面よりみだりに剥離することのない良好な密着性が要求される。良好な密着性を得るための方法として、例えば、表面を多孔質化した樹脂微粒子や、酸やアルカリによるエッチング処理を施した樹脂微粒子を用いて金属層の被覆を行う方法や、樹脂微粒子表面に金属をメッキする方法が挙げられる。
この中でも、特開平8−311655号公報や特開2001−247974号公報等に開示される無電界メッキによる導電性微粒子の作製方法は、多孔質化や表面性改質といった処理を行わずに良好な密着性が得られるので好ましい。
本発明に使用可能な導電性微粒子を構成する上記樹脂微粒子材料としては、金属層を被覆する時に使用する水溶性有機溶剤や無電解メッキ液に溶解することなく、せいぜい若干の膨潤が起こる程度の樹脂材料が使用される。具体的には、架橋構造を形成する樹脂材料が特に好ましい。
架橋構造の樹脂材料を形成する重合性単量体としては、例えば、ジビニルベンゼン、ヘキサトリエン、ジビニルエーテル、ジビニルスルホン、ジアリルカルビノール、アルキレンジアクリレート、オリゴ又はポリアルキレングリコールジアクリレート、オリゴ又はポリアルキレングリコールジメタクリレート、アルキレントリアクリレート、アルキレンテトラアクリレート、アルキレントリメタクリレート、アルキレンテトラメタクリレート、アルキレンビスアクリルアミド、アルキレンビスメタクリルアミド、両末端アクリル変性ポリブタジエンオリゴマー等を単独又は他の重合性単量体と重合させて得られる網状重合体;フェノールホルムアルデヒド樹脂、メラミンホルムアルデヒド樹脂、ベンゾグアナミンホルムアルデヒド樹脂、尿素ホルムアルデヒド樹脂等の熱硬化性樹脂等が挙げられる。
上記架橋構造を有する重合体の合成方法は特に限定されず、例えば、懸濁重合法、乳化重合法、シード重合法、分散重合法等の公知の合成方法を適宜選択することで形成可能である。また、上記架橋構造を形成する樹脂材料の他に、ポリスチレン、ポリスチレン共重合体、ポリアクリル酸エステル、ポリアクリル酸エステル共重合体少なくとも一種を含有した樹脂粒子も使用可能である。
本発明に使用可能な樹脂微粒子の粒子径は、0.5〜50.0μm、好ましくは、0.5〜25.0μmである。樹脂微粒子粒径がこの範囲内にあると、樹脂微粒子にメッキ処理を施した時に生ずる導電性微粒子の凝集粒子を単粒子化し易く、また、中間転写ベルト表面層に充填した時に導電層がひび割れすることなく、適度な耐久性が長期間安定維持される。また、樹脂粒子の形状は球状が特に好ましいが、これに限定されるものではなく、また、粒子内部が中空状のものも使用可能である。
本発明に係る中間転写ベルトの表面層に含有される金属被覆した樹脂微粒子の平均粒径は、以下のようにして測定する。すなわち、走査型電子顕微鏡(SEM)を用いて写真撮影を行い、撮影された画像情報を画像処理装置「ルーゼックスF」(ニレコ社製)で演算処理して平均粒径を算出する。
「ルーゼックスF」による演算処理により、撮影された樹脂微粒子の等価円相当径(撮影された粒子と同じ投影面積を有する円の直径のこと)が算出され、10個以上の樹脂微粒子の測定結果より平均粒径が算出される。
また、走査型電子顕微鏡(SEM)による測定は、中間転写ベルトを導電性両面テープで導電性試料台(接地済み)上に固定し、固定された中間転写ベルト表面側より電子線を照射することにより行われる。たとえば、「走査型電子顕微鏡 S−3500N(日立製作所(株)製)」を用いた場合の測定条件は以下のとおりである。すなわち、
真空モード:低真空モード
加速電圧 :5kV
倍率 :250倍
電子照射開始から撮影開始までの時間:3分
試料 :スパッタ処理なし
試料台 :アルミニウム製、接地状態
その他 :スケールバーを使用して撮影
本発明に係る中間転写ベルトの表面層に含有される金属被覆した樹脂微粒子の平均粒径を上記範囲内にすることで、剥離放電による画像上への白抜けの発生やトナーのすりぬけによるクリーニング不良や画像あれを発生させることのない安定した画像形成が行える。
また、本発明に係る中間転写ベルトの表面層に含有される金属被覆した樹脂微粒子の量は、単位面積あたり20個〜80個であり、好ましくは、30個〜70個である。単位面積あたりの添加量も上記走査型電子顕微鏡観察により確認される。
本発明に係る中間転写ベルトの表面層に含有される金属被覆した樹脂粒子の含有量を上記範囲にすることにより、中間転写ベルトは導電性を適度に保持できるようになって環境からの影響が受けにくくなって安定した画像形成を行うことができる。本発明に係る中間転写ベルトによれば、高温高湿環境下で画像形成を行ったときにトナー画像上に白抜けが発生しにくくなり、また、低温低湿環境下で転写不良や転写率が低下することなく安定した画像形成を行える。
樹脂微粒子表面に被膜可能な金属としては、特に限定されず、例えば、Au、Ag、Co、Ni、Pd、Pt、Sn等が挙げられる。これらの金属は、合金であってもよく、2種以上の複層被覆であってもよい。
上記金属層の厚みは、好ましくは5〜100nm、より好ましくは10〜80nmであり、この時に十分な導電性が発現されることにより本発明の課題をより効果的に解消することが可能になる。
中間転写ベルト2を構成する表面層21は、前述した導電性微粒子22を分散させた構造を有する。また、表面層21には、導電性微粒子22の他に低表面エネルギーの結着樹脂が含有され、中間転写ベルト2上の表面エネルギーを低くすることによりベルトからのトナー画像の離れを促進させている。その結果、2次転写時に中間転写ベルトから記録媒体へのトナー画像の転写性が促進されて、記録媒体上には高画質のトナー画像が得られる。低表面エネルギーを有する材料としては、例えば、フッ素系材料、シリコン系材料、あるいはこれらを主成分とする材料、フッ素樹脂粉末、シリコーン樹脂、シリコンオイル成分を分散してなる材料等が挙げられる。
この中でも、シリコーン樹脂を用いて形成した表面層21が好ましい。表面層21の形成に使用されるシリコーン樹脂は、特に限定されるものではないが、通常、作業効率から液状のシリコーン樹脂が好ましく、n−ヘキサン等の有機溶剤を含有したものや有機溶媒を使用しない反応型のものが挙げられる。また、特にハードタイプの一液または二液の硬化型のシリコーン樹脂が好ましい。なかでも、加熱硬化型シリコーン樹脂(メチル系)や室温硬化型シリコーン樹脂が好適である。
以下に、本発明に係る中間転写ベルト2の表面層21に使用可能な硬化型シリコーン樹脂の硬化反応例を示す。
Figure 2007078789
なお、表面層21に導電性微粒子22が含有されていることは、透過型電子顕微鏡(TEM;Transmission Electron Microscope)あるいは走査型電子顕微鏡(SEM;Scanning Electron Microscope)測定により確認することが可能である。
次に、中間転写体2を構成する基材層23について説明する。基材層23は、テンションロールへの張架で生ずる張力により発生する伸びやクリーニングブレードとの接触など、中間転写ベルト2に加わる負荷によるベルトの変形を回避し、転写部への影響を低減させる剛性を有するものである。基材層23は、ヤング率が200MPa(200kg/mm2)以上となる材料を用いて形成することが好ましく、300MPa(300kg/mm2)以上の材料がより好ましい。
ベルト材料(ベルト状の基材に用いられる材料)のヤング率とベルト駆動時の外乱(負荷変動)によるベルトの変位量との関係は、下記式(2)で表すことができる。
式(2) ΔL=P・L・α/(t・w・E)
ここで、ΔL:ベルトの変位量(μm)
P:負荷 (N)
L:2本のテンションロール間のベルトの長さ(mm)
α:係数
t:ベルト厚み(mm)
w:ベルト幅(mm)
E:ベルト材料のヤング率(N/mm2)を表す。
ベルト駆動時の外乱(負荷変動)によるベルトの伸び・縮み(変位量)は、ベルト材料のヤング率と厚みに逆比例する。すなわち、高ヤング率のベルト材料を用いると、ベルト駆動時の外乱(負荷変動)によるベルトの変位量が少なくなり、駆動時の応力に対するベルト変形が小さくなり、良好な画質が安定して得られる。この様な性能を発現する材料として、例えば、ポリカーボネート、ポリフェニレンサルファイド(PPS)、PVDF(ポリフッ化ビニリデン)、ポリイミド、PEEK(ポリエーテル・エ−テルケトン)等の樹脂材料が挙げられる。これらの樹脂材料ではヤング率が200MPa(200kg/mm2)を超えるものであり、厚み100〜150μmで、ベルト基材としての機械特性を満足する。
また、基材層23に使用される材料は、例えば、ポリイミド、ポリエステル、ポリエーテルエーテルケトン、ポリアミド、ポリフェニレンサルファイド、ポリカーボネート、ポリフッ化ビニリデン(PVDF)、ポリフロロエチレン−エチレン共重合体(ETFE)等の樹脂材料及びこれらを主原料としてなる樹脂材料が挙げられる。更に、前述の脂材料と弾性材料とをブレンドした材料を使用することも可能である。前記弾性材料としては、例えば、ポリウレタン、塩素化ポリイソプレン、NBR、クロロピレンゴム、EPDM、水素添加ポリブタジエン、ブチルゴム、シリコーンゴム等が挙げられる。これらは1種単独で使用してもよく、2種以上を併用してもよい。
この中でも、ポリイミド樹脂を含有することが好ましい。ポリイミド樹脂は、ポリイミド樹脂の前駆体であるポリアミック酸の加熱により形成される。また、ポリアミック酸は、テトラカルボン酸二無水物や、その誘導体とジアミンのほぼ等モル混合物を有機極性溶媒に溶解させ、溶液状態で反応させることにより得られる。
ポリアミック酸の調液に使用される芳香族テトラカルボン酸二無水物としては、ピロメリット酸、ナフタレン−1,4,5,8−テトラカルボン酸、ナフタレン−2,3,6,7−テトラカルボン酸、2,3,5,6−ビフェニルテトラカルボン酸、2,2’,3,3’−ビフェニルテトラカルボン酸、3,3’,4,4’−ビフェニルテトラカルボン酸、3,3’,4,4’−ジフェニルエーテルテトラカルボン酸、3,3’,4,4’−ベンゾフェノンテトラカルボン酸、3,3’,4,4’−ジフェニルスルホンテトラカルボン酸、3,3’,4,4’−アゾベンゼンテトラカルボン酸、ビス(2,3−ジカルボキシフェニル)メタン、ビス(3,4−ジカルボキシフェニル)メタン、β,β−ビス(3,4−ジカルボキシフェニル)プロパン、β,β−ビス(3,4−ジカルボキシフェニル)ヘキサフルオロプロパン等が挙げられる。
また、芳香族ジアミン成分としては、m−フェニルジアミン、p−フェニルジアミン、2,4−ジアミノトルエン、2,6−ジアミノトルエン、2,4−ジアミノクロロベンゼン、m−キシリレンジアミン、p−キシリレンジアミン、1,4−ジアミノナフタレン、1,5−ジアミノナフタレン、2,6−ジアミノナフタレン、2,4’−ジアミノナフタレビフェニル、ベンジジン、3,3−ジメチルベンジジン、3,3’−ジメトキシベンジジン、3,4’−ジアミノジフェニルエ−テル、4,4’−ジアミノジフェニルエーテル(オキシ−p,p’−ジアニリン;ODA)、4,4’−ジアミノジフェニルスルフィド、3,3’−ジアミノベンゾフェノン、4,4’−ジアミノフェニルスルホン、4,4’−ジアミノアゾベンゼン、4,4’−ジアミノジフェニルメタン、β,β−ビス(4−アミンフェニル)プロパン等が挙げられる。
さらに、ポリアミック酸の調液に使用される有機極性溶媒としては、例えば、N−メチル−2−ピロリドン、N,N−ジメチルアセトアミド、ジメチルスルホキシド、ヘキサメチルホスホルトリアミド等が挙げられる。これらの有機極性溶媒には、必要に応じて、クレゾ−ル、フェノ−ル、キシレノール等のフェノール類、ヘキサン、ベンゼン、トルエン等の炭化水素類を混合することができる。これらの有機極性溶媒を1種単独、あるいは2種類以上の混合物として使用することも可能である。
このようなポリアミック酸の中でも、特に、芳香族テトラカルボン酸二無水物と芳香族ジアミンとを反応して得られるポリアミック酸が好ましい。具体的には、ポリイミド樹脂材料として、DuPont(株)のカプトンHA等のポリピロメリット酸イミド系のイミド樹脂材料、宇部興産(株)のユーピレックスS等のポリビフェニルテトラカルボン酸イミド系樹脂材料、宇部興産(株)のユーピレックスR、三井東圧化学工業(株)のLARC−TPI(熱可塑性ポリイミド樹脂)等のポリベンゾフェノンテトラカルボン酸イミド酸系樹脂材料等が挙げられ、いずれも、ヤング率が300MPa(300kg/mm2)以上であり、厚み70〜150μmで、ベルト基材としての機械特性を満足させることができる。
また、本発明の中間転写体の基材に、例えば、宇部興産(株)のユーピレックスS等のポリビフェニルテトラカルボン酸イミド系樹脂材料にカーボンブラックを分散した材料を用いると、該材料のヤング率は、200MPa(200kg/mm2)以上であり、ベルトの厚み70〜100μmで、ベルト基材としての機械特性を満足させることができる。
なお、本発明では、基材層にポリイミド系樹脂を使用する場合、基材層におけるポリイミド系樹脂の含有率が51%以上であることが好ましい。
本発明に係る中間転写ベルトは、図1(b)や(c)に示すように、基材層23と表面層21との間に中間層を設けることも可能である。中間層24に使用可能な材料としては、塩化ビニル、酢酸ビニル、マレイン酸の共重合体樹脂や、ポリアミド樹脂などが挙げられる。具体的なポリアミド樹脂の例としては、N−メトキシメチル化ナイロン(以下「ナイロン8」と略す)、ナイロン12、共重合ナイロン等が挙げられる。本発明では、基材層23と表面層21との密着強度を向上させ、しかも、これらの層が相溶しないようにするために、中間層24を設けることは好ましい。
ポリアミド樹脂の溶剤としては、メタノール、エタノール等の単独溶剤またはそれら単独溶剤に水、トルエン等を混合させた混合溶剤、1−プロパノール、2−プロパノール等が用いられる。なかでも、ナイロン8とメタノール/水混合溶剤(メタノール/水=3/1)との組合せが好適である。
また、図1(c)のベルトのように2つの中間層を設けることも可能で、前述のポリアミド樹脂の中間層24に隣接させて第2の中間層25を設け、多層化により中間転写ベルトの強度がより増大する。第2の中間層25に使用可能な樹脂材料としては、前述したポリイミド樹脂やポリアミド樹脂の他に、フッ化ビニリデン−四フッ化エチレン共重合体、エチレン−四フッ化エチレン共重合体、ポリクロロトリフルオロエチレン、テトラフルオロエチレン−ヘキサフルオロプロピレン共重合体、テトラフルオロエチレン−パーフルオロアルキルビニルエーテル共重合体等のフッ素樹脂が挙げられる。
本発明に係る中間転写ベルトは、各層に導電性フィラーと呼ばれる導電性もしくは半導電性の微粉末を含有させることも可能である。使用可能な導電性フィラーとしては、例えば、カーボンブラック等の導電性粉末、アルミニウム粉末、ニッケル粉末、ステンレス粉末等の金属粉末、c−ZnO、c−TiO2、c−ZnO4、c−SnO2等の導電性金属酸化物、グラファイト、4級アンモニウム塩、リン酸エステル、スルホン酸塩、脂肪族多価アルコール、脂肪族アルコールサルフェート塩等のイオン性導電材等が挙げられる。これら導電性フィラーのなかでも、良好な分散安定性が得られるケッチェンブラック、アセチレンブラック等のカーボンブラックやc−TiO2、c−SnO2が好ましい。なお、上記「c−」は、導電性を有するという意味である。これらの導電性フィラーは、単独でもしくは2種以上を併せて用いられる。
本発明では、中間転写ベルトに導電性フィラーを含有させることにより、中間転写ベルトにおける抵抗率の調整や抵抗バラツキの抑制、さらには、表面層に含有させた導電性樹脂微粒子を補助して、転写電圧による電界集中の発生の抑制をより効果的に行える。
本発明に係る中間転写ベルトの製造方法は、特に限定されるものではないが、例えば、各層の形成材料およびその溶剤をそれぞれ適宜に配合し、ボールミル等で混練、攪拌して各コーティング液を調製する。このようにして調製したコーティング液の濃度は、層の厚みに応じて適宜に設定される。ついで、各コーティング液をそれぞれ槽に収容し、その一方でアルミニウム、ステンレス等の金属製の軸体を準備して、この軸体を基材層用のコーティング液が収容されている槽中に垂直に立てた状態で入れて浸漬させる。この時、浸漬を数回繰り返して所定の厚さの塗膜を形成させた後、コーティング液中から軸体を引き上げる。ついで、各層のコーティング液を用いて同様の操作を繰り返し、多層構造を形成する。次に、乾燥し溶剤を除去した後、加熱処理(例えば60〜150℃×60分間)を行い、軸体を抜き取って図1に示す無端状の中間転写ベルトを作製する。
この浸漬法による製法以外にも、押出成形法、スプレーコーティング法、インフレーション法、ブロー成形法等の方法により、中間転写ベルトを作製することが可能である。
また、特に、基材層にポリイミド樹脂を使用する場合は、例えば、全芳香族骨格を有するテトラカルボン酸二無水物とジアミン成分とを重合反応して得たポリアミド酸溶液を適宜な方式で展開し、その展開層を乾燥製膜してフィルム状に成形し、その成形物を加熱処理してポリアミド酸をイミドに転化する方法により基材層が得られる。そして、基材層上に他層を構成するコーティング液を順次浸漬、あるいは、スプレーコーティングして中間転写ベルトを作製する。
シームレスの中間転写ベルトを形成する場合、例えば、ポリアミド酸溶液を円筒状金型の外周面に浸漬する方式や、内周面に塗布する方式や更に遠心する方式、或いは注形型に充填する方式などの適宜な方式でリング状に展開し、その展開層を乾燥製膜してベル卜形に成形し、その成形物を加熱処理してポリアミド酸をイミドに転化して型より回収する方法などの従来に準じた適宜な方法により行うことができる(特開昭61−95361号公報、特開昭64−22514号公報、特開平3−180309号公報等)。シームレスベルトの形成に際しては、型の離型処理や脱泡処理などの適宜な処理を施すことができる。
本発明に係る中間転写ベルトは、ベルト表面の表面抵抗率が1×1010〜1×1014Ω/□であることが好ましい。表面抵抗率を上記範囲内にすることで、前述した導電性微粒子の作用によるポストニップ部(2次転写部で記録媒体と中間転写ベルトとが剥離する個所)での局所的な剥離放電の抑制を補助しているものと推測される。また、プレニップ部(2次転写部の記録媒体と中間転写体とが接触開始する個所)でも電界強度の均一化を補助しているものと推測され、従来技術でプレニップ部でのギャップ放電による影響として懸念されていた画質の粒状性に対する影響も改善されている。
本発明に係る中間転写ベルト表面における表面抵抗率は、円形電極(例えば、三菱油化(株)製ハイレスターIPの「HRプローブ」)を用い、JIS K6991に基づいて測定することができる。本発明に係る中間転写ベルトの表面抵抗率の測定方法は、例えば、特開2001−242725号公報の段落0047や図7の記載を参照することができる。
また、本発明に係る中間転写ベルトの体積抵抗率は、1×108〜1×1012Ω・cmであることが好ましい。体積抵抗率を上記範囲内にすることで、中間転写体より記録媒体に転写された未定着トナー像の電荷を適度に保持する様に作用する静電的な力により、トナー同士の静電的反発力や画像エッジ付近のフリンジ電界の影響が抑制されるものと推測される。その結果、記録媒体上に転写されたトナー画像は飛散せずに、静電的反発力などによるノイズの影響を受けることなく安定した画像形成が期待される。この様に、本発明に係る中間転写ベルトは、画像欠陥の発生防止に加えてトナー飛散の発生を懸念する必要がない。
体積抵抗率の測定は、前述の表面抵抗率と同様に円形電極(例えば、三菱油化(株)製ハイレスターIPのHRプローブ)を用い、JIS K6991に基づいて測定することが可能である。体積抵抗率の具体的な測定方法は、例えば、特開2001−242725号公報の段落0048や図8の記載を参照することができる。
本発明に係る中間転写体の表面層は、その表面エネルギーが30mN/m以下となることが好ましい。すなわち、表面エネルギーが30mN/m以下の時、中間転写ベルトとトナーとの間に適度な付着性が得られ、2次転写性や中抜け、あるいは画質劣化を発生させる要因が解消されて良好な画像形成が行えるものと推測される。
一般に、固体物質の表面エネルギーは、既知の表面エネルギーを有する液体を固体上に置いたときに形成される接触角より算出される。具体的には、表面エネルギーを知りたい固体上にこの液体を置いたときに形成される接触角により接着仕事の関係式からFowkesの理論に基づいて算出される。
固体と液体の接着仕事は下記関係式で表される。
SL=γL(1+cosθSL
SL:固体試料/液体試料の接着仕事
γL:液体試料の表面自由エネルギー
θSL:固体試料/液体試料の接触角
ここで、接着仕事WSLを、分散力成分、双極子力成分、水素結合成分の3成分に分解して考えると接着仕事WSLは以下のように表される。すなわち、
SL=WSL d+WSL p+WSL h
SL d:分散力成分に対応する接着仕事
SL p:双極子力成分に対応する接着仕事
SL h:水素結合成分に対応する接着仕事
次に、固体試料の表面試料の表面自由エネルギーをγSとし、これも上述の3成分に分解して考えると、以下のようになる。すなわち、
γs=γsd+γsp+γsh
γs:固体試料の表面自由エネルギー
γsd:分散力成分に対応する表面自由エネルギー
γsp:双極子力成分に対応する表面自由エネルギー
γsh:水素結合成分に対応する表面自由エネルギー
液体試料の表面自由エネルギーγi(=γL)も上述の3成分に分解すると、
γi=γid+γip+γih (i=1、2、3)
γi:液体試料の表面自由エネルギー
γid:分散力成分に対応する表面自由エネルギー
γip:双極子力成分に対応する表面自由エネルギー
γih:水素結合成分に対応する表面自由エネルギー
液体試料の表面自由エネルギーγiの具体例としては、以下の表1のようになる。ここで、i=1をα−ブロモナフタレン、i=2をヨウ化メチレン、i=3を水とする。
Figure 2007078789
また、上述の接着仕事は下記の幾何平均の関係式が成立するものとする。
Figure 2007078789
これらの式から下記拡張Fowkesの式が成り立つ。
Figure 2007078789
式中、WS1は液体試料がα−ブロモナフタレンのときの接着仕事、WS2はヨウ化メチレンのとき、WS3は液体試料が水のときの接着仕事を表す。
なお、WS1、WS2、WS3は接触角測定により算出され、行列の中の数値は既知の数値であるので、上記関係式に基づいて逆行列計算によりγsd、γsp、γshを算出することができる。その結果より、固体試料の表面エネルギーγsを算出することができる。
次に、本発明に係る中間転写ベルトが使用可能な画像形成装置について説明する。本発明に係る中間転写ベルトの使用が可能な画像形成装置は、例えば、複写機やレーザプリンタ等が挙げられるが、特に、5000枚以上の連続プリントが可能な画像形成装置が好ましい。この様な装置では、短時間に大量のプリント作成を行う分、蓄積電荷の影響により中間転写ベルトと記録紙との間に白抜けなどの画質低下を招く電界が発生し易くなるが、本発明に係る中間転写ベルトにより画質低下が抑制されて安定した2次転写が行える。
本発明に係る中間転写ベルトの使用が可能な画像形成装置は、画像情報に応じた静電潜像を形成する像担持体、像担持体に形成された静電潜像を現像する現像装置、像担持体上のトナー像を中間転写ベルト上に転写する1次転写手段、中間転写ベルト上のトナー像を紙やOHPシートなどの記録媒体上に転写する2次転写手段等を有する。そして、中間転写体として本発明に係る中間転写ベルトを有することにより、2次転写時に剥離放電を発生させずに安定したトナー画像形成を行える。
本発明に係る中間転写ベルトが使用可能な画像形成装置は、特に限定されず、単色のトナーで画像形成を行うモノクロ画像形成装置や、像担持体上のトナー像を中間転写ベルトに順次転写するカラー画像形成装置、各色毎の複数像担持体を中間転写体上に直列配置させたタンデム型カラー画像形成装置等が挙げられる。
図2は、本発明の画像形成装置の実施の形態としてのカラー画像形成装置を示す断面構成図である。
この画像形成装置は、タンデム型カラー画像形成装置と称せられるもので、複数組の画像形成部10Y、10M、10C、10Kと、転写部としての無端ベルト状中間転写ベルトユニット7と、記録部材Pを搬送する無端ベルト状の給紙搬送手段21及び定着手段としてのベルト式定着装置24とを有する。画像形成装置の本体Aの上部には、原稿画像読み取り装置SCが配置されている。
各感光体に形成される異なる色のトナー像の1つとして、イエロー色の画像を形成する画像形成部10Yは、第1の像担持体としてのドラム状の感光体1Y、該感光体1Yの周囲に配置された帯電手段2Y、露光手段3Y、現像手段4Y、1次転写手段としての1次転写ローラ5Y、クリーニング手段6Yを有する。また、別の異なる色のトナー像の1つとして、マゼンタ色の画像を形成する画像形成部10Mは、第1の像担持体としてのドラム状の感光体1M、該感光体1Mの周囲に配置された帯電手段2M、露光手段3M、現像手段4M、1次転写手段としての1次転写ローラ5M、クリーニング手段6Mを有する。また、更に別の異なる色のトナー像の1つとして、シアン色の画像を形成する画像形成部10Cは、第1の像担持体としてのドラム状の感光体1C、該感光体1Cの周囲に配置された帯電手段2C、露光手段3C、現像手段4C、1次転写手段としての1次転写ローラ5C、クリーニング手段6Cを有する。また、更に他の異なる色のトナー像の1つとして、黒色画像を形成する画像形成部10Kは、第1の像担持体としてのドラム状の感光体1K、該感光体1Kの周囲に配置された帯電手段2K、露光手段3K、現像手段4K、1次転写手段としての1次転写ローラ5K、クリーニング手段6Kを有する。
無端ベルト状中間転写ベルトユニット7は、複数のローラにより巻回され、回動可能に支持された半導電性エンドレスベルト状の第2の像担持体としての無端ベルト状中間転写体70を有する。
画像形成部10Y、10M、10C、10Kより形成された各色の画像は、1次転写ローラ5Y、5M、5C、5Kにより、回動する無端ベルト状中間転写ベルト70上に逐次転写されて、合成されたカラー画像が形成される。給紙カセット20内に収容された記録媒体として用紙等の記録部材Pは、給紙搬送手段21により給紙され、複数の中間ローラ22A、22B、22C、22D、レジストローラ23を経て、2次転写手段としての2次転写ローラ5Aに搬送され、記録部材P上にカラー画像が一括転写される。カラー画像が転写された記録部材Pは、ベルト式定着装置24により定着処理され、排紙ローラ25に挟持されて機外の排紙トレイ26上に載置される。
一方、2次転写ローラ5Aにより記録部材Pにカラー画像を転写した後、記録部材Pを曲率分離した無端ベルト状中間転写ベルト70は、クリーニング手段6Aにより残留トナーが除去される。
画像形成処理中、1次転写ローラ5Kは常時、感光体1Kに圧接している。他の1次転写ローラ5Y、5M、5Cはカラー画像形成時にのみ、それぞれ対応する感光体1Y、1M、1Cに圧接する。
2次転写ローラ5Aは、ここを記録部材Pが通過して2次転写が行われる時にのみ、無端ベルト状中間転写ベルト70に圧接する。
また、装置本体Aから筐体8を支持レール82L、82Rを介して引き出し可能にしてある。
筐体8は、画像形成部10Y、10M、10C、10Kと、無端ベルト状中間転写ベルトユニット7とを有する。
画像形成部10Y、10M、10C、10Kは、垂直方向に縦列配置されている。感光体1Y、1M、1C、1Kの図示左側方には無端ベルト状中間転写ベルトユニット7が配置されている。無端ベルト状中間転写ベルトユニット7は、ローラ71、72、73、74、76を巻回して回動可能な無端ベルト状中間転写ベルト70、1次転写ローラ5Y、5M、5C、5K及びクリーニング手段6Aとからなる。
筐体8の引き出し操作により、画像形成部10Y、10M、10C、10Kと、無端ベルト状中間転写ベルトユニット7とは、一体となって、本体Aから引き出される。
このように感光体1Y、1M、1C、1K上に帯電、露光、現像によりトナー像を形成し、無端ベルト状中間転写ベルト70上で各色のトナー像を重ね合わせ、一括して記録部材Pに転写し、ベルト式定着装置24で加圧及び加熱により固定して定着する。トナー像を記録部材Pに転移させた後の感光体1Y、1M、1C、1Kは、クリーニング装置6Aで転写時に感光体に残されたトナーを清掃した後、上記の帯電、露光、現像のサイクルに入り、次の像形成が行われる。
本発明に使用される記録部材Pは、トナー画像を保持する支持体で、通常画像支持体、転写材あるいは転写紙と呼ばれるものである。具体的には、薄紙から厚紙までの普通紙、アート紙やコート紙等の塗工された印刷用紙、市販されている和紙やはがき用紙、OHP用のプラスチックフィルム、布等の各種記録部材が挙げられる。
以下、本発明の実施例を説明するが、本発明は本実施例に限定されるものではない。
1.中間転写ベルトの作製
(1)基材層の作製
3,3’,4,4’−ビフェニルテトラカルボン酸二無水物(BPDA)とp−フェニレンジアミン(PDA)とからなるポリアミド酸のN−メチルー2−ピロリドン(NMP)溶液(宇部興産製ユーワニスS(固形分18質量%))に、乾燥した酸化処理カーボンブラック(SPECIAL BLACK4(Degussa社製、pH3.0、揮発分:14.0%))をポリイミド系樹脂固形分100質量部に対して、23質量部になるよう添加して、衝突型分散機(シーナス製GeanusPY)を用い、圧力200MPaで、最小面積が1.4mm2で2分割後衝突させ、再度2分割する経路を5回通過させて、混合して、基材層用のカーボンブラック入りポリアミド酸溶液を得た。
基材層用のカーボンブラック入りポリアミド酸溶液を円筒状金型内面に、ディスペンサーを介して0.5mmに塗布し、1500rpmで15分間回転させて均一な厚みを有する展開層とした後、250rpmで回転させながら、金型の外側より60℃の熱風を30分間あてた後、150℃で60分間加熱した。その後、360℃まで2℃/分の昇温速度で昇温し、さらに360℃で30分加熱して溶媒の除去、脱水閉環水の除去、及びイミド転化反応の完結を行った。その後室温に戻し、金型から剥離し、目的とする無端ベルト状の基材層を得た。この基材層の総厚みは0.1mmであった。
(2)中間層の形成
塩化ビニル80%、酢酸ビニル15%、マレイン酸5%の組成比よりなる共重合体樹脂100質量部をシクロヘキサノン400質量部に溶解させた。この溶液に酸化処理カーボンブラック(SPECIAL BLACK4(Degussa社製、pH3.0、揮発分:14.0%))を前述の共重合体樹脂100質量部に対して10質量部になるよう添加した。添加後、衝突型分散機(シーナス製GeanusPY)で、圧力200MPa、最小面積が1.4mm2で2分割後衝突させ、再度2分割する経路を5回通過させて、混合して、基材層用のカーボンブラック入り共重合体樹脂溶液を得た。
この溶液を前述の基材層上に厚さ10μmとなるようにスプレー塗布を行って中間層を形成した。
(3)表面層の形成
(3−1)導電性微粒子の作製
導電性微粒子の樹脂微粒子材料として、表1に示す市販の各種球状樹脂微粒子(積水化学工業社製;商品名ミクロパール)5gをN,N−ジメチルホルムアミド50gに分散させ、70℃で30分間攪拌した。これをろ過、水洗後、100mlの濃度20%の苛性ソーダ水溶液中に分散し、70℃で30分間攪拌した。これをろ過、水洗し、100mlの水に分散した。その後、酢酸で中和し、ろ過、水洗した。この微球体を用いて、常法により表面調整、洗浄を行い、パラジウム触媒を吸着させ、表面を活性化した。これらの微粒子に表1に示す金属を、常法による無電解メッキ処理で厚さ0.15μmのメッキ層を形成するように被覆した。金属被覆層を形成後、40℃で24時間加熱乾燥して表2に示す導電性微粒子1〜8を得た。
(3−2)表面層形成用のコーティング液の作製
シリコーン樹脂 100質量部
(メチルトリメトキシシランとテトラメトキシシランのn=3〜50の縮合物)
n−ヘキサン 400質量部
導電性微粒子 10質量部
カーボンブラック(Degussa社製、製品名SPECIAL BLACK4)
23質量部
を配合し、サンドミルで混練、撹拌して10cpsの各コーティング液を作製し、作製した各コーティング液を前述の中間層を形成した試料ベルト上に厚さ0.1mmとなるようにスプレー塗布を行った。その後、オーブンで120℃、1時間乾燥させた。このようにして、本発明に係る中間転写ベルト1〜8を作製した。また、比較例として、表面層に導電性微粒子としてカーボンブラックを含有したものと金属酸化物を含有したもの、及び、導電性微粒子を添加していないものの3つの中間転写ベルト9〜11を作製した。
作製した中間転写ベルトの表面抵抗値、体積抵抗値、接触角、表面エネルギーの測定結果を、下記表2に示す。
Figure 2007078789
2.評価実験
作製した「中間転写ベルト1〜11」を図2の画像形成装置に搭載して、それぞれ連続1万枚のプリントを行った。なお、画像形成には体積基準によるメディアン径(D50)が6.0μmのトナーを含有する2成分現像剤を使用した。
画像形成は低温低湿(10℃、20%RH)と高温高湿(33℃、80%RH)でそれぞれ行い、記録用紙はA4判の上質紙(64g/m2)を用いた。画像形成に使用した原稿は、画素率が7%の文字画像(3ポイント、5ポイント)、カラー人物顔画像(ハーフトーンを含むドット画像)、べた白画像、べた画像がそれぞれ1/4等分に掲載されたオリジナル画像(A4判)を用いた。
連続プリント実施中の1000枚、5000枚、10000枚の時に下記評価用のサンプルを5枚ずつ作成した。
評価は、2次転写で発生する画像欠陥(べた画像部の白抜け、文字画像部の中抜け、文字部のトナー散り、転写率)で行った。なお、評価において、◎、○は合格、×は不合格とした。
〈べた画像部の白抜け〉
白抜けの評価は、高温高湿でプリントしたべた画像部で、長径が0.4mm以上の白抜けがA4用紙上に何個あるかで判定した。なお、白抜け長径はビデオプリンタ付き顕微鏡で測定した。
◎:0.4mm以上の白抜け頻度:全てのプリント画像で3個以下となり良好
○:0.4mm以上の白抜け頻度:4個以上、19個以下が1枚以上発生
×:0.4mm以上の白抜け頻度:20個以上が1枚以上発生し、実用上問題あり。
〈文字画像の中抜け〉
高温高湿でプリントした文字画像をルーペで拡大観察して、文字画像上の中抜け発生を評価した。
◎:10000枚目まで中抜けの発生なし
○:5000枚目のプリントまで中抜けの発生なし
×:1000枚目のプリントで中抜けの発生あり
〈文字部のトナー散り〉
低温低湿でプリントした文字画像をルーペで拡大観察し、文字部周辺のトナー散りの状態を目視で評価した。
◎:10000枚目のプリントまで見られないか、または、ルーペでやっと見られる程度
○:5000枚目のプリントまで見られないか、または、ルーペでやっと見られる程度
×:1000枚目未満でルーペなしでトナー散りが確認され、実用上問題あり。
〈転写率〉
低温低湿での1万枚目のプリント終了後、画素濃度が1.30のソリッド画像(20mm×50mm)を形成し、下記式により転写率を求めて評価した。
転写率(%)=(記録部材上に転写されたトナーの質量/中間転写ベルト上に供給されるトナーの質量)×100
◎:転写率が90%以上で良好
○:転写率が80%以上で実用上問題なし
×:転写率が80%未満で実用上問題あり。
結果を表3に示す。
Figure 2007078789
表3の結果から明らかなように、本発明に係る中間転写ベルトを用いた場合は、連続で5000枚以上のプリント作成を行っても白抜けやライン抜けといった画像欠陥の発生が見られなかった。一方、比較例では1000枚あたりから画像欠陥の発生が見られ、本発明に係る中間転写ベルトとは明らかに異なる結果となった。
このように、本実施例により本発明に係る中間転写ベルトが大量のプリントを行ったときに良好な2次転写性能を持続することが確認された。
本発明に係る中間転写ベルトの層構造の例を示す模式図である。 本発明に係る中間転写ベルトの使用が可能な画像形成装置の一例を示す図である。
符号の説明
1 感光体ドラム
2 中間転写ベルト
21 表面層
22 導電性微粒子
23 基材層
24、25 中間層

Claims (3)

  1. 基材上に少なくとも表面層を有する中間転写ベルトであって、
    該表面層が、金属被覆した樹脂微粒子を含有することを特徴とする中間転写ベルト。
  2. 前記金属被覆した樹脂微粒子の平均粒径が0.5μm以上50.0μm以下であることを特徴とする請求項1に記載の中間転写ベルト。
  3. 前記表面層における表面エネルギーが30mN/m以下であることを特徴とする請求項1または2に記載の中間転写ベルト。
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