JP2018128524A - 中間転写体及び画像形成装置 - Google Patents

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Abstract

【課題】本発明の課題は、トナー濃度を検知するための光学センサーの計測を安定させることが可能で、かつ、耐久性の高い中間転写体を提供することである。【解決手段】本発明の中間転写体は、無端ベルト状であり、かつ、少なくとも樹脂基層と表面層とを含んでおり、表面層が、結着樹脂と、第1の材料及び第2の材料を含有する複合粒子とを含有し、複合粒子が、少なくとも、第1の材料の周囲が前記第2の材料で被覆された構成であり、前記第1の材料の屈折率をn1とし、前記第2の材料の屈折率をn2としたとき、特定の関係を満たすことを特徴とする。【選択図】図1

Description

本発明は、中間転写体及び画像形成装置に関する。より詳しくは、本発明は、トナー濃度を検知するための光学センサーの計測を安定させることが可能で、かつ、耐久性の高い中間転写体等に関する。
従来、電子写真画像形成装置(以下、「画像形成装置」ともいう。)が有する中間転写体において、当該中間転写体上のトナー濃度を光学センサーで計測する技術が知られている。この中間転写体上のトナー濃度を光学センサーで計測する技術において、計測を安定させるために種々の方法がある。
しかしながら、特に、表面層を有するような中間転写体においては、樹脂基層と表面層との界面において反射する光による干渉によって、光学センサーでの計測が不安定になるという問題が知られている。
例えば、特許文献1には、この問題に対応するための技術が開示されている。
特許文献1には、表面層の正反射率を高めることで、光学センサーの計測を安定させる技術が開示されている。特に、特許文献1に開示された技術では、この正反射率を高めるために、高屈折率材料の小粒径(5〜100nmの範囲になるような粒径分布を有する。)のフィラー(例えば、酸化チタン。)を配合させることが好ましいとしている。
特許文献1に開示されているような屈折率の調整方法では、表面層の表面(すなわち、樹脂基層とは反対側の面。)で光が反射する頻度が増えるので、上記問題に対し合理的に対策することが可能である。
しかしながら、このような方法では、表面層の材料として、一般的には、硬化アクリル樹脂(以下、単に「アクリル樹脂」ともいう。)を使うことを考えると、次の問題が生じる。
特許文献1に上記フィラーとして例示されている酸化チタンは、特に高屈折率であるが、酸化チタンのナノ粒子は、アクリル樹脂の硬化に適した波長300〜400nmのUV(ultraviolet)光の吸収が大きいことや、UV光による光触媒活性を有することが知られている。
すなわち、酸化チタンを表面層に含有させた場合に、UV光硬化を行うと、
(1) 開始剤がUV光を十分に吸収できない
(2) 光触媒反応が硬化反応と競合する
といった問題が生じ、アクリル樹脂を形成する重合性単量体やオリゴマーの架橋反応率が低下し、重合不足又は架橋不足となる。この結果、表面層は、クラックが発生するなどして機械的強度が低下する。また、架橋不足のオリゴマー等のブリードにより、ブレード等と中間転写体との摩擦が大きくなり、この結果、中間転写体のトルクに不良が生じる。このため、酸化チタンを表面層に含有させた場合にUV光硬化を行うと、表面層としての耐久性を十分に確保できなくなる。
また、特許文献2には、中間転写体の表面に高屈折率の球形大径粒子(センサー光の波長λに対して、λ/2以上の粒径)を敷き詰める方法が開示されている。
特許文献2に開示されているような、屈折率の大きな材料(酸化チタンなど)を、多量に表面に配置する方法の場合、中間転写体として高耐久となっても、クリーニング部材や感光体を摩耗部材させてしまい、この結果、クリーニング部材や感光体の耐久性が低下してしまうという問題がある。
さらに、中間転写体の表面に球形粒子を敷き詰める方法では、球形粒子の径に由来するレベルの表面粗さが発生する。この結果、上記球形粒子同士の間に凹部が形成され、当該凹部にトナーの外添剤などが蓄積する。この蓄積によって、フィルミング等の不具合を誘発するおそれがある。したがって、特許文献2に開示された技術を採用する場合、凹部に外添剤等が蓄積しないよう、強力なクリーニング機構が必要になり、装置構成が複雑になるという問題がある。
また、特許文献3には、樹脂基層表面の鏡面度を規定し、粗面化することで、反射光の干渉を抑制しつつ、反射光の計測を安定させる方法が開示されている。
しかしながら、特許文献3のように、樹脂基層表面の粗面化を行う場合、樹脂基層の表面粗さが局所的に変化するために、表面層の厚さも局所変化し、この結果、表面層の表面(光が入射する側の面)における反射強度の局所変化が起こりうる。特に、薄い(6μm以下)表面層を塗布法で形成した場合、樹脂基層表面を粗面化することで生じる反射強度の局所変化による影響を無視できなくなる。この結果、光学センサーが、反射強度の局所変化した部分をエラーとして認識したり、反射強度の局所変化を含んだ濃度計測の結果を基に画像濃度の調整を行ったりすることになるので、濃度調整が不適切になるという問題がある。
このような問題を避けるためには、表面粗さのばらつきを、特に小さくすればよいが、その場合には、表面粗さの調整に用いる装置の劣化状態に応じて、その都度、表面粗さの調整条件を変更する必要があり、生産が不利になるという新たな問題が生じる。
特開2007−171273号公報 特開2011−242724号公報 特開2011−123378号公報
本発明は、上記問題・状況に鑑みてなされたものであり、その解決課題は、トナー濃度を検知するための光学センサーの計測を安定させることが可能で、かつ、耐久性の高い中間転写体等を提供することである。
本発明者は、上記課題を解決すべく、上記問題の原因等について検討する過程において、例えば硬化アクリル樹脂を主成分とする表面層を設置した中間転写体では、樹脂基層と表面層との界面における反射光を減らすことで、前記反射光の干渉を抑制できるため、トナー濃度を検知するための光学センサーの計測を安定させることが可能であり、かつ、樹脂の硬化が十分で耐久性の高い中間転写体及び画像形成装置を提供できることを見いだし本発明に至った。
すなわち、本発明に係る上記課題は、以下の手段により解決される。
1.静電潜像担持体に担持されたトナー像を、中間転写体に1次転写した後、前記トナー像を前記中間転写体から記録材に2次転写する画像形成装置に用いる中間転写体であって、
前記中間転写体が、無端ベルト状であり、かつ、少なくとも樹脂基層と表面層とを含んでおり、
前記表面層が、結着樹脂と、第1の材料及び第2の材料を含有する複合粒子とを含有し、
前記複合粒子が、少なくとも、前記第1の材料の周囲が前記第2の材料で被覆された構成であり、
前記第1の材料の屈折率をn1とし、前記第2の材料の屈折率をn2としたとき、下記関係式(1)を満たすことを特徴とする中間転写体。
1≠n2・・・関係式(1)
[上記式中、屈折率n1及びn2は、波長500〜800nmの範囲において、同一の波長で計測した値である。]
2.前記第1の材料の屈折率n1及び前記第2の材料の屈折率n2が、下記関係式(2)を満たすことを特徴とする第1項に記載の中間転写体。
0.30<|n1−n2|・・・関係式(2)
3.前記第2の材料として、導電性の材料を含有することを特徴とする第1項又は第2項に記載の中間転写体。
4.前記導電性の材料として、酸化スズ、酸化亜鉛及び酸化チタンのいずれかを含有することを特徴とする第3項に記載の中間転写体。
5.前記結着樹脂の屈折率n3としたとき、前記第1の材料の屈折率n1及び前記第2の材料の屈折率n2が、下記関係式(3)及び関係式(4)を満たすことを特徴とする第1項から第4項までのいずれか一項に記載の中間転写体。
1<n2・・・関係式(3)
3<n2・・・関係式(4)
6.前記複合粒子の平均粒径が、100〜300nmの範囲内であることを特徴とする第1項から第5項までのいずれかに記載の中間転写体。
7.前記結着樹脂として、少なくとも多官能の(メタ)アクリルモノマーに由来する構成単位からなる硬化(メタ)アクリル樹脂を含有することを特徴とする第1項から第6項までのいずれか一項に記載の中間転写体。
8.前記樹脂基層に主成分として含有される樹脂の屈折率をn4としたとき、下記関係式(5)を満たすことを特徴とする第1項から第7項までのいずれか一項に記載の中間転写体。
1.6≦n4・・・関係式(5)
9.前記樹脂基層に主成分として含有される樹脂が、ポリイミド、ポリフェニレンスルフィド及びポリアミドイミドのいずれかであることを特徴とする第1項から第8項までのいずれか一項に記載の中間転写体。
10.前記表面層の厚さの平均が、6μm以下であることを特徴とする第1項から第9項までのいずれか一項に記載の中間転写体。
11.静電潜像担持体に担持されたトナー像を、中間転写体に1次転写した後、前記トナー像を前記中間転写体から記録材に2次転写する画像形成装置であって、
第1項から第10項までのいずれか一項に記載の中間転写体と、可視光又は1000nm以下の近赤外光の中から選ばれる、いずれかの波長λ1を検出する光学センサーと、を備え、
前記中間転写体上のトナー濃度について、前記光学センサーを用いて計測する手段を有することを特徴とする画像形成装置。
12.前記複合粒子の平均粒径r1と前記波長λ1とが、下記関係式(6)を満たすことを特徴とする第11項に記載の画像形成装置。
2×r1<λ1・・・関係式(6)
本発明の上記手段により、トナー濃度を検知するための光学センサーの計測を安定させることが可能で、かつ、耐久性の高い中間転写体等を提供することができる。
本発明の効果の発現機構ないし作用機構については、明確にはなっていないが、以下のように考えている。
本発明に係る複合粒子は、二つの層を有し、それぞれの層には相互に屈折率の異なる材料が含有されている。このため、表面層内に入射した光が散乱又は反射するような界面の数を2倍に増やすことができる。すなわち、上記材料を採用することで、光が散乱又は反射する頻度を増やすことができる。この結果、光の干渉を起こすような正反射光の割合を減らすことができる。
また、低屈折率媒体から高屈折率媒体への光の通過は容易であるが、高屈折率媒体から低屈折率媒体へと光が通過するためには、臨界角を超えないような角度であることが条件として挙げられる。
本発明に係る複合粒子を採用すれば、このような条件からも、光の散乱及び反射の頻度を2倍以上に増やすことができると考えられる。この結果、光の干渉を起こすような正反射光の割合を劇的に減らすことができる。すなわち、本発明によれば、樹脂基層と表面層との界面において反射する光による干渉が起こらなくなり、光学センサーの計測を安定させることができると考えられる。
なお、本発明に係る第1の材料及び第2の材料を使用する複合粒子を採用すれば、特許文献1等に開示された方法と異なり、硬化アクリル樹脂を表面層に使う場合であっても、また、樹脂基層に主成分として含有される樹脂の屈折率がどんな値の場合でも、上記効果を奏することができる。
また、本発明に係る表面層は複合粒子を内部に含有する構成とすることができ、粒子を中間転写体から露出させる特許文献2に開示された構成とする必要がない。このため、本発明は特許文献2等に開示された技術と比べ、感光体やクリーニング部材に対するダメージを軽減することができ、かつ、中間転写体が大径粒子を含むことに由来する局所的な凹部が少なくなることから、クリーニングも容易にすることができる。
本発明に係る複合粒子は、二つの層を有し、それぞれの層には相互に屈折率の異なる材料が含有されている。このため、特許文献3等に開示された技術とは異なり、樹脂基層の表面粗さや鏡面度に関係なく、トナー濃度を検知するための光学センサーの計測を安定させることが可能で、かつ、耐久性の高い中間転写体等を提供できる。
なお、本発明に係る複合粒子ではなく、普通の単層粒子を添加した場合では、光の散乱及び反射する面が、表面層中の樹脂と粒子との界面だけに限られる。したがって、トナー濃度を検知するための光学センサーの計測を安定させるという効果が十分に発揮されないことは明らかである。
なお、特に屈折率が大きい材料である酸化チタンの単層粒子を使用すれば、光を散乱及び反射させる効果が高くなることが考えられ、光学センサーの計測を安定させることは可能であると考えられる。しかしながら、表面層には硬化アクリル樹脂を一般的なバインダーとして用いることを考えると、特に、酸化チタンのUV吸収が原因になって、上述したように、表面層の耐久性が悪化するなどの問題が起こる。
本発明に係る中間転写体の層構成の一例を示す模式図 本発明に係る複合粒子の層構成の例を示す模式断面図 本発明に係る中間転写体を用いる画像形成装置の一例を示す模式断面図
本発明の中間転写体は、静電潜像担持体に担持されたトナー像を、中間転写体に1次転写した後、前記トナー像を前記中間転写体から記録材に2次転写する画像形成装置に用いる中間転写体であって、前記中間転写体が、無端ベルト状であり、かつ、少なくとも樹脂基層と表面層とを含んでおり、
前記表面層が、結着樹脂と、第1の材料及び第2の材料を含有する複合粒子とを含有し、
前記複合粒子が、少なくとも、前記第1の材料の周囲が前記第2の材料で被覆された構成であり、
前記第1の材料の屈折率をn1とし、前記第2の材料の屈折率をn2としたとき、上記関係式(1)を満たすことを特徴とする。この特徴は各請求項に係る発明に共通又は対応する技術的特徴である。これにより、本発明は、トナー濃度を検知するための光学センサーの計測を安定させることが可能で、かつ、耐久性の高い中間転写体を提供できる。
本発明の実施態様としては、前記第1の材料の屈折率n1及び前記第2の材料の屈折率n2が、上記関係式(2)を満たすことが好ましい。これにより、光学センサーの計測をより安定させることができる。
本発明の実施態様としては、前記第2の材料として、導電性の材料を含有することが好ましい。これにより、中間転写体の設計の自由度を高めることができる。
本発明の実施態様としては、前記導電性の材料として、酸化スズ、酸化亜鉛及び酸化チタンのいずれかを含有することが好ましい。これにより、中間転写体の設計の自由度を更に高めることができ、また、本願発明の効果をより好適に発現できる。
本発明の実施態様としては、前記結着樹脂の屈折率n3としたとき、前記第1の材料の屈折率n1及び前記第2の材料の屈折率n2が、上記関係式(3)及び関係式(4)を満たすことが好ましい。これにより、本願発明の効果をより好適に発現できる。
本発明の実施態様としては、前記複合粒子の平均粒径が、100〜300nmの範囲内であることが好ましい。これにより、本発明の効果をより好適に発現でき、かつ、表面粗さが過大となることに起因して発生するクリーニング不良を回避できる。
本発明の実施態様としては、前記結着樹脂として、少なくとも多官能の(メタ)アクリルモノマーに由来する構成単位からなる硬化(メタ)アクリル樹脂を含有することが好ましい。これにより、より耐久性の高い中間転写体をすることができる。
本発明の実施態様としては、前記樹脂基層に主成分として含有される樹脂の屈折率をn4としたとき、上記関係式(5)を満たすことができる。本発明の中間転写体であれば、このような条件であっても好適に効果を発現できる。
本発明の実施態様としては、前記樹脂基層に主成分として含有される樹脂が、ポリイミド、ポリフェニレンスルフィド及びポリアミドイミドのいずれかであることが好ましい。これにより、中間転写体の耐久性が更に向上して、本発明の効果を長期にわたって得ることができる。
本発明の実施態様として、前記表面層の厚さの平均を、6μm以下とすることができる。本発明の中間転写体であれば、このような条件であっても、トナー濃度を検知するための光学センサーの計測をより安定させることが可能である。
本発明の中間転写体は、可視光又は1000nm以下の近赤外光の中から選ばれる、いずれかの波長λ1を検出する光学センサーを備え、前記中間転写体上のトナー濃度について、前記光学センサーを用いて計測する手段を有する画像形成装置に好適に採用できる。これにより、本発明の効果をより容易に発現することができる。
前記画像形成装置としては、前記複合粒子の平均粒径r1と前記波長λ1とが、上記関係式(6)を満たすものとすることができる。このような条件であっても、本発明の効果をより好適に発現することができる。
以下、本発明とその構成要素、及び本発明を実施するための形態・態様について詳細な説明をする。なお、本願において、「〜」は、その前後に記載される数値を下限値及び上限値として含む意味で使用する。
≪本発明の中間転写体の概要≫
本発明の中間転写体は、静電潜像担持体に担持されたトナー像を、中間転写体に1次転写した後、前記トナー像を前記中間転写体から記録材に2次転写する画像形成装置に用いる中間転写体であって、前記中間転写体が、無端ベルト状であり、かつ、少なくとも樹脂基層と表面層とを含んでおり、前記表面層が、結着樹脂と、第1の材料及び第2の材料を含有する複合粒子とを含有し、前記複合粒子が、少なくとも、前記第1の材料の周囲が前記第2の材料で被覆された構成であり、前記第1の材料の屈折率をn1とし、前記第2の材料の屈折率をn2としたとき、下記関係式(1)を満たすことを特徴とする。
1≠n2・・・関係式(1)
[上記式中、屈折率n1及びn2は、波長500〜800nmの範囲において、同一の波長で計測した値である。]
[中間転写体]
本発明に係る中間転写体は、無端ベルト状であり、かつ、少なくとも樹脂基層と表面層とを含んで構成される。
本発明に係る中間転写体について、図1を用いて具体的に説明する。
図1は、中間転写体210の構成を示す図である。
中間転写体210は、静電潜像担持体(感光体)に担持されたトナー画像を1次転写した後、1次転写したトナー画像を記録媒体へ2次転写するものであり、画像形成装置に組み込まれる。
ここで、本発明において、1次転写とは、静電潜像担持体に担持されたトナー像を中間転写体に転写することをいう。また、2次転写とは、1次転写されたトナー像を、中間転写体から記録材に転写することをいう。
図1に示されるように、中間転写体210は、樹脂基層210aと、表面層210bとを有する。また、中間転写体210において樹脂基層210aは内側に位置し、表面層210bは外側に位置する。なお、樹脂基層210aと表面層210bとの間に弾性体で構成される弾性層210cを有していてもよい。弾性層210cは、公知の構成のものを使用できる。中間転写体210は、無端ベルト状である。ここで、「無端ベルト状」とは、例えば、概念的(幾何学的)には一枚の長尺のシート状物の両端部をつなぎ合わせて形成されるようなループ状の形状を意味する。中間転写体210の実際の形状としては、シームレスのベルト状又は円筒状の形状とすることが好ましい。
なお、樹脂基層と表面層の界面については、接着性を高める処理を行ってもよい。接着性を高める処理としては、例えば、樹脂基層の表面に対するUV光照射、オゾン暴露、コロナ放電処理などが挙げられるが、これらの方法に限られるものではなく、公知の方法を1種類又は複数種類選択して実施することができる。
<樹脂基層>
樹脂基層は、樹脂製であり、中間転写体の使用温度の範囲内において、変性及び変形を生じない樹脂から適宜選択できる。使用される樹脂の例には、ポリカーボネート、ポリフェニレンスルフィド(以下、「PPS」ともいう。)、ポリフッ化ビニリデン、ポリイミド(以下、「PI」ともいう。)、ポリアミドイミド(以下、「PAI」ともいう。)、ポリアルキレンテレフタレート(ポリエチレンテレフタレート、ポリブチレンテレフタレートなど)、ポリエーテル、ポリエーテルケトン、ポリエーテルエーテルケトン、エチレンテトラフルオロエチレン共重合体、ポリアミドなどが含まれる。樹脂は、耐熱性及び強度の観点から、ポリイミド、ポリカーボネート、ポリフェニレンスルフィド及びポリアルキレンテレフタレートを含むことが好ましく、ポリフェニレンスルフィド又はポリイミドを含むことがさらに好ましい。ポリイミドは、ポリイミドの前駆体であるポリアミック酸の加熱により得ることができる。また、ポリアミック酸は、テトラカルボン酸二無水物や、その誘導体及びジアミンのほぼ等モル混合物を有機極性溶媒に溶解させ、溶液状態で反応させることにより得ることができる。なお、樹脂基層にポリイミドを使用する場合、樹脂基層におけるポリイミドの含有率は、51質量%以上であることが好ましい。
なお、樹脂基層に主成分として含有される樹脂が、ポリイミド、ポリフェニレンスルフィド及びポリアミドイミドのいずれかであることが好ましい。なお、樹脂基層に主成分として含有される樹脂とは、樹脂基層100体積部中、51体積部以上を占める樹脂をいう。ポリイミド、ポリフェニレンスルフィド及びポリアミドイミドは樹脂基層の材料の代表例であるが、これらの樹脂は、機械的強度に優れる材料であるため、耐久性が更に向上して、本発明の効果を長期にわたって得ることができる。
また、樹脂基層の材料として、上記弾性層に使用可能なものと同様の弾性体を含有させることもできる。樹脂基層の材料が弾性体であれば、種々の記録媒体に対して2次転写をする性能の確保において有利になる。すなわち、樹脂基層の材料が弾性を有していれば、記録媒体として、ラフ紙のように、表面粗さや表面凹凸の大きい記録媒体を用いる場合にも、紙の凹凸に関係なく全ての面に追従することが可能なため、欠陥点のない良好な2次転写性を得ることができる。
また、樹脂基層は、電気抵抗値(体積抵抗率)が10〜1012Ω・cmの範囲内であることが好ましい。樹脂基層の電気抵抗値を所定の範囲内にするためには、樹脂基層は、例えば導電性物質を含有すればよい。導電性物質の例として、カーボンブラックなどが含まれる。カーボンブラックとしては、中性又は酸性カーボンブラックを使用できる。導電性物質は、導電性物質の種類によっても異なるが、中間転写体の体積抵抗率及び表面抵抗値が所定の範囲になるように添加すればよい。通常、樹脂100体積部に対して5〜75体積部の範囲内で添加すればよく、好ましくは樹脂100体積部に対して10〜40体積部の範囲内で添加すればよい。
また、樹脂基層の厚さは、50〜200μmの範囲内であることが好ましい。さらに樹脂基層は、本発明の効果発現を阻害しない範囲内で公知の各種添加剤を添加してもよい。なお、添加剤の例には、ナイロン樹脂などの分散剤が含まれる。
樹脂基層は、従来公知の一般的な方法により製造できる。例えば、樹脂基層は、材料となる耐熱性樹脂を押出機により溶融し、環状ダイスを使用したインフレーション法により筒状に成形した後、輪切りにすることで環状(無端ベルト状)に製造できる。
<表面層>
本発明に係る表面層は、結着樹脂と、第1の材料及び第2の材料を含有する複合粒子とを含有する。
<結着樹脂>
本発明に係る結着樹脂としては、中間転写体の表面層に用いられる公知の樹脂を使用できるが、硬化(メタ)アクリル樹脂であることが好ましい。
中でも、本発明に係る結着樹脂として、少なくとも多官能の(メタ)アクリルモノマーに由来する構成単位からなる硬化(メタ)アクリル樹脂を含有することが好ましい。
このような構成単位からなる硬化(メタ)アクリル樹脂は、低温での硬化(重合)反応によって合成が可能なため、樹脂基層を損傷することなく、機械的強度や耐久性に優れた表面層を形成することができ、ひいては、より耐久性の高い中間転写体とすることができる。
(硬化(メタ)アクリル樹脂)
ここで本発明に係る「硬化(メタ)アクリル樹脂」とは、紫外線(UV)等の活性光線の照射により硬化した(メタ)アクリル樹脂(いわゆる「UV硬化樹脂」。)及び活性光線の照射以外の手段により硬化した(メタ)アクリル樹脂を含む。このような(メタ)アクリル樹脂は、一般的にはアクリル酸エステル又はメタクリル酸エステルの重合体を意味するが、本発明においては、これのみに限るものではなく、アクリロイル基又はメタクリロイル基が重合した構造のものを広く含むものとする。
また「(メタ)アクリル」とは、「アクリル又はメタクリル」を意味する。よって、「(メタ)アクリル樹脂」とは「アクリル樹脂又はメタクリル樹脂」を意味し、「(メタ)アクリルモノマー」とは「アクリルモノマー又はメタクリルモノマー」を意味する。また同様に、「(メタ)アクリロイル」とは「アクリロイル又はメタクリロイル」を意味し、よって、「(メタ)アクリロイル基」とは「アクリロイル基又はメタクリロイル基」を意味する。
硬化(メタ)アクリル樹脂として、特に好ましくは、4官能以上のモノマーを使用又は併用した硬化(メタ)アクリル樹脂を使用することができる。4官能以上のモノマーとしては、以下のモノマー1〜3を挙げることができるが、これらに限定されない。なお、モノマー3において、nは1〜5であることが好ましい。
Figure 2018128524
4官能以上のモノマーを併用した硬化(メタ)アクリル樹脂は、光や電子線による硬化が可能な樹脂であるため、温和な条件での硬化ができる。このため、表面層の形成等、中間転写体の製造を容易にでき好ましい。なお、使用する4官能以上のモノマーは、官能数を増やすことで、耐久性を更に向上させることができる。
(表面層の厚さ)
表面層の厚さの平均(以下、単に「厚さ」ともいう。)は、6μm以下であることが好ましい。
一般的に、表面層の厚さの平均が6μm以下であれば、表面層と樹脂基層との界面における反射光の干渉が生じやすい条件であるため、公知技術による改善が不十分になりやすいと考えられる。
しかし、本発明では、表面層が上記複合粒子を含有するため、当該表面層が6μm以下の厚さでも、トナー濃度を検知するための光学センサーの計測を安定させることが可能である。なお、厚さの平均が6μm以下の表面層では、大径粒子を添加した場合に、均一な表面層を形成することが難しくなるが、本発明に係る複合粒子は、大径粒子とする必要がなく、均一な表面層の形成が容易であり、トナー濃度を検知するための光学センサーの計測をより安定させることが可能である。
また、表面層の厚さは、0.5μm以上であることが好ましく、さらに好ましくは、1μm以上である。0.5μm以上であれば、表面層に生じた傷が、樹脂基層まで貫通してしまうことを回避できる。
また、厚さの均一な表面層を形成するためには、最低でも複合粒子の粒径の5倍以上、好ましくは粒径の10倍以上の厚さが好ましいと考えられる。このことを鑑みても、本発明に係る複合粒子は、その好ましい粒径が100〜300nmの範囲内であることからも、表面層の厚さの平均は、0.5μm以上であることが好ましい。
(表面層の厚さの測定方法)
表面層の厚さの測定は、公知の方法・装置を用いて行うことができ、例えば、渦電流方式の膜厚測定器「EDDY560C」(HELMUT FISCHER GmbH CO社製)を用いて行うことができる。
なお、表面層の厚さの平均は、無作為に10か所以上の厚さを測定し、その平均をとることで求められる。
<表面層を構成する樹脂の硬化方法>
表面層を構成する樹脂の硬化方法(モノマーを重合・架橋する方法)としては、エネルギー線による硬化が好ましく、さらに好ましくはUVによる硬化(以下、「UV硬化」ともいう。)が好ましい。UV硬化であれば、加熱処理や冷却処理を必要とせず、熱膨張率の違いを考慮した材料の選択や、装置の設計が不要となるため、中間転写体の生産上好ましい。
一般的に、UV硬化をする場合、光重合開始剤が併用される。
光重合開始剤としては公知のものを用いることができるが、硬化(すなわち、モノマーを重合及び架橋させる。)効率の面から、アシルホスフィンオキシド系、オキシムエステル系の骨格を持つ光重合開始剤が好ましい。アシルホスフィンオキシド系の骨格を持つ光重合開始剤としては、市販品を用いることができ、例えば、Irgacure TPO、Irgacure 819などを使用できる。オキシムエステル系の骨格を持つ光重合開始剤としては、市販品を用いることができ、例えば、Irgacure OXE02、Irgacure OXE01などを使用できる。
上記光重合開始剤のほか、UV硬化の反応率を高めるための添加剤(3級アミンなど)を用いてもよい。添加剤としては、市販品を好適に用いることができ、例えば、日本化薬(株)製KAYACURE EPAなどがある。
UV光源については、特に制限するものではないが、300〜400nmに主発光を持つことが好ましい。
なお、電子線硬化の場合であれば、光重合開始剤は不要である。
<複合粒子>
本発明に係る複合粒子は、少なくとも、前記第1の材料の周囲が前記第2の材料で被覆された構成である。
なお、この複合粒子の態様は特に限定されず、例えば、コア・シェル構造を有するような球形であってもよいし、第1の材料を含有する粒子の周囲を第2の材料からなる粒子が被覆するような構成であってもよい。
本発明に係る複合粒子100の断面形状の具体例を、図2に示す。なお、図2において、110は第1の材料であり、120は第2の材料である。
第2の材料からなるシェル又は粒子による、第1の材料を含有する粒子の周囲の被覆は、第1の材料を含有する粒子の表面が全く露出しないように満遍なく連続して被覆する態様でもよく、又は、第1の材料を含有する粒子の表面が一部露出するように表面を不連続に被覆する態様でもよい。すなわち、第1の材料を含有する粒子の周囲を被覆する率が必ずしも100%でなくてもよく、好ましくは50%以上であればよい。
なお、第1の材料を含有する粒子の粒径は、少なくとも40nm以上であることが好ましい。これは、第1の材料を含有する粒子の粒径が40nm以上であれば、光を散乱、反射及び屈折させる効果を十分に発揮できるためである。また、第1の材料を含有する粒子の粒径は、複合粒子における第2の材料の厚さを考慮し、270nm以下であることが好ましい。
第1の材料を含有する粒子の周囲を被覆する第2の材料は、その厚さ(第2の材料が粒子を形成している場合は、その粒径。)は、30nm以上であることが好ましい。これは、第2の材料を含有する粒子の粒径が30nm以上であれば、光を散乱、反射及び屈折させる効果を十分に発揮できるためである。
なお、第1の材料を含有する粒子の粒径は複合粒子の粒径の計測と同様にして行うことができる。
また、第1の材料を含有する粒子の周囲を被覆する第2の材料の上記厚さは、複合粒子の粒径から、第1の材料を含有する粒子の粒径を差し引いたものとする。
(第1の材料)
本発明に係る第1の材料としては、関係式(1)を満たす材料であれば、特に限定されないが、表面層中で、形状を維持できるものであることが好ましい。
例えば、第1の材料を空気などの気体とし、内側を空気(気体)とするような中空粒子を複合粒子として形成してもよい。この場合、第2の材料としては、第1の材料の外側に剛性や強度を付与する材料を採用することが好ましい。
なお、第1の材料を気体以外の材料とし、複合粒子を、中空粒子以外の2層粒子とする場合であっても、第1の材料が特に限定されるわけではないが、以下に記す複合粒子の一般的な製造方法(第1の材料の周囲を第2の材料で被覆する方法)を鑑み、第1の材料として、ある程度好ましいものを挙げることができる。
ここで、第1の材料の周囲を第2の材料で被覆する方法としては、化学皮膜の形成に関する方法、有機金属化合物を原料とするゾル・ゲル化反応、MOCVD:Metal Organic Chemical Vapor Deposition (有機金属化学気相成膜材料)法、ALD(原子層堆積)法など公知の方法が挙げられる。しかし、いずれの方法も、第2の材料を形成するための前駆体(原料)の供給段階や、表面修飾の直前の脱水工程や、最後の処理において加熱を行う必要があることから、第1の材料としては、加熱や反応時の物理摩擦などに耐えられることが好ましい。
したがって、複合粒子が製造される際に加熱される場合があることを鑑みると、例えば、ゾル・ゲル化反応を採用して複合粒子が製造される場合には150℃以上の環境に耐えられる材料であることが好ましい。また、一般的な焼成処理を採用して複合粒子が製造される場合には、500℃以上の環境に耐えられるような材料であることが好ましい。
耐熱性を考えると、固形の第1の材料としては、無機物を使うことが好ましい。
上記理由から、第1の材料に採用可能な代表的な無機材料としては、具体的には、例えば、チタン酸バリウム、シリカ、アルミナ、ホウ酸アルミニウム、硫酸バリウム、炭酸カルシウム、酸化ジルコニウム、フッ化マグネシウム、酸化セリウム、酸化スズ、酸化亜鉛、酸化チタンなどが挙げられるが、これらに限定されない。
(第2の材料)
本発明に係る第2の材料としては、関係式(1)を満たす材料であれば、特に限定されないが、公知の導電性の材料を含有することが好ましく、具体的には、例えば、酸化スズ、酸化亜鉛、酸化チタン、ITOなどの公知の導電性材料を含有することが好ましい。
複合粒子の表面が含有する材料である第2の材料が導電性の材料であれば、複合粒子を導電性の材料として使うことが可能となるため、表面層の電気抵抗の調整が容易になり、ひいては、表面層に複合粒子を多量に混合させることができる。このように、第2の材料が導電性の材料であれば、中間転写体の設計の自由度を高めることができ、好ましい。
なお、第2の材料として、導電性の材料以外の材料を適用しても特に問題はないが、このような材料の場合、中間転写体を製造する場合における分散処理の際に、機械的負荷に耐える必要があるため、無機酸化物又は架橋構造を有する樹脂であることが好ましい。
上述のように、本発明に係る第2の材料としては、特に、導電性の材料として、酸化スズ、酸化亜鉛及び酸化チタンのいずれかを含有することが好ましいが、これらの中でも、一番好ましくは酸化スズ、次に好ましくは酸化亜鉛であり、その次に好ましくは酸化チタンである。酸化スズは、酸化亜鉛及び酸化チタンよりも光触媒活性及びUV吸収性が低く、UVを用いて硬化するアクリル樹脂を使用する表面層に対し、好適に含有させることができる。酸化亜鉛は、光触媒活性が僅かであるため、表面層に対し、好適に含有させることができる。
なお、第2の材料として、導電性の材料を採用すれば、表面層の電気抵抗の調整が特に容易になるので、中間転写体の設計の自由度を更に高めることができ、また、本願発明の効果をより好適に発現できる。
<複合粒子の製造方法>
第1の材料の周囲を第2の材料で被覆する方法としては、特に限定されず、例えば、上述のように、化学皮膜の形成に関する方法、有機金属化合物を原料とするゾル・ゲル化反応、MOCVD法、ALD法など公知の方法が挙げられる。また、これら以外にも、第1の材料を水に分散した後で、第2の材料の分散液又は溶液に浸漬する方法が挙げられる。この浸漬する方法としては、公知の方法を用いることができ、例えば、特開平6−192592号公報、特開平6−299086号公報、特開2015−090824号公報、特開2014−59993号公報などに記載の方法を使用できる。
<複合粒子の表面修飾>
複合粒子の分散性の向上、完成後の表面層の物理特性の向上を目的として、複合粒子に対し、各種カップリング剤などの表面修飾剤(いわゆる、「表面処理剤」。)を使用し、表面を修飾させてもよい。表面の修飾は公知の方法を用いることができるが、(メタ)アクリロイル基を持つカップリング剤であれば、表面層の機械的強度がより向上するため、特に好ましい。
その他、表面修飾剤の例としては、特開2013−24898号公報の段落0075〜0077に記載の化合物が挙げられ、市販品としては、3−アクリロキシプロピルトリメトキシシラン(KBM−5103;信越化学工業株式会社)が挙げられるが、これらに限定されず、公知の化合物を使用できる。
なお、表面修飾の方法としては、例えば、特開2013−24898号公報の段落0080〜0085に記載の方法を使用することができる。
<複合粒子の平均粒径>
複合粒子の平均粒径は、100〜300nmの範囲内であることが好ましい。
平均粒径が100nm以上であれば、本発明の効果をより好適に発揮できる。
また、平均粒径が300nm以下であれば、塗布液への分散が容易になるため生産上好ましく、また、表面層の表面粗さを好適にでき、表面粗さが過大となることに起因して発生するクリーニング不良を回避できる。
また、複合粒子の粒径に対する、第1の材料を含有する粒子の粒径(以下、内径ともいう。)の比の値(内径/粒径)は、1/4〜7/10の範囲内であることが好ましい。この範囲であれば、光が通過できる距離が過剰に少なくなることを回避でき、ひいては、光の散乱、反射、屈折を好適に発生させることができる。
(複合粒子の平均粒径の測定方法)
まず、一つの複合粒子における最大径及び最小径の平均の値(すなわち、(最大径+最小径)/2)をr0とする。
次に、電子顕微鏡おける観察視野から無作為に100個の複合粒子を抽出する。そして、100個の複合粒子について上記値r0を計算し、当該値r0を平均した値を複合粒子の平均粒径r1とする。
[屈折率の関係]
<第1の材料と第2の材料との屈折率の関係>
本発明においては、第1の材料の屈折率をn1とし、前記第2の材料の屈折率をn2としたとき、下記関係式(1)を満たす。
1≠n2・・・関係式(1)
[上記式中、屈折率n1及びn2は、波長500〜800nmの範囲において、同一の波長で計測した値である。]
前記第1の材料の屈折率n1及び前記第2の材料の屈折率n2は、さらに、下記関係式(2′)を満たすことが好ましく、下記関係式(2)を満たすことがより好ましい。
0.05<|n1−n2|・・・関係式(2′)
0.30<|n1−n2|・・・関係式(2)
屈折率差を大きく規定することで、光を散乱及び反射させる効果(頻度)をより高めることができるので、光学センサーの計測をより安定させることができる。
なお、屈折率差がない(n1=n2の場合。)場合、材料的に2層の構成であっても、層の界面等において、光が好適に散乱又は反射しない。屈折率差(|n1−n2|)は、大きいほど好ましいが、1を大きく超える設計の場合は、粒子の作製や、完成した粒子を用いた中間転写体の設計が難しくなるといった合成や取扱いの容易性を考えると、|n1−n2|の特に好ましい上限は0.8である。
<結着樹脂、第1の材料及び第2の材料の屈折率n2との関係>
結着樹脂の屈折率n3としたとき、第1の材料の屈折率n1及び第2の材料の屈折率n2が、下記関係式(3)及び関係式(4)を満たすことが好ましい。
1<n2・・・関係式(3)
3<n2・・・関係式(4)
なお、結着樹脂(表面層に含有される樹脂)が複数種類含有されている表面層の場合、互いに混じる樹脂同士であれば配合比率に基づき屈折率の平均値を結着樹脂の屈折率n3とすればよい。また、混じらない樹脂同士の場合は、主成分として使用されている樹脂の屈折率を結着樹脂の屈折率n3とすればよい。
上記関係式(3)及び関係式(4)を満たすことで、n2がn1及びn3に比べて大きい値をとることとなる。すなわち、第2の材料に隣接する材料が全て第2の材料よりも低い屈折率の材料となる。
このような屈折率の関係であれば、測定時に光を入射した際に、屈折率の小さい材料、屈折率の大きい材料、屈折率の小さい材料、屈折率の大きい材料、という順番に光が進むことになり、臨界反射を1回又は複数回繰り返した後、屈折した光が出射する、という特異的な臨界角条件を高頻度で発生させることができる。これにより、複合粒子の外側の層(第2の材料)中に侵入した光が臨界反射する確率がさらに増えることになり、この結果、樹脂基層の表面に光が届く確率が減ることになるため、光の干渉を起こすような正反射光の割合を劇的に減らすことができ、ひいては、発明の効果を高めることができる。
なお、n3は、樹脂基層に主成分として含有される樹脂として、好適に用いられるPPS及びPIの屈折率が1.7であり、PAIも1.6以上のため、1.6以上となることが一般的であると考えられるが、これに限定されない。
<樹脂基層に主成分として含有される樹脂の屈折率>
樹脂基層に主成分として含有される樹脂の屈折率をn4としたとき、下記関係式(5)を満たすことが好ましい。
1.6≦n4・・・関係式(5)
なお、n4の上限は特にはないが、通常使用される樹脂を鑑みるとn4の上限は、1.8である。
樹脂基層に主成分として含有される樹脂が高い屈折率を有する場合は、必然的に表面層と樹脂基層との界面において光の反射が起こりやすくなり、樹脂基層と表面層との界面において反射する光が干渉しやすくなるため、光学センサーでの計測が一般的には安定しにくい条件である。
しかしながら、本発明の中間転写体であれば、このような条件であっても、樹脂基層と表面層との界面における光の反射を減らすことができ、この結果、反射する光が干渉することを抑制できるため、ひいては、トナー濃度を検知するための光学センサーの計測を安定させるという効果を好適に発揮できる。
<屈折率の測定方法>
屈折率の測定方法としては、偏光解析法(エリプソメーター)による屈折率の計測を好適に使用できる。具体的には、エリプソメーターを用い、波長632.8nmの測定試料に対しレーザー光を照射し、測定することで、屈折率を求めることができる。
偏光解析法による屈折率の計測の原理を以下に簡単に説明する。
本方法の試料として、屈折率が公知で、かつ、屈折率差のあることが明白な透光性基板の上に、測定試料の薄膜(厚さは50nm〜2μm)を形成したものを用いる。
偏光解析法では、試料に偏光を照射して、入射光と反射光の偏光の変化を測定する。
この変化は、
s偏光とp偏光の位相差:Δ
s偏光とp偏光の反射振幅比角:tanΨ
として定義され、通常はΔ、Ψとして表される。
(Ψ,Δ)は、波長(λ)、入射角度(φ)、試料の膜厚(d)、物質の光学定数(複素屈折率:N又は複素誘電率:E)などのパラメーターによって変化する。
(Ψ,Δ)が求まれば、ここから膜厚(d)、物質の光学定数(N又はE)を計算することができる。
複素屈折率や複素誘電率からは下記の式(A)をとおして、最終的に各層の屈折率(n)や消衰係数(k)を求めることができる。
式(A)
N=n+ik
E=εr+iεi
なお、上記式(A)において、εrは真空誘電率、εiは誘電率の虚の値である。
また、偏光解析法の代表的な詳細な測定方法としては、回転検光子法、位相変調法の2通りが知られているが、本発明では、いずれの方法でもかまわない。
なお、屈折率は、フィルメトリクス社が開示している屈折率一覧表(URL:http://www.filmetricsinc.jp/refractive−index−database)や、M. N. Polyanskiy、Refractive index database(URL:http://refractiveindex.info.)などの一般的に公開されている数値を用いることもできる。
[画像形成装置]
本発明に係る画像形成装置は、静電潜像担持体に担持されたトナー像を、中間転写体に1次転写した後、前記トナー像を前記中間転写体から記録材に2次転写する。
また、本発明に係る画像形成装置は、可視光又は1000nm以下の近赤外光の中から選ばれる、いずれかの波長λ1を検出する光学センサーを備え、さらに、中間転写体上のトナー濃度について、前記光学センサーを用いて計測する手段を有することが好ましい。これにより、中間転写体上のトナー濃度計測の検出性が安定するので、本発明の効果をより容易に発現することができる。
以下に、本発明に係る画像形成装置について、詳細を述べる。
図3は、本発明に係る画像形成装置の構成の一例を示す概略断面図である。
この画像形成装置は、いわゆるタンデム型カラー画像形成装置であって、4組の画像形成ユニット10Y,10M,10C,10Bkと、中間転写体ユニット7と、2次転写手段としての2次転写ローラー5bと、給紙搬送手段21及び定着手段24とから成る。画像形成装置の本体Aの上部には、原稿画像読み取り装置SCが配置されている。
画像形成ユニット10Yはイエロー色の画像を形成するものであり、画像形成ユニット10Mはマゼンタ色の画像を形成するものであり、画像形成ユニット10Cはシアン色の画像を形成するものであり、画像形成ユニット10Bkは黒色の画像を形成するものである。
画像形成ユニット10Y,10M,10C,10Bkは、感光体1Y,1M,1C,1Bkにそれぞれ形成するトナー画像の色が異なるのみであって、同じ構成とされるので、以下においては、画像形成ユニット10Yを例にして詳細に説明する。
画像形成ユニット10Yは、像担持体としてのドラム状の感光体1Yの周囲に、帯電手段2Y、露光手段3Y、トナー像形成手段4Y、1次転写手段としての1次転写ローラー5Y、クリーニング手段6Yを配置し、感光体1Y上にイエロー(Y)のトナー画像を形成するものである。また、本実施の形態においては、この画像形成ユニット10Yのうち、少なくとも感光体1Y、帯電手段2Y、トナー像形成手段4Y、クリーニング手段6Yが一体化されて設けられている。
感光体1Yは、図3の矢印方向に所定の周速度により回転駆動されるものである。
感光体1Yは回転過程で、帯電手段2Yにより所定の極性・電位に一様に帯電処理され、次いで、露光手段3Yによりデジタル画像信号に対応して変調されたレーザビームによる走査露光等による画像露光を受けることにより目的のイエロー画像の色成分像(色情報)に対応した静電潜像が形成される。
帯電手段2Yは、感光体1Yに対して一様な電位を与えるものであって、本実施形態においては、感光体1Yにコロナ放電型の帯電器が用いられる。
露光手段3Yは、帯電手段2Yによって一様な電位を与えられた感光体1Y上に、デジタル画像信号(イエロー画像信号)に基づいて露光を行い、イエローの画像に対応する静電潜像を形成するものであって、この露光手段3Yとしては、感光体1Yの軸方向にアレイ状に発光素子を配列したLEDと結像素子とから構成されるもの又はレーザー光学系などが用いられる。
トナー像形成手段4Yは、回転する現像スリーブを備え、当該現像スリーブ上に保持されたトナーを感光体1Yの表面に搬送して静電潜像を顕在化させることによりトナー像を形成するものであり、公知のものを用いることができる。
1次転写ローラー5Yは、トナー像形成手段4Yにより形成されたトナー像を、感光体1Yと当接される位置において当該感光体1Yと同方向に移動する中間転写体70の表面に転写するものであり、公知のものを用いることができる。
クリーニング手段6Yは、トナー像を中間転写体70に転写させた後の感光体1Yに残存するトナーを除去する例えばゴムブレードよりなるものである。
中間転写体ユニット7は、複数のローラー71,72,73,74により巻回され、回動可能に支持された無端ベルト状の中間転写体70を有する。なお、本発明に係る画像形成装置においては、この中間転写体70として、本発明の中間転写体を採用することが好ましい。
中間転写体70は、図3の矢印方向、すなわち感光体1Yと当接される位置において当該感光体1Yと同方向に移動する方向に所定の周速度により回動駆動されるものである。
2次転写手段としての2次転写ローラー5bは、中間転写体70上のトナー像を給紙カセット20から所定のタイミングで搬送された記録材P上に転写するものであり、公知のものを用いることができる。
なお、記録材としては、トナー像が転写されることができるものであればよく、例えば、樹脂シート、シート状の紙などが挙げられる。
定着手段24は、2次転写ローラー5bにより記録材P上に転写されたトナー像を一対のローラーにより加熱加圧して、当該トナー像を記録材P上に定着させるものであり、公知のものを用いることができる。
画像形成処理中において、1次転写ローラー5Yは中間転写体70を介して、常時、感光体1Bkに当接している。他の1次転写ローラー5Y,5M,5Cはカラー画像形成時にのみ、それぞれ対応する感光体1Y,1M,1Cに中間転写体70を介して当接する。
2次転写ローラー5bは、記録材Pが通過して2次転写が行われる時にのみ、中間転写体70に当接する。
また、装置本体Aから筐体8を支持レール82L,82Rを介して引き出し可能にしてある。
このような画像形成装置においては、画像形成ユニット10Y,10M,10C,10Bkにおいて、感光体1Y,1M,1C,1Bk上に、帯電手段2Y,2M,2C,2Bkにより帯電、露光手段3Y,3M,3C,3Bkにより露光、トナー像形成手段4Y,4M,4C,4Bkにより現像を経て各色のトナー像が形成され、1次転写ローラー5Y,5M,5C,5Bkにより中間転写体70上に各色のトナー像が順次重ね合わされて転写される。そして、給紙カセット20内に収容された記録材Pが、給紙搬送手段21により給紙され、複数の中間ローラー22A、22B、22C、22D、レジストローラー23を経て、2次転写ローラー5bに搬送されるとともに、当該記録材P上に中間転写体70上に転写されたカラートナー像が一括して転写される。その後、記録材P上に転写されたカラートナー像が定着手段24において加圧及び加熱により定着され、カラートナー像が定着された記録材Pが排紙ローラー25に挟持されて機外の排紙トレイ26上に載置される。トナー像を中間転写体70に転写させた後の感光体1Y,1M,1C,1Bkは、クリーニング手段6Y,6M,6C,6Bkにより転写時に感光体に残されたトナーを清掃した後に、次の画像形成に供される。
一方、2次転写ローラー5bにより記録材P上にカラートナー像を転写した後、記録材Pを曲率分離した中間転写体70は、クリーニング装置6Aにより残留トナーが除去される。
<光学センサー>
本発明に係る光学センサー(図示せず)は、可視光又は1000nm以下の近赤外光の中から選ばれる、いずれかの波長λ1を検出する。
これにより、本発明に係る光学センサーは、中間転写体70上のトナー濃度(トナー付着量)を検知する。光学センサーとしては、公知のものを使用でき、具体的には、例えば、IDCセンサー(Image Density Control Sensor)などを使用できる。
光学センサーは、中間転写体上のトナー濃度について、前記光学センサーを用いて計測する手段(図示せず)であることが好ましい。具体的には、例えば、光学センサーは、1次転写ローラー5Bkの下流側かつ2次転写ローラー5bの上流側における記録材Pに垂直な方向の手前側及び奥側にそれぞれ設けられており、トナー像の手前側の部分及び奥側の部分のトナー付着量をそれぞれ検知するものであることが好ましい。
なお、光学センサーが検出する可視光の好ましい波長の範囲は、400〜1000nmの範囲内であり、更に好ましくは、600〜1000nmの範囲内である。このような光学センサーであれば、光学センサーを容易に入手でき、また、精度が過度に高すぎることがないため、各色のトナー濃度の検知容易性を十分とすることができる。
なお、本発明の構成によれば、前記複合粒子の平均粒径r1と波長λ1とが、下記関係式(6)を満たすことができる。このような条件では、センサーが検出する波長λの半分未満の粒径であるため、従来技術では光を散乱する効果が小さかった。
しかしながら、本発明に係る複合粒子は屈折率の異なる材料によって2層化されている。このため、関係式(6)をみたすような場合であっても、光を散乱及び反射させる効果を向上させることができ、この結果、干渉を起こすような正反射光の割合を減らすことができ、ひいては、本発明の効果を十分に得ることができる。
2×r1<λ1・・・関係式(6)
なお、関係式(6)を満たすような小さな粒径の粒子とすることで、表面層形成用の塗布液に容易に分散させることができ、また、表面層の厚さも薄くできるという、製造上でも、設計上でも好ましいものとすることができる。
なお、本発明を適用可能な実施形態は、上述した実施形態に限定されることなく、本発明の趣旨を逸脱しない範囲で適宜変更可能である。
例えば、上記では、本発明に係る複合粒子を、第1の材料と、第2の材料との2層構造を有する粒子を例に説明したが、本発明に係る複合粒子は、これに限定されず、3層以上の構成を有するものであってもよい。
また、表面層に、複合粒子のほかに導電性の材料を含有させてもよく、このような導電性の材料として本発明に係る複合粒子を採用するほか、その他、公知の導電性の材料を含有させてもよい。このような公知の導電性の材料としては、特に限定されないが、例えば、ITO(インジウム−スズ複合酸化物)、酸化スズ、酸化亜鉛、酸化チタン、カーボンブラック、カーボンナノチューブ、グラフェン、などの公知の導電性の材料からなる粒子(導電性粒子)を1種類以上使用又は併用して、本発明に係る複合粒子とは異なる態様で添加することとしてもよい。
また、本発明に係る表面層は、必要に応じて、上述の材料以外にも、本発明の効果発現を阻害しない範囲内で、その他の材料(例えば、公知の酸化防止剤など。)を含有していてもよい。
以下、実施例を挙げて本発明を具体的に説明するが、本発明はこれらに限定されるものではない。なお、実施例において「部」又は「%」の表示を用いるが、特に断りがない限り「質量部」又は「質量%」を表す。
[粒子1〜粒子7、粒子11〜粒子13の作製]
以下のようにして、粒子1〜粒子7、粒子11〜粒子13を作製した。なお、粒子1〜粒子7、粒子11は、コア材料を含有するコア部(粒子)の周囲がシェル材料からなるシェルによって被覆されたコア・シェル構造を有する複合粒子であった。なお、コア・シェル構造については、高分解透過型電子顕微鏡によるエネルギー分散型分光法とX線光電子分光法による分析から、各粒子の中心部分と表層部分の元素比率を求めることにより確認した。
<粒子1の作製(第1の材料(以下、「コア材料」ともいう。)=ホウ酸アルミニウム、第2の材料(以下、「シェル材料」ともいう。)=酸化スズ)>
平均粒径が、0.1μmのホウ酸アルミニウムの粒子 100gを水300mL中に25℃で懸濁させた。次いで、50%NaOH水溶液50gを添加し、その後水200mL中に溶解させた75.8gのNa2[Sn(OH)6]を添加した。撹拌を30分間続けて懸濁液中の全ての成分を均一に分散させた。次いで、希硫酸を3時間にわたって滴下してpHを3.0(液温は25℃)に下げて、ホウ酸アルミニウムの粒子上に水和二酸化スズの層を析出させた。さらに懸濁液を撹拌しながら、上記のpHに5時間保持して熟成させた。その後、固形物を濾過分離し、水洗し、乾燥機で乾燥し、マッフル炉中において900℃で焼成し、粒子1を作製した。
<粒子2の作製(コア材料=ホウ酸アルミニウム、シェル材料=酸化亜鉛)>
原子層堆積法の装置(Beneq社製装置TFS200)を用い、以下のようにして、粉末用トレイ内に薄く敷き詰めたコア材料であるホウ酸アルミニウムの表面を、酸化亜鉛で被覆した。
まず、真空チャンバー内部の粉末用トレイに、コア材料の粉末を挿入する。
次に、真空チャンバー内をポンプにより排気し、5Pa(以下、「排気後の気圧」という。)とした後、ヒーターにより前記粉末を300℃まで加熱した。この温度を一時間維持して、吸着水、吸着ガスを除去した。
その後、被覆層を成膜するため、以下の原子層堆積法の4工程プロセスを所望の粒径となるまで繰り返した。
次に被覆層の外側にさらなる被覆層を成膜するため上記原料ガス1及び原料ガス2を下記原子層堆積法の4工程プロセスを更に繰り返し、順次層を堆積させていき、酸化亜鉛の厚さが規定値になるまで繰り返して、成膜を完了させた後、真空チャンバーを大気圧に開放して、表Iに記載の完成粒子の平均粒径を有する粒子2を作製した。
−原子層堆積法の4工程プロセス−
第1工程:原料ガス1のガスを、反応室内に入れる
第2工程:反応室内の不要なガス余分を排気する
第3工程:原料ガス2のガスを、反応室内に入れる
第4工程:反応室内の不要なガスを排気する
なお、上記において、
原料ガス1(金属元素源)は、ジエチル亜鉛(シグマ アルドリッチ製)であり、
原料ガス2(酸素元素源)は、H2O(シグマ アルドリッチ製)である。
なお、各原料ガスの発生温度は150℃とした。
<粒子3の作製(コア材料=硫酸バリウム、シェル材料=酸化スズ)>
平均粒径が0.1μmの硫酸バリウム 100gを水300mL中に25℃で懸濁させた。次いで、50質量%NaOH水溶液50gを添加し、その後水200mL中に溶解させた75.8gのNa2[Sn(OH)6]を添加した。撹拌を30分間続けて懸濁液中の全ての成分を均一に分散させた。次いで、20質量%希硫酸を3時間にわたって滴下してpHを2.5に下げて、粒子上に水和二酸化スズの層を析出させた。さらに懸濁液を撹拌しながら、上記のpHに4時間保持して熟成させた。導電率が300μS/cm以下となるまで洗浄した後、ヌッチェ濾過を行い、ケーキを得た。その後、乾燥機で乾燥し、マッフル炉中において900℃で40分間焼成し、粒子3を作製した。
<粒子4の作製(コア材料=アルミナ、シェル材料=酸化チタン)>
粒子2の作製において、条件を次のように変更した以外は、表Iに記載のコア部の平均粒径、所望の平均粒径(表Iには、「完成粒子の平均粒径r1」と記載。)となるまで、成膜を行い、粒子4を得た。
コア材料:アルミナ
排気後の気圧:2Pa
原料ガス1:テトラキス(ジメチルアミド)チタン(IV)(アルドリッチ製)
原料ガス2:H2O(アルドリッチ製)
原料ガス発生温度:180℃
<粒子5の作製(コア材料=チタン酸バリウム、シェル材料=酸化スズ)>
粒子2の作製において、条件を次のように変更し、さらに、表Iに記載のコア部の平均粒径、完成粒子の平均粒径r1となるようしたほかは粒子2の作製と同様にして、粒子5を得た。
コア材料:チタン酸バリウム
原料ガス1:テトラキス(ジメチルアミド)スズ(IV)(アルドリッチ製)
原料ガス2:H2O(アルドリッチ製)
原料ガス発生温度:160℃
<粒子6(コア材料=空気、シェル材料=架橋スチレン・アクリル樹脂)>
JSR製中空粒子SX866を使用した。
なお、樹脂からなる粒子6を使用する場合、表面層には導電性粒子を別途添加した。この導電性粒子としては、酸化スズ粒子(CIKナノテック社製)を用いた。
<粒子7の作製(コア材料=アルミナ、シェル材料=酸化スズ)>
粒子7については、粒子1の作製において、0.1μmのホウ酸アルミニウムの粒子のかわりに、アルミナを用い、表Iに記載のコア部の平均粒径、完成粒子の平均粒径r1となるようしたほかは、粒子1と同様にして作製した。
<粒子11の作製(コア材料=酸化スズ、シェル材料=酸化亜鉛)>
粒子11は、粒子2の製造方法において、コア材料を酸化スズとしたほかは、表Iに記載のコア部の平均粒径、完成粒子の平均粒径r1となるまで、成膜を行ったほかは、同様にして製造した。
<粒子12(コア材料=酸化チタン、シェル材料=なし)>
粒子12は、テイカ社製 酸化チタンMT−500B(平均粒径35nm)を用いた。
<粒子13の作製(コア材料=酸化スズ、シェル材料=なし)>
粒子13は、酸化スズ(CIKナノテック社製)を用いた。
Figure 2018128524
[粒子の表面修飾]
上記粒子1〜粒子7、粒子11〜粒子13のうち、粒子6以外の粒子は全て、以下の方法で表面修飾をした上で、表面層に含有させた。
なお、粒子6を表面層に使用する場合、粒子6は表面修飾をせずに用いるが、粒子6と併用する酸化スズ粒子については、以下の方法で表面修飾をした。
<粒子の表面修飾の方法>
まず、表面修飾をする粒子100体積部に対して、表面修飾剤である3−アクリロキシプロピルトリメトキシシラン(KBM−5103;信越化学工業株式会社)15体積部と、溶媒(トルエン:イソプロピルアルコール=1:1(体積比)の混合溶媒)400体積部とを混合し、湿式メディア分散型装置を使用して分散し、その後溶媒を除去した。続いて、150℃で30分間乾燥して、表面修飾された粒子を得た。
<粒子1〜粒子7、粒子11〜粒子13の平均粒径の測定>
粒子1〜粒子7、粒子11〜粒子13について、株式会社日立ハイテクノロジーズ社製走査型電子顕微鏡S−5500にて加速電圧5kV、10万倍にて観察を行い、観察視野から無作為に100個の粒子を抽出した。抽出された100個の粒子について、「最大径及び最小径の平均の値r0」を計算し、当該値r0を平均した値を複合粒子の平均粒径r1とした。結果は、表Iの完成粒子の平均粒径r1として記載した。
<コア部の粒径>
コア部粒径(平均粒径)については、粒子1〜粒子7、粒子11〜粒子13の平均粒径の測定において、「粒子1〜粒子7、粒子11〜粒子13」を表面被覆層を形成する前の粒子に換えたほかは同様の方法で、測定した。
[中間転写体1〜中間転写体9、中間転写体11〜中間転写体13の作製]
<PPS製、PI製、PAI製の樹脂基層の作製>
(PPS製の樹脂基層の作製)
ポリフェニレンスルフィド樹脂(E2180;東レ株式会社)100体積部と、導電フィラー(カーボンブラック#3030B;三菱化学株式会社)16体積部と、グラフト共重合体(モディパー(登録商標)A4400;日本油脂株式会社)1体積部と、滑材(モンタン酸カルシウム)0.2体積部とを単軸押出機に投入し、溶融混練させて樹脂混合物を得た。
次いで、単軸押出機の先端に、スリット状で無端ベルト状の吐出口を有する環状ダイスを取り付けた。そして、得られた上記樹脂混合物を、無端ベルト状に押し出した。次いで、押し出された無端ベルト状の樹脂混合物を、吐出先に設けた円筒状の冷却筒に外挿させて冷却して固化することにより、厚さ120μm、周長750mm、幅359mmでシームレス円筒状(無端ベルト状)の中間転写体用の樹脂基層を作製した。
(PI製の樹脂基層の作製)
3,3′,4,4′−ビフェニルテトラカルボン酸二無水物(BPDA)とp−フェニレンジアミン(PDA)とからなるポリアミド酸のN−メチル−2−ピロリドン(NMP)溶液(「ユーワニスS」(宇部興産社製、固形分18質量%))に、乾燥した酸化処理カーボンブラック(「SPECIAL BLACK4」(Degussa社製、pH3.0、揮発分:14.0%))をポリイミド系樹脂固形分100質量部に対して、23質量部になるよう添加した。この組成物を2分割後、衝突型分散機「GeanusPY」(シーナス製)を用い、圧力200MPa、最小面積が1.4mmで衝突させ、再度2分割する経路を5回通過させて、混合して、カーボンブラック入りポリアミド酸溶液を得た。
カーボンブラック入りポリアミド酸溶液を円筒状金型内面に、ディスペンサーを介して0.5mmに塗布し、1500rpmで15分間回転させて均一な厚さを有する展開層とした。さらに250rpmで回転させながら、金型の外側より60℃の熱風を30分間当てた後、150℃にて60分間加熱した。その後、360℃まで2℃/分の昇温速度で昇温し、更に360℃で30分加熱して溶媒の除去、脱水閉環水の除去、及びイミド転化反応の完結を図った。その後室温に戻し、金型から剥離し、総厚100μm、周長750mm、幅359mmの無端ベルト状の中間転写体用の樹脂基層を作製した。
(PAI製の樹脂基層の作製)
ポリアミドイミドワニス(東洋紡株式会社製、バイロマックス(登録商標)HR−11NN、溶媒:NMP、含まれるポリアミドイミド樹脂の重量平均分子量:7.2万、含まれるポリアミドイミド樹脂の数平均分子量:1.9万)963.86gと、カーボンナノファイバー分散液(宇部興産株式会社製、AMC(登録商標)、5.0質量%分散液、溶媒:NMP、カーボンナノファイバーの平均粒径:11nm)36.145gとを混合し、数回分に分けて自転公転ミキサー(株式会社シンキー製、AR−250)で脱泡し、塗布液とした。
得られた塗布液を、円筒状金型の外面にディスペンサーで塗布後、回転させ均一な塗布面を得た。金型の外側より60℃の熱風を30分間あてた後、150℃で60分間加熱、その後250℃で60分間焼成を実施した。その後室温(25℃)に戻し、金型から剥離し、無端ベルト状の中間転写体用の樹脂基層を(厚さ:80μm、周長750mm、幅359mm)を得た。
[中間転写体1の表面層の形成]
<表面層形成用塗布液の調製>
アクリルモノマーとして下記モノマー1を75体積部と、表面修飾が施された粒子1を25体積部と、光重合開始剤1(Irgacure(登録商標)OXE02;BASFジャパン社)を5体積部と、反応促進剤(KAYACURE EPA 日本化薬社)を5体積部と、を固形分濃度が10質量%となるように、溶剤であるMIBK(メチルイソブチルケトン)中に溶解、分散させることにより表面層形成用塗布液を調製した。
Figure 2018128524
<表面層の形成>
樹脂基層の外周面上に、上記表面層形成用塗布液を、塗布装置を使用して浸漬塗布方法(塗布液供給量:1L/min)によって、乾燥膜厚が6.0μmとなるように塗布することによって塗膜を形成した。この状態を、表面層を形成する直前(硬化直前)の中間転写体の前駆体という。次いで、形成した塗膜に活性光線(活性エネルギー線)として紫外線を、下記の照射条件で照射することにより、塗膜を硬化して表面層を形成し、中間転写体1を得た。なお、紫外線の照射は、光源を固定し、樹脂基層の外周面上に塗膜が形成された前駆体を周速度60mm/sで回転しながら行った。
(紫外線の照射条件)
光源の種類:365nm LED光源(SPX−TA;アイグラフィックス社)
照射口から塗膜の表面までの距離:60mm
雰囲気:窒素(酸素濃度 600ppm)
照射光量:2.2J/cm
照射時間(前駆体の回転時間):240秒間
[中間転写体2〜9、中間転写体11〜13の表面層の形成]
中間転写体1の表面層の形成において、表IIに記載の平均厚さ、アクリルモノマー(表IIには「モノマー」と記載。)、粒子及び光重合開始剤の種類並びに樹脂基層の材料種を変更して表面層を形成し、中間転写体2〜9、中間転写体11〜13を得た。なお、モノマー3はnが2のものを使用した。
なお、表面層の平均厚さは、膜厚プロフィールを作製して、膜厚が均一である部分から無作為に抽出した10か所について厚さを測定し、その平均値とした。厚さの測定には、渦電流方式の膜厚測定器「EDDY560C」(HELMUT FISCHER GmbH CO社製)を用いた。
また、表IIに記載の表面層の屈折率n3は、表面層を構成する樹脂(すなわち、結着樹脂。)の屈折率である。
Figure 2018128524
[評価]
以下、製造した中間転写体1〜9、11〜13について、下記(1)及び(2)の評価を行った。
(1)光学センサーによる計測の安定性(光学センサーのばらつき値6σ(E1)/E1及び6σ(E2)/E2
(2)耐久性
[(1)光学センサーによる計測の安定性]
<実施例1〜9、比較例1〜3>
画像形成装置として、コニカミノルタ社製 bizhub C558を用いた。bizhub C558の正規の中間転写ユニットについて、転写ベルトのみを中間転写体1〜9及び11〜13に置き換えて、評価を行った(表III参照。)。
なお、計測環境は20℃50%RHであった。
まず、画像形成装置の画像安定化に関する全ての履歴をリセットした後で、画像安定化を実施した。この状態において、カラーの設定で白紙を印刷した。なお、印刷は普通紙に印刷する速度にてA3用紙で3枚行い、画像形成装置に内蔵の光学センサー(カラー用、黒用の2個、両方とも、波長940nmの光を検出する光学センサーである。)を用いて、光学センサーの値の読み取りを行った。サンプリングレートは10m秒である。なお、上記画像形成装置に内蔵の光学センサーは、光量を電圧変換して得られる電圧の値を出力できるものであり、上記光学センサーの値とは、当該電圧の値である。なお、得られる電圧の値は、光量に比例する。
画像を印刷する際の各光学センサーが示す値について、それぞれ、カラー用の光学センサーが示す値の平均値をE1、黒用の光学センサーが示す値の平均値をE2として求めた。次に、各光学センサーが示す値の標準偏差σの6倍の値の6σ(E1)、6σ(E2)に基づき変動(6σ(En)/En)を計算し、これを光学センサーによる計測の安定性の指標とした。結果は表IVに示すとおりである。
(評価基準)、
◎最良(合格):6σ(En)/En≦0.07
○良(合格) :0.07<6σ(En)/En≦0.1
×不可(不合格):0.1<6σ(En)/En≦0.15
××不可(不合格):0.15<6σ(En)/En
なお、上記6σ(En)/Enにおいて、nは1又は2を表す。
(実施例10について)
実施例1における2個の光学センサーが検出する光の波長を645nmとなるように変更した以外は、実施例1と同様に光学センサーの計測を行い、光学センサーによる計測の安定性を評価した。
なお、実施例1〜10及び比較例1〜3において、使用した中間転写体は表IIIに記載のとおりである。
Figure 2018128524
[耐久性の評価]
上記中間転写体1〜9及び11〜13及び表面層を形成する直前(硬化直前)の中間転写体1〜9及び11〜13の前駆体について、フーリエ変換赤外分光計を用いて、以下に示す条件でIRスペクトルの採取を行い、原料の多官能アクリレートに由来するC=C伸縮ピークの強度比率を計測して、表面層を構成する結着樹脂の反応率を測定し、耐久性の評価を行った。
反応率は、下記式で求めた。
反応率[%]=100×[(硬化直前の塗膜におけるC=C伸縮ピーク高さ)−(表面層におけるC=C伸縮ピーク高さ)]/(硬化直前の塗布膜におけるC=C伸縮ピーク高さ)
なお、上記「硬化直前の塗膜」とは、表面層を形成する直前(硬化直前)の中間転写体1〜9及び11〜13の前駆体において、樹脂基層の外周面上に表面層形成用塗布液が塗布されることで形成された塗膜である。
また、上記式において、「表面層」とは、塗膜が硬化されることで形成された表面層であり、上述のようにして製造された中間転写体1〜9及び11〜13の表面層を示す。
(評価基準)
◎(合格) :90%以上
○(合格) :86%以上90%未満
×(不合格) :82以上86%未満
××(不合格):82%未満
Figure 2018128524
[まとめ]
実施例1〜10により、本発明によれば、トナー濃度を検知するための光学センサーの計測を安定させることが可能で、かつ、耐久性の高い中間転写体が提供できることが示された。
なお、実施例7は、屈折率差(|n1−n2|)がやや小さい複合粒子を用いた関係で、優秀な結果には至っていないが、本発明の効果を十分に奏することが示されている。
比較例1では、屈折率差のない粒子を使っているため、光学センサーの計測を安定させる効果が得られない。これは、比較例1で使用されている粒子11が、コア材料及びシェル材料に屈折率差がないため、コア部及びシェルの界面において、光が散乱及び反射しないためと考えられる。
比較例2では、特に、高屈折率の酸化チタン粒子(単層)を多量に用いたものである。このため、比較例12では、光学センサーの計測を安定させることはできるが、酸化チタン粒子が有するUV光を吸収する性質及び光触媒活性のために、アクリルモノマーの反応率が著しく低くなり、この結果、架橋不足によって機械的強度が不足し、ひいては耐久性に問題が生じるため、実用的ではない。
比較例3は、単層の粒子であるので、光が散乱及び反射する頻度を上げる効果を得られておらず、光学センサーの計測を安定させることが全くできていない。
210 中間転写体
210a 樹脂基層
210b 表面層
210c 弾性層

Claims (12)

  1. 静電潜像担持体に担持されたトナー像を、中間転写体に1次転写した後、前記トナー像を前記中間転写体から記録材に2次転写する画像形成装置に用いる中間転写体であって、
    前記中間転写体が、無端ベルト状であり、かつ、少なくとも樹脂基層と表面層とを含んでおり、
    前記表面層が、結着樹脂と、第1の材料及び第2の材料を含有する複合粒子とを含有し、
    前記複合粒子が、少なくとも、前記第1の材料の周囲が前記第2の材料で被覆された構成であり、
    前記第1の材料の屈折率をn1とし、前記第2の材料の屈折率をn2としたとき、下記関係式(1)を満たすことを特徴とする中間転写体。
    1≠n2・・・関係式(1)
    [上記式中、屈折率n1及びn2は、波長500〜800nmの範囲において、同一の波長で計測した値である。]
  2. 前記第1の材料の屈折率n1及び前記第2の材料の屈折率n2が、下記関係式(2)を満たすことを特徴とする請求項1に記載の中間転写体。
    0.30<|n1−n2|・・・関係式(2)
  3. 前記第2の材料として、導電性の材料を含有することを特徴とする請求項1又は請求項2に記載の中間転写体。
  4. 前記導電性の材料として、酸化スズ、酸化亜鉛及び酸化チタンのいずれかを含有することを特徴とする請求項3に記載の中間転写体。
  5. 前記結着樹脂の屈折率n3としたとき、前記第1の材料の屈折率n1及び前記第2の材料の屈折率n2が、下記関係式(3)及び関係式(4)を満たすことを特徴とする請求項1から請求項4までのいずれか一項に記載の中間転写体。
    1<n2・・・関係式(3)
    3<n2・・・関係式(4)
  6. 前記複合粒子の平均粒径が、100〜300nmの範囲内であることを特徴とする請求項1から請求項5までのいずれかに記載の中間転写体。
  7. 前記結着樹脂として、少なくとも多官能の(メタ)アクリルモノマーに由来する構成単位からなる硬化(メタ)アクリル樹脂を含有することを特徴とする請求項1から請求項6までのいずれか一項に記載の中間転写体。
  8. 前記樹脂基層に主成分として含有される樹脂の屈折率をn4としたとき、下記関係式(5)を満たすことを特徴とする請求項1から請求項7までのいずれか一項に記載の中間転写体。
    1.6≦n4・・・関係式(5)
  9. 前記樹脂基層に主成分として含有される樹脂が、ポリイミド、ポリフェニレンスルフィド及びポリアミドイミドのいずれかであることを特徴とする請求項1から請求項8までのいずれか一項に記載の中間転写体。
  10. 前記表面層の厚さの平均が、6μm以下であることを特徴とする請求項1から請求項9までのいずれか一項に記載の中間転写体。
  11. 静電潜像担持体に担持されたトナー像を、中間転写体に1次転写した後、前記トナー像を前記中間転写体から記録材に2次転写する画像形成装置であって、
    請求項1から請求項10までのいずれか一項に記載の中間転写体と、可視光又は1000nm以下の近赤外光の中から選ばれる、いずれかの波長λ1を検出する光学センサーと、を備え、
    前記中間転写体上のトナー濃度について、前記光学センサーを用いて計測する手段を有することを特徴とする画像形成装置。
  12. 前記複合粒子の平均粒径r1と前記波長λ1とが、下記関係式(6)を満たすことを特徴とする請求項11に記載の画像形成装置。
    2×r1<λ1・・・関係式(6)
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